特開 2022-116779 組立式什器

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2022116779

(43)【公開日】2022-08-10

(54)【発明の名称】組立式什器

(51)【国際特許分類】

   A47C 17/52 20060101AFI20220803BHJP

【ＦＩ】

A47C17/52

【審査請求】未請求

【請求項の数】7

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2021013131

(22)【出願日】2021-01-29

(71)【出願人】

【識別番号】505356376

【氏名又は名称】株式会社チョウドウ

(74)【代理人】

【識別番号】100092897

【弁理士】

【氏名又は名称】大西 正悟

(74)【代理人】

【識別番号】100157417

【弁理士】

【氏名又は名称】並木 敏章

(74)【代理人】

【識別番号】100218095

【弁理士】

【氏名又は名称】山崎 一夫

(72)【発明者】

【氏名】鮫島 幸夫

(72)【発明者】

【氏名】原田 ゆみこ

(57)【要約】

【課題】組立てが容易で汎用性の高い組立式什器を提供する。
【解決手段】組立式什器２００は、平面視長方形の板状部７０及び板状部７０Ａの下面に前後左右に間隔を置いて設けられた複数の係止部７２を有するパネル部材７０Ａと、パネル部材７０Ａの係止部７２に係止されてパネル部材７０Ａを支持する弾性を有する４個のフレーム部材５０Ｅ，５０Ｆ，５０Ｇ，５０Ｈとを備え、災害発生時に避難所等において組立て可能な簡易ベッドとして使用される。筋交い部材８０Ａ，８０Ｂ，８０Ｃ，８０Ｄが、フレーム部材５０Ｅ，５０Ｆ，５０Ｇ，５０Ｈにそれぞれ取り付けられており、組立式什器２００の使用時における振れ止めとして機能する。
【選択図】図１２

【特許請求の範囲】

【請求項1】

略上下に延びる前後左右の脚部と、前記脚部の下部間を互いに略平行に前後に結合する一対の下部連結部と、前記脚部の上部間を互いに略平行に左右に結合する一対の上部連結部とを有して構成される弾性を有するフレーム部材と、
前記フレーム部材の上部に載置可能な板状部と、前記板状部の下面に前後左右に間隔を置いて設けられた複数の係止部とを有して構成されるパネル部材と、を備え、
前記フレーム部材の前記一対の上部連結部をそれぞれ前記パネル部材の別々の前記係止部に係止させることにより、前記フレーム部材を前記パネル部材に取り付け、
前記フレーム部材により前記パネル部材を支持可能に構成されることを特徴とする組立式什器。

【請求項2】

左右の前記脚部の一方の上部と他方の下部とを斜めに繋ぐ棒状の筋交い部材を備えることを特徴とする請求項１に記載の組立式什器。

【請求項3】

前記筋交い部材の両端部に、前記脚部と嵌合して結合可能な溝状の結合部が設けられることを特徴とする請求項２に記載の組立式什器。

【請求項4】

前記フレーム部材は、前記一対の上部連結部間の距離が短くなるか又は長くなるように前記前後左右の脚部を弾性変形させた状態で前記一対の上部連結部をそれぞれ前記パネル部材の別々の前記係止部に係止させることにより、前記パネル部材に取り付け可能 に構成されることを特徴とする請求項１～３のいずれかに記載の組立式什器。

【請求項5】

前記係止部は、前記板状部の下面から下方に突出して下方に向かうほど径が大きくなる円錐台状に形成され、
前記上部連結部は、前記係止部の外側面と前記板状部の下面との間に係止されることを特徴とする請求項４に記載の組立式什器。

【請求項6】

前記係止部は、前記外側面がゴム材料で形成されることを特徴とする請求項５に記載の組立式什器。

【請求項7】

１つの前記パネル部材に複数の前記フレーム部材を取り付け、ベッドとして使用することを特徴とする請求項１～６のいずれか一項に記載の組立式什器。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、例えば、災害発生時における避難所等で使用される組立式什器に関する。

【背景技術】

【0002】

台風や地震、火災等の災害発生時に避難所として使用される体育館等の施設において、多くの被災者が避難生活を余儀なくされることがある。避難生活が長びくと、被災者の肉体的、精神的な負担も大きくなる。特に、避難所の床に薄いシート等を直接敷いてその上で寝泊まりするような避難生活となる場合、被災者に過度の負担を強いることになる。

【0003】

そこで、避難生活において使用される組立式の簡易ベッドが準備されることも増えている。このような簡易ベッドは、普段は倉庫等に保管しておき、災害発生時に避難所に搬送し組み立てて使用することが想定されており、保管時に嵩張らないことや、軽量で運び易いことが重視されている。従来、保管性や運搬性を考慮して、段ボールパネルを用いた組立式ベッドが提案されている（例えば、特許文献１を参照）。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0004】

