(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022116159
(43)【公開日】2022-08-09
(54)【発明の名称】略円筒状喫煙者商品を形成するために用いられる多層円筒状管状ロッドのピースを形成する方法および機械と、その方法および機械によって形成されたピース
(51)【国際特許分類】
A24C 5/46 20060101AFI20220802BHJP
A24D 3/02 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
A24C5/46
A24D3/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022084983
(22)【出願日】2022-05-25
(62)【分割の表示】P 2018557227の分割
【原出願日】2017-01-24
(31)【優先権主張番号】102016000007341
(32)【優先日】2016-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】392003937
【氏名又は名称】ジー.デー ソチエタ ペル アツィオニ
【氏名又は名称原語表記】G.D SOCIETA PER AZIONI
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【弁理士】
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【弁理士】
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100158610
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 新吾
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】エスポスティ,マルコ
(72)【発明者】
【氏名】ガンベリーニ,ジュリアーノ
(72)【発明者】
【氏名】サルトーニ,マッシモ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】略円筒状喫煙者商品を形成するのに適した多層円筒状管状ロッドのピースを形成するための方法および装置を提供する。
【解決手段】略円筒状喫煙者商品を形成するのに適した多層円筒状管状ロッド1のピースを形成する機械100は、少なくとも第一連続的ウェブ102を供給するための第一手段101と、第二連続的ウェブ104を供給するための第二手段103と、少なくとも第一層と第二層とを重ねることにより、連続的多層ウェブMを形成するための手段107と、供給方向Xに沿って連続的多層ウェブを供給するための手段とを備え、供給方向Xの周囲にロッド1を形成するための手段110と、ロッド1をピースへと切断するための手段111とが備えられる。機械100は、少なくとも一つの端部合わせ継ぎ目を形成するよう、第一層と第二層との少なくとも一方の側方縁部を配置するよう構成される。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略円筒状喫煙者商品を形成するのに適した多層円筒状管状ロッド(1)のピースを形成
する方法であって、
a)連続的多層ウェブ(M)の第一層(2)を形成するのに適した第一材料の少なくとも
第一連続的ウェブ(102)を供給する工程と、
b)前記連続的多層ウェブ(M)の第二連続層(5)を形成するのに適した第二材料の第
二連続的ウェブ(104)を供給する工程と、
c)前記第一層(2)が、前記ロッド(1)において、前記第二層(5)に対して径方向
内側の位置を占めるよう、配置されるように、少なくとも前記第一層(2)と前記第二層
(5)とを重ねることにより前記連続的多層ウェブ(M)を形成し、前記連続的多層ウェ
ブ(M)を供給方向(X)に沿って供給する工程と、
d)前記連続的多層ウェブ(M)を前記供給方向(X)の周囲に巻き付け、ロッド(1)
を得るために、少なくとも前記第一層(2)の側方縁部(4)の第一継ぎ目(3)と前記
第二層(5)の側方縁部(7)の第二継ぎ目(6)とを形成する工程と、
e)前記ロッド(1)をピースへと切断する工程と、
を含む方法において、
工程a)~e)は、多層円筒状管状ロッド(1)を形成するための単一の機械(100
)において実行され、
前記工程d)は、前記第一継ぎ目(3)と前記第二継ぎ目(6)との少なくとも一方を
端部合わせ継ぎ目として形成するよう、前記第一層(2)と前記第二層(5)との少なく
とも一方の側方縁部(4,7)を配置することにより達成される方法。
【請求項2】
請求項1に記載の多層円筒状管状ロッドのピースを形成する方法において、
f)前記ロッド(1)の第三層(9)を形成するのに適した第三材料の第三連続的ウェ
ブ(113)を供給する工程を含み、
前記第三層(9)は、前記ロッド(1)において、前記第一層(2)と前記第二層(5
)とに対して径方向外側の位置を占めるよう、配置されている方法。
【請求項3】
請求項2に記載の多層円筒状管状ロッドのピースを形成する方法において、
