(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022116121
(43)【公開日】2022-08-09
(54)【発明の名称】サーバ、通信システム、通信方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 76/50 20180101AFI20220802BHJP
H04W 4/44 20180101ALI20220802BHJP
H04W 4/46 20180101ALI20220802BHJP
H04W 76/10 20180101ALI20220802BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
H04W76/50
H04W4/44
H04W4/46
H04W76/10 110
G08G1/09 F
G08G1/09 H
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022083535
(22)【出願日】2022-05-23
(62)【分割の表示】P 2020158132の分割
【原出願日】2018-12-25
(71)【出願人】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098626
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 壽
(74)【代理人】
【識別番号】100128691
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 弘通
(72)【発明者】
【氏名】海老沢 憲一
(72)【発明者】
【氏名】小椋 直
(72)【発明者】
【氏名】笠浪 潤
(57)【要約】
【課題】移動通信の基地局からの下りリンクのトラフィックの急増を抑制しつつ、対象の配信エリアを移動している複数の移動体に基地局を介して情報を配信することができるサーバを提供する。
【解決手段】サーバは、情報配信対象の複数の移動体が位置している配信エリアを決定し、配信エリア内に位置している複数の移動体の位置情報に基づいて、移動通信の基地局を介してサーバから送信先を指定して情報を送信するユニキャスト送信対象の移動体を、配信エリア内の複数の移動体から選択して決定し、移動通信の基地局を介して前記ユニキャスト送信対象の移動体に情報を送信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の移動体に情報を配信するサーバであって、
情報配信対象の複数の移動体が位置している配信エリアを決定する配信エリア決定部と、
前記配信エリア内に位置している前記複数の移動体の位置情報に基づいて、移動通信の基地局を介したユニキャスト送信対象の移動体を選択して決定する送信対象決定部と、
前記移動通信の基地局を介して前記ユニキャスト送信対象の移動体に前記情報をユニキャスト送信する情報送信部と、
を備えることを特徴とするサーバ。
【請求項2】
複数の移動体に情報を配信するサーバであって、
情報を配信する対象の複数の移動体が位置している配信エリアを決定する配信エリア決定部と、
配信対象の情報の内容及び前記配信エリア内に位置している前記複数の移動体の位置情報の少なくとも一方に基づいて、移動通信の基地局を介した無線通信を少なくとも含む複数種類の配信方式から、前記配信エリア内に位置している前記複数の移動体それぞれに前記情報を配信するときに用いる配信方式を選択する選択部と、
前記選択した無線配信方式を用いて、前記基地局を介して前記複数の移動体に前記情報を配信する情報配信部と、
を備えることを特徴とするサーバ。
【請求項3】
請求項2のサーバにおいて、
前記複数種類の配信方式は、
前記配信エリア内に位置している前記複数の移動体の位置情報に基づいて、移動通信の基地局を介したユニキャスト送信対象の移動体を選択して決定し、前記移動通信の基地局を介して前記ユニキャスト送信対象の移動体に前記情報をユニキャスト送信する第1配信方式と、
前記基地局を介して前記配信エリア内に位置している前記複数の移動体それぞれに前記情報をユニキャスト送信する第2配信方式と、を含むことを特徴とするサーバ。
【請求項4】
請求項1又は3のサーバにおいて、
前記ユニキャスト送信対象の移動体によって受信された情報は、前記ユニキャスト送信対象の移動体の周辺に位置する他の移動体に対して直接無線通信によりブロードキャスト送信されることを特徴とするサーバ。
【請求項5】
請求項4のサーバにおいて、
前記ユニキャスト送信対象の移動体に送信する情報は、前記周辺の移動体に対する前記情報のブロードキャスト送信による転送を行うか否かを指示する転送要否情報を含むことを特徴とするサーバ。
【請求項6】
請求項1、3、4又は5のサーバにおいて、
前記ユニキャスト送信対象の移動体は、直接無線通信可能な他の移動体が周辺に位置しない移動体、及び、移動体間の直接無線通信機能を有していない移動体の少なくとも一方を含むことを特徴とするサーバ。
【請求項7】
請求項1、3、4、5又は6のサーバにおいて、
前記基地局を介した前記サーバからのユニキャスト送信対象は、前記配信エリアの移動経路の周辺に設けられた路側通信中継装置を含み、
前記配信エリア内に位置している前記複数の移動体の位置情報と、前記路側通信中継装置の位置情報とに基づいて、前記ユニキャスト送信対象の移動体を選択して決定することを特徴とするサーバ。
【請求項8】
請求項1、3、4、5、6又は7のサーバにおいて、
前記ユニキャスト送信対象の移動体の決定に、移動体間の直接無線通信の通信可能距離及び通信電力、前記複数の移動体の空間的な密度並びに時間帯の少なくとも一つを用いることを特徴とするサーバ。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかのサーバにおいて、
前記複数の移動体に配信される情報は、タイムスタンプの情報及び配信情報の出力の要否を識別可能な情報の少なくとも一つを有することを特徴とするサーバ。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかのサーバにおいて、
前記基地局を介して前記複数の移動体から、前記移動体の位置、速度及び移動体間の直接無線通信機能の有無情報を受信して取得する情報取得部と、
前記複数の移動体それぞれの位置情報を記憶する情報記憶部と、
を備えることを特徴とするサーバ。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれかのサーバにおいて、
前記移動体は、道路を走行する車両であることを特徴とするサーバ。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれかのサーバにおいて、
前記複数の移動体が移動しているエリアで発生した危険イベントを検知した移動体から、前記危険イベントの情報を受信する危険イベント情報受信部を備え、
前記配信する情報は、前記危険イベントの情報であり、
前記配信エリアは、前記危険イベントの発生位置よりも移動体の移動方向上流側のエリアであることを特徴とするサーバ。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれかのサーバと、前記移動通信の基地局とを備えることを特徴とする通信システム。
【請求項14】
請求項13の通信システムにおいて、
前記移動体の移動経路の周辺に設けられ、前記基地局を介して前記サーバからの情報をユニキャスト送信可能な路側通信中継装置を更に備え、
前記路側通信中継装置によって受信された情報は、前記路側通信中継装置の周辺に位置する移動体に対して直接無線通信によりブロードキャスト送信されることを特徴とする通信システム。
