(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022116035
(43)【公開日】2022-08-09
(54)【発明の名称】アンダーボディシールド組成物及び向上した剥離強度を備えた物品、並びにこれらの使用方法
(51)【国際特許分類】
B32B 5/28 20060101AFI20220802BHJP
【FI】
B32B5/28 Z
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022078197
(22)【出願日】2022-05-11
(62)【分割の表示】P 2017559047の分割
【原出願日】2016-05-10
(31)【優先権主張番号】62/160,454
(32)【優先日】2015-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514102858
【氏名又は名称】ハンファ アズデル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ヤンカイ
(72)【発明者】
【氏名】メッシナ,アンソニー・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】メイソン,マーク・オゥ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】向上した剥離強度を備えたアンダーボディシールド材料を提供する。
【解決手段】複数の強化繊維と、ロフティング剤と、熱可塑性材料とを含む多孔質コア層を含む熱可塑性複合物品が提供される。ある事例においては、物品900は、コア層910の上に配置されているスキン層920、及びコア層とスキン層との間に配置されている接着層915を更に含む。いくつかの構成においては、接着層は、熱可塑性ポリマーと、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験されるスキン層とロフティング後コア層との間の成形後の剥離強度を少なくとも0.5N/cm(縦方向と横方向のうちの一方または両方)にするのに有効な量の熱硬化性材料と、を含む。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性ポリマーによって互いに結び付いている強化繊維のランダムな交差によって規定されるウェブオープンセル構造を含む熱可塑性コア層であって、前記コア層の熱への曝露の後の厚さを増加させてロフティング後コア層を得るのに有効なロフティング剤を更に含む熱可塑性コア層;
前記コア層の第1の表面の上に配置されているスキン材料;及び
前記コア層と前記スキン材料との間に配置されている接着層であって、熱可塑性ポリマーと、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験される前記スキン材料と前記ロフティング後コア層との間の成形後の剥離強度を少なくとも0.5N/cmにするのに有効な量の熱硬化性材料と、を含む接着層;
を含む、アンダーボディシールド組成物。
【請求項2】
前記接着層がフィルムではない接着層として存在する、請求項1に記載のアンダーボディシールド組成物。
【請求項3】
前記スキン材料が、生地、スクリム、フィルム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載のアンダーボディシールド組成物。
【請求項4】
前記繊維で強化されたポリマーコアが前記ポリマーコアの0体積%より大きく約95体積%までの空隙率を有する、請求項3に記載のアンダーボディシールド組成物。
【請求項5】
前記スキン材料が少なくとも65gsmの目付及び少なくとも20%の破断伸びを有する多孔質不織材料を含む、請求項1に記載のアンダーボディシールド組成物。
【請求項6】
前記スキン材料が前記ポリマーコアの平面状の表面全体の上に配置される、請求項1に記載のアンダーボディシールド組成物。
【請求項7】
前記スキン材料が、前記ポリマーコアの表面上にストリップとして配置される、請求項1に記載のアンダーボディシールド組成物。
【請求項8】
前記アンダーボディシールドが自動車の車台と結合するように構成及び配置される、請求項1に記載のアンダーボディシールド組成物。
【請求項9】
前記アンダーボディシールドが約3000gsm未満の目付を有する、請求項1に記載のアンダーボディシールド組成物。
【請求項10】
前記繊維で強化されたポリマーコアが前記コアの約20体積%~約80体積%の空隙率を有する、請求項1に記載のアンダーボディシールド組成物。
【請求項11】
前記ポリマー樹脂の中に分散されている前記繊維が、約5ミクロン超の直径と、約5mm~約200mmの長さを有する繊維を含む、請求項1に記載のアンダーボディシールド組成物。
【請求項12】
前記ポリマー樹脂が、ポリオレフィン樹脂、熱可塑性ポリオレフィンブレンド樹脂、ポリビニルポリマー樹脂、ブタジエンポリマー樹脂、アクリルポリマー樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリルスチレンポリマー樹脂、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテル樹脂
、ポリエーテルケトン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、並びにこれらのコポリマー及び混合物からなる群から選択される、請求項1に記載のアンダーボディシールド組成物。
【請求項13】
前記コアの前記繊維が、ガラス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、合成有機繊維、無機繊維、天然繊維、鉱物繊維、金属繊維、金属化無機繊維、金属化合成繊維、セラミック繊維、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載のアンダーボディシールド組成物。
【請求項14】
前記接着層の前記熱可塑性ポリマーがポリオレフィンを含む、請求項1に記載のアンダーボディシールド組成物。
【請求項15】
前記接着層の前記熱硬化性材料が前記接着層の50重量%未満で存在する、請求項14に記載のアンダーボディシールド組成物。
【請求項16】
前記熱硬化性材料が少なくとも1つのエポキシ基を含むエポキシ接着剤である、請求項15に記載のアンダーボディシールド組成物。
【請求項17】
前記コア層の第2の表面上に配置されている追加的なスキン材料と、前記追加的なスキン材料と前記コア層との間に配置されている第2の接着層を更に含み、前記第2の接着層は、熱可塑性ポリマーと、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験される前記追加的なスキン材料と前記ロフティング後コア層との間の剥離強度を少なくとも0.5N/cmにするのに有効な量の熱硬化性材料と、を含む、請求項1に記載のアンダーボディシールド組成物。
【請求項18】
前記第2の接着層の前記熱可塑性ポリマーがポリオレフィンを含む、請求項17に記載のアンダーボディシールド組成物。
【請求項19】
前記第2の接着層の前記熱硬化性材料が前記第2の接着層の50重量%未満で存在する、請求項18に記載のアンダーボディシールド組成物。
【請求項20】
前記第2の接着層の前記熱硬化性材料がエポキシ基を含むかエポキシ接着剤である、請求項19に記載のアンダーボディシールド組成物。
【請求項21】
熱可塑性ポリマーによって互いに結び付いている強化繊維のランダムな交差によって規定されるウェブオープンセル構造を含む熱可塑性コア層であって、前記オープンセル構造の中に非共有結合的に結合しているロフティング剤を更に含み、前記ロフティング剤が、前記コア層の熱への曝露の後の厚さを増加させて前記コア層のロフティング前の厚さよりも少なくとも50%大きい厚さのロフティング後コア層を得るのに有効な組成物材料を含む、熱可塑性コア層;
前記コア層の第1の表面の上に配置されているスクリム;及び
前記コア層と前記スクリム材料との間に配置されている接着層であって、熱可塑性ポリマーと熱硬化性材料とのブレンド物を含んでおり、前記ブレンド物が1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験される前記スクリム材料と前記ロフティング後コア層との間の剥離強度を少なくとも0.5N/cmにするのに有効である接着層;
を含む、アンダーボディシールド組成物。
【請求項22】
前記接着層がフィルムではない接着層として存在する、請求項21に記載のアンダーボディシールド組成物。
【請求項23】
前記スクリムの上に配置されているスキン材料を更に含む、請求項21に記載のアンダーボディシールド組成物。
【請求項24】
前記繊維で強化されたポリマーコアが前記ポリマーコアの0体積%より大きく約95体積%までの空隙率を有する、請求項23に記載のアンダーボディシールド組成物。
【請求項25】
前記スクリムが少なくとも65gsmの目付及び少なくとも20%の破断伸びを有する多孔質不織材料を含む、請求項21に記載のアンダーボディシールド組成物。
【請求項26】
前記スクリムが前記ポリマーコアの平面状の表面全体の上に配置される、請求項21に記載のアンダーボディシールド組成物。
【請求項27】
前記スクリムが、前記ポリマーコアの表面上にストリップとして配置される、請求項21に記載のアンダーボディシールド組成物。
【請求項28】
前記アンダーボディシールドが自動車の車台と結合するように構成及び配置される、請求項21に記載のアンダーボディシールド組成物。
【請求項29】
前記アンダーボディシールドが約3000gsm未満の目付を有する、請求項21に記載のアンダーボディシールド組成物。
【請求項30】
前記繊維で強化されたポリマーコアが前記コアの約20体積%~約80体積%の空隙率を有する、請求項21に記載のアンダーボディシールド組成物。
【請求項31】
前記ポリマー樹脂の中に分散されている前記繊維が、約5ミクロン超の直径と、約5mm~約200mmの長さを有する繊維を含む、請求項21に記載のアンダーボディシールド組成物。
【請求項32】
前記ポリマー樹脂が、ポリオレフィン樹脂、熱可塑性ポリオレフィンブレンド樹脂、ポリビニルポリマー樹脂、ブタジエンポリマー樹脂、アクリルポリマー樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリルスチレンポリマー樹脂、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、並びにこれらのコポリマー及び混合物からなる群から選択される、請求項21に記載のアンダーボディシールド組成物。
【請求項33】
前記コアの前記繊維が、ガラス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、合成有機繊維、無機繊維、天然繊維、鉱物繊維、金属繊維、金属化無機繊維、金属化合成繊維、セラミック繊維、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項21に記載のアンダーボディシールド組成物。
【請求項34】
前記ブレンド物の前記熱可塑性ポリマーがポリオレフィンを含む、請求項21に記載のアンダーボディシールド組成物。
【請求項35】
前記ブレンド物の前記熱硬化性材料が前記接着層の50重量%未満で存在する、請求項34に記載のアンダーボディシールド組成物。
【請求項36】
前記熱硬化性材料がエポキシ基を含むかエポキシ接着剤である、請求項35に記載のア
ンダーボディシールド組成物。
【請求項37】
前記コア層の第2の表面上に配置されているスキン材料と、前記スキン材料と前記コア層との間に配置されている第2の接着層を更に含み、前記第2の接着層は、熱可塑性ポリマーと熱硬化性材料とのブレンド物を含んでおり、前記第2の接着層は、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験される前記スキン材料と前記ロフティング後コア層との間の剥離強度を少なくとも0.5N/cmにするのに有効である、請求項21に記載のアンダーボディシールド組成物。
【請求項38】
前記第2の接着層の前記熱可塑性ポリマーがポリオレフィンを含む、請求項37に記載のアンダーボディシールド組成物。
【請求項39】
前記第2の接着層の前記熱硬化性材料が前記第2の接着層の50重量%未満で存在する、請求項38に記載のアンダーボディシールド組成物。
【請求項40】
前記第2の接着層の前記熱硬化性材料がエポキシ基を含むかエポキシ接着剤である、請求項39に記載のアンダーボディシールド組成物。
【請求項41】
熱可塑性ポリマーと、強化繊維と、ロフティング剤とを含む第1の層であって、前記第1の層は前記第1の層が硬化した後にオープンセル構造のウェブを含むコア層を形成するのに有効であり、前記オープンセル構造のウェブは、前記ウェブの前記オープンセル構造の中に捕捉されている前記ロフティング剤と共に前記熱可塑性ポリマーによって互いに結び付けられている前記強化繊維のランダムな交差によって規定され、前記ロフティング剤は、前記コア層の熱への曝露の後の厚さを増加させてロフティング後コア層を得るのに有効である、第1の層;
前記第1の層の上に配置されており、熱可塑性ポリマーと熱硬化性材料とのブレンド物を含む接着層;及び、
前記接着層の上に配置されているスキン材料;
を含むプリプレグであって、前記接着層が、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験される前記スキン材料と前記ロフティング後コア層との間の剥離強度を少なくとも0.5N/cmとするのに有効である、プリプレグ。
【請求項42】
前記接着層がフィルムではない接着層として存在する、請求項41に記載のプリプレグ。
【請求項43】
前記スキン材料が、生地、スクリム、フィルム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項41に記載のプリプレグ。
【請求項44】
前記繊維で強化されたポリマーコアが前記ポリマーコアの0体積%より大きく約95体積%までの空隙率を有する、請求項43に記載のプリプレグ。
【請求項45】
前記スキン材料が少なくとも65gsmの目付及び少なくとも20%の破断伸びを有する多孔質不織材料を含む、請求項41に記載のプリプレグ。
【請求項46】
前記スキン材料が前記ポリマーコアの平面状の表面全体の上に配置される、請求項41に記載のプリプレグ。
【請求項47】
前記スキン材料が、前記ポリマーコアの表面上にストリップとして配置される、請求項41に記載のプリプレグ。
【請求項48】
前記プリプレグが、前記プリプレグから形成されたアンダーボディシールドを自動車の車台と取り外し可能に結合できるように構成及び配置された少なくとも1つの開口を含む、請求項41に記載のプリプレグ。
【請求項49】
前記プリプレグが約3000gsm未満の目付を有する、請求項41に記載のプリプレグ。
【請求項50】
前記繊維で強化されたポリマーコアが前記コアの約20体積%~約80体積%の空隙率を有する、請求項41に記載のプリプレグ。
【請求項51】
前記ポリマー樹脂の中に分散されている前記繊維が、約5ミクロン超の直径と、約5mm~約200mmの長さを有する繊維を含む、請求項41に記載のプリプレグ。
【請求項52】
前記ポリマー樹脂が、ポリオレフィン樹脂、熱可塑性ポリオレフィンブレンド樹脂、ポリビニルポリマー樹脂、ブタジエンポリマー樹脂、アクリルポリマー樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリルスチレンポリマー樹脂、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、並びにこれらのコポリマー及び混合物からなる群から選択される、請求項41に記載のプリプレグ。
【請求項53】
前記コアの前記繊維が、ガラス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、合成有機繊維、無機繊維、天然繊維、鉱物繊維、金属繊維、金属化無機繊維、金属化合成繊維、セラミック繊維、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項41に記載のプリプレグ。
【請求項54】
前記接着層の前記熱可塑性ポリマーがポリオレフィンを含む、請求項41に記載のプリプレグ。
【請求項55】
前記接着層の前記熱硬化性材料が前記接着層の50重量%未満で存在する、請求項54に記載のプリプレグ。
【請求項56】
前記熱硬化性材料がエポキシ基を含むかエポキシ接着剤である、請求項55に記載のプリプレグ。
【請求項57】
前記コア層の第2の表面上に配置されている追加的なスキン材料と、前記追加的なスキン材料と前記コア層との間に配置されている第2の接着層を更に含み、前記第2の接着層は、熱可塑性ポリマーと、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験される前記追加的なスキン材料と前記ロフティング後コア層との間の剥離強度を少なくとも0.5N/cmにするのに有効な量の熱硬化性材料と、を含む、請求項41に記載のプリプレグ。
【請求項58】
前記第2の接着層の前記熱可塑性ポリマーがポリオレフィンを含む、請求項57に記載のプリプレグ。
【請求項59】
前記第2の接着層の前記熱硬化性材料が前記第2の接着層の50重量%未満で存在する、請求項58に記載のプリプレグ。
【請求項60】
前記第2の接着層の前記熱硬化性材料がエポキシ基を含むかエポキシ接着剤である、請求項59に記載のプリプレグ。
【請求項61】
熱可塑性ポリマー、強化繊維、及びロフティング剤を水溶液中で混ぜ合わせること;
前記強化繊維と前記ロフティング剤を前記熱可塑性ポリマー中に分散させるために、前記熱可塑性ポリマーと、前記強化繊維と、前記ロフティング剤とを含有する前記水溶液を混合して水性発泡分散液を得ること;
形成要素の上に前記水性発泡分散液を配置すること;
前記配置された水性発泡体から液体を除去することで前記熱可塑性ポリマーと、前記強化繊維と、前記ロフティング剤とを含むウェブを得ること;
前記ウェブの前記熱可塑性ポリマーの軟化温度より上まで前記ウェブを加熱すること;
前記加熱されたウェブの上に熱可塑性ポリマーと熱硬化性材料とを含む接着層を配置すること;並びに
前記配置された接着層の上にスキン材料を配置して複合プリプレグを得ること;
を含む、複合プリプレグの形成方法。
【請求項62】
前記複合プリプレグを所定の厚さまで圧縮して複合物品を形成することを更に含む、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記複合物品をロフティングして前記複合物品の厚さを増加させることを更に含む、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記接着層の前記熱硬化性材料を架橋して、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験される前記ロフティングされた複合物品の前記スキン材料についての剥離強度を少なくとも0.5N/cmにすることを更に含む、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記接着層の前記熱可塑性ポリマー及び前記接着層の前記熱硬化性材料を前記加熱されたウェブの上に同時噴霧することによって前記接着層を配置することを更に含む、請求項61に記載の方法。
【請求項66】
前記同時噴霧された接着層の前記熱硬化性材料を架橋して、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験される前記ロフティングされた複合物品の前記スキン材料についての剥離強度を少なくとも0.5N/cmにすることを更に含む、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記加熱されたウェブの上に前記接着層を配置する前に、前記接着層の前記熱可塑性ポリマーと前記接着層の前記熱硬化性材料とをブレンドすることを更に含む、請求項61に記載の方法。
【請求項68】
前記接着性ブレンド物を含む前記配置された接着層を架橋して、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験される、前記ロフティングされた複合物品の前記スキン材料についての剥離強度を少なくとも0.5N/cmにすることを更に含む、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記加熱されたウェブの上に前記接着性ブレンド物をローラーで延ばして前記接着層を設けることを更に含む、請求項67に記載の方法。
【請求項70】
前記ローラーで延ばされた接着性ブレンド物を架橋して、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験される、前記ロフティングされた前記複合物品の前
記スキン材料についての剥離強度を少なくとも0.5N/cmにすることを更に含む、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
熱可塑性ポリマー、強化繊維、及びロフティング剤を水溶液中で混ぜ合わせること;
前記強化繊維と前記ロフティング剤を前記熱可塑性ポリマー中に分散させるために、前記熱可塑性ポリマーと、強化繊維と、ロフティング剤とを含有する前記水溶液を混合して水性発泡分散液を得ること;
形成要素の上に前記水性発泡分散液を配置すること;
前記配置された水性発泡体から液体を除去することで前記熱可塑性ポリマーと、前記強化繊維と、前記ロフティング剤とから形成されるウェブを含むコア層を得ること;
前記コア層の前記熱可塑性ポリマーの軟化温度より上まで前記コア層を加熱すること;
前記コア層の上に熱可塑性ポリマーと熱硬化性材料とを含む接着層を配置すること;
前記配置された接着層の上にスキン材料を配置して複合物品を得ること;並びに
前記コア層の厚さを増加させるため及び1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験される、前記配置されているスキン材料と前記ロフティングされたコア層との間の剥離強度を少なくとも0.5N/cmにするために、熱を用いて前記複合物品の前記コア層をロフティングすること;
を含む、複合物品の形成方法。
【請求項72】
前記コア層のロフティングの前に、前記複合物品を所定の厚さまで圧縮することを更に含む、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記接着層の前記熱硬化性材料を架橋させることを更に含む、請求項71に記載の方法。
【請求項74】
前記接着層の前記熱可塑性ポリマー及び前記接着層の前記熱硬化性材料を前記加熱されたウェブの上に同時噴霧することによって前記接着層を配置することを更に含む、請求項71に記載の方法。
【請求項75】
前記同時噴霧された接着層の前記熱硬化性材料を架橋させることを更に含む、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記コア層の上に前記接着層を配置する前に、前記接着層の前記熱可塑性ポリマーと前記接着層の前記熱硬化性材料とをブレンドすることを更に含む、請求項71に記載の方法。
【請求項77】
前記接着性ブレンド物を含む前記配置された接着層を架橋することを更に含む、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記コア層の上に前記接着性ブレンド物をローラーで延ばして前記接着層を設けることを更に含む、請求項76に記載の方法。
【請求項79】
前記ローラーで延ばされた接着層の前記接着剤ブレンド物を架橋することを更に含む、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記コア層の第2の表面上に第2の接着層を配置すること;及び、前記配置された第2の接着層の上に第2のスキン材料を配置すること;を更に含む、請求項71に記載の方法。
【請求項81】
熱可塑性ポリマー、強化繊維、及びロフティング剤を水溶液中で混ぜ合わせること;
前記強化繊維と前記ロフティング剤を前記熱可塑性ポリマー中に分散させるために、前記熱可塑性ポリマーと、前記強化繊維と、前記ロフティング剤とを含有する前記水溶液を混合して水性発泡分散液を得ること;
形成要素の上に前記水性発泡分散液を配置すること;
前記配置された水性発泡体から液体を除去することで前記熱可塑性ポリマーと、前記強化繊維と、前記ロフティング剤とを含むウェブを得ること;
前記ウェブの前記熱可塑性ポリマーの軟化温度より上まで前記ウェブを加熱すること;
前記加熱されたウェブの第1の表面上に熱可塑性ポリマーと熱硬化性材料とを含む接着層を配置すること;並びに
前記配置された接着層の上にスクリムを配置して複合物品を得ること;
を含む、複合物品の形成方法。
【請求項82】
前記複合プリプレグを所定の厚さまで圧縮して前記複合物品を形成することを更に含む、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
前記複合物品をロフティングして前記複合物品の厚さを増加させることを更に含む、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記接着層の前記熱硬化性材料を架橋して、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験される前記ロフティングされた複合物品の前記スクリムについての剥離強度を少なくとも0.5N/cmにすることを更に含む、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記接着層の前記熱可塑性ポリマー及び前記接着層の前記熱硬化性材料を前記加熱されたウェブの上に同時噴霧することによって前記接着層を配置することを更に含む、請求項81に記載の方法。
【請求項86】
前記同時噴霧された接着層の前記熱硬化性材料を架橋して、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験される前記ロフティングされた複合物品の前記スクリムについての剥離強度を少なくとも0.5N/cmにすることを更に含む、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記加熱されたウェブの上に前記接着層を配置する前に、前記接着層の前記熱可塑性ポリマーと前記接着層の前記熱硬化性材料とをブレンドすることを更に含む、請求項81に記載の方法。
【請求項88】
