(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022116313
(43)【公開日】2022-08-09
(54)【発明の名称】螺条付き締結具を締める装置
(51)【国際特許分類】
B25B 23/14 20060101AFI20220802BHJP
【FI】
B25B23/14 640D
B25B23/14 620E
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091584
(22)【出願日】2022-06-06
(62)【分割の表示】P 2018546530の分割
【原出願日】2017-03-02
(31)【優先権主張番号】62/302,260
(32)【優先日】2016-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511253276
【氏名又は名称】ハイトーク ディビジョン ユネックス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】エリック ピー.ジャンカーズ
(57)【要約】
【課題】業務用ボルト締めシステムを改良する。
【解決手段】本発明は、複数の業務用螺条付き締結具の同時締めのために、複数のネットワーク化された電気動力式トルク工具、及び/又は、各トルク工具の駆動部分を有するボルト締めシステムと共に使用される操作パラメータ調整ユニットであって、処理ユニットと、前記処理ユニットに対して接続及び/又は一体化された出力ユニットと、前記処理ユニットに対して接続及び/又は一体化された入力ユニットと、前記複数のネットワーク化された電気動力式トルク工具及び/又は各トルク工具の駆動部分の操作ユニットを起動すべく、前記処理ユニットに対して接続及び/又は一体化された起動ユニットと、前記複数のネットワーク化された電気動力式トルク工具及び/又は各トルク工具の駆動部分の各々の操作パラメータを制御して、各操作パラメータ間の差を所定値以内に維持する制御ユニットとを含む、操作パラメータ調整ユニットに関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の業務用螺条付き締結具の同時締めのために、複数のネットワーク化された電気動力式トルク工具、及び/又は、各トルク工具の駆動部分を有するボルト締めシステムと共に使用される操作パラメータ調整ユニットであって、
前記操作パラメータ調整ユニットは、
処理ユニットと、
前記処理ユニットに対して接続及び/又は一体化された出力ユニットと、
前記処理ユニットに対して接続及び/又は一体化された入力ユニットと、
前記複数のネットワーク化された電気動力式トルク工具及び/又は各トルク工具の駆動部分の操作ユニットを起動すべく、前記処理ユニットに対して接続及び/又は一体化された起動ユニットと、
前記複数のネットワーク化された電気動力式トルク工具及び/又は各トルク工具の駆動部分の各々の操作パラメータを制御して、各操作パラメータ間の差を所定値以内に維持する制御ユニットと、
記憶ユニットとを含む、操作パラメータ調整ユニットにおいて、
前記操作パラメータ調整ユニットは、衛星、Wi-Fi(登録商標)、WiMax(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、マイクロ波、赤外線、及び/又は、無線を含む任意の適切な手段により、前記複数のネットワーク化された電気動力式トルク工具及び/又は各トルク工具の駆動部分と無線接続するように設計されており、
前記操作パラメータ調整ユニットは、前記処理ユニットに対して接続及び/又は一体化されたデータ捕捉ユニットを含み、
前記処理ユニットは、前記データ捕捉ユニットにより決定された締結具接続プロセス・パラメータに基づき、前記操作パラメータ調整ユニット上で前記所定値の出力を設定するように設計されており、
前記データ捕捉ユニットは、可搬式のコード読取デバイス、及び/又は、RFID受信器として設計される、操作パラメータ調整ユニット。
【請求項2】
前記複数のネットワーク化された電気動力式トルク工具及び/又は各トルク工具の駆動部分の各操作パラメータの直接的及び/又は間接的な測定のためのセンサ・ユニットを含む、請求項1に記載の操作パラメータ調整ユニット。
【請求項3】
前記データ捕捉ユニットは、前記処理ユニットと無線接続するように設計されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の操作パラメータ調整ユニット。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の操作パラメータ調整ユニットを含む、電気動力式トルク工具。
【請求項5】
携帯式及び/又は可搬式の種類である、請求項4に記載の電気動力式トルク工具。
【請求項6】
請求項1~3のいずれか一項に記載の操作パラメータ調整ユニットを含む、複数の業務用螺条付き締結具の同時締めのための業務用ボルト締めシステム。
【請求項7】
請求項4又は5に記載の一台の電気動力式トルク工具の前記操作パラメータ調整ユニットにより制御される、複数のネットワーク化された電気動力式トルク工具及び/又は各トルク工具の駆動部分を含む、請求項6に記載の業務用ボルト締めシステム。
