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特開2022-116373無線多段中継システムを活用した周辺電波の状態を取得、収集、可視化に関する発明
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022116373
(43)【公開日】2022-08-10
(54)【発明の名称】無線多段中継システムを活用した周辺電波の状態を取得、収集、可視化に関する発明
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/00 20090101AFI20220803BHJP
   H04W 16/18 20090101ALI20220803BHJP
【FI】
H04W24/00
H04W16/18 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2019111180
(22)【出願日】2019-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】518315911
【氏名又は名称】株式会社AiTrax
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】大崎 邦倫
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067EE06
5K067FF23
(57)【要約】
【課題】自動的に電波の利用状況を計測、収集する。
【解決手段】無線多段中継装置を活用して、それらを配置した周辺の電波の状態をリアルタイムで自動的に計測する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線多段中継装置を活用して、それらを配置した周辺の電波の状態をリアルタイムで自動的に計測する技術。
【請求項2】
無線多段中継装置を活用して、通信を行っていない微小な時間において、無線周波数を変化させて、電波の強度を計測し、周波数と電波強度の関係を示す、周波数スペクトラムを取得する技術。
【請求項3】
無線多段中継装置を活用して、通信を行っていない微小な時間において、無線周波数を変化させて、周辺の無線装置から送信されるビーコンの情報を取得する技術。
【請求項4】
無線多段中継装置を活用して、収集した周辺の電波の状況を活用することで、類似の環境における電波環境の推定を行う技術。
【請求項5】
無線多段中継装置を活用して、周辺の電波の状況を計測することで、さまざまな無線装置を検出する技術。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線多段中継システムを活用した周辺電波の状態を取得、収集、可視化に関する。
【背景技術】
【0002】
無線装置は電波を利用して通信を行っている。電波は有限の資源であり、他者がその電波を利用していた場合、電波干渉が発生するため、無線通信の伝送効率が低下する。また、無線多段中継システムにおいても、上記の問題は発生するため、周辺における電波の利用状況を把握することは重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現在、電波の利用状況を収集する方法として、収集地点に受信機を持参して、その地点における電波環境の計測を行い、近隣の異なる地点の情報を収集、統合することで、電波の利用状態を画面に表示するような手法が実用化されている。しかしながら、その手法では複数の地点を同時に計測できないことや、受信機を設置、もしくは移動する必要があることから、自動的に電波の利用状況を計測、収集することは容易ではない。
【発明を実施するための形態】
【0004】
無線多段中継装置を使い、それらを配置した周辺の電波の状態をリアルタイムで自動的に計測を行い、無線多段中継のネットワークを利用して収集し、収集した情報を可視化する手法を提案する。さらには、収集した情報を基に、類似の環境における電波の伝わり方を推測し、任意の場所における電波の強度について可視化を行う手法を提案する。
【0005】
(1)電波の情報収集装置について
多段無線中継装置が利用することができる無線周波数帯においては、特別な装置は不要であり、多段無線中継装置に内蔵した無線装置を使って電波環境の情報収集を行う。
【0006】
多段無線中継装置は経路を構築するために、常に互いに電波の強度を確認しており、無線多段中継が使用中の無線周波数帯においては、自動的に情報を収集することが可能である。
【0007】
また、多段無線中継装置が電波を送受信していない微少な時間を利用して、受信する周波数を他の無線周波数に切り替えることで、多段無線中継装置が使用中の無線周波数以外の無線周波数における周辺の電波環境の情報を収集することができる。
【0008】
さらに、専用の受信装置を多段無線中継装置に接続することで、多段無線中継装置が利用することができる無線周波数以外の周波数について、電波環境の情報収集を行うことができる。
【0009】
(2)収集する情報について
上記のすべての場合において、周波数を変化させて、電波の強度を計測するため、周波数と電波強度の関係を示す、周波数スペクトラムを取得することができる。
【0010】
また、多段無線中継装置が利用することができる無線周波数帯においては、周辺の無線装置から送信されるビーコン情報を復号することで、それら無線装置の情報を収集することができる。この手法により、無線装置を識別することができ、さらには、その装置から送信された電波の信号強度を使って位置の推定も可能である。
【0011】
(3)収集した情報の活用について
周波数スペクトラムからは、電波の利用状況がわかるため、多段無線中継装置自身が使用する無線周波数帯を利用されていない無線周波数帯に設定することが可能である。また、無線装置の識別が可能であることから、不正に持ち込まれた無線装置の発見も可能である。さらに、専用の受信装置により、アナログ通信で利用されている無線周波数帯の計測もできることから、盗聴器などの従来の機器から送信される電波の検出も可能である。
【0012】
一方で、計測した情報から、類似の環境における電波伝搬損失について分析することで、その環境における電波環境の推定も行うことができる。
【0013】
これらの情報を活用することで、単なる無線電波の可視化ではなく、セキュリティにかかわる無線電波の可視化を実現することが可能である。