(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022116439
(43)【公開日】2022-08-10
(54)【発明の名称】ギヤトレーン、工具ユニット及び工作機械
(51)【国際特許分類】
F16H 1/08 20060101AFI20220803BHJP
B23B 29/24 20060101ALI20220803BHJP
B23B 39/16 20060101ALI20220803BHJP
B23Q 5/04 20060101ALI20220803BHJP
【FI】
F16H1/08
B23B29/24 D
B23B39/16 Z
B23Q5/04 510H
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021012604
(22)【出願日】2021-01-29
(71)【出願人】
【識別番号】000133593
【氏名又は名称】株式会社ツガミ
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(72)【発明者】
【氏名】頓所 正人
(72)【発明者】
【氏名】井比 亨
【テーマコード(参考)】
3C036
3C046
3J009
【Fターム(参考)】
3C036BB13
3C046NN03
3J009DA13
3J009EA04
3J009EA12
3J009EA21
3J009EA34
3J009EA43
3J009EB17
3J009EB24
3J009FA25
(57)【要約】
【課題】ダブルヘリカルギヤの組み付けが容易となるギヤトレーン、工具ユニット及び工作機械を提供する。
【解決手段】ギヤトレーンは、互いに噛み合うように並べられた複数の従動ギヤ35を備える。従動ギヤ35は、従動ギヤ35の回転軸Iに対して斜めに延びる複数の歯部36a,37aを有し、互いに別体で形成される第1及び第2ヘリカルギヤ部36,37と、第1及び第2ヘリカルギヤ部36,37を結合する結合部材38と、を備える。結合部材38は、第1及び第2ヘリカルギヤ部36,37の間で歯部36a,37aの位置を、従動ギヤ35の回転方向にずらした状態で第1及び第2ヘリカルギヤ部36,37を結合する。複数の従動ギヤ35が噛み合った状態で、複数の従動ギヤ35の何れかの特定ギヤの結合部材38を取り外すことにより、特定ギヤの第2ヘリカルギヤ部37は第1ヘリカルギヤ部36に対して独立して着脱可能に構成される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに噛み合うように並べられた複数のダブルヘリカルギヤを備え、
前記ダブルヘリカルギヤは、
前記ダブルヘリカルギヤの回転軸に対して斜めに延びる複数の歯部を有し、それぞれ別体で形成される第1及び第2ヘリカルギヤ部と、
前記第1及び第2ヘリカルギヤ部が前記回転軸に沿う方向に重ね合わされた状態で、前記第1及び第2ヘリカルギヤ部を結合する結合部材と、を備え、
前記結合部材は、前記第1及び第2ヘリカルギヤ部の間で前記歯部の位置を、前記ダブルヘリカルギヤの回転方向にずれた状態で前記第1及び第2ヘリカルギヤ部を結合し、
前記複数のダブルヘリカルギヤが互いに噛み合った状態で、前記複数のダブルヘリカルギヤの何れかの特定ギヤの前記結合部材を取り外すことにより、前記特定ギヤの前記第2ヘリカルギヤ部は前記第1ヘリカルギヤ部に対して独立して着脱可能に構成される、
ギヤトレーン。
【請求項2】
前記複数のダブルヘリカルギヤが互いに噛み合った状態で、前記特定ギヤの前記結合部材と前記特定ギヤに噛み合っている前記ダブルヘリカルギヤの前記結合部材を取り外すことにより、前記特定ギヤの前記第1及び第2ヘリカルギヤ部は独立して着脱可能に構成される、
請求項1に記載のギヤトレーン。
【請求項3】
前記第1ヘリカルギヤ部は、前記回転軸に沿って延びる軸部を備え、
前記第2ヘリカルギヤ部には、前記軸部が挿通される軸通過孔が形成される、
請求項1又は2に記載のギヤトレーン。
【請求項4】
前記ギヤトレーンは、前記複数のダブルヘリカルギヤを前記回転軸を中心に回転可能に支持するギヤボックスを備え、
前記結合部材は、前記第2ヘリカルギヤ部の前記第1ヘリカルギヤ部に対向する面の裏面から着脱可能に構成され、
前記ギヤボックスは、
前記第1ヘリカルギヤ部を回転可能に支持するボックス本体部と、
前記ボックス本体部に支持される前記複数のダブルヘリカルギヤを覆うように前記ボックス本体部に取り付けられる蓋部と、を備え、
前記蓋部は、前記ボックス本体部から取り外されることにより前記第2ヘリカルギヤ部の前記裏面を露出させる、
請求項1から3の何れか1項に記載のギヤトレーン。
【請求項5】
請求項1から4の何れか1項に記載のギヤトレーンを有する工具ユニットであって、
