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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022116658
(43)【公開日】2022-08-10
(54)【発明の名称】ジャー容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/76 20060101AFI20220803BHJP
   A45D 34/04 20060101ALI20220803BHJP
   B65D 47/24 20060101ALI20220803BHJP
   B65D 49/02 20060101ALI20220803BHJP
【FI】
B65D83/76
A45D34/04 555
B65D47/24 110
B65D49/02
B65D83/76 160
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021012952
(22)【出願日】2021-01-29
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】宮入 圭介
【テーマコード(参考)】
3E014
3E084
【Fターム(参考)】
3E014KA02
3E014KC09
3E084AA24
3E084AB09
3E084AB10
3E084BA02
3E084CA01
3E084CB02
3E084CC03
3E084DB13
3E084DB17
3E084DC03
3E084EB02
3E084EC03
3E084GA06
3E084GB06
3E084GB30
3E084JA20
3E084LA15
3E084LA17
3E084LB02
3E084LD21
3E084LD25
3E084LD30
(57)【要約】
【課題】小型化や構成の簡素化を図ることができるジャー容器を提供する。
【解決手段】本発明に係る態様のジャー容器1は、容器本体2と、可動壁部3と、逆止弁4と、操作部5と、を備えている。可動壁部3及び操作部5のうち一方の部材には、周方向の一方側に向かうに従い上下方向の一方側に延びる第1ガイド面、及び周方向の一方側に向かうに従い上下方向の他方側に延びる第2ガイド面が形成されている。可動壁部3及び操作部5のうち他方の部材には、可動壁部3と操作部5との周方向の相対回転に伴い第1ガイド面及び第2ガイド面に摺動する連係部61cが形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が収容される収容空間を形成するとともに、上方に開口する上端開口部を有し、内容物の減少に伴い減容可能な容器本体と、
前記上端開口部を閉塞するとともに、前記容器本体に対して上下方向に弾性変位可能に設けられ、前記容器本体の内外を連通させる連通口を有する可動壁部と、
前記連通口を通じた前記容器本体の内部から外部への内容物の流通を許容し、前記連通口を通じた前記容器本体の外部から内部への内容物の流通を遮断する逆止弁と、
前記容器本体に対する上下方向の移動が規制された状態で、前記容器本体に対して上下方向に延びる軸線回り沿う周方向に回転可能に設けられた操作部と、を備え、
前記可動壁部及び前記操作部のうち一方の部材には、周方向の一方側に向かうに従い上下方向の一方側に延びる第1ガイド面、及び前記周方向の一方側に向かうに従い上下方向の他方側に延びる第2ガイド面が形成され、
前記可動壁部及び前記操作部のうち他方の部材には、前記可動壁部と前記操作部との周方向の相対回転に伴い前記第1ガイド面及び前記第2ガイド面に摺動する連係部が形成されているジャー容器。
【請求項2】
前記可動壁部を外部に開放する開位置、及び前記可動壁部を上方から覆う閉位置の間を移動可能な蓋体と、
前記蓋体が閉位置にあるとき前記可動壁部に対する前記操作部の周方向の回転を規制し、前記蓋体が開位置にあるとき前記可動壁部に対する前記操作部の周方向の回転を許容する規制部材と、を備えている請求項1に記載のジャー容器。
【請求項3】
前記容器本体は、
前記収容空間の胴部を形成するとともに、下方に開口する下端開口部を有する筒部と、
前記下端開口部を閉塞するとともに、前記筒部の内周面上を上下方向に摺動可能に設けられ、前記収容空間の底部を形成する中皿と、
前記筒部に下方から装着された底部材と、を備え、
前記底部材は、前記中皿に係合される係合位置、及び前記中皿から離脱した離脱位置の間を回動可能に設けられた回動片を備え、
前記回動片が前記係合位置にある状態で前記底部材が前記筒部に装着される際に、前記下端開口部を通じて前記筒部の内側に前記中皿が嵌め込まれるとともに、前記筒部によって前記回動片が前記係合位置から前記離脱位置まで押し込まれる請求項1又は請求項2に記載のジャー容器。
【請求項4】
前記可動壁部は、前記逆止弁を上方から覆って前記逆止弁の移動空間を形成するとともに、前記移動空間の内外を連通させる取出口を有する頂壁を備えている請求項1から請求項3の何れか1項に記載のジャー容器。
【請求項5】
前記取出口には、前記取出口を開閉する開閉弁が設けられている請求項4に記載のジャー容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジャー容器に関する。
