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  • 特開-ポケット付き衣服 図1
  • 特開-ポケット付き衣服 図2
  • 特開-ポケット付き衣服 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022011585
(43)【公開日】2022-01-17
(54)【発明の名称】ポケット付き衣服
(51)【国際特許分類】
   A41D 27/20 20060101AFI20220107BHJP
   A41D 1/00 20180101ALI20220107BHJP
【FI】
A41D27/20 Z
A41D27/20 B
A41D27/20 H
A41D1/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020112813
(22)【出願日】2020-06-30
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】503001654
【氏名又は名称】大橋 陽
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(74)【代理人】
【識別番号】100196313
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 大輔
(72)【発明者】
【氏名】大橋 陽
【テーマコード(参考)】
3B030
3B035
【Fターム(参考)】
3B030AA06
3B035AA17
(57)【要約】
【課題】本発明の解決しようとする課題は、衣服のポケットに収納された状態で、スマートフォン等携帯端末の着信に応答することが可能なポケット付き衣服を提供することにある。
【解決手段】本発明は、ポケットを有する衣服であって、
前記ポケットが、表生地と、裏生地と、これらの間に形成される収納空間を有し、前記表生地の少なくとも一部が導電性生地から成る導電部であることを特徴とする。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポケットを有する衣服であって、
前記ポケットが、表生地と、裏生地と、これらの間に形成される収納空間とを有し、前記表生地の少なくとも一部が導電性生地から成る導電部であることを特徴とするポケット付き衣服。
【請求項2】
前記導電部が、図形、マーク、絵、文字又はこれらの組み合わせを含む操作用ガイドを有することを特徴とする、請求項1に記載のポケット付き衣服。
【請求項3】
前記導電部が、前記表生地の下方に位置することを特徴とする、請求項1又は2に記載のポケット付き衣服。
【請求項4】
前記ポケットを構成する前記表生地の上辺の全長が、前記ポケットを構成する前記表生地の底辺の全長よりも長いことを特徴とする、請求項1~3の何れかに記載のポケット付き衣服。
【請求項5】
前記導電部が、前記ポケットの下から1/4~2/3の領域を占めることを特徴とする、請求項1~4の何れか一項に記載のポケット付き衣服。
【請求項6】
前記裏生地が、防水性生地から成ることを特徴とする、請求項1~5の何れか一項に記載のポケット付き衣服。
【請求項7】
前記裏生地のさらに身体側に第3の生地を有し、該裏生地と第3の生地の間には第2の収納空間が形成される、請求項1~6の何れか一項に記載のポケット付き衣服。
【請求項8】
前記ポケットが、前記ポケットの開口を閉じるための閉口部材を有することを特徴とする、請求項1~7の何れか一項に記載のポケット付き衣服。
【請求項9】
請求項6に記載のポケット付き衣服の製造方法であって、
衣服用生地と、防水性生地から成る略矩形型の前記裏生地と、前記導電部を有する略矩形型の前記表生地をこの順に重ね、前記衣服用生地、前記裏生地及び前記表生地の3辺で縫合する、製造方法。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポケット付き衣服に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々な形状のポケットを設けた衣服が販売されている。衣服の着用者は様々な物品をポケットに収納し、携帯することが可能である。例えば、ワイシャツ、ジャケット等の上衣用衣服は、筆記用具等の小物の収納に用いるため、胸周辺にポケットを設けたデザインが広く知られている。
【0003】
ところで、近年、スマートフォン等の携帯端末の普及に伴い、携帯端末を衣服のポケットに収納し、持ち歩くことが多くなっている。そこで、スマートフォンが収納可能な、大型の胸ポケットを縫着したシャツが提案されている。
【0004】
特許文献1には、スマートフォンを収納可能な胸ポケットを備えたワイシャツが開示されており、スマートフォンの落下を防止するため、マグネットホック又はファスナーを有する形態が記載されている。
特許文献2には、スマートフォンを収納可能な内部ポケット付きシャツが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3209479号公報
【特許文献2】実用新案登録第3218280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ポケットにスマートフォン等の携帯端末を収納していると、着信があった場合にはポケットの中から端末を取り出して応答する必要がある。そうすると、例えば現場での作業中に着信があった場合、ポケットから携帯端末を取り出して着信応答するのは手間がかかる。
