(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022116411
(43)【公開日】2022-08-10
(54)【発明の名称】卵パックの移載装置
(51)【国際特許分類】
B65B 23/02 20060101AFI20220803BHJP
B65B 5/10 20060101ALI20220803BHJP
B65G 1/14 20060101ALI20220803BHJP
【FI】
B65B23/02
B65B5/10
B65G1/14 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021012558
(22)【出願日】2021-01-29
(71)【出願人】
【識別番号】597017812
【氏名又は名称】株式会社ナベル
(72)【発明者】
【氏名】南部 隆彦
(72)【発明者】
【氏名】阿部 圭介
(72)【発明者】
【氏名】大島 祥吾
【テーマコード(参考)】
3E003
3E043
3F022
【Fターム(参考)】
3E003AA01
3E003AB05
3E003BB05
3E003BC02
3E003BD04
3E003CB02
3E003DA07
3E043AA01
3E043BA19
3E043DA02
3E043DB02
3E043DB04
3E043DB05
3E043EA03
3E043FA01
3E043GA01
3E043GA10
3F022AA02
3F022DD01
3F022DD02
3F022EE05
3F022FF01
3F022FF03
(57)【要約】
【課題】収容空間の状態にかかわらず卵パックの移載を行うことができる卵パックの移載装置を提供する。
【解決手段】卵パックの移載装置10は、保持部1と、制御部6とを備える。保持部1は、卵パックPを持ち上げて保持する。制御部6は、保持部1の動作を制御する。保持部1の動作は、第一の卵パックPを収容空間に置く動作と、第一の卵パックPの上に第二の卵パックPを仮置きする動作と、仮置きされた場所から所定の場所に第二の卵パックPを第一の卵パックPに接触したまま移動させる動作とを含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
卵パックを持ち上げて保持する保持部と、
第一の卵パックを収容空間に置く動作と、前記第一の卵パックの上に第二の卵パックを仮置きする動作と、仮置きされた場所から所定の場所に前記第二の卵パックを前記第一の卵パックに接触したまま移動させる動作とを含む前記保持部の動作を制御する制御部とを備える、卵パックの移載装置。
【請求項2】
前記収容空間は、奥側に収納される折り畳み式の棚板を備えた移動式のラックに設けられ、
前記制御部は、前記所定の場所に前記第二の卵パックを移動させる際に、前記保持部を前記移動式のラックの手前側から奥側へ向けて移動させる、請求項1記載の卵パックの移載装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記所定の場所に前記第二の卵パックを移動させる際に、前記保持部で持ち上げた第三の卵パックを前記第二の卵パックに接触させる、請求項1または2記載の卵パックの移載装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、卵パックを収容空間に移載する卵パックの移載装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
GPセンターにて卵がパック詰めされた卵パックは、段ボール箱やコンテナに箱詰めされたり、ロールインナーと呼ばれる専用の移動式のラックに載せられたりする(例えば、下記特許文献を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-177325号公報
【特許文献2】特許第6684511号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような移載を自動で行う卵パックの移載装置は、卵パックを持ち上げるための保持機構を備えているが、収容空間の状態によっては移載動作時にまわりに干渉して卵パックを所定の位置に移載できないことがある。
【0005】
そこで、本発明は、収容空間の状態にかかわらず卵パックの移載を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の卵パックの移載装置は、保持部と制御部とを備える。保持部は、卵パックを持ち上げて保持する。制御部は、第一の卵パックを収容空間に置く動作と、第一の卵パックの上に第二の卵パックを仮置きする動作と、仮置きされた場所から所定の場所に第二の卵パックを第一の卵パックに接触したまま移動させる動作とを含む保持部の動作を制御する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、収容空間の状態にかかわらず卵パックの移載を行うことができる。