【背景技術】
【0002】
ジャー容器として、内容物の充填空間を形成する胴部と、胴部の上端開口部に保持されたポンプと、ポンプを作動させる操作ヘッドと、充填空間の底壁を形成して胴部内を上方に移動する中皿と、を備える構成が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
この種のジャー容器においては、操作ヘッドが押し下げられることで、ポンプのピストンが押し下げられる。これにより、ポンプのシリンダ内がピストンによって加圧され、操作ヘッドに形成された開孔を通じて内容物が外部に注出される。その後、ピストンが上方に復帰するのに伴い、充填空間が負圧になることで、胴部内を中皿が上昇する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-203407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来技術にあっては、シリンダや、シリンダ内に付勢状態で配設されたピストン等を有するポンプを設ける必要があるため、小型化や構成の簡素化を図る点で未だ改善の余地があった。
【0005】
本発明は、小型化や構成の簡素化を図ることができるジャー容器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の態様を採用した。
本発明の一態様に係るジャー容器は、内容物が収容される収容空間を形成するとともに、上方に開口する上端開口部を有し、内容物の減少に伴い減容可能な容器本体と、前記上端開口部を閉塞するとともに、前記容器本体に対して上下方向に弾性変位可能に設けられ、前記容器本体の内外を連通させる連通口を有する可動壁部と、前記連通口を通じた前記容器本体の内部から外部への内容物の流通を許容し、前記連通口を通じた前記容器本体の外部から内部への内容物の流通を遮断する逆止弁と、前記容器本体に対する上下方向の移動が規制された状態で、前記容器本体に対して上下方向に延びる軸線回り沿う周方向に回転可能に設けられた操作部と、を備え、前記可動壁部及び前記操作部のうち一方の部材には、周方向の一方側に向かうに従い上下方向の一方側に延びる第1ガイド面、及び前記周方向の一方側に向かうに従い上下方向の他方側に延びる第2ガイド面が形成され、前記可動壁部及び前記操作部のうち他方の部材には、前記可動壁部と前記操作部との周方向の相対回転に伴い前記第1ガイド面及び前記第2ガイド面に摺動する連係部が形成されている。
【0007】
本態様によれば、操作部の回転に伴い連係部が周方向に移動することで、連係部がガイド面上を摺動する。これにより、連係部及びガイド面を介して可動壁部が押し込まれることで、操作部の回転に伴い可動壁部を下方に弾性変位させることができる。これにより、収容空間内が加圧され、逆止弁が開弁することで、収容空間内の内容物が連通口を通じて容器本体の外部に供給される。一方、逆止弁が閉弁した状態で、可動壁部が上方に復元変位することで、収容空間内が減圧される。これにより、収容空間内が減容する。すなわち、本態様のジャー容器では、操作部を回転操作するだけで、連通口を通じて内容物が供給されるため、収容空間内に指等を挿し入れることなく、内容物を取り出すことができる。これにより、内容物の衛生状態を長期に亘って維持できる。
特に、本態様では、可動壁部の弾性変位に伴い、収容空間自体を直接加圧して内容物を取り出すため、従来のようにシリンダや、シリンダ内に付勢状態で配設されたピストン等を有するポンプを設ける必要がない。そのため、構成の簡素化や上下方向での小型化を図ることができる。
【0008】
上記態様のジャー容器において、前記可動壁部を外部に開放する開位置、及び前記可動壁部を上方から覆う閉位置の間を移動可能な蓋体と、前記蓋体が閉位置にあるとき前記可動壁部に対する前記操作部の周方向の回転を規制し、前記蓋体が開位置にあるとき前記可動壁部に対する前記操作部の周方向の回転を許容する規制部材と、を備えていることが好ましい。
本態様によれば、蓋体が閉位置にあるとき、操作部が不意に回転するのを抑制できる。これにより、蓋体が閉位置にあるとき、連通口を通じて内容物が外部に供給されるのを抑制し、内容物の漏れ等を抑制できる。
【0009】
上記態様のジャー容器において、前記容器本体は、前記収容空間の胴部を形成するとともに、下方に開口する下端開口部を有する筒部と、前記下端開口部を閉塞するとともに、前記筒部の内周面上を上下方向に摺動可能に設けられ、前記収容空間の底部を形成する中皿と、前記筒部に下方から装着された底部材と、を備え、前記底部材は、前記中皿に係合される係合位置、及び前記中皿から離脱した離脱位置の間を回動可能に設けられた回動片を備え、前記回動片が前記係合位置にある状態で前記底部材が前記筒部に装着される際に、前記下端開口部を通じて前記筒部の内側に前記中皿が嵌め込まれるとともに、前記筒部によって前記回動片が前記係合位置から前記離脱位置まで押し込まれることが好ましい。