【請求項8】
請求項4又は5に記載の一台の電気動力式トルク工具の前記操作パラメータ調整ユニットにより制御される、各電気動力式トルク工具の複数のネットワーク化された駆動部分を含む、請求項6に記載の業務用ボルト締めシステム。
【請求項9】
前記操作パラメータ調整ユニットは、可搬式デバイス内に形成され、且つ、当該業務用ボルト締めシステムは、
複数のネットワーク化された電気動力式トルク工具、
複数のネットワーク化されたトルク工具の電気動力式駆動部分、又は、
それらの任意の組み合わせ、
のいずれかを含む、請求項6に記載の業務用ボルト締めシステム。
【請求項10】
前記操作パラメータ調整ユニットは、前記複数のネットワーク化された電気動力式トルク工具及び/又は各トルク工具の駆動部分を自動的に制御する、請求項6~9のいずれか一項に記載の業務用ボルト締めシステム。
【請求項11】
前記複数のネットワーク化された電気動力式トルク工具及び/又は各トルク工具の駆動部分は、単一台もしくは複数台の時間及び/又は位置捕捉ユニットを含む、請求項6~10のいずれか一項に記載の業務用ボルト締めシステム。
【請求項12】
前記複数のネットワーク化された電気動力式トルク工具及び/又は各トルク工具の駆動部分が各螺条付き締結具を締め且つ/又は緩めるべく利用可能なときを決定することにより前記操作ユニットを起動可能とするように前記操作パラメータを測定又は検知することができる検知ユニットを含む、請求項6~11のいずれか一項に記載の業務用ボルト締めシステム。
【請求項13】
前記複数のネットワーク化された電気動力式トルク工具及び/又は各トルク工具の駆動部分の各々の操作パラメータ間の差を所定値以内に維持する段階を含む、請求項6~12のいずれか一項に記載の業務用ボルト締めシステムを自動的に制御する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、本出願と同様に本出願人が所有し且つ/又は同時係属中である、以下の特許出願の優先権を主張し、且つ/又は、その継続特許出願又は一部継続出願であり、その全ての内容は言及したことにより本明細書中に援用される、2016年3月2日の出願日を有すると共に“螺条付き締結具を締める装置”と称された米国出願第62/302,260号。
【背景技術】
【0002】
電動トルク・レンチは、電気モータに対して結合されて複数の減速比を有するプラネタリ・トルク・マルチプライヤもしくは変速機を含む。上記変速機の端部には、トルクを吸収すべく使用される反作用デバイスが在る。正しいトルク出力は、例えば、電気入力を制御することにより、操作ユニットを介して調節される。この例においては、正しいトルク出力への到達時に、電気モータは、工具の操作者により調節されるレベルに従って停止される。電動トルク・レンチを制御する斯かる操作ユニットは、現状技術から十分に知られている。
【0003】
公知の操作ユニットは、ネジ止めプロセスが適切に実施されたか否かを判断する責任から操作員を解放する、という実施例を有している。しかし、操作員は、達成されるべき目標パラメータもしくは値が達成され得る様に、所定様式で設定用パラメータを最初に設定することが依然として必要とされる。これにより、各設定用パラメータは、例えば、操作者、用途もしくはネジ接続物、及び、使用される工具から帰着する複数のネジ接続プロセス・パラメータに一致する。不完全なネジ接続に帰着する既知のエラーの原因は、例えば、不適切な工具の選択、不正確な演算テーブルの使用、設定用パラメータを決定する上での基本計算エラー、ネジ接続に対するネジ・パラメータの不正確な割当て、不正確なボルト伸び、工具もしくはその構成要素の故障、測定手段の故障、設定用パラメータの不正確な設定、などである。
【0004】
これらの種類の問題は、ネジのプレテンション力を生成する流体動力操作式の工具であって、例えば、油圧的に作動されるトルクもしくは他のレンチ、又は、膨張シリンダを含むという工具を駆動する駆動ユニットにおいて対処されてきた。その全ての内容は言及したことにより本明細書中に援用されるある特許文献において、本出願人は、設定用パラメータの不正確な設定の虞れを排除する駆動ユニットを提供した(例えば、特許文献1参照。)。動力操作式の工具に対する他の制御及び管理ユニット及びシステムは、さらに別の特許文献において本出願人により開示されており、それらの全ての内容は言及したことにより本明細書中に援用される(例えば、特許文献2~4参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2012/067602号
【特許文献2】国際公開第2010/124150号
【特許文献3】国際公開第2010/151256号
【特許文献4】国際公開第2013/172841号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
必要とされるのは、更に良好な業務用ボルト締めシステムである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、
複数の業務用螺条付き締結具の同時締めのために、複数のネットワーク化された電気動力式トルク工具、及び/又は、各トルク工具の駆動部分を有するボルト締めシステムと共に使用される操作パラメータ調整ユニットであって、
