(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022116332
(43)【公開日】2022-08-09
(54)【発明の名称】圧縮試験治具、材料試験機、および材料試験機における平行度調整方法
(51)【国際特許分類】
G01N 3/04 20060101AFI20220802BHJP
G01N 3/08 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
G01N3/04 P
G01N3/08
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092426
(22)【出願日】2022-06-07
(62)【分割の表示】P 2018120175の分割
【原出願日】2018-06-25
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成29年度国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 革新的新構造材料等研究開発/熱可塑性CFRPの開発及び構造設計・加工基盤技術の開発に係る委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100102037
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 裕之
(74)【代理人】
【識別番号】100149962
【弁理士】
【氏名又は名称】阿久津 好二
(74)【代理人】
【識別番号】100170988
【弁理士】
【氏名又は名称】妹尾 明展
(74)【代理人】
【識別番号】100189566
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 雅之
(72)【発明者】
【氏名】村上 岳
(57)【要約】
【課題】供試体の被圧縮面と圧盤の圧縮面との平行度を容易に調整する。
【解決手段】
材料試験機に用いられる圧縮試験治具であって、少なくとも球面部と圧盤部とを有する圧盤と、球面部を収容し、材料試験機の負荷軸に対して回転可能かつ揺動可能に圧盤を保持する保持部と、保持部に対して圧盤を固定する固定部とを備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料試験機に用いられる圧縮試験治具であって、
少なくとも球面部と圧盤部とを有する圧盤と、
前記球面部を収容し、前記材料試験機の負荷軸に対して回転可能かつ揺動可能に前記圧盤を保持する保持部と、
前記保持部に対して前記圧盤を固定する固定部とを備える圧縮試験治具。
【請求項2】
請求項1に記載の圧縮試験治具において、
前記固定部は、第1傾斜面を有する第1くさび部材と、前記第1傾斜面に対向する第2傾斜面を有する第2くさび部材と、前記第1くさび部材に対して前記第2くさび部材を移動させるねじ部材とを備え、
前記固定部は、前記第1くさび部材と前記ねじ部材とを用いて前記第2くさび部材を前記保持部側に押圧することにより、前記保持部に対して前記圧盤を固定する圧縮試験治具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の圧縮試験治具を有する材料試験機。
【請求項4】
請求項3に記載の材料試験機における平行度調整方法であって、
前記材料試験機の負荷軸に対して回転可能かつ揺動可能な状態で前記圧盤を所定の試験力で供試体の端面に接触させる接触ステップと、
前記圧盤を回転および/または揺動し、前記供試体の端面と前記圧盤の前記圧盤部の圧縮面との平行度を調整する調整ステップと、
前記調整ステップの後、前記所定の試験力が低下するか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにおいて前記所定の試験力が低下したと判定されると、前記所定の試験力が低下しなくなるまで前記接触ステップと前記調整ステップとを繰り返す反復ステップと、を有する平行度調整方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮試験治具、材料試験機、および材料試験機における平行度調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