前記接着性ブレンド物を含む前記配置された接着層を架橋して、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験される、前記ロフティングされた複合物品の前記スクリムについての剥離強度を少なくとも0.5N/cmにすることを更に含む、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記加熱されたウェブの上に前記接着性ブレンド物をローラーで延ばして前記接着層を設けることを更に含む、請求項87に記載の方法。
【請求項90】
前記ローラーで延ばされた接着性ブレンド物を架橋して、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験される、前記ロフティングされた複合物品の前記スクリムについての剥離強度を少なくとも0.5N/cmにすることを更に含む、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
自動車の路面騒音の低減方法であって、前記方法は熱可塑性ポリマーによって互いに結
び付いている強化繊維のランダムな交差によって規定されるウェブオープンセル構造を含む熱可塑性コア層を含むアンダーボディシールドを提供することを含み、前記熱可塑性コア層は前記コア層の熱への曝露の後の厚さを増加させてロフティング後コア層を得るのに有効なロフティング剤を更に含み、スキン層材料が前記コア層の第1の表面の上に配置されており、接着層が前記コア層と前記スキン材料との間に配置されており、前記接着層は、熱可塑性ポリマーと、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験される前記スキン材料と前記ロフティング後コア層との間の剥離強度を少なくとも0.5N/cmにするのに有効な量の熱硬化性材料と、を含む、方法。
【請求項92】
前記アンダーボディシールドを成形するための指示書を提供することを更に含む、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
前記アンダーボディシールドの前記コア層をロフティングするための指示書を提供することを更に含む、請求項91に記載の方法。
【請求項94】
前記自動車に前記アンダーボディシールドを連結するように構成された少なくとも1つの留め具を提供することを更に含む、請求項91に記載の方法。
【請求項95】
前記自動車に前記アンダーボディシールドを取り付けるための指示書を提供することを更に含む、請求項91に記載の方法。
【請求項96】
自動車の路面騒音の低減方法であって、前記方法は、熱可塑性ポリマーと、強化繊維と、ロフティング剤とを含む第1の層を含むプリプレグを提供することを含み、前記第1の層は前記第1の層が硬化した後にオープンセル構造のウェブを形成するのに有効であり、前記ウェブオープンセル構造は、前記ウェブの前記オープンセル構造の中に捕捉されている前記ロフティング剤を有する前記熱可塑性ポリマーによって互いに結び付けられている前記強化繊維のランダムな交差によって規定され、前記ロフティング剤は、前記コア層の熱への曝露の後の厚さを増加させてロフティング後コア層を得るのに有効であり、接着層が前記第1の層の上に配置されており、前記接着層は、熱可塑性ポリマーと熱硬化性材料とのブレンド物を含んでおり、前記接着層の上にスキン材料が配置されており、前記接着層は、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験される、前記スキン材料と前記ロフティング後コア層との間の剥離強度を少なくとも0.5N/cmとするのに有効である、方法。
【請求項97】
前記プリプレグを硬化してアンダーボディシールドを形成するための指示書を提供することを更に含む、請求項96に記載の方法。
【請求項98】
前記プリプレグを成形してアンダーボディシールドを形成するための指示書を提供することを更に含む、請求項96に記載の方法。
【請求項99】
前記プリプレグの前記接着層を架橋させるための指示書を提供することを更に含む、請求項96に記載の方法。
【請求項100】
前記コア層をロフティングするための指示書を提供することを更に含む、請求項96に記載の方法。
【請求項101】
ロフティング剤を含む繊維で強化されたポリマーコアと、前記繊維で強化されたポリマーコアの第1の表面の少なくとも一部に配置されているスキン材料とを含む複合材料であって、前記スキン材料が少なくとも65gsmの目付及び少なくとも20%の破断伸びを有し、接着層が前記スキン材料と前記ポリマーコアとの間に配置されており、前記接着層
は、熱可塑性材料と、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験される前記スキン材料についてのロフティング後の剥離強度を少なくとも0.5N/cmにするのに有効な量の熱硬化性材料と、を含む、複合材料。
【請求項102】
前記スキン材料が、生地、スクリム、フィルム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項101に記載の複合材料。
【請求項103】
前記繊維で強化されたポリマーコアが、前記ポリマーコアの0体積%より大きく約95体積%までの空隙率を有する、請求項102に記載の複合材料。
【請求項104】
前記繊維で強化されたポリマーコアが、ポリマー樹脂の中に配置されている繊維を含む、請求項102に記載の複合材料。
【請求項105】
前記スキン材料が、少なくとも65gsmの目付及び少なくとも20%の破断伸びを有する多孔質不織材料を含む、請求項101に記載の複合材料。
【請求項106】
前記スキン材料が、前記ポリマーコアの平面状の表面全体の上に配置される、請求項101に記載の複合材料。
【請求項107】
前記スキン材料が、前記ポリマーコアの表面上にストリップとして配置される、請求項101に記載の複合材料。
【請求項108】
前記複合材料が、車両のパネルとして構成及び配置される、請求項101に記載の複合材料。
【請求項109】
前記複合材料が、車両のアンダーボディパネルとして構成及び配置される、請求項101に記載の複合材料。
【請求項110】
前記複合材料が、自動車の外装部品として構成及び配置される、請求項101に記載の複合材料。
【請求項111】
前記複合材料が、自動車の内装部品として構成及び配置される、請求項101に記載の複合材料。
【請求項112】
前記自動車の内装部品がヘッドライナーであり、前記スキン層の上に配置されている装飾層を含む、請求項111に記載の複合材料。
【請求項113】
前記複合材料が約3000gsm未満の目付を有する、請求項101に記載の複合材料。
【請求項114】
前記繊維で強化されたポリマーコアが、前記コアの約20体積%~約80体積%の空隙率を有する、請求項101に記載の複合材料。
【請求項115】
前記繊維で強化されたポリマーコアが、前記コアの約30体積%~約70体積%の空隙率を有する、請求項101に記載の複合材料。
【請求項116】
前記繊維で強化されたポリマーコアの繊維含有率が前記ポリマー樹脂の約20重量%~約80重量%である、請求項104に記載の複合材料。
【請求項117】
前記ポリマー樹脂の中に分散されている前記繊維が、約5ミクロン超の直径と、約5m
m~約200mmの長さを有する繊維を含む、請求項104に記載の複合材料。
【請求項118】
前記ポリマー樹脂が、ポリオレフィン樹脂、熱可塑性ポリオレフィンブレンド樹脂、ポリビニルポリマー樹脂、ブタジエンポリマー樹脂、アクリルポリマー樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリルスチレンポリマー樹脂、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、並びにこれらのコポリマー及び混合物からなる群から選択される、請求項104に記載の複合材料。
【請求項119】
前記コアの前記繊維が、ガラス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、合成有機繊維、無機繊維、天然繊維、鉱物繊維、金属繊維、金属化無機繊維、金属化合成繊維、セラミック繊維、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項101に記載の複合材料。
【請求項120】
前記ポリマーコアの第2の表面上に配置されている追加的なスキン材料と、前記追加的なスキン材料と前記ポリマーコアとの間に配置されている第2の接着層とを更に含み、前記第2の接着層が、熱可塑性材料と、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験される前記追加的なスキン材料についてのロフティング後の剥離強度を少なくとも0.5N/cmにするのに有効な量の熱硬化性材料と、を含む、請求項101に記載の複合材料。
【請求項121】
ロフティング剤を含む繊維で強化されたポリマーコアと、前記繊維で強化されたポリマーコアの第1の表面上に配置されているスキン材料とを含む複合材料であって、前記スキン材料が少なくとも65gsmの目付及び少なくとも20%の破断伸びを有し、前記複合材料は、前記複合材料を突き破ることなしに曲げ工具試験法を使用して前記複合材料を少なくとも5cm有効に深絞りすることができ、前記複合材料は前記ポリマーコアと前記スキン材料との間に配置されている接着層を更に含み、前記接着層は、熱可塑性材料と、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験される前記スキン材料のロフティング後の剥離強度を少なくとも0.5N/cmにするのに有効な量の熱硬化性材料と、を含む、複合材料。
【請求項122】
前記スキン材料が、生地、スクリム、フィルム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項121に記載の複合材料。
【請求項123】
前記スキン材料が、多孔質不織材料、多孔質ニット材料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項121に記載の複合材料。
【請求項124】
前記複合材料が約3000gsm未満の目付を有する、請求項121に記載の複合材料。
【請求項125】
前記繊維で強化されたポリマーコアが、前記コアの約20体積%~約80体積%の空隙率を有する、請求項121に記載の複合材料。
【請求項126】
前記繊維で強化されたポリマーコアが、前記コアの約30体積%~約70体積%の空隙率を有する、請求項121に記載の複合材料。
【請求項127】
前記繊維で強化されたポリマーコアが、ポリマー樹脂の中に配置されている繊維を含む
、請求項121に記載の複合材料。
【請求項128】
前記繊維で強化されたポリマーコアの繊維含有率が前記ポリマー樹脂の約20重量%~約80重量%である、請求項127に記載の複合材料。
【請求項129】
前記ポリマー樹脂の中に分散されている前記繊維が、約5ミクロン超の直径と、約5mm~約200mmの長さを有する繊維を含む、請求項127に記載の複合材料。
【請求項130】
前記ポリマー樹脂が、ポリオレフィン樹脂、熱可塑性ポリオレフィンブレンド樹脂、ポリビニルポリマー樹脂、ブタジエンポリマー樹脂、アクリルポリマー樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリルスチレンポリマー樹脂、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、並びにこれらのコポリマー及び混合物からなる群から選択される、請求項127に記載の複合材料。
【請求項131】
成形時に溶融するのに有効な繊維で強化されたポリマーコアと、前記繊維で強化されたポリマーコア上に配置されているスキン材料とを含む成形前複合材料であって、前記スキン材料が少なくとも65gsmの目付及び少なくとも20%の破断伸びを有し、前記成形前複合材料は、前記ポリマーコアと前記スキン材料との間に配置されている接着層を更に含み、前記接着層は、熱可塑性材料と、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験される前記スキン材料についてのロフティング後の剥離強度を少なくとも0.5N/cmにするのに有効な量の熱硬化性材料と、を含む、成形前複合材料。
【請求項132】
前記複合材料が、前記複合材料を突き破ることなしに曲げ工具試験法を使用して前記複合材料を少なくとも5cm有効に深絞りすることができる、請求項131に記載の成形前複合材料。
【請求項133】
前記スキン材料が、生地、スクリム、フィルム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項131に記載の成形前複合材料。
【請求項134】
前記スキン材料が、多孔質不織材料、多孔質ニット材料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項131に記載の成形前複合材料。
【請求項135】
前記複合材料が約3000gsm未満の目付を有する、請求項131に記載の成形前複合材料。
【請求項136】
前記繊維で強化されたポリマーコアが、前記コアの約20体積%~約80体積%の空隙率を有する、請求項131に記載の成形前複合材料。
【請求項137】
前記繊維で強化されたポリマーコアが、ポリマー樹脂の中に配置されている繊維を含む、請求項131に記載の成形前複合材料。
【請求項138】
前記繊維で強化されたポリマーコアの繊維含有率が前記ポリマー樹脂の約20重量%~約80重量%である、請求項137に記載の成形前複合材料。
【請求項139】
前記ポリマー樹脂の中に分散されている前記繊維が、約5ミクロン超の直径と、約5mm~約200mmの長さを有する繊維を含む、請求項137に記載の成形前複合材料。
【請求項140】
前記ポリマー樹脂が、ポリオレフィン樹脂、熱可塑性ポリオレフィンブレンド樹脂、ポリビニルポリマー樹脂、ブタジエンポリマー樹脂、アクリルポリマー樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリルスチレンポリマー樹脂、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、並びにこれらのコポリマー及び混合物からなる群から選択される、請求項137に記載の成形前複合材料。
【請求項141】
繊維で強化されたポリマーコアと、前記繊維で強化されたポリマーコア上に配置されているスキン材料とを含む成形された複合材料であって、前記スキン材料が少なくとも65gsmの目付及び少なくとも20%の破断伸びを有し、前記成形された複合材料は成形プロセスにより形成され、前記成形された複合材料は前記ポリマーコアと前記スキン材料との間に配置されている接着層を更に含み、前記接着層は、熱可塑性材料と、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験される前記スキン材料についての成形後かつロフティング後の剥離強度を少なくとも0.5N/cmにするのに有効な量の熱硬化性材料と、を含む、成形された複合材料。
【請求項142】
前記複合材料が前記成形プロセスにより形成された約5cmより深い領域を含む、請求項141に記載の成形された複合材料。
【請求項143】
前記スキン材料が、生地、スクリム、フィルム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項141に記載の成形された複合材料。
【請求項144】
前記スキン材料が、多孔質不織材料、多孔質ニット材料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項141に記載の成形された複合材料。
【請求項145】
前記複合材料が約3000gsm未満の目付を有する、請求項141に記載の成形された複合材料。
【請求項146】
前記繊維で強化されたポリマーコアが、前記コアの約20体積%~約80体積%の空隙率を有する、請求項141に記載の成形された複合材料。
【請求項147】
前記繊維で強化されたポリマーコアが、ポリマー樹脂の中に配置されている繊維を含む、請求項141に記載の成形された複合材料。
【請求項148】
前記繊維で強化されたポリマーコアの繊維含有率が前記ポリマー樹脂の約20重量%~約80重量%である、請求項147に記載の成形された複合材料。
【請求項149】
前記ポリマー樹脂の中に分散されている前記繊維が、約5ミクロン超の直径と、約5mm~約200mmの長さを有する繊維を含む、請求項147に記載の成形された複合材料。
【請求項150】
前記ポリマー樹脂が、ポリオレフィン樹脂、熱可塑性ポリオレフィンブレンド樹脂、ポリビニルポリマー樹脂、ブタジエンポリマー樹脂、アクリルポリマー樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリルスチレンポリマー樹脂、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂
、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、並びにこれらのコポリマー及び混合物からなる群から選択される、請求項147に記載の成形された複合材料。
【請求項151】
ポリマー樹脂、並びにポリマー樹脂の中にそれぞれ分散されている強化繊維及びロフティング剤を含む、繊維で強化されたコア層であって、前記繊維で強化されたポリマーコア材料が前記ポリマーコア材料の0体積%より大きく約95体積%までの空隙率を有する、繊維で強化されたコア層;
前記繊維で強化されたコア層の第1の表面に設けられている多孔質不織スキン材料であって、前記スキン材料が少なくとも65gsmの目付及び少なくとも20%の破断伸びを有する、多孔質不織スキン材料;並びに、
前記繊維で強化されたコア層と前記多孔質不織スキン材料との間に配置されている接着層であって、熱可塑性材料と、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験される前記スキン材料についてのロフティング後の剥離強度を少なくとも0.5N/cmにするのに有効な量の熱硬化性材料と、を含む接着層;
を含む、繊維で強化された複合材料。
【請求項152】
前記複合材料が車両のパネルの形態である、請求項151に記載の複合材料。
【請求項153】
前記複合材料が、車両のアンダーボディパネル、自動車の内装もしくは外装部品、または自動車のヘッドライナーである、請求項151に記載の複合材料。
【請求項154】
前記複合材料が、アンダーボディパネル、RV車パネル、自動車車体パネル、自動車壁パネル、RV車の壁もしくは床パネル、またはキャンピングカー側壁パネルから選択されるパネルである、請求項151に記載の複合材料。
【請求項155】
前記複合材料が約3000gsm未満の目付を有する、請求項151に記載の複合材料。
【請求項156】
前記繊維で強化されたポリマーコア材料が、前記熱可塑性材料の約20体積%~約80体積%の空隙率を有する、請求項151に記載の複合材料。
【請求項157】
前記繊維で強化されたポリマーコア材料が、前記熱可塑性材料の約30体積%~約70体積%の空隙率を有する、請求項156に記載の複合材料。
【請求項158】
前記繊維で強化されたポリマーコア材料の繊維含有率が、前記ポリマー樹脂の約20重量%~約80重量%である、請求項151に記載の複合材料。
【請求項159】
前記ポリマー樹脂の中に分散されている前記繊維が、約5ミクロン超の直径と、約5mm~約200mmの長さを有する繊維を含む、請求項151に記載の複合材料。
【請求項160】
前記ポリマー樹脂が、ポリオレフィン、熱可塑性ポリオレフィンブレンド、ポリビニルポリマー、ブタジエンポリマー、アクリルポリマー、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレンポリマー、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテル、ポリエーテルケトン、ポリアセタール、ポリウレタン、ポリベンズイミダゾール、並びにこれらのコポリマー及び混合物からなる群から選択される、請求項151に記載の複合材料。
【請求項161】
前記繊維が、ガラス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、合成有機繊維、無機繊維、天然繊維、鉱物繊維、金属繊維、金属化無機繊維、金属化合成繊維、セラミック繊維、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項151に記載の複合材料。
【請求項162】
前記ポリマーコアが、
強化繊維及びポリマー樹脂を撹拌されている液体含有発泡体に添加してポリマー樹脂と強化繊維との分散混合物を形成すること;
強化繊維とポリマー樹脂との前記分散混合物を形成用支持要素の上に堆積させること;液体を排出してウェブを形成すること;
前記ポリマー樹脂の前記軟化温度より上まで前記ウェブを加熱すること;及び、
所定の厚さまで前記ウェブを圧縮してポリマー材料を形成すること;
を含む方法によって作製される、請求項151に記載の複合材料。
【請求項163】
前記スキン材料が、ポリオレフィン、熱可塑性ポリオレフィンブレンド、ポリビニルポリマー、ブタジエンポリマー、アクリルポリマー、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレンポリマー、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテル、ポリエーテルケトン、ポリアセタール、ポリウレタン、ポリベンズイミダゾール、並びにこれらのコポリマー及び混合物から選択されるポリマー樹脂を含む、請求項151に記載の複合材料。
【請求項164】
前記スキン材料が、ガラス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、合成有機繊維、無機繊維、天然繊維、鉱物繊維、金属繊維、金属化無機繊維、金属化合成繊維、セラミック繊維、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される繊維を更に含む、請求項163に記載の複合材料。
【請求項165】
前記接着剤の前記熱可塑性材料がポリオレフィンを含み、前記熱硬化性材料がエポキシ基を含むかエポキシ接着剤である、請求項151に記載の複合材料。
【請求項166】
前記接着剤が連続的なフィルムではない接着層である、請求項165に記載の複合材料。
【請求項167】
前記スキン材料が、ニードルパンチ、水流交絡処理、スピンボンディング、熱ボンディング、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される方法を使用して製造される、請求項165に記載の複合材料。
【請求項168】
前記多孔質不織スキン材料が生地である、請求項151に記載の複合材料。
【請求項169】
前記多孔質不織スキン材料がフィルムである、請求項151に記載の複合材料。
【請求項170】
前記ポリマーコアと前記不織スキン材料との間に配置されている中間層を更に含む、請求項151に記載の複合材料。
【請求項171】
強化繊維、ポリマー樹脂、及びロフティング剤を、撹拌されている液体含有発泡体に添加して、ポリマー樹脂とロフティング剤と強化繊維との分散混合物を形成すること;
強化繊維とポリマー樹脂との前記分散混合物を形成用支持要素の上に堆積させること;
前記液体を排出してウェブを形成すること;
前記ポリマー樹脂の軟化温度より上まで前記ウェブを加熱すること;
所定の厚さまで前記ウェブを圧縮してポリマー材料を形成すること;
前記圧縮されたウェブの上に接着剤を配置すること;並びに、
前記配置された接着層の上にスキン材料を配置することであって、前記配置された接着層は、熱可塑性材料と、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験される前記配置されたスキン材料についてのロフティング後の剥離強度を少なくとも0.5N/cmにするのに有効な量の熱硬化性材料と、を含むこと;
を含む、複合材料の形成方法。
【請求項172】
熱可塑性材料及び熱硬化性材料を前記圧縮されたウェブ上に同時噴霧することによって前記圧縮されたウェブの上に前記接着層を配置することを更に含む、請求項171に記載の複合材料。
【請求項173】
前記熱可塑性材料と前記熱硬化性材料とを含む混合物を噴霧することによって前記圧縮されたウェブの上に前記接着剤を配置することを更に含む、請求項171に記載の複合材料。
【請求項174】
強化繊維、ポリマー樹脂、及びロフティング剤を、撹拌されている液体含有発泡体に添加して、ポリマー樹脂とロフティング剤と強化繊維との分散混合物を形成すること;
強化繊維とポリマー樹脂との前記分散混合物を形成用支持要素の上に堆積させること;
前記液体を排出してウェブを形成すること;
前記ポリマー樹脂の軟化温度より上まで前記ウェブを加熱すること;
所定の厚さまで前記ウェブを圧縮してポリマー材料を形成すること;
前記圧縮されたウェブの上に接着剤を配置すること;
前記配置された接着剤の上に前記スキン材料を配置して、ロフティング前の複合材料を得ることであって、前記配置された接着剤が熱可塑性材料と熱硬化性材料を含むこと;並びに、
ロフティング後の複合材料を得るために、及び、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験される前記配置されたスキン材料についてのロフティング後の剥離強度を少なくとも0.5N/cmにするために、前記ロフティング前の複合材料をロフティングすること;
を含む、複合材料の形成方法。
【請求項175】
熱を用いて前記ロフティング前の複合材料をロフティングすることを更に含む、請求項174に記載の方法。
【請求項176】
対流式赤外オーブンを使用して前記熱を供給することを更に含む、請求項175に記載の方法。
【請求項177】
フレーム;
前記フレームと結合している車体;及び、
前記フレームと結合している請求項1~40のいずれか1項に記載の前記組成物、前記フレームと結合している請求項41~60のいずれか1項に記載の前記プリプレグを含むアンダーボディシールド、または前記フレームと結合している請求項101~170のいずれか1項に記載の前記複合材料を含むアンダーボディシールド;
を含む車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権出願
本出願は、2015年5月12日に出願された米国仮特許出願No.62/160,454に関連し、これらに基づく優先権及び利益を主張するものであり、ここにおいてこの開示全体は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、向上した剥離強度を備えたアンダーボディシールド材料に関する。より詳しくは、本明細書に記載のある実施形態は、複合物品を提供するための、コア層と、コア層上の接着層と、接着層の上に配置されているスキン層とを含むアンダーボディシールド材料に関し、この複合物品は後処理により向上した剥離強度を有する。
【背景技術】
【0003】
