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特開2022-116220ゲルに基づく複合材料を製造する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022116220
(43)【公開日】2022-08-09
(54)【発明の名称】ゲルに基づく複合材料を製造する方法
(51)【国際特許分類】
   D21H 11/18 20060101AFI20220802BHJP
   C08J 3/075 20060101ALI20220802BHJP
   D21H 17/67 20060101ALI20220802BHJP
   D21C 9/00 20060101ALN20220802BHJP
【FI】
D21H11/18
C08J3/075 CEP
D21H17/67
D21C9/00
【審査請求】有
【請求項の数】32
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022087468
(22)【出願日】2022-05-30
(62)【分割の表示】P 2020032839の分割
【原出願日】2011-04-26
(31)【優先権主張番号】61/343,774
(32)【優先日】2010-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】10161173.9
(32)【優先日】2010-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】516341914
【氏名又は名称】ファイバーリーン テクノロジーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パトリツク・エイ・シー・ゲイン
(72)【発明者】
【氏名】ミヒエル・シエンカー
(72)【発明者】
【氏名】ラムジエー・スブラマニアン
(72)【発明者】
【氏名】ヨアヒム・シエルコツプ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】コスト効率が良く、環境に対して優しい複合材料を製造する方法を提供する。
【解決手段】セルロース繊維と少なくとも1種の充填剤および/または顔料とを供給する段階、セルロース繊維と少なくとも1種の充填剤および/または顔料とを組み合わせる段階、少なくとも1種の充填剤および/または顔料の存在下で、ゲルが形成されるまでセルロース繊維をフィブリル化する段階、引き続いて、少なくとも1種のさらなる充填剤および/または顔料を供給する段階ならびにゲルを少なくとも1種のさらなる充填剤および/または顔料と組み合わせる段階による、ナノフィブリルセルロースゲルを含む複合材料を製造する方法。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)セルロース繊維を供給する段階、
b)少なくとも1種の充填剤および/または顔料を供給する段階、
c)段階a)のセルロース繊維と段階b)の少なくとも1種の充填剤および/または顔料とを組み合わせる段階、
d)少なくとも1種の充填剤および/または顔料の存在下で、ゲルが形成されるまでセルロース繊維をフィブリル化する段階、
e)少なくとも1種のさらなる充填剤および/または顔料を供給する段階、
f)段階d)のゲルを、段階e)の少なくとも1種のさらなる充填剤および/または顔料と組み合わせる段階
を特徴とする、ナノフィブリルセルロースゲルを含む複合材料を製造する方法。
【請求項2】
段階f)の組合せが、脱水段階g)において脱水されることを特徴とする、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
セルロース繊維が、ユーカリパルプ、トウヒパルプ、マツパルプ、ブナパルプ、麻パルプ、綿パルプ、竹パルプ、バガス、ならびに再生および/または脱インキパルプ、ならびにこれらの混合物を含む群から選択されるパルプに含有されるようなものであることを特徴とする、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
セルロース繊維が、好ましくは、0.2から35重量%、より好ましくは、0.25から10重量%、さらにより好ましくは、0.5から5重量%、特に、1から4重量%、最も好ましくは、1.3から3重量%、例えば、1.5重量%の固形含量を有する懸濁液の形態で供給されることを特徴とする、
請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
段階b)および段階e)の充填剤および/または顔料が、沈降炭酸カルシウム(PCC)、表面改質された炭酸カルシウム、天然粉砕炭酸カルシウム(PCC)、ドロマイト、タルク、ベントナイト、クレー、マグネサイト、サテンホワイト、セピオライト、ハント石、珪藻土、シリケートおよびこれらの混合物を含む群から独立に選択され、好ましくは、バテライト、カルサイトまたはアラゴナイト結晶構造を有する沈降炭酸カルシウム、特に、超微細で離散した、角柱状、偏三角状または菱面体状の沈降炭酸カルシウム、大理石、石灰石および/または白亜から選択される天然粉砕炭酸カルシウムならびにこれらの混合物の群から選択されることを特徴とする、