圧縮試験を行う材料試験機において、供試体に圧縮荷重をかける圧盤としていわゆる球座式圧盤を用いるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。球座式圧盤は、球座と球面接触して摺動することにより、圧盤の圧縮面と供試体の被圧縮面との平行度を調整することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような球座式圧盤を用いることにより、供試体の被圧縮面と圧盤の圧縮面との平行度を調整することは可能であるが、供試体の材質によっては大きな荷重をかけると損傷しやすいものもあり、低荷重で圧盤を接触させて容易に平行度を調整することのできる装置が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様による材料試験機に用いられる圧縮試験治具は、少なくとも球面部と圧盤部とを有する圧盤と、前記球面部を収容し、前記材料試験機の負荷軸に対して回転可能かつ揺動可能に前記圧盤を保持する保持部と、前記保持部に対して前記圧盤を固定する固定部とを備える。
本発明の第2の態様によると、材料試験機は、第1の態様による圧縮試験治具を有する。
本発明の第3の態様によると、第2の態様による材料試験機における平行度調整方法は、前記材料試験機の負荷軸に対して回転可能かつ揺動可能な状態で前記圧盤を所定の試験力で供試体の端面に接触させる接触ステップと、前記圧盤を回転および/または揺動し、前記供試体の端面と前記圧盤の前記圧盤部の圧縮面との平行度を調整する調整ステップと、前記調整ステップの後、前記所定の試験力が低下するか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップにおいて前記所定の試験力が低下したと判定されると、前記所定の試験力が低下しなくなるまで前記接触ステップと前記調整ステップとを繰り返す反復ステップと、を有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、供試体の被圧縮面と圧盤の圧縮面との平行度を容易に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、本発明の一実施の形態に係る材料試験機の概略図である。
【
図2】
図2は、
図1の材料試験機に用いられるカゴ形治具を示す図である。
【
図3】
図3は、供試体と圧縮試験治具との関係を説明する図である。
【
図4】
図4(a)(b)は、カゴ形治具の圧縮試験治具を示す平面図および断面図である。
【
図5】
図5は、一実施の形態に係る平行度調整方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る材料試験機の概略図である。
図1に示すように本実施の形態の材料試験機1は、基台11と、基台11上に立設された左右一対のねじ棹12と、これらのねじ棹12の上部に配設されたヨーク13と、クロスヘッド15とを備える。クロスヘッド15は左右一対のねじ棹12と螺合するナット部を備え、ねじ棹12に対して昇降する。基台11とクロスヘッド15の間にはカゴ形治具30が配置されている。カゴ形治具30はロードセル16を介してクロスヘッド15に取り付けられており、後述する圧縮試験用の圧縮試験治具を備える。
【0009】
基台11の下方には、圧縮および引張負荷用のモータ20と、モータ20の駆動により回転する同期プーリー21と、一対のねじ棹12の下端部にそれぞれ配設された同期プーリー22と、同期ベルト23とが配置されている。同期プーリー21と同期プーリー22はそれぞれ同期ベルト23と係合している。モータ23の駆動により同期プーリー21と同期プーリー22が回転し、これに同期して一対のねじ棹12が回転する。一対のねじ棹12が回転することにより、クロスヘッド15はねじ棹12の軸方向に昇降する。クロスヘッド15の移動により、カゴ形治具30内に配置された供試体に対して試験力が付与される。
【0010】
図2に、材料試験機1に取り付けられるカゴ形治具30を示す。
図2に示すように、カゴ形治具30はガイドブッシュ31と、ガイドブッシュ31に対して固定された上部支持板32および下部支持板33と、ガイドブッシュ31に対して移動可能な上部可動板34および下部可動板35とを備えている。上部可動板34および下部可動板35は、それぞれリニアブッシュ34a,35aを介してガイドブッシュ31に取り付けられており、ガイドブッシュ31に沿って上下方向に移動可能に構成されている。上部可動板34には圧縮試験治具40が取り付けられ、下部可動板35には供試体TPを保持する取付台36が固定されている。