本態様によれば、中皿と底部材とを底モジュールとしてプリアッセンブリできるため、充填前の搬送時等においては、中皿が底部材から離脱するのを抑制できる。また、底モジュールと筒部との組み付けに伴い、中皿を底部材から離脱させ、筒部に嵌め込むことができる。これにより、充填の容易性やセット性を向上させ、製造効率の向上を図ることができる。
【0010】
上記態様のジャー容器において、前記可動壁部は、前記逆止弁を上方から覆って前記逆止弁の移動空間を形成するとともに、前記移動空間の内外を連通させる取出口を有する頂壁を備えていることが好ましい。
本態様によれば、連通口から流出した内容物が移動空間内に貯留されるため、内容物の漏れ等を抑制できる。
【0011】
上記態様のジャー容器において、前記取出口には、前記取出口を開閉する開閉弁が設けられていることが好ましい。
本態様によれば、移動空間内に貯留された内容物が空気に触れにくくなる。そのため、内容物の酸化や揮発等を抑制し、内容物の衛生状態を長期に亘って維持できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、小型化や構成の簡素化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態に係るジャー容器の断面図である。
図2】実施形態に係るジャー容器において、容器本体の組付方法を説明するための部分断面図である。
図3】注出キャップの平面図である。
図4】乗り越え突起及び連係部を示す注出キャップ及び操作部の断面図である。
図5】第1凹凸部及び第2凹凸部を示す規制部材及び可動壁部の断面図である。
図6】実施形態に係るジャー容器の動作説明図であって、図1に対応する断面図である。
図7】実施形態に係るジャー容器の動作説明図であって、図4に対応する断面図である。
図8】実施形態に係るジャー容器の動作説明図であって、図4に対応する断面図である。
図9】実施形態に係るジャー容器の動作説明図であって、図1に対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。以下で説明する実施形態や変形例において、対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
図1に示すジャー容器1は、容器本体2と、可動壁部3と、逆止弁4と、操作部5と、規制部材6と、蓋体7と、を備えている。容器本体2は、軸線Oに沿う有底筒状に形成されている。以下、軸線Oに沿う方向を上下方向という。上下方向に沿う容器本体2の底部材13側を下方といい、蓋体7の蓋天壁81a側を上方という。上下方向から見た平面視で軸線Oに交差する方向を径方向といい、軸線O回りに周回する方向を周方向という。なお、ジャー容器1の各構成部品は、特に記載がなければ、合成樹脂を用いた成形品とされている。
【0015】
容器本体2は、内容物が収容されるとともに、内容物の減少に伴い減容可能な収容空間S1を形成する。本実施形態において、収容空間S1内に収容される内容物としては、ハンドクリームや化粧料として用いられるクリーム状や半固形状等の内容物であることが好ましい。
【0016】
容器本体2は、筒部11と、中皿12と、底部材13と、を備えている。
筒部11は、収容空間S1の胴部を構成する。具体的に、筒部11は、上端開口部11a及び下端開口部11bを有し、軸線Oと同軸に配置されている。筒部11は、軸方向の全長に亘って内径が一様に形成されている。但し、筒部11の内径は、例えば上端開口部11a及び下端開口部11bで異なっていてもよい。
【0017】
中皿12は、筒部11の内周面上を摺動可能に筒部11内に嵌合されている。中皿12は、中皿本体21と、落ち止めリング22と、を備えている。
中皿本体21は、樹脂材料により一体に形成されている。中皿本体21は、収容空間S1の底部を構成する。中皿本体21は、摺動筒21aと、押上部21bと、係合筒21cと、位置決め筒21dと、を備えている。
【0018】
摺動筒21aは、軸線Oと同軸に配置されている。摺動筒21aは、少なくとも上下両端部が筒部11の内周面に接触した状態で、筒部11内に嵌合されている。
押上部21bは、摺動筒21aの内側に配置されている。押上部21bは、中皿周壁21f及び中皿頂壁21gを備える有頂筒状に形成されている。押上部21bは、中皿周壁21fの下端において、摺動筒21aに接続されている。
係合筒21cは、中皿頂壁21gから下方に延びている。
位置決め筒21dは、中皿頂壁21gにおいて、係合筒21cに対して径方向の内側に位置する部分から下方に延びている。
【0019】
落ち止めリング22は、中皿本体21よりも硬質な材料(例えば、金属材料等)により形成されている。落ち止めリング22は、押上部21b(中皿周壁21f)の内側に押上部21bの下方から嵌め込まれている。落ち止めリング22の下端部は、下方に向かうに従い径方向の外側に延びている。落ち止めリング22の下端縁は、摺動筒21aの下方において、筒部11の内周面上に接触している。なお、中皿12は、中皿本体21のみで筒部11に対する下方移動が防止される構成であれば、落ち止めリング22を備えない構成であってもよい。
【0020】
底部材13は、軸線Oと同軸に配置された有底筒状に形成されている。底部材13は、筒部11に下方から装着されている。底部材13は、底周壁13aと、底壁13bと、回動片13cと、を備えている。
