(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022115989
(43)【公開日】2022-08-09
(54)【発明の名称】骨伝導スピーカー及びそのテスト方法
(51)【国際特許分類】
H04R 1/00 20060101AFI20220802BHJP
H04R 1/02 20060101ALI20220802BHJP
G10K 11/178 20060101ALI20220802BHJP
H04R 1/20 20060101ALI20220802BHJP
H04R 1/10 20060101ALN20220802BHJP
【FI】
H04R1/00 317
H04R1/02 101Z
G10K11/178
H04R1/20 310
H04R1/10 104
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022076638
(22)【出願日】2022-05-06
(62)【分割の表示】P 2020569946の分割
【原出願日】2019-01-05
(31)【優先権主張番号】201810624043.5
(32)【優先日】2018-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】514156013
【氏名又は名称】深▲セン▼市韶音科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN SHOKZ CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Floors 1-4,Factory Building 26,Shancheng Industrial Park,Shiyan Street,Bao’an District,Shenzhen,Guangdong 518108,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲鄭▼ 金波
(72)【発明者】
【氏名】廖 ▲風▼云
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 磊
(72)【発明者】
【氏名】▲齊▼ 心
(57)【要約】
【課題】骨伝導スピーカーを提供し、骨伝導スピーカーの構造をシンプルにし、音漏れを低減し、音質を改良すること。
【解決手段】本願の実施形態は骨伝導スピーカー及びそのテスト方法を開示する。骨伝導スピーカーは、磁界を提供する磁気回路コンポーネントと、少なくとも一部が磁界に位置し、入力された電気信号を機械振動信号に変換する振動コンポーネントと、人体に対向するケースパネル及びケースパネルに反対するケースバックを含むケースとを含み、ケースは振動コンポーネントを収容し、振動コンポーネントは第1位相を有するケースパネルの振動及び第2位相を有するケースバックの振動を起こし、ケースパネルの振動とケースバックの振動の周波数が2000~3000Hzのとき第1位相と第2位相との差分の絶対値は60度未満である。本願の骨伝導スピーカーは、音漏れを顕著に低減し、音質を向上でき、構造がシンプルでサイズがより小さい。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨伝導スピーカーであって、
磁界を提供するように構成された磁気回路コンポーネントと、
振動コンポーネントであって、前記振動コンポーネントの少なくとも一部が前記磁界内に位置し、前記振動コンポーネントに入力された電気信号を機械振動信号に変換する、振動コンポーネントと、
人体側に面するケースパネル及び前記ケースパネルに対向するケースバックを含むケースと、
を含み、
前記ケースは、前記振動コンポーネントを収容し、前記振動コンポーネントは、前記ケースパネル及び前記ケースバックに振動を生じさせ、
前記ケースの体積は、400mm3~6000mm3の範囲内にあり、
前記ケースの材料のヤング率は、2GPa~18GPaの範囲内にあることを特徴とする骨伝導スピーカー。
【請求項2】
前記ケースパネルの振動は第1位相を有し、前記ケースバックの振動は第2位相を有し、
前記ケースパネルの振動の周波数及び前記ケースバックの振動の周波数が2000Hz~3000Hzの範囲内にあるとき、前記第1位相と前記第2位相との差分の絶対値は60度未満であることを特徴とする請求項1に記載の骨伝導スピーカー。
【請求項3】
前記ケースパネルの振動は第1振幅を有し、前記ケースバックの振動は第2振幅を有し、前記第2振幅に対する前記第1振幅の割合は0.5から1.5の範囲内にあることを特徴とする請求項2に記載の骨伝導スピーカー。
【請求項4】
前記ケースパネルの振動は第1音漏れの音波を生成し、前記ケースバックの振動は第2音漏れの音波を生成し、前記第1音漏れの音波と前記第2音漏れの音波とは、前記第1音漏れの音波の振幅値を小さくするように重畳することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の骨伝導スピーカー。
【請求項5】
前記ケースパネル及び前記ケースバックはヤング率が4000Mpa以上の材料で製造されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の骨伝導スピーカー。
【請求項6】
前記ケースパネルの面積と前記ケースバックの面積との差分は、前記ケースパネルの面積の30%以下であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の骨伝導スピーカー。
【請求項7】
前記骨伝導スピーカーは第1素子をさらに含み、前記振動コンポーネントは前記第1素子により前記ケースと接続され、前記第1素子のヤング率が4000Mpaより大きいことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の骨伝導スピーカー。
【請求項8】
前記ケースパネル及び前記ケースバックは繊維強化プラスチック材料により製造されることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の骨伝導スピーカー。
【請求項9】
前記骨伝導スピーカーが、前記骨伝導スピーカーと人体との安定した接触を保持するよう構成されたイヤホン固定コンポーネントをさらに含み、
前記イヤホン固定コンポーネントが、弾力部材により前記骨伝導スピーカーに固定状態で接続されることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の骨伝導スピーカー。
【請求項10】
前記骨伝導スピーカーが、500Hz未満の周波数で2つの低周波共振ピークを生成することを特徴とする請求項9に記載の骨伝導スピーカー。
【請求項11】
2つの前記低周波共振ピークは、前記振動コンポーネント及び前記イヤホン固定コンポーネントの弾性率に関連することを特徴とする請求項10に記載の骨伝導スピーカー。
【請求項12】
前記500Hz未満の周波数で生成した2つの前記低周波共振ピークは、それぞれ、前記イヤホン固定コンポーネント及び前記振動コンポーネントに対応することを特徴とする、請求項10に記載の骨伝導スピーカー。
【請求項13】
前記骨伝導スピーカーは、前記ケースの弾性率、前記ケースの体積、前記ケースパネルの剛度及び/又は前記ケースバックの剛度に関連する少なくとも2つの高周波共振ピークを、2000Hzより大きい周波数で生成することを特徴とする請求項12に記載の骨伝導スピーカー。
【請求項14】
前記振動コンポーネントは、コイルと、振動伝達シートとを含み、
前記コイルの少なくとも一部は、前記磁界内に位置し、かつ電気信号の駆動下で前記磁界内で移動することを特徴とする請求項12に記載の骨伝導スピーカー。
【請求項15】
前記磁気回路コンポーネントは、第1磁性素子、第1磁気伝導性素子及び第2磁気伝導性素子を含み、
前記第1磁気伝導性素子の下表面は、前記第1磁性素子の上表面と接続し、
前記第2磁気伝導性素子の上表面は、前記第1磁性素子の下表面と接続し、
前記第2磁気伝導性素子は溝部を有し、前記第1磁性素子及び前記第1磁気伝導性素子は前記溝部内に固定され、前記第1磁性素子と前記第2磁気伝導性素子の側面との間に磁気ギャップがあることを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の骨伝導スピーカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2018年6月15日に出願された中国特許出願第201810624043.5号の優先権を主張し、その内容は参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
本願は、骨伝導イヤホンの分野に関し、特に、音質及び音漏れ問題を改良できる骨伝導スピーカー及びそのテスト方法に関する。
【背景技術】
【0003】
骨伝導スピーカーは、電気信号を機械振動信号に変換し、機械振動信号を人体組織及び骨により人体の聴覚神経に伝え、装着者に音声を聞かせることができる。骨伝導スピーカーは、機械的な振動により音声を伝達するため、骨伝導スピーカーの作動において、周囲の空気を振動させ、音漏れの問題を生じる場合がある。本願は、構造がシンプルで、体積が小さく、骨伝導イヤホンの音漏れを顕著に低減し、骨伝導イヤホンの音質を改良できる骨伝導スピーカーを提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、骨伝導スピーカーを提供し、骨伝導スピーカーの構造をシンプルにし、音漏れを低減し、音質を改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記発明の目的を達成するために、本発明に係る技術的解決手段は以下のとおりである。
【0006】
骨伝導スピーカーは、磁界を提供する磁気回路コンポーネントと、少なくとも一部が前記磁界に位置し、入力された電気信号を機械振動信号に変換する振動コンポーネントと、人体に対向するケースパネル及び前記ケースパネルに反対するケースバックを含むケースと、を含み、前記ケースは、前記振動コンポーネントを収容し、前記振動コンポーネントは、第1位相を有する前記ケースパネルの振動及び第2位相を有する前記ケースバックの振動を起こし、前記ケースパネルの振動と前記ケースバックの振動の周波数が2000~3000Hzのとき、前記第1位相と前記第2位相との差分の絶対値は60度未満である。
【0007】
いくつかの実施形態では、前記ケースパネルの振動は第1振幅を有し、前記ケースバックの振動は第2振幅を有し、前記第1振幅と前記第2振幅との割合は0.5~1.5の範囲内にある。
【0008】
いくつかの実施形態では、前記ケースパネルの振動は第1音漏れの音波を生成し、前記ケースバックの振動は第2音漏れの音波を生成し、前記第1音漏れの音波と前記第2音漏れの音波とは、前記第1音漏れの音波の振幅値を小さくするように互いに重畳する。
【0009】
いくつかの実施形態では、前記ケースパネル及び前記ケースバックはヤング率が4000Mpa以上の材料で製造される。
【0010】
いくつかの実施形態では、前記ケースパネルと前記ケースバックとの面積の差分はケースパネルの面積の30%以下である。
【0011】
いくつかの実施形態では、前記骨伝導スピーカーは、第1素子をさらに含み、前記振動コンポーネントは前記第1素子により前記ケースと接続され、前記第1素子のヤング率が4000Mpaより大きい。
【0012】
いくつかの実施形態では、前記ケースパネルと前記ケースの他の部分とは、接着剤、係止、溶接又はねじ接続のうちの1つ又は任意の複数の組み合わせにより接続される。
【0013】
いくつかの実施形態では、前記ケースパネル及び前記ケースバックは繊維強化プラスチック材料で製造される。
【0014】
いくつかの実施形態では、前記骨伝導スピーカーは、前記骨伝導スピーカーと人体との安定な接触を保持し、弾力部材により前記骨伝導スピーカーと固定接続されるイヤホン固定コンポーネントをさらに含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、前記骨伝導スピーカーは、500Hz未満の周波数範囲内に2つの低周波共振ピークを生成する。
【0016】
いくつかの実施形態では、前記2つの低周波共振ピークは前記振動コンポーネント及び前記イヤホン固定コンポーネントの弾性率に関連する。
【0017】
いくつかの実施形態では、前記500Hz未満の周波数範囲内に生成した2つの低周波共振ピークはそれぞれ前記イヤホン固定コンポーネントと前記振動コンポーネントに対応する。
【0018】
いくつかの実施形態では、前記骨伝導スピーカーは2000Hzより大きい周波数範囲内に、前記ケースの弾性率、前記ケースの体積、前記ケースパネルの剛度及び/又は前記ケースバックの剛度に関連する少なくとも2つの高周波共振ピークを生成する。
【0019】
いくつかの実施形態では、前記振動コンポーネントは、少なくとも一部が前記磁界に位置して電気信号の駆動下で前記磁界内で移動するコイルと、振動伝達シートとを含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、前記振動伝達シートは一端が前記ケースの内面と接触し、他端が前記磁気回路コンポーネントと接触する。
【0021】
いくつかの実施形態では、前記骨伝導スピーカーは、第1素子をさらに含み、前記コイルは前記第1素子により前記ケースと接続され、前記第1素子のヤング率が4000Mpaより大きい材料で製造される。
【0022】
いくつかの実施形態では、前記骨伝導スピーカーは、第2素子をさらに含み、前記磁気システムは第2素子により前記ケースと接続され、前記第1素子の弾性率が前記第2素子の弾性率より大きい。
【0023】
いくつかの実施形態では、前記第2素子は、弾性部材である振動伝達シートである。
【0024】
いくつかの実施形態では、前記振動伝達シートは、三次元構造であり、自体の厚さ空間内で機械的に振動することができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、前記磁気回路コンポーネントは、第1磁性素子、第1磁気伝導性素子及び第2磁気伝導性素子を含み、前記第1磁気伝導性素子の下表面は前記第1磁性素子の上表面と接続し、前記第2磁気伝導性素子の上表面は前記第1磁性素子の下表面と接続し、前記第2磁気伝導性素子は溝部を有し、前記第1磁性素子及び前記第1磁気伝導性素子は、第2磁気伝導性素子の側面との間に磁気ギャップを有するように前記溝部内に固定される。
【0026】
いくつかの実施形態では、前記磁気回路コンポーネントは、第1磁気伝導性素子の上方に設置され、磁化方向が前記第1磁性素子と逆である第2磁性素子をさらに含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、前記磁気回路コンポーネントは、第2磁気伝導性素子の下方に設置された、磁化方向が前記第1磁性素子と逆である第3磁性素子をさらに含む。
【0028】
骨伝導スピーカーのテスト方法は、振動コンポーネントと、前記振動コンポーネントを収容し、前記振動コンポーネントの両側にそれぞれ位置するケースパネル及びケースバックを含むケースとを含む骨伝導スピーカーにテスト信号を送信し、前記振動コンポーネントが前記テスト信号に基づいて前記ケースパネルの振動及び前記ケースバックの振動を起こすステップと、前記ケースパネルの振動に対応する第1振動信号を取得するステップと、前記ケースバックの振動に対応する第2振動信号を取得するステップと、前記第1振動信号及び前記第2振動信号に基づいて前記ケースパネルの振動と前記ケースバックの振動との位相差を決定するステップとを含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、前記第1振動信号及び前記第2振動信号に基づいて前記ケースパネルの振動と前記ケースバックの振動との位相差を決定するステップは、前記第1振動信号の波形及び前記第2振動信号の波形を取得するステップと、前記第1振動信号の波形及び前記第2振動信号の波形に基づいて前記位相差を決定するステップとを含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、前記第1振動信号及び前記第2振動信号に基づいて前記ケースパネルの振動と前記ケースバックの振動との位相差を決定するステップは、前記第1振動信号及び前記テスト信号に基づいて前記第1振動信号の第1位相を決定するステップと、前記第2振動信号及び前記テスト信号に基づいて前記第2振動信号の第2位相を決定するステップと、前記第1位相及び前記第2位相に基づいて前記位相差を決定するステップとを含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、前記テスト信号は正弦波周期信号である。
【0032】
いくつかの実施形態では、前記ケースパネルの振動に対応する第1振動信号を取得するステップは、第1レーザを前記ケースパネルの外面に発射するステップと、前記ケースパネルの外面が前記第1レーザを反射することにより生成した第1反射レーザを受光するステップと、前記第1反射レーザに基づいて前記第1振動信号を決定するステップとを含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、前記ケースバックの振動に対応する第2振動信号を取得するステップは、第2レーザを前記ケースバックの外面に発射するステップと、前記ケースバックの外面が前記第2レーザを反射することにより生成した第2反射レーザを受光するステップと、前記第2反射レーザに基づいて前記第2振動信号を決定するステップとを含む。
【0034】