処理ユニットと、
上記処理ユニットに対して接続及び/又は一体化された出力ユニットと、
上記処理ユニットに対して接続及び/又は一体化された入力ユニットと、
上記複数のネットワーク化された電気動力式トルク工具及び/又は各トルク工具の駆動部分の操作ユニットを起動すべく、上記処理ユニットに対して接続及び/又は一体化された起動ユニットと、
上記複数のネットワーク化された電気動力式トルク工具及び/又は各トルク工具の駆動部分の各々の操作パラメータを制御して、各操作パラメータ間の差を所定値以内に維持する制御ユニットとを含む、操作パラメータ調整ユニットに関する。
【0008】
本出願において開示された技術革新は、請求項1の特徴を備えた、複数の業務用螺条付き締結具の同時締めのために、複数のネットワーク化された電気動力式トルク工具、及び/又は、各トルク工具の駆動部分を有するボルト締めシステムと共に使用される操作パラメータ調整ユニットにより、斯かる駆動ユニット及び制御ユニットの技術を進歩させると共に、上記課題を解決する。斯かる操作パラメータ調整ユニットを含む電気動力式トルク工具が開示される。斯かる複数台の操作パラメータ調整ユニット、斯かる一台の電気動力式トルク工具により制御される、複数のネットワーク化された電気動力式トルク工具、斯かる一台の電気動力式トルク工具により制御される、複数のネットワーク化されたトルク工具の電気動力式駆動部分、又は、それらの任意の組み合わせ、のいずれかを含む、複数の業務用螺条付き締結具の同時締めのための業務用ボルト締めシステムも開示される。本発明の好適実施例は、従属請求項において列挙される。
【0009】
好適には、本出願において開示された技術革新は、複数の業務用螺条付き締結具の同時締めのために、複数のネットワーク化された電気動力式トルク工具、及び/又は、各トルク工具の駆動部分を有するボルト締めシステムのための操作パラメータ調整ユニットを包含する。実際、SIMULTORC(登録商標)は、複数のネットワーク化された電気動力式トルク工具、及び/又は、各トルク工具の駆動部分、特に、携帯式及び/又は可搬式の種類のものにより達成可能である。SIMULTORC(登録商標)は、Parallel Joint Closure(登録商標)及び接合完全性を確実とする本出願人が所有するボルト締め方法であり、フランジの接合部漏出、接合部破損、及び/又は、ガスケット緩衝蓋体の圧壊による操作者の負傷、特性損失、及び/又は、生産損失の虞れを最小限度に抑えるものである。
【0010】
本発明に係る操作パラメータ調整ユニットの特徴は、それが、出力ユニットを備える処理ユニット、ならびに、該処理ユニットに対して接続及び/又は一体化されたデータ捕捉ユニットを有し、上記処理ユニットは、上記データ捕捉ユニットにより決定された締結具接続プロセス・パラメータに基づき、上記操作パラメータ調整ユニット上で設定されるべき上記値の出力に対して設計される、ということである。本発明に係る操作パラメータ調整ユニットのデータ捕捉ユニットによれば、操作員からの入力を必要とせずに、締結具接続プロセス・パラメータを自動的に捕捉することが可能とされる。上記締結具接続プロセス・パラメータとしては、例えば、操作員に関するデータ、例えば使用される電動トルク・レンチもしくは他の工具などの使用されるべき工具に関するデータ、締結具接続手段に関するデータ、及び、相互に締結されるべき各構造要素に関するデータが挙げられる。対応する各締結具接続プロセス・パラメータが上記データ捕捉ユニットにより自動的に取り込まれ得る形態で該パラメータを記憶すると、各設定用パラメータの決定に必要とされる全ての締結具接続プロセス・パラメータのエラー無しでの捕捉が許容され、各設定用パラメータが記憶されていないか、取り込まれたデータから既に直接的に帰着していない限りにおいて、上記捕捉に基づいて上記処理ユニットは各設定用パラメータを決定する。操作員による不正確な入力から帰着し得る不正確な設定用パラメータの指定、入力及び/又は使用は、自動的なデータ捕捉により阻止される。上記処理ユニットにより決定された各設定用パラメータは、該処理ユニットの出力ユニットを介してエラーなしで特定されることから、特定された設定用パラメータの転送のみが必要とされる。作業プロセスは、その後に、上記工具及び/又は該工具の駆動部分の動作により上記起動もしくは動力ユニットの起動を介して開始され得ると共に、目標値が実現された後に再び終了され得る。
【0011】
上記処理ユニットに対して接続及び/又は一体化された起動ユニットは、上記複数のネットワーク化された電気動力式トルク工具及び/又は各トルク工具の駆動部分の各操作ユニットを起動する。制御ユニットは、上記複数のネットワーク化された電気動力式トルク工具及び/又は各トルク工具の駆動部分の各々の操作パラメータを制御して、各操作パラメータ間の差を所定値以内に維持する。上記処理ユニットに対しては、複数の起動ユニットが接続及び/又は一体化されることで、上記複数のネットワーク化された電気動力式トルク工具及び/又は各トルク工具の駆動部分の各操作ユニットを起動し得ることを銘記されたい。
【0012】
