(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022115990
(43)【公開日】2022-08-09
(54)【発明の名称】左心耳を排除するためのデバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/12 20060101AFI20220802BHJP
【FI】
A61B17/12
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022076640
(22)【出願日】2022-05-06
(62)【分割の表示】P 2019522999の分割
【原出願日】2017-10-26
(31)【優先権主張番号】62/459,503
(32)【優先日】2017-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/413,632
(32)【優先日】2016-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518126373
【氏名又は名称】コンフォーマル・メディカル・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・エー・メランソン
(72)【発明者】
【氏名】アンディ・エイチ・レヴァイン
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・エイチ・ローパー
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ティー・ラドフォード
(72)【発明者】
【氏名】キャロル・デヴェリアン
(72)【発明者】
【氏名】アーロン・ヴィ・カプラン
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド・ビー・ランポート
(57)【要約】 (修正有)
【課題】左心耳の形状に適合して優れた封止効果を有するデバイスを提供する。
【解決手段】デバイスは心房細動の患者において、LAA内で血餅の形成から塞栓の発生を防ぐためにLAAを血流から排除する。植え込み可能なデバイスは、経カテーテル送達を介してLAA内に送達され固定される。インプラントは、拡張可能なフレーム3040と、フレーム3040によって担持される拡張可能で適合可能な発泡体本体部3002を備える。デバイスは、近位端に抗血栓性カバーと、発泡体本体部3002上に抗血栓性コーティングを有し、フレーム3040は、中心ハブ3050からリキャプチャストラット3061、軸方向に延在する側壁ストラットを有し、隣接する対の側壁ストラットは1つまたは複数の頂点で結合される。アンカー3090、3094は組織を係合し、デバイスの再配置または取り出しを可能にするように反転可能である。
【選択図】
図86C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左心耳閉塞デバイスであって、
閉じられた近位端と遠位端とを有する適合可能なチューブ状の発泡体本体部であって、前記近位端と前記遠位端との間に延在し、中心空洞を画定する圧縮性のある側壁を備える、発泡体本体部と、
前記側壁を圧迫して左心耳の壁に押し付けるように構成されている、前記発泡体本体部と結合されている拡張可能な支持体と、
を備える左心耳閉塞デバイス。
【請求項2】
前記圧縮性のある側壁は、少なくとも約0.5mmの圧縮されていない厚さを有する請求項1に記載の左心耳閉塞デバイス。
【請求項3】
前記圧縮性のある側壁は、少なくとも約1.5mmの圧縮されていない厚さを有する請求項1に記載の左心耳閉塞デバイス。
【請求項4】
前記圧縮性のある側壁は、制約されていない拡張状態において少なくとも約2mmだけ前記支持体の遠位端を超えて遠位方向に延在する請求項1に記載の左心耳閉塞デバイス。
【請求項5】
前記圧縮性のある側壁は、複数の相互接続された網目および空隙を有し、さらに前記相互接続された網目の少なくとも一部にPTFEコーティングを備える発泡体を備える請求項1に記載の左心耳閉塞デバイス。
【請求項6】
前記閉じられた近位端は、発泡体端壁を備える請求項1に記載の左心耳閉塞デバイス。
【請求項7】
前記発泡体端壁は、カバーをさらに備える請求項6に記載の左心耳閉塞デバイス。
【請求項8】
前記カバーは、ePTFEを含む請求項7に記載の左心耳閉塞デバイス。
【請求項9】
前記拡張可能な支持体は、自己拡張可能である請求項1に記載の左心耳閉塞デバイス。
【請求項10】
前記拡張可能な支持体は、前記中心空洞内にある請求項1に記載の左心耳閉塞デバイス。
【請求項11】
前記チューブ状の発泡体本体部は、制約されていない拡張状態で実質的に円筒形である請求項1に記載の左心耳閉塞デバイス。
【請求項12】
左心耳の側壁に適合するように構成されている自己拡張可能な非侵襲的閉塞デバイスであって、
チューブ状の発泡体側壁と中心空洞とを有する、圧縮性のある連続気泡発泡体本体部と、
前記中心空洞内の拡張可能な支持体と、
前記連続気泡発泡体本体部上の近位端壁とを備え、
前記近位端壁は、前記支持体の近位端の近位に位置決めされ、前記発泡体側壁は前記支持体の遠位端を越えて遠位に延在し、前記非侵襲的閉塞デバイスの中心長手方向軸が前記左心耳の主長手方向軸に非平行である植え込み部において前記支持体と前記左心耳の壁との間の接触を防ぐための遠位非侵襲的緩衝体を形成する自己拡張可能な非侵襲的閉塞デバイス。
【請求項13】
左心耳閉塞デバイスであって、
近位端と、遠位端と、チューブ状の側壁と、近位端壁とを有する拡張可能なチューブ状の発泡体カップであって、前記側壁は、少なくとも約1.0mmの厚さと、少なくとも約85%の開放空隙率の多孔率を有する拡張可能なチューブ状の発泡体カップと、
前記側壁を圧迫して左心耳の壁と接触して適合するように構成されている拡張可能なフレームと、
を備える左心耳閉塞デバイス。
【請求項14】
前記チューブ状の側壁は、少なくとも約2mmの厚さを有する請求項13に記載の左心耳閉塞デバイス。
【請求項15】
前記チューブ状の側壁は、少なくとも約90%の空隙率を有する請求項14に記載の左心耳閉塞デバイス。
【請求項16】
前記チューブ状の側壁は、少なくとも約100ミクロンの平均細孔サイズを有する請求項13に記載の左心耳閉塞デバイス。
【請求項17】
前記チューブ状の側壁は、少なくとも約200ミクロンの平均細孔サイズを有する請求項13に記載の左心耳閉塞デバイス。
【請求項18】
前記チューブ状の側壁は、抗血栓性コーティングを備える請求項13に記載の左心耳閉塞デバイス。
【請求項19】
前記近位端壁は、抗血栓性カバーを備える請求項13に記載の左心耳閉塞デバイス。
【請求項20】
前記抗血栓性コーティングは、PTFEを含む請求項18に記載の左心耳閉塞デバイス。
【請求項21】
前記フレームは、ハブへの近位方向で半径方向内向きに傾斜する少なくとも3つのリキャプチャストラットをさらに備える請求項13に記載の左心耳閉塞デバイス。
【請求項22】
前記フレームは、複数の軸方向に延在する側壁ストラットを備え、隣接する対の側壁ストラットは頂点で結合される請求項21に記載の左心耳閉塞デバイス。
【請求項23】
少なくとも6つの近位に面する頂点と少なくとも6つの遠位に面する頂点とを備える請求項22に記載の左心耳閉塞デバイス。
【請求項24】
各リキャプチャストラットは、前記フレーム上の固有の近位に面する頂点に結合される請求項22に記載の左心耳閉塞デバイス。
【請求項25】
前記リキャプチャストラットは、前記フレームとともに一体形成される請求項24に記載の左心耳閉塞デバイス。
【請求項26】
前記ハブを通る内腔をさらに備える請求項21に記載の左心耳閉塞デバイス。
【請求項27】
前記左心耳閉塞デバイスを組織に固定するためのアンカーを更に備える請求項13に記載の左心耳閉塞デバイス。
【請求項28】
前記アンカーが、傾斜角度で発泡体の前記側壁を貫通するように構成されている可撓性アンカーである、請求項27に記載の左心耳閉塞デバイス。
【請求項29】
圧縮性のあるチューブ状の発泡体壁を備える適合可能なLAA閉塞デバイスであって、前記発泡体壁は少なくとも約90%の空隙率、約250~500ミクロンの範囲内の平均細胞サイズ、少なくとも約2mmの壁厚、および少なくとも1psiの圧縮強度を有する網目状の架橋マトリクスを備える適合可能なLAA閉塞デバイス。
【請求項30】
前記圧縮強度は、約1psiから約2psiの範囲内である請求項29に記載の適合可能なLAA閉塞デバイス。
【請求項31】
前記側壁を圧迫して左心耳の壁に押し付けるように構成されている拡張可能な支持体をさらに備える請求項29に記載の適合可能なLAA閉塞デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この成果は、一般に、左心耳(LAA)を排除するためのシステム、デバイス、および方法に関するものである。特に、展開可能コンプライアントフレーム(deployable and compliant frame)を備える拡張可能発泡体インプラント(expandable foam implant)を使用してLAAを排除するためのシステム、デバイス、および方法が本明細書において説明されている。
【背景技術】
【0002】
心房細動(Afib)は、左心房(LA)の通常の拍動が無秩序であり、効果のない状態である。左心耳(LAA)は、LAから離れている盲嚢である。Afibを患っている患者では、LAA内で血流が停滞し凝血塊形成を促す。これらの凝血塊(または凝血塊片)は、LAAに塞栓を起こすか、またはLAAから出て体循環系内に入る傾向を有する。凝血塊/凝血塊片が脳内を灌流する動脈の1つに塞栓を起こし、閉塞するときに脳卒中が発生する。抗血液凝固剤、たとえば、クマディンは、Afib患者の脳卒中リスクを著しく低減することが示されている。これらの薬物は、凝血塊形成を低減するが、出血性脳卒中、硬膜下血腫、および胃腸管内の出血を含む出血性合併症も増大させる。
【0003】
米国およびEUにはAfib患者が約800万人いる。これらの患者のうちの約460万人は、脳卒中のリスクが高く、抗血液凝固剤の恩恵を受けるであろう。これらの患者の大部分は、出血リスクの増大により抗血液凝固剤を服用することができず、その脳卒中リスクは解消されないまま残されている。Afibの有病率は、年齢とともに上昇する。
【0004】
LAAを閉塞させるための既存のデバイスには欠点がある。既存のデバイスは、多くのサイズで提供され、極めて変わりやすいLAA解剖学的構造に厳密に適合しなければならない。これは、蛍光透視法を使用して行うのが困難であり、多くの場合に、経食道心エコー検査(TEE)、心臓CTおよびMRIの形態での補助的撮像を必要とし、すべて三次元再構成を行う。デバイスが、著しく大きすぎる場合、LAA入口部は引き伸ばされすぎて裂けてしまい、その結果、心膜腔内への出血が生じ得る。デバイスが小さすぎる場合、入口部を適切に封止せず、塞栓を生じる傾向を有し得る。正しいサイズであったとしても、デバイスは無理に卵形のLAA入口部にデバイスの丸い形状をとらせるため、多くの場合、封止状態が悪いことにより縁からの残留物の漏れが結果として生じる。
【0005】
既存のデバイスは、周辺組織を封止し、周辺組織に固定するために十分なスプリング力または剛性を必要とする。堅すぎると、これらのデバイスは、血液が組織を通って心膜腔内に漏れる原因箇所となることがあり、これは心臓タンポナーデを引き起こし得る。さらに、これらのデバイスの幾何学的形状は、インプラントが完全に拡張した後の再配置を妨げる。既存のデバイスは、また、LAAの軸と同軸になるようにLAA内に位置決めする必要があることで送達を面倒な作業にする。
【0006】
したがって、改善されたLAA閉塞デバイスが必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国出願第14/203,187号
【特許文献2】米国仮出願第62/240,124号
【特許文献3】米国特許出願第15/290,692号
【特許文献4】米国特許出願第14/203,187号
【特許文献5】欧州特許出願第EP14779640.3号
【特許文献6】PCT特許出願第PCT/US2014/022865号
【特許文献7】米国特許第7,803,395号
【特許文献8】米国特許第8,337,487号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本明細書で開示されている実施形態は、各々、開示の望ましい属性にどの1つも単独では関わらないいくつかの態様を有する。次に、本開示の範囲を制限することなく、そのより顕著な特徴が簡単に説明される。この説明を検討した後、および特に、「発明を実施するための形態」という名称の節を読んだ後、本明細書において説明されている実施形態の特徴が左心耳(LAA)閉塞のための既存のシステム、デバイス、および方法に勝る利点をどのように提供するかを理解するであろう。
【0009】
次の開示では、いくつかの実施形態の非限定的な例を説明する。たとえば、開示されているシステムおよび方法の他の実施形態は、本明細書で説明されている特徴を含む場合も含まない場合もある。さらに、開示されている利点および利益は、いくつかの実施形態にのみ適用されてよく、本開示を制限するために使用されるべきでない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
特に心房細動の患者において、LAA(LAA)を閉塞させLAAを血流から排除することで、血液がLAA内に血餅を形成しその後塞栓を起こすのを防ぐためのデバイスおよび方法が説明される。LAA閉塞デバイスは、経カテーテル送達を介してLAA内に送達され、コンプライアントフレームおよび発泡体本体部を使用して固定される。他にも利点があるがとりわけ、このデバイスは、優れた封止効果を有するLAAの卵形の形状に適合し、過剰な数のサイズを必要とせず、したがって広範囲に及ぶ手術前撮像の必要性をなくし、軸外れに送達され、それによって送達手順を簡素化することができる。
【0011】
送達のために折り畳まれ、次いでLAA内の適所で拡張する、チューブ状の形状であってよい発泡体本体部および発泡体本体部の内側または発泡体本体部内のコンプライアントフレームが説明される。発泡体本体部は、少なくとも部分的に発泡体本体部の外面上にコーティングを有し得る。コーティングは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の層であってよい。デバイスは、フレームの構造アンカーによって、ならびに/または左心房(LA)およびLAAから発泡体内への組織成長侵入によって固定される。いくつかの実施形態は、それに加えて、または代替的に、独立したもしくは一体化された再配置可能アンカーによって、バーブによって、および/または遠位固定要素によって固定される。たとえば、圧縮性フォームプラグを通して展開する、コンプライアントフレームから延在するアンカーが説明される。いくつかの実施形態において、独立した構造であるか、またはフォームプラグおよび/もしくはスキンと一体であってよい再配置可能な非侵襲的アンカーシステムの実施形態も開示される。
【0012】
発泡体本体部は、近位端カバーによって少なくとも部分的に覆われるものとしてよい。カバーは、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)カバーであってよい。カバーは、いくつかの利点をもたらし、たとえば、破れることなくプラグの取り扱いを可能にする十分な強さを有する、プラグの再配置および取り出しを可能にする、LA内に新生内膜の形成を促す抗血栓性表面をもたらす、血液および隣接組織からの凝血抵抗および内皮化を促すように設計された閉塞ゾーンと、隣接する非血液組織から圧縮性インプラント内への高速な粘り強い組織成長侵入を促進するように設計されている固定ゾーンとを形成するのを助ける、入口部のところでの閉鎖を助けることができる、という利点が挙げられる。カバー、たとえば、層、ジャケット、もしくはスキンなどは、独立しているか、またはたとえば、縫合糸、接着剤などで、発泡体本体部に取り付けられ得る。いくつかの実施形態において、塞栓を生じたデバイスの取り出しを助け、放射線不透過性を高めるために、1つまたは複数の位置に取り出し用フィニアルが取り付けられてよい。
【0013】
いくつかの実施形態はガイドワイヤ上で追跡され、ガイドワイヤの留置を可能にするように拡張可能である発泡体内にガイドワイヤ内腔を有し、次いで、ガイドワイヤの取り外し後に自己閉鎖する。いくつかの実施形態は、ガイドワイヤ内腔を必要としない。さらに、いくつかの実施形態は多機能性であり、アブレーション、圧力感知、薬物溶離、ペーシング、電気的遮蔽などの特徴を備えるものとしてよい。
【0014】
一態様において、左心耳閉塞デバイスが説明されている。デバイスは、適合可能なチューブ状発泡体本体部、圧縮性側壁、および拡張可能な支持体を備える。適合可能なチューブ状発泡体本体部は、閉じられた近位端と遠位端とを有する。圧縮性のある側壁は、近位端と遠位端との間に延在し、中心空洞を画定する。拡張可能な支持体は本体内にあり、側壁を圧迫して左心耳の壁に押し付けるように構成される。
【0015】
いくつかの実施形態において、側壁は、少なくとも約0.5mmの圧縮されていない状態の厚さを有するものとしてよい。圧縮性側壁は、少なくとも約1.5mmの圧縮されていない状態の厚さを有するものとしてよい。圧縮性側壁は、約2.5mmの圧縮されていない状態の厚さを有するものとしてよい。圧縮性側壁は、制約されていない拡張状態において少なくとも約2mmだけ支持体の遠位端を超えて遠位方向に延在し得る。圧縮性側壁は、制約されていない拡張状態において約5mmだけ支持体の遠位端を超えて遠位方向に延在し得る。圧縮性側壁は、複数の相互接続された網目および空隙を有し、さらに相互接続された網目の少なくとも一部にPTFEコーティングを備える発泡体を備え得る。閉じられた近位端は、発泡体端壁を備え得る。発泡体端壁は、カバーをさらに備え得る。カバーは、ePTFEを備え得る。拡張可能な支持体は、自己拡張可能であるものとしてよい。拡張可能な支持体は、中心空洞内にあってよい。チューブ状の発泡体本体部は、制約されていない拡張状態で実質的に円筒形であるものとしてよい。
【0016】
別の態様において、自己拡張可能な非侵襲的閉塞デバイスが説明されている。デバイスは、左心耳の側壁に適合するように構成される。デバイスは、圧縮性連続気泡発泡体本体部と、自己拡張可能な支持体と、近位端壁とを備える。圧縮性連続気泡発泡体本体部は、チューブ状の発泡体側壁と中心空洞とを有する。拡張可能な支持体は、空洞内にある。近位端壁は、発泡体本体部上にある。近位端壁は、支持体の近位端の近位に位置決めされ、発泡体側壁は支持体の遠位端を越えて遠位に延在し、閉塞デバイスの中心長手方向軸が左心耳の主長手方向軸に非平行である植え込み部において支持体と左心耳の壁との間の接触を防ぐための遠位非侵襲的緩衝体を形成する。
【0017】
別の態様において、左心耳閉塞デバイスが説明されている。デバイスは、拡張可能チューブ状の発泡体カップと拡張可能フレームとを備える。拡張可能チューブ状発泡体カップは近位端と、遠位端と、チューブ状側壁と、近位端壁とを有する。側壁は、少なくとも約1.0mmの厚さと、少なくとも約85%開放空隙率の多孔率を有する。拡張可能なフレームは、側壁を圧迫して左心耳の壁と接触して適合するように構成される。
【0018】
いくつかの実施形態において、チューブ状側壁は、少なくとも約2mmの厚さを有するものとしてよい。チューブ状側壁は、少なくとも約90%の空隙率を有するものとしてよい。チューブ状側壁は、少なくとも約100ミクロンの平均細孔サイズを有するものとしてよい。チューブ状側壁は、少なくとも約200ミクロンの平均細孔サイズを有するものとしてよい。チューブ状側壁は、抗血栓性コーティングを付けられるものとしてよい。抗血栓性コーティングは、PTFEを含むものとしてよい。近位端壁は、抗血栓性カバーを付けられるものとしてよい。フレームは、ハブへの近位方向で半径方向内向きに傾斜する少なくとも3つのリキャプチャストラット(recapture strut)をさらに備え得る。フレームは、複数の軸方向に延在する側壁ストラットを備えるものとしてよく、隣接する対の側壁ストラットは頂点で結合される。フレームは、少なくとも6つの近位に面する頂点と少なくとも6つの遠位に面する頂点とを備え得る。各リキャプチャストラットは、フレーム上で固有の近位に面する頂点に結合され得る。リキャプチャストラットは、フレームと一体に形成され得る。デバイスは、ハブを通る内腔をさらに備え得る。デバイスは、デバイスを組織に固定するためのアンカーをさらに備え得る。アンカーは、傾斜角で発泡体側壁を貫通するように構成されている可撓性アンカーであってよい。
【0019】
別の態様において、適合可能LAA閉塞デバイスが説明されている。デバイスは、圧縮性のあるチューブ状の発泡体壁を備える。壁は、少なくとも約90%の空隙率、約250~500ミクロンの範囲内の平均細胞サイズ、少なくとも約2mmの壁厚、および少なくとも約1psiの圧縮強度を有する網目状の架橋マトリクスを備える。いくつかの実施形態において、圧縮強度は、約1psiから約2psiの範囲内である。いくつかの実施形態において、デバイスは、側壁を圧迫して左心耳の壁に押し付けるように構成されている拡張可能な支持体を有し得る。
【0020】
別の態様において、LAA閉塞デバイスが説明されている。デバイスは、連続気泡発泡体本体部と内部係止システムとを備える。本体部は、近位端と、遠位端と、外側スキンとを有する。近位端は、左心房に面するように構成され、遠位端は、LAA内の植え込みの後にLAAに面するように構成される。本体部は、送達カテーテル内に送達のために圧縮されるものとしてよく、送達カテーテルから取り出されるときに自己拡張することができる。内部係止システムは、本体部と結合され、少なくとも1つの展開可能な組織アンカーを備える。展開可能なアンカーは、本体部内の制約された構成形状からアンカーの組織係合セグメントが本体部をLAA内にしっかり留めるように本体部の外側に延在する展開された構成形状に展開するように構成される。展開可能なアンカーは、本体部がLAA内で拡張した後に展開された構成形状に展開するように構成される。展開可能なアンカーは、展開された構成形状から本体部内の引っ込められた構成形状に引っ込み可能であってもよい。
【0021】
いくつかの実施形態において、内部係止システムは、本体部と回転可能に結合されている複数の展開可能なアンカーをさらに備え、複数のアンカーは、回転して展開された構成形状および引っ込められた構成形状になるように構成される。内部係止システムは、展開可能なアンカーのうちの4つを備え得る。いくつかの実施形態において、本体部は、複数のアンカーに対応する複数の軸方向に延在するスロットをさらに備え、複数のアンカーの各々は、対応する軸方向スロットを通して展開し引っ込むように構成される。
【0022】
いくつかの実施形態において、内部係止システムは、制約された構成形状にアンカーを抑制する抑制具をさらに備え、アンカーは、抑制具をアンカーから取り外すことによって制約された構成形状から展開された構成形状に展開される。抑制具は、アンカーを覆うことによってアンカーを制約された構成形状に抑制するシースであってよく、アンカーは、アンカーを覆うことからシースを外すことによって制約された構成形状から展開された構成形状に展開される。抑制具は、アンカーを囲むことによってアンカーを制約された構成形状に抑制する投げ縄であってよく、アンカーは、アンカーを囲むことから投げ縄を外すことによって制約された構成形状から展開された構成形状に展開される。
【0023】
いくつかの実施形態において、内部係止システムは、アンカーの端部と結合されている移動可能なマウントをさらに備え、アンカーは、マウントを軸方向に移動することによって制約された構成形状から展開された構成形状に展開される。
【0024】
いくつかの実施形態において、内部係止システムは、アンカー上を移動してアンカーを引っ込めさせるように構成されている制約具をさらに備える。制約具は、アンカー上を摺動してアンカーを引っ込めさせるように構成されているリングであってよい。
【0025】
いくつかの実施形態において、スキンは、ePTFEを含む。
【0026】
いくつかの実施形態において、デバイスは、本体部の側壁に少なくとも1つの組織成長侵入面をさらに備える。
【0027】
いくつかの実施形態において、デバイスは、連続気泡発泡体本体部内への組織成長侵入を許す複数の開口部をスキン内にさらに備える。スキンの複数の開口部は、少なくともデバイスの近位端と遠位端との間に配置されているデバイスの固定領域内に配置されてよく、デバイスは、デバイスの近位端に配置され、血液および隣接組織からの凝血抵抗および内皮化を促すように構成されている閉塞領域をさらに備え得る。
【0028】
別の態様において、LAA閉鎖システムが説明されている。システムは、送達カテーテルとLAA閉塞デバイスとを備える。送達カテーテルは、近位端と、遠位端と、それらの中を貫通する少なくとも1つの内腔とを有する、細長可撓性チューブ状本体部を備える。LAA閉塞デバイスは、送達カテーテル内に圧縮され、送達カテーテルからの展開後に自己拡張するように構成される。デバイスは、内部係止システムと結合されている自己拡張可能な連続気泡発泡体本体部を備える。内部係止システムは、LAA内で本体部が拡張した後に制約された構成形状から展開された構成形状に展開されるように構成されている展開可能なアンカーを備え、展開された構成形状から本体部内の引っ込められた位置に引っ込むように構成される。
【0029】
いくつかの実施形態において、システムは、展開可能なアンカーを展開するために、本体部の内腔を貫通する軸方向に移動可能な展開制御部をさらに備える。システムは、閉鎖システムの遠位端から発泡体本体部を展開するために、本体部の内腔を貫通する軸方向に移動可能な展開制御部をさらに備え得る。内部係止システムは、制約された構成形状にアンカーを抑制する抑制具をさらに備えるものとしてよく、アンカーは、本体部の内腔を貫通する軸方向に移動可能な展開制御部を使用して抑制具をアンカーから取り外すことによって制約された構成形状から展開された構成形状に能動的に展開される。内部係止システムは、アンカーの端部と結合されている移動可能なマウントをさらに備えるものとしてよく、アンカーは、本体部の内腔を貫通する軸方向に移動可能な展開制御部を使用してマウントを軸方向に移動することによって制約された構成形状から展開された構成形状に能動的に展開される。
【0030】
別の態様において、LAAを排除する方法が説明されている。この方法は、ガイドワイヤを前進させてLAA内に送り込むステップと、送達カテーテルの遠位端をガイドワイヤ上に前進させてLAA内に送り込むステップと、送達カテーテルの遠位端からLAA閉塞デバイスを展開するステップとを含む。デバイスは、展開可能なアンカーを有する内部係止システムと結合されている拡張可能な発泡体本体部を備え、本体部は、送達カテーテルの遠位端から展開した後にLAA内で拡張し、この方法は、LAA内で本体部が拡張した後に展開可能なアンカーを能動的に展開するステップをさらに含む。展開可能なアンカーは、展開された構成形状から本体部内の引っ込められた位置に引っ込むように構成される。いくつかの実施形態において、方法は、展開可能なアンカーを展開された構成形状から引っ込められた位置に引っ込めるステップをさらに含む。
【0031】
別の態様において、LAA閉塞デバイスが説明されている。デバイスは、拡張可能な発泡体本体部と内部係止システムとを備える。本体部は、送達カテーテル内に送達のために圧縮されるものとしてよく、送達カテーテルから取り出されるときに自己拡張することができる。内部係止システムは、本体部と結合され、本体部内の制約された構成形状からアンカーが本体部をLAA内にしっかり留めるように本体部の外側に延在する展開された構成形状に展開するように構成されている展開可能なアンカーを備える。本体部は、送達カテーテルからの取り外し後に拡張するように構成され、展開可能なアンカーは、本体部が拡張した後に展開された構成形状に展開するように構成される。
【0032】
別の態様において、LAA閉塞デバイスが説明されている。デバイスは、拡張可能な発泡体本体部と内部係止システムとを備える。本体部は、送達カテーテル内に送達のために圧縮されるものとしてよく、送達カテーテルから取り出されるときに自己拡張することができる。内部係止システムは、本体部と結合され、本体部内の制約された構成形状から本体部をLAA内にしっかり留めるように本体部の外側にアンカーが延在する展開された構成形状に展開するように構成されている展開可能なアンカーを備える。展開可能なアンカーは、本体部がLAA内に再配置され得るように展開された構成形状から本体部内の引っ込められた構成形状に引っ込むように構成される。
【0033】
別の態様において、LAA閉塞デバイスが説明されている。デバイスは、拡張可能チューブ状フレームと、拡張可能なチューブ状の発泡体層と、組織用足場とを備える。拡張可能なチューブ状のフレームは、近位端と、遠位端と、中心内腔とを有する。拡張可能なチューブ状の発泡体層はフレームによって担持され、少なくとも約0.5mmの厚さを有する。塞栓保持層(emboli retention layer)はフレームによって担持され、近位端のところで内腔を取り囲む。
【0034】
いくつかの実施形態において、発泡体層は、少なくとも約1mmの厚さを有するものとしてよい。発泡体層は、少なくとも約2.5mmの厚さを有するものとしてよい。発泡体層は、少なくとも約80%の空隙率を有するものとしてよい。発泡体層は、少なくとも約90%の空隙率を有するものとしてよい。発泡体層は、少なくとも約100ミクロンの平均細孔サイズを有するものとしてよい。発泡体層は、少なくとも約200ミクロンの平均細孔サイズを有するものとしてよい。発泡体層は、フレームの近位端を横切って延在し組織用足場を形成し得る。組織用足場は、抗血栓性コーティングを付けられるものとしてよい。組織用足場は、抗血栓性層を付けられるものとしてよい。抗血栓性コーティングまたは層は、PTFEを含むものとしてよい。抗血栓性コーティングまたは層は、ePTFEを含むものとしてよい。フレームは、ハブへの近位方向で半径方向内向きに傾斜する少なくとも3つのリキャプチャストラットをさらに備え得る。
【0035】
いくつかの実施形態において、発泡体層は、フレームの近位端を横切って延在し組織用足場を形成し、フレームは、複数の軸方向に延在する側壁ストラットを備えるものとしてよく、隣接する対の側壁ストラットは頂点で結合される。デバイスは、少なくとも6つの近位に面する頂点と少なくとも6つの遠位に面する頂点とを備え得る。デバイスは、近位ハブのところで結合された少なくとも3つのリキャプチャストラットを備えるものとしてよく、各リキャプチャストラットは、フレームに結合された遠位端を有する。各リキャプチャストラットは、フレーム上で固有の近位に面する頂点に結合され得る。リキャプチャストラットは、フレームと一体に形成され得る。デバイスは、ハブを通る内腔をさらに備え得る。
【0036】
いくつかの実施形態において、デバイスは、デバイスを組織に固定するためのアンカーを備え得る。アンカーは、送達カテーテルからデバイスを展開した後に展開するように構成されている静的アンカーであってよい。アンカーは、発泡体が拡張した後に制御可能に解放されて展開構成をとるように構成されている制約アンカーであってよい。アンカーは、収縮構成から展開構成に展開されるように構成され、展開構成から収縮構成に引っ込められて戻されるようにさらに構成されている動的アンカーであってよい。これらのアンカーは、展開構成から収縮構成に引っ込められて戻されるようにさらに構成され得る。
【0037】
本開示の前記の特徴および他の特徴は、付属の図面を参照することで、以下の説明および付属の請求項からより完全に明らかになるであろう。これらの図面は、本開示によるいくつかの実施形態のみを示しており、その範囲の制限と考えられるべきでないことを理解したうえで、本開示は、添付図面の使用を通じて追加の特異性および詳細とともに説明される。以下の詳細な説明では、詳細な説明の一部をなす、添付図面が参照される。図面中の類似の記号は、典型的には、文脈上別のものを示していない限り類似のコンポーネントを明示する。詳細な説明、図面、および請求項で説明されている例示的な実施形態は、制限することを意図されていない。他の実施形態も利用することができ、また本明細書に提示されている発明対象の精神または範囲から逸脱することなく、他の変更を加えることができる。本明細書で一般的に説明され、また図面に例示されているような本開示の態様は、様々な異なる構成による配置、置換、組合せ、設計が可能であり、すべて明示的に考察され、本開示の一部をなすことが容易に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】左心房(LA)および左心耳(LAA)の解剖学的構造を示す図である。
【
図2】接着剤を使用する、LAA閉塞デバイスの一実施形態がLAA内に植え込まれているLAAを示す図である。
【
図3】LAA閉塞デバイスの一実施形態のx線画像を示す図である。
【
図4】LAA閉塞デバイスの一実施形態および遠位アンカーがLA内に植え込まれているLAAを示す図である。
【
図5】本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得るスクリューアンカーの一実施形態を示す図である。
【
図6】LAA閉塞デバイスの一実施形態を示す縦断面図である。
【
図7】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得る送達およびアンカー固定技術を示すLAAおよび送達システムの一実施形態を示す順次的概略断面図である。
【
図8】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得る送達およびアンカー固定技術を示すLAAおよび送達システムの一実施形態を示す順次的概略断面図である。
【
図9】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得る送達およびアンカー固定技術を示すLAAおよび送達システムの一実施形態を示す順次的概略断面図である。
【
図10】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得る送達およびアンカー固定技術を示すLAAおよび送達システムの一実施形態を示す順次的概略断面図である。
【
図11】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得る送達およびアンカー固定技術を示すLAAおよび送達システムの一実施形態を示す順次的概略断面図である。
【
図12】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得る送達およびアンカー固定技術を示すLAAおよび送達システムの一実施形態を示す順次的概略断面図である。
【
図13】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得る送達およびアンカー固定技術を示すLAAおよび送達システムの一実施形態を示す順次的概略断面図である。
【
図14】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得る送達およびアンカー固定技術を示すLAAおよび送達システムの一実施形態を示す順次的概略断面図である。
【
図15】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得る送達およびアンカー固定技術を示すLAAおよび送達システムの一実施形態を示す順次的概略断面図である。
【
図16】発泡体本体部と、フレームと、近位カバーとを有するLAA閉塞デバイスの一実施形態を示す側断面図である。
【
図17】金属コイルと発泡体とを有するLAA閉塞デバイスの一実施形態を示す側断面図である。
【
図18】単一の金属コイルを有するLAA閉塞デバイスの一実施形態を示す側面図である。