前記工程c)は、前記第一層(2)と前記第二層(5)と前記第三層(9)とを重ねる
ことにより、前記連続的多層ウェブ(M)を形成することを含んでおり、
好ましくは、前記工程d)は、第一の端部合わせ継ぎ目(3)を形成するよう前記第一
層(2)の前記側方縁部(4)を配置し、第二の端部合わせ継ぎ目(6)を形成するよう
前記第二層(5)の前記側方縁部(7)を配置することにより達成される方法。
【請求項4】
請求項3に記載の多層円筒状管状ロッドのピースを形成する方法において、
前記工程c)は、前記供給方向(X)に対して垂直な方向に沿って前記第一層(2)と
前記第二層(5)との少なくとも一方に対して前記第三層(9)をオフセットさせる工程
を含んでおり、
前記工程d)は、第三の端部合わせ継ぎ目(10)を形成するよう前記第三層(9)の
側方縁部(11)を配置することにより達成される、または
前記工程d)は、第三の重なり継ぎ目(10)を形成するよう前記第三層(9)の側方
縁部(11)を配置することにより達成される方法。
【請求項5】
請求項2に記載の多層円筒状管状ロッドのピースを形成する方法において、
前記第一層(2)と前記第二層(5)とを重ねることにより形成された前記連続的多層
ウェブ(M)は、前記第三層(9)と並置される中間ロッド(13)を形成するよう、巻
き付けられており、
方法は、g)前記第三層(9)の前記側方縁部(11)の第三継ぎ目(10)を形成す
るよう、前記中間ロッド(13)を形成するよう既に巻き付けられている前記第一層(2
)および前記第二層(5)の周囲に前記第三層(9)を巻き付ける工程を含んでおり、
好ましくは、前記工程d)は、少なくとも第一の重なり継ぎ目(3)を形成するよう前
記第一層(2)の前記側方縁部(4)を配置し、第二の端部合わせ継ぎ目(6)を形成す
るよう前記第二層(5)の前記側方縁部(7)を配置することにより達成され、
好ましくは、前記工程g)は、第三の重なり継ぎ目(10)を形成するよう前記第三層
(9)の前記側方縁部(11)を配置することにより達成される方法。
【請求項6】
請求項1から5の一以上に記載の多層円筒状管状ロッドのピースを形成する方法におい
て、前記連続的多層ウェブ(M)を巻き付けて多層円筒状管状ロッド(1)を形成する前
に、前記連続的多層ウェブ(M)の縁部を切り取ることを含む方法。
【請求項7】
請求項1から6の一以上に記載の多層円筒状管状ロッドのピースを形成する方法におい
て、前記連続的多層ウェブ(M)を巻き付けて多層円筒状管状ロッド(1)を形成する前
に、前記連続的多層ウェブの中間に沿って前記供給方向(X)に延設されるある中央形状
を形成するよう、前記連続的多層ウェブ(M)に予備的な形状を与える工程を含む方法。
【請求項8】
請求項1から7の一以上に記載の多層円筒状管状ロッドのピースを形成する方法におい
て、前記第一連続的ウェブ(102)のストリップ(14)を形成し、第一不連続層(2
)を前記供給方向(X)に沿って形成する工程を含み、前記第一不連続層(2)が、前記
供給方向に沿って、隙間(15)と交互に配置される一連のストリップ(14)を備えて
いる方法。
【請求項9】
請求項1~7の一以上に記載の多層円筒状管状ロッドのピースを形成する方法において
、
第一連続層(2)を前記供給方向(X)に沿って形成する工程を含んでおり、
好ましくは、前記工程c)は、前記供給方向(X)に対して垂直な方向に前記第一層(
2)と前記第二層(5)とをオフセットさせる工程を含み、
前記工程d)は、前記第一層(2)の前記側方縁部(4)と前記第二層(5)の前記側
方縁部(7)とを端部同士を合わせるよう位置決めすることにより達成される方法。
【請求項10】
略円筒状喫煙者商品を形成するのに適した多層円筒状管状ロッドのピースを形成する機
械(100)において、
連続的多層ウェブ(M)の第一層(2)を形成するのに適した第一材料の少なくとも第
一連続的ウェブ(102)を供給するための第一手段(101)と、
前記連続的多層ウェブ(M)の第二連続層(5)を形成するのに適した第二材料の第二
連続的ウェブ(104)を供給するための第二手段(103)と、
前記第一層(2)が、前記ロッド(1)において、前記第二層(5)に対して径方向内
側の位置を占めるよう、配置されるように、少なくとも前記第一層(2)と前記第二層(
5)とを重ねることにより前記連続的多層ウェブ(M)を形成する手段(107)と、前
記連続的多層ウェブを供給方向(X)に沿って供給する手段(108)と、
前記供給方向(X)の周囲に前記ロッド(1)を形成するための手段(110)であっ
て、前記ロッド自体を構成する層の継ぎ目(3,6,10)を形成する手段(110)と
、
前記ロッド(1)をピースへと切断するための手段(111)と、
を備えており、
前記機械(100)は、前記第一継ぎ目(3)と前記第二継ぎ目(6)との少なくとも
一方を端部合わせ継ぎ目として形成するよう、前記第一層(2)と前記第二層(5)との
少なくとも一方の側方縁部(4,7)を配置するよう構成される機械。
【請求項11】
請求項10に記載の多層円筒状管状ロッドのピースを形成する機械(100)において
、
前記ロッド(1)の第三層(9)を形成するのに適した第三材料の第三連続的ウェブ(
113)を供給するための第三手段(112)を備えており、
