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特開2022-116245ピリジン誘導体およびHIV感染を処置するためのその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022116245
(43)【公開日】2022-08-09
(54)【発明の名称】ピリジン誘導体およびHIV感染を処置するためのその使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/14 20060101AFI20220802BHJP
   C07D 413/14 20060101ALI20220802BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20220802BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20220802BHJP
   A61P 31/18 20060101ALI20220802BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
C07D401/14 CSP
C07D413/14
C07D405/14
A61K31/4439
A61P31/18
A61K45/00
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088724
(22)【出願日】2022-05-31
(62)【分割の表示】P 2020543506の分割
【原出願日】2019-02-14
(31)【優先権主張番号】62/630,955
(32)【優先日】2018-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500029420
【氏名又は名称】ギリアード サイエンシーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ジェディミナス ブリズジス
(72)【発明者】
【氏名】エダ カナレス
(72)【発明者】
【氏名】チェンフン チョウ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル グラウプ
(72)【発明者】
【氏名】ジャヤオ リ
(72)【発明者】
【氏名】ローランド ディー. サイトウ
(72)【発明者】
【氏名】スコット ディー. シュローダー
(72)【発明者】
【氏名】ウィンストン シー. ツェ
(72)【発明者】
【氏名】チャオイン ウー
(72)【発明者】
【氏名】ジェニファー アール. ジャン
(57)【要約】
【課題】ピリジン誘導体およびHIV感染を処置するためのその使用を提供すること
【解決手段】本発明は、式(I)を有する化合物
またはその薬学的に受容可能な塩、およびそれを含む医薬組成物、それらの調製プロセス、ならびにそれらの投与によりHIV感染を処置および防止する方法を提供する。本出願は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)を阻害することができる化合物、そのような化合物を含む組成物および製剤、ならびにそのような化合物を使用および作製する方法に関する。HIV(すなわち、ヒト免疫不全ウイルス)感染の処置または予防のための化合物および方法を本明細書に提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
HIV感染

