(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022116177
(43)【公開日】2022-08-09
(54)【発明の名称】ハウジング一体型基板メイティングコネクタおよびこの製作方法
(51)【国際特許分類】
H01R 24/50 20110101AFI20220802BHJP
H01R 13/17 20060101ALI20220802BHJP
H01R 13/24 20060101ALI20220802BHJP
H01R 24/38 20110101ALI20220802BHJP
【FI】
H01R24/50
H01R13/17
H01R13/24
H01R24/38
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085479
(22)【出願日】2022-05-25
(62)【分割の表示】P 2021518736の分割
【原出願日】2019-10-16
(31)【優先権主張番号】10-2018-0146095
(32)【優先日】2018-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】514182333
【氏名又は名称】ギガレーン カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GIGALANE CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【弁理士】
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】ソン ファユン
(72)【発明者】
【氏名】ソ サンミン
(72)【発明者】
【氏名】キム ウンジョン
(72)【発明者】
【氏名】イ ジヌク
(72)【発明者】
【氏名】チョン ギョンフン
(72)【発明者】
【氏名】チョン ヒソク
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電気的に連結する上部基板と下部基板の間の高さであるコンタクトの高さを低くすること、製造費用を節減できる基板メイティングコネクタを提供する。
【解決手段】基板メイティングコネクタ100に関し、ハウジング挿入ホール14が形成された一部または全部が導電性金属材質からなる電気機器10のハウジング12と、ハウジング挿入ホール14に円筒状のグラウンドガスケット110を挿入し、誘電体部122が信号端子部130を囲む誘電体部122および信号端子部アセンブリ120とし、グラウンドガスケット110の内周面の内側に誘電体部122および信号端子部アセンブリ120を挿入する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一側が開放された胴体挿入ホールが内部に形成された固定端子部;
一側が開放されたコンタクト挿入ホールが内部に形成された可動端子部;および
前記胴体挿入ホールと前記コンタクト挿入ホールの間に挿入される信号スプリング;を含み、
前記胴体挿入ホールには可動端子部の開放された一側の一部が挿入され、
前記可動端子部は、
前記可動端子部の開放された一側端部に突出形成されるコンタクト突出部;
前記コンタクト突出部に離隔して一定の長さに形成される環状ガイド溝;および
前記開放された一側端部から始まって前記ガイド溝の端に至るまで前記可動端子部の周りに沿って切開形成される少なくとも3個以上のコンタクトスリット;を含み、
前記固定端子部は内周面に前記ガイド溝の深さに対応する高さを有するように形成される胴体突出部を含み、
前記コンタクト突出部が前記胴体挿入ホールの内周面と常に密着し、前記ガイド溝の段が前記胴体突出部の段に係止されることによって前記可動端子部の離脱が防止される、信号端子部。
【請求項2】
グラウンド挿入部;
前記グラウンド挿入部の中心に挿入される信号端子部;
前記グラウンド挿入部に対して外側に延び、前記信号端子部を基準として左右対称となる一対の第1弾性部;
前記一対の第1弾性部のそれぞれから内側に延び、前記信号端子部を基準として左右対称となる一対の第2弾性部;および
前記一対の第2弾性部のそれぞれから内側に傾斜するように延び、前記信号端子部を基準として左右対称となる一対のグラウンド接触部;を含み、
グラウンド電極に前記一対のグラウンド接触部が電気的に接触すると、前記一対のグラウンド接触部が前記信号端子部側に集まる分だけ前記一対のグラウンド接触部の隔離距離が狭くなる、ハウジング一体型基板メイティングコネクタ。
【請求項3】
前記一対のグラウンド接触部のそれぞれの自由端部は内側に向かって曲面をなすように折り曲げられる、請求項2に記載のハウジング一体型基板メイティングコネクタ。
【請求項4】
一側が開放された胴体挿入ホールが内部に形成された固定端子部;
一側が開放されたコンタクト挿入ホールが内部に形成された可動端子部;および
前記胴体挿入ホールと前記コンタクト挿入ホールの間に挿入される信号スプリング;を含み、
前記胴体挿入ホールには前記可動端子部の開放された一側の一部が挿入され、
前記可動端子部は、
開放された一側端部から始まってガイド溝の端に至るまで前記可動端子部の周りに沿って切開形成される少なくとも3個以上のコンタクトスリット;および
前記可動端子部の開放された一側端部に突出形成されるコンタクト突出部;を含み、
前記コンタクト突出部が前記胴体挿入ホールの内周面と常に密着する、請求項2に記載のハウジング一体型基板メイティングコネクタ。
【請求項5】
前記可動端子部は前記コンタクト突出部に離隔して一定の長さに形成される環状ガイド溝を含み、