【
図19】膨張する遠位先端部を有するLAA閉塞デバイスの一実施形態を示す側面図である。
【
図20】近位キャップと遠位キャップとを有するLAA閉塞デバイスの一実施形態を示す側断面図である。
【
図21】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得るインプラント送達システムの一実施形態を示す概略図である。
【
図22】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得る拡張発泡体システムの送達の一実施形態を示す概略図である。
【
図23】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得るバーブを伴うプラグを示す側面図である。
【
図24】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得る取り出し縫合糸取付具を有するLAA閉塞デバイスの一実施形態を示す図である。
【
図25A】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得る遠位アンカー固定システムの実施形態を示す図である。
【
図25B】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得る遠位アンカー固定システムの実施形態を示す図である。
【
図26】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得る遠位アンカー固定システムの実施形態を示す図である。
【
図27A】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得る内部係止システムを備えるLAA閉塞デバイスの一実施形態を示す様々な図である。
【
図27B】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得る内部係止システムを備えるLAA閉塞デバイスの一実施形態を示す様々な図である。
【
図27C】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得る内部係止システムを備えるLAA閉塞デバイスの一実施形態を示す様々な図である。
【
図27D】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得る内部係止システムを備えるLAA閉塞デバイスの一実施形態を示す様々な図である。
【
図27E】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得る内部係止システムを備えるLAA閉塞デバイスの一実施形態を示す様々な図である。
【
図27F】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得る内部係止システムを備えるLAA閉塞デバイスの一実施形態を示す様々な図である。
【
図27G】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得る内部係止システムを備えるLAA閉塞デバイスの一実施形態を示す様々な図である。
【
図30】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得る可撓性アンカーを有するLAA閉塞デバイスの一実施形態を示す側面図である。
【
図31】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得る可撓性アンカーおよび補強チューブ状部材構成を有するLAA閉塞デバイスの一実施形態を示す側面図である。
【
図32】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得る可撓性アンカーおよび補強チューブ状部材構成を有するLAA閉塞デバイスの一実施形態を示す側面図である。
【
図33】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得る内部発泡体への外側スキンの不連続な取り付け部を有するLAA閉塞デバイスの一実施形態を示す側面図である。
【
図34】外側リムを備える
図34のデバイスを示す側面図である。
【
図35】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得る展開されたV字形先端部を備えるアンカーを有するLAA閉塞デバイスの一実施形態を示す側面図である。
【
図36】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得るV字形先端部を備える展開されたアンカーを有するLAA閉塞デバイスの一実施形態を示す側面図である。
【
図37A】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得るアンカーの様々な実施形態を示す側面図である。
【
図37B】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得るアンカーの様々な実施形態を示す側面図である。
【
図37C】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得るアンカーの様々な実施形態を示す側面図である。
【
図38】LAAの内側に植え込まれたLAA閉塞デバイスの一実施形態を示す側面図である。
【
図39A】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得る展開可能なアンカーの一実施形態を示す斜視図である。
【
図39B】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得る展開可能なアンカーの一実施形態を示す斜視図である。
【
図40A】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得る展開可能なアンカーの一実施形態を示す斜視図である。
【
図40B】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得る展開可能なアンカーの一実施形態を示す斜視図である。
【
図41A】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得る展開可能なアンカーの一実施形態を示す斜視図である。
【
図41B】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得る展開可能なアンカーの一実施形態を示す斜視図である。
【
図42A】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得る外部の展開可能なアンカーの実施形態を示す様々な図である。
【
図42B】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得る外部の展開可能なアンカーの実施形態を示す様々な図である。
【
図42C】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得る外部の展開可能なアンカーの実施形態を示す様々な図である。
【
図42D】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得る外部の展開可能なアンカーの実施形態を示す様々な図である。
【
図43A】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得る展開制約の一実施形態を示す順次的側面図である。
【
図43B】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得る展開制約の一実施形態を示す順次的側面図である。
【
図43C】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得る展開制約の一実施形態を示す順次的側面図である。
【
図44A】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得る調整可能な二段階アンカーシステムの一実施形態を示す側面図である。
【
図44B】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得る調整可能な二段階アンカーシステムの一実施形態を示す側面図である。
【
図44C】限定はしないが、
図85A~
図90Dのデバイスを含む、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得る調整可能な二段階アンカーシステムの一実施形態を示す側面図である。
【
図45A】拡張構成で図示され、発泡体カップ本体部と、近位カバーと、ハブ、リキャプチャストラット、およびチューブ状本体部を備える展開可能なフレームとを有するLAA閉塞デバイスの一実施形態を示す断面図である。
【
図47A】一体成形内部フレームを有する
図45AのLAA閉塞デバイスを示す斜視図である。
【
図47B】一体成形内部フレームを有する
図45AのLAA閉塞デバイスを示す側面図である。
【
図49】拡張構成の実施形態で示されている送達カテーテルに取り付けられているとおりの
図45Aのデバイスを示す側面図である。
【
図50】部分的に折り畳まれた構成の実施形態で示されている送達カテーテルに取り付けられているとおりの
図45Aのデバイスを示す側面図である。
【
図51】
図45Aまたは
図85Aのデバイスなどの、本明細書で説明されている様々な閉塞デバイスとともに使用され得る静的バーブの様々な実施形態を示す概略図である。
【
図52】
図45Aまたは
図85Aのデバイスなどの、本明細書で説明されている様々な閉塞デバイスとともに使用され得る静的バーブの様々な実施形態を示す概略図である。
【
図53】
図45Aまたは
図85Aのデバイスなどの、本明細書で説明されている様々な閉塞デバイスとともに使用され得る静的バーブの様々な実施形態を示す概略図である。
【
図54】
図45Aまたは
図85Aのデバイスなどの、本明細書で説明されている様々な閉塞デバイスとともに使用され得る静的バーブの様々な実施形態を示す概略図である。
【
図55】
図45Aまたは
図85Aのデバイスなどの、本明細書で説明されている様々な閉塞デバイスとともに使用され得る静的バーブの様々な実施形態を示す概略図である。
【
図56】
図45Aまたは
図85Aのデバイスなどの、本明細書で説明されている様々な閉塞デバイスとともに使用され得る制約されたバーブの様々な実施形態を示す概略図である。
【
図57】
図45Aまたは
図85Aのデバイスなどの、本明細書で説明されている様々な閉塞デバイスとともに使用され得る制約されたバーブの様々な実施形態を示す概略図である。
【
図58】
図45Aまたは
図85Aのデバイスなどの、本明細書で説明されている様々な閉塞デバイスとともに使用され得る制約されたバーブの様々な実施形態を示す概略図である。
【
図59】
図45Aまたは
図85Aのデバイスなどの、本明細書で説明されている様々な閉塞デバイスとともに使用され得る動的バーブの様々な実施形態を示す概略図である。
【
図60】
図45Aまたは
図85Aのデバイスなどの、本明細書で説明されている様々な閉塞デバイスとともに使用され得る動的バーブの様々な実施形態を示す概略図である。
【
図61】
図45Aまたは
図85Aのデバイスなどの、本明細書で説明されている様々な閉塞デバイスとともに使用され得る動的バーブの様々な実施形態を示す概略図である。
【
図62】
図45Aまたは
図85Aのデバイスなどの、本明細書で説明されている様々な閉塞デバイスとともに使用され得る動的バーブの様々な実施形態を示す概略図である。
【
図63】
図45Aまたは
図85Aのデバイスなどの、本明細書で説明されている様々な閉塞デバイスとともに使用され得る動的バーブの様々な実施形態を示す概略図である。
【
図64】
図45Aまたは
図85Aのデバイスなどの、本明細書で説明されている様々な閉塞デバイスとともに使用され得る動的バーブの様々な実施形態を示す概略図である。
【
図65】
図45Aまたは
図85Aのデバイスなどの、本明細書で説明されている様々な閉塞デバイスとともに使用され得る動的バーブの様々な実施形態を示す概略図である。
【
図67】内部引っ掛けフックアンカーを有するインプラントの一実施形態をそれぞれ示す側面図および端面図である。
【
図68A】より厚い遠位緩衝体を有するインプラントの一実施形態を示す側面図である。
【
図68B】より厚い遠位緩衝体を有するインプラントの一実施形態を示す端面図である。
【
図69】二次ステップにおいて展開される制約されたアンカーを有するインプラントの一実施形態を示す側面図である。
【
図70】遠位アンカーおよび近位減速バンプを有するインプラントの実施形態を示す図である。
【
図71】遠位アンカーおよび近位減速バンプを有するインプラントの実施形態を示す図である。
【
図72】遠位アンカーおよび近位減速バンプを有するインプラントの実施形態を示す図である。
【
図73】遠位ループを有するインプラントの実施形態を示す図である。
【
図74】遠位ループを有するインプラントの実施形態を示す図である。
【
図75】遠位ループを有するインプラントの実施形態を示す図である。
【
図76】灌流要素を有するインプラントの実施形態を示す図である。
【
図77】灌流要素を有するインプラントの実施形態を示す図である。
【
図78】本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに組み込まれ得るアブレーション特徴部を有するLAA閉塞デバイスの一実施形態を示す側面図である。
【
図79】本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに組み込まれ得る圧力感知特徴部を有するLAA閉塞デバイスの一実施形態を示す側面図である。
【
図80】本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに組み込まれ得る薬物溶離特徴部を有するLAA閉塞デバイスの一実施形態を示す側面図である。
【
図81】本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに組み込まれ得るペーシング/除細動特徴部を有するLAA閉塞デバイスの一実施形態を示す側面図である。
【
図82】本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得るLAAを電気的に分離するための様々なシステムおよび方法を示す図である。
【
図83】本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得るLAAを電気的に分離するための様々なシステムおよび方法を示す図である。
【
図84】本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得るLAAを電気的に分離するための様々なシステムおよび方法を示す図である。
【
図85A】圧縮性発泡体本体部と、拡張可能フレームと、近位カバーとを有するLAA閉塞デバイスの一実施形態を示す近位図である。
【
図85B】圧縮性発泡体本体部と、拡張可能フレームと、近位カバーとを有するLAA閉塞デバイスの一実施形態を示す遠位図である。
【
図85C】圧縮性発泡体本体部と、拡張可能フレームと、近位カバーとを有するLAA閉塞デバイスの一実施形態を示す側面図である。
【
図87A】LAA閉塞デバイスの別の実施形態を示す斜視上面図である。
【
図87B】LAA閉塞デバイスの別の実施形態を示す側面図である。
【
図87C】LAA閉塞デバイスの別の実施形態を示す断面図である。
【
図88】本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得る平坦な構成で示されている近位カバーの一実施形態を示す上面図である。
【
図90A】本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得るフレームを備えるキャップおよびピンのアセンブリを示すフレームの一実施形態を示す順次的近位斜視図である。
【
図90B】本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得るフレームを備えるキャップおよびピンのアセンブリを示すフレームの一実施形態を示す順次的近位斜視図である。
【
図90C】本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスとともに使用され得るフレームを備えるキャップおよびピンのアセンブリを示すフレームの一実施形態を示す順次的近位斜視図である。
【
図91】
図85A~
図85Cのデバイスを送達カテーテル内に装填するための装填システムの一実施形態を示す側面図である。
【
図92】動脈または静脈を介して
図85A~
図85Cのデバイスを送達するための経カテーテル送達システムの概略を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
上記の図面は現在開示されている実施形態を述べたものであるが、説明の中で指摘されているように、他の実施形態も企図される。本開示は、制限することではなく、表現することで、例示的な実施形態を提示している。現在開示されている実施形態の原理の範囲および精神のうちに収まる多数の他の修正形態および実施形態が、当業者によって考案され得る。
【0040】
次の詳細な説明は、この成果のいくつかの特定の実施形態に向けられたものである。この説明では、わかりやすくするために全体を通して類似の部品またはステップが類似の番号で指定され得る図面が参照される。本明細書において「一実施形態」、「実施形態」、または「いくつかの実施形態において」と記述されている場合、これは、その実施形態に関して説明されている特定の特徴、構造、または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。「一実施形態」、「実施形態」、または「いくつかの実施形態において」という語句が本明細書全体の様々な箇所に記載されていても、必ずしもすべて同じ実施形態を指しているとは限らず、また別のもしくは代替的な実施形態が他の実施形態と必ずしも相互排他的であるとは限らない。さらに、いくつかの実施形態によって示され、他の実施形態では示され得ない様々な特徴が説明される。同様に、いくつかの実施形態に対する要件であり得るが、他の実施形態に対する要件ではあり得ない様々な要件も説明される。次に、例が添付図面に示されている、本発明の実施形態が詳細に参照される。可能な限り、図面全体を通して同じまたは類似の部分を指すために同じ参照番号が使用される。
【0041】
LAA(LAA)を閉塞する、すなわち、排除する際の使用に関連するデバイスおよび関係する方法が説明される。様々な図は、LAA閉塞デバイス、LAA閉塞デバイスの送達のためのシステムおよび方法、ならびに/またはデバイスを使用してLAAを閉塞させる方法の様々な実施形態を示している。本明細書で説明されている様々なシステム、デバイス、および方法は、たとえば、2014年3月10日に出願した米国出願第14/203,187号、名称「DEVICES AND METHODS FOR EXCLUDING THE LAA」において説明されているような、および/または2015年10月12日に出願した米国仮出願第62/240,124号、名称「DEVICES AND METHODS FOR EXCLUDING THE LAA」において説明されているような、他のLAA閉塞システム、デバイス、および方法と同じまたは同様の特徴および/または機能を含むものとしてよく、その各々の開示全体は、すべての目的に関して参照により本明細書に組み込まれ、本明細書の一部をなす。
【0042】
LAA閉塞デバイス3000のいくつかの実施形態は、たとえば
図85A~
図90Dに関してもっぱら図示され説明されているように、発泡体本体部3002と、展開可能コンプライアントフレーム3040と、近位カバー3100とを備える。デバイス3000が備え、使用し得る他の特徴部および機能は、
図1~
図84および
図91~
図93Bに関して図示され説明されている。
【0043】
左心房(LA)104から生じる空洞である左心耳(LAA)102を有する心臓100が
図1に示されている。LAA102は、すべての寸法について形状が極めて多様である。心臓の鼓動が正常でない場合、これは心房細動と呼ばれる症状であるが、LAA内の血液は停滞し、凝血塊形成を促進する。血液がLAA内で凝塊すると、凝血塊はLAA102からLA104、左心室106に進み、そして心臓100から出て大動脈に入る。血液を脳に運ぶ血管は、大動脈から枝分かれする。凝血塊がこれらの血管を介して脳に移動した場合、これは詰まって、脳内の小血管を閉塞し、次いで、虚血性脳卒中を引き起こす。脳卒中は、それらに関連する重症罹患率を有する。LAA102からLA104への開口部は、入口部110と呼ばれる。入口部110は、卵形で、極めて多様であり、負荷条件、すなわち、左心房圧に依存する。本明細書で説明されているLAA閉塞デバイスの目的は、入口部110を閉塞し、それによってLA104をLAA102から封止することである。
【0044】
LAA閉塞デバイスの一実施形態は、
図2に示されている。閉塞デバイスまたはプラグ204は、LAA200内の、LA202への開口部のところに留置される。プラグ204などの、本明細書で説明されている「プラグ」は、デバイス10、デバイス1020、デバイス3000、発泡体本体部3002などの、本明細書で説明されている他の植え込み可能な「デバイス」または「インプラント」と同じもしくは類似の特徴を有し、およびその逆もあり得る。プラグ204は、プラグ204の折り畳みおよび拡張を可能にし、また、発泡体内への組織の成長侵入を強化する連続気泡発泡体などの拡張可能な媒体を備える。発泡体プラグ204は、ePTFE(延伸ポリテトラフルオロエチレン)、ポリオレフィン、またはポリエステルなどの強い薄層206内に少なくとも部分的にカプセル化される。層206は、本明細書では「スキン」または「カバー」などと称されてもよい。代替的に、PLA、PGA、PCL、PHA、またはコラーゲンなどの生体吸収性材料が利用されることもあり得る。この薄い封緘層206は、径方向など、少なくとも1つの方向に弾性的であるように配向されるか、または他の形で修正され得る。層206は、カバー3100と同じもしくは類似の特徴および/または機能を有するものとしてよく、またその逆もあり得る。
【0045】
プラグ204は、ポリウレタン、ポリオレフィン、PVA、コラーゲン発泡体、またはそのブレンドから作られ得る。1つの好適な材料は、細孔サイズが100μm~250μmまたは~250μm~500μmおよび空洞率が90~95%であるポリカーボネートポリウレタン尿素発泡体である。発泡体は、非分解性であるか、またはPLA、PGA、PCL、PHA、および/またはコラーゲンなどの分解性材料を使用することが可能である。分解性である場合、LAAからの組織は、発泡体プラグ内に成長侵入し、時間とともに発泡体を置き換える。プラグ204は、無制約の拡張で形状が円筒形であってよいが、たとえば、その遠位端が近位端よりも小さいか、またはその逆である円錐形であってもよい。これは、また、LAAの開口部により適切に適合するように断面が卵形とすることも可能である。
【0046】
フォームプラグ204は、LAA内にぴったり嵌るように無制約の拡張で径方向に過剰サイズであり、ターゲットLAAの直径に応じて5~50mmの直径であってよい。自由な無制約の状態では、プラグの軸長「L」は、L/D比が1.0未満となるようにその外径「D」よりも小さい。いくつかの実施形態において、この比は1.0より大きくてもよい。発泡体材料のコンプライアンスは、それがプラグ204を適所に維持するために十分な力で、ただしLAA壁を過度に引き伸ばすことなくLAAの壁を押すように設計される。発泡体および/またはスキンは、また、拡張するときにLAAの不規則な表面に適合し、自然なLAA壁に補完的な表面構造を付与して固定を補強し、封止を促進する。したがって、本明細書で説明されている拡張可能な発泡体プラントは、LAAの自然な構成形状に適合する。一実施形態において、発泡体の構造は、発泡体の対向端を軸方向に強く圧迫することで発泡体の直径が増大するように加工され得る。
【0047】
ePTFEまたは発泡体材料は、放射線不透過性糸210などの1つまたは2つ以上の放射線不透過性マーカーを備えるか、または操作者がx線の下でプラグが解剖学的構造内で適切な位置に置かれているかどうかを確認することを可能にする、硫酸バリウム、次炭酸ビスマス、またはタングステンなどの放射線不透過性充填剤で満たされるか、または含浸され得る。x線画像が
図3に示されており、そこでは、発泡体プラグ300は見えないが、糸302およびクリンプ304(以下で説明される)ははっきり見える。糸302またはリボンは、バリウム、ビスマス、タンタル、タングステン、チタン、または白金などの放射線不透過性充填剤を含む白金、白金イリジウムもしくはタングステンまたはポリマーなどの放射線不透過性金属線もしくはチューブから作られ得る。
【0048】
外側ePTFE層は、発泡体プラグのおおよそ同じ直径である直径および厚さ約0.0001"から約0.001"の範囲の壁厚さを有するチューブから形成されるものとしてよく、発泡体材料を破ることなくプラグ204を折り畳み引っ張ることを可能にする働きをする。ePTFE材料は、また、LA202に面する血液接触表面としても働き、血液構成成分が表面上で凝固し、組織の内膜または新生内膜被覆が表面上に成長し、材料にしっかりと固定されるような細孔または結節を有する。細孔サイズは、約4μから約110μの範囲内であるが、理想的には、5~35μが新生内膜の形成および付着に有用である。
【0049】
外側被覆206は、FEP、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、またはナイロンから作られた織物、メッシュ、または穿孔フィルムなどのePTFE以外の材料から製作され得る。被覆206は、少なくとも長手方向に低いコンプライアンス(非弾性的)、プラグを取り外すことを可能にする十分な強さ、低い摩擦係数を有し、凝血抵抗を有するべきである。外側被覆206は、大半の発泡体は引っ張られたときに破れに抵抗する十分な強さを有しないのでプラグ取り外しを可能にするマトリクスとして働く。プラグ204は、また、PTFEなどの材料でコーティングされるか、または含むこともできる。そのような材料は、プラグ204の超音波エコー輝度プロフィール、凝血抵抗性、および/または潤滑性を増強し得る。プラグ204は、心エコー検査視覚化を円滑にし、細胞成長侵入および被覆を促進するための材料をコーティングされるか、または含むこともできる。
【0050】
外側被覆206は、LAA組織をフォームプラグ204と接触させ、組織がフォームプラグ細孔内に成長侵入するのを促し、および/または血流が通るのを許すことを可能にする孔をその中に有する。これらの孔は、直径1から5mmであるか、または卵形であり、その長軸は発泡体プラグの軸と位置合わせされるものとしてもよく、その長さは発泡体プラグの長さの80%であり、幅は1~5mmであってよい。孔は、外側被覆が取り外しに必要な張力を伝達するのに十分な強度を維持できる可能な限り大きいものであってよい。孔は、優先的にデバイスに沿って置かれるものとしてよい。一実施形態において、孔は、LAA壁からの組織成長侵入を高めるのに十分な遠位に置かれる。
【0051】
一実装形態において、インプラントは、ePTFEの2つまたは3つまたは4つ以上の軸方向に延在する細長片によって一緒に結合される、ePTFEの近位端キャップおよび/または遠位端キャップを備える。軸方向に延在する細長片は、周上で相隔てて並び、連続気泡発泡体本体部がLAAの組織壁と直接接触する際に通る少なくとも2つまたは3つまたは4つ以上の横向きの窓を形成する。この外側被覆は、メッシュまたは網細工とすることも可能である。
図20に示されているように、被覆2004は、プラグ2000の近位面および遠位面にのみある。これらは、発泡体プラグに糊付けされ、次いで、中心チューブ2002に圧着され得る。
【0052】
植え込み可能なプラグ204またはデバイス10、1020、3000(以下で説明されているような)は、組織成長侵入によって、および/または追加の固定特徴部により、LAA内の適所に固定され、しっかり留められ得る。いくつかの実施形態において、プラグ204またはデバイス10、1020、3000は、組織成長侵入だけで固定され得る。
【0053】
いくつかの実施形態において、他の固定手段も実装され得る。発泡体プラグをLAA内の適所に接着する一手段は、低粘度シアノアクリレート(1~200cps)などの接着剤を使用することである。接着剤は、発泡体プラグ208の遠位端の近くで側壁に沿って適所に注入される。ePTFE被覆内の孔は、接着剤が発泡体プラグ204とLAA壁200との間で相互作用することを可能にする。接着剤の注入は、いくつかの手段で達成され得るが、それらの手段のうちの1つは、カテーテルを通して中心内腔212内に注入することである。通路214は、接着剤を正しい場所に誘導する働きをする。発泡体プラグの遠位端は、接着剤が遠位クリンプ216から出て来るのを防ぐようにその時点で制限され得る。代替的に、
図21は、プラグ2106の中心内腔を通る、ガイドカテーテル2102を通して事前留置され、LAA内で後ろに曲がってプラグ2100の遠位端に届くチューブ2104を示している。これらのチューブ2104は、ガイドカテーテル2102の近位端にまで伸びており、そこで接着剤の注入を可能にするようにフィッティングが取り付けられ、その後接着剤はプラグの所望の位置において小さいチューブ2104から出る。これらのチューブは、接着剤がチューブに接着しないようにポリエチレン、ポリプロピレン、またはFEPから作られる。チューブ2104は、患者体内からガイドカテーテルを通して注入した後引き抜かれる。
【0054】
水溶性架橋接着剤、ポリウレタン、PEG、PGA、PLA、ポリカプロラクトン、またはリシン誘導ウレタンを含む他の一液型接着剤が使用され得る。それに加えて、これらの接着剤は、一方の構成成分が発泡体に接着し、第2の構成成分が生体内に注入されるように2つの構成要素で作られ得る。また、これらの2構成成分接着剤は同時に注入され、生体内で混合して注入チューブのファウリングを防ぎ得る。
【0055】
プラグ400またはデバイス3000などのための代替的固定手段は、
図4に示されているような1つまたは2つ以上の遠位アンカーである。ワイヤ404は中心内腔410に通され、LAA内に送り込まれ、LAAの遠位壁に取り付けられる。この場合、スクリューワイヤ408は、LAA406の壁内に螺入される。この点のより詳しい内容が
図5に示されており、スクリュー502はLAA壁504内に埋め込まれているが心外膜面506全部には通っていないように示されている。
【0056】
固定する追加の手段は、複数のフックまたはバーブまたは把持器を使用して遠位壁と、LAA内で開き、外向きに壁を押すか、またはLAAの突起部と係合するバスケット、マレコ、遠位発泡体プラグ、およびニチノールワイヤバードネストを把持するステップを含む。二次ステップとしてプラグを留置し次いでアンカーに係合させるのが望ましいことがある。そのような一実施形態は、アンカー先端部の近位に溶接されているボールまたはキャッチを伴う多数のニチノールワイヤを備えることが可能である。これらは送達カテーテルで集められ、その後、理想的なプラグ位置が確認されたときに解放されることが可能である。
【0057】
一実施形態の断面は
図6に発泡体プラグ600およびLA面602およびLAA面610とともに示されている。ePTFE材料604は、発泡体プラグ600をカプセル化し、その開放端は、内側チューブ608上でワイヤ、縫合糸、またはチューブ状クリンプ606などの取付構造と接続される。内側チューブ608は、304もしくは316グレードなどのインプラントグレードのステンレス鋼またはMP35nなどのコバルトクロム合金から作られてよく、クリンプ606は、焼き鈍しされた304もしくは316ステンレス鋼またはMP35nなどのコバルトクロム合金から作られてよい。このクリンプは、デバイスが取り外される必要がある場合に、捕らえられ得る要素としても働く。
【0058】
図6を参照すると、チューブ状ePTFE層604は、ガイドワイヤ内腔を一列に並べた内側層612に沿って延在し、左心房面602の周りでめくり返り、外側層614を形成する。いくつかの実施形態において、層604は、本明細書でさらに説明されているように、カバー3100または近位面1064'上のカバーなどの、側壁の近位面全体および/または一部を覆うものとしてよい。
図6にさらに示されているように、内側層612の第1の端部616が、外側層614の第2の端部618内に同心円状に配設される。第1の端部616および第2の端部618は、内側チューブ608と外側クランプ606との間で締め付けられる。このようにして、インプラントは、継ぎ目のない左心房面602を見せ、ガイドワイヤ内腔と内側チューブ608との完全性を保つ仕方でカプセル化され得る。
【0059】
LAA閉塞デバイスの留置のための技術の一実施形態は、
図7から
図15に示されている。LAAを閉じるために、LAには、最初に静脈系からアクセスされる。一アプローチは、ブロッケンブロウスタイルの針を使用して心房中隔を穿刺し、右心房(RA)からLAにアクセスすることである。基本的な針穿刺技術は、典型的には右大腿静脈を介して静脈アクセスを得て実行される。次いで、Mullinsシースおよび拡張器が、上大静脈(SVC)内にすでに留置されている0.025"または0.032"ガイドワイヤ上で追跡される。経食道心エコー(TEE)または心腔内エコー(ICE)などの、蛍光透視および心エコー撮像法が典型的には利用される。心エコーが利用されない場合、ピッグテールカテーテルを大動脈起始部内に留置して、大動脈弁の位置を定めることは一般的なことであり、心エコーを使用するときに必要でないステップである。
【0060】
Mullinsシースおよび拡張器がSVC内に入った後、ガイドワイヤは取り出され、経中隔針が拡張器を通して留置される。針は、先端部へ横断するときにポリマー材料が拡張器内腔から剥ぎ取られるのを防ぐためのスタイレットを収容する。針が拡張器先端部に近づいた後、スタイレットは取り外され、針がマニホールドに接続されフラッシュされる。Mullinsシース/拡張器セットおよび針(拡張器先端部内に位置決めされる)は、一ユニットとしてRAの方へSVC内に引っ込められる。システムがSVCの壁を下って引き出され、卵円窩内に位置決めされた後、好ましい穿刺位置になる。
【0061】
卵円窩内の適切な位置が観察された後、針は卵円窩上に前進させられLA内に入る。経中隔穿刺が成功したかどうかは、エコー、圧力測定、O2飽和、およびコントラスト剤注入によって確認できる。針位置がLA内に位置することが確認された後、シースおよび拡張器は、その上に前進させられLA内に入るものとしてよい。いくつかの場合において、使用者は、最初に、ガイドワイヤを針に通してLA内に送り、横切る前に上肺静脈(典型的には左)に送る。代替的な選択肢は、非常に厚い、または肥大した隔膜を横切るために有用である、高周波経中隔針の使用、または針を通して留置され、初期穿刺に利用される安全ワイヤの使用を含む。
【0062】
図8から
図15を参照すると、ガイドカテーテル802が大腿静脈を通して心臓の右心房内に留置され、上で説明され、LAA入口部804の近くに位置決めされているような心房内中隔を横切ってLA内に入る。通常、直径0.035"であるガイドワイヤ902は、ガイドカテーテル900に通され、LAA904内に留置される。このガイドワイヤ1002は、LAA内で膨張させられ、ガイドカテーテル1100がLAAの壁を穿孔するのを防ぐための緩衝体として働くバルーン1006の遠位端に取り付けられていてよい。次いで、ガイドカテーテル1100は、ガイドワイヤ1108上に前進させられてLAA1104内に送り込まれる。蛍光透視法の下でカテーテル留置を誘導するために放射線不透過性マーカー1102が使用される。