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)を阻害することができる化合物、そのような化合物を含む組成物および製剤、ならびにそのような化合物を使用および作製する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
Retroviridae科を含むプラス鎖一本鎖RNAウイルスとしては、ヒトおよび動物の多くの疾患を引き起こすOrthoretrovirinae亜科、Alpharetrovirus属、Betaretrovirus属、Gamaretrovirus属、Deltaretrovirus属、Epsilonretrovirus属、Lentivirus属、およびSpumavirus属のウイルスが挙げられる。Lentivirus属のうち、HIV-1の感染はヒトにおいてヘルパーT細胞の欠失および免疫機能障害に至り、免疫不全を引き起こし、日和見感染に対して脆弱になる。高活性抗レトロウイルス剤療法(HAART)を用いてHIV-1感染を処置することは、ウイルス量を低減し、疾患進行を大幅に遅延させるのに有効であると判明している(Hammer,
S.M., et al.;JAMA 2008, 300: 555-570)。しかし、これらの処置は、現在の治
療に対して抵抗性であるHIV株の出現に至る場合があった(Taiwo, B., International Journal of Infectious Diseases 2009, 13:552-559;Smith, R. J., et al., Science 2010, 327:697-701)。従って、出現しつつある薬剤耐性HIV変異体に
対して活性がある新規抗レトロウイルス剤を発見する必要性が差し迫っている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Hammer, S.M., et al.;JAMA 2008, 300: 555-570
【非特許文献2】Taiwo, B., International Journal of Infectious Diseases 2009, 13:552-559
【非特許文献3】Smith, R. J., et al., Science 2010, 327:697-701
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
HIV(すなわち、ヒト免疫不全ウイルス)感染の処置または予防のための化合物および方法を本明細書に提供する。
一部の実施形態では、式(I)の化合物:
【化1】
[式中、
Aは、3員~6員の炭素環であり、
nは、0、1、または2であり、
mは、0、1、または2であり、
は、5員~12員のヘテロアリールまたは5員~12員の複素環であり、ここでRのいずれの5員~12員のヘテロアリールまたは5員~12員の複素環も置換されていないか、または1、2、3、4もしくは5つのZ基で置換されており、ここで、前記Z基は同じであるか、または異なり、
各Zは独立して、(C~C)アルキル、(C~C)炭素環、ハロゲン、または-CNであり、ここでZのいずれの(C~C)アルキルまたは(C~C)炭素環も置換されていないか、または1、2、3、4もしくは5つのZ1a基で置換されており、ここで、前記Z1a基は同じであるか、または異なり、
各Z1aは独立して、ハロゲン、(C~C)炭素環、-OH、または-CNであり、Rは、水素、ハロゲン、-OH、または-CNであり、
は、(C~C)アルキルまたは3員~5員の複素環であり、ここで、前記(C~C)アルキルは置換されていないか、または1個、2個、もしくは3個のハロゲン原子で置換されており、
は、水素、-S(O)-(C~C)アルキル、-S(O)-(C~C)炭素環、または5員~6員のヘテロアリールであり、ここでRのいずれの-S(O)-(C~C)アルキル、-S(O)-(C~C)炭素環、または5員~6員のヘテロアリールも置換されていないか、または1、2、もしくは3つのZ基で置換されており、ここで、前記Z基は同じであるか、または異なり、
は、(C~C)アルキルまたは(C~C)炭素環であり、ここでいずれの(C~C)アルキルまたは(C~C)炭素環も置換されていないか、または1、2、もしくは3つのZ2a基で置換されており、ここで、前記Z2a基は同じであるか、または異なり、
2aは、ヒドロキシルまたはハロゲンであり、
は、水素またはハロゲンであり、
は、(C~C)アルキルである]
またはその薬学的に受容可能な塩を本明細書に開示する。
【0005】
一部の実施形態では、式(Ia)の化合物:
【化2】
[式中、
nは、0、1、または2であり、
mは、0または1であり、
は、5員~9員のヘテロアリールまたは5員~9員の複素環であり、ここでRのいずれの5員~9員のヘテロアリールまたは5員~9員の複素環も置換されていないか、または1、2、3、4もしくは5つのZ基で置換されており、ここで、前記Z基は同じであるか、または異なり、
各Zは独立して、(C~C)アルキル、(C~C)炭素環、またはハロゲンで
あり、ここでZのいずれの(C~C)アルキルまたは(C~C)炭素環も置換されていないか、または1、2、3、4もしくは5つのZ1a基で置換されており、ここで、前記Z1a基は同じであるか、または異なり、
各Z1aは独立して、ハロゲンまたは(C~C)炭素環であり、
は、水素またはヨージドであり、
は、(C~C)アルキルまたは3員~5員の複素環であり、ここで、前記(C~C)アルキルは置換されていないか、または2もしくは3個のハロゲン原子で置換されており、
は、水素、-S(O)-(C~C)アルキル、-S(O)-シクロプロピル、または5員のヘテロアリールであり、ここでRのいずれの-S(O)-(C~C)アルキル、-S(O)-シクロプロピル、または5員のヘテロアリールも置換されていないか、または1、2、もしくは3つのZ基で置換されており、ここで、前記Z基は同じであるか、または異なり、
は、(C~C)アルキルまたはシクロプロピルであり、ここで、いずれの(C~C)アルキルまたはシクロプロピルも置換されていないか、または1、2、もしくは3つのZ2a基で置換されており、ここで、前記Z2a基は同じであるか、または異なり、
2aは、ヒドロキシルまたはフッ素であり、
は、水素、塩素、またはフッ素であり、
は、(C~C)アルキルである]
またはその薬学的に受容可能な塩を本明細書に開示する。
【0006】
一部の実施形態では、nが、0、1、または2であり、
nが、0、1、または2であり、
mが、0または1であり、
が、置換されていないかまたは1、2、3、4もしくは5つのZ基で置換されている5員~9員のヘテロアリールであり、ここで、前記Z基は同じであるか、または異なり、
各Zが独立して、(C~C)アルキル、(C~C)炭素環、またはハロゲンであり、ここでZのいずれの(C~C)アルキルまたは(C~C)炭素環も置換されていないか、または1、2、3、4もしくは5つのZ1a基で置換されており、ここで、前記Z1a基は同じであるか、または異なり、
各Z1aが独立して、ハロゲンまたは(C~C)炭素環であり、
が、水素またはヨージドであり、
が、(C~C)アルキルまたは3員~5員の複素環であり、ここで、前記(C~C)アルキルは置換されていないか、または2もしくは3個のフッ素原子で置換されており、
が、水素、-S(O)-(C~C)アルキル、-S(O)-シクロプロピル、または5員のヘテロアリールであり、ここでRのいずれの-S(O)-(C~C)アルキル、-S(O)-シクロプロピル、または5員のヘテロアリールも置換されていないか、または1、2、もしくは3つのZ基で置換されており、ここで、前記Z基は同じであるか、または異なり、
が、(C~C)アルキルまたはシクロプロピルであり、ここで、いずれの(C~C)アルキルまたはシクロプロピルも置換されていないか、または1、2、もしくは3つのZ2a基で置換されており、ここで、前記Z2a基は同じであるか、または異なり、
2aが、ヒドロキシルまたはフッ素であり、
が、水素、塩素、またはフッ素であり、
が、メチルである、式(Ia)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を本明細書に開示する。
【0007】
一部の実施形態では、
nが、0、1、または2であり、
mが、0または1であり、
が、置換されていないかまたは1、2、3、4もしくは5つのZ基で置換されている5員~9員のヘテロアリールであり、ここで、前記Z基は同じであるか、または異なり、
各Zが独立して、(C~C)アルキル、(C~C)炭素環、またはハロゲンであり、ここでZのいずれの(C~C)アルキルまたは(C~C)炭素環も置換されていないか、または1、2、3、4もしくは5つのZ1a基で置換されており、ここで、前記Z1a基は同じであるか、または異なり、
各Z1aが独立して、ハロゲンまたは(C~C)炭素環であり、
が、水素であり、
が、(C~C)アルキルまたは4員の複素環であり、ここで、前記(C~C)アルキルは置換されていないか、または2もしくは3個のフッ素原子で置換されており、
が、-S(O)-(C~C)アルキル、-S(O)-シクロプロピル、または5員のヘテロアリールであり、ここでRのいずれの-S(O)-(C~C)アルキル、-S(O)-シクロプロピル、または5員のヘテロアリールも置換されていないか、または1、2、もしくは3つのZ基で置換されており、ここで、前記Z基は同じであるか、または異なり、
が、(C~C)アルキルまたはシクロプロピルであり、ここで、いずれの(C~C)アルキルまたはシクロプロピルも置換されていないか、または1、2、もしくは3つのZ2a基で置換されており、ここで、前記Z2a基は同じであるか、または異なり、
2aが、ヒドロキシルまたはフッ素であり、
が、水素、塩素、またはフッ素であり、
が、メチルである、式(Ia)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を本明細書に開示する。
【0008】
一部の実施形態では、式(Ib)の化合物:
【化3】
またはその薬学的に受容可能な塩を本明細書に開示する。
【0009】
一部の実施形態では、式(Ic)の化合物:
【化4】
またはその薬学的に受容可能な塩を本明細書に開示する。
【0010】
一部の実施形態では、式(Id)の化合物:
【化5】
またはその薬学的に受容可能な塩を本明細書に開示する。
【0011】
一部の実施形態では、式(Ie)の化合物:
【化6】
[式中、
およびXの各々は独立して、NまたはCHである]、
またはその薬学的に受容可能な塩を本明細書に開示する。
【0012】
一部の実施形態では、式(If)の化合物:
【化7】
[式中、
Xは、NまたはCHである]、
またはその薬学的に受容可能な塩を本明細書に開示する。
【0013】
一部の実施形態では、式(Ig)の化合物:
【化8】
[式中、
qは、0、1、2、または3であり、
、X、およびXの各々は独立して、NまたはCHである]、
またはその薬学的に受容可能な塩を本明細書に開示する。
【0014】
一部の実施形態では、式(Ih)の化合物:
【化9】
[式中、
qは、0、1、2、または3であり、
およびXの各々は独立して、NまたはCHである]、
またはその薬学的に受容可能な塩を本明細書に開示する。
【0015】
一部の実施形態では、式(Ii)の化合物:
【化10】
[式中、
qは、0、1、2、または3であり、
およびXの各々は独立して、NまたはCHである]、
またはその薬学的に受容可能な塩を本明細書に開示する。
【0016】
一部の実施形態では、式(Ij)の化合物:
【化11】
[式中、
qは、0、1、2、または3であり、
、X、およびXの各々は独立して、NまたはCHである]、
またはその薬学的に受容可能な塩を本明細書に開示する。
【0017】
一部の実施形態では、式(Ik)の化合物:
【化12】
[式中、
およびXの各々は独立して、NまたはCHである]、
またはその薬学的に受容可能な塩を本明細書に開示する。
【0018】
一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物またはその薬学的に受容可能な塩と、薬学的に受容可能なキャリアとを含む医薬組成物を本明細書に提供する。別の実施形態は、式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、If、Ig、Ih、Ii、IjおよびIkのいずれか1つの化合物を含む、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩と、薬学的に受容可能なキャリアとを含む医薬組成物を提供する。
【0019】
一部の実施形態では、式Iの化合物(例えば、式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、If、Ig、Ih、Ii、IjおよびIkのいずれか1つの化合物)またはその薬学的に受容可能な塩と、追加の治療剤とを含む医薬組成物であって、追加の治療剤が、プロテアーゼ阻害剤、逆トランスクリプターゼのHIV非ヌクレオシドもしくは非ヌクレオチド阻害剤、逆トランスクリプターゼのHIVヌクレオシドもしくはヌクレオチド阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、HIV非触媒部位(またはアロステリック)インテグラーゼ阻害剤、HIV侵入阻害剤、HIV成熟阻害剤、潜伏逆転剤、HIVカプシドを標的とする化合物、免疫ベースの治療剤、ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3K)阻害剤、HIV抗体、二重特異性抗体および/または「抗体様」治療用タンパク質、HIV
p17マトリックスタンパク質阻害剤、IL-13アンタゴニスト、ペプチジル-プロリルシス-トランスイソメラーゼAモジュレーター、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ阻害剤、補体C5a受容体アンタゴニスト、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤、HIV vif遺伝子モジュレーター、Vif二量化アンタゴニスト、HIV-1ウイルス感染因子阻害剤、TATタンパク質阻害剤、HIV-1 Nefモジュレーター、Hckチロシンキナーゼモジュレーター、混合系統キナーゼ-3(MLK-3)阻害剤、HIV-1スプライシング阻害剤、Revタンパク質阻害剤、インテグリンアンタゴニスト、核タンパク質阻害剤、スプライシング因子モジュレーター、COMMドメイン含有タンパク質1モジュレーター、HIVリボヌクレアーゼH阻害剤、レトロサイクリンモジュレーター、CDK-9阻害剤、樹状ICAM-3結合ノンインテグリン1阻害剤(dendritic ICAM-3 grabbing nonintegrin 1 inhibitor)、HIV GAGタンパク質阻害剤、HIV POLタンパク質阻害剤、補体因子Hモジュレーター、ユビキチンリガーゼ阻害剤、デオキシシチジンキナーゼ阻害剤、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤、プロタンパク質転換酵素PC9刺激因子、ATP依存性RNAヘリカーゼDDX3X阻害剤、逆トランスクリプターゼプライミング複合体阻害剤、G6PDおよびNADH-オキシダーゼ阻害剤、薬物動態学的エンハンサー、HIV遺伝子療法、HIVワクチン、およびこれらの組み合わせである、医薬組成物を本明細書に提供する。
【0020】
一部の実施形態では、哺乳動物(例えば、ヒト)におけるRetroviridaeウイルス感染(例えば、HIVウイルス感染)を処置する方法であって、式Iの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を哺乳動物に投与することを含む方法を本明細書に提供する。別の実施形態は、哺乳動物(例えば、ヒト)におけるRetroviridaeウイルス感染(例えば、HIVウイルス感染)を処置する方法であって、式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、If、Ig、Ih、Ii、IjおよびIkのいずれか1つの化合物を含む、本明細書に詳述される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を哺乳動物に投与することを含む方法を提供する。別の実施形態は、HIV感染の処置を必要とする患者におけるHIV感染を処置する方法であって、治療有効量の本明細書に詳述される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を患者に投与することを含む方法を提供する。
【0021】
一部の実施形態では、哺乳動物(例えば、ヒト)におけるHIVウイルスの増殖を阻害するか、AIDSを処置するか、またはAIDSもしくはARC症状の発症を遅延させる方法であって、式Iの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を哺乳動物に投与することを含む方法を本明細書に提供する。別の実施形態は、哺乳動物(例えば、ヒト)におけるHIVウイルスの増殖を阻害するか、AIDSを処置するか、またはAIDSもしくはARC症状の発症を遅延させる方法であって、式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、If、Ig、Ih、Ii、IjおよびIkのいずれか1つの化合物を含む、本明細書に詳述される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を哺乳動物に投与することを含む方法を提供する。
【0022】
一部の実施形態では、哺乳動物(例えば、ヒト)におけるHIV感染を処置する方法であって、式Iの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を哺乳動物に投与することを含む方法を本明細書に提供する。別の実施形態は、哺乳動物(例えば、ヒト)におけるHIV感染を処置する方法であって、式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、If、Ig、Ih、Ii、IjおよびIkのいずれか1つの化合物を含む、本明細書に詳述される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を哺乳動物に投与することを含む方法を提供する。
【0023】
一部の実施形態では、哺乳動物(例えば、ヒト)におけるHIV感染を処置する方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を、HIVプロテアーゼ阻害化合物、逆トランスクリプターゼのHIV非ヌクレオシド阻害剤、逆トランスクリプターゼのHIVヌクレオシド阻害剤、逆トランスクリプターゼのHIVヌクレオチド阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、gp41阻害剤、CXCR4阻害剤、gp120阻害剤、CCR5阻害剤、カプシド重合阻害剤、およびHIVを処置するための他の薬物、ならびにこれらの組み合わせからなる群より選択される、治療有効量の1種またはそれより多くの追加の治療剤と組み合わせて投与することを含む方法を本明細書に提供する。別の実施形態は、哺乳動物(例えば、ヒト)におけるHIV感染を処置する方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、If、Ig、Ih、Ii、IjおよびIkのいずれか1つの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を、HIVプロテアーゼ阻害化合物、逆トランスクリプターゼのHIV非ヌクレオシド阻害剤、逆トランスクリプターゼのHIVヌクレオシド阻害剤、逆トランスクリプターゼのHIVヌクレオチド阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、gp41阻害剤、CXCR4阻害剤、gp120阻害剤、CCR5阻害剤、カプシド重合阻害剤、およびHIVを処置するための他の薬物、ならびにこれらの組み合わせからなる群より選択される、治療有効量の1種またはそれより多くの追加の治療剤と組み合わせて投与することを含む方法を提供する。別の実施形態は、HIV感染の処置を必要とする患者におけるHIV感染を処置する方法であって、患者に、治療有効量の本明細書に記載される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を、治療有効量の追加の治療剤と組み合わせて投与することを含み、追加の治療剤が、HIVプロテアーゼ阻害化合物、逆トランスクリプターゼのHIV非ヌクレオシド阻害剤、逆トランスクリプターゼ
のHIVヌクレオシド阻害剤、逆トランスクリプターゼのHIVヌクレオチド阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、gp41阻害剤、CXCR4阻害剤、gp120阻害剤、CCR5阻害剤、カプシド重合阻害剤、または非触媒部位HIVインテグラーゼ部位阻害剤、およびこれらの組み合わせである、方法を提供する。
【0024】
一部の実施形態では、哺乳動物(例えば、ヒト)におけるHIV感染を処置する方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を、治療有効量の追加の治療剤と組み合わせて投与することを含み、追加の治療剤が、HIVプロテアーゼ阻害剤、逆トランスクリプターゼのHIV非ヌクレオシドもしくは非ヌクレオチド阻害剤、逆トランスクリプターゼのHIVヌクレオシドもしくはヌクレオチド阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、HIV非触媒部位インテグラーゼ阻害剤、HIV侵入阻害剤、HIV成熟阻害剤、潜伏逆転剤、HIVカプシドを標的とする化合物、免疫ベースの治療剤、ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3K)阻害剤、HIV抗体、二重特異性抗体、抗体様治療用タンパク質、HIV p17マトリックスタンパク質阻害剤、IL-13アンタゴニスト、ペプチジル-プロリルシス-トランスイソメラーゼAモジュレーター、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ阻害剤、補体C5a受容体アンタゴニスト、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤、HIV vif遺伝子モジュレーター、Vif二量化アンタゴニスト、HIV-1ウイルス感染因子阻害剤、TATタンパク質阻害剤、HIV-1 Nefモジュレーター、Hckチロシンキナーゼモジュレーター、混合系統キナーゼ-3(MLK-3)阻害剤、HIV-1スプライシング阻害剤、Revタンパク質阻害剤、インテグリンアンタゴニスト、核タンパク質阻害剤、スプライシング因子モジュレーター、COMMドメイン含有タンパク質1モジュレーター、HIVリボヌクレアーゼH阻害剤、レトロサイクリンモジュレーター、CDK-9阻害剤、樹状ICAM-3結合ノンインテグリン1阻害剤、HIV GAGタンパク質阻害剤、HIV POLタンパク質阻害剤、補体因子Hモジュレーター、ユビキチンリガーゼ阻害剤、デオキシシチジンキナーゼ阻害剤、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤、プロタンパク質転換酵素PC9刺激因子、ATP依存性RNAヘリカーゼDDX3X阻害剤、逆トランスクリプターゼプライミング複合体阻害剤、G6PDおよびNADH-オキシダーゼ阻害剤、薬物動態学的エンハンサー、HIV遺伝子療法、またはHIVワクチンである、方法を本明細書に提供する。別の実施形態は、哺乳動物(例えば、ヒト)におけるHIV感染を処置する方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、If、Ig、Ih、Ii、IjおよびIkのいずれか1つの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を、治療有効量の追加の治療剤と組み合わせて投与することを含み、追加の治療剤が、HIVプロテアーゼ阻害剤、逆トランスクリプターゼのHIV非ヌクレオシドもしくは非ヌクレオチド阻害剤、逆トランスクリプターゼのHIVヌクレオシドもしくはヌクレオチド阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、HIV非触媒部位インテグラーゼ阻害剤、HIV侵入阻害剤、HIV成熟阻害剤、潜伏逆転剤、HIVカプシドを標的とする化合物、免疫ベースの治療剤、ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3K)阻害剤、HIV抗体、二重特異性抗体、抗体様治療用タンパク質、HIV p17マトリックスタンパク質阻害剤、IL-13アンタゴニスト、ペプチジル-プロリルシス-トランスイソメラーゼAモジュレーター、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ阻害剤、補体C5a受容体アンタゴニスト、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤、HIV vif遺伝子モジュレーター、Vif二量化アンタゴニスト、HIV-1ウイルス感染因子阻害剤、TATタンパク質阻害剤、HIV-1 Nefモジュレーター、Hckチロシンキナーゼモジュレーター、混合系統キナーゼ-3(MLK-3)阻害剤、HIV-1スプライシング阻害剤、Revタンパク質阻害剤、インテグリンアンタゴニスト、核タンパク質阻害剤、スプライシング因子モジュレーター、COMMドメイン含有タンパク質1モジュレーター、HIVリボヌクレアーゼH阻害剤、レトロサイクリンモジュレーター、CDK-9阻害剤、樹状ICAM-3結合ノンインテグリン1阻害剤、HIV GAGタンパク質阻害剤、HIV POLタンパク質阻害剤、補体因子Hモジ
ュレーター、ユビキチンリガーゼ阻害剤、デオキシシチジンキナーゼ阻害剤、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤、プロタンパク質転換酵素PC9刺激因子、ATP依存性RNAヘリカーゼDDX3X阻害剤、逆トランスクリプターゼプライミング複合体阻害剤、G6PDおよびNADH-オキシダーゼ阻害剤、薬物動態学的エンハンサー、HIV遺伝子療法、またはHIVワクチンである、方法を提供する。別の実施形態は、HIV感染の処置を必要とする患者におけるHIV感染を処置する方法であって、患者に、治療有効量の本明細書に記載される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を、治療有効量の追加の治療剤と組み合わせて投与することを含み、追加の治療剤が、HIVプロテアーゼ阻害剤、逆トランスクリプターゼのHIV非ヌクレオシドもしくは非ヌクレオチド阻害剤、逆トランスクリプターゼのHIVヌクレオシドもしくはヌクレオチド阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、HIV非触媒部位インテグラーゼ阻害剤、HIV侵入阻害剤、HIV成熟阻害剤、潜伏逆転剤、HIVカプシドを標的とする化合物、免疫ベースの治療剤、ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3K)阻害剤、HIV抗体、二重特異性抗体、抗体様治療用タンパク質、HIV p17マトリックスタンパク質阻害剤、IL-13アンタゴニスト、ペプチジル-プロリルシス-トランスイソメラーゼAモジュレーター、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ阻害剤、補体C5a受容体アンタゴニスト、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤、HIV vif遺伝子モジュレーター、Vif二量化アンタゴニスト、HIV-1ウイルス感染因子阻害剤、TATタンパク質阻害剤、HIV-1 Nefモジュレーター、Hckチロシンキナーゼモジュレーター、混合系統キナーゼ-3(MLK-3)阻害剤、HIV-1スプライシング阻害剤、Revタンパク質阻害剤、インテグリンアンタゴニスト、核タンパク質阻害剤、スプライシング因子モジュレーター、COMMドメイン含有タンパク質1モジュレーター、HIVリボヌクレアーゼH阻害剤、レトロサイクリンモジュレーター、CDK-9阻害剤、樹状ICAM-3結合ノンインテグリン1阻害剤、HIV GAGタンパク質阻害剤、HIV POLタンパク質阻害剤、補体因子Hモジュレーター、ユビキチンリガーゼ阻害剤、デオキシシチジンキナーゼ阻害剤、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤、プロタンパク質転換酵素PC9刺激因子、ATP依存性RNAヘリカーゼDDX3X阻害剤、逆トランスクリプターゼプライミング複合体阻害剤、G6PDおよびNADH-オキシダーゼ阻害剤、薬物動態学的エンハンサー、HIV遺伝子療法、またはHIVワクチンである、方法を提供する。
【0025】
一部の実施形態では、哺乳動物(例えば、ヒト)におけるHIV感染を処置する方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を、HIVプロテアーゼ阻害化合物、逆トランスクリプターゼのHIV非ヌクレオシド阻害剤、逆トランスクリプターゼのHIVヌクレオシド阻害剤、逆トランスクリプターゼのHIVヌクレオチド阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、gp41阻害剤、CXCR4阻害剤、gp120阻害剤、CCR5阻害剤、カプシド重合阻害剤、および非触媒部位HIVインテグラーゼ阻害剤、ならびにこれらの組み合わせからなる群より選択される、治療有効量の1種またはそれより多くの追加の治療剤と組み合わせて投与することを含む方法を本明細書に提供する。別の実施形態は、哺乳動物(例えば、ヒト)におけるHIV感染を処置する方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、If、Ig、Ih、Ii、IjおよびIkのいずれか1つの化合物を含む、本明細書に詳述される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を、HIVプロテアーゼ阻害化合物、逆トランスクリプターゼのHIV非ヌクレオシド阻害剤、逆トランスクリプターゼのHIVヌクレオシド阻害剤、逆トランスクリプターゼのHIVヌクレオチド阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、gp41阻害剤、CXCR4阻害剤、gp120阻害剤、CCR5阻害剤、カプシド重合阻害剤、および非触媒部位HIVインテグラーゼ阻害剤、ならびにこれらの組み合わせからなる群より選択される、治療有効量の1種またはそれより多くの追加の治療剤と組み合わせて投与することを含む方法を提供する。
【0026】
一部の実施形態では、医学的治療において使用するため(例えば、哺乳動物(例えば、ヒト)におけるRetroviridaeウイルス感染(例えば、HIVウイルス感染)もしくはHIVウイルスの増殖もしくはAIDSを処置する際に、またはAIDSもしくはARC症状の発症を遅延させる際に使用するため)の、式Iの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を本明細書に提供する。別の実施形態は、医学的治療において使用するため(例えば、哺乳動物(例えば、ヒト)におけるRetroviridaeウイルス感染(例えば、HIVウイルス感染)もしくはHIVウイルスの増殖もしくはAIDSを処置する際に、またはAIDSもしくはARC症状の発症を遅延させる際に使用するため)の、式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、If、Ig、Ih、Ii、IjおよびIkのいずれか1つの化合物を含む、本明細書に詳述される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を提供する。
【0027】
一部の実施形態では、哺乳動物(例えば、ヒト)におけるRetroviridaeウイルス感染(例えば、HIVウイルス感染)もしくはHIVウイルスの増殖もしくはAIDSを処置するための医薬またはAIDSもしくはARC症状の発症を遅延させるための医薬の製造において使用するための、式Iの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を本明細書に提供する。別の実施形態は、哺乳動物(例えば、ヒト)におけるRetroviridaeウイルス感染(例えば、HIVウイルス感染)もしくはHIVウイルスの増殖もしくはAIDSを処置するための医薬またはAIDSもしくはARC症状の発症を遅延させるための医薬の製造において使用するための、式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、If、Ig、Ih、Ii、IjおよびIkのいずれか1つの化合物を含む、本明細書に詳述される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を提供する。
【0028】
一部の実施形態では、Retroviridaeウイルス、HIVウイルスの増殖、またはAIDSの予防処置(例えば、予防)または治療処置において使用するための、あるいはAIDSまたはARC症状の発症を遅延させる治療処置において使用するための、式Iの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を本明細書に提供する。別の実施形態は、Retroviridaeウイルス、HIVウイルスの増殖またはAIDSの予防処置(例えば、予防)または治療処置において使用するための、あるいはAIDSまたはARC症状の発症を遅延させる治療処置において使用するための、式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、If、Ig、Ih、Ii、IjおよびIkのいずれか1つの化合物を含む、本明細書に詳述される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を提供する。
【0029】
一部の実施形態では、Retroviridaeウイルス感染(例えば、HIVウイルス感染)の予防処置(例えば、予防)または治療処置において使用するための、式Iの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を本明細書に提供する。別の実施形態は、Retroviridaeウイルス感染(例えば、HIVウイルス感染)の予防処置(例えば、予防)または治療処置において使用するための、式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、If、Ig、Ih、Ii、IjおよびIkのいずれか1つの化合物を含む、本明細書に詳述される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を提供する。
【0030】
一部の実施形態では、Retroviridaeウイルス感染(例えば、HIVウイルス感染)の予防において使用するための、式Iの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を本明細書に提供する。別の実施形態は、Retroviridaeウイルス感染(例えば、HIVウイルス感染)の予防において使用するための、式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、If、Ig、Ih、Ii、IjおよびIkのいずれか1つの化合物を含む、本明細書に詳述される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を提供する。
【0031】
一部の実施形態では、哺乳動物(例えば、ヒト)におけるRetroviridaeウイルス感染(例えば、HIVウイルス感染)のための医薬を製造するための、式Iの化合
物、またはその薬学的に受容可能な塩の使用を本明細書に提供する。別の実施形態は、哺乳動物(例えば、ヒト)におけるRetroviridaeウイルス感染(例えば、HIVウイルス感染)のための医薬を製造するための、式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、If、Ig、Ih、Ii、IjおよびIkのいずれか1つの化合物を含む、本明細書に詳述される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を提供する。
【0032】
一部の実施形態では、式Iの化合物またはその塩を調製するのに有用なプロセスおよび中間体を本明細書に提供する。別の実施形態は、式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、If、Ig、Ih、Ii、IjおよびIkのいずれか1つの化合物、またはそれらの塩を調製するのに有用な本明細書に開示されるプロセスおよび中間体を提供する。
【0033】
実施形態、目的、特徴および利点は、以下の実施形態の詳細な説明に記述され、一部分は、特許請求された発明の他の説明から自明であるか、または実施により知ることができる。これらの目的および利点は、本明細書およびその特許請求の範囲において特に指摘されるプロセスおよび組成物によって実現および達成される。上述の発明の概要は、それが、本明細書に開示される実施形態の一部を示す簡単で概括的な摘要とみなされるべきであり、読者の利益および便宜のために提供されているにすぎず、添付の特許請求の範囲が法律上正当に与えられる範囲または均等物の幅をいかなる様式においても限定するためのものではないという了解のもとに作製された。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下の説明は、本開示が、特許請求された主題事項の例証とみなされるべきであり、添付の特許請求の範囲を例示される具体的な実施形態に限定するためのものではないという了解のもとに行われる。本開示全体にわたって使用される見出しは、便宜上設けられているにすぎず、決して特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきでない。任意の見出しの下に例示される実施形態と、他の任意の見出しの下に例示される実施形態とを組み合わせることができる。
I. 定義
【0035】
別段の定義がない限り、本明細書で用いられる技術用語および科学用語はすべて、当業者によって通常理解される意味と同じ意味をもつ。化学基の先頭または末尾のダッシュは、便宜上のものであり、化学基は、その通常の意味を失うことなく、1つまたは複数のダッシュを用いてまたは用いずに表すことができる。構造の線を通るように描かれた波線は、基の結合点を示す。例えば、
【化13】
【0036】
破線は、必要に応じた結合を示す。化学基の先頭または末尾のダッシュは、便宜上のものであり、化学基は、その通常の意味を失うことなく、1つまたは複数のダッシュを用いてまたは用いずに表すことができる。使用される場合ダッシュは結合点を示し、例えば、-S(O)(R)=NRは、Sに結合点がある以下の構造を示す。
【化14】
【0037】
「Cu~v」、「(Cu~v)」、または(C~C)などの接頭辞は、次に続く基
がu~v個の炭素原子を有することを示す。例えば、「C1~6アルキル」、「(C1~6)アルキル」、および「(C~C)アルキル」は、アルキル基が1個~6個の炭素原子を有することを示す。
【0038】
別段の記載がない限り、本明細書で用いられる以下の用語および語句は、以下の意味を有することを意図される。
【0039】
販売名が本明細書で用いられる場合、出願人らは、販売名製品およびその販売名製品の活性医薬成分(複数可)を独立して含むことを意図する。
【0040】
「アルキル」は、直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素である。例えば、アルキル基は、1個~8個の炭素原子(すなわち、(C~C)アルキル)、または1個~6個の炭素原子(すなわち、(C~Cアルキル)、または1個~4個の炭素原子(すなわち、(C~C)アルキル)を有することができる。適切なアルキル基の例としては、メチル(Me、-CH)、エチル(Et、-CHCH)、1-プロピル(n-Pr、n-プロピル、-CHCHCH)、2-プロピル(i-Pr、i-プロピル、-CH(CH)、1-ブチル(n-Bu、n-ブチル、-CHCHCHCH)、2-メチル-1-プロピル(i-Bu、i-ブチル、-CHCH(CH)、2-ブチル(s-Bu、s-ブチル、-CH(CH)CHCH)、2-メチル-2-プロピル(t-Bu、t-ブチル、-C(CH)、1-ペンチル(n-ペンチル、-CHCHCHCHCH)、2-ペンチル(-CH(CH)CHCHCH)、3-ペンチル(-CH(CHCH)、2-メチル-2-ブチル(-C(CHCHCH)、3-メチル-2-ブチル(-CH(CH)CH(CH)、3-メチル-1-ブチル(-CHCHCH(CH)、2-メチル-1-ブチル(-CHCH(CH)CHCH)、1-ヘキシル(-CHCHCHCHCHCH)、2-ヘキシル(-CH(CH)CHCHCHCH)、3-ヘキシル(-CH(CHCH)(CHCHCH))、2-メチル-2-ペンチル(-C(CHCHCHCH)、3-メチル-2-ペンチル(-CH(CH)CH(CH)CHCH)、4-メチル-2-ペンチル(-CH(CH)CHCH(CH)、3-メチル-3-ペンチル(-C(CH)(CHCH)、2-メチル-3-ペンチル(-CH(CHCH)CH(CH)、2,3-ジメチル-2-ブチル(-C(CHCH(CH)、3,3-ジメチル-2-ブチル(-CH(CH)C(CH、およびオクチル(-(CHCH)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】
「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素-炭素sp二重結合を含む直鎖または分枝鎖の炭化水素である。例えば、アルケニル基は、2個~8個の炭素原子(すなわち、C~Cアルケニル)、または2個~6個の炭素原子(すなわち、C~Cアルケニル)を有することができる。適切なアルケニル基の例としては、エチレンまたはビニル(-CH=CH)、アリル(-CHCH=CH)および5-ヘキセニル(-CHCHCHCHCH=CH)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0042】
「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素-炭素sp三重結合を含む直鎖または分枝鎖の炭化水素である。例えば、アルキニル基は、2個~8個の炭素原子(すなわち、C~Cアルキン)、または2個~6個の炭素原子(すなわち、C~Cアルキニル)を有することができる。適切なアルキニル基の例としては、アセチレニック(-C≡CH)、プロパルギル(-CHC≡CH)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0043】
本明細書で用いられる「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを指す。
【0044】
本明細書で用いられる「ハロアルキル」という用語は、アルキルの1個または複数の水素原子の各々が独立してハロ置換基によって置き換えられている、本明細書に定義されるアルキルを指す。例えば、(C~C)ハロアルキルは、(C~C)アルキルの水素原子のうちの1個または複数がハロ置換基によって置き換えられている(C~C)アルキルである。ハロアルキルの例としては、フルオロメチル、フルオロクロロメチル、ジフルオロメチル、ジフルオロクロロメチル、トリフルオロメチル、1,1,1,トリフルオロエチルおよびペンタフルオロエチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0045】
本明細書で用いられる「ヘテロアルキル」という用語は、アルキルの炭素原子のうちの1個または複数がO、S、またはNRによって(または、置き換えられる炭素原子が末端の炭素である場合、OH、SHまたはN(R)で)置き換えられており、ここで、各Rは独立して、Hまたは(C~C)アルキルである、本明細書に定義されるアルキルを指す。例えば、(C~C)ヘテロアルキルとしては、1個~8個の炭素および1個または複数のヘテロ原子(例えば、O、S、NR、OH、SHまたはN(R))のヘテロアルキルが挙げられる。従って、例えば、Cヘテロアルキルは、例えば-CH-NHを包含する。ヘテロアルキルの例としては、メトキシメチル、エトキシメチル、メトキシ、2-ヒドロキシエチルおよびN,N’-ジメチルプロピルアミンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0046】
用語「アリール」とは、本明細書中で使用される場合、全てが炭素である単一の芳香環、または全てが炭素である縮合した複数環の系であって、これらの環のうちの少なくとも1つが芳香族である、環の系をいう。例えば、特定の実施形態において、アリール基は、6個~20個の炭素原子、6個~14個の炭素原子、または6個~12個の炭素原子を有する。アリールは、フェニルラジカルを包含する。アリールはまた、約9個~20個の炭素原子を有する縮合した複数環の系(例えば、2個、3個または4個の環を含む環系)であって、少なくとも1個の環が芳香族であり、そして他の環は、芳香族であっても芳香族ではなくても(すなわち、炭素環)よい、環の系を包含する。このような縮合した複数環の系は、1個またはそれより多く(例えば、1個、2個または3個)のオキソ基で、この縮合した複数環の系の任意の炭素環部分において、必要に応じて置換されている。この縮合した複数環の系の環は、原子価の要件により許容される場合、縮合、スピロまたは橋架けの結合を介して、互いに接続され得る。上で定義されたとおりの縮合した複数環の系の結合点が、環の芳香族または炭素環部分を含む、環系のいずれの位置でもよいことは理解されるべきである。特定の原子範囲の員の数のアリール(例えば、6~12員のアリール)が参照される場合、この原子範囲は、そのアリールの全環原子についてであることもまた理解されるべきである。例えば、6員アリールはフェニルを含み、そして10員アリールはナフチルおよび1,2,3,4-テトラヒドロナフチルを含む。アリール基の非限定的な例としては、フェニル、インデニル、ナフチル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、およびアントラセニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0047】
本明細書で用いられる「ヘテロアリール」という用語は、環に酸素、窒素および硫黄からなる群より選択される炭素以外の原子を少なくとも1個有する単一の芳香環を指し、「ヘテロアリール」は、そのような芳香環を少なくとも1つ有する縮合した複数環の系も含み、それらの縮合した複数環の系はさらに後述される。従って、「ヘテロアリール」は、炭素原子を約1個~6個、ならびに酸素、窒素および硫黄からなる群より選択されるヘテロ原子を約1個~4個有する単一の芳香環を含む。硫黄および窒素原子は、環が芳香族であることを条件として、酸化型で存在していてもよい。例示的なヘテロアリール環系としては、ピリジル、ピリミジニル、オキサゾリルまたはフリルが挙げられるが、これらに限定されない。「ヘテロアリール」は、縮合した複数環の系(例えば、2つ、3つまたは4つの環を含む環系)も含み、上で定義されたようなヘテロアリール基を、ヘテロアリール
(例えば、1,8-ナフチリジニルを形成する)、複素環(例えば、1,2,3,4-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジニルを形成する)、炭素環(例えば、5,6,7,8-テトラヒドロキノリルを形成する)およびアリール(例えば、インダゾリルを形成する)から選択される1つまたは複数の環と縮合させて、縮合した複数環の系が形成される。従って、ヘテロアリール(単一の芳香環または縮合した複数環の系)は、ヘテロアリール環内に約1個~20個の炭素原子および約1個~6個のヘテロ原子を有する。そのような縮合した複数環の系は、縮合環の炭素環または複素環部分が1つまたは複数(例えば、1つ、2つ、3つまたは4つ)のオキソ基で必要に応じて置換されていてもよい。縮合した複数環の系の環は、原子価の要件により許容される場合、縮合、スピロおよび架橋結合を介して互いに接続されうる。縮合した複数環の系の個々の環が、互いに対していかなる順序で接続されてもよいことは理解されるべきである。縮合した複数環の系の結合点が(ヘテロアリールについて上で定義されたとおり)、縮合した複数環の系のヘテロアリール、複素環、アリールまたは炭素環部分を含む、縮合した複数環の系のいずれの位置でもよいことも理解されるべきである。ヘテロアリールまたはヘテロアリール縮合した複数環の系の結合点が、炭素原子およびヘテロ原子(例えば、窒素)を含む、ヘテロアリールまたはヘテロアリール縮合した複数環の系の任意の適切な原子でよいことも理解されるべきである。ある特定の原子範囲の員数のヘテロアリール(例えば、5員~14員のヘテロアリール)が言及される場合、原子範囲は、ヘテロアリールの全環原子の範囲であり、炭素原子およびヘテロ原子を含むことも理解すべきである。例えば、5員のヘテロアリールは、チアゾリルを含み、10員のヘテロアリールは、キノリニルを含む。例示的なヘテロアリールとしては、ピリジル、ピロリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、チエニル、インドリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、フリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、キノリル、イソキノリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、インダゾリル、キノキサリル、キナゾリル、5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリニル ベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、チアナフテニル、ピロロ[2,3-b]ピリジニル、キナゾリニル-4(3H)-オン、トリアゾリル、4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール、および3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
本明細書で用いられる「C連結ヘテロアリール」(炭素連結ヘテロアリール)という用語は、ヘテロアリールの炭素原子において式Iの化合物の残部に連結しているヘテロアリール(例えば、C連結ヘテロアリールの炭素原子を介して式IのA環に結合しているZのC連結ヘテロアリール)を指す。
【0049】
本明細書で用いられる「ヘテロシクリル」または「複素環」という用語は、環に酸素、窒素および硫黄からなる群より選択される炭素以外の原子を少なくとも1個有する飽和または部分不飽和の単環を指し、この用語は、そのような飽和または部分不飽和環を少なくとも1つ有する縮合した複数環の系も含み、それらの縮合した複数環の系はさらに後述される。従って、この用語は、環に炭素原子を約1個~6個、ならびに酸素、窒素および硫黄からなる群より選択されるヘテロ原子を約1個~3個有する飽和または部分不飽和の単環(例えば、3員、4員、5員、6員または7員の環)を含む。環は、1つまたは複数(例えば、1つ、2つまたは3つ)のオキソ基で置換されてもよく、硫黄および窒素原子は、それらの酸化型で存在していてもよい。例示的な複素環としては、アゼチジニル、テトラヒドロフラニルおよびピペリジニルが挙げられるが、これらに限定されない。「複素環」という用語は、縮合した複数環の系(例えば、2つ、3つまたは4つの環を含む環系)も含み、(上で定義されたとおりの)単一の複素環の環を、複素環(例えば、1,8-デカヒドロナフチリジニル(1,8-decahydronapthyridinyl)を形成する)、炭素環(例えば、デカヒドロキノリルを形成する)およびアリールから選択される1つまたは複数の基と縮合させて、縮合した複数環の系が形成されうる。従って、複素環(飽和もしくは部分不