前記固定端子部は内周面に前記ガイド溝の深さに対応する高さを有するように形成される胴体突出部を含み、
前記ガイド溝の段が前記胴体突出部の段に係止されることによって前記可動端子部の離脱が防止される、請求項4に記載のハウジング一体型基板メイティングコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャビティフィルタのような基板メイティングコネクタが備えられる電気・電子機器そのものを基板メイティングコネクタのハウジングとして使うことによって、ハウジング一体型基板メイティングコネクタを製作する方法乃至工程に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
基板メイティングコネクタは、印刷回路基板などの信号配線が形成された上部基板および下部基板の間で基板間にRF信号を伝達する。基板メイティングコネクタはそれ自体で完成された一つの電気部品として提供されており、基板メイティングコネクタは上部基板または下部基板のうちいずれか一方の基板上に固定されたり、または上部基板と下部基板の間の回路連結の中間に介在される他の電気・電子機器、例えばキャビティフィルタ上に装着されて上部基板および下部基板を電気的に連結する。
【0003】
基板メイティングコネクタは基板間にRF信号を伝達する役割をするため、アンテナ信号の送受信機に多く使われる。データ伝送容量を増やすために多数のアンテナを利用するMIMO(Multiple Input Multiple Output)技術が使われるが、現在の4G通信環境が5G以上の通信環境に発展するほどアンテナの個数は幾何級数的に増えることになり、これに伴い、基板メイティングコネクタも同程度にその需要が増加する。
【0004】
基板メイティングコネクタの需要が増加するほどその費用負担も重要となるが、急速に発展する未来の通信環境を考慮する時、基板メイティングコネクタの単価を節減するための方法を設ける必要がある。
【0005】
また、5G以上の通信環境に発展するほど増加する基板メイティングコネクタを同一面積内にさらに多く収容するために、基板メイティングコネクタが電気的に連結する上部基板と下部基板の間の高さであるコンタクトの高さを低くすることが市場で要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国特許公開公報10-2015-0080486
【特許文献2】韓国特許公報10-1326296
【特許文献3】韓国特許公報10-1326296
【特許文献4】韓国特許公報10-1855133
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、基板メイティングコネクタの製造費用を節減できるハウジング一体型基板メイティングコネクタの製作方法を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明はハウジング一体型基板メイティングコネクタの製作方法に関し、ハウジング挿入ホールが形成された一部または全部が導電性金属材質からなる電気機器のハウジングを準備する段階と、上記ハウジング挿入ホールに円筒状のグラウンドガスケットを挿入する段階と、誘電体部が信号端子部を囲む誘電体部および信号端子部アセンブリを準備する段階と、および上記グラウンドガスケットの内周面の内側に上記誘電体部および信号端子部アセンブリを挿入する段階と、を含む。
【0009】
一実施例において、上記ハウジング挿入ホールに円筒状のグラウンドガスケットを挿入する段階は、丸められた上記グラウンドガスケットの向かい合う両端の間に挿入部スリットを形成して上記グラウンドガスケットに弾性を付与する。
【0010】
一実施例において、上記ハウジング挿入ホールに円筒状のグラウンドガスケットを挿入する段階で上記グラウンドガスケットは、上記ハウジング挿入ホールに挿入されるグラウンド挿入部と、上記グラウンド挿入部から上記ハウジング挿入ホール外側に延び、弾性力を有するように周りに沿って切開されたスリットが少なくとも3つ以上形成されるグラウンド弾性部と、上記グラウンド弾性部から延び、基板のグラウンド電極と接触するグラウンド接触部を含む。
【0011】
一実施例において、上記グラウンド弾性部は上記グラウンド挿入部に対して外側に延びる第1弾性部と、上記第1弾性部から内側に延びる第2弾性部を含み、上記グラウンド接触部は上記第2弾性部から上記ハウジング挿入ホールの中心に向かう方向に傾斜するように延びる。
【0012】
一実施例において、上記グラウンド接触部の自由端部は内側に向かって曲面をなすように折り曲げられる。
【0013】
一実施例において、上記グラウンド挿入部には内側に向かって突出した固定凸部が備えられ、上記誘電体部の表面には上記固定凸部が結束する環状の固定溝部が備えられる。
【0014】
一実施例において、上記グラウンドガスケットの内周面の内側に上記誘電体部および信号端子部アセンブリを挿入する段階で上記誘電体部および信号端子部アセンブリは上記グラウンドガスケットの内周面に対して圧入される。
【0015】
一実施例において、上記グラウンドガスケットの内周面の内側に上記誘電体部および信号端子部アセンブリを挿入する段階は、上記誘電体部の上面に接触して把持する治具を利用して遂行される。
【0016】
一実施例において、上記治具は上記誘電体部の上面に接触して吸込を通じて上記誘電体部および信号端子部アセンブリを真空付着して把持する。
【0017】
一実施例において、上記治具は上記誘電体部から上部に露出した上記信号端子部に対応する直径のホールが形成されており、上記信号端子部が上記ホールに差し込まれて把持される。
【0018】