【0008】
この発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解されるこの発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態にかかる卵パックの移載装置を説明するための側面図。
【
図2】同実施形態の卵パックの移載装置を説明するための側面図。
【
図3】同実施形態の卵パックの移載装置を説明するための側面図。
【
図4】同実施形態の卵パックの移載装置を説明するための側面図。
【
図5】同実施形態の卵パックの移載装置を説明するための平面図。
【
図6】同実施形態の卵パックの移載装置を説明するための平面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態にかかる卵パックの移載装置10の一例について、
図1~
図6を用いて説明する。卵パックの移載装置10は、搬送されてきた複数の卵パックPを移動式のラック9に移載する。本実施形態の収容空間は、奥側に収納される折り畳み式の棚板91を備えた移動式のラック9に設けられる。
【0011】
移動式のラック9は、複数枚の折り畳み式の棚板91を備え、各棚板91に卵パックPが積み重ねられて載せられた状態でGPセンターから移動され、そのまま売り場に陳列が可能なものである。棚板91は、手前側に引き出された使用状態と折り畳まれて奥側に位置する収納状態との間で状態変更可能である。使用状態の各棚板91の上方には、収容空間が形成される。収容空間には、卵パックPが上下に積み重ねられて収納される。移動式のラック9は、さらに、棚板91の周囲に配置されるフレーム92と、棚板91の側縁に設けられるこぼれ止め93と、フレーム92の内側に設けられる棚板受け(図示しない)と、キャスター(図示しない)とを備える。
【0012】
卵パックPは、種々の大きさ、形状のものがある。図では、10個入りのもので、「フラットパック」と呼ばれる、蓋P1の天面が平坦な卵パックPを示している。卵パックPは、棚板91の一段あたり3~6個(3~6段)積み上げられた状態で、卵パックPが横方向にずり落ちないように、卵パックP自体が、上下に積まれた卵パックPの横ずれを抑制できる形状になっている。
【0013】
本実施形態にかかる卵パックの移載装置10は、一時待機領域7に集められた複数個の卵パックPを複数段に重ねて収容する収容空間に移載する。卵パックの移載装置10は、保持部1と制御部6とを主体に構成される。具体的には、卵パックの移載装置10は、保持部1を備えたロボットヘッド4と、ロボットアーム5と、制御部6とを備える。
【0014】
ロボットヘッド4は、保持部1を備える。保持部1は、卵パックPを持ち上げて保持する。保持部1は、一時待機領域7に集められた卵パックPを持ち上げて保持するもので、一時待機領域7と収容空間との間で移動可能なものである。保持部1は、複数の卵パックPを保持する。保持部1は、例えば、横方向に隣接する3つの卵パックPを保持することができる。保持部1は、1つまたは2つの卵パックPを保持する場合もある。保持部1は、ベース2と、ベース2に取り付けられた複数の吸着部材3によって構成される。各吸着部材3は、真空機構(図示しない)に接続されており、蓋P1が閉じられた卵パックPの天面側を吸着する。1つの卵パックPにつき、複数個(例えば6つ)の吸着部材3で保持する。なお、吸着部材3の個数や配置方法はどのようなものであってもよい。
【0015】
ロボットアーム5は、ロボットヘッド4の位置姿勢を変更可能なものである。ロボットアーム5は、一時待機領域7と移動式のラック9との間でロボットヘッド4を移動させる。ロボットアーム5は、例えば、6軸垂直多関節ロボット等の、任意に作動する慣用の多関節ロボットが適用される。この他に、ロボットアーム5は、ロボットヘッド4をX軸、Y軸およびZ軸に対して、任意に移動させることができるロボットまたは装置など種々のものを採用できる。なお、一時待機領域7は、搬送装置8の下流側に設けられており、搬送装置8の上流側には、卵をパックに収容する包装装置(図示せず)が配置されている。
【0016】
制御部6は、CPU、内部メモリ、入出力インターフェース、AD変換部などの専用のコンピュータまたは汎用のコンピュータによって構成される。内部メモリに格納されたプログラムにしたがって、CPUおよびその周辺機器が協働することによって、制御部6としての機能が発揮される。