飽和の単環、または縮合した複数環の系)は、複素環の環内に約2個~20個の炭素原子および1個~6個のヘテロ原子を有する。そのような縮合した複数環の系は、多重縮合環の炭素環または複素環部分が1つまたは複数(例えば、1つ、2つ、3つまたは4つ)のオキソ基で必要に応じて置換されていてもよい。縮合した複数環の系の環は、原子価の要件により許容される場合、縮合、スピロおよび架橋結合を介して互いに接続されうる。縮合した複数環の系の個々の環は、互いに対していかなる順序で接続されてもよいことは理解されるべきである。縮合した複数環の系の結合点は(複素環について上で定義されたとおり)、環の複素環、アリールおよび炭素環部分を含めて、縮合した複数環の系のいずれの位置でもよいことも理解されるべきである。複素環または複素環縮合した複数環の系の結合点は、炭素原子およびヘテロ原子(例えば、窒素)を含めて、複素環または複素環縮合した複数環の系の任意の適切な原子でよいことも理解されるべきである。ある特定の原子範囲の員数の複素環(例えば、3員~14員の複素環)が言及される場合、原子範囲は、複素環の全環原子の範囲であり、炭素原子およびヘテロ原子を含むことも理解されるべきである。例えば、3員の複素環は、アジリジニルを含み、10員の複素環は、1,2,3,4-テトラヒドロキノリルを含む。例示的な複素環としては、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロオキサゾリル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1,2,3,4-テトラヒドロキノリル、ベンゾオキサジニル、ジヒドロオキサゾリル、クロマニル、1,2-ジヒドロピリジニル、2,3-ジヒドロベンゾフラニル、1,3-ベンゾジオキソリル、1,4-ベンゾジオキサニル、スピロ[シクロプロパン-1,1’-イソインドリニル]-3’-オン、イソインドリニル-1-オン、2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタニル、イミダゾリジン-2-オンおよびピロリジン-2-オンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
本明細書で用いられる「C連結複素環」(炭素連結複素環)という用語は、複素環の炭素原子において式Iの化合物の残部に連結している複素環を指す。
【0051】
「炭素環」という用語は、環式のアルキルおよびアルケニル基を指す。炭素環基は、1つまたは複数の環式環を有することができ、完全飽和または部分不飽和の縮合および架橋基を含む。例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチル、メチルシクロプロピル(methylcycloproyl)(シクロプロピルメチル)、エチルシクロプロピル、シクロヘキセニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0052】
「縮合」という用語は、隣接する環に結合している環を指す。
【0053】
「架橋」とは、環上の隣接しない原子が二価置換基(例えば、アルキレニル基もしくはヘテロアルキレニル基)または1個のヘテロ原子によって連結されている、環縮合をいう。キヌクリジニルおよびアダマンタニルが、架橋環系の例である。
【0054】
「スピロ」とは、同じ炭素原子において2個の結合によって連結されている、環置換基をいう。スピロ基の例としては、1,1-ジエチルシクロペンタン、ジメチル-ジオキソラン、および4-ベンジル-4-メチルピペリジンが挙げられ、ここでシクロペンタンおよびピペリジンがそれぞれ、スピロ置換基である。
【0055】
語句「A環の結合点に対してメタ(3)位」とは、置換基(例えば、-CN)が結合している、下記で矢印により示されているその環上の位置をいい、ここでzは、炭素原子または窒素を表す:
【化15】
【0056】
同様に、パラ(4)位の置換基とは、(例えばB環の)結合点に対して、下記に示される位置での置換基の結合をいう:
【化16】
【0057】
同様に、オルトまたは2位とは、結合点に対して、下記に示される位置での置換基の結合をいう:
【化17】
【0058】
本明細書で用いられる「ハロフェニル」という用語は、フェニルの1個または複数(例えば、1個、2個、3個、4個または5個)の水素原子の各々が独立してハロ置換基によって置き換えられているフェニルを指す。ハロフェニルの例としては、フルオロフェニル、2,3-ジクロロフェニル、3-ブロモ-4-フルオロフェニルおよびペンタフルオロフェニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0059】
本明細書で用いられる「ハロヘテロアリール」という用語は、ヘテロアリールの1個または複数(例えば、1個、2個、3個、4個または5個)の水素原子の各々が独立してハロ置換基によって置き換えられているヘテロアリールを指す。ハロヘテロアリールの例としては、2-フルオロフリル、2,3-ジクロロピリジニルおよび8-クロロ-3-フルオロキノリニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0060】
本明細書で用いられる「ハロ複素環」という用語は、複素環の1個または複数(例えば、1個、2個、3個、4個または5個)の水素原子の各々が独立してハロ置換基によって置き換えられている複素環を指す。ハロヘテロアリールの例としては、2-フルオロピペリジニル、2-クロロ-3-フルオロピペラジニルおよび3-ブロモピロリジニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0061】
当業者は、受容可能な程度に安定な医薬組成物に製剤化することができる薬学的に有用な化合物を提供するのに十分に安定な化合物を提供するために、式Iの化合物の置換基および他の部分を選択するべきであることを認識している。そのような安定性を有する式Iの化合物は、本発明の範囲内に入るものと考えられる。同様に、当業者は、受容可能な程度に安定な医薬組成物に製剤化することができる薬学的に有用な化合物を提供するのに十分に安定な化合物を提供するために、式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、If、Ig、Ih、Ii、IjおよびIkのいずれか1つの化合物を含む、本明細書に詳述される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩の置換基および他の部分を選択するべきであることを認識する。そのような安定性を有する本明細書に詳述される化合物は、本発明の範囲
内に入るものと考えられる。
【0062】
量と一緒に使用される「約」という修飾語は、表示された値を含み、文脈によって指示される意味を有する(例えば、特定の量の測定に伴う誤差の程度を含む)。「約」という単語は、化学的測定値の文脈(例えば、約50mgまたはpH約7)の中で「~」によって記号で表すこともできる。
【0063】
本明細書中で使用される場合、「処置」または「処置する」とは、有利なまたは所望の結果を得るためのアプローチである。本開示の目的で、有利なまたは所望の結果としては、疾患または状態に関連する症状の軽減および/または症状の程度の縮小および/または症状の悪化の予防が挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態において、「処置」または「処置する」は、以下のもののうちの1つまたはそれより多くを含む:a)疾患または状態を抑制すること(例えば、その疾患もしくは状態から生じる1つまたはそれより多くの症状を減少させること、および/またはその疾患もしくは状態の症状の程度を縮小させること);b)疾患または状態に関連する1つまたはそれより多くの症状の発症を遅くするかまたは止めること(例えば、その疾患もしくは状態を安定化させること、その疾患もしくは状態の悪化もしくは進行を遅延させること);ならびに/あるいはc)疾患または状態を軽減すること、例えば、臨床症状の後退を引き起こすこと、疾患状態を軽減すること、疾患の進行を遅延させること、生活の質を増大させること、および/または生存を延長すること。
【0064】
本明細書中で使用される場合、疾患または状態の発症を「遅延させること」とは、この疾患または状態の発症を遅延させ、妨げ、遅くし、遅らせ、安定化させ、そして/または延期することを意味する。この遅延は、疾患の病歴および/または処置される被験体に依存して、時間の長さを変化させることであり得る。十分または有意な遅延は、実際には、被験体がその疾患または状態を発症しない点で、予防を包含し得る。例えば、AIDSの発症を「遅延させる」方法とは、この方法を使用しない場合と比較して、所定の時間枠内での疾患の発症の可能性を減少させる方法、および/または所定の時間枠内での疾患の程度を減少させる方法である。このような比較は、統計学的に有意な数の被験体を使用する臨床研究に基づき得る。例えば、AIDSの発症は、被験体のHIV状態を確認して、この被験体のT細胞計数またはAIDS発症の他の指標(例えば、過剰な疲労、体重減少、持続的な下痢、高熱、頸部、腋窩もしくは鼡径部における腫脹したリンパ節、またはAIDSと関連することが公知である日和見性の状態(例えば、免疫系が機能している被験体には一般的に存在しないが、AIDS患者には起こる状態)の存在)を評価することなどの、公知の方法を使用して検出され得る。発症とはまた、最初は検出不可能であり得る疾患の進行をいい得、発生、再発および病発を包含する。
【0065】
本明細書中で使用される場合、「予防」または「予防する」とは、疾患の臨床症状が発症しないように、疾患または障害の病発に対して保護するレジメンをいう。従って、「予防」は、その疾患の兆候が被験体において検出可能になる前に、被験体に治療を施すこと(例えば、治療物質の投与)に関連する(例えば、被験体中に検出可能な感染因子(例えば、ウイルス)が存在しない状態での、被験体への治療物質の投与)。この被験体は、疾患または障害を発症する危険がある個体、例えば、その疾患または障害の発症または病発に関連することが既知である1つまたはそれより多くの危険因子を有する個体であり得る。従って、用語「HIV感染を予防する」とは、検出可能なHIV感染を有さない被験体に、抗HIV治療物質を投与することをいう。抗HIV予防治療のための被験体は、HIVウイルスと接触する危険がある個体であり得ることが理解される。さらに、予防は、疾患または障害の病発に対する完全な保護を生じないかもしれないことが理解される。一部の例において、予防は、疾患または障害を発症する危険性を減少させることを含む。危険性の減少は、疾患または障害の発症の危険性の完全な排除をもたらさないかもしれない。
【0066】
本明細書中で使用される場合、「危険がある」個体とは、処置されるべき状態を発症する危険がある個体である。「危険がある」個体は、検出可能な疾患または状態を有しても有さなくてもよく、そして本明細書中に記載される方法の処置の前に、検出可能な疾患を表示していても表示していなくてもよい。「危険がある」とは、個体が1つまたはそれより多くのいわゆる危険因子を有することをいい、危険因子とは、疾患または状態の発症に結び付けられる測定可能なパラメータであり、当該分野において公知である。これらの危険因子のうちの1つまたはそれより多くを有する個体は、これらの危険因子(単数または複数)を有さない個体よりも高い、疾患または状態を発症する可能性を有する。例えば、AIDSの危険がある個体は、HIVを有する個体である。
【0067】
本明細書中で使用される場合、用語「治療有効量」または「有効量」とは、所望の生物学的または医学的応答を惹起するために有効な量(疾患を処置するために被験体に投与される場合に、この疾患のそのような処置を行うために十分な化合物の量を含む)、または疾患の罹患もしくは病発に対して保護するために有効な量をいう。有効量は、化合物、疾患およびその重篤度、ならびに処置されるべき被験体の年齢、体重などに依存して変わる。有効量は、ある範囲の量を含み得る。当該分野において理解されるように、有効量は、1つまたはそれより多くの用量中にあり得、すなわち、単一用量または複数用量が、所望の処置結果を達成するために必要とされ得る。有効量は、1種またはそれより多くの治療剤を投与する文脈で考慮され得、そして1種またはそれより多くの他の薬剤と一緒になって、所望または有利な結果が達成され得るかまたは達成される場合、単一の薬剤が、有効量で与えられると考えられ得る。任意の共投与される化合物の適切な用量は、これらの化合物の合わせられた作用(例えば、相加効果または相乗効果)に起因して、必要に応じて低下され得る。
立体異性体
【0068】
本明細書に用いられる立体化学の定義および慣行は、概してS. P. Parker, Ed., McGraw-Hill Dictionary of Chemical Terms (1984) McGraw-Hill Book Company,
New York;およびEliel, E. and Wilen, S., Stereochemistry of Organic Compounds (1994) John Wiley & Sons, Inc., New York.に従う。
【0069】
「キラル」という用語は、鏡像相手の重ね合わせることができないという特性を有する分子を指し、「アキラル」という用語は、その鏡像相手に重ね合わせることができる分子を指す。
【0070】
「立体異性体」という用語は、同一の化学構造を有するが、原子または基の空間配置に関して異なる化合物を指す。
【0071】
「ジアステレオマー」は、2つまたはそれよりも多いキラリティーの中心または軸を有し、それらの分子が互いに鏡像でない立体異性体を指す。ジアステレオマーは、典型的には異なる物理的特性、例えば融点、沸点、スペクトル特性、および反応性を有する。ジアステレオマーの混合物は、電気泳動やクロマトグラフィーなどの高分解能分析手順によって分離することができる。
【0072】
「エナンチオマー」は、互いに重ね合わせることができない鏡像である、化合物の2つの立体異性体を指す。エナンチオマーの1:1以外の比の混合物は、「スケールミック(scalemic)」混合物である。
【0073】
本明細書に開示される化合物は、キラル中心、例えばキラル炭素原子を有することができる。従って、そのような化合物は、エナンチオマー、ジアステレオマー、およびアトロ
プ異性体を含む、すべての立体異性体のラセミ混合物を含む。さらに、本明細書に開示される化合物は、いずれかまたはすべての不斉キラル原子において濃縮または分割された光学異性体を含む。同様に、本明細書に開示される組成物も、本明細書に開示される化合物のエナンチオマー、ジアステレオマー、およびアトロプ異性体を含む、すべての立体異性体のラセミ混合物を含む。さらに、本明細書に開示される化合物および組成物は、いずれかまたはすべての不斉キラル原子において濃縮または分割された光学異性体を含む。言い換えれば、描写から明らかなキラル中心は、キラル異性体またはラセミ混合物として提供されている。ラセミ混合物およびジアステレオマー混合物の両方、ならびにそれらのエナンチオマーまたはジアステレオマーの相手を実質的に含まない単離または合成された個々の光学異性体はすべて、本発明の範囲内である。ラセミ混合物は、例えば、光学活性補助剤、例えば酸または塩基を用いて形成されたジアステレオマー塩を分離し、次に光学活性物質に変換し戻すなどの周知の技法によって、それらの個々の実質的に光学的に純粋な異性体に分離することができる。所望の光学異性体は、所望の出発物質の適切な立体異性体から出発して立体特異的反応によって合成することもできる。
【0074】
本発明は、記載された化合物の任意のエナンチオマーもしくはジアステレオマーの形および幾何異性体、またはそれらの混合物を含めて、立体化学の形のいずれかまたはすべてを含む。立体化学が化学構造または名称で明示されていない限り、構造または名称は、描写された化合物の幾何異性体を含めて、すべての考えうる立体異性体を包含することを意図する。実質的に純粋な化合物(その特定の幾何異性体を含めて、特定の立体化学の形を含む)の組成物など本発明の化合物を含む組成物も意図されている。本発明の化合物の2つまたはそれよりも多い立体化学の形のいかなる比の混合物も含めて、本発明の化合物のいかなる比の混合物も含む組成物も本発明に包含され、従って化合物のラセミ、非ラセミ、エナンチオ濃縮およびスケールミック混合物、またはそれらの混合物が包含される。
【0075】
本明細書に開示される化合物では、結合が非立体化学的様式で(例えば、平坦に)描かれている場合、結合が付いている原子がすべての立体化学の可能性を含むことは理解されるべきである。結合が立体化学的様式(例えば、太字、太字の楔、破線または破線の楔)で描かれている場合、立体化学的結合が付いている原子が、別段の注記のない限り、示された立体化学を有することも理解されるべきである。従って、一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物は、50%より多くが単一のエナンチオマーである。一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物は、少なくとも80%が単一のエナンチオマーである。一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物は、少なくとも90%が単一のエナンチオマーである。一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物は、少なくとも98%が単一のエナンチオマーである。一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物は、少なくとも99%が単一のエナンチオマーである。一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物は、50%より多くが単一のジアステレオマーである。一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物は、少なくとも80%が単一のジアステレオマーである。一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物は、少なくとも90%が単一のジアステレオマーである。一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物は、少なくとも98%が単一のジアステレオマーである。一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物は、少なくとも99%が単一のジアステレオマーである。
【0076】
従って、一部の実施形態では、本明細書に開示される組成物は、50%より多くが単一のエナンチオマーである。一部の実施形態では、本明細書に開示される組成物は、少なくとも80%が単一のエナンチオマーである。一部の実施形態では、本明細書に開示される組成物は、少なくとも90%が単一のエナンチオマーである。一部の実施形態では、本明細書に開示される組成物は、少なくとも98%が単一のエナンチオマーである。一部の実施形態では、本明細書に開示される組成物は、少なくとも99%が単一のエナンチオマーである。一部の実施形態では、本明細書に開示される組成物は、50%より多くが単一の
ジアステレオマーである。一部の実施形態では、本明細書に開示される組成物は、少なくとも80%が単一のジアステレオマーである。一部の実施形態では、本明細書に開示される組成物は、少なくとも90%が単一のジアステレオマーである。一部の実施形態では、本明細書に開示される組成物は、少なくとも98%が単一のジアステレオマーである。一部の実施形態では、本明細書に開示される組成物は、少なくとも99%が単一のジアステレオマーである。
【0077】
一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物は、単結合の周りの軸回転速度に影響を及ぼす立体障害に起因するアトロプ異性を示す。ある特定の状況では、得られる配座異性体は、NMRやHPLCなどのキャラクタリゼーション技法によって異なる実体として認められる。ある特定の実施形態では、本明細書に開示される化合物は、アトロプ異性体の混合物として存在する。本明細書に提供される合成例は、そのようなアトロプ異性体の混合物が認められた場合に言及する。しかし、アトロプ異性体の検出は、精製の温度、溶媒、条件や分光学的技法の時間尺度などの因子に依存している。本明細書に提示されるキャラクタリゼーションデータは、精製、単離、取扱い、使用溶媒、および温度の条件に応じて平衡状態を表さない可能性がある。
【0078】
互変異性体
本明細書に開示される化合物は、ある特定の場合に互変異性体としても存在することができる。唯一つの非局在化共鳴構造を表すことができるが、そのような形はすべて本発明の範囲内であると考えられる。例えば、エン-アミン互変異性体は、プリン、ピリミジン、イミダゾール、グアニジン、アミジン、およびテトラゾール系で存在することができ、それらの考えうるすべての互変異性型は本発明の範囲内である。別の非限定的な例としては、ヘテロアリールのケト-エノール互変異性体が挙げられる。そのような互変異性体は、T1/T1’、T2/T2’およびT3/T3’によって例証される。そのような互変異性型もすべて、本発明の範囲内である。
【化18】
【0079】
保護基
「保護基」は、官能基の特性または化合物全体としての特性をマスクまたは変更する化合物の部分を指す。化学的保護基および保護/脱保護の戦略は、当技術分野において周知である。例えば、Protective Groups in Organic Chemistry, Theodora W. Greene, John Wiley & Sons, Inc., New York, 1991を参照のこと。保護基を利用して、ある特定の官能基の反応性をマスクし、例えば、化学結合を順序付けおよび計画した方式でマスクおよび切断して、所望の化学反応の効率を支援することが多い。化合物の官能基の保護は、一般的な分析ツールによって測定することができる極性、親油性(疎水性)、および他の特性など、保護された官能基の反応性に加えて他の物理的特性を変更する。化学的に保護された中間体はそれら自体、生物学的に活性でも不活性でもよい。
【0080】
塩および水和物
「薬学的に受容可能な塩」は、薬学的に受容され、親化合物の所望の薬理活性を有する(またはそれを有する形に変換することができる)化合物の塩を指す。薬学的に受容可能な塩は一般に、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを伴わず、使用に安全で適しており、妥当なベネフィット/リスク比に相応すると認められる。本明細書に開示される化合物の「薬学的に受容可能な塩」の例としては、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)、アンモニウムおよびNX (ここで、XはC~Cアルキルである)などの適切な塩基に由来する塩が挙げられる。窒素原子またはアミノ基の薬学的に受容可能な塩としては、例えば酢酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、乳酸、フマル酸、酒石酸、マレイン酸、マロン酸、リンゴ酸、マンデル酸、イセチオン酸、ラクトビオン酸、コハク酸、2-ナフタレンスルホン酸(2-napththalenesulfonic)、オレイン酸、パルミチン酸、プロピオン酸、ステアリン酸、およびトリメチル酢酸などの有機カルボン酸;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸およびp-トルエンスルホン酸などの有機スルホン酸;ならびに塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸およびスルファミン酸などの無機酸の塩が挙げられる。ヒドロキシ基を有する化合物の薬学的に受容可能な塩は、前記化合物のアニオンを、NaやNX (ここで、Xは独立して、HまたはC~Cアルキル基から選択される)などの適切なカチオンと組み合わせて含む。薬学的に受容可能な塩としては、親化合物中に存在する酸性プロトンが金属イオン、例えばアルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、もしくはアルミニウムイオンによって置き換えられる場合;またはジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルグルカミンなどの有機塩基と配位結合する場合に形成される塩も挙げられる。この定義にはまた、アンモニウム塩、および置換または第四級化アンモニウム塩が含まれる。薬学的に受容可能な塩の代表的な非限定的な列挙は、S.M.Bergeら,J.Pharma Sci.,66(1),1-19(1977)、およびRemington:The Science and Practice of Pharmacy,R.Hendrickson編,第21版,Lippincott,Williams & Wilkins,Philadelphia,PA,(2005),p.732,表38-5に見出され得、これらの両方が、本明細書中に参考として援用される。
【0081】
治療的使用では、本明細書に開示される化合物の活性成分の塩は、典型的には薬学的に受容可能であり、すなわち、それらは生理学的に受容可能な酸または塩基に由来する塩である。しかし、薬学的に受容されない酸または塩基の塩も、例えば、本明細書に開示される式Iの化合物または別の化合物の調製または精製における使用を見出すことができる。生理学的に受容可能な酸または塩基に由来するものであろうとなかろうと、すべての塩が本発明の範囲内である。
【0082】
金属塩は典型的には、金属水酸化物を本明細書に開示される化合物と反応させることによって調製される。このように調製される金属塩の例は、Li、Na、およびKを含有する塩である。適切な金属化合物を添加することによって、可溶性のより高い塩の溶液から可溶性のより低い金属塩を沈澱させることができる。
【0083】
さらに、ある特定の有機酸および無機酸、例えばHCl、HBr、HSO、HPOまたは有機スルホン酸の、アミンのような塩基中心への酸添加により塩を形成することができる。最後に、本明細書における組成物が、本明細書に開示される化合物をそのイオン化されていない形、および双性イオンの形で、ならびに水和物として化学量論量の水との組み合わせで含むことは理解されるべきである。
【0084】
結晶化により、本発明の化合物の溶媒和物が生成することが多い。本明細書で使用される場合、「溶媒和物」という用語は、本発明の化合物の分子1個または複数と溶媒分子1個または複数を含む凝集物を指す。溶媒は水とすることができ、その場合、溶媒和物は水
和物とすることができる。あるいは、溶媒は、有機溶媒とすることができる。従って、本発明の化合物は、一水和物、二水和物、0.5水和物、1.5水和物、三水和物、四水和物などを含む、水和物および対応する溶媒和物の形として存在することができる。本発明の化合物は、真の溶媒和物とすることができるが、他の場合、本発明の化合物は、外来の水を保持しているにすぎず、または水にいくらかの外来の溶媒を加えた混合物とすることができる。
【0085】
同位体
本明細書に開示される式Iまたは任意の式も含めて、本明細書に記載されている任意の式または構造はまた、化合物の標識されていない形および同位体標識された形を表すことを意図する。同位体標識化合物は、1個または複数の原子が、選択された原子質量または質量数を有する原子によって置き換えられているということを除いて、本明細書に記載されている式によって示される構造を有する。本開示の化合物に組み込むことができる同位体の例としては、H(ジュウテリウム、D)、H(トリチウム)、11C、13C、14C、15N、18F、31P、32P、35S、36Clおよび125Iなどであるがこれらに限定されない、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素および塩素の同位体が挙げられる。本開示の様々な同位体標識化合物は、例えばH、13Cおよび14Cなどの放射性同位体が組み込まれているものである。そのような同位体標識化合物は、代謝研究、反応速度論研究、検出もしくは画像処理技法、例えば薬物もしくは基質組織分布アッセイを含む陽電子放射型断層撮影(PET)もしくは単一光子放射型コンピュータ断層撮影(SPECT)、または患者の放射線治療において有用でありうる。
【0086】
本開示は、炭素原子に結合している1個~「n」個の水素がジュウテリウムによって置き換えられている(ここで、nは分子中の水素の数である)本明細書に開示される式Iまたは任意の式の化合物も含む。そのような化合物は、代謝に対する抵抗性の増加を示し、従って、哺乳動物に投与された場合に式Iの任意の化合物の半減期を増加させるのに有用である。例えば、Foster,「Deuterium Isotope Effects in Studies of Drug Metabolism」,Trends Pharmacol.Sci.,5(12):524-527(1984)を参照のこと。このような化合物は、当該分野において周知である手段によって、例えば、1個またはそれより多くの水素原子がジュウテリウムによって置き換えられている出発物質を採用することによって、合成される。
【0087】
本開示のジュウテリウム標識または置換治療化合物は、分布、代謝および排泄(ADME)に関連するDMPK(薬物代謝および薬物動態)特性を改善することができる。ジュウテリウムなどのより重い同位体による置換は、代謝安定性の向上、例えばインビボ半減期の増加または必要投与量の低減に起因するある特定の治療上の利点を生じることができる。18F標識化合物は、PETまたはSPECT研究にとって有用でありうる。本開示の同位体標識化合物およびそれらのプロドラッグは、一般に、同位体標識されていない試薬を容易に入手可能な同位体標識された試薬に置換することにより、下記のスキームまたは実施例および調製で開示される手順を実施することによって調製することができる。さらに、より重い同位体、特にジュウテリウム(すなわち、2HまたはD)による置換は、代謝安定性の向上、例えばインビボ半減期の増加もしくは必要投与量の低減、または治療指数の改善に起因するある特定の治療上の利点を生じることができる。この文脈におけるジュウテリウムは、本明細書に開示される式Iまたは任意の式の化合物において置換基とみなされることが理解される。
【0088】
本発明が、いずれかまたはすべての原子において天然に存在する同位体比を超えてジュウテリウム(HまたはD)(これに限定されない)などの1種またはそれより多くの同位体で濃縮することができる特許請求された任意の化合物も含むことは当業者によって理
解される。非限定的な例として、ある特定の実施形態では、-CH基は-CDで置き換えられている。
【0089】
そのようなより重い同位体、具体的にはジュウテリウムの濃度は、同位体濃縮係数によって定義することができる。本開示の化合物において、特定の同位体として具体的には示されていない任意の原子は、その原子の任意の安定した同位体を表すことになっている。別段の記載がない限り、ある位置が「H」または「水素」として具体的に示されている場合、その位置は水素をその天然存在度の同位体組成で有すると理解される。従って、本開示の化合物において、ジュウテリウム(D)として具体的に示された任意の原子は、ジュウテリウムを表すことになっている。
【0090】
本発明の実施形態において基、置換基、および範囲について以下に挙げられる特定の値は、例示のためのものにすぎず、これらは、他の定義された値も、基および置換基について定義された範囲内の他の値も排除しない。
II. 化合物
【0091】
一部の実施形態では、式Iの化合物:
【化19】
[式中、
Aは、3員~6員の炭素環であり、
nは、0、1、または2であり、
mは、0、1、または2であり、
は、5員~12員のヘテロアリールまたは5員~12員の複素環であり、ここでRのいずれの5員~12員のヘテロアリールまたは5員~12員の複素環も置換されていないか、または1、2、3、4もしくは5つのZ基で置換されており、ここで、前記Z基は同じであるか、または異なり、
各Zは独立して、(C~C)アルキル、(C~C)炭素環、ハロゲン、または-CNであり、ここでZのいずれの(C~C)アルキルまたは(C~C)炭素環も置換されていないか、または1、2、3、4もしくは5つのZ1a基で置換されており、ここで、前記Z1a基は同じであるか、または異なり、
各Z1aは独立して、ハロゲン、(C~C)炭素環、-OH、または-CNであり、Rは、水素、ハロゲン、-OH、または-CNであり、
は、(C~C)アルキルまたは3員~5員の複素環であり、ここで、前記(C~C)アルキルは置換されていないか、または1個、2個、もしくは3個のハロゲン原子で置換されており、
は、水素、-S(O)-(C~C)アルキル、-S(O)-(C~C)炭素環、または5員~6員のヘテロアリールであり、ここでRのいずれの-S(O)-(C~C)アルキル、-S(O)-(C~C)炭素環、または5員~6員のヘテロアリールも置換されていないか、または1、2、もしくは3つのZ基で置換され
ており、ここで、前記Z基は同じであるか、または異なり、
は、(C~C)アルキルまたは(C~C)炭素環であり、ここでいずれの(C~C)アルキルまたは(C~C)炭素環も置換されていないか、または1、2、もしくは3つのZ2a基で置換されており、ここで、前記Z2a基は同じであるか、または異なり、
2aは、ヒドロキシルまたはハロゲンであり、
は、水素またはハロゲンであり、
は、(C~C)アルキルである]
またはその薬学的に受容可能な塩を本明細書に開示する。
【0092】
一部の実施形態では、式Iaの化合物:
【化20】
[式中、
nは、0、1、または2であり、
mは、0または1であり、
は、5員~9員のヘテロアリールまたは5員~9員の複素環であり、ここでRのいずれの5員~9員のヘテロアリールまたは5員~9員の複素環も置換されていないか、または1、2、3、4もしくは5つのZ基で置換されており、ここで、前記Z基は同じであるか、または異なり、
各Zは独立して、(C~C)アルキル、(C~C)炭素環、またはハロゲンであり、ここでZのいずれの(C~C)アルキルまたは(C~C)炭素環も置換されていないか、または1、2、3、4もしくは5つのZ1a基で置換されており、ここで、前記Z1a基は同じであるか、または異なり、
各Z1aは独立して、ハロゲンまたは(C~C)炭素環であり、
は、水素またはヨージドであり、
は、(C~C)アルキルまたは3員~5員の複素環であり、ここで、前記(C~C)アルキルは置換されていないか、または2もしくは3個のハロゲン原子で置換されており、
は、水素、-S(O)-(C~C)アルキル、-S(O)-シクロプロピル、または5員のヘテロアリールであり、ここでRのいずれの-S(O)-(C~C)アルキル、-S(O)-シクロプロピル、または5員のヘテロアリールも置換されていないか、または1、2、もしくは3つのZ基で置換されており、ここで、前記Z基は同じであるか、または異なり、
は、(C~C)アルキルまたはシクロプロピルであり、ここで、いずれの(C~C)アルキルまたはシクロプロピルも置換されていないか、または1、2、もしくは3つのZ2a基で置換されており、ここで、前記Z2a基は同じであるか、または異なり、
2aは、ヒドロキシルまたはフッ素であり、
は、水素、塩素、またはフッ素であり、
は、(C~C)アルキルである]
を本明細書に開示する。
【0093】
一部の実施形態では、
nが、0、1、または2であり、
mが、0または1であり、
が、置換されていないかまたは1、2、3、4もしくは5つのZ基で置換されている5員~9員のヘテロアリールであり、ここで、前記Z基は同じであるか、または異なり、
各Zが独立して、(C~C)アルキル、(C~C)炭素環、またはハロゲンであり、ここでZのいずれの(C~C)アルキルまたは(C~C)炭素環も置換されていないか、または1、2、3、4もしくは5つのZ1a基で置換されており、ここで、前記Z1a基は同じであるか、または異なり、
各Z1aが独立して、ハロゲンまたは(C~C)炭素環であり、
が、水素またはヨージドであり、
が、(C~C)アルキルまたは3員~5員の複素環であり、ここで、前記(C~C)アルキルは置換されていないか、または2もしくは3個のフッ素原子で置換されており、
が、水素、-S(O)-(C~C)アルキル、-S(O)-シクロプロピル、または5員のヘテロアリールであり、ここでRのいずれの-S(O)-(C~C)アルキル、-S(O)-シクロプロピル、または5員のヘテロアリールも置換されていないか、または1、2、もしくは3つのZ基で置換されており、ここで、前記Z基は同じであるか、または異なり、
が、(C~C)アルキルまたはシクロプロピルであり、ここで、いずれの(C~C)アルキルまたはシクロプロピルも置換されていないか、または1、2、もしくは3つのZ2a基で置換されており、ここで、前記Z2a基は同じであるか、または異なり、
2aが、ヒドロキシルまたはフッ素であり、
が、水素、塩素、またはフッ素であり、
が、メチルである、式(Ia)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を本明細書に開示する。
【0094】
一部の実施形態では、
nが、0、1、または2であり、
mが、0または1であり、
が、置換されていないかまたは1、2、3、4もしくは5つのZ基で置換されている5員~9員のヘテロアリールであり、ここで、Z基は同じであるか、または異なり、各Zが独立して、(C~C)アルキル、(C~C)炭素環、またはハロゲンであり、ここでZのいずれの(C~C)アルキルまたは(C~C)炭素環も置換されていないか、または1、2、3、4もしくは5つのZ1a基で置換されており、ここで、Z1a基は同じであるか、または異なり、
各Z1aが独立して、ハロゲンまたは(C~C)炭素環であり、
が、水素またはヨージドであり、
が、(C~C)アルキルまたは4員の複素環であり、ここで、(C~C)アルキルは置換されていないか、または2もしくは3個のフッ素原子で置換されており、
が、-S(O)-(C~C)アルキル、-S(O)-シクロプロピル、または5員のヘテロアリールであり、ここでRのいずれの-S(O)-(C~C)アルキル、-S(O)-シクロプロピル、または5員のヘテロアリールも置換されていないか、または1、2、もしくは3つのZ基で置換されており、ここで、Z基は同じであるか、または異なり、
が、(C~C)アルキルまたはシクロプロピルであり、ここで、いずれの(C~C)アルキルまたはシクロプロピルも置換されていないか、または1、2、もしくは3つのZ2a基で置換されており、ここで、Z2a基は同じであるか、または異なり、
2aが、ヒドロキシルまたはフッ素であり、
が、水素、塩素(chorine)、またはフッ素であり、
が、メチルである、
式(Ia)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を本明細書に開示する。
【0095】
一部の実施形態では、
nが、0、1、または2であり、
mが、0または1であり、
が、置換されていないかまたは1、2、3、4もしくは5つのZ基で置換されている5員~9員のヘテロアリールであり、ここで、前記Z基は同じであるか、または異なり、
各Zが独立して、(C~C)アルキル、(C~C)炭素環、またはハロゲンであり、ここでZのいずれの(C~C)アルキルまたは(C~C)炭素環も置換されていないか、または1、2、3、4もしくは5つのZ1a基で置換されており、ここで、前記Z1a基は同じであるか、または異なり、
各Z1aが独立して、ハロゲンまたは(C~C)炭素環であり、
が、水素であり、
が、(C~C)アルキルまたは4員の複素環であり、ここで、前記(C~C)アルキルは置換されていないか、または2もしくは3個のフッ素原子で置換されており、
が、-S(O)-(C~C)アルキル、-S(O)-シクロプロピル、または5員のヘテロアリールであり、ここでRのいずれの-S(O)-(C~C)アルキル、-S(O)-シクロプロピル、または5員のヘテロアリールも置換されていないか、または1、2、もしくは3つのZ基で置換されており、ここで、前記Z基は同じであるか、または異なり、
が、(C~C)アルキルまたはシクロプロピルであり、ここで、いずれの(C~C)アルキルまたはシクロプロピルも置換されていないか、または1、2、もしくは3つのZ2a基で置換されており、ここで、前記Z2a基は同じであるか、または異なり、
2aが、ヒドロキシルまたはフッ素であり、
が、水素、塩素、またはフッ素であり、
が、メチルである、式(Ia)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を本明細書に開示する。
【0096】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群は、式(Ib)の化合物:
【化21】
またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0097】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群は、式(Ic)の化合物:
【化22】
またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0098】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群は、式(Id)の化合物:
【化23】
またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0099】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群は、式(Ie)の化合物:
【化24】
[式中、
およびXの各々は独立して、NまたはCHである]、
またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0100】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群は、式(If)の化合物:
【化25】
[式中、
は、NまたはCHである]、
またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0101】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群は、式(Ig)の化合物:
【化26】
[式中、
qは、0、1、2、または3であり、
、X、およびXの各々は独立して、NまたはCHである]、
またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0102】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群は、式(Ih)の化合物:
【化27】
[式中、
qは、0、1、2、または3であり、
およびXの各々は独立して、NまたはCHである]、
またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0103】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群は、式(Ii)の化合物:
【化28】
[式中、
qは、0、1、2、または3であり、
およびXの各々は独立して、NまたはCHである]、
またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0104】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群は、式(Ij)の化合物:
【化29】
[式中、
qは、0、1、2、または3であり、
、X、およびXの各々は独立して、NまたはCHである]、
またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0105】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群は、式(Ik)の化合物:
【化30】
[式中、
およびXの各々は独立して、NまたはCHである]、
またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0106】
以下に挙げる具体的な値は、式Iおよびすべての関連した式(例えば、式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、If、Ig、Ih、Ii、IjおよびIk)の化合物についての値である。2つまたはそれよりも多い値を組み合わせることができることは理解されるべきである。従って、式Iの化合物の任意の可変物と式Iの化合物の任意の他の可変物を、可変物のありとあらゆる組み合わせが具体的にかつ個別に挙げられている場合と同様に組み合わせることができることは理解されるべきである。例えば、式Iの化合物について本明細書に詳述されるRの任意の具体的な値と、可変物、例えばZ、Z、R、R、R、R、Rのうちの1つまたは複数についての任意の他の具体的な値を、ありとあらゆる組み合わせが具体的にかつ個別に挙げられている場合と同様に組み合わせることができることが理解される。
【0107】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群、またはそれらの薬学的に受容可能な塩は、Aが置換されていないかまたは1もしくは2つのR基で置換されているシクロプロピル基である、化合物である。
【0108】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群、またはそれらの薬学的に受容可能な塩
は、nが0である、化合物である。
【0109】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群、またはそれらの薬学的に受容可能な塩は、nが1である、化合物である。
【0110】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群、またはそれらの薬学的に受容可能な塩は、nが2である、化合物である。
【0111】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群、またはそれらの薬学的に受容可能な塩は、nが3である、化合物である。
【0112】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群、またはそれらの薬学的に受容可能な塩は、mが0である、化合物である。
【0113】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群、またはそれらの薬学的に受容可能な塩は、mが1である、化合物である。
【0114】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群、またはそれらの薬学的に受容可能な塩は、R
【化31】
である、化合物である。
【0115】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群、またはそれらの薬学的に受容可能な塩は、R
【化32】
である、化合物である。
【0116】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群、またはそれらの薬学的に受容可能な塩は、R
【化33】
である、化合物である。
【0117】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群、またはそれらの薬学的に受容可能な塩は、R
【化34】
である、化合物である。
【0118】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群、またはそれらの薬学的に受容可能な塩は、R
【化35】
である、化合物である。
【0119】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群、またはそれらの薬学的に受容可能な塩は、R
【化36】
である、化合物である。
【0120】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群、またはそれらの薬学的に受容可能な塩は、R
【化37】
である、化合物である。
【0121】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群、またはそれらの薬学的に受容可能な塩は、Zが2もしくは3個のハロゲン原子で置換されている(C~C)アルキル、シクロプロピル基、またはハロゲンである、化合物である。
【0122】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群、またはそれらの薬学的に受容可能な塩は、Zが-CHF、-CF、またはハロゲンである、化合物である。
【0123】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群、またはそれらの薬学的に受容可能な塩は、Zが-CHFまたは-CFである、化合物である。
【0124】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群、またはそれらの薬学的に受容可能な塩は、Rが水素またはヨージドである、化合物である。
【0125】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群、またはそれらの薬学的に受容可能な塩は、Rが水素である、化合物である。
【0126】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群、またはそれらの薬学的に受容可能な塩は、Rがヨージドである、化合物である。
【0127】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群、またはそれらの薬学的に受容可能な塩は、Rが(C1~3)アルキルまたは4員の複素環であり、ここで、(C1~3)アルキルは置換されていないか、または1個、2個、もしくは3個のハロゲン原子で置換されている、化合物である。
【0128】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群、またはそれらの薬学的に受容可能な塩は、Rがメチル、-CHCHF、-CHCF、または
【化38】
である、化合物である。
【0129】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群、またはそれらの薬学的に受容可能な塩は、Rがメチル、-CHCHF、または-CHCFである、化合物である。
【0130】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群、またはそれらの薬学的に受容可能な塩は、Rが水素、-S(O)-(C1~6)アルキル、-S(O)-(C3~6)炭素環、または5員~6員のヘテロアリールであり、ここでRのいずれの-S(O)-(C1~6)アルキル、-S(O)-(C3~6)炭素環、または5員~6員のヘテロアリールも置換されていないか、または1、2、もしくは3つのZ基で置換されており、ここで、Z基は同じである、または異なる、化合物である。
【0131】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群、またはそれらの薬学的に受容可能な塩は、Rが水素である、化合物である。
【0132】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群、またはそれらの薬学的に受容可能な塩は、Rが-S(O)-(C1~2)アルキル、-S(O)-シクロプロピル、または5員のヘテロアリールであり、ここでRのいずれの-S(O)-(C1~2)アルキル、-S(O)-シクロプロピル、または5員のヘテロアリールも置換されていないか、または1、2、もしくは3つのZ基で置換されており、ここで、Z基は同じである、または異なる、化合物である。
【0133】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群、またはそれらの薬学的に受容可能な塩は、Rが-S(O)-(C1~2)アルキル、-S(O)-シクロプロピル、またはオキサジアゾールであり、ここでRのいずれの-S(O)-(C1~2)アルキル、-S(O)-シクロプロピル、またはオキサジアゾールも置換されていないか、または1、2、もしくは3つのZ基で置換されており、ここで、Z基は同じである、また
は異なる、化合物である。
【0134】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群、またはそれらの薬学的に受容可能な塩は、Rが、
【化39】
である、化合物である。
【0135】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群、またはそれらの薬学的に受容可能な塩は、Rが、
【化40】
である、化合物である。
【0136】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群、またはそれらの薬学的に受容可能な塩は、Rが、
【化41】
である、化合物である。
【0137】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群、またはそれらの薬学的に受容可能な塩は、Rが水素またはハロゲンである、化合物である。
【0138】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群、またはそれらの薬学的に受容可能な塩は、Rが水素、クロリド、またはフルオリドである、化合物である。
【0139】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群、またはそれらの薬学的に受容可能な塩は、Rがクロリドである、化合物である。
【0140】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群、またはそれらの薬学的に受容可能な塩は、Rが水素またはメチルである、化合物である。
【0141】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群、またはそれらの薬学的に受容可能な塩は、mが1であり、Rが(C~C)アルキルである、化合物である。
【0142】
一部の実施形態では、具体的な式Iの化合物群、またはそれらの薬学的に受容可能な塩は、mが1であり、Rがメチルである、化合物である。
【0143】
一部の実施形態では、式Iの化合物は、
【化42】
【化43】