【請求項15】
移動体に設けられる通信装置であって、
移動通信の基地局を介してサーバと通信する第1無線通信部と、
周辺の移動体との間で直接無線通信を行う第2無線通信部と、
前記サーバから、配信情報と、その配信情報を前記直接無線通信により周辺の移動体にブロードキャスト送信する転送を行うか否かを指示する転送要否情報とを受信し、前記転送要否情報が転送要の場合に前記直接無線通信により前記配信情報を周辺の移動体にブロードキャスト送信し、前記転送要否情報が転送不要の場合に前記直接無線通信による前記配信情報のブロードキャスト送信を行わないように制御する情報処理制御部と、を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項16】
移動体に設けられる通信装置であって、
移動通信の基地局を介してサーバと通信する第1無線通信部と、
周辺の移動体との間で直接無線通信を行う第2無線通信部と、
前記第1無線通信部により前記サーバから送信された第1配信情報を受信し、前記第2無線通信部により周辺の移動体から転送されてきた第2配信情報を受信し、前記第1配信情報と前記第2配信情報とを比較し、比較結果が不一致の場合は前記第1配信情報及び前記第2配信情報を記憶し、比較結果が一致の場合は前記第1配信情報及び前記第2配信情報のいずれか一方を破棄し他方を記憶するように制御する情報処理制御部と、を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項17】
移動体に設けられる通信装置であって、
移動通信の基地局を介してサーバと通信する第1無線通信部と、
移動経路の周辺に設けられた路側通信中継装置との間で直接無線通信を行う第2無線通信部と、
前記第1無線通信部により前記サーバから送信された第1配信情報を受信し、前記第2無線通信部により前記路側通信中継装置から転送されてきた第2配信情報を受信し、前記サーバから受信した配信情報と前記路側通信中継装置から受信した配信情報とを比較し、前記2つの配信情報が不一致の場合は前記2つの配信情報を記憶し、前記2つの配信情報が一致の場合は前記2つの配信情報のいずれか一方を破棄し他方を記憶するように制御する情報処理制御部と、を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項18】
複数の移動体に情報を配信する通信方法であって、
情報配信対象の複数の移動体が位置している配信エリアを決定することと、
前記配信エリア内に位置している前記複数の移動体の位置情報に基づいて、移動通信の基地局を介したユニキャスト送信対象の移動体を選択して決定することと、
前記移動通信の基地局を介して前記ユニキャスト送信対象の移動体に前記情報をユニキャスト送信することと、を含むことを特徴とする通信方法。
【請求項19】
複数の移動体に情報を配信する通信方法であって、
情報を配信する対象の複数の移動体が位置している配信エリアを決定することと、
配信対象の情報の内容及び前記配信エリア内に位置している前記複数の移動体の位置情報の少なくとも一方に基づいて、移動通信の基地局を介した無線通信を少なくとも含む複数種類の配信方式から、前記配信エリア内に位置している前記複数の移動体それぞれに前記情報を配信するときに用いる配信方式を選択することと、
前記選択した無線配信方式を用いて、前記基地局を介して前記複数の移動体に前記情報を配信することと、
を含むことを特徴とする通信方法。
【請求項20】
複数の移動体に情報を配信する装置に備えるコンピュータ又はプロセッサにおいて実行されるプログラムであって、
情報配信対象の複数の移動体が位置している配信エリアを決定するプログラムコードと、
前記配信エリア内に位置している前記複数の移動体の位置情報に基づいて、移動通信の基地局を介したユニキャスト送信対象の移動体を選択して決定するプログラムコードと、
前記移動通信の基地局を介して前記ユニキャスト送信対象の移動体に前記情報をユニキャスト送信するプログラムコードと、
を含むことを特徴とするプログラム。
【請求項21】
複数の移動体に情報を配信する装置に備えるコンピュータ又はプロセッサにおいて実行されるプログラムであって、
情報を配信する対象の複数の移動体が位置している配信エリアを決定するプログラムコードと、
配信対象の情報の内容及び前記配信エリア内に位置している前記複数の移動体の位置情報の少なくとも一方に基づいて、移動通信の基地局を介した無線通信を少なくとも含む複数種類の配信方式から、前記配信エリア内に位置している前記複数の移動体それぞれに前記情報を配信するときに用いる配信方式を選択するプログラムコードと、
前記選択した無線配信方式を用いて、前記基地局を介して前記複数の移動体に前記情報を配信するプログラムコードと、
を含むことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の車両等の移動体への情報の配信に用いることができるサーバ、通信システム、通信装置、通信方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の車両等の移動体間で直接的に無線通信を行うシステムが知られている。例えば、特許文献1には、広域通信端末と車車間通信機とを有する移動局通信装置を複数備えるとともに前記広域通信端末との間で広域通信可能な基地局通信装置を有する車車間通信システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のシステムにおいて、基地局通信装置から複数の移動体の移動局通信装置それぞれを送信先として短時間に情報を送信しようとすると、基地局通信装置(無線通信中継装置)からの下りリンクのトラフィックが短時間に急増するおそれがある。また、車車間通信によって複数の車両が情報をリレーしようとすると、車間距離によっては前記情報のリレーが途絶えてしまうおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係るサーバは、複数の移動体に情報を配信するサーバでって、情報配信対象の複数の移動体が位置している配信エリアを決定する配信エリア決定部と、前記配信エリア内に位置している前記複数の移動体の位置情報に基づいて、移動通信の基地局を介したユニキャスト送信対象の移動体を選択して決定する送信対象決定部と、前記移動通信の基地局を介して前記ユニキャスト送信対象の移動体に前記情報をユニキャスト送信する情報送信部とを備える。
【0006】
本発明の他の態様に係るサーバは、複数の移動体に情報を配信するサーバであって、情報を配信する対象の複数の移動体が位置している配信エリアを決定する配信エリア決定部と、配信対象の情報の内容及び前記配信エリア内に位置している前記複数の移動体の位置情報の少なくとも一方に基づいて、移動通信の基地局を介した無線通信を少なくとも含む複数種類の配信方式から、前記配信エリア内に位置している前記複数の移動体それぞれに前記情報を配信するときに用いる配信方式を選択する選択部と、前記選択した無線配信方式を用いて、前記基地局を介して前記複数の移動体に前記情報を配信する情報配信部とを備える。
前記複数種類の配信方式は、第1配信方式と第2配信方式とを含んでもよい。第1配信方式は、前記配信エリア内に位置している前記複数の移動体の位置情報に基づいて、移動通信の基地局を介したユニキャスト送信対象の移動体を選択して決定し、前記移動通信の基地局を介して前記ユニキャスト送信対象の移動体に前記情報をユニキャスト送信する配信方式である。第2配信方式は、前記基地局を介して前記配信エリア内に位置している前記複数の移動体それぞれに前記情報をユニキャスト送信する配信方式である。
【0007】