底周壁13a内には、筒部11の下端部がアンダーカット嵌合されている。但し、底周壁13aは、嵌合以外の方法(例えば、螺着等)によって筒部11に装着されていてもよい。
【0021】
底壁13bは、底周壁13aの下端開口縁に連なっている。底壁13bは、中皿12を下方から覆っている。底壁13bの内周部分は、外周部分に対して上方に膨出している。底壁13bの内周部分には、中皿12が最下端位置にあるとき、位置決め筒21dの下端が底部材13の上方から近接又は当接している。
底壁13bの外周部分には、貫通孔13dが形成されている。貫通孔13dは、回動片13cを成形するための型抜き部を設けるための孔である。貫通孔13dは、回動片13cに対応して周方向に間隔をあけて複数形成されている。
【0022】
回動片13cは、中皿12と底部材13との係合及び離脱を切り替える。回動片13cは、上下方向に沿う縦断面視でL字状に形成されている。具体的に、回動片13cは、押込片31aと、係合片31bと、を備えている。
【0023】
押込片31aは、貫通孔13d内に配置されている。押込片31aは、上下方向を厚さ方向として径方向に延びている。押込片31aと貫通孔13dの内周面とは、回動軸31cを介して接続されている。回動軸31cは、押込片31aのうち径方向の中央部から周方向の外側(押込片31aから離間する方向)に向けて延びている。回動軸31cにおける周方向の外側端部は、貫通孔13dの内周面に連なっている。これにより、回動片13cは、回動軸31c回りに回動可能に底壁13bに支持されている。
係合片31bは、押込片31aにおける径方向の内側端部から上方に延びている。
【0024】
図2に示すように、本実施形態の容器本体2は、中皿12及び底部材13を底モジュール30として組み合わせた状態で、底モジュール30を筒部11に組み付けることで形成される。中皿12は、底モジュール30が筒部11に装着される際に、回動片13cが係合位置から離脱位置に移行することで、底部材13に保持された状態から筒部11に保持された状態に移行する。
【0025】
係合位置において、回動片13cは、係合片31bが径方向の内側に倒れ、押込片31aが径方向の外側に向かうに従い上方に起き上がった状態に保持される。これにより、係合片31bが係合筒21cに対して径方向の外側から係合することで、中皿12が底部材13に仮保持されている。なお、回動片13cと係合筒21cの係合方法は、底モジュール30の状態で中皿12と底部材13とが同軸上に配置されていれば、適宜変更が可能である。
【0026】
回動片13cが係合位置にある状態において、底周壁13aの内側に筒部11の下端部を進入させる。すると、筒部11の下端部は、底周壁13aと摺動筒21aとの間を通じて押込片31aにおける径方向の外側端部に接触する。この状態で、筒部11を底壁13bに向けてさらに押し込むことで、押込片31aが下方に向けて押し込まれる。これにより、回動片13cが回動軸31c回りに回動することで、係合片31bが径方向の外側に移動する。その結果、中皿12が底部材13から離脱する(離脱位置)。図1に示す離脱位置において、中皿12は、筒部11の内側に嵌合される。
【0027】
可動壁部3は、容器本体2の上端開口部11aを閉塞して、収容空間S1の頂壁を構成する。可動壁部3は、容器本体2に対して上下方向に弾性変位可能に設けられている。可動壁部3は、可動部本体41と、注出キャップ42と、を備えている。
可動部本体41は、嵌合筒41aと、弾性壁41bと、ベース板41cと、弁保持筒41dと、を備えている。
【0028】
嵌合筒41aは、軸線Oと同軸に配置されている。嵌合筒41aは、筒部11の上端部内に嵌合されている。
弾性壁41bは、嵌合筒41aの下端縁から径方向の内側に張り出している。弾性壁41bは、平面視において、環状に形成されている。弾性壁41bは、上下方向に沿う縦断面視において、上下方向に蛇行しながら径方向に延びている。弾性壁41bは、弾性変形可能に構成されている。
【0029】
ベース板41cは、弾性壁41bの内周縁から径方向の内側に連なっている。ベース板41cは、弾性壁41bの弾性変形に伴い、上下方向に弾性変位する。ベース板41cのうち、軸線O上に位置する部分には、連通口41fが形成されている。連通口41fは、容器本体2の内外を連通している。なお、連通口41fは、軸線Oに対してずれた位置に配置されていてもよい。
弁保持筒41dは、ベース板41cから上方に延びている。弁保持筒41dは、連通口41fの周囲を取り囲んでいる。
【0030】
図1図3に示すように、注出キャップ42は、可動部本体41に対して上方から装着されている。注出キャップ42は、筒部11に一体に形成されている。具体的に、注出キャップ42は、キャップ本体42aと、キャップフランジ42bと、連結片42cと、を備えている。
【0031】
キャップ本体42aは、弁保持筒41dに上方から装着されている。具体的に、キャップ本体42aは、キャップ周壁51及びキャップ頂壁52を有する有頂筒状に形成されている。
キャップ周壁51の内側には、弁保持筒41dが嵌合している。
【0032】