請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
段階b)の充填剤および/または顔料の粒子が、0.01から15μm、好ましくは0.1から10μm、より好ましくは0.3から5μm、特に、0.5から4μm、最も好ましくは0.7から3.2μm、例えば、2μmの中央粒径を有することを特徴とする、
請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
段階e)の充填剤および/または顔料の粒子が、0.01から5μm、好ましくは0.05から1.5μm、より好ましくは0.1から0.8μm、最も好ましくは0.2から0.5μm、例えば、0.3μmの中央粒径を有することを特徴とする、
請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
段階b)および/またはe)の充填剤および/または顔料が、ポリカルボン酸および/もしくはこれらの塩または、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸に基づくエステル、例えば、アクリルアミドもしくはメチルメタクリレートなどのアクリル酸エステルなどの誘導体、またはこれらの混合物のホモポリマーもしくはコポリマー、アルカリポリリン酸塩、ホスホン酸、クエン酸および酒石酸ならびにこれらの塩もしくはエステルまたはこれらの混合物を含む群から選択される分散剤を伴うことを特徴とする、
請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
繊維と段階b)および/またはe)の少なくとも1種の充填剤および/または顔料との組合せが、充填剤および/もしくは顔料を繊維に、または繊維を充填剤および/もしくは顔料に、1段階または数段階で、添加することによって実行されることを特徴とする、
請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
段階b)の充填剤および/もしくは顔料ならびに/または繊維が、フィブリル化段階(d)の前または間に、好ましくは、フィブリル化段階(d)の前に、一度に全部または複数回に分けて添加されることを特徴とする、
請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
繊維の、段階b)の充填剤および/または顔料に対する重量比が、乾燥重量基準で、1:33から10:1、より好ましくは、1:10から7:1、さらにより好ましくは、1:5から5:1、典型的には、1:3から3:1、特に、1:2から2:1、最も好ましくは、1:1.5から1.5:1、例えば、1:1であることを特徴とする、
請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
フィブリル化段階が、ホモジナイザーまたは超微細摩擦粉砕機によって実行されることを特徴とする、
請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
繊維の、段階e)の充填剤および/または顔料に対する重量比が、乾燥重量基準で、1:9から99:1、より好ましくは、1:3から9:1、さらにより好ましくは、1:2から3:1、例えば、2:1であることを特徴とする、
請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
段階b)およびe)の充填剤および/または顔料の全含量が、複合材料の乾燥重量基準で、10重量%から95重量%、好ましくは、15重量%から90重量%、より好ましくは、20から75重量%、さらにより好ましくは、25重量%から67重量%、特に、33から50重量%であることを特徴とする、
請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
ゲルを少なくとも1種のさらなる充填剤および/または顔料と組み合わせる段階ならびにこの組合せを脱水する段階による複合材料の製造のための、請求項1から14のいずれか一項に記載のナノフィブリルセルロースゲルの使用。
【請求項16】
請求項1から14のいずれか一項に記載の方法または請求項15に記載の使用により得られた複合材料。
【請求項17】
例えば、建設もしくは包装材料としてのプラスチック、塗料、ゴム、コンクリート、セラミック、パネル、住宅、フォイル、フィルム、塗膜、押出し成形体、接着剤、食品における用途または創傷治癒用途における、請求項16に記載の複合材料の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲルに基づく複合材料を製造する方法、この方法により得られる材料ならびにいくつかの用途におけるこの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