上記操作パラメータは、電流、電圧及び/又は磁界を含む工具の電気回路パラメータ、工具トルク出力値、締結具の回転速度、締結具のプレテンション力、締結具の回転角度、締結具の伸び、軸線方向であるかハウジングの撓曲であるかに関わらず、締結具及び/又は工具の捩れ、反作用取付具の側方負荷、締結具の摩擦抵抗、及び/又は、それらの任意の組み合わせ、のいずれかを含む。各操作パラメータは、種々の形式の、センサ・ユニット、歪ゲージ、回転エンコーダ、トルク・センサ及び変換器、ホール効果及び同様の磁界及び強磁界検知ユニット、荷重計、位置メータ/センサ、などにより直接的及び/又は間接的に測定もしくは検知され得る。当業界で公知である他の構成要素が使用され得ることを銘記されたい。
【0013】
SIMULTORC(登録商標)動作の間に、上記複数のネットワーク化された電気動力式トルク工具及び/又は各トルク工具の駆動部分の各操作パラメータ間の上記差が上記所定値を超過した場合、単一もしくは複数の操作パラメータにおける上記差が上記所定値以内に戻るまで、上記制御ユニットは各工具及び/又は駆動部分の各操作パラメータを調整する。上記制御ユニットは、増大された単一もしくは複数の操作パラメータを有する単一もしくは複数の工具及び/又は各駆動部分の単一もしくは複数の操作パラメータを終了し、増大された単一もしくは複数の操作パラメータを有する単一もしくは複数の工具及び/又は各駆動部分の単一もしくは複数の操作パラメータを低下させ、減少された単一もしくは複数の操作パラメータを有する単一もしくは複数の工具及び/又は各駆動部分の単一もしくは複数の操作パラメータを上昇させ、又は、因果的に、同時的に、及び/又は、所定順序のいずれかにて、斯かる作用の任意の1つ以上を、任意の1つ以上の斯かる工具及び/又は駆動部分に対して実施すること、のいずれかを行う。例えば、上記処理ユニットに対して一体化され、且つ、上記ボルト締めプロセスを独立的に開始すると共に、目標値が実現された後でそれを終了させる自動実行システム及び/又はコンピュータ・プログラムもまた、本発明の単一回もしくは複数回のボルト締めプロセスを協働的及び/又は別体的に実施すべく使用され得ることを銘記されたい。
【0014】
上記処理ユニットより実施されるべく自動的に捕捉された特定の複数のプロセス・パラメータの平衡化は、概略的に任意の様式で行われ得るものであり、例えば、各設定用パラメータを決定するために必要なデータは、既に上記処理ユニット内に記憶されている。但し、本発明の更なる好適実施例に依れば、上記処理ユニットは記憶ユニットへの接続に対して設計される。本発明のこの実施例によれば、必要な設定用パラメータを決定するために必要な情報を、上記記憶ユニットを介して上記処理ユニットに対して選択的に提供することが可能とされる。本発明のこの更なる実施例の場合、各設定用パラメータを決定するために必要とされる関連データの、上記処理ユニットにおける記憶は、それが特にコスト効率的に設計され得る様に、省略され得る。
【0015】
記憶ユニットに対する上記接続によれば、その様にしなければ可能的に複雑である上記処理ユニットの更新が省略され得る様に、現在のデータに対する簡素な様式でのアクセスも可能とされる。
【0016】
上記記憶ユニットに対する接続の選択肢によれば、例えば、実施されたボルト締めプロセスに関するデータなどのプロセス特有情報を上記記憶ユニットに記憶することも可能とされる。手作業での可能的には不完全で時間及びコスト集約的である、実施されたボルト締めプロセスの文書化は、省略され得る。故に、記憶ユニットに対する上記処理ユニットの接続の確立は、任意の形態で行われ得、例えばUSB接続などの上記処理ユニット上に配置された標準化接続によれば、上記処理ユニットに対する上記記憶ユニットの接続が簡素な様式で可能とされる。
【0017】
但し、本発明の特に好適な実施例に依れば、上記処理ユニットは、上記記憶ユニットとの無線接続に対して設計される。特に、標準化された無線プロトコルを介して確立され得る無線接続によれば、上記記憶ユニットに対する上記処理ユニットの特に簡素で快適な接続が可能とされる。それらは、例えば、GSM(登録商標)モジュール、Bluetooth(登録商標)モジュールなどを備え得る。上記処理ユニットと記憶ユニットとの間には、衛星(Satellite)、Wi-Fi(登録商標)、WiMax(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、マイクロ波、赤外線、無線、及び/又は、近接センサなどの、任意の適切な無線接続の手段が使用され得ることを銘記されたい。本発明のこの実施例に依れば、対応して設計された複数の駆動ユニットにより、例えば中央データベースなどの中央記憶ユニットに対してアクセスすることも可能とされ得るので、ローカルの記憶ユニットは必要とされない。中央データベースの使用によれば、特別な様式でのデータ管理が促進される、と言うのも、更新が行われる必要があるのは、1つのデータベースにおいてのみだからである。更に、上記中央記憶ユニットに対する無線接続によれば、製品出荷の追跡と同様に、情報が上記中央データベースから権限のある人員により照会され得るように、実施されたボルト締めプロセスに関する情報を中央的に記憶することが可能とされる。
【0018】
