(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022116284
(43)【公開日】2022-08-09
(54)【発明の名称】送信装置、情報処理システム、送信方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 52/02 20090101AFI20220802BHJP
H04W 4/38 20180101ALI20220802BHJP
【FI】
H04W52/02 110
H04W4/38
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090492
(22)【出願日】2022-06-02
(62)【分割の表示】P 2019016428の分割
【原出願日】2019-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】000204284
【氏名又は名称】太陽誘電株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小池 亮
(72)【発明者】
【氏名】山下 正義
(57)【要約】
【課題】高いリアルタイム性を確保しつつ、効率良く電力消費をさせる。
【解決手段】持ち運び可能な送信装置であって、定期的に情報を無線送信する無線送信部と、自身の移動に関する情報を取得する取得部と、自身の移動に応じて、無線送信部による情報の送信間隔を変更する制御部と、無線送信部に電力を供給する電池と、を備え、制御部は、停止している場合、送信間隔を第1時間に設定し、移動している場合、送信間隔を第1時間より短い第2時間に設定する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
持ち運び可能な送信装置であって、
定期的に情報を無線送信する無線送信部と、
自身の移動に関する情報を取得する取得部と、
自身の移動に応じて、前記無線送信部による情報の送信間隔を変更する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記送信装置が移動していない場合、前記無線送信部による前記情報の送信間隔を第1時間に設定し、前記送信装置が移動している場合、前記送信間隔を前記第1時間より長い第2時間に設定する
を備える送信装置。
【請求項2】
前記無線送信部に電力を供給する電池をさらに備える
請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記送信装置の移動速度が遅い程、前記送信間隔を短くする
請求項1に記載の送信装置。
【請求項4】
周囲の情報を検出するセンサ部をさらに備え、
前記無線送信部は、前記センサ部により検出されたセンサ情報を無線送信する
請求項1に記載の送信装置。
【請求項5】
前記センサ部は、周囲の空気の匂いを検出する匂いセンサである
請求項4に記載の送信装置。
【請求項6】
請求項1から5の何れか1項に記載の送信装置と、
前記送信装置から無線送信された情報を受信する1または複数の受信装置と、
前記1または複数の受信装置により受信された情報に基づき、情報処理を実行する情報処理装置と、
を備える情報処理システム。
【請求項7】
定期的に情報を無線送信する無線送信部を備える、持ち運び可能な送信装置において実行される送信方法であって、
取得部が、自身の移動に関する情報を取得し、
制御部が、自身の移動に応じて、前記無線送信部による情報の送信間隔を変更し、
前記送信装置が移動していない場合、前記制御部が、前記送信間隔を第1時間に設定し、
前記送信装置が移動している場合、前記制御部が、前記送信間隔を前記第1時間より長い第2時間に設定する
送信方法。
【請求項8】
持ち運び可能な処理装置を定期的に情報を無線送信する送信装置として機能させるためのプログラムであって、
前記処理装置に、
自身の移動に関する情報を取得するステップと、
自身の移動に応じて情報の送信間隔を変更するステップと、
前記送信装置が移動していない場合、前記送信間隔を第1時間に設定するステップと、
前記送信装置が移動している場合、前記送信間隔を前記第1時間より長い第2時間に設定するステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信装置、情報処理システム、送信方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、近距離無線通信を用いたネットワークが普及している。近距離無線通信として、例えば、Bluetooth(登録商標) low energy(BLE)およびZigbee(登録商標)等が知られている。このような近距離無線通信を用いたネットワークは、無線PAN(Personal Area Network)とも呼ばれる。無線PANは、機器間の通信距離が例えば最大約10m~20mの通信網を形成する。
【0003】
このようなネットワークは、3Gまたは4Gネットワークまたは無線LAN(Local Area Network)と比べて、データを送受信することにより消費される電力が少ない。従って、このようなネットワークは、電池で駆動するセンサおよび小型端末装置等を接続するのに適している。
【0004】