骨伝導スピーカーは、磁界を提供する磁気回路コンポーネントと、少なくとも一部が前記磁界に位置し、入力された電気信号を機械振動信号に変換する振動コンポーネントと、前記振動コンポーネントを収容するケースと、前記骨伝導スピーカーと人体との接触を保持するように、前記ケースと固定接続されるイヤホン固定コンポーネントとを含み、前記ケースは人体に対向するケースパネル、前記ケースパネルに反対するケースバック、及び前記ケースパネルと前記ケースバックとの間に位置するケース側面を含み、前記振動コンポーネントは前記ケースパネル及びケースバックを振動させる。
【0035】
いくつかの実施形態では、前記ケースバックと前記ケースの側面とは、一体成型構造であり、前記ケースパネルと前記ケースの側面とは、接着剤、係止、溶接又はねじ接続のうちの一種又は任意の複数の組み合わせにより接続される。
【0036】
いくつかの実施形態では、前記ケースパネルと前記ケースの側面とは、一体成型構造であり、前記ケースバックと前記ケースの側面とは、接着剤、係止、溶接又はねじ接続のうちの1つ又は任意の複数の組み合わせにより接続される。
【0037】
いくつかの実施形態では、前記骨伝導スピーカーは、第1素子をさらに含み、前記振動コンポーネントは前記第1素子により前記ケースと接続される。
【0038】
いくつかの実施形態では、前記ケースの側面と前記第1素子とは、一体成型構造であり、前記ケースパネルと前記第1素子の外面とは、接着剤、係止、溶接又はねじ接続のうちの1つ又は任意の複数の組み合わせにより接続され、ケースバックと前記ケースの側面とは、接着剤、係止、溶接又はねじ接続のうちの1つ又は任意の複数の組み合わせにより接続される。
【0039】
いくつかの実施形態では、前記イヤホン固定コンポーネントと前記ケースバック又は前記ケースの側面とは一体成型構造である。
【0040】
いくつかの実施形態では、前記イヤホン固定コンポーネントと前記ケースバック又は前記ケースの側面とは、接着剤、係止、溶接又はねじ接続のうちの1つ又は任意の複数の組み合わせにより接続される。
【0041】
いくつかの実施形態では、前記ケースはカラムであり、前記ケースパネルと前記ケースバックはそれぞれ前記カラムの上端面と下端面であり、前記カラムの、軸線に垂直な横断面における前記ケースパネルと前記ケースバックの投影面積は等しい。
【0042】
いくつかの実施形態では、前記ケースパネルの振動は第1位相を有し、前記ケースバックの振動は第2位相を有し、前記ケースパネルの振動及び前記ケースバックの振動の周波数が2000~3000Hzであるとき、前記第1位相と前記第2位相との差分の絶対値は60度未満である。
【0043】
いくつかの実施形態では、前記ケースパネルの振動及び前記ケースバックの振動は周波数が2000~3000Hzの振動を含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、前記ケースパネル及び前記ケースバックはヤング率が4000Mpa以上の材料で製造される。
【0045】
いくつかの実施形態では、前記骨伝導スピーカーは、第1素子をさらに含み、前記振動コンポーネントは前記第1素子により前記ケースと接続され、前記第1素子のヤング率が4000Mpaより大きい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
例示的な実施形態によって本開示をさらに説明する。これらの例示的な実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。これらの実施形態は、非限定的かつ例示的な実施形態であり、図面の各図に渡って同様の参照番号が類似の構造を表す。
【0047】
【
図1】本願のいくつかの実施形態に係る骨伝導イヤホンのブロック構成図である。
【
図2】本願のいくつかの実施形態に係る骨伝導イヤホンの縦断面概略図である。
【
図3】本願のいくつかの実施形態に係る骨伝導イヤホンの周波数応答カーブの一部である。
【
図4】本願のいくつかの実施形態に係る骨伝導イヤホンのケースが異なるヤング率の材料を使用する場合の骨伝導イヤホンの周波数応答カーブの一部である。
【
図5】本願のいくつかの実施形態に係る骨伝導イヤホンの振動伝達シートが異なる剛度である場合の骨伝導イヤホンの周波数応答カーブの一部である。
【
図6】本願のいくつかの実施形態に係る骨伝導イヤホンのイヤホン固定コンポーネントが異なる剛度を有する場合の骨伝導イヤホンの周波数応答カーブの一部である。
【
図7A】本願のいくつかの実施形態に係る骨伝導イヤホンのケースの構造概略図である。
【
図7B】本願のいくつかの実施形態に係る高次モードになる周波数と、ケースの体積及び材料のヤング率との関係概略図である。
【
図7C】本願のいくつかの実施形態に係る骨伝導スピーカーの音量とケースの体積との関係概略図である。
【
図8】本願のいくつかの実施形態に係るケースの音漏れを低減する原理的概略図である。
【
図9】本願のいくつかの実施形態に係る骨伝導イヤホンのケースの重量が異なる場合の骨伝導イヤホンの周波数応答カーブの一部である。
【
図10A】本願のいくつかの実施形態に係る骨伝導イヤホンのケースの構造概略図である。
【
図10B】本願のいくつかの実施形態に係る骨伝導イヤホンのケースの構造概略図である。
【
図10C】本願のいくつかの実施形態に係る骨伝導イヤホンのケースの構造概略図である。
【
図11】従来の骨伝導イヤホンと本願のいくつかの実施形態に係る骨伝導イヤホンの音漏れ効果の対比図である。
【
図12】骨伝導イヤホンのケースパネルが生成した周波数応答カーブである。
【
図13】本願のいくつかの実施形態に係るケースパネルの構造概略図である。
【
図14A】骨伝導イヤホンのケースバックが生成した周波数応答カーブである。
【
図14B】骨伝導イヤホンのケースの側面が生成した周波数応答カーブである。
【
図15】骨伝導イヤホンのケースブラケットが生成した骨伝導イヤホンの周波数応答カーブである。
【
図16A】本願のいくつかの実施形態に係る、イヤホン固定コンポーネントを有する骨伝導イヤホンの構造概略図である。
【
図16B】本願のいくつかの実施形態に係る、イヤホン固定コンポーネントを有する別の骨伝導イヤホンの構造概略図である。
【
図17】本願のいくつかの実施形態に係る骨伝導イヤホンのケースの構造概略図である。
【
図18A】本願のいくつかの実施形態に係る骨伝導イヤホンの振動伝達シートの構造概略図である。
【
図18B】本願のいくつかの実施形態に係る別の骨伝導イヤホンの振動伝達シートの構造概略図である。
【
図18C】本願のいくつかの実施形態に係る別の骨伝導イヤホンの振動伝達シートの構造概略図である。
【
図18D】本願のいくつかの実施形態に係る別の骨伝導イヤホンの振動伝達シートの構造概略図である。
【
図19】本願のいくつかの実施形態に係る、三次元振動伝達シートを有する骨伝導イヤホンの構造概略図である。
【
図20A】本願のいくつかの実施形態に係る骨伝導イヤホンの構造概略図である。
【
図20B】本願のいくつかの実施形態に係る別の骨伝導イヤホンの構造概略図である。
【
図20C】本願のいくつかの実施形態に係る別の骨伝導イヤホンの構造概略図である。
【
図20D】本願のいくつかの実施形態に係る別の骨伝導イヤホンの構造概略図である。
【
図21】本願のいくつかの実施形態に係る、音誘導孔を有する骨伝導イヤホンの構造概略図である。
【
図22A】本願のいくつかの実施形態に係る骨伝導イヤホンの構造概略図である。
【
図22B】本願のいくつかの実施形態に係る骨伝導イヤホンの構造概略図である。
【
図22C】本願のいくつかの実施形態に係る骨伝導イヤホンの構造概略図である。
【
図23A】本願のいくつかの実施形態に係る、イヤホン固定コンポーネントを有する骨伝導イヤホンの構造概略図である。
【
図23B】本願のいくつかの実施形態に係る、イヤホン固定コンポーネントを有する骨伝導イヤホンの構造概略図である。
【
図23C】本願のいくつかの実施形態に係る、イヤホン固定コンポーネントを有する骨伝導イヤホンの構造概略図である。
【
図24】本願のいくつかの実施形態に係る骨伝導イヤホンのケースの振動を計測する例示的な方法である。
【
図25】
図24に示す方式により計測された例示的な結果である。
【
図26】本願のいくつかの実施形態に係る骨伝導イヤホンのケースの振動を計測する例示的な方法である。
【
図27】
図26に示す方式により計測された例示的な結果である。
【
図28】本願のいくつかの実施形態に係る骨伝導イヤホンのケースの振動を計測する例示的な方法である。
【
図29】本願のいくつかの実施形態に係る骨伝導イヤホンのケースの振動を計測する例示的な方法である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本願の実施形態の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施形態の説明に必要な図面について簡単に説明する。明らかに、以下に説明される図面は本願のいくつかの例又は実施形態に過ぎず、当業者にとって、創造的労働をすることなく、さらに、これらの図面により本願を他の類似状況に適用することができる。これらの例示的実施形態は、当業者が本発明をよりよく理解し、それによって実現できるようにするためのものに過ぎず、本発明の範囲を何ら限定するものではないと考えるべきである。言語環境から明らではないか又は別に説明していない限り、図中の同じ番号は同じ構造又は操作を示す。
【0049】
本明細書と特許請求の範囲に示されるように、コンテキストに明らかに示される例外な状況に限り、「一」、「1つ」、「1種」及び/又は「該」などの単語は、単数を特に指すことではなく、複数を意味することができる。一般的には、用語「含む」と「含有する」は、既に明らかに標識されたステップ及び要素を含むことだけを意味するが、これらのステップと要素は排他性の羅列を構成せず、方法又はデバイスは他のステップと要素をも含む可能性がある。用語「に基づいて」は「少なくとも一部的に基づいて」を意味する。用語「1つの実施形態」は「少なくとも1つの実施形態」を表し、用語「別の実施形態」は「少なくとも1つの別の実施形態」を表す。他の用語の関連定義については後述する。以下、一般性を失うことなく、本発明における骨伝導の関連技術を説明するにあたり、「骨伝導スピーカー」又は「骨伝導イヤホン」について説明する。該説明は骨伝導の応用の形態の1種であり、当業者にとって、「スピーカー」又は「イヤホン」は「プレーヤ」「補聴器」等の他の同種の単語で代替してもよい。実際には、本発明における様々な実施の形態は、スピーカー類以外の聴覚装置に容易に適用することができる。例えば、当業者に
とって、骨伝導イヤホンの基本的な原理を理解した後、この原理から逸脱することなく、骨伝導イヤホンの具体的な実施形態及びステップの形式及び詳細に対して様々な修正及び変更を行うことができ、特に、骨伝導イヤホンに環境音収集及び処理機能を追加し、該イヤホンに補聴器の機能を実現させることができる。例えば、マイク等の伝声器は、利用者/装着者の周囲の環境の音声を収音し、一定のアルゴリズムで、音声を処理した(又は電気信号を生成した)後に骨伝導スピーカー部分に伝送することができる。すなわち、骨伝導イヤホンは、一定の修正を経て、環境音収集機能を追加し、一定の信号処理を経て骨伝導スピーカー部分により利用者/装着者に音声を伝送し、骨伝導補聴器の機能を実現することができる。ここでいうアルゴリズムは、例えば、雑音除去、自動利得制御、音響フィードバック抑制、ワイドダイナミックレンジ圧縮、能動的環境認識、アクティブノイズ除去、指向性処理、耳鳴防止処理、マルチチャネルワイドダイナミックレンジ圧縮、能動的ハウリング抑制、音量制御等の1つ又は複数の組み合わせが含まれ得る。
【0050】
図1は、本願のいくつかの実施形態に係る骨伝導スピーカー100のブロック構成図である。
図1に示すように、骨伝導スピーカー100は、磁気回路コンポーネント102、振動コンポーネント104、ケース106及び接続コンポーネント108を含むことができる。
【0051】
磁気回路コンポーネント102は磁界を提供することができる。上記磁界は、音声情報を含む信号を振動信号に変換することができる。いくつかの実施形態では、上記音声情報は、特定のデータフォーマットを有するビデオ、オーディオファイル又は特定の手段により音声に変換できるデータ若しくはファイルを含むことができる。上記音声情報を含む信号は骨伝導スピーカー100自体の記憶手段から由来してもよく、骨伝導スピーカー100以外の情報の生成、記憶又は伝送システムから由来してもよい。前記音声情報を含む信号は、電気信号、光信号、磁気信号、機械信号等の1つ又は複数の組み合わせを含むことができる。上記音声情報を含む信号は、1つの信号源又は複数の信号源から由来することができる。前記複数の信号源は関連してもよく、関連しなくてもよい。いくつかの実施形態では、骨伝導スピーカー100は、複数の異なる方式により前記音声情報を含む信号を取得し、前記信号の取得は有線でもよく、無線でもよく、またリアルタイム型であってもよく、遅延型であってもよい。例えば、骨伝導スピーカー100は有線又は無線の方式により音声情報を含む電気信号を受信してもよく、記憶媒体からデータを直接的に取得し、音声信号を生成してもよい。また、例えば、骨伝導補聴器は音声収集機能を有するコンポーネントを含むことができ、環境中の音声を収音することにより、音声の機械振動を電気信号に変換し、増幅器により処理した後に特定の要求を満たす電気信号を取得する。いくつかの実施形態では、前記有線接続は、例えば、同軸ケーブル、通信ケーブル、軟性ケーブル、スパイラルケーブル、非金属外装ケーブル、金属外装ケーブル、多芯ケーブル、ツイストペアケーブル、リボンケーブル、シールドケーブル、電気通信ケーブル、ペアケーブル、ツインリードケーブル及びツイストペアなどの1つ又は複数の組み合わせなどの金属ケーブル、光ケーブル又はそれらの組み合わせを含むことができる。以上に説明された例は、説明を容易にするためのものに過ぎず、有線接続の媒体は、他の電気信号又は光信号等の伝送媒体等の他のタイプであってもよい。
【0052】
無線接続は、無線電波通信、自由空間光通信、音声通信及び電磁誘導などを含むことができる。無線電波通信は、IEEE802.11シリーズの標準、IEEE802.15シリーズの標準(例えば、ブルートゥース(登録商標)技術及びセルラ技術など)、第1世代移動通信技術、第2世代移動通信技術(例えば、FDMA、TDMA、SDMA、CDMA及びSSMAなど)、汎用パケット無線サービス技術、第3世代移動通信技術(例えば、CDMA2000、WCDMA(登録商標)、TD-SCDMA及びWiMAXなど)、第4世代移動通信技術(例えば、TD-LTE及びFDD-LTEなど)、衛星通信(例えば、GPS技術など)、近距離無線通信(NFC)及びISM周波数帯域(例え
ば、2.4GHzなど)で実行する他の技術を含むことができ、自由空間光通信は可視光、赤外線信号などを含むことができ、音声通信は音波、超音波信号などを含むことができ、電磁誘導は近距離無線通信技術を含むことができる。上述の例は、説明を容易にするためのもの過ぎず、無線接続の媒体は、Z-wave技術、他の有料民用無線周波数帯域及び軍用無線周波数帯域など他のタイプであってもよい。例えば、骨伝導スピーカー100は、本技術の応用場面として、ブルートゥース(登録商標)技術により他のデバイスから音声情報を含む信号を取得することができる。
【0053】
振動コンポーネント104は機械振動を生成することができる。上記振動の生成はエネルギーの変換に伴い、骨伝導スピーカー100は、磁気回路コンポーネント102及び振動コンポーネント104を用いて、音声情報を含む信号の機械振動への変換を実現することができる。変換の過程において複数種の異なるタイプのエネルギーの共存及び変換を含む可能性がある。例えば、電気信号は、エネルギー交換装置により機械振動に直接的に変換し、音声を生成することができる。さらに、例えば、音声情報は光信号に含むことができ、一種の特定のエネルギー交換装置は光信号から振動信号への変換の過程を実現することができる。エネルギー交換装置の作動過程に共存し変換できる他のエネルギータイプは熱エネルギー、磁界エネルギーなどを含む。エネルギー交換装置のエネルギー変換方式はダイナミック式、静電式、圧電式、バランスド・アーマチュア式、エアモーショントランスフォーマー式、電磁式などを含むことができる。骨伝導イヤホン100の周波数応答範囲及び音質は振動コンポーネント104の影響を受ける。例えば、ダイナミック式エネルギー交換装置において、振動コンポーネント104は、巻回された柱状コイルと、1つの振動体(例えば、1つの振動部品)とを含み、信号電流によって駆動される柱状コイルは、磁界中で振動体を振動させ発声するように駆動し、振動体の材質の伸張及び収縮、皺の変形、大きさ、形状及び固定方式、永久磁石の磁気密度などは、いずれも骨伝導スピーカー100の音効品質に影響を与える。振動コンポーネント104の振動体は鏡像対称の構造、中心対称の構造又は非対称の構造であってよい。同じ入力エネルギーで振動体により大きな変位が発生し、より高い感度を骨伝導スピーカーに実現させ、振動と音声の出力効率を向上させるために、振動体に断続的な孔状構造を設置してもよい。振動体は、円環体又は類円環体構造であってよく、円環体内に、中心に向かって輻輳する複数の支持ロッドが設置され、支持ロッドの数は2つ以上であってよい。いくつかの実施形態では、振動コンポーネント104は、コイル、振動板、振動伝達シートなどを含むことができる。
【0054】