キャップ頂壁52は、キャップ周壁51の上端縁から径方向の内側に連なっている。キャップ頂壁52は、ベース板41cのうち弁保持筒41dよりも内側に位置する部分を上方から覆っている。キャップ頂壁52は、図1に示す上下方向に沿う縦断面視において、下方に突の円弧状に形成されている。キャップ頂壁52のうち、連通口41fと平面視で重なる部分には、取出口52aが形成されている。取出口52aは、上方に位置するものほど内径が大きい段付き形状に形成されている。
【0033】
取出口52a内には、開閉弁55が嵌合されている。開閉弁55は、取出口52aを通したキャップ本体42aの内側から外側への流通を許容し、かつキャップ本体42aの外側から内側への流通を阻止する。なお、開閉弁55は設けなくてもよい。
【0034】
キャップフランジ42bは、キャップ周壁51から径方向の外側に張り出している。キャップフランジ42bの外周縁は、ベース板41cの外周縁と径方向で同等の位置に配置されている。
【0035】
図1図3に示すように、連結片42cは、キャップフランジ42bの外周縁と筒部11の上端縁との間を接続している。連結片42cは、周方向に間隔をあけて複数設けられている。各連結片42cは、周方向に蛇行しながら、径方向に延びている。連結片42cは、弾性変形可能に構成されている。注出キャップ42(キャップ本体42a)は、連結片42cが弾性変形することで、可動壁部3(ベース板41c)とともに、上下方向に弾性変位する。なお、注出キャップ42は、連結片42cを有さない構成であってもよい。すなわち、注出キャップ42は、筒部11とは別体で形成されていてもよい。また、ジャー容器1は、注出キャップ42を有さない構成であってもよい。
【0036】
キャップフランジ42bにおいて、周方向の一部には、キャップ凹部58が形成されている。キャップ凹部58は、キャップフランジ42bに倣って周方向に延びている。キャップ凹部58は、軸線Oを間に挟んで径方向の一方側(以下、前方とする。)及び他方側(以下、後方とする。)に向かい合って形成されている。但し、キャップ凹部58は、一か所のみに形成されてもよく、周方向の全周に亘って形成されていてもよい。
【0037】
図3図4に示すように、キャップ凹部58内には、乗り越え突起59が設けられている。乗り越え突起59は、キャップ凹部58の底面から上方に突出している。乗り越え突起59は、上下方向に沿う断面視において、一つの頂部59aが上方を向く三角形状に形成されている。乗り越え突起59は、頂部59aを間に挟んで第1ガイド面59b及び第2ガイド面59cが連なっている。第1ガイド面59bは、キャップ凹部58の底面と頂部59aとの間で、周方向の一方側に向かうに従い上方に延びる傾斜面である。第2ガイド面59cは、頂部59aとキャップ凹部58の底面との間で、周方向の一方側に向かうに従い下方に延びる傾斜面である。頂部59aは、キャップフランジ42bの上面よりも下方に位置している。なお、乗り越え突起59は、径方向において、キャップ凹部58内の全域に亘って延びている。但し、乗り越え突起59は、キャップ凹部58内において、径方向の一部に形成されていてもよい。
【0038】
本実施形態において、乗り越え突起59は、キャップ凹部58の内面のうち、周方向を向く内側面から離間した位置で、周方向に複数(例えば、2つ)並んでいる。したがって、隣り合う乗り越え突起59同士の間に位置する部分、及び乗り越え突起59とキャップ凹部58の内側面との間に位置する部分は、谷部58aを構成している。
【0039】
なお、乗り越え突起59は、少なくとも一つ備えていればよい。乗り越え突起59の断面視形状は、三角形状に限らず、半円形状や台形状等であってもよい。乗り越え突起59は、第1ガイド面59b及び第2ガイド面59cが直接連なっていなくてもよく、例えば平坦面を介して第1ガイド面59b及び第2ガイド面59c同士が連なっていてもよい。
【0040】
図1に示すように、逆止弁4は、弁保持筒41d内に保持されている。逆止弁4は、例えば三点弁である。逆止弁4は、連通口41fを通じた容器本体2の内部から外部への内容物の流通を許容し、連通口41fを通じた容器本体2の外部から内部への内容物の流通を遮断する。逆止弁4は、ベース板41c、弁保持筒41d及びキャップ本体42aに囲まれた空間(移動空間S2)内において、ベース板41cの上面に対して上方に離反可能に着座している。
【0041】
操作部5は、可動壁部3に対して周方向に回転可能に設けられている。操作部5は、周方向の回転操作に伴い、可動壁部3を上下方向に弾性変位させる。具体的に、操作部5は、回転筒61aと、天壁61bと、連係部61cと、突出壁61dと、ヒンジ壁61fと、を備えている。
【0042】
回転筒61aは、筒部11の上端部に回転可能に取り付けられている。具体的に、回転筒61aは、筒部11の上端部にアンダーカット嵌合等されることで、筒部11の上端部の周囲を取り囲んでいる。回転筒61aは、筒部11の上端部に対して上下方向の移動が規制された状態で、周方向の回転が許容されている。
天壁61bは、回転筒61aの上端縁から径方向の内側に延びている。天壁61bは、平面視において環状に形成されている。天壁61bの内周開口部には、キャップ本体42aが貫通している。図示の例において、キャップ本体42aは、キャップ頂壁52のうち、外周縁が天壁61bよりも上方に位置し、中央部(取出口52a)が天壁61bと同等の高さに位置している。