複合材料は、基本的には、2種以上の材料の組合せであり、それらの材料の各々はそれ自体の明確な特性を保持する。結果として得られる材料は、分離した成分の特徴ではない特徴を有している。最も一般的には、複合材料は、マトリックスと呼ばれる連続したバルク相および分散状態で、非連続であり、強化材と呼ばれる相を有する。基本的な複合材の他のいくつかの例としては、コンクリート(砂および骨材と混合されたセメント)、強化コンクリート(コンクリート中にスチールの鉄筋)およびファイバーグラス(樹脂マトリックス中にガラスストランド)が含まれる。
【0003】
ある種の用途に対して複合材が選択される理由のいくつかは以下のとおりである:
-強度重量比が高いこと(低密度高引っ張り強度)
-クリープ抵抗が高いこと
-高温における引っ張り強度が高いこと
-靭性が高いこと
典型的には、強化材料は強いが、マトリックスは、通常、延展性のあるまたは強靭な材料である。複合材は、正しく設計され作り上げられるならば、強化材の強度をマトリックスの靭性と組み合わせて、いかなる単一の従来の材料においても得ることができない望ましい特性の組合せを達成する。例えば、ポリマー/セラミック複合材は、ポリマー成分よりも大きい弾性率を有するが、セラミックスのように脆くはない。
【0004】
強化材料は、複合材の強化機構において最も重要であるため、複合材を、強化材の特徴に従って分類するのが便利である。以下の3つのカテゴリーが通常使用される:
a)「繊維強化」、ここで、繊維は、主たる荷重保持成分である。
b)「粒子強化」、ここで、荷重は、マトリックスおよび粒子によって分担される。
c)「分散強化」、ここで、マトリックスは、主たる荷重保持成分である。
d)「構造複合材」、ここで、特性は、構成成分および幾何学的設計に依存する。
【0005】
一般に、複合材の強度は、樹脂中の繊維(または粒子)強化材の量、配置および型に主として依存する。さらに、複合材は、加工性または性能パラメーターを変化させる充填剤および添加剤とともにしばしば配合される。
【0006】
先進の複合材は、樹脂と繊維との組合せ、慣用的には、エポキシ樹脂と炭素/グラファイト、ケブラー、またはファイバーグラスとの組合せを利用している。繊維は、高剛性を与え、周囲のポリマー樹脂マトリックスはその構造を一つにまとめている。複合材の基本的な設計概念は、バルク相が広い表面積にわたって荷重を受け取り、それをより大きな荷重を支えることができる強化材料に伝達するというものである。これらの材料は、これらがある種の用途においては、金属よりも高い剛性対重量または強度重量比を有するので、最初に宇宙産業において使用するために開発された。このことは、先進的な複合材から製作されたより軽量の部品が金属部品に取って代わり得ることを意味している。
【0007】
このように、従来技術においては、ポリマーなどを複合材に組み入れることは周知のことであるが、これらは比較的高価であり、環境に対して優しくない。さらに、上述したように充填剤を添加することは、一般に表面処理を必要とし、したがって加工コストが高くなることを意味する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、コスト効率が良く、環境に対して優しい複合材料の提供に対する必要性がなお存在する。
【0009】
この目的に対する解決策を探して、いくつかの材料、なかでも、セルロースおよび炭酸カルシウムについて検討した。
【0010】
セルロースは、緑色植物の一次細胞壁の構造成分であり、地球上で最も一般的な有機化合物である。それは、多くの用途および産業において非常に興味を持たれている。
【0011】
原料としてのセルロースパルプは、木材、または麻、亜麻およびマニラ麻などの植物の茎から加工される。パルプ繊維は、セルロースおよび他の有機成分(ヘミセルロースおよびリグニン)から主として構築されている。セルロースの巨大分子(1-4グリコシド結合型β-D-グルコース分子から構成された)は、水素結合によって一緒に連結して、結晶性および非晶性ドメインを有するいわゆる一次フィブリル(ミセル)を形成する。いつくかの一次フィブリル(約55本)が、いわゆるミクロフィブリルを形成する。これらのミクロフィブリル約250本が、フィブリルを形成する。
【0012】
フィブリルは、異なる層(これは、リグニンおよび/またはヘミセルロースを含有し得る。)に配置されて、繊維を形成する。個々の繊維は、同様にリグニンによって一緒に結合している。
【0013】
繊維は加えられたエネルギー下で精砕されると、細胞壁が破壊され、付着した細片、すなわち、フィブリルに引き裂かれるのにつれて、フィブリル化される。この破壊が、フィブリルを繊維の本体から分離するように継続される場合、それにより、フィブリルが放出される。繊維のミクロフィブリルへの微細化は、「ミクロフィブリル化」と呼ばれる。このプロセスは、残った繊維がなくなり、ナノサイズ(厚さ)のフィブリルだけが残存するまで、継続され得る。
【0014】