前記サーバにおいて、前記ユニキャスト送信対象の移動体によって受信された情報は、前記ユニキャスト送信対象の移動体の周辺に位置する他の移動体に対して直接無線通信によりブロードキャスト送信してもよい。
前記サーバにおいて、前記ユニキャスト送信対象の移動体に送信する情報は、前記周辺の移動体に対する前記情報のブロードキャスト送信による転送を行うか否かを指示する転送要否情報を含んでもよい。
前記サーバにおいて、前記ユニキャスト送信対象の移動体は、直接無線通信可能な他の移動体が周辺に位置しない移動体、及び、移動体間の直接無線通信機能を有していない移動体の少なくとも一方を含んでもよい。
前記サーバにおいて、前記基地局を介した前記サーバからのユニキャスト送信対象は、前記配信エリアの移動経路の周辺に設けられた路側通信中継装置を含み、前記配信エリア内に位置している前記複数の移動体の位置情報と、前記路側通信中継装置の位置情報とに基づいて、前記ユニキャスト送信対象の移動体を選択して決定してもよい。
前記サーバにおいて、前記ユニキャスト送信対象の移動体の決定に、移動体間の直接無線通信の通信可能距離及び通信電力、前記複数の移動体の空間的な密度並びに時間帯の少なくとも一つを用いてもよい。
前記サーバにおいて、前記複数の移動体に配信される情報は、タイムスタンプの情報及び配信情報の出力の要否を識別可能な情報の少なくとも一つを有してもよい。
前記サーバにおいて、前記基地局を介して前記複数の移動体から、前記移動体の位置、速度及び移動体間の直接無線通信機能の有無情報を受信して取得する情報取得部と、前記複数の移動体それぞれの位置情報を記憶する情報記憶部とを備えてもよい。
前記サーバにおいて、前記移動体は、道路を走行する車両であってもよい。
前記サーバにおいて、前記複数の移動体が移動しているエリアで発生した危険イベントを検知した移動体から、前記危険イベントの情報を受信する危険イベント情報受信部を備え、前記配信する情報は、前記危険イベントの情報であり、前記配信エリアは、前記危険イベントの発生位置よりも移動体の移動方向上流側のエリアであってもよい。
【0008】
本発明の更に他の態様に係る通信システムは、前記いずれかのサーバと、前記移動通信の基地局とを備える。
前記通信システムにおいて、前記移動体の移動経路の周辺に設けられ、前記基地局を介して前記サーバからの情報をユニキャスト送信可能な路側通信中継装置を更に備え、前記路側通信中継装置によって受信された情報は、前記路側通信中継装置の周辺に位置する移動体に対して直接無線通信によりブロードキャスト送信してもよい。
【0009】
本発明の更に他の態様に係る通信装置は、移動体に設けられる通信装置であって、移動通信の基地局を介してサーバと通信する第1無線通信部と、周辺の移動体との間で直接無線通信を行う第2無線通信部と、前記サーバから、配信情報と、その配信情報を前記直接無線通信により周辺の移動体にブロードキャスト送信する転送を行うか否かを指示する転送要否情報とを受信し、前記転送要否情報が転送要の場合に前記直接無線通信により前記配信情報を周辺の移動体にブロードキャスト送信し、前記転送要否情報が転送不要の場合に前記直接無線通信による前記配信情報のブロードキャスト送信を行わないように制御する情報処理制御部とを備える。
【0010】
本発明の更に他の態様に係る通信装置は、移動体に設けられる通信装置であって、移動通信の基地局を介してサーバと通信する第1無線通信部と、周辺の移動体との間で直接無線通信を行う第2無線通信部と、前記第1無線通信部により前記サーバから送信された第1配信情報を受信し、前記第2無線通信部により周辺の移動体から転送されてきた第2配信情報を受信し、前記第1配信情報と前記第2配信情報とを比較し、比較結果が不一致の場合は前記第1配信情報及び前記第2配信情報を記憶し、比較結果が一致の場合は前記第1配信情報及び前記第2配信情報のいずれか一方を破棄し他方を記憶するように制御する情報処理制御部とを備える。
【0011】
本発明の更に他の態様に係る通信装置は、移動体に設けられる通信装置であって、移動通信の基地局を介してサーバと通信する第1無線通信部と、移動経路の周辺に設けられた路側通信中継装置との間で直接無線通信を行う第2無線通信部と、前記第1無線通信部により前記サーバから送信された第1配信情報を受信し、前記第2無線通信部により前記路側通信中継装置から転送されてきた第2配信情報を受信し、前記サーバから受信した配信情報と前記路側通信中継装置から受信した配信情報とを比較し、前記2つの配信情報が不一致の場合は前記2つの配信情報を記憶し、前記2つの配信情報が一致の場合は前記2つの配信情報のいずれか一方を破棄し他方を記憶するように制御する情報処理制御部と、を備える。
【0012】
本発明の更に他の態様に係る通信方法は、複数の移動体に情報を配信する通信方法であって、情報配信対象の複数の移動体が位置している配信エリアを決定することと、前記配信エリア内に位置している前記複数の移動体の位置情報に基づいて、移動通信の基地局を介したユニキャスト送信対象の移動体を選択して決定することと、前記移動通信の基地局を介して前記ユニキャスト送信対象の移動体に前記情報をユニキャスト送信することとを含む。
【0013】
本発明の更に他の態様に係る通信方法は、複数の移動体に情報を配信する通信方法であって、情報を配信する対象の複数の移動体が位置している配信エリアを決定することと、配信対象の情報の内容及び前記配信エリア内に位置している前記複数の移動体の位置情報の少なくとも一方に基づいて、移動通信の基地局を介した無線通信を少なくとも含む複数種類の配信方式から、前記配信エリア内に位置している前記複数の移動体それぞれに前記情報を配信するときに用いる配信方式を選択することと、前記選択した無線配信方式を用いて、前記基地局を介して前記複数の移動体に前記情報を配信することとを含む。
【0014】
本発明の更に他の態様に係るプログラムは、複数の移動体に情報を配信する装置に備えるコンピュータ又はプロセッサにおいて実行されるプログラムであって、情報配信対象の複数の移動体が位置している配信エリアを決定するプログラムコードと、前記配信エリア内に位置している前記複数の移動体の位置情報に基づいて、移動通信の基地局を介したユニキャスト送信対象の移動体を選択して決定するプログラムコードと、前記移動通信の基地局を介して前記ユニキャスト送信対象の移動体に前記情報をユニキャスト送信するプログラムコードとを含む。
【0015】
本発明の更に他の態様に係るプログラムは、複数の移動体に情報を配信する装置に備えるコンピュータ又はプロセッサにおいて実行されるプログラムであって、情報を配信する対象の複数の移動体が位置している配信エリアを決定するプログラムコードと、配信対象の情報の内容及び前記配信エリア内に位置している前記複数の移動体の位置情報の少なくとも一方に基づいて、移動通信の基地局を介した無線通信を少なくとも含む複数種類の配信方式から、前記配信エリア内に位置している前記複数の移動体それぞれに前記情報を配信するときに用いる配信方式を選択するプログラムコードと、前記選択した無線配信方式を用いて、前記基地局を介して前記複数の移動体に前記情報を配信するプログラムコードとを含む。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、移動通信の基地局からの下りリンクのトラフィックの急増を抑制しつつ、対象の配信エリアを移動している複数の移動体に基地局を介して情報を配信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本実施形態に係る危険イベント情報を配信する情報配信システムの全体構成の一例を示す説明図。
【
図2】本実施形態に係るサーバの主要な機能の一例を示すブロック図。
【