各設定用パラメータの決定のためには、締結具接続プロセス・パラメータが、例えば、操作パラメータ調整ユニット自体における、又は、複数のネットワーク化された電気動力式トルク工具及び/もしくは各トルク工具の駆動部分、もしくは、締結具接続物における、適切な箇所において、上記データ捕捉ユニットにより理解され得る様式で記憶されることが必要とされる。上記締結具接続プロセス・パラメータとしては、例えば、操作員の識別情報、例えば、製造者、種類、サイズ、通し番号、特性に関する情報などの、複数のネットワーク化された電気動力式トルク工具及び/又は各トルク工具の駆動部分の内の1つ以上のものに関する情報、が挙げられ、締結具接続対象物上のデータは、種類、用途、締結具接続形式の説明、(例えば、トルク、プレテンション力、回転角度、伸び、捩れ、側方負荷、又は、摩擦抵抗などの)締結具接続パラメータであり得、且つ、締結具接続物の機器上のデータとしては、例えば、製造者、螺条、寸法、降伏点などが挙げられる。締結具接続プロセス・パラメータは、他の適切な特性、データ、及び/又は、情報を含み得ることを銘記されたい。これらの締結具接続プロセス・パラメータは、個々の要素上に、上記データ捕捉ユニットにより理解され得る様式で記憶される。故に、上記データ捕捉ユニットにより理解され得る様式でのデータの記憶の形式は、概略的に自由に選択可能である。例えば、バーコード又はRFIDユニットは、それら自体が機械可読コードとして特に実績があることから、本発明の特に好適な実施例に依れば、上記データ捕捉ユニットは、可搬式のコード読取器ユニット、及び/又は、RFID受信器、及び/又は、書き込みユニットとして設計される。斯かるデータ捕捉ユニットは、それらの高信頼性、及び、コスト効率的な設計により特徴付けられる。適切であれば、夫々の情報は、上記データ捕捉ユニットに対応した形態で記憶され、すなわち、この好適実施例に依れば、機械可読コードとして、又は、RFIDユニット上で、記憶されることから、それは即時に捕捉され得る。上記データ捕捉ユニットは、例えば、可搬式のコード読取デバイス、RFID受信器、及び/又は、書き込みユニットなどの如き任意の適切な手段として設計され得ることを銘記されたい。
【0019】
故に、RFIDユニットの使用は特に、上記捕捉が、無線形態において、大きな距離を越えて行われ得るという点において特徴付けられ、RFIDユニットの使用によれば、ボルト締めプロセスの完了の後に、RFIDユニット上に補足データを記憶することも可能とされる。故に、機械可読コードは特に、バーコードなどと理解され、そのときに読取デバイスは、対応するスキャナを有する。バーコードは、例えば、工具及び/又は締結具接続物に対して取付けられたステッカー上に配置され得る。
【0020】
上記処理ユニットに対する上記データ捕捉ユニットの接続は概略的に、任意の様式でも行われ得る。但し、本発明の特に好適な実施例に依れば、上記データ捕捉ユニットは、上記処理ユニットとの無線接続に対して設計される。接続が、例えば標準化された無線手順を介して確立されるという本発明の対応設計によれば、補足的な様式にて使用の容易さが高められる、と言うのも、データ捕捉ユニットを介したデータ捕捉に対するケーブル結合接続に起因する制約が無いからである。
【0021】
例えば、SIMULTORC(登録商標)を達成する均一なプレテンション力の確立のために、複数のネットワーク化された単一もしくは複数の電気動力式トルク工具及び/又は各トルク工具の単一もしくは複数の駆動部分の各々の単一もしくは複数の動力ユニットにより適用されるべき単一もしくは複数の設定用パラメータ及び/又は単一もしくは複数の操作パラメータを決定するための上記操作パラメータ調整ユニットの設計は、概略的に任意の様式で行われ得る。但し、本発明の特に好適な実施例に依れば、上記操作パラメータ調整ユニットは、例えば、単一もしくは複数の設定用パラメータ及び/又は単一もしくは複数の操作パラメータの目標値を制御もしくは調整するキー・パッド・パネル、タッチスクリーン、可搬式デバイスなどを有すべく設計される。締結具接続物に対するParallel Joint Closure(登録商標)及び接合完全性を確実とするためには、操作パラメータ(例えば、電流、電圧及び/又は磁界を含む工具の電気回路パラメータ、工具トルク出力値、締結具の回転速度、締結具のプレテンション力、締結具の回転角度、締結具の伸び、軸線方向であるかハウジングの撓曲であるかに関わらず、締結具及び/又は工具の捩れ、反作用取付具の側方負荷、締結具の摩擦抵抗、及び/又は、それらの任意の組み合わせ)の制御又は調整が必要とされることを思い起こされたい。故に、上記操作パラメータ調整ユニットは、任意の様式で、最も容易な様式では自動的もしくは手動的に、上記出力ユニット上で指定された単一もしくは複数の目標値に対して設定され得る。次に、ボルト締めプロセスの開始は、複数のネットワーク化された電気動力式トルク工具及び/又は各トルク工具の駆動部分の各操作ユニットを起動するために上記操作パラメータ調整ユニットの起動ユニットの起動を介して、行われ得る。
【0022】
上記操作パラメータ調整ユニットは、衛星、Wi-Fi(登録商標)、WiMax(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、マイクロ波、赤外線、無線、及び/又は、近接センサなどの任意の適切な手段により、複数のネットワーク化された電気動力式トルク工具及び/又は各トルク工具の駆動部分との無線接続に対して設計されることを銘記されたい。