またはそれらの薬学的に受容可能な塩から選択される。
【0144】
一部の実施形態では、式Iの化合物は、
【化44】
【化45】
またはそれらの薬学的に受容可能な塩から選択される。
【0145】
一部の実施形態では、式Iの化合物は、
【化46】
【化47】
またはそれらの薬学的に受容可能な塩から選択される。
【0146】
一部の実施形態において、式Iの化合物は、
【化48】
またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0147】
一部の実施形態では、式Iの化合物は、
【化49】
【化50】
またはその薬学的に受容可能な塩から選択される。
【0148】
一部の実施形態では、式Iの化合物は、
【化51】
またはその薬学的に受容可能な塩から選択される。
【0149】
一部の実施形態では、式Iの化合物は、
【化52】
またはその薬学的に受容可能な塩から選択される。
【0150】
一部の実施形態では、式Iの化合物は、
【化53】
【化54】
またはその薬学的に受容可能な塩から選択される。
【0151】
III. 併用療法
一部の実施形態では、本発明は、HIV感染を予防または処置する方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を、HIV感染を処置するのに適している、治療有効量の1種またはそれより多くの追加の治療剤と組み合わせて投与することを含む方法を提供する。
【0152】
本明細書に開示される化合物(例えば、式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、If、Ig、Ih、Ii、IjおよびIkのいずれかの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩)は、化合物の任意の投与量(例えば、1mg~5mg、5mg~10mg、10mg~50mg、50mg~100mg、100mg~300mg)で1種またはそれより多くの追加の治療剤と組み合わせることができる。
【0153】
一部の実施形態では、HIV感染を有するまたは有するリスクがあるヒトにおけるHIV感染を処置または予防する方法であって、ヒトに治療有効量の本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を、治療有効量の1種またはそれより多くの追加の治療剤と組み合わせて投与することを含む方法が提供される。
【0154】
一部の実施形態では、本発明は、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を少なくとも1種の追加の治療剤および薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて含む医薬組成物を提供する。例えば、本明細書に開示される化合物と組み合わせて使用される治療剤は、いずれの抗HIV剤でもよい。
【0155】
一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を1種またはそれより多くの追加の治療剤と組み合わせて含む組み合わせ医薬剤が提供される。
【0156】
一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を少なくとも1種の追加の治療剤および薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて含む医薬組成物を本明細書に提供する。
【0157】
一部の実施形態では、追加の治療剤は、抗HIV剤とすることができる。例えば、一部の実施形態では、追加の治療剤は、HIVプロテアーゼ阻害化合物(HIVプロテアーゼ阻害剤)、逆トランスクリプターゼのHIV非ヌクレオシド阻害剤、逆トランスクリプターゼのHIVヌクレオシド阻害剤、逆トランスクリプターゼのHIVヌクレオチド阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、HIV非触媒部位(またはアロステリック)インテグラーゼ阻害剤、HIV侵入阻害剤(例えば、CCR5阻害剤、gp41阻害剤(すなわち、融合阻害剤)およびCD4結合阻害剤)、CXCR4阻害剤、gp120阻害剤、G6PDおよびNADH-オキシダーゼ阻害剤、米国特許出願公開第2013/0165489号(University of Pennsylvania)および国際公開第2013/006792号(Pharma Resources)で開示されたものなどの追加のカプシド重合阻害剤またはカプシド破壊化合物、薬物動態学的エンハンサー、HIV成熟阻害剤、潜伏逆転剤、免疫ベースの療法、ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3K)阻害剤、HIV抗体、二重特異性抗体および「抗体様」治療用タンパク質、HIV p17マトリックスタンパク質阻害剤、IL-13アンタゴニスト、ペプチジル-プロリルシス-トランスイソメラーゼAモジュレーター、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ阻害剤、補体C5a受容体アンタゴニスト、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤、HIV vif遺伝子モジュレーター、Vif二量化アンタゴニスト、HIV-1ウイルス感染性因子阻害剤、TATタンパク質阻害剤、HIV-1 Nefモジュレーター、Hckチロシンキナーゼモジュレーター、混合系統キナーゼ-3(MLK-3)阻害剤、HIV-1スプライシング阻害剤、Revタンパク質阻害剤、インテグリンアンタゴニスト、核タンパク質阻害剤、スプライシング因子モジュレーター、COMMドメイン含有タンパク質1モジュレーター、HIVリボヌクレアーゼH阻害剤、レトロサイクリンモジュレーター、CDK-9阻害剤、樹状ICAM-3結合ノンインテグリン1阻害剤、HIV GAGタンパク質阻害剤、HIV POLタンパク質阻害剤、補体因子Hモジュレーター、ユビキチンリガーゼ阻害剤、デオキシシチジンキナーゼ阻害剤、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤、プロタンパク質転換酵素PC9刺激因子、ATP依存性RNAヘリカーゼDDX3X阻害剤、逆トランスクリプターゼプライミング複合体阻害剤、HIV遺伝子療法、HIVワクチン、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0158】
一部の実施形態では、追加の治療剤は、免疫調節剤、免疫療法剤、抗体-薬物結合体、遺伝子モディファイア、遺伝子エディタ(CRISPR/Cas9、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、ホーミングヌクレアーゼ、合成ヌクレアーゼ、TALENsなど)、およびキメラ抗原受容体T細胞、CAR-T(例えば、YESCARTA(登録商標)(アキシカブタゲンシロロイセル))や遺伝子改変T細胞受容体、TCR-Tなどの細胞治療剤から選択される。
【0159】
一部の実施形態において、追加の治療剤は、HIVのための併用薬物、HIVを処置するための他の薬物、HIVプロテアーゼ阻害剤、HIV逆トランスクリプターゼ阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、HIV非触媒部位(またはアロステリック)インテグラーゼ阻害剤、HIV侵入(融合)阻害剤、HIV成熟阻害剤、潜伏逆転剤、追加のカプシド阻害剤、免疫ベースの療法、PI3K阻害剤、HIV抗体、および二重特異性抗体、および「抗体様」治療用タンパク質、ならびにこれらの組み合わせからなる群より選択される
【0160】
HIV併用薬物
併用薬物の例としては、ATRIPLA(登録商標)(エファビレンツ、フマル酸テノホビルジソプロキシル、およびエムトリシタビン);COMPLERA(登録商標)(EVIPLERA(登録商標);リルピビリン、フマル酸テノホビルジソプロキシル、およびエムトリシタビン);STRIBILD(登録商標)(エルビテグラビル、コビシスタット、フマル酸テノホビルジソプロキシル、およびエムトリシタビン);ツルバダ(登録商標)(フマル酸テノホビルジソプロキシルおよびエムトリシタビン;TDF+FTC);DESCOVY(登録商標)(テノホビルアラフェナミドおよびエムトリシタビン);ODEFSEY(登録商標)(テノホビルアラフェナミド、エムトリシタビン、およびリルピビリン);GENVOYA(登録商標)(テノホビルアラフェナミド、エムトリシタビン、コビシスタット、およびエルビテグラビル);ダルナビル、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、エムトリシタビン、およびコビシスタット;エファビレンツ、ラミブジン、およびフマル酸テノホビルジソプロキシル;ラミブジンおよびフマル酸テノホビルジソプロキシル;テノホビルおよびラミブジン;テノホビルアラフェナミドおよびエムトリシタビン;テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩およびエムトリシタビン;テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、エムトリシタビン、およびリルピビリン;テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、エムトリシタビン、コビシスタット、およびエルビテグラビル;コンビビル(登録商標)(ジドブジンおよびラミブジン;AZT+3TC);エプジコム(登録商標)(LIVEXA(登録商標);硫酸アバカビルおよびラミブジン;ABC+3TC);カレトラ(登録商標)(ALUVIA(登録商標);ロピナビルおよびリトナビル);TRIUMEQ(登録商標)(ドルテグラビル、アバカビル、およびラミブジン);TRIZIVIR(登録商標)(硫酸アバカビル、ジドブジン、およびラミブジン;ABC+AZT+3TC);アタザナビルおよびコビシスタット;硫酸アタザナビルおよびコビシスタット;硫酸アタザナビルおよびリトナビル;ダルナビルおよびコビシスタット;ドルテグラビルおよびリルピビリン;ドルテグラビルおよびリルピビリン塩酸塩;ドルテグラビル、硫酸アバカビル、およびラミブジン;ラミブジン、ネビラピン、およびジドブジン;ラルテグラビルおよびラミブジン;ネビラピン、ラミブジン、およびフマル酸テノホビルジソプロキシル;ネビラピン、ラミブジン、およびテノホビルジソプロキシル;ドルテグラビル+ラミブジン、ラミブジン+アバカビル+ジドブジン、ラミブジン+アバカビル、ラミブジン+フマル酸テノホビルジソプロキシル、ラミブジン+ジドブジン+ネビラピン、ロピナビル+リトナビル、ロピナビル+リトナビル+アバカビル+ラミブジン、ロピナビル+リトナビル+ジドブジン+ラミブジン、テノホビル+ラミブジン、およびフマル酸テノホビルジソプロキシル+エムトリシタビン+リルピビリン塩酸塩、ロピナビル、リトナビル、ジドブジンおよびラミブジン;Vacc-4xおよびロミデプシン;ならびにAPH-0812が挙げられる。
【0161】
他のHIV薬物
HIVを処置するための他の薬物の例としては、アセマンナン、アリスポリビル(alisporivir)、BanLec、デフェリプロン、Gamimune、メトエンケファリン(metenkefalin)、ナルトレキソン、プロラスチン、REP 9、RPI-MN、VSSP、H1viral、SB-728-T、1,5-ジカフェオイルキナ酸(1,5-dicaffeoylquinic acid)、rHIV7-shl-TAR-CCR5RZ、AAV-eCD4-Ig遺伝子療法、MazF遺伝子療法、BlockAide、ABX-464、AG-1105、APH-0812、BIT-225、CYT-107、HGTV-43、HPH-116、HS-10234、IMO-3100、IND-02、MK-1376、MK-8507、MK-8591、NOV-205、PA-1050040(PA-040)、PGN-007、SCY-635、SB-9200、SCB-719、TR-452、TEV-90110、TEV-90112
、TEV-90111、TEV-90113、RN-18、Immuglo、およびVIR-576が挙げられる。
【0162】
HIVプロテアーゼ阻害剤
HIVプロテアーゼ阻害剤の例としては、アンプレナビル、アタザナビル、ブレカナビル(brecanavir)、ダルナビル、ホスアンプレナビル、ホスアンプレナビルカルシウム、インジナビル、硫酸インジナビル、ロピナビル、ネルフィナビル、メシル酸ネルフィナビル、リトナビル、サキナビル、メシル酸サキナビル、チプラナビル、DG-17、TMB-657(PPL-100)、T-169、BL-008、およびTMC-310911が挙げられる。
【0163】
HIV逆トランスクリプターゼ阻害剤
逆トランスクリプターゼのHIV非ヌクレオシドまたは非ヌクレオチド阻害剤の例としては、ダピビリン(dapivirine)、デラビルジン、メシル酸デラビルジン、ネビラピン、エファビレンツ、エトラビリン、レンチナン、ネビラピン、リルピビリン、AIC-292、KM-023、PC-1005、およびVM-1500が挙げられる。
【0164】
逆トランスクリプターゼのHIVヌクレオシドまたはヌクレオチド阻害剤の例としては、アデホビル、アデホビルジピボキシル、アズブジン(azvudine)、エムトリシタビン、テノホビル、テノホビルアラフェナミド、テノホビルアラフェナミドフマル酸塩、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、テノホビルジソプロキシル、フマル酸テノホビルジソプロキシル、ヘミフマル酸テノホビルジソプロキシル、VIDEX(登録商標)およびVIDEX EC(登録商標)(ジダノシン、ddl)、アバカビル、硫酸アバカビル、アロブジン(alovudine)、アプリシタビン(apricitabine)、センサブジン(censavudine)、ジダノシン、エルブシタビン、フェスチナビル(festinavir)、フォサルブジンチドキシル(fosalvudine tidoxil)、CMX-157、ダピビリン、ネビラピン、エトラビリン、OCR-5753、オロチン酸テノホビルジソプロキシル、フォジブジンチドキシル(fozivudine tidoxil)、ラミブジン、ホスファジド(phosphazid)、スタブジン、ザルシタビン、ジドブジン、GS-9131、GS-9148、ならびにKP-1461が挙げられる。
【0165】
HIVインテグラーゼ阻害剤
HIVインテグラーゼ阻害剤の例としては、エルビテグラビル、クルクミン、クルクミンの誘導体、チコリ酸(chicoric acid)、チコリ酸の誘導体、3,5-ジカフェオイルキナ酸、3,5-ジカフェオイルキナ酸の誘導体、アウリントリカルボン酸、アウリントリカルボン酸の誘導体、カフェイン酸フェネチルエステル、カフェイン酸フェネチルエステルの誘導体、チルホスチン(tyrphostin)、チルホスチンの誘導体、ケルセチン、ケルセチンの誘導体、ラルテグラビル、ドルテグラビル、JTK-351、ビクテグラビル(bictegravir)、AVX-15567、カボテグラビル(長時間作用型注射剤)、ジケトキノリン-4-1誘導体、インテグラーゼ-LEDGF阻害剤、ledgin、M-522、M-532、NSC-310217、NSC-371056、NSC-48240、NSC-642710、NSC-699171、NSC-699172、NSC-699173、NSC-699174、スチルベンジスルホン酸、T-169およびカボテグラビルが挙げられる。
【0166】
HIV非触媒部位(またはアロステリック)インテグラーゼ阻害剤(NCINI)の例としては、CX-05045、CX-05168、およびCX-14442が挙げられる。
【0167】
HIV侵入阻害剤
HIV侵入(融合)阻害剤の例としては、セニクリビロック(cenicriviroc)、CCR5阻害剤、gp41阻害剤、CD4結合阻害剤、gp120阻害剤、およびCXCR4阻害剤が挙げられる。
【0168】
CCR5阻害剤の例としては、アプラビロク(aplaviroc)、ビクリビロク(vicriviroc)、マラビロク、セニクリビロック、PRO-140、アダプタビル(adaptavir)(RAP-101)、ニフェビロク(nifeviroc)(TD-0232)、抗GP120/CD4またはCCR5二重特異性抗体、B-07、MB-66、ポリペプチドC25P、TD-0680、およびvMIP(Haimipu)が挙げられる。
【0169】
gp41阻害剤の例としては、アルブビルジド(albuvirtide)、エンフビルチド(enfuvirtide)、BMS-986197、エンフビルチドバイオベター、エンフビルチドバイオシミラー、HIV-1融合阻害剤(P26-Bapc)、ITV-1、ITV-2、ITV-3、ITV-4、PIE-12三量体およびシフビルチド(sifuvirtide)が挙げられる。
【0170】
CD4結合阻害剤の例としては、イバリズマブ(ibalizumab)およびCADAアナログが挙げられる。
【0171】
gp120阻害剤の例としては、Radha-108(レセプトル(receptol))3B3-PE38、BanLec、ベントナイトベースのナノメディシン、ホステムサビルトロメタミン(fostemsavir tromethamine)、IQP-0831、およびBMS-663068が挙げられる。
【0172】
CXCR4阻害剤の例としては、プレリキサホル(plerixafor)、ALT-1188、N15ペプチド、およびvMIP(Haimipu)が挙げられる。
【0173】
HIV成熟阻害剤
HIV成熟阻害剤の例としては、BMS-955176およびGSK-2838232が挙げられる。
【0174】
潜伏逆転剤
潜伏逆転剤の例としては、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤、ベルケードなどのプロテアソーム阻害剤、プロテインキナーゼC(PKC)アクチベーター、BET-ブロモドメイン4(BRD4)阻害剤、イオノマイシン、PMA、SAHA(スベルアニリノヒドロキサム酸(suberanilohydroxamic acid)、すなわち、スベロイル、アニリド、およびヒドロキサム酸)、IL-15、JQ1、ジスルフィラム(disulfram)、アムホテリシンB、ならびにラルガゾール(largazole)
アナログおよびGSK-343などのユビキチン阻害剤が挙げられる。
【0175】
HDAC阻害剤の例としては、ロミデプシン、ボリノスタット、およびパノビノスタットが挙げられる。
【0176】
PKCアクチベーターの例としては、インドラクタム(indolactam)、プロストラチン、インゲノールB(ingenol B)、およびDAG-ラクトンが挙げられる。
【0177】
HIVカプシド阻害剤
追加のカプシド阻害剤の例としては、カプシド重合阻害剤またはカプシド破壊化合物、HIVヌクレオカプシドp7(NCp7)阻害剤(例えばアゾジカーボンアミド)、HIV p24カプシドタンパク質阻害剤、AVI-621、AVI-101、AVI-201、AVI-301、およびAVI-CAN1-15シリーズが挙げられる。
【0178】
一部の実施形態では、追加のカプシド阻害剤の例としては、
【化55】
またはそれらの薬学的に受容可能な塩が挙げられる。
【0179】
一部の実施形態では、追加のカプシド阻害剤は、
【化56】
またはそれらの薬学的に受容可能な塩から選択される。
【0180】
一部の実施形態では、追加のカプシド阻害剤は、
【化57】
またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0181】
一部の実施形態では、追加のカプシド阻害剤は、
【化58】
またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0182】
免疫ベースの治療剤
一部の実施形態において、免疫ベースの療法の例としては、トール様受容体モジュレーター(例えば、tlr1、tlr2、tlr3、tlr4、tlr5、tlr6、tlr7、tlr8、tlr9、tlr10、tlr11、tlr12、およびtlr13);プログラム細胞死タンパク質1(Pd-1)モジュレーター;プログラム死-リガンド1(Pd-L1)モジュレーター;IL-15アゴニスト;デルマビル;インターロイキン-7;プラケニル(ヒドロキシクロロキン);プロロイキン(アルデスロイキン、IL-2);インターフェロンアルファ;インターフェロンアルファ-2b;インターフェロンアルファ-n3;ペグ化インターフェロンアルファ;インターフェロンガンマ;ヒドロキシ尿素;ミコフェノール酸モフェチル(MPA)およびそのエステル誘導体ミコフェノール酸モフェチル(MMF);リバビリン;リンタトリモド、ポリマーポリエチレンイミン(PEI);ゲポン;リンタトリモド;IL-12;WF-10;VGV-1;MOR-22;BMS-936559;CYT-107、インターロイキン-15/Fc融合タンパク質、ノルムフェロン、ペグインターフェロンアルファ-2a、ペグインターフェロンアルファ-2b、組換えインターロイキン-15、RPI-MN、GS-9620、STINGモジュレーター、RIG-Iモジュレーター、NOD2モジュレーター、およびIR-103が挙げられる。
【0183】
ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3K)阻害剤
PI3K阻害剤の例としては、イデラリシブ(idelalisib)、アルペリシブ(alpelisib)、ブパルリシブ(buparlisib)、CAIオロテート、コパンリシブ(copanlisib)、デュベリシブ(duvelisib)、ゲダトリシブ(gedatolisib)、ネラチニブ(neratinib)、パヌリシブ(panulisib)、ペリホシン(perifosine)、ピクチリシブ(pictilisib)、ピララリシブ(pilaralisib)、プキチニブメシレート(puquitinib mesylate)、リゴセルチブ(rigosertib)、リゴセルチブナトリウム、ソノリシブ(sonolisib)、タセリシブ(taselisib)、AMG-319、AZD-8186、BAY-1082439、CLR-1401、CLR-457、CUDC-907、DS-7423、EN-3342、GSK-2126458、GSK-2269577、GSK-2636771、INCB-040093、LY-3023414、MLN-1117、PQR-309、RG-7666、RP-6530、RV-1729、SAR-245409、SAR-260301、SF-1126、TGR-1202、UCB-5857、VS-5584、XL-765、およびZSTK-474が挙げられる。
【0184】
アルファ-4/ベータ-7アンタゴニスト
インテグリンアルファ-4/ベータ-7アンタゴニストの例としては、PTG-100、TRK-170、アブリルマブ(abrilumab)、エトロリズマブ(etrolizumab)、カロテグラストメチル(carotegrast methyl)、お
よびベドリズマブ(vedolizumab)が挙げられる。
【0185】
HIV抗体、二重特異性抗体、および「抗体様」治療用タンパク質
HIV抗体、二重特異性抗体、および「抗体様」治療用タンパク質の例としては、DARTs(登録商標)、DUOBODIES(登録商標)、BITES(登録商標)、XmAbs(登録商標)、TandAbs(登録商標)、Fab誘導体、bnABs(広域中和HIV-1抗体)、BMS-936559、TMB-360、およびHIV gp120またはgp41を標的とするもの、HIVを標的とする抗体動員分子、抗CD63モノクローナル抗体、抗GBウイルスC抗体、抗GP120/CD4、CCR5二重特異性抗体、抗nef単一ドメイン抗体、抗Rev抗体、ラクダ科由来抗CD18抗体、ラクダ科由来抗ICAM-1抗体、DCVax-001、gp140標的化抗体、gp41ベースのHIV治療用抗体、ヒト組換えmAb(PGT-121)、イバリズマブ、Immuglo、MB-66が挙げられる。
【0186】
一部の実施形態において、このような様式でHIVを標的とするものの例としては、バビツキシマブ、UB-421、C2F5、2G12、C4E10、C2F5+C2G12+C4E10、8ANC195、3BNC117、3BNC60、10-1074、PGT145、PGT121、PGT-151、PGT-133、MDX010(イピリムマブ)、DH511、N6、VRC01 PGDM1400、A32、7B2、10E8、10E8v4、CAP256-VRC26.25、DRVIA7、VRC-07-523、VRC-HIVMAB080-00-AB、VRC-HIVMAB060-00-AB、MGD-014およびVRC07が挙げられる。HIV二重特異性抗体の例としては、MGD014が挙げられる。
【0187】
薬物動態学的エンハンサー
薬物動態学的エンハンサーの例としては、コビシスタットおよびリトナビルが挙げられる。
【0188】
追加の治療剤
追加の治療剤の例としては、WO 2004/096286(Gilead Sciences)、WO 2006/015261(Gilead Sciences)、WO
2006/110157(Gilead Sciences)、WO 2012/003497(Gilead Sciences)、WO 2012/003498(Gilead Sciences)、WO 2012/145728(Gilead Sciences)、WO 2013/006738(Gilead Sciences)、WO
2013/159064(Gilead Sciences)、WO 2014/100323(Gilead Sciences)、US 2013/0165489(University of Pennsylvania)、US 2014/0221378(Japan Tobacco)、US 2014/0221380(Japan Tobacco)、WO 2009/062285(Boehringer Ingelheim)、WO 2010/130034(Boehringer Ingelheim)、WO 2013/006792(Pharma Resources)、US 20140221356(Gilead Sciences)、US 20100143301(Gilead Sciences)およびWO 2013/091096(Boehringer Ingelheim)に開示される化合物が挙げられる。
【0189】
HIVワクチン
HIVワクチンの例としては、ペプチドワクチン、組換えサブユニットタンパク質ワクチン、生ベクターワクチン、DNAワクチン、CD4由来ペプチドワクチン、ワクチン組み合わせ物、rgp120(AIDSVAX)、ALVAC HIV(vCP1521)
/AIDSVAX B/E(gp120)(RV144)、モノマーgp120 HIV-1サブタイプCワクチン、レミューン(Remune)、ITV-1、コントレビル(Contre Vir)、Ad5-ENVA-48、DCVax-001(CDX-2401)、Vacc-4x、Vacc-C5、VAC-3S、マルチクレード(multiclade)DNA組換えアデノウイルス-5(rAd5)、ペンバックス(Pennvax)-G、ペンバックス-GP、HIV-TriMix-mRNAワクチン、HIV-LAMP-vax、Ad35、Ad35-GRIN、NAcGM3/VSSP ISA-51、ポリ-ICLCアジュバント化ワクチン、TatImmune、GTU-multiHIV(FIT-06)、gp140[デルタ]V2.TV1+MF-59、rVSVIN HIV-1 gagワクチン、SeV-Gagワクチン、AT-20、DNK-4、ad35-Grin/ENV、TBC-M4、HIVAX、HIVAX-2、NYVAC-HIV-PT1、NYVAC-HIV-PT4、DNA-HIV-PT123、rAAV1-PG9DP、GOVX-B11、GOVX-B21、TVI-HIV-1、Ad-4(Ad4-envクレードC(Clade C)+Ad4-mGag)、EN41-UGR7C、EN41-FPA2、PreVaxTat、AE-H、MYM-V101、CombiHIVvac、ADVAX、MYM-V201、MVA-CMDR、DNA-Ad5 gag/pol/nef/nev(HVTN505)、MVATG-17401、ETV-01、CDX-1401、rcAD26.MOS1.HIV-Env、Ad26.Mod.HIVワクチン、AGS-004、AVX-101、AVX-201、PEP-6409、SAV-001、ThV-01、TL-01、TUTI-16、VGX-3300、IHV-001、およびウイルス様粒子ワクチン、例えば偽ビリオンワクチン、CombiVICHvac、LFn-p24 B/C融合ワクチン、GTUベースのDNAワクチン、HIV gag/pol/nef/env DNAワクチン、抗TAT HIVワクチン、結合体ポリペプチドワクチン、樹状細胞ワクチン、gagベースのDNAワクチン、GI-2010、gp41 HIV-1ワクチン、HIVワクチン(PIKAアジュバント)、I i-key/MHC II型エピトープハイブリッドペプチドワクチン、ITV-2、ITV-3、ITV-4、LIPO-5、マルチクレードEnvワクチン、MVAワクチン、Pennvax-GP、pp71欠損HCMVベクターHIV
gagワクチン、組換えペプチドワクチン(HIV感染)、NCI、rgp160 HIVワクチン、RNActive HIVワクチン、SCB-703、Tat Oyiワクチン、TBC-M4、治療用HIVワクチン、UBI HIV gp120、Vacc-4x+ロミデプシン、バリアントgp120ポリペプチドワクチン、rAd5 gag-pol env A/B/Cワクチン、DNA.HTIおよびMVA.HTIが挙げられる。
【0190】
HIV併用療法
特定の実施形態において、本明細書中に開示される化合物またはその薬学的に受容可能な塩は、ATRIPLA(登録商標)(エファビレンツ、フマル酸テノホビルジソプロキシル、およびエムトリシタビン);COMPLERA(登録商標)(EVIPLERA(登録商標);リルピビリン、フマル酸テノホビルジソプロキシル、およびエムトリシタビン);STRIBILD(登録商標)(エルビテグラビル、コビシスタット、フマル酸テノホビルジソプロキシル、およびエムトリシタビン);ツルバダ(登録商標)(フマル酸テノホビルジソプロキシルおよびエムトリシタビン;TDF+FTC);DESCOVY(登録商標)(テノホビルアラフェナミドおよびエムトリシタビン);ODEFSEY(登録商標)(テノホビルアラフェナミド、エムトリシタビン、およびリルピビリン);GENVOYA(登録商標)(テノホビルアラフェナミド、エムトリシタビン、コビシスタット、およびエルビテグラビル);アデホビル;アデホビルジピボキシル;コビシスタット;エムトリシタビン;テノホビル;テノホビルジソプロキシル;フマル酸テノホビルジソプロキシル;テノホビルアラフェナミド;テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩;TRIUMEQ(登録商標)(ドルテグラビル、アバカビル、およびラミブジン);ドル
テグラビル、硫酸アバカビル、およびラミブジン;ラルテグラビル;ラルテグラビルおよびラミブジン;マラビロク;エンフビルチド;ALUVIA(登録商標)(カレトラ(登録商標);ロピナビルおよびリトナビル);コンビビル(登録商標)(ジドブジンおよびラミブジン;AZT+3TC);エプジコム(登録商標)(LIVEXA(登録商標);硫酸アバカビルおよびラミブジン;ABC+3TC);TRIZIVIR(登録商標)(硫酸アバカビル、ジドブジン、およびラミブジン;ABC+AZT+3TC);リルピビリン;リルピビリン塩酸塩;硫酸アタザナビルおよびコビシスタット;アタザナビルおよびコビシスタット;ダルナビルおよびコビシスタット;アタザナビル;硫酸アタザナビル;ドルテグラビル;エルビテグラビル;リトナビル;硫酸アタザナビルおよびリトナビル;ダルナビル;ラミブジン;プロラスチン;ホスアンプレナビル;ホスアンプレナビルカルシウム エファビレンツ;エトラビリン;ネルフィナビル;メシル酸ネルフィナビル;インターフェロン;ジダノシン;スタブジン;インジナビル;硫酸インジナビル;テノホビルおよびラミブジン;ジドブジン;ネビラピン;サキナビル;メシル酸サキナビル;アルデスロイキン;ザルシタビン;チプラナビル;アンプレナビル;デラビルジン;メシル酸デラビルジン;Radha-108(レセプトル);ラミブジンおよびフマル酸テノホビルジソプロキシル;エファビレンツ、ラミブジン、およびフマル酸テノホビルジソプロキシル;ホスファジド;ラミブジン、ネビラピン、およびジドブジン;アバカビル;ならびに硫酸アバカビルから選択される、1種、2種、3種、4種、またはそれより多くの追加の治療剤と組み合わせられる。
【0191】
上に列挙された追加の治療剤は、上に列挙されたクラスのうちの1つより多くに含まれ得ることが、当業者によって理解される。具体的なクラスは、これらのクラスに列挙される化合物の機能性を限定することを意図されない。
【0192】
一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩は、逆トランスクリプターゼのHIVヌクレオシドまたはヌクレオチド阻害剤および逆トランスクリプターゼのHIV非ヌクレオシド阻害剤と組み合わされる。別の具体的な実施形態では、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩は、逆トランスクリプターゼのHIVヌクレオシドまたはヌクレオチド阻害剤、およびHIVプロテアーゼ阻害化合物と組み合わされる。追加の実施形態では、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩は、逆トランスクリプターゼのHIVヌクレオシドまたはヌクレオチド阻害剤、逆トランスクリプターゼのHIV非ヌクレオシド阻害剤、および薬物動態学的エンハンサーと組み合わされる。特定の実施形態において、本明細書中に開示される化合物またはその薬学的に受容可能な塩は、少なくとも1つの逆トランスクリプターゼのHIVヌクレオシド阻害剤、およびインテグラーゼ阻害剤、および薬物動態学的エンハンサーと組み合わせられる。別の実施形態において、本明細書中に開示される化合物またはその薬学的に受容可能な塩は、2つの逆トランスクリプターゼのHIVヌクレオシドまたはヌクレオチド阻害剤と組み合わせられる。
【0193】
特定の実施形態において、本明細書中に開示される化合物またはその薬学的に受容可能な塩は、GS-9131、MK-8591、硫酸アバカビル、ビクテグラビル、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、フマル酸テノホビルジソプロキシル、ヘミフマル酸テノホビルジソプロキシル、テノホビルアラフェナミド、またはテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、またはこれらの組み合わせと組み合わせられる。
【0194】
特定の実施形態において、本明細書中に開示される化合物またはその薬学的に受容可能な塩は、ビクテグラビル、GS-9131、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、フマル酸
テノホビルジソプロキシル、テノホビルアラフェナミド、またはテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、またはこれらの組み合わせと組み合わせられる。
【0195】
特定の実施形態において、本明細書中に開示される化合物またはその薬学的に受容可能な塩は、硫酸アバカビル、ビクテグラビル、GS-9131、テノホビル、テノホビルジソプロ
キシル、フマル酸テノホビルジソプロキシル、テノホビルアラフェナミド、およびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、またはこれらの組み合わせからなる群より選択される第一の追加の治療剤、ならびにエムトリシタビンおよびラミブジンからなる群より選択される第二の追加の治療剤と組み合わせられる。
【0196】
特定の実施形態において、本明細書中に開示される化合物またはその薬学的に受容可能な塩は、ビクテグラビル、GS-9131、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、フマル酸
テノホビルジソプロキシル、テノホビルアラフェナミド、およびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、またはこれらの組み合わせからなる群より選択される第一の追加の治療剤、ならびに第二の追加の治療剤と組み合わせられ、ここでこの第二の追加の治療剤は、エムトリシタビンである。
【0197】
一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩は、40mg~60mgのビクテグラビル、20mg~70mgのGS-9131、5mg~30mgのテノホビルアラフェナミドフマレート、テノホビルアラフェナミドヘミフマレート、またはテノホビルアラフェナミド、および200mgのエムトリシタビンと組み合わされる。一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩は、1mg~3mg、3mg~5mg、5mg~10mg;5mg~15mg;5mg~20mg;5mg~25mg;25mg~30mg;20mg~30mg;15mg~30mg;もしくは10mg~30mgのテノホビルアラフェナミドフマレート、テノホビルアラフェナミドヘミフマレート、もしくはテノホビルアラフェナミド、および/または200mgのエムトリシタビンと組み合わされる。一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩は、30mg~50mg、50mg~75mg、75mg~100mg;100mg~150mg;150mg~200mg;250mg~300mg;350mg~400mg;400mg~450mg;450mg~500mg;もしくは500mg~550mgのテノホビルアラフェナミドフマレート、テノホビルアラフェナミドヘミフマレート、もしくはテノホビルアラフェナミド、および/または200mgのエムトリシタビンと組み合わされる。一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩は、500mg~750mg、750mg~1000mg、1000mg~1500mg、1500mg~2000mg、2000mg~2500mgのテノホビルアラフェナミドフマレート、テノホビルアラフェナミドヘミフマレート、もしくはテノホビルアラフェナミド、および/または200mgのエムトリシタビンと組み合わされる。一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩は、10mgのテノホビルアラフェナミドフマレート、テノホビルアラフェナミドヘミフマレート、またはテノホビルアラフェナミド、および200mgのエムトリシタビンと組み合わされる。一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩は、25mgのテノホビルアラフェナミドフマレート、テノホビルアラフェナミドヘミフマレート、またはテノホビルアラフェナミド、および200mgのエムトリシタビンと組み合わされる。一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩は、50mgのビクテグラビルと組み合わされる。本明細書に開示される化合物(例えば、式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、If、Ig、Ih、Ii、IjおよびIkのいずれかの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩)は、本明細書に提供される薬剤と、化合物の任意の投与量(例えば、50mg~300mgの化合物)で、投与量の各組合せが具体的にかつ個別に挙げられた場合と同様に組み合わせることができる。
【0198】
一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩は、200mg~400mgのテノホビルジソプロキシルフマレート、テノホビルジソプ
ロキシルヘミフマレート、またはテノホビルジソプロキシル、および200mgのエムトリシタビンと組み合わされる。一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩は、200mg~250mg;200mg~300mg;200mg~350mg;250mg~350mg;250mg~400mg;350mg~400mg;300mg~400mg;または250mg~400mgのテノホビルジソプロキシルフマレート、テノホビルジソプロキシルヘミフマレート、またはテノホビルジソプロキシル、および200mgのエムトリシタビンと組み合わされる。一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩は、300mgのテノホビルジソプロキシルフマレート、テノホビルジソプロキシルヘミフマレート、またはテノホビルジソプロキシル、および200mgのエムトリシタビンと組み合わされる。本明細書に開示される化合物(例えば、式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、If、Ig、Ih、Ii、IjおよびIkのいずれかの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩)は、本明細書に提供される薬剤と、化合物の任意の投与量(例えば、50mg~300mgの化合物)で、投与量の各組合せが具体的にかつ個別に挙げられている場合と同様に組み合わせることができる。
【0199】
一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を、1種またはそれより多く(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1種~3種)の追加の治療剤と組み合わせて含むキットが提供される。
【0200】
受胎調節(避妊)用併用療法剤
受胎調節に使用される治療剤(避妊薬)としては、酢酸シプロテロン、デソゲストレル、ジエノゲスト、ドロスピレノン、吉草酸エストラジオール、エチニルエストラジオール、エチノジオール、エトノゲストレル、レボメフォレート、レボノルゲストレル、リネストレノール、酢酸メドロキシプロゲステロン、メストラノール、ミフェプリストン、ミソプロストール、ノメゲストロール酢酸、ノルエルゲストロミン、ノルエチンドロン、ノルエチノドレル、ノルゲスチメート、オルメロキシフェン、酢酸セゲステロン(segestersone acetate)、酢酸ウリプリスタル、およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0201】
遺伝子療法および細胞治療
遺伝子をサイレントにするための遺伝子改変;感染した細胞を直接殺傷するための遺伝的アプローチ;感染した細胞に対する免疫応答を増強するために患者自身の免疫系の大部分を置き換えるように、感染した細胞を殺傷するために患者自身の免疫系を活性化するように、または感染した細胞を見つけて殺傷するように設計された、免疫細胞の注入;感染に対する内因性免疫応答性をさらに変更するように細胞活性を改変するための遺伝的アプローチが挙げられる、遺伝子療法および細胞治療。
【0202】
樹状細胞治療の例としては、AGS-004が挙げられる。
【0203】
遺伝子エディタ
ゲノム編集系は、CRISPR/Cas9系、ジンクフィンガーヌクレアーゼ系、TALEN系、ホーミングエンドヌクレアーゼ系、およびメガヌクレアーゼ(meganuclease)系からなる群より選択される。
【0204】
HIVを標的とするCRISPR/Cas9系の例としては、EBT101が挙げられる。
【0205】
CAR-T細胞治療
キメラ抗原受容体(CAR)を発現するように操作された免疫エフェクター細胞の集団であり、このCARは、HIV抗原結合ドメインを含む。このHIV抗原は、HIVエン
ベロープタンパク質またはその一部分、gp120またはその一部分、gp120上のCD4結合部位、gp120上のCD4誘導結合部位、gp120上のNグリカン、gp120のV2、gp41上の膜近位領域を含む。この免疫エフェクター細胞は、T細胞またはNK細胞である。一部の実施形態において、このT細胞は、CD4+ T細胞、CD8+ T細胞、またはこれらの組み合わせである。
【0206】
HIV CAR-Tの例としては、VC-CAR-Tが挙げられる。
TCR-T細胞治療
TCR-T細胞は、ウイルス感染した細胞の表面に存在するHIV由来ペプチドを標的化するように操作される。
【0207】
一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物のうちの1種またはそれより多くは、1種またはそれより多くの他の活性治療剤と、患者に同時または連続投与するための単位剤形として組み合わされる。ある特定の実施形態では、本明細書に開示される化合物のうちの1種またはそれより多くを1種またはそれより多くの他の活性治療剤と組み合わせて含む医薬組成物が提供される。ある特定の実施形態では、本明細書に開示される化合物は、固体剤形として1種またはそれより多くの他の活性治療剤と組み合わされる。併用療法剤は、同時または逐次レジメンとして投与することができる。連続投与する場合、組み合わせ物は、2回またはそれより多い投与で投与することができる。
【0208】
一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物のうちの1種またはそれより多くは、1種またはそれより多くの他の活性治療剤と共投与される。本明細書に開示される化合物と1種またはそれより多くの他の活性治療剤の共投与は、一般に治療有効量の本明細書に開示される化合物および1種またはそれより多くの他の活性治療剤が共に患者の体内に存在するような、本明細書に開示される化合物および1種またはそれより多くの他の活性治療剤の同時または連続投与を指す。
【0209】
さらに別の実施形態では、本出願は、HIV感染を処置する方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を、治療有効量の、以上に開示するものなどの1種またはそれより多くの追加の治療剤と組み合わせて投与することを含む方法を提供する。
【0210】
一部の実施形態では、本明細書に開示される方法は、個体をHIVに曝露するであろう事象もしくは個体がHIVを獲得するリスクを普通なら増加させるであろう事象の前および/または後の投与、例えば曝露前予防(PrEP)および/または曝露後予防(PEP)としての投与を伴う。個体がHIVを獲得するリスクを増加しうる事象の例としては、限定されるものではないが、HIV陽性のパートナーまたはHIV状態不明のパートナーとの肛門性交時におけるコンドーム不使用;3人より多いセックスパートナーとの肛門セックス;お金、贈り物、シェルターまたは薬物の肛門セックスの交換;男性パートナーとのセックスおよび性行為によって伝染する感染症の診断;ならびにHIV陽性であることが既知であるセックスパートナーに関してコンドームの使用が一貫していないことが挙げられる。
【0211】
IV. 医薬製剤
本明細書に開示される化合物は、通常の実施に従って選択される従来のキャリア(例えば、不活性成分または賦形剤材料)を用いて製剤化される。錠剤は、流動促進剤、充填剤、結合剤などを含む、賦形剤を含む。水性製剤は、無菌の形で調製され、経口投与以外による送達向けのものである場合、一般に等張性である。すべての製剤は、Handbook of Pharmaceutical Excipients (1986)に記述されているものなどの賦形剤を必要に応じて含有する。賦形剤としては、アスコルビン酸および他の抗酸化剤、EDTAなどのキレー
ト剤、デキストリンなどの炭水化物、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルメチルセルロース、ステアリン酸などが挙げられる。一実施形態は、固体経口剤形を含む、固体剤形として製剤を提供する。製剤のpHは、約3~約11の範囲であるが、普段は約7~10である。
【0212】
活性成分は単独投与することができるが、医薬製剤(組成物)としてそれらを提示することが好ましいことがある。本発明の動物用およびヒト用製剤は共に、上で定義される少なくとも1種の活性成分を、1種またはそれより多くの受容可能なキャリアおよび必要に応じて他の治療成分と一緒に含む。キャリア(複数可)は、製剤の他の成分と相溶性があり、そのレシピエントに対して生理学的に無害であるという意味で「受容可能な」ものでなければならない。
【0213】
製剤としては、上述の投与経路に適しているものが挙げられる。製剤は、好都合なことに単位剤形として提示することができ、薬学技術分野において周知である方法のいずれによっても調製することができる。技法および製剤は一般に、Remington’s Pharmaceutical Sciences (Mack Publishing Co., Easton, PA)に見られる。そのような方法は
、活性成分を、1種またはそれより多くの副成分を構成する不活性成分(例えば、キャリア、医薬賦形剤など)と会合させるステップを含む。一般に、製剤は、活性成分を液体キャリアもしくは微細化固体キャリアまたはそれらの両方と均一かつ密接に会合させ、次いで必要なら生成物を造形することによって調製される。
【0214】
本明細書に記載される、経口投与に適した製剤は、別個の単位として提示することができ、別個の単位としては、カプセル剤、カシェ剤または錠剤が挙げられるが、これらに限定されず、それぞれは所定量の活性成分を含む。
【0215】
本明細書に開示される医薬製剤は、1種またはそれより多くの本明細書に開示される化合物を1種またはそれより多くの薬学的に受容可能なキャリアまたは賦形剤および必要に応じて他の治療剤と一緒に含む。活性成分を含有する医薬製剤は、所期の投与方法に適した任意の形であってよい。例えば、経口使用のために使用される場合、錠剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、水性もしくは油性懸濁剤、分散性粉末もしくは顆粒剤、乳剤、硬もしくは軟カプセル剤、シロップ剤またはエリキシル剤を調製することができる。経口使用向けの組成物は、医薬組成物を製造する技術分野に公知のいずれの方法に従っても調製することができ、そのような組成物は、美味な調製剤を提供するために、甘味剤、香味剤、着色剤および保存剤を含む、1種またはそれより多くの薬剤を含有することができる。活性成分を錠剤の製造に適した薬学的に受容可能な無毒性賦形剤と混合して含有する錠剤が受容可能である。これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウム、ラクトース、ラクトース一水和物、クロスカルメロースナトリウム、ポビドン、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤;トウモロコシデンプンまたはアルギン酸などの造粒および崩壊剤;セルロース、微結晶セルロース、デンプン、ゼラチンまたはアカシアなどの結合剤;ならびにステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸または滑石などの滑沢剤とすることができる。錠剤は、コーティングされていなくてもよく、またはマイクロカプセル化を含む、公知の技法によりコーティングされて、胃腸管における崩壊および吸着を遅延させ、それによって作用をより長期にわたって持続させてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリンまたはジステアリン酸グリセリンなどの時間遅延材料を単独でまたはワックスと共に使用することができる。
【0216】
不活性成分と組み合わせて、剤形を生成する活性成分の量は、処置される宿主および具体的な投与様式に応じて異なる。例えば、一部の実施形態では、ヒトに経口投与するための剤形には、およそ1mg~1000mgの活性材料が適切で好都合な量のキャリア材料(例えば、不活性成分または賦形剤材料)と共に製剤化されて含有される。一部の実施形