このプロセスがさらに進み、これらのフィブリルをますます小さいフィブリルに微細化する場合、それらは最終的に、セルロースの断片またはナノフィブリルゲルになる。この最後の段階がどの程度まで行われるかに依存して、一部のナノフィブリルは、ナノフィブリルゲルの中に残存し得る。一次フィブリルへの微細化は、「ナノフィブリル化」と呼ぶことができ、ここで2つの形態の間に滑らかな遷移が存在し得る。一次フィブリルは、水環境で、「ナノフィブリルゲル」と呼ばれ得るゲル(一次フィブリルのメタ安定網状組織)を形成する。ナノフィブリルから形成されるゲルは、ナノセルロースを含有すると考えることができる。
【0015】
ナノフィブリルゲルは、通常、ナノセルロースで部分的に構成されていると考えられる非常に微細なフィブリルを含有し、それほど微細でなくまたはナノセルロース構造を示さないフィブリルよりも、それら自体へのまたは存在する任意の他の材料へのより強い結合可能性を示すので望ましい。
【0016】
ナノフィブリルセルロースゲルは、未公開の欧州特許出願第09156703.2号から、公知である。しかし、複合材料の形成に関しては何の教示もない。
【0017】
このようなセルロースゲルは複合材料に形成され、複合材は、充填剤および/または顔料をこのようなゲルに添加することにより、より容易に/より速く製造でき、この結果として、改善された実用可能性をもたらすことができ、多くの他の複合材料と比較して、環境に対してより優しいということが見出された。
【課題を解決するための手段】
【0018】
したがって、上記の課題は、以下の段階、
a)セルロース繊維を供給する段階、
b)少なくとも1種の充填剤および/または顔料を供給する段階、
c)段階a)のセルロース繊維と段階b)の少なくとも1種の充填剤および/または顔料とを組み合わせる段階、
d)少なくとも1種の充填剤および/または顔料の存在下で、ゲルが形成されるまでセルロース繊維をフィブリル化する段階、
e)少なくとも1種のさらなる充填剤および/または顔料を供給する段階、
f)段階d)のゲルを段階e)の少なくとも1種のさらなる充填剤および/または顔料と組み合わせる段階
を特徴とする、ナノフィブリルセルロースゲルを含む複合材料を製造する方法により解決される。
【0019】
本発明の文脈におけるナノフィブリルセルロースは、一次フィブリルに少なくとも部分的に微細化されている繊維を意味する。これらの一次フィブリルが、水環境にある場合、ゲル(微細度の限界において本質的にナノセルロースであると考えられる一次フィブリルのメタ安定網状組織)が形成され、これは「ナノフィブリルゲル」と命名され、ここで、ナノ繊維とナノフィブリルゲルとの間に滑らかな遷移が存在し、ナノフィブリルゲルは、様々な程度のナノフィブリルを含有するナノフィブリルゲルを含み、これらのすべてが本発明によるナノフィブリルセルロースゲルという用語に含まれる。
【0020】
この点で、本発明の文脈におけるフィブリル化段階は、繊維およびフィブリルをそれらの長軸に沿って大部分微細化して、繊維およびフィブリルのそれぞれの直径の減少をもたらす任意のプロセスを意味する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の方法によれば、少なくとも1種の充填剤および/または顔料の存在下でのセルロース繊維のフィブリル化段階は、ナノフィブリルセルロースゲルを与える。フィブリル化段階は、ゲルが形成されるまで行われ、ここで、ゲルの形成は、せん断速度に依存して粘度をモニターすることにより確認される。せん断速度を段階的に増加させると、粘度の低下を反映する一種の曲線が得られる。引き続いて、せん断速度を段階的に減少させると、粘度は再び増加するが、せん断がゼロに近づくにつれて、せん断速度範囲の少なくとも一部にわたる対応する値は、せん断速度を増加させる場合よりも低く、粘度をせん断速度に対してプロットした時の明らかなヒステリシスによりグラフで表示される。この挙動が観察されるとすぐに、本発明によるナノフィブリルセルロースゲルが形成される。ナノフィブリルセルロースゲルの製造に関してのさらなる詳細は、未公開の欧州特許出願第09156703号から得ることができる。
【0022】
本発明の方法において使用され得るセルロース繊維は、天然、化学、機械、化学機械、熱機械パルプに含有されるようなものでもよい。特に有用なのは、ユーカリパルプ、トウヒパルプ、マツパルプ、ブナパルプ、麻パルプ、綿パルプ、竹パルプ、バガスおよびこれらの混合物を含む群から選択されるパルプである。ある実施形態において、このセルロース繊維のすべてまたは一部は、セルロース繊維を含む材料をリサイクルする段階から得られるものでもよい。したがって、パルプは、再生および/または脱インクパルプであってもよい。
【0023】
セルロース繊維のサイズは、原理上重要ではない。市販されており、それらのフィブリル化に使用される装置において加工可能である任意の繊維が、一般に本発明で有用である。セルロース繊維は、それらの起源に依存して、50mmから0.1μmの長さを有し得る。このような繊維、ならびに好ましくは、20mmから0.5μm、より好ましくは、10mmから1mm、典型的には、2から5mmの長さを有するものは、本発明において有利に使用することができ、ここで、より長いおよびより短い繊維も有用であり得る。
【0024】