一実施例において、上記治具の少なくともホールが形成される部分は上記信号端子部とは異なる材質で形成されて、締り嵌め工程時に発生し得る上記信号端子部の損傷を防止する。
【0019】
一実施例において、上記治具の少なくともホールが形成される部分は弾性を有した樹脂材質である。
【0020】
一実施例において、上記導電性金属材質からなる電気機器のハウジングにハウジング挿入ホールを準備する段階で、上記ハウジング挿入ホールには上記グラウンドガスケットと、誘電体部および信号端子部アセンブリが挿入される方向に沿ってその直径が減少する段差部が備えられ、上記ハウジング挿入ホールに円筒状のグラウンドガスケットを挿入する段階および上記グラウンドガスケットの内周面の内側に上記誘電体部および信号端子部アセンブリを挿入する段階で、上記グラウンドガスケットと、誘電体部および信号端子部アセンブリは上記段差部に接触するまで挿入される。
【0021】
一実施例において、上記誘電体部が信号端子部を囲む誘電体部および信号端子部アセンブリを準備する段階で、上記信号端子部は、一側が開放された胴体挿入ホールが内部に形成された固定端子部と、一側が開放されたコンタクト挿入ホールが内部に形成された可動端子部と、上記胴体挿入ホールと上記コンタクト挿入ホールの間に挿入される信号スプリングを含み、上記胴体挿入ホールには上記可動端子部の開放された一側の一部が挿入され、上記信号スプリングによって上記固定端子部と上記可動端子部が電気的に連結されるように上記信号端子部を準備する。
【0022】
一実施例において、上記可動端子部の開放された一側端部にコンタクト突出部が突出形成され、上記コンタクト突出部に離隔して一定の長さの環状ガイド溝が形成され、上記可動端子部の開放された一側端部から始まって上記ガイド溝の端に至るまで上記可動端子部の周りに沿って少なくとも3個以上のコンタクトスリットが切開形成される一方、上記固定端子部の内周面には上記ガイド溝の深さに対応する高さを有する胴体突出部が形成され、上記コンタクトスリットによって弾性を有した上記可動端子部の開放された一側端部を上記固定端子部の胴体挿入ホールの中に挿入し、上記可動端子部のガイド溝の段が上記固定端子部の胴体突出部の段に係止されることによって上記可動端子部の離脱が防止される。
【0023】
一実施例において、上記可動端子部は上記ガイド溝の段が上記固定端子部の胴体突出部に接触する範囲内で、上記信号スプリングの弾性支持によって上記固定端子部に対して弾力的に移動することができる。
【0024】
一実施例において、上記誘電体部が信号端子部を囲む誘電体部および信号端子部アセンブリを準備する段階で、上記誘電体部に対して上記固定端子部を結合することによって、上記誘電体部および信号端子部アセンブリを構成する。
【0025】
一実施例において、上記グラウンドガスケットの内周面の内側に上記誘電体部および信号端子部アセンブリを挿入する段階で、上記固定端子部に対して上記可動端子部が結合した上記誘電体部および信号端子部アセンブリが上記グラウンドガスケットの内周面の内側に挿入されるか、または上記誘電体部に対して上記固定端子部が結合した状態で上記グラウンドガスケットの内周面の内側に挿入された後、上記信号スプリングおよび可動端子部が順次結合して上記誘電体部および信号端子部アセンブリが完成される。
【0026】
上記誘電体部に対する上記固定端子部の結合はインサート射出を通じて一体にするか、または上記誘電体部に上記固定端子部を締り嵌め方式で圧入して行われる。
【0027】
一実施例において、上記導電性金属材質からなる電気機器のハウジングにハウジング挿入ホールを準備する段階で、上記グラウンドガスケットと上記ハウジング挿入ホールの間のグラウンド連結が円滑に行われるように、少なくとも上記ハウジング挿入ホールの内周面にメッキを通じてグラウンド金属層を形成する。
【0028】
本発明は信号端子部に関し、一側が開放された胴体挿入ホールが内部に形成された固定端子部と、一側が開放されたコンタクト挿入ホールが内部に形成された可動端子部と、上記胴体挿入ホールと上記コンタクト挿入ホールの間に挿入される信号スプリングと、を含み、上記胴体挿入ホールには可動端子部の開放された一側の一部が挿入され、上記可動端子部は、上記可動端子部の開放された一側端部に突出形成されるコンタクト突出部と、上記コンタクト突出部に離隔して一定の長さに形成される環状ガイド溝と、上記開放された一側端部から始まって上記ガイド溝の端に至るまで上記可動端子部の周りに沿って切開形成される少なくとも3個以上のコンタクトスリットを含み、上記固定端子部は内周面に上記ガイド溝の深さに対応する高さを有するように形成される胴体突出部を含み、上記コンタクト突出部が上記胴体挿入ホールの内周面と常に密着し、上記ガイド溝の段が上記胴体突出部の段に係止されることによって上記可動端子部の離脱が防止される。
【0029】
本発明はハウジング一体型基板メイティングコネクタに関し、グラウンド挿入部と、上記グラウンド挿入部の中心に挿入される信号端子部と、上記グラウンド挿入部に対して外側に延び、上記信号端子部を基準として左右対称となる一対の第1弾性部と、上記一対の第1弾性部のそれぞれから内側に延び、上記信号端子部を基準として左右対称となる一対の第2弾性部と、上記一対の第2弾性部のそれぞれから内側に傾斜するように延び、上記信号端子部を基準として左右対称となる一対のグラウンド接触部と、を含み、グラウンド電極に上記一対のグラウンド接触部が電気的に接触すると、上記一対のグラウンド接触部が上記信号端子部側に集まる分だけ上記一対のグラウンド接触部の隔離距離が狭くなる。
【0030】
一実施例において、上記一対のグラウンド接触部のそれぞれの自由端部は内側に向かって曲面をなすように折り曲げられる。
【0031】