ケース106は、機械振動を人体に伝送し、人体に音声を聞かせることができる。ケース106は、磁気回路コンポーネント102及び振動コンポーネント104がケース106の内部に設置可能なように、密閉又は非密閉の収容空間を構成してよい。ケース106はケースパネルを含むことができる。ケースパネルは、振動コンポーネント104と直接的又は間接的に接続し、振動コンポーネント104の機械振動を骨により聴覚神経に伝送し、人体に音声を聞かせることができる。
【0055】
接続コンポーネント108は、磁気回路コンポーネント102、振動コンポーネント104及びケース106を接続し支持することができる。接続コンポーネント108は、1つ以上の接続部材を含むことができる。前記1つ以上の接続部材はケース106と磁気回路コンポーネント102及び/又は振動コンポーネント104との間の1つ以上の構造を接続することができる。
【0056】
以上に、骨伝導スピーカーの構造への記述は、具体的な例に過ぎず、唯一の実行可能な実施解決手段として考えるべきでない。明らかに、当業者にとって、骨伝導スピーカーの基本的な原理を理解した後、この原理から逸脱しない限り、骨伝導スピーカーの具体的な方式とステップに形式と詳細の様々な修正及び変更を行うことができるが、これらの修正及び変更は依然として以上に示された範囲内にある。例えば、骨伝導スピーカー100は1つ以上の音声信号処理アルゴリズムを実行できる1つ以上のプロセッサを含むことができる。前記音声信号処理アルゴリズムは上記音声信号を修正又は強化することができる。例えば、音声信号に対して、雑音除去、音響フィードバック抑制、ワイドダイナミックレンジ圧縮、自動利得制御、アクティブ環境認識、アクティブノイズ除去、指向性処理、耳鳴り処理、マルチチャネルワイドダイナミックレンジ圧縮、アクティブハウリング抑制、音量制御、又は他の類似する処理、又は以上の任意の組み合わせの処理を行い、これらの修正及び変更は依然として本発明の特許請求の範囲内にある。例えば、骨伝導スピーカー100は、温度センサ、湿度センサ、速度センサ、変位センサなどの1つ以上のセンサを含むことができる。上記センサは、ユーザ情報又は環境情報を収集することができる。
【0057】
図2は、本願のいくつかの実施形態に係る骨伝導イヤホン200の構造概略図である。
図2に示すように、骨伝導イヤホン200は、磁気回路コンポーネント210、コイル212、振動伝達シート214、接続部材216及びケース220を含むことができる。
【0058】
磁気回路コンポーネント210は、第1磁性素子202、第1磁気伝導性素子204及び第2磁気伝導性素子206を含むことができる。本願に説明される磁性素子は、磁石などの、磁界を生成できる素子を指す。上記磁性素子は、上記磁性素子の内部における磁界の方向を指す磁化方向を有することができる。第1磁性素子202は1つ以上の磁石を含むことができる。いくつかの実施形態では、前記磁石は、金属合金磁石、フェライトなどを含むことができる。金属合金磁石は、ネオジウム鉄ホウ素、マリウムコバルト、アルニコ、鉄クロムコバルト、アルミ鉄ホウ、鉄炭アルミニウム又は類似する金属合金磁石、又はその中の複数種の組み合わせを含むことができる。フェライトは、バリウムフェライト、鋼フェライト、マグネシウムマンガンフェライト、リチウムマンガンフェライト、又は類似するフェライト、又は複数種の組み合わせを含むことができる。
【0059】
第1磁気伝導性素子204の下表面は第1磁性素子202の上表面に接続することができる。第2磁気伝導性素子206は凹形構造であり、底壁及び側壁を含むことができる。第2磁気伝導性素子206の底壁の内側は第1磁性素子202と接続することができ、側壁は、第1磁性素子202を取り囲み、第1磁性素子202との間に磁気ギャップを形成することができるここでいう磁気伝導性体は、磁界集中装置又は鉄心と称されてもよい。磁気伝導性体は、磁界(例えば、第1磁性素子202によって形成された磁界)の分布を調整することができる。前記磁気伝導性体は軟磁性材料により加工される素子を含むことができる。いくつかの実施形態では、前記軟磁性材料は、鉄、鉄シリコン系合金、鉄アルミニウム系合金、ニッケル鉄系合金、鉄コバルト系合金、低炭素鋼、珪素鋼シート、ケイ素鋼シート、フェライトなどの金属材料、金属合金、金属酸化物材料、アモルファス金属材料などを含むことができる。いくつかの実施形態では、前記磁気伝導性体を鋳造、塑性加工、切削加工、粉末冶金などの1つ又は複数の組み合わせの方法で加工することができる。鋳造は、砂型鋳造、インベストメント鋳造、圧力鋳造、遠心鋳造などを含むことができ、塑性加工は、圧延、鋳造、鍛造、プレス、押出、線引きなどの1つ又は複数の組み合わせを含むことができ、切削加工は、旋削、フライス、平削り、研削などを含むことができる。いくつかの実施形態では、上記磁気伝導性体の加工方法は3Dプリンタ、数値制御工作機械などを含むことができる。第1磁気伝導性素子204、第2磁気伝導性素子206と第1磁性素子202との間の接続方式は、接着、係止、溶接、鋲着、ネジ接続などの1つ又は複数の組み合わせを含むことができる。
【0060】
コイル212は、第1磁性素子202と第2磁気伝導性素子206との間の磁気ギャップに設置することができる。いくつかの実施形態では、コイル212は、信号電流を流すことができ、コイル212は、磁気回路コンポーネント210が形成する磁界中にあり、アンペア力の作用を受けて、コイル212に機械振動を発生させるように駆動する。同時に、磁気回路コンポーネント210はコイルと逆の反力を受ける。
【0061】
振動伝達シート214は、一端が磁気回路コンポーネント210と接続され、他端がケース220と接続することができる。いくつかの実施形態では、振動伝達シート214は弾性部材である。該弾性は、振動伝達シート214の材料、厚さ、構造などの多方面で決定される。振動伝達シート214の材料は、鋼材(例えば、ステンレス鋼、炭素鋼などがあるが、これらに限定されない)、軽合金(アルミニウム合金、ベリリウム銅、マグネシウム合金、チタン合金などがあるが、これらに限定されない)、プラスチックゴム(高分子ポリエチレン、ブローナイロン、エンジニアプラスチックなどがあるが、これらに限定されない)を含むが、これらに限定されず、同一の性能を達成できる他の単一又は複合材料であってもよい。複合材料としては、ガラス繊維、炭素繊維、ホウ素繊維、黒鉛繊維、グラフェン繊維、炭化ケイ素繊維又はアラミド繊維などの増強材料、又はガラス繊維増強不飽和ポリエステル、エボキシ樹脂又はフェノール樹脂マトリクスで構成された各種のガラス鋼などの有機及び/又は無機材料の複合物が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、振動伝達シート214の厚さは0.005mm以上、好ましくは0.005mm~3mm、より好ましくは0.01mm~2mm、さらに好ましくは0.01mm~1mm、さらに好ましくは0.02mm~0.5mmである。いくつかの実施形態では、振動伝達シート214は、弾性構造体であってよく、前記弾性構造体は構造自体が弾性構造であるものを指し、材料がが硬い場合であっても、構造自体が弾性を有することにより、振動伝達シート214自体が弾性を有する。例えば、振動伝達シート214はバネのような弾性構造体と製造することができる。いくつかの実施形態では、振動伝達シート214の構造を環状又は類円環状の構造に設定してもよい。好ましくは少なくとも1つの環を含み、好ましくは少なくとも2つの環を含み、同心環であってもよく、非同心環であってもよく、環同士は、外環から内環の中心へ輻射状の少なくとも2つの支持ロッドにより接続されている。より好ましくは少なくとも1つの楕円環を含み、さらに好ましくは少なくとも2つの楕円環を含み、各楕円環は異なる曲率半径を有し、環同士は支持ロッドにより接続されている。さらに好ましくは振動伝達シート214は少なくとも1つの方形環を含む。振動伝達シート214の構造は、シート状に設定されていてもよく、好ましくは透かし彫りパターンが設置され、透かし彫りパターンの面積が透かし彫りのない面積以上である。上記材料、厚さ、構造は組み合わせて様々な振動伝達シートを構成することができる。例えば、環状振動伝達シートは、異なる厚さの分布を有し、好ましくは支持ロッドの厚さは、円環の厚さに等しく、より好ましくは支持ロッドの厚さは、円環の厚さより大きく、さらに好ましくは内環の厚さは外環の厚さより大きい。いくつかの実施形態では、振動伝達シート214の一部は磁気回路コンポーネント210の接続され、一部はケース220に接続させ、好ましくは振動伝達シート214は第1磁気伝導性素子204に接続される。いくつかの実施形態では、振動伝達シート214は、接着剤により磁気回路コンポーネント210及びケース220に接続することができる。いくつかの実施形態では、振動伝達シート214は、溶接、係止、鋲着、ねじ接続(ねじ、ビス、ねじロッド、ボルトなど)、締り嵌め接続、クランプ接続、ピン接続、テーパキー接続、成型接続の方式でケース220に固定することができる。
【0062】
いくつかの実施形態では、振動伝達シート214は、接続部材216により磁気回路コンポーネント210に接続することができる。いくつかの実施形態では、接続部材216の底端は磁気回路コンポーネント210に固定することができ、例えば、接続部材は第1磁気伝導性素子の上表面に固定することができる。いくつかの実施形態では、接続部材216は上記底面とは反対する頂端を有し、前記頂端は、振動伝達シート214と固定接続することができる。いくつかの実施形態では、接続部材216の頂端は、接着剤により振動伝達シート214に貼り付けることができる。
【0063】
ケース220はケースパネル222、ケースバック224及びケース側面226を有する。ケースバック224はケースパネル222とは反対する一面に位置し、それぞれケース側面226の両端面に設置される。ケースパネル222、ケースバック224及びケース側面226は一定の収容空間を有する一体構造を形成する。いくつかの実施形態では、磁気回路コンポーネント210、コイル212及び振動伝達シート214はケース220内部に固定される。いくつかの実施形態では、骨伝導イヤホン200は、ケースブラケット228をさらに含み、振動伝達シート214はケースブラケット228によりケース220に接続され、いくつかの実施形態では、コイル212はケースブラケット228に固定され、ケースブラケット228によりケース220が振動するように駆動する。ケースブラケット228はケース220の一部であってもよく、ケース220の内部に直接的又は間接的に接続された単独のコンポーネントであってもよく、いくつかの実施形態では、ケースブラケット228はケース側面226の内面に固定される。いくつかの実施形態では、ケースブラケット228は接着剤によりケース220に貼り付けられてもよく、プレス、射出、係止、鋲着、ねじ接続又は溶接によりケース220に固定されてもよい。
【0064】
いくつかの実施形態では、骨伝導スピーカー100はイヤホン固定コンポーネント(
図2では示されていない)をさらに含む。イヤホン固定コンポーネントは、ケース220と固定接続され、骨伝導スピーカー100と人体組織又は骨との安定な接触を保持し、骨伝導スピーカー100の揺れを回避し、イヤホンが安定して音声を伝送できるように保証する。いくつかの実施形態では、イヤホン固定コンポーネントは弧状の弾力部材であってよく、弧状の中部に向かって反発する力を生じることができる。イヤホン固定コンポーネントの両端はそれぞれケース220に接続され、両端のケース220を人体組織又は骨に接触するように保持する。イヤホン固定コンポーネントのより詳細な説明は本願の他の説明、例えば、
図16及びその関連説明を参照する。
【0065】
図3は、本願のいくつかの実施形態に係る骨伝導スピーカーの周波数応答カーブである。横軸は振動周波数であり、縦軸は骨伝導スピーカー200の振動強度である。ここでいう振動強度は骨伝導スピーカー200の振動加速度として表すことができる。いくつかの実施形態では、周波数が1000~10000Hzの周波数応答範囲内において、周波数応答カーブが平坦であるほど、骨伝導スピーカー200の音質はよいと考えられる。骨伝導スピーカー200の構造、部材の設計、材料の属性などは周波数応答カーブに影響を与える可能性がある。一般的に、低周波数は500Hz未満の音声を指し、中周波数は500~4000Hz範囲の音声を指し、高周波数は4000Hzより大きい音声を指す。
図3に示すように、骨伝導スピーカー200の周波数応答カーブは、低周波数領域に2つの共振ピーク(310及び320)を有し、高周波数領域に第1高周波数ボトム330、第1高周波数ピーク340及び第2高周波数ピーク350を有することができる。低周波数領域の2つの共振ピーク(310及び320)は振動伝達シート214及びイヤホン固定コンポーネントの共同作用により生成することができる。第1高周波数ボトム330及び第1高周波数ピーク340はケース側面226が高周波数下で変形して生成したものであってよく、第2高周波数ピーク350はケースパネル222が高周波数下で変形して生成したものであってよい。
【0066】
上記各共振ピーク、高周波数ピーク/ボトムの位置は対応するコンポーネントの剛度と関連する。前記剛度は、材料又は構造が力を受けるときに弾性変形を抵抗する性能である。剛度は材料自体のヤング率及び構造のサイズと関連する。剛度が大きいほど、構造が力を受けるときの変形が小さい。前記のとおり、周波数が500~6000Hzの周波数応答は骨伝導スピーカーにとって特に重要であり、この周波数範囲では、鋭いピーク及びボトムは望ましくなく、周波数応答カーブが平坦であるほど、イヤホンの音質は良くなる。いくつかの実施形態では、ケースパネル222及びケースバック224の剛度を調整することにより、高周波数領域のピークボトムをより高い周波数の領域に調整することができる。いくつかの実施形態では、ケースブラケット228はが周波数領域のピークボトムに影響を与えることもある。ケースブラケット228の剛度を調整することにより、高周波数領域のピークボトムをより高い周波数の領域に調整することができる。いくつかの実施形態では、骨伝導スピーカーの周波数応答カーブの有効周波数帯域が少なくとも500~1000Hz、又は1000~2000Hzをカバーできるようにしてもよい。より好ましくは500~2000Hz、より好ましくは500~4000Hz、より好ましくは500~6000Hz、より好ましくは100~6000Hz、より好ましくは100~10000Hzをカバーできる。ここでいう有効周波数帯域は、IEC及びJISなどの業界で汎用されている規格に基づいて設定される。いくつかの実施形態では、有効周波数帯域には、周波数幅範囲が1/8オクターブ帯域を超え、ピーク値/ボトム値が平均振動強度10dBを超えたピーク/ボトムがない。
【0067】
いくつかの実施形態では、異なるコンポーネント(例えば、ケース220及びケースブラケット228)の剛度は材料のヤング率、厚さ、大きさ及び体積などに関連する。
図4は、本願のいくつかの実施形態に係る骨伝導スピーカーのケースが異なるヤング率の材料で製造される場合の骨伝導スピーカーの周波数応答カーブである。なお、前記のように、ケース220はケースパネル222、ケースバック224及びケース側面226を含むことができる。ケースパネル222、ケースバック224及びケース側面226は同一の材料で製造されてもよく、異なる材料で製造されてもよい。例えば、ケースバック224及びケースパネル222は同一の材料で製造され、ケース側面226は他の材料で製造されてよい。
図4では、ケース220はケースパネル222、ケースバック224及びケース側面226が同一の材料で製造されるものであってよく、このように、ケース材料のヤング率の変化が骨伝導イヤホンの周波数応答カーブに与える影響を明らかに説明することができる。
図4のヤング率が18000MPa、6000MPa及び2000MPaの3種類の異なる材料で製造される同一のサイズのケース220の周波数応答カーブを比較すると、サイズが変わらない条件下で、ケース220の材料のヤング率が大きいほど、ケース220の剛度が大きくなり、周波数応答カーブ中の高周波数ピークの周波数も高くなることが分かる。ここでいうケースの剛度はケースの弾性率、すなわちケースが力を受けた際に生じる形状の変化として表すことができる。ケースの構造及びサイズは一定する場合、ケースの剛度はケースを製造する材料のヤング率の増大に伴って大きくなる。いくつかの実施形態では、ケース220の材料のヤング率を調整することにより、周波数応答カーブの高周波数のピーク方向をより高い周波数に調整することができる。いくつかの実施形態では、ケース220の材料のヤング率は2000MPaより大きく、好ましくはケース220の材料のヤング率は4000MPaより大きく、好ましくはケース220の材料のヤング率は6000MPaより大きく、好ましくはケース220の材料のヤング率は8000MPaより大きく、好ましくはケース220の材料のヤング率は12000MPaより大きく、より好ましくはケース220の材料のヤング率は15000MPaより大きく、さらに好ましくはケース220の材料のヤング率は18000MPaより大きい。
【0068】