【0063】
次いで、発泡体プラグ1204は、プッシャー1202でガイドカテーテル1200内に押し通され、
図14において示されているように完全に展開されるまで
図13においてガイドカテーテル1300からゆっくり出るように示されている。次いで、発泡体プラグ1404の位置は、遠位バルーン1408およびガイドカテーテル1400を使用するか、バルーン1408を引っ張ってシャフト1412に通すことによって発泡体プラグを近位に摺動させるか、またはガイドカテーテル1400を遠位に押すことによって遠位に摺動させることで、適所で調整され得る。ガイドワイヤは、また、LAAの封止が監視され、十分な封止の確認が行われるように圧力センサーをその中に収容してもよい。満足のゆく留置になった後、接着剤1514が注入され、および/または機械的アンカーが展開されプラグ1404を壁に固定し得る。ガイドワイヤバルーン1508は萎まされ、その後、ガイドワイヤは取り外される。一代替的実施形態において、2成分接着剤系が使用されてよく、2成分系の一方の成分は発泡体プラグを覆うスキンの外側表面に接着される。第2の成分は、発泡体プラグとLAAの壁との間の界面のところに、接着が界面にのみ生じ接着剤塞栓が生じるリスクを最小限度に抑えるように注入され得る。いくつかの実施形態において、接着剤およびバルーンは、たとえば、本明細書においてさらに説明されているデバイス3000とともに、使用される場合も使用されない場合もある。
【0064】
ガイドカテーテルの全長にわたってプラグを押し通すステップの代替的ステップは、プラグ1204が
図12に示されているようにガイドカテーテル1200の遠位端のところに最初に配置され得るようにすることである。ガイドワイヤ1210は、プラグ1204の中心を通過し、このモードでは、プッシャー1202はそれをLAA内に展開するためにプラグを短い距離だけ押すことのみ必要である。
【0065】
代替的アンカーのために、これらは展開され、シャフトは切断され取り外され得る。切断メカニズムは、ねじ込み、電解脱着、または当技術分野で知られている他のものなどの、いくつかの種類のうちのいずれかであってよい。いくつかの実施形態において、縫合糸取付具が、たとえば、
図24に関して説明されているように実装され得る。
【0066】
図16に示されているように、いくつかの実施形態において、発泡体本体部1600およびステント1602などの金属フレームが含まれていてもよい。発泡体本体部1600およびステント1602は、それぞれ発泡体本体部3002およびチューブ状本体部3080(
図85A~
図90Dを参照)と同じかまたは類似する特徴および/または機能を有するものとしてよく、またその逆もあり得る。発泡体1600は、組織の成長侵入をもたらし、また、金属ステント1602の緩衝材をLAAの組織上に設けるように設計される。プラグの近位面1604'は、ePTFE、ポリエステル、または別の抗血栓性組織用足場材料で覆われ、所望の細孔サイズによる封止を円滑にし過成長を促す。
【0067】
ステント1602は、10、12、14、16、18、または20Fの送達カテーテル内に詰め込み、その所望の直径まで拡張することを可能にするためニチノールから作られ得る。ステント1602は、編まれるか、レーザー切断されるか、またはワイヤ形成され得る。所望の成績に応じて、様々なステント壁パターンのいずれかが利用され得る。ステント1602は、バルーン拡張型ステント、または自己拡張型ステントであってよい。例示されている実施形態において、自己拡張型ステント1602は、複数のジグザグストラット1612によって接続される複数の近位頂点1608および遠位頂点1610を備える。孔1606は、送達のためにガイドワイヤが通ることを許す。この設計は、プラグによってLAAに加えられる拡張力が発泡体の特性と別に制御され得るという点で有利であり得る。また、この概念をより小さい幾何学的形状に詰め込むことも容易であり得る。たとえば、プラグは、十分な拡張力を維持しながら送達カテーテル内に圧縮されなければならない発泡体の量を減らすことによってより小さい幾何学的形状に詰め込むことができる。
【0068】
代替的に、発泡体プラグは、2つの発泡体から製作され得る。一方のより密度の高いコアは力、たとえば、径方向力をもたらし、外側のより柔らかい発泡体は組織の凸凹と係合する。より柔らかい発泡体は、また、取り出しが円滑になされるように近位端および/または遠位端上に配置されることも可能である。
【0069】
発泡体プラグに剛性を加える別の手段が
図17に示されており、そこには発泡体プラグ1700内の空洞1704が形成され、ワイヤ1702のコイルが近位端1706のところで前進させられてガイドカテーテルから空洞1704内に送り込まれ得る。ワイヤが空洞内に入ると、これは所定のサイズまで拡張し、径方向外向きに力を発泡体に加える。ワイヤの種類および量は、x線ガイドを使用して生体内で決定され、それにより、LAA内への発泡体の径方向拡張を調べるものとしてよい。
【0070】
図17に示されているようなワイヤの代わりに、バルーンが発泡体内に送り込まれ、膨張させられて、外側発泡体が組織の凸凹および組織成長侵入部と係合する働きをしている間に径方向力を発生するものとしてよい。膨張に続き、バルーンは、展開カテーテルから脱着され、展開カテーテルが引き出され得る。バルーンは、好ましくは、弁を備え、それにより膨張媒体の漏出を防ぐ。膨張媒体は、原位置での架橋または重合などによって第1の流動可能状態と第2の硬化状態との間で変換可能である様々な媒体のうちのいずれかであってよい。
【0071】
別のLAAプラグが、
図18に、成長侵入を促すために発泡体1802で覆われているバネ様インプラントワイヤ1800として図示されている。インプラントの近位面は、ePTFEまたは他の組織用足場材料のシートで覆われる。このインプラントは、送達のために引き伸ばされ、適所で解放され得る。
【0072】
発泡体を使用するのではなく、むしろ、穿孔のない低多孔度外側バッグがLAA内に留置され、次いで、径方向拡張を引き起こすための物質を充填されることも可能である。この物質は、ヒドロゲル、セルロース、またはポリ酢酸ビニルであってよい。
【0073】
別個の拡張デバイスを使用して隔壁を横切ることを必要とするのではなくむしろ、遠位クリンプ要素1902がテーパーを付けて形成されるものとしてよく、それにより、カテーテル1200の遠位端から延在し、カテーテルが前進させられるときに拡張先端部として働き隔壁の開口部を拡張する。
図19を参照のこと。
【0074】
代替的プラグ設計では、ガイドカテーテル内に詰め込まれ得るように締め固められ、脱水されたセルローススポンジ材料などの発泡体を使用する。発泡体材料2202は、
図22に示されているようにガイドカテーテル内に詰め込まれ得る。次いで、発泡体プラグ2202は、プランジャ2206を備えるガイドカテーテル2204の遠位端から前進させられてLAA内に送り込まれる。プラグは、ガイドカテーテルから出て開き、円板形状2210になる。発泡体が血液中の流体を吸収すると、その長さが拡大して、LAAを埋めるシリンダー2220を形成する。圧縮されたセルロース材料に対する拡張比は、17:1と高くなり、圧縮された長さまで拡張され得る。
【0075】
図23における小さなバーブ2302を使用してプラグ2304をLAA内にさらに係合させることは有利であり得る。バーブは、近位方向または遠位方向のいずれかの移動に抵抗するように一方向または双方向であってよい。これらのバーブは、発泡体プラグ内に埋め込まれ、その高さは0.1から1mmであってよい。二次ステップとしてプラグを留置し次いでバーブに係合させるのが望ましいことがある。そのような一実施形態は、バーブ先端部の近位に溶接されているボールまたはキャッチを伴う多数のニチノールバーブワイヤを備えることが可能である。これらはスリーブ内の送達カテーテルで集められるか、または縫合糸が次いで理想的なプラグ位置が確認されたときに解放されることが可能である。
【0076】
適切に機能していないデバイスを取り外す一手段は、取り出し縫合糸2400を、
図24のガイドカテーテル2404の全長にわたって近位にさらに通る近位キャップ2402などの、インプラントに解放可能に取り付けることである。デバイスが取り外されるべきである場合、縫合糸2400の両端を引くと、外側被覆をガイドカテーテル2404内に引き込み、次いで、ガイドカテーテルは、患者から取り外され得る。デバイスが適切に留置された場合、縫合糸2400は、切断され、取り外されて、プラグを適所に残し得る。
【0077】
閉塞デバイスの展開は、もっぱら経血管アクセスの文脈において説明されている。しかしながら、インプラントは、代替的に、直接外科アクセス、または様々な低侵襲性のアクセス経路(たとえば、頸静脈)を介して展開され得る。たとえば、剣状および隣接する肋軟骨の上にある領域は、標準的な技術を使用して準備され、布で覆われるものとしてよい。局所麻酔薬が投与され、皮膚切開が、典型的には、約2cmの長さにわたって行われ得る。経皮貫通は肋軟骨の下を通り、シースが心膜腔内に導入され得る。心膜腔は、追加の麻酔を行い、心臓を刺激するリスクを低減するために、食塩液で、好ましくは、食塩リドカイン溶液で灌流され得る。閉塞デバイスは、これ以降、シースを通して、およびLAAの壁を通して形成されたアクセス経路を通して導入され得る。これ以降、壁およびアクセス経路の閉鎖は、当技術分野で理解されている技術を使用して達成され得る。
【0078】
所望の臨床成績に応じて、本明細書で説明されているLAA閉塞デバイスのいずれかは、薬物または他の生物活性剤を供給されるものとしてよく、これらの薬剤は展開カテーテルを介して注入されるか、または連続気泡発泡体内に含浸されるか、もしくはインプラント上にコーティングされ得る。生物活性剤は、当技術分野で理解されているような特定の薬剤に適切な送達期間にわたってインプラントから隣接する組織内へ溶離されるか、または他の何らかの形で放出され得る。有用な生物活性剤は、血栓症を調節する薬剤、細胞成長侵入、貫通成長、および内皮化を促す薬剤、ならびに潜在的に、感染症に抵抗する薬剤を含むことができる。たとえば、コラーゲン(I型またはII型)、ヘパリン、コラーゲンとヘパリンとの組合せ、細胞外マトリクス(ECM)、フィブロネクチン、ラミニン、ビトロネクチン、化学誘引物質として働くペプチドもしくは他の生体分子、分子MCP-1、VEGF、FGF-2およびTGF-ベータ、組換ヒト成長因子、および/または様々なガスによるプラズマ処理を含む、インプラント内への内皮、平滑筋、線維芽細胞、および/または他の細胞成長を促進し得る薬剤である。
【0079】
抗血栓薬は、典型的には、抗凝固薬と抗血小板薬とに分けられ得る。抗凝固薬は、ヘパリン、ヘパリン分画および画分を含む凝固カスケード内の因子の阻害剤、さらにはヒルジン、ヒルジン誘導体、ダビガトラン、アルガトロバンおよびビバルルジンを含むトロンビンの阻害剤、ならびに低分子量ヘパリン、リバーロキサバン、アピキサバンなどの第X因子阻害剤を含む。
【0080】
抗血小板薬は、エプチフィバチド(epifibitide)およびアブシキシマブなどのGP 2b/3a阻害剤、チクロビジン、クロピドグレル、プラスグレルなどのチエノピリジンおよびチカグレロル(tacagrelor)を含むADP受容体作用薬(P2/Y12)ならびにアスピリンを含む。他の薬剤は、ウロキナーゼおよびストレプトキナーゼ、それらの相同体、類似体、断片、それらの誘導体および薬剤用塩、ならびにプロスタグランジン阻害剤を含む、溶解剤を含む。
【0081】
抗生物質製剤は、限定はしないが、ペニシリン、セファロスポリン、バンコマイシン、アミノグリコシド、キノロン、ポリミキシン、エリスロマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、クリンダマイシン、リンコマイシン、スルホンアミド、それらの相同体、類似体、誘導体、薬剤用塩、およびこれらの組合せを含み得る。
【0082】
上で概要を述べたような生物学的作用物質は、たぶんインプラント204に追加されてもよく、送達カテーテルを通して近位キャップ206と発泡体プラグ204との間の空間内に注入され得る。これは、初期植え込み時に血栓形成を最小限度に抑えるための貯槽として働き、デバイス植え込みの後の全身抗凝血の必要性を低減し得る。
【0083】
電子圧力センサーが、心臓機能を監視するために有用であるLA圧力の監視用にLA圧力を身体の外の離れた場所にある受信機に伝送するために使用され得る発泡体プラグの近位端内に埋め込まれ得る。それに加えて、心臓ペースメーカーまたは除細動器が、発泡体プラグ内に埋め込まれ、電気的に遠位アンカーに取り付けられ得る。薬物送達貯槽が、上で概要が述べられているように生物学的作用物質の制御送達のためにLAに接続して埋め込まれ得る。
【0084】
固定の別の手段は、発泡体プラグ2500がLAA内に留置されている
図25Aに示されている。遠位スクリューリード2502は、前進させられ、LAA壁にねじ込まれる。ガイド2506は、
図25Bに示されているように近位に引かれる。このガイド2506が引き戻されたときに、ニチノールで作られているスクリューリードワイヤは、「バードネスト」2508内の一箇所にまとめられるか、または発泡体プラグ2500の内側にコイルを形成する。スクリューリードワイヤ2502は、プッシャー2510でガイドカテーテル2504から遠位に押され、発泡体内の一箇所にまとめ続ける。次いで、カテーテルシステム2504、2506、および2510が取り外される。
【0085】
遠位アンカー要素を発泡体に固定する別の手段が
図26に示されている。2つのバーブ付きリード2604が、発泡体プラグ2600内の適所まで前進させられたときに、バーブ2604が発泡体プラグ内を掘るようにアンカー2602に取り付けられる。
【0086】
図27A~
図27Gは、LAA(LAA)を閉塞させるためのデバイス10の一実施形態の様々な図である。デバイス10は、プラグ204、デバイス1020、デバイス3000などの、本明細書で説明されているLAAの閉塞のための他のデバイスと同じまたは類似する特徴を含むものとしてよく、またその逆もあり得る。デバイス10は、デバイス10をLAA内に固定するための内部係止システム101を備える。いくつかの実施形態において、デバイス10は、内部係止システム101または他の固定特徴部を含まなくてよく、たとえば、デバイス10は、組織成長侵入だけで固定され得る。閉塞デバイス10は、連続気泡発泡体本体部15、たとえば、プラグなどの拡張可能媒体を備える。本体部15は、デバイス10の折り畳みおよび拡張を可能にし、また発泡体内への組織の成長侵入を高める。
【0087】
図27Aから
図27Fに示されているデバイス10の本体部15は、その拡張された構成形状をとる。本体部15は、
図27Gの圧縮された構成形状をとる。デバイス10は、発泡体本体部15、スキン20、中心内腔25、フィニアル30、およびデバイス10をLAA内に固定する動的内部係止システム101を備える。
図27Aは、展開された構成形状の本体部15および内部係止システム101を示すデバイス10の側断面図である。
図27Bは、展開された構成形状の本体部15および内部係止システム101を示すデバイス10の近位端の端面である。
図27Cは、展開された構成形状の本体部15および内部係止システム101を示すデバイス10の側面図である。
図27Dは、展開された構成形状の本体部15および制約された構成形状の内部係止システム101を示すデバイス10の側断面図である。
図27Eは、展開された構成形状の本体部15および内部係止システム101を示すデバイス10の遠位端の端面である。
図27Fは、
図27Cに示されているような直線1F-1Fに沿って切り取られたデバイス10の断面図である。
図27Gは、送達シース1内に装填され、圧縮されている本体部15および内部係止システム101を示している。デバイス10は、
図27Gに示されている構成形状で送達カテーテルを介して送達され得る。次いで、デバイス10の本体部15は、
図27Dに示されているように、内部係止システム101がそのまま制約されている状態で拡張し得る。次いで、内部係止システム101は、
図27Aに示されているように展開された構成形状に展開し得る。
【0088】
図27Gは、送達シース1の一実施形態内に装填され、圧縮されている本体部15および内部係止システム101を示している。いくつかの実施形態において、送達シース1は、外側送達カテーテルであってよい。本体部15および内部係止システム101は、送達カテーテル5内に装填され、圧縮される。デバイス10は、完全にまたは部分的に、送達カテーテル5の内側にあってよい。いくつかの実施形態において、送達カテーテル5は、内側送達カテーテルであってよい。デバイス10は、送達シース1の内側の送達カテーテル5で装填され圧縮され得る。たとえば、送達シース1を近位方向に引っ込めることによって送達シース1を取り外すことで、デバイス10の本体部15を拡張させることができるものとしてよい。本体部15は、たとえば送達カテーテル5によって内部係止システム101がそのまま制約されている間に拡張する。
図27Dは、内部係止システム101が送達カテーテル5内で制約されている構成形状をとっている状態の、展開された状態にある本体部15を示している。これは、展開プロセスにおける第1のステップ、特にLAA内のデバイス10の留置を示しており、そこでは、本体部15は拡張され、内部係止システム101は制約され、したがってアンカーは展開されない。展開プロセスの第2のステップは、
図27Aに示されており、そこでは、内部係止システム101は本体部15を通してすでに展開されている。いくつかの実施形態において、この第2のステップは、たとえば、LAA内のデバイス10の留置が許容可能でない場合に、アンカーを引っ込めるように逆転可能である。内部係止システム101、たとえば、本明細書でさらに説明されているような固定構成要素またはシステムは、本体部15内から展開され、それにより、LAAの隣接する解剖学的構造と係合するように本体部15の外側の内部係止システム101の少なくとも1つの、およびいくつかの実装形態では、少なくとも2つまたは4つまたは6つ以上のアンカーを展開する。
【0089】
内部係止システム101は、本体部15が拡張してから一定期間が経過した後に制御可能に展開され得る。たとえば、デバイス10の配置、配向などは、内部係止システム101が展開され、アンカーがデバイス10をLAA内にしっかり留める前に中心内腔を介してコントラスト媒体の注入による蛍光透視法などによる様々な撮像技術で検証され得る。いくつかの実施形態において、内部係止システム101およびそのアンカーの展開後であっても、アンカーは、LAA内で再配置し、および/またはLAA内からのデバイス10の取り出しのために本体部15内の位置へ引っ込められ得る。
【0090】
図27Fは、スロット17を有するデバイスの一実施形態を示している。スロット17は、発泡体本体部15内に形成される。たとえば、発泡体本体部15の材料は、組織と係合するアンカーの外向きの拡張などの、内部係止システム101の展開を円滑にするように取り除かれ得る。
【0091】
デバイス10は、本明細書で説明されている他のプラグ、たとえばプラグ204などと同じまたは類似する特徴および/または機能のどれかまたはすべてを有し得る。たとえば、デバイス10は、スキン20内に少なくとも部分的にカプセル化される。いくつかの実施形態において、スキン20は、本体部15の近位端を覆うものとしてよい。スキン20は、薄い強力な外層であってよい。スキン20は、薄いカプセル化層であってよい。スキン20は、ePTFE(延伸ポリテトラフルオロエチレン)、ポリオレフィン、ポリエステル、他の好適な材料、またはこれらの組合せから加工され得る。いくつかの実施形態において、スキン20は、生体吸収性材料、たとえば、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、PHA、コラーゲン、他の好適な生体吸収性材料、またはこれらの組合せから加工され得る。スキン20は、径方向など、少なくとも1つの方向に弾性的であるように配向されるか、または他の形で修正され得る。
【0092】
本体部15は、ポリウレタン、ポリオレフィン、PVA、コラーゲン発泡体、またはそのブレンドから作られ得る。1つの好適な材料は、細孔サイズが100~250μmおよび空洞率が90~95%であるポリカーボネートポリウレタン尿素発泡体である。本体部15は、非分解性であるか、またはPLA、PGA、PCL、PHA、および/またはコラーゲンなどの分解性材料を使用することが可能である。分解性である場合、LAAからの組織は、発泡体本体部15内に成長侵入し、時間とともに発泡体を置き換える。本体部15は、無制約の拡張で形状が円筒形であってよいが、その遠位端が近位端よりも小さいか、または逆の円錐形であってもよい。本体部15は、また、LAAの開口部により適切に適合するように断面が卵形とすることも可能である。
【0093】
デバイス10は、LAA内にぴったり嵌るように制約されない拡張で径方向に過剰サイズである。デバイス10は、たとえば、ターゲットLAAの直径に応じて、その制約されない構成形状で、5~50ミリメートル(mm)であり、一般的に、直径は少なくとも約10mmまたは15mmであり得る。デバイス10の長さ「L」は、その直径「D」よりも、L/D比が1.0未満であるか、おおよそもしくは約1.0よりも大きいか、約1.5よりも大きいか、または約2.0よりも大きくなるように、小さいか、類似しているか、または大きい値であり得る。L/D比は、その安定性を最大化するように1.0よりも大きいものとしてよい。しかしながら、いくつかの実施形態において、L/D比は、1.0未満、たとえば、約0.2から約0.9、または約0.3から約0.8、または約0.4から約0.6であってよい。デバイス10の材料のコンプライアンスは、それがプラグを適所に維持するために十分な力で、ただしLAA壁を過度に引き伸ばすことなくLAAの壁を押すように設計される。発泡体本体部15および/またはスキン20は、また、拡張するときにLAAの不規則な表面に適合し、自然なLAA壁に補完的な表面構造を付与して固定をさらに補強し、封止を促進する。したがって、拡張可能な発泡体本体部15は、LAAの自然な不規則な構成形状に適合する。いくつかの実施形態において、発泡体本体部15の構造は、プルワイヤまたは内側同心チューブを近位に引っ込めるなどによって本体部15の対向端を軸方向に圧縮することで発泡体の直径を増大させるように加工され得る。
【0094】
本体部15および/またはスキン20、たとえば発泡体材料および/またはePTFEは、放射線不透過性糸210(
図2参照)などの1つまたは2つ以上の放射線不透過性マーカーを備えるか、または操作者がx線の下でデバイス10が解剖学的構造内で適切な位置に置かれていることを視覚化することを可能にする、硫酸バリウム、次炭酸ビスマス、またはタングステンなどの放射線不透過性充填剤で満たされるか、または含浸され得る。デバイス10の視覚化は、アンカーを展開してデバイス10を適所にしっかり留める前にデバイス10の位置を検証するために使用され得る。
【0095】
外側ePTFE層などの、スキン20は、約0.0001インチから約0.0030インチの範囲の厚さを有し得る。いくつかの実施形態において、スキン20の厚さは、約0.0003インチから約0.0020インチの範囲内であってよい。いくつかの実施形態において、スキン20の厚さは、約0.0005インチから約0.0015インチの範囲内であってよい。スキン20の厚さは、均一であり、たとえば、厚さがどこで測定されようと関係なく同じであるか、またはほぼ同じであってよい。いくつかの実施形態において、スキン20の厚さは、不均一であり、たとえば、厚さはスキン20の異なる部分で異なっていてもよい。
【0096】
外側ePTFE層などのスキン20は、また、LAに面するデバイス10の近位端上の血液接触面として働き得る。スキン20は、血液構成成分が表面上で凝固し、組織の内膜または新生内膜被覆が表面上に成長し、スキン材料にしっかりと固定されるような細孔または結節を有し得る。細孔サイズは約4μから約110μの範囲内であってよい。いくつかの実施形態において、細孔サイズは、約30μから約90μの範囲内である。いくつかの実施形態において、細孔サイズは、約30μから約60μの範囲内である。細孔サイズのそのような範囲は、新生内膜の形成および付着に有用である。いくつかの実施形態において、外側ePTFE層などのスキン20は、発泡体本体部15の直径とほぼ同じ直径を有するチューブから形成されてよく、発泡体材料を破ることなく本体部15を折り畳み、引っ張ることを可能にする。
【0097】
スキン20は、FEP、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、またはナイロンから作られた織物、メッシュ、または穿孔フィルムなどのePTFE以外の材料から製作され得る。スキン20は、低いコンプライアンス(たとえば、非弾性的)、たとえば長手方向に低いコンプライアンスを有するものとしてよく、プラグを取り外すことを可能にする十分な強さを有するものとしてよく、低い摩擦係数を有するものとしてよく、および/または凝血抵抗を有するものとしてよい。スキン20は、大半の発泡体は引っ張られたときに破れに抵抗する十分な強さを有しないのでプラグ取り外しを可能にするマトリクスとして働く。本体部15は、超音波エコー輝度プロフィール、凝血抵抗性、潤滑性を高め、および/または心エコー検査視覚化を円滑にし、細胞成長侵入および被覆を促進するための材料をコーティングされるか、または含むことができる。
【0098】
スキン20は、LAA組織と発泡体本体部15との接触を可能にする孔を備え得る。発泡体15のLAAまたは他の組織への露出は、たとえば組織を発泡体プラグ細孔内に成長侵入することを促し、および/または本体部15を適所に保持するように摩擦を高めるという利点を有する。これらの孔は、直径1から5mmであるか、または卵形であり、その長軸は発泡体プラグの軸と位置合わせされるものとしてもよく、その長さは発泡体プラグの長さの80%であり、幅は1~5mmであってよい。孔は、外側被覆が取り外しに必要な張力を伝達するのに十分な強度を維持できる可能な限り大きいものであってよい。孔は、優先的にデバイス10に沿って置かれるものとしてよい。いくつかの実施形態において、孔は、遠位LAA壁からの組織成長侵入を高めるのに十分な遠位に置かれる。
【0099】
いくつかの実施形態において、デバイス10は、閉塞領域と固定領域とを備える。デバイスがLAA内に植え込まれた後にLAに面するデバイス10の近位部分は、閉塞領域を備え得る。閉塞領域は、閉塞領域での新生内膜の形成を促進しながら抗血栓性であるデバイス10の近位端上の血液接触面であってよい。閉塞ゾーンは、血液および隣接組織からの抗血栓性および内皮化を促す。固定ゾーンは、隣接する非血管組織からデバイス10内への高速で強靱な組織成長侵入を促進する。固定ゾーンは、LAAに隣接する、および/またはLAA内の組織と接するデバイス10の外側面であってよい。固定ゾーンは、また、植え込んだ後にLAAの遠位壁に面するデバイス10の遠位端も含み得る。
【0100】
図28A~
図28Dは、デバイス10とともに使用され得る内部係止システム101の一実施形態を示す様々な図である。いくつかの実施形態において、複数の内部係止システム101が、デバイス10とともに使用され得る。
図28Aは、展開された構成形状で示されている内部係止システムを示す側面図である。
図28Bは、展開された構成形状の内部係止システム101の遠位端を示す端面図である。
図28Cは、制約された構成形状の内部係止システム101を示す側面図である。
図28Dは、内部係止システム101のアンカー120の一実施形態を示す側面図である。
【0101】
様々な構造物はどれも、デバイス10とともに動的内部係止システム101として利用されてよい。一般に、少なくともおおよそ2つまたは4つのまたは6つ以上の組織アンカー120が、植え込み可能なデバイス10から埋め込み部位を囲む隣接組織内に能動的にまたは受動的に前進され得る。デバイス10の展開および本体部15の拡張に続いて、組織アンカー120の組織係合セグメント121が少なくとも約1mm、およびいくつかの実装形態では、少なくとも約2または4mm以上、スキンを超えて延在する。組織係合セグメント121は、発泡体本体部15を貫通する組織アンカー120の支持セグメント122によって運ばれ、所望の構成形状に応じてプルワイヤ、プッシュワイヤ、チューブ状支持体または他の制御構造物などの展開制御部に取り付けられ得る。
【0102】
本明細書でもっぱら説明されている係止システム101は、受動的展開構造物である。制約の取り外しで、組織アンカー120は横方向に自己拡張し隣接組織内に展開することができる。自己拡張は、ニチノール、エルジロイ、ステンレス鋼、または他の形状記憶もしくはバネバイアス材料を使用して組織アンカー120を製作することによって達成され得る。制約は、係止システム101の構造に応じて、組織アンカー120がもはや制約によって係合されなくなるまで近位への引っ込みまたは遠位への前進によって取り外され得る。
【0103】
代替的に、組織アンカー120は、制御部の遠位前進、近位引き込みもしくは回転、またはデバイス10内に位置決めされているバルーンの膨張などによって能動的に展開されるものとしてよく、アンカー120をスキン20もしくはスキン20上の対応する開口に通して組織内に送り込むことを能動的に行う。たとえば、ストラットなどの複数の支持セグメント122が、中心ハブ111への遠位端で連結され、径方向外向きに近位方向に傾斜し得る。ハブ111の近位引き込みは、組織係合セグメント121を軸に沿ってスキン20を超えて前進させ隣接する組織に送り込む。支持セグメント122、たとえば、ストラットの傾斜角度は、別の構造では逆に反転されてよく、ハブ111の遠位前進は、スキン20を超えて組織係合セグメント121を展開する。ハブ111の近位または遠位前進は、ハブ111と解放可能に係合されている制御ワイヤまたは内側チューブなどの制御部の近位もしくは遠位前進によって達成され得る。
【0104】
所望の臨床成績に応じて、組織アンカー120は、アンカー120の傾斜角度に応じて制御部の軸方向の遠位もしくは近位移動などによって引っ込み可能であり得る。本明細書でもっぱら例示されている実施形態において、アンカー120を再度シースに入れるステップは、組織アンカー120の傾斜面に沿ってチューブ状制約を前進させてアンカー120を径方向内向きにデバイス10の中心長手方向軸の方へ移動することによって達成され得る。自長手方向軸に沿った前進によって展開するアンカー120の場合には、アンカー120は、アンカー120を展開するために前進させられる方向から反対方向に制御部を前進させることによって引っ込められ得る。
【0105】
図28A~
図28Dを参照すると、内部係止システム101は、中心チューブ状要素またはハブ111と、アンカー120とを備える。アンカー120は、ハブ111から延在するアーム、セグメント、または他の部材であってよい。各アンカー120は、組織係合セグメント121と、ハブ111または他の制御部に延在する支持セグメント122とを備え得る。内部係止システム101は、単一の中心チューブ状ハブ111と、多数のアンカー120とを有する。図示されているように、4つのアンカー120がある。2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ以上のアンカー120があってよい。アンカー120は、ハブ111と回転可能に、ヒンジで、または他の何らかの移動可能な方式で結合され得る。したがって、アンカー120は、たとえば制約された構成形状にアンカー120を保持している抑制具から解放され、展開された構成形状に展開した後に、ハブ111に相対的に移動し得る。さらなる例として、アンカー120は、本明細書においてさらに説明されているように、展開された構成形状から引っ込められた位置へ移動し得る。アンカー120は、図示されているように、曲線をなしていてよく、たとえば、アンカー120が無制約のときに
図28Aに示されている幾何学的形状をとり得る。
【0106】
例示されているアンカー120は、遠位領域130、ヒンジ領域135、および/または近位領域125を有し得る。遠位領域130は、ハブ要素111と相互作用する。図示されているようなヒンジ領域135および曲線の幾何学的形状は、近位領域125の端部が本体部15を超えて、たとえば、本体部15の側壁を超えて延在することを可能にする。近位領域125は、隣接組織と係合するように構成されている組織係合セグメント121を備える。組織係合セグメント121は、近位領域125全体またはその一部、たとえば、先端部などであってよい。したがって、近位領域125は、鋭くなっている組織係合セグメント121、整形された組織係合セグメント121、角度付き組織係合セグメント121、組織係合を行うように構成されている厚さ、および/または他の好適な特徴部を備え得る。いくつかの実施形態において、近位領域125は、本明細書でさらに説明されているように、本体部15内に引っ込められ戻され得る。図示されている実施形態において、アンカー120および中心チューブ111は、図示されているように互いに貼り付けられている明確に区別できる要素である。他の実施形態では、アンカー120およびチューブ111は、単一の一体型ユニットである。
【0107】
内部係止システム101は、ニチノール、304もしくは316などのインプラントグレードのステンレス鋼、またはMP35Nもしくはエルジロイなどのコバルトクロム系合金などの生体適合性金属ワイヤから作られる。いくつかの実施形態において、内部係止システム101は、機械加工もしくはレーザー切断を介して加工された金属の単一のチューブ状片から切り出され、その後、類似の材料を使用する二次形成もしくは焼き鈍しを行うステップが続く。
【0108】
内部係止システム101は、デバイス10がLAA内の適切な位置に留置され、本体部15がその中で拡張するときに制約された構成形状をとり得る。次いで、二次ステップにおいて、内部係止システム101は、アンカー120と係合することによってLAA内にデバイス10を係止するか、または他の何らかの形でしっかり留める。位置が最適であると考えられない場合、またはデバイス10が他の何らかの方法でLAA内で再配置され、および/またはLAAから取り外される必要がある場合、内部係止システム101およびそのアンカー120は、係止解除され、デバイス10は、再配置され、および/または取り外され得る。
【0109】
図29A~
図29Bは、組織アンカーを解放するためにデバイス10とともに使用され得る軸方向に移動可能なループタイプの係止解除メカニズムを順に示す側面図である。
図29Aは、展開された構成形状の内部係止システム101の組織アンカーを示すデバイス10の側断面図である。
図29Bは、引っ込められた構成形状の組織アンカーを示すデバイス10の側断面図である。係止解除システム140の一実施形態が図示されている。係止解除システム140は、リング145を備える。リング145は、アンカー120上を移動させられ、アンカー120を引っ込められた構成形状に移動するものとしてよい。リング145は、プルロッド147によって移動され得る。リング145は、プルロッド147に解放可能に取り付けられ得る。プルロッド147はカテーテルを貫通し、リング145と係合し得る。係止解除システム140は、内部係止システム101が展開された後に、デバイス10を再配置し、および/または取り外すために、デバイス10をLAA内から係止解除することが望ましい場合に利用され得る。
【0110】
例示されている構造では、抑制具の遠位前進による組織アンカーの展開は、可逆展開を可能にし、それによって、抑制具のその後の近位引き込みで組織アンカーを引っ込める。代替的に、抑制具を近位に引っ込めて組織アンカーを解放することで、組織アンカーを不可逆的に解放する。
【0111】