セルロース繊維は、懸濁液、特に水性懸濁液の形態で供給されることが、本発明における使用に有利である。好ましくは、このような懸濁液は、0.2から35重量%、より好ましくは0.25から10重量%、さらにより好ましくは0.5から5重量%、特に1から4重量%、最も好ましくは1.3から3重量%、例えば、1.5重量%の固形含量を有する。
【0025】
段階b)およびe)の少なくとも1種の充填剤および/または顔料は、沈降炭酸カルシウム(PCC)、天然粉砕炭酸カルシウム(GCC)、表面改質された炭酸カルシウム、ドロマイト、タルク、ベントナイト、クレー、マグネサイト、サテンホワイト、セピオライト、ハント石、珪藻土、シリケートおよびこれらの混合物を含む群から独立に選択される。
【0026】
バテライト、カルサイトまたはアラゴナイト結晶構造を有し得る沈降炭酸カルシウム、ならびに/または大理石、石灰石および/もしくは白亜から選択され得る天然粉砕炭酸カルシウムが、特に好ましい。
【0027】
特別の実施形態において、超微細で離散した、角柱状、偏三角状または菱面体状の沈降炭酸カルシウムの使用が有利であり得る。
【0028】
充填剤および/または顔料は、粉末の形態で供給され得るが、それらは、水性懸濁液などの懸濁液の形態で添加されるのが好ましい。この場合、懸濁液の固形含量は、それが、ポンプ注入可能な液体である限り、重要ではない。
【0029】
好ましい実施形態において、段階b)の充填剤および/または顔料の粒子は、0.01から15μm、好ましくは0.1から10μm、より好ましくは0.3から5μm、特に、0.5から4μm、最も好ましくは0.7から3.2μm、例えば2μmの中央粒径を有する。
【0030】
0.5μmより大きい重量中央粒径d50を有する粒子についてのd50の決定のために、米国のMicromeritics社のSedigraph5100装置を使用した。測定は、0.1重量%のNaの水溶液中で行った。試料は、高速撹拌機および超音波を使用して分散させた。d50≦500nmを有する粒子についての容積中央粒径の決定のために、英国のMalvern社のMalvern Zetasizer Nano ZSを使用した。測定は、0.1重量%のNaの水溶液中で行った。試料は、高速撹拌機および超音波を使用して分散させた。
【0031】
むしろ粗い製品である、ゲル形成において使用される顔料および/または充填剤とは逆に、段階e)で添加される充填剤および/または顔料は、粒径の点でむしろ微細な製品であり、特に好ましくは、ナノメーター範囲の中央粒径d50を有する粒子を少なくとも一部含む場合、それは特に有利であることが判明した。
【0032】
したがって、段階e)の充填剤および/または顔料の粒子は、0.01から5μm、好ましくは0.05から1.5μm、より好ましくは0.1から0.8μm、最も好ましくは0.2から0.5μm、例えば0.3μmの中央粒径(ここで、粒径は上記のようにして決定される。)を有することがさらに好ましい。
【0033】
充填剤および/または顔料は、ポリカルボン酸および/もしくはこれらの塩または、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸に基づくエステル、例えば、アクリルアミドもしくはメチルメタクリレートなどのアクリル酸エステルなどの誘導体、またはこれらの混合物のホモポリマーもしくはコポリマー、アルカリポリリン酸塩、ホスホン酸、クエン酸および酒石酸ならびにこれらの塩もしくはエステルまたはこれらの混合物を含む群から選択されるものなどの分散剤を伴ってもよい。
【0034】
繊維と段階b)および/またはe)の少なくとも1種の充填剤および/または顔料との組合せは、充填剤および/または顔料を、繊維に、1または数段階で添加することによって実行し得る。同様に、繊維を、充填剤および/または顔料に、1または数段階で添加してもよい。段階b)の充填剤および/または顔料ならびに繊維は、フィブリル化段階の前または間に一度に全部または複数回に分けて添加してもよい。しかし、フィブリル化段階の前の添加が好ましい。
【0035】
フィブリル化プロセスの間に、充填剤および/または顔料のサイズならびに繊維のサイズは変わり得る。
【0036】
好ましくは、繊維の、段階b)の充填剤および/または顔料に対する重量比は、乾燥重量基準で、1:33から10:1、より好ましくは、1:10から7:1、さらにより好ましくは、1:5から5:1、典型的には、1:3から3:1、特に、1:2から2:1、最も好ましくは、1:1.5から1.5:1、例えば、1:1である。
【0037】
段階b)における充填剤および/または顔料の投与量は重要であり得る。充填剤および/または顔料が多すぎる場合、これはゲルの形成に影響し得る。したがって、特定の組合せでゲル形成が観察されない場合、充填剤および/または顔料の量を減少させることが必要であり得る。
【0038】
さらに、ある実施形態において、組合せは、それをフィブリル化する前に、2から12時間、好ましくは3から10時間、より好ましくは4から8時間、例えば、6時間保存されるが、なぜならこれによって理想的には、フィブリル化を促進させる繊維の膨潤がもたらされるからである。
【0039】