自動車及び建設資材用途のための物品は、典型的には数多くの競合する厳しい性能仕様を満たすように設計される。製造時の物品の加工は、しばしば物品の損傷または破損を生じさせる場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書においては、スキン層と、その下にあるプリプレグまたはコア層との間に向上した剥離強度を備えた、多層アセンブリ及びその構成要素に関する特定の構造が述べられる。
【0005】
ある態様によれば、熱可塑性ポリマーによって互いに結び付いている強化繊維のランダムな交差によって規定されるウェブオープンセル構造を含む熱可塑性コア層であって、コア層の熱への曝露の後の厚さを増加させてロフティング後コア層を得るのに有効なロフティング剤を更に含む熱可塑性コア;コア層の第1の表面の上に配置されているスキン材料;及び、コア層とスキン材料との間に配置されている接着層であって、熱可塑性ポリマーと、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験されるスキン材料とロフティング後コア層との間の成形後の剥離強度を少なくとも0.5N/cm(縦方向と横方向のうちの一方または両方)にするのに有効な量の熱硬化性材料と、を含む接着層;を含む、アンダーボディ組成物が提供される。
【0006】
ある事例においては、接着層は、フィルムではない接着層として存在する。別の構造においては、スキン材料は、生地、スクリム、フィルム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの例においては、繊維で強化されたポリマーコアは、ポリマーコアの0体積%より大きく約95体積%までの空隙率を有する。追加的な例においては、スキン材料は、少なくとも65gsm(グラム毎平方メートル)の目付及び少なくとも20%の破断伸びを有する多孔質不織材料を含む。いくつかの実施形態においては、スキン材料はポリマーコアの平面状の表面全体の上に配置される。別の事例においては、スキン材料はポリマーコアの表面上にストリップとして配置される。いくつかの例においては、アンダーボディシールドは、自動車の車台と結合するように構成及び配置される。追加的な実施形態においては、アンダーボディシールドは約3000gsm未満の目付を有する。いくつかの例においては、繊維で強化されたポリマーコアは、コアの約20体積%~約80体積%の空隙率を有する。ある事例においては、ポリマー樹脂の中に分散されている繊維は、約5ミクロン超の直径と、約5mm~約200mmの長さを有する繊維を含む。いくつかの例においては、ポリマー樹脂は、ポリオレフィン樹脂、熱可塑性ポリオレフ
ィンブレンド樹脂、ポリビニルポリマー樹脂、ブタジエンポリマー樹脂、アクリルポリマー樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリルスチレンポリマー樹脂、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、並びにこれらのコポリマー及び混合物からなる群から選択される。別の例においては、コアの繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、合成有機繊維、無機繊維、天然繊維、鉱物繊維、金属繊維、金属化無機繊維、金属化合成繊維、セラミック繊維、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。ある事例においては、接着層の熱可塑性ポリマーはポリオレフィンを含む。いくつかの実施形態においては、接着層の熱硬化性材料は、接着層の50重量%未満で存在する。ある例においては、熱硬化性材料は、少なくとも1つのエポキシ基を含むエポキシ接着剤である。別の実施形態においては、組成物はコア層の第2の表面上に配置されている追加的なスキン材料と、追加的なスキン材料とコア層との間に配置されている第2の接着層を更に含み、第2の接着層は、熱可塑性ポリマーと、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験される追加的なスキン材料とロフティング後コア層との間の剥離強度を少なくとも0.5N/cmにするのに有効な量の熱硬化性材料と、を含む。いくつかの事例においては、第2の接着層の熱可塑性ポリマーはポリオレフィンを含む。別の事例においては、第2の接着層の熱硬化性材料は第2の接着層の50重量%未満で存在する。いくつかの実施形態においては、第2の接着層の熱硬化性材料はエポキシ基を含むかエポキシ接着剤である。
【0007】
別の態様においては、熱可塑性ポリマーによって互いに結び付いている強化繊維のランダムな交差によって規定されるウェブオープンセル構造を含む熱可塑性コア層であって、オープンセル構造の中に非共有結合的に結合しているロフティング剤を更に含み、ロフティング剤がコア層の熱への曝露の後の厚さを増加させてコア層のロフティング前の厚さよりも少なくとも50%大きい厚さのロフティング後コア層を得るのに有効な組成物材料を含む、熱可塑性コア層;コア層の第1の表面の上に配置されているスクリム;及び、コア層とスクリム材料との間に配置されている接着層であって、熱可塑性ポリマーと熱硬化性材料とのブレンド物を含んでおり、ブレンド物が1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験されるスクリム材料とロフティング後コア層との間の剥離強度を少なくとも0.5N/cm(縦方向と横方向のうちの一方または両方)にするのに有効である接着層;を含むアンダーボディシールド組成物、が述べられる。
【0008】
ある例においては、接着層は、フィルムではない接着層として存在する。別の例においては、組成物はスクリムの上に配置されているスキン材料を更に含む。いくつかの事例においては、繊維で強化されたポリマーコアは、ポリマーコアの0体積%より大きく約95体積%までの空隙率を有する。別の実施形態においては、スクリムは少なくとも65gsmの目付及び少なくとも20%の破断伸びを有する多孔質不織材料を含む。いくつかの例においては、スクリムはポリマーコアの平面状の表面全体の上に配置される。別の実施形態においては、スクリムはポリマーコアの表面上にストリップとして配置される。いくつかの例においては、アンダーボディシールドは、自動車の車台と結合するように構成及び配置される。ある実施形態においては、アンダーボディシールドは約3000gsm未満の目付を有する。別の例においては、繊維で強化されたポリマーコアは、コアの約20体積%~約80体積%の空隙率を有する。いくつかの実施形態においては、ポリマー樹脂の中に分散されている繊維は、約5ミクロン超の直径と、約5mm~約200mmの長さを有する繊維を含む。ある事例においては、ポリマー樹脂は、ポリオレフィン樹脂、熱可塑性ポリオレフィンブレンド樹脂、ポリビニルポリマー樹脂、ブタジエンポリマー樹脂、アクリルポリマー樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ
エステルカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリルスチレンポリマー樹脂、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、並びにこれらのコポリマー及び混合物からなる群から選択される。いくつかの実施形態においては、コアの繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、合成有機繊維、無機繊維、天然繊維、鉱物繊維、金属繊維、金属化無機繊維、金属化合成繊維、セラミック繊維、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。ある例においては、ブレンド物の熱可塑性ポリマーはポリオレフィンを含む。いくつかの実施形態においては、ブレンド物の熱硬化性材料は、接着層の50重量%未満で存在する。別の例においては、熱硬化性材料は、エポキシ基を含むかエポキシ接着剤である。ある事例においては、組成物はコア層の第2の表面上に配置されているスキン材料と、スキン材料とコア層との間に配置されている第2の接着層を含み、第2の接着層は、熱可塑性ポリマーと熱硬化性材料とのブレンド物を含んでおり、第2の接着層は、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験されるスキン材料とロフティング後コア層との間の剥離強度を少なくとも0.5N/cmにするのに有効である。いくつかの例においては、第2の接着層の熱可塑性ポリマーはポリオレフィンを含む。いくつかの実施形態においては、第2の接着層の熱硬化性材料は第2の接着層の50重量%未満で存在する。ある事例においては、第2の接着層の熱硬化性材料はエポキシ基を含むかエポキシ接着剤である。
【0009】
追加的な態様においては、熱可塑性ポリマーと、強化繊維と、ロフティング剤とを含む第1の層であって、第1の層は第1の層が硬化した後にオープンセル構造のウェブを含むコア層を形成するのに有効であり、オープンセル構造のウェブは、ウェブのオープンセル構造の中に捕捉されているロフティング剤と共に熱可塑性ポリマーによって互いに結び付けられている強化繊維のランダムな交差によって規定され、ロフティング剤は、コア層の熱への曝露の後の厚さを増加させてロフティング後コア層を得るのに有効である、第1の層;第1の層の上に配置されており、熱可塑性ポリマーと熱硬化性材料とのブレンド物を含む接着層;及び、接着層の上に配置されているスキン材料;を含むプリプレグであって、接着層が、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験されるスキン材料とロフティング後コア層との間の剥離強度を少なくとも0.5N/cm(縦方向と横方向のうちの一方または両方)とするのに有効である、プリプレグが述べられる。
【0010】
いくつかの構成においては、接着層は、フィルムではない接着層として存在する。別の事例においては、スキン材料は、生地、スクリム、フィルム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。ある実施形態においては、繊維で強化されたポリマーコアは、ポリマーコアの0体積%より大きく約95体積%までの空隙率を有する。別の実施形態においては、スキン材料は少なくとも65gsmの目付及び少なくとも20%の破断伸びを有する多孔質不織材料を含む。ある例においては、スキン材料はポリマーコアの平面状の表面全体の上に配置される。別の例においては、スキン材料はポリマーコアの表面上にストリップとして配置される。いくつかの事例においては、プリプレグは、プリプレグから形成されたアンダーボディシールドを自動車の車台と取り外し可能に結合できるように構成及び配置された少なくとも1つの開口を含む。ある実施形態においては、プリプレグは約3000gsm未満の目付を有する。いくつかの例においては、繊維で強化されたポリマーコアは、コアの約20体積%~約80体積%の空隙率を有する。いくつかの事例においては、ポリマー樹脂の中に分散されている繊維は、約5ミクロン超の直径と、約5mm~約200mmの長さを有する繊維を含む。別の実施形態においては、ポリマー樹脂は、ポリオレフィン樹脂、熱可塑性ポリオレフィンブレンド樹脂、ポリビニルポリマー樹脂、ブタジエンポリマー樹脂、アクリルポリマー樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニ
トリルスチレンポリマー樹脂、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、並びにこれらのコポリマー及び混合物からなる群から選択される。ある例においては、コアの繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、合成有機繊維、無機繊維、天然繊維、鉱物繊維、金属繊維、金属化無機繊維、金属化合成繊維、セラミック繊維、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。別の例においては、接着層の熱可塑性ポリマーはポリオレフィンを含む。いくつかの実施形態においては、接着層の熱硬化性材料は、接着層の50重量%未満で存在する。追加的な例においては、熱硬化性材料は、エポキシ基を含むかエポキシ接着剤である。いくつかの実施形態においては、プリプレグはコア層の第2の表面上に配置されている追加的なスキン材料と、追加的なスキン材料とコア層との間に配置されている第2の接着層を更に含み、第2の接着層は、熱可塑性ポリマーと、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験される追加的なスキン材料とロフティング後コア層との間の剥離強度を少なくとも0.5N/cmにするのに有効な量の熱硬化性材料と、を含む。別の実施形態においては、第2の接着層の熱可塑性ポリマーはポリオレフィンを含む。いくつかの事例においては、第2の接着層の熱硬化性材料は第2の接着層の50重量%未満で存在する。追加的な実施形態においては、第2の接着層の熱硬化性材料はエポキシ基を含むかエポキシ接着剤である。
【0011】
もう1つの態様においては、熱可塑性ポリマー、強化繊維、及びロフティング剤を水溶液中で混ぜ合わせること;強化繊維とロフティング剤を熱可塑性ポリマー中に分散させるために、熱可塑性ポリマーと、強化繊維と、ロフティング剤とを含有する水溶液を混合して水性発泡分散液を得ること;形成要素の上に水性発泡分散液を配置すること;配置された水性発泡体から液体を除去することで熱可塑性ポリマーと、強化繊維と、ロフティング剤とを含むウェブを得ること;ウェブの熱可塑性ポリマーの軟化温度より上までウェブを加熱すること;加熱されたウェブの上に熱可塑性ポリマーと熱硬化性材料とを含む接着層を配置すること;並びに、配置された接着層の上にスキン材料を配置して複合プリプレグを得ること;を含む、複合プリプレグの形成方法が開示される。
【0012】
ある実施形態においては、方法は、複合プリプレグを所定の厚さまで圧縮して複合物品を形成することを含む。別の実施形態においては、方法は、複合物品をロフティングして複合物品の厚さを増加させることを含む。いくつかの事例においては、方法は、接着層の熱硬化性材料を架橋して、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験されるロフティングされた複合物品のスキン材料についての剥離強度を少なくとも0.5N/cmにすることを含む。別の例においては、方法は、接着層の熱可塑性ポリマー及び接着層の熱硬化性材料を加熱されたウェブの上に同時噴霧することによって接着層を配置することを含む。いくつかの事例においては、方法は、同時噴霧された接着層の熱硬化性材料を架橋して、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験されるロフティングされた複合物品のスキン材料についての剥離強度を少なくとも0.5N/cmにすることを含む。ある実施形態においては、方法は、加熱されたウェブの上に接着層を配置する前に、接着層の熱可塑性ポリマーと接着層の熱硬化性材料とをブレンドすることを含む。いくつかの事例においては、方法は、接着性ブレンド物を含む配置された接着層を架橋して、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験されるロフティングされた複合物品のスキン材料についての剥離強度を少なくとも0.5N/cmにすることを含む。ある例においては、方法は、加熱されたウェブの上に接着性ブレンド物をローラーで延ばして接着層を設けることを含む。別の例においては、方法は、ローラーで延ばされた接着性ブレンド物を架橋して、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験されるロフティングされた複合物品のスキン材料についての剥離強度を少なくとも0.5N/cmにすることを含む。
【0013】
追加的な態様においては、熱可塑性ポリマー、強化繊維、及びロフティング剤を水溶液中で混ぜ合わせること;強化繊維とロフティング剤を熱可塑性ポリマー中に分散させるために、熱可塑性ポリマーと、強化繊維と、ロフティング剤とを含有する水溶液を混合して水性発泡分散液を得ること;形成要素の上に水性発泡分散液を配置すること;配置された水性発泡体から液体を除去することで熱可塑性ポリマーと、強化繊維と、ロフティング剤とから形成されるウェブを含むコア層を得ること;コア層の熱可塑性ポリマーの軟化温度より上までコア層を加熱すること;コア層の上に熱可塑性ポリマーと熱硬化性材料とを含む接着層を配置すること;配置された接着層の上にスキン材料を配置して複合材料を得ること;並びに、コア層の厚さを増加させるため及び1982年10月1日の日付のDIN
53357Aによって試験される、配置されているスキン材料とロフティングされたコア層との間の剥離強度を少なくとも0.5N/cm(縦方向と横方向のうちの一方または両方)にするために、熱を用いて複合物品のコア層をロフティングすること;を含む、複合物品の形成方法が開示される。
【0014】
いくつかの例においては、方法は、コア層のロフティングの前に、複合物品を所定の厚さまで圧縮することを含む。別の例においては、方法は、接着層の熱硬化性材料を架橋させることを含む。ある事例においては、方法は、接着層の熱可塑性ポリマー及び接着層の熱硬化性材料を加熱されたウェブの上に同時噴霧することによって接着層を配置することを含む。追加的な事例においては、方法は、同時噴霧された接着層の熱硬化性材料を架橋させることを含む。いくつかの例においては、方法は、コア層の上に接着層を配置する前に、接着層の熱可塑性ポリマーと接着層の熱硬化性材料とをブレンドすることを含む。ある事例においては、方法は、接着性ブレンド物を含む配置された接着層を架橋することを含む。別の例においては、方法は、コア層の上に接着性ブレンド物をローラーで延ばして接着層を設けることを含む。いくつかの事例においては、方法は、ローラーで延ばされた接着層の接着性ブレンド物を架橋することを含む。別の事例においては、方法は、コア層の第2の表面上に第2の接着層を配置すること;及び、配置された第2の接着層の上に第2のスキン材料を配置すること;を含む。
【0015】
もう1つの態様においては、熱可塑性ポリマー、強化繊維、及びロフティング剤を水溶液中で混ぜ合わせること;強化繊維とロフティング剤を熱可塑性ポリマー中に分散させるために、熱可塑性ポリマーと、強化繊維と、ロフティング剤とを含有する水溶液を混合して水性発泡分散液を得ること;形成要素の上に水性発泡分散液を配置すること;配置された水性発泡体から液体を除去することで熱可塑性ポリマーと、強化繊維と、ロフティング剤とを含むウェブを得ること;ウェブの熱可塑性ポリマーの軟化温度より上までウェブを加熱すること;加熱されたウェブの第1の表面上に熱可塑性ポリマーと熱硬化性材料とを含む接着層を配置すること;並びに、配置された接着層の上にスクリムを配置して複合物品を得ること;を含む、複合物品の形成方法が述べられる。
【0016】
ある実施形態においては、方法は、複合プリプレグを所定の厚さまで圧縮して複合物品を形成することを含む。別の例においては、方法は、複合物品の厚さを増加させるために複合物品をロフティングすることを含む。追加的な実施形態においては、方法は、接着層の熱硬化性材料を架橋して、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験されるロフティングされた複合物品のスクリムについての剥離強度を少なくとも0.5N/cmにすることを含む。いくつかの事例においては、方法は、接着層の熱可塑性ポリマー及び接着層の熱硬化性材料を加熱されたウェブの上に同時噴霧することによって接着層を配置することを含む。ある例においては、方法は、同時噴霧された接着層の熱硬化性材料を架橋して、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験されるロフティングされた複合物品のスクリムについての剥離強度を少なくとも0.5N/cmにすることを含む。いくつかの実施形態においては、方法は、加熱されたウェブの
上に接着層を配置する前に、接着層の熱可塑性ポリマーと接着層の熱硬化性材料とをブレンドすることを含む。別の事例においては、方法は、接着性ブレンド物を含む配置された接着層を架橋して、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験されるロフティングされた複合物品のスクリムについての剥離強度を少なくとも0.5N/cmにすることを含む。いくつかの例においては、方法は、加熱されたウェブの上に接着性ブレンド物をローラーで延ばして接着層を設けることを含む。別の例においては、方法は、ローラーで延ばされた接着性ブレンド物を架橋して、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験されるロフティングされた複合物品のスクリムについての剥離強度を少なくとも0.5N/cmにすることを含む。
【0017】
追加的な態様においては、自動車の路面騒音の低減方法であって、方法は熱可塑性ポリマーによって互いに結び付いている強化繊維のランダムな交差によって規定されるウェブオープンセル構造を含む熱可塑性コア層を含むアンダーボディシールドを提供することを含み、熱可塑性コア層はコア層の熱への曝露の後の厚さを増加させてロフティング後コア層を得るのに有効なロフティング剤を更に含み、スキン材料がコア層の第1の表面の上に配置されており、接着層がコア層とスキン材料との間に配置されており、接着層は、熱可塑性ポリマーと、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験されるスキン材料とロフティング後コア層との間の剥離強度を少なくとも0.5N/cm(縦方向と横方向のうちの一方または両方)にするのに有効な量の熱硬化性材料と、を含む、方法が提供される。
【0018】
ある事例においては、方法は、アンダーボディシールドを成形するための指示書を提供することを含む。別の事例においては、方法は、アンダーボディシールドのコア層をロフティングするための指示書を提供することを含む。いくつかの実施形態においては、方法は、自動車にアンダーボディシールドを連結するように構成された少なくとも1つの留め具を提供することを含む。いくつかの例においては、方法は、自動車にアンダーボディシールドを取り付けるための指示書を提供することを含む。
【0019】
別の態様においては、自動車の路面騒音の低減方法であって、方法は、熱可塑性ポリマーと、強化繊維と、ロフティング剤とを含む第1の層を含むプリプレグを提供することを含み、第1の層は第1の層が硬化した後にオープンセル構造のウェブを形成するのに有効であり、ウェブオープンセル構造は、ウェブのオープンセル構造の中に捕捉されているロフティング剤と共に熱可塑性ポリマーによって互いに結び付けられている強化繊維のランダムな交差によって規定され、ロフティング剤は、コア層の熱への曝露の後の厚さを増加させてロフティング後コア層を得るのに有効であり、接着層が第1の層の上に配置されており、接着層は、熱可塑性ポリマーと熱硬化性材料とのブレンド物を含んでおり、接着層の上にスキン材料が配置されており、接着層は、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験されるスキン材料とロフティング後コア層との間の剥離強度を少なくとも0.5N/cm(縦方向と横方向のうちの一方または両方)とするのに有効である、方法が開示される。
【0020】
いくつかの例においては、方法は、プリプレグを硬化してアンダーボディシールドを形成するための指示書を提供することを含む。別の例においては、方法は、プリプレグを成形してアンダーボディシールドを形成するための指示書を提供することを含む。ある事例においては、方法は、プリプレグの接着層を架橋させるための指示書を提供することを含む。いくつかの例においては、方法は、コア層をロフティングするための指示書を提供することを含む。
【0021】
追加的な態様においては、ロフティング剤を含む繊維で強化されたポリマーコアと、繊維で強化されたポリマーコアの第1の表面の少なくとも一部に配置されているスキン材料
とを含む複合材料であって、スキン材料が少なくとも65gsm(グラム毎平方メートル)の目付及び少なくとも20%の破断伸びを有し、接着層がスキン材料とポリマーコアとの間に配置されており、接着層は、熱可塑性材料と、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験されるスキン材料とポリマーコアとの間のロフティング後の剥離強度を少なくとも0.5N/cm(縦方向と横方向のうちの一方または両方)にするのに有効な量の熱硬化性材料と、を含む、複合材料が提供される。
【0022】
いくつかの事例においては、スキン材料は、生地、スクリム、フィルム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。別の事例においては、繊維で強化されたポリマーコアは、ポリマーコアの0体積%より大きく約95体積%までの空隙率を有する。いくつかの実施形態においては、繊維で強化されたポリマーコアは、ポリマー樹脂の中に配置されている繊維を含む。別の実施形態においては、スキン材料は、少なくとも65gsmの目付及び少なくとも20%の破断伸びを有する多孔質不織材料を含む。ある例においては、スキン材料はポリマーコアの平面状の表面全体の上に配置される。別の例においては、スキン材料はポリマーコアの表面上にストリップとして配置される。いくつかの例においては、複合材料は、車両のパネルとして構成及び配置される。ある例においては、複合材料は、車両のアンダーボディパネルとして構成及び配置される。別の例においては、複合材料は自動車の外装部品として構成及び配置される。いくつかの実施形態においては、複合材料は自動車の内装部品として構成及び配置される。別の実施形態においては、自動車の内装部品はヘッドライナーであり、スキン層の上に配置されている装飾層を含む。いくつかの例においては、複合材料は、約3000gsm未満の目付を有する。追加的な例においては、繊維で強化されたポリマーコアは、コアの約20体積%~約80体積%の空隙率を有する。いくつかの構成においては、繊維で強化されたポリマーコアは、コアの約30体積%~約70体積%の空隙率を有する。別の例においては、繊維で強化されたポリマーコアの繊維含有率はポリマー樹脂の約20重量%~約80重量%である。いくつかの実施形態においては、ポリマー樹脂の中に分散されている繊維は、約5ミクロン超の直径と、約5mm~約200mmの長さを有する繊維を含む。ある例においては、ポリマー樹脂は、ポリオレフィン樹脂、熱可塑性ポリオレフィンブレンド樹脂、ポリビニルポリマー樹脂、ブタジエンポリマー樹脂、アクリルポリマー樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリルスチレンポリマー樹脂、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、並びにこれらのコポリマー及び混合物からなる群から選択される。いくつかの事例においては、コアの繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、合成有機繊維、無機繊維、天然繊維、鉱物繊維、金属繊維、金属化無機繊維、金属化合成繊維、セラミック繊維、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態においては、複合材料はポリマーコアの第2の表面上に配置されている追加的なスキン材料と、追加的なスキン材料とポリマーコアとの間に配置されている第2の接着層とを含み、第2の接着層は、熱可塑性材料と、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験される追加的なスキン材料についてのロフティング後の剥離強度を少なくとも0.5N/cmにするのに有効な量の熱硬化性材料と、を含む。