【0007】
かかる事情に鑑み、本発明は、衣服のポケットに収納された状態で、スマートフォン等の着信に応答することが可能なポケット付き衣服を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明は、ポケットを有する衣服であって、前記ポケットが、表生地と、裏生地と、これらの間に形成される収納空間を有し、前記表生地の少なくとも一部が導電性生地から成る導電部であるポケット付き衣服である。
本発明の衣服は、表生地の少なくとも一部が導電性生地であることで、ポケットの内部に収納されたスマートフォン等のタッチパネルを、スマートフォンをポケットから取り出すことなく操作することが可能となる。
【0009】
本発明の好ましい形態では、前記導電部が、図形、マーク、絵、文字又はこれらの組み合わせを含む操作用ガイドを有する。
このような操作用ガイドを有することで、ポケットに収納されたスマートフォン等のボタンが目視できなくても、液晶パネルを操作することができる。
【0010】
本発明の好ましい形態では、前記導電部が、前記表生地の下方に位置する。
導電部をポケットの下方に配置することで、スマートフォン等の液晶パネルの下方に存在するボタン等であっても容易に操作することができる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記ポケットを構成する前記表生地の上辺の全長が、前記ポケットを構成する前記表生地の底辺の全長よりも長い。
ポケットをこのような形態とすることで、スマートフォン等の収納がしやすく、かつ収納後にはスマートフォンの収納位置が安定するため、着信応答時の操作安定性が向上する。
【0012】
本発明の好ましい形態では、前記導電部が、前記ポケットの下から1/4~2/3の領域を占める。
導電部の占める比率を上記の値とすることで、導電部をスマートフォン等の着信応答ボタンに対応するよう配置することができる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記裏生地が、防水性生地から成る。
このような形態とすることで、汗等によって肌に接触する生地が濡れたとしても、ポケット内部まで水分が浸透せず、前記収納空間に収納されたスマートフォン等を水分から保護することができる。
【0014】
本発明の好ましい形態では、前記裏生地のさらに身体側に第3の生地を有し、該裏生地と第3の生地の間には第2の収納空間が形成される。
このような形態を有するポケット付き衣服は、各収納空間に複数の物品を収納することが可能となる。
【0015】
本発明の好ましい形態では、前記ポケットが、前記ポケットの開口を閉じるための閉口部材を有する。
このような形態とすることで、ポケットの収納空間に収納された物品が、ポケットから落下するのを防止することができる。
【0016】
また、上記課題を解決する本発明は、衣服用生地と、防水性生地から成る略矩形型の前記裏生地と、前記導電部を有する略矩形型の前記表生地をこの順に重ね、前記衣服用生地、前記裏生地及び前記表生地の3辺で縫合する、ポケット付き衣服の製造方法である。
このような製造方法を用いることで、スマートフォン等の携帯端末収納用のポケットだけでなく、さらにもう一つのポケットを備えた二重ポケットを有する衣服を、容易に作成することができる。
【発明の効果】
【0017】
開示した技術によれば、衣服のポケットに収納したスマートフォン等の携帯端末を取り出すことなく、着信に応答することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態に係る衣服の正面図である。
図2】本発明の実施形態に係るポケットを示す図であり、それぞれ、ポケットの拡大図(a)、(a)のI-I’線断面図(b)、及びポケットの寸法を示す模式図(c)を示す。
図3】本発明の実施形態に係る操作用ガイドの使用方法を示すための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係るポケット付き衣服、及びポケット付き衣服の製造方法について説明するが、本発明の技術的範囲は、添付図面に示した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、適宜変更が可能である。
【0020】
本実施形態に係るポケット付き衣服1について、図1及び2を参照しつつ説明する。
本実施形態において、ポケット付き衣服1は、衣服本体の生地である衣服用生地2(第3の生地)及びポケット3を備える。
【0021】
図2に示すように、ポケット3は表生地31及び裏生地32から構成され、表生地31及び裏生地32の間には収納空間Xが存在する。ポケット3の開口から収納空間Xへ、スマートフォンSを収納することができる。
【0022】
本発明のスマートフォンSは、表生地31側にスマートフォンSの操作画面が触れるように収納空間Xへ収納することが好ましい。スマートフォンSを収納する向きは特に限定されず、縦向き又は横向きの何れも可能であるが、スマートフォンSの下方を下に向け、縦向きに収納することが好ましい。
【0023】