【0023】
上記出力ユニットを介した各設定用パラメータの純粋に光学的な出力に加え、本発明の更なる実施例に依れば、上記出力ユニットは、上記操作パラメータ調整ユニットの制御及び/又は調整の支援のために設計されることが実現される。本発明のこの実施例に依れば、上記データ捕捉ユニットを介した各プロセス・パラメータの決定の後で、上記処理ユニットにより決定された設定用パラメータは、例えば、電気制御可能な操作パラメータ調整ユニットなどの操作パラメータ調整ユニットに対して自動的に転送される。本発明のこの実施例は、操作員により引き起こされた誤調節が、故に不完全なネジ接続が生じないことを、補足的様式にて保証する。特に好適な様式にて、上記出力ユニットは、上記制御ユニットが各設定用パラメータをチェックして修正を行うことを支援する様にも設計される。これにより、特に信頼し得る様式にて、必要とされる締結具接続のエラー無しでの確立が確実とされる。
【0024】
実施された作業プロセスの文書化は概略的に、例えば、上記に列挙された如く、情報を記憶ユニットに記憶することにより、任意の様式で行われ得る。但し、本発明の特に好適な実施例に依れば、上記出力ユニットは印刷装置を有し、これによれば、操作員は、実現された締結具接続に関する印刷形態の報告書を直ちに入手可能とされ得る。代替的又は付加的に、本発明の更なる実施例に依れば、上記処理ユニットは、実現された締結具接続の文書化に対して設計されることも実現され得る。実現された締結具接続に関する情報を獲得することが必要とされるなら、上記処理ユニットは後時にアクセスされ得ると共に、そこに記憶されたデータが呼び出され得る。
【0025】
本発明の特に好適な実施例に依れば、上記操作パラメータ調整ユニット及び/又は上記処理ユニットは、複数のネットワーク化された電気動力式トルク工具及び/又は各トルク工具の駆動部分の各々に対して取付けられ且つ/又は一体化された時間及び/又は位置捕捉ユニットを有する。このデータは、上記位置捕捉ユニットが例えばGPS受信器により形成され得る場合、実現されて呼び出し可能な文書の品質が補足的様式で高められ得る様に、実現されたプロセスに関する情報としても記憶され得る。更に、斯かる位置捕捉ユニット、操作パラメータ調整ユニット、及び/又は、斯かる調整ユニットを有する複数のネットワーク化された電気動力式トルク工具及び/又は各トルク工具の駆動部分の各々に対して適用される、ドローン飛行機能の如き自動化増進機能によれば、ボルト締め操作の遠隔的な、非監視的な、及び/又は、自動的な実施が許容される。
【0026】
斯かる自動化増進機能によれば、SIMULTORC(登録商標)操作は更に向上される、と言うのも、複数のネットワーク化された電気動力式トルク工具及び/又は各トルク工具の駆動部分の各々は、異常なボルト締め特性を呈する箇所へと自動的に移動し得るからである。締結具に対する工具の優れた箇所案内のために、近接センサが使用され得る。斯かる自動化増進機能に対しては、例えば、対話式の移動マップ、ボルト締め経路の案内、締結具接近の案内、風向き補正、速度、距離、機首方位及び動力消費量の演算による、動的な経路編集、ボルト締め適用物の高度及び配向の変化特性、2D及び3Dでの周囲状況/地形の認識、内部のジャイロ又は外部のAHRSボックスに対するサポート、速度、高度、行程などの表示、実況的な飛行追跡、重量及び平衡の演算、ボルト締め接続の業務日誌の自動記録、工具及び工具部分の移動の同期、などの如き付加的な締結具接続プロセス・パラメータが必要とされよう。
【0027】
更に、開示された発明は、斯かる操作パラメータ調整ユニットを含む電気動力式トルク工具、斯かる操作パラメータ調整ユニットを含む可搬式デバイス、及び、斯かる操作パラメータ調整ユニットを含む、複数の業務用螺条付き締結具の同時締めのための業務用ボルト締めシステム、を包含する。
【0028】
以下においては、図面を参照して、本発明の好適実施例が更に詳細に説明される。先の考察は、各図面に対して適用される。説明の容易さのために、工具のトルク出力値が、選択される操作パラメータであるが、電流、電圧及び/又は磁界を含む工具の電気回路パラメータ、工具トルク出力値、締結具の回転速度、締結具のプレテンション力、締結具の回転角度、締結具の伸び、軸線方向であるかハウジングの撓曲であるかに関わらず、締結具及び/又は工具の捩れ、反作用取付具の側方負荷、締結具の摩擦抵抗、及び/又は、それらの任意の組み合わせ、などの、開示された任意の操作パラメータが使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】業務用ボルト締めシステム100の見取り図としての概略的斜視図を示す。
【
図2】業務用ボルト締めシステム200の見取り図としての概略的斜視図を示す。
【