図3】本実施形態に係る車両の通信装置の主要な機能の一例を示すブロック図。
【
図4】本実施形態に係る危険イベント情報の配信処理の一例を示すシーケンス図。
【
図5】本実施形態に係る情報配信システムの全体構成の他の例を示す説明図。
【
図6】本実施形態に係る危険イベント情報の配信処理の他の例を示すシーケンス図。
【
図7】本実施形態に係るサーバの主要な機能の他の例を示すブロック図。
【
図8】本実施形態に係る情報配信システムの全体構成の更に他の例を示す説明図。
【
図9】本実施形態に係る危険イベント情報の配信処理の更に他の例を示すシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る危険イベント情報を配信する情報配信システムの全体構成の一例を示す説明図である。本実施形態の情報配信システムは、移動経路としての道路90の各車線91,92を走行している複数の移動体としての車両31~38、41~49の1台の車両31が危険イベントを検知したとき、その危険イベントを検知した車両31の後方における所定の配信エリアAを走行している後続の複数の車両32~38に危険イベント情報を配信して危険イベントの発生を速やかに知らせることができるものである。特に、本実施形態の情報配信システムは、高速道路を多数の車両が走行しているときに、前方で発生した危険イベントの情報を後方の車両に速やかに配信して知らせる必要がある場合に適する。
【0019】
ここで、危険イベントは、その発生位置に走行している車両に影響を当たえる可能性がある事象であり、例えば、道路90における交通事故、車両火災、落下物、突発的な渋滞、異常停止の車両、逆走車両、崖崩れ、洪水、局地的な集中豪雨等である。
【0020】
なお、本実施形態における車両は、例えば乗用車、トラック、バスなどの自動車であり、本発明は車両の種類及び数に制限されない。また、本発明は、情報配信対象の移動体が上空や水上などに設定された移動経路を移動する飛行体、船舶などの車両以外の移動体である場合にも適用することができる。
【0021】
図1において、本実施形態の情報配信システムは、道路90を走行している複数の車両に危険イベントの情報を配信するサーバ10を備えている。本実施形態のサーバ10は、例えば、移動通信網15の基地局16に設けられ、車両31~38、41~49の通信装置との間で基地局16を介して送受信される各種のデータ処理を行うことができるMEC(Multi-access Edge Computing)装置である。MEC装置からなるサーバ10は、基地局16と移動通信網15のコアネットワークとの間のノード又はコアネットワークの外側に設けてもよい。
【0022】
基地局16は、一つ又は複数のセル(セクタ、セクタセルとも呼ばれる。)を形成する。セルは地上又は海上に2次元的に形成してもよいし、上空から地上又は海上に向けて3次元的に形成してもよい。セルは、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセル、大セル等であってもよい。複数のセルは、複二次元的に又は三次元的に隣り合うように分布するセルラー構造を構成してもよいし、階層的に一部又は全部が重なり合った階層セル構造を構成してもよい。基地局16は、マクロセル基地局、スモールセル基地局、フェムトセル基地局、ピコセル基地局、大セル基地局、地上等に固定設置された固定基地局、地上、海上、上空などを移動可能な移動型の基地局等であってもよい。基地局16は、eNodeB(evolved Node B:eNB)、gNodeB(gNB)、en-NodeB(en-gNB)、アクセスポイント等と呼ばれる無線通信装置であってもよい。
【0023】
車両31~38、41~49の通信装置は、移動通信サービスの加入者として使用可能なネットワーク通信部を構成するユーザ装置(以下「UE」という。)を備える。UEは、ユーザ端末、端末、端末装置、移動局、移動機等と呼ばれる無線通信装置であってもよい。車両31~38、41~49のUEはそれぞれ、各車両の中で利用者が携帯した状態で使用する装置でもよいし、各車両に組み込んで設置された装置(例えばナビゲーション装置の一部として組み込まれた装置)であってもよい。
【0024】
車両31~38、41~49のUEはそれぞれ、基地局16を介してサーバ10と通信可能であり、サーバ10に対して車両情報を定期的に又は不定期に送信する。車両情報は、例えば、車両31~38、41~49(UE)の現在位置を示す位置情報と、車両31~38、41~49(UE)の速度Vと、車両識別情報(車両ID)と、車車間通信機能の有無情報を含む。車両31~38、41~49の速度Vは、例えば、車両の駆動制御装置から取得することができる。車両31~38、41~49(UE)の速度Vは、車両のUEそれぞれに記録されている移動履歴情報における位置情報の時間変化(移動距離及び移動時間)とに基づいて算出してもよい。
【0025】
車両31~38、41~49のUEからサーバ10への車両情報の送信頻度は、道路90で発生する危険イベントの発生状況(例えば、過去の発生確率、時間帯、エリア)に応じて変化させてもよい。例えば、危険イベントの発生確率が低い道路においては車両情報の送信頻度の低めに設定し、危険イベントの発生確率が高い道路においては車両情報の送信頻度を平時よりも高めに設定してもよい。また、危険イベントの発生頻度が低い時間帯又はエリアにおいては車両情報の送信頻度の低めに設定し、危険イベントの発生頻度が高い時間帯又はエリアにおいては車両情報の送信頻度を平時よりも高めに設定してもよい。
【0026】
また、車両31~38、41~49の一部の通信装置は、周辺の他の車両との間で直接通信(車車間通信)する機能を有する。例えば、
図1の車線91を走行している複数の車両31~38のうち、車両31、33~38は直接通信(車車間通信)の機能を有し、車両32は直接通信(車車間通信)の機能を有していない。
【0027】
車車間通信は、例えばマイクロ波、ミリ波等の電波を用いられる。車車間通信の周波数は、例えば、1GHzよりも低い数百MHzでもよいし、1GHz以上の高周波数帯であってもよい。また、車車間通信の周波数は、ITS(Intelligent Transport Systems)やCACC(Cooperative Adaptive Cruise Control)で使用される700MHz帯(715MHz~725MHz)、5.8GHz帯(5770MHz~5850MHz)やLTE-V2X Sidelink(PC-5)で使用される5.9GHz帯(5850MHz~5925MHz)等であってもよい。また、車車間通信のため所定のビーム幅を有する複数のアンテナを備えてもよい。例えば、車両31、33~38は、前方の車両と車車間通信ための指向性アンテナと、後方の車両と車車間通信ための指向性アンテナと、右側方の車両と車車間通信ための指向性アンテナと、左側方の車両と車車間通信ための指向性アンテナとを備えてもよい。
【0028】
また、情報配信システムは、道路90の位置、形状、幅W、車線91,92、信号設置位置、横断歩道の位置中央分離帯の有無、路側のガードレールの有無などの道路に関する情報を含む地図情報を管理する地図サーバ11を備えている。
図1の例では、地図サーバ11は移動通信網15に設けているが、基地局16に設けられたMEC装置、又は基地局16と移動通信網15のコアネットワークとの間のノードに設けられたMEC装置で構成してもよい。また、地図サーバ11はサーバ10と一体構成してもよい。
【0029】