【0017】
制御部6は、保持部1を備えたロボットヘッド4と、ロボットヘッド4の位置姿勢を変更可能なロボットアーム5の動きを制御する。制御部6は、保持部1の動作の例を挙げれば、第一の卵パックPを収容空間に置く動作と、第一の卵パックPの上に第二の卵パックPを仮置きする動作と、仮置きされた場所から所定の場所に第二の卵パックPを第一の卵パックPに接触したまま移動させる動作とを含む。第二の卵パックPと保持部1との関係に着目すれば、保持部1が第二の卵パックPを複数段に重ねて収容する収容空間に置く動作と、保持部1が第二の卵パックPから離れる動作と、保持部1が第二の卵パックPに再び近づいて第三の卵パックPを介して第二の卵パックPに力を加える動作を行う。
【0018】
以下、各動作について説明する。
【0019】
第一の卵パックPを収容空間に置く動作では、制御部6は、保持部1によって卵パックPを一時待機領域7から持ち上げ、保持部1に保持された卵パックPを移動式のラック9の収容空間上で解放する。
【0020】
第一の卵パックPの上に第二の卵パックPを仮置きする動作では、制御部6は、保持部1によって卵パックPを一時待機領域7から持ち上げ、保持部1に保持された卵パックPを移動式のラック9の収容空間上で解放する。制御部6は、ロボットヘッド4で保持した卵パックPと障害物との干渉を避けるように卵パックPを移動させる。ここで「障害物」とは、例えば、移動式のラック9に先に積まれた卵パックPや、その卵パックPに設けられた突起や、複数個の卵パックPが積み上げられる空間の上方に存在する折り畳まれた状態の棚板91などである。
【0021】
次に、仮置きされた場所から所定の場所に第二の卵パックPを第一の卵パックPに接触したまま移動させる動作について説明する。具体的には、制御部6は、所定の場所に第二の卵パックPを移動させる際には、保持部1を移動式のラック9の手前側から奥側へ向けて移動させる。また、制御部6は、所定の場所に第二の卵パックPを移動させる際に、保持部1で持ち上げた第三の卵パックPを第二の卵パックPに接触させる。言い換えれば、持ち上げた第三の卵パックPを収容空間に先に収容された第二の卵パックPに接触させて当該第二の卵パックPを移動させる。このとき、第二の卵パックPは、持ち上げられることなく、第一の卵パックPに接触したまま移動される。
【0022】
仮置きされた場所から所定の場所に第二の卵パックPを第一の卵パックPに接触したまま移動させる動作では、制御部6は、移動式のラック9に設けられた折り畳み式の棚板91の下方の空間に、第二の卵パックPを移動させる。
【0023】
また、制御部6は、折り畳み式の棚板91を展開させる。
【0024】
次に、卵パックの移載装置10を用いた卵パックPの収納方法について、複数枚の棚板91のうちの一枚に載せられる三段分の卵パックPの収容方法を例にして説明する。
【0025】
移動式のラック9は、卵パックPを移載する棚板91を使用状態にしておき、それよりも上段側の棚板91は収納状態にしておく。
【0026】
搬送装置8では、上流側から搬送された卵パックPが一時待機領域7に集められる。一時待機領域7に、例えば、3つの卵パックPが集まった状態で、移載動作が開始される。
【0027】
まず、制御部6は、集められた卵パックPの上方にロボットヘッド4を移動させる(ステップS1)。そして、制御部6は、卵パックPを保持するよう保持部1を制御する(ステップS2)。保持部1は、例えば、10個入りの卵パックPのうち6個分の卵に対応する部分を卵パックPの上面で吸着して、卵パックPを保持する。
【0028】
制御部6は、保持部1によって卵パックPを一時待機領域7から持ち上げる(ステップS3)。そして、制御部6は、卵パックPを一時待機領域7から移動式のラック9まで移動させる(ステップS4)。制御部6は、ロボットヘッド4で保持した卵パックPを移動式のラック9の収容空間に移動させる。制御部6は、ロボットヘッド4で保持した卵パックPと障害物との干渉を避けるように、卵パックPを移動させる。
【0029】
その後、保持部1に保持された卵パックPを移動式のラック9上で解放する(ステップS5)。
【0030】
ステップS1からS5までの間に、ロボットヘッド4を回転させるなどして、収容空間に卵パックPを縦向きに置くものと、横向きに置くものとを組み合わせて、一段分を完成させる。
【0031】
ステップS1~S5を繰り返して、二段目も完成させる。なお、本実施形態の二段目の卵パックPの並べ方は、一段目の卵パックPの並べ方と異なる。すなわち、二段目の卵パックPは、一段目の卵パックPの上にずれた状態で載せられる。本実施形態では、前述した第一の卵パックPは、二段目に配置されている。