前記第1ヘリカルギヤ部は、前記第1ヘリカルギヤ部とともに回転可能に工具を支持する工具支持部を備える、
工具ユニット。
【請求項6】
請求項5に記載の工具ユニットと、
前記工具ユニットにより回転させられる前記工具によりワークを加工する際に前記ワークを固定するワーク固定部と、を備える、
工作機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ギヤトレーン、工具ユニット及び工作機械に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載のB軸回転工具部は、複数の平歯車が互いに噛み合った状態に設けられ、モータからの駆動力により複数の平歯車とともに工具を回転させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の構成においては、ギヤトレーンとして複数の平歯車が用いられているが、平歯車では、円滑な高速回転が困難となる。そこで、本願発明者らは、ギヤトレーンとして複数のダブルヘリカルギヤ(やまば歯車)を用いることを検討している。このダブルヘリカルギヤは、平歯車に比べても、高速でも円滑に回転可能であり、大きな回転力の伝達に適している。また、このダブルヘリカルギヤは、ヘリカルギヤで発生するスラスト力を打ち消すことができるという利点がある。しかしながら、ダブルヘリカルギヤを一体で製造する場合、一対のヘリカルギヤの間に歯研の際に砥石を逃がすための溝を設ける必要があるため、ダブルヘリカルギヤが軸方向に大型化していた。一方で、別体の一対のヘリカルギヤをボルト等で結合したダブルヘリカルギヤでは、上記溝が不要となるものの、一対のヘリカルギヤの何れか一方のみが噛み合う片当たりを防ぐために一対のヘリカルギヤの位置合わせを高精度で行う必要があり、この位置合わせが困難である。また、ダブルヘリカルギヤはその構成上、複数のダブルヘリカルギヤを噛み合わせた後に軸方向に引き抜くことが不可能であるため、複数のダブルヘリカルギヤを噛み合わせた状態で組み付ける必要がある。このように、ダブルヘリカルギヤの組み付けは困難であった。
【0005】
本発明は、上記実状を鑑みてなされたものであり、ダブルヘリカルギヤの組み付けが容易となるギヤトレーン、工具ユニット及び工作機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るギヤトレーンは、互いに噛み合うように並べられた複数のダブルヘリカルギヤを備え、前記ダブルヘリカルギヤは、前記ダブルヘリカルギヤの回転軸に対して斜めに延びる複数の歯部を有し、それぞれ別体で形成される第1及び第2ヘリカルギヤ部と、前記第1及び第2ヘリカルギヤ部が前記回転軸に沿う方向に重ね合わされた状態で、前記第1及び第2ヘリカルギヤ部を結合する結合部材と、を備え、前記結合部材は、前記第1及び第2ヘリカルギヤ部の間で前記歯部の位置を、前記ダブルヘリカルギヤの回転方向にずれた状態で前記第1及び第2ヘリカルギヤ部を結合し、前記複数のダブルヘリカルギヤが互いに噛み合った状態で、前記複数のダブルヘリカルギヤの何れかの特定ギヤの前記結合部材を取り外すことにより、前記特定ギヤの前記第2ヘリカルギヤ部は前記第1ヘリカルギヤ部に対して独立して着脱可能に構成される。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る工具ユニットは、前記ギヤトレーンを有する工具ユニットであって、前記第1ヘリカルギヤ部は、前記第1ヘリカルギヤ部とともに回転可能に工具を支持する工具支持部を備える。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係る工作機械は、前記工具ユニットと、前記工具ユニットにより回転させられる前記工具によりワークを加工する際に前記ワークを固定するワーク固定部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ギヤトレーン、工具ユニット及び工作機械において、ダブルヘリカルギヤの組み付けが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る工作機械の正面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る工作機械の平面図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るギヤボックスから蓋部が取り外された状態の工具ユニットの側面図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る(a)は第2ヘリカルギヤの正面図であり、(b)は第2ヘリカルギヤの断面図