図30は、可撓性アンカー401を有するデバイス10の一実施形態を示す側面図である。
図30に示されているデバイス10は、本明細書で説明されているLAAを排除するための他のデバイスと同じまたは類似する特徴および/または機能を有するものとしてよく、またその逆もあり得る。デバイス10は、LA201に隣接する、またはLA201内にある
図30に示されている構成形状をとり得る。
図30のデバイス10は、デバイス10の折り畳みおよび拡張を可能にする、連続気泡発泡体本体部などの拡張可能な本体部15を備え、治癒、固定、および取り出しを助けるePTFE(延伸ポリテトラフルオロエチレン)、ポリオレフィン、またはポリエステルから加工された強い薄層であってよい、スキン20内に少なくとも部分的に閉じ込められる。デバイス10は、また、展開され、望ましい場合には、再配置され、および/または取り出され得るか、またはデバイス10は、本明細書で説明されているように、内部係止システム101などの、固定システムと係合させることによってLAA内に恒久的に固定され得る。アンカー401は、金属製であってよく、ニチノールから加工され得る。アンカー401は、直径約0.001インチから約0.010インチの小径ニチノールワイヤであってよい。いくつかの実施形態において、アンカー401は、直径が約0.0005インチから約0.020インチのものであってよい。アンカー401は、本体部15の拡張後に展開され得る。たとえば、アンカー401は、送達カテーテルからデバイス10を展開した後、自己展開するものとしてよい。アンカー401は、比較的短く、極端に曲がりやすくてもよい。アンカー401は、組織を貫通するか、またはデバイス10の展開直後に固定を行わせることができない場合がある。
【0112】
図31は、チューブ500とともにアンカー401を有するLAAの閉塞のためのデバイス10の一実施形態を示す側面図である。デバイス10は、LA201に隣接して、またはLA201内に位置決めされ得る。アンカー401は、可撓性アンカーであり得るか、またはいくつかの実施形態において、アンカー410は、さらに説明されるように、比較的剛性が高いものであってよい。チューブ500は、さらに説明されるように、静止または移動可能なチューブであってよい。いくつかの実施形態において、チューブ500はハイポチューブである。チューブ500は、ステンレス鋼、ポリアミド、または他の好適な材料であってよい。チューブ500は、さらに説明されるように、対応するアンカー401を囲み得る。
【0113】
いくつかの実施形態において、アンカー401は、軸方向に移動しないように固定されてよい。たとえば、アンカー401は、本体部15の外側に延在する固定長の組織係合セグメント121などの、一部を有し得る。本体部15の外側に延在するアンカー401の一部分は、送達カテーテルおよび/またはシース内に圧縮されたときに曲げられるものとしてよく、次いで、アンカー401のこれらの部分は、本体部15の展開後に
図31および
図32に示されている構成形状に真っ直ぐに伸びるものとしてよい。本体部15を超えて延在するアンカー401の固定長部分は、約1mmから約5mm、または約1.5mmから約4mm、または約2mmから約3mmであってよい。本体部15の外側の露出されているアンカー401のこの長さは、さらに説明されるように、対応するチューブ500の展開によって効果的に縮められ得る。対応するアンカー401の周りの対応するチューブ500の展開は、約0.5mmから約1mmの、露出されているアンカー401の実効長、すなわち、チューブ500の展開後にチューブ500の端部を超えて延在するアンカー401の長さを短縮し得る。これらは、アンカー401の異なる長さの単なる例にすぎず、他の好適な長さが実装されてよい。
【0114】
いくつかの実施形態において、アンカー401は、軸方向に移動可能であってよい。たとえば、アンカー401は、本体部15の展開直後に本体部15の外側に展開するかまたは他の何らかの形で延在することはし得ない。次いで、LAA内のデバイス10の許容可能な位置決めに続き、可撓性アンカー401は前進させられ、対応するチューブ500に通され得る。アンカー401は、本明細書の別のところで説明されているものを含む、好適な方式で軸方向に移動し得る。アンカー401は、以下で説明されているように、チューブ500が本体部15の外側に移動し展開される前または後のいずれかでチューブ500を通して移動され得る。
【0115】
いくつかの実施形態において、チューブ500は、移動可能であり、本体部15の外側に展開する。チューブ500は、固定されたアンカーまたは移動可能なアンカー401のいずれかを有する実施形態において移動可能であり得る。チューブ500は、
図31に示されているように、対応するワイヤアンカー401、たとえば、アンカー401毎に1本のチューブ500上で事前装填され得る。次いで、チューブ500は、
図32に示されているように対応するアンカー401上を移動され得る。チューブ500は、アンカー401を真っ直ぐにし、機械的完全性を加えるものとしてよい。チューブ500は、また、アンカー401がLAAの壁に孔を開けるのを防ぐために穿孔保護具としても働き得る。説明されているように、対応するアンカー401上をチューブ500が移動することで、アンカー401の露出されている長さを短縮し得る。これは、露出されている長さが短縮されたことでアンカー401のより剛性の高い組織係合セグメントをもたらし得る。
【0116】
いくつかの実施形態において、チューブ500は、送達カテーテルから本体部15の外面まで、またはその近くまで延在するが、本体部15の外には延在しない。その代わりに、チューブ500は、アンカー401を、たとえば、曲線の周りにただガイドし、組織貫通に至るまでワイヤ401を支持する。チューブ500は、アンカー401が座屈せず、組織に直角に当たるように発射角を設定するものとしてよい。この実施形態において、アンカー401は、組織にデバイス10のより確実な固定をもたらすために、アンカー401が比較的柔軟である実施形態に比べて比較的高い剛性を有すものとしてよい。チューブ500は、このガイド機能を、移動可能なアンカー401、アンカー120などの、移動可能なアンカーを有する本明細書において説明されている実施形態のいずれかにおける対応するアンカーに付与し得る。
【0117】
可撓性アンカー401および/または外部補強チューブ500は、ニチノール、304Vもしくは316LVMなどのインプラントグレードのステンレス鋼、MP35Nもしくはエルジロイなどのコバルトクロム系合金、他の好適な材料、またはこれらの組合せなどの生体適合性金属材料から作られ得る。アンカー401は、長さが0.1mmから5mmの範囲内で変化する可能性があり、外部補強チューブ500はアンカー401の露出されている長さの10%から90%を覆う。
【0118】
スキン20は、少なくとも部分的に本体部15を囲み、スキン20の一部分は、本体部15に取り付けられても取り付けられなくてもよい。本明細書において説明されている様々なデバイス10では、本体部15が、治癒、固定、および取り出しを助けるePTFE(延伸ポリテトラフルオロエチレン)、ポリオレフィン、またはポリエステルなどの材料から加工され得るスキン20内に少なくとも部分的に閉じ込められてよい。
図33は、内部発泡体本体部15へのスキン20の個別の取付点700を有するLAAの閉塞のためのデバイス10の一実施形態を示す側面図である。わかりやすくするため、取付点700は、図中、点として示されている。取付点700は、デバイス10の外側から見えなくてもよく、たとえば、スキン20は、取付点700のところで本体部15に接着されるなどしてよい。いくつかの実施形態において、接着に加えて、またはその代替として、スキン20は、取付点700のところで本体部15にたとえば縫合糸でしっかり留められるものとしてよく、したがって、取付点700のいくつかまたはすべてがデバイス10の外側か見えるものとしてよい。デバイス10は、LA201に隣接する、またはLA201内にある
図33に示されている構成形状をとり得る。スキン20は、様々は別個の取付点700のところで本体部15に取り付けられ得る。
図33に示されているように、スキン20は、その一部分が全く取り付けられていない状態で、本体部15に部分的に取り付けられ得る。これは、たとえば、スキン20を、送達カテーテルからデバイス10を展開した後に生じる本体部15の拡張時に移動させることを可能にし得る。スキン20は、いくつかの実施形態において、たとえば、以下で説明されているようにリム800などにより、LAAの入口部の閉鎖を促進するのを助けるために、デバイス10の近位側の近くに配置されている取付点700のところに取り付けられ得る。スキン20は、たとえば、近位面の近くの1つまたは複数の取付点700の適所に貼り付けられ、それにより、植え込み時にスキン20を束ねることが入口部の近くでただしLAA内で行われるようにする。これは、縫合糸、接着、ヒートボンディング、他の好適なアプローチ、またはこれらの組合せを使用して達成され得る。
【0119】
取付点700の選択的な配置は、スキン20の周上のリム800の形成を円滑にし得る。リム800は、
図34においてわかりやすくするため三角形で概略を示されている。リム800は、デバイス10の構成形状、LAAの形状などに応じて、様々な異なる形状をとり得る。さらに、リム800は、デバイス10の周りに完全にまたは部分的に延在し得る。リム800は、LAAの入口部を囲み得る。リム800の形成は、デバイス10の周りのLAAへの入口を完全に封止し、それにより漏出を防止するのを助け得る。スキン20と本体部15との間の取付点700は、
図34に示されているように、布の不規則な束ができるのを防ぎ、その代わりに、過剰な材料を誘導してデバイス10の近位面の周りに、またはその近くに封止リム800を形成することができる。リム800は、本明細書で説明されているように、送達カテーテルから展開した後に本体部15の拡張時に形成し得る。代替的に、取付点700は、布のすべてに束が生じるのを防ぎ、滑らかな近位面などの滑らかな表面をもたらすように設計され得る。
【0120】
図35~
図36は、V字型先端部901が展開された構成形状で示されている、アンカー120を有するデバイス10の実施形態を示す側面図である。本明細書で説明されているように、V字型先端部は、近位領域125内に配置されてよく、および/またはアンカー120の組織係合セグメント121の全部または一部を形成し得る。V字型先端部901は、V字形点を形成する。V字型先端部901は、一般的に、「V」の形状または他の何らかの角度を付けられたセグメント分割された形状をとる。V字型先端部901は、鋭利なバーブまたはフックであってよい。V字型先端部901は、ワイヤもしくはレーザー切断チュービングまたは他の好適な方法から形成され得る。
図35に示されているように、V字型先端部901のうちの1つまたは複数は、スキン20内に閉じ込められている本体部15に取り付けられる。V字型先端部901は、本体部15および/またはスキン20に取り付けられ得る。いくつかの実施形態において、V字型先端部901は、アンカー1000の端部である。たとえば、V字型先端部901は、
図36に示されているように、本体部15およびスキン20内にあるアンカー1000の一部であってよい。V字型先端部901の遠位端は、自由に摺動し、折り畳まれるか、または拡張するものとしてよい。V字型先端部901の遠位端は、本体部15、スキン20、および/またはアンカー1000に取り付けられるものとしてよく、それによって、V字型先端部901を折り畳み、引っ込めることができる。カテーテルまたはシース内に取り出す際に、V字型先端部901は、カテーテルまたはシースの内径と係合するときに平たくなることができる。V字型先端部901は、ニチノール、304もしくは316などのインプラントグレードのステンレス鋼、MP35Nもしくはエルジロイなどのコバルトクロム系合金、他の好適な材料、またはその組合せから形成できる。次いで、V字型先端部901は、展開後または再展開後にプリセット形状を復元し得る。
【0121】
図37A~
図37Cは、本明細書で説明されているアンカーとともに使用され得るV字型先端部の様々な実施形態を示す側面図である。
図37Aは、V字型先端部901の一実施形態の側面図である。V字型先端部901は、2つの角度付きセグメントを備える。セグメントは、自由な状態でその角度を形成し得る。角度は、様々な角度量を有するものとしてよい。いくつかの実施形態において、V字型先端部901によって形成される角度は、約170°、160°、150°、140°、130°、120°、110°、100°、90°、80°、70°、60°、またはそれよりも小さい、大きい、もしくは中間の角度量以下である。
図37Bは、波V字型先端部1101の一実施形態の側面図である。波V字型先端部1101は、湾曲したセグメントと、角度付きの真っ直ぐなセグメントとを備え得る。
図37Cは、二波V字型先端部1103の一実施形態の側面図である。二波V字型先端部1103は、2つの湾曲したセグメントを備え得る。湾曲したセグメントは、先端部とLAAの内壁との係合を促進し得る。様々なV字型先端部の端部は、組織貫通を促進するように滑らかで丸いか、または鋭利であるものとしてよい。いくつかの実施形態において、V字型先端部のすべては、同じ形状を有し得る。いくつかの実施形態において、V字型先端部のいくつかは、第1の形状を有するものとしてよく、他のV字型先端部は、第1の形状と異なる第2の形状を有し得る。いくつかの実施形態において、V字型先端部のいくつかは、スキン20および/または本体部15に取り付けられ得る。いくつかの実施形態において、V字型先端部のいくつかは、アンカー1000に取り付けられ得る。
【0122】
図38は、LAA1201の内側に植え込まれたLAAの閉塞のためのデバイス10の別の実施形態を示す側面図である。デバイス10は、スキン20およびフィニアル30がLAA1201内に留置されている本体部15を備える。LAAは、入口に近いほど厚い近位部分1203を備える。内部係止システム101、たとえば、そのアンカーは、LAAのより厚い近位部分1203と係合するように構成され得る。デバイス10の様々な実施形態について本明細書にあえて説明されている様々なアンカー、V字型先端部などは、より厚い近位部分1203内にアンカーをしっかり留めるために使用され得る。いくつかの実施形態において、デバイス10は、本体部15が拡張するようにカテーテルから展開されるものとしてよい。LAA内の拡張された本体部15の配置、配向などは、たとえば、本明細書で説明されているように、撮像によって検証され得る。LAA内の拡張された本体部15の配置、配向などは、内部係止システム101、たとえば、そのアンカーとより厚い近位部分1203との係合を確実にするために検証され得る。次いで、内部係止システム101、たとえば、そのアンカーは、より厚い近位部分1203と係合するように展開され得る。内部係止システム101、たとえば、そのアンカーの展開後に、アンカーがより太い近位部分1203と係合しなかったと決定される場合、アンカーは、本明細書において説明されているように、引っ込められ、デバイス10を再配置し、および/または取り出し得る。
【0123】
いくつかの実施形態において、内部係止システム101、たとえば、そのアンカーは、折り畳まれたもしくは制約された位置または構成形状で解放可能に制約されるか、または他の何らかの形でロックダウンされた事前装填された表面要素であってよい。内部係止システム101、たとえば、そのアンカーは、抑制具を使用して制約されてよい。抑制具は、アンカーを解放するために引っ込められ得る溶解可能なポリマー、投げ縄、またはワイヤであってよい。抑制具は、デッドボルトに類似するものであってよい。他の固定概念は、ePTFEと一体のベルクロ(登録商標)、電気的配向可能/ラチェット固定要素、一方向Geckoテープ、またはフィニアル30に事前取り付けられたワイヤを含む。いくつかの実施形態において、スキン20を備える本体部15は、本体部15を織り込み、本体部15をスキン20の孔を通して組織に露出させることによってLAA内にしっかり留められ、それにより、心臓表面との摩擦を、インプラント移動を防ぐ十分に高いレベルにまで高め得る。
【0124】
図39A~
図39Bは、本明細書で説明されているLAAの閉塞のための様々なデバイス10、1020、3000などとともに使用され得る、プルワイヤ1301によって活性化され、それぞれ、制約された構成形状および展開された構成形状で示されている、展開可能なアンカー1302の一実施形態の斜視図である。二段階固定システムは、本体部15の植え込みおよび拡張の後にアンカー1302の展開を可能にする。この実施形態は、1つまたは複数のヒンジ付きアンカー1302を組み込んでいる。バーブまたは他の固定要素であってよい、アンカー1302は、本体部15の送達時および展開時に平たくなっているものとしてよい。次に、引かれるか、または押されたときに、アンカー1302は、ヒンジ1306のところで曲がり、本体部15の表面から外向きにLAA組織内に貫入する。アンカー1302は、丸いまたは矩形の形状のチューブなどの薄い、金属製の、丸いまたは矩形のボックスであってよい中空制約要素1304と、ワイヤまたは縫合糸とすることができる、プルワイヤ1301、たとえば、摺動要素とを使用してヒンジ1306のところで曲がり得る。プルワイヤ1301は、アンカー1302の近位端に取り付けられ、送達カテーテルまたはシースを通して戻る。プルワイヤ1301が引っ込められたときに、アンカー1302はチューブ1304内のスロット1308を通して摺動して戻り、事前形成されたヒンジ1306のところで曲がる。次いで、アンカー1302の一部が外に伸びスロット1308を貫通する。
【0125】
図40A~
図40Bは、本明細書で説明されているLAAの閉塞のための様々なデバイス10、1020、3000などとともに使用され得る、ロックワイヤ1401によって活性化され、それぞれ、制約された構成形状および展開された構成形状で示されている、展開可能なアンカー1405の一実施形態の斜視図である。バーブまたは他の固定要素であってよい、アンカー1405は、ニチノールまたは他の形状記憶材料のワイヤまたは平らなシートから形成され、拡張された構成形状になるように熱硬化され得る。アンカー1405のうちの1つまたは複数が、スキン20に沿って、または他の何らかの形で本体部15の外面に沿って留置され得る。ループなどの、1つまたは複数の対応するガイド1402は、スキン20または本体部15に沿って配置され得る。ガイド1402は、図示されているように、アンカー1405の両側に配置されてよい。アンカー1405の第1の側のガイド1402は、アンカー1405を適所に固定し得る。アンカー1405の第2の対向する側のガイド1402は、抑制ワイヤ、縫合糸などであってよい、ロックワイヤ1401のガイドとして働き得る。ロックワイヤ1401は、制約された構成形状で、たとえば、
図40Aに示されているような平坦な位置で、アンカー1405を制約するために使用され得る。ロックワイヤ1401が、引っ込められるときに、アンカー1405は、
図40Bに示されているように展開する。アンカー1405は、本体部15に垂直に、またはある角度で、延在し得る。
【0126】
図41A~
図41Bは、本明細書で説明されているLAAの閉塞のための様々なデバイス10、1020、3000などとともに使用され得る、シース1502によって活性化され、それぞれ、制約された構成形状および展開された構成形状で示されている、展開可能なアンカー1506の一実施形態の斜視図である。バーブまたは他の固定要素であってよい、アンカー1506は、ニチノールまたは他の形状記憶材料のワイヤまたは平らなシートから形成され、拡張された構成形状になるように熱硬化され得る。
【0127】
アンカー1506のうちの1つまたは複数が、スキン20に沿って、または他の何らかの形で本体部15の外面に沿って留置され得る。1つまたは複数の対応するガイド1500および係止ループ1504は、スキン20または本体部15に沿って配置され得る。ガイド1500は、アンカー1506の第1の側に配置されてよく、係止ループ1504は、図示されているように、アンカー1506の第2の対向する側に配置されてよい。アンカー1506は、シースカバー1502によって制約されたまたは抑制された構成形状もしくは位置に保持される。シースカバー1502は、チューブ状または矩形の形状であってよい。シースカバー1502は、アンカー1506を制約する。シースカバー1502は、
図41Aに示されているようにアンカー1506を平坦な位置に制約し得る。シースカバー1502が引っ込められるときに、アンカー1506は、
図41Bに示されているように展開する。アンカー1506は、本体部15にある角度で、または垂直に延在し得る。
【0128】
図42A~
図42Dは、シースまたは外側カテーテル内に引っ込めるか、またはそこから引き出すことによって折り畳まれ、拡張され得る外部展開可能アンカー1601、1604を有するLAAの閉塞のためのデバイス10の実施形態の様々な図である。
図42Aは、送達シース1603によって制約されているアンカー1601を有するデバイス10の側面図である。
図42Bは、アンカー1601が展開されている、送達シース1603によって制約されていないデバイス10の側面図である。
図42Cは、送達シース1603によって制約されているアンカー1604を有するデバイス10の側面図である。
図42Dは、アンカー1604が展開されている、送達シース1603によって制約されていないデバイス10の側面図である。
図42Bおよび
図42Dに示されているように、スキン20を備える本体部15は、スキン20の表面に固定され、制約されていない、したがって、自由状態で拡張されるアンカー1601または1604を収容することができる。カテーテルなどの、送達シース1603は、アンカー1601または1604を制約するために使用され得る。次いで、アンカー1601または1604は、本体部15が送達シース1603によって制約されていないときに、たとえば、本体部15が送達シース1603から解放されたときに拡張し得る。アンカー1601は、
図42Bに示されているように湾曲した形状に展開し得る。アンカー1604は、
図42Dに示されているように角度のある形状に展開し得る。アンカー1603または1604は、展開後に、本体部15の近位または遠位側のいずれかの方を向くものとしてよい。
【0129】
図43A~
図43Cは、マウント1705で展開され、調整されている、それぞれ投げ縄1707によって制約される、図示されているLAAの閉塞のためのデバイス10の一実施形態を順に示す側面図である。1つまたは複数のアンカー1709は、本体部15内に事前装着され、マウント1705の遠位に取り付けられ得る。マウント1705は、中を貫通する開口部を有するリング様部材であってよい。マウント1705は、端部1711を有するロッド1701上に位置決めされる。マウント1705は、たとえば、近位方向にロッド1701上で移動する、たとえば、摺動し得る。いくつかの実施形態において、マウント1705は、たとえば、プルワイヤによって、近位に引かれてよい。いくつかの実施形態において、マウント1705は、ロッド1701が回転されたときに移動し得る。いくつかの実施形態において、マウント1705および/またはロッド1701の端部1711は、螺入され得る。マウント1705が移動すると、アンカー1705は移動する。デバイスは、テーパー付きコーン1708を備え得る。コーン1708は、ロッド1701の端部に取り付けられ得る。マウント1705は、コーン1708の方へ移動されてアンカー1709の高さを調整し得る。したがって、アンカー1709は、
図17Bに関して
図17Cにおいてより角度を付けられる。アンカー1709は、本体部15を通って移動し、組織内に入るものとしてよい。アンカー1709は、たとえば、説明されているようなマウント1705を移動させることによって組織貫通の量を増減するように調整され得る。取り出しについては、このプロセスを逆にすればよい。いくつかの実施形態において、ワイヤ1703に取り付けられている、投げ縄1707は、アンカー1709を本体部15内に引き込めるために、ネジ山付きロッド1701を貫通し、たとえば、螺入し、アンカー1709の周りに留置され得る。いくつかの実施形態において、投げ縄1707は、最初にアンカー1709を制約し、次いで引っ込んでアンカー1709を展開できるようにするために使用され得る。
【0130】
図44A~
図44Cは、ロッド1804に沿ってマウント1803を移動することによって活性化されるアンカー1801を備える調整可能な二段階アンカーシステムを有するLAAの閉塞のためのデバイス10の一実施形態を示す側面図である。アンカー1801は、本体部15およびスキン20内に留置される内部引っ掛けフックタイプの構造物であってよい。アンカー1801は、
図43Aに示されているように、本体部15を貫通する中心内腔1003を通して導入され得る。次いで、アンカー1801は、本体部15およびスキン20を通過して、
図43Bに示されているように、組織と係合し得る。アンカー1801は、組織貫通の量を増減するように調整され得る。アンカー1801は、移動可能なマウント1803に遠位端のところで取り付けられる。マウント1803は回転を防止され、たとえば、マウント1803は、
図43Cに示されているように、フィニアル30内のマウント1830の回転を防ぐためのノッチを設けられ得る。マウント1803は、マウント1803の直線位置を変化させるように時計回りにまたは反時計回りに回転させられ得るネジ山付きロッド1804上に螺入される。ロッド1804の遠位端は、キャップ1807と結合し得る。キャップ1807は、ロッド1804の回転とともに回転し得る。マウント1803は近位に移動して、
図43Bに示されているようにアンカー1801が本体部15およびスキン20の表面を通り過ぎするようにし得る。マウント1803は遠位に移動して、スキン20の表面内または表面下でアンカー1801を引き戻し得る。アンカー1801の貫通の深さは、たとえば、LAAの非円形断面を考慮するように制御され得る。いくつかの実施形態において、アンカー1801は、個別に展開され得る。別の選択肢は、スキン20とともに本体部15の遠位にあるアンカー1801を展開し、十分に均一な貫通力を接触している組織に印加するようにアンカー1801の剛性を制御することである。
【0131】
各々の開示全体がすべての目的に関して参照により本明細書に明示的に組み込まれ本明細書の一部を成す、説明されているもの、たとえば、2016年10月11日に出願した米国特許出願第15/290,692号、名称「DEVICES AND METHODS FOR EXCLUDING THE LAA」(整理番号:CNFRM.001P1)、2014年3月10日に出願した米国特許出願第14/203,187号、名称「DEVICES AND METHODS FOR EXCLUDING THE LAA」(整理番号:CNFRMOOIA)、2015年8月24日に出願した欧州特許出願第EP14779640.3号、名称「DEVICES AND METHODS FOR EXCLUDING THE LAA」(整理番号:CNFRMOOIEP)、2014年3月10日に出願したPCT特許出願第PCT/US2014/022865号、名称「DEVICES AND METHODS FOR EXCLUDING THE LAA」(整理番号:CNFRM.001WO)において説明されているものなどの、LAA(LAA)閉塞のための様々な特徴が含まれ得る。これらおよび他の概念へのさらなる追加および改善は以下で説明される。文脈上そうでないことが指摘もしくは指示されていない限り、以下の節で説明されている実施形態は、上で説明されている実施形態と同じもしくは類似の特徴および/または機能を備え、およびその逆もあり得る。
【0132】
A.基本的プラグ設計構成要素および改善
様々な閉塞デバイスおよび関連付けられている特徴部が
図45Aから
図77に関して説明されている。
図45Aから
図77に関して図示され説明されているような様々なデバイスの同じもしくは類似の特徴部および/または機能は、
図1~
図44Cおよび
図78~
図93Bに関して図示され説明されている様々なデバイス内に存在するものとしてよく、またその逆もあり得る。
【0133】
図45A~
図45Cに示されているように、デバイス1020(本明細書ではときには「インプラント」とも称される)は、内部を取り除いた発泡体「カップ」を利用し得る。いくつかの実施形態において、これは、
図16に関して図示され説明されている発泡体1600設計および/または
図85A~
図93Bに関して説明されている発泡体本体部3002に類似しているものとしてよい。「カップ」設計は、
図2および
図6で説明され示されているものなどの、中実もしくは一般的に中実のチューブ状フォームプラグとは対照的であり得る。
図45A~
図45Cのカップ設計に関して、発泡体の近似的厚さは、約2.5mmであってよいが、約0.25mmから約10mmの範囲内であり得る。厚さは、他の用途(たとえば、冠状動脈ステント、末梢ステント、AAAライナーなど)で利用されているような典型的なステントコーティングまたは被覆に比べて著しく厚い場合があることに留意されたい。閉塞を行っている、この用途では、発泡体の厚さは、ステントなどの内部支持構造体1032のギャップの間に何らかの望ましい構造を加える。いくつかの実施形態において、厚さは少なくとも約0.25mm、いくつかの実施形態では、無制約状態において少なくとも約0.50mm、0.75mm、1.0mm、または2.0mmもしくはそれ以上、および一実装形態では、約2.5mmであってよく、厚さは所望の性能に応じて選択される。
【0134】
図45Aは、拡張構成で近位(心房)端1022、遠位(LAA)端1024、および内部空洞1026を有するインプラント1020の構成要素を示す好ましい実施形態の断面図である。拡張可能なチューブ状壁1028は内部空洞1026を画定し、これは展開後、入口部にかかり、心房からLAAを分離するように構成されている組織用足場1030または他の障壁によって近位端1022のところで取り囲まれ得る。チューブ状壁1030の近位縁は、好ましくは連続的にインプラント1020の近位縁の周上にまたは他の何らかの形で周りに延在する環状面取り部1031などの傾斜したリエントリーまたはリキャプチャ表面を備え、望ましい場合に位置変更もしくは取り出しを可能にするように展開シース内へのインプラントの近位引き込みを円滑にし得る。チューブ状壁1028の遠位伸長部1029は、内部支持体(以下で説明される)を越えて遠位に延在し、非侵襲的前縁を形成する。
【0135】
組織用足場1030は、チューブ状壁1028と一体形成され得るか、またはそれに接着され得る。組織用足場1030およびチューブ状壁1028は、以下で説明されている、おおよそ同じ厚さおよび孔特性を有するものとしてよい。代替的に、組織用足場は、組織成長侵入を支持し、LAAを分離するように構成され、チューブ状壁1028より薄い、ePTFE、PTFE、ダクロン、または当技術分野で知られている他の材料などの材料を備えるものとしてよい。
【0136】
波形ステント1034または他のフレームなどの拡張可能な、内部支持構造体1032が備えられ得る。例示されている波形ステント1034は複数のストラット1038を備え、ストラットの隣接する対は複数の近位頂点1041および遠位頂点1042を形成するように結合する。ステント1034は、当技術分野で知られているようにチューブストックからレーザー切断され得る。少なくとも3つの、好ましくは少なくとも4つまたは6つまたは8つまたはそれ以上の近位に面する頂点1040の各々は、中心ハブ1046に対して近位方向に半径方向内向きに傾斜する、リエントリーまたはリキャプチャストラット1044を備える。リキャプチャストラットは、ステントと同じチューブストックから切断され得る。ハブ1046は、ガイドワイヤ上での送達用、または展開デバイス(図示せず)との解放可能係合用などの、中心内腔を備え得る。代替的に、ハブ1046は、縫合糸ループを受け入れるための小穴1048などの取り付け部を備え得る。縫合糸または他の保持要素は、展開カテーテルから遠位に延在し、組織用足場1028を通り、小穴1048を通り、組織用足場1028を通って近位に戻り、展開カテーテルに入るものとしてよい。インプラント1020の満足のゆく位置決めをした後、縫合糸は取り外され、インプラント1020を展開カテーテルから解放し、材料の弾力性により縫合糸跡を閉じたときに均質な組織用足場1030を残すものとしてよい。好ましい一実装形態において、インプラント1020は、ワイヤ上を前進させることなく送達カテーテルから展開され、ハブは中心内腔を欠く。一実施形態において、インプラントは、枢動もし得る、ソケット取り付け機構内のねじ機構またはボールを含む当技術分野で知られている様々な手段のうちのいずれかを使用して送達システムに固定される。
【0137】
チューブ状壁1028は、接着剤、縫合糸、または当技術分野で知られている他の接着技術によってステント1034に取り付けられ得る。例示されている実施形態において、チューブ状壁1028はステント1034に縫合され、組織用足場1030はリキャプチャストラット1044に縫合され、支持構造体1032は空洞1026内に担持される。代替的に、支持構造体1032の少なくとも一部は、チューブ状壁1028または組織用足場1030の外面上に担持され得る。波形ステントは、その後一緒に接着される発泡体の内側層と外側層との間にステントを挟装することなどによってチューブ状壁1028内に埋め込まれ得る。同様に、リキャプチャストラットは、内側ポリマー層と外側ポリマー層との間に封じ込められ得る。ポリマー材料は、二次取り付けプロセスが必要ないようにステントの周りに発泡体を形成することもできる。
【0138】
図45Bは、中心ハブ1046とハブ1046に対して半径方向内向きに傾斜する8個のリキャプチャストラット1044とを有する内部金属製構造体を示すインプラント1020の一実施形態の遠位端面図である。開口1050などの複数の縫合糸保持部が、組織用足場1030を固定するために使用される縫合糸を受け入れるようにストラット1044に取り付けられるか、またはストラット1044内に形成される。これは、インプラント1020が展開カテーテル内へ近位に引っ込められる場合に組織用足場1030の材料がストラット1044に沿って遠位に摺動する傾向を減じる。
【0139】
フレームは、収縮した送達構成から拡張した展開済み構成に拡張可能であるものとしてよい。フレームは、拡張した展開済み構成から収縮した送達構成に引き込み可能であるものとしてよい。フレームは、無制約の拡張構成では一般的にチューブ状、たとえば、円形、丸形、セグメント分割形状、多角形、他の形状、またはこれらの組合せであってよく、好ましくは、発泡体を圧迫してLAAの内面の形状に合わせる。これは、展開されたインプラントが漏れを最小にすることを可能にし、その最大の大きさは約4mm以下または3mmまたは2mm以下であり、いくつかの展開においてカラードプラ法で見たときに本質的に漏れがない。
【0140】
図45Cは、無制約拡張における、一体の発泡体シェルを有し、近位面取り部1028を示すインプラント1020の一実施形態の外側の近位端斜視図である。フレームの遠位端の近くに展開されるアンカーは、以下でさらに詳しく説明される。
【0141】
中実フォームプラグと比較した、内部を取り除いた発泡体「カップ」のいくつかの利点は次のとおりである。これはそれでも適合性と封止に関して完全なフォームプラグのように振る舞う。これは、アンカーに対する最適な半径方向力および取付点を与えることによって封止およびアンカー固定を行うための望ましい量の拡張をもたらすように最適化され得る内部金属フレーム、ならびに取り出しのために発泡体を折り畳むのを助ける近位面の内側の前面を組み込むことを可能にする。発泡体カップより長さが短くなるように金属フレームのサイズを決めることによって、全体が発泡体であり、シース先端部から押し出され得る非侵襲的遠位緩衝体が先端部がLAA内で前進させられるときに形成される。そして、材料の全体的体積が減少することで以下のことがしやすくなる。これが送達外形を著しく縮小し、血管系内に送達する前に空気を取り除くためフラッシングを行うことが容易になり、心臓血管系内に塞栓を生じた場合にその中に血液をより多く流せるように血液に対する多孔性を高める。