繊維の膨潤は、上昇させたpHでの保存によって、ならびに、例えば、銅(II)エチレンジアミン、酒石酸鉄ナトリウムもしくはリチウム-塩素/ジメチルアセトアミンのようなセルロース溶媒の添加によって、または当技術分野で公知の任意の他の方法によって促進し得る。
【0040】
フィブリル化段階は、それのために有用な任意の装置によって実行される。好ましくは、装置は、ホモジナイザーである。それは、日本のMasuko Sangyo Co.LtdのSupermasscolloiderなどの超微細摩擦粉砕機またはUS6,214,163またはUS6,183,596に記載されているようなものでもよい。
【0041】
本発明における使用に好適なものとしては、任意の市販のホモジナイザー、特に、懸濁液が、バルブを備えてもよい制限された開口部を通して高圧下で押圧され、制限された開口部から、制限された開口部の真正面にある硬い衝撃面に対して高圧で放出される高圧ホモジナイザーがある。圧力は、ピストンポンプなどのポンプで生じさせることができ、衝撃面は、環状のバルブ開口部の周りに延在する衝撃リングを備えてもよい。本発明において使用され得るホモジナイザーの例としては、GEA Niro SoaviのAriete NS2006Lがある。しかし、なかでも、APV Gaulin Series、HST HL SeriesまたはAlfa Laval SHL Seriesなどのホモジナイザーも使用され得る。
【0042】
さらに、超微細摩擦粉砕機などの装置、例えば、Supermasscolloiderが、本発明において有利に使用され得る。
【0043】
繊維の、段階e)の充填剤および/または顔料に対する重量比は、乾燥重量基準で、1:9から99:1、好ましくは、1:3から9:1、より好ましくは、1:2から3:1、例えば、2:1であることがさらに好ましい。
【0044】
充填剤および/または顔料の全含量に関しては、段階b)およびe)の充填剤および/または顔料は、複合材料の乾燥重量基準で、10重量%から95重量%、好ましくは、15重量%から90重量%、より好ましくは、20から75重量%、さらにより好ましくは、25重量%から67重量%、特に、33から50重量%の量で存在することが特に好ましい。
【0045】
段階d)のゲルと段階e)の少なくとも1種のさらなる充填剤および/または顔料との組合せは、組合せを、例えば、スパチュラによって、単に混合することにより実行し得る。さらに、溶解ディスクが装着された攪拌機によって成分を混合するのが有利であり得る。
【0046】
引き続いて、得られた組合せを脱水してもよい。この点では、一般に、例えば、熱乾燥、圧力乾燥、真空乾燥、凍結乾燥、または超臨界条件下での乾燥などの当業者に公知のいかなる普通に使用される脱水方法を使用してもよい。脱水段階は、例えば、実施例で記載したようにフィルタープレスなどの周知の装置で実行してもよい。一般に、水性の系を成形する分野で周知である他の方法が、本発明の複合材を得るのに適用可能である。
【0047】
圧縮された複合材料の製造のための、上述したナノフィブリルセルロースゲルの使用は、本発明のさらなる態様であり、ここで、ゲルは少なくとも1種のさらなる充填剤および/または顔料と組み合わされ、得られた組合せは上記に詳述したように脱水される。
【0048】
本発明の他の態様は、本発明による方法、または上述した複合材料の製造のための、ナノフィブリルセルロースゲルの使用により得られた複合材料である。
【0049】
複合材料は、プラスチック、塗料、ゴム、コンクリート、セラミック、パネル、筐体、フォイル、フィルム、塗膜、押出し成形体、接着剤、食品におけるまたは創傷治癒用途におけるなどの用途において有利に使用することが可能であり、例えば、建設材料、包装等として使用されるプラスチックなどのある種の材料に容易に取って代わることが可能である。
【実施例0050】
材料
OC-GCC:Omya AGから入手できるOmyacarb(登録商標)10-AV;高純度の白色大理石から製作された微細炭酸カルシウム粉末;Malvern Mastersizer Xで測定した重量中央粒径d50は10μmである。
【0051】
HO-ME:Omya AGから入手できるHydrocarb(登録商標)HO-ME;選択された天然の粉砕炭酸カルシウム(大理石)、微細結晶性、予め分散済みスラリー(固形含量62重量%)の形態で高微細の菱面体状粒形;Sedigraph 5100で測定した重量中央粒径d50は0.8μmである。
【0052】
Nano-GCC:天然粉砕炭酸カルシウム(バーモント産大理石);分散済みスラリー(固形含量50重量%);Malvern Zetasizer Nano ZSで測定した容積中央粒径は246nmのd50である。
【0053】
パルプ:25°SRのユーカリパルプ。
ゲル形成
乾燥マットの形態のユーカリパルプ120gを細かく引き裂き、水道水5880gと混合し、対応する量(表1参照)のOC-GCCを添加した。得られた混合物を少なくとも15分間、4000rpmでPendraulik(溶解ディスク)を使用して攪拌した。配合物のフィブリル含量は3重量%であった。
【0054】