前記第三層(9)は、前記ロッド(1)において、前記第一層(2)と前記第二層(5
)とに対して径方向外側の位置を占めるよう、配置されている機械。
【請求項12】
請求項11に記載の多層円筒状管状ロッドのピースを形成する機械(100)において
、
前記供給方向(X)の周囲に前記ロッド(1)を形成するための前記手段(110)は
、前記第一層(2)と前記第二層(5)とを備える前記連続的多層ウェブ(M)を巻き付
けて中間ロッド(13)を形成するよう構成される上流側成形ビーム(119)を備えて
おり、
前記ロッド(1)を形成するよう前記中間ロッド(13)の周囲に前記第三連続的ウェ
ブ(113)を巻き付けるよう構成される下流側成形ビーム(110a)を備えている機
械。
【請求項13】
請求項10~12の一以上に記載の多層円筒状管状ロッドのピースを形成する機械にお
いて、前記連続的多層ウェブ(M)の両側に配置されるとともにその縁部を切り取るよう
構成される二つのブレード(114)を備える機械。
【請求項14】
請求項10~13の一以上に記載の多層円筒状管状ロッドのピースを形成する機械にお
いて、前記連続的多層ウェブ(M)を巻き付けて前記ロッド(1)を形成する前に、前記
連続的多層ウェブ(M)に予備的な形状を与えるよう構成される成形装置(116)を備
える機械。
【請求項15】
それぞれの側方縁部(4)の第一継ぎ目(3)を有する第一材料の第一層(2)と、
それぞれの側方縁部(7)の第二継ぎ目(6)を有する第二材料の第二連続層(5)と
、
を備えており、
前記第一層(2)が前記第二層(5)に対して径方向内側の位置を占めている、略円筒
状喫煙者商品を形成するのに適した多層円筒状管状ロッド(1)のピースにおいて、
前記第一継ぎ目(3)と前記第二継ぎ目(6)との少なくとも一方が端部合わせ継ぎ目
として形成されているピース。
【請求項16】
請求項15に記載の多層円筒状管状ロッドのピースにおいて、
前記第一層(2)と前記第二層(5)とに対して径方向外側の位置を占めるとともにそ
れぞれの側方縁部(11)の第三継ぎ目(10)を備える第三材料の第三連続層(9)を
備えており、
好ましくは、
前記第一継ぎ目(3)は重なり継ぎ目であり、
前記第二継ぎ目(6)は端部合わせ継ぎ目であり、
前記第三継ぎ目(10)は重なり継ぎ目であり、好ましくは前記第一継ぎ目(3)およ
び前記第二継ぎ目(6)に対してオフセットされているピース。
【請求項17】
請求項16に記載の多層円筒状管状ロッドのピースにおいて、前記第二層(5)と前記
第三層(9)とは厚さが異なるピース。
【請求項18】
請求項15~17の一以上に記載の多層円筒状管状ロッドのピースにおいて、
前記第一層(2)は前記供給方向(X)に沿って連続的であり、
前記第一継ぎ目(3)および前記第二継ぎ目(6)は、端部合わせ継ぎ目であり、互い
からオフセットされている、または、
前記第一層(2)は不連続な層であり、前記供給方向(X)に沿って、隙間(15)と
交互に配置される一連のストリップ(14)を備えているピース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、略円筒状喫煙者商品を形成するのに適した多層円筒状管状ロッドのピースを
形成する方法および機械に関する。
【0002】
また本発明は、略円筒状喫煙者商品を形成するのに適した多層円筒状管状ロッドのピー
スに関する。
【背景技術】
【0003】
国際特許出願公開第2014/188318号(WO2014/188318)に記載
されている通り、所望の特性を与えるのに適したストリップを備えている多層ウェブに、
任意の種類の喫煙者製品の円筒状部材が巻き付けられる、喫煙者商品を形成するために用
いられる機械が従来技術において知られている。ストリップは、例えば金属材料またはプ
ラスチック材料で形成されている。国際特許出願公開第2014/188318号に記載
されている機械は、円筒状部材の周囲に多層ウェブを巻き付けることにより喫煙者商品の
ピースを直接形成するのに適している。
【0004】
現在のところ、したがって、喫煙者商品を形成するのに必要な円筒状部材が軸方向に後
で充填されるのに適した多層円筒状管状ロッドのピースを提供するのに利用可能な機械ま
たは方法はない。実際には、この場合、特に前述の部材を受けなければならない内径に関
して厳しい寸法および形状公差に適合する多層円筒状管状ロッドのピースを提供すること
が必要であろう。
【0005】
現在のところ、従来技術機械および方法は、多層ウェブの個々の層の位置決めおよび/
または位置揃えに誤差が生じやすく、また処理ステーション間の位相ずれ、例えば連続的
なウェブの供給における張力変動による位相ずれが生じやすいので、指定される公差に適
合することができない。
【発明の概要】
【0006】
したがって、本発明は、従来技術の上述した欠点を克服する多層円筒状管状ロッドのピ
ースを形成するための方法および装置を提供することを目的とする。
【0007】
より具体的には、本発明の目的は、特に内径に関して厳しい寸法および形状公差に適合
する多層円筒状管状ロッドのピースを提供できる、多層円筒状管状ロッドのピースを形成