【0011】
カゴ形治具30の上部シャフト37はロードセル16を介してクロスヘッド15に接続され、下部シャフト38は基台11に接続されている。クロスヘッド15が上方へ移動すると、上部シャフト37とともに上部支持板32が上方に移動し、これに伴って上部可動板34と下部可動板35はガイドブッシュ31に沿って互いに接近する方向に移動する。これにより、取付台36に保持された供試体TPが圧縮試験治具40で圧縮される。
【0012】
ここで、
図3に示すような矩形状の平板からなる供試体TPを用いて圧縮試験を行う場合を考える。供試体TPの製作寸法誤差や、圧縮試験治具40の組み立て誤差等の影響により、供試体TPの被圧縮面と圧縮試験治具40の圧縮面とが平行でない場合、供試体TPに対して圧縮試験治具40が片あたりしてしまい、供試体TPの被圧縮面に対して直角方向に精度よく圧縮負荷を掛けることができなくなる。
【0013】
近年、強度や耐久性が要求される自動車等の構造材料として、加工性、成形性に優れる熱可塑性樹脂を用いた炭素繊維強化プラスチック(熱可塑性CFRP)を用いることが検討されている。熱可塑性CFRPは複合材料であって異方性を有し、付加される応力主軸方向等によって、引張、圧縮、曲げ、面内せん断、面外せん断、またはこれらの組み合わせ等、複雑な破壊挙動を示す。このような材料に対する材料試験を行う際には、供試体TPの被圧縮面に対して直交する方向に精度よく試験力を掛けて正確な評価を行う必要がある。
【0014】
本発明の一実施の形態においては、供試体TPの被圧縮面と圧縮試験治具40の圧縮面との平行度を調整するために、圧縮試験治具40の角度(姿勢)を調整可能に構成する。
図4(a)(b)に、カゴ形治具30の圧縮試験治具40を示す平面図および断面図を示す。圧縮試験治具40は、複数の固定用ボルト39によってカゴ形治具30の上部可動板34に固定される。
図4(b)に示すように、本実施の形態による圧縮試験治具40は、材料試験機1の負荷軸(荷重軸)Lに対して揺動可能で、かつ負荷軸回りに回転可能に構成された角度調整圧盤41を備えている。負荷軸Lに対する角度調整圧盤41の角度(姿勢)を調整することで、供試体TPの被圧縮面である端面に対する角度調整圧盤41の圧縮面の平行度を調整する。
【0015】
角度調整圧盤41は、圧盤部42と、ロッド部43と、球面部44とから構成されている。角度調整圧盤41の球面部44は球面ジョイント45を介してケーシング46内に収容されている。ケーシング46は略円筒状の部材であり、
図4(b)において下端の内径が最も小さくなるように設計されている。これにより、角度調整圧盤41がケーシング46から抜け落ちないように構成されている。ケーシング46は角度調整圧盤41を保持する保持部として機能し、角度調整圧盤41はケーシング46によって材料試験機1の負荷軸Lに対して揺動可能かつ回転可能に保持されている。
【0016】
ケーシング46の上方には、第1くさび部材51、第2くさび部材52、およびねじ部材53からなる固定部と、ベース部48とが設けられている。第1くさび部材51は角度調整圧盤41側に傾斜面を有し、第2くさび部材52は第1くさび部材51の傾斜面に対向する側に傾斜面を有している。ねじ部材53は、第2くさび部材52に形成されたねじ穴に螺合し、ねじ部材53を回転することにより、第1くさび部材51に対して第2くさび部材52が相対的に移動する。
【0017】
固定部と、ベース部48と、ケーシング46とは、複数のボルト49によって互いに連結されている。ねじ部材53を回転し、第2くさび部材52を
図4(b)において左側に移動すると、第1くさび部材51の傾斜面によって第2くさび部材52はベース部48に押圧される。押圧されたベース部48が、球座47を介して球面部44をケーシング46に押し付けることにより、角度調整圧盤41の回転および揺動が規制される。これにより、ケーシング46に対する角度調整圧盤41の位置が固定されて、材料試験機1の負荷軸Lに対する角度(位置)が固定される。
【0018】
ねじ部材53を回転し、第2くさび部材52を
図4(b)において右側に移動すると、第2くさび部材52によるベース部47への押圧力が解除される。これにより、角度調整圧盤41は負荷軸Lに対して回転および揺動が可能となる。