一実施例において、一側が開放された胴体挿入ホールが内部に形成された固定端子部と、一側が開放されたコンタクト挿入ホールが内部に形成された可動端子部と、上記胴体挿入ホールと上記コンタクト挿入ホールの間に挿入される信号スプリングと、を含み、上記胴体挿入ホールには上記可動端子部の開放された一側の一部が挿入され、上記可動端子部は、開放された一側端部から始まってガイド溝の端に至るまで上記可動端子部の周りに沿って切開形成される少なくとも3個以上のコンタクトスリットと、上記可動端子部の開放された一側端部に突出形成されるコンタクト突出部を含み、上記コンタクト突出部が上記胴体挿入ホールの内周面と常に密着する。
【0032】
一実施例において、上記可動端子部は上記コンタクト突出部に離隔して一定の長さに形成される環状ガイド溝を含み、上記固定端子部は内周面に上記ガイド溝の深さに対応する高さを有するように形成される胴体突出部を含み、上記ガイド溝の段が上記胴体突出部の段に係止されることによって上記可動端子部の離脱が防止される。
【発明の効果】
【0033】
上記のような構成を有する本発明のハウジング一体型基板メイティングコネクタの製作方法によると、電気機器のハウジングを基板メイティングコネクタのハウジングとして共用することによって、基板メイティングコネクタの製造単価を低くすることができる。
【0034】
そして、本発明は電気機器のハウジングに形成されたハウジング挿入ホールに対して基板メイティングコネクタの各部品を挿入する方式でハウジング一体型基板メイティングコネクタを製造するため、製造工程が非常に単純となるという利点を有する。
【0035】
また、電気機器のハウジングに形成されたハウジング挿入ホールに対して基板メイティングコネクタの各部品を挿入する方式でハウジング一体型基板メイティングコネクタを製造するため、その逆の過程で各部品を分解することが可能であり、これに伴い、老朽化または破損した一部の部品のみを取り換えることができるようになり、維持・保守費用まで節減することができる。
【0036】
そして、従来には基板メイティングコネクタが上部基板と下部基板の間を電気的に連結していたが、一方の基板(例えば、下部基板)をハウジングが代替し、ハウジング挿入ホールに基板メイティングコネクタの一部が挿入されることによってコンタクトの高さを低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本発明により基板メイティングコネクタが電気・電子機器のハウジングに一体に形成された構造を図示した断面図である。
【
図2】基板メイティングコネクタをなすグラウンドガスケットの側面図である。
【
図3】
図2の「A-A」線に沿って切開したグラウンドガスケットの断面図である。
【
図4】基板メイティングコネクタをなす誘電体部および信号端子部アセンブリを図示した側面図である。
【
図5】
図4の「B-B」線に沿って切開した誘電体部および信号端子部アセンブリの断面図である。
【
図6】本発明に係るハウジング一体型基板メイティングコネクタの一連の製作過程を図示した図面である。
【
図7】本発明により基板メイティングコネクタが電気・電子機器のハウジングに一体に形成されたさらに他の構造を図示した断面図である。
【
図8】(a)はグラウンドガスケットと治具の直径関係を図示した図面で、(b)はグラウンドガスケットを他の基板が押圧した時にその直径が減少した状態を図示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明は多様な変換を加えることができ、多様な実施例を有することができるところ、特定の実施例を例示して詳細な説明に詳細に説明しようとする。しかし、これは本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変換、均等物乃至代替物を含むものと理解されるべきである。
【0039】
本発明で使った用語は単に特定の実施例を説明するために使われたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明白に異なることを意味しない限り、複数の表現を含む。本発明で、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加の可能性をあらかじめ排除しないものと理解されるべきである。
【0040】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。この時、添付された図面で同一の構成要素は可能な限り同一の符号で示していることに留意されたい。また、本発明の要旨を曖昧にさせ得る恐れがある公知機能および構成に対する詳細な説明は省略する。同様の理由で、添付図面において一部の構成要素は誇張または省略されたり概略的に図示された。
【0041】
図1は本発明により基板メイティングコネクタ100が電気・電子機器のハウジング12に一体に形成された構造を図示した断面図であり、
図6は本発明に係るハウジング一体型基板メイティングコネクタ100の一連の製作過程を図示した図面である。添付された図面を参照して本発明の基本的な製造方法について説明した後、次いで基板メイティングコネクタ100をなすグラウンドガスケット110と誘電体部および信号端子部アセンブリ120の構成について詳細に説明することにする。
【0042】
本発明はハウジング一体型基板メイティングコネクタ100の製作方法に関し、電気・電子機器10(以下では、詳細な説明と特許請求の範囲に亘って簡略に「電気機器」と称することにする)のハウジング12に設けられたハウジング挿入ホール14に基板メイティングコネクタ100を構成する各部品を挿入する工程を通じて、ハウジング一体型基板メイティングコネクタ100を完成する。