態では、剤形(例えば、ヒトへの経口投与用)は、1mg~1000mg、または3mg~1000mg、または5mg~1000mg、または10mg~1000mg、または50mg~1000mg、または100mg~1000mg、または200mg~1000mg、または300mg~1000mg、または10mg~800mg、または10mg~600mg、または10mg~500mg、または10mg~400mg、または10mg~300mg、または50mg~800mg、または100mg~600mg、または150mg~500mg、または200mg~400mg、または50mg~500mg、または10mg~300mg、または50mg~300mg、または10mg~200mg、または50mg~200mg、または100mg~300mg、または100mg~200mg、または200mg~300mgの活性材料(例えば、式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、If、Ig、Ih、Ii、IjおよびIkのいずれかの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩)を含有する。一部の実施形態では、ヒトへの経口投与用の剤形は、少なくとも1mg、3mg、5mg、10mg、25mg、50mg、100mg、150mg、200mg、250mgまたは300mgのいずれか、かつ500mgまたは800mgまたは1000mg以下の活性材料(例えば、少なくとも50mgから500mg以下)を含有する。一部の実施形態では、ヒトへの経口投与用の剤形は、少なくとも1mg、3mg、5mg、10mg、25mg、50mg、100mg、150mg、200mg、250mg、もしくは300mgのいずれか、または500mgもしくは800mgもしくは1000mg以下の活性材料を含有する。一部の実施形態では、ヒトへの経口投与用の剤形は、1mg、3mg、5mg、10mg、25mg、50mg、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg、500mg、550mg、600mg、650mg、700mg、750mg、800mg、850mg、900mg、950mg、または1000mgのいずれかの活性材料を含有する。本明細書に提供される量の剤形を患者(例えば、それを必要とするヒト)に1日1回、2回または3回の投与など、本明細書に提供される投与レジメンに従って投与することができることは理解されている。一態様において、投与レジメンにより、1日少なくとも10mgかつ1,000mg以下の活性材料(例えば、式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、If、Ig、Ih、Ii、IjおよびIkのいずれかの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩)が投与され、量を任意の適切な剤形および量で提供することができる(例えば、1回500mgを1日2回または1回1,000mgを1日1回であれば、同じ投与量の1,000mg/日を実現する)ことは理解されている。本発明は、少なくとも50mgかつ300mg以下の化合物を含む化合物(例えば、式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、If、Ig、Ih、Ii、IjおよびIkのいずれかの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩)の剤形を個体(例えば、それを必要とするヒト)に1日1回投与することを包含する。ある特定の実施形態では、キャリア材料は全組成物の約5から約95%(重量:重量)まで変動する。
【0217】
上で具体的に記載された成分に加えて、本発明の製剤は、該当する製剤のタイプを考慮して当技術分野において従来の他の薬剤を含むことができ、例えば、経口投与に適したものとしては、香味剤を挙げることができることは理解されるべきである。
【0218】
本発明は、上で定義された少なくとも1種の活性成分を動物医薬用キャリアと一緒に含む動物医薬用組成物をさらに提供する。
【0219】
動物医薬用キャリアは、組成物を投与するのに有用な材料であり、動物医薬技術分野において他の点では不活性または受容可能であり、活性成分と相溶性がある固体、液体または気体材料とすることができる。これらの動物医薬組成物は、経口投与、非経口投与、または他の任意の所望の経路で投与することができる。
【0220】
活性成分の有効用量は、少なくとも処置されようとしている病態の性質、毒性、化合物
が予防的に使用されようとしている(より低い用量)かどうか、送達方法、および医薬製剤に依存し、従来の用量漸増研究を利用して臨床医によって決定される。
【0221】
V. 投与経路
1種またはそれより多くの本明細書に開示される化合物(本明細書では活性成分と呼ばれる)は、処置される病態に適切な任意の経路によって投与される。適切な経路としては、経口、直腸、経鼻、局所(バッカルおよび舌下を含む)、腟内および非経口(皮下、筋肉内、静脈内、皮内、髄腔内および硬膜外を含む)などが挙げられる。一部の実施形態では、1種またはそれより多くの本明細書に開示される化合物は、非経口(例えば、皮下、筋肉内)投与される。好ましい経路は、例えばレシピエントの病態によって変動しうると認識されている。
【0222】
VI. 投与レジメン
式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、If、Ig、Ih、Ii、IjおよびIkのいずれかの化合物などの化合物を、有効な投与レジメンに従って、毎日(1日1回、1日2回、1日3回など)、少なくとも約1か月、少なくとも約2か月、少なくとも約3か月、少なくとも約6か月、もしくは少なくとも約12か月またはそれより長期など所望の時間または期間、個体に投与することができる。一変形では、化合物は毎日のまたは間欠的なスケジュールで個体の生涯の期間投与される。
【0223】
式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、If、Ig、Ih、Ii、IjおよびIkのいずれかの化合物の投与量または投与頻度は、処置の過程を通じて、例えば投与する医師の判断に基づいて調整することができる。
【0224】
化合物は、有効量を個体(例えば、ヒト)に投与することができる。一態様において、化合物は1日1回投与される。一態様において、化合物は1日2回投与される。一態様において、化合物は1日3回投与される。化合物を、少なくとも10mg/日の投与および1,000mg/日以下の投与を実現する投与量など、本明細書に提供される任意の投与量で投与することができることは理解されている。50mg~300mgの化合物を含有する剤形を投与するなどによって、1日1回の経口投与が取り入れられる。
【0225】
VII. 方法および実施例
化合物を調製するために使用されるある特定の化合物および中間体の合成を、以下の節で詳述する。
【0226】
略語
下記は、本出願全体にわたって使用される略語および頭字語の一覧である。
略語 意味
℃ セ氏の度
CHCN アセトニトリル
d 二重線
dd 二重線の二重線
DCE 1,2-ジクロロエタン
DCM ジクロロメタン
DEAD アゾジカルボン酸ジエチル
DIAD アゾジカルボン酸ジイソプロピル
DIPEA/DIEA N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMAP 4-ジメチルアミノピリジン
DME 1,2-ジメトキシエタン
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
equiv/eq 当量
ESI エレクトロスプレーイオン化
Ac アセテート
Et エチル
g グラム
HATU 2-(7-アザ-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
h/hr 時間
Hz ヘルツ
J 結合定数
Kg キログラム
L リットル
M モル濃度
m 多重線
m/z 質量電荷比
M+ 質量ピーク
M+H 質量ピーク+水素
mg ミリグラム
MHz メガヘルツ
min/m 分
ml/mL ミリリットル
mM ミリモル濃度
mmol ミリモル
MS 質量分析
mol モル
NMR 核磁気共鳴
Ph フェニル
ppm 百万分率
RP 逆相
RT/rt 室温
s 一重線
t 三重線
NEt トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
TH テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
TMS トリメチルシリル
δ 化学シフト
μg マイクログラム
μL/μl マイクロリットル
μM マイクロモル濃度
μm マイクロメートル
μmol マイクロモル
【0227】
反応または化合物の実施例番号を、便宜上記載する。
【0228】
出発物質の生成が特に記載されていない場合、化合物は公知の化合物であるか、または当技術分野において公知であるもしくは実施例に開示される方法と同じように調製するこ
とができる。当業者は、本明細書に記載される合成法が、本明細書に記載される化合物の調製方法を代表するものにすぎないこと、ならびに他の公知の方法および本明細書に記載される方法の変形を使用することができることを認識する。様々な実施例に記載される方法または特徴を、様々な方式で組み合わせ、または改変して、本明細書に記載される化合物を作製する追加の方式を提供することができる。
【0229】
一般合成手順
以下のスキームにより、式Iの化合物(例えば、式Iaの化合物)を調製するのに有用な方法を説明する。例えば、以下に詳述するように、一般スキーム1、一般スキーム2、一般スキーム3、および/または一般スキーム4を使用して、式Iの化合物を調製することができる。
【0230】
一般スキーム1
【化59】
【0231】
スキーム1により、式Iの化合物(例えば、化合物1.15および1.16)を調製するために使用される一般的な立体選択的経路を説明する。式1.1のヘテロアリールアルデヒド(式中、Xは、好適に保護されるNH、SH、またはハロゲンなどの多様化可能な化学基である)をキラル補助剤(S)-tert-ブタンスルフィンアミドと縮合させ、次に求核性グリニャール試薬の立体選択的付加を行うと、1.3が富化している1.3と1.4の混合物が得られる。この混合物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーで分離すると、純粋なジアステレオマーが得られる。補助剤の除去により、アミン1.5および1.6が得られ、それらを保護する。1.7および1.8の逐次多様化を、アルキル化、アシル化、シアノ化、求核芳香族置換、ならびに鈴木カップリング、バックワルド・
ハートウィグ型カップリング、および薗頭カップリングなどの金属触媒クロスカップリング反応を含む様々な方法で実施する。最後に、BOC保護基を除去し、得られたアミンを様々なカルボン酸とカップリングさせると、式1.15および1.16のヘテロアリール化合物が得られる。
【0232】
一般スキーム2
【化60】
【0233】
スキーム2により、中間体2.1から式2.6の化合物を調製するために使用される一般的な立体選択的経路を説明する。例えば、化合物2.1を、金属触媒カップリング反応(例えば、鈴木カップリング、バックワルド・ハートウィグ型カップリング、および薗頭カップリング)などの様々な方法により化合物2.3に変換することができる。次に、化合物2.3を、N-アルキル化反応、次にBOC-脱保護およびアミド形成により化合物2.6に変換することができる。
【0234】
一般スキーム3
【化61】
【0235】
スキーム3により、中間体3.1から式3.5の化合物を調製するために使用される一般的な立体選択的経路を説明する。例えば、化合物3.1(ここで、RはHではない)と3.2を反応させると、金属触媒カップリング反応(例えば、鈴木カップリング)によって式3.3の化合物が得られる。3.3の脱保護の後に、アミド形成を行うと、式3.5の化合物が得られる。
【0236】
一般スキーム4
【化62】
【0237】
スキーム4により、式4.5の化合物を調製するために使用される一般的な立体選択的経路を説明する。
【0238】
一般スキーム5
【化63】
【0239】
スキーム5により、式5.4の化合物を調製するために使用される一般経路を説明する。
【0240】
一般スキーム6
【化64】
【0241】
スキーム6により、式6.2の化合物を調製するために使用される一般経路を説明する。
【0242】
中間体および化合物例の実施例手順
本明細書に記載される新規化合物を得る方法は、例えば反応スキームおよび以下の実施例、ならびに本明細書に引用されている文献に記載されている適切な手順と共に、当業者に明らかである。
【0243】
上述の説明には、具体的な実施形態および態様が記載されているが、当業者は、様々な変更形態および代替形態を展開することができることを認識する。従って、上記の特定の実施形態および態様は、例示的なものにすぎず、本開示の範囲を限定するものではなく、その本開示の範囲には、添付の特許請求の範囲の全幅、ならびにそれらのいずれかおよびすべての均等物が与えられなければならない。上述の参考文献のそれぞれは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0244】
以下の実施例は、上記の一般スキームの枠内で実施される合成の例示である。
【0245】
(実施例1)
【化65】
【0246】
7-ブロモ-4-クロロ-1-(2,2-ジフルオロエチル)-1H-インダゾール-3-アミン(1B)の合成:
2000mLの四つ口丸底フラスコに、7-ブロモ-4-クロロ-1H-インダゾール-3-アミン(130g、527.40mmol、1.00当量)、N,N-ジメチルホルムアミド(1300mL)、CsCO(260g、797.99mmol、1.50当量)を20分間撹拌しながら入れ、次に1,1-ジフルオロ-2-ヨードエタン(122g、635.59mmol、1.20当量)を添加した。得られた混合物を65℃で終夜撹拌し、次いで室温に冷却し、3Lの水/氷を添加することによってクエンチし、1.5Lの酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせて、1.5LのHOで1回、1.5Lのブラインで1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮し、エタノールから再結晶すると、7-ブロモ-4-クロロ-1-(2,2-ジフルオロエチル)-1H-インダゾール-3-アミンが得られた。
【0247】
4-クロロ-1-(2,2-ジフルオロエチル)-7-(4,4,5,5-テトラメチ
ル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インダゾール-3-アミン(1C)の合成:
窒素不活性雰囲気でパージおよび維持している3000mLの四つ口丸底フラスコに、7-ブロモ-4-クロロ-1-(2,2-ジフルオロエチル)-1H-インダゾール-3-アミン(80g、257.63mmol、1.00当量)、1,4-ジオキサン(800mL)、N,N-ジメチルホルムアミド(800mL)、KOAc(76g、774.40mmol、3.00当量)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(197g、775.78mmol、3.00当量)、およびPd(PPhCl(8g、11.40mmol、0.04当量)を入れた。混合物を110℃で4時間撹拌し、次いで室温に冷却し、5Lの水/氷を添加することによってクエンチし、2Lの酢酸エチルで2回抽出した。有機層を合わせて、1LのHOで1回、1Lのブラインで1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を酢酸エチル/石油エーテル(1:10)で溶離されるシリカゲルカラムに加えると、4-クロロ-1-(2,2-ジフルオロエチル)-7-(テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インダゾール-3-アミンが得られた。MS (m/z): 358 [M+H]+. 1H-NMR: (DMSO-d6, 300MHz, ppm): δ7.63-7.66 (1H, d), 7.00-7.03 (1H, d), 6.06-6.43 (1H, t), 5.46 (2H, s), 4.90-5.01 (2H, t), 1.34 (12H, s).
【化66】
【0248】
((2-メチルブタ-3-イン-2-イル)スルホニル)シクロプロパン(1E)の合成:
DMF中シクロプロパンスルフィン酸ナトリウムおよび塩化銅の懸濁液に、3-クロロ-3-メチルブタ-1-インをゆっくり添加した。それを40℃で終夜撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、5%LiClおよびブラインで洗浄した。有機層を乾燥し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製した。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d)
δ 2.71 (tt, 1H), 1.68 (s, 6H), 1.36 - 1.26 (m, 2H), 1.21 - 1.01
(m, 2H).
【0249】
tert-ブチル(S)-(1-(3-ブロモ-6-(3-(シクロプロピルスルホニル)-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)ピリジン-2-イル)-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)カルバメート(1G)の合成:
丸底フラスコに、国際公開第2014/134566号に記載されているように合成されたtert-ブチル(S)-(1-(3,6-ジブロモピリジン-2-イル)-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)カルバメート(5g、10.16mmol)、((2-メチルブタ-3-イン-2-イル)スルホニル)シクロプロパン(2.54g、1
4.73mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(214mg、0.31mmol)、およびヨウ化銅(I)(58mg、0.31mmol)を投入した。DMF(ジメチルホルムアミド)(6mL)およびEtN(トリメチルアミン)(5.7mL、40.64mmol)を添加した。反応混合物を脱気し、アルゴンでパージし、次いで50℃に40分間加熱した。それをEtOAcと5%LiCl水溶液で分配した。有機層を分離し、(飽和)NH4Clおよびブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮すると、粗生成物が得られた。それを、EtOAc/ヘキサンで溶離するシリカゲルクロマトグラフィーで精製すると、表題化合物が得られた。MS (m/z):584.79 [M+H]+.
【0250】
tert-ブチル(S)-(1-(3-(3-アミノ-4-クロロ-1-(2,2-ジフルオロエチル)-1H-インダゾール-7-イル)-6-(3-(シクロプロピルスルホニル)-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)ピリジン-2-イル)-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)カルバメート(1H)の合成:
【0251】
tert-ブチル(S)-(1-(3-ブロモ-6-(3-(シクロプロピルスルホニル)-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)ピリジン-2-イル)-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)カルバメート(1000.0mg、1.71mmol)、4-クロロ-1-(2,2-ジフルオロエチル)-7-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インダゾール-3-アミン(796.7mg、2.23mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(43.33mg、0.051mmol)、および炭酸カリウム(592mg、4.29mmol)をマイクロ波管に投入し、アルゴン下に置いた。ジメトキシエタン(12mL)および水(2mL)を添加し、アルゴンを60秒間バブリングすることによって懸濁液を脱気した。脱気した後、反応混合物をマイクロ波反応器(Biotage(登録商標)Initiator+)中で125℃に20分間加熱し、反応混合物を室温に冷却した。それをEtOAcと0.1N HClに分配し、水性層を除去した。有機層を真空下で濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、表題化合物が得られた。MS (m/z) 734.49 [M+H]+).
【0252】
tert-ブチル(S)-(1-(3-(4-クロロ-1-(2,2-ジフルオロエチル)-3-(N-(メチルスルホニル)メチルスルホンアミド)-1H-インダゾール-7-イル)-6-(3-(シクロプロピルスルホニル)-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)ピリジン-2-イル)-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)カルバメート(1I)の合成:
【0253】
tert-ブチル(S)-(1-(3-(3-アミノ-4-クロロ-1-(2,2-ジフルオロエチル)-1H-インダゾール-7-イル)-6-(3-(シクロプロピルスルホニル)-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)ピリジン-2-イル)-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)カルバメート(300mg、0.41mmol)を、周囲温度で撹拌しながら塩化メチレン(6mL)に溶解した。それに、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.21mL、1.23mmol)を添加し、次にメタンスルホニルクロリド(0.063mL、0.82mmol)をゆっくり添加した。反応が完了した時点で、水を添加し、0.5時間撹拌した。有機層を分離し、水層を塩化メチレンで1回抽出した。有機層を合わせて、水およびブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、表題化合物が得られた。MS (m/z) 890.01 [M+H]+).
【0254】
(S)-N-(7-(2-(1-アミノ-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)-6-(3-(シクロプロピルスルホニル)-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)
ピリジン-3-イル)-4-クロロ-1-(2,2-ジフルオロエチル)-1H-インダゾール-3-イル)-N-(メチルスルホニル)メタンスルホンアミド(1J)の合成:
塩化メチレン(3mL)に溶解したtert-ブチル(S)-(1-(3-(4-クロロ-1-(2,2-ジフルオロエチル)-3-(N-(メチルスルホニル)メチルスルホンアミド)-1H-インダゾール-7-イル)-6-(3-(シクロプロピルスルホニル)-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)ピリジン-2-イル)-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)カルバメート(288mg、0.32mmol)に、トリフルオロ酢酸(1mL)を添加した。反応混合物を周囲温度で30分間撹拌した。溶媒を除去すると、表題化合物がTFA塩として得られた。MS (m/z): 790.28 [M+H]+).
【0255】
N-((S)-1-(3-(4-クロロ-1-(2,2-ジフルオロエチル)-3-(メチルスルホンアミド)-1H-インダゾール-7-イル)-6-(3-(シクロプロピルスルホニル)-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)ピリジン-2-イル)-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)-2-((3bS,4aR)-3-(ジフルオロメチル)-5,5-ジフルオロ-3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-1-イル)アセトアミド(1M)の合成:
(S)-N-(7-(2-(1-アミノ-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)-6-(3-(シクロプロピルスルホニル)-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)ピリジン-3-イル)-4-クロロ-1-(2,2-ジフルオロエチル)-1H-インダゾール-3-イル)-N-(メチルスルホニル)メタンスルホンアミド(115mg、0.13mmol)、2-((3bS,4aR)-5,5-ジフルオロ-3-(トリフルオロメチル)-3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-1-イル)酢酸(36.57mg、0.13mmol)、およびHATU(1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート)(59.13mg、0.16mmol)を丸底フラスコに投入し、DMF(ジメチルホルムアミド)(3mL)に溶解した。溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.11mL、0.65mmol)を添加した。添加が完了した後、反応混合物を室温で15分間撹拌すると、中間体1Lが得られたが、単離しなかった(MS(m/z)1054.75[M+H])。溶液に、1mLのエタノールおよび2滴の15%水酸化ナトリウム溶液を添加した。混合物を室温で30分間撹拌した。反応混合物を水と酢酸エチルで分配した。有機層を回収し、2分量の5%塩化リチウム溶液で洗浄し、次にブラインで洗浄した。有機層を単離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。得られた残渣をRP-HPLCで精製すると、表題化合物が得られた。MS (m/z) 976.22 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 8.86 (d), 8.73 (d), 7.79 (d), 7.72 (d), 7.65 (dd), 7.20 (q), 7.13 (d), 6.83 - 6.72 (m), 6.72 - 6.61
(m), 6.52 (d), 6.43 (dd), 6.36 - 6.25 (m), 6.21 - 5.51 (m), 5.05
(q), 4.93 - 4.62 (m), 4.35 - 4.11 (m), 3.91 - 3.38 (m), 3.24 (s), 3.07 (ddd), 3.02 - 2.89 (m), 2.85 (d), 2.68 - 2.36 (m), 1.84 (s), 1.47 - 1.35 (m), 1.36 - 1.18 (m), 1.17 - 0.98 (m), 2.35 (m), 1.82 (s), 1.48 - 1.24 (m), 1.21 - 0.79 (m).
【0256】
(実施例2)
【化67】
【0257】
N-(4-クロロ-1-(2,2-ジフルオロエチル)-7-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インダゾール-3-イル)-1-メチルシクロプロパン-1-スルホンアミド(2A)の合成:
0℃で、ピリジン(10mL)中4-クロロ-1-メチル-7-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インダゾール-3-アミン(1.5g、0.005mol)の混合物に、DMAP(0.119g、0.001mol)を添加し、次にDCM(10mL)中1-メチルシクロプロパン-1-スルホニルクロリド(2.262g、0.015mol)を添加した。混合物を120℃で12時間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、残渣をEtOAc(20mL)で希釈し、HCl(2N)で酸性化した。有機相をHOおよびブラインで洗浄し、MgSOを用いて乾燥した。溶媒を真空下で除去した。2mlのEtOAcを添加し、固体を濾過すると、表題生成物が得られた。
【0258】
tert-ブチル(S)-(1-(3-(4-クロロ-1-(2,2-ジフルオロエチル)-3-((1-メチルシクロプロパン)-1-スルホンアミド)-1H-インダゾール-7-イル)-6-(3-(シクロプロピルスルホニル)-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)ピリジン-2-イル)-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)カルバメート(2C)の合成:
丸底フラスコに、N-(4-クロロ-1-(2,2-ジフルオロエチル)-7-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インダゾール-3-イル)-1-メチルシクロプロパン-1-スルホンアミド(98mg、0.206mmol)、tert-ブチル(S)-(1-(3-ブロモ-6-(3-(シクロプロピルスルホニル)-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)ピリジン-2-イル)-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)カルバメート(100mg、0.17mm
ol)、ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(II)dichlorobis(tricyclohexlphosphine)palladium(II)(5.7mg)およびジオキサン(1.5mL
)を投入し、水(0.4mL)中1N炭酸水素ナトリウム溶液を添加した。反応混合物を脱気し、アルゴンでパージし、次いで140℃に15分間加熱した。それをEtOAcと水性溶液で分配した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮すると、粗生成物が得られた。それを、EtOAc/ヘキサンで溶離するシリカゲルクロマトグラフィーで精製すると、表題化合物が得られた。MS (m/z):853.8 [M+H]+.
【0259】
(S)-N-(7-(2-(1-アミノ-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)-6-(3-(シクロプロピルスルホニル)-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)ピリジン-3-イル)-4-クロロ-1-(2,2-ジフルオロエチル)-1H-インダゾール-3-イル)-1-メチルシクロプロパン-1-スルホンアミド(2D)の合成:
塩化メチレン(3mL)中tert-ブチル(S)-(1-(3-(4-クロロ-1-(2,2-ジフルオロエチル)-3-((1-メチルシクロプロパン)-1-スルホンアミド)-1H-インダゾール-7-イル)-6-(3-(シクロプロピルスルホニル)-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)ピリジン-2-イル)-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)カルバメート(135mg、0.16mmol)溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を添加した。反応混合物を周囲温度で60分間撹拌した。溶媒を除去し、次いでEtOAcと炭酸水素ナトリウム水溶液で分配した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮すると、粗生成物が得られた。MS (m/z): 754.11 [M+H]+.
【0260】
N-((S)-1-(3-(4-クロロ-1-(2,2-ジフルオロエチル)-3-((1-メチルシクロプロパン)-1-スルホンアミド)-1H-インダゾール-7-イル)-6-(3-(シクロプロピルスルホニル)-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)ピリジン-2-イル)-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)-2-((3bS,4aR)-3-(ジフルオロメチル)-5,5-ジフルオロ-3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-1-イル)アセトアミド(2F)の合成:
MeCN(5ml)中(S)-N-(7-(2-(1-アミノ-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)-6-(3-(シクロプロピルスルホニル)-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)ピリジン-3-イル)-4-クロロ-1-(2,2-ジフルオロエチル)-1H-インダゾール-3-イル)-1-メチルシクロプロパン-1-スルホンアミド(80mg、0.106mmol)および2,5-ジオキソピロリジン-1-イル2-((3bS,4aR)-3-(ジフルオロメチル)-5,5-ジフルオロ-3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-1-イル)アセテート(46mg、0.128mmol)の溶液に、TEA(22mg、0.213mmol)を室温で添加した。2時間後に、反応混合物を水と酢酸エチルで分配した。有機層を回収し、ブラインで洗浄した。有機層を単離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。得られた残渣をRP-HPLCで精製すると、100mgの表題化合物が得られた。MS (m/z) 1000.12 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 8.86 (d), 7.86 - 7.61 (m), 7.31 - 7.07 (m), 6.89 - 6.65 (m), 6.50 - 6.27 (m), 6.09 - 5.67 (m), 4.90 (s), 4.83 - 4.67 (m), 4.29 - 4.02 (m), 3.68 (s), 3.09 (dd), 3.02 - 2.90
(m), 2.54 - 2.41 (m), 1.84 (s), 1.72 (d), 1.63 (s), 1.40 (d), 1.33 - 1.27 (m), 1.27 - 1.18 (m), 1.06 (d), 0.76 (d).
【0261】
(実施例3)
【化68】
【0262】
N-((S)-1-(3-(3-アミノ-4-クロロ-1-メチル-1H-インダゾール-7-イル)-6-(3-(シクロプロピルスルホニル)-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)ピリジン-2-イル)-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)-2-((3bS,4aR)-5,5-ジフルオロ-3-(トリフルオロメチル)-3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-1-イル)アセトアミド(3C)の合成:
MeCN(3mL)中(S)-7-(2-(1-アミノ-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)-6-(3-(シクロプロピルスルホニル)-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)ピリジン-3-イル)-4-クロロ-1-メチル-1H-インダゾール-3-アミン(3A、実施例1に記載されている手順に従って合成、26.0mg、0.045mmol)溶液に、トリメチルアミン(31μL、0.22mmol)を添加し、次に2,5-ジオキソピロリジン-1-イル2-((3bS,4aR)-5,5-ジフルオロ-3-(トリフルオロメチル)-3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-1-イル)アセテート(3B、23.6mg、0.062mmol)を添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌し、次いで濃縮すると、粗製3Cが得られ、それをさらに精製することなく使用した。MS (m/z) 848.16 [M+H]+.
【0263】
N-((S)-1-(3-(4-クロロ-3-イソチオシアナト-1-メチル-1H-インダゾール-7-イル)-6-(3-(シクロプロピルスルホニル)-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)ピリジン-2-イル)-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)-2-((3bS,4aR)-5,5-ジフルオロ-3-(トリフルオロメチル)
-3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-1-イル)アセトアミド(3D)の合成:
DCM(1.0mL)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(1.0mL)中の粗製3C(37.8mg、0.045mmol)の溶液に、チオホスゲン(6.8μL、0.089mmol)を添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。有機層を単離し、水層をDCMの追加の分量(1.0mL)で抽出した。有機層を合わせて、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、表題化合物が得られた。MS (m/z) 890.09 [M+H]+.
【0264】
N-((S)-1-(3-(4-クロロ-3-(2-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロパノイル)ヒドラジン-1-カルボチオアミド)-1-メチル-1H-インダゾール-7-イル)-6-(3-(シクロプロピルスルホニル)-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)ピリジン-2-イル)-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)-2-((3bS,4aR)-5,5-ジフルオロ-3-(トリフルオロメチル)-3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-1-イル)アセトアミド(3E)の合成:
THF(1.5mL)中N-((S)-1-(3-(4-クロロ-3-イソチオシアナト-1-メチル-1H-インダゾール-7-イル)-6-(3-(シクロプロピルスルホニル)-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)ピリジン-2-イル)-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)-2-((3bS,4aR)-5,5-ジフルオロ-3-(トリフルオロメチル)-3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-1-イル)アセトアミド(3D、23.6mg、0.027mmol)溶液に、2-ヒドロキシ-2-メチルプロパノヒドラジド(4.7mg、0.040mmol)を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮すると、粗製の表題化合物が得られ、それをさらに精製することなく使用した。MS (m/z) 1008.20 [M+H]+.
【0265】
N-((S)-1-(3-(4-クロロ-3-((5-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)アミノ)-1-メチル-1H-インダゾール-7-イル)-6-(3-(シクロプロピルスルホニル)-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)ピリジン-2-イル)-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)-2-((3bS,4aR)-5,5-ジフルオロ-3-(トリフルオロメチル)-3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-1-イル)アセトアミド(3F)の合成:
DMF中、粗製N-((S)-1-(3-(4-クロロ-3-(2-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロパノイル)ヒドラジン-1-カルボチオアミド)-1-メチル-1H-インダゾール-7-イル)-6-(3-(シクロプロピルスルホニル)-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)ピリジン-2-イル)-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)-2-((3bS,4aR)-5,5-ジフルオロ-3-(トリフルオロメチル)-3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-1-イル)アセトアミド(3E、26.7mg、0.027mmol)溶液に、トリエチルアミン(0.030mL、0.21mmol)を添加し、次に1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(16.5mg、0.11mmol)を添加した。反応混合物を室温で終夜撹拌し、次いで濾過し、逆相HPLCで直接精製すると、表題化合物が得られた。MS (m/z) 974.23 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 8.90 - 8.82 (m), 7.80 - 7.72 (m), 7.68 -
7.58 (m), 7.22 (d), 7.16 (d), 7.11 (s), 7.09 (s), 6.83 - 6.73 (m), 6.70 - 6.61 (m), 6.52 (s), 6.50 (s), 6.47 - 6.38 (m), 5.40 - 5.23 (m), 5.10 - 4.98 (m), 4.78 (s), 4.77 (s), 3.35 (s), 3.23 - 3.15
(m), 3.07 - 2.91 (m), 2.59 - 2.39 (m), 1.84 (s), 1.84 (s), 1.64
- 1.56 (m), 1.50 - 1.36 (m), 1.35 - 1.21 (m), 1.20 - 1.01 (m).
【0266】
化合物表
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【表1-9】
【表1-10】
【表1-11】
【表1-12】
【表1-13】
【表1-14】
【表1-15】
【0267】
キャラクタリゼーション表
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【表2-5】
【表2-6】
【表2-7】
【表2-8】
【表2-9】
VIII. 結果
生物学的アッセイの説明
本明細書に開示される化合物の抗ウイルス特性は、下記の試験Aを使用して決定することができる。
【0268】
試験A: MT4細胞における抗ウイルスアッセイ
抗ウイルスアッセイでは、10%ウシ胎仔血清(FBS)を含む培地中、最終の有効1×試験濃度を達成するのに要する濃度の3倍に段階希釈した40μLの化合物を、384ウェルプレートの各ウェル(10種の濃度)に、4回複製して添加した。次に、MT-4細胞をHIV-IIIbと0.003の感染多重度(m.o.i.)で1時間混合し、それから35μLのウイルス/細胞混合物(2000個の細胞)を直ちに40μLの希釈化合物が入っている各ウェルに添加した。次いで、プレートを37℃で5日間インキュベートした。5日間インキュベートした後、25μlの2倍濃縮CellTiter-Glo(商標)試薬(カタログ番号G7571、Promega Biosciences,Inc.、Madison、WI)を、MT-4細胞が入っている各ウェルに添加した。室温で10分間インキュベートすることによって、細胞溶解を実施し、次いで化学ルミネセンスを読み取った。EC50値は、HIV-1複製の尺度であるルミネセンスシグナルの50%低下を引き起こす化合物濃度として計算した。200nMおよび10nMの薬物濃度において用量反応曲線から計算されたウイルス誘導細胞死滅の阻害パーセントを、以下の表に示す。
【0269】
試験B: 細胞毒性アッセイ
非感染細胞を使用したということを除いて、抗ウイルスアッセイ(試験A)に記載され
ているのと同じプロトコルを使用して、化合物の細胞毒性および対応するCC50値を決定した。
【0270】
本発明の化合物は、以下の表に示すように抗ウイルス活性(試験A)を実証する。CC50ならびに0.20μMおよび0.01μMの薬物濃度の存在下におけるウイルス誘導細胞死滅の阻害パーセントに対応する値を以下に示す。
【表3-1】
【表3-2】
【表3-3】
【表3-4】
【0271】
上記データは、各化合物についての各アッセイの時間についての平均を表す。ある特定の化合物については、複数のアッセイをプロジェクト期間にわたって行った。従って、表に報告されているデータは、優先権書類に報告されたデータおよび介在期間に実施されたアッセイからのデータを含む。上記の表では、阻害パーセント値は、阻害パーセントの計算により、100より高い値がもたらされたであろう場合に100%に正規化されたものである。
【0272】
一部の実施形態では、化合物は、0.20μMで>10%阻害を実証する。一実施形態では、化合物は、0.20μMで>30%阻害を実証する。一部の実施形態では、化合物は、0.20μMで>50%阻害を実証する。一部の実施形態では、化合物は、0.20μMで>70%阻害を実証する。一部の実施形態では、化合物は、0.20μMで>75%阻害を実証する。一部の実施形態では、化合物は、0.20μMで>80%阻害を実証する。一部の実施形態では、化合物は、0.20μMで>85%阻害を実証する。一部の実施形態では、化合物は、0.20μMで>90%阻害を実証する。一部の実施形態では、化合物は、0.20μMで>95%阻害を実証する。本明細書に開示される化合物を上記のそれらの阻害%に従って分類することができることは理解されるべきである。
【0273】
一部の実施形態では、化合物は、0.20μMで>10%阻害を実証する。一実施形態では、化合物は、0.20μMで>30%阻害を実証する。一部の実施形態では、化合物は、0.20μMで>50%阻害を実証する。一部の実施形態では、化合物は、0.20μMで>70%阻害を実証する。一部の実施形態では、化合物は、0.20μMで>75%阻害を実証する。一部の実施形態では、化合物は、0.20μMで>80%阻害を実証する。一部の実施形態では、化合物は、0.20μMで>85%阻害を実証する。一部の実施形態では、化合物は、0.20μMで>90%阻害を実証する。一部の実施形態では、化合物は、0.20μMで>95%阻害を実証する。本明細書に開示される化合物を上記のそれらの阻害%に従って分類することができることは理解されるべきである。
【0274】
一部の実施形態では、化合物は、本明細書に提供される任意の式のものであり、その化合物は、0.20μMでウイルス誘導細胞死滅の85%~110%阻害を示す。一部の実施形態では、化合物は、本明細書に提供される任意の式のものであり、その化合物は、0.20μMでウイルス誘導細胞死滅の85%~110%阻害を示す。一部の実施形態では、化合物は、本明細書に提供される任意の式のものであり、その化合物は、0.20μMまたは0.01μMでウイルス誘導細胞死滅の50%~100%、60%~100%、70%~100%、80%~100%、または90%~100%阻害を示す。
【0275】
阻害%は、当技術分野において公知である技法で評価することができることは理解され
ている。特定の変形では、化合物は、本明細書に提供される任意の式のものであり、その化合物は、上記で述べた試験Aおよび試験Bの節に提供された方法によって測定した場合、0.20μMまたは0.01μMで、ウイルス誘導細胞死滅の85%~100%阻害を示す。
【0276】
0.20μMおよび0.01μMでのウイルス誘導細胞死滅の阻害パーセントは、上記で述べた試験Aおよび試験Bの節に提供された方法によって測定した。
【0277】
観察される具体的な薬理学的応答は、選択される特定の活性化合物、および本医薬用キャリアおよび/または薬学的に活性な化合物が存在しているかどうか、ならびに使用される製剤のタイプおよび投与様式に従ってかつ応じて異なることがあり、結果について予想されるそのような変動または差異は、本発明の実施に従って考慮される。
【0278】
本明細書に提供される実施例により、本明細書に開示される化合物、および化合物を調製するために使用される中間体の合成を説明する。本明細書に記載される個々のステップを組み合わせることができることは理解されるべきである。化合物の別個のバッチを組み合わせ、次いで次の合成ステップに進めることができることも理解されるべきである。
【0279】
刊行物、特許、および特許文献を含めて、すべての参考文献は、参照により個別に組み込まれているかのように参照により本明細書に組み込まれる。様々な具体的で好ましい実施形態および技法を参照しながら、本発明を説明してきた。しかし、本発明の趣旨および範囲内にとどまりながら、多くの変形形態および変更形態を行うことができることは理解されるべきである。
【0280】
本開示の文脈で(特に、以下の特許請求の範囲の文脈で)の用語「a」、「an」および「the」、ならびに同様の指示語の使用は、本明細書に別段の指示のない限り、または文脈上から明確な否定のない限り、単数形と複数形の両方を包含すると解釈されるべきである。本明細書に記載される方法はすべて、本明細書に別段の指示のない限り、または他に文脈上から明確な否定のない限り、任意の適切な順序で行うことができる。本明細書に提供されるいずれかおよびすべての実施例、または例示的な言語(例えば、好ましい、好ましくはなど)の使用は、本開示の内容をさらに例示するためのものにすぎず、特許請求の範囲に制限を設けない。本明細書の言語は、特許請求されていない何らかの要素を本開示の実施に必須であると示すものとして解釈されるべきでない。
【0281】
本発明者らに既知である、特許請求された発明を実施するのに最良の様式を含めて、特許請求された開示の代替実施形態が本明細書に記載される。これらのうち、開示された実施形態の変形形態は、上述の開示を読むと当業者に明らかになる。本発明者らは、当業者がそのような変形形態を適宜(例えば、特徴または実施形態を変更または組み合わせて)採用することを期待し、本発明者らは、本発明が、本明細書に具体的に記載されているもの以外で実施されることを意図する。
【0282】
従って、本発明は、本明細書に添付の特許請求の範囲に記載される主題事項のすべての変更形態および均等物を、適用法によって認められるとおり含む。さらに、考えうる限りのその変形形態における上記の要素の組み合わせはいずれも、本明細書に別段の指示のない限り、または他に文脈上から明確な否定のない限り、本発明によって包含される。
【0283】
個々の数値の使用は、その値の前に「約」または「およそ」という単語が置かれているかのように近似値として記載される。同様に、本出願に指定される様々な範囲の数値は、別段の明示のない限り、記載された範囲内の最小値と最大値の両方の前に「約」または「およそ」という単語が置かれているかのように近似値として記載される。このように、記
載された範囲より上およびその範囲より下への変動を使用して、範囲内の値と実質的に同じ結果を達成することができる。本明細書で使用される場合、数値を指す場合の「約」および「およそ」という用語は、開示されている主題事項が最も密接に関連している技術分野または争点となっている範囲もしくは要素に関連している技術分野の当業者にとって、それらの明白で通常の意味を有するものとする。厳格な数値境界からの広がりの量は、多くの要因に依存する。例えば、考慮することができる要因の一部としては、要素の臨界および/または所与の変化量が特許請求された主題事項の成果に与える影響、ならびに当業者に公知である他の考慮すべき事柄が挙げられる。本明細書で使用される場合、異なる数値に対して異なる量の有効桁を使用することは、「約」または「およそ」という単語の使用が特定の数値または範囲を広げる働きをする方法を限定することを意味しない。また、範囲の開示は、最小値と最大値の間のあらゆる値に加えて「約」または「およそ」という用語の使用によってもたらされる範囲の広がりを含めた、連続的範囲として意図されている。従って、本明細書における値の範囲の記載は、本明細書に別段の指示のない限り、範囲内に入るそれぞれ別個の値を個別に指す簡略な方法として機能することを意図するにすぎず、それぞれ別個の値は、本明細書に個別に記載されている場合と同様に本明細書に組み込まれる。一態様において、約ある値は、その値自体を含み、その値自体を意図する。例えば、約xは、x自体を含み、x自体を意図する。
【0284】
本明細書に開示されるデータのいずれかによって形成または誘導することができるいずれの範囲、比および比の範囲も、本開示のさらなる実施形態を表し、それらが明瞭に記述されているかのように本開示の一部分として含まれることは理解されるべきである。このことには、有限の上方および/または下方境界を含みまたは含まず、形成することができる範囲が含まれる。従って、特定の範囲、比または比の範囲と最も密接に関連している当業者は、そのような値が本明細書に提示されるデータから明確に誘導可能であることを認識する。
【0285】
本発明の好ましい実施形態においては、例えば、以下が提供される。
(項1)
式Iの化合物:
【化69】