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る(a)は第1ヘリカルギヤの正面図であり、(b)は第1ヘリカルギヤの側面図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係るギヤボックス及び第1ヘリカルギヤの斜視図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係るギヤボックス、第1ヘリカルギヤ、第2ヘリカルギヤ及び結合部材の斜視図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る(a)~(d)は特定ギヤの交換作業の手順を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態に係るギヤトレーン、工具ユニット及び工作機械について、図面を参照して説明する。
図1及び
図2に示すように、ターニングセンタである工作機械1は、工作機械1全体の台であるベッドSと、第1主軸11を有する第1主軸ユニット10と、第2主軸21を有する第2主軸ユニット20と、第2主軸移動機構25と、工具ユニット30と、工具移動機構42と、B軸回転機構45と、工具主軸ユニット50と、工具マガジン60と、制御部300と、を備える。
以下では、第1主軸11及び第2主軸21の回転軸に沿う軸線方向をZ軸方向と規定し、Z軸方向に直交する高さ方向をX軸方向と規定し、X軸方向及びZ軸方向に直交する方向をY軸方向と規定する。
【0012】
第1主軸ユニット10は、ワークWを把持しつつ回転させる。具体的には、第1主軸ユニット10は、第1主軸11と、第1主軸11を回転可能に支持する第1主軸台12と、を備える。第1主軸11は、ワークWの一端を把持する。第1主軸台12には、第1主軸11を回転させるワーク回転用モータ(図示せず)が内蔵されている。第1主軸ユニット10は、ベッドSに対して移動不能に構成される。
【0013】
第2主軸ユニット20は、Z軸方向に第1主軸ユニット10と向かい合う位置に設けられている。第2主軸ユニット20は、ワークWの他端を把持する第2主軸21と、第2主軸21を回転可能に支持する第2主軸台22と、を備える。第2主軸台22には、第2主軸21を回転させるワーク回転用モータ(図示せず)が内蔵されている。
【0014】
第2主軸移動機構25は、
図2に示すように、第2主軸ユニット20をY軸方向(Y2軸方向)に移動させるY移動機構25Yと、
図1に示すように、第2主軸ユニット20をX軸方向(X2軸方向)に移動させるX移動機構25Xと、第2主軸ユニット20をZ軸方向(Z2軸方向)に移動させるZ移動機構25Zと、を備える。
【0015】
工具移動機構42は、
図2に示すように、工具主軸ユニット50をY軸方向(Y1軸方向)に移動させるY移動機構42Yと、
図1に示すように、工具主軸ユニット50をX軸方向(X1軸方向)に移動させるX移動機構42Xと、工具主軸ユニット50をZ軸方向(Z1軸方向)に移動させるZ移動機構42Zと、を備える。
なお、
図2に示すように、Z移動機構25ZのZ軸方向に移動するスライド台25SとZ移動機構42ZのZ軸方向に移動するスライド台42Sは、ベッドS上にZ軸方向に延びる共通のレール29に沿って移動する。
【0016】
X移動機構25X,42X、Y移動機構25Y,42Y及びZ移動機構25Z,42Zは、それぞれ、モータ、ボールねじ及びナットを有し、モータの回転力をボールねじ及びナットにより直線運動に変換することにより、対応する第2主軸ユニット20又は工具主軸ユニット50を直線的に移動可能な構成からなる。
【0017】
B軸回転機構45は、工具主軸ユニット50をB軸方向に回転させる。B軸方向は、Y軸方向に沿う回転軸を中心とした回転方向である。
工具マガジン60は、互いに異なる種類の複数の工具70を保持し、工具主軸ユニット50との間で工具70を授受する。工具主軸ユニット50は、例えば、ツールスピンドルであり、工具70を回転可能に支持する。
【0018】
工具ユニット30は、第2主軸21により把持されたワークWを加工する工具80が装着可能な刃物台である。工具80は、回転してワークWを加工するドリル又はエンドミル等の回転工具である。工具80は、Z軸方向に沿って延びた状態で工具ユニット30に装着される。
【0019】
図4に示すように、工具ユニット30は、駆動部31と、ギヤトレーン30Tと、を備える。ギヤトレーン30Tは、ギヤボックス32と、軸受33a,33b,33cと、駆動ギヤ34と、複数の従動ギヤ35と、ウェーブワッシャー39と、を備える。
駆動部31は、駆動ギヤ34を回転させるモータである。駆動部31は、工具ユニット30に装着された工具80の側方に位置する。