本実施形態に係るポケット3は、上記収納空間Xと共に第2の収納空間Yを備える、二重ポケットである。第2の収納空間Yは、図2(b)に示すように、衣服用生地2と、ポケット3の裏生地32の間に生じる空間である。
【0024】
本実施形態において、ポケット3の表生地31は、下方に導電性生地で構成された導電部4を備える。
【0025】
本発明の導電部4は、ポケット3の下方から好ましくは1/4~2/3、より好ましくは1/3~1/2の領域を占める。
導電部4の占める比率をこのような範囲とすることで、導電部4をスマートフォンの着信応答ボタンに対応するよう配置することができる。
なお、本実施形態では表生地31の一部が導電部4である形態を示しているが、表生地31のすべてが導電部4で構成されていても良い。
【0026】
本発明で用いられる導電性生地は、導電性の高いものであれば汎用のものを用いることができ、例えば、生地の繊維の表面に金属メッキ加工を施した導電性不織布又は導電性布を用いることができる。メッキ加工に用いられる金属素材としては、銅、ニッケル、コバルト、銀等が挙げられる。
【0027】
本実施形態における導電部4は、表面に操作用ガイド41を有する。前記操作用ガイド41は、スマートフォン等の着信があった際に触れる、導電部4の位置を表す。
【0028】
本実施形態において、操作用ガイド41は、第一ボタン411、第二ボタン412及び方向ガイド413を有する。操作用ガイド41は、スマートフォン等の着信画面に表示される応答ボタンの位置に対応するように配置されることが好ましい。具体的には、導電部4周縁から0.5~5.0cm、より好ましくは0.8~4.0cmの範囲内にあることが好ましい。
【0029】
続いて、図3を用いて、本発明の一実施形態に係る操作用ガイド41の使用例について、具体例を挙げて説明する。なお、以下にいう「着信応答」とは、スマートフォン等の着信に応答し、通話可能な状態とすることを指す。
スマートフォン等は、操作画面が表生地に接するように収納する。この際、スピーカーでの音声通話ができるように予め設定しておく。
【0030】
図3(a)は、着信時に一度ボタンを押せば応答可能な着信画面における、操作用ガイド41の使用方法を示す。該当する着信画面としては、着信時に「応答」及び「拒否」のボタンが表示されるものが挙げられる。
図3(a)における第一ボタン411は、スマートフォン等の着信画面における応答ボタンに対応する位置に備えられ、第二ボタン412は拒否ボタンに対応する位置に備えられている。
着信があった場合、第一ボタン411に触れるだけで通話可能な状態となる。一方で、応答を拒否する場合、第二ボタン412に触れると、着信を切ることができる。
【0031】
図3(b)及び(c)は、応答ボタンに触れた後、一定方向に指を移動(スワイプ)させることで応答可能となる着信画面における、操作用ガイド41の使用方法を示す。
このような着信画面の場合には、第一ボタンは、着信画面における応答ボタンに対応する位置に設けられ、着信応答時に初めに触れる導電部4の位置を示す。第二ボタン412は導電部4から指等を離す位置を、方向ガイド413は導電部4に触れた後、指等を動かす方向を示す。
【0032】
図3(b)に係る実施形態では、着信応答時に第一ボタン411に触れた後、方向ガイド413に沿って指を水平方向にスライドさせ、第二ボタン412に到達したところで指を導電部4から離すことで、着信に応答することができる。
図3(c)に係る実施形態では、着信応答時に第一ボタン411に触れた後、方向ガイド413に沿って指を鉛直上方向にスライドさせつつ導電部4から指を離すことで、着信に応答することができる。
【0033】
本発明における第一ボタン411及び第二ボタン412の距離は、好ましくは1.5~5.0cm、より好ましくは1.5~3.5cm、さらに好ましくは1.5~2.5cmである。
【0034】
本発明における操作用ガイド41は、実施形態に記載した形状に限られず任意の形状を選択することができ、好ましくは、図形、マーク、絵、文字、又はこれらを組み合わせた形状を選択できる。操作用ガイド41に用いられる図形等としては、円、楕円、三角形、四角形等の基本図形、平仮名、カタカナ、漢字、アルファベット、ギリシャ文字等の各種文字、数字、ロゴマーク、イラスト又は写真等が挙げられる。
また、本発明における操作用ガイドは、導電部4の生地表面に印刷するものであってもよいし、導電部4の生地表面を染色するものであってもよい。
【0035】
図3に係る本実施形態においては、操作用ガイド41を用いた着信応答又は応答拒否の方法を示したが、操作用ガイド41の使用方法は、上述のものに限られない。すなわち、操作用ガイド41は、着信応答ボタン、応答拒否ボタン、スワイプ方向を示す方向ボタンだけでなく、通話時に表示されるオーディオ(スピーカー)ボタン、通話終了ボタン、ミュートボタン、(SMS)メッセージボタン、ダイヤル表示ボタン等を示すものでもよく、本発明の操作用ガイド41は、これらのボタン操作を含むスマートフォンの画面操作の補助に用いることができる。
このような操作用ガイド41を備えることで、本発明のポケット付き衣服1は、ポケット3にスマートフォンSを収納したまま、着信応答から通話終了までの一連の流れを行うことができる。
【0036】