図3】業務用ボルト締めシステム300の見取り図としての概略的斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1を参照すると、該図は、複数の業務用螺条付き締結具40の同時締めのために、操作パラメータ調整ユニット50を有する電気動力式トルク工具10により制御される複数のネットワーク化された電気動力式トルク工具11を含む業務用ボルト締めシステム100の見取り図としての概略的斜視図を示している。この実施例において、工具10はマスタとして作用し、且つ、ネットワーク化された各工具11はスレーブとして作用する。説明を容易とするために、操作パラメータ調整ユニット50はカバー51内に囲繞されて工具10の外部に示されるが、実際には、ユニット50の全体、及び/又は、その各部分は、工具10の内部にもしくはそれに隣接して形成される。工具10は、好適には内蔵のリチウムイオン・バッテリの形態である電力源13を介して動力を受ける。電源13は、任意の適切な供給源(例えば、太陽電池、燃料電池、電気コンセント、発電器、モータなど)を含み得る。概略的に、操作パラメータ調整ユニット50は、工具10の電子動力ユニット14を起動すると共に、操作ユニット15上で設定されたトルク出力レベル(又は、他の操作又は設定パラメータ)を制御する。電子動力ユニット14及び操作ユニット15は、相互に別体的に示されると共に、操作パラメータ調整ユニット50の外部である。但し、電子動力ユニット14及び/又は操作ユニット15は、単一ユニットとして形成され得、且つ/又は、操作パラメータ調整ユニット50と一体的に、もしくは、それに隣接して形成され得る。
【0031】
操作パラメータ調整ユニット50は、本実施例では、目標値として、工具10及び各工具11のトルク出力を調整/監視/測定などする。締結具接続のために必要な目標値を設定するために、操作パラメータ調整ユニット50は入力ユニット52を有する。本実施例では、可搬式バーコード・スキャナであるデータ捕捉ユニット56は、操作員、工具10及び/又は各工具11、締結具接続対象物、又は、ボルト締め適用物42、及び、締結具式接続器具40から、締結具接続プロセス・パラメータ41を捕捉する。ボルト締め適用物42としては、例えば、閉じられるべきフランジが挙げられる。締結具式接続器具40としては、例えば、螺条付きのスタッド、ボルト及び/又はナット、ワッシャ及び/又は他の任意で適切な部材が挙げられる。
【0032】
データ捕捉ユニット56は操作パラメータ調整ユニット50に対して外部に示されるが、ユニット56の全体、又は、その一部は、工具10又は操作パラメータ調整ユニット50の内部に見出され得る。各締結具接続プロセス・パラメータ41は、無線により処理ユニット53に対して転送される。処理ユニット53は、おそらくは(不図示の)記憶ユニットに保存されたデータにアクセスした後、工具10の操作パネル15として、又は、その一部として形成され得るディスプレイもしくは出力ユニット51を介し、設定されるべき圧縮トルクを表示する。入力ユニット52上に示された圧縮トルクを、手動的、半手動的又は自動的に設定した後、締結プロセスは、起動ユニット55を介して、手動的、半手動的又は自動的に開始及び停止され得る。もし手動的であれば、起動ユニット55は、締結プロセスを開始すべく操作者が引張る工具10のトリガ16として形成され得る。圧縮トルク、又は、ネジのプレテンション力は、ネジ接続物を締め及び/又は緩めるために必要な力であることを銘記されたい。また、工具10及び/又は各工具11の各々は、開示されたSIMULTORC(登録商標)ボルト締め操作の各段階の一部分、大部分、及び/又は、全てを、操作パラメータ調整ユニット50における内蔵ソフトウェア命令が実施する如く、類似する構成要素を含め、相互に構造的に同様であり得ることを銘記されたい。
【0033】
複数のネットワーク化された電気動力式トルク工具10及び/又は11は、締結具接続対象物、すなわち、ボルト締め適用物42の回りにおける各螺条付き締結具40上で相互から等距離に配置されることを銘記されたい。SIMULTORC(登録商標)は、Parallel Joint Closure(登録商標)及び接合完全性を確実とする本出願人が所有するボルト締め方法であり、ボルト締め適用物42の接合部漏出、接合部破損、及び/又は、(不図示の)ガスケット緩衝蓋体の圧壊による操作者の負傷、特性損失、及び/又は、生産損失の虞れを最小限度に抑えるものである。操作パラメータ調整ユニット50及び/又は工具10及び/又は各工具11と共に(不図示の)検知ユニットが含まれることで、複数のネットワーク化された電気動力式トルク工具10及び11が、各螺条付き締結具40を締め且つ/又は緩めるべく利用可能なときを決定し得ることを銘記されたい。換言すると、単一もしくは複数の電子動力ユニット14、単一もしくは複数の操作ユニット15、単一もしくは複数のトリガ16、単一もしくは複数の操作パラメータ調整ユニット50、及び/又は、それらの一部は、工具10及び/又は各工具11が、各螺条付き締結具40及びボルト締め適用物42の回りに正しく位置決めされて安全に係合されなければ、起動不能とされ得る。斯かる検知ユニットは、操作者の負傷の虞れを減少及び/又は排除する安全機構、及び、Parallel Joint Closure(登録商標)及び接合完全性を確実とする品質機構として作用する。
【0034】
例えば