駆動部31は出力軸31aを有する。出力軸31aは、Z軸方向に沿って延び、軸回転する。駆動部31はギヤボックス32に固定されている。
駆動ギヤ34は、ギヤボックス32内の後述する駆動ギヤ収容空間32bに軸受33aを介して駆動ギヤ34の回転軸Iを中心に回転可能に支持されている。回転軸Iは、Z軸方向に沿って延びる。
駆動ギヤ34には駆動部31の出力軸31aが固定されている。駆動ギヤ34は出力軸31aとともに回転軸Iを中心に回転する。駆動ギヤ34はダブルヘリカルギヤである。駆動ギヤ34の具体的な構成については後述する。
【0020】
複数の従動ギヤ35は、それぞれダブルヘリカルギヤであり、互いに噛み合うように並べられる。各従動ギヤ35は、ギヤボックス32内の後述する従動ギヤ収容空間32aに軸受33b,33cを介して従動ギヤ35の回転軸Iを中心に回転可能に支持されている。複数の従動ギヤ35は、駆動ギヤ34からの回転力を工具80に伝達する。
【0021】
図3に示すように、複数の従動ギヤ35である従動ギヤ35A~35Hは、駆動ギヤ34とともに平面上に並べられる。
従動ギヤ35C~35Eは、互いに噛み合うようにY軸方向に並べられる。また、従動ギヤ35F~35Hは、従動ギヤ35C~35Eと並列となるようにY軸方向に並べられる。
従動ギヤ35Bは、従動ギヤ35Cと従動ギヤ35Fに噛み合うように、X軸方向において従動ギヤ35Cと従動ギヤ35Fの間に位置する。従動ギヤ35Aは、駆動ギヤ34と従動ギヤ35Aに噛み合うように駆動ギヤ34と従動ギヤ35Aの間に位置する。従動ギヤ35A~35Hの径は、互いに同じであり、駆動ギヤ34よりも小さい。
【0022】
次に、各従動ギヤ35の具体的な構成について説明する。
図5に示すように、各従動ギヤ35は、第1ヘリカルギヤ部36と、第2ヘリカルギヤ部37と、複数の結合部材38と、を備える。
図7(a),(b)に示すように、第1ヘリカルギヤ部36は、歯部36aを有するギヤ本体部36hと、軸部36c,36eと、工具支持部36dと、を備える。ギヤ本体部36hは、円板状に形成されている。歯部36aは、ギヤ本体部36hの外周面に形成される。
図8に示すように、各歯部36aは、回転軸Iに対して斜めに延び、第1ヘリカルギヤ部36の回転方向Cに並べられる。
【0023】
図7(a)に示すように、ギヤ本体部36hには、複数のねじ孔36bが形成されている。複数のねじ孔36bは、第1ヘリカルギヤ部36の回転方向Cに沿って等角度間隔で並べられている。
図7(b)に示すように、軸部36c,36eは、回転軸Iに沿って延びる円柱状をなす。軸部36eはギヤ本体部36hの工具80(
図5参照)に近い表面の中央に設けられる。軸部36cはギヤ本体部36hの裏面の中央に設けられる。
図5に示すように、軸部36c,36eそれぞれの外周面には軸受33b,33cが設けられている。
【0024】
工具支持部36dは、工具80の基端部を支持する。工具支持部36dは、軸部36eの先端に工具80の基端部が嵌まる凹状に形成されている。工具支持部36dには、工具80の基端部は着脱可能である。
【0025】
図6に示すように、第2ヘリカルギヤ部37は、回転軸Iに直交する方向に沿うリング状をなす。第2ヘリカルギヤ部37は、第2ヘリカルギヤ部37の外周面に形成される複数の歯部37aを備える。
図9に示すように、各歯部37aは、回転軸Iに対して斜めに延び、第2ヘリカルギヤ部37の外周面に回転方向Cに沿って並べられる。
第1ヘリカルギヤ部36の各歯部36a(歯筋)と第2ヘリカルギヤ部37の各歯部37a(歯筋)は、回転軸Iに対して異なる向きで形成される。
さらに、
図4に簡略して示すように、互いに噛み合う従動ギヤ35の歯筋35zの向きは互いに逆になるように形成されている。本例では、
図3に示す従動ギヤ35A,35C,35E,35F,35Hの歯筋35zと従動ギヤ35B,35D,35Gの歯筋35zはギヤ径方向から見て逆向きとなる。駆動ギヤ34の歯筋は、従動ギヤ35B,35D,35Gの歯筋35zと同じ向きである。
【0026】
図6(a),(b)に示すように、第2ヘリカルギヤ部37には、軸通過孔37d及び複数の結合部材通過孔37b,37cが形成されている。軸通過孔37dは、第2ヘリカルギヤ部37の中央に位置し、
図5に示すように、第1ヘリカルギヤ部36の軸部36cが通過可能に形成されている。
また、
図6(a)に示すように、結合部材通過孔37b,37cは、回転方向Cに沿って等角度間隔で並べられている。
【0027】
図5及び
図6(b)に示すように、結合部材通過孔37b,37cは、第2ヘリカルギヤ部37の厚さ方向に貫通した貫通孔として形成される。結合部材通過孔37bは、結合部材38の頭部38aが収容される。結合部材通過孔37cには、結合部材38のねじ軸部38bが通過する。結合部材通過孔37cは、結合部材通過孔37bよりも第1ヘリカルギヤ部36のギヤ本体部36hに近い位置に設けられ、結合部材通過孔37bよりも小径である。