図6にハウジング一体型基板メイティングコネクタ100を製造する一連の工程が模式的に図示されている。
【0043】
まず、ハウジング挿入ホール14が形成された電気機器10のハウジング12を準備する。電気機器10は基板メイティングコネクタ100が結合される各種電気機器10を含むが、例えばアンテナ信号の送受信機に備えられるキャビティフィルタがこの電気機器10に該当する。電気機器10のハウジング12に対してハウジング挿入ホール14を設けることによってこれを基板メイティングコネクタ100のハウジングに代替することになる。
【0044】
ハウジング12は電気機器10のグラウンドに接地されているか、それ自体でグラウンド接地としての機能を遂行できるように、ハウジング12の一部または全部は金属材質(例えば、アルミニウムまたはステンレススチール)であり、さらに基板メイティングコネクタ100とグラウンドの連結が円滑に行われるように、少なくともハウジング挿入ホール14の内周面にはメッキを通じてグラウンド金属層17を形成してもよい(
図7参照)。
【0045】
電気機器10がキャビティフィルタ(導波管フィルタ)である場合には、ハウジング12はキャビティフィルタの共振部と一体に形成され得、キャビティフィルタの種類によってハウジング12は誘電体に金属がメッキされたりまたは金属でのみ構成され得る。
【0046】
その後、電気機器10のハウジング12に設けられたハウジング挿入ホール14に円筒状のグラウンドガスケット110を挿入する。グラウンドガスケット110は伝導性材質の金属板を塑性加工して製造する。グラウンドガスケット110の具体的な構成については該当部分で
図2および
図3を参照して詳細に説明するが、グラウンドガスケット110はハウジング挿入ホール14の壁面に接触してハウジング12と他の基板20のグラウンド電極(図示されず)を電気的に連結する仲介役割をし、特に他の基板20のグラウンド電極に弾力的に接触して常に一定以上の電極接触状態を維持することができる。グラウンドガスケット110は薄い金属板の材質であるため変形が発生しやすく、挿入に大きな力を必要としないため手を利用してハウジング挿入ホール14に挿入してもよい。
【0047】
丸められたグラウンドガスケット110の向かい合う両端はくっついておらず所定の間隔で離隔しているが、これに伴い、グラウンドガスケット110がハウジング挿入ホール14に挿入される時には、挿入部スリット112-1が密着しながらその外径がハウジング挿入ホール14の内径より小さくなってハウジング挿入ホール14への挿入が円滑となり、ハウジング挿入ホール14に挿入された後には挿入部スリット112-1が広がりながらハウジング挿入ホール14からグラウンドガスケット110が離脱することが防止される。すなわち、丸められたグラウンドガスケット110の向かい合う両端の間に形成された挿入部スリット112-1は、グラウンドガスケット110のハウジング挿入ホール14への挿入工程を円滑にする弾性を付与する役割をする。
【0048】
ハウジング挿入ホール14にグラウンドガスケット110が挿入されると、引き続き準備されている誘電体部および信号端子部アセンブリ120をグラウンドガスケット110の内周面の内側に挿入する。誘電体部および信号端子部アセンブリ120は誘電体部122と信号端子部130が一つの部品に結合されてアセンブリであり、誘電体部122が信号端子部130を囲む構造となっている。したがって、誘電体部122がグラウンドガスケット110と信号端子部130の間に配置されて両者を電気的に絶縁することになる。
【0049】
ハウジング挿入ホール14に挿入されたグラウンドガスケット110に対して誘電体部および信号端子部アセンブリ120が挿入されることは、一種の締り嵌めの公差を有して行われることであって、誘電体部および信号端子部アセンブリ120まで組み立てられると、「ハウジング挿入ホール14-グラウンドガスケット110-誘電体部および信号端子部アセンブリ120」の間は一定以上の面圧が形成されて、ハウジング挿入ホール14の中にグラウンドガスケット110と誘電体部および信号端子部アセンブリ120が固定されて容易に抜けなくなる。したがって、グラウンドガスケット110の挿入固定とは異なり、誘電体部および信号端子部アセンブリ120の挿入には相当な圧力が必要であるため、治具30を利用して誘電体部および信号端子部アセンブリ120を圧入することが必要となり得る。
【0050】
治具30は誘電体部122の上面に接触して吸込を通じて誘電体部および信号端子部アセンブリ120を真空付着して把持するか、誘電体部122から上部に露出した信号端子部130と同一であるかこれより小さい直径のホール31が形成されて信号端子部130がホール31に差し込まれて把持した状態で、誘電体部および信号端子部アセンブリ120をグラウンドガスケット110に対して圧入することができる。
【0051】
ここで、
図8の(a)に図示された通り、誘電体部および信号端子部アセンブリ120を把持した治具30がグラウンドガスケット110の内側に進入しなければならないため、治具30の外径Dはグラウンドガスケット110のグラウンド接触部118がなす直径dより小さいか少なくとも同一である必要がある。
【0052】
治具30にホール31が形成される場合、治具30の少なくともホール31が形成される部分は信号端子部130とは異なる材質で形成されて、締り嵌め工程時に発生し得る信号端子部130の損傷を防止することができる。この時、治具30の少なくともホール31が形成される部分は樹脂材質であり、特に信号端子部130を差し込むことが円滑となるように弾性力が高い樹脂材質であることが好ましい。
【0053】