【0023】
別の態様においては、ロフティング剤を含む繊維で強化されたポリマーコアと、繊維で強化されたポリマーコアの第1の表面配置されているスキン材料とを含む複合材料であって、スキン材料が少なくとも65gsmの目付及び少なくとも20%の破断伸びを有し、複合材料は、複合材料を突き破ることなしに曲げ工具試験法を使用して複合材料を少なくとも5cm有効に深絞りすることができ、複合材料はポリマーコアとスキン材料との間に配置されている接着層を更に含み、接着層は、熱可塑性材料と、1982年10月1日の
日付のDIN 53357Aによって試験されるスキン材料とポリマーコアとの間のロフティング後の剥離強度を少なくとも0.5N/cm(縦方向と横方向のうちの一方または両方)にするのに有効な量の熱硬化性材料と、を含む、複合材料が述べられる。曲げ工具試験法は、例えば本出願の譲受人に譲渡された米国特許出願No.13/543,808に記載されており、この開示全体はここに参照によりあらゆる目的のため本明細書に組み込まれる。
【0024】
ある例においては、スキン材料は、生地、スクリム、フィルム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。別の例においては、スキン材料は、多孔質不織材料、多孔質ニット材料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態においては、複合材料は、約3000gsm未満の目付を有する。別の実施形態においては、繊維で強化されたポリマーコアは、コアの約20体積%~約80体積%の空隙率を有する。いくつかの例においては、繊維で強化されたポリマーコアは、コアの約30体積%~約70体積%の空隙率を有する。ある構成においては、繊維で強化されたポリマーコアは、ポリマー樹脂の中に配置されている繊維を含む。別の構成においては、繊維で強化されたポリマーコアの繊維含有率はポリマー樹脂の約20重量%~約80重量%である。いくつかの事例においては、ポリマー樹脂の中に分散されている繊維は、約5ミクロン超の直径と、約5mm~約200mmの長さを有する繊維を含む。別の例においては、ポリマー樹脂は、ポリオレフィン樹脂、熱可塑性ポリオレフィンブレンド樹脂、ポリビニルポリマー樹脂、ブタジエンポリマー樹脂、アクリルポリマー樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリルスチレンポリマー樹脂、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、並びにこれらのコポリマー及び混合物からなる群から選択される。
【0025】
追加的な態様においては、成形時に溶融するのに有効な繊維で強化されたポリマーコアと、繊維で強化されたポリマーコア上に配置されているスキン材料とを含む成形前複合材料であって、スキン材料が少なくとも65gsmの目付及び少なくとも20%の破断伸びを有し、成形前複合材料は、ポリマーコアとスキン材料との間に配置されている接着層を更に含み、接着層は、熱可塑性材料と、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験されるロフティング後ポリマーコアとスキン材料との間のロフティング後の剥離強度を少なくとも0.5N/cm(縦方向と横方向のうちの一方または両方)にするのに有効な量の熱硬化性材料と、を含む、複合材料が開示される。
【0026】
ある事例においては、複合材料は、複合材料を突き破ることなしに曲げ工具試験法を使用して複合材料を少なくとも5cm有効に深絞りすることができる。別の事例においては、スキン材料は、生地、スクリム、フィルム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態においては、スキン材料は、多孔質不織材料、多孔質ニット材料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。別の例においては、複合材料は、約3000gsm未満の目付を有する。いくつかの事例においては、繊維で強化されたポリマーコアは、コアの約20体積%~約80体積%の空隙率を有する。別の例においては、繊維で強化されたポリマーコアは、ポリマー樹脂の中に配置されている繊維を含む。いくつかの実施形態においては、繊維で強化されたポリマーコアの繊維含有率はポリマー樹脂の約20重量%~約80重量%である。いくつかの事例においては、ポリマー樹脂の中に分散されている繊維は、約5ミクロン超の直径と、約5mm~約200mmの長さを有する繊維を含む。別の例においては、ポリマー樹脂は、ポリオレフィン樹脂、熱可塑性ポリオレフィンブレンド樹脂、ポリビニルポリマー樹脂、ブタジエンポリマー樹脂、アクリルポリマー樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポ
リエステルカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリルスチレンポリマー樹脂、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、並びにこれらのコポリマー及び混合物からなる群から選択される。
【0027】
もう1つの態様においては、繊維で強化されたポリマーコアと、繊維で強化されたポリマーコア上に配置されているスキン材料とを含む成形された複合材料であって、スキン材料が少なくとも65gsmの目付及び少なくとも20%の破断伸びを有し、成形された複合材料は成形プロセスにより形成され、成形された複合材料はポリマーコアとスキン材料との間に配置されている接着層を更に含み、接着層は、熱可塑性材料と、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験されるロフティング後ポリマーコアとスキン材料との間の成形後かつロフティング後の剥離強度を少なくとも0.5N/cm(縦方向と横方向のうちの一方または両方)にするのに有効な量の熱硬化性材料と、を含む、成形された複合材料が提供される。
【0028】
ある実施形態においては、複合材料は成形プロセスにより形成された約5cmより深い領域を含む。別の実施形態においては、スキン材料は、生地、スクリム、フィルム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの例においては、スキン材料は、多孔質不織材料、多孔質ニット材料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。別の事例においては、複合材料は、約3000gsm未満の目付を有する。いくつかの例においては、繊維で強化されたポリマーコアは、コアの約20体積%~約80体積%の空隙率を有する。別の事例においては、繊維で強化されたポリマーコアは、ポリマー樹脂の中に配置されている繊維を含む。いくつかの実施形態においては、繊維で強化されたポリマーコアの繊維含有率はポリマー樹脂の約20重量%~約80重量%である。ある例においては、ポリマー樹脂の中に分散されている繊維は、約5ミクロン超の直径と、約5mm~約200mmの長さを有する繊維を含む。
【0029】
別の態様においては、ポリマー樹脂と、ポリマー樹脂の中にそれぞれ分散されている繊維及びロフティング剤と、を含む繊維で強化されたコア層を含む、繊維で強化された複合材料であって、繊維で強化されたポリマーコア材料がポリマーコア材料の0体積%より大きく約95体積%までの空隙率を有し、多孔質不織スキン材料が繊維で強化されたコア層の第1の表面に設けられ、スキン材料が少なくとも65gsmの目付及び少なくとも20%の破断伸びを有し、接着層が繊維で強化されたコア層と多孔質不織スキン材料との間に配置されており、接着層は、熱可塑性材料と、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験されるロフティング後ポリマーコアとスキン材料との間のロフティング後の剥離強度を少なくとも0.5N/cm(縦方向と横方向のうちの一方または両方)にするのに有効な量の熱硬化性材料と、を含む、複合材料が開示される。
【0030】
ある例においては、複合材料は車両のパネルの形態である。いくつかの実施形態においては、複合材料は、車両のアンダーボディパネル、自動車の内装もしくは外装部品、または自動車のヘッドライナーである。ある事例においては、複合材料は、アンダーボディパネル、RV車パネル、自動車車体パネル、自動車壁パネル、RV車の壁もしくは床パネル、またはキャンピングカー側壁パネルから選択されるパネルである。いくつかの例においては、複合材料は3000gsm未満の目付を有する。いくつかの実施形態においては、繊維で強化されたポリマーコア材料は、熱可塑性材料の約20体積%~約80体積%の空隙率を有する。別の例においては、繊維で強化されたポリマーコア材料は、熱可塑性材料の約30体積%~約70体積%の空隙率を有する。ある事例においては、繊維で強化されたポリマーコア材料の繊維含有率はポリマー樹脂の約20重量%~約80重量%である。
別の事例においては、ポリマー樹脂の中に分散されている繊維は、約5ミクロン超の直径と、約5mm~約200mmの長さを有する繊維を含む。いくつかの例においては、ポリマー樹脂は、ポリオレフィン、熱可塑性ポリオレフィンブレンド、ポリビニルポリマー、ブタジエンポリマー、アクリルポリマー、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレンポリマー、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテル、ポリエーテルケトン、ポリアセタール、ポリウレタン、ポリベンズイミダゾール、並びにこれらのコポリマー及び混合物からなる群から選択される。ある例においては、繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、合成有機繊維、無機繊維、天然繊維、鉱物繊維、金属繊維、金属化無機繊維、金属化合成繊維、セラミック繊維、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの事例においては、ポリマーコアは、強化繊維及びポリマー樹脂を撹拌されている液体含有発泡体に添加してポリマー樹脂と強化繊維との分散混合物を形成すること;強化繊維とポリマー樹脂との分散混合物を形成用支持要素の上に堆積させること;液体を排出してウェブを形成すること;ポリマー樹脂の軟化温度より上までウェブを加熱すること;及び所定の厚さまでウェブを圧縮してポリマー材料を形成すること;を含む方法によって作製される。いくつかの事例においては、スキン材料は、ポリオレフィン、熱可塑性ポリオレフィンブレンド、ポリビニルポリマー、ブタジエンポリマー、アクリルポリマー、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレンポリマー、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテル、ポリエーテルケトン、ポリアセタール、ポリウレタン、ポリベンズイミダゾール、並びにこれらのコポリマー及び混合物から選択されるポリマー樹脂を含む。別の事例においては、スキン材料は、ガラス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、合成有機繊維、無機繊維、天然繊維、鉱物繊維、金属繊維、金属化無機繊維、金属化合成繊維、セラミック繊維、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される繊維を更に含む。ある構成においては、接着剤の熱可塑性材料はポリオレフィンを含み、熱硬化性材料はエポキシ基を含むかエポキシ接着剤である。別の構成においては、接着剤は、連続的なフィルムではない接着層である。いくつかの事例においては、スキン材料は、ニードルパンチ、水流交絡処理、スピンボンディング、熱ボンディング、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される方法を使用して製造される。別の事例においては、多孔質不織スキン材料は生地またはフィルムである。いくつかの実施形態においては、複合材料は、ポリマーコアと不織スキン材料との間に配置されている中間層を含む。
【0031】
追加的な態様においては、強化繊維、ポリマー樹脂、及びロフティング剤を、撹拌されている液体含有発泡体に添加して、ポリマー樹脂とロフティング剤と強化繊維との分散混合物を形成すること;強化繊維とポリマー樹脂との分散混合物を形成用支持要素の上に堆積させること;液体を排出してウェブを形成すること;ポリマー樹脂の軟化温度より上までウェブを加熱すること;所定の厚さまでウェブを圧縮してポリマー材料を形成すること;圧縮されたウェブの上に接着剤を配置すること;並びに、配置された接着層の上にスキン材料を配置すること;を含み、配置された接着層は、熱可塑性材料と、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験される配置されたスキン材料についてのロフティング後の剥離強度を少なくとも0.5N/cm(縦方向と横方向のうちの一方または両方)にするのに有効な量の熱硬化性材料と、を含む、複合材料の形成方法が提供される。いくつかの事例においては、方法は、熱可塑性材料及び熱硬化性材料を圧縮されたウェブに同時噴霧することによって圧縮されたウェブの上に接着層を配置することを含む。別の事例においては、方法は、熱可塑性材料と熱硬化性材料とを含む混合物を噴霧することによって圧縮されたウェブの上に接着剤を配置することを含む。
【0032】
もう1つの態様においては、強化繊維、ポリマー樹脂、及びロフティング剤を、撹拌されている液体含有発泡体に添加して、ポリマー樹脂とロフティング剤と強化繊維との分散混合物を形成すること;強化繊維とポリマー樹脂との分散混合物を形成用支持要素の上に堆積させること;液体を排出してウェブを形成すること;ポリマー樹脂の軟化温度より上までウェブを加熱すること;所定の厚さまでウェブを圧縮してポリマー材料を形成すること;圧縮されたウェブの上に接着剤を配置すること;配置された接着剤の上にスキン材料を配置して、ロフティング前の複合材料を得ることであって、配置された接着剤が熱可塑性材料と熱硬化性材料とを含むこと;並びに、ロフティング後の複合材料を得るために、及び、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験される配置されたスキン材料についてのロフティング後の剥離強度を少なくとも0.5N/cm(縦方向と横方向のうちの一方または両方)とするために、ロフティング前の複合材料をロフティングすること;を含む、複合材料の形成方法が開示される。いくつかの例においては、方法は、熱を用いてロフティング前の複合材料をロフティングすることを含む。別の例においては、方法は、対流式赤外オーブンを使用して熱を供給することを含む。
【0033】
追加的な態様においては、フレーム;フレームと結合している車体;及び、フレームと結合している本明細書に記載の組成物、本明細書に記載のプリプレグもしくはコア、または本明細書に記載の複合材料のうちのいずれかの1つ以上を含むアンダーボディシールド;を含む車両が提供される。
【0034】
追加的な特徴、態様、実施例、構成、及び実施形態は、以下でより詳細に説明される。
特定の実施形態が添付の図面を参照しつつ説明される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】ある実施形態による、接着層によってスキン層と結合しているコア層の図である。
【
図2】ある構成による、コア層と分離されているスキン層の上に配置されている接着層を示す図である。
【
図3】ある構成による、スキン層と分離されているコア層の上に配置されている接着層を示す図である。
【
図4】ある構成による、接着層を含むスキン層と分離されているコア層の上に配置されている接着層を示す図である。
【
図5】ある構成による、コア層の上に配置されている接着層と、スキン層上に配置されている接着層を示す図である。
【
図6】ある実施形態による、コア層の上に配置されているストリップを示す図である。
【
図7】ある実施形態によるプリプレグまたはコアの図である。
【
図8A】ある例による、互いに結合している2つのプリプレグを示す図である。
【
図8B】ある例による、互いに結合している2つのプリプレグを示す図である。
【
図8C】ある例による、互いに結合している2つのプリプレグを示す図である。
【
図9】ある例による、接着層を介してコア層と結合しているスキン層を示す図である。
【
図10】ある実施形態による、2つのスキン層と結合しているコア層を示す図である。
【
図11】ある例による、スキン層及び装飾層と結合しているコア層を示す図である。
【
図12】ある実施形態による、層を介して互いに結合している2つのコア層を示す図である。
【
図13】ある実施形態による、互いに結合している2つのコア層と、コア層の1つの上に配置されているスキン層を示す図である。
【
図14】ある実施形態による、互いに結合している2つのコア層と、それぞれのコア層の上に配置されているスキン層を示す図である。
【
図15】ある実施形態による、コア層の間に介在層を有する互いに結合している2つのコア層を示す図である。
【
図16】ある実施例による、対照と試験試料についての様々な測定された剥離強度を示す表である。
【
図17】ある実施例による、測定された剥離強度の平均値を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本開示の利益を踏まえて、図面の中のある寸法または特徴は、より利用し易い形の図面を提供するために、拡大して、変形して、または別の特殊であるか比例しない形式で示されている場合があることが当業者に認識されるであろう。図面中の描写は具体的な厚さ、幅、または長さを意味しておらず、また図面の構成要素の相対的な大きさは図面中の任意の構成要素の大きさを限定することを意図していない。寸法または値が下の記述で規定されている場合、寸法または値は例示の目的のみのために与えられている。更に、図面のある部分の濃淡によって具体的な材料または配置が必要とされることは意図されておらず、図面中の異なる構成要素が区別の目的で濃淡を含んでいたとしても、異なる構成要素は、必要に応じて同じまたは同様の材料を含み得る。
【0037】
本明細書に開示の技術のより利用し易い説明を提供するために、ある実施形態が、単数形及び複数形の用語に関して下で説明されている。これらの用語は便宜的な目的のために使用されているに過ぎず、本明細書に記載の具体的な実施形態中に存在するとして特段の記載がない限り、特定の特徴を含むまたは除外するものとしてプリプレグ、コア、物品、複合材料、及び他の主題を限定することを意図していない。
【0038】
ある事例においては、本明細書に記載の材料は、典型的には車両の下面に結合され得るアンダーボディシールドを提供するために共に使用される。以下のいくつかの説明は乗用車にアンダーボディシールドを結合させることに言及しているが、アンダーボディシールドは、商用車、RV車、全地形対応車、及び、ガスエンジン、ハイブリッドエンジン、電気エンジン、エンジンとしての燃料電池等を含む他の車両においても使用することができる。更に、アンダーボディシールドは、例えばエンジンカバーとしてもしくはエンジンブロックの側面に沿って位置しているなどのエンジンルームの他の領域で、ホイールウエルライナーとして、トランクライナーとして、または複合パネルが使用され得る他の車両用途において、使用することができる。
【0039】
本明細書に記載のある構成では、剥離強度について言及される。本明細書で言及される剥離強度の値は、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aにしたがって測定され、これは成形あるいはその他の加工がなされた最終的な複合物品(コア層、接着層、及び任意のスキン層を含む)に対して行われた測定に基づく。下のDIN 53357Aへの言及は、1982年10月1日の日付のこの手順のバージョンのことを意味する。例えば、ある構成では成形後の剥離強度のことを意味する。本明細書で説明されているように、多くの従来のアンダーボディシールドは、成形または他の処理作業中にコア層からスキン層が分離するため、加工中に損なわれる。本明細書に記載のコア層と、接着層と、スキン層との組み合わせを組み込むことにより、剥離強度を向上させることができ、また加工作業中のコア層からのスキン層の剥離を回避するか低減することができる。いくつかの事例においては、複合物品は、コア層からのスキン層の実質的な分離が全くない状態で望ましい形状に成形または絞り加工することができる。
【0040】
いくつかの事例においては、本明細書に記載の物品の剥離強度は、縦方向に少なくとも0.4N/cmの、DIN 53357Aにより試験されるスキン材料とコアもしくはロ
フティング後コア層との間の例えば成形後などの加工後の剥離強度を有し得る。別の事例においては、本明細書に記載の物品の剥離強度は、横方向に少なくとも0.4N/cmの、DIN 53357Aにより試験されるスキン材料とコアもしくはロフティング後コア層との間の例えば成形後などの加工後の剥離強度を有し得る。追加的な構成においては、本明細書に記載の物品の剥離強度は、縦方向に少なくとも0.5N/cmの、DIN 53357Aにより試験されるスキン材料とコアもしくはロフティング後コア層との間の例えば成形後などの加工後の剥離強度を有し得る。別の事例においては、本明細書に記載の物品の剥離強度は、横方向に少なくとも0.5N/cmの、DIN 53357Aにより試験されるスキン材料とコアもしくはロフティング後コア層との間の例えば成形後などの加工後の剥離強度を有し得る。別の例においては、本明細書に記載の物品の剥離強度は、縦方向に少なくとも0.6N/cmの、DIN 53357Aにより試験されるスキン材料とコアもしくはロフティング後コア層との間の例えば成形後などの加工後の剥離強度を有し得る。別の事例においては、本明細書に記載の物品の剥離強度は、横方向に少なくとも0.6N/cmの、DIN 53357Aにより試験されるスキン材料とコアもしくはロフティング後コア層との間の例えば成形後などの加工後の剥離強度を有し得る。いくつかの実施形態においては、DIN 53357Aにより試験される縦方向の剥離強度は、約0.4~0.9、より具体的には約0.5~0.9N/cm、または0.6~0.9N/cm、または0.7~0.9N/cmであってもよい。別の実施形態においては、DIN 53357Aにより試験される横方向の剥離強度は、約0.4~0.9、より具体的には約0.5~0.9N/cm、または0.6~0.9N/cm、または0.7~0.9N/cmであってもよい。剥離強度は、物品の上面または物品の底面から測定することができる。全ての場合に当てはまるわけではないが、物品の上面から測定した場合の剥離強度は、典型的には物品の底面から測定した場合の剥離強度と異なる。例えば、いくつかの事例においては、上面からの剥離強度は、物品の上面から測定した際に約0.4~0.9N/cmであり、物品の下面から測定した際及びDIN 53357Aにより試験した際に約0.9~5N/cmである場合がある。いくつかの事例においては、本明細書に記載の物品の剥離強度(DIN 53357Aにより試験)は、スキン材料とコア層との間に接着層がない試験物品と比較して、少なくとも125%、150%、175%、200%、250%、300%、または400%以上増加し得る。
【0041】
ある例においては、本明細書に記載のアンダーボディシールド組成物は、コア層と、スキン層と、コア層とスキン層との間の接着層とを含んでいてもよい。
図1を参照すると、例えば成形、絞り加工、または他の形成方法を使用してアンダーボディ―シールドへと形成することができるアンダーボディ―シールド板材の簡略化した図が示されている。板材100は、コア層110と、スキン層130と、コア層110とスキン層130との間に配置されている接着層120とを含む。
図1中で示されている具体的な寸法は説明の目的で拡大されており、他方の構成要素の厚さと相対的な一方の構成要素の具体的な厚さが適用されることは意図されていない。下でより詳しく言及するように、コア層110は、通常、熱可塑性ポリマーまたは他の材料によって互いに結び付いている強化繊維のランダムな交差によってまたはこれから形成されるオープンセル構造のウェブを含む。ある事例においては、熱可塑性コア層110は、コア層の熱への曝露の後の厚さを増加させてロフティング後コア層を得るのに有効なロフティング剤も含んでいてもよい。本明細書で言及されるように、ロフティング工程及び/またはいずれかの成形作業によって、コア層110からのスキン層130の剥離が生じる場合がある。スキン層130とコア層110との間の結合強度を高めるために、接着層120は、熱可塑性ポリマーと、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aによって試験されるスキン層130とロフティング後コア層110との間の成形後の剥離強度を少なくとも0.5N/cm(縦方向と横方向のうちの一方または両方)にするのに有効な量の熱硬化性材料と、の両方を含んでいてもよい。いくつかの事例においては、成形工程とロフティング工程は、例えば板材100を加熱された鋳型の中に入れて、板材を成形するため及び板材のコアをロフティングするために
十分な量の熱をかけることによって、同時に行うことができる。接着層120中の熱可塑性ポリマー及び熱硬化性材料の具体的な量及び種類は、下でより詳しく説明される。いかなる特定の理論にも拘束されることを望むものではないが、接着層120中に存在する熱可塑性ポリマーの量(接着層の重量基準)は、通常は接着層120中に存在する熱硬化性材料の量(接着層の重量基準)よりも多い。
【0042】