【0028】
結合部材38は、重ね合わされた第1ヘリカルギヤ部36と第2ヘリカルギヤ部37を結合する。結合部材38は、例えば、ボルトである。結合部材38は、頭部38aと、ねじ軸部38bと、を備える。結合部材38の頭部38aは、第2ヘリカルギヤ部37の結合部材通過孔37b内に位置する。結合部材38のねじ軸部38bは、第2ヘリカルギヤ部37の結合部材通過孔37cを通過して第1ヘリカルギヤ部36のねじ孔36bに螺合される。
図9に示すように、第1ヘリカルギヤ部36の歯部36aと第2ヘリカルギヤ部37の歯部37aは、回転方向Cにおいてずれた位置(位相)で配置されている。各従動ギヤ35間で歯部36a,37aのずれ量は同一となっている。
【0029】
次に、駆動ギヤ34の具体的な構成について、従動ギヤ35との相違点を中心に説明する。
図4に示すように、駆動ギヤ34は、従動ギヤ35と同様に、第1ヘリカルギヤ部34aと、第2ヘリカルギヤ部34bと、結合部材34cと、を備える。
第1ヘリカルギヤ部34aは、駆動ギヤ34の回転軸Iに沿って延びる軸部34d,34eを備える。軸部34dは駆動部31に向かって延び、軸部34dの中心には駆動部31の出力軸31aが挿通されて固定されている。軸部34eは、第1ヘリカルギヤ部34aの軸部34dとは反対側に設けられる。軸部34eには凹部34fが形成され、凹部34fには出力軸31aの先端に固定される頭部31bが位置する。凹部34fは、駆動部31とは反対方向に向けて開口するように軸部34eの端面に形成されている。
【0030】
図4に示すように、ギヤボックス32は、駆動部31が固定され、複数の従動ギヤ35及び駆動ギヤ34を回転可能に収容する。
ギヤボックス32は、各従動ギヤ35を収容する従動ギヤ収容空間32aと、駆動ギヤ34を収容する駆動ギヤ収容空間32bと、工具80を装着可能な複数の装着凹部32cと、を有する。
複数の装着凹部32cは、それぞれ従動ギヤ35C~35Hが収容される従動ギヤ収容空間32aに連通する孔部として形成される。
図5に示すように、複数の装着凹部32c内には、従動ギヤ35C~35Hの工具支持部36dが位置する。
【0031】
図4に示すように、ギヤボックス32は、ボックス本体部32dと、蓋部32eと、を備える。ギヤボックス32は、回転軸Iに沿う方向に2つの部材であるボックス本体部32d及び蓋部32eに分割されて構成される。ボックス本体部32d及び蓋部32eの境界面Sfは、駆動ギヤ収容空間32bの中間、及び従動ギヤ収容空間32aの中間に位置する。
図5に示すように、蓋部32eに形成される従動ギヤ収容空間32aには、第2ヘリカルギヤ部37、軸受33b、第1ヘリカルギヤ部36の軸部36c及びギヤ本体部36hが収容される。ボックス本体部32dに形成される従動ギヤ収容空間32aには軸受33c及び第1ヘリカルギヤ部36の軸部36eが収容される。
【0032】
図4に示すように、ボックス本体部32dは、上述した複数の装着凹部32cを有する。蓋部32eは、ボックス本体部32dに対して取り外し可能に固定されている。蓋部32eがボックス本体部32dから取り外されることにより、従動ギヤ35及び駆動ギヤ34、特に、結合部材38が着脱可能に第2ヘリカルギヤ部37の裏面37r(
図5及び
図9参照)及び結合部材34cが着脱可能に第2ヘリカルギヤ部34bの裏面が露出する。また、蓋部32eがボックス本体部32dから取り外されたとき、
図9に示すように、従動ギヤ35の歯部36a,37aの周囲には障害物がなくなるため、従動ギヤ35の着脱が容易となる。
【0033】
図5に示すように、ウェーブワッシャー39は、回転軸Iに沿う方向において各軸受33b,33cとギヤボックス32の従動ギヤ収容空間32aの内面の間に設けられる。ウェーブワッシャー39は、ウェーブしたリング板状をなし、従動ギヤ35の回転軸Iに沿う方向の振動を吸収する振動吸収部である。
【0034】
図1に示すように、制御部300は、第1主軸ユニット10、第2主軸ユニット20、第2主軸移動機構25、工具ユニット30、工具移動機構42、B軸回転機構45、工具主軸ユニット50及び工具マガジン60を制御する。制御部300は、例えば、図示しないCPU(Central Processing Unit)、CPUによる処理の手順を定義したプログラムを記憶するROM(Read Only Memory)等を備える。
【0035】
次に、制御部300により実行される加工処理について説明する。制御部300は、事前に作成されたNC(Numerical Control)プログラムに従って、この加工処理を実行する。