【0032】
次に、三段目に配置される第二の卵パックPの収容方法について説明する。
【0033】
第二の卵パックPについて、ステップS1からステップS4を実行した後、
図1及び
図5に示すように、制御部6は、先に積まれた卵パックPの上面に、卵パックPを仮置きする(ステップS6)。仮置きでは、卵パックPを載置する目標となる場所からずれた場所に卵パックPが置かれる。第二の卵パックPの目標となる場所は、第一の卵パックPの真上に重ねる位置である。一方、仮置きされた状態で第二の卵パックPは、第一の卵パックPの真上から手前側にずれた場所にあり、第二の卵パックPの底面の一部は、第一の卵パックPの蓋P1に接触している。第二の卵パックPを仮置きした後、制御部6は、第二の卵パックPから離れ、一時待機領域7側へロボットヘッド4を移動させる。
【0034】
第三の卵パックPは、
図2に示すように、第二の卵パックPの後に移載される。第二の卵パックPは、縦向きに置かれ、第三の卵パックPは横向きに置かれる。
【0035】
第三の卵パックPについて、ステップS1からステップS4を実行した後、
図4及び
図6に示すように、制御部6は、第三の卵パックPを保持した状態で第二の卵パックPの手前側に位置付ける(ステップS7)。そして、保持部1を移動式のラック9の手前側から奥側へ向けて移動させる(ステップS8)。その際、保持部1を傾けることによって、第三の卵パックPを傾けたまま移動させている。ステップS7及びステップS8により、
図3及び
図4の二点鎖線で示すように、制御部6は、移動式のラック9に設けられた折り畳み式の棚板91の下方の空間に、すなわち、第二の卵パックPを位置付けるべき所定の場所に第二の卵パックPを移動させる。第二の卵パックPは、第一の卵パックPの真上に配置される。
【0036】
その後、保持部1に保持された第三の卵パックPを移動式のラック9上で解放する(ステップS8)。
【0037】
ステップS1~S4とS5またはステップS6~S8を繰り返して、三段目も完成させ、棚板91の一段分の移載が終わった後、制御部6は、折り畳み式の棚板91を展開させる。すなわち、折り畳み式の棚板91は、卵パックPを移載する際と同じロボットヘッド4を用いて、収納状態から使用状態に展開される。具体的には、制御部6は、保持部1が棚板91を吸着し、その状態のままロボットヘッド4を手前側に移動させることで、折り畳み式の棚板91が展開される。収納状態の棚板91は、下段の収容空間の上部の一部分のみを覆う一方、展開された使用状態の棚板91は、下段の収容空間の上部の全体を覆う。
【0038】
なお、三段目を完成させた後に、三段目と同様に四段目を積み上げてもよいし、四段目の卵パックPの並べ方は、三段目の卵パックPの並べ方と異なってもよい。
【0039】
以上説明したように、本実施形態にかかる卵パックの移載装置10は、保持部1と、制御部6とを備える。保持部1は、卵パックPを持ち上げて保持する。制御部6は、保持部1の動作を制御する。保持部1の動作は、第一の卵パックPを収容空間に置く動作と、第一の卵パックPの上に第二の卵パックPを仮置きする動作と、仮置きされた場所から所定の場所に第二の卵パックPを第一の卵パックPに接触したまま移動させる動作とを含む。
【0040】
このようなものであるため、卵パックPを移動式のラック9に収納しようとした場合、卵パックPが障害物にあたらないように保持部1の大きさや形状を工夫したり、折り畳み部分を展開操作したりしなくても、卵パックPの積み込みを自動化できる。また、フレーム92の内側ギリギリの場所まで、また、棚板91の下方ギリギリの場所まで卵パックPを置くことが可能となり、棚板91の一段分あたり多くの卵パックPを積むことができる。そのため、輸送効率が上げるだけでなく、卵パックP同士で拘束し合って卵パックPが所定位置から大きく動かないようにすることで、輸送時の卵の割れを防止することもできる。
【0041】
また、本実施形態では、収容空間が、奥側に収納される折り畳み式の棚板91を備えた移動式のラック9に設けられ、制御部6が、所定の場所に第二の卵パックPを移動させる際に、保持部1を移動式のラック9の手前側から奥側へ向けて移動させるものである。
【0042】
さらに、本実施形態では、制御部6が、所定の場所に第二の卵パックPを移動させる際に、保持部1で持ち上げた第三の卵パックPを第二の卵パックPに接触させるものである。
【0043】
なお、本発明は上述した実施形態に限られない。
【0044】
まず、卵パックPの保持する態様について、本発明の変形例を以下に説明する。
【0045】