【0142】
一実施形態において、フォームプラグ1040の近位に面する縁は、装填および取り出しに役立つように面取りされる。また、ガイドワイヤタイプのデバイス上でインプラント1020の追跡を可能にするように中心配置がまだあり得るが、いくつかの実施形態では、内腔がないか、またはフォームプラグ1040内にスリットがあるだけであるが、それは、血栓形成を引き起こすか、または漏出を許す可能性のある著しい残留中心穴を有することが望ましくないからである。スリットは、単一スリット、二重十字形スリット、または複数のスリットであってよい。目的は、ガイドワイヤ上の追跡を依然として許すが、ガイドワイヤが取り外された後に穴が完全に閉じることを確実にすることである。ソリッド面の場合、インプラント1020は、ガイドワイヤ上で追跡され得ず、その代わりに、たとえば、長い経中隔シースを通して送達され得る。
【0143】
「ガイドワイヤ」という用語は、上で利用されているように、ガイドワイヤとして売られている実際の医療デバイスを意味し得るか、またはピッグテールカテーテルなどのカテーテルであってよく、これはLAAC(LAA閉鎖)インプラント1020が追跡されるLAA内に最初に留置されることに留意されたい。
【0144】
直径:LAAは、直径が約15mmから約33mmの範囲内であるものとしてよく、そのようなものとして、インプラント1020の直径は、サイズのこの変化に対応できなければならない。インプラント1020が様々なより大きい範囲の直径に対応でき得るほど、予め定められている必要なサイズは少なくなり、それによって植え込みのための手技は簡素化される。このインプラント1020の構造は、完全に拡張した状態の直径の50%未満の直径に対応でき得るような構造である。好ましいプラグ1040の直径は、約27mm、33mm、および35mmであってよい。理想的には、広い範囲のLAAの直径を閉じるのに1~2種類のサイズがあるだけでよい。これは、布製組織用足場を使用する金属かごタイプのデバイスと比較したときのフォームプラグ1040の概念の重要な利点である。
【0145】
深さ:好ましいプラグ1040の長さ(一般的に近位-遠位方向に沿ったLAA内の閉塞器の深さは)は20mmであり、インプラント1020の直径とは無関係である。これは、そのまま解剖学的構造の大部分に対応できると同時にインプラント1020の良好な安定性をもたらし得る。フォームプラグ1040の遠位先端部は非常に柔らかく、インプラント1020の遠位先端部が送達カテーテルまたはシースの遠位のくぼみを越えて突き出ることが許されるときにLAA内に入る際に非侵襲的先端部となる。この深さが短いため、より長いデバイスで必要とされるように、送達カテーテルをLAAと揃える必要性があまりないので、プラグ1040の留置はより強固になる。
【0146】
発泡体および多孔度:発泡体の平均細孔サイズは250~500ミクロンである。発泡体は、迅速な徹底した組織成長侵入を促進するために非常に高い空隙率(90~95%)を有する。連続気泡発泡体は、血液を中に流すことができる。プラグ1040が塞栓を生じさせるべきである場合、取り出せるまで十分な血流を安全な状態にできるよう十分に開く。それに加えて、大きな空隙率は、血管系内に空気が入り込むのを防ぐためインプラント1020を適切にフラッシングするうえで有益であろう。多孔度および細胞サイズは、
図85A~
図90Dに関して例について図示され、説明されている、デバイス3000の発泡体本体部3002に関して説明されているとおりであるものとしてよい。
【0147】
発泡体のコンプライアンスおよび厚さは、圧迫が最小限度となるようにして組織に対して良好なシールを形成するように設計される。他のデバイスは、シールを得るために著しいオーバーサイジングを必要とするが、このインプラント1020はわずか1mm未満のオーバーサイジングで済む。
【0148】
LA接面:上で説明されているような、プラグ1040の上またはプラグ1040の部分的に上など、インプラント1020に対するスキン/層としてのePTFE(延伸ポリテトラフルオロエチレン)またはPTFEは、血栓形成することなく新生内膜形成を支持するために理想的であり得る。実施形態はePTFEに関して説明され得るが、PTFEも使用され得ることは理解される。しかしながら、血流はカップの外面の周りで使用可能にされ得るとしても、ePTFEの多孔度が低いので、塞栓を生じたインプラント1020の表面を通る血流を可能にすることができないか、またはその能力を減じるので安全性を低下させ得る。ePTFE多孔度は、連続気泡発泡体の多孔度に比べてかなり低く、したがって、膜を横切る血流は無視できるくらい小さいものとしてよい。しかしながら、これは疎水性であり、抗血栓性には有益である。ePTFEおよび/またはPTFEの抗血栓性を加えながら発泡体構造の望ましい開放多孔度を維持する、一オプションは、発泡体への蒸着を介してPTFEコーティングを加えることである。抗血栓性コーティングは、ePTFEまたはPTFEを含むものとしてよい。これは、ePTFE形態をシミュレートする高多孔性の表面を形成する。取り付け方法は、上で述べたような蒸着、またはエラストマー接着剤を含み得る(これは、取付点における多孔性を排除する可能性があるが)。ePTFEが好ましい場合、それは金属フレームをePTFEで包み、次いで、ODの周りに中心を通して巻き付け、縫合糸を介して取り付けることによって取り付けられることも可能であろう。
【0149】
本明細書でさらに説明されているように、発泡体の細孔サイズを約30~200μmの範囲内に縮小することが望ましい場合もある。
【0150】
バーブ/アンカー:インプラント1020をLAA内に固定するために実装され得るバーブ設計にはいくつかのオプションまたはタイプがある。次にいくつかの例を示す。1)静的:プラグが展開されるときに常に組織と係合する。これは、インプラント1020をシースに入れ直し、位置変更することを難しくする。2)制約:インプラント1020は、バーブが制約された状態で展開できる。インプラント1020は、必要に応じて位置変更され得る。次いで、バーブは、プラグ1040が最終位置にあるときに解放される。3)動的:バーブは、プラグを移動することなく望み通りに展開されるか、または引っ込められ得る。動的バーブは、たとえば、インプラント1020を位置変更し、および/または取り外すために、展開および引き込みを可能にし得る。
【0151】
いくつかの実施形態において、インプラント1020は、本明細書で説明されている他のインプラントと異なる特徴を有し得る。いくつかの実施形態において、インプラント1020は、次の特徴のうちのいずれかまたはすべてを含むものとしてよい、すなわち、中心内腔を有せず、波形ステントに加えてカップの内側に近位面に当たるスポーク付き要素を有し、プラグそれ自体の留置の後に二次ステップとして好ましくは作動され得るアンカー/バーブを有し、
図16に示されている近位面1604'または
図85Aに示されている層3100に類似するものとしてよい、近位面上に層を有するが、いくつかの実施形態では、PTFEは二次材料として取り付けられる延伸PTFE(ePTFE)とは反対に蒸着コーティングを介して施され得る。
【0152】
B.近位スポークを伴う内骨格系
インプラント1020は、いくつかの放射状ストラットを備える近位スポーク面1080を備える中心内骨格を有するフォームプラグ1040を備えるものとしてよい。この構成は、発泡体インプラント1020を取り出す(シースに入れ直す)能力を改善する。
図45Aおよび
図45Bに示されているステントバージョンは、超弾性ニチノールチューブからレーザー切断されるものとしてよいが、形状記憶ニチノール、ステンレス鋼、MP35N、またはElgiloyなどの多数の他の生体適合性金属材料が利用されてもよい。この実施形態は自己拡張可能であるが、バルーン拡張可能設計も利用することが可能である。それに加えて、フレームは、チューブからレーザー切断されるのとは反対に伸線から加工されることも可能である。各ストラットに沿ってループを形成し、それにより縫合糸を介して発泡体に取り付けることができるが、接着剤による接着などの他の取り付けプロセスも利用可能であろう。ストラットの真ん中に配置されているループは、卵形で、互い違いに並び、これにより、送達カテーテル内に装填するのが容易になり、加工しやすくなり得る。それに加えて、
図46に示されているように、ループがなくてもよい。
図45Aに示されている実施形態は8個のストラットを有するが、4から32個のストラットがどこでも利用され得る。一般に、発泡体は中心を含む多数の地点においてフレームに取り付けられることが好ましい。これは、発泡体を損傷することなく取り出すことを促進し、縫合糸ループはこのために有益である。他の実施形態において、発泡体は発泡体内にあるように内骨格の周りに形成することが可能であり、それにより二次取り付けステップの必要がなくなる。
図45Aに示されているように、近位発泡体面は縁のところに面取り部を有し、この領域内の材料の嵩を最小にしてシースに入れ直すのを助けるようにすることが好ましい。
【0153】
図47A~
図47Bは、一体成形品であってよい、内部フレーム1032を有するLAA閉塞デバイス1020の一実施形態の、それぞれ、斜視図および側面図である。
図45Bに示されている設計は2つの別々の部分品--8個のストラットを有する近位スポーク面1080と波形ステント--から加工されるが、いくつかの実施形態では、
図47Aおよび
図47Bに示されているものなど、一体成形ユニットフレーム1032があり得る。いくつかの実施形態において、近位スポーク面1080はシースへの入れ直しを支持するものとしてよく、8個の王冠形状波形かご状ステント(crown wave cage stent)1060はフォームシリンダープラグ1040を支持し、シリンダー内に配置されている8から16、またはそれより少ないかもしくは多いバーブもしくはアンカー1100は塞栓に耐えるようにアンカー固定をする。アンカー1100は、シリンダーの長さに沿って近位、遠位、および/または中心に配置され得る。アンカー1100のサイズは、好ましくは、ニチノールチューブから加工されたときに、厚さが約0.003"から約0.009"、幅が約0.007"から約0.015"の範囲内とすることができる。いくつかの実施形態において、アンカー1100は、インプラント1020の表面から約1mm延在するものとしてよいが、インプラント1020の表面から約0.5mmから約2mm、またはそれより短いかもしくは長く延在する範囲内であってよい。アンカー1100は、
図48に示されているように、シリンダーの長さに沿って単一の場所にあるか、または互い違いに並んでいてもよい。これらの設計による生体外アンカー固定移動抵抗は0.51bから1.51bの力の範囲内であってよい。図示されているように、アンカー1100は単一の列であってよい。複数の列があってもよい。
【0154】
図49は、送達カテーテルに取り付けられたときに完全拡張構成をとる近位スポーク面1080を備える中心内骨格を有するインプラント1020を示している。
図50は、折り畳まれた構成の一実施形態におけるインプラント1020を示している。変更形態は、伸縮自在であり得る送達カテーテルの外側シース構成要素、またはスリットを先端部に備え、先細り折り畳みを助ける。発泡体面の摩擦係数を減らすことで、インプラントを折り畳んでカテーテルに入れるために必要な力が減らされ得る。これは、たとえば、蒸着もしくは他のプロセスを介してPTFEの層を発泡体に施すことによって、または接着剤、もしくは縫合などの機械的方法を使用して近位面に付着された延伸PTFE(ePTFE)の層によって行われ得る。スポークシステムへの発泡体面の確実な取り付けは、接着剤による接着を含む縫合糸取り付けまたは他の方法によってもたらされるものとしてよく、これは結果として力を増大させ、発泡体の潜在的な引き裂きを引き起こし得る、取り出しの際に発泡体が一箇所にまとまってしまうことを防ぐ。分散された力で確実に取り付けられない場合、金属スポーク要素はシース入れ直しの際に発泡体を引き通し、インプラントを破壊する可能性がある。
【0155】
C.発泡体の近位(血液接触)面
発泡体インプラント1020は、多孔質連続気泡発泡体から構成され得る。発泡体は、ポリウレタンもしくはポリカーボネートポリウレタン、またはポリビニルアセタール(PVA)(Ivalon(登録商標))などの、ポリウレタン系生体適合物質を含む様々な現在利用可能な材料のいずれかであってよい。発泡体は、ネットなどの網状のものであってもよい。一実施形態は、非再吸収性の網状ポリウレタン系生体適合物質を利用する。それに加えて、ポリ-4-ヒドロキシブチレート(P4HB)または架橋再吸収性ポリエステルウレタン尿素足場材料などのポリヒドロキシアルカノエート(PHA)を含む再吸収性発泡体も利用可能である。
【0156】
材料中の細孔サイズは、約50ミクロンから約800ミクロン、好ましくは約250ミクロンから約500ミクロンであるものとしてよい。そのような高空隙率(たとえば、約90%から約95%)の材料は、迅速で粘り強い組織成長侵入を促進し、細胞外マトリクスを効果的に模倣する。そのような高空隙率材料は組織成長侵入に望ましいが、左心房(LA)表面に必要な、抗血栓性には理想的でない場合がある。抗血栓性表面は、LAに面する面については望ましい。血液適合性を促進するためにLA接面に修正が行われる場合、それらの修正部を、約1mmから約20mm、好ましくは約1mmから約5mmほど、インプラント1020の側部に伸長させ、インプラント1020が展開されインプラント1020の側面の一部がLAAの外側に突出し、血液環境内に入る場合に抗血栓性を確実にするものとしてよい。ガイドワイヤ内腔などの穴が近位面内にある場合、抗血栓性表面はその内腔内に少なくとも部分的に貫入し得る。それに加えて、抗血栓性層は、組織成長侵入および内皮化を促進するであろう。
【0157】
限定はしないが以下のものを含む、インプラント1020の抗血栓性近位面を形成するための様々な方法が使用され得る。たとえば、延伸PTFE(ePTFE)スキンまたは層は、本明細書の別のところで説明されているように発泡体インプラントの外面に施されるものとしてよい。これは、金属フレームをePTFEで包み、次いで、ODの周りに中心を通して巻き付け、フレームに取り付けることによって取り付けられることも可能であろう。これは、エラストマー接着剤の使用を含む、縫合糸もしくは接着剤による接着を含む様々な方法を使用して行われ得る(これは、取付点における多孔性を排除する可能性があるが)。このePTFE層は、1つある場合に、ガイドワイヤ内腔内に貫入することができる。ePTFEに加えて、PTFE、ポリエステル、PGA、PLA、ポリ-4-ヒドロキシブチレート(P4HB)または他の生体適合性繊維材料の静電紡糸、メルトダウン、不織布、編んだもしくは織った繊維が、多孔質生体適合性表面を形成するために利用され得る。
【0158】
いくつかの実施形態において、PTFEなどの疎水性材料のコーティングは、蒸着コーティングを含む当業者に知られている多数のプロセスのうちのいずれかを使用して近位面上に施される。理想的には、このコーティングされた層は、また、インプラントの側部上に部分的に延在する。いくつかの実施形態は、ガイドワイヤ内腔を含まないことがあるが、中心内腔が存在する場合、コーティングは、好ましくは、少なくとも部分的に(たとえば、約1mm)その中に貫入する。抗血栓性を促進するために、このコーティングされた層は、血液接触面の多孔度を約30ミクロンから約200ミクロン、好ましくは約100ミクロンから約150ミクロンの多孔度まで減少させる。これに利用することが可能な材料は、約50~100ミクロンの厚さに塗布されたPTFE、ポリウレタン吹き付けもしくは浸漬コーティング、アルブミン、ポリエチレングリコール(PEG)、またはポリ(エチレンオキシド)(PEO)などのコンフォーマルコーティングを含み、すべてヘパリンもしくは一酸化窒素を組み込むか、または組み込まない。PEGまたはPEOは、理想的にはグラフティングプロセスを介して取り付けられる。好ましい実施形態において、外側層は、また、インプラントのシース入れ直しを助けるように滑らかである。これは、ePTFEおよびPTFEなどの疎水性材料と、PEOおよびPEGなどの親水性材料の両方で達成され得る。多孔性および血液適合性の望ましい組合せを作り出すために、2ステッププロセスが利用されるものとしてよく、そこでは、発泡体が最初にポリウレタン系生体適合物質などの基層でコーティングされ、次いで、第2のステップでPTFE、PEG、またはPEOを利用してより抗血栓性の高い滑らかな表面が形成される。ヘパリンまたは他の抗血液凝固剤が最終的な血液接触面に加えられるものとしてよい。
【0159】
ePTFE類似の材料でより小さな細孔サイズを形成する別のオプションは、縫合を使用してPTFEの静電紡糸層を発泡体の面に取り付けることである。非常に薄い層(<1mm)が形成され、縫合または接着剤による接着を介して取り付けられ得る。
【0160】
プラグ1040の発泡体の別の望ましい特性は、インプラント1020のエコー輝度を付与することであり、これは心エコー図法による視覚化を可能にする。エコー輝度を促進するためには、多孔質の表面で十分な場合があるが、いくつかの場合において、親水性表面が有益な場合がある。血液適合性および親水性表面を促進するためには、好ましい実施形態は、PEOまたはPEGでグラフトされた表面を有する発泡体インプラントである。
【0161】
D.静的バーブ(アンカー)設計
静的バーブは、プラグ1040が展開された、たとえば、拡張されたときに組織と係合する。これは加工を簡素化するが、インプラントをシースに入れ直し位置変更することを難しくする。
【0162】
いくつかの実施形態において、
図51に示されているように、バーブ2000は、ワイヤから加工され、ステント1034、この例では波形ステント上に圧着され得る。バーブは、任意の直径、好ましくは約0.005"から約0.122"の範囲の直径の、ニチノール線から作られるものとしてよい。先端部は、組織内に容易に穿通できるように尖らせることができる。これは、ステンレス鋼、ニチノール、チタンの配管から作られる圧着スリーブを使用してステントフレームに取り付けられ得る。これは、バーブの回転を防ぐように圧着チューブの内側にフィラー線を必要とすることがある。これは、また、レーザーまたは他のエネルギー源を使用して、溶接によって取り付けられることも可能である。
【0163】
図52を参照すると、いくつかの実施形態において、レーザー切断二重バーブ2000システムが利用され得る。これは、ステント1034、この例では波形のステントの湾曲に従う連続的ニチノール接続部を有する各圧着部2004の近くに1つのバーブ2000がある2つの圧着端部を許すように切断されたニチノールチューブ2002から加工され得る。この実施形態の利点は、バーブを加工し整形するのにあまり労力を必要とせず、鋭利な先端部を形成するのが容易であり、チューブ壁の湾曲の結果バーブが堅くなるという点である。
図53は、王冠形の湾曲を形成する前の
図52のレーザー切断部分の一実施形態を示している。
【0164】
図54を参照すると、いくつかの実施形態において、ワイヤフォームは波形支持かご1034(ステント)の湾曲に従い、2つのバーブ2000で終端する。これは波形かごに圧着され得るか、または波形かご(ステント)上の適所に縫合糸で縫われるか、溶接されるか、または接着剤で接着され得る。この利点は、バーブの回転を防ぐために圧着が必要ない点である。
【0165】
図55を参照すると、いくつかの静的バーブの実施形態において、レーザー切断波形支持かご(ステント)が一体化されたバーブ2000とともに加工され得る。この概念の利点は、バーブをかごに取り付けるのに二次取り付けステップが不要であることである。また、さらに多くのバーブを加えることも比較的容易であり得る。制限は、材料が十分に利用可能でない可能性があるのですべてのストラット上にバーブを備える8個の王冠部(波形)を用意することが困難な場合があるという点であり、したがって6個の王冠部が好ましい場合がある。
【0166】
E.制約バーブ(アンカー)設計
制約バーブ2010では、インプラント1020はバーブ2010が制約された状態でLAA内に展開されるものとしてよく、したがって、バーブ解放の前に、必要に応じて、位置変更され得る。バーブ2010は、インプラント1020が最終位置にあるときに解放される。
【0167】
一実施形態において、
図56に示されているように、投げ縄スタイルの制約システムが静的バーブに追加され、それにより、制約された展開可能バーブ2010を形成することができる。展開後の紡糸を防ぐために縫合糸材料がバーブ2010とストラットとの間にたくし込まれるものとしてよい。投げ縄の取り外しは、円形アレイの複数のバーブを解放することができる。
【0168】
図57に示されているように、バーブはバーブ2010に沿ってほぼ中ほどにループで形成されるものとしてよく、これは縫合糸または糸をループに通して留置し、投げ縄を形成することを可能にする。これは、インプラントの本体部がLAA内の最終的な望ましい位置に来るまでバーブ2010の完全拡張を妨げる。
【0169】
フリッピングバーブオプション(flipping-barb option)が
図58に示されている。この実施形態において、バーブ2010は、送達システム内に装填する前に内部を取り除いた発泡体開口部の内側に折り返される細長設計であってよい。これは、バーブを制約構成に保持するために引きひもまたは他の係止要素を必要とし得る。インプラント1020が最終的な望ましい配置に置かれた後、制約体が取り除かれ、バーブはもはや制約されず、フリップして適所に収まり、組織と係合する。
【0170】
F.動的バーブ(アンカー)設計
動的バーブ2020は、インプラントを移動することなく望み通りに展開されるか、または引っ込められ得る。動的バーブ2020は、いくつかの手技、たとえば、インプラント102を送達カテーテルおよび/またはシース内にリキャプチャするための好ましいオプションであってよい。
【0171】
一実施形態は、チューブ内チューブである。この実施形態では、
図59に示されているように、レーザー切断チューブ1030は、好ましくは超弾性のニチノール配管の一体成形品から一体前スポーク面1080および波形ステント1032を構成するために利用され得る。形状記憶ニチノール、ステンレス鋼、MP35N、またはElgiloyを含む、他の材料も利用することが可能である。第2のより小さいレーザー切断チューブ1040は、
図60に示されているように、内側スポークバーブアレイを形成するために利用され得る。
【0172】
図61に示されているように、発泡体インプラントの展開時に、前スポーク面および波形ステントは、スポークバーブアレイが制約された位置に留まっている間に展開され得る。インプラント1020は、必要に応じて位置変更されるものとしてよく、次いで、外側チューブ1030に関して内側チューブ1040が遠位に移動することで、バーブ2020は、
図62に示されているように拡張し係合するものとしてよい。内側スポークバーブアレイは、送達カテーテルのトランスミッションラインから切断されるまで再制約および再解放を繰り返され得る。
【0173】
別の実施形態では、
図63に示されているように、好ましくは単一構成要素から加工され得る動的バーブ2020の設計が例示されている。この実施形態は、レーザー切断チューブ1045、好ましくは超弾性ニチノールから切断されるものとしてよく、前スポークの半分はステントかご1032の波点に接続し、スポークの他の半分がバーブ2020内に形成される間にシース入れ直しを支持する。
【0174】
インプラント1020のリキャプチャまたはシース入れ直しは、
図64に示されているように、前スポーク面を折り畳むことによってバーブ引き込みを開始し、それによって組織からバーブ2020を同時に引っ込めるものとしてよい。これは、必要最小限度のシース入れ直し量でインプラント1020の安全な位置変更を可能にする(シース内に完全に引っ込めるのに必要なインプラントの長さを制限する)。
【0175】
別の実施形態において、
図65に示されているように、動的ヒンジ付きバーブシステムが例示されている。これは、リビングヒンジおよび制約体を備えるレーザー切断された波形一体化バーブ2020である。制約されている端部が熱硬化されると、これは内向きにカールし、波形ストラットの上に載るか、または下に入るものとしてよい。波形ストラットの上に位置決めされたときには、その鋭利なバーブ端は、アセンブリの内径に面しているものとしてよい。弾かれてストラットの下の適所に入ると、対向するバーブ端は、上方へシーソーのように動き、組織と係合し得る。ヒンジ付きバーブ2020の作動は、各バーブと対応するストラットとの間で円形アレイ内に縫い付けられた投げ縄の使用を通じて達成され得る。投げ縄を内向きに締め付けることで、ストラットの上からストラットの下へ保持制約体を弾くように動かし、これにより対向するバーブ端がストラットの表面の上に持ち上げられ組織表面と係合することができる。
【0176】
G.発泡体カップ、波形ステント、およびePTFE層による実施形態
図66A~
図66Cに示されているように、内部波形またはジグザグ形アンカー(たとえば、
図16に示され、
図16に関して説明されているように)を備える発泡体カッププラグ1040は、ePTFE層2060によって外面上に完全に覆われるように修正され得る。この層2060は、近位面1022だけに頼るのとは反対に縫合糸または接着剤による接着を介して発泡体の遠位端1024に取り付けることができる。これは、外面全体を包み、近位面上の中心内腔内に入り、ラミネーションまたは接着剤による接着によって波形ステントの近位部分に取り付けることができる。限定はしないがPTFEもしくはポリウレタンを含む、他の生体適合物質またはコーティングが利用されることも可能である。
【0177】
H.動的および静的アンカーの概念
図67Aおよび
図67Bの側断面図および端面図に示されているインプラント2300の実施形態は、それぞれ、近位端で結ばれるか、溶接されるか、または圧着され得るアンカー2310を備える。アンカー2310は、反ったり歪んだりすることなく送達システム内に装填することを可能にするようにニチノール線から作られるものとしてよい。湾曲部に8~16本のワイヤが形成されることが可能である。アンカーは、「引っ掛けフック」のように動作し得る。アセンブリは、真っ直ぐにされた位置で送達カテーテルに装填される。これらが送達カテーテルから押し出されると、
図67Aに示されている形状をとり、発泡体2320を通して組織内に穿通する。発泡体2320は、送達システム内に圧入し、それでも組織をシールするのに十分な半径方向力を維持するのに必要な発泡体の量を減らすために図示されているように内部を取り除かれる。
【0178】
図68Aおよび
図68Bに示されているインプラント2350の実施形態は、内部を取り除いて遠位端上で厚くしてある、押しつぶされて送達カテーテル内に貫入するが、送達カテーテルから部分的に展開されたときにより大きい非侵襲的発泡体先端部緩衝体2360を形成するフォームプラグ内のバーブを有する波形ステント内部アンカーを備える。近位面2363は、
図68Aに示されているような内部内腔2365を有することができるが、
図68Bに示されているような内部内腔を備えないものとしてよい。
【0179】
I.二次ステップで展開される制約アンカー
図69に示されているインプラント2370の実施形態は、発泡体2374の内側で波形ステント2372に事前に取り付けられているバーブ/アンカー2371を有する。縫合糸2375は、波形ステント2372の遠位端の周りにループを形成し、ステント2372を圧迫し、バーブ2371を内側へ引く。縫合糸2375は、引き結びで結ばれる。デバイス2370が適所に送達された後、縫合糸2375の一端が引かれ、結び目は自由になり、縫合糸は取り除かれ、これによりステント2372が放射状に開き、バーブ2371が組織と係合することを可能にする。バーブ2371は図示されているように発泡体2370の遠位に配置されるか、または発泡体2374と事前係合され、発泡体2374を貫通するものとしてよい。
【0180】
J.耐塞栓性を高めた内部ステント
遠位静的バーブ2381および近位「減速バンプ」2382を備える金属製ステント類似フレーム2380は、
図70~
図72に示されているように開示される。これは、ジグザグ形ステント(図示されているような)または波形ステントまたは他の類似の拡張可能実施形態とすることも可能である。金属製ステントフレーム2380の外部上に留置されるバンプ2382は、丸みのあるまたは先の尖った設計とすることができる。その目的は、塞栓を防ぐために、LAA内に展開されるときにインプラントに対する抵抗性および安定性を高めることである。好ましい実施形態において、発泡体「カップ」2384は、
図71に示されているように整形され、インプラントの遠位端が送達カテーテルから部分的に展開されたときに非侵襲的緩衝体に対する遠位端上に付加材料2385を設けるようにすることが可能である。これは、ガイドワイヤ用の内部内腔を有しても有しなくてもよい。
【0181】
K.制約された非侵襲的アンカー
図73および
図74に示されているように、波形またはジグザグ形または他のステント2390は、LAA内の組織と係合してインプラントを適所に固定し、移動抵抗を防ぐ遠位に配置されているループ2391で加工され得る。これらは丸く、鋭利でないので、これは穿孔の危険性を制限するが、完全に丸いループは十分な移動抵抗をもたらさないので、先端部は鋭利な特徴部を組み込むように修正され得る。ループアンカー2391は、各ステント端部上に、またはごくわずかに留置され得るので、4~16個のアンカーがどこかに留置され得る。
【0182】
インプラントを血管系に通して心臓およびLAA内に送達するときに、
図75に示されているように、ループ2291は制約されたステントの中心の方へ折られ、隣同士くっつき合って並ぶ。内側カテーテルは、制約されるのを維持するようにループ2391を通して留置される。システムがLAA内にあるときに、外側カテーテル/シースは引っ込められ、インプラントの近位部分を展開する。位置決めが許容可能であるように見える場合、内側カテーテルは取り外され、これにより、インプラントの遠位部分が完全に拡張し、ループアンカーがLAA組織と係合するようにできる。
【0183】
L.灌流要素&バーブオプション
LAA内に展開した後にインプラントが移動する場合、デバイスはLA内に移動し、僧帽弁を横切り、左心室内に入り、次いで、左心室流出路を出て、大動脈弁を横切り、大動脈および遠位循環系内に入ることが予想される。この行路で、デバイスは上記の構造体のいずれかの中に留まり、流れを遮断し、遠位虚血および場合によっては血行動態虚脱を引き起こし得る。したがって、インプラント2392がたとえば
図76および
図77に示されていような遠位灌流を可能にする設計特徴を有することが望ましい。
【0184】
図76は、左心房表面を示すインプラントの一実施形態の上面図である。表面の中に弁が見えるが、図示されている実施形態ではこれは単純な切断部(A)であり、十分な圧力が加えられたときに開き、デバイス2392に流れを通すことができる。この流れは、双方向または一方向であってよく、10mL/分から5L/分の流量を可能にする特定の条件に依存するものとしてよい。図示されているような実施形態において、これは構造的完全性を失うことなく達成され、装填条件の結果、デバイス2392は複数のサブセクションに分かれ、各々が標準的技法を使用して取り出し可能である。特定のデバイスが単一の弁要素またはアレイ(図示されているような)を有することも可能である。
【0185】
図77に示されているように、いくつかの実施形態において、一連の側部ポート(B)は、移動および遠位塞栓が生じた場合に血流を流せるようにインプラント2932の発泡体2393の側壁内に切断され得る。これらは、ポートの直径が約0.1mmから約5mm、ポートの数が1~20と様々なサイズおよび個数をとり得る。これらは、また、限定はしないが、円形、卵形、および矩形を含む、様々な形状をとり得る。
【0186】
本明細書において説明されているようなバーブ設計に関して、LA表面から異なる距離に展開されるバーブのアレイを有することに加えて、組織内の異なる深さまで貫通するバーブが組み込まれ得る。一実施形態において、インプラント上の最も近位に留置されるバーブはより長く、したがってより厚い近位LAA組織内により深く貫通するが、インプラント上の最も遠位に留置されるものはより短く、したがってデリケートな遠位組織内にあまり深く貫通せず、穿孔の危険性を最小限度に抑えながら塞栓抵抗性を最大にする。別の実施形態では、近位および遠位バーブは、同じ長さであってよいが、異なる直径のワイヤから加工され得るか、または配管材料から異なる厚さで切り出すことができ、したがって、よりデリケートな遠位のLAA組織と係合するバーブはより高い可撓性を有するか、またはLAA内の内部小柱形成部ともっぱら係合するように設計されるが、近位に配置されているバーブは組織を貫通する。代替的に、2つのバーブは、一方とは反対に、ステントの各王冠点のところに留置され得る。
【0187】
M.多機能閉塞デバイス
図78~
図84は、本明細書で説明されているLAA閉塞デバイスおよび方法のうちのいずれかとともに使用され得るか、単独で使用され得るか、または組み合わせて使用され得る様々な特徴を示している。いくつかの実施形態において、
図78~
図84の特徴は、
図85A~
図94Bに関して示され説明されているデバイス3000および関連付けられている特徴および方法に組み込まれ得る。
【0188】
図78は、アブレーション特徴部を備えるLAA閉塞デバイス3000の一実施形態の側面図である。LAA閉塞デバイス3000は、アブレーション要素3005のアレイを有する。アブレーション要素3005は、LAA入口部の中およびその周辺の組織にエネルギーを送達し、LAAを電気的に分離する。図示されている実施形態では、アブレーション要素3005のアレイは、本体部3002の近位端3004に位置決めされる。アブレーション要素3005は、展開カテーテルを通してエネルギー源に電気的に接続され得る。エネルギーは、高周波、超音波、電気、または他の好適な方法を介して供給され得る。内部内腔3003は、本体部3002を貫通する。いくつかの実施形態において、内腔3003はなくてもよい。
【0189】
図79は、圧力感知特徴部を備えるLAA閉塞デバイス3000の一実施形態の側面図である。デバイス3000は、近位面3008上に圧力センサー3007を有する。いくつかの実施形態において、センサー3007は、近位カバー3100の近位面3102上にあるものとしてよい(
図85Aを参照)。いくつかの実施形態において、近位面3008または3102上の平坦なセンサーなど、センサー3007はLAA内に突き出ない。センサー3007は、電線3009を介して電子要素3011に電気的に接続される。電子要素3011は、センサー3007によって生成される信号を変換し、記憶する機能を有する。この情報は、リモートへ信号3013により伝送され得る。電子要素3011は、リモートから、または内部電池によって、給電され得る。
【0190】
図80は、薬物溶離特徴部を備えるLAA閉塞デバイス3000の一実施形態の側面図である。デバイス3000は、近位面3008上にセンサー3007を有する。センサー3007は、近位カバー3100の近位面3102上にあるものとしてよい(
図85Aを参照)。センサー3007は、第1の電線3009を介して電子要素3011に電気的に接続される。電子要素3011は、導管3019を介して薬物出口ポート3021に流体的に接続されている薬物貯槽3017に第2の電線3015を介して電気的に接続される。これは、薬物がLA内に送達されること、さらには特定の化学物質の濃度および/または状態の監視、および応答してたとえば血糖値駆動インスリン送達で薬剤を送達することを可能にする。センサー3007は、様々な化学物質のレベルを検出するものとしてよく、貯槽3017は、応答してポート3021を介して薬物を溶離するために、たとえば、電子要素3011によって制御され得る。