ある実施形態においては、接着層は、コア層の上に配置されるスキン材料の上に存在していてもよい。
図2を参照すると、コア層210は、スキン層230の表面上に配置されている接着層220を含むスキン層230と分離して示されている。接着層220は、熱硬化性材料と熱可塑性ポリマーの両方を含んでいてもよく、そのためスキン層230がコア層210に結合すると、少なくとも0.5N/cm(縦方向と横方向のうちの一方または両方)の、DIN 53357Aによって試験されるスキン層230とロフティング後コア層210との間の成形後の剥離強度が得られる。いくつかの事例においては、接着層220を有するスキン層230をコア層210に結合させる前に、熱可塑性材料を軟らかくするために(少なくともある程度まで)、コア層210が加熱されてもよい。別の事例においては、接着層220を有するスキン層230をコア層210に結合させる前に、熱可塑性ポリマーを軟らかくするために(少なくともある程度まで)、接着層220が加熱されてもよい。別の構成においては、接着層220を有するスキン層230をコア層210に結合させる前に、層210の熱可塑性材料を軟らかくするために(少なくともある程度まで)、及び層220の熱可塑性ポリマーを軟らかくするために(少なくともある程度まで)、コア層210と接着層220の両方が加熱されてもよい。必要に応じて、コア層210の上にスキン層230を配置する前に、接着層220を適切な温度まで加熱して熱硬化性材料の一部(例えば5~10%)を架橋させることもできる。更に、層230のスキン材料も同様に何らかの方法で加熱または処理されてもよい。
【0043】
ある例においては、接着層は、スキン層と結合されるコア層の上に存在していてもよい。
図3を参照すると、接着層320を含むコア層310は、スキン層330と分離して示されている。接着層320は、熱硬化性材料と熱可塑性ポリマーの両方を含んでいてもよく、そのためスキン層330がコア層310に結合すると、少なくとも0.5N/cm(縦方向と横方向のうちの一方または両方)の、DIN 53357Aによって試験されるスキン層330とロフティング後コア層310との間の成形後の剥離強度が得られる。いくつかの事例においては、スキン層330をコア層310に結合させる前に、熱可塑性材料を軟らかくするために(少なくともある程度まで)、コア層310が加熱されてもよい。別の事例においては、スキン層330をコア層310に結合させる前に、熱可塑性ポリマーを軟らかくするために(少なくともある程度まで)、接着層320が加熱されてもよい。別の構成においては、スキン層330をコア層310に結合させる前に、層310の熱可塑性材料を軟らかくするために(少なくともある程度まで)、及び層320の熱可塑性ポリマーを軟らかくするために(少なくともある程度まで)、コア層310と接着層320の両方が加熱されてもよい。必要に応じて、コア層310の上にスキン層330を配置する前に、接着層320を適切な温度まで加熱して熱硬化性材料の一部(例えば5~10%)を架橋させることもできる。更に、層330のスキン材料も同様に何らかの方法で加熱または処理されてもよい。
【0044】
ある構成においては、接着層は、コア層及びスキン層のうちの一方または両方から分離されていてもよく、またこれらのうちの一方または両方の上に配置されていてもよい。
図4を参照すると、コア層410は、接着層420及びスキン層430と分離して示されている。接着層420は、熱可塑性ポリマーと熱硬化性材料の両方を含んでいてもよく、そのためスキン層430が接着層420を介してコア層410に結合すると、少なくとも0.5N/cm(縦方向と横方向のうちの一方または両方)の、DIN 53357Aによって試験されるスキン層430とロフティング後コア層410との間の成形後の剥離強度
が得られる。いくつかの事例においては、スキン層430をコア層410に結合させる前に、熱可塑性材料を軟らかくするために(少なくともある程度まで)、コア層410が加熱されてもよい。いくつかの構成においては、スキン層430をコア層410に結合させる前に、コア層410とスキン層430の一方または両方の上に、接着層420が噴霧されてもよく、ローラーで延ばされてもよく、または別の方法で配置されてもよい。別の構成においては、スキン層430をコア層410に結合させる前に、層410の熱可塑性材料を軟らかくするために(少なくともある程度まで)、コア層410が加熱されてもよく、また接着層420が軟らかくなったコア層410の上に配置されてもよい。必要に応じて、コア層410の上にスキン層430を配置する前に、望ましい稠度もしくは厚さを得るために、または熱硬化性材料の一部(例えば5~10%)を架橋させるために、接着層420を適切な温度で配置してもよい。ある事例においては、接着層420はコア層410の上に配置することができ、少なくともある程度架橋され、その後配置された接着層を有するコア層410の上にスキン層430を配置することができる。更に、層430のスキン材料も同様に何らかの方法で加熱または処理されてもよい。
【0045】
ある実施形態においては、接着層の1つの構成要素はコア層の上に配置されていてもよく、接着層のもう1つの構成要素はスキン材料の上に配置されていてもよい。
図5を参照すると、コア層510は、1つの表面上に接着層520を含むものとして示されており、スキン層530は、1つの表面上に第2の接着層525を含むものとして示されている。いくつかの事例においては、接着層520は熱可塑性ポリマーを含み、接着層525は熱硬化性材料を含む。別の構成においては、接着層525は熱可塑性ポリマーを含み、接着層520は熱硬化性材料を含む。いくつかの例においては、接着層520は第1の熱可塑性ポリマーを含み、接着層525は第2の熱可塑性ポリマー(第1のポリマーとは異なる)と熱硬化性材料を含む。別の例においては、接着層520は第1の熱硬化性材料を含み、接着層525は熱可塑性ポリマーと第2の熱硬化性材料を含む。追加的な構成においては、接着層520は第1の熱可塑性ポリマーと熱硬化性材料を含み、接着層525は第2の熱可塑性ポリマーを含む。追加的な例においては、接着層520は第1の熱可塑性ポリマーと第1の熱硬化性材料を含み、接着層525は第2の熱可塑性ポリマーと第2の熱硬化性材料を含む。別の構成においては、接着層520は2種以上の熱可塑性ポリマーを含み、接着層525は少なくとも1種の熱硬化性材料、例えば任意選択的には熱可塑性ポリマーの存在下での2種以上の熱硬化性材料、を含む。接着層520、525を一緒に使用してスキン層530をコア層510に結合させることで、少なくとも0.5N/cm(縦方向と横方向のうちの一方または両方)の、DIN 53357Aによって試験されるスキン層530とロフティング後コア層510との間の成形後の剥離強度を得ることができる。いくつかの事例においては、スキン層530をコア層510に結合させる前に、熱可塑性材料を軟らかくするために(少なくともある程度まで)、コア層510及び/または接着層520が加熱されてもよい。別の事例においては、コア層510とスキン層530とを結合させる前に、接着層525が軟らかくされてもよい(少なくともある程度まで)。いくつかの構成においては、スキン層530をコア層510に結合させる前に、接着層520、525のそれぞれが独立に、それぞれの下にある層の上に噴霧されてもよく、ローラーで延ばされてもよく、または別の方法で配置されてもよい。別の構成においては、スキン層530をコア層510に結合させる前に、層310の熱可塑性材料を軟らかくするために(少なくともある程度まで)、コア層510が加熱されてもよく、また接着層520が軟らかくなったコア層510の上に配置されてもよい。必要に応じて、コア層510の上にスキン層530を配置する前に、望ましい稠度もしくは厚さを得るために、または熱硬化性材料の一部(例えば5~10%)を架橋させるために、接着層520または接着層525を適切な温度で配置してもよい。ある事例においては、接着層520はコア層510の上に配置することができ、少なくともある程度架橋され、その後配置された接着層520を有するコア層510の上に、接着層525を有するスキン層530を配置することができる。更に、層530のスキン材料も同様に何らかの方法で加熱または処理され
てもよい。
【0046】
ある実施形態においては、複合物品中で使用される接着剤及び本明細書に記載の材料は、必ずしも熱硬化性材料の均一または均質な分布を含む必要がない。例えば、深絞り加工を受けるか、引き延ばされるか、コア層からのスキン層の分離を生じさせ得る別の力を受ける板材の領域に、熱硬化性材料が含まれることが望ましい場合がある。
図6を参照すると、略平面基材として示されているコア層610と、熱可塑性ポリマーを含む接着層(明確化ために省略)と、スキン層(これも明確化のために省略)とを含む複合物品600の分解組立図が示されている。選択された領域のコア層610上に配置されているものは、熱硬化性材料を含む接着材料のストリップまたは領域622、624及び626である。ストリップ622、624及び626は、複合物品に対して行われる成形または加工作業による分離のために予め配置されていてもよい部位に配置することができる。例えば、複合物品の多くは、5mm以上の深さの谷、窪み、または他の領域が形成される深絞り加工を受ける場合がある。そのような特徴を形成するために使用される力は、複合物品の構成要素の分離を生じさせる場合がある。分離の可能性を低減するために、または層の分離を回避するために、接着層(またはスキン層)をコア層610に結合させる前に、接着剤ストリップを選択された領域に配置することができる。いくつかの事例においては、ストリップ622、624及び626は、コア層610の上に、独立に噴霧されてもよく、ローラーで延ばされてもよく、刷毛で塗られてもよく、または別の方法で配置されてもよい。もう1つの構成においては、コア層610の上にストリップ622、626及び626を配置する代わりに、ストリップを接着層(またはスキン層)の下面に代わりに配置してもよい。例えば、接着層をコア層610に結合させる前に、熱硬化性材料を含む接着剤ストリップを接着層の選択された領域の上に配置することができる。層をコア層610に結合させる前に、接着層を軟らかくするか望ましい温度まで加熱してもよい。使用されるストリップの正確な数は、1枚から10枚以上まで様々であってもよい。いくつかの事例においては、接着層の熱可塑性ポリマーがストリップ間のコア層610の表面に接触できるように、複数の互いに隣接するストリップが間隔を有することが望ましい場合があり、例えばストリップは、約0.5mm~約5mm離れた間隔を有していてもよい。そのような配置は、コア層610のスキン層への結合を更に強化させることができる。ストリップ622~626は熱硬化性材料を含むものとして
図6に関して記載されているが、ストリップは代わりに熱可塑性ポリマーを含んでいてもよく、接着層は熱硬化性材料を含んでいてもよい。例えば、熱硬化性材料を含む接着層は熱可塑性ストリップと結合していてもよく、その結果得られる材料の組み合わせによってコア層610とスキン層との間の結合が強化される。あるいは、ストリップをスキン層の上に配置することができ、これはその後、その上に配置されている接着層を含むコア層と結合される。
【0047】
本明細書に記載の熱可塑性複合物品は、多くの場合成形されるか様々な形状へと加工されて最終的な成形された部品または物品を与える。加工中、加工される物品の1つ以上の構成要素または層の全体の厚さを増加させることが望ましい場合がある。本明細書に記載のいくつかの構成においては、熱可塑性プリプレグまたは熱可塑性コアの中にロフティング剤が存在することで、加熱、成形、または他の温度もしくは加工作業中に物品の全体(またはその一部)の厚さを変えることが可能である。いくつかの事例においては、ロフティング剤は、熱可塑性材料と複数の繊維とを含む熱可塑性プリプレグまたはコアの空隙の中に、例えば必要に応じて表面の端から端まで実質的に均一に分布した状態で、分散していてもよい。ある例においては、ロフティング剤はプリプレグまたはコアの中に存在しているが、プリプレグまたはコアの中の他の材料に共有結合していない場合がある。追加的な例においては、ロフティング剤は熱可塑性材料中に存在する1つ以上の基と共有結合しているか、複数の繊維の1つ以上の基と共有結合しているか、その両方の場合がある。使用される厳密なロフティング温度は、プリプレグ、コア、及び物品中に存在する他の材料次第で様々な場合があり、いくつかの事例においては、ロフティング温度は、プリプレグ
、コア、及び物品中に存在する熱可塑性材料(類)の融点温度以上であってもよい。
【0048】
ある構成においては、本明細書に記載の物品は、プリプレグまたはコア層を含んでいてもよい。いかなる特定の理論にも拘束されることを望むものではないが、プリプレグは通常、コアの完全に硬化または加工されたバージョンではない。例えば、熱可塑性材料と、複数の繊維と、ロフティング剤とを含む部分的に硬化した層が通常プリプレグと呼ばれる一方で、熱可塑性材料と、複数の繊維と、ロフティング剤とを含む完全に硬化した層(ロフティングされていてもまだロフティングされていなくてもよい)が通常コアまたはコア層と呼ばれる。本明細書で言及されるように、コアは硬化しているとみなしてよいものの、コアは、その厚さを増加させるため、その形状を変えるため、またはその他用途に適した形成された物品もしくは製品を得るために、更に加工されてもよい。以下の記述はプリプレグとコアの両方について言及しており、プリプレグと関連して使用される材料(並びにそれらの量及び特性)は、必要に応じてコアにおいても使用され得る。
【0049】
本明細書に記載のある構成においては、プリプレグ、コア、または物品の選択的なロフティングを付与するために、適切な量のロフティング剤が、プリプレグ、コア、及び物品の中に組み込まれる。ロフティングとは、通常、例えば熱及び/または圧力をかけるなどの加工条件中またはその後に、プリプレグ、コア、または物品の全体の厚さを増加させることをいう。例えば、ロフティング剤は、プリプレグ、コア、または物品が第1の温度及び/または第1の加熱条件でのロフティングに実質的に反応せず、その後第2の温度及び/または第2の加熱条件でのロフティングに反応するように選択することができる。ある自動車用途においては、ロフティング剤は、180~190℃または190~200℃で実質的にロフティングせず、210~220℃でロフティングするように選択することができる。いかなる特定の理論にも拘束されることを望むものではないが、第1及び第2の温度は、プリプレグ、コア、または物品中に存在する熱可塑性材料に応じて変動し得る。ある事例においては、ロフティング剤は、プリプレグまたはコア層中の熱可塑性材料の融点よりも約20℃以上高いロフティング温度までロフティングが実質的に生じないように選択される。別の事例においては、ロフティング剤は、コア層中の熱可塑性材料の融点よりも約40℃以上高いロフティング温度までロフティングが実質的に生じないように選択される。追加的な事例においては、ロフティング剤(及び/またはロフティング条件)は、コア層中の熱可塑性材料の融点よりも約60℃以上高いロフティング温度までロフティングが実質的に生じないように選択される。いくつかの事例においては、ロフティング剤は、コア層中の熱可塑性材料の融点よりも約80℃以上高いロフティング温度までロフティングが実質的に生じないように選択される。
【0050】
ある例においては、本明細書に開示のプリプレグ及びコアのロフティング剤は、1種以上の液体炭化水素ポリマーシェル材料を含み得る。コア中で使用されるロフティング剤の厳密な種類は、例えば望ましいロフティング温度、望ましい目付、望ましい処理条件及び他の因子などの多数の因子に依存し得る。プリプレグまたはコアの中に存在し得る例示的な市販のロフティング剤は、Kureha Corp.(日本)から市販されており、例えばH1100液体炭化水素コアポリマーミクロスフェアが挙げられる。ロフティング剤は、繊維の形態、粒子の形態、ミクロスフェアの形態、または他の形態などの多くの形態で存在していてもよい。いくつかの事例においては、ロフティング剤は、ミクロスフェアの形態で存在することができ、少なくとも40ミクロンの平均粒径を有していてもよく、例えば、あるいはコア中の熱可塑性材料の平均粒径と実質的に似た平均粒径を有していてもよい。いくつかの例においては、望ましいロフティングの程度に応じてプリプレグまたはコアの中でそれより多いまたは少ないロフティング剤を使用できるものの、ロフティング剤は約2重量%~約20重量%存在していてもよい。
【0051】
ある構成においては、例えば空隙などのオープンセル構造を全体として有する、1種以
上の熱可塑性材料と複数の繊維とを含む多孔質プリプレグが製造されてもよい。いくつかの構成においては、ロフティング剤は、ロフティング剤が概して熱可塑性材料及び/または繊維と共有結合しない方式で、空隙の中に充填されていてもよい。例えば、熱可塑性材料及び/または繊維は、これらがロフティング剤に対して概して不活性であるか非反応性であるように選択されてもよい。ロフティング剤は熱可塑性材料及び/または繊維に対して共有結合しなくてよいものの、ロフティング剤自体にまたは内部に存在する共有結合がある場合がある。別の事例においては、熱可塑性材料、繊維、または両方にロフティング剤を共有結合させてプリプレグの中に少量の共有結合しているロフティング剤を付与することが望ましい場合がある。結合しているロフティング剤が存在する場合であっても、ロフティング剤は、望ましくは例えばプリプレグのロフティングを可能にする対流式加熱などの適切な条件下で、これらが占める体積をなお増加させることができる。いくつかの事例においては、共有結合しているロフティング剤と共有結合していないロフティング剤材料の両方がプリプレグの中に存在していてもよい。プリプレグのいくつかの構成は、ロフティング剤材料の約100%が非共有結合的に結合しているロフティング剤を含む場合があるものの、ファンデルワールス相互作用または静電相互作用などの弱い相互作用が、ロフティング剤と、プリプレグの他の構成要素との間に生じ得る。
【0052】
ある例においては、及び
図7を参照すると、熱可塑性材料と複数の繊維とを含むプリプレグ700が示されている。プリプレグ700も、プリプレグ700全体に分散されているロフティング剤(ドット705として図示の目的で示されている)を含む。いくつかの事例においては、ロフティング剤の分散は、プリプレグ700の第1の表面702から第2の表面704まで実質的に均質または実質的に均一であってもよい。本明細書でより詳しく述べるように、プリプレグ700中でのロフティング剤のそのような実質的に均質または実質的に均一な分布を得るために、プリプレグ700の構成要素が一緒に混合されることで実質的に均一な分散液が形成されてもよい。混合は、分散液の中にロフティング剤と、熱可塑性材料と、繊維との実質的に均質または実質的に均一な混合物を分散液が含むまで行うことができる。その後、プリプレグ700は、例えば適切な敷設工程を使用して分散液をワイヤースクリーン上に配置することによって、本明細書に記載の通りに形成することができる。別の構成においては、他の表面よりも表面702、704のうちの1つの方により多くのロフティング剤材料が存在するように、表面702から表面704までロフティング剤の傾斜分布を付与することが望ましい場合がある。いくつかの実施形態においては、プリプレグ700中にロフティング剤の実質的に均一な分布が存在し、その後、追加的なロフティング剤がプリプレグ700の片面に添加されることで傾斜分布が付与される。そのような追加的なロフティング剤は、例えばロフティング剤を含む溶液を噴霧または塗布することによってプリプレグ700に直接添加されてもよく、あるいは、ロフティング剤を含むスキン、追加的なプリプレグ、または他の構成要素をプリプレグ700に結合させることによって添加されてもよい。例えば、及び
図8Aを参照すると、第1のプリプレグ810と、第1のプリプレグ810の上に配置されている第2のプリプレグ820が示されている。第1のプリプレグ810と第2のプリプレグ820のそれぞれは、ロフティング剤の実質的に均一な分布を含むが、プリプレグ810、820中のロフティング剤の量は異なる。しかし、必要に応じて、プリプレグ810、820のうちの一方のみがロフティング剤を含んでいてもよく、他方のプリプレグはロフティング剤を含まなくてもよく、あるいは異なるロフティング剤を含んでいてもよい。プリプレグ810、820の熱可塑性材料は、溶融して単一のプリプレグ850(
図8B)を与えることができる。プリプレグ810、820を一緒に溶融させる結果として、表面854の近傍に存在する量と比較して、表面852の近傍に増加した量のロフティング剤が存在する、プリプレグ850中でのロフティング剤の傾斜分布が得られる。プリプレグ850の全体の正確な厚さは使用される条件次第で変動する場合があり、具体的な厚さが
図8B中で暗示されることは意図されていない。
【0053】
別の構成においては、プリプレグ中のロフティング剤の分布は、ロフティング剤を含むスキンまたは他の材料が、プリプレグと結合されることによって付与されてもよい。
図8Cを参照すると、ロフティング剤を含むスキン870が、熱可塑性材料と強化繊維とロフティング剤とを含むプリプレグ860の上に配置されているものとして示されている。必須ではないものの、スキン870は、典型的にはプリプレグ860のロフティング前の厚さよりもはるかに薄い厚さで存在する。更に、
図8Bと関連して述べられているような2つのプリプレグの互いの結合は、通常最終的な結合したプリプレグ850の中に識別できる界面を全く生じさせない一方で、スキン870とプリプレグ860との間には典型的には識別できる界面が存在する。別の例においては、スキン870はプリプレグ860の中に溶融してスキン870とプリプレグ860を結合させ、実質的な界面が全くなしに結合したスキン/プリプレグ複合材料を残すことができる。必要に応じて、及び下でより詳しく述べるように、ロフティング剤を含んでいてもいなくてもよい追加的なスキンが、スキン870と反対側の面でプリプレグと結合されてもよい。
【0054】
ある構成においては、プリプレグの熱可塑性材料は、繊維形態、粒子形態、樹脂形態、または他の適切な形態で存在していてもよい。いくつかの事例においては、プリプレグ中で使用される熱可塑性材料は粒子状の形態で存在していてもよく、ロフティング剤の平均粒径と実質的に同じ平均粒径を有していてもよい。いかなる特定の科学的な理論にも拘束されることを望むものではないが、熱可塑性材料とロフティング剤の粒径を一致させることによって、例えばプリプレグ中でのロフティング剤の保持性の向上などの、プリプレグの向上した加工性を得ることができる。いくつかの事例においては、ロフティング剤の平均粒径と熱可塑性材料の平均粒径は、約5%~約10%異なっていてもよく、それでもなお向上した加工性を得ることができる。ある構成においては、プリプレグ中の熱可塑性材料とロフティング剤それぞれの平均粒径は、約50ミクロン~約120ミクロン異なっていてもよい。いくつかの構成においては、向上した加工性を得るためには、ロフティング剤の平均粒径は、熱可塑性材料粒子の平均粒径の少なくとも50%である。別の事例においては、熱可塑性材料の平均粒径とほぼ同じ平均粒径のロフティング剤が、熱可塑性材料の平均粒径と異なる平均粒径のロフティング剤と共に存在していてもよい。ロフティング剤の平均粒径は異なる場合があるものの、ロフティング剤の化学組成は同じであっても異なっていてもよい。また別の構成においては、異なる平均粒径を有する2種以上の熱可塑性材料が存在していてもよい。必要に応じて、熱可塑性材料の平均粒径と実質的に同じ平均粒径を有する2種のロフティング剤が存在していてもよい。2種のロフティング剤は化学的に同じであっても、化学的に区別できるものであってもよい。同様に、熱可塑性材料は、化学的に同じ(であるが異なる平均粒径を有するもの)であっても、化学的に区別できるものであってもよい。
【0055】
ある実施形態においては、プリプレグまたはコアは、通常、プリプレグ中に空隙が存在するような相当量のオープンセル構造を有する。例えば、プリプレグまたはコア層は、0~30%、10~40%、20~50%、30~60%、40~70%、50~80%、60~90%、0~40%、0~50%、0~60%、0~70%、0~80%、0~90%、10~50%、10~60%、10~70%、10~80%、10~90%、10~95%、20~60%、20~70%、20~80%、20~90%、20~95%、30~70%、30~80%、30~90%、30~95%、40~80%、40~90%、40~95%、50~90%、50~95%、60~95%、70~80%、70~90%、70~95%、80~90%、80~95%(プリプレグまたはコアの体積基準)、またはこれらの典型的な範囲内の任意の実例値の空孔率もしくは空隙率を有していてもよい。いくつかの事例においては、プリプレグは0%(例えば完全に固化されていない場合)超、最大約95%の空隙率または空孔率を有する。特段の記載がない限り、ある空孔率または空隙率を有するプリプレグに対する言及はプリプレグの総体積基準であり、必ずしもプリプレグに結合している任意の他の材料または層をプリプレグに足した総体積基
準ではない。
【0056】
ある実施形態においては、プリプレグまたはコアの中に存在する高い空隙率は、プリプレグの細孔中へのロフティング剤の捕捉を可能にする。例えば、ロフティング剤は共有結合ではない結合方式で空隙の中に存在していてもよい。熱または他の摂動を加えることが、非共有結合的に結合しているロフティング剤の体積を増加させるように作用してもよく、これはひいてはプリプレグまたはコアの全体の厚さを増加させ、例えば、ロフティング剤の大きさが増加する及び/または追加的な空気がプリプレグ中に捕捉されるにつれて、プリプレグまたはコアの厚さが増加する。例えばロフティング剤は、例えば放射熱などの適切な刺激を受けるとプリプレグの全体の厚さを増加させるために機能するような感熱剤として機能してもよい。いくつかの事例においては、ロフティング剤は、熱などの刺激を受けた後にロフティングなしから完全なロフティングまで膨張することができる、二成分ロフティング剤として構成されてもよい。追加的な構成においては、ロフティング剤は、ロフティング剤が完全なロフティングに達するまで温度の上昇に伴ってサイズが実質的に線形に増加する、線形ロフティング剤であってもよい。別の事例においては、ロフティング剤は例えばミクロスフェアの形態の段階的なロフティング剤などの、段階的なロフティング剤であってもよい。本明細書において、段階的なロフティングまたは段階的なロフティング剤とは、温度によりその厚さが増加した後、頭打ちになり、その後温度の増加とともに再び増加する、ロフティング剤のことをいう。体積が段階的に増加することでプリプレグ全体の厚さの制御が強化され、またロフティング過剰の可能性が低下する。ロフティング剤を含むプリプレグを使用する望ましい厚さは、適切な処理温度を選択することによって達成することができる。厚さが不十分な場合には、多くの事例においては、その後より高い温度をかけて全体の厚さを望ましい厚さまで増加させることができる。