特許文献1には、静止中または歩行中である場合に位置情報を送信させたり、電力消費状態に基づいて位置情報の送信頻度を変えたりする技術が記載されている。特許文献2には、消費電力量を制限しない通常モードと、消費電力量を制限する省電力モードとを切り替える電子機器が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-066908号公報
【特許文献2】特開2017-068499号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、センサまたは小型端末装置等からセンサ情報またはユーザの位置等の情報を定期的に収集し、収集した情報に基づき対象物を制御したり情報処理をしたりするシステムが知られている。このようなシステムは、センサまたは小型端末装置等からの情報の送信頻度を高くするほど、周囲環境の変化またはユーザの位置の変化に対して応答良く制御または情報処理をすることができる。つまり、このようなシステムは、センサまたは小型端末装置等からの情報の送信頻度を高くするほどリアルタイム性を高くすることができる。
【0007】
しかし、センサおよび小型端末装置は、情報を高い頻度で送信した場合、電力の消費量が大きくなる。従って、このようなシステムは、センサおよび小型端末装置から高い頻度で情報を送信させた場合、電力の消費効率が悪くなってしまう。
【0008】
一方、このようなシステムは、センサおよび小型端末装置からの情報の送信頻度を著しく低くした場合、周囲環境の変化またはユーザの位置の変化等に対して応答良く制御または情報処理をすることができなくなってしまう。つまり、このようなシステムは、センサおよび小型端末装置による情報の送信頻度を著しく低くした場合、リアルタイム性が低くなってしまう。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、高いリアルタイム性を確保しつつ、効率良く電力消費をさせることができる送信装置、情報処理システム、送信方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、持ち運び可能な送信装置であって、定期的に情報を無線送信する無線送信部と、自身の移動に関する情報を取得する取得部と、自身の移動に応じて、前記無線送信部による情報の送信間隔を変更する制御部と、を備え、前記制御部は、前記送信装置が移動していない場合、前記無線送信部による前記情報の送信間隔を第1時間に設定し、前記送信装置が移動している場合、前記送信間隔を前記第1時間より長い第2時間に設定する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、高いリアルタイム性を確保しつつ、効率良く電力消費をさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る情報処理システムを示す図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る送信装置の機能構成を示す図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る情報処理システムによる情報送信タイミングを示すシーケンス図である。
【
図4】
図4は、第2実施形態に係る情報処理システムを示す図である。
【
図5】
図5は、第2実施形態に係る送信装置の機能構成を示す図である。
【
図6】
図6は、匂い情報を送信する場合における、第2実施形態に係る情報処理システムによる情報送信タイミングを示すシーケンス図である。
【
図7】
図7は、送信装置のハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら実施形態に係る情報処理システム10について説明する。
【0014】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る情報処理システム10を示す図である。第1実施形態に係る情報処理システム10は、送信装置20と、複数の受信装置30と、情報処理装置40とを備える。
【0015】
送信装置20は、使用者により持ち運び可能である。例えば、送信装置20は、ネックストラップ等に取り付けられ、使用者により首から下げて持ち運ばれる。また、送信装置20は、カード等に一体的に組み込まれて使用者により持ち運ばれてもよい。送信装置20は、通信機能および情報記憶機能等を有する。また、送信装置20は、例えば、ノート型のコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話機または専用の情報端末等に組み込まれていてもよい。
【0016】
複数の受信装置30は、所定の位置に配置される。複数の受信装置30は、例えば屋内または地下等の天井、壁または柱等に設置される。受信装置30は、送信装置20と無線通信が可能な情報処理端末である。受信装置30は、例えば、Wi-Fi(登録商標)またはBluetooth(登録商標)等の無線ルータ装置である。
【0017】
情報処理装置40は、複数の受信装置30とネットワークを介して接続される。例えば、情報処理装置40は、一般的なコンピュータまたはサーバであってよい。また、情報処理装置40は、1台のコンピュータであってもよいし、クラウドシステムのように複数台のコンピュータにより構成されていてもよい。情報処理装置40は、複数の受信装置30の何れか1つと一体的に設けられてもよい。
【0018】