また、治具30にホール31が形成された部分が磁石で形成されて信号端子部130を磁力で把持した状態で、誘電体部および信号端子部アセンブリ120をグラウンドガスケット110に対して圧入してもよい。
【0054】
以上で説明したように、本発明のハウジング一体型基板メイティングコネクタ100の製作方法によると、電気機器10のハウジング12を基板メイティングコネクタ100のハウジングとして共用することによって、基板メイティングコネクタ100の製造単価を低くすることができる。特に通信環境の発展により基板メイティングコネクタ100の需要が大幅に増加する場合、このような製造単価の節減は大きな利益につながることになる。
【0055】
そして、本発明は電気機器10のハウジング12に形成されたハウジング挿入ホール14に対して、基板メイティングコネクタ100の各部品を挿入する方式でハウジング一体型基板メイティングコネクタ100を製造するため、製造工程が非常に単純になる。また、電気機器10のハウジング12に形成されたハウジング挿入ホール14に対して、基板メイティングコネクタ100の各部品を挿入する方式でハウジング一体型基板メイティングコネクタ100を製造することによってその逆の過程で各部品を分解することが可能であるため、老朽化したり破損した一部の部品のみを取り換えることができるようになり、維持・保守費用まで節減することができる。
【0056】
そして、従来には基板メイティングコネクタ100が上部基板と下部基板の間を電気的に連結していたが、一方の基板(例えば、下部基板)をハウジング12が代替することになり、ハウジング挿入ホール14に基板メイティングコネクタ100の一部が挿入されることによってコンタクトの高さを低くすることができる。
【0057】
一方、
図1に図示されたように、ハウジング挿入ホール14にはグラウンドガスケット110と、誘電体部および信号端子部アセンブリ120が挿入される方向に沿ってその直径が減少する段差部16が備えられ得るが、これに伴い、グラウンドガスケット110と、誘電体部および信号端子部アセンブリ120はハウジング挿入ホール14の段差部16に接触するまで挿入され得る。すなわち、ハウジング挿入ホール14の適切な地点に段差部16を形成することによって、基板メイティングコネクタ100の位置、特に信号端子部130の位置を設計目標値に合わせることができる。そして、誘電体部122にハウジング挿入ホール14の段差部16に対応する誘電体段差部126を形成して誘電体部122の大きさを適切に設計することも可能である。
【0058】
図2は基板メイティングコネクタ100をなすグラウンドガスケット110の側面図であり、
図3は
図2の「A-A」線に沿って切開したグラウンドガスケット110の断面図であり、これを参照してグラウンドガスケット110の具体的な構成について詳細に説明する。
【0059】
グラウンドガスケット110はその機能乃至役割を基準とする時、大きく分けてグラウンド挿入部112、グラウンド弾性部114、グラウンド接触部118で構成される。
【0060】
グラウンド挿入部112はハウジング挿入ホール14に挿入される円筒状の部分である。グラウンドガスケット110は金属板を塑性加工して作るが、丸められたグラウンド挿入部112の両端はくっついておらず所定の間隔で離隔しているためグラウンド挿入部112に弾性を付与する。グラウンド挿入部112は誘電体部および信号端子部アセンブリ120が密着してハウジング挿入ホール14に対して固定状態を維持する支持部の役割をする。
【0061】
ここで、グラウンド挿入部112には内側(ハウジング挿入ホールの中心に向かう方向を指し示し、外側はその反対方向を指し示す)に向かって突出した固定凸部113が備えられ、これに対応して誘電体部122の表面には固定凸部113が結束する環状の固定溝部124が備えられ得る。固定凸部113と固定溝部124の結束によってグラウンドガスケット110と誘電体部および信号端子部アセンブリ120は一体のようにその結合状態がさらに堅固となり得、グラウンドガスケット110に対して信号端子部アセンブリ120が正しく挿入されたかを分かるようにする指針としても利用される。固定凸部113はグラウンド挿入部112の一部を「⊂」の形態に切開した後折り曲げたり、図示してはいないがグラウンド挿入部112の一部を圧着してくっきりと突起を作ることができ、固定溝部124は誘電体部および信号端子部アセンブリ120の挿入に方向性がないように環状に丸く形成する。
【0062】
グラウンド弾性部114はグラウンドガスケット110の周りに沿って少なくとも3個以上のスリット115が形成されるように切開された部分である。切開された各部分は適切な弾性力を有するように折り曲げられるが、これに伴い、グラウンド弾性部114はグラウンド接触部118に対するスプリングの役割をする。グラウンド接触部118はグラウンド弾性部114から延び、他の基板20のグラウンド電極と接触する端子の役割をする。
【0063】
図3を参照すると、グラウンド弾性部114の一実施形態がよく示されている。グラウンド弾性部114はグラウンド挿入部112に対して外側に延びる第1弾性部116と、上記第1弾性部116から内側に延びる第2弾性部117を含み、グラウンド接触部118は第2弾性部117からハウジング挿入ホール14の中心に向かう方向、すなわち内側に傾斜するように延長され得る。
【0064】
ここで、グラウンド接触部118が第2弾性部117からハウジング挿入ホール14の中心側の内側方向に傾斜するように延びるのは、ノイズ遮蔽性能の向上を考慮したものである。