【0057】
ある実施形態においては、本明細書に記載のプリプレグまたはコアの熱可塑性材料は、少なくとも一部に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、ポリブチレンテトラクロラート、及びポリ塩化ビニル(可塑化と無可塑化の両方)、並びにこれらの材料と互いとのもしくは他のポリマー材料とのブレンド物、のうちの1種以上を含んでいてもよい。他の好適な熱可塑性材料としては、これらに限定するものではないが、ポリアリーレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、アモルファスナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶性ポリマー、PARMAX(登録商標)として商業的に公知のポリ(1,4フェニレン)化合物、BayerのAPEC(登録商標)PCなどの高温ポリカーボネート、高温ナイロン、及びシリコーン、並びにこれらの材料と互いとのもしくは他のポリマー材料とのアロイ及びブレンド物、が挙げられる。プリプレグの形成のために使用される熱可塑性材料は、粉末形態、樹脂形態、ロジン形態、繊維形態、または他の適切な形態で使用することができる。様々な形態の例示的な熱可塑性材料は本明細書に記載されており、また例えば米国特許出願公開No.20130244528及びNo.US20120065283にも記載されている。プリプレグ中に存在する熱可塑性材料の正確な量は様々な場合があり、例示的な量は、約20重量%~約80重量%、例えば30~70重量%または35~65重量%の範囲である。
【0058】
ある例においては、本明細書に記載のプリプレグの繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、合成有機繊維(特には例えばパラ-及びメタ-アラミド繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、または繊維としての使用に好適な本明細書に記載のいずれかの高メルトフローインデックス樹脂などの高弾性率有機繊維)、天然繊維(麻、サイザル、ジュート、亜麻、コイア、ケナフ、及びセルロース繊維など)、鉱物繊維(玄武岩、ミネ
ラルウール(例えばロックウールまたはスラグウール)、珪灰石、アルミナシリカ等、またはこれらの混合物など)、金属繊維、金属化天然及び/もしくは合成繊維、セラミック繊維、糸状繊維、またはこれらの混合物を含んでいてもよい。いくつかの実施形態においては、望ましい官能基を付与するため、または繊維に別の物理的特性を付与するために、使用する前に上述の繊維のいずれかが化学的に処理されてもよく、例えばこれらが熱可塑性材料、ロフティング剤、または両方と反応することができるように、化学的に処理されてもよい。いくつかの事例においては、プリプレグ中で使用される繊維が最初にロフティング剤と反応することで誘導体化された繊維を与え、その後これが熱可塑性材料と混合されてもよい。あるいは、ロフティング剤がプリプレグの熱可塑性材料と反応することで誘導体化された熱可塑性材料を与え、その後これが繊維と混合されてもよい。プリプレグ中の繊維の含有率は、プリプレグの約20重量%~約90重量%、より具体的にはプリプレグの約30重量%~約70重量%であってもよい。典型的には、プリプレグを含む複合物品の繊維含有率は、複合材料の約20重量%~約90重量%、より具体的には約30重量%~約80重量%、例えば約40重量%~約70重量%の間で変動する。使用される繊維の具体的な大きさ及び/または配向は、少なくともある程度は使用されるポリマー材料及び/または得られるプリプレグの必要とされる特性に依存し得る。繊維の適切な追加的な種類、繊維の大きさ、及び量は、本開示の利益を踏まえて当業者によって容易に選択されるであろう。ある非限定的な実例においては、プリプレグを得るための熱可塑性材料及びロフティング剤の中に分散されている繊維は、通常、約5ミクロン超、より具体的には約5ミクロン~約22ミクロンの直径と、約5mm~約200mmの長さを有し、より具体的には、繊維の直径は約ミクロン~約22ミクロンであってもよく、繊維の長さは約5mm~約75mmであってもよい。
【0059】
プリプレグ中で使用されるロフティング剤の正確な種類は、例えば望ましいロフティング温度、望ましいロフティングの程度等などの多くの因子に依存し得る。いくつかの事例においては、対流式加熱に曝露されるとその大きさを増加することができるミクロスフェアロフティング剤を使用することができる。例示的な市販のロフティング剤は、例えばKureha Corpから入手可能である。いくつかの事例においては、ロフティング剤はミクロスフェアの形態で存在し、例えば少なくとも40ミクロンの平均粒径を有していてもよい。別の事例においては、第1の平均粒径を有する第1のロフティング剤と、第1の平均粒径とは異なる第2の平均粒径を有する第2のロフティング剤が使用されてもよい。
【0060】
いくつかの構成においては、プリプレグは、特定の用途のための有害物質基準に対する規制を満たすために、実質的にハロゲンフリーであるかハロゲンフリーのプリプレグであってもよい。別の事例においては、プリプレグは、例えばF、Cl、Br、I、及びAtのうちの1つ以上を含むハロゲン化難燃剤などのハロゲン化難燃剤、または、例えばテトラブロモビスフェノールAポリカーボネート、またはモノハロ-、ジハロ-、トリハロ-もしくはテトラハロ-ポリカーボネートなどの、そのようなハロゲンを含む化合物を含んでいてもよい。いくつかの事例においては、プリプレグ及びコア中で使用される熱可塑性材料は、別の難燃剤を添加することなしにいくらかの難燃性を付与するために、1つ以上のハロゲンを含んでいてもよい。ハロゲン化難燃剤が存在する場合には、難燃剤は望ましくは存在する他の成分に応じて変動し得る難燃剤量で存在する。例えば、ハロゲン化難燃剤は、約0.1重量%~約15重量%(プリプレグの重量基準)、より具体的には約1重量%~約13重量%、例えば約5重量%~約13重量%で存在していてもよい。必要に応じて、2種の異なるハロゲン化難燃剤がプリプレグに添加されてもよい。別の事例においては、例えばN、P、As、Sb、Bi、S、Se、及びTeのうちの1つ以上を含む難燃剤などの非ハロゲン化難燃剤が添加されてもよい。いくつかの実施形態においては、非ハロゲン化難燃剤はリン含有材料を含んでいてもよく、そのためプリプレグはより環境に優しいものになり得る。非ハロゲン化難燃剤または実質的にハロゲンフリーの難燃剤が存
在する場合、難燃剤は望ましくは存在する他の成分次第で変動し得る難燃剤量で存在する。例えば、実質的にハロゲンフリーの難燃剤は、約0.1重量%~約15重量%(プリプレグの重量基準)、より具体的には約1重量%~約13重量%、例えばプリプレグの総重量基準で約5重量%~約13重量%で存在していてもよい。必要に応じて、2種の異なる実質的にハロゲンフリーの難燃剤がプリプレグに添加されてもよい。ある事例においては、本明細書に記載のプリプレグは、1種以上の実質的にハロゲンフリーの難燃剤と組み合わされた1種以上のハロゲン化難燃剤を含んでいてもよい。2種の異なる難燃剤が存在する場合、2種の難燃剤の組み合わせは、存在する他の成分次第で変動し得る難燃剤量で存在していてもよい。例えば、存在する難燃剤の総重量は、約0.1重量%~約20重量%(プリプレグの重量基準)、より具体的には約1重量%~約15重量%、例えばプリプレグの総重量基準で約2重量%~約14重量%であってもよい。本明細書に記載のプリプレグで使用される難燃剤は、ロフティング剤と、熱可塑性材料と、繊維とを含む混合物に添加されてもよいし(ワイヤースクリーンまたは他の処理構成要素の上に混合物を配置する前)、あるいはプリプレグが形成された後に添加されてもよい。
【0061】
ある構成においては、本明細書に記載の物品は多孔質コアを含んでいてもよい。ある例においては、多孔質コアは、1種以上の熱可塑性材料と、ウェブまたはネットワーク構造の中で硬化した熱可塑性材料によって所定の位置で保持され得る複数の繊維とを含むことで、コアの中に複数のオープンセル、空隙、またはウェブを与える。いくつかの事例においては、ロフティング剤が概して熱可塑性材料及び/または繊維と共有結合しない方式で多孔質コアの空隙の中に存在していてもよい。例えば、熱可塑性材料及び/または繊維は、これらがロフティング剤に対して概して不活性であるか非反応性であるように選択することができる。ロフティング剤は熱可塑性材料及び/または繊維に対して共有結合しなくてよいものの、典型的にはロフティング剤自体にまたは内部に存在する共有結合がある場合がある。別の事例においては、熱可塑性材料、繊維、または両方にロフティング剤を共有結合させてコアの中に少量の共有結合しているロフティング剤を付与することが望ましい場合がある。コア中に結合しているロフティング剤が存在する場合であっても、ロフティング剤は、望ましくは例えばコアのロフティングを可能にする対流式加熱などの適切な条件下で、これらが占める体積をなお増加させることができる。いくつかの事例においては、共有結合しているロフティング剤と共有結合していないロフティング剤の両方ともコアの中に存在していてもよい。コアのいくつかの構成は、ロフティング剤の約100%が非共有結合的に結合しているロフティング剤を含む場合があるものの、ファンデルワールス相互作用または静電相互作用などの弱い相互作用が、ロフティング剤と、コアの他の構成要素との間に生じる場合があり、例えば電荷-電荷相互作用または疎水的相互作用がコア中に存在する様々な構成要素間で生じる場合がある。
【0062】
ある構成においては、コアは、コア全体にわたって分散されているロフティング剤を含んでいてもよい。いくつかの事例においては、ロフティング剤の分散は、コアの第1の表面から第2の表面まで実質的に均質または実質的に均一であってもよい。本明細書でより詳しく述べるように、コア中でのロフティング剤のそのような実質的に均質または実質的に均一な分布を得るためには、コアの構成要素が一緒に混合されることで分散液が形成されてもよい。混合は、分散液の中にロフティング剤と、熱可塑性材料と、繊維との実質的に均質または実質的に均一な混合物を分散液が含むまで行うことができる。その後、コアは、例えば適切な敷設工程を使用して分散液をワイヤースクリーン上に配置した後にコアの熱可塑性材料を硬化させることによって、本明細書に記載の通りに形成することができる。別の構成においては、コアの一方の表面から他方の表面までロフティング剤の傾斜分布を付与することが望ましい場合がある。いくつかの構成においては、コア中にロフティング剤の実質的に均一な分布が存在し、その後、追加的なロフティング剤がコアの片面に添加されることで傾斜分布が付与される。そのような追加的なロフティング剤は、例えばロフティング剤を含む溶液を噴霧または塗布することによってコアに直接添加されてもよ
く、あるいは、ロフティング剤を含むスキン、追加的なプリプレグもしくはコア、または他の構成要素をコアに結合させることによって添加されてもよい。例えば、第1のコアと、第1コアの上に配置されている第2のコアは、複合物品を与えることができる。それぞれのコアは、ロフティング剤の実質的に均一な分布を含み得るが、2つのコア中のロフティング剤の量及び/または種類は異なる場合があり、例えば添加率が異なっていてもよく、あるいは材料自体が異なっていてもよい。しかし、必要に応じて、コアのうちの一方のみがロフティング剤を含んでいてもよく、他方のコアはロフティング剤を含まなくてもよく、あるいは異なるロフティング剤を含んでいてもよい。コアの熱可塑性材料は溶融して、2つのコア由来の材料を含む単一の一体化されたコアを与えることができる。コアの溶融の結果として、ロフティング剤の傾斜分布を有する複合コアが得られる。別の構成においては、コア中のロフティング剤の分布は、ロフティング剤を含むスキンまたは他の材料がコアと結合されることによって付与されてもよい。別の事例においては、スキンはコアの中に溶融してスキンとコアを結合させ、実質的な界面が全くなしに結合したスキン/コア複合材料を残すことができる。必要に応じて、及び下でより詳しく述べるように、ロフティング剤を含んでいてもいなくてもよい追加的なスキンが、第1のスキンと反対側の面でコアと結合されてもよい。
【0063】
ある構成においては、コアの熱可塑性材料は、繊維形態、粒子形態、樹脂形態、または他の適切な形態でコアを提供するために使用されてもよい。いくつかの例においては、コア中で使用される熱可塑性材料は粒子状の形態で存在していてもよく、ロフティング剤の平均粒径と実質的に同じ平均粒径を有していてもよい。熱可塑性材料とロフティング剤の粒径を一致させることによって、例えばコア中でのロフティング剤の保持性の向上、予定されるロフティング能力の増加等などの、コアの向上した加工性を得ることができる。いくつかの事例においては、ロフティング剤の平均粒径と熱可塑性材料の平均粒径は、約5%~約10%異なっていてもよく、それでもなお向上した加工性を得ることができる。ある構成においては、コア中の熱可塑性材料とロフティング剤それぞれの平均粒径は、約50ミクロン~約900ミクロン異なっていてもよい。別の事例においては、熱可塑性材料の平均粒径とほぼ同じ平均粒径のロフティング剤が、熱可塑性材料の平均粒径と異なる平均粒径のロフティング剤と共に存在していてもよい。ロフティング剤の平均粒径は異なる場合があるものの、ロフティング剤の化学組成は同じであっても異なっていてもよい。また別の構成においては、異なる平均粒径を有する2種以上の熱可塑性材料が存在していてもよい。必要に応じて、2種の熱可塑性材料の平均粒径と実質的に同じ平均粒径を有する2種のロフティング剤がコア中に存在していてもよい。2種のロフティング剤は化学的に同じであっても、化学的に区別できるものであってもよい。同様に、熱可塑性材料は、化学的に同じ(であるが異なる平均粒径を有するもの)であっても、化学的に区別できるものであってもよい。
【0064】
ある実施形態においては、コアは、通常、コア中に空隙が存在するような相当量のオープンセル構造を有する。例えば、コア層は、0~30%、10~40%、20~50%、30~60%、40~70%、50~80%、60~90%、0~40%、0~50%、0~60%、0~70%、0~80%、0~90%、5~30%、5~40%、5~50%、5~60%、5~70%、5~80%、5~90%、5~95%、10~50%、10~60%、10~70%、10~80%、10~90%、10~95%、20~60%、20~70%、20~80%、20~90%、20~95%、30~70%、30~80%、30~90%、30~95%、40~80%、40~90%、40~95%、50~90%、50~95%、60~95%、70~80%、70~90%、70~95%、80~90%、80~95%(コアの体積基準)、またはこれらの典型的な範囲内の任意の実例値の空孔率もしくは空隙率を有していてもよい。いくつかの事例においては、コアは0%(例えば完全に固化されていない場合)超、最大約95%の空隙率または空孔率を有していてもよい。特段の記載がない限り、ある空孔率または空隙率を有するコアに対す
る言及はコアの総体積基準であり、必ずしもコアに結合している任意の他の材料または層をコアに足した総体積基準ではない。プリプレグと比較して、コアの空隙率は同じであっても異なっていてもよい。例えば、多くの事例においては、プリプレグは、プリプレグを一連のローラー通過させることによって、またはプリプレグの片面もしくは両面を加圧することによって、コアへと形成される。そのような事例においては、コアの空隙率はプリプレグの空隙率と異なる場合があり、例えばコアの空隙率はプリプレグのものよりも低い場合がある。いくつかの事例においては、コアの空隙率は、最終的に形成される物品または製品へのコアの増加したロフティング能力を付与するために、相当するプリプレグよりも少なくなるように意図的に選択される。
【0065】
ある実施形態においては、コアの中に存在する高い空隙率は、コアの細孔中へのロフティング剤の捕捉を可能にする。例えば、ロフティング剤は共有結合ではない結合方式で空隙の中に存在することができる。熱または他の摂動を加えることが、非共有結合的に結合しているロフティング剤の体積を増加させるように作用してもよく、これはひいてはコアの全体の厚さを増加させる。例えばロフティング剤は、例えば対流熱などの適切な刺激を受けるとコアの全体の厚さを増加させるために機能するロフティング剤として機能してもよい。
【0066】
ある実施形態においては、本明細書に記載のコアの熱可塑性材料は、少なくとも一部に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、ポリブチレンテトラクロラート、及びポリ塩化ビニル(可塑化と無可塑化の両方)、並びにこれらの材料と互いとのもしくは他のポリマー材料とのブレンド物、のうちの1種以上を含んでいてもよい。他の好適な熱可塑性材料としては、これらに限定するものではないが、ポリアリーレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、アモルファスナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶性ポリマー、PARMAX(登録商標)として商業的に公知のポリ(1,4フェニレン)化合物、BayerのAPEC(登録商標)PCなどの高熱ポリカーボネート、高温ナイロン、及びシリコーン、並びにこれらの材料と互いとのもしくは他のポリマー材料とのアロイ及びブレンド物、が挙げられる。コアの形成のために使用される熱可塑性材料は、粉末形態、樹脂形態、ロジン形態、繊維形態、または他の適切な形態で使用することができる。様々な形態の例示的な熱可塑性材料は本明細書に記載されており、例えば米国特許出願公開No.20130244528及びNo.US20120065283にも記載されている。コア中に存在する熱可塑性材料の正確な量は様々な場合があり、例示的な量は約20重量%~約80重量%の範囲である。
【0067】
ある例においては、本明細書に記載のコアの繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、合成有機繊維(特には例えばパラ-及びメタ-アラミド繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、または繊維としての使用に好適な本明細書に記載のいずれかの高メルトフローインデックス樹脂などの高弾性率有機繊維)、天然繊維(麻、サイザル、ジュート、亜麻、コイア、ケナフ、及びセルロース繊維など)、鉱物繊維(玄武岩、ミネラルウール(例えばロックウールまたはスラグウール)、珪灰石、アルミナシリカ等、またはこれらの混合物など)、金属繊維、金属化天然及び/もしくは合成繊維、セラミック繊維、糸状繊維、またはこれらの混合物を含んでいてもよい。いくつかの実施形態においては、望ましい官能基を付与するため、または繊維に別の物理的特性を付与するために、使用する前に上述の繊維のいずれかが化学的に処理されてもよく、例えばこれらが熱可塑性材料、ロフティング剤、または両方と反応することができるように、化学的に処理されてもよい。いくつかの事例においては、コア中で使用される繊維が最初にロフティング剤と反応
することで誘導体化された繊維を与え、その後、これが熱可塑性材料と混合されてもよい。あるいは、ロフティング剤がコアの熱可塑性材料と反応することで誘導体化された熱可塑性材料を与え、その後、これが繊維と混合されてもよい。コア中の繊維の含有率は、コアの約20重量%~約90重量%、より具体的にはコアの約30重量%~約70重量%であってもよい。使用される繊維の具体的な大きさ及び/または配向は、少なくともある程度は使用されるポリマー材料及び/または得られるコアの必要とされる特性に依存し得る。繊維の適切な追加的な種類、繊維の大きさ、及び量は、本開示の利益を踏まえて当業者によって容易に選択されるであろう。ある非限定的な実例においては、コアを得るための熱可塑性材料及びロフティング剤の中に分散されている繊維は、通常、約5ミクロン超、より具体的には約5ミクロン~約22ミクロンの直径と、約5mm~約200mmの長さを有し、より具体的には、繊維の直径は約ミクロン~約22ミクロンであってもよく、繊維の長さは約5mm~約75mmであってもよい。
【0068】
いくつかの事例においては、コアは、特定の用途のための有害物質基準に対する規制を満たすために、実質的にハロゲンフリーであるかハロゲンフリーのコアであってもよい。別の事例においては、コアは、例えばF、Cl、Br、I、及びAtのうちの1つ以上を含むハロゲン化難燃剤などのハロゲン化難燃剤、または、例えばテトラブロモビスフェノールAポリカーボネート、またはモノハロ-、ジハロ-、トリハロ-もしくはテトラハロ-ポリカーボネートなどの、そのようなハロゲンを含む化合物を含んでいてもよい。いくつかの事例においては、コア中で使用される熱可塑性材料は、別の難燃剤を添加することなしにいくらかの難燃性を付与するために、1つ以上のハロゲンを含んでいてもよい。ハロゲン化難燃剤が存在する場合には、難燃剤は望ましくは存在する他の成分に応じて変動し得る難燃剤量で存在する。例えば、ハロゲン化難燃剤は、約0.1重量%~約15重量%(コアの重量基準)、より具体的には約1重量%~約13重量%、例えば約5重量%~約13重量%で存在していてもよい。必要に応じて、2種の異なるハロゲン化難燃剤がコアに添加されてもよい。別の事例においては、例えばN、P、As、Sb、Bi、S、Se、及びTeのうちの1つ以上を含む難燃剤などの非ハロゲン化難燃剤が添加されてもよい。いくつかの実施形態においては、非ハロゲン化難燃剤はリン含有材料を含んでいてもよく、そのためコアはより環境に優しいものになり得る。非ハロゲン化難燃剤または実質的にハロゲンフリーの難燃剤が存在する場合、難燃剤は望ましくは存在する他の成分次第で変動し得る難燃剤量で存在する。例えば、実質的にハロゲンフリーの難燃剤は、約0.1重量%~約15重量%(コアの重量基準)、より具体的には約1重量%~約13重量%、例えばコアの総重量基準で約5重量%~約13重量%で存在していてもよい。必要に応じて、2種の異なる実質的にハロゲンフリーの難燃剤がコアに添加されてもよい。ある事例においては、本明細書に記載のコアは、1種以上の実質的にハロゲンフリーの難燃剤と組み合わされた1種以上のハロゲン化難燃剤を含んでいてもよい。2種の異なる難燃剤が存在する場合、2種の難燃剤の組み合わせは、存在する他の成分次第で変動し得る難燃剤量で存在していてもよい。例えば、存在する難燃剤の総重量は、約0.1重量%~約20重量%(コアの重量基準)、より具体的には約1重量%~約15重量%、例えばコアの総重量基準で約2重量%~約14重量%であってもよい。本明細書に記載のコアで使用される難燃剤は、ロフティング剤材料と、熱可塑性材料と、繊維とを含む混合物に添加されてもよいし(ワイヤースクリーンまたは他の処理構成要素の上に混合物を配置する前)、あるいはプリプレグが形成された後またはコアが硬化した後に、例えばプリプレグもしくはコアを難燃剤の中に浸すことによって、またはプリプレグもしくはコアの上に難燃剤を噴霧することによって、添加されてもよい。
【0069】
ある実施形態においては、本明細書に記載の組成物中で使用される接着層は、熱可塑性成分及び熱硬化性材料成分を含み得る。いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、接着層に効果的な量の熱硬化性材料を含ませることによって架橋が強化されることで、プリプレグまたはコアと、プリプレグまたはコアの上に配置されているスキン層と
の間のより優れた結合を得ることができる。いくつかの例においては、接着層の熱可塑性成分は、例えばポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン等の熱可塑性ポリマーを含んでいてもよい。別の事例においては、接着層の熱可塑性ポリマーは、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、ポリブチレンテトラクロラート、及びポリ塩化ビニル(可塑化と無可塑化の両方)、並びにこれらの材料と互いとのもしくは他のポリマー材料とのブレンド物を含んでいてもよい。接着層での使用のための他の好適な熱可塑性ポリマーとしては、これらに限定するものではないが、ポリアリーレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、アモルファスナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶性ポリマー、PARMAX(登録商標)として商業的に公知のポリ(1,4フェニレン)化合物、BayerのAPEC(登録商標)PCなどの高熱ポリカーボネート、高温ナイロン、及びシリコーン、並びにこれらの材料と互いとのもしくは他のポリマー材料とのアロイ及びブレンド物、が挙げられる。使用される熱硬化性材料は様々な場合があり、これらに限定するものではないが、1つ以上のエポキシ基を含む材料、エポキシド、エポキシ樹脂、エポキシ接着剤、ポリエステル、ポリエステル樹脂、熱硬化性ウレタン、熱硬化性ポリウレタン、ジアリルフタレート、ポリイミド、ポリアミド、シアネートエステル、ポリシアヌレート、及びこれらの組み合わせなどを含む1種以上の熱硬化性ポリマーを挙げることができる。接着層中での熱硬化性材料に対する熱可塑性材料の正確な量の比率は様々な場合があり、いくつかの事例においては、存在する熱硬化性材料の量よりも多い熱可塑性材料が存在する(接着層の重量基準)。例えば、多孔質コア層を含む物品のロフティング能力をなお保持するためには、接着層の10重量%未満もしくは5重量%未満の熱硬化性材料を含めることが望ましい。熱硬化性材料が多すぎると、例えばロフティングされ得る物品の中の寸法が限定されることによって物品のロフティング能力が阻止または制限される場合がある。いくつかの実施形態においては、コア層とスキン層との間の剥離強度を高めるために十分な熱可塑性材料が接着層中に存在するが、例えば熱成形や成形等を使用する複合物品の同時のロフティング及び成形を妨げるほどに多くの熱硬化性材料は存在しない。
【0070】
ある実施形態においては、本明細書で言及されるように、複合物品は、アンダーボディシールドへと加工され得るアンダーボディシールド組成物を提供するために、プリプレグまたはコアの表面上に配置されるスキン材料を含んでいてもよい。