得られた混合物を、引き続いて、超微細摩擦粉砕機(日本のMasuko Sangyo Co.LtdのSupermasscolloider(MKCA 6-2型)中で、以下の設定を用いた-50μmの「ギャップ」(dynamic 0点)で1回通ししてフィブリル化した:
2500rpmで5回通し、
2000rpmで2回通し、
1500rpmで2回通し、
1000rpmで2回通し、
750rpmで2回通し、
500rpmで2回通し。
【0055】
粉砕石は、グリット等級46(グリットサイズ297-420μm)のシリコンカーバイドであった。
【0056】
【表1】
【0057】
配合物の製造
ナノセルロースゲルの圧縮物を得て試験するために、試験片製造のための以下の配合物を表2に従って製造した。
【0058】
【表2】
試料1のゲルを、表2で記載されているように追加のGCCの対応する量と混合し、スパチュラを用いて手でブレンドした。
【0059】
引き続いて、配合物を、試験片の最終厚さが約3mm(密度から計算して)になるような量で、小さなフィルタープレス(Whatman Schleicher & Schuellのろ紙、589/2、白リボン;フィルタープレス:ファンフィルタープレス、3000シリーズ、米国、テキサス州ヒューストンのfann instrument company)の中に入れた。PMMAディスク(厚さ:10mm、直径:78mm(フィルタープレスの内径に適合する))を配合物の上に置き、それの上を同じ配合物の追加の材料(すでに置いた配合物の量のほぼ10-20重量%)でさらに覆った。
【0060】
次いで、フィルタープレスを閉じ、以下の圧力プロファイルを適用した:
1barで15分、
4barで120分、
6barで45分。
【0061】
引き続いて、「半乾き」のディスク(固形含量:約50重量%)をフィルタープレスから取り出し、同一の長方形(40mmx10mm)5個に切った。これらの長方形を、鋼球でおもり(約3000g)を掛けた2枚のろ紙と2枚のアルミニウム板との間に置き、約80℃でのオーブン中で一夜乾燥させた。
【手続補正書】
【提出日】2022-06-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設もしくは包装の材料、塗料、ゴム、コンクリート、セラミック、パネル、住宅、フォイル、フィルム、塗膜、押出し成形体、接着剤または食品用途における複合材料の使用であって、複合材料が、以下の段階:
a)パルプの形態にあるセルロース繊維を供給する段階であって、パルプが再生および/または脱インクパルプである段階、
b)少なくとも1種の充填剤および/または顔料を供給する段階、
c)段階a)のセルロース繊維と段階b)の少なくとも1種の充填剤および/または顔料とを組み合わせる段階、
d)少なくとも1種の充填剤および/または顔料の存在下の水環境において、ナノフィブリルセルロースゲルが形成されるまでセルロース繊維をフィブリル化する段階、
e)少なくとも1種のさらなる充填剤および/または顔料を供給する段階、
f)段階d)のゲルを、段階e)の少なくとも1種のさらなる充填剤および/または顔料と組み合わせる段階、
g)段階f)の組合せを脱水する段階
を特徴とする方法により製造されたものである、使用。
【請求項2】
セルロース繊維が、懸濁液の形態で供給されることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
懸濁液が、0.2から35重量%の固形含量を有することを特徴とする、請求項2に記載の使用。
【請求項4】
懸濁液が、0.25から10重量%の固形含量を有することを特徴とする、請求項2に記載の使用。
【請求項5】
懸濁液が、0.5から5重量%の固形含量を有することを特徴とする、請求項2に記載の使用。
【請求項6】
懸濁液が、1から4重量%の固形含量を有することを特徴とする、請求項2に記載の使用。
【請求項7】
懸濁液が、1.3から3重量%の固形含量を有することを特徴とする、請求項2に記載の使用。
【請求項8】
段階b)および段階e)の充填剤および/または顔料が、沈降炭酸カルシウム(PCC)、表面改質された炭酸カルシウム、天然粉砕炭酸カルシウム(PCC)、ドロマイト、タルク、ベントナイト、クレー、マグネサイト、サテンホワイト、セピオライト、ハント石、珪藻土、シリケートおよびこれらの混合物を含む群から独立に選択されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の使用。
【請求項9】
段階b)および段階e)の充填剤および/または顔料が、バテライト、カルサイトまたはアラゴナイト結晶構造を有する沈降炭酸カルシウムから独立に選択されることを特徴とする、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
段階b)および段階e)の充填剤および/または顔料が、超微細で離散した、角柱状、偏三角状または菱面体状の沈降炭酸カルシウム、大理石、石灰石および/または白亜から選択される天然粉砕炭酸カルシウム、並びにこれらの混合物の群から独立に選択されることを特徴とする、請求項8に記載の使用。