[式中、
Aは、3員~6員の炭素環であり、
nは、0、1、または2であり、
mは、0、1、または2であり、
は、5員~12員のヘテロアリールまたは5員~12員の複素環であり、ここでR のいずれの5員~12員のヘテロアリールまたは5員~12員の複素環も置換されていないか、または1、2、3、4もしくは5つのZ 基で置換されており、ここで、前記Z 基は同じであるか、または異なり、
各Z は独立して、(C ~C )アルキル、(C ~C )炭素環、ハロゲン、または-CNであり、ここでZ のいずれの(C ~C )アルキルまたは(C ~C )炭素環も置換されていないか、または1、2、3、4もしくは5つのZ 1a 基で置換されており、ここで、前記Z 1a 基は同じであるか、または異なり、
各Z 1a は独立して、ハロゲン、(C ~C )炭素環、-OH、または-CNであり、R は、水素、ハロゲン、-OH、または-CNであり、
は、(C ~C )アルキルまたは3員~5員の複素環であり、ここで、前記(C ~C )アルキルは置換されていないか、または1個、2個、もしくは3個のハロゲン原子で置換されており、
は、水素、-S(O) -(C ~C )アルキル、-S(O) -(C ~C )炭素環、または5員~6員のヘテロアリールであり、ここでR のいずれの-S(O) -(C ~C )アルキル、-S(O) -(C ~C )炭素環、または5員~6員のヘテロアリールも置換されていないか、または1、2、もしくは3つのZ 基で置換されており、ここで、前記Z 基は同じであるか、または異なり、
は、(C ~C )アルキルまたは(C ~C )炭素環であり、ここでいずれの(C ~C )アルキルまたは(C ~C )炭素環も置換されていないか、または1、2、もしくは3つのZ 2a 基で置換されており、ここで、前記Z 2a 基は同じであるか、または異なり、
2a は、ヒドロキシルまたはハロゲンであり、
は、水素またはハロゲンであり、
は、(C ~C )アルキルである]、
またはその薬学的に受容可能な塩。
(項2)
式Iaの化合物:
【化70】