図1に示すように、制御部300は、第1主軸11により把持されたワークWを工具主軸ユニット50に装着された工具70により加工する。次に、制御部300は、第2主軸移動機構25を介して第2主軸21を第1主軸11に対向する位置まで移動させ、第1主軸11から第2主軸21へワークWを受け渡す。そして、制御部300は、第2主軸21により把持されたワークWを工具ユニット30に装着された工具80によりワークWを加工し、この加工済みのワークWを外部に排出する。以上で、加工処理を終了する。
工具ユニット30に装着された工具80によりワークWを加工する際、制御部300は、
図4に示すように、駆動部31を駆動し、駆動ギヤ34を回転させる。
図3に示すように、この駆動ギヤ34の回転に伴い各従動ギヤ35A~35Hが回転し、従動ギヤ35C~35Hとともに工具支持部36dに装着された工具80が回転する。この回転する工具80の刃先が第2主軸21により把持されたワークWに接触することにより加工が行われる。
【0036】
次に、ギヤボックス32への複数の従動ギヤ35及び駆動ギヤ34の組み付け方法について説明する。この組み付け作業は、例えば、人により行われる。
まず、ギヤボックス32から蓋部32eが取り外された状態で、
図4及び
図8に示すように、まず、ギヤボックス32に駆動部31を取り付け、次に、駆動部31の出力軸31aに駆動ギヤ34の第1ヘリカルギヤ部34aを取り付ける。そして、従動ギヤ35の各第1ヘリカルギヤ部36をボックス本体部32dに順番に取り付ける。
図5に示すように、従動ギヤ35の第1ヘリカルギヤ部36をボックス本体部32dに取り付ける際、ボックス本体部32dに形成される従動ギヤ収容空間32aに軸受33cを収容し、この収容した軸受33c内に第1ヘリカルギヤ部36の軸部36eを挿入する。
【0037】
次に、
図4及び
図5に示すように、第2ヘリカルギヤ部34bを第1ヘリカルギヤ部34aに、各第2ヘリカルギヤ部37を各第1ヘリカルギヤ部36に順番に取り付ける。
図9に示すように、第2ヘリカルギヤ部37を第1ヘリカルギヤ部36に取り付ける際、第2ヘリカルギヤ部37の軸通過孔37dに第1ヘリカルギヤ部36の軸部36cを挿通させる。そして、第1ヘリカルギヤ部36と第2ヘリカルギヤ部37を回転方向Cに相対的に回転させることにより、
図5に示すように、第2ヘリカルギヤ部37の結合部材通過孔37b,37cの位置を第1ヘリカルギヤ部36のねじ孔36bの位置に合わせる。
【0038】
次に、複数の第1ヘリカルギヤ部34a,36同士、複数の第2ヘリカルギヤ部34b,37同士が互いに噛み合うように調整する。詳しくは、複数の結合部材34c,38を第1ヘリカルギヤ部34a,36及び第2ヘリカルギヤ部34b,37に軽く締めた(仮締めした)状態で、ギヤトレーン30Tを回転させることにより、第1ヘリカルギヤ部34a,36同士、及び第2ヘリカルギヤ部34b,37同士の噛み合わせが自然に調整される。
そして、この調整が完了すると、複数の結合部材38により各第2ヘリカルギヤ部37を各第1ヘリカルギヤ部36に固定し、複数の結合部材34cにより第2ヘリカルギヤ部34bを第1ヘリカルギヤ部34aに固定する。これにより、駆動ギヤ34及び従動ギヤ35の組み立てが完了する。
結合部材38の締結作業について説明すると、結合部材38の頭部38aが回転操作されることにより、結合部材38のねじ軸部38bは第2ヘリカルギヤ部37の結合部材通過孔37cを通過して第1ヘリカルギヤ部36のねじ孔36bに螺合される。なお、結合部材34cも結合部材38と同様に締結作業が行われる。
【0039】
最後に、
図4に示すように、ギヤボックス32のボックス本体部32dに蓋部32eを装着する。これにより、蓋部32eに形成される従動ギヤ収容空間32aに収容される軸受33b内に第1ヘリカルギヤ部36の軸部36cが挿通される。また、蓋部32eに形成される駆動ギヤ収容空間32bに収容される軸受33aに第1ヘリカルギヤ部34aの軸部34eが挿通される。以上で、ギヤボックス32への複数の従動ギヤ35及び駆動ギヤ34の組み付けが完了する。
【0040】
次に、
図10(a)~(d)を参照しつつ、複数の従動ギヤ35のうち何れか一つの特定ギヤ35Xを交換する作業について説明する。この作業は、例えば、人により行われる。
まず、ギヤボックス32から蓋部32e(
図4参照)を取り外す。次に、
図10(a)に示すように、交換対象ギヤである特定ギヤ35Xから各結合部材38を取り外す。これにより、
図10(b)に示すように、特定ギヤ35Xの第2ヘリカルギヤ部37Xを特定ギヤ35Xの第1ヘリカルギヤ部36Xから取り外し可能となる。
図9の矢印J1に示すように、第1ヘリカルギヤ部36Xの軸部36cから第2ヘリカルギヤ部37Xが抜け出るまで第2ヘリカルギヤ部37Xを回転軸Iに沿って第1ヘリカルギヤ部36Xから離れるように引き抜く。これにより、第2ヘリカルギヤ部37Xが第1ヘリカルギヤ部36Xから取り外される。