図1において、例えば、道路90の一方の車線91を図中の右方に複数の車両31~38が走行し、先頭の車両31が危険イベントを検知したとき、その危険イベントの情報を後続の車両32~38に速やかに配信して通知したい場合がある。危険イベントの情報を通知する方式として、直接通信(車車間通信)を利用して危険イベントの情報を先頭の車両31から後続の車両32~38にリレーするように伝達する情報配信方式と、セルラーネットワークを利用して先頭の車両31からアップロードした危険イベントの情報を後続の車両32~38に伝達する情報配信方式が考えられる。
【0030】
しかしながら、直接通信(車車間通信)を利用した情報配信方式では、情報のリレー範囲に存在するすべての車両が直接通信(車車間通信)機能を有する必要があり、かつ、直接通信(車車間通信)可能な範囲にリレー先の車両が存在しないと、情報のリレーが途絶えてしまう。
【0031】
また、上記セルラーネットワークを利用する情報配信方式としてはブロードキャスト通信方式とユニキャスト通信方式がある。ブロードキャスト通信方式は、ある基地局のセルに在圏するすべてのUEに対して情報を一斉に送信して配信する方式である。この方式では、ブロードキャストを行う/行わないにかかわらず、予め無線帯域を確保する必要があり、その結果、ユニキャスト通信に割り当て可能な無線帯域が減ってしまう。一方、ユニキャスト通信方式は、必要なときのみ無線帯域を確保し、複数のUEそれぞれと個別に通信を行う方式である。この方式では、単位時間あたりに通信できるUEの台数に限りがあり、また、短時間(例えば1~2秒)に多くの車両のUEにユニキャスト通信で情報を配信しようとすると、基地局16からの下りリンクのトラフィックが短時間に急増し、他の一般ユーザのUEへ影響を与えてしまうおそれがある。
【0032】
そこで、本実施形態では、基地局16からの下りリンクのトラフィックの急増を抑制しつつ、危険イベントを検知した先頭の車両31の後方の配信エリアAを移動している複数の車両32に危険イベント情報を速やかに配信できるように、ユニキャスト通信とブロードキャスト通信とを組み合わせたハイブリッド情報配信方式を用いて危険イベントの情報を配信している。
【0033】
図2は、本実施形態に係るサーバ10の主要な機能の一例を示すブロック図である。
図2において、サーバ10は、情報送信部100と記憶部110と情報配信制御部120とを備える。情報送信部100は、後述の制御部125で制御されることにより、基地局16を介して、基地局16を介してユニキャスト送信対象の車両に危険イベントの情報をユニキャスト送信することができる。
【0034】
記憶部110は、道路90の位置、形状、幅W、車線91,92、交差点、信号設置位置、横断歩道の位置などの道路に関する情報を含む地図情報、並びに、危険イベント情報配信制御に必要な他のデータを記憶する。記憶部110に記憶する地図情報は、地図サーバ11から取得することができる。
【0035】
情報配信制御部120は、危険イベント情報受信部121と、移動体情報取得部としての車両情報取得部122と、配信エリア決定部123と、送信対象決定部124と、制御部125とを備える。車両情報は、車両に設けられたジャイロスコープ、加速度センサ、速度センサ及び磁気センサの少なくとも一つの出力の情報などを含んでもよい。
【0036】
危険イベント情報受信部121は、複数の車両が移動しているエリアで発生した危険イベントを検知した車両31から基地局16を介して危険イベントの情報を受信する。
【0037】
車両情報取得部122は、道路90を走行している一又は複数の車両から基地局16を介して、当該車両の現在位置及び移動速度を含む車両情報を受信して取得する。車両情報は、車両間の直接無線通信(車車間通信)機能の有無に関する情報を含んでもよい。
【0038】
配信エリア決定部123は、車両31から受信した危険イベントの情報を配信する情報配信対象の複数の車両32~38が位置している配信エリアAを決定する。配信エリアAは、例えば、危険イベントの発生位置よりも車両移動方向上流側のエリア(例えば、車両31の後方の所定距離までのエリア)である。
【0039】
送信対象決定部124は、配信エリアA内に位置している複数の車両32~38の位置情報に基づいて、移動通信の基地局16を介したユニキャスト送信対象の車両32、34、38を選択して決定する。ユニキャスト送信対象の車両は、例えば、直接無線通信(車車間通信)可能な他の車両が周辺に位置しない車両32、及び、直接無線通信(車車間通信)機能を有していない車両の少なくとも一方を含む。ユニキャスト送信対象の車両の決定には、直接無線通信(車車間通信)の通信可能距離及び通信電力、複数の車両の空間的な密度並びに時間帯の少なくとも一つを用いてもよい。
【0040】
制御部125は、基地局16を介してユニキャスト送信対象の車両32、34、38に危険イベント情報をユニキャスト送信するように、情報送信部100を制御する。ユニキャスト送信対象の車両32、34、38に送信する情報は、その車両の周辺エリアの車両に対する危険イベント情報のブロードキャスト送信による転送を行うか否かを指示する転送要否情報を含んでもよい。また、危険イベント情報は、危険イベントが発生した時間情報であるタイムスタンプの情報及び危険イベント配信情報の出力の要否を識別可能な情報の少なくとも一つを有してもよい。
【0041】
図3は、本実施形態に係る車両31~38,41~49の通信装置300の主要な機能の一例を示すブロック図である。
図3において、通信装置300は、第1無線通信部310と第2無線通信部320と情報処理制御部330と危険イベント検知部350を備える。
【0042】
第1無線通信部310は、移動通信の基地局16を介してサーバ10と通信するセルラーネットワーク通信を行うことができる。
第2無線通信部320は、周辺の車両との間での直接無線通信、及び、道路90の周辺に設けられた路側通信中継装置(以下「RSU(Road Side Unit)」という。)との間での直接無線通信の少なくとも一方を行うことができる。
【0043】
情報処理制御部330は、サーバ10から、配信情報である危険イベント情報と、その危険イベント情報を直接無線通信(車車間通信)により周辺の車両にブロードキャスト送信する転送を行うか否かを指示する転送要否情報とを受信し、転送要否情報が転送要の場合に直接無線通信(車車間通信)により危険イベント情報を周辺の車両にブロードキャスト送信し、転送要否情報が転送不要の場合に直接無線通信(車車間通信)による危険イベント情報のブロードキャスト送信を行わないように制御することができる。
【0044】
また、情報処理制御部330は、第1無線通信部310によりサーバ10から送信された第1配信情報(危険イベント情報)を受信し、第2無線通信部320により周辺の車両から転送されてきた第2配信情報(危険イベント情報)を受信し、第1配信情報と第2配信情報とを比較し、比較結果が不一致の場合は第1配信情報及び第2配信情報を記憶部340に記憶し、比較結果が一致の場合は第1配信情報及び第2配信情報のいずれか一方を破棄し他方を記憶部340に記憶するように制御してもよい。
【0045】
また、情報処理制御部330は、第1無線通信部310によりサーバ10から送信された配信情報(危険イベント情報)を受信し、第2無線通信部320によりRSUから転送されてきた配信情報(危険イベント情報)を受信し、サーバ10から受信した配信情報(危険イベント情報)とRSUから受信した配信情報(危険イベント情報)とを比較し、2つの配信情報が不一致の場合は2つの配信情報を記憶部記憶し、前記2つの配信情報が一致の場合は前記2つの配信情報のいずれか一方を破棄し他方を記憶するように制御してもよい。
【0046】
危険イベント検知部350は、例えば、撮像手段としてのカメラとカメラで撮影した画像に基づいて危険イベントの発生を判定する画像処理部とを用いて構成され、車両の周辺で発生した危険イベントを検知する。危険イベント検知部350は、危険イベントの発生に気づいた運転者が操作して危険イベントの発生情報を入力する操作入力部で構成してもよい。