[式中、
nは、0、1、または2であり、
mは、0または1であり、
は、5員~9員のヘテロアリールまたは5員~9員の複素環であり、ここでR のいずれの5員~9員のヘテロアリールまたは5員~9員の複素環も置換されていないか、または1、2、3、4もしくは5つのZ 基で置換されており、ここで、前記Z 基は同じであるか、または異なり、
各Z は独立して、(C ~C )アルキル、(C ~C )炭素環、またはハロゲンであり、ここでZ のいずれの(C ~C )アルキルまたは(C ~C )炭素環も置換されていないか、または1、2、3、4もしくは5つのZ 1a 基で置換されており、ここで、前記Z 1a 基は同じであるか、または異なり、
各Z 1a は独立して、ハロゲンまたは(C ~C )炭素環であり、
は、水素またはヨージドであり、
は、(C ~C )アルキルまたは3員~5員の複素環であり、ここで、前記(C ~C )アルキルは置換されていないか、または2もしくは3個のハロゲン原子で置換されており、
は、水素、-S(O) -(C ~C )アルキル、-S(O) -シクロプロピル、または5員のヘテロアリールであり、ここでR のいずれの-S(O) -(C ~C )アルキル、-S(O) -シクロプロピル、または5員のヘテロアリールも置換されていないか、または1、2、もしくは3つのZ 基で置換されており、ここで、前記Z 基は同じであるか、または異なり、
は、(C ~C )アルキルまたはシクロプロピルであり、ここで、いずれの(C ~C )アルキルまたはシクロプロピルも置換されていないか、または1、2、もしくは3つのZ 2a 基で置換されており、ここで、前記Z 2a 基は同じであるか、または異なり、
2a は、ヒドロキシルまたはフッ素であり、
は、水素、塩素、またはフッ素であり、
は、(C ~C )アルキルである]
である、上記項1に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
(項3)
nが、0、1、または2であり、
mが、0または1であり、
が、置換されていないかまたは1、2、3、4もしくは5つのZ 基で置換されている5員~9員のヘテロアリールであり、ここで、前記Z 基は同じであるか、または異なり、
各Z が独立して、(C ~C )アルキル、(C ~C )炭素環、またはハロゲンであり、ここでZ のいずれの(C ~C )アルキルまたは(C ~C )炭素環も置換されていないか、または1、2、3、4もしくは5つのZ 1a 基で置換されており、こ
こで、前記Z 1a 基は同じであるか、または異なり、
各Z 1a が独立して、ハロゲンまたは(C ~C )炭素環であり、
が、水素またはヨージドであり、
が、(C ~C )アルキルまたは3員~5員の複素環であり、ここで、前記(C ~C )アルキルは置換されていないか、または2もしくは3個のフッ素原子で置換されており、
が、水素、-S(O) -(C ~C )アルキル、-S(O) -シクロプロピル、または5員のヘテロアリールであり、ここでR のいずれの-S(O) -(C ~C )アルキル、-S(O) -シクロプロピル、または5員のヘテロアリールも置換されていないか、または1、2、もしくは3つのZ 基で置換されており、ここで、前記Z 基は同じであるか、または異なり、
が、(C ~C )アルキルまたはシクロプロピルであり、ここで、いずれの(C ~C )アルキルまたはシクロプロピルも置換されていないか、または1、2、もしくは3つのZ 2a 基で置換されており、ここで、前記Z 2a 基は同じであるか、または異なり、
2a が、ヒドロキシルまたはフッ素であり、
が、水素、塩素、またはフッ素であり、
が、メチルである、上記項1~2のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
(項4)
nが、0、1、または2であり、
mが、0または1であり、
が、置換されていないかまたは1、2、3、4もしくは5つのZ 基で置換されている5員~9員のヘテロアリールであり、ここで、前記Z 基は同じであるか、または異なり、
各Z が独立して、(C ~C )アルキル、(C ~C )炭素環、またはハロゲンであり、ここでZ のいずれの(C ~C )アルキルまたは(C ~C )炭素環も置換されていないか、または1、2、3、4もしくは5つのZ 1a 基で置換されており、ここで、前記Z 1a 基は同じであるか、または異なり、
各Z 1a が独立して、ハロゲンまたは(C ~C )炭素環であり、
が、水素であり、
が、(C ~C )アルキルまたは4員の複素環であり、ここで、前記(C ~C )アルキルは置換されていないか、または2もしくは3個のフッ素原子で置換されており、
が、-S(O) -(C ~C )アルキル、-S(O) -シクロプロピル、または5員のヘテロアリールであり、ここでR のいずれの-S(O) -(C ~C )アルキル、-S(O) -シクロプロピル、または5員のヘテロアリールも置換されていないか、または1、2、もしくは3つのZ 基で置換されており、ここで、前記Z 基は同じであるか、または異なり、
が、(C ~C )アルキルまたはシクロプロピルであり、ここで、いずれの(C ~C )アルキルまたはシクロプロピルも置換されていないか、または1、2、もしくは3つのZ 2a 基で置換されており、ここで、前記Z 2a 基は同じであるか、または異なり、
2a が、ヒドロキシルまたはフッ素であり、
が、水素、塩素、またはフッ素であり、
が、メチルである、上記項1~3のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
(項5)
nが1である、上記項1~4のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
(項6)
mが0である、上記項1~5のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
(項7)
が、
【化71】