次に、特定ギヤ35Xの第1ヘリカルギヤ部36Xを取り外すにあたって、
図10(c)に示すように、各噛合ギヤ35Yから各結合部材34c,38を取り外す。噛合ギヤ35Yは、特定ギヤ35Xに噛み合う従動ギヤ35又は駆動ギヤ34である。そして、上述した特定ギヤ35Xと同様に、噛合ギヤ35Yの第2ヘリカルギヤ部37Yを噛合ギヤ35Yの第1ヘリカルギヤ部36Yから取り外す。これにより、特定ギヤ35X及び各噛合ギヤ35Yそれぞれの第2ヘリカルギヤ部37X,37Yが取り外される。
この状態で、
図10(d)に示すように、第1ヘリカルギヤ部36Xをギヤボックス32から取り外し可能となる。
図8の矢印J2に示すように、第1ヘリカルギヤ部36Xを回転軸Iに沿ってボックス本体部32dから離れるように引き抜くことにより、第1ヘリカルギヤ部36Xをボックス本体部32dから取り外す。これにより、特定ギヤ35Xの取り外し作業が完了する。
【0041】
次に、新たな特定ギヤ35Xの組み付け作業について説明する。
新たな特定ギヤ35Xの組み付け作業は、上述した特定ギヤ35Xの取り外し作業と逆の手順で行われる。すなわち、
図10(c),(d)に示すように、まず、第1ヘリカルギヤ部36Xを複数の第1ヘリカルギヤ部36Yの間に位置するようにボックス本体部32dに取り付けて第1ヘリカルギヤ部36Yに噛み合わせる。次に、
図10(b),(c)に示すように、各第1ヘリカルギヤ部36Yに各第2ヘリカルギヤ部37Yを取り付けて、各第1ヘリカルギヤ部36Yと各第2ヘリカルギヤ部37Yを結合部材34c,38で結合する。最後に、
図10(a),(b)に示すように、第1ヘリカルギヤ部36Xに第2ヘリカルギヤ部37Xを取り付けて、第1ヘリカルギヤ部36Xと第2ヘリカルギヤ部37Xを結合部材38で結合する。
以上で、特定ギヤ35Xの交換作業が完了する。
【0042】
(効果)
以上、説明した一実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)ギヤトレーン30Tは、互いに噛み合うように並べられた複数のダブルヘリカルギヤの一例である従動ギヤ35を備える。従動ギヤ35は、従動ギヤ35の回転軸Iに対して斜めに延びる複数の歯部36a,37aを有し、互いに別体で形成される第1ヘリカルギヤ部36及び第2ヘリカルギヤ部37と、第1ヘリカルギヤ部36及び第2ヘリカルギヤ部37が回転軸Iに沿う方向に重ね合わされた状態で、第1ヘリカルギヤ部36及び第2ヘリカルギヤ部37を結合する結合部材38と、を備える。結合部材38は、第1ヘリカルギヤ部36及び第2ヘリカルギヤ部37の間で歯部36a,37aの位置を、従動ギヤ35の回転方向Cにずらした状態で第1ヘリカルギヤ部36及び第2ヘリカルギヤ部37を結合する。また、複数の従動ギヤ35が互いに噛み合った状態で、複数の従動ギヤ35の何れかの特定ギヤ35Xの結合部材38を取り外すことにより、特定ギヤ35Xの第2ヘリカルギヤ部37Xは第1ヘリカルギヤ部36Xに対して独立して着脱可能となるように構成される。
この構成によれば、第1ヘリカルギヤ部36及び第2ヘリカルギヤ部37の回転方向Cの歯部36a,37aの位置合わせが不要となる。よって、第1ヘリカルギヤ部36及び第2ヘリカルギヤ部37の位置合わせの手間が減り、従動ギヤ35の組み付けが容易となる。また、第1ヘリカルギヤ部36及び第2ヘリカルギヤ部37の位置合わせのために特殊な治具を用意する必要がない。
また、従来、先に複数のダブルヘリカルギヤを互いに噛み合わせた状態としたうえで、ギヤボックスに取り付ける必要があった。この点、上記構成では、複数の従動ギヤ35をギヤボックス32に取り付ける際に、各従動ギヤ35の第2ヘリカルギヤ部37は第1ヘリカルギヤ部36とは別に取り付けることができるため、複数の従動ギヤ35の組み付けが容易となる。
また、従来の第1ヘリカルギヤ部及び第2ヘリカルギヤ部を一体化したダブルヘリカルギヤでは、第1ヘリカルギヤ部と第2ヘリカルギヤ部の間に歯研の際に砥石を逃がすための溝を設ける必要があるため、ダブルヘリカルギヤが軸方向に厚くなっていた。この点、上記構成では、第1ヘリカルギヤ部36及び第2ヘリカルギヤ部37の間に溝は不要となるため、従動ギヤ35を薄く形成することができる。
【0043】
(2)複数の従動ギヤ35が互いに噛み合った状態で、特定ギヤ35Xの結合部材38と特定ギヤ35Xに噛み合っている噛合ギヤ35Yの結合部材34c,38を取り外すことにより、特定ギヤ35Xの第1ヘリカルギヤ部36X及び第2ヘリカルギヤ部37Xは独立して着脱可能となるように構成される。
この構成によれば、特定ギヤ35Xの第1ヘリカルギヤ部36X及び第2ヘリカルギヤ部37Xは独立して取り外し可能であるため、複数の従動ギヤ35の何れかの特定ギヤ35Xの交換が容易となる。