図8の(b)を参照すると、基板20が基板メイティングコネクタ100のグラウンド接触部118を押圧することになると、第2弾性部117とグラウンド接触部118の間の折り曲げ部の傾斜が緩やかになり、これによってグラウンド接触部118はハウジング挿入ホール14の中心方向(内側)に集まることになる(互いに対向するグラウンド接触部118の間の距離がdからd´に縮小;
図8参照)。基板20の信号電極を中心にその外側を囲むグラウンド電極にグラウンド接触部118が電気的に接触することになるため、グラウンド接触部118が弾力的に内側に集まる分だけ基板20の信号電極とグラウンド電極の間の距離を狭くすることができ、それだけさらにノイズ遮蔽性能を向上させることができる。
【0065】
上記のような実施形態によると、グラウンド挿入部112からグラウンド接触部118に至るまで、グラウンド挿入部112と第1弾性部116の間の折り曲げ部分と、第1弾性部116と第2弾性部117の間の「U」字状の折り曲げ部分、そして第2弾性部117とグラウンド接触部118の間の折り曲げ部分を合わせて、合計3個の折り曲げ部が存在する。
【0066】
したがって、末端のグラウンド接触部118に加えられる接触圧力(他の基板が結合して加える圧力)は3ケ所の折り曲げ部に亘って分散するため、グラウンド弾性部114およびグラウンド接触部118の塑性変形乃至破損を防止するのに非常に効果的である。また、グラウンド接触部118に加えられる接触圧力の分散はグラウンドガスケット110のスムーズな動きをもたらし、これに伴い、他の基板20のグラウンド電極とグラウンド接触部118の間の接触状態が非常に均一な状態をなして電流の流れに良い影響をもたらす。
【0067】
そして、グラウンド接触部118の自由端部は内側に向かって曲面をなすように折り曲げられ得る。これはグラウンド接触部118の自由端部が角をなす場合、グラウンド接触部118が他の基板20のグラウンド電極を摩耗、毀損し得るためこれを予防するためである。また、端部接触ではなく面接触がなされることにより接触面積が増加して電気的連結性能を改善することができる。
【0068】
また、グラウンド接触部118の自由端部の曲面によって、基板20に接触した時に自然にグラウンド接触部118がスライディングされるため、グラウンドガスケット110が内側に集まることをより円滑にさせることができる。
【0069】
引き続き、誘電体部および信号端子部アセンブリ120の構成を
図4および
図5を参照して詳細に説明する。
図4は基板メイティングコネクタ100をなす誘電体部および信号端子部アセンブリ120を図示した側面図であり、
図5は
図4の「B-B」線に沿って切開した誘電体部および信号端子部アセンブリ120の断面図である。
【0070】
信号端子部130は固定端子部132と可動端子部140、そして信号スプリング150を含む。固定端子部132は誘電体部122に対して固定されて動かない端子部であり、可動端子部140は信号スプリング150の弾力支持によって固定端子部132に対して長さ方向に沿って伸縮運動をすることができる端子部である。固定端子部132に入力された信号電流は可動端子部140との直接的な接触と信号スプリング150を通じての間接的な接触を通じて可動端子部140に流れることになる。
【0071】
固定端子部132は一側が開放された胴体挿入ホール134が内部に形成されており、可動端子部140は一側が開放されたコンタクト挿入ホール142が内部に形成されている。信号スプリング150は胴体挿入ホール134とコンタクト挿入ホール142の間に挿入されて固定端子部132に対して可動端子部140を弾力的に支持し、信号スプリング150により固定端子部132と可動端子部140が電気的に連結される。
【0072】
ここで、本発明に含まれた信号端子部130は固定端子部132に対する可動端子部140の組み立てを簡便にしながらもその離脱を防止し、ひいては可動端子部140の円滑な伸縮運動の誘導と固定端子部132に対する確実な接触のための構成を具備している。
図5を参照してこれについて説明する。
【0073】
図5に図示された通り、可動端子部140はその開放された一側端部にコンタクト突出部144が突出形成されており、コンタクト突出部144に離隔して一定の長さの環状ガイド溝146がその表面に形成されている。そして、可動端子部140の開放された一側端部から始まってガイド溝146の端に至るまで可動端子部140の周りに沿って少なくとも3個以上のコンタクトスリット148が切開形成されており、可動端子部140の開放された一側端部が半径方向に弾力的に変形できるように構成されている。そして、これに対応して、固定端子部132の内周面にはガイド溝146の深さに対応する高さを有する胴体突出部136が形成されている。
【0074】
前記のように信号端子部130が構成されることにより、コンタクトスリット148によって弾性を有した可動端子部140の開放された一側端部を固定端子部132の胴体挿入ホール134の中に挿入すると、可動端子部140の開放された一側が収縮して挿入が可能となる。可動端子部140を挿入し続けると、固定端子部132の内周面の胴体突出部136を可動端子部140のコンタクト突出部144が乗り越えることになり、引き続き可動端子部140のガイド溝146の段が固定端子部132の胴体突出部136の段に係止されることになる。この状態では可動端子部140のガイド溝146の段と固定端子部132の胴体突出部136の段が互いに係止されているため、圧縮された信号スプリング150が伸びようとする力が作用しても挿入された可動端子部140は離脱しない。
【0075】
そして、可動端子部140のコンタクト突出部144の外径は固定端子部132の胴体挿入ホール134の内径よりわずかに大きいが、これに伴い、コンタクト突出部144は胴体挿入ホール134の内周面と常に密着する力が作用することになって均一な接触がなされることになる。これは固定端子部132およびこれに対して伸縮運動をする可動端子部140の表面が互いに離れていることによって、可動端子部140が揺れる問題を防止するためのものである。