いくつかの実施形態では、ケース220の剛度を調整することにより、骨伝導イヤホンの周波数応答カーブ中の高周波数ピークの周波数を1000Hz以上にすることができ、好ましくは高周波数ピークの周波数を2000Hz以上にし、好ましくは高周波数ピークの周波数を4000Hz以上にし、好ましくは高周波数ピークの周波数を6000Hz以上にし、より好ましくは高周波数ピークの周波数を8000Hz以上にし、より好ましくは高周波数ピークの周波数を10000Hz以上にし、より好ましくは高周波数ピークの周波数を12000Hz以上にし、さらに好ましくは高周波数ピークの周波数を14000Hz以上にし、さらに好ましくは高周波数ピークの周波数を16000Hz以上にし、さらに好ましくは高周波数ピークの周波数を18000Hz以上にし、さらに好ましくは高周波数ピークの周波数を20000Hz以上にすることができる。いくつかの実施形態では、ケース220の剛度を調整することにより、骨伝導イヤホンの周波数応答カーブ中の高周波数ピークの周波数を耳の聴力範囲外に位置させることができる。いくつかの実施形態では、ケース220の剛度を調整することにより、イヤホンの周波数応答カーブ中の高周波数ピークの周波数を耳の聴力範囲内に位置させることができる。いくつかの実施形態では、複数の高周波数ピーク/ボトムがある場合、ケース220の剛度を調整することにより、骨伝導イヤホンの周波数応答カーブ中の1つ以上の高周波数ピーク/ボトムの周波数を耳の聴力範囲外に位置させ、他の1つ以上の高周波数ピーク/ボトムの周波数を耳の聴力範囲内にすることができる。例えば、第2高周波数ピーク350を耳の聴力範囲外に位置させ、第1高周波数ボトム330及び第1高周波数ピーク340を耳の聴力範囲内にすることができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、ケース220が高い剛度を有するように、ケースパネル222、ケースバック224及びケース側面226の接続方式を設計することができる。いくつかの実施形態では、ケースパネル222、ケースバック224及びケース側面226は一体成型であってよい。いくつかの実施形態では、ケースバック224及びケース側面226は一体成型構造であってよい。ケースパネル222及びケース側面226は、接着剤により直接的に貼り付けて固定されてもよく、又は係止、溶接又はねじ接続の方式で固定されてもよい。前記接着剤は粘性が高く、硬度が大きい接着剤であってよい。いくつかの実施形態では、ケースパネル222及びケース側面226は一体成型構造であってよく、ケースバック224とケース側面226は、接着剤により直接的に貼り付けて固定されてもよく、又は係止、溶接又はねじ接続の方式で固定されてもよい。いくつかの実施形態では、ケースパネル222、ケースバック224及びケース側面226はいずれも独立な部品であり、三者は接着剤、係止、溶接又はねじ接続方式のうちの1つ又は任意の複数の組み合わせにより固定接続することができる。例えば、ケースパネル222とケース側面226は接着剤により接続され、ケースバック224とケース側面226は係止、溶接又はねじ接続により接続される。或いは、ケースバック224とケース側面226は接着剤により接続され、ケースパネル222とケース側面226は係止、溶接又はねじ接続により接続される。
【0070】
いくつかの実施形態では、同じ又は異なるヤング率の材料を選択して組み合わせることにより、ケース220全体の剛度を高めることができる。いくつかの実施形態では、ケースパネル222、ケースバック224及びケース側面226は同一の材料で製造することができる。いくつかの実施形態では、ケースパネル222、ケースバック224及びケース側面226は同じヤング率又は異なるヤング率を有する異なる材料で製造することができる。いくつかの実施形態では、ケースパネル222、ケースバック224は同じ材料で製造され、ケース側面226は他の材料で製造され、2種類の材料のヤング率は同じであってよく、異なってもよい。例えば、ケース側面226の材料のヤング率はケースパネル222及びケースバック224の材料のヤング率より大きく、或いは、ケース側面226の材料のヤング率はケースパネル222及びケースバック224の材料のヤング率未満であってもよい。いくつかの実施形態では、ケースパネル222、ケース側面226は同じ材料で製造され、ケースバック224は他の材料で製造され、2種類の材料のヤング率は同じであってもよく、異なってもよい。例えば、ケースバック224の材料のヤング率はケースパネル222及びケース側面226の材料のヤング率より大きく、或いはケースバック224の材料のヤング率はケースパネル222及びケース側面226の材料のヤング率未満であってもよい。いくつかの実施形態では、ケースバック224、ケース側面226は同じ材料で製造され、ケースパネル222は他の材料で製造され、2種類の材料のヤング率は同じであってよく、異なってもよい。例えば、ケースパネル222の材料のヤング率はケースバック224及びケース側面226の材料のヤング率より大きく、或いはケースパネル222の材料のヤング率はケースバック224及びケース側面226の材料のヤング率未満であってもよい。いくつかの実施形態では、ケースパネル222、ケースバック224及びケース側面226の材料はいずれも異なり、3種類のヤング率はすべて同じ又はすべて異なってかついずれも2000MPaより大きくてよい。
【0071】
図5は、本願のいくつかの実施形態に係る骨伝導イヤホンの振動伝達シートが異なる剛度を有する場合の骨伝導イヤホンの周波数応答カーブである。
図6は、本願のいくつかの実施形態に係る骨伝導イヤホンのイヤホン固定コンポーネントが異なる剛度を有する場合の骨伝導イヤホンの周波数応答カーブである。
図5及び
図6から分かるように、低周波数領域の2つの共振ピークは振動伝達シート及びイヤホン固定コンポーネントと関連する。振動伝達シート214及びイヤホン固定コンポーネントの剛度が小さいほど、共振ピークの低周波数での応答が顕著になる。振動伝達シート214及びイヤホン固定コンポーネントの剛度が大きいほど、共振ピークは中周波数又は高周波数の方向へ変化し、音質の低下を招く。したがって、振動伝達シート214及びイヤホン固定コンポーネントの剛度が小さい場合、構造自体の弾性がより高く、イヤホンの音質がより高い。いくつかの実施形態では、振動伝達シート214及びイヤホン固定コンポーネントの剛度を調整することにより、骨伝導イヤホンの低周波数領域の2つの共振ピークの周波数をいずれも2000Hz未満であってもよく、好ましくは骨伝導イヤホンの低周波数領域の2つの共振ピークの周波数をいずれも1000Hzより小さくしてもよく、より好ましくは骨伝導イヤホンの低周波数領域の2つの共振ピークの周波数をいずれも500Hzより小さくすることができる。いくつかの実施形態では、骨伝導イヤホンの低周波数領域での2つの共振ピークのピーク値の差は150Hz以下であり、好ましくは骨伝導イヤホンの2つの共振ピークのピーク値の差は100Hz以下であり、より好ましくは骨伝導イヤホンの2つの共振ピークのピーク値の差は50Hz以下である。
【0072】
前記のように、本願は、骨伝導スピーカーの各部品(例えば、ケース、ケースブラケット、振動伝達シート又はイヤホン固定コンポーネント)の剛度を調整することにより、高周波数領域のピーク/ボトムをより高い周波数に調整し、低周波共振ピークを低周波数に調整し、500~6000Hz範囲内の周波数応答カーブをプラットフォームに保証し、骨伝導イヤホンの音質を向上させる。
【0073】
一方、骨伝導スピーカーは、振動を伝送する過程で音漏れが発生することがある。前記音漏れとは、骨伝導スピーカー200の内部部品の振動、又はケースの振動によって周囲の空気の体積が変化し、周囲の空気が圧縮領域又は疎領域を形成して周囲に伝播し、音声が周囲環境に伝送されて、骨伝導イヤホンの装着者以外の人がイヤホンの発する音声を聞こえるようになることを意味する。本願は、ケースの構造、剛度を変更するなどの角度から、骨伝導イヤホンの音漏れを低減する解決手段を提供することができる。
【0074】
図7Aは、本願のいくつかの実施形態に係る骨伝導イヤホンのケースの構造概略図である。
図7に示すように、ケース700は、ケースパネル710、ケースバック720及びケース側面730を含むことができる。ケースパネル710は人体と接触し、骨伝導イヤホンの振動を人体の聴覚神経に伝送する。いくつかの実施形態では、ケース700全体の剛度が高い場合、一定の周波数範囲内に、ケースパネル710及びケースバック720の振動幅及び位相は同じ又は基本的に同じであることにより(ケース側面730が空気を圧縮しないため、音漏れがない)、ケースパネル710が生成した第1音漏れ信号とケースバック720が生成した第2音漏れ信号は互いに重畳することができる。前記重畳は第1音漏れの音波又は第2音漏れの音波の振幅値を低減して、ケース700の音漏れを低減するという目的を達成することができる。いくつかの実施形態では、上記一定の周波数範囲は少なくとも周波数が500Hzより大きい部分を含む。好ましくは上記一定の周波数範囲は少なくとも周波数が600Hzより大きい部分を含む。好ましくは上記一定の周波数範囲は少なくとも周波数が800Hzより大きい部分を含む。好ましくは上記一定の周波数範囲は少なくとも周波数が1000Hzより大きい部分を含む。好ましくは上記一定の周波数範囲は少なくとも周波数が2000Hzより大きい部分を含む。より好ましくは上記一定の周波数範囲は少なくとも周波数が5000Hzより大きい部分を含む。より好ましくは上記一定の周波数範囲は少なくとも周波数が8000Hzより大きい部分を含む。
さらに好ましくは上記一定の周波数範囲は少なくとも周波数が10000Hzより大きい部分を含む。骨伝導イヤホンのケース構造のより詳細な説明は本願の他の箇所の説明(例えば、
図22A~22C及びその関連説明)を参照することができる。
【0075】
周波数が一定の閾値を超える場合、ケース700上の特定の部位(例えば、ケースパネル710、ケースバック720及びケース側面730)は振動するときに高次モードになる場合がある(即ち、上記特定の部位上の各点での振動が一致しない状況がある)。いくつかの実施形態では、ケース700のケースの体積の体積及び材料を設計することにより、前記高次モードになる周波数をより高くすることができる。
図7Bは、本願のいくつかの実施形態に係る高次モードになる周波数と、ケースの体積及び材料のヤング率との関係概略図である。ここで、説明の便宜上、ケース700の異なる部位(例えば、ケースパネル710、ケースバック面720及びケース側面730)が同じヤング率を有する材料で構成されていると理解する。なお、ケース700の異なる部位が異なるヤング率の材料で構成されている場合(例えば、本願の他の箇所の実施形態で示した場合)にも、同様の結果が取得できることは当業者には理解されるところである。
図7Bに示すように、点線712は材料のヤング率が15GPaである場合のケース700が高次モードになる周波数とケースの体積との関係を表す。具体的に、ケース材料のヤング率は15GPaである場合、ケース700のケースの体積が小さいほど、高次モードになる周波数は高い。例えば、ケースの体積が25000mm
3である場合、ケース700が高次モードになる周波数が4000Hzの近くにあり、ケースの体積が400mm
3である場合、ケース700が高次モードになる周波数が32000Hz以上である。同様に、点線713はケース材料のヤング率が5GPaである場合のケース700が高次モードになる周波数とケースの体積との関係を表す。実線714はケース材料のヤング率が2GPaである場合のケース700が高次モードになる周波数とケースの体積との関係を表す。以上から分かるように、ケースの体積が小さく、ケース材料のヤング率が大きいほど、ケース700が高次モードになる周波数は高い。いくつかの実施形態では、ケース700の体積を400~6000mm
3の範囲にするとともに、ケース材料のヤング率を2~18GPaの間にすることができ、好ましくはケースの体積を400~5000mm
3の範囲にするとともに、ケース材料のヤング率を2~10GPaの間にし、より好ましくはケースの体積を400~3500mm
3の範囲にするとともに、ケース材料のヤング率を2~6GPaの間にし、ケースの体積を400~3000mm
3の範囲にするとともに、ケース材料のヤング率を2~5.5GPaの間にし、より好ましくはケースの体積を400~2800mm
3の範囲にするとともに、ケース材料のヤング率を2~5GPaの間にし、より好ましくはケースの体積を400~2000mm
3の範囲にするとともに、ケース材料のヤング率を2~4GPaの間にし、さらに好ましくはケースの体積を400~1000mm
3の範囲にするとともに、ケース材料のヤング率を2~3GPaの間にする。
【0076】
ケースの体積が大きいほど、ケース700の内部がより大きな磁気システムを収容して、骨伝導スピーカーの感度をより高くすることができる。いくつかの実施形態では、骨伝導スピーカーの感度は、一定の入力信号で骨伝導スピーカーが生成した音量の大きさで反映することができる。同じ信号が入力された場合、骨伝導スピーカーが生成した音量が大きいほど、該骨伝導スピーカーの感度が高いと意味する。
図7Cは、本願のいくつかの実施形態に係る骨伝導スピーカーの音量とケースの体積との関係概略図である。
図7Cに示すように、横座標はケースの体積の大きさを表し、縦座標は同じ入力信号の場合の骨伝導スピーカーの音量の大きさ(参照音量に対する大きさ、すなわち相対音量で表す)を表す。骨伝導スピーカーの音量はケースの体積の増大に伴い大きくなる。例えば、ケースの体積が3000mm
3である場合、骨伝導スピーカーの相対音量は1であり、ケースの体積が400mm
3である場合、骨伝導スピーカーの相対音量は0.25~0.5の間にある。いくつかの実施形態では、骨伝導スピーカーに高い感度(音量)を有させるために、ケースの体積は2000~6000mm
3であってよく、好ましくはケースの体積は2000~5000mm
3であってよく、好ましくはケースの体積は2800~5000mm
3であってよく、好ましくはケースの体積は3500~5000mm
3であってよく、好ましくはケースの体積は1500~3500mm
3であってよく、好ましくはケースの体積は1500~2500mm
3であってよい。
【0077】
図8は、ケース700の音漏れを低減する原理的概略図である。
図8に示すように、骨伝導スピーカーは作動状態にある場合、ケースパネル710は人体に接触し、機械的に振動する。いくつかの実施形態では、ケースパネル710は、人の顔の皮膚に接触し、接触した皮膚をある程度押圧し、ケースパネル710の周辺の皮膚が外側に突出し、変形するようにしてよい。ケースパネル710が振動すると、顔の方向に移動し、皮膚を押圧し、ケースパネル710の周辺の変形した皮膚が外向きに突出するようにプッシュし、ケースパネル710の周囲の空気を圧縮する。一方、ケースパネルが顔から離れる方向に移動すると、ケースパネル710と人の顔の皮膚との間に疎領域が形成され、ケースパネル710の周囲の空気が吸収される。このような空気の圧縮及び吸収により、ケースパネル710の周囲の空気の体積の変化が進み、周囲の空気に圧縮領域又は疎領域が形成して周囲に伝播し、周囲の環境に音声を伝送することにより、音漏れが発生する。ケース700の剛度が、ケースバック720がケースパネル710とともに振動し、振動の大きさ及び方向が一致するように剛度が十分に大きければ、ケースパネル710が顔の方向に移動する場合、ケースバック720もそれに伴い顔の方向に移動し、ケースバック720の周囲に空気の疎領域を形成し、すなわちケースパネル710の周囲の空気を圧縮する場合、ケースバック720の周囲は空気を吸収する。ケースパネル710が顔から離れる方向へ移動する場合、ケースバック720もそれに伴い顔から離れる方向へ移動し、ケースバック720の周囲に空気の圧縮領域を形成し、すなわちケースパネル710の周囲が空気を吸収する場合、ケースバック720の周囲は空気を圧縮する。このようなケースバック720とケースパネル710による空気に対する反対の効果により、骨伝導イヤホンによる周囲の空気への作用を打ち消し合うことができ、すなわち、外部の音漏れを打ち消し、ケース700の外部の音漏れを顕著に低減する効果を達成することができる。すなわち、ケース700全体の剛度を向上させることにより、ケースバック720及びケースパネル710の振動の一致を保証することができ、一方、ケース側面730は空気をプッシュせず、音漏れが発生しない限り、ケースバック720及びケースパネル710の音漏れを互いに打ち消し、ケース700の外部の音漏れを顕著に低減することができる。
【0078】
いくつかの実施形態では、ケース700の剛度が高く、ケースパネル710とケースバック720との振動の一致を保証することにより、ケース700の外部の音漏れを打ち消し合い、音漏れを顕著に低減するという目的を達成することができる。いくつかの実施形態では、ケース700の剛度が高く、ケースパネル710及びケースバック720の中低周波数範囲内の音漏れを減少することができる。
【0079】
ある実施形態では、、ケースパネル710、ケースバック720及びケース側面730の剛度を向上させることにより、ケース700の剛度を向上させることができる。ケースパネル710の剛度は材料のヤング率、サイズ、重量などのパラメータに関連する。材料のヤング率が大きいほど、ケースパネル710の剛度が大きい。いくつかの実施形態では、ケースパネル710の材料のヤング率は2000Mpaより大きく、好ましくはケースパネル710の材料のヤング率は3000Mpaより大きく、ケースパネル710の材料のヤング率は4000Mpaより大きく、好ましくはケースパネル710の材料のヤング率は6000Mpaより大きく、好ましくはケースパネル710の材料のヤング率は8000Mpaより大きく、好ましくはケースパネル710の材料のヤング率は12000Mpaより大きく、より好ましくはケースパネル710の材料のヤング率は15000Mpaより大きく、さらに好ましくはケースパネル710の材料のヤング率は18000Mpaより大きい。いくつかの実施形態では、ケースパネル710の材料は、アクリロニトリ