するための方法および機械を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、異なるタイプの製品の形成に適合できるとともに、特に周方向に
沿った完全な閉鎖と異なる層の正確な周方向および縦方向の位置決めとを保証する信頼で
きる製品を形成できる、多層円筒状管状ロッドのピースを形成するための方法および機械
を提供することにある。
【0009】
本発明のさらなる目的は、円筒状部材を後の段階において容易に挿入でき、例えば空気
が部材を通過できるようにピースと部材との間の封止を保証できる略円筒状喫煙者商品を
形成するのに適した多層円筒状管状ロッドのピースを提供することにある。
【0010】
これらの目的は、添付の特許請求の範囲における一以上の請求項に記載した特徴を有す
る、多層円筒状管状ロッドのピースを形成するための方法および機械によって達成される
。
【0011】
これらの目的はまた、添付の特許請求の範囲における一以上の請求項に記載した特徴を
有する、略円筒状喫煙者商品を形成するのに適した多層円筒状管状ロッドのピースによっ
て達成される。
【0012】
単一の機械において各工程を行うことによって、供給方向に沿った位相ずれを回避する
ことができる利点がある。また、少なくとも一つの端部合わせ継ぎ目を形成する多層円筒
状管状ロッドを形成するよう供給方向の周囲に連続的多層ウェブを巻き付けることによっ
て、ピースの形状および大きさのばらつきを低減でき、したがって、特定の形状および大
きさ公差に適合できる。
【0013】
好適には、得られたロッドのピースは、第一継ぎ目を備える第一層と、第二継ぎ目を備
える第二連続層と、必要に応じて第三継ぎ目を備える第三連続層と、を備えており、第一
継ぎ目と第二継ぎ目との少なくとも一方は端部合わせ継ぎ目として形成される。
【0014】
好ましくは、金属材料、プラスチック材料、紙材料のうちの一つ以上を備える第一材料
が用いられる。
【0015】
好ましくは、第二層と第三層との厚さが同じである、第一層、第二層および第三層が用
いられる。例えば、単一の連続的なウェブを供給し、それを第二連続的ウェブと第三連続
的ウェブとを構成する二つの連続的ウェブ部分に長手方向に分割することによって、同じ
厚さの層が得られる。あるいは、第二層と第三層とは厚さが異なる。
【0016】
好ましくは、第一継ぎ目および第二継ぎ目の両方は端部合わせ継ぎ目である。第三継ぎ
目を、第一継ぎ目もしくは第二継ぎ目に対してオフセットされた端部合わせ継ぎ目とでき
る、または第一継ぎ目もしくは第二継ぎ目に対して好ましくはオフセットされる重なり継
ぎ目とできる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明のさらなる特徴および利点は、略円筒状喫煙者商品を形成するのに適した多層円
筒状管状ロッドのピース、および略円筒状喫煙者商品を形成するのに適した多層円筒状管
状ロッドのピースを形成する方法ならびに機械の好ましい実施形態したがって非排他的な
実施形態の例示的であり故に限定するものではない以下の説明からさらに明らかとなろう
。
【0018】
本発明を、本発明を限定するものではない実施形態を示す以下の添付図面を参照して説
明する。
【
図1a】多層円筒状管状ロッドの第一実施態様の横方向断面を示している。
【
図1b】多層円筒状管状ロッドの第一実施態様の製品概略図を示している。
【
図1c】多層円筒状管状ロッドの第一実施態様の縦方向断面を示している。
【
図7】第一実施態様にかかる、多層円筒状管状ロッド、フィルタロッドのピースを形成するための機械の正面概略図である。
【
図8】第二実施態様にかかる、多層円筒状管状ロッドのピースを形成するための機械の正面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
添付図面を参照して、参照符号1は、略円筒状喫煙者商品を形成するのに適したピース
が得られる多層円筒状管状ロッドを示す。
【0020】
ロッド1(したがってロッド1のピースは図示していない)は、第一材料の第一層2を
備える。第一層2は、第一層2のそれぞれの側方縁部4の第一継ぎ目3を形成するよう、
長手方向で接合される。
【0021】
ロッド1(したがってロッド1のピースは図示していない)は、第二材料の第二層5を
備える。第二層5は、第二層5のそれぞれの側方縁部7の第二継ぎ目6を形成するよう、
長手方向で接合される。
【0022】
第一層2は、ピースおよびロッド1の両方において、第二層5に対して径方向内側の位
置を占める。
【0023】
第二層5は、ピースの生産の間、ロッドの供給方向と一致する、ロッド1の延設の主方
向「X」に沿って連続的である。
【0024】
第一継ぎ目3と第二継ぎ目6との少なくとも一方は、端部合わせ継ぎ目として、すなわ
ち二つのそれぞれの側方縁部が重ならないよう形成された継ぎ目として、形成される。
【0025】
第一材料と第二材料とは異なる。例えば、第一材料を金属材料とでき、第二材料を紙材
料とできる。
【0026】
図1aおよび
図1cは、第一層2もまたロッド1の延設の主方向「X」に沿って連続的
であるロッド1を示している。さらに、第一継ぎ目3と第二継ぎ目6との両方は端部合わ
せ継ぎ目であり、そして互いからオフセットされている、つまり、方向「X」の周囲方向