【0047】
図4は、本実施形態に係る危険イベント情報の配信処理の一例を示すシーケンス図である。
図4は、
図1の道路90の一方の車線91を走行している先頭の車両31が危険イベントを検知した場合の例である。
図4において、サーバ10は、管理対象のエリアについて、道路90の位置、形状、幅W、車線91,92、交差点、信号設置位置、横断歩道の位置、中央分離帯の有無、路側のガードレールの有無などの道路に関する情報を含む地図情報を、地図サーバ11から受信する(S101)。また、サーバ10は、管理対象の道路90を走行している車両31~38、41~49を含む複数の車両について、所定の頻度で定期的に又は不定期に車両情報を受信する(S102)
【0048】
次に、車両31が危険イベントを検知すると、その危険イベントの情報を基地局16を介してしてサーバ10に送信する(S103,S104)。
【0049】
次に、サーバ10は、車両31から危険イベント情報を受信すると、危険イベントの内容や、道路90を走行している車両の位置情報等に基づいて、危険イベント情報を配信する配信エリアAを決定する(S105)。更に、サーバ10は、配信エリアA内に位置している複数の車両32~38の位置情報に基づいて、移動通信の基地局16を介したユニキャスト送信対象の車両32、34、38を選択して決定する(S106)。
【0050】
次に、サーバ10は、基地局16を介してユニキャスト送信対象の車両32、34、38に危険イベント情報をユニキャスト送信する(S107)。
車両32は、周辺の車車間通信可能な範囲に他の車両が存在しないので、危険イベント情報の転送は行わない。サーバ10が、車両32へのユニキャスト通信の際に、転送要否情報を付加し、車両32がその情報を基準に危険イベント情報の転送を行わないとしてもよい。
車両34は、周辺の車車間通信可能な範囲Bに他の車両33,35が存在するので、車車間通信のブロードキャスト送信により危険イベント情報を車両33,35に転送する(S108)。サーバ10が、車両33,35へのユニキャスト通信の際に、転送要否情報を付加し、車両33,35がその情報を基準に車車間通信のブロードキャスト送信により危険イベント情報の転送を行うとしてもよい。
車両34からの危険イベント情報は、隣の車線92を走行している車両43、45においても受信されるが、車両43、45は、自車両宛の配信情報でないため、危険イベント情報を出力することなく破棄してもよい。
車両38は、周辺の車車間通信可能な範囲Bに他の車両36,37が存在するので、車車間通信のブロードキャスト送信により危険イベント情報を車両36,37に転送する(S109)。サーバ10が、車両36,37へのユニキャスト通信の際に、転送要否情報を付加し、車両36,37がその情報を基準に車車間通信のブロードキャスト送信により危険イベント情報の転送を行うとしてもよい。
【0051】
各車両32~38で受信された危険イベント情報は、画像情報として表示部へ表示されたり、音情報としてスピーカなどの音声出力部から出力されたりすることにより、運転者に通知される。危険イベント情報は、各車両の駆動制御部に入力して車両の制御に用いてもよい。
【0052】
図5は、本実施形態に係る情報配信システムの全体構成の他の例を示す説明図である。なお、
図5において、前述の
図1と共通する部分については同じ符号を付し、説明を省略する。
図5の情報配信システムでは、配信エリアAに直接無線通信可能なRSU17が存在する場合は、そのRSU17から配信エリアAの一部の車両に対して危険イベント情報をブロードキャスト送信している。
図5の例では、RSU17の直接無線通信可能な範囲Cに4台の車両35~38が存在しているので、RSU17から車両35~38に危険イベント情報をブロードキャスト送信している。
【0053】
なお、車両35は、RSU17から転送された危険イベント情報と車両34から転送された危険イベント情報とを受信しているので、両方の危険イベント情報が重複している場合は、いずれか一方の危険イベント情報を破棄し、他方の危険イベント情報を記憶して出力してもよい。
【0054】
図6、本実施形態に係る危険イベント情報の配信処理の他の例を示すシーケンス図である。
図6は、
図5のRSU17を用いた場合の例である。なお、
図6において、前述の
図4と共通する部分については説明を省略する。
図6において、サーバ10は、配信エリアAを決定した(S205)後、配信エリアA内に位置している複数の車両32~38の位置情報及び周辺のRSU17の情報に基づいて、移動通信の基地局16を介したユニキャスト送信対象の車両32、34及びRSU17を選択して決定する(S206)。
【0055】
次に、サーバ10は、基地局16を介してユニキャスト送信対象の車両32、34とRSU17に危険イベント情報をユニキャスト送信する(S207,S208)。
車両32は、周辺の車車間通信可能な範囲に他の車両が存在しないので、危険イベント情報の転送は行わない。
車両34は、周辺の車車間通信可能な範囲Bに他の車両33,35が存在するので、車車間通信のブロードキャスト送信により危険イベント情報を車両33,35に転送する(S209)。サーバ10が、車両33,35へのユニキャスト通信の際に、転送要否情報を付加し、車両33,35がその情報を基準に車車間通信のブロードキャスト送信により危険イベント情報の転送を行うとしてもよい。
RSU17は、周辺の直接無線通信可能な範囲Cに車両36,37,38が存在するので、直接無線通信のブロードキャスト送信により危険イベント情報を車両36,37,38に転送する(S210)。
【0056】
なお、
図5,6の例では、RSU17から送信された危険イベント情報が車両35にも届くので、車両35は、RSU17から受信した危険イベント情報と車両34から受信した危険イベント情報とを比較して重複しているか否かをチェックし(S211)、両方の危険イベント情報が重複している場合は、一方の危険イベント情報を破棄し(S212)、他方の危険イベント情報を記憶して出力している。
【0057】
図7は、本実施形態に係るサーバ10の主要な機能の他の例を示すブロック図である。
図7は、危険イベント情報を配信する配信方式を選択する配信方式選択部126を更に備えた例である。なお、
図7において、前述の
図2と共通する部分については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0058】
図7において、配信方式選択部126は、配信対象の危険イベント情報の内容及び配信エリアA内に位置している複数の車両の位置情報の少なくとも一方に基づいて、移動通信の基地局16を介した無線通信を少なくとも含む複数種類の配信方式から、配信エリアA内に位置している複数の車両32~38それぞれに危険イベント情報を配信するときに用いる配信方式を選択する。例えば、配信方式選択部126における選択対象の複数種類の配信方式は、前述の
図1、
図4及び
図6に示した基地局16からのユニキャスト送信と車両又はRSUからのブロードキャスト送信とを組み合わせたハイブリッド送信で情報配信を行う第1配信方式と、基地局16からのユニキャスト送信のみで情報配信を行う第2配信方式(
図8参照)とを含む。配信方式選択部126は、例えば、車両31が検知した危険イベントに緊急性に応じて、第1配信方式及び第2配信方式から配信方式を選択して危険イベント情報を、配信エリアA内に存在する車両32~38に配信する。
【0059】
図9は、本実施形態に係る危険イベント情報の配信処理の更に他の例を示すシーケンス図である。
図9は、