【0191】
図81は、ペーシング/除細動特徴部を備えるLAA閉塞デバイス3000の一実施形態の側面図である。デバイス3000は、電極などの電気的ペーシング要素3025を有する。ペーシング要素3025は、本体部3002の周上に延在する。ペーシング要素3025は、他の構成をとり得る。ペーシング要素3025は、電線3027を介してペース発生器3029に接続される。発生器3029は、電線3031によって電池3033に取り付けられる。このペーシングシステムは、心房細動のときに心房を調律し、心房の細動を止めるものとしてよい。発生器3029および/または電池3033は、コントロール、通信、コマンドなどのための構成要素を備え得る。
【0192】
いくつかの実施形態において、LAAは、電気的に分離されてもよい。LAAは、図示され、
図78~
図81に関して説明されているような1つまたは複数のアブレーション要素を組み込んだ閉塞デバイスにより電気的に分離され、LAAを電気的に分離するようにアブレーションを導き、次いで、閉塞デバイス3000を係脱して、それを心臓内の適所に残すものとしてよい。いくつかの実施形態において、LAAは、最初に電気的に分離され、次いで、たとえば
図82~
図84に関して、本明細書で説明されているようにデバイス3000が植え込まれるものとしてよい。いくつかの実施形態において、アブレーション要素によるフォームプラグを介した適合可能な周方向アブレーションが組み込まれ得る。
【0193】
図82~
図84は、デバイス3000とともに使用され得るLAAを電気的に分離するための様々なシステムおよび方法を示している。いくつかの実施形態において、LAAは、電気的に分離され、その後LAAが閉じられるものとしてよい。たとえば、
図82~
図84に示されているシステムおよび方法は、分離を導くために使用され、その後LAA閉塞がデバイス3000などの、本明細書で説明されている様々なLAA閉塞デバイスを使用して行われるものとしてよい。
【0194】
図82は、オーバーザワイヤ周上アブレーションバルーンシステム(over the wire circumferential ablation balloon system)の一実施形態を示す側面図である。オーバーザワイヤバルーンカテーテル3035は、ガイドワイヤ3037上に留置され、LAA(LAA)内に挿入される。バルーン3039は、高周波(RF)を使用してLAAを電気的に分離し心房細動を処置するために、並置されたRF要素などの、1つまたは複数の周上アブレーション要素3041を有することができる。アブレーション要素3041は、バルーン3039の周上に延在する。アブレーション要素3041は、他の構成をとり得る。このガイドワイヤ3037は、LAA内で膨張させられ、ガイドカテーテル1100がLAAの壁を穿孔するのを防ぐための緩衝体として働くバルーン3043の遠位端に取り付けられていてよい。これらの特徴部は、
図8~
図11に関して説明されているものに類似しているものとしてよい。
【0195】
図83は、オーバーザワイヤ周上アブレーション超音波バルーンシステムの一実施形態を示す側面図である。オーバーザワイヤバルーンカテーテル3035は、ガイドワイヤ3037上に留置され、LAA(LAA)内に挿入される。周上アブレーション超音波バルーンなどの、バルーン3045は、超音波(US)を使用してLAAを電気的に分離して心房細動を処置するために使用される。ガイドワイヤ3037は、
図82に関して説明されているように、その遠位端にバルーン3043を取り付けているものとしてよい。
【0196】
図84は、アブレーション要素を備えるオーバーザワイヤ周上アブレーション螺旋状ワイヤシステムの一実施形態を示す側面図である。1つまたは複数のアブレーション要素を備えるオーバーザワイヤ周上アブレーション螺旋状ワイヤ3047がLAA(LAA)内に留置される。ワイヤ3047は、高周波を使用してLAAを電気的に分離し心房細動を処置するために使用され得る。
【0197】
N.近位リキャプチャストラットおよび遠位チューブ状本体部を有する圧縮可能な発泡体本体部、近位カバー、およびコンプライアントフレームを備える実施形態
図85A~
図93Bは、LAA閉塞デバイス3000の別の実施形態を例示している。本明細書で説明されているデバイス3000は、本明細書で説明されている他のLAA閉塞デバイスと同じもしくは類似の特徴および/または機能を有するものとしてよく、またその逆もあり得る。したがって、
図85~
図93Bに関して説明されているデバイス3000の特徴はどれも、インプラント1020などの、
図1~
図84に関して説明されているデバイスの特徴に適用され、および逆も適用され得る。
【0198】
図85A~
図85Cは、発泡体本体部3002、拡張可能な支持体またはフレーム3040、および近位カバー3100を有するLAA閉塞デバイス3000を示している。
図86A~
図86Cは発泡体本体部3002を示しており、本体部3002は
図86Bおよび
図86Cに断面が示されている。
図86Cは、それに加えて、フレーム3040の全景図(すなわち、断面図でない)を含む。デバイス3000は、これらの図では拡張された構成で示されている。デバイス3000は、さらに説明されているように、発泡体本体部3002によって画定され得る、図示されているような長手方向軸を有する。
【0199】
1.圧縮可能な発泡体本体部
本体部3002は、発泡体などの、圧縮可能な材料から形成される。本体部3002は、網状(たとえば、ネットに似た)ポリカーボネートポリウレタン尿素から形成された発泡体であってよい。本体部3002は、さらに説明されているように、カップ形状に切断されるか、形成されるか、または組み立てられ得る。本体部3002は、さらに説明されているように、内側フレームによって加えられる半径方向の力の下で周辺組織と係合し、解剖学的不規則形状に適合するのに十分な厚さおよび圧縮性を有するものとしてよい。さらに説明されているように、本体部3002に対して発泡体などの圧縮可能な材料を使用することで、LAAの完全なシールを形成し、既存のデバイスに勝るLAA閉塞に対する優れた性能をもたらす。本体部3002の発泡体の構造は、さらに説明されているように、相互接続された開気孔のネットワークを形成するように相隔てて並ぶ、相互接続された網目の三次元ネットワークを備える。網目は、さらに説明されているように、開気孔を温存しながら、PTFEなどのコーティングを担持することができる。
【0200】
本体部3002の発泡体材料は、高い多孔率を有する。本明細書で使用されているような「多孔率」は、通常の慣例的な意味を有し、発泡体の相互接続された網目の間の開放空隙率を指す。本体部3002の多孔率は、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、またはそれ以上であってよい。多孔率は、約90~95%の範囲内にあるものとしてよい。多孔率は、約90%であるものとしてよい。多孔率は、約95%であるものとしてよい。多孔率は、90%、91%、92%、93%、94%、または95%であってよい。高い多孔率の利点は他にもあるがとりわけ、素早く粘り強い組織成長侵入を促進すること、それを圧迫して小さなカテーテル内に押し込めることができること、および/またはインプラントに塞栓が生じた場合に血液を通すことができることである。
【0201】
発泡体本体部3002は、発泡体材料の相互接続された網目の間に形成される細孔または細胞を有する。発泡体本体部3002は、約250μmから約500μmの範囲内のサイズの細胞を有する。発泡体は、約125μmから約750μm、約175μmから約650μm、約200μmから約600μm、約225μmから約550μm、約275μmから約450μm、125μm未満、または750μm超の細胞サイズを有し得る。これらのサイズは、PTFEなどの、任意のコーティングの塗布の前の細胞のサイズを指すものとしてよい。細胞サイズは、したがって、コーティングを塗布した後に変化する、たとえば、減少することがある。所望の多孔率および/または細胞サイズは、潜在的に虚血性脳梗塞を引き起こす可能性のあるサイズの破片を遮断しながら血液を通すことを可能にすることに基づき決定され得る。そのような破片の許容可能サイズは、特定の多孔率および/または細胞サイズの選択を駆動し得る。たとえば、約250μmから約500μmの細胞サイズは、特定のサイズの破片が本体部3002を通過するのを防ぐことに基づくものとしてよい。
【0202】
一実施形態において、発泡体本体部3002は、線維性血管性組織成長侵入を支えるように構造的に設計されている、非再吸収性、網状、架橋、ポリカーボネートポリウレタン尿素マトリクスから作られ、完全に相互接続されたマクロ多孔性形態は90~95%を超える空隙率を有し、細胞サイズは250から500μmの範囲内である。
【0203】
本体部3002は、近位端3004と遠位端3006とを有する。いくつかの実施形態において、自由な無制約状態における近位端から遠位端までデバイス3000の軸方向長さは、20mmである。本明細書において使用されているように、「自由な無制約」状態、および同様のものは、デバイス3000が留置される表面(たとえば、テーブル面)からの垂直抗力または反力以外の任意の外力がデバイス3000に加えられることのないデバイス3000の状態を指す。いくつかの実施形態において、この軸方向長さは、約10mmから約30mm、約12mmから約28mm、約14mmから約26mm、約16mmから約24mm、約18mmから約22mm、または約20mmであってよい。本体部3002は、本体部3002の外径に関係なくこれらの長さのうちのどれかを有し得る。
【0204】
本体部3002の近位端3004は、近位端壁または面3008を有する。近位面3008は、デバイス3000がLAA内に植え込まれるときに一般的にLAの方に向く。デバイス3000は、さらに説明されているように、軸外れに植え込まれることがあり、その場合、近位面3008は、LAの長手方向軸に対して垂直に留まり得ない。したがって、近位面3008は、本体部3002の閉じられた近位端3004を与える。閉じられた近位端3004は、入口部にかかるように構成されるが、多孔率は、さらに説明されているように、潜在的に虚血性脳梗塞を引き起こす可能性のあるサイズの破片を遮断しながら血液が通過するのを許す十分な大きさである。この膜は、本体部3002および/またはカバー3100によって形成され得る。いくつかの実施形態において、近位面3008またはその一部は、開いていてもよい。たとえば、近位面3008がない、部分的近位面3008がある、一部が取り除かれた近位面3008がある、などであってもよい。いくつかの実施形態において、近位面3008またはその一部は、含まれず、1つまたは複数の開口部はカバー3100によって覆われる。近位面3008の任意のそのような開口部のサイズの決定は、さらに説明されているように、LAAから漏出するのが防がれるように塞栓を引き起こす破片の望ましいサイズによって駆動され得る。
【0205】
近位面3008は、平坦であるか、または一般的に平坦であり、デバイス3000の長手方向軸に一般的に垂直である。近位面3008は、無制約の拡張において近位端3004から見たときに円形であるか、または一般的に円形の形状を有する。いくつかの実施形態において、近位面3008は、平坦であるか、丸形であるか、セグメント分割されているか、長手方向軸に関して角度を付けられているか、他の形状であるか、またはこれらの組合せであってよい。近位面3008は、近位端3004から見たときに、非円形、多角形、他の丸い形状、他の形状、またはこれらの組合せを有し得る。
【0206】
近位面3008は、外面3010と、対向する内面3012とを有する。外面3010は、デバイス3000から遠ざかるように近位に面し、内面3012は、フレーム3040の方へ遠位に面する。表面3010、3012は、近位面3008の外側および内側を画定し得る。近位面3008の厚さは、外面3010と内面3012との間で軸方向に測定されるものとしてよい。自由な無制約状態(たとえば、非圧縮および拡張)でのこの厚さは、約0.5mmから約5mm、約1mmから約4mm、約2mmから約3mm、約2.5mm、または2.5mmであってよい。いくつかの実施形態において、厚さは0.5mm未満または5mm超であってよい。近位面3008の厚さは、均一である場合も、不均一である場合もある。したがって、厚さは、近位面3008の異なる領域では厚かったり、薄かったりすることもある。
【0207】
本体部3002は、近位面3008から遠位に延在する側壁3014を備える。側壁3014は、近位面3008の周上に延在し、閉断面を形成する(すなわち、軸を中心に360度、周上に延在する)。側壁3014は、デバイス3000の長手方向軸の周りに同心円状にチューブ状本体部を画定するように軸方向に延在する。長手方向軸は側壁3014によって画定されるチューブ状本体部の幾何学的中心を貫通する。側壁3014は、軸に沿って、チューブ状または一般的にチューブ状、たとえば、円筒形である。いくつかの実施形態において、側壁3014は、たとえば近位端が遠位端より広いまたはその逆のときに、円錐または円錐台形であり得る。側壁3014は、その近位端のところに、近位端または遠位端から見たときに、外側輪郭を有し、近位面3008の外周の輪郭と一致するものとしてよい。
【0208】
いくつかの実施形態において、側壁3014の断面は、たとえば側壁3014に開口部がある場合に、閉じられ得ない。したがって、長手方向軸に沿った様々な配置で取られた断面は、閉じたセクションを示すことも示さないこともある。いくつかの実施形態において、側壁3014は、非チューブ状、非円筒形、非円形、多角形、他の丸い形状、他の形状、またはこれらの組合せであってよい。いくつかの実施形態において、図示されているように、側壁3014は、近位端3004から遠位端3006までの全長にわたって連続的に延在し得る。いくつかの実施形態において、側壁3014は、近位端3004から遠位端3006までの全長にわたって連続的に延在し得ない。たとえば、側壁3014は、長手方向軸に沿って配置され隔てて並び、フレーム3040に接続されている、側壁の環状部分などの、複数の非連結セクションを備え得る。
【0209】
側壁3014は、外面3016と、対向する内面3018とを有する。外面3016は、軸から半径方向外向きに面する。内面3018は、軸の方へ半径方向内向きに面する。側壁3014の厚さは、外面3016と内面3018との間で半径方向に測定されるものとしてよい。自由な無制約状態(たとえば、非圧縮)でのこの厚さは、約0.5mmから約5mm、約1mmから約4mm、約2mmから約3mm、約2.5mm、または2.5mmであってよい。いくつかの実施形態において、厚さは0.5mm未満または5mm超であってよい。側壁3014の厚さは、均一である場合も、不均一である場合もある。したがって、厚さは、側壁3014の異なる領域では厚かったり、薄かったりすることもある。側壁3014の厚さは、近位面3008の厚さと同じであることも異なることもある。いくつかの実施形態において、近位面3008の厚さは2.5mmであり、側壁3014の厚さは2.5mmである。いくつかの実施形態において、近位面3008の厚さは約2.5mmであり、側壁3014の厚さは約2.5mmである。
【0210】
側壁3014は、遠位表面3022を有する遠位自由端3020を有する。遠位表面3022は、平坦であるか、または一般的に平坦であり、デバイス3000の長手方向軸に垂直である。いくつかの実施形態において、遠位表面3022は、平坦でないか、デバイス3000の軸に関して角度を付けられているか、湾曲しているか、丸形であるか、セグメント分割されているか、他の形状であるか、またはこれらの組合せである。
【0211】
本体部3002は、遠位開口部3024を有し得る。開口部3024は、側壁3014の遠位自由端3020によって形成される。開口部3024は、少なくとも部分的に側壁3014、近位面3008、および/または段部3030によって形成される本体部3002の内部中心容積部もしくは空洞3028の遠位端にある。フレーム3040は、さらに説明されているように、空洞3028内に置かれるものとしてよい。遠位開口部3024は、完全に開いていてもよい。いくつかの実施形態において、遠位開口部3024は、たとえば本体部3002が空洞3028を取り囲むか、または部分的に取り囲むように近位面3008に類似する遠位面を有する場合にほとんど開いているか、部分的に開いているか、または閉じられているものとしてよい。
【0212】
本体部3002は、近位面3008と側壁3014との間に延在する、ベベルとして示されている段部3030を有する。段部3030は、側壁3014の近位端と、近位面3008との交差部であってよい。段部3030は、交差部の全周上に延在する。段部3030は、外面3032を有する。外面3032は、面取りされた表面であるものとしてよい。外面3032は、軸方向に平坦であるか、または一般的に平坦である。外面3032は、段部3030の全周上に延在する。いくつかの実施形態において、段部3030および/または外面3032は、平坦でないか、丸いか、軸方向に他の形状であるか、またはこれらの組合せであってよい。段部3030および/または外面3032は、段部3030の全周の一部にわたって延在し得る。段部3030の厚さは、外面3032に対して内向き垂直方向に測定されるものとしてよい。段部3030の厚さは、本明細書において説明されているように、近位面3008および/または側壁3014の厚さと同じであってもよい。いくつかの実施形態において、段部3030の厚さは、近位面3008および/または側壁3014の厚さと異なっていてもよい。段部3030は、インプラントを近位に引いて展開カテーテル内に入れることを円滑にするため、リキャプチャランプとして機能し得る。
【0213】
本体部3002の圧縮性は、デバイス3000の優れた封止能力に寄与する。発泡体は、さらに説明されているように、より大きい放射状「フットプリント」を形成し、フレーム3040上のストラットから半径方向の力を広げるように圧縮可能であり得る。発泡体本体部3002は、少なくとも1平方インチ当たり1ポンド(psi)または約1psiから約2psiの範囲内、または約2psi以下の圧縮強度を有し得る。「圧縮強度」はここでは発泡体を圧縮して50%のひずみを生じさせる圧力を指す。本体部3002に対する何らかの発泡体材料により、圧力は、50%のひずみから少なくとも80%のひずみまで変化し得ず、圧力対ひずみの関係は平坦であるか、または一般的に平坦であり得る。したがって、本体部3002に対する発泡体が厚いとしても、本体部3002は、それ自体による厚さの増大により組織にそれほど大きな外向きの力を加えない。一実施形態において、発泡体本体部3002は、少なくとも約90%の空隙率、約250~500ミクロンの範囲内の平均細胞サイズ、少なくとも約2mmの壁厚、および少なくとも1psiの圧縮強度を有する網目状の架橋マトリクスである。一実施形態において、本体部3002は、Table 1(表1)に示されている材料特性を有するか、または実質的に有する発泡体材料から形成される。いくつかの実施形態において、本体部3002は、たとえば、開示全体が参照により本明細書に組み込まれている、2010年9月28日に発行された米国特許第7,803,395号、名称「Reticulated elastomeric matrices, their manufacture and use in implantable devices」、または2012年12月25日に発行された米国特許第8,337,487号、名称「Reticulated elastomeric matrices, their manufacture and use in implantable devices」において説明されている材料から形成される。
【0214】
【0215】
デバイス3000は、送達時に視覚的にわかりやすくするためマーカー3023(
図85Bを参照。わかりやすくするため、マーカー3023のうちのいくつかのみが図中でラベルを付けられている)を備え得る。マーカー3023は、本体部3002の遠位自由端3020内に縫い込まれている放射線不透過性マーカーバンドであり得る。マーカー3023は、送達時にデバイス3000の遠位端3006の蛍光透視撮像を使用する視覚化のためのものであってよい。一連のマーカー3023が本体部3002の遠位表面3022に沿って周上に配置されているものとしてよい(わかりやすくするため、マーカー3023のうちのいくつかのみが
図85Bにおいてラベルを付けられている)。いくつかの実施形態において、マーカー3023は、それに加えて、または代替的に、カバー3100またはフレーム3040などの、本体部3002の他の領域またはデバイスの他の部分に配置され得る。
【0216】
いくつかの実施形態において、4つの白金イリジウム(PtIr)放射線不透過性(RO)チューブ状マーカー3023が発泡体本体部3002の遠位端3006上に縫い付けられ、蛍光透視の下でデバイス3000の遠位縁の視覚化を可能にする。いくつかの実施形態において、Ptlrマーカー3023は、デバイス3000のリキャプチャ時にマーカーとして使用する近位段部3030の配置で発泡体本体部3002に取り付けられる。近位および/または遠位マーカー3023の視覚化は、リキャプチャの量を識別するのを円滑にし得る。デバイス3000が限定はしないがアクセスシースの内側のアンカーの近位3090までリキャプチャされる場合、デバイス3000は再展開され、再利用され得る。近位アンカー3090がアクセスシース内にリキャプチャされる場合、デバイス3000は取り出され、アンカー3090に永久的変形が生じているため破棄され得る。いくつかの実施形態において、マーカー3023に対して、金または他の好適な材料などの、他の材料が使用され得る。
【0217】
発泡体本体部3002は、デバイス3000の様々な特徴部に取り付けられ得る。本体部3002は、さらに説明されているように、たとえばフレーム3040の近位端の中心を含む、様々な地点でフレーム3040に取り付けられ得る。取り付けは、ポリプロピレン単繊維縫合糸などの縫合糸を使用して行われ得るが、接着剤による接着などの当技術分野で知られている他の方法も利用可能である。発泡体本体部3002とフレーム3040との間の相対的移動を防ぐために、近位アンカー3090の近位列が発泡体本体部3002に個別に取り付けられ(たとえば、挿通され)得る。他の実施形態において、発泡体本体部3002は金属フレームが発泡体本体部3002内にあるように内骨格の周りに形成することが可能であり、それにより二次取り付けステップの必要がなくなる。フレーム3040への本体部3002の取り付けの利点は、他にも利点はあるがとりわけ、発泡体本体部3002を損傷することなく取り出しを促進することである。この取り付けは、また、本明細書でさらに説明されている緩衝体3026が、送達シースの近位引き込み後のデバイス3000の初期露出時を含む、すべての時点において、フレーム3040を超えて延在することを確実にする。
【0218】
発泡体本体部3002は、コーティングを備え得る。コーティングは、発泡体材料の相互接続されている網目に施される。本体部3002は、純粋なポリテトラフルオロエチレン(PTFE)でコーティングされ得る。PTFEコーティングはLA表面の血栓形成を最小限度に抑えつつ、送達システムに対する発泡体本体部3002の摩擦を低減して展開および取り出しを容易に行えるようにする。本体部3002は、適合性を有する、真空蒸着される、純粋なPTFEでコーティングされ得る。それに加えて、または代替的に、本体部3002は、PTFE以外のコーティングでコーティングされてもよい。コーティングは、PTFEであろうと他のものであろうと、厚さは約0.5μmであってよく、細孔を閉塞することなく発泡体の相互接続された網目の表面の少なくとも一部を覆う。コーティングは、発泡体本体部3002の一部または全部に施され得る。コーティングは、発泡体本体部3002の外面の一部または全部に施され得る。
【0219】
いくつかの実施形態において、コーティングの厚さは、約0.1μmから約1μm、約0.2μmから約0.9μm、約0.3μmから約0.8μm、約0.4μmから約0.7μm、約0.4μmから約0.6μm、または約0.5μmの厚さである。いくつかの実施形態において、施されるコーティングの厚さはそれより厚くても薄くてもよい。コーティングは、均一なまたは実質的に均一な厚さを有する。いくつかの実施形態において、コーティングは不均一な厚さを有していてもよい。たとえば、近位面3008および/または段部3030などの、植え込まれたときにLAに面する本体部3002の一部は、本体部3002の側壁3014に沿ったコーティングに比べて厚いコーティングを有していてもよい。いくつかの実施形態において、近位面3008の外面3010は、PTFEコーティングを有し、近位面3008は、ePTFEカバー3100も有する。
【0220】
コーティングは、蒸着プロセスを使用して施される。いくつかの実施形態において、コーティングは、コーティング、蒸着、プラズマ蒸着、グラフティング、他の好適なプロセス、またはこれらの組合せを通じて施される。コーティングは、近位面3008、段部3030、および側壁3014の、それぞれ、外面3010、3032、および3016に施される。いくつかの実施形態において、コーティングは、外面3010、3032に施され、外面3016には一部のみ施される。いくつかの実施形態において、コーティングは本体部3002の外面および内面に施される。
【0221】
いくつかの実施形態において、他の生体適合性、抗血栓性、および/または潤滑性を有する材料が、発泡体本体部3002および/またはカバー3100の表面に塗布されることも可能である。これらの材料は、組織成長侵入を促し得る。そのような材料は、たとえば、ヘパリン、アルブミン、コラーゲン、ポリエチレンオキシド(PEO)、ヒドロゲル、ヒアルロン酸、一酸化窒素、酸素、窒素、アミン、生体吸収性ポリマー、および他の生体物質を放出する材料、薬理作用のある物質、ならびに表面改質材料を含み得る。それに加えて、本体部3002の表面は、治癒を促進する、またはエコー輝度発生を高めるために、粗面化、織り目加工、または他の何らかの形の改質もしくはコーティングがなされることも可能である。
【0222】
2.近位カバー
デバイス3000は、カバー3100を備えるものとしてよく、これはさらに説明されているようにePTFEカバーであってよい。カバー3100は、本体部3002の少なくとも一部の上に塗布され、これを覆う一般的に平坦な材料である。カバー3100は、デバイス3000の近位端3004上にある。カバー3100は、本体部3002の近位面3008と、側壁3014の少なくとも一部とを覆う。カバー3100は、側壁3014の近位部分を覆う。カバー3100は、植え込まれたときに少なくとも一部はLAに面する近位面3102を有する。カバー3100は、外側頂点3106を形成する外側縁3104を有する(わかりやすくするため、図中、外側縁3104および外側頂点3106のうちの一部のみがラベルを付けられている)。いくつかの実施形態において、カバー3100は、近位面3008またはその一部だけを覆うものとしてよい。いくつかの実施形態において、カバー3100は、側壁3014の大部分、たとえば、その真ん中もしくは遠位部分、または側壁3014全体などの上に延在し得る。
【0223】
カバー3100は、近位面3102から本体部3002に面するカバー3100の対向する遠位表面まで垂直に測定された厚さを有するものとしてよい。カバー3100は、0.001"の厚さを有し得る。いくつかの実施形態において、カバー3100は、約0.00025"から約0.005"、約0.0003"から約0.004"、約0.0004"から約0.003"、約0.0006"から約0.002"、約0.0008"から約0.0015"、または約0.001"の厚さを有するものとしてよい。
【0224】
カバー3100は、発泡体本体部3002を通してフレーム3040に取り付けられ得る。カバー3100は、それに加えて、または代替的に、本体部3002に取り付けられ得る。カバー3100は、外側頂点3106のうちの少なくとも2つまたは4つまたは6つまたはそれ以上で取り付けられ得る。カバー3100は、外側頂点3106で、近位面3100を通して、本体部3002の近位面3008、他の配置、またはそれらの組合せを含む、様々な配置でフレーム3040および/または本体部3002に取り付けられ得る。カバー3100は、縫合糸などの、機械的取付具を使用して取り付けられる。いくつかの実施形態において、ポリプロピレン6-0縫合糸は、発泡体本体部3002、近位カバー3100、およびROマーカー3023を発泡体本体部3002および/またはフレーム3040に取り付けるためにデバイス全体にわたって使用される。いくつかの実施形態において、カバー3100は、ポリプロピレン、ePTFE、またはポリエステルなどの、標準的な編組もしくは単繊維縫合糸材料を介してフレーム3040に取り付けられる。いくつかの実施形態において、ポリプロピレン単繊維が利用される。フレーム3040(本明細書においてさらに説明されている)の近位アンカー3090は、カバー3100の外側頂点3106を貫通し得る。そのような貫通するアンカー3090は、カバー3100を本体部3002に関して適所にさらに固定し得る。いくつかの実施形態において、カバー3100は、機械的取付具、留め具、接着剤、化学結合、他の好適な技術、またはこれらの組合せによりデバイス3000の様々な部分に取り付けられ得る。
【0225】
図示されているように、カバー3100は、延伸ポリテトラフルオロエチレン(「ePTFE」)から形成される。ePTFEカバー3100は、多くの利点を備えている。たとえば、ePTFEカバー3100は、カテーテルによって印加される近位引き込み力を分散させることによって生体内のデバイス3000をリキャプチャする能力を増強し得る。カバー3100は、下にあるPTFEコーティング発泡体に類似する、治癒を促し、血栓形成を最小限度に抑える適切な多孔率を有する、厚さが約0.001"のePTFE材料であってよい。
【0226】
ePTFEカバー3100は、組織被覆および一体化を促す滑らかな抗血栓性表面をもたらしながらアクセスシース内にインプラントをリキャプチャするのを助け得る。ePTFEは、
図85Cに示されているように、近位面全体を覆うものとしてよく、側部を部分的に覆う。ePTFEカバー3100は、二軸配向材料を形成するようにオフセットされている、配向材料の2枚またはそれ以上のシートからなるすでにラミネートされているシートから加工される。代替的に、チューブ、好ましくは二軸配向チューブを使用することが可能であり、これはその後切断されシートを形成する。最終的な構造物の厚さは、0.0005"~0.005"であってよいが、好ましくは約0.001"である。
【0227】
いくつかの実施形態において、カバー3100は、編まれた、または織られたポリエステル布、ポリプロピレン、ポリエチレン、不織布血管足場、多孔質フィルム、またはポリ乳酸、ポリグリコール酸、および共重合体などの生体吸収性足場などの、他の抗血栓性高強度生体適合性材料から加工される。
図88に示されているような、デバイス3000との取り付けの前のカバーの形状は皺が寄るのを最小限度に抑え、インプラントへの取り付けの後に滑らかな表面をもたらす。この形状は、星形、外側に尖った形状、または他の形状であってよい。
【0228】
カバー3100は、一連の開口部3120を穿孔され得る(わかりやすくするため、図中、開口部3120のうちの一部のみがラベルを付けられている)。開口部3120は、レーザーまたは機械的切断を介してカバー3100内に形成された穿孔または穴である。開口部3120は、近位開口部3122および側部開口部3124を備える(わかりやすくするため、図中、近位開口部3122および側部開口部3124のうちの一部のみがラベルを付けられている)。カバー3100が本体部3002とともに組み立てられたときに、近位開口部3122は、近位面3008および/または段部3030の上に配置され、側部開口部3124は、側壁3014の上に配置される。いくつかの実施形態において、カバー3100は、40個の近位開口部3122を備える。いくつかの実施形態において、カバー3100は、40個の側部位開口部3124を備える。本体部3002とともに組み立てられたときに近位面3008および/または段部3030の上に配置される開口部3120の個数は、10個から80個、20個から70個、30個から60個、35個から50個の範囲内にあるか、または40個の開口部3120であってよい。側壁3014の上に配置される開口部3120の個数は、10個から80個、20個から70個、30個から60個、35個から50個の範囲内にあるか、または40個の開口部3120であってよい。
【0229】
開口部3120は、様々なサイズを有し得る。開口部3120の幅、たとえば、短軸、または円形の開口部の直径は、0.070"である。開口部3120の幅は、約0.010"から約0.200"、約0.020"から約0.150"、約0.030"から約0.110"、約0.040"から約0.100"、約0.050"から約0.090"、約0.060"から約0.080"、または約0.070"であってよい。いくつかの実施形態において、幅は0.010"未満または0.200"超、たとえば、0.25"、0.5"、またはそれ以上であってよい。これらの幅は、円形の、さらには非円形の形状の開口部3120に当てはまり得る。
【0230】
いくつかの実施形態において、開口部3120は、様々な形状をとり得る。開口部3120は細長スロットであってよい。開口部3120は、カバー3100に沿って半径方向に近位面3102の中心部部分からまたはその近くから外側縁3104の方へ、および/または外側縁3104まで延在し得る。開口部3120は、カバー3100に沿って周上に延在し、異なる半径方向位置を有する環状開口部であってよい。開口部3120は、均一なサイズおよび形状のものであってよい。開口部3120のうちのいくつかは、開口部3120のうちの他方に関して異なるサイズおよび/または形状を有していてもよい。開口部3120は、カバー3100の周りに様々な分布または集中度を有し得る。たとえば、開口部3120は、LAに面する近位面3102に沿って、段部3030に沿って、など、様々な領域内により高密度に配置され得る。
【0231】
開口部3120は、デバイス3000内を血液が流れるのを可能にする。開口部3120は、血液がデバイス3000を通って適切に流れ、それによって、デバイス3000が血管系内に塞栓を生じる場合に血流中の閉塞の危険性を軽減することを可能にし得る。いくつかの実施形態において、デバイス3000が塞栓を生じる場合、これは低圧では静止フィルタとして働き得るが、より高い圧力では血流を通過し得る。いくつかの実施形態において、デバイス3000は、毎分の約2から約14リットル、約4から約12リットル、約6から約10リットル、または約8リットルの血液を<30mmHgの圧力低下で通し、デバイスの塞栓発生の場合の衝撃を防ぐことを可能にする。いくつかの実施形態において、40個の円形開口部3120があり、各々0.070"の直径を有し、毎分約8リットルの血液を<30mmHgの圧力低下で通すことを可能にする。いくつかの実施形態において、デバイス3000の近位端は、発泡体近位面3008などの発泡体層もしくはカバー3100などの膜またはその両方であってよく、本体部3002のチューブ側壁3014内に画定された空洞3028を囲む。発泡体近位面3008とカバー3100の両方を有する一実装形態において、発泡体本体部3002は、血液の通過を許すが塞栓を引き起こす破片の漏出を遮断することができる本明細書においてさらに説明されている連続気泡構造体を有する。カバー3100は、血流に対して閉塞的であってよく、拡張した本体部3002を展開カテーテル内に引き戻すための構造的完全性および摩擦低減をもたらすために存在している。一実装形態において、カバー3100は、説明されているように、血流に対して実質的に閉塞的である形態のePTFEである。したがって、この実施形態において、カバー3100は、複数の灌流窓または開口部3120を備え、したがって、血液は連続気泡発泡体およびカバー3100を通過し得るが、デバイス3000はそれでもカバー3100の他の特性からの恩恵を受ける。