図1に示された如きSIMULTORC(登録商標)ボルト締め操作の間、制御ユニット54は、複数のネットワーク化された電気動力式トルク工具10及び11の各々の、本実施例では工具トルク出力値である単一もしくは複数の操作パラメータを制御して、該単一もしくは複数の操作パラメータの間の差を、所定値以内に維持する。もし、単一もしくは複数の操作パラメータにおける差が上記所定値を超過したなら、制御ユニット54は、単一もしくは複数の操作パラメータの差が上記所定値以内に戻るまで、工具10及び/又は11の単一もしくは複数の操作パラメータを調整する。
【0035】
以下においては、
図2を参照して本発明の別の好適実施例が更に詳細に説明される。
図1に関する先の概略的な考察及び詳細な考察は、
図2に示された実施例に対して適用される。
図2を参照すると、該図は、複数の業務用螺条付き締結具40の同時締めのために、操作パラメータ調整ユニット50を有する電気動力式トルク工具10により制御される各電気動力式トルク工具の複数のネットワーク化された駆動部分211を含む業務用ボルト締めシステム200の見取り図としての概略的斜視図を示している。この実施例において、工具10はマスタとして作用し、且つ、ネットワーク化された各駆動部分211はスレーブとして作用する。
【0036】
以下においては、
図3を参照して本発明の別の好適実施例が更に詳細に説明される。
図1及び
図2に関する先の概略的な考察及び詳細な考察は、
図3に示された実施例に対して適用される。
図3を参照すると、該図は、複数の業務用螺条付き締結具40の同時締めのために、操作パラメータ調整ユニット50を有する可搬式デバイス320により制御される各電気動力式トルク工具の複数のネットワーク化された駆動部分311を含む業務用ボルト締めシステム300の見取り図としての概略的斜視図を示している。この実施例において、可搬式デバイス320はマスタとして作用し、且つ、ネットワーク化された各駆動部分311はスレーブとして作用する。
【0037】
図面中に示されない代替実施例において、電気動力式トルク工具10、複数のネットワーク化された電気動力式トルク工具11、各電気動力式トルク工具の複数のネットワーク化された駆動部分211、各電気動力式トルク工具の複数のネットワーク化された駆動部分311、それらの内の1つ、それらの内の複数、それらの1つの部分集合、それらの複数の部分集合、又は、それらの任意の組合せ、の監視及び制御は、区画、ライン、工場に亙る、事業者に亙る、又は、提携業者に亙る生産実行システム(MES)の一部として行われ得る。換言すると、本発明のトルク工具、及び、トルク工具の駆動部分は、手動式、自動式、又は、半自動式のプロセスにおいて他のデバイス及び機器と一体化されて製造の全ての見地を組み合わせ、全てのプロセス及び記録をデジタル化し、且つ、操作の全ての出力を厳密に制御し得るインテリジェント・デバイスである。
【0038】
図面中に示されない更なる実施例において、電気動力式トルク工具10、複数のネットワーク化された電気動力式トルク工具11、各電気動力式トルク工具の複数のネットワーク化された駆動部分211、各電気動力式トルク工具の複数のネットワーク化された駆動部分311、それらの内の1つ、それらの内の複数、それらの1つの部分集合、それらの複数の部分集合、又は、それらの任意の組合せ、の監視及び制御は、特に重要なボルト締め適用物において、閉ループの有線システムにおいて行われ得る。
【0039】
好適には、本出願において開示された技術革新は、複数の業務用螺条付き締結具の同時締めのために、複数のネットワーク化された電気動力式トルク工具、及び/又は、各トルク工具の駆動部分を有するボルト締めシステムのための操作パラメータ調整ユニットを包含する。実際、SIMULTORC(登録商標)は、複数のネットワーク化された電気動力式トルク工具、及び/又は、各トルク工具の駆動部分、特に、携帯式及び/又は可搬式の種類のものにより達成可能である。SIMULTORC(登録商標)は、Parallel Joint Closure(登録商標)及び接合完全性を確実とする本出願人が所有するボルト締め方法であり、フランジの接合部漏出、接合部破損、及び/又は、ガスケット緩衝蓋体の圧壊による操作者の負傷、特性損失、及び/又は、生産損失の虞れを最小限度に抑えるものである。
【0040】
上述の明細書及び以下の各請求項において使用されたとき、“備えて成る(comprises)”、“含む(includes)”、“有する(has)”という語句、及び、それらの変化形は、特定の特徴、段階又は整数が包含されることを意味している。各語句は、他の特徴、段階又は構成要素の存在を除外すると解釈されるべきでない。明細書及び各請求項における語句又は表現が、それらの通常の意味とは異なる何らかの特殊な意味が与えられたとしても、それは極く僅かであることから、本明細書は、各語句を不当に狭い意味で定義するために使用されるべきでない。
【0041】
上記明細書、以下の各請求項、及び/又は、添付図面において開示された特徴であって、必要に応じて、それらの特定形態において表現され、或いは、開示された機能を実施する手段、又は、開示された結果を達成する方法もしくはプロセスに関して表現されたという特徴は、別体的に、又は、斯かる特徴の任意の組合せにて、本発明をその多様な形態で実現するために利用され得る。上記内容は、本出願の好適実施例の単なる説明であること、及び、添付の各請求項において示された発明の真の精神及び有効範囲から逸脱せずに、種々の変更、組み合わせ、改変例及び変更例が為され得ることは理解されるべきである。