図9を参照すると、物品900は、熱可塑性材料と、複数の繊維と、プリプレグまたはコアの空隙に配置されているロフティング剤とを含むプリプレグまたはコア910を含む。物品900は、熱可塑性ポリマー成分と熱硬化性材料の両方を含む接着層915を介してプリプレグまたはコア910の上に配置されている第1のスキン920を含む。物品900の接着層中の熱可塑性成分と熱硬化性材料の正確な重量パーセンテージは様々な場合があるものの、熱可塑性成分は典型的には熱硬化性材料よりも多い重量パーセンテージで存在する。スキン920は、例えばフィルム(例えば熱可塑性フィルムまたはエラストマー系フィルム)、フリム、スクリム(例えば繊維を主体とするスクリム)、箔、織布、不織布を含んでいてもよく、またはプリプレグもしくはコア910の上に配置されている無機コーティング、有機コーティング、もしくは熱硬化性コーティングとして存在していてもよい。別の事例においては、スキン920は、1996年付けのISO4589により測定される約22超の限界酸素指数を有し得る。熱可塑性フィルムがスキン920として(またはその一部として)存在する場合、熱可塑性フィルムは、ポリ(エーテルイミド)、ポリ(エーテルケトン)、ポリ(エーテル-エーテルケトン)、ポリ(フェニレンサルファイド)、ポリ(アリーレンスルホン)、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(アミド-イミド)、ポリ(1,4-フェニレン)、ポリカーボネート、ナイロン、及びシリコーンのうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。繊維を主体とするスクリムがスキン920として(またはその一部
として)存在する場合、繊維を主体とするスクリムは、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、及び金属化無機繊維のうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。熱硬化性コーティングがスキン920として(またはその一部として)存在する場合、コーティングは、不飽和ポリウレタン、ビニルエステル、フェノール樹脂、及びエポキシ樹脂のうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。無機コーティングがスキン920として(またはその一部として)存在する場合、無機コーティングは、Ca、Mg、Ba、Si、Zn、Ti、及びAlから選択されるカチオンを含む無機物を含んでいてもよく、あるいは石膏、炭酸カルシウム、及びモルタルのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。不織布がスキン920として(またはその一部として)存在する場合、不織布は、熱可塑性材料、熱硬化性バインダー、無機繊維、金属繊維、金属化無機繊維、及び金属化合成繊維を含んでいてもよい。プリプレグまたはコア910は、例えば熱可塑性材料、強化繊維、及びプリプレグまたはコア910の中に分散されているロフティング剤などの、プリプレグ及びコアと関連して本明細書で記載されている任意の材料を含んでいてもよい。必要に応じて、スキン920も同様にロフティング剤を含んでいてもよい。
【0071】
ある構成においては、本明細書に記載のプリプレグ及びコアは、プリプレグまたはコアの各面上にスキンを含む物品を提供するために使用されてもよい。
図10を参照すると、プリプレグまたはコア1010と、プリプレグまたはコア1010の第1の表面の上に配置されている第1のスキン1020とを含み、コア1010とスキン1020との間の接着層1015を有する物品1000が示されている。接着層1015は、コア1010のロフティング後及び/または物品1000の成形もしくは加工後のコア1010とスキン1020との間の向上した剥離強度を付与するために、熱可塑性ポリマー及び熱硬化性材料を含む。プリプレグまたはコア1010の上に配置されている第2のスキン1030も存在する。スキン1030とコア1010との間に任意選択的な第2の接着層(図示せず)が存在していてもよい。例えば、コア1010のロフティング後及び/または物品1000の成形もしくは加工後のコア1010とスキン1030との間の向上した剥離強度を付与するために熱可塑性ポリマーと熱硬化性材料とを含む第2の接着層が存在していてもよい。プリプレグまたはコア1010は、例えば熱可塑性材料、強化繊維、及びプリプレグまたはコア1010の中に分散されているロフティング剤などの、プリプレグ及びコアに関連して本明細書で記載されている任意の材料を含んでいてもよい。第1のスキン1020と第2のスキン1030のぞれぞれは、フィルム(例えば熱可塑性フィルムまたはエラストマー系フィルム)、フリム、スクリム(例えば繊維を主体とするスクリム)、箔、織布、不織布から独立に選択されてもよく、またはプリプレグもしくはコア1010の上に配置されている無機コーティング、有機コーティング、もしくは熱硬化性コーティングとして存在していてもよい。別の事例においては、スキン1020またはスキン1030(または両方)は、1996年付けのISO4589により測定される約22超の限界酸素指数を有し得る。熱可塑性フィルムがスキン1020またはスキン1030(または両方)として(またはその一部として)存在する場合、熱可塑性フィルムは、ポリ(エーテルイミド)、ポリ(エーテルケトン)、ポリ(エーテル-エーテルケトン)、ポリ(フェニレンサルファイド)、ポリ(アリーレンスルホン)、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(アミド-イミド)、ポリ(1,4-フェニレン)、ポリカーボネート、ナイロン、及びシリコーンのうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。繊維を主体とするスクリムがスキン1020またはスキン1030(または両方)として(またはその一部として)存在する場合、繊維を主体とするスクリムは、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、及び金属化無機繊維のうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。熱硬化性コーティングがスキン1020またはスキン1030(または両方)として(またはその一部として)存在する場合、コーティングは、不飽和ポリウレタン、ビニルエステル、フェノール樹脂、及びエポキシ樹脂のうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。無機コーティングがスキン1020またはスキン10
30(または両方)として(またはその一部として)存在する場合、無機コーティングは、Ca、Mg、Ba、Si、Zn、Ti、及びAlから選択されるカチオンを含む無機物を含んでいてもよく、あるいは石膏、炭酸カルシウム、及びモルタルのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。不織布がスキン1020またはスキン1030(または両方)として(またはその一部として)存在する場合、不織布は、熱可塑性材料、熱硬化性バインダー、無機繊維、金属繊維、金属化無機繊維、及び金属化合成繊維を含んでいてもよい。必要に応じて、スキン1020、1030のうちの一方または両方も同様にロフティング剤を含んでいてもよい。
【0072】
ある事例においては、物品は、プリプレグまたはコアと、プリプレグまたはコアの上に配置されている少なくとも1つのスキンと、スキンの上に配置されている装飾層またはカバー層を含んでいてもよい。
図11を参照すると、プリプレグまたはコア1110と、プリプレグまたはコア1110の第1の表面上に配置されているスキン1120と、スキン1120の上に配置されている装飾層1130を含む物品1100が示されている。ある実施形態においては、スキン1120とコア1110との間に接着層1115が存在してもよく、例えば接着層は、コア1110とスキン1120との間の向上したロフティング後及び/または成形後の剥離強度を付与するために、熱可塑性ポリマー及び熱硬化性材料を含む。別の実施形態においては、スキン1120と層1130との間に接着層(図示せず)が存在していてもよく、例えば接着層は、層1130とスキン1120との間の向上したロフティング後及び/または成形後の剥離強度を付与するために、熱可塑性ポリマー及び熱硬化性材料を含む。追加的な事例においては、熱可塑性ポリマーと熱硬化性材料を有する第1の接着層がコア1110とスキン1120との間に存在していてもよく、熱可塑性ポリマーと熱硬化性材料とを有する第2の接着層がスキン1120と層1130との間に存在していてもよい。プリプレグまたはコア1110は、例えば熱可塑性材料、強化繊維、及びプリプレグまたはコア1110の中に分散されているロフティング剤などの、プリプレグ及びコアに関連して本明細書で記載されている任意の材料を含んでいてもよい。スキン1120は、例えばフィルム(例えば熱可塑性フィルムまたはエラストマー系フィルム)、フリム、スクリム(例えば繊維を主体とするスクリム)、箔、織布、不織布を含んでいてもよく、またはプリプレグもしくはコア1110の上に配置されている無機コーティング、有機コーティング、もしくは熱硬化性コーティングとして存在していてもよい。別の事例においては、スキン1120は、1996年付けのISO4589により測定される約22超の限界酸素指数を有し得る。熱可塑性フィルムが存在する場合、熱可塑性フィルムは、ポリ(エーテルイミド)、ポリ(エーテルケトン)、ポリ(エーテル-エーテルケトン)、ポリ(フェニレンサルファイド)、ポリ(アリーレンスルホン)、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(アミド-イミド)、ポリ(1,4-フェニレン)、ポリカーボネート、ナイロン、及びシリコーンのうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。繊維を主体とするスクリムが存在する場合、繊維を主体とするスクリムは、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、及び金属化無機繊維のうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。熱硬化性コーティングがスキン1120の上または中に存在する場合、コーティングは、不飽和ポリウレタン、ビニルエステル、フェノール樹脂、及びエポキシ樹脂のうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。無機コーティングが存在する場合、無機コーティングは、Ca、Mg、Ba、Si、Zn、Ti、及びAlから選択されるカチオンを含む無機物を含んでいてもよく、あるいは石膏、炭酸カルシウム、及びモルタルのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。不織布が存在する場合、不織布は、熱可塑性材料、熱硬化性バインダー、無機繊維、金属繊維、金属化無機繊維、及び金属化合成繊維を含んでいてもよい。装飾層1130は、例えばポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性エラストマー等の熱可塑性フィルムから形成されてもよい。装飾層1130は、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン等から形成される発泡コアを含む多層構造であってもよい。天然及び合成繊維から製造された織布、ニードルパンチ等の後の有
機繊維不織布、起毛生地、編物、フロック加工生地、または他のそのような材料などの生地が発泡コアに接着されていてもよい。生地は、ポリアミド、変性ポリオレフィン、ウレタン、及びポリオレフィン等の、感圧接着剤及びホットメルト接着剤などの熱可塑性接着剤を用いて発泡コアに接着されていてもよい。装飾層1130は、スパンボンド、熱ボンド、スパンレース、メルトブロー、ウェットレイ、及び/またはドライレイプロセスを使用して製造されてもよい。
【0073】
ある構成においては、2つ以上のプリプレグまたはコアは、例えば、スキン、または、2つのプリプレグまたはコアの間の向上した結合を付与するために熱可塑性ポリマーと熱硬化性材料とを含む接着層、などの介在層または中間層を介して互いに結合されていてもよい。
図12を参照すると、中間層1220を介してプリプレグまたはコア1230と結合しているプリプレグまたはコア1210を含む物品1200が示されている。プリプレグまたはコア1210、1230のそれぞれは、同じであっても異なっていてもよい。いくつかの事例においては、プリプレグまたはコア1210、1230の熱可塑性材料及び繊維は同じであるが、プリプレグまたはコア1210、1230中に存在するロフティング剤の添加量またはロフティング剤材料の種類が異なる。別の事例においては、プリプレグまたはコア1210、1230中のロフティング剤の種類及び/または量は同じであってもよく、熱可塑性材料及び/または繊維の一方または両方が異なっていてもよく、例えば化学的に異なっていてもよく、あるいは異なる量で存在していてもよい。必要に応じて、例えばハロゲン化難燃剤または非ハロゲン化難燃剤などの1種以上の好適な難燃剤がコア1210、1230のうちの一方または両方の中に存在していてもよい。
図12ではプリプレグまたはコア1210、1230の厚さはほぼ同じものとして示されているが、プリプレグまたはコア1210、1230の厚さは様々であってもよい。いくつかの構成においては、プリプレグまたはコア1210、1230のうちの一方はミクロスフェアを含むロフティング剤を含んでいてもよい。コア1210、1230のうちの一方または両方の中でミクロスフェアがロフティング剤として使用される場合、ミクロスフェアは別のロフティング剤と組み合わされて存在していてもよい。中間層1220は本明細書に記載のスキンまたは本明細書に記載の接着層の形態をとっていてもよく、例えば1つは、2つのプリプレグまたはコア1210、1230の間の向上した剥離強度を付与するために熱可塑性ポリマー及び熱硬化性材料を含む。中間層1220がスキンの形態をとる場合、例えば向上した剥離強度を付与するために熱可塑性ポリマーと熱硬化性材料とを含む接着層などの追加的な層も存在していてもよい。層1220がスキンの形態をとる場合、スキンは、例えばフィルム(例えば熱可塑性フィルムまたはエラストマー系フィルム)、フリム、スクリム(例えば繊維を主体とするスクリム)、箔、織布、不織布を含んでいてもよく、またはプリプレグもしくはコア1210の上に配置されている無機コーティング、有機コーティング、もしくは熱硬化性コーティングとして存在していてもよい。別の事例においては、層1220は、1996年付けのISO4589により測定される約22超の限界酸素指数を有し得る。熱可塑性フィルムが存在する場合、熱可塑性フィルムは、ポリ(エーテルイミド)、ポリ(エーテルケトン)、ポリ(エーテル-エーテルケトン)、ポリ(フェニレンサルファイド)、ポリ(アリーレンスルホン)、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(アミド-イミド)、ポリ(1,4-フェニレン)、ポリカーボネート、ナイロン、及びシリコーンのうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。層1220としてまたは層1220の中に繊維を主体とするスクリムが存在する場合、繊維を主体とするスクリムは、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、及び金属化無機繊維のうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。層1220としてまたは層1220の中に熱硬化性コーティングが存在する場合、コーティングは、不飽和ポリウレタン、ビニルエステル、フェノール樹脂、及びエポキシ樹脂のうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。層1220としてまたは層1220の中に無機コーティングが存在する場合、無機コーティングは、Ca、Mg、Ba、Si、Zn、Ti、及びAlから選択されるカチオンを含む無機物を含んでいてもよく、あるいは石膏、炭
酸カルシウム、及びモルタルのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。層1220としてまたは層1220の中に不織布が存在する場合、不織布は、熱可塑性材料、熱硬化性バインダー、無機繊維、金属繊維、金属化無機繊維、及び金属化合成繊維を含んでいてもよい。図示されていないものの、プリプレグまたはコア1210、1230のいずれか(または両方)に装飾層が結合されていてもよい。本明細書で言及されるように、装飾層は、例えばポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性エラストマー等の熱可塑性フィルムから形成されてもよい。装飾層は、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン等から形成される発泡コアを含む多層構造であってもよい。天然及び合成繊維から製造された織布、ニードルパンチ等の後の有機繊維不織布、起毛生地、編物、フロック加工生地、または他のそのような材料などの生地が発泡コアに接着されていてもよい。生地は、ポリアミド、変性ポリオレフィン、ウレタン、及びポリオレフィン等の、感圧接着剤及びホットメルト接着剤などの熱可塑性接着剤を用いて発泡コアに接着されていてもよい。装飾層は、スパンボンド、熱ボンド、スパンレース、メルトブロー、ウェットレイ、及び/またはドライレイプロセスを使用して製造されてもよい。
【0074】
ある実施形態においては、2つ以上のプリプレグまたはコアが互いに結合することができ、その後スキンがプリプレグまたはコアの1つの表面上に配置されてもよい。
図13を参照すると、プリプレグまたはコア1330と結合しているプリプレグまたはコア1310と、コア1330の上に配置されているスキン1320とを含む物品1300が示されている。プリプレグまたはコア1310、1330のそれぞれは、同じであっても異なっていてもよい。いくつかの事例においては、コア1310、1330の熱可塑性材料及び繊維は同じであるが、コア1310、1330中に存在するロフティング剤材料の添加量またはロフティング剤材料の種類が異なる。別の事例においては、コア1310、1330中のロフティング剤の種類及び/または量は同じであってもよく、熱可塑性材料及び/または繊維の一方または両方が異なっていてもよく、例えば化学的に異なっていてもよく、あるいは異なる量で存在していてもよい。必要に応じて、例えばハロゲン化難燃剤または非ハロゲン化難燃剤などの1種以上の好適な難燃剤がプリプレグまたはコア1310、1330のうちの一方または両方の中に存在していてもよい。
図13ではプリプレグまたはコア1310、1330の厚さはほぼ同じものとして示されているが、プリプレグまたはコア1310、1330の厚さは様々であってもよい。いくつかの構成においては、プリプレグまたはコア1310、1330のうちの一方はミクロスフェアを含むロフティング剤を含んでいてもよい。いくつかの事例においては、スキン1320とコア1330との間に接着層が存在していてもよく、例えばスキン1320とコア1330との間の向上した剥離強度を付与するために熱可塑性ポリマーと熱硬化性材料とを含む接着層が存在していてもよい。いくつかの事例においては、スキン1320は、例えばフィルム(例えば熱可塑性フィルムまたはエラストマー系フィルム)、フリム、スクリム(例えば繊維を主体とするスクリム)、箔、織布、不織布を含んでいてもよく、またはプリプレグもしくはコア1330の上に配置されている無機コーティング、有機コーティング、もしくは熱硬化性コーティングとして存在していてもよい。別の事例においては、スキン1320は、1996年付けのISO4589により測定される約22超の限界酸素指数を有し得る。スキン1320としてまたはスキン1320の中に熱可塑性フィルムが存在する場合、熱可塑性フィルムは、ポリ(エーテルイミド)、ポリ(エーテルケトン)、ポリ(エーテル-エーテルケトン)、ポリ(フェニレンサルファイド)、ポリ(アリーレンスルホン)、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(アミド-イミド)、ポリ(1,4-フェニレン)、ポリカーボネート、ナイロン、及びシリコーンのうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。スキン1320としてまたはスキン1320の中に繊維を主体とするスクリムが存在する場合、繊維を主体とするスクリムは、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、及び金属化無機繊維のうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。スキン1320としてまたはスキン1320の中に熱硬
化性コーティングが存在する場合、コーティングは、不飽和ポリウレタン、ビニルエステル、フェノール樹脂、及びエポキシ樹脂のうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。スキン1320としてまたはスキン1320の中に無機コーティングが存在する場合、無機コーティングは、Ca、Mg、Ba、Si、Zn、Ti、及びAlから選択されるカチオンを含む無機物を含んでいてもよく、あるいは石膏、炭酸カルシウム、及びモルタルのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。スキン1320としてまたはスキン1320の中に不織布が存在する場合、不織布は、熱可塑性材料、熱硬化性バインダー、無機繊維、金属繊維、金属化無機繊維、及び金属化合成繊維を含んでいてもよい。図示されていないものの、スキン1320にまたはプリプレグもしくはコア1310の表面に装飾層が結合されていてもよい。本明細書で言及されるように、装飾層は、例えばポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性エラストマー等の熱可塑性フィルムから形成されてもよい。装飾層は、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン等から形成される発泡コアを含む多層構造であってもよい。天然及び合成繊維から製造された織布、ニードルパンチ等の後の有機繊維不織布、起毛生地、編物、フロック加工生地、または他のそのような材料などの生地が発泡コアに接着されていてもよい。生地は、ポリアミド、変性ポリオレフィン、ウレタン、及びポリオレフィン等の、感圧接着剤及びホットメルト接着剤などの熱可塑性接着剤を用いて発泡コアに接着されていてもよい。装飾層は、スパンボンド、熱ボンド、スパンレース、メルトブロー、ウェットレイ、及び/またはドライレイプロセスを使用して製造されてもよい。必要に応じて、コア1310、1330の間、及び/またはコア1330とスキン1320との間に1つ以上の接着層が存在していてもよい。例えば、DIN 53357Aにより試験される剥離強度(接着剤を介して結合されている2つの構成要素間)を少なくとも0.5N/cm(縦方向と横方向のうちの一方または両方)にするための、熱可塑性ポリマーと熱硬化性材料とを含む接着層、が存在していてもよい。いくつかの事例においては、コア1310、1330の間に第1の接着層が存在していてもよく、コア1330とスキン1320との間に第2の接着層(第1の接着層と同じであっても異なっていてもよい)が存在していてもよい。
【0075】
ある実施形態においては、2つ以上のプリプレグまたはコアが互いに結合することができ、その後スキンがプリプレグまたはコアの各表面上に配置されてもよい。
図14を参照すると、プリプレグまたはコア1430と結合しているプリプレグまたはコア1410と、コア1430の上に配置されている第1のスキン1420と、コア1410の上に配置されている第2のスキン1440と、を含む物品1400が示されている。いくつかの実施形態においては、スキン1420とコア1430との間に、熱可塑性ポリマーと熱硬化性材料とを含む接着層1425が存在していてもよく、例えば、DIN 53357Aにより試験されるコア1430とスキン1420との間のロフティング後剥離強度を少なくとも0.5N/cm(縦方向と横方向のうちの一方または両方)にするために熱可塑性ポリマーと熱硬化性材料とを含む接着層が存在していてもよい。必要に応じて、スキン1440とコア1410との間に接着層(図示せず)が存在していてもよく、例えば、DIN
53357Aにより試験されるコア1410とスキン1440との間のロフティング後剥離強度を少なくとも0.5N/cm(縦方向と横方向のうちの一方または両方)にするために熱可塑性ポリマーと熱硬化性材料とを含む接着層が存在していてもよい。プリプレグまたはコア1410、1430のそれぞれは、同じであっても異なっていてもよい。いくつかの事例においては、プリプレグまたはコア1410、1430の熱可塑性材料及び繊維は同じであるが、プリプレグもしくはコア1410、1430中に存在するロフティング剤材料の添加量またはロフティング剤材料の種類が異なる。必要に応じて、例えばハロゲン化難燃剤または非ハロゲン化難燃剤などの1種以上の好適な難燃剤がプリプレグまたはコア1410、1430のうちの一方または両方の中に存在していてもよい。
図14ではプリプレグまたはコア1410、1430の厚さはほぼ同じものとして示されているが、プリプレグまたはコア1410、1430の厚さは様々であってもよい。いくつかの