に異なる角度位置で配置されている。
図1bは、両方とも平坦に広がっている第一層2お
よび第二層5を備える連続的多層ウェブ「M」からのロッド1の生産における一工程を示
している。また、第一層2と第二層5との間に配置される接着材料の中間層8も図示して
いる。
【0027】
図2aおよび
図2cは、第一層2と第二層5とに対して径方向外側の位置を占めている
第三層9を備えるロッド1を示している。第三層9は、第三層9のそれぞれの側方縁部4
の第三継ぎ目10を形成するよう、長手方向で接合される。第一継ぎ目3と第二継ぎ目6
との両方は端部合わせ継ぎ目であり、好ましくは、方向「X」の周囲方向に同じ角度位置
で配置されている。第三継ぎ目10は端部合わせ継ぎ目であり、そして第一継ぎ目と第二
継ぎ目とに対してオフセットされている、つまり、方向「X」の周囲方向に別の異なる角
度位置で配置されている。
【0028】
再び
図2aおよび
図2cを参照して、第一層2は不連続な層であり、供給方向に沿って
、隙間15と交互に配置される一連のストリップ14を備える。この場合、ロッド1の完
全閉鎖は、第三層9と、他の継ぎ目からオフセットされた第三継ぎ目10と、によって保
証される。
【0029】
図2bは、すべて平坦に広がっている第一層2と第二層5と第三層9とを備える連続的
多層ウェブ「M」からのロッド1の生産における一工程を示している。また、第一層2と
第二層5との間に配置される接着材料の中間層8と、第二層5と第三層9との間に配置さ
れるさらなる中間接着層12と、も図示している。第三層は、対応するそれぞれの第三継
ぎ目10を第一継ぎ目3と第二継ぎ目6とに対してオフセットするよう、方向「X」に垂
直な方向に沿って第一層と第二層とに対してオフセットされる。
【0030】
第二層5と第三層9とは、厚さが同じであり、以下に説明する通り、好ましくは単一の
連続的ウェブを長手方向に分割することにより得られる。
【0031】
図3aおよび
図3cは、第一層2と第二層5とに対して径方向外側の位置を占めている
第三層9を備えるロッド1を示している。第三層9は、第三層9のそれぞれの側方縁部4
の第三継ぎ目10を形成するよう、長手方向で接合される。
図2aおよび
図2cのロッド
とは異なり、第二層5と第三層9とは厚さが異なる。特に、第二層5は第三層9より厚さ
が小さい。この場合、第二層5の機能は第一層2を移送する機能である。厚さが低減され
ているので、厚さが低減されている方をそれ自体の周囲に巻き付けるのが容易であり、そ
して、中間層8の接着材料をよりよく吸収するよう、形成できる。第三層9は主として支
持層として作用し、ロッド1および関連するピースにそれらの形状を維持するのに必要な
剛性を与える。
【0032】
再び
図3aおよび
図3cを参照して、第一層2は不連続な層であり、供給方向に沿って
、隙間15と交互に配置される一連のストリップ14を備える。この場合、ロッド1の完
全閉鎖は、第三層9と他の継ぎ目からオフセットされた第三継ぎ目10とによって保証さ
れる。
図3bは
図2bと同様である。
【0033】
図4aおよび
図4cは、第一層2と第二層5とに対して径方向外側の位置を占めている
第三層9を備えるロッド1を示している。第三層9は、第三層9のそれぞれの側方縁部4
の第三継ぎ目10を形成するよう、長手方向で接合される。
図2aおよび
図2cのロッド
とは異なり、第二層5と第三層9とは厚さが異なる。特に、第二層5は第三層9より厚さ
が大きい。この場合、第二層5は、第一層2を移送するための層と、ロッド1および関連
するピースにそれらの形状を維持するのに必要な剛性を与える支持層と、の両方として作
用する。第三層9の機能は、主として美的外観を向上させることと、第二層5を閉じた状
態に維持するのを支援することとである。
【0034】
再び
図4aおよび
図4cを参照して、第一層2は不連続な層であり、供給方向に沿って
、隙間15と交互に配置される一連のストリップ14を備える。この場合、ロッド1の完
全閉鎖は、第三層9と他の継ぎ目からオフセットされた第三継ぎ目10とによって保証さ
れる。
図4bは
図2bと同様である。
【0035】
図5aおよび
図5cは、第一層と第二層とに対して径方向外側の位置を占めている第三
層9を備えるロッド1を示している。第三層9は、第三層9のそれぞれの側方縁部4の第
三継ぎ目10を形成するよう、長手方向で接合される。
図2aおよび
図2cのロッドと異
なり、第三継ぎ目10は、重なり継ぎ目であり、そして好ましくは第一継ぎ目3または第
二継ぎ目6からオフセットされる、つまり、方向「X」の周囲方向に別の異なる角度位置
で配置される。
【0036】
再び
図5aおよび
図5cを参照して、第一層2は不連続な層であり、供給方向に沿って
、隙間15と交互に配置される一連のストリップ14を備える。この場合、ロッド1の完
全閉鎖は、第三層9と、他の継ぎ目からオフセットされた重なり継ぎ目である第三継ぎ目
10と、によって保証される。
【0037】
図5bは、すべて平坦に広がっている第一層2と第二層5と第三層9とを備える連続的
多層ウェブ「M」からのロッド1の生産における一工程を示している。また、第一層2と