【請求項11】
段階b)および/またはe)の充填剤および/または顔料が、ポリカルボン酸および/またはこれらの塩、或いはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸に基づくエステル、アクリルアミドもしくはメチルメタクリレートであるアクリル酸エステルの誘導体、またはこれらの混合物のホモポリマーもしくはコポリマー、アルカリポリリン酸塩、ホスホン酸、クエン酸および酒石酸ならびにこれらの塩もしくはエステルまたはこれらの混合物を含む群から選択される分散剤を伴うことを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の使用。
【請求項12】
繊維と段階b)および/またはe)の少なくとも1種の充填剤および/または顔料との組合せが、充填剤および/もしくは顔料を繊維に、または繊維を充填剤および/もしくは顔料に、1段階または数段階で、添加することによって実行されることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の使用。
【請求項13】
段階b)の充填剤および/もしくは顔料ならびに/または繊維が、フィブリル化段階(d)の前または間に、一度に全部または複数回に分けて添加されることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の使用。
【請求項14】
段階b)の充填剤および/もしくは顔料ならびに/または繊維が、フィブリル化段階(d)の前に、一度に全部または複数回に分けて添加されることを特徴とする、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
繊維の、段階b)の充填剤および/または顔料に対する重量比が、乾燥重量基準で、1:33から10:1であることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の使用。
【請求項16】
繊維の、段階b)の充填剤および/または顔料に対する重量比が、乾燥重量基準で、1:10から7:1であることを特徴とする、請求項15に記載の使用。
【請求項17】
繊維の、段階b)の充填剤および/または顔料に対する重量比が、乾燥重量基準で、1:5から5:1であることを特徴とする、請求項15に記載の使用。
【請求項18】
繊維の、段階b)の充填剤および/または顔料に対する重量比が、乾燥重量基準で、1:3から3:1であることを特徴とする、請求項15に記載の使用。
【請求項19】
繊維の、段階b)の充填剤および/または顔料に対する重量比が、乾燥重量基準で、1:2から2:1であることを特徴とする、請求項15に記載の使用。
【請求項20】
繊維の、段階b)の充填剤および/または顔料に対する重量比が、乾燥重量基準で、1:1.5から1.5:1であることを特徴とする、請求項15に記載の使用。
【請求項21】
繊維の、段階b)の充填剤および/または顔料に対する重量比が、乾燥重量基準で、1:1であることを特徴とする、請求項15に記載の使用。
【請求項22】
フィブリル化段階が、ホモジナイザーまたは超微細摩擦粉砕機によって実行されることを特徴とする、請求項1から21のいずれか一項に記載の使用。
【請求項23】
繊維の、段階e)の充填剤および/または顔料に対する重量比が、乾燥重量基準で、1:9から99:1であることを特徴とする、請求項1から22のいずれか一項に記載の使用。
【請求項24】
繊維の、段階e)の充填剤および/または顔料に対する重量比が、乾燥重量基準で、1:3から9:1であることを特徴とする、請求項23に記載の使用。
【請求項25】
繊維の、段階e)の充填剤および/または顔料に対する重量比が、乾燥重量基準で、1:2から3:1であることを特徴とする、請求項23に記載の使用。
【請求項26】
繊維の、段階e)の充填剤および/または顔料に対する重量比が、乾燥重量基準で、2:1であることを特徴とする、請求項25に記載の使用。
【請求項27】
段階b)およびe)の充填剤および/または顔料の全含量が、複合材料の乾燥重量基準で、10重量%から95重量%であることを特徴とする、請求項1から26のいずれか一項に記載の使用。
【請求項28】
段階b)およびe)の充填剤および/または顔料の全含量が、複合材料の乾燥重量基準で、15重量%から90重量%であることを特徴とする、請求項27に記載の使用。
【請求項29】
段階b)およびe)の充填剤および/または顔料の全含量が、複合材料の乾燥重量基準で、20重量%から75重量%であることを特徴とする、請求項27に記載の使用。
【請求項30】
段階b)およびe)の充填剤および/または顔料の全含量が、複合材料の乾燥重量基準で、25重量%から67重量%であることを特徴とする、請求項27に記載の使用。
【請求項31】
段階b)およびe)の充填剤および/または顔料の全含量が、複合材料の乾燥重量基準で、33重量%から50重量%であることを特徴とする、請求項27に記載の使用。
【請求項32】
請求項1から31のいずれか一項の使用において記載される製造方法により得られる複合材料。