本実施形態において、送信装置20は、固有の識別情報が予め割り当てられている。送信装置20は、内部の記憶装置に識別情報を記憶する。送信装置20は、定期的に、識別情報を含む情報を送信信号に変調して無線送信する。
【0019】
複数の受信装置30のそれぞれは、送信装置20から定期的に送信された送信信号を受信する。複数の受信装置30のそれぞれは、送信装置20から送信された信号の受信電波強度を検出する。さらに、複数の受信装置30のそれぞれは、送信装置20から送信された送信信号に変調された情報を復調する。そして、複数の受信装置30のそれぞれは、復調して得られた情報に含まれる識別情報、および、検出した受信電波強度を情報処理装置40にネットワークを介して送信する。
【0020】
情報処理装置40は、複数の受信装置30のそれぞれから、定期的に、識別情報および受信電波強度の組を取得する。情報処理装置40は、複数の受信装置30が配置されている位置を記憶している。情報処理装置40は、複数の受信装置30のそれぞれの位置と、複数の受信装置30のそれぞれが検出した受信電波強度とに基づき、特定の識別情報が割り当てられた送信装置20の位置を算出する。例えば、情報処理装置40は、三点測量法により送信装置20の位置を算出する。
【0021】
さらに、情報処理装置40は、定期的に取得した受信電波強度に基づき、送信装置20の位置の時間変化を算出する。そして、情報処理装置40は、算出した移動位置を表示部に表示したり、他の装置に送信したりする。このような情報処理システム10によれば、送信装置20を保持する使用者の位置をリアルタイムで取得することができる。
【0022】
図2は、第1実施形態に係る送信装置20の機能構成を示す図である。送信装置20は、記憶部52と、情報生成部54と、無線送信部56と、移動検出部58と、取得部60と、制御部62と、電池64と、駆動部66とを有する。
【0023】
記憶部52は、送信装置20に割り当てられた識別情報を記憶する。情報生成部54は、記憶部52に記憶されている識別情報を含む送信情報を生成する。無線送信部56は、情報生成部54により生成された送信情報を送信信号に変調して、予め定められた無線通信方式により複数の受信装置30に無線送信する。さらに、無線送信部56は、複数の受信装置30に定期的に送信信号を無線送信する。
【0024】
移動検出部58は、自身(送信装置20)が移動しているか否かを検出する。例えば、移動検出部58は、加速度センサであってもよい。この場合、移動検出部58は、所定値以上の加速度を検出している場合には、自身が移動していると判断し、所定値より小さい加速度を検出している場合には、自身が停止していると判断してもよい。さらに、移動検出部58は、自身(送信装置20)の移動速度を検出してもよい。
【0025】
取得部60は、移動検出部58から自身の移動に関する情報を取得する。より具体的には、取得部60は、自身(送信装置20)が移動しているか、停止しているかを取得する。なお、移動検出部58が移動速度を検出する場合、取得部60は、移動速度も取得する。
【0026】
制御部62は、取得部60が取得した移動に関する情報に応じて、無線送信部56による情報の送信間隔を変更する。より具体的には、制御部62は、自身(送信装置20)が停止している場合、送信間隔を、予め定められた第1時間に設定する。また、制御部62は、自身(送信装置20)が移動している場合、送信間隔を、第1時間より短い第2時間に設定する。例えば、制御部62は、停止している場合、送信間隔を10秒に設定し、移動している場合、送信間隔を1秒に設定する。
【0027】
また、移動速度を取得した場合には、制御部62は、移動速度に応じて送信間隔を変更してもよい。より具体的には、制御部62は、移動速度が速い程、送信間隔を短くしてもよい。
【0028】
電池64は、電気エネルギーを蓄積する。電池64は、一次電池であっても、二次電池であってもよい。駆動部66は、電池64から出力された電力を安定化させて各部に供給する。
【0029】
図3は、第1実施形態に係る情報処理システム10による情報送信タイミングを示すシーケンス図である。
【0030】
まず、自身(送信装置20)が停止状態である場合(S11)、制御部62は、第1時間毎に、送信要求を無線送信部56に与える。無線送信部56は、送信要求を受け取る毎に、識別情報が変調された送信信号を複数の受信装置30にブロードキャスト送信する。
【0031】
複数の受信装置30のそれぞれは、送信信号を受信する毎に、受信電波強度および識別情報を情報処理装置40に送信する。そして、情報処理装置40は、複数の受信装置30のそれぞれから受け取った受信電波強度に基づき、送信装置20の位置を算出する。
【0032】
続いて、自身(送信装置20)が移動したことが取得部60から通知された場合(S12)、制御部62は、第1時間より短い第2時間毎に、送信要求を無線送信部56に与える。そして、無線送信部56は、送信要求を受け取る毎に、識別情報が変調された送信信号を複数の受信装置30にブロードキャスト送信する。
【0033】
続いて、自身(送信装置20)が停止したことが取得部60から通知された場合(S13)、制御部62は、第1時間毎に、送信要求を無線送信部56に与える。そして、無線送信部56は、送信要求を受け取る毎に、識別情報が変調された送信信号を複数の受信装置30にブロードキャスト送信する。
【0034】