第二層5との間に配置される接着材料の中間層8と、第二層5と第三層9との間に配置さ
れるさらなる中間接着層12と、も図示している。第三層9は、第一層2および第二層5
の側方縁部の少なくとも一つと並ぶよう位置揃えされている。
【0038】
図6aおよび
図6cは、第一層と第二層とに対して径方向外側の位置を占めている第三
層9を備えるロッド1を示している。第三層9は、第三層9のそれぞれの側方縁部4の第
三継ぎ目10を形成するよう、長手方向で接合される。
図2aおよび
図2cのロッドと異
なり、第一継ぎ目3は重なり継ぎ目であり、第二継ぎ目6は端部合わせ継ぎ目であり、そ
して第三継ぎ目10は重なり継ぎ目であるとともに第一継ぎ目3または第二継ぎ目6から
好ましくはオフセットされる。第二層5と第三層9とは異なる厚さを有する。特に、第二
層5は第三層9より厚さが大きい。
【0039】
再び
図6aおよび
図6cを参照して、第一層2は不連続な層であり、供給方向に沿って
、隙間15と交互に配置される一連のストリップ14を備える。この場合、ロッド1の完
全閉鎖は、第三層9と他の継ぎ目からオフセットされた第三継ぎ目10とによって保証さ
れる。周方向に沿った第一層2の連続性は、重なり継ぎ目である第一継ぎ目3によって保
証される。
【0040】
図6bは、両方とも平坦に広がっており、後でそれら自体上に巻き付けられる場合に中
間ロッド13を形成する第一層2および第二層5を備える連続的多層ウェブ「M」からの
ロッド1の生産における一工程を示している。また、第一層2と第二層5との間に配置さ
れる接着材料の中間層8も図示している。
図6dは、中間ロッド13および第三層9から
のロッド1の生産におけるさらなる工程を示している。ロッド1を形成するために、第三
層9を中間ロッド13の周囲に巻き付ける。また、第二層5と第三層9と間に配置される
さらなる中間接着層12を示す。
【0041】
図示するかつ/または説明するすべての例において、第一材料は、金属材料、プラスチ
ック材料、紙材料のうちの一つ以上を備える。
【0042】
図7および
図8は、略円筒状喫煙者商品を形成するのに適した多層円筒状管状ロッド1
のピースを形成する機械100の二つの実施可能な形態を示している。より具体的には、
機械100は、図示したかつ/または上で説明した例の一つ以上にかかるロッド1のピー
スを形成するよう構成される。
【0043】
機械100は、連続的多層ウェブ「M」のおよびロッド1の第一層2を形成するのに適
した第一材料の少なくとも第一連続的ウェブ102を供給するための第一手段101を備
える。
【0044】
機械100は、連続的多層ウェブ「M」のおよびロッド1の第二連続層5を形成するの
に適した第二材料の第二連続的ウェブ104を供給するための第二手段103を備える。
【0045】
第一連続的ウェブ102および/または第二連続的ウェブ104は、連続的ウェブを供
給するためのそれぞれの手段102,103によって引き出されるロール「B」上に好ま
しくは配置される。
【0046】
ロッド1の接着材料の中間層8を形成するよう第二連続的ウェブ104上に接着材料の
層を塗布するように構成される接着装置105が、第二連続的ウェブ104の供給経路に
沿って配置される。中間層8は好ましくは連続的である。接着装置105は、例えばロー
ラ、スプレイまたは他の手段によって具体化できる。
【0047】
第一連続的ウェブ102をストリップ14へと切断するよう構成される切断装置106
を、第一連続的ウェブ102の供給経路に沿って配置することができる。第一層2が不連
続である場合、すなわち隙間15と交互に配置される一連のストリップ14を備える場合
、切断装置106が備えられる。切断装置106を、衝撃型もしくは鋏型切断器とでき、
または他の手段で具体化できる。
【0048】
参照符号107は、少なくとも第一層2と第二層5とを重ねることにより、連続的多層
ウェブ「M」を形成するための手段を示す。これらの手段は、例えば、第二層5を構成す
る第二連続的ウェブ104と第一不連続層2を構成する第一連続的ウェブ102のストリ
ップ14とを受けるよう構成されるコンベヤー108によって具体化されるベッド107
aを備えることができる(あるいは、コンベヤーは、第一連続層2を構成する第一連続的
ウェブ102を受ける)。またコンベヤー108は、連続的多層ウェブ「M」を供給方向
「X」に沿って供給するよう構成される、したがって、連続的多層ウェブ「M」を供給方
向「X」に沿って供給するための手段を具体化している。
【0049】
好ましくは、中間層8が上に貼り付けられている第二連続的ウェブ104を、コンベヤ
ー108は受ける。中間層8の上には、第一連続的ウェブ102のストリップ14が、切
断装置106と関連するドラム109によって配置される。
【0050】
したがって、ロッド1において第一層2が第二層5に対して径方向内側の位置を占める
よう、ドラム109の下流側に、連続的多層ウェブ「M」が得られる。
【0051】
コンベヤー108の下流側に供給方向「X」の周囲方向にロッド1を形成するための手
段110が配置される。手段110は、ロッド自体を構成する層の継ぎ目を形成する。
【0052】
ロッド1を形成するために連続的多層ウェブ「M」を供給方向「X」の周囲に巻き付け