ル-ブタジエンスチレン共重合体(Acrylonitrile butadiene styrene、ABS)、ポリスチレン(Polystyrene、PS)、耐衝撃性ポリスチレン(High impact polystyrene、HIPS)、ポリプロピレン(Polypropylene、PP)、ポリエチレンテレフタラート(Polyethylene terephthalate、PET)、ポリエステル(Polyester、PES)、ポリカーボネート(Polycarbonate、PC)、ポリアミド(Polyamides、PA)、ポリ塩化ビニル(Polyvinyl chloride、PVC)、ポリウレタン(Polyurethanes、PU)、ポリ塩化ビニリデン(Polyvinylidene chloride)、ポリエチレン(Polyethylene、PE)、ポリメタクリル酸メチル(Polymethyl methacrylate、PMMA)、芳香族ポリエーテルケトン(Polyetheretherketone、PEEK)、フェノール樹脂(Phenolics、PF)、尿素ホルムアルデヒド樹脂(Urea-formaldehyde、UF)、メラミンホルムアルデヒド樹脂(Melamine formaldehyde、MF)及びいくつかの金属、合金(アルミニウム合金、クロムモリブデン鋼、スカンジウム合金、マグネシウム合金、チタン合金、マグネシウムリチウム合金、ニッケル合金など)、ガラス繊維又は炭素繊維のうちの任意の材料又は前記任意の材料の組み合わせを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、ケースパネル710の材料はガラス繊維、炭素繊維と、ポリカーボネート(Polycarbonate、PC)、ポリアミド(Polyamides、PA)などの材料との任意の組み合わせである。いくつかの実施形態では、ケースパネル710の材料は、炭素繊維及びポリカーボネート(Polycarbonate、PC)を一定の割合で混合して製造されるものであってよい。いくつかの実施形態では、ケースパネル710の材料は、炭素繊維、ガラス繊維及びポリカーボネート(Polycarbonate、PC)を一定の割合で混合して製造されるものであってよい。いくつかの実施形態では、ケースパネル710の材料は、ガラス繊維及びポリカーボネート(Polycarbonate、PC)を一定の割合で混合して製造されるものであってもよく、ガラス繊維及びポリアミド(Polyamides、PA)を一定の割合で混合して製造されるものであってもよい。異なる割合の炭素繊維又はガラス繊維を加えることで、得られる材料の剛度が異なる。例えば、20%~50%のガラス繊維を加えると、材料のヤング率は4000~8000MPaに達することができる。
【0080】
いくつかの実施形態では、ケースパネル710の厚さが大きいほど、ケースパネル710の剛度が大きくなる。いくつかの実施形態では、ケースパネル710の厚さは0.3mm以上であり、好ましくはケースパネル710の厚さは0.5mm以上であり、より好ましくはケースパネル710の厚さは0.8mm以上であり、より好ましくはケースパネル710の厚さは1mm以上である。しかし、厚さの増加に伴い、ケース700の重量も増加して、骨伝導イヤホンの自重を増加させ、イヤホンの感度に影響を与える。したがって、ケースパネル710の厚さはあまり大きくしない方が好ましい。いくつかの実施形態では、ケースパネル710の厚さは2.0mm以下であり、好ましくはケースパネル710の厚さは1.5mm以下であり、好ましくはケースパネル710の厚さは1.2mm以下であり、より好ましくはケースパネル710の厚さは1.0mm以下であり、より好ましくはケースパネル710の厚さは0.8mm以下である。
【0081】
いくつかの実施形態では、ケースパネル710を異なる形状に設置してよい。例えば、ケースパネル710を長方形、略長方形(すなわち、トラック形、又は長方形の4つの角を弧状に切り替える構造)、楕円形又は他の任意の形状に設置してよい。ケースパネル710の面積が小さいほど、ケースパネル710の剛度は大きくなる。いくつかの実施形態では、ケースパネル710の面積は8cm2以下であり、好ましくはケースパネル710の面積は6cm2以下であり、好ましくはケースパネル710の面積は5cm2以下であり、より好ましくはケースパネル710の面積は4cm2以下であり、より好ましくはケースパネル710の面積は2cm2以下である。
【0082】
いくつかの実施形態では、ケース700の剛度をケース700の重量を調整することにより実現することができる。ケース700の重量が大きいほど、ケース700の剛度は高くなる。しかし、ケース700の重量が大きいほど、イヤホンの自重も増加し、骨伝導イヤホンンの装着感に影響を与える。かつ、ケース700の重量が大きいほど、イヤホン全体の感度も低くなる。
図9は、本願のいくつかの実施形態に係る骨伝導イヤホンのケースの重量が異なる場合の骨伝導イヤホンの周波数応答カーブである。
図9に示すように、ケースの重量が大きいほど、高周波数の周波数応答カーブ全体は低周波数方向に変化して、イヤホンの周波数応答カーブは中高周波数にピーク/ボトムがあり、音質が低くなる。いくつかの実施形態では、ケース700の重量は8グラム以下であり、好ましくはケース700の重量は6グラム以下であり、より好ましくはケース700の重量は4グラム以下であり、さらに好ましくはケース700の重量は2グラム以下である。
【0083】
いくつかの実施形態では、ケースパネル710のヤング率、厚さ、重量、形状などの要素のうちの任意の組み合わせを調整することにより、ケースパネル710の剛度を向上させることができる。例えば、ヤング率及び厚さを調整することにより、所望の剛度を得ることができる。或いは、ヤング率、厚さ及び重量を調整することにより所望の剛度を得ることができる。いくつかの実施形態では、ケースパネル710の材料はヤング率が2000MPa以上であり、厚さが1mm以上である。いくつかの実施形態では、ケースパネル710の材料はヤング率が4000MPa以上であり、厚さが0.9mm以上である。いくつかの実施形態では、ケースパネル710の材料はヤング率が6000MPa以上であり、厚さが0.7mm以上である。いくつかの実施形態では、ケースパネル710の材料はヤング率が8000MPa以上であり、厚さが0.6mm以上である。いくつかの実施形態では、ケースパネル710の材料はヤング率が10000MPa以上であり、厚さが0.5mm以上である。いくつかの実施形態では、ケースパネル710の材料はヤング率が18000MPa以上であり、厚さが0.4mm以上である。
【0084】
いくつかの実施形態では、ケースは、全体として一緒に振動可能な任意の形状であってよく、
図7に示す形状に限定されない。いくつかの実施形態では、ケースは、ケースパネルとケースバックの、同一平面における投影面積が等しい任意の形状であってよい。いくつかの実施形態では、ケース900はカラムであってよく、
図10Aに示すように、前記ケースパネル910と前記ケースバック930はそれぞれ前記カラムの上端面と下端面であり、ケース側面920はカラムの側縁である。ケースパネル910とケースバック930の、前記カラムにおける軸線に垂直な横断面における投影面積は等しい。いくつかの実施形態では、ケースバックとケース側面の投影面積の和は、ケースパネルの投影面積と等しい。例えば、ケース900は、半球体に類似する形状であってよく、
図10Bに示すように、ケースパネル910は平面又は曲面であってよく、ケース側面920は曲面(例えば、ボウル状曲面)であってよく、前記ケースパネル910に平行な平面を投影面として、ケースバック930は投影面積がケースパネル910の投影面積未満である平面又は曲面であってよく、ケース側面920とケースバック930の投影面積の和は、ケースパネル910の投影面積と等しい。いくつかの実施形態では、人体に対向するケースの片側の投影面積は、人体とは反対するケースの片側の投影面積と等しい。例えば、
図10Cに示すように、ケースパネル910とケースバック930は反対する曲面であり、ケース側面920はケースパネル910からケースバックへ過渡する曲面であり、ケース側面920の一部はケースパネル910と同じ側に位置しており、ケース側面920の他の一部はケースバック930と同じ側と位置しており、横断面積が最大の横断面を投影平面として、ケース側面920の一部とケースパネル910との投影面積の和は、ケース側面920の他の一部とケースバック930との投影面積の和とは等しい。いくつかの実施形態では、ケースパネルとケースバックの面積の差分はケースパネルの面積の50%以下であり、好ましくはケースパネルとケースバックの面積の差分はケースパネルの面積の40%以下であり、より好ましくはケースパネルとケースバックの面積の差分はケースパネルの面積の30%以下であり、より好ましくはケースパネルとケースバックの面積の差分はケースパネルの面積の25%以下であり、より好ましくはケースパネルとケースバックの面積の差分はケースパネルの面積の20%以下であり、より好ましくはケースパネルとケースバックの面積の差分はケースパネルの面積の15%以下であり、より好ましくはケースパネルとケースバックの面積の差分はケースパネルの面積の12%以下であり、より好ましくはケースパネルとケースバックの面積の差分はケースパネルの面積の10%以下であり、より好ましくはケースパネルとケースバックの面積の差分はケースパネルの面積の8%以下であり、より好ましくはケースパネルとケースバックの面積の差分はケースパネルの面積の5%以下であり、より好ましくはケースパネルとケースバックの面積の差分はケースパネルの面積の3%以下であり、より好ましくはケースパネルとケースバックの面積の差分はケースパネルの面積の1%以下であり、ケースパネルとケースバックの面積の差分はケースパネルの面積の0.5%以下であり、より好ましくはケースパネルとケースバックの面積は等しい。
【0085】
図11は、従来の骨伝導スピーカーと本願のいくつかの実施形態に係る骨伝導スピーカーの音漏れの打ち消し効果の対比図である。従来の骨伝導スピーカーとは、一般的なヤング率の材料で製造されたケースで構成された骨伝導スピーカーを指す。
図11では、点線は、従来の骨伝導スピーカーの音漏れカーブであり、実線は本願の骨伝導スピーカーの音漏れカーブである。低周波数場合の従来のスピーカーの音漏れを0に設定し、すなわち低周波数場合の従来のスピーカーの音漏れ打ち消しを基準とし、音漏れ打ち消しのカーブを作る。本願の骨伝導スピーカーの音漏れ打ち消し効果は従来のスピーカーより顕著に高いことが分かる。低周波数の部分(例えば、周波数が100Hz未満である部分)では、音漏れ打ち消しの効果は最も高く、従来の骨伝導スピーカーより40dBの音漏れを低減することができ、周波数が高くなるにつれて、音漏れ打ち消しの度合いは徐々に弱くなり、1000Hzでは、従来の骨伝導スピーカーより20dBの音漏れを低減することができるが、4000Hzでは5dBの音漏れしか低減することができない。いくつかの実施形態では、前記比較テスト結果はシミュレーションの方式で取得することができる。いくつかの実施形態では、上記比較テスト結果は実体テストの方式で取得することができる。例えば、骨伝導スピーカーを静かな環境に配置し、骨伝導スピーカーへ信号電流を入力し、骨伝導スピーカーの周囲空間にマイクを配置して音声信号を受信して、音漏れの大きさを計測することができる。
【0086】
図11中の結果から分かるように、中低周波数の場合に、本願の骨伝導スピーカーのケースの振動一致性が高く、大部分の音漏れを打ち消すことができ、音漏れを低減する効果は従来の骨伝導イヤホンより顕著に高い。しかし、高周波数振動が発生した場合、ケース全体を保持して一緒に振動させることが困難であるため、依然として大きな音漏れが発生する。一方、高周波数の場合に、ヤング率が大きい材料を使用しても、ケースが変形することは避けられない。ケースパネル及びケースバックに一致しない変形がある(例えば、ケースパネル及びケースバック自体は高周波数の場合に高次モードになる)場合、両者が生成した音漏れは互いに打ち消すことがなく、音漏れをもたらす。かつ、高周波数の場合に、ケース側面も変形して、ケースパネル及びケースバックの変形が大きくなり、音漏れが大きくなる。
【0087】
図12は、骨伝導スピーカーのケースパネルの周波数応答カーブである。中低周波数の場合に、ケースは全体として一緒に移動し、ケースパネル及びケースバックの振動の大きさ、速度及び方向はいずれも同じである。高周波数の場合に、ケースパネルに高次モードが発生し(すなわち、ケースパネル上の各点での振動は一致しない)、ケースも高次モードのため、応答カーブにおいて顕著なピーク値が出る(
図12を参照)。いくつかの実施形態では、ケースパネルの材料のヤング率、重量及び/又はサイズを調整することによりピーク値の周波数を調整することができる。いくつかの実施形態では、ケースパネルの材料のヤング率は2000MPaより大きく、好ましくは材料のヤング率は4000MPaより大きく、好ましくは材料のヤング率は6000MPaより大きく、好ましくは材料のヤング率は8000MPaより大きく、好ましくは材料のヤング率は12000MPaより大きく、より好ましくは材料のヤング率は15000MPaより大きく、さらに好ましくは材料のヤング率は18000MPaより大きい。いくつかの実施形態では、ケースパネルに高次モードが発生する最小周波数は4000Hz以上であり、好ましくはケースパネルに高次モードが発生する最小周波数は6000Hz以上であり、より好ましくはケースパネルに高次モードが発生する最小周波数は8000Hz以上であり、より好ましくはケースパネルに高次モードが発生する最小周波数は10000Hz以上であり、より好ましくはケースパネルに高次モードが発生する最小周波数は15000Hz以上であり、より好ましくはケースパネルに高次モードが発生する最小周波数は20000Hz以上である。
【0088】
いくつかの実施形態では、ケースパネルの剛度を調整することにより、ケースパネルの周波数応答カーブ中のピーク値の周波数を1000Hzより大きくしてよく、好ましくはピーク値の周波数を2000Hzより大きくしてよく、好ましくはピーク値の周波数を4000Hzより大きくしてよく、好ましくはピーク値の周波数を6000Hzより大きくしてよく、より好ましくはピーク値の周波数を8000Hzより大きくしてよく、より好ましくはピーク値の周波数を10000Hzより大きくしてよく、より好ましくはピーク値の周波数を12000Hzより大きくしてよく、さらに好ましくはピーク値の周波数を14000Hzより大きくしてよく、さらに好ましくはピーク値の周波数を16000Hzより大きくしてよく、さらに好ましくはピーク値の周波数を18000Hzより大きくしてよく、さらに好ましくはピーク値の周波数を20000Hzより大きくしてよい。
【0089】
いくつかの実施形態では、ケースパネルは同一の材料で構成してもよい。いくつかの実施形態では、ケースパネルは2種又は2種以上の材料を積層して設置することで構成してもよい。いくつかの実施形態では、ケースパネルは、一層のヤング率が大きい材料に一層のヤング率が小さい材料を加えて組み合わせて構成されてよい。このようにする利点は、ケースパネルの剛度要件を確保するとともに、人体との接触の快適性を向上させ、ケースパネルと人体との接触の適合度を向上させることである。いくつかの実施形態では、ヤング率が大きい材料は、アクリロニトリル-ブタジエンスチレン共重合体(Acrylonitrile butadiene styrene、ABS)、ポリスチレン(Polystyrene、PS)、耐衝撃性ポリスチレン(High impact polystyrene、HIPS)、ポリプロピレン(Polypropylene、PP)、ポリエチレンテレフタラート(Polyethylene terephthalate、PET)、ポリエステル(Polyester、PES)、ポリカーボネート(Polycarbonate、PC)、ポリアミド(Polyamides、PA)、ポリ塩化ビニル(Polyvinyl chloride、PVC)、ポリウレタン(Polyurethanes、PU)、ポリ塩化ビニリデン(Polyvinylidene chloride)、ポリエチレン(Polyethylene、PE)、ポリメタクリル酸メチル(Polymethyl methacrylate、PMMA)、芳香族ポリエーテルケトン(Polyetheretherketone、PEEK)、フェノール樹脂(Phenolics、PF)、尿素ホルムアルデヒド樹脂(Urea-formaldehyde、UF)、メラミンホルムアルデヒド樹脂(Melamine formaldehyde、MF)及びいくつかの金属、合金(アルミニウム合金、クロムモリブデン鋼、スカンジウム合金、マグネシウム合金、チタン合金、マグネシウムリチウム合金、ニッケル合金など)、ガラス繊維又は炭素繊維のうちの任意の材料又は前記任意の材料の組み合わせであってよい。いくつかの実施形態では、ケースパネル710の材料はガラス繊維、炭素繊維及びポリカーボネート(Polycarbonate、PC)、ポリアミド(Polyamides、PA)などの材料の任意の組み合わせである。いくつかの実施形態では、ケースパネル710の材料は、炭素繊維及びポリカーボネート(Polycarbonate、PC)を一定の割合で混合して製造されるものであってよい。いくつかの実施形態では、ケースパネル710の材料は、炭素繊維、ガラス繊維及びポリカーボネート(Polycarbonate、PC)を一定の割合で混合して製造されるものであってよい。いくつかの実施形態では、ケースパネル710の材料は、ガラス繊維及びポリカーボネート(Polycarbonate、PC)を一定の割合で混合して製造されるものであってよい。異なる割合の炭素繊維又はガラス繊維を加えることで、得られる材料の剛度が異なる。例えば、20%~50%のガラス繊維を加えると、材料のヤング率は4000~8000MPaに達することができる。いくつかの実施形態では、ヤング率が小さい材料はシリカゲルであってよい。
【0090】
