(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022116389
(43)【公開日】2022-08-10
(54)【発明の名称】果汁絞り器
(51)【国際特許分類】
A47J 19/02 20060101AFI20220803BHJP
【FI】
A47J19/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021012533
(22)【出願日】2021-01-29
(71)【出願人】
【識別番号】717001422
【氏名又は名称】祐原 國文
(72)【発明者】
【氏名】祐原 國文
(57)【要約】 (修正有)
【課題】果汁漏れを防止しつつ、果実を容易に搾汁することができる果汁絞り器を提供する。
【解決手段】筒状の剪裁管11と、果実の内部を切り開くために剪裁管部の先端に形成された先端刃13と、突起14と、先端皿15と、剪裁管11側部に形成して果汁を抽出するための貫通溝であるスリット20と、剪裁管11に繋がる導液管10と、剪裁管部を回転させるための回転操作部16と、果汁漏れを防止するための受け皿部18とから構成される果汁絞り器である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
果実に穿孔する筒状の剪裁管と、該剪裁管を回転させる回転操作部と、受け皿部とから構成される果汁絞り器であって、前記剪裁管は、剪裁管の先端を塞ぐ先端皿部と、該先端皿部からさらに前方へ突出する複数の先端刃と、該剪裁管側部に形成されて果汁を抽出するためのスリットにより構成されていることを特徴とする果汁絞り器。
【請求項2】
請求項1に記述する果汁絞り器であって、受け皿部に少なくとも1つの凸部が形成されていることを特徴とする果汁絞り器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、果実の搾汁に使用する果汁絞り器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
レモン等の柑橘類果実を搾汁する調理器として、突起を設けた皿状の器具や梃子を利用した圧搾レバー式の器具等がある。また柑橘類果実の内部に搾汁管を嵌入し果実の外側から圧力をかけて搾汁する方式のものもある。
【0003】
しかし、突起を設けた皿状の器具や梃子を利用した圧搾レバー式の器具等では、柑橘類果実を予め包丁等で切断した上で内部の果肉を露出させて手で皿の突起に押し付け、果汁を容器に取り出したりするが、その際に果肉に指が触れるなど衛生上の問題があり、また嵩張る皿や圧搾レバー付き容器を準備する必要があった。
【0004】
また、柑橘類果実の内部に搾汁管を挿入し果実の外側から圧力をかけて搾汁する方式(以下「挿入管式」という)のものでは、果実の表皮が固いため表皮の一部を予め切断するための包丁等などを用いる必要があり、果実の外側から圧力をかけて搾汁する際に挿入孔の表皮が破れて挿入した管との間から果汁が外に漏れ出たりするという欠点もあった。
【0005】
挿入管式において、外側から圧力をかけて搾汁する際に表皮が破れて挿入した管との間から果汁が外に漏れ出たりするという欠点の改善策として、挿入管式器具に果汁漏れ止め部を設け、果汁漏れを防止する方法を用いる形式もあるが、漏れ止めと果実との構成が不適切であるため果汁漏れ止めが効果的になされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2017-153897公報
【特許文献2】特開2014-183906公報
【特許文献3】実登3058115公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする問題点は、レモン等の柑橘類果実を搾汁する場合、柑橘類果実を予め包丁等で切断して手で皿の突出部分に押し付けたり容器に入れたりする際に、果肉に直接指が触れるなど衛生上の問題があることや、嵩張る皿や圧搾レバー付き容器を使用する必要があることであり、また、挿入管式においても、果実の外側から圧力をかけて搾汁する際に表皮が破れて挿入した管との間から果汁が外に漏れ出たりして十分搾汁できないという欠点があるが、これは果汁漏れ止めと果実との構成関係が適切でないためである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は果実を搾汁する果汁絞り器であって、該果汁絞り器は果実に穿孔して果実の表皮の一部を繰り抜くとともに果実の内部を剪裁する剪裁管部と、剪裁管部の先端に形成された先端刃と、剪裁管部に形成した貫通溝であるスリットと、該剪裁管部に繋がる導液管部と、該剪裁管を回転させるための回転操作部と、果汁漏れを防止しかつ果実を絞る際に生じる圧力を受け止めるための受け皿部とから構成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の果汁絞り器は、包丁等の刃物を使わず、該果汁絞り器の剪裁管によって果実の表皮の一部を繰り抜き、繰り抜いた孔からさらに剪裁管によって穿孔し果実内部を剪裁して、受け皿部によって果汁漏れを防止しつつ果汁を抽出することにより、果実を容易に搾汁することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は果汁絞り器の実施方法を示した説明図である。
【
図2】
図2は果汁絞り器の実施方法を示した正面図である。
【
図3】
図3は果汁絞り器の実施方法を示した右側面図である。
【
図5】
図5は果汁絞り器の実施方法を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
該果汁絞り器によって果実の表皮の一部を繰り抜き除去した後、繰り抜いた孔からさらに剪裁管によって穿孔することにより、果実の果汁を容易に搾汁するとともに、受け皿部によって果実からの液漏れを防止した。
【実施例0012】
図1、
図2、
図3、及び
図4は、本発明装置の1実施例の説明図であって、筒状の剪裁管11と、果実の内部を切り開くために剪裁管部の先端に形成された先端刃13と、突起14と、先端皿15と、剪裁管11側部に形成して果汁を抽出するための貫通溝であるスリット20と、剪裁管11に繋がる導液管10と、剪裁管部を回転させるための回転操作部16と、果汁漏れを防止するための受け皿部18とから構成される。
【0013】
先端皿15は先端刃13の近傍に形成し果実の内袋や果肉等の異物が剪裁管11内に侵入することを妨げ、突起14は剪裁管11を回転させる際の中心点となる。回転操作部16によって剪裁管部を回転させることで剪裁管11が果実を容易に穿孔し内部を剪裁することができる。搾汁された果汁はスリット20と受け皿部18及び導液管10を経由して、適宜カップ等の容器に貯留される。
【0014】
図5は、本発明装置の1実施例の説明図であって、レモン30の端部中心付近に先端刃13及び突起14をあてがい、該剪裁管11を差し込んで回転操作部16を用いて回転させるとレモン30の表皮の一部を容易に繰り抜くことができる。繰り抜いた孔よりさらに該剪裁管によって穿孔し果実内部を剪裁する。レモン30を
図5における矢印Bの方向に押し付けると受け皿部18がレモン30からの圧力を受け止める効果を生ぜしめる。受け皿部18に付属して形成する凸部17はレモン30への圧迫力として作用する。受け皿部18と導液管10は漏斗状に構成されていて、漏れた果汁は受け皿部18から導液管10に導かれて果汁漏れを防ぎつつ搾汁することができる。
【0015】
なお、前述した凸部17は受け皿部18の内側に1か所設けておけば良いが、所定の間隔を空けて複数、例えば2か所或いは4か所設けても良い。
本発明の果汁絞り器を使用することによって、レモン等の柑橘類果実の表皮の一部を繰り抜き、繰り抜いた孔よりさらに該剪裁管によって穿孔し果実内部を剪裁することにより、果実を容易に搾汁するとともに、果実からの液漏れを防止する等の用途に適用できる。また、嵩張る皿や圧搾レバー付き容器を使用する必要がなくなり、非常時や野外活動での使用にも適用できる。