図1の道路90の一方の車線91を走行している先頭の車両31が検知した危険イベントの内容に応じて前記第1配信方式又は第2配信方式を選択して危険イベント情報を配信する場合の例である。なお、
図9において、前述の
図4と共通する部分については説明を省略する。
図9において、サーバ10は、配信エリアAを決定した(S305)後、車両31が検知した危険イベント内容に基づいて、前述の第1配信方式(ハイブリッド送信方式)又は第2配信方式(ユニキャスト送信方式)を選択する(S308)。
【0060】
例えば、車両31が検知した危険イベントが緊急性の高い危険イベントの場合、サーバ10は、前述の第2配信方式(ユニキャスト送信方式)を選択し、配信エリアA内に存在する車両32~38のすべてをユニキャスト送信対象として決定し(S307)、
図8に示すように基地局16を介して車両32~38のすべてに対して危険イベント情報をユニキャスト送信する(S308)。
【0061】
一方、車両31が検知した危険イベントが緊急性の低い危険イベントの場合、サーバ10は、前述の第1配信方式(ハイブリッド送信方式)を選択し、前述の
図4の場合と同様に配信エリアA内に存在する車両32~38のうち車両32,34,38をユニキャスト送信対象として決定し(S309)、
図1に示すように基地局16を介して車両32、34、38に対して危険イベント情報をユニキャスト送信する(S310)。
【0062】
以上、本実施形態によれば、
図1~
図4に示したように、危険イベント情報を配信する対象の配信エリアAに存在する複数の車両(移動体)32~38から選択した一部の車両32、34、38に対してのみ、基地局16を介して危険イベント情報をユニキャスト送信することにより、車両32~38のすべてにユニキャスト送信する場合に比して、基地局16からの下りリンクのトラフィックの急増を抑制することができる。しかも、配信エリアA内の残りの車両33、35~37については、車両34、38から車車間通信(直接無線通信)によるブロードキャスト送信により危険イベント情報を転送して配信することができる。よって、移動通信の基地局16からの下りリンクのトラフィックの急増を抑制しつつ、車両31が検知した危険イベント情報を、配信対象の配信エリアAを移動している複数の車両32のすべてに基地局16を介して危険イベント情報を配信することができる。
【0063】
また、本実施形態によれば、危険イベント情報を配信する対象の配信エリアAに存在する複数の車両(移動体)32~38から選択した一部の車両32、34とRSU(路側通信中継装置)17に対してのみ、基地局16を介して危険イベント情報をユニキャスト送信することにより、車両32~38のすべてにユニキャスト送信する場合に比して、基地局16からの下りリンクのトラフィックの急増を抑制することができる。しかも、配信エリアA内の残りの車両33、35~38については、車両34及びRSU17から直接無線通信によるブロードキャスト送信により危険イベント情報を転送して配信することができる。よって、移動通信の基地局16からの下りリンクのトラフィックの急増を抑制しつつ、車両31が検知した危険イベント情報を、配信対象の配信エリアAを移動している複数の車両32のすべてに基地局16を介して危険イベント情報を配信することができる。
【0064】
また、本実施形態によれば、
図7~
図9に示したように、車両31が検知した危険イベントの緊急性等に応じて適切な配信方式を選択して、配信対象の配信エリアAを移動している複数の車両32のすべてに基地局16を介して危険イベント情報を配信することができる。
【0065】
また、本実施形態によれば、ユニキャスト送信対象の車両(移動体)に送信する危険イベント情報が、周辺の車両に対する情報のブロードキャスト送信による転送を行うか否かを指示する転送要否情報を含むことにより、転送要否情報に基づいて不要なブロードキャスト送信による転送処理を回避することができるので、車両における通信、制御などの負荷を低減できる。
【0066】
また、本実施形態によれば、ユニキャスト送信対象の車両(移動体)が、直接無線通信可能な他の車両が周辺に位置しない車両、及び、直接無線通信(車車間通信)機能を有していない車両の少なくとも一方を含むことにより、危険イベント情報の配信漏れの車両を低減できる。
【0067】
また、本実施形態によれば、ユニキャスト送信対象の車両(移動体)の決定に、直接無線通信(車車間通信)の通信可能距離及び通信電力、車両の空間的な密度並びに時間帯の少なくとも一つを用いることにより、ユニキャスト送信後の車両からのブロードキャスト送信で危険イベント情報が転送されない配信漏れの車両を低減できる。
【0068】
また、本実施形態によれば、複数の車両(移動体)32~38に配信される危険イベント情報は、タイムスタンプの情報及び配信情報の出力の要否を識別可能な情報の少なくとも一つを有することにより、危険イベント情報を受信した車両においてタイムスタンプの情報を用いた制御及び配信情報の出力制御がサーバ10から指定できる。
【0069】
なお、本明細書で説明された処理工程並びに移動通信システムの構成要素は、様々な手段によって実装することができる。例えば、これらの工程及び構成要素は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又は、それらの組み合わせで実装されてもよい。
【0070】
ハードウェア実装については、実体(例えば、各種無線通信装置、Node B、端末、ハードディスクドライブ装置、又は、光ディスクドライブ装置)において上記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、1つ又は複数の、特定用途向けIC(ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本明細書で説明された機能を実行するようにデザインされた他の電子ユニット、コンピュータ、又は、それらの組み合わせの中に実装されてもよい。
【0071】
また、ファームウェア及び/又はソフトウェア実装については、上記構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、本明細書で説明された機能を実行するプログラム(例えば、プロシージャ、関数、モジュール、インストラクション、などのコード)で実装されてもよい。一般に、ファームウェア及び/又はソフトウェアのコードを明確に具体化する任意のコンピュータ/プロセッサ読み取り可能な媒体が、本明細書で説明された上記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段の実装に利用されてもよい。例えば、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば制御装置において、メモリに記憶され、コンピュータやプロセッサにより実行されてもよい。そのメモリは、コンピュータやプロセッサの内部に実装されてもよいし、又は、プロセッサの外部に実装されてもよい。また、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、FLASHメモリ、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、磁気又は光データ記憶装置、などのような、コンピュータやプロセッサで読み取り可能な媒体に記憶されてもよい。そのコードは、1又は複数のコンピュータやプロセッサにより実行されてもよく、また、コンピュータやプロセッサに、本明細書で説明された機能性のある態様を実行させてもよい。
【0072】