るよう、供給方向「X」に沿って断面が変化できる溝を有する成形ビーム110aを、手
段110は備えることができる。
【0053】
ロッド1を形成するための手段110の下流側に、ピースへとロッド1を切断するため
の手段111が配置される。
【0054】
好適には、機械100は、第一継ぎ目3と第二継ぎ目6との少なくとも一方を端部合わ
せ継ぎ目として形成するよう、第一層2と第二層5との少なくとも一方の側方縁部を配置
するよう構成される。
【0055】
図7および
図8に示す通り、ロッド1の第三層9を形成するのに適した第三材料の第三
連続的ウェブ113を供給するための第三手段112を備えることもできる。第三連続的
ウェブ113は、したがって第三層9は、ロッド1において、第一層2と第二層5とに対
して径方向外側の位置を占めるよう配置される。
【0056】
第二層5と第三層9との間に配置されるさらなる中間接着層12を塗布するよう構成さ
れる接着装置105aが、第三連続的ウェブ113の供給経路に沿って配置される。接着
装置105は、例えばローラ、スプレイまたは他の手段によって具体化できる。
【0057】
図7に示す例においては、第三手段112は、第三層9を形成するよう、第三ウェブ1
13をコンベヤー108の下流側にそして手段110の上流側に供給する。このように、
第一層2、第二層5および第三層9は、連続的多層ウェブ「M」を形成し、そして成形ビ
ーム110aに沿ってそれら自体の上に一体的に巻き付けられる。
【0058】
必要に応じて、機械100は、連続的多層ウェブ「M」の両側に配置されるとともにそ
の縁部を切り取るよう構成される二つのブレード114を備えることができる。
図7の場
合には、ブレード114は、円形ブレードであり、コンベヤー108の少なくとも一つの
作用部が摺動する平坦面115をアンビル要素として用いる。ブレードは、ドラム109
の下流側に配置され、こうして第一層2と第二層5とを備える連続的多層ウェブ「M」を
切り取る。
【0059】
必要に応じて、機械100は、連続的多層ウェブ「M」をそれ自体に巻き付けてロッド
1を形成する前に、連続的多層ウェブ「M」に予備的な形状を与える(preform)よう構
成される成形装置116を備えることができる。
図11および
図12は、ロッド1を形成
するための任意の機械において用いることができるとともに、連続的多層ウェブ「M」を
受けるよう形成される成型された溝部117と、成型された溝117に少なくとも部分的
に収まっており、連続的多層ウェブにその中間に沿って供給方向「X」に延設される溝状
形状を形成するための成形要素-例えばホイール118-と、を備える成形装置116の
可能な例を示す。成形装置116は、第一層2と第二層5とのみを備えている連続的多層
ウェブ「M」に、または
図7に示す通り第一層2と第二層5と第三層9とを備える連続的
多層ウェブ「M」に、作用することができる。
【0060】
図8に示す機械100は、二つの成形ビームを備える点で、
図7に示した機械とは異な
る。第一成形ビーム110aは
図7に示したものと同様であり、ロッド1を形成するよう
に構成される。第一層2と第二層5とを備える連続的多層ウェブ「M」をそれ自体に巻き
付けて中間ロッド13を形成するためのさらなる成形ビーム119がコンベヤー108に
配置される。第三連続的なウェブ113を中間ロッド13の周囲に巻き付けてロッド1を
形成するために、第三連続的なウェブ113は、さらなる成形ビーム119と成形ビーム
110aとの間に供給される。
【0061】
使用時において、機械100は、略円筒状喫煙者商品を形成するのに適した多層円筒状
管状ロッドのピースを形成する方法に応じて機能するよう構成される。
【0062】
上述の方法は、連続的多層ウェブ「M」の第一層2を形成するのに適した少なくとも第
一材料の第一連続的ウェブ102を供給する工程a)を含む。この工程は、例えば第一供
給手段101によって、行われる。
【0063】
上述の方法は、連続的多層ウェブ「M」の第二連続層5を形成するのに適した第二材料
の第二連続的ウェブ104を供給する工程b)を含む。この工程は、例えば第二供給手段
103によって、行われる。
【0064】
好ましくは、ロッド1の第三層9を形成するのに適した第三材料の第三連続的ウェブ1
13を供給する工程f)がある。第三層9は、ロッド1において、第一層2と第二層5と
に対して径方向外側の位置を占めるよう、配置される。
【0065】
上述の方法は、第一層2が、ロッド1において、第二層5に対して径方向内側の位置を
占めるよう、配置されるように、少なくとも第一層2と第二層5とを重ねることにより連
続的多層ウェブ「M」を形成し、連続的多層ウェブ「M」を供給方向「X」に沿って供給
する工程c)を含む。この工程は、例えば手段107とコンベヤー108とによって、行
われる。
【0066】
上述の方法は、連続的多層ウェブ「M」を供給方向「X」の周囲に巻き付け、ロッド1
を形成するために、少なくとも第一層2の側方縁部の第一継ぎ目3と第二層5の側方縁部
の第二継ぎ目6とを形成する工程d)を含む。この工程は、第一層2と第二層5と場合に
よっては第三層9とを備える連続的多層ウェブ「M」を形成するための成形ビーム110