いくつかの実施形態では、人体と接触するケースパネルの外面は平面であってよい。いくつかの実施形態では、ケースパネルの外面は凸部又は凹部を有してよく、
図13に示すように、ケースパネル1300の上表面に凸部1310を有する。いくつかの実施形態では、ケースパネルの外面は任意の輪郭の曲面であってよい。
【0091】
図14Aは、骨伝導スピーカーのケースバックの周波数応答カーブである。ケースバックは、中低周波数にある際、ケースパネルの振動と一致し、高周波数にある際、ケースバックに高次モードが発生する。ケースバックの高次モードは、ケース側面により、ケースパネルの移動速度及び移動方向に影響を与える。高周波数にある際、ケースバックの変形は、ケースパネルの変形と互いに強めるか又は互いに打ち消し、高周波にピーク及びボトムを発生することができる。いくつかの実施形態では、ケースバックの材料及び幾何サイズを調整することにより、出現したピーク値の周波数をより高くさせ、より広い範囲のより平坦な周波数応答カーブを取得することができる。骨伝導イヤホンの音質を向上させる。耳の高周波数音漏れに対する感度を低減して、スピーカーの音漏れを低減する。いくつかの実施形態では、ケースバックの材料のヤング率、重量及び/又はサイズを調整することによりケースバックに出現したピーク値の周波数を調整することができる。いくつかの実施形態では、ケースバックの材料のヤング率は2000Mpaより大きく、好ましくは材料のヤング率は4000Mpaより大きく、好ましくは材料のヤング率は6000Mpaより大きく、好ましくは材料のヤング率は8000Mpaより大きく、好ましくは材料のヤング率は12000Mpaより大きく、より好ましくは材料のヤング率は15000Mpaより大きく、さらに好ましくは材料のヤング率は18000Mpaより大きい。
【0092】
いくつかの実施形態では、ケースバックの剛度を調整することにより、ケースバックに出現したピーク値の周波数を1000Hzより大きくし、好ましくは周波数を2000Hzより大きくし、好ましくは周波数を4000Hzより大きくし、好ましくは周波数を6000Hzより大きくし、より好ましくは周波数を8000Hzより大きくし、より好ましくは周波数を10000Hzより大きくし、より好ましくは周波数を12000Hzより大きくし、さらに好ましくは周波数を14000Hzより大きくし、さらに好ましくは周波数を16000Hzより大きくし、さらに好ましくは周波数を18000Hzより大きくし、さらに好ましくは周波数を20000Hzより大きくすることができる。
【0093】
いくつかの実施形態では、ケースバックは同一の材料で構成することができる。いくつかの実施形態では、ケースバックは2種又は2種以上の材料を積層して設置することで構成してもよい。
【0094】
図14Bは、骨伝導イヤホンのケース側面の周波数応答カーブである。前記のように、ケース側面は低周波数で振動している場合に、自体は音漏れを引き起こさない。しかしながら、ケース側面は高周波数にある場合、スピーカーの音漏れにも影響を与える。これは、周波数が高いと、ケース側面が変形し、この変形がケースパネルとケースバックの移動の不一致を引き起こして、ケースパネルとケースバックの音漏れが互いに打ち消さず、全体の漏れ音が大きくなるからである。ケース側面が変形する場合、骨伝導の音質の変化をも引き起こす。
図14Bに示すように、ケース側面の周波数応答カーブは高周波数にピーク/ボトムがある。いくつかの実施形態では、ケース側面の材料及び幾何サイズを調整することにより出現したピークボトムの周波数をより高くさせ、より広い範囲のより平坦な周波数応答カーブを取得することができる。骨伝導スピーカーの音質を向上させる。耳の高周波数音漏れの感度を低減して、スピーカーの音漏れを低減する。いくつかの実施形態では、ケース側面の材料のヤング率、重量及び/又はサイズを調整することによりピーク/ボトムが発生したピーク値の周波数を調整することができる。いくつかの実施形態では、ケース側面の材料のヤング率は2000Mpaより大きくてよく、好ましくは材料のヤング率は4000Mpaより大きくてよく、好ましくは材料のヤング率は6000Mpaより大きくてよく、好ましくは材料のヤング率は8000Mpaより大きくてよく、好ましくは材料のヤング率は12000Mpaより大きくてよく、より好ましくは材料のヤング率は15000Mpaより大きくてよく、さらに好ましくは材料のヤング率は18000Mpaより大きくてよい。
【0095】
いくつかの実施形態では、ケース側面の剛度を調整することにより、ケース側面に出現したピーク値の周波数を2000Hzより大きくすることができ、好ましくはケース側面のピーク値の周波数を4000Hzより大きく、好ましくはケース側面のピーク値の周波数を6000Hzより大きく、好ましくはケース側面のピーク値の周波数を8000Hzより大きく、より好ましくはケース側面のピーク値の周波数を10000Hzより大きく、より好ましくはケース側面のピーク値の周波数を12000Hzより大きく、さらに好ましくはケース側面のピーク値の周波数を14000Hzより大きく、さらに好ましくはケース側面のピーク値の周波数を16000Hzより大きく、さらに好ましくはケース側面のピーク値の周波数を18000Hzより大きく、さらに好ましくはケース側面のピーク値の周波数を20000Hzより大きくすることができる。
【0096】
いくつかの実施形態では、ケース側面は同一の材料で構成してもよい。いくつかの実施形態では、ケース側面は二種又は二種以上の材料を積層して設置することで構成してもよい。
【0097】
ケースブラケットの剛度もイヤホンの高周波数での周波数応答に影響を与えることができる。
図15は、骨伝導イヤホンのケースブラケットの周波数応答カーブである。
図15に示すように、高周波数の場合、ケースブラケットは周波数応答カーブで1つの共振ピークを生成する。剛度の異なるケースブラケットは、高周波数の共振ピークの位置が異なる。いくつかの実施形態では、ケースブラケットの材料及び幾何サイズを調整して、出現した共振ピークの周波数をより高くさせることにより、骨伝導スピーカーは中低周波数でより広い範囲のより平坦な周波数応答カーブを取得し、さらに骨伝導スピーカーの音質を向上させることができる。いくつかの実施形態では、ケースブラケットの材料のヤング率、重量及び/又はサイズを調整することにより共振ピークが発生した周波数を調整することができる。いくつかの実施形態では、ケースブラケットの材料のヤング率は2000MPaより大きく、好ましくは材料のヤング率は4000MPaより大きく、好ましくは材料のヤング率は6000MPaより大きく、好ましくは材料のヤング率は8000MPaより大きく、好ましくは材料のヤング率は12000MPaより大きく、より好ましくは材料のヤング率は15000MPaより大きく、さらに好ましくは材料のヤング率は18000MPaより大きい。
【0098】
いくつかの実施形態では、ケースブラケットの剛度を調整することにより、ケースブラケットのピーク値の周波数を2000Hzより大きくすることができ、好ましくはケースブラケットのピーク値の周波数を4000Hzより大きく、好ましくはケースブラケットのピーク値の周波数を6000Hzより大きくし、好ましくはケースブラケットのピーク値の周波数を8000Hzより大きくし、より好ましくはケースブラケットのピーク値の周波数を10000Hzより大きくし、より好ましくはケースブラケットのピーク値の周波数を12000Hzより大きくし、さらに好ましくはケースブラケットのピーク値の周波数を14000Hzより大きくし、さらに好ましくはケースブラケットのピーク値の周波数を16000Hzより大きくし、さらに好ましくはケースブラケットのピーク値の周波数を18000Hzより大きくし、さらに好ましくはケースブラケットのピーク値の周波数を20000Hzより大きくすることができる。
【0099】
本願では、材料のヤング率及びサイズを調整してケースの剛度を向上させ、ケースの振動の一致性を保証することにより、音漏れを互いに重畳して打ち消し、音漏れを低減することができる。ケース上の異なる部分に対応するピーク値の周波数をより高い周波数に調整し、音漏れを低減するとともに音質を向上させることができる。
【0100】
図16Aは、本願のいくつかの実施形態に係る骨伝導スピーカー1600の固定コンポーネントがケースに接続する構造概略図である。図に示すように、イヤホン固定コンポーネント1620はケース1610に接続される。イヤホン固定コンポーネント1620は、骨伝導イヤホンと人体組織又は骨との安定な接触を保持し、骨伝導スピーカーの揺れを回避し、イヤホンが安定して音声を伝送できるように保証する。前記のように、イヤホン固定コンポーネント1620は弾性構造に等価であってよく、イヤホン固定コンポーネント1620の剛度が小さく(すなわち、ばね定数が小さい)、低周波数での共振ピークの応答が顕著になるほど、骨伝導イヤホンの音質の向上に有利になる。一方、イヤホン固定コンポーネント1620の剛度が小さい(すなわち、ばね定数が小さい)と、ケースの振動に有利になる。
【0101】
図16Bは骨伝導スピーカー1600のイヤホン固定コンポーネント1620とケース1610が接続部品1630を介して接続される方式である。いくつかの実施形態では、接続部品1630はシリカゲル、スポンジ、弾力片のうちの1つ又は任意のいくつ種の組み合わせであってよい。
【0102】
いくつかの実施形態では、イヤホン固定コンポーネント1620は耳掛け式であってよく、イヤホン固定コンポーネント1620の両端にそれぞれ1つのケース1610が接続され、耳掛けの方式で2つのケースをそれぞれ頭蓋骨の両側に固定する。いくつかの実施形態では、イヤホン固定コンポーネント1620は、片耳式イヤークリップであってよい。イヤホン固定コンポーネント1620は1つのケース1610に単独に接続し、ケース1610を頭蓋骨の一側に固定することができる。
【0103】
なお、前記イヤホン固定コンポーネントとケースとの接続方式は、本願のいくつかの実例又は実施形態に過ぎず、当業者であれば、本願の応用場面に応じて、前記イヤホン固定コンポーネントとケースとの接続方式を適宜調整することが可能である。イヤホン固定コンポーネントとケースとの接続に関する説明は本願の他の箇所の説明(例えば、
図23A~23C及びその関連説明)を参照することができる。
【0104】
実施形態1
図17に示すように、骨伝導イヤホン1700は、磁気回路コンポーネント1710、コイル1720、接続部材1730、振動伝達シート1740、ケース1750及びケースブラケット1760を含む。いくつかの実施形態では、前記骨伝導スピーカー1700は第1素子及び第2素子をさらに含む。コイル1720は第1素子によりケース1750に接続される。磁気回路コンポーネント1710は第2素子によりケース1750に接続される。第1素子の弾性率は第2素子の弾性率より大きいことにより、コイルとケースとのハード接続、磁気回路コンポーネントとケースとのソフト接続を実現し、低周波共振ピーク及び高周波共振ピークの位置を調整し、周波数応答カーブを最適化するという目的を達成する。いくつかの実施形態では、第1素子は、ケース1750の内部に固定接続され、コイル1720に接続されるケースブラケット1760であってよい。ケースブラケット1760は、ケース1750の内側壁に固定された環形のブラケットである。ケースブラケット1760は剛性部材であり、ヤング率が2000Mpaの材料で製造される。いくつかの実施形態では、前記第2素子は、振動伝達シート1740であってよい。磁気回路コンポーネント1710は、弾性部材である振動伝達シート1740に接続される。ケース1750は、振動伝達シート1740の駆動により、機械的に振動し、振動を組織及び骨に伝送し、組織及び骨により聴覚神経に伝送し、人体に音声を聞かせることができる。ケース1750全体の剛度が大きく、骨伝導イヤホン1700が作動する際に、ケース1750全体が一緒に振動するようになっており、すなわちケース1750上のケースパネル、ケース側面及びケースバックは基本的に同じ振動幅及び位相を保持し、ケース1750の外部の音漏れを互いに重畳して打ち消し、外部の音漏れを顕著に低減することができる。
【0105】
磁気回路コンポーネント1710は、第1磁性素子1706、第1磁気伝導性素子1704、第2磁性素子1702、第2磁気伝導性素子1708を含むことができる。第1磁気伝導性素子1704の下表面は第1磁性素子1706の上表面に接続することができる。第2磁気伝導性素子1708の下表面は第1磁性素子1706の上表面に接続することができる。第2磁性素子1708の下表面は第1磁性素子1704の上表面に接続することができる。第1磁性素子1706と第2磁性素子1708の磁化方向は逆である。第2磁性素子1708は第1磁性素子1706の上表面側の磁気漏洩を抑制することにより、第1磁性素子1706によって形成された磁界を第2磁気伝導性素子1708と第1磁性素子1706との間の磁気ギャップに多く圧縮し、磁気ギャップ内の磁気誘導を向上させ、さらに骨伝導イヤホン1700の感度を向上させることができる。
【0106】
同様に、第2磁気伝導性素子1708の下表面に磁化方向が第1磁性素子1706と逆である第3磁性素子1709を増設してよく、第1磁性素子1706の下表面側の磁気漏洩を抑制し、第1磁性素子1706によって形成された磁界を磁気ギャップにさらに圧縮し、磁気ギャップ内の磁気誘導及び骨伝導スピーカー1700の感度を向上させる。
【0107】
第1磁性素子1706、第1磁気伝導性素子1704、第2磁性素子1702、第2磁気伝導性素子1708及び第3磁性素子1709は、接着剤による貼り付けの方式で固定してよい。さらに、第1磁性素子1706、第1磁気伝導性素子1704、第2磁性素子1702、第2磁気伝導性素子1708及び第3磁性素子1709に孔を開けて、ねじにより固定してもよい。
【0108】
実施形態2
図18A~18Dは、骨伝導イヤホンの振動伝達シートのいくつかの構造概略図である。
図18Aに示すように、振動伝達シートは、外環、内環、及び外環と内環との間に設置された複数の接続ロッドを含んでよい。外環及び内環は、同心円であってよい。接続ロッド可は一定の長さを有する弧状であってよい。接続ロッドの数は3個以上であってよい。振動伝達シートの内環は、接続部材と固定接続されてよい。
【0109】
図18Bに示すように、振動伝達シートは、外環、内環、及び外環と内環との間に設置された複数の接続ロッドを含んでよい。接続ロッドは直線状のロッドであってよい。接続ロッドの数は3個以上であってよい。
【0110】
図18Cに示すように、振動伝達シートは、内環と、内環の周囲を周回して外方に放射状に分布する複数の湾曲ロッドとを有してよい。湾曲ロッドの数は3個以上であってよい。
【0111】
図18Dに示すように、振動伝達シートは、一端が振動伝達シートの中心点に集中し、他端が振動伝達シートの中心点の周囲を取り囲んでいる複数の湾曲ロッドで構成されてよい。湾曲ロッドの数は3個以上であってよい。
【0112】
実施形態3
図19は、本願のいくつかの実施形態に係る骨伝導スピーカーの構造概略図である。骨伝導スピーカー1900は、磁気回路コンポーネント1910、コイル1920、振動伝達シート1930、ケース1940及びケースブラケット1950を含んでよい。
図17を参照すると、実施形態1の構造と比較して、
図17における振動伝達シートは平面構造であり、振動伝達シートは一平面にある。本実施形態における振動伝達シートは三次元構造であり、
図19に示すように、振動伝達シート1930は力を受けていない自然状態において、厚み方向に三次元構造を有している。三次元振動伝達シートを使用することで、骨伝導イヤホン1900の厚み方向のサイズを低減することができる。
図17を参照して、振動伝達シートが平面構造である場合、振動伝達シートの作動時に鉛直方向に振動することを保証するために、振動伝達シートの上方及び下方に一定の空間を確保する必要がある。振動伝達シート自体の厚さが0.2mmでり、振動伝達シートの上方にサイズ1mmの空間、振動伝達シートの下方にサイズ1mmの空間を確報する必要があれば、ケース1940のパネルの下表面から磁気回路コンポーネントの上表面までは、少なくとも2.2mmの空間が必要である。三次元振動伝達シートを使用したら、振動伝達シートは自体の厚み空間で振動することができる。三次元振動伝達シートの厚み方向でのサイズは1.5mmであってよく、この場合、ケース1940のパネルの下表面から磁気回路コンポーネント1910の上表面までの距離は1.5mmだけを必要とし、0.7mmの空間が省かれ、イヤホン1900の厚み方向のサイズを大幅に縮小し、接続部材を廃止し、内部構造をシンプルにすることができる。一方、三次元振動伝達シートを使用するケースと、平面構造の振動伝達シートを使用するケースが、同じサイズを有する場合、三次元振動伝達シートは、平面構造の振動伝達シートと比較して、より大きい振動幅を有し、骨伝導スピーカーが提供可能な最大音量を向上させることができる。
【0113】
三次元振動伝達シート1930の投影形状は実施形態2における任意の1つであってよい。
【0114】
いくつかの実施形態では、三次元振動伝達シート1930の外縁は、ケースブラケット1950の内側に接続することができる。例えば、三次元振動伝達シート1930が
図18A又は18Bに示すような振動伝達シート構造を使用する場合、その外環は、ケースブラケット1950の内側に接着剤、係止、溶接又はねじ接続の方式に接続することができる。三次元振動伝達シート1930が