また、前記媒体は非一時的な記録媒体であってもよい。また、前記プログラムのコードは、コンピュータ、プロセッサ、又は他のデバイス若しくは装置機械で読み込んで実行可能であれよく、その形式は特定の形式に限定されない。例えば、前記プログラムのコードは、ソースコード、オブジェクトコード及びバイナリコードのいずれでもよく、また、それらのコードの2以上が混在したものであってもよい。
【0073】
また、本明細書で開示された実施形態の説明は、当業者が本開示を製造又は使用するのを可能にするために提供される。本開示に対するさまざまな修正は当業者には容易に明白になり、本明細書で定義される一般的原理は、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他のバリエーションに適用可能である。それゆえ、本開示は、本明細書で説明される例及びデザインに限定されるものではなく、本明細書で開示された原理及び新規な特徴に合致する最も広い範囲に認められるべきである。
【符号の説明】
【0074】
10 :サーバ
16 :基地局
31~38 :車両
41~49 :車両
90 :道路
91、92 :車線
100 :情報送信部
110 :記憶部
120 :情報配信制御部
121 :危険イベント情報受信部
122 :車両情報取得部
123 :配信エリア決定部
124 :送信対象決定部
125 :制御部
126 :配信方式選択部
300 :通信装置
310 :第1無線通信部
320 :第2無線通信部
330 :情報処理制御部
340 :記憶部
350 :危険イベント検知部
【手続補正書】
【提出日】2022-05-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の移動体に情報を配信するサーバであって、
情報を配信する対象の複数の移動体が位置している配信エリアを決定する配信エリア決定部と、
配信対象の情報の内容及び前記配信エリア内に位置している前記複数の移動体の位置情報の少なくとも一方に基づいて、移動通信の基地局を介した無線通信を少なくとも含む複数種類の配信方式から、前記配信エリア内に位置している前記複数の移動体それぞれに前記情報を配信するときに用いる配信方式を選択する選択部と、
前記選択した無線配信方式を用いて、前記基地局を介して前記複数の移動体に前記情報を配信する情報配信部と、
を備えることを特徴とするサーバ。
【請求項2】
請求項1のサーバにおいて、
前記複数種類の配信方式は、
前記配信エリア内に位置している前記複数の移動体の位置情報に基づいて、移動通信の基地局を介したユニキャスト送信対象の移動体を選択して決定し、前記移動通信の基地局を介して前記ユニキャスト送信対象の移動体に前記情報をユニキャスト送信する第1配信方式と、
前記基地局を介して前記配信エリア内に位置している前記複数の移動体それぞれに前記情報をユニキャスト送信する第2配信方式と、を含むことを特徴とするサーバ。
【請求項3】
請求項2のサーバにおいて、
前記ユニキャスト送信対象の移動体によって受信された情報は、前記ユニキャスト送信対象の移動体の周辺に位置する他の移動体に対して直接無線通信によりブロードキャスト送信されることを特徴とするサーバ。
【請求項4】
請求項3のサーバにおいて、
前記ユニキャスト送信対象の移動体に送信する情報は、前記周辺の移動体に対する前記情報のブロードキャスト送信による転送を行うか否かを指示する転送要否情報を含むことを特徴とするサーバ。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれかのサーバにおいて、
前記ユニキャスト送信対象の移動体は、直接無線通信可能な他の移動体が周辺に位置しない移動体、及び、移動体間の直接無線通信機能を有していない移動体の少なくとも一方を含むことを特徴とするサーバ。
【請求項6】
請求項2乃至5のいずれかのサーバにおいて、
前記基地局を介した前記サーバからのユニキャスト送信対象は、前記配信エリアの移動経路の周辺に設けられた路側通信中継装置を含み、
前記配信エリア内に位置している前記複数の移動体の位置情報と、前記路側通信中継装置の位置情報とに基づいて、前記ユニキャスト送信対象の移動体を選択して決定することを特徴とするサーバ。
【請求項7】
請求項2乃至6のいずれかのサーバにおいて、
前記ユニキャスト送信対象の移動体の決定に、移動体間の直接無線通信の通信可能距離及び通信電力、前記複数の移動体の空間的な密度並びに時間帯の少なくとも一つを用いることを特徴とするサーバ。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかのサーバにおいて、
前記複数の移動体に配信される情報は、タイムスタンプの情報及び配信情報の出力の要否を識別可能な情報の少なくとも一つを有することを特徴とするサーバ。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかのサーバにおいて、
前記基地局を介して前記複数の移動体から、前記移動体の位置、速度及び移動体間の直接無線通信機能の有無情報を受信して取得する情報取得部と、
前記複数の移動体それぞれの位置情報を記憶する情報記憶部と、
を備えることを特徴とするサーバ。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかのサーバにおいて、
前記移動体は、道路を走行する車両であることを特徴とするサーバ。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれかのサーバにおいて、
前記複数の移動体が移動しているエリアで発生した危険イベントを検知した移動体から、前記危険イベントの情報を受信する危険イベント情報受信部を備え、
前記配信する情報は、前記危険イベントの情報であり、
前記配信エリアは、前記危険イベントの発生位置よりも移動体の移動方向上流側のエリアであることを特徴とするサーバ。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれかのサーバと、前記移動通信の基地局とを備えることを特徴とする通信システム。
【請求項13】
請求項12の通信システムにおいて、
前記移動体の移動経路の周辺に設けられ、前記基地局を介して前記サーバからの情報をユニキャスト送信可能な路側通信中継装置を更に備え、
前記路側通信中継装置によって受信された情報は、前記路側通信中継装置の周辺に位置する移動体に対して直接無線通信によりブロードキャスト送信されることを特徴とする通信システム。
【請求項14】
複数の移動体に情報を配信する通信方法であって、
情報を配信する対象の複数の移動体が位置している配信エリアを決定することと、
配信対象の情報の内容及び前記配信エリア内に位置している前記複数の移動体の位置情報の少なくとも一方に基づいて、移動通信の基地局を介した無線通信を少なくとも含む複数種類の配信方式から、前記配信エリア内に位置している前記複数の移動体それぞれに前記情報を配信するときに用いる配信方式を選択することと、
前記選択した無線配信方式を用いて、前記基地局を介して前記複数の移動体に前記情報を配信することと、
を含むことを特徴とする通信方法。
【請求項15】
複数の移動体に情報を配信する装置に備えるコンピュータ又はプロセッサにおいて実行されるプログラムであって、
情報を配信する対象の複数の移動体が位置している配信エリアを決定するプログラムコードと、
配信対象の情報の内容及び前記配信エリア内に位置している前記複数の移動体の位置情報の少なくとも一方に基づいて、移動通信の基地局を介した無線通信を少なくとも含む複数種類の配信方式から、前記配信エリア内に位置している前記複数の移動体それぞれに前記情報を配信するときに用いる配信方式を選択するプログラムコードと、
前記選択した無線配信方式を用いて、前記基地局を介して前記複数の移動体に前記情報を配信するプログラムコードと、
を含むことを特徴とするプログラム。