【0043】
連係部61cは、天壁61bの内周部のうち、キャップ凹部58と平面視で向かい合う位置から下方に突出している。図4に示すように、連係部61cは、下方に向かうに従い周方向の幅が先細る先鋭形状に形成されている。具体的に、連係部61cの下端面は、頂部64aと、第1摺動面64bと、第2摺動面64cと、を備えている。
【0044】
頂部64aは、連係部61cの最下端である。
第1摺動面64bは、頂部64aから周方向の一方側に向かうに従い上方に延びる傾斜面である。第1摺動面64bにおける周方向に対する傾斜角度は、第1ガイド面59bにおける周方向に対する傾斜角度と同等になっている。
第2摺動面64cは、頂部64aから周方向の他方側に向かうに従い上方に延びる傾斜面である。第2摺動面64cにおける周方向に対する傾斜角度は、第2ガイド面59cにおける周方向に対する傾斜角度と同等になっている。但し、連係部61cは、可動壁部3に対する操作部5の回転に伴い、乗り越え突起59上を摺動する構成であればよい。
【0045】
図1に示すように、突出壁61dは、天壁61bのうち少なくとも内周開口部よりも前方に位置する部分から上方に突出している。
ヒンジ壁61fは、天壁61bのうち内周開口部よりも後方に位置する部分から上方に突出している。ヒンジ壁61fは、天壁61bの外周部分に沿って周方向に延びている。ヒンジ壁61fには、後方かつ上方に開放された収容凹部61gが形成されている。
【0046】
天壁61bのうち、収容凹部61g内に位置する部分には、露出孔63が形成されている。露出孔63は、筒部11の上端開口縁を露出させている。筒部11の上端開口縁のうち、露出孔63を通じて露出する部分には、第1凹凸部65が形成されている。図3図5に示すように、第1凹凸部65は、周方向の一方側に向かうに従い上方に延びる上向き傾斜面、及び周方向の一方側に向かうに従い下方に延びる下向き傾斜面が周方向に連続的に形成されて構成されている。
【0047】
図1に示すように、規制部材6は、収容凹部61g内において操作部5に対して上下動可能に保持されている。規制部材6は、上下片71aと、進入片71bと、を備えている。
上下片71aは、ヒンジ壁61fのうち収容凹部61gの前壁73を構成する部分に沿って上下方向に延びている。上下片71aは、リブ等を介して操作部5に対する周方向の移動が規制された状態で、上下方向に移動可能に構成されている。
【0048】
進入片71bは、上下片71aの下端部から後方に延びている。進入片71bは、露出孔63内に進入している。進入片71bの下面には、第2凹凸部75が形成されている。図5に示すように、第2凹凸部75は、周方向の一方側に向かうに従い上方に延びる上向き傾斜面、及び周方向の一方側に向かうに従い下方に延びる下向き傾斜面が周方向に連続的に形成されて構成されている。第2凹凸部75は、第1凹凸部65に噛み合っている。
【0049】
図1に示すように、蓋体7は、操作部5の後端部に回動可能に連結されている。具体的に、蓋体7は、蓋天壁81aと、脚部81bと、蓋周壁81cと、上昇規制部81dと、を備えている。
蓋天壁81aは、容器本体2の外径と同等の円板形状に形成されている。蓋天壁81aは、蓋体7の閉位置において、可動壁部3や操作部5を上方から覆っている。一方、蓋天壁81aは、蓋体7の開位置において、可動壁部3や操作部5の上方から退避する。
【0050】
脚部81bは、蓋天壁81aの後端部から下方に延びている。脚部81bは、収容凹部61g内において上下片71aよりも後方に位置する部分に収容されている。脚部81bは、ヒンジピン85を介してヒンジ壁61fに連結されている。ヒンジピン85は、径方向のうち前後方向に直交する方向(左右方向)に延びている。ヒンジピン85は、脚部81bを左右方向に貫通するとともに、ヒンジ壁61fのうち、収容凹部61gを間に挟んで左右方向で向かい合う部分に架け渡されている。これにより、蓋体7は、開位置及び閉位置の間を左右方向に沿う軸線回りに回動可能に操作部5に連結されている。なお、蓋体7は、例えば螺着等によって開閉が切り替えられる構成であってもよい。
【0051】
蓋周壁81cは、蓋天壁81aの外周縁から下方に延びている。蓋周壁81cは、蓋天壁81aの少なくとも前端部を含み、周方向に延びている。蓋周壁81cは、閉位置において、突出壁61dに径方向の外側から係合する。
【0052】
上昇規制部81dは、蓋天壁81aのうち脚部81bよりも前方に位置する部分から下方に突出している。上昇規制部81dは、蓋体7が閉位置にあるとき、上下片71aに上方から近接又は当接する。上昇規制部81dは、上下片71aが下方から当接することで、操作部5に対する規制部材6の上方移動を規制する。
【0053】
次に、ジャー容器1の使用方法について説明する。以下の説明において、収容空間S1及び移動空間S2には、内容物が充填されているものとする。
図1図5に示すように、蓋体7が閉位置にあるとき、規制部材6は上昇規制部81dによって操作部5に対する上方移動が規制されている。この状態において、回転筒61aを把持して操作部5を回転させようとしても、凹凸部65,75同士の噛み合いが維持されることで、容器本体2及び可動壁部3に対する操作部5の回転が規制されている。