以上のように、第1実施形態に係る送信装置20は、自身(送信装置20)が停止している場合、第1時間毎に情報を送信し、自身(送信装置20)が移動している場合、第1時間より短い第2時間毎に情報を送信する。これにより、送信装置20は、位置が変化しないために送信頻度がリアルタイム性に影響しない場合には、送信頻度を低くして消費電力を小さくすることができる。一方、送信装置20は、位置が変化するために送信頻度がリアルタイム性に影響する場合には、送信頻度を高くすることができる。従って、第1実施形態に係る送信装置20は、高いリアルタイム性を確保しつつ、効率良く電力消費をすることができる。
【0035】
(第2実施形態)
つぎに、第2実施形態に係る情報処理システム10について説明をする。第2実施形態に係る情報処理システム10は、第1実施形態に係る情報処理システム10と略同一の機能および構成を有する。第2実施形態に係る情報処理システム10については、第1実施形態との相違点について説明をする。
【0036】
図4は、第2実施形態に係る情報処理システム10を示す図である。第2実施形態に係る情報処理システム10は、送信装置20と、受信装置30と、情報処理装置40とを備える。
【0037】
第2実施形態において、送信装置20は、ロボット70等の移動体に取り付けられる。移動体は、ロボット70に限らず、ドローンまたは車両であってもよい。また、移動体は、人間または動物等であってもよい。移動体が人間である場合、第1実施形態と同様に、首から下げて持ち運ばれたり、カード等に一体的に組み込まれたりしてもよい。
【0038】
送信装置20は、各種のセンサ機能を有する。例えば、送信装置20は、衛星等から送信された信号を受信して位置を検出するセンサ、温度センサ、温度センサ、照度センサ、音センサおよび匂いセンサ等を有してもよい。
【0039】
受信装置30は、送信装置20と無線通信が可能な情報処理端末である。第2実施形態に係る情報処理システム10は、第1実施形態と同様に複数の受信装置30を備えてもよい。
【0040】
ここで、本実施形態において、送信装置20は、定期的に、識別情報および各センサ機能により検出した1または複数のセンサ情報を含む情報を送信信号に変調して無線送信する。受信装置30は、送信装置20から定期的に送信信号を受信する。受信装置30は、送信信号に変調された情報を復調する。そして、受信装置30は、復調して得られた情報に含まれる識別情報および1または複数のセンサ情報を情報処理装置40にネットワークを介して送信する。
【0041】
情報処理装置40は、受信装置30から、定期的に識別情報および1または複数のセンサ情報を取得する。情報処理装置40は、取得した識別情報および1または複数のセンサ情報に基づき、装置の制御または情報処理を実行する。例えば、情報処理装置40は、取得したセンサ情報を表示部に表示したり、他の装置に送信したりする。このような情報処理システム10によれば、ロボット70等の移動体の周囲の環境の変化等をリアルタイムで取得することができる。
【0042】
図5は、第2実施形態に係る送信装置20の機能構成を示す図である。送信装置20は、第1実施形態に係る送信装置20と比較して、1または複数のセンサ部80をさらに有する。
【0043】
1または複数のセンサ部80は、送信装置20の周囲の環境に関する情報を測定する。例えば、センサ部80は、位置を検出するセンサ、温度を検出する温度センサ、湿度を検出する温度センサ、照度を検出する照度センサ、音の大きさを検出する音センサ、および、周囲の空気の匂いを検出する匂いセンサ等であってよい。
【0044】
なお、センサ部80は、何れの種類のセンサであってもよい。また、送信装置20は、どのような種類の組み合わせのセンサ部80を有してもよい。
【0045】
情報生成部54は、1または複数のセンサ部80により検出された1または複数のセンサ情報を取得する。情報生成部54は、記憶部52に記憶されている識別情報、および、1または複数のセンサ情報を含む送信情報を生成する。
【0046】
制御部62は、自身(送信装置20)が停止している場合、センサ情報を含む情報の送信間隔を、第1時間に設定する。また、制御部62は、自身(送信装置20)が移動している場合、センサ情報を含む情報の送信間隔を、第1時間より短い第2時間に設定する。
【0047】
なお、制御部62は、センサ部80の種類によっては、自身(送信装置20)が停止している場合、センサ情報を含む情報の送信間隔を第3時間に設定し、自身(送信装置20)が移動している場合、センサ情報を含む情報の送信間隔を第3時間より長い第4時間に設定してもよい。
【0048】
例えば、センサ部80が匂いセンサである場合、制御部62は、自身(送信装置20)が停止している場合、匂い情報を含む情報の送信間隔を第3時間に設定し、自身(送信装置20)が移動している場合、匂い情報を含む情報の送信間隔を第4時間に設定してもよい。
【0049】
図6は、匂い情報を送信する場合における、第2実施形態に係る情報処理システム10による情報送信タイミングを示すシーケンス図である。
【0050】
まず、自身(送信装置20)が停止状態である場合(S21)、制御部62は、第3時間毎に、送信要求を無線送信部56に与える。無線送信部56は、送信要求を受け取る毎に、匂い情報が変調された送信信号を受信装置30に送信する。
【0051】
受信装置30は、送信信号を受信する毎に、匂い情報を情報処理装置40に送信する。そして、情報処理装置40は、受信装置30から受け取った匂い情報に基づき所定の情報処理を実行する。