【0019】
つぎに、本発明の一実施の形態による角度調整圧盤41を用いた、材料試験機1の平行度調整方法について説明する。
図5は、一実施の形態に係る平行度調整方法を説明するフローチャートである。
図5に示す平行度調整方法は、材料試験機1に取り付けられた圧縮試験治具40のねじ部材53をゆるめ、角度調整圧盤41が材料試験機1の負荷軸Lに対して揺動可能かつ回転可能に保持された状態で行う。供試体TPは取付台36に保持されている。
【0020】
まず、ステップS10で、材料試験機1のモータ20を駆動し、クロスヘッド15を移動して角度調整圧盤41の圧盤部42を供試体TPの端面に接触させる。角度調整圧盤41の圧盤部42を供試体TPの端面に接触させる際の試験力は、角度調整圧盤41が供試体TPの端面に接触したと判断でき、かつ供試体TPを破損させない程度の微小な圧縮荷重として、予め適切な値を設定する。
【0021】
ステップS20では、材料試験機1の負荷軸Lに対して角度調整圧盤41を揺動および/または回転させて角度を調整し、角度調整圧盤41と供試体TPの端面との間の不均一さを除去する。角度調整圧盤41と供試体TPの端面とが不均一であるとは、供試体TPの端面に対して角度調整圧盤41が片あたりしており、角度調整圧盤41の圧盤部42の圧縮面と供試体TPの端面とが平行になっていない状態である。そこで、角度調整圧盤41を揺動させたり回転させたりすることによって、角度調整圧盤41の圧盤部42の圧縮面と供試体TPの端面との片あたりを解消し、両者が互いに平行になるように調整する。
【0022】
ステップS30では、ステップS20において角度調整圧盤41の姿勢を調整することで、供試体TPに付加されていた試験力が低下したか否かを判定する。試験力が低下した場合は、角度調整圧盤41と供試体TPの端面と片あたりが解消され、供試体TPに付加されていた荷重が除荷されたと判断する。この場合、ステップS10に戻り、ステップS10とステップS20の処理を繰り返す。ステップS10では、前回と同様の試験力で再度、角度調整圧盤41を供試体TPの端面に接触させる。
【0023】
一方、試験力が低下しない場合は、角度調整圧盤41の姿勢を調整したことにより、角度調整圧盤41の圧盤部42の圧縮面と供試体TPの端面との間で所望の平行度が達成されたと判断し、ステップS40に進む。ステップS40では、固定部のねじ部材53を回転し、第2くさび部材52をベース部48に押圧することにより、ケーシング46に対する角度調整圧盤41の位置を固定する。これにより、平行度の調整作業が完了し、
図5のフローチャートに示す処理が終了する。このように平行度が調整された状態で、材料試験機1による圧縮試験を行う。
【0024】
上述した実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)圧縮試験治具40は、少なくとも球面部44と圧盤部42とを有する角度調整圧盤41と、球面部44を収容し、材料試験機1の負荷軸Lに対して回転可能かつ揺動可能に角度調整圧盤41を保持するケーシング46と、ケーシング46に対して角度調整圧盤41を固定する固定部とを備える。これにより、角度調整圧盤41の位置を調整した状態で固定することができるので、供試体TPの被圧縮面に対して精度よく圧縮負荷を掛けることができる。
【0025】
(2)固定部は、傾斜面を有する第1くさび部材51と、第1くさび部材51の第1傾斜面に対向する傾斜面を有する第2くさび部材52と、第1くさび部材51に対して第2くさび部材52を移動させるねじ部材53とを備える。第1くさび部材51とねじ部53とを用いて第2くさび部材52をケーシング46側に押圧することにより、ケーシング26に対して角度調整圧盤41を固定する。このように、くさび機構を用いることにより、供試体TPの被圧縮面と角度調整圧盤41の圧盤部42の圧縮面との平行度を容易に調整することが可能となる。
【0026】