【0232】
図87A~
図87Cは、カバー3300の別の実施形態を有するLAA閉塞デバイス3000の一実施形態を示している。デバイス3000は、本明細書において説明されているように、発泡体本体部3002およびフレーム3040、ならびにその特徴部を備え、それに加えて、カバー3300を備える。カバー3300は、カバー3100と同じもしくは類似の特徴および/または機能を有するものとしてよく、またその逆もあり得る。カバー3300は、デバイス3000の近位端3004上にある。カバー3300は、本体部3002の近位面3008と、側壁3014の近位部分とを覆う。カバー3300は、近位面3302を有する。カバー3300は、複数の少なくとも2個もしくは4個もしくは6個もしくは8個もしくは10個もしくはそれ以上の外側頂点3306を形成する外側縁3304を有する(わかりやすくするため、図中、外側頂点3306のうちの一部のみがラベルを付けられている)。カバー3300は、外側頂点3306のところで本体部3002に取り付けられる。近位アンカー3090は、カバー3100の外側頂点3106における側部開口部3324を貫通する。
【0233】
カバー3300は、一連の開口部3320を備える。開口部3320は、近位開口部3322、段部開口部3323、および側部開口部3324を備える。近位開口部3322は、本体部3002の近位端3004の上に配置される。段部開口部3323は、本体部3002の段部3030、たとえば、ベベルの上に配置される。側部開口部3324は、本体部3002の側壁3014の近位部分の上に配置される。近位アンカー3090は、外側頂点3106に配置されている側部開口部3324を貫通し得る。開口部3320は、開口部3120と同じもしくは類似の特徴および/または機能を有するものとしてよく、またその逆もあり得る。いくつかの実施形態において、近位アンカー3090は、外側頂点3106のところまたはその近くでカバー3300を貫通し得る。
【0234】
図88は、デバイス3000とともに使用され得るカバー3150の別の実施形態を示している。カバー3150は、カバー3100および/またはカバー3300と同じもしくは類似の特徴および/または機能を有するものとしてよく、またその逆もあり得る。カバー3150は、本体部3002の近位面3008と、側壁3014の一部とを覆うために使用され得る。カバー3150は、近位面3152を有する。カバー3150は、外側頂点3156を形成する外側縁3154を有する。カバー3150は、外側頂点3156のところで本体部3002に取り付けられ得る。近位アンカー3090は、カバー3100の外側頂点3156を貫通し得る。カバー3150は、一連の開口部3170を備える。開口部3170は、近位開口部3172および側部開口部3174を備える(わかりやすくするため、図中、開口部3170、3172、3174のうちの一部のみがラベルを付けられている)。カバー3150が本体部3002とともに組み立てられたときに、近位開口部3172は、近位端3004の上に配置され、側部開口部3174は、側壁3014の上に配置される。図示されているように、開口部3174は、近位面3152の中心領域を除きカバー3150に沿って実質的に均一に配置され得る。
【0235】
3.コンプライアントフレーム
拡張可能なコンプライアント支持体またはフレーム3040は、
図85B、
図86C、および
図87Cに示されている。
図89Aおよび
図89Bは、展開された構成で、デバイス3000の残り部分から分離して示されているフレーム3040の、それぞれ、側面図および近位斜視図である。フレーム3040は、さらに説明されているように、他にもあるがとりわけ、送達、アンカー固定、取り出しを円滑にし、発泡体本体部3002がLAA組織を圧迫し封止を円滑にするためにアンカーを有するコンプライアント構造体を備える。フレーム3040は、発泡体本体部3002によって形成される空洞3028の内側に配置される。いくつかの実施形態において、フレーム3040は、さらに説明されているように、本体部3002の1つまたは複数の部分の内側に部分的にまたは全体として、たとえば、近位面3008および/または側壁3014内に配置され得る。たとえば、フレーム3040は、
図87Cに示されているように側壁3014内に部分的に配置されてよい。
【0236】
フレーム3040は、近位端3042と対向する遠位端3004とを有する。フレーム3040は、自由な無制約状態ではチューブ状、たとえば、円筒形であってよい。したがって、近位端3042の幅は、自由な無制約状態では遠位端3004の幅と同じであるか、または類似するものとしてよい。いくつかの実施形態において、フレーム3040またはその一部は、たとえば自由な無制約状態において近位端3042の幅が遠位端3004の幅より広いまたはその逆の場合に、円錐または円錐台形であってよい。
【0237】
近位端3042において、フレーム3040は、円筒形ニップルとして図示されている、近位ハブ3050を有する。ハブ3050は、丸い構造的エンドピースである。ハブ3050は、チューブ状、たとえば、円形で、図示されているような円筒形の形状を有し得るか、または丸みのある、非円形の、セグメント分割された、他の形状、もしくはそれらの組合せであってよい。ハブ3050は軸方向に延在し、中心内腔を有し得る。ハブ3050は、長さに比べて広いか、またはその逆であってもよい。ハブ3050は中空であり、長手方向開口部などの、中を通る空間を画定する側壁を有する。いくつかの実施形態において、ハブ3050は、部分的に中空、中実、または他の構成であってもよい。ハブ3050は、さらに説明されているように、デバイス3000の送達および取り出しを円滑にする。ハブ3050は、本明細書においてさらに説明されているように、中心構造取り付け部を備え得る。ハブ3050は、近位端のところの空洞3028内に配置されてよい。いくつかの実施形態において、ハブ3050は、発泡体本体部3002内に部分的にまたは完全に、たとえば、近位面3008内に配置され得る。
【0238】
ピン3051がハブ3050内に配置され得る(
図89Aおよび
図89Bに示されている)。ピン3051は、中心内腔を横方向にわたって延在する細長の丸形構造要素である。「横方向」は、長手方向軸に対して垂直であるか、または一般的に垂直である方向を指す。ピン3051は、円筒形の形状を有する。ピン3051は、さらに説明されているように、テザーの滑らかな係合表面を形成するように構成されている丸い外面を備える。ピン3051は、デバイス3000を十分な力で引っ張り、デバイス3000のシース入れ直しをすることを可能にするフレーム3040との高強度接続をもたらす。ピン3051は、ニチノールから形成され得る。ピン3051は、近位ハブ3050の幅、たとえば、直径を横切る形で固定される。ピン3051は、ハブの側壁と2つの対向する端部のところで固定され得る。ピン3051は、さらに説明されているように、送達カテーテルに一時的に取り付けるための摺動係合においてピン3051に巻き付けられる、テザー3240によって係合されるように構成される。いくつかの実施形態において、ピン3051は、たとえば
図90A~
図90Cに関して、本明細書においてさらに説明されているように、キャップ3180とともに組み立てられる。
【0239】
近位端3042のところのフレーム3040は近位面3060を備える。近位面3060は、その近位端のところの空洞3028内に配置されてよい。いくつかの実施形態において、近位面3060は、発泡体本体部3002内に部分的にまたは完全に、たとえば、近位面3008および/または側壁3014内に配置され得る。近位面3060は、一連のリキャプチャまたはリエントリーストラット3061を備える。ストラット3061は、空洞3028の近位端に配置される。いくつかの実施形態において、ストラット3061またはその一部は、発泡体本体部3002内に部分的にまたは完全に、たとえば、近位面3008および/または側壁3014内に配置され得る。
【0240】
ストラット3061は、細長構造部材である。ストラット3061は、矩形、円形、または他の整形された断面形状を有するものとしてよい。いくつかの実施形態において、ストラット3061は、ストラット3061が別の方向に比べて一方の方向に剛性が高いように厚さに比べて大きい幅を有する断面、たとえば、矩形の形状を有する。この幅は、デバイス3000が拡張構成にあるときに横方向またはデバイス3000の長手方向軸に一般的に垂直な方向にあるものとしてよく、厚さは幅に対して垂直である。ストラット3061は、たとえば、送達および拡張構成においてデバイス3000の収縮および拡張を円滑にするために、屈曲または曲げる方向に剛性が弱いものとしてよい。ストラット3061は細長ピンであってよい。ストラット3061は、たとえば、ハブ3050から延在し、ハブ3050から遠位方向に半径方向外向きに傾斜するものとしてよい。ストラット3061は、ハブ3050の側壁の内側、外側、および/または端部に取り付けられ得る。ストラット3061は、たとえば、溶接、接着、締め付け、他の好適な手段、またはそれらの組合せで、ハブ3050にその後取り付けられる個別部品であってよい。いくつかの実施形態において、ストラット3061およびハブ3050のうちのいくつかまたはすべては、レーザー切断されたハイポチューブなどの同じ原材料から形成された単一の連続構造体であってよい。ストラット3061のうちのいくつかまたはすべては、たとえば、本明細書で説明されているような縫合糸で、本体部3002および/またはカバー3100に、1つまたは複数の取り付け位置で取り付けられ得る。
【0241】
各リキャプチャストラット3061は、ハブ3050の遠位端に接続されている内側の湾曲した部分3062、真ん中の真っ直ぐな部分3064、および/または外側の湾曲した部分3066を備え得る(わかりやすくするため、図中、部分3062、3064、3066のうちのいくつかのみがラベルを付けられている)。展開された構成において、内側の湾曲した部分3062は、もっぱら遠位方向にハブ3050から延在し、次いで、さらに外向きに半径方向に向くように湾曲する。真ん中の真っ直ぐな部分3064は、もっぱら半径方向であるが、わずかに遠位方向にも、内側の湾曲した部分3062から延在する。外側の湾曲した部分3066は、もっぱら半径方向に真ん中の真っ直ぐな部分3064から延在し、次いで、遠位方向に向けて湾曲する。これらの部分は、送達カテーテルの内側で送達構成において異なる形状を有し得る。送達構成では、これらの部分はもっぱら遠位に延在し得る。これらの部分は次いで送達カテーテルから展開された後に説明されているような展開された構成をとるものとしてよい。いくつかの実施形態において、ストラット3061は、部分3062、3064、3066よりも少ない、または多い部分を含んでいてもよい。
【0242】
デバイス3000は、近位リキャプチャストラット3061のうちの10個を含み得る。そのような構成は、自由な無制約状態において外径が27mmである発泡体本体部3002を有するデバイス3000を伴い得る。そのような構成は、自由な無制約状態において外径が35mmである発泡体本体部3002を有するデバイス3000を伴い得る。いくつかの実施形態において、デバイス3000は、約2個から約30個まで、約4個から約20個まで、約6個から約18個まで、約8個から約16個まで、約10個から約14個までの個数、または他の個数のストラット3061を有し得る。
【0243】
展開された構成では、各ストラット3061は、軸に対してある角度で半径方向外向きに遠位に延在する。この角度は、デバイス3000から遠位に延在する軸の一部に関して測定されたときに、約60°から約89.9°、約65°から約88.5°、約70°から約85°、約72.5°から約82.5°、約75°から約80°、または他の角度量であってよい。この角度は、デバイス3000が送達カテーテル内にあるときにかなり小さいものとしてよい。ストラット3061は、送達構成と拡張構成との間で遷移するとき、またはそこに位置決めされたときに曲がるか、または屈曲し得る。ストラット3061は、内側の湾曲した部分3062、真ん中の真っ直ぐな部分3064、および/または外側の湾曲した部分3066のところで曲がるか、または屈曲し得る。
【0244】
したがって、近位面3060などの、フレーム3040の近位端3042は、拡張構成において円錐形状を有するものとしてよい。円錐状の近位面3060は、デバイス3000の送達カテーテル内へのリキャプチャを円滑にし得る。たとえば、拡張構成においてハブ3050から遠位におよび半径方向外向きに傾斜するストラット3061の配向は、デバイス3000上の送達シースの遠位方向の移動がストラット3061を内向きに付勢し、デバイス3000をカテーテル内の取り出しのために送達構成およびサイズになるように詰め戻すように近位面3008に対して有利な円錐形状をもたらす。
【0245】
近位面3060は、送達構成に関してデバイス3000の拡張後にかなり短縮する。「短縮する」はここでは、短縮された送達構成と拡張構成(自由に、または植え込まれたときのいずれかで拡張)との間での近位面3060の軸方向長さの差を指す。この長さは、ハブ3050の遠位端または近位端からリキャプチャストラット3061の外側の湾曲した部分3066の遠位端まで軸方向に測定されるものとしてよい。近位面3060は、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上だけ短縮され得る。近位面3060は、チューブ状本体部3080と比べて拡張後の短縮が著しく大きく、後者は「作業長」または「ランディングゾーン」と称され得る。ランディングゾーンは、本明細書におけるチューブ状本体部3080に関してさらに説明される。
【0246】
図示されているように、ストラット3061は、偶数角度増分で軸の周りに一定角度で相隔てて並ぶ。すなわち、フレーム3040を遠位端または近位端から見たときに、ストラットの間の角度は等しいものとしてよい。いくつかの実施形態において、ストラット3061は、説明されているように軸の周りに均等な角度で隔てて並び得ない。ストラット3061は、軸の周りに、または軸を含む平面の周りに対称的に配設されることも配設されないこともある。
【0247】
フレーム3040は、チューブ状本体部3080を備える。本体部3080は、さらに説明されているように、デバイス3000に対する機械的基部構造を備える。チューブ状本体部3080は、フレーム3040の近位面3060の遠位端に取り付けられる。チューブ状本体部3080は、フレーム3040の遠位端3044まで延在する。チューブ状本体部3080は、さらに説明されているように、リキャプチャストラット3061の外側の湾曲した部分3066に近位端のところで取り付けられる。チューブ状本体部3080は、リキャプチャストラット3061の他の部分に取り付けられてもよい。フレーム3040のチューブ状本体部3080は、本体部3002および/またはカバー3100に、たとえば、本明細書で説明されているような縫合糸を使って、さらに説明されているように、1つまたは複数の取り付け配置で取り付けられてよい。チューブ状本体部3080は、空洞3028内に配置され得る。いくつかの実施形態において、チューブ状本体部3080は、発泡体本体部3002内に部分的にまたは完全に、たとえば、側壁3014内に配置され得る。
【0248】
チューブ状本体部3080は、一連の近位ストラット3082および遠位ストラット3086を備える(わかりやすくするため、図中、ストラット3082、3086のうちの一部のみがラベルを付けられている)。近位ストラット3082および/または遠位ストラット3086は、矩形、円形、または他の整形された断面形状を有するものとしてよい。いくつかの実施形態において、近位ストラット3082および/または遠位ストラット3086は、ストラット3061が別の方向に比べて一方の方向に剛性が高いように厚さに比べて大きい幅を有する、またはその逆の断面、たとえば、矩形の形状を有する。ストラット3061は、たとえば、送達および拡張構成においてデバイス3000の収縮および拡張を円滑にするために、屈曲または曲げる方向に剛性が弱いものとしてよい。隣接する近位ストラット3082の対の近位端は、近位頂点3084で結合する。各近位ストラット3082は、それぞれの近位頂点3084のところでリキャプチャストラット3061のうちの1つのそれぞれの外側の湾曲した部分3066に接続される。近位ストラット3082の各遠位端は、隣接する近位ストラット3082の遠位端に、および中間頂点3087のところで2つの遠位ストラット3086の近位端に接続する。隣接する遠位ストラット3086の対は遠位に延在し、それぞれの遠位頂点3088のところで結合する。反復パターン3089は、ひし形で示されているが、隣接する対の近位ストラット3082と隣接する対の遠位ストラット3086とによって形成され得る。近位ストラット3082および/または遠位ストラット3086のうちのいくつかまたはすべては、たとえば、本明細書で説明されているような縫合糸で、本体部3002および/またはカバー3100に、1つまたは複数の取り付け位置で取り付けられ得る。近位ストラット3082および/または遠位ストラット3086のうちのいくつかまたはすべては、空洞3028内に配置されるものとしてよい。いくつかの実施形態において、近位ストラット3082および/または遠位ストラット3086のうちのいくつかまたはすべては、発泡体本体部3002内に部分的にまたは完全に、たとえば、側壁3014内に配置され得る。
【0249】
近位頂点3084は遠位頂点3088と同じ数だけある。図示されているように、11個の近位頂点3084および11個の遠位頂点3088がある。近位頂点3084および遠位頂点3088の数は、各々、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個であり得るか、またはそれよりも少ないもしくは多い頂点があってもよい。いくつかの実施形態において、近位頂点3084は遠位頂点3088と同じ数だけなくてもよい。いくつかの実施形態において、そのパターンの複数の列、たとえば、ひし形パターンが、近位ストラット3082および遠位ストラット3086によって形成され得る。パターンの列は2つ、3つ、4つ、またはそれ以上であってよい。近位頂点3084および/または遠位頂点3088のうちのいくつかまたはすべては、たとえば、本明細書で説明されているような縫合糸で、本体部3002および/またはカバー3100に、1つまたは複数の取り付け位置で取り付けられ得る。
【0250】
本体部3080は、拡張構成では、チューブ状、たとえば、円筒形または一般的に円筒形であってよい。チューブ状本体部3080は、円筒形、丸い形、セグメント分割形状、多角形、チューブ状、他の形状、またはそれらの組合せであってよく、すべて「チューブ状」というカテゴリの下で非排他的に包含される。チューブ状形状は、拡張構成において近位ストラット3082および遠位ストラット3086によって形成される。チューブ状形状は、また、拡張構成においてリキャプチャストラット3061の外側の湾曲した部分3066によって形成され得る。チューブ状形状は、半径方向外向きの力をフレーム3040上に加える発泡体本体部3002によっても形成され得る。したがって、フレーム3040は、近位円錐状セクションと円筒形作業長とを有し得る。いくつかの実施形態において、本体部3080は、たとえば遠位端が近位端より広いまたはその逆のときに、円錐または円錐台形であり得る。
【0251】
チューブ状本体部3080は、説明されているように「ランディングゾーン」と称され得る。このランディングゾーンは、拡張構成において、リキャプチャストラット3061への遷移点での、最も遠位の端部から最も近位の端部までの、本体部3080の軸方向長を指すものとしてよい。ランディングゾーンは、近位頂点3084から遠位頂点3088まで測定されたとおりの軸方向長を有するものとしてよい。ランディングゾーンの長さは、10mmまたは約10mmであってよい。ランディングゾーンは、約5mmから約15mm、約6mmから約14mm、約7mmから約13mm、約8mmから約12mm、約9mmから約11mm、または他の長さを有するものとしてよい。チューブ状本体部3080は、送達構成に関してデバイス3000の拡張後にわずかに短縮し得る。チューブ状本体部3080は、近位面3060の長さに比べて拡張後の短縮は著しく小さい。チューブ状本体部3080は、約5%以下、10%、15%、20%、または30%だけ短縮し得る。
【0252】
フレーム3040は、シースからの送達後に自己拡張する。近位面3060およびチューブ状本体部3080は自己拡張する。拡張後、チューブ状本体部3080の半径方向外向き部分は、LAA壁の組織と接触し、発泡体本体部3002をLAA壁の組織に押し付ける。チューブ状本体部3080、たとえば、近位ストラット3082および遠位ストラット3086は側壁3014の内面3018と接触して側壁3014を圧迫し、側壁3014の外面3016がLAA壁と接触し圧迫する。
【0253】
LAA壁に押し付けられると、発泡体本体部3002は、骨格フレーム3040の構成要素より大きい「フットプリント」をもたらし、完全なシールを形成する。したがって、側壁3014は力散逸層として働き、ストラット3082、3086のそれぞれの面積だけと比べて広い面積(たとえば、ストラット3082、3086の半径方向外向きの表面の面積だけと比べて広い面積)にわたってフレーム3040のストラット3082、3086から半径方向の力を広げる。本体部3002内の発泡体材料の使用および2.5mmなどのその発泡体の厚さは、この点に関して、発泡体に比べて薄く、弾力性の低い材料を使用するデバイスに勝る利点をもたらす。たとえば、骨格フレームでLAA壁に押し付けられる薄い布または類似の材料は、半径方向の力を広げず、弛むか、または他の何らかの形で曲がることすらあり、ギャップを生じさせ、LAA壁の未封止部分を形成する。本明細書において説明されているような発泡体本体部3002は、LAA壁の形状をとり、完全な周上シールを形成し、フレーム3040から半径方向の力を広げ、発泡体本体部3002とのより強いシールを形成し、保持力を保つ。
【0254】
さらに、圧縮性本体部3002とともに本明細書において説明されているデバイス3000は、フレーム3040から必要な半径方向の力が小さいのでコンプライアント性を有する構造フレーム3040を許容する。たとえば、非圧縮性の布材料による既存のデバイスは、有効性の低いシールを有し、したがって、それらのデバイスの構造要素は、有効なシールを補償し確実にするためにより大きい半径方向の力を与えなければならず、その結果、コンプライアント性の低いデバイスとなる。対照的に、本発明のデバイス3000は、圧縮性の発泡体本体部3002を有することによってこの点に関して有利であり、他にもあるがとりわけ、有効なシールを形成しながら、フレーム3040からのより小さい半径方向の力、およびしたがってより良好なコンプライアント性をもたらすことができる。この構造的構成は、性能の利点に関してカスケード効果を有する。たとえば、デバイス3000のコンプライアンスは、本明細書においてさらに説明されているように他にも利点はあるがとりわけ利点として、有効なシールを形成しながら軸外れの送達を可能にする。
【0255】
フレーム3040は、一連の近位アンカー3090を備える。各近位アンカー3090は、それぞれの中間頂点3087から延在する。近位アンカー3090は、チューブ状本体部3080の他の部分から延在し得る。図示されているように、展開された構成において、近位アンカー3090は、チューブ状本体部3080から半径方向および近位に延在する。近位アンカー3090は、側壁3014の隣接する領域内に貫入し得る。近位アンカー3090は側壁3014の外面3106を貫通し、デバイス3000に隣接する組織を貫通し得る。
【0256】
フレーム3040は、一連の遠位アンカー3094を備える。各遠位アンカー3094は、それぞれの遠位頂点3088から延在する。遠位アンカー3094は、チューブ状本体部3080の他の部分から延在し得る。図示されているように、展開された構成において、遠位アンカー3094は、チューブ状本体部3080から半径方向および近位に延在する。遠位アンカー3094は、側壁3014の隣接する領域内に貫入し得る。遠位アンカー3094は側壁3014の外面3106を貫通し、デバイス3000に隣接する組織を貫通し得る。アンカー3090、3094は、組織と係合してデバイス3000の近位移動に抵抗するように近位方向で半径方向外向きに傾斜し得る。
【0257】
アンカー3090、3094は、細長構造部材である。アンカー3090、3094の先端部は、組織の係合および貫通を円滑にするように鋭利になっているものとしてよい。アンカー3090、3094は真っ直ぐであってよく、一般的にその局所的軸に沿って延在する。アンカー3090、3094は、チューブ状本体部3080に取り付ける湾曲したまたは他の真っ直ぐでない近位部分を有するものとしてよい。いくつかの実施形態において、アンカー3090、3094、またはその一部は、真っ直ぐでない、湾曲している、丸い、セグメント分割されている、他の軌跡、またはこれらの組合せであってよい。いくつかの実施形態において、組織係合の先端部は、湾曲しているものとしてよい。いくつかの実施形態において、アンカー3090、3094は、バーブ、フック、または他の特徴などの、アンカー3090、3094から遠ざかるように半径方向に延在する係合特徴を有し得る。
【0258】
アンカー3090、3094の断面は、矩形であってよい。いくつかの実施形態において、断面は、円形、丸い形状、丸くない形状、正方形、矩形、多角形、他の形状、またはこれらの組合せであってよい。断面は、アンカー3090、3094の長さに沿って均一であっても均一でなくてもよい。アンカー3090、3094は、厚さ約0.006"、幅約0.008"であってよい。アンカー3090、3094は、厚さが約0.003"から約0.009"まで、幅が約0.003"から約0.015"までの範囲にあるものとしてよい。アンカー3090、3094の断面は、遠位先端部に向かってサイズが縮小する、たとえば、先細りになるものとしてよい。
【0259】
いくつかの実施形態において、展開された構成におけるアンカー3090、3094は、デバイス3000から近位に延在する中心軸の一部に関して約30°の傾斜角度で傾いている。この傾斜角度は、約10度から約50°、約15°から約45°、約20°から約40°、約25°から約35°、または約30°であってよい。送達構成におけるアンカー3090、3094のこの傾斜角度は、展開された構成の場合よりも小さいものとしてよい。
【0260】
アンカー3090、3094は、様々な長さを有し得る。アンカー3090、3094の長さは、チューブ状本体部3080に接続する近位端からアンカーの遠位の組織係合先端部までの間で測定される。いくつかの実施形態において、アンカー3090、3094の長さは、約0.5mmから約10mm、約1mmから約9mm、約2mmから約8mm、約3mmから約7mm、約4mmから約6mm、約5mm、またはより長いもしくは短い他の長さであってよい。いくつかの実施形態において、アンカー3090、3094は、5mmの長さである。いくつかの実施形態において、アンカー3090、3094は、約5mmの長さである。いくつかの実施形態において、アンカー3090、3094は、少なくとも2.5mm、少なくとも3mm、少なくとも3.5mm、少なくとも4mm、少なくとも4.5mm、少なくとも5mm、またはそれ以上の長さを有する。アンカー3090、3094は、各々、同じまたは類似の長さを有し得る。いくつかの実施形態において、アンカー3090、3094は、同じ長さでなくてもよい。いくつかの実施形態において、近位アンカー3090のいくつかまたはすべては、遠位アンカー3094の長さのうちのいくつかまたはすべてより短いか、または長い長さを有していてもよい。
【0261】
拡張構成において、アンカー3090、3094は、圧迫されていない側壁3014の外側の長さだけ延在する。アンカー3090、3094のこの長さは、本体部3002の外面3016からアンカーの遠位先端部までアンカーの局所的長手方向軸に沿って測定される。アンカー3090、3094は、側壁3014および/またはカバー3100を貫通し、次いで、アンカー3090、3094が側壁3014および/またはカバー3100を所望の長さだけ超えて延在するように切り取られるものとしてよい。自由な無制約状態において、アンカー3090、3094は、側壁3014の外面3016を超えて約0.5mmだけ延在する。いくつかの実施形態において、自由な無制約状態において、アンカー3090、3094は、約0.1mmから約1.5mm、約0.2mmから約1.25mm、約0.3mmから約1.0mm、約0.4mmから約0.8mm、約0.5mmから約0.6mm、またはより長いもしくは短い他の長さにわたって側壁3014の外面3016を超えて延在する。送達構成のとき、または植え込み後などの、圧縮状態において、アンカー3090、3094は、側壁3014の外面3016を超えて約1.0mmだけ延在する。いくつかの実施形態において、圧縮状態において、アンカー3090、3094は、約0.25mmから約2.5mm、約0.5mmから約2mm、約0.75mmから約1.5mm、約0.875mmから約1.125mm、またはより長いもしくは短い他の長さにわたって側壁3014の外面3016を超えて延在する。
【0262】
アンカー3090、3094の幾何学的形状は、いくつかの利点をもたらす。たとえば、比較的長い長さでは、アンカー3090、3094を柔軟にできる。これは、デバイス3000がアンカー解除されおよび/または取り出される必要がある場合にLAA組織への傷を潜在的に小さく抑えることができる。アンカー3090、3094は、LAA内の軸外れ配向で強度の喪失の影響を受けにくい。さらに、アンカー3090、3094は引き抜きに対する高い抵抗性をもたらす。たとえば、デバイス3000は、LAAからの移動抵抗の少なくとも約0.5lbの力をもたらし得る。そのような引き出しテストは、以下でさらに説明されているように、生体外またはベンチトップモデルでシミュレートされ得る。
【0263】
例示されている実施形態におけるアンカー3090、3094は、2つの周上列に配置される。一方の列は、他方の遠位列の近位に配置される。各列は、10個のアンカーを各々有する。この構成は、たとえば、27mmの自由な無制約の外径で発泡体本体部3002を有するデバイス3000に組み込まれ得る。各列は、14個のアンカーを各々有し得る。この構成は、たとえば、35mmの自由な無制約の外径で発泡体本体部3002を有するデバイス3000に組み込まれ得る。いくつかの実施形態において、アンカー3090、3094の単一の列は、2個から24個、4個から22個、5個から20個、6個から18個、7個から16個、8個から15個、9個から14個、10個から13個のアンカー、またはそれより多いもしくは少ない数のアンカー3090もしくは3094を有するものとしてよい。いくつかの実施形態において、1つの列または2つより多い列のアンカーがあるだけでもよい。アンカー3090、3094は、単一の列で周上に相隔てて並び得る。
【0264】
複数の列のアンカー3090、3094を有する実施形態において、列は、図示されているように、周上でオフセットされてもよい。すなわち、デバイス3000の近位端または遠位端から見たときに、アンカー3090、3094は、軸の周りで互いから一定角度だけ相隔てて並ぶ。アンカー3090、3094は、周上でオフセットされなくてもよく、たとえば、説明されているように見たときに均等な角度で隔てて並ぶものとしてよい。アンカー3090、3094は、側壁3014の中間部分のところ、またはその近くで軸方向に配置される。アンカー3090、3094は、アンカー3090、3094の先端部が側壁3014の中間部分のところで隣接する組織まで延在するように配置され得る。アンカー3090、3094のオフセットおよび中間配置は、入口部の遠位にあるLAA組織との係合を確実にし得る。アンカー3090、3094を最大幅で配置することで、デバイス3000の安定性を増す。一般的に円筒形の形状のデバイス3000を使用することで、アンカー3090、3094はデバイス3000の最大直径上に効果的に載る。いくつかの実施形態において、アンカー3090、3094は、フレーム本体部3080の長さに沿って近位、遠位、または中心に配置され得る。いくつかの実施形態において、アンカー3090、3094は、オフセットされなくてもよく、および/または均等の角度で隔てて並ばなくてもよい。
【0265】
アンカー3090、3094は、引き出しテストによって実証されているように、既存のデバイスと比較して、有利な柔軟性をもたらし得る。たとえば、デバイス3000は、シミュレートされた組織モデルから、デバイス3000をモデルから近位に外向きに引くことによってデバイス3000を移動するのに必要な力を決定するためにテストされた。円形内径(ID)を有する低デュロメータシリコーンチューブがモデルとして使用された。自由な無制約状態における27mmの外径を持つ発泡体本体部3002を有するデバイス3000について、16.5mm、21mm、および25mmのIDを有するチューブがテストされた。既存のデバイスに対する引き出し力は著しく低下し、21mmのモデルまで上がるが、デバイス3000に対する力はわずかしか下がらない。
【0266】
最大直径(25mm)モデルでは、嵌合への干渉が多くない場合に、既存のデバイスに対する力は、アンカーがデバイスの後縁上でより小さい直径で載っているのでデバイスがモデル壁と係合しなくなるとともにゼロに近づく。デバイス3000は、一貫して、約0.7lbsの力で移動に抵抗する。引き出しに抵抗する摩擦は非常に小さいので、その力はアンカー3090、3094による抵抗をほとんど全体的に受ける。故障モードを調べるときに、すべてのデバイスは最終的に摺動してモデルから出始める。失敗した後、アンカー3090、3094は、スリップが始まる前に折り返されるか、または横に折れる。20個のアンカー3090、3094すべてを折り返すのに0.7lbsの力が必要であると仮定すると、アンカー毎の力は約0.035lbsと推定される。
【0267】
フレーム3040は、レーザー切断されるものとしてよい。チューブ状本体部3080は、単一のチューブからレーザー切断され得る。本体部3080は、約0.002"から約0.014"、または約0.008"の厚さを有するチューブから切断され得る。チューブは、約0.05"から約0.30"の外径(OD)を有し得る。チューブは、27mmのデバイス3000に対して0.124"の外径(OD)を有し得る(すなわち、デバイス3000の実施形態は無制約の自由な状態において27mmのODを持つ発泡体本体部3002を有する)。チューブは、35mmのデバイス3000に対して0.163"のODを有し得る(すなわち、デバイス3000の実施形態は無制約の自由な状態において35mmのODを持つ発泡体本体部3002を有する)。
【0268】
いくつかの実施形態において、本体部3080は、超弾性ニチノールチューブからレーザー切断されるが、形状記憶ニチノール、ステンレス鋼、MP35N、またはElgiloyなどの多数の他の生体適合性金属材料が利用されてもよい。フレーム3040は自己拡張可能である。いくつかの実施形態において、バルーン拡張可能フレーム3040が利用されることも可能である。それに加えて、本体部3080は、チューブからレーザー切断されるのとは反対に伸線から加工されることも可能である。
【0269】