構成においては、プリプレグまたはコア1410、1430のうちの一方は異なるロフティング剤を含んでいてもよい。それぞれのスキン1420、1440は、独立に、例えばフィルム(例えば熱可塑性フィルムまたはエラストマー系フィルム)、フリム、スクリム(例えば繊維を主体とするスクリム)、箔、織布、不織布を含んでいてもよく、またはプリプレグもしくはコアの上に配置されている無機コーティング、有機コーティング、もしくは熱硬化性コーティングとして存在していてもよい。別の事例においては、スキン1420、1440は、独立に、1996年付けのISO4589により測定される約22超の限界酸素指数を有し得る。スキン1420もしくはスキン1440(または両方)としてまたはこれらの中に熱可塑性フィルムが存在する場合、熱可塑性フィルムは、ポリ(エーテルイミド)、ポリ(エーテルケトン)、ポリ(エーテル-エーテルケトン)、ポリ(フェニレンサルファイド)、ポリ(アリーレンスルホン)、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(アミド-イミド)、ポリ(1,4-フェニレン)、ポリカーボネート、ナイロン、及びシリコーンのうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。スキン1420もしくはスキン1440(または両方)としてまたはこれらの中に繊維を主体とするスクリムが存在する場合、繊維を主体とするスクリムは、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、及び金属化無機繊維のうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。スキン1420もしくはスキン1440(または両方)としてまたはこれらの中に熱硬化性コーティングが存在する場合、コーティングは、不飽和ポリウレタン、ビニルエステル、フェノール樹脂、及びエポキシ樹脂のうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。スキン1420もしくはスキン1440(または両方)としてまたはこれらの中に無機コーティングが存在する場合、無機コーティングは、Ca、Mg、Ba、Si、Zn、Ti、及びAlから選択されるカチオンを含む無機物を含んでいてもよく、あるいは石膏、炭酸カルシウム、及びモルタルのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。スキン1420もしくはスキン1440(または両方)としてまたはこれらの中に不織布が存在する場合、不織布は、熱可塑性材料、熱硬化性バインダー、無機繊維、金属繊維、金属化無機繊維、及び金属化合成繊維を含んでいてもよい。図示されていないものの、スキン1420またはスキン1440(または両方)に装飾層が結合されていてもよい。本明細書で言及されるように、装飾層は、例えばポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性エラストマー等の熱可塑性フィルムから形成されてもよい。装飾層は、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン等から形成される発泡コアを含む多層構造であってもよい。天然及び合成繊維から製造された織布、ニードルパンチ等の後の有機繊維不織布、起毛生地、編物、フロック加工生地、もしくは他のそのような材料などの生地または他の材料が発泡コアに接着されていてもよい。生地は、ポリアミド、変性ポリオレフィン、ウレタン、及びポリオレフィン等の、感圧接着剤及びホットメルト接着剤などの熱可塑性接着剤を用いて発泡コアに接着されていてもよい。装飾層は、スパンボンド、熱ボンド、スパンレース、メルトブロー、ウェットレイ、及び/またはドライレイプロセスを使用して製造されてもよい。
【0076】
ある実施形態においては、2つ以上のプリプレグまたはコアが互いに結合することができ、その後スキンがプリプレグまたはコアの各表面上に配置されてもよい。
図15を参照すると、プリプレグまたはコア1530と結合しているプリプレグまたはコア1510と、中間層1520と、コア1540の上に配置されているスキン1540とを含む物品1500が示されている。必要に応じて、スキン1540はプリプレグまたはコア1530の上に代わりに配置されていてもよく、あるいはもう1つスキン(図示せず)がプリプレグまたはコア1520の上に配置されていてもよい。プリプレグまたはコア1510、1530のそれぞれは、同じであっても異なっていてもよい。いくつかの事例においては、プリプレグまたはコア1510、1530の熱可塑性材料及び繊維は同じであるが、プリプレグまたはコア1510、1530中に存在するロフティング剤材料の添加量またはロフティング剤の種類が異なる。別の事例においては、プリプレグまたはコア1510、1530中のロフティング剤の種類及び/または量は同じであってもよく、熱可塑性材料及
び/または繊維の一方または両方が異なっていてもよく、例えば化学的に異なっていてもよく、あるいは異なる量で存在していてもよい。いくつかの構成においては、中間層1515は接着層であってもよく、DIN 53357Aにより試験されるコア1510とスキン1520との間のロフティング後剥離強度を少なくとも0.5N/cm(縦方向と横方向のうちの一方または両方)にするために熱可塑性ポリマーと熱硬化性材料とを含む接着層が存在していてもよい。別の事例においては、スキン1520とコア1530との間に接着層(図示せず)が存在していてもよく、例えば、DIN 53357Aにより試験されるコア1530とスキン1520との間のロフティング後剥離強度を少なくとも0.5N/cm(縦方向と横方向のうちの一方または両方)にするために熱可塑性ポリマーと熱硬化性材料とを含む接着層が存在していてもよい。必要に応じて、例えばハロゲン化難燃剤または非ハロゲン化難燃剤などの1種以上の好適な難燃剤がプリプレグまたはコア1510、1530のうちの一方または両方の中に存在していてもよい。
図15ではプリプレグまたはコア1510、1530の厚さはほぼ同じものとして示されているが、プリプレグまたはコア1510、1530の厚さは様々であってもよい。いくつかの構成においては、プリプレグまたはコア1510、1530のうちの一方または両方はミクロスフェアを含むロフティング剤を含んでいてもよい。ミクロスフェアは、必要に応じて別のロフティング剤と組み合わされて存在していてもよい。スキン1520及びスキン1540は、独立に、例えばフィルム(例えば熱可塑性フィルムまたはエラストマー系フィルム)、フリム、スクリム(例えば繊維を主体とするスクリム)、箔、織布、不織布を含んでいてもよく、またはプリプレグもしくはコア1510の上に配置されている無機コーティング、有機コーティング、もしくは熱硬化性コーティングとして存在していてもよい。別の事例においては、スキン1520及びスキン1540は、独立に、1996年付けのISO4589により測定される約22超の限界酸素指数を有し得る。スキン1520もしくはスキン940(または両方)としてまたはこれらの中に熱可塑性フィルムが存在する場合、熱可塑性フィルムは、ポリ(エーテルイミド)、ポリ(エーテルケトン)、ポリ(エーテル-エーテルケトン)、ポリ(フェニレンサルファイド)、ポリ(アリーレンスルホン)、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(アミド-イミド)、ポリ(1,4-フェニレン)、ポリカーボネート、ナイロン、及びシリコーンのうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。スキン1520もしくはスキン1540(または両方)としてまたはこれらの中に繊維を主体とするスクリムが存在する場合、繊維を主体とするスクリムは、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、及び金属化無機繊維のうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。スキン1520もしくはスキン1540(または両方)としてまたはこれらの中に熱硬化性コーティングが存在する場合、コーティングは、不飽和ポリウレタン、ビニルエステル、フェノール樹脂、及びエポキシ樹脂のうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。スキン1520もしくはスキン1540(または両方)としてまたはこれらの中に無機コーティングが存在する場合、無機コーティングは、Ca、Mg、Ba、Si、Zn、Ti、及びAlから選択されるカチオンを含む無機物を含んでいてもよく、あるいは石膏、炭酸カルシウム、及びモルタルのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。スキン1520もしくはスキン1540(または両方)としてまたはこれらの中に不織布が存在する場合、不織布は、熱可塑性材料、熱硬化性バインダー、無機繊維、金属繊維、金属化無機繊維、及び金属化合成繊維を含んでいてもよい。図示されていないものの、スキン1540にまたはプリプレグもしくはコア1530に(または両方に)装飾層が結合されていてもよい。本明細書で言及されるように、装飾層は、例えばポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性エラストマー等の熱可塑性フィルムから形成されてもよい。装飾層は、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン等から形成される発泡コアを含む多層構造であってもよい。天然及び合成繊維から製造された織布、ニードルパンチ等の後の有機繊維不織布、起毛生地、編物、フロック加工生地、または他のそのような材料などの生地が発泡コアに接着されていてもよい。生地は、ポリアミド、変性ポリオレフィン、ウレタン、及びポリオレフィン等の、感圧接着剤及びホットメルト接着剤などの
熱可塑性接着剤を用いて発泡コアに接着されていてもよい。装飾層は、スパンボンド、熱ボンド、スパンレース、メルトブロー、ウェットレイ、及び/またはドライレイプロセスを使用して製造されてもよい。いくつかの事例においては、コア1510とスキン1540の間に第2の接着層が存在していてもよく(これは層1515中のいずれかの接着剤と同じであっても異なっていてもよい)、例えば、DIN 53357Aにより試験されるコア1510とスキン1540との間のロフティング後の剥離強度を少なくとも0.5N/cm(縦方向と横方向のうちの一方または両方)にするために熱可塑性ポリマーと熱硬化性材料とを含む第2の接着層が存在していてもよい。
【0077】
いくつかの実施形態においては、プリプレグ及びコアは、望ましい物理的特性または化学的特性を付与するための追加的な材料または添加剤を含んでいてもよい。例えば、1種以上の染料、テクスチャリング剤、着色剤、粘度調整剤、煙抑制剤、相乗的材料、ロフティング剤、粒子、粉末、殺生物剤、発泡体、または他の材料が、プリプレグまたはコアと混合されるかこれらに添加されてもよい。いくつかの事例においては、プリプレグまたはコアは、約0.2重量%~約10重量%の量で1種以上の煙抑制剤組成物を含んでいてもよい。例示的な煙抑制剤組成物としては、これらに限定するものではないが、スズ酸塩、ホウ酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛、ケイ酸マグネシウム、モリブデン酸カルシウム亜鉛、ケイ酸カルシウム、水酸化カルシウム、およびこれらの混合物が挙げられる。必要に応じて、プリプレグまたはコアの物理的特性を強化するために、相乗的材料が存在していてもよい。必要に応じて、ロフティング能力を強化する相乗的材料が存在していてもよい。例示的な相乗的材料としては、これらに限定するものではないが、ナトリウムトリクロロベンゼンスルホン酸カリウム、ジフェニルスルホン-3-スルホネート、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0078】
別の例においては、本明細書に記載のプリプレグまたはコアは、コアに望ましい特性を付与するために、熱可塑性材料を望ましい量、例えばプリプレグまたはコアの総重量基準で約50重量%未満の少量で含んでいてもよい。熱硬化性材料が、熱可塑性材料と混合されてもよく、あるいはプリプレグまたはコアの1つ以上の表面上のコーティングとして添加されてもよい。
【0079】
ある実施形態においては、本明細書に記載のプリプレグまたはコアは、ガラスマット熱可塑性複合材料(GMT)または軽量強化熱可塑性樹脂(LWRT)として構成(またはこれらの中で使用)されてもよい。あるそのようなLWRTはHANWHA AZDEL,Inc.により作製されており、SUPERLITE(登録商標)マットという商標で販売されている。ロフティング剤が添加されたSUPERLITE(登録商標)マットは、例えば難燃性及び向上した加工性能などの望ましい特性を備え得る。そのようなGMTまたはLWRTの面密度は、GMTまたはLWRTの平方メートル当たり約400グラム(gsm)から約4000gsmまでの範囲とすることができるが、面密度は具体的な用途の必要性に応じて400gsm未満または4000gsm超であってもよい。いくつかの実施形態においては、上側の密度は約4000gsm未満であってもよい。ある事例においては、GMTまたはLWRTは、GMTまたはLWRTの空隙の中に配置されているロフティング剤材料を含んでいてもよい。例えば、非共有結合的に結合しているロフティング剤がGMTまたはLWRTの空隙の中に存在していてもよい。別の事例においては、共有結合しているロフティング剤がGMTまたはLWRTの空隙の中に存在していてもよい。また別の構成においては、非共有結合的に結合しているロフティング剤と共有結合しているロフティング剤の両方が、GMTまたはLWRTの中に存在していてもよい。GMTまたはLWRTのプリプレグまたはコアがロフティング剤と組み合わされて使用されるある構成においては、GMTまたはLWRTの目付は、例えばLWRTとその上に配置されている任意のスキンとの間の適切な剥離強度などの適切な性能特性を依然として付与しながらも、例えば800gsm、600gsm、または400gsmまで減らすことがで
きる。必要に応じて、GMTまたはLWRTの中に例えばミクロスフェアなどの追加的なロフティング剤が存在していてもよい。
【0080】
本明細書に記載のプリプレグ及びコアの製造においては、ウェットレイプロセスを使用することが望ましい場合がある。例えば、任意選択的には本明細書に記載の任意の1種以上の添加剤(例えば他のロフティング剤または難燃剤)と共に、例えば熱可塑性材料、繊維、及びロフティング剤材料などの分散されている材料を含む液体または流体媒体は、例えば空気または他の気体の存在下で撹拌または振とうされてもよい。その後分散液は例えばワイヤースクリーンまたは他の支持体材料などの支持体の上に広げられる。撹拌されている分散液は、例えばIndustrial Soaps Ltd.によりACE液という名称で販売されているもの、Glover Chemicals Ltd.によりTEXOFOR(登録商標) FN15材料として販売されているもの、及びFloat-Ore Ltd.によりAMINE Fb19材料として販売されているものなどの、例えばアニオン性、カチオン性、または非イオン性などの1種以上の活性剤を含んでいてもよい。これらの薬剤は、液体分散液中への空気の分散を支援することができる。構成要素は、分散体を与えるために、空気の存在下で混合タンク、浮選セル、または他の適切な装置に添加されてもよい。水性分散液が望ましくは使用されるものの、分散を支援するために、流体の粘度を変更するために、あるいは望ましい物理的もしくは化学的特性を分散液にまたはプリプレグ、コア、もしくは物品に付与するために、1種以上の非水性流体も存在していてもよい。
【0081】
ある事例においては、分散液が十分な時間混合された後、懸濁している材料を有する流体は、スクリーン、移動ワイヤー、または他の適切な支持体構造の上へ配置されることで、敷設した材料のウェブを提供することができる。敷設した材料からあらゆる液体を除去して、熱可塑性材料、ロフティング剤、及び例えば繊維や添加剤等の存在する任意の他の材料を残すために、ウェブに吸引または減圧がかけられてもよい。得られたウェブは、望ましいプリプレグ、コア、または物品を得るために、乾燥、固化、圧縮、ロフティング、積層、サイジング、あるいは更に別の加工が行われてもよい。いくつかの事例においては、望ましいプリプレグ、コア、または物品を得るために、乾燥、固化、圧縮、ロフティング、積層、サイジング、あるいは更に別の加工が行われる前に、添加剤または追加的なロフティング剤材料がウェブに添加されてもよい。別の事例においては、望ましいプリプレグ、コア、または物品を得るために、乾燥、固化、圧縮、ロフティング、積層、サイジング、あるいは更に別の加工が行われた後にロフティング剤がウェブに添加されてもよい。熱可塑性材料、ロフティング剤材料、または存在する他の材料の性質に応じてウェットレイプロセスが使用され得るものの、代わりにエアレイプロセス、ドライブレンドプロセス、カーディング及びニードルプロセス、または不織製品を製造するために用いられる他の公知のプロセスを使用することが望ましい場合がある。いくつかの事例においては、追加的なロフティング剤材料は、プリプレグまたはコアがある程度硬化した後に、プリプレグまたはコアの表面に対して約90度の角度でロフティング剤材料を噴霧するように構成された複数のコーティングノズルの下部に板材を通過させることによって、プリプレグまたはコアの表面上に噴霧することができる。
【0082】
いくつかの事例においては、その後、例えば熱可塑性ポリマーと熱硬化性材料とを含むものなどの接着層が、形成されたウェブの上に噴霧されてもよく、ローラーで延ばされてもよく、塗布されてもよく、または別の方法で配置されてもよい。必要に応じて、ウェブは接着層を配置する前に加熱されてもよく、接着層を配置する前に冷却されてもよく、あるいは接着層の配置中に周囲温度のままにされてもよい。いくつかの事例においては、接着層を配置する前にウェブの外表面を柔らかくするためにウェブが加熱されてもよい。
【0083】
いくつかの構成においては、本明細書に記載のプリプレグ及びコアは、水溶液または発
泡体の中で、界面活性剤の存在下、熱可塑性材料と、繊維と、ミクロスフェアロフティング剤とを混ぜ合わせることによって製造することができる。混ぜ合わされた成分は、様々な材料を分散させて材料の実質的に均一な水性混合物を得るために、十分な時間混合または撹拌されてもよい。その後、分散混合物は、例えばワイヤーメッシュまたは他のメッシュまたは望ましい空隙率を有する支持体などの任意の適切な支持体構造上に敷設される。その後、ワイヤーメッシュから水が排出されてウェブが形成されてもよい。ウェブは、熱可塑性粉末の軟化温度よりも高い温度で乾燥及び加熱される。その後、ウェブは冷却され、約1%~約95%の空孔率を有する複合シートを製造するために所定の厚さまで圧縮される。別の実施形態においては、水性発泡体がバインダー材料も含んでいてもよい。いくつかの構成においては、ウェブが熱可塑性粉末の軟化温度よりも上まで加熱された後、熱可塑性ポリマーと熱硬化性材料とを含む接着層がその後にウェブ上に配置されてもよい。
【0084】
ある実施形態においては、GMTの形態のプリプレグまたはコアが製造されてもよい。ある事例においては、GMTは通常、チョップドガラス繊維、熱可塑性材料、ロフティング剤、並びに、任意選択的な熱可塑性ポリマーフィルムもしくはフィルム類、及び/または、ガラス繊維もしくは熱可塑性樹脂繊維(例えばポリプロピレン(PP)、ポリブチレンテレフタラート(PBT)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリカーボネート(PC)、PC/PBTのブレンド物、またはPC/PETのブレンド物など)で作られた織布もしくは不織布、を使用して作製されてもよい。いくつかの実施形態においては、樹脂としてPP、PBT、PET、PC/PETブレンド物、またはPC/PBTブレンド物が使用されてもよい。ガラスマットを製造するために、熱可塑性材料、強化材料、ロフティング剤、及び/または他の添加剤は、インペラーが取り付けられたオープントップ型の混合タンクの中に入っている分散発泡体の中に添加または量り入れられてもよい。いかなる特定の理論にも拘束されることを望むものではないが、発泡体の空気の捕捉されたポケットの存在が、ガラス繊維、熱可塑性材料、及びロフティング剤の分散を助けることができる。いくつかの例においては、ガラスと樹脂との分散混合物は、分配マニホールドから抄紙機のワイヤーパートの上方に位置するヘッドボックスへポンプで送られてもよい。ガラス繊維、ロフティング剤、または熱可塑性材料を含まない発泡体は、その後、真空を利用して移動ワイヤースクリーンに分散混合物が供給されるに伴って除去することができ、均一な繊維状の湿ったウェブが連続的に製造される。含水率を減らすため及び熱可塑性材料を溶融または軟化させるために、湿った状態のウェブを適切な温度の乾燥機に通過させてもよい。熱いウェブが乾燥機を出た後、ガラス繊維と、ロフティング剤と、熱可塑性材料と、フィルムとのウェブを、一連の加熱されているローラーのニップを通過させた後に、ウェブの表面上に接着剤を噴霧することによって、例えば熱可塑性ポリマーと熱硬化性材料とを含む接着層などの表面層がウェブの上に敷設されてもよい。必要に応じて、ガラス繊維強化マットを取り扱い易くするために、例えば不織布及び/もしくは織布の層またはスキン層などの追加的な層も、ウェブの片面または両面に取り付けられてもよい。その後、複合材料はテンションロールを通過して後の最終製品の物品への形成に望ましいサイズへと連続的に切断(裁断)することができる。適切な材料及びこのような複合材料の形成において使用される処理条件などの、このようなGMT複合材料の作製に関する詳しい情報は、例えば米国特許No.6,923,494、No.4,978,489、No.4,944,843、No.4,964,935、No.4,734,321、No.5,053,449、No.4,925,615、No.5,609,966、及び米国特許出願番号US2005/0082881、US2005/0228108、US2005/0217932、US2005/0215698、US2005/0164023、及びUS2005/0161865の中に記載されている。
【0085】
いくつかの事例においては、プリプレグ、コア、または物品は、熱可塑性材料と、強化繊維と、ロフティング剤とを混合物の中に混ぜ入れて撹拌されている水性発泡体を形成することによって製造することができる。撹拌されている水性発泡体は、ワイヤー支持体の
上に配置されてもよい。ウェブまたはオープンセル構造を形成するために水は排出されてもよい。ウェブは、実質的にロフティングが生じない条件下で、例えば対流式加熱などを使用して熱可塑性材料の融点より上まで加熱されてもよい。必要に応じて、ロフティング剤を含む熱可塑性複合シートを得るために、ウェブに圧力がかけられてもよい。シートは、望ましいロフティングを得るために、適切な加熱条件を選択することによって更に加工されてもよい。スキン層を配置する前に、シートの上に接着層が配置されてもよく、例えば、DIN 53357Aにより試験されるシートと配置されるスキンとの間の成形後及びロフティング後の剥離強度を少なくとも0.5N/cm(縦方向と横方向のうちの一方または両方)にするために、シートの上に熱可塑性ポリマーと熱硬化性材料とを含む接着層が配置されてもよい。その後、スキンまたはカバー層が、接着層の上に配置されてもよい。いくつかの事例においては、全体の板材の厚さを増加させるために、シートのロフティングに有効な加熱条件を適用することができる。例えば、多層アセンブリはモールドの中に置かれてもよく、望ましい剥離強度を付与したままにしつつアセンブリの他の層に対してシートの表面を加圧するために、加熱条件を適用してシートをロフティングすることができる。別の事例においては、多層アセンブリの1つ以上の領域は、選択された形状及び/または寸法を有する構造を形成するために必要とされる深さまで絞り加工されてもよい。
【0086】
ある事例においては、複合物品の製造方法は、熱可塑性材料と、強化繊維と、ロフティング剤とを混合物の中に混ぜ入れて撹拌されている水性発泡体を形成することを含む。発泡体は、ワイヤー支持体の上に配置され、水は、熱可塑性材料、繊維、及びロフティング剤材料を含むウェブまたはオープンセル構造を形成するために排出される。いくつかの事例においては、ウェブはその後、熱可塑性材料の融点よりも高い第1の温度まで加熱されるが、この第1の温度はロフティング剤のロフティングの開始温度未満のため、実質的にロフティングが生じない。別の事例においては、ウェブは例えば対流式加熱などの熱可塑性材料が溶融する加熱条件を使用して加熱されてもよいが、ロフティング剤のロフティングは実質的に生じない。必要に応じて、ウェブ中に分散されているロフティング剤を含む熱可塑性複合シートを得るために、その後例えばニップローラーまたは他の装置を使用してウェブに圧力がかけられてもよい。
【0087】
新規な態様及び本明細書に記載の構成のいくつかをより詳しく説明するために、以下にいくつかの実施例を記載する。
【実施例0088】
実施例1
一連の試験は、LWRTコアとコアの上に配置されているPETスクリムとの間の剥離強度を測定するために行われた。LWRTコアは次の材料を含んでいた:ガラス繊維/ポリマー樹脂(40~50重量%のガラス繊維、及び50~60重量%のポリプロピレン)及び任意選択的なロフティング剤(2~10重量%のミクロスフェア)。熱可塑性材料(ポリエチレンまたはポリプロピレンなど)を含む接着層は、PETスクリムとコアとの間に配置され(
図16中の表の中のCondakoスクリム試料について)、熱可塑性材料と熱硬化性材料との混合物(ポリエチレンまたはポリプロピレンなどの熱可塑性材料と混合されているエポキシ接着剤)を含む接着層は、PETスクリムとコアとの間に配置された(
図16中で示されているTenowo及びFibertexスクリム試料について)。剥離強度は、1982年10月1日の日付のDIN 53357Aを使用して上面と底面の両方から測定した。各試験した試料についての成形後の総厚さは約20mmであった。LWRTコアの目付は1000gsmであり、PETスクリムの目付は80gsmであり、接着層(熱可塑性接着層及び熱可塑性/熱硬化性材料混合物接着層のそれぞれについて)の目付は20gsmであった。
【0089】
Condakoスクリム試料(接着層の中に熱硬化性材料が全くないもの)については、上面からの剥離強度の値は0.30N/cm(縦方向-MD)及び0.20N/cm(横方向-CD)を超えなかった。対照的に、接着層中に熱硬化性材料を使用すると、Tenowoスクリムについては0.62N/cm(MD)及び0.42N/cm(CD)、Fibertexスクリムについては0.59N/cm(MD)及び0.82(CD)の最大剥離強度が得られる。
【0090】
底面剥離強度に関し、Condako試料は0.87N/cm(MD)及び0.47N/cm(CD)の最大値を与えた。Tenowo試料は2.10N/cm(MD)及び3.00N/cm(CD)の最大値を与え、Fibertex試料は2.60N/cm(MD)及び2.00(CD)の最大値を与えた。これらの結果は、接着層の中に熱硬化性材料が存在すると、コア層のロフティングが可能なままでありながらもスキン層とコア層との間の剥離強度を向上させるということと整合性を有している。
【0091】
測定に関しての平均剥離強度値は
図17中の表に示されている。記載されているように、スクリムとコア層との間に熱可塑性/熱硬化性接着層を含むことによって剥離強度がほぼ400%増加し得る。
【0092】
本明細書に開示されている例示の要素を紹介する際の冠詞「a」、「an」、「the」及び「前記」は、1つ以上の要素の存在を意味することが意図されている。用語「含む」、「含有する」、及び「有する」(「comprising」、「including」、及び「having」)は、非限定的であることが意図されており、列挙されている要素以外の追加的要素が存在していてもよいことを意味する。本開示の利益を踏まえて、例示の様々な構成要素を別の例示における様々な構成要素と交換または置換できることが当業者に認識されるであろう。
【0093】
上で特定の態様、実施例、及び実施形態が記載されたが、本開示の利益を踏まえて、開示されている例示的な態様、実施例、及び実施形態の付加、置換、修正、及び変更が可能なことが当業者に認識されるであろう。