本実施形態におけるポケット3は、ポケット3の開口を閉じるための閉口部材33を備える。本実施形態は、閉口部材33としてボタン付きの蓋を設けた形状であるが、本発明はこれに限定されず、ファスナー又はベルベット式ファスナー(面ファスナー)等の形状であっても良い。
このような閉口部材33を備えることで、着用者の前傾動作等により、ポケット3に収納された物品がポケット3から落下するのを防ぐことができる。
【0037】
本発明におけるポケット3の形状は特に限定されないが、略矩形型であることが好ましい。
本発明のポケット3は、表生地31を構成する上辺の全長(図2(c)のA)が、好ましくは10~30cm、より好ましくは15~25cm、さらに好ましくは17~20cmであり、表生地31を構成する下辺の全長(図2(c)のB)が、好ましくは7.0~30cm、より好ましくは8.0~20cm、さらに好ましくは9.0~15cmである。
また、本発明のポケット3の深さ(図2(c)のC)は、好ましくは10cm以上、より好ましくは15cm以上、さらに好ましくは17cm以上である。
このような形態とすることで、重量及び体積のあるスマートフォン等の携帯端末を、安定して収納することができる。
【0038】
また、本発明のポケット3は、表生地31の上辺の全長が、表生地31の底辺の全長よりも長い方が好ましい。さらには、表生地31の上辺及び底辺の長さの比が、5.2:4.8~7.0:3.0であることが好ましく、5.5:4.5~6.0:4.0であることがより好ましい。
このような形態とすることで、スマートフォン等の携帯端末をポケット3へ収納しやすく、かつ収納後にはスマートフォンの位置が安定するため、操作時にスマートフォンがポケット3内部で移動せず、携帯端末の操作安定性が向上する。
【0039】
ポケット3の表生地31に使用される生地は特に限定されないが、蛍光灯等の光の透過性が高い生地を用いることが好ましい。このような生地を用いることで、収納空間Xに収納したスマートフォン等の液晶パネルを、生地を透過して目視することができる。
【0040】
本発明において、ポケット3の裏生地32に使用される生地は特に限定されないが、防水性生地を用いることが好ましい。このような防水性生地としては、例えば、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維などの合成繊維からなる生地が挙げられる。ポリエステル系樹脂等をスプレーし、防水耐性を付与した生地を用いてもよい。
また、撥水剤に生地を浸透させた生地を用いてもよく、撥水剤としては、フッ素系撥水剤、及びシリコン系撥水剤等が挙げられる。
【0041】
本発明において、ポケット3の裏生地32は、衣服用生地2であってもよい。すなわち、衣服用生地2に表生地31を直接縫い付けることで、ポケット3を構成してもよい。
【0042】
本発明の衣服の備えるポケット3の位置は特に限定されないが、ポケット3にスマートフォン等を収納したまま着信に応答するという目的に鑑みると、胸部周辺に備えられていることが好ましい。
【0043】
本発明で用いる生地は、主に布地を対象とするが、皮革、不織布、編地等を用いても構わない。
【0044】
本発明のポケット付き衣服は、衣服の種類や形状には限定されず、様々な衣服に適用することができる。すなわち、本発明における衣服には、シャツやカットソー、ポロシャツ、ジャケット、コート、セーター、カーディガンや、工場や実験室等で利用する作業着等が含まれる。
【0045】
なお、本実施形態においては、ポケット3が縦長の略矩形型であり、上部に開口を有する形状を示したが、本願発明のポケット3の形状はこれに限定されず、導電部4を介してポケット3に収納されたスマートフォン等を操作できるものであればよい。
本発明のポケット3の形状としては、横長の略矩形型、正方形型、楕円型、円型等が挙げられる。本発明のポケット3の開口は、ポケット3の何れの位置に備えられていても良く、例として、ポケット3の側面に備えられた形態が挙げられる。
【0046】
さらに、本実施形態に係るポケット3の製造方法について説明する。
ポケット3は、衣服用生地2(第3の生地)、導電部4を備えた表生地31、及び防水性生地から成る裏生地32で構成される。
【0047】
まず、任意の生地と、操作用ガイド41が印刷された導電部4を縫合し、略矩形型の表生地31を作製する。続いて、略矩形型の裏生地32と閉口部材33を、一体の生地となるように防水性生地を裁断し、裏生地32と閉口部材33の境界線に折り目を付けることで、閉口部材33を備えた裏生地32を作製する。
【0048】
衣服用生地2に、閉口部材33が連結された裏生地32、導電部4が縫合された表生地31をこの順に重ね、閉口部材33の連結した辺を残して生地の3辺を縫合する。縫合後、閉口部材33が表生地31の一部を覆うように、折り目に沿って閉口部材33を表生地31上に折り返す。
このような製造方法を用いることで、本願発明に係る二重ポケットを容易かつ簡便に作製することができる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、シャツ、ジャケット、作業着等の上衣用衣服に応用することができる。
【符号の説明】
【0050】
1 ポケット付き衣服
2 衣服用生地
3 ポケット
31 表生地
32 裏生地
33 閉口部材
4 導電部
41 操作用ガイド
411 第一ボタン
412 第二ボタン
413 方向ガイド
X 収納空間
Y 第2の収納空間


図1
図2
図3