【0054】
ジャー容器1から内容物を取り出すには、まず蓋体7を開位置に移行させる。具体的には、図1図6に示すように、蓋周壁81cの前端部を引き上げることで、蓋体7はヒンジピン85を支点として開方向に向けて回動する。これにより、可動壁部3や操作部5が開放される。また、規制部材6から上昇規制部81dが退避することで、操作部5に対する規制部材6の上下動が許容される。すなわち、操作部5を例えば周方向の一方側に向けて回転させると、図5に示すように、規制部材6は凹凸部65,75間に作用する摩擦力と、規制部材6の自重によって容器本体2に対して上下動する。これにより、操作部5の回転が規制部材6によって阻害されない。
【0055】
図6図8に示すように、操作部5を例えば周方向の一方側に向けて回転させると、操作部5は、容器本体2及び可動壁部3に対する上方移動が規制された状態で、容器本体2及び可動壁部3に対して回転する。操作部5が回転すると、連係部61cが乗り越え突起59を乗り越えながら、キャップ凹部58内を周方向の一方側に移動する。本実施形態では、連係部61cの頂部64aが乗り越え突起59の頂部59aに到達する過程で収容空間S1内が加圧されることで、内容物を注出する(注出工程)。一方、連係部61cが乗り越え突起59の頂部59aを乗り越えた後、谷部58a内に進入する過程で収容空間S1内が減圧されることで、収容空間S1が減容する(減容工程)。
【0056】
注出工程では、連係部61cの第1摺動面64bと乗り越え突起59の第1ガイド面59bとが互いに摺動しながら、連係部61cが乗り越え突起59に対して周方向の一方側に移動する。これにより、連係部61cは、乗り越え突起59を介して注出キャップ42を押し下げる。すると、連結片42c及び弾性壁41bが弾性変形することで、可動壁部3及び逆止弁4が下方に弾性変位する。可動壁部3及び逆止弁4が下方に弾性変位することで、収容空間S1内が加圧される。なお、注出キャップ42等を介して可動壁部3を直接押下して、可動壁部3を弾性変位させてもよい。
【0057】
収容空間S1内が加圧されると、収容空間S1内の内容物によって逆止弁4が押し上げられ、連通口41fが開放される。これにより、収容空間S1内の内容物が連通口41fを通じて移動空間S2内に流入する。その結果、移動空間S2内が加圧され、開閉弁55を開弁させる。その結果、移動空間S2内の内容物が取出口52aを通じてキャップ頂壁52上に供給される。この状態で、利用者は、キャップ頂壁52上に供給された内容物を指等で掬い取ることで、内容物を取り出すことができる。なお、連係部61cの頂部64aに到達することで、可動壁部3が最下端位置に到達する。これにより、逆止弁4がベース板41cに着座し、連通口41fが再び逆止弁4によって遮断される。
【0058】
減容工程では、連係部61cの頂部64aが乗り越え突起59の頂部59aを乗り越えて周方向の一方側に移動することで、可動壁部3は連結片42c及び弾性壁41bの復元力によって上方に復元変位する。可動壁部3が上方に復元変位することで、収容空間S1内が減圧される。これにより、図9に示すように、中皿12が筒部11の内周面上を上方に摺動することで、収容空間S1が減容される。なお、可動壁部3が上方に復元変位する過程において、連係部61cは、連係部61cの第2摺動面64cと乗り越え突起59の第2ガイド面59cとが互いに摺動しながら、谷部58a内に進入する。
【0059】
本実施形態のジャー容器1では、上述した動作を繰り返すことで、連続的に内容物を取り出すことが可能である。内容物の取り出し後、蓋体7を閉位置に移行させる。具体的には、蓋体7がヒンジピン85を支点にして開方向に回動することで、可動壁部3や操作部5が蓋体7によって上方から覆われる。なお、本実施形態のジャー容器1では、操作部5を周方向の一方側及び他方側の何れの方向に回転させても、同様の作用が生じ、内容物を取り出すことができる。
【0060】
このように、本実施形態では、筒部11の上端開口部11aを閉塞するとともに、容器本体2に対して上下方向に弾性変位可能に設けられた可動壁部3と、容器本体2に対する上下方向の移動が規制された状態で、容器本体2に対して回転可能に設けられた操作部5と、を備えている構成とした。可動壁部3には、周方向の一方側に向かうに従い上方に延びる第1ガイド面59b、及び周方向の一方側に向かうに従い下方に延びる第2ガイド面59cが形成され、操作部5には、可動壁部3と操作部5との相対回転に伴い第1ガイド面59b及び第2ガイド面59cに摺動する連係部61cが形成されている。
この構成によれば、操作部5の回転に伴い連係部61cが周方向に移動することで、連係部61cがガイド面59b,59c上を摺動する。これにより、連係部61c及びガイド面59b,59cを介して可動壁部3が押し込まれることで、操作部5の回転に伴い可動壁部3を下方に弾性変位させることができる。これにより、収容空間S1内が加圧され、逆止弁4が開弁することで、収容空間S1内の内容物が連通口41fを通じて容器本体2の外部に供給される。一方、逆止弁4が閉弁した状態で、可動壁部3が上方に復元変位することで、収容空間S1内が減圧される。これにより、収容空間S1内が減容する。すなわち、本実施形態のジャー容器1では、操作部5を回転操作するだけで、連通口41fを通じて内容物が供給されるため、収容空間S1内に指等を挿し入れることなく、内容物を取り出すことができる。これにより、内容物の衛生状態を長期に亘って維持できる。