図示されているように、デバイス3000の一実施形態は、10個の近位リキャプチャストラット3061および合計20個のアンカー3090、3094を有するフレーム3040を備え、発泡体本体部3002は27mmの外径を有する。いくつかの実施形態において、デバイス3000は、14個の近位リキャプチャストラット3061および合計28個のアンカー3090、3094を有するフレーム3040を備えるものとしてよく、発泡体本体部3002は35mmの外径を有する。
【0270】
一実施形態において、フレーム3040は、近位ハブ3050、テザーピン3051、10個または14個のリキャプチャストラット3061を備える前面、ひし形パターンの円筒形本体部3080、および20個もしくは28個のアンカー3090、3094を備える。フレームの近位面3060はリキャプチャを支持し、フレーム本体部3080は発泡体円筒形本体部3002を支持し、シリンダー上に配置されているアンカー3090、3094は塞栓形成への抵抗をもたらす。
【0271】
デバイス3000の設計は、多数の利点をもたらし、そのうちのいくつかはすでに説明されている。さらなる例として、フレーム3040は、限定はしないが、1)インプラントの半径方向剛性/コンプライアンス--フレーム3040は軸外れ植え込み、リキャプチャなどを許容するようにそのまま十分にコンプライアントである間に半径方向の剛性を増強する--、2)移動抵抗--フレーム3040は、説明されているように、高い引き出し強度をもたらす--、3)経カテーテル送達--フレーム3040は送達カテーテル内に圧縮されて押し込まれ、次いで送達されたときに完全に拡張し得る--、4)リキャプチャ--フレーム3040は展開後またはLAA内に植え込んだ後であっても送達カテーテル内へのリキャプチャ/取り出しを可能にする--、および5)機械的完全性--フレーム3040は鋭いおよび長期的な構造的完全性、たとえば、送達カテーテル内への装填、カテーテルからの展開、および繰り返し装填/疲労に耐える能力を有する--を含む多くの利点をもたらす。フレーム3040は、発泡体本体部3002がLAA組織を圧迫し最小限度の圧縮(オーバーサイジング)で封止およびアンカー固定を円滑にすることを可能にする適合構造体も備える。フレーム3040のその結果得られるコンプライアンスは、説明されているように、既存の解決手段に比べて良好なアンカー固定を提供する。
【0272】
さらなる例として、デバイス3000は、不規則な形状のLAA入口部および首部に対して封止する。たとえば、ニチノールフレーム3040とPTFEのコーティングおよびePTFEのカバー3100を有する発泡体本体部3002との組合せは、デバイス3000が滑らかな抗血栓性LA表面を形成しながら解剖学的構造に適合し、不規則な突出部および形状に対して封止する能力に寄与する。
【0273】
さらなる例として、デバイス3000は、制御された、安全な送達を行う。組み合わされたフレーム3040および発泡体本体部3002の設計では、拡張する速度を遅くすることによって制御された方式で送達を円滑にする。緩衝体3026は、インプラントをLAA内に送達するときに非侵襲的前縁部分として働き、傷を負わせる危険性を軽減する。使用者は、必要な場合に、デバイス3000のリキャプチャおよび再展開を行うことができる。送達カテーテルからデバイス3000への、さらに説明されているような柔軟なテザー3240取り付けは、デバイス3000を植え込みの直後に張力のない状態にし、それにより、使用者がデバイス3000を解放する前に最終的な適切な位置決めを確実にできるようにすることを可能にする。
【0274】
さらなる例として、デバイス3000は、簡素化された留置を行う。発泡体で覆われた円筒形設計は、さらに説明されているように、植え込み手技を簡素化するように設計されている、重大でない送達時の(たとえば、45度までの軸外れの展開を可能にすることによる)LAAの中心軸とデバイス3000の位置合わせを行う。
【0275】
さらなる例として、デバイス3000は、単純なサイズ決定を行う。この発泡体およびフレーム設計のおかげで、予想されるLAA構成および直径(たとえば、16から33mmのターゲットとなるLAA直径)の範囲を封止するために2つの直径(たとえば、27mmおよび35mm)があるだけでよい。発泡体およびフレームの適合性は、長さ20mmのインプラントをLAA内に10mmと短い深さまで嵌合させることを可能にする。デバイス3000のこの短いランディングゾーン要件(LAA深さ)と、インプラントの直径は2つあるだけでよいということとを組み合わせることで、厄介なエコーおよびCTサイズ決定の必要性を最小限度に抑えてLAAの広範な解剖学的構造の処置が可能になる。インプラントの適合性は、様々な解剖学的構造に適応可能である製品プラットフォームを簡単に使用できるよう円滑にするうえで重要なことである。
【0276】
さらなる例として、デバイス3000は、抗血栓性材料および設計を提供する。取り外し可能なテザーは、滑らかな、金属が使用されていない、表面をLA内に残す。抗血栓性材料(PTFEコーティング発泡体およびePTFEカバー)は、滑らかなLA面(金属製取り付け接続部がない)を形成し、抗血液凝固ニーズを低減し、抗血栓性を増強し、内皮化を促す。
【0277】
さらなる例として、デバイス3000は、薄い、低プロファイルアンカー3090、3094をデバイス3000の中点の周りに設けて、安全なそれでも非侵襲的なアンカー固定を実現する。
【0278】
4.遠位緩衝体
発泡体本体部3002は、遠位緩衝体3026を有する。緩衝体3026は、側壁3014の遠位部分などの、本体部3002の発泡体遠位領域であってよい。緩衝体3026は、フレーム3040の遠位端3044を超えて延在する発泡体本体部3002の一部であってよい。緩衝体3026は、送達構成および展開された構成においてフレーム3040の遠位端3044を超えて延在し得る。本体部3002は、本体部3002がいくつかの実施形態において、たとえば、送達構成において伸長し得るように様々な配置でフレーム3040に取り付けられ、それにより、緩衝体3026が送達時にシースを最初に引き込んだ後フレーム3040を超えて延在することを確実にするものとしてよい。
【0279】
デバイス3000は、発泡体本体部3002とフレーム3040の両方の適合性により長さおよび直径の両方について適合し得る。これは、デバイス3000が本明細書において説明されているような27mmおよび35mmの外径の本体部3002などの、デバイス3000の2、3のまたはいくつかの異なるサイズのみを有する、および20mmなどの1つの長さを有するほとんどの患者LAA解剖学的構造に適応することを可能にする。フレーム3040は、したがって発泡体本体部3002よりも短くてもよく、その結果、いくつかの実施形態において、発泡体緩衝体3026のうちの約5mmがフレーム3040の最も遠位の端部の遠位にある。遠位緩衝体3026は、デバイス3000の送達時に非侵襲的先端部として働き、植え込みの後に圧迫され、それにより、デバイス3000が10mmと短い深さ(ランディングゾーン)の付属物に適合することを可能にすることができる。長さおよび直径の両方に適合できるのは、発泡体本体部3002とフレーム3040の両方の適合性による。
【0280】
緩衝体3026の長さは、フレーム3040の最も遠位の端部から本体部3002の遠位表面3022まで軸方向に測定され得る。たとえば、緩衝体3026は、遠位頂点3088から遠位表面3022まで延在し得る。緩衝体3026は、5mmまたは約5mmの長さを有するものとしてよい。緩衝体3026は、約1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、またはそれ以上の長さを有するものとしてよい。緩衝体3026は、約2.5mmから約7.5mm、約3mmから約7mm、約3.5mmから約6.5mm、約4mmから約6mm、約4.5mmから約5.5mmまでの長さを有するものとしてよい。
【0281】
5.キャップ&ピン
図90A~
図90Cは、キャップ3180を有するフレーム3040の近位斜視図である。
図90Dは、キャップ3180を示す遠位斜視図である。いくつかの実施形態において、ピン3051は、近位ハブ3050の直径上に留置され、送達カテーテルのテザー3240(たとえば、縫合糸)と係合する働きをし、これは送達カテーテル3220に一時的に取り付けるためにピン3051に巻き付けられ、これはたとえば
図89A~
図89Bに関して本明細書においてさらに説明されているとおりである。図示されているように、ハブ3050は、ハブ3050の側壁を貫通する一対の対向する側部開口部3053を有する。キャップ3180は、キャップ3180の側壁3184を貫通する対応する一対の対向する側部開口部3190を有する。キャップ3180がハブ3050とともに組み立てられるときに、ピン3051は、位置合わせされた対の開口部3053、3182に挿通され得る。アセンブリは、ピン3051の端部をハブ3050に溶接することによってさらにしっかり固定され得る。
【0282】
図90Dに示されているように、キャップ3180は、近位端3182および遠位端3184を備える。キャップ3180は、近位端3182から遠位端3184まで延在する丸形側壁3186を備える。側壁3186は、キャップ3180を通る長手方向開口部3188を画定する。側壁3186は、互いに対向して配置されている一対の横方向開口部3190を備える。キャップ3180は、半径方向外向きに延在する近位端3182のところにフランジ3192を備える。
【0283】
キャップ3180は、チタンから形成され、ピン3051は、ニチノールまたは超弾性ニチノールから形成される。いくつかの実施形態において、キャップ3180および/またはピン3051は、他の材料、たとえば、形状記憶ニチノール、ステンレス鋼、MP35N、Elgiloy、ポリカーボネート、ポリサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、またはポリメチルメタクリレート(PMMA)、または他の材料などの多数の生体適合性金属製またはポリマー材料から形成され得る。
【0284】
キャップ3180はテザー3240への取り付けを円滑にするものである。キャップ3180およびピン3051は、また、デバイス3000のリキャプチャ時に発泡体本体部3002への損傷を軽減する。キャップ3180は、また、フレーム3040のハブ3050に対する非侵襲的表面を形成する。たとえば、キャップ3180は、デバイス3000がアクセスシース内に折り畳まれるときにハブ3050が発泡体本体部3002を切り開くのを防ぎ得る。キャップ3180がないと、ハブ3050の鋭い縁が、デバイス3000のアクセスシース内へのリキャプチャ時に発泡体本体部3002を剪断する。
【0285】
6.装填システム
図91は、デバイス3000を送達カテーテル3220内に装填するための装填システム3200の一実施形態を示す側面図である。システム3200は、装填ツール3210を備える。装填ツール3210は、遠位開口部3213を有する円錐部分3212と、円筒形部分3214とを有する。送達カテーテル3220は、円筒形部分3214を貫通し、送達カテーテル3220の遠位端3222は円筒形部分3214内に配置される。プッシャー3230は送達カテーテル3220を貫通する。テザー3240(
図92を参照)は、デバイス3000に取り付けられ、装填ツール3210、送達カテーテル3220、およびプッシャー3230を貫通する。テザー3240およびプッシャー3230は、送達カテーテル3230および装填ツール3210が動かないように抑えられている間に近位方向に引き込まれる。デバイス3000は、デバイス3000が装填ツール3210を通してテザー3240によって近位に引かれるときに円錐部分3212によって横方向に圧縮される。プッシャー3230の遠位端3232は、デバイス3000が送達カテーテル3220内に装填されるときにデバイス3000の近位端3004に隣接したままとなる。取り外し可能なテザー3240は、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)から加工されるものとしてよく、インプラントを送達カテーテルに取り付けるために使用される。
【0286】
いくつかの実施形態において、装填ツール3210の円錐部分3212は、約45°~75°(度)、好ましくは60°の面取り遠位縁を有する。いくつかの実施形態において、円錐部分3212は、デバイス3000の外径(OD)より大きい遠位内径(ID)、理想的には15°と25°との間、および一実装形態では、約20°の角度を有し、30°または約30°の角度で発泡体本体部3002の表面から突き出るものとしてよいアンカー3090、3094を適切に折り畳む。装填ツール3210の段階的な先細りは、たとえば、フレーム3040が交差または余計なひずみなしで均一に折り畳まれることを確実にする。
【0287】
7.送達システム
図92は、デバイス3000を送達するための送達システム3201の概略を示す側面図である。送達システム3000は、遠位端3222と近位端3224とを有する送達カテーテル3220を備える。送達システム3000は、遠位端3232と近位端3234とを有するプッシャー3230を備える。テザー3240は、第1の端部3242と第2の端部3244とを備える。拘束部3246は、第1の端部3242および第2の端部3244を固定する。
【0288】
デバイス3000をLAAに送達するために、アクセスシースが心房中隔を横切ってLAA内に留置され、そこを通してデバイス3000を収容する送達カテーテル3220が留置される。デバイス3000は、製造時点において、または処置部位のいずれかにおいて、装填ツール3210を使用して送達カテーテル3220の遠位端3222内に装填される。インプラント装填するために、プレッシャーおよびテザーは近位に引かれ、送達カテーテルの先端部に入るときにインプラントを折り畳む。装填される送達カテーテルがシースを通してLAA内に留置された後、送達カテーテルおよびアクセスシースが同時に近位に引っ込められるときにプッシャーロッドが静止状態に保持され、インプラントを展開する。
【0289】
テザー3220は、送達カテーテル3220の近位端から、カテーテルプッシャー3230を通り、インプラントテザーピン3051の周りに置かれ、送達カテーテル3220を通して戻される。テザー3230の両端(カテーテルの近位端のところで拘束部3246によって一緒に保持される)が引かれると、デバイス3000は送達カテーテル3220内に引き込まれる。デバイス3000が解剖学的構造内に適切に留置された後、テザー3240の一端が切断され、テザー全体3240がシステムから取り外され、ピン3051から係脱し得る。
【0290】
8.テザー解放システム
図93Aおよび
図93Bは、テザー解放システム3400の、それぞれ、近位斜視図および遠位斜視図である。解放システム3400は、チューブ3420およびロック3402を備える。チューブ3420は、近位端3422と遠位端3424とを有する。開口部3426は、チューブ3420を貫通する。
【0291】
ロック3402は、近位端3404と遠位端3406とを備える。側壁3409によって画定される開口部3408は、ロック3402を貫通して近位端3404から遠位端3406まで延在する。チューブ3420はロック3402の近位端3404のところの開口部3408を貫通し、開口部3408の遠位端3406まで延在する。ロック3402の側壁3409は、近位端3404から遠位端3406まで長手方向に延在し、側壁3409の厚さ部分を半径方向に部分的に貫通する第1の溝3410を有する。ロック3402の側壁3409は、近位端3404から部分的に側壁3409に沿って遠位端3406の方へ長手方向に延在し、側壁3409の厚さ部分を半径方向に部分的に貫通する第2の溝3412を有する。
【0292】
テザー3240は、第1の端部3243と第2の端部3245とを備える。テザー3240は、チューブ3240の開口部3426内の第1の端部3243から遠位に延在し、チューブ3420の遠位端3424を通りキャップ3180へ出る。テザー3240は、キャップ3180の開口部3188内に遠位に延在し、ピン3051の周りに延在し、近位方向に戻る。次いで、テザー3240は、ロック3402の第1の溝3410内に近位に貫入し、ロック3402の近位端3404の周りに延在し、次いで第2の溝3412内に遠位に入り、第2の溝3412を貫通する。テザー3240は、結び目3247内の第2の端部3245のところで終端する。
【0293】
使用時に、結び目3247は、送達カテーテル3230の内側のチューブ4320およびプッシャー3230の相対的位置により固定され得る。結び目3247は、送達カテーテル3230の遠位端の内径がロック3402の外径にぴったり嵌るので遠位に前進するのを妨げられ得る。プッシャー3420は、第2の溝3412を露出させ、結び目3247を拘束から解放するように遠位に前進させられ得る。テザー3240の近位端が近位に引かれたときに、結び目3247は第2の溝3412を通って遠位に摺動し、ロック3402の近位端3404の周りに前進し、第1の溝3410を通って遠位に前進し、キャップ3180内に入り、ピン3051の周りに進み、次いで、ロック3402の開口部3408を通って遠位に進み、プッシャー3230で取り出され得る。
【0294】
9.軸外れ送達および展開
デバイス3000は、完全な安定した非侵襲的シールを形成しながらLAA内で軸外れに展開され得る。いくつかの実施形態において、デバイス3000は、少なくとも約15°または25°の角度で、いくつかの実施形態では、たとえば中心長手方向LAA軸に関して35°または45°程度の展開されるものとしてよく、それでも効果的なシールをもたらす。LAA軸はここでは、LAAへの入口部の幾何学的中心として定義され、LAA空洞の最良適合幾何学的中心を辿る。
【0295】
デバイス3000が軸外れに展開されることができることは、一部は、相対的に厚い、圧縮可能な発泡体本体部3002材料、コンプライアントフレーム3040、および発泡体緩衝体3026を備えるデバイス3000の円筒形形状によるものである。デバイス3000は、直径より小さい長さを有する、またはL/D<1を有するにも関わらずLAA内で安定している。説明されているように、長さは27mmおよび35mmの両方のODを有するデバイス3000に対して20mmであるものとしてよい。したがって、製造プロセスにより柔軟であることおよび単純であることが1つの長さを有することで許容されるだけでなく、使用中のデバイスの安定性および有効性も得られる。さらに、緩衝体3026の軸方向圧縮性は、軸方向コンプライアントフレーム3040と組み合わさって、長さ20mmのデバイス3000が10mmの深さのLAA内に留置されることを可能にするが、既存のLAA閉鎖デバイスはより長いランディングゾーン、または少なくとも金属フレームの長さのサイズに等しいランディングゾーンを必要とする。
【0296】
本開示で説明されている実装形態への様々な修正は、当業者にはたやすく理解できるであろうし、また本明細書で定義されている一般原理は、本開示の精神または範囲から逸脱することなく他の実装形態にも適用され得る。したがって、本開示は、本明細書で示した実装形態に限定されることを意図されておらず、請求項と、本明細書で開示されている原理および新規の特徴とに一致する、最も広い範囲を与られるべきである。「例」という単語は、本明細書では、「一例、事例、または例示として使用する」ことを意味するためにもっぱら使用される。本明細書において「例」として説明されているいかなる実装形態も、断りのない限り、必ずしも他の実装形態よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。
【0297】
本明細書において別々の実装形態の文脈で説明されているいくつかの特徴は、単一の実装形態において組み合わされて実現され得る。また、逆に、単一の実装形態に関して説明した様々な特徴は、複数の実装形態において別個に、あるいは任意の好適な部分組合せで実装され得る。さらに、特徴は、いくつかの組合せで働くものとして上記で説明され、初めにそのように請求されることさえあるが、請求される組合せからの1つまたは複数の特徴は、場合によってはその組合せから削除され得、請求される組合せは、部分組合せ、または部分組合せの変形形態を対象とし得る。
【0298】
同様に、動作は特定の順序で図面に示されているが、そのような動作は、望ましい結果を達成するために、示される特定の順序でもしくは順番に実行される必要がないことを、またはすべての図示の動作が実行される必要があるとは限らないことを、理解されたい。それに加えて、他の実装形態は、請求項の範囲内に収まる。いくつかの場合において、請求項に記載されている動作は、異なる順序で実行されてもよく、しかも望ましい結果を達成することができる。
【0299】
当業者であれば、一般に、本明細書で使用されている言い回しは、「制約のない」言い回し(たとえば、「含むこと」という言い回しは、「限定はしないが、含むこと」と解釈すべきであり、「有する」という言い回しは、「少なくとも有する」と解釈すべきであり、「含む」という言い回しは、「限定はしないが、含む」と解釈すべきである、など)として一般的に意図されていることを理解するであろう。さらに、当業者であれば、導入される請求項列挙の特定の数が意図されている場合、そのような意図は、請求項内で明示的に記載され、そのような列挙がない場合は、そのような意図は存在しないことを理解するであろう。たとえば、理解の助けとして、付属の請求項に、導入句「少なくとも1つの」および「1つまたは複数の」を入れて請求項列挙を導入することができる。しかし、英語原文において、このような語句を使用したとしても、不定冠詞「a」または「an」による請求項列挙の導入によって、たとえその請求項が導入句「1つまたは複数の」または「少なくとも1つの」、および「a」または「an」などの不定冠詞を含むとしても、そのような導入される請求項列挙を含む特定の請求項がそのような列挙を1つしか含まない実施形態に制限されることを意味すると解釈すべきではなく(たとえば、「a」および/または「an」は、典型的には、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」を意味すると解釈されるべきである)、請求項列挙を導入するために使用される定冠詞の使用についても同じことが成り立つ。それに加えて、特定の数の導入される請求項列挙が明示的に記載されるとしても、当業者であれば、そのような列挙は、典型的には、少なくとも記載されている数を意味するものと解釈すべきであることを理解するであろう(たとえば、他に修飾子を付けない「2つの列挙」という飾りのない列挙は、典型的には、少なくとも2つの列挙、または2つ以上の列挙を意味する)。さらに、「A、B、およびCなどのうちの少なくとも1つ」に類似の慣例的言い回しが使用される場合、一般的に、このような構文は、当業者がこの慣例的言い回しを理解するという意味で意図されたものである(たとえば、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定はしないが、Aだけ、Bだけ、Cだけ、AおよびBを一緒に、AおよびCを一緒に、BおよびCを一緒に、および/またはA、B、およびCを一緒に、などを有するシステムを含む)。「A、B、またはCなどのうちの少なくとも1つ」に類似の慣例的言い回しが使用される場合、一般的に、このような構文は、当業者がこの慣例的言い回しを理解するという意味で意図されたものである(たとえば、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定はしないが、Aだけ、Bだけ、Cだけ、AおよびBを一緒に、AおよびCを一緒に、BおよびCを一緒に、および/またはA、B、およびCを一緒に、などを有するシステムを含む)。さらに、当業者であれば、説明中であろうと、請求項中であろうと、図面中であろうと2つ以上の代替語を示す実質的に任意の離接語および/または語句は、複数の語のうちの1つ、複数の語いずれか、または両方の語を含む可能性を考えるものと理解されるべきであることを理解するであろう。たとえば、語句「AまたはB」は、「A」または「B」または「AおよびB」の可能性を含むと理解される。
【符号の説明】
【0300】
1 送達シース
5 送達カテーテル
10 デバイス
15 連続気泡発泡体本体部
17 スロット
20 スキン
25 中心内腔
30 フィニアル
100 心臓
101 内部係止システム
102 左心耳(LAA)
104 左心房(LA)
106 左心室
110 入口部
111 中心ハブ、中心チューブ
120 組織アンカー
121 組織係合セグメント
122 支持セグメント
125 近位領域
130 遠位領域
135 ヒンジ領域
140 係止解除システム
145 リング
147 プルロッド
200 LAA
201 LA
202 LA
204 閉塞デバイスまたはプラグ、インプラント、フォームプラグ
206 層、近位キャップ、封緘層、外側被覆
208 発泡体プラグ
210 放射線不透過性糸
212 中心内腔
214 通路
216 遠位クリンプ
300 発泡体プラグ
302 糸
304 クリンプ
400 プラグ
401 可撓性アンカー
404 ワイヤ
406 LAA
408 スクリューワイヤ
410 中心内腔
500 チューブ
502 スクリュー
504 LAA壁
506 心外膜面
600 発泡体プラグ
602 左心房面
604 ePTFE材料、層
606 チューブ状クリンプ
608 内側チューブ
610 LAA面
612 内側層
614 外側層
616 第1の端部
618 第2の端部
700 取付点
800 リム
802 ガイドカテーテル
804 LAA入口部
900 ガイドカテーテル
901 V字型先端部
902 ガイドワイヤ
904 LAA
1000 アンカー
1002 ガイドワイヤ
1003 中心内腔
1006 バルーン
1020 デバイス、インプラント、LAA閉塞デバイス
1022 近位(心房)端
1026 内部空洞
1028 拡張可能チューブ状壁、組織用足場、近位面取り部
1029 遠位伸長部
1030 組織用足場、チューブ状壁、レーザー切断チューブ、外側チューブ
1031 環状面取り部
1032 内部支持構造体、内部フレーム、一体成形ユニットフレーム、フレーム波形、ステントステントかご
1034 波形ステント、波形支持かご
1038 ストラット
1040 頂点、フォームプラグ、プラグ、フォームシリンダープラグ、内側チューブ、発泡体カッププラグ
1041 近位頂点
1042 遠位頂点
1044 リエントリーまたはリキャプチャストラット
1045 レーザー切断チューブ
1046 中心ハブ
1048 小穴
1050 開口
1060 王冠形状波形かご状ステント
1064' 近位面
1080 近位スポーク面、一体前スポーク面
1100 ガイドカテーテル、バーブもしくはアンカー、
1101 波V字型先端部
1102 放射線不透過性マーカー
1103 二波V字型先端部
1104 LAA
1108 ガイドワイヤ
1200 ガイドカテーテル
1201 LAA
1202 プッシャー
1203 近位部分
1204 発泡体プラグ
1210 ガイドワイヤ
1300 ガイドカテーテル
1301 プルワイヤ
1302 展開可能なアンカー
1304 中空制約要素、チューブ
1306 ヒンジ
1308 スロット
1400 ガイドカテーテル
1401 ロックワイヤ
1402 ガイド
1404 発泡体プラグ、プラグ
1405 展開可能なアンカー
1408 遠位バルーン
1412 シャフト
1500 ガイド
1502 シース、シースカバー
1504 係止ループ
1506 展開可能なアンカー
1508 ガイドワイヤバルーン
1514 接着剤
1600 発泡体、発泡体本体部
1601 外部展開可能アンカー
1602 金属ステント、ステント
1603 送達シース
1603 アンカー
1604 外部展開可能アンカー
1604' 近位面
1606 孔
1608 近位頂点
1610 遠位頂点
1612 ジグザグストラット
1700 発泡体プラグ
1701 ロッド
1702 ワイヤ
1703 ワイヤ
1704 空洞
1705 マウント
1706 近位端
1707 投げ縄
1708 テーパー付きコーン
1709 アンカー
1711 端部
1800 バネ様インプラントワイヤ
1801 アンカー
1802 発泡体
1803 マウント
1804 ロッド
1807 キャップ
1902 遠位クリンプ要素
2000 プラグ、バーブ、レーザー切断二重バーブ
2002 中心チューブ、ニチノールチューブ
2004 被覆、圧着部
2010 制約バーブ、バーブ
2020 動的バーブ、波形一体化バーブ、ヒンジ付きバーブ
2100 プラグ
2102 ガイドカテーテル
2104 チューブ
2106 プラグ
2202 発泡体材料、発泡体プラグ
2204 ガイドカテーテル
2206 プランジャ
2210 円板形状
2220 シリンダー
2300 インプラント
2302 バーブ
2304 プラグ
2310 アンカー
2320 発泡体
2350 インプラント
2360 非侵襲的発泡体先端部緩衝体
2370 インプラント、デバイス、発泡体
2371 バーブ/アンカー、バーブ
2372 波形ステント
2374 発泡体
2375 縫合糸
2380 金属製ステント類似フレーム
2381 遠位静的バーブ
2382 近位「減速バンプ」
2384 発泡体「カップ」
2385 付加材料
2390 波形またはジグザグ形または他のステント
2391 ループ、ループアンカー
2400 取り出し縫合糸
2402 近位キャップ
2404 ガイドカテーテル
2500 発泡体プラグ
2502 遠位スクリューリード
2504 カテーテルシステム
2506 カテーテルシステム、ガイド
2508 バードネスト
2510 カテーテルシステム、プッシャー
2600 発泡体プラグ
2602 アンカー
2604 バーブ付きリード
3000 デバイス、LAA閉塞デバイス
3002 発泡体本体部
3003 内部内腔
3004 近位端
3005 アブレーション要素
3006 遠位端
3007 圧力センサー
3008 近位面
3009 電線
3010 外面
3011 電子要素
3012 対向する内面
3013 信号
3014 側壁
3015 第2の電線
3016 外面
3017 薬物貯槽
3018 対向する内面
3019 導管
3020 遠位自由端
3021 薬物出口ポート
3022 遠位表面
3023 マーカー、白金イリジウム(PtIr)放射線不透過性(RO)チューブ状マーカー、近位および/または遠位マーカー
3024 遠位開口部
3025 電気的ペーシング要素
3026 緩衝体、遠位緩衝体
3027 電線
3028 空洞
3029 ペース発生器
3030 段部
3031 電線
3032 外面
3033 電池
3035 オーバーザワイヤバルーンカテーテル
3037 ガイドワイヤ
3039 バルーン
3040 展開可能コンプライアントフレーム、拡張可能な支持体またはフレーム、構造フレーム
3041 周上アブレーション要素
3042 近位端
3043 バルーン
3044 遠位端
3047 オーバーザワイヤ周上アブレーション螺旋状ワイヤ
3050 近位ハブ
3051 ピン、インプラントテザーピン
3053 側部開口部
3060 近位面
3061 リキャプチャまたはリエントリーストラット
3062 内側の湾曲した部分
3064 真ん中の真っ直ぐな部分
3066 外側の湾曲した部分
3080 チューブ状本体部
3082 近位ストラット
3084 近位頂点
3086 遠位ストラット
3087 中間頂点
3088 遠位頂点
3090 近位アンカー
3094 遠位アンカー
3100 近位カバー、近位面、ePTFEカバー
3102 近位面
3104 外側縁
3106 外側頂点
3120 開口部
3122 近位開口部
3124 側部開口部
3150 カバー
3152 近位面
3154 外側縁
3156 外側頂点
3170 開口部
3172 近位開口部
3174 側部開口部
3180 キャップ
3182 開口部、近位端
3184 側壁、遠位端
3186 丸形側壁
3188 長手方向開口部
3190 側部開口部、横方向開口部
3192 フランジ
3200 装填システム
3210 装填ツール
3212 円錐部分
3213 遠位開口部
3214 円筒形部分
3220 送達カテーテル、テザー
3222 遠位端
3224 近位端
3230 プッシャー、送達カテーテル、テザー
3232 遠位端
3234 近位端
3240 テザー、チューブ
3242 第1の端部
3243 第1の端部
3244 第2の端部
3245 第2の端部
3246 拘束部
3247 結び目
3300 カバー
3302 近位面
3304 外側縁
3306 外側頂点
3320 開口部
3322 近位開口部
3323 段部開口部
3324 側部開口部
3400 テザー解放システム
3402 ロック
3404 近位端
3406 遠位端
3408 開口部
3409 側壁
3410 第1の溝
3412 第2の溝
3420 チューブ、プッシャー
3422 近位端
3424 遠位端
3426 開口部
【手続補正書】
【提出日】2022-06-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左心耳閉塞デバイスであって、
閉じられた近位端と遠位端とを有する適合可能なチューブ状の発泡体本体部であって、前記近位端と前記遠位端との間に延在し、中心空洞を画定する圧縮性のある側壁を備える、発泡体本体部と、
前記側壁を圧迫して左心耳の壁に押し付けるように構成されている、前記発泡体本体部と結合されている拡張可能な支持体と、
を備える左心耳閉塞デバイス。
【請求項2】
前記圧縮性のある側壁は、複数の相互接続された網目および空隙を有し、さらに前記相互接続された網目の少なくとも一部にPTFEコーティングを備える発泡体を備える請求項1に記載の左心耳閉塞デバイス。
【請求項3】
前記閉じられた近位端は、発泡体端壁を備える請求項1に記載の左心耳閉塞デバイス。
【請求項4】
左心耳の側壁に適合するように構成されている自己拡張可能な非侵襲的閉塞デバイスであって、
チューブ状の発泡体側壁と中心空洞とを有する、圧縮性のある連続気泡発泡体本体部と、
前記中心空洞内の拡張可能な支持体と、
前記連続気泡発泡体本体部上の近位端壁とを備え、
前記近位端壁は、前記支持体の近位端の近位に位置決めされ、前記発泡体側壁は前記支持体の遠位端を越えて遠位に延在し、前記非侵襲的閉塞デバイスの中心長手方向軸が前記左心耳の主長手方向軸に非平行である植え込み部において前記支持体と前記左心耳の壁との間の接触を防ぐための遠位非侵襲的緩衝体を形成する自己拡張可能な非侵襲的閉塞デバイス。
【請求項5】
左心耳閉塞デバイスであって、
近位端と、遠位端と、チューブ状の側壁と、近位端壁とを有する拡張可能なチューブ状の発泡体カップであって、前記側壁は、少なくとも約1.0mmの厚さと、少なくとも約85%の開放空隙率の多孔率を有する拡張可能なチューブ状の発泡体カップと、
前記側壁を圧迫して左心耳の壁と接触して適合するように構成されている拡張可能なフレームと、
を備える左心耳閉塞デバイス。
【請求項6】
前記チューブ状の側壁は、抗血栓性コーティングを備える請求項5に記載の左心耳閉塞デバイス。
【請求項7】
前記近位端壁は、抗血栓性カバーを備える請求項5に記載の左心耳閉塞デバイス。
【請求項8】
前記フレームは、ハブへの近位方向で半径方向内向きに傾斜する少なくとも3つのリキャプチャストラットをさらに備える請求項5に記載の左心耳閉塞デバイス。
【請求項9】
圧縮性のあるチューブ状の発泡体壁を備える適合可能なLAA閉塞デバイスであって、前記発泡体壁は少なくとも約90%の空隙率、約250~500ミクロンの範囲内の平均細胞サイズ、少なくとも約2mmの壁厚、および少なくとも1psiの圧縮強度を有する網目状の架橋マトリクスを備える適合可能なLAA閉塞デバイス。
【請求項10】
前記側壁を圧迫して左心耳の壁に押し付けるように構成されている拡張可能な支持体をさらに備える請求項9に記載の適合可能なLAA閉塞デバイス。
【外国語明細書】