変形例にかかる制御部6は、棚板91の下方の空間に卵パックPを移動させる際に、卵パックPの重心よりも長手方向一端側にずれた場所(棚板91から離れた手前側)にロボットアーム5の先端を位置させて、卵パックPを保持部1で保持する。具体的には、制御部6は、保持部1によって卵パックPを一時待機領域7から持ち上げ、保持部1に保持された第二の卵パックPを移動式のラック9上で解放し、卵パックPを保持していない保持部1を移動式のラック9上で移動させ、第二の卵パックPを再び保持部1によって持ち上げて、移動式のラック9に設けられた折り畳み式の棚板91の下方の空間に卵パックPを移動させる。制御部6は、保持部1によって一時待機領域7の第二の卵パックPを第一の態様(例えば、保持部1が有する全ての吸着部材3を利用する。)で保持し、保持部1に保持された第二の卵パックPを移動式のラック9上で解放し、第一の態様とは異なる第二の態様(例えば、保持部1が有する一部の吸着部材3のみを利用する。卵パックPを片持ち状態で支持する。)で保持部1によって卵パックPを保持して、移動式のラック9に設けられた折り畳み式の棚板91の下方の空間に第二の卵パックPを移動させる。すなわち、仮置きから再び持ち上げる際には、卵パックP全体を持ち上げる必要はなく、卵パックPの一部が先に積まれた第一の卵パックPの上面に接するようにして第二の卵パックPを移動させる。
【0046】
このように保持部1は、卵パックPの重心よりもずれた場所を保持するものであってもよい。また、仮置きされた場所から所定の場所に移動させるときに、保持部1が第二の卵パックPを保持してもよい。保持部1が第二の卵パックを保持するようなものであれば、例えば、卵の形状に沿った凹凸が蓋P1に形成されている「レギュラーパック」であってもよい。すなわち、卵パックPはフラットパックには限られない。
【0047】
保持部1は、吸着タイプのものには限られない。例えば、卵パックPを側方から保持する保持部1であってもよい。また、第一の卵パックPの上に第二の卵パックPを仮置きする動作と、所定の場所に第二の卵パックPを移動させる動作とで、異なるタイプの保持部1を用いてもよい。例えば、所定の場所に第二の卵パックPを移動させる動作で用いられる保持部1は、移動式のラック9の奥側まで卵パックPを移動できるものであればどのようなものであってよい。
【0048】
保持部1は、例えば、ベース2の側面部分などを用いて、第二の卵パックPを保持せずに移動させるものであってもよい。
【0049】
第二の卵パックPと第三の卵パックPは、一回の往復動作で収容空間に配置されてもよい。すなわち、一時待機領域7で、第二の卵パックPと第三の卵パックPとを同時に持ち上げ、収容空間で第二の卵パックPを解放した後、一時待機領域7に戻ることなく第三の卵パックPで第二の卵パックPを移動させてもよい。
【0050】
第二の卵パックPの配置と第三の卵パックPの配置との間に、他の卵パックPの配置を行ってもよい。
【0051】
第二の卵パックPの目標位置は、第一の卵パックPの真上に重なるものには限られない。また、第二の卵パックPを横向き、第三の卵パックPを縦向きに配置するものであってもよいし、第二の卵パックPと第三の卵パックPの向きがそろっていてもよい。
【0052】
収容空間は、移動式のラック9に設けられるものには限られない。段ボール箱や、コンテナに設けられてもよい。また、障害物は棚板91以外のものであってもよい。
【0053】
移載装置は、多関節ロボットを利用したものには限られない。
【0054】
移動式のラック9は、その背面に第二の卵パックをガイドするガイド部材を設けてもよい。ガイド部材は、卵パックの移載装置10の移載動作中に、所定の場所に移動される第二の卵パックが移動式のラック9の背面側に落下するのを防止するためのものである。
【0055】
また、卵パックPは、10個入りのパックに限らない。移動式のラック9への卵パックPの並べ方は図示したものには限られない。本発明の卵パックの移載装置10による収納方法は、1枚の棚板91における最上段への積み込みの際に限られず、棚板91上のどの部分に適用してもよい。
【0056】
折り畳み式の棚板91を展開させるステップは、卵パックPを移載するロボットとは異なる装置を用いるなどしてもよい。
【0057】
今回開示された実施の形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、卵パックを移動式のラックに移載する卵パックの移載装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0059】
10…卵パックの移載装置
1…保持部
6…制御部
9…移動式のラック
91…棚板
P…卵パック