【0052】
続いて、自身(送信装置20)が移動したことが取得部60から通知された場合(S22)、制御部62は、第3時間より長い第4時間毎に、送信要求を無線送信部56に与える。そして、無線送信部56は、送信要求を受け取る毎に、匂い情報が変調された送信信号を受信装置30に送信する。
【0053】
続いて、自身(送信装置20)が停止したことが取得部60から通知された場合(S23)、制御部62は、第3時間毎に、送信要求を無線送信部56に与える。そして、無線送信部56は、送信要求を受け取る毎に、匂い情報が変調された送信信号を受信装置30に送信する。
【0054】
以上のように、第2実施形態に係る送信装置20は、自身(送信装置20)が停止している場合、第3時間毎に匂い情報を送信し、自身(送信装置20)が移動している場合、第3時間より長い第4時間毎に匂い情報を送信する。これにより、送信装置20は、位置が変化しないために精度の良い匂い情報を検出することができる場合には、送信頻度を高くして匂いの変化に対する応答のリアルタイム性を高くする。また、送信装置20は、位置が変化することにより精度の良い匂い情報を取得することができない場合には、送信頻度を低くして消費電力を小さくすることができる。従って、第2実施形態に係る送信装置20は、高いリアルタイム性を確保しつつ、効率良く電力消費をすることができる。
【0055】
(送信装置20のハードウェア構成)
図7は、送信装置20のハードウェア構成を示す図である。送信装置20は、例えば、
図7に示すようなハードウェア構成により実現することができる。送信装置20は、一例として、無線通信機能を有する携帯型の処理装置と同様のハードウェア構成により実現される。送信装置20は、CPU(Central Processing Unit)202と、ROM(Read Only Memory)204と、RAM(Random Access Memory)206と、記憶装置208と、無線通信装置210と、加速度センサ212と、バッテリユニット214とを備える。CPU202、ROM204、RAM206、記憶装置208、無線通信装置210および加速度センサ212は、バスにより接続される。
【0056】
CPU202は、RAM206の所定領域を作業領域としてROM204または記憶装置208に予め記憶された各種プログラムとの協働により各種処理を実行し、送信装置20を構成する各部の動作を統括的に制御する。また、CPU202は、ROM204または記憶装置208に予め記憶されたプログラムとの協働により無線通信装置210および加速度センサ212等を動作させる。
【0057】
ROM204は、送信装置20の制御に用いられるプログラムおよび各種設定情報等を書き換え不可能に記憶する。RAM206は、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)等の揮発性の記憶媒体である。RAM206は、CPU202の作業領域として機能する。
【0058】
記憶装置208は、フラッシュメモリ等の半導体による記憶媒体、磁気的または光学的に記録可能な記憶媒体等の書き換え可能な記録装置である。記憶装置208は、送信装置20の制御に用いられるプログラムを記憶する。無線通信装置210は、Wi-Fi(登録商標)またはBluetooth(登録商標)等により他の装置と無線通信を行う。
【0059】
加速度センサ212は、送信装置20の加速度を検出する。バッテリユニット214は、電池64および駆動部66を含む。バッテリユニット214は、CPU202、ROM204、RAM206、記憶装置208、無線通信装置210および加速度センサ212に電力を供給する。なお、第2実施形態に係る送信装置20は、さらに、1または複数の種類のセンサを備える。
【0060】
送信装置20で実行されるプログラムは、例えば、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供される。また、送信装置20で実行されるプログラムは、持ち運び可能な記憶媒体等に予め組み込んで提供されてもよい。
【0061】
送信装置20で実行されるプログラムは、情報生成モジュールと、取得モジュールと、制御モジュールとを含むモジュール構成となっている。CPU202(プロセッサ)は、ROM204または記憶装置208からこのようなプログラムを読み出して、上記各モジュールをRAM206(主記憶装置)にロードする。そして、CPU202(プロセッサ)は、このようなプログラムを実行することにより、情報生成部54、取得部60および制御部62として機能する。なお、情報生成部54、取得部60および制御部62の一部または全部がハードウェアにより構成されていてもよい。また、無線通信装置210は、無線送信部56として機能する。記憶装置208は、記憶部52として機能する。加速度センサ212は、移動検出部58として機能する。
【0062】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。実施形態は、種々の変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0063】
10 情報処理システム
20 送信装置
30 受信装置
40 情報処理装置
52 記憶部
54 情報生成部
56 無線送信部
58 移動検出部
60 取得部
62 制御部
64 電池
66 駆動部
70 ロボット
80 センサ部