(3)材料試験機1において平行度を調整する際には、材料試験機1の負荷軸Lに対して回転可能かつ揺動可能な状態で角度調整圧盤41を所定の試験力で供試体TPの端面に接触させる接触ステップ(S10)と、角度調整圧盤41を回転および/または揺動し、供試体TPの端面と角度調整圧盤41の圧盤部42の圧縮面との平行度を調整する調整ステップ(S20)と、調整ステップの後、所定の試験力が低下するか否かを判定する判定ステップ(S30)と、判定ステップにおいて所定の試験力が低下したと判定されると、所定の試験力が低下しなくなるまで接触ステップと調整ステップとを繰り返す反復ステップと、を実行する。これにより、供試体TPの被圧縮面と角度調整圧盤41との平行度を容易に調整することが可能となる。また、供試体TPが損傷しやすい材質からなる場合であっても、微小の試験力を付加しながら平行度の調整を行うことができるので、材料試験を行う前に誤って供試体TPを破損してしまうことがない。
【0027】
上述した一実施の形態においては、角度調整圧盤41が圧盤部42と、ロッド部43と、球面部44とから構成されるとして説明したが、角度調整圧盤41の構成はこれには限定されない。例えば、圧盤部42と、ロッド部43と、球面部44とが一体化した構成としてもよい。角度調整圧盤41は、少なくとも圧盤部42と球面部44とを有し、材料試験機1の負荷軸Lに対して回転可能かつ揺動可能に構成されていれば、どのような構成であってもよい。
【0028】
なお、上述した一実施の形態においては、角度調整圧盤41の位置を固定するための固定部として、第1くさび部材51、第2くさび部材52、およびねじ部材53を用いたが、固定部はこれらには限定されない。例えば、第1くさび部材51に対して第2くさび部材52を移動させることができれば、ねじ部材53以外の部材を用いてもよい。あるいは、くさび機構の代わりに、油圧シリンダや電磁石等を用いて角度調整圧盤41の位置を固定するように構成してもよい。ただし、第1くさび部材51、第2くさび部材52、およびねじ部材53からなるくさび機構を用いることにより、簡素な構成で容易に角度調整圧盤41の位置を固定することができる。
【0029】
また、上述した一実施の形態においては、カゴ形治具30を利用する例を説明したが、これには限定されない。例えば、カゴ形治具30を省略し、所定の継ぎ手等を用いて圧縮試験治具40をロードセル16に固定してもよい。この場合、供試体TPを保持する取付台36は基板11に固定される。カゴ形治具30を省略した場合も、
図5のフローチャートに示す手順に従って平行度の調整を行う。
【0030】
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0031】
1:材料試験機、40:圧縮試験治具、41:角度調整圧盤、42:圧盤部、44:球面部、46:ケーシング、51:第1くさび部材、52:第2くさび部材、53:ねじ部材
【手続補正書】
【提出日】2022-07-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料試験機に用いられる圧縮試験治具であって、
少なくとも球面部と圧盤部とを有する圧盤と、
前記球面部を収容し、前記材料試験機の負荷軸に対して回転可能かつ揺動可能に前記圧盤を保持する保持部と、
前記保持部に対して前記圧盤を固定する固定部とを備え、
前記固定部は、ねじ部材を備え、当該ねじ部材を用いて前記保持部に対して前記圧盤を固定する圧縮試験治具。
【請求項2】
請求項1に記載の圧縮試験治具において、
前記固定部は、第1傾斜面を有する第1くさび部材と、前記第1傾斜面に対向する第2傾斜面を有する第2くさび部材と、前記第1くさび部材に対して前記第2くさび部材を移動させる前記ねじ部材とを備え、
前記固定部は、前記第1くさび部材と前記ねじ部材とを用いて前記第2くさび部材を前記保持部側に押圧することにより、前記保持部に対して前記圧盤を固定する圧縮試験治具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の圧縮試験治具を有する材料試験機。
【請求項4】
請求項3に記載の材料試験機における平行度調整方法であって、
前記材料試験機の負荷軸に対して回転可能かつ揺動可能な状態で前記圧盤を所定の試験力で供試体の端面に接触させる接触ステップと、
前記圧盤を回転および/または揺動し、前記供試体の端面と前記圧盤の前記圧盤部の圧縮面との平行度を調整する調整ステップと、
前記調整ステップの後、前記所定の試験力が低下するか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにおいて前記所定の試験力が低下したと判定されると、前記所定の試験力が低下しなくなるまで前記接触ステップと前記調整ステップとを繰り返す反復ステップと、を有する平行度調整方法。