図18C又は18Dに示すような振動伝達シート構造を使用する場合、内環の周囲を周回する湾曲ロッドは、ケースブラケット1950の内側に接着剤、係止、溶接又はねじ接続の方式に接続することができる。いくつかの実施形態では、ケースブラケット1950に複数の溝孔を開設し、三次元振動伝達シート1930の外縁を前記溝孔を貫通してケースブラケット1950の外側に接続するとともに、振動伝達シートの長さを増加させてもよく、共振ピークが低周波数方向に変化させ、音質を向上させることに役立つ。上記溝孔のサイズは振動伝達シートの振動に十分な空間を提供することができる。
【0115】
実施形態4
図20A~20Dは本願のいくつかの実施形態に係るいくつかの骨伝導スピーカーの構造概略図である。
図20Aに示すように、実施形態1の構造と異なって、該スピーカー構造にはケースブラケットがなく、第1素子は接続部材2030であり、コイル2020は接続部材2030によりケース2050と接続される。接続部材2030は、柱状本体を含み、柱状本体の一端がケース2050に接続され、柱状本体の他端に断面積の大きい円形端部が設置され、円形端部がコイル2020に固定接続される。接続部材2030は剛性部材であり、ヤング率が4000Mpaより大きい材料で製造される。コイル2020と接続部材2030との間にガスケットが接続されてもよい。第2素子は振動伝達シート2040であり、磁気回路コンポーネント2010は振動伝達シート2040に接続され、振動伝達シート2040はケース2050に直接的に接続される。振動伝達シート2040は弾性部材である。振動伝達シート2040は磁気回路コンポーネント2010の上方に位置し、第2磁気伝導性素子2008の上端面に接続されてよい。振動伝達シート2040と第2磁気伝導性素子2008はガスケットを介して接続されてもよい。
【0116】
図20Bに示すように、
図20Aの構造と異なって、振動伝達シート2040は第2磁気伝導性素子2008とケース2050の側壁との間に位置し、第2磁気伝導性素子2008の外側に接続することができる。
【0117】
図20Cに示すように、振動伝達シート2040は、磁気回路コンポーネント2010の下方に設置され、第2磁気伝導性素子2008の下表面に接続されてもよい。
【0118】
図20Dに示すように、コイル2020は接続部材2030によりケースバックに固定接続される。
【0119】
実施形態5
図21に示すように、骨伝導イヤホン2100は、磁気回路コンポーネント2110、コイル2120、接続部材2130、振動伝達シート2140、ケース2150及びケースブラケット2160を含んでよい。ケース2150は振動伝達シート2140の駆動下で、機械的に振動し、振動を組織及び骨に伝送し、組織及び骨により聴覚神経に伝送し、人体に音声を聞かせることができる。ケース2150全体の剛度が大きいため、骨伝導イヤホン2100が作動する際に、ケース2150全体が一緒に振動し、ケース2150の外部の音漏れを互いに重畳して打ち消し、外部の音漏れを顕著に低減することができる。ケース2150に複数の音誘導孔2151が開設されてよい。音誘導孔2151はイヤホン2100の内部の音漏れをケース2150の外部に伝播し、ケース2150の外部の音漏れと互いに打ち消し、イヤホンの音漏れをさらに低減することができる。なお、ケース2150の内部の部材の振動によっても、内部の空気の振動が発生し、音漏れが発生する。内部の部材の振動はケース2150の振動と一致することで、ケース2150とは逆方向の音漏れが発生し、ケース2150の音漏れと打ち消し合い、音漏れを低減することができる。音誘導孔2151の位置、サイズ及び数を調整することにより、引き出す内部音漏れを調整し、内外の音漏れの打ち消しを保証し、音漏れを低減することができる。いくつかの実施形態では、ケース2150上の音誘導孔2151の位置に減衰層を設置して、音声を引き出す際の位相及び幅を調整し、音漏れの打ち消しの効果を向上させることができる。
【0120】
実施形態6
異なる応用場面に応じて、本願に係る骨伝導イヤホンのケースは異なる取り付け方式で製造されてもよい。例えば、本願の他の箇所の説明したように、骨伝導イヤホンのケースは一体成型の方式であってもよく、別体の組み合わせ又は両者の組み合わせであってもよい。別体の組み合わせの方式では、異なる別体の間は接着剤により貼り付け固定されるか、又は係止、溶接又はねじ接続の方式により固定される。具体的に、本願の骨伝導イヤホンのケースの取り付け方式をよりよく理解するために、
図22A~22Cはいくつかの骨伝導イヤホンのケースの取り付け方式の例を説明する。
【0121】
図22Aに示すように、骨伝導イヤホンのケースはケースパネル2222、ケースバック2224及びケース側面2226を含んでよい。ケース側面2226及びケースバック2224は一体成型の方式で製造され、ケースパネル2222は別体組み合わせの方式でケース側面2226の一端に接続される。前記別体組み合わせの方式は、接着剤による粘着固定、又は係止、溶接又はねじ接続の方式によりケースパネル2222をケース側面2226の一端固定することを含む。ケースパネル2222及びケース側面2226(又はケースバック2224)は異なる材料、同じ材料又は一部的に同じ材料で製造することができる。いくつかの実施形態では、ケースパネル2222及びケース側面2226は同じ材料で製造され、上記同じ材料のヤング率は2000MPaより大きく、より好ましくは上記同じ材料のヤング率は4000MPaより大きく、より好ましくは上記同じ材料のヤング率は6000MPaより大きく、より好ましくは上記同じ材料のヤング率は8000MPaより大きく、より好ましくは上記同じ材料のヤング率は12000MPaより大きく、より好ましくは上記同じ材料のヤング率は15000MPaより大きく、さらに好ましくは上記同じ材料のヤング率は18000MPaより大きい。いくつかの実施形態では、ケースパネル2222及びケース側面2226は異なる材料で製造され、上記異なる材料のヤング率はいずれも4000MPaより大きく、より好ましくは上記異なる材料のヤング率はいずれも6000MPaより大きく、より好ましくは上記異なる材料のヤング率はいずれも8000MPaより大きく、より好ましくは上記異なる材料のヤング率はいずれも12000MPaより大きく、より好ましくは上記異なる材料のヤング率はいずれも15000MPaより大きく、さらに好ましくは上記異なる材料のヤング率はいずれも18000MPaより大きい。いくつかの実施形態では、ケースパネル2222及び/又はケース側面2226の材料は、アクリロニトリル-ブタジエンスチレン共重合体(Acrylonitrile butadiene styrene、ABS)、ポリスチレン(Polystyrene、PS)、耐衝撃性ポリスチレン(High impact polystyrene、HIPS)、ポリプロピレン(Polypropylene、PP)、ポリエチレンテレフタラート(Polyethylene terephthalate、PET)、ポリエステル(Polyester、PES)、ポリカーボネート(Polycarbonate、PC)、ポリアミド(Polyamides、PA)、ポリ塩化ビニル(Polyvinyl chloride、PVC)、ポリウレタン(Polyurethanes、PU)、ポリ塩化ビニリデン(Polyvinylidene chloride)、ポリエチレン(Polyethylene、PE)、ポリメタクリル酸メチル(Polymethyl methacrylate、PMMA)、芳香族ポリエーテルケトン(Polyetheretherketone、PEEK)、フェノール樹脂(Phenolics、PF)、尿素ホルムアルデヒド樹脂(Urea-formaldehyde、UF)、メラミンホルムアルデヒド樹脂(Melamine formaldehyde、MF)及びいくつかの金属、合金(アルミニウム合金、クロムモリブデン鋼、スカンジウム合金、マグネシウム合金、チタン合金、マグネシウムリチウム合金、ニッケル合金など)、ガラス繊維又は炭素繊維のうちの任意の材料又は上記任意の材料の組み合わせを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、ケースパネル710の材料はガラス繊維、炭素繊維及びポリカーボネート(Polycarbonate、PC)、ポリアミド(Polyamides、PA)などの材料の任意の組み合わせである。いくつかの実施形態では、ケースパネル2222及び/又はケース側面2226の材料は、炭素繊維及びポリカーボネート(Polycarbonate、PC)を一定の割合で混合して製造されるものであってよい。いくつかの実施形態では、ケースパネル2222及び/又はケース側面2226の材料は、炭素繊維、ガラス繊維及びポリカーボネート(Polycarbonate、PC)を一定の割合で混合して製造されるものであってよい。いくつかの実施形態では、ケースパネル2222及び/又はケース側面2226の材料は、ガラス繊維及びポリカーボネート(Polycarbonate、PC)を一定の割合で混合して製造されるものであってもよく、ガラス繊維及びポリアミド(Polyamides、PA)を一定の割合で混合して製造されるものであってもよい。
【0122】
図22Aに示すように、ケースパネル2222、ケースバック2224及びケース側面2226は一定の収容空間を有する一体構造を形成する。上記一体構造内で、振動伝達シート2214は接続部材2216により磁気回路コンポーネント2210に接続される。磁気回路コンポーネント2210の両側はそれぞれ第1磁気伝導性素子2204と第2磁気伝導性素子2206に接続される。振動伝達シート2214はケースブラケット2228により上記一体構造の内部に固定される。いくつかの実施形態では、ケース側面2226はケースブラケット2228を支持する段階構造を有する。ケースブラケット2228がケース側面2226に固定された後、ケースパネル2222は同時にケースブラケット2228及びケース側面2226に固定されてもよく、単にケースブラケット2228又はケース側面2226に固定されてもよい。この場合に、好ましくはケース側面2226及びケースブラケット2228は一体成型してよい。いくつかの実施形態では、ケースブラケット2228は(例えば、接着剤による貼り付け、係止、溶接又はねじ接続などの方式で)ケースパネル2222に直接的に固定することができる。固定後のケースパネル2222及びケースブラケット2228は(例えば、接着剤による貼り付け、係止、溶接又はねじ接続などの方式で)さらにケース側面に固定される。この場合に、好ましくはケースブラケット2228及びケースパネル2222は一体成型してよい。
【0123】
図22Bに示すように、
図22Aと異なるところは、ケースブラケット2258及びケース側面2256が一体成型することである。ケースパネル2252は、(例えば、接着剤による貼り付け、係止、溶接又はねじ接続などの方式で)、ケース側面2256のケースブラケット2258に接続される側に固定され、ケースバック2254は、(例えば、接着剤による貼り付け、係止、溶接又はねじ接続などの方式で)ケース側面2256の他側に固定される。この場合に、好ましくはケースブラケット2258とケース側面2256は別体組み合わせの構造であり、かつケースパネル2252と、ケースバック2254と、ケースブラケット2258とケース側面2256との間は、いずれも接着剤による貼り付け、係止、溶接又はねじ接続などの方式により固定接続される。
【0124】
図22Cに示すように、
図22A及び
図22Bと異なって、ケースパネル2282及びケース側面2286は一体成型である。ケースバック2284は、(例えば、接着剤による貼り付け、係止、溶接又はねじ接続などの方式で)ケース側面2286のケースパネル2282とは反対する側に固定される。ケースブラケット2288は、例えば、接着剤による貼り付け、係止、溶接又はねじ接続などの方式によりケースパネル2282及び/又はケース側面2286に固定される。この場合に、好ましくはケースブラケット2288、ケースパネル2282及びケース側面2286は一体成型の構造である。
【0125】
実施形態7
本願の他の箇所で説明したように、骨伝導イヤホンのケースはイヤホン固定コンポーネントにより人体組織又は骨との安定な接触を保持することができる。異なる応用場面に応じて、上記イヤホン固定コンポーネントとケースは異なる方式で接続することができる。例えば、上記イヤホン固定コンポーネントとケースは、一体成型の方式であってもよく、別体の組み合わせ又は両者の組み合わせであってもよい。別体の組み合わせの方式では、イヤホン固定コンポーネントは接着剤により貼り付けられるか、又は係止又は溶接の方式によりケース上の特定の部位に固定接続されてよい。上記ケース上の特定の部位は、ケースパネル、ケースバック、及び/又はケース側面を含む。具体的に、本願のイヤホン固定コンポーネントとケースの接続方式をよりよく理解するために、
図23A~23Cはいくつかの骨伝導イヤホンのケースの接続方式の例を説明する。
【0126】
図23Aに示すように、耳掛けをイヤホン固定コンポーネントとすることを例にし、
図22Aを基礎として、耳掛け2330はケースに固定接続される。上記固定接続の方式は、接着剤による粘着固定、又は係止、溶接又はねじ接続の方式により耳掛け2330をケース側面2326又はケースバック2324に固定することを含む。耳掛け2330のケースと接続される部分は、ケース側面2326又はケースバック2324と同じ材料、異なる材料又は一部的に同じ材料で製造することができる。いくつかの実施形態では、耳掛け2330が小さい剛度(すなわち小さい剛性係数)を有させるために、耳掛け2330には、プラスチックゴム、シリカゲル及び/又は金属材料が含まれていてもよい。例えば、耳掛け2330には、円弧状のチタンワイヤが含まれていてもよい。好ましくは耳掛け2330は、ケース側面2326又はケースバック2324と一体成型してよい。
【0127】
図23Bに示すように、
図22Aを基として、耳掛け2360はケースに固定接続される。上記固定接続の方式は、接着剤による粘着固定、又は係止、溶接又はねじ接続の方式により耳掛け2360をケース側面2356又はケースバック2354に固定することを含む。
図23Aと同様に、耳掛け2360のケースと接続される部分は、ケース側面2356又はケースバック2354と同じ材料、異なる材料又は一部的に同じ材料で製造することができる。好ましくは耳掛け2360は、ケース側面2356又はケースバック2354と一体成型してよい。
【0128】
図23Cに示すように、
図22Cを基礎として、耳掛け2390はケースに固定接続される。上記固定接続の方式は、接着剤による粘着固定、又は係止、溶接又はねじ接続の方式により耳掛け2390をケース側面2386又はケースバック2384に固定することを含む。
図23Aと同様に、耳掛け2390のケースと接続される部分は、ケース側面2386又はケースバック2384と同じ材料、異なる材料又は一部的に同じ材料で製造することができる。好ましくは耳掛け2390は、ケース側面2386又はケースバック2384と一体成型してよい。
【0129】
実施形態8
本願の他の箇所で説明したように、骨伝導イヤホンのケースの剛度は、ケース上の各部位(例えば、ケースパネル、ケースバック及び/又はケース側面)の振動幅及び位相に影響を与え、骨伝導イヤホンの音漏れに影響を与える。いくつかの実施形態では、骨伝導イヤホンのケースが高い剛度を有する場合、ケースパネル及びケースバックは高い周波数下で同じ又は基本的に同じ振動幅及び位相を保持して、骨伝導イヤホンの音漏れを顕著に低減することができる。
【0130】
ここでいう高い周波数は、1000~2000Hzの間の周波数、1100~2000Hzの間の周波数、1300~2000Hzの間の周波数、1500~2000Hzの間の周波数、1700~2000Hzの間の周波数、1900~2000Hzの間の周波数などの1000Hz以上の周波数を含んでよい。好ましくはここでいう高い周波数は、2000~3000Hzの間の周波数、2100~3000Hzの間の周波数、2300~3000Hzの間の周波数、2500~3000Hzの間の周波数、2700~3000Hzの間の周波数、2900~3000Hzの間の周波数などの2000Hz以上の周波数を含んでよい。好ましくはここでいう高い周波数は、4000~5000Hzの間の周波数、4100~5000Hzの間の周波数、4300~5000Hzの間の周波数、4500~5000Hzの間の周波数、4700~5000Hzの間の周波数、4900~5000Hzの間の周波数などの4000Hz以上の周波数を含んでよい。より好ましくはここでいう高い周波数は、6000~8000Hzの間の周波数、6100~8000Hzの間の周波数、6300~8000Hzの間の周波数、6500~8000Hzの間の周波数、7000~8000Hzの間の周波数、7500~8000Hzの間の周波数、又は7900~8000Hzなどの6000Hz以上の周波数を含んでよい。さらに好ましくはここでいう高い周波数は、8000~12000Hzの間の周波数、8100~12000Hzの間の周波数、8300~12000Hzの間の周波数、8500~12000Hzの間の周波数、9000~12000Hzの間の周波数、10000~12000Hzの間の周波数、又は11000~12000Hzなどの8000Hz以上の周波数を含んでよい。
【0131】