である、上記項1~6のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
(項8)
が、
【化72】

である、上記項1~7のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
(項9)
が、
【化73】

である、上記項1~8のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
(項10)
が、
【化74】

である、上記項1~6のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
(項11)
が、
【化75】

である、上記項1~6のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩

(項12)
が、
【化76】

である、上記項1~6のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
(項13)
が、
【化77】

である、上記項1~6もしくは12のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
(項14)
式Ibの化合物:
【化78】

である、上記項1~9のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
(項15)
式Icの化合物:
【化79】

である、上記項1~9もしくは14のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
(項16)
が、2もしくは3個のハロゲン原子で置換されている(C ~C )アルキル、シクロプロピル基、またはハロゲンである、上記項1~8、12、もしくは14~15のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
(項17)
が、-CHF 、-CF 、またはハロゲンである、上記項1~8、12、もしくは14~16のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
(項18)
が、-CHF または-CF である、上記項1~8、12、もしくは14~17のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
(項19)
が、水素またはヨージドである、上記項1もしくは5~18のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
(項20)
が、水素である、上記項1~3もしくは5~19のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
(項21)
が、ヨージドである、上記項1~3もしくは5~19のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
(項22)
が、(C ~C )アルキルまたは4員の複素環であり、ここで、前記(C ~C )アルキルは置換されていないか、または1個、2個、もしくは3個のハロゲン原子で置換されている、上記項1~21のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
(項23)
が、メチル、-CH CHF 、-CH CF 、または
【化80】

である、上記項1~22のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
(項24)
が、メチル、-CH CHF 、または-CH CF である、上記項1~23のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
(項25)
が、水素、-S(O) -(C 1~2 )アルキル、-S(O) -シクロプロピル、またはオキサジアゾールであり、ここでR のいずれの-S(O) -(C 1~2 )アルキル、-S(O) -シクロプロピル、またはオキサジアゾールも置換されていないか、または1、2、もしくは3つのZ 基で置換されており、ここで、前記Z 基は同じである、または異なる、上記項1~3もしくは5~24のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
(項26)
が、-S(O) -(C 1~2 )アルキル、-S(O) -シクロプロピル、またはオキサジアゾールであり、ここでR のいずれの-S(O) -(C 1~2 )アルキル、-S(O) -シクロプロピル、またはオキサジアゾールも置換されていないか、または1、2、もしくは3つのZ 基で置換されており、ここで、前記Z 基は同じである、または異なる、上記項1~25のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
(項27)
が、
【化81】

である、上記項1~26のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
(項28)
が、
【化82】

である、上記項1~26のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
(項29)
が、
【化83】

である、上記項1~26のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
(項30)
が、水素、クロリド、またはフルオリドである、上記項1~29のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
(項31)
が、クロリドである、上記項1~30のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
(項32)
mが1であり、R が(C ~C )アルキルである、上記項1~5もしくは7~31のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
(項33)
mが1であり、R がメチルである、上記項1~5もしくは7~32のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
(項34)
【化84】

【化85】

である、上記項1~9、もしくは14~15のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
(項35)
【化86】

【化87】

である、上記項1~5、7~9、もしくは14~15のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
(項36)
【化88】

【化89】

である、上記項1~9、もしくは14~15のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
(項37)
【化90】

である、上記項1~3、5~9、もしくは14~15のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
(項38)
【化91】

【化92】

である、上記項1~9のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
(項39)
【化93】

である、上記項1~6もしくは10のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
(項40)
【化94】

である、上記項1~6もしくは11のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
(項41)
【化95】

【化96】

である、上記項1~4、6、もしくは12~13のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
(項42)
上記項1~41のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩と、薬学的に受容可能なキャリアとを含む医薬組成物。
(項43)
上記項1~41のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩と、追加の治療剤とを含む医薬組成物であって、前記追加の治療剤が、HIVプロテアーゼ阻害剤、逆トランスクリプターゼのHIV非ヌクレオシドもしくは非ヌクレオチド阻害剤、逆トランスクリプターゼのHIVヌクレオシドもしくはヌクレオチド阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、HIV非触媒部位インテグラーゼ阻害剤、HIV侵入阻害剤、HIV成熟阻害剤、潜伏逆転剤、HIVカプシドを標的とする化合物、免疫ベースの治療剤、ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3K)阻害剤、HIV抗体、二重特異性抗体、抗体様治療用タンパク質、HIV p17マトリックスタンパク質阻害剤、IL-13アンタゴニスト、ペプチジル-プロリルシス-トランスイソメラーゼAモジュレーター、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ阻害剤、補体C5a受容体アンタゴニスト、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤、HIV vif遺伝子モジュレーター、Vif二量化アンタゴニスト、HIV-1ウイルス感染因子阻害剤、TATタンパク質阻害剤、HIV-1 Nefモジュレーター、Hckチロシンキナーゼモジュレーター、混合系統キナーゼ-3(MLK-3)阻害剤、HIV-1スプライシング阻害剤、Revタンパク質阻害剤、インテグリンアンタゴニスト、核タンパク質阻害剤、スプライシング因子モジュレーター、COMMドメイン含有タンパク質1モジュレーター、HIVリボヌクレアーゼH阻害剤、レトロサイクリンモジュレーター、CDK-9阻害剤、樹状ICAM-3結合ノンインテグリン1阻害剤、HIV GAGタンパク質阻害剤、HIV POLタンパク質
阻害剤、補体因子Hモジュレーター、ユビキチンリガーゼ阻害剤、デオキシシチジンキナーゼ阻害剤、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤、プロタンパク質転換酵素PC9刺激因子、ATP依存性RNAヘリカーゼDDX3X阻害剤、逆トランスクリプターゼプライミング複合体阻害剤、G6PDおよびNADH-オキシダーゼ阻害剤、薬物動態学的エンハンサー、HIV遺伝子療法、またはHIVワクチンである、医薬組成物。
(項44)
HIV感染の処置を必要とする患者におけるHIV感染を処置する方法であって、治療有効量の上記項1~41のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を前記患者に投与することを含む方法。
(項45)
HIV感染の処置を必要とする患者におけるHIV感染を処置する方法であって、前記患者に、治療有効量の上記項1~41のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を、治療有効量の追加の治療剤と組み合わせて投与することを含み、前記追加の治療剤が、HIVプロテアーゼ阻害剤、逆トランスクリプターゼのHIV非ヌクレオシドもしくは非ヌクレオチド阻害剤、逆トランスクリプターゼのHIVヌクレオシドもしくはヌクレオチド阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、HIV非触媒部位インテグラーゼ阻害剤、HIV侵入阻害剤、HIV成熟阻害剤、潜伏逆転剤、HIVカプシドを標的とする化合物、免疫ベースの治療剤、ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3K)阻害剤、HIV抗体、二重特異性抗体、抗体様治療用タンパク質、HIV p17マトリックスタンパク質阻害剤、IL-13アンタゴニスト、ペプチジル-プロリルシス-トランスイソメラーゼAモジュレーター、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ阻害剤、補体C5a受容体アンタゴニスト、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤、HIV vif遺伝子モジュレーター、Vif二量化アンタゴニスト、HIV-1ウイルス感染因子阻害剤、TATタンパク質阻害剤、HIV-1 Nefモジュレーター、Hckチロシンキナーゼモジュレーター、混合系統キナーゼ-3(MLK-3)阻害剤、HIV-1スプライシング阻害剤、Revタンパク質阻害剤、インテグリンアンタゴニスト、核タンパク質阻害剤、スプライシング因子モジュレーター、COMMドメイン含有タンパク質1モジュレーター、HIVリボヌクレアーゼH阻害剤、レトロサイクリンモジュレーター、CDK-9阻害剤、樹状ICAM-3結合ノンインテグリン1阻害剤、HIV GAGタンパク質阻害剤、HIV POLタンパク質阻害剤、補体因子Hモジュレーター、ユビキチンリガーゼ阻害剤、デオキシシチジンキナーゼ阻害剤、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤、プロタンパク質転換酵素PC9刺激因子、ATP依存性RNAヘリカーゼDDX3X阻害剤、逆トランスクリプターゼプライミング複合体阻害剤、G6PDおよびNADH-オキシダーゼ阻害剤、薬物動態学的エンハンサー、HIV遺伝子療法、またはHIVワクチンである、方法。
(項46)
医学的治療において使用するための、上記項1~41のいずれかに記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
(項47)
HIVウイルス感染の予防処置または治療処置のための、上記項1~41のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
(項48)
哺乳動物におけるHIVウイルス感染を処置するための医薬を製造するための、上記項1~41のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩の使用。
(項49)
本明細書に記載される化合物または方法。