【0076】
また、固定端子部132と可動端子部140が信号スプリング150に依存して電気的に連結される場合、信号スプリング150の非線形の形状によってPIM(Passive Intermodulation)が高くなる問題を有しているが、コンタクト突出部144はコンタクトスリット148により可動端子部140の開放された一側端部が半径方向に弾力的に変形できるように構成されていることにより、コンタクト突出部144が胴体挿入ホール134の内周面と常に密着した状態で固定端子部132と可動端子部140が電気的に連結されるため、PIMを低くすることができる。
【0077】
可動端子部140のガイド溝146の段と固定端子部132の胴体突出部136の段が互いに係止されている状態で可動端子部140に長さ方向成分の力が作用すると、可動端子部140はガイド溝146の段が固定端子部132の胴体突出部136に接触する範囲内で信号スプリング150の弾性支持によって固定端子部132に対して弾力的に移動することができる。すなわち、可動端子部140のガイド溝146と固定端子部132の胴体突出部136の間の接触によって可動端子部140の伸縮運動が円滑に誘導される。
【0078】
そして、信号端子部130は固定端子部132に対して可動端子部140が伸縮運動をする構造であるため、誘電体部および信号端子部アセンブリ120は誘電体部122に対して固定端子部132が結合する構造でアセンブリ120をなすことができる。本発明の実施形態によると、誘電体部122に対する固定端子部132の結合はインサート射出を通じて一体にするか、または誘電体部122に固定端子部132を締り嵌め方式で圧入して一体にすることができる。締り嵌め方式は誘電体部122の材質がインサート射出にあまり適してない場合、例えばテフロン(登録商標)材質などである場合に適している。
【0079】
ここで、ハウジング一体型基板メイティングコネクタ100の製作方法の側面で誘電体部および信号端子部アセンブリ120が完成される時点は、製造工程により適切に選択され得る。すなわち、固定端子部132に対して可動端子部140まで(信号スプリングも当然含まれる)結合した、完成された誘電体部および信号端子部アセンブリ120がグラウンドガスケット110の内周面の内側に挿入されることは言うまでもなく、誘電体部122に対して固定端子部132が結合した状態でグラウンドガスケット110の内周面の内側に挿入された後に、信号スプリング150および可動端子部140が結合して誘電体部および信号端子部アセンブリ120が完成されることも可能である。したがって、グラウンドガスケット110の内周面の内側に誘電体部および信号端子部アセンブリ120を挿入する段階の意味は、完成された誘電体部および信号端子部アセンブリ120を挿入することのみに限定されるものではない。
【0080】
電気機器10のハウジング12に挿入方式で組み立てられて一つに一体化された基板メイティングコネクタ100は、電気機器10と電気的に連結されなければならない。このような電気的連結はグラウンド連結と信号連結の二つの連結が必要であるが、本発明は特にグラウンド連結を単純化できるという点に利点がある。これを説明すると、ハウジング12自体がグラウンド電極を代替するため、ハウジング挿入ホール14にグラウンドガスケット110を挿入し、誘電体部および信号端子部アセンブリ120を圧入する組立工程によって自動的に電気機器10のグラウンド電極とグラウンドガスケット110が電気的に連結される。ひいては、
図7に図示された通り、基板メイティングコネクタ100とハウジング挿入ホール14の間のグラウンド連結が円滑に行われるように、少なくともハウジング挿入ホール14の内周面にメッキを通じてグラウンド金属層17を形成してもよい。
【0081】
そして、ハウジング挿入ホール14の中に露出している固定端子部132に対しては電気機器10の信号電極18が電気的に連結されるが、この時、固定端子部132がハウジング挿入ホール14の外に突出しないようにすることによって固定端子部132の変形、破損を防止する一方、ハウジング一体型基板メイティングコネクタ100の高さを可能な限り低くすることが好ましい。
【0082】
以上、本発明の一実施例について説明したが、該当技術分野で通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の思想から逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更、削除または追加などによって本発明を多様に修正および変更させることができ、このような修正、変更も本発明の権利範囲内に含まれると言える。
【符号の説明】
【0083】
10:電気機器
12:ハウジング
14:ハウジング挿入ホール
16:段差部
17:グラウンド金属層
18:信号電極
20:基板
30:治具
100:基板メイティングコネクタ
110:グラウンドガスケット
112:グラウンド挿入部
112-1:挿入部スリット
113:固定凸部
114:グラウンド弾性部
115:スリット
116:第1弾性部
117:第2弾性部
118:グラウンド接触部
120:誘電体部および信号端子部アセンブリ
122:誘電体部
124:固定溝部
126:誘電体段差部
130:信号端子部
132:固定端子部
134:胴体挿入ホール
136:胴体突出部
140:可動端子部
142:コンタクト挿入ホール
144:コンタクト突出部
146:ガイド溝
148:コンタクトスリット
150:信号スプリング