ここでいうケースパネル及びケースバックは同じ又は基本的に同じ振動幅を保持することとは、上記ケースパネルとケースバックとの振動幅の割合が一定の範囲内にあることを指す。例えば、ケースパネルとケースバックとの振動幅の割合は0.3~3であり、好ましくはケースパネルとケースバックとの振動幅の割合は0.4~2.5であり、好ましくはケースパネルとケースバックとの振動幅の割合は0.5~1.5であり、より好ましくはケースパネルとケースバックとの振動幅の割合は0.6~1.4であり、より好ましくはケースパネルとケースバックとの振動幅の割合は0.7~1.2であり、より好ましくはケースパネルとケースバックとの振動幅の割合は0.75~1.15であり、より好ましくはケースパネルとケースバックとの振動幅の割合は0.8~1.1であり、より好ましくはケースパネルとケースバックとの振動幅の割合は0.85~1.1であり、より好ましくはケースパネルとケースバックとの振動幅の割合は0.9~1.05である。いくつかの実施形態では、ケースパネル及びケースバックの振動は振動幅を特徴づけられる他の物理量で表示することができる。例えば、ケースパネルとケースバックによって生成される空間内の一点での音圧をそれぞれ使用して、ケースパネルとケースバックの振動の振動幅を特徴付けることができる。
【0132】
ここでいうケースパネル及びケースバックは同じ又は基本的に同じ振動位相を保持することとは、上記ケースパネルとケースバックとの振動位相の差分が一定の範囲内にあることを指す。例えば、ケースパネルとケースバックとの振動位相の差分が-90°~90°であり、好ましくはケースパネルとケースバックとの振動位相の差分が-80°~80°であり、好ましくはケースパネルとケースバックとの振動位相の差分が-60°~60°であり、好ましくはケースパネルとケースバックとの振動位相の差分が-45°~45°であり、さらに好ましくはケースパネルとケースバックとの振動位相の差分が-30°~30°であり、より好ましくはケースパネルとケースバックとの振動位相の差分が-20°~20°であり、より好ましくはケースパネルとケースバックとの振動位相の差分が-15°~15°であり、より好ましくはケースパネルとケースバックとの振動位相の差分が-12°~12°であり、より好ましくはケースパネルとケースバックとの振動位相の差分が-10°~10°であり、より好ましくはケースパネルとケースバックとの振動位相の差分が-8°~8°であり、好ましくはケースパネルとケースバックとの振動位相の差分が-6°~6°であり、より好ましくはケースパネルとケースバックとの振動位相の差分が-5°~5°であり、より好ましくはケースパネルとケースバックとの振動位相の差分が-4°~4°であり、より好ましくはケースパネルとケースバックとの振動位相の差分が-3°~3°であり、より好ましくはケースパネルとケースバックとの振動位相の差分が-2°~2°であり、より好ましくはケースパネルとケースバックとの振動位相の差分が-1°~1°であり、さらに好ましくはケースパネルとケースバックとの振動位相の差分が0°である。
【0133】
具体的に、本願のケースパネルとケースバックの振動幅及び位相の関係をよりよく理解するために、
図24~26はいくつかの骨伝導イヤホンのケースの振動を計測する方法の例を説明する。
【0134】
図24に示すように、信号発生装置2420は、ケース2410のケースパネル2412を振動させるように、骨伝導イヤホンに駆動信号を提供することができる。簡単のため、1つの周期信号(例えば、正弦波信号)を上記駆動信号として説明する。ケースパネル2412は、上記周期信号の駆動下で、周期的に駆動する。レンジファインダ2440は、ケースパネル2412にテスト信号2450(例えば、レーザ)を発射し、ケースパネル2412から反射された信号を受信し、かつ第1電気信号に変換した後に、信号テスト装置2430に送信する。上記第1電気信号(第1振動信号とも呼ばれる)は、ケースパネル2412の振動状態を反映することができる。信号テスト装置2430は、信号発生装置2420が生成した周期信号と、レンジファインダ2440が計測した第1電気信号を比較して、2つの信号の間の位相差(第1位相差とも呼ばれる)を得ることができる。同様に、レンジファインダ2440は、ケースバックの振動により生成した第2電気信号(第2振動信号とも呼ばれる)を計測し、信号テスト装置2430は上記周期信号と上記第2電気信号との間の位相差(第2位相差とも呼ばれる)を得ることができる。上記第1位相差及び上記第2位相差に基づいて、ケースパネル2412とケースバックとの位相差を取得することができる。これと同様に、第1電気信号及び第2電気信号の振幅値を比較することにより、ケースパネル2412とケースバックの振動幅との関係を決定することができる。
【0135】
いくつかの実施形態では、レンジファインダ2440の代わりに、マイクを使用することができる。具体的に、マイクをケースパネル2412とケースバックの近くの位置にそれぞれ配置し、ケースパネル2412とケースバックが生成した音圧をそれぞれ計測し、上記第1電気信号及び第2電気信号と類似する信号を取得し、かつこれに基づいてケースパネル2412とケースバックとの振動幅及び位相の関係を決定する。なお、ケースパネル2412とケースバックが生成した音圧に大きさ及び位相をそれぞれ計測する場合、好ましくは上記マイクをケースパネル2412とケースバックに近い(例えば、垂直距離が10mm未満である)位置にそれぞれ配置し、上記マイクからケースパネル2412とケースバックまでの距離が近い又は近接し、ケースパネル2412とケースバックに対応する上記マイクの位置が同じように保持する。
【0136】
図25は、
図24に基づいて計測された例示的な結果である。横座標は時間、縦座標は信号の大きさを表す。図中、実線2510は信号発生装置2420が生成した周期信号、点線2520はレンジファインダが計測した第1電気信号を表す。上記第1電気信号の振幅値、すなわちV1/2は、ケースパネルの振動幅を反映することができる。上記第1電気信号と上記周期信号との位相差は以下のように表すことができる。
【0137】
【0138】
式中、t1は、上記周期信号及び上記第1電気信号の隣接するピークの時間間隔を表し、t2は、上記周期信号の周期を表す。
【0139】
同様に、第2電気信号の振幅値を取得することができる。上記第1電気信号の振幅値と上記第2電気信号の振幅値との割合は、ケースパネルの振動幅とケースバックの振動幅との割合を表すことができる。また、計測時の第1電気信号と第2電気信号との間に180°の位相差がある(すなわち、テスト信号をケースパネルとケースバックの外面にそれぞれ発射して行われた計測)場合を考えると、上記第2電気信号と周期信号との位相差は以下のように表すことができる。
【0140】
【0141】
式中、t
1′は、上記周期信号及び上記第2電気信号の隣接するピークの時間間隔を表し、t
2′は、上記周期信号の周期を表す。
【数3】
と
【数4】
との間の差分は、ケースパネル2412及びケースバックの位相差を反映することができる。
【0142】
なお、ケースパネルとケースバックの振動をそれぞれテストする時に、後に算出される位相差の不正確を回避するため、できるだけテストシステムの状態を一致させるべきである。計測時にテストシステムにタイムラグが生じると、毎回の計測結果に対してタイムラグ補償を行ったり、ケースパネルとケースバックを計測する時のテストシステムの遅延が同じになるようにしたりして、タイムラグの影響を打ち消す必要がある。
【0143】
図26は骨伝導イヤホンのケースの振動を計測する別の例示的な方法を説明する。
図24と異なって、
図26には2つのレンジファインダ2640及び2640’が含まれている。この2つのレンジファインダは、骨伝導イヤホンのケース2610のケースパネル及びケースバックの振動を同時に計測し、ケースパネルとケースバックの振動をそれぞれ反映する第1電気信号と第2電気信号を信号テスト装置2630に伝送することができる。同様に、上記2つのレンジファインダ2640と2640’は、それぞれ2つのマイクで代替することができる。
【0144】
図27は、
図26に基づいて計測された例示的な結果である。図中、実線2710はケースパネルの振動を反映する第1電気信号、点線2720はケースバックの振動を反映する第2電気信号を表す。上記第1電気信号の振幅値、すなわちV3/2は、ケースパネルの振動幅を反映することができる。上記第2電気信号の振幅値、すなわちV4/2は、ケースバックの振動幅を反映することができる。この場合に、上記ケースパネルの振動幅と上記ケースバックの振動幅との割合はV3/V4である。上記第1電気信号と上記第2電気信号との位相差、すなわち上記ケースパネルの振動と上記ケースバックの振動との位相差は、以下のように表すことができる。
【0145】
【0146】
式中、t3′は、上記第1信号及び上記第2電気信号の隣接するピークの時間間隔を表し、t4′は、上記第2信号の周期を表す。
【0147】
実施形態9
図28及び
図29は、イヤホン固定コンポーネントがある場合の骨伝導イヤホンのケースの振動を計測する方法の例を説明する。
【0148】
図28は、骨伝導イヤホンのケース2810がイヤホン固定コンポーネント2860に固定接続され、例えば、本願の他の部分で説明した任意の1つの接続方式により接続されていることで
図24と異なっている。計測過程において、イヤホン固定コンポーネント2860は、固定装置2870にさらに固定される。固定装置2870により、イヤホン固定コンポーネント2860に接続されている部分を静止状態に保持させることができる。信号発生装置2820が骨伝導イヤホンに駆動信号を提供した後、ケース2810全体は固定装置2870に対して振動することができる。同様に、信号テスト装置2830は、ケースパネルの振動とケースバックの振動を反映する第1電気信号と第2電気信号をそれぞれ取得し、かつそれに基づいてケースパネルとケースバックとの位相差を決定することができる。
【0149】
図29は、骨伝導イヤホンのケース2910がイヤホン固定コンポーネント2960に固定接続され、例えば、本願の他の部分で説明した任意の1つの接続方式により接続されていることで
図26と異なっている。計測する過程において、イヤホン固定コンポーネント2960は、固定装置2970にさらに固定される。固定装置2970により、イヤホン固定コンポーネント2960に接続されている部分を静止状態に保持させることができる。信号発生装置2920が骨伝導イヤホンに駆動信号を提供した後、ケース2910全体は固定装置2970に対して振動することができる。同様に、信号テスト装置2830は、ケースパネルの振動とケースバックの振動を反映する第1電気信号と第2電気信号を同時に取得し、かつそれに基づいてケースパネルとケースバックとの位相差を決定することができる。
【0150】
以上、基本的な概念について説明したが、当業者であれば、上記発明の開示は、あくまで例示であって、本願を限定するものではないことは明らかである。ここで明らかに説明していないが、当業者であれば、本願に対して種々の修正、改良、補正を行うことができる。該類の修正、改良及び補正は本願において提案されているため、該類の修正、改良、補正は依然として本願の例示的な実施形態の精神及び範囲に属する。
【0151】
同時に、本願は、特定の単語を用いて本願の実施形態を説明する。例えば、「1つの実施形態」、「一実施形態」及び/又は「いくつかの実施形態」とは、本願の少なくとも1つの実施形態に関連するある特徴、構造又は特性を指す。従って、本明細書において異なる位置で二回又は複数回に言及された「一実施形態」又は「1つの実施形態」又は「一変形例」は、必ずしも同一の実施形態を意味するものではないことに留意すべきである。また、本願の1つ以上の実施形態のある特徴、構造又は特性を適宜組み合わせることができる。
【0152】
また、本願の各態様がいくつかの特許性を有する種類又は状況により説明し記述することができ、任意の新規かつ有用なステップ、機器、製品又は物質の組み合わせ又はそれらの任意の新規かつ有用な改良を含むことは当業者に理解されるところである。対応的に、本願の各態様は、ハードウェアにより完全に実行されてもよく、ソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)により完全に実行されてもよく、ハードウェアとソフトウェアとが組み合わされて実行されてもよい。以上のハードウェア又はソフトウェアは、いずれも「データブロック」、「モジュール」、「エンジン」、「ユニット」、「コンポーネント」又は「システム」と呼ぶことができる。また、本願の各態様は、コンピュータ可読プログラムコードを含む、1つ以上のコンピュータ可読媒体に位置するコンピュータ製品として表現する可能性がある。
【0153】
また、特許請求の範囲に記載されていない限り、本願の上記記載の処理要素及びシーケンスの順序、数字のアルファベットの使用、又はその他の名称の使用は、本願のフロー及び方法の順序を限定するものではない。上記開示において様々な例により現在有用と考えられるいくつかの発明の実施形態を検討したが、理解すべきことは、該種類の詳細が説明の目的のみを果たし、付加的な請求項が開示された実施形態に限定されるものではないことであり、逆に、請求項は本願の実施形態の実質及び範囲に合致する全ての修正及び等価な組み合わせをカバーすることを意図する。例えば、以上に説明された様々なコンポーネントの実施はハードウェアデバイスにより実現されてもよいが、ソフトウェアの解決手段のみにより実現されてもよく、例えば従来のサーバ又はモバイル装置に説明されたシステムをインストールする。
【0154】
同様に、注意すべきことは、本願に開示された記述を簡略化して、1つ以上の発明の実施形態に対する理解を助けるために、前の本願の実施形態に対する説明において、複数種の特徴を1つの実施形態、図面又はそれに対する説明に統合する場合があることである。しかしながら、このような開示方法は、本願の対象に必要な特徴が請求項に言及された特徴より多いいということを意味するものではない。実際に、実施形態の特徴は、上記開示の単一の実施形態の全ての特徴より少ない。
【0155】
いくつかの実施形態では、成分、属性数を記述した数字を用いているが、このような実施形態で記述した数字は、修飾語「約」、「近似」又は「大体」などを用いて修飾されている場合がある。特に説明しない限り、「約」、“近似」又は「大体」は上記数字が±20%の変化を許容することを示す。対応的に、いくつかの実施形態では、明細書及び請求項に使用される数値データはいずれも近似値であり、該近似値は個別の実施形態に必要な特徴に応じて変更することができる。いくつかの実施形態では、数値データは所定の有効桁を考慮し、一般的な桁数を保留する方法を採用すべきである。本願のいくつかの実施形態においてその範囲の広さを確認するための数値領域及びデータは近似値であるが、具体的な実施形態において、このような数値の設定は実行可能な範囲内でできるだけ正確である。
【0156】
最後に、理解すべきことは、本願における上記実施形態が本願の実施形態の原則を説明するために用いられるだけであることである。他の変形も本願の範囲に属する可能性がある。したがって、限定ではなく例として、本願の実施形態の代替構成は本出の教示と一致すると見なすことができる。対応的に、本願の実施形態は、本願に明確に説明及び記述される実施形態に限定されない。
【符号の説明】
【0157】
100 骨伝導スピーカー(骨伝導イヤホン)
102 磁気回路コンポーネント
104 振動コンポーネント
106 ケース
108 接続コンポーネント
200 骨伝導スピーカー(骨伝導イヤホン)
202 第1磁性素子
204 第1磁気伝導性素子
206 第2磁気伝導性素子
210 磁気回路コンポーネント
212 コイル
214 振動伝達シート
216 接続部材
220 ケース
222 ケースパネル
224 ケースバック
226 ケース側面
228 ケースブラケット
330 第1高周波数ボトム
340 第1高周波数ピーク
350 第2高周波数ピーク
700 ケース
710 ケースパネル
720 ケースバック
730 ケース側面
900 ケース
910 ケースパネル
920 ケース側面
930 ケースバック
1300 ケースパネル
1310 凸部
1600 骨伝導スピーカー
1610 ケース
1620 イヤホン固定コンポーネント
1630 接続部品
1700 骨伝導スピーカー(骨伝導イヤホン)
1710 磁気回路コンポーネント
1720 コイル
1730 接続部材
1740 振動伝達シート
1750 ケース
1760 ケースブラケット
1900 骨伝導スピーカー(骨伝導イヤホン)
1910 磁気回路コンポーネント
1920 コイル
1930 振動伝達シート
1940 ケース
1950 ケースブラケット
2008 第2磁気伝導性素子
2010 磁気回路コンポーネント
2020 コイル
2030 接続部材
2040 振動伝達シート
2050 ケース
2100 骨伝導イヤホン
2110 磁気回路コンポーネント
2120 コイル
2130 接続部材
2140 振動伝達シート
2150 ケース
2151 音誘導孔
2160 ケースブラケット
2204 第1磁気伝導性素子
2206 第2磁気伝導性素子
2210 磁気回路コンポーネント
2214 振動伝達シート
2216 接続部材
2222 ケースパネル
2224 ケースバック
2226 ケース側面
2228 ケースブラケット
2252 ケースパネル
2254 ケースバック
2256 ケース側面
2258 ケースブラケット
2282 ケースパネル
2284 ケースバック
2286 ケース側面
2288 ケースブラケット
2324 ケースバック
2326 ケース側面
2354 ケースバック
2356 ケース側面
2384 ケースバック
2386 ケース側面
2410 ケース
2412 ケースパネル
2420 信号発生装置
2430 信号テスト装置
2440 レンジファインダ
2450 テスト信号
2610 ケース
2630 信号テスト装置
2640 レンジファインダ
2640’ レンジファインダ
2810 ケース
2820 信号発生装置
2830 信号テスト装置
2860 イヤホン固定コンポーネント
2870 固定装置
2910 ケース
2920 信号発生装置
2960 イヤホン固定コンポーネント
2970 固定装置
【外国語明細書】