特に、本実施形態では、可動壁部3の弾性変位に伴い、収容空間S1自体を直接加圧して内容物を取り出すため、従来のようにシリンダや、シリンダ内に付勢状態で配設されたピストン等を有するポンプを設ける必要がない。そのため、構成の簡素化や上下方向での小型化を図ることができる。
【0061】
本実施形態のジャー容器1は、蓋体7が閉位置にあるとき可動壁部3に対する操作部5の周方向の回転を規制し、蓋体7が開位置にあるとき可動壁部3に対する操作部5の周方向の回転を許容する規制部材6を備える構成とした。
この構成によれば、蓋体7が閉位置にあるとき、操作部5が不意に回転するのを抑制できる。これにより、蓋体7が閉位置にあるとき、連通口41fを通じて内容物が外部に供給されるのを抑制し、内容物の漏れ等を抑制できる。
【0062】
本実施形態のジャー容器1は、底部材13の回動片13cが係合位置にある状態で底部材13が筒部11に装着される際、下端開口部11bを通じて筒部11の内側に中皿12が嵌め込まれるとともに、筒部11によって回動片13cが係合位置から離脱位置まで押し込まれる構成とした。
この構成によれば、中皿12と底部材13とを底モジュール30としてプリアッセンブリできるため、充填前の搬送時等においては、中皿12が底部材13から離脱するのを抑制できる。また、底モジュール30と筒部11との組み付けに伴い、中皿12を底部材13から離脱させ、筒部11に嵌め込むことができる。これにより、充填の容易性やセット性を向上させ、製造効率の向上を図ることができる。
しかも、本実施形態のジャー容器1では、複数の回動片13cによって径方向の外側から軸線Oに向けて中皿12を保持することで、中皿12を底部材13と同軸上に仮保持し易くなる。そのため、底モジュール30と筒部11との組付性をより向上させることができる。
【0063】
本実施形態のジャー容器1は、逆止弁4を上方から覆って逆止弁4の移動空間S2を形成するとともに、移動空間S2の内外を連通させる取出口52aを有するキャップ頂壁52を備える構成とした。
この構成によれば、連通口41fから流出した内容物が移動空間S2内に貯留されるため、内容物の漏れ等を抑制できる。
【0064】
本実施形態において、取出口52aには取出口52aを開閉する開閉弁55が設けられている構成とした。
この構成によれば、移動空間S2内に貯留された内容物が空気に触れにくくなる。そのため、内容物の酸化や揮発等を抑制し、内容物の衛生状態を長期に亘って維持できる。
【0065】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
例えば、上述した実施形態では、収容空間S1が減容する構成として中皿12が上昇する構成を例にして説明したが、この構成に限られない。例えば、容器本体2を、外容器及び内容器を有する二重容器(デラミ容器)としてもよい。この場合、内容器の内側が収容空間を構成し、内容物の減少に伴い、内容器が外容器に対して減容してもよい。
また、中皿12と底部材13とは、筒部11に別々で組み付けてもよい。
【0066】
上述した実施形態では、操作部5に連係部61cが設けられ、可動壁部3に乗り越え突起59(ガイド面59b,59c)が設けられた構成について説明したが、この構成に限られない。連係部が可動壁部に設けられ、乗り越え突起が操作部に設けられていてもよい。
上述した実施形態では、連係部61c及び乗り越え突起59が径方向で向かい合う位置に設けられている構成について説明したが、この構成に限られない。連係部61c及び乗り越え突起59は、周方向に等間隔に配置されていれば、3つ以上であってもよい。また、連係部61c及び乗り越え突起59は、1つであってもよい。
上述した実施形態では、規制部材6と容器本体2との凹凸部65,75の噛み合いにより、可動壁部3に対する操作部5の回転を規制する構成について説明したが、この構成に限られない。例えば、平坦面同士を押し付け合うことで回転を規制してもよく、穴にピン等が挿入されることで回転を規制してもよい。
上述した実施形態では、容器本体2に形成された第1凹凸部65を介して可動壁部3に対する操作部5の回転が規制された構成について説明したが、凹凸部は可動壁部3に形成されていてもよい。
上述した実施形態では、規制部材6が蓋体7と別体で形成された構成について説明したが、規制部材6は蓋体7と一体に組み付けられていてもよい。
【0067】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0068】
1:ジャー容器
2:容器本体
3:可動壁部
4:逆止弁
5:操作部
6:規制部材
7:蓋体
11:筒部
11a:上端開口部
11b:下端開口部
12:中皿
13:底部材
13c:回動片
41f:連通口
52:キャップ頂壁(頂壁)
52a:取出口
55:開閉弁
59b:第1ガイド面
59c:第2ガイド面
61c:連係部
O:軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9