aにおいて、または第一層2と第二層5とを備える連続的多層ウェブ「M」を形成するた
めの成形ビーム119において、行うことができる。後者の場合において、ロッド1の成
形を、必要に応じて、第三層9を中間ロッド13の周囲に巻き付けることにより達成する
こともできる。
【0067】
上述の方法は、ロッド1をピースへと切断する工程e)を含む。
【0068】
工程a)~e)は、多層円筒状管状ロッド1を形成するための単一の機械100におい
て実行される。また、工程d)は、第一継ぎ目3と第二継ぎ目6との少なくとも一方を端
部合わせ継ぎ目として形成するよう、第一層2と第二層5との少なくとも一方の側方縁部
を配置することにより実行される。
【0069】
好ましくは、第一連続的ウェブ102のストリップ14を形成し、第一不連続層2を供
給方向「X」に沿って形成する工程がある。第一層2は、供給方向に沿って、隙間15と
交互に配置される一連のストリップ14を備える。この工程は、例えば切断装置106に
よって、行われる。
【0070】
必要に応じて、第二層5と第三層9とを形成するのに適した単一の連続的ウェブを供給
する工程と、その単一の連続的ウェブを、それぞれ第二連続的ウェブ104と第三連続的
ウェブ113とを構成する二つの連続的ウェブ部分へと長手方向に分割する工程と、を含
むこともできる。この場合、第二連続的ウェブ104と第三連続的ウェブ113とは厚さ
が同じである。あるいは、第二連続的ウェブ104と第三連続的ウェブ113とは、異な
る厚さを有する。
【0071】
図7に示す通り、工程c)は、第一層2と第二層5とを重ねることにより、連続的多層
ウェブ「M」をまず形成する工程と、その後第三層9を追加する工程と、を含む。このよ
うに得られた連続的多層ウェブ「M」(すなわち、第一層2と第二層5と第三層9とを備
えている)は、それ自体に供給方向「X」の周囲方向に巻き付けられて、ロッド1を形成
する。
【0072】
実施可能な形態において、工程d)は、第一の端部合わせ継ぎ目3を形成するよう第一
層2の側方縁部を配置し、第二の端部合わせ継ぎ目6を形成するよう第二層5の側方縁部
を配置することにより実行できる。
【0073】
この場合、工程c)は、供給方向「X」に対して垂直な方向に沿って第一層と第二層と
の少なくとも一方に対して第三層9をオフセットさせる工程を含むことができ、工程d)
は、第三の端部合わせ継ぎ目10を形成するよう第三層の側方縁部を配置することにより
実行できる(
図2a~
図4a)。あるいは、工程d)は、第三継ぎ目を重なり継ぎ目とす
るよう、第三層9の側方縁部を配置することにより実行できる(
図5a)。
【0074】
図8に示す通り、工程c)は、第一層2と第二層5とを重ねることにより、連続的多層
ウェブ「M」を形成する工程を含む。次に、連続的多層ウェブ「M」は、それ自体に巻き
付けられて中間ロッド13を形成し、そして第三連続的なウェブ113を中間ロッド13
の周囲に巻き付けてロッド1を形成するために、第三連続的なウェブ113とすなわち第
三層9と並置される。言い換えれば、第一層および第二層をそれら自体の周囲に巻き付け
ることにより既に形成されている中間ロッド13の周囲に第三層9を巻き付ける工程g)
がある。好ましくは、工程d)は、少なくとも第一の重なり継ぎ目3を形成するよう第一
層2の側方縁部4を配置し、第二の端部合わせ継ぎ目6を形成するよう第二層5の側方縁
部7を配置することにより実行できる。好ましくは、工程g)は、第三の重なり継ぎ目1
0を形成するよう第三層9の側方縁部11を配置することにより実行される(
図6a)。
【0075】
必要に応じて、ウェブがそれ自体に巻き付けられて多層円筒状管状ロッドを形成する前
に、連続的多層ウェブ「M」の縁部を切り取ることもできる。より具体的には、第一層2
と第二層5とによって形成される連続的多層ウェブ「M」の縁部を、第三層9が備えられ
る実施態様においては、切り取ることができる。
【0076】
必要に応じて、連続的多層ウェブ「M」がそれ自体に巻き付けられてロッド1を形成す
る前に、供給方向「X」に沿って延設される溝状形状を連続的多層ウェブに形成すること
によって、予備的な形状を与えることができる。
【0077】
図示しない他の態様においては、機械100は、第一端部合わせ継ぎ目と第二端部合わ
せ継ぎ目とを有する第一層2と第二層5とのみ備えるロッド1を形成するよう構成されて
いる。この場合、第一層2は供給方向「X」に沿って連続的であり、第一層2と第二層5
とは供給方向「X」に対して垂直な方向にオフセットされる。
【0078】
先の態様に記載されている態様から独立した態様であっても、本発明にかかる方法は、
厚さが同じまたは異なる第二層2と第三層9とを有することができる。第一の場合、第二
層と第三層とを形成するのに適した単一の連続的ウェブを供給する工程と、その単一の連
続的ウェブを、それぞれ第二連続的ウェブ104と第三連続的ウェブ113とを構成する
二つの連続的ウェブ部分へと長手方向に分割する工程と、を含むこともできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0079】
【特許文献1】国際特許出願公開第2014/188318号