【0044】
(3)第1ヘリカルギヤ部36は、回転軸Iに沿って延びる軸部36cを備える。第2ヘリカルギヤ部37には、軸部36cが挿通される軸通過孔37dが形成される。
この構成によれば、第2ヘリカルギヤ部37の軸通過孔37dに第1ヘリカルギヤ部36の軸部36cを挿入することにより、第2ヘリカルギヤ部37を第1ヘリカルギヤ部36に簡単に取り付けることができる。よって、従動ギヤ35の組み付けが容易となる。
【0045】
(4)ギヤトレーン30Tは、複数の従動ギヤ35を回転軸Iを中心に回転可能に支持するギヤボックス32を備える。結合部材38は、第2ヘリカルギヤ部37の第1ヘリカルギヤ部36に対向する面の裏面37rから着脱可能に構成される。ギヤボックス32は、第1ヘリカルギヤ部36を回転可能に支持するボックス本体部32dと、ボックス本体部32dに支持される複数の従動ギヤ35を覆うようにボックス本体部32dに取り付けられる蓋部32eと、を備える。蓋部32eは、ボックス本体部32dから取り外し可能に構成され、ボックス本体部32dから取り外されることにより第2ヘリカルギヤ部37の裏面37rを露出させる。
この構成によれば、蓋部32eをギヤボックス32から取り外したうえで、結合部材38を従動ギヤ35から取り外すことにより、第1ヘリカルギヤ部36及び第2ヘリカルギヤ部37を独立して取り外し可能となる。
【0046】
(5)工具ユニット30はギヤトレーン30Tを有する。第1ヘリカルギヤ部36は、第1ヘリカルギヤ部36とともに回転可能に工具80を支持する工具支持部36dを備える。
この構成によれば、各従動ギヤ35は、平歯車に比べて高速でも円滑に回転可能なダブルヘリカルギヤである。このため、工具ユニット30において、工具80の加工精度及び加工力を高めることができるとともに、上述のように各従動ギヤ35の組み付けが容易となる。
【0047】
(6)工作機械1は、工具ユニット30と、工具ユニット30により回転させられる工具80によりワークWを加工する際にワークWを固定するワーク固定部の一例である第2主軸21と、を備える。
この構成によれば、工作機械1において、工具80の加工精度及び加工力を高めることができるとともに、上述のように各従動ギヤ35の組み付けが容易となる。
【0048】
なお、本開示は以上の実施形態及び図面によって限定されるものではない。本開示の要旨を変更しない範囲で、適宜、変更(構成要素の削除も含む)を加えることが可能である。以下に、変形の一例を説明する。
【0049】
(変形例)
上記実施形態においては、工具ユニット30は、ターニングセンタに適用されていたが、工作機械であればターニングセンタに限らず、例えば、マシニングセンタ等に適用されてもよい。
【0050】
上記実施形態においては、工作機械1は、第1主軸ユニット10及び第2主軸ユニット20を備えていたが、第1主軸ユニット10及び第2主軸ユニット20の何れか一方が省略されてもよい。
【0051】
上記実施形態における第1主軸ユニット10、第2主軸ユニット20及び工具主軸ユニット50の移動方向は適宜変更可能である。例えば、第1主軸ユニット10はZ軸方向に移動可能に構成されてもよい。また、工具ユニット30が移動可能に構成されてもよい。
上記実施形態における従動ギヤ35の数又は配置は適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0052】
1…工作機械、10…第1主軸ユニット、11…第1主軸、12…第1主軸台、20…第2主軸ユニット、21…第2主軸、22…第2主軸台、25…第2主軸移動機構、25S,42S…スライド台、25X,42X…X移動機構、25Y,42Y…Y移動機構、25Z,42Z…Z移動機構、29…レール、30…工具ユニット、30T…ギヤトレーン、31…駆動部、31a…出力軸、31b,38a…頭部、32…ギヤボックス、32a…従動ギヤ収容空間、32b…駆動ギヤ収容空間、32c…装着凹部、32d…ボックス本体部、32e…蓋部、33a,33b,33c…軸受、34…駆動ギヤ、34a,36,36X,36Y…第1ヘリカルギヤ部、34b,37,37X,37Y…第2ヘリカルギヤ部、34c,38…結合部材、34d,34e,36c,36e…軸部、34f…凹部、35,35A~35H…従動ギヤ、35X…特定ギヤ、35Y…噛合ギヤ、36a,37a…歯部、36b…ねじ孔、36d…工具支持部、36h…ギヤ本体部、37b,37c…結合部材通過孔、37d…軸通過孔、37r…裏面、38b…ねじ軸部、39…ウェーブワッシャー、42…工具移動機構、45…B軸回転機構、50…工具主軸ユニット、60…工具マガジン、70,80…工具、300…制御部、C…回転方向、I…回転軸、S…ベッド、W…ワーク、Sf…境界面