【特許文献1】登録実用新案第３２２９６６０号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

しかし、段ボールパネルを用いた組立式ベッドは、構成部品の種類が多かったり組立て方が複雑だったりして組立てに時間を要するという課題がある。また、ベッド以外の用途が限られ汎用性が低いという課題もある。

【0006】

本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、組立てが容易で汎用性の高い組立式什器を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0007】

上記課題を解決するため、本発明に係る組立式什器は、略上下に延びる前後左右の脚部と、前記脚部の下部間を互いに略平行に前後に結合する一対の下部連結部（例えば、実施形態における左側下部連結部１３及び右側下部連結部２３）と、前記脚部の上部間を互いに略平行に左右に結合する一対の上部連結部（例えば、実施形態における前上部連結部３１及び後上部連結部４１）とを有して構成される弾性を有するフレーム部材と、前記フレーム部材の上部に載置可能な板状部と、前記板状部の下面に前後左右に間隔を置いて設けられた複数の係止部とを有して構成されるパネル部材と、を備え、前記フレーム部材の前記一対の上部連結部をそれぞれ前記パネル部材の別々の前記係止部に係止させることにより、前記フレーム部材を前記パネル部材に取り付け、前記フレーム部材により前記パネル部材を支持可能に構成される。

【0008】

本発明に係る組立式什器において、好ましくは、左右の前記脚部の一方の上部と他方の下部とを斜めに繋ぐ棒状の筋交い部材を備える。その場合、好ましくは、前記筋交い部材の両端部に、前記脚部と嵌合して結合可能な溝状の結合部が設けられる。

【0009】

また、本発明に係る組立式什器において、好ましくは、前記フレーム部材は、前記一対の上部連結部間の距離が短くなるか又は長くなるように前記前後左右の脚部を弾性変形させた状態で前記一対の上部連結部をそれぞれ前記パネル部材の別々の前記係止部に係止さ
せることにより、前記パネル部材に取り付け可能に構成される。

【0010】

その場合、好ましくは、前記係止部は、前記板状部の下面から下方に突出して下方に向かうほど径が大きくなる円錐台状に形成され、前記上部連結部は、前記係止部の外側面と前記板状部の下面との間に係止される。さらに、好ましくは、前記外側面がゴム材料で形成される。

【0011】

また、本発明に係る組立式什器において、好ましくは、１つの前記パネル部材に複数の前記フレーム部材を取り付け、ベッドとして使用する。

【発明の効果】

【0012】

本発明に係る組立式什器によれば、フレーム部材の一対の上部連結部をそれぞれパネル部材の別々の係止部に係止させてフレーム部材をパネル部材に取り付け、フレーム部材によりパネル部材を支持することによって容易に組み立てることができるので、組立ての作業性がよい。また、パネル部材に取り付けるフレーム部材の数や取付位置、組合せ方等を調整することによって、机、椅子、ベンチ、棚等の様々な態様で用いることができるので、用途が広く汎用性が高い。

【0013】

また、本発明に係る組立式什器によれば、左右の前記脚部の一方の上部と他方の下部とを斜めに繋ぐ棒状の筋交い部材を備えることで、組立て後の強度を高めることができるとともに、使用時の揺れを抑制することが可能となる。さらに、筋交い部材の両端部に、フレーム部材の脚部と嵌合して結合可能な溝状の結合部を設けることで、フレーム部材への筋交い部材の取付け及び取外しを容易に行うことが可能となる。

【0014】

また、本発明に係る組立式什器によれば、フレーム部材の一対の上部連結部間の距離が短くなるか又は長くなるように前後左右の脚部を弾性変形させた状態で一対の上部連結部をそれぞれパネル部材の別々の係止部に係止させるように構成することで、パネル部材へのフレーム部材の取付け及び取り外しを容易に行うことが可能となる。

【0015】

また、本発明に係る組立式什器によれば、パネル部材の板状部の下面から下方に突出して下方に向かうほど径が大きくなる円錐台状に係止部を形成し、係止部の外側面と板状部の下面との間にフレーム部材の上部連結部を係止するように構成することで、パネル部材へのフレーム部材の取付け及び取外しをより容易に行うことが可能となる。さらに、係止部の外側面をゴム材料で形成することで、パネル部材へのフレーム部材の取付け時及び取外し時にフレーム部材が損傷することを防止することが可能となる。

【0016】

また、本発明に係る組立式什器によれば、１つのパネル部材に複数のフレーム部材を取り付けベッドとして使用することで、災害発生時における避難所等で非常用の簡易ベッドとして有効活用することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【0017】

【図1】本発明に係る組立式什器のフレーム部材を示す斜視図である。

【図2】上記フレーム部材を示す図で、（ａ）はその平面図、（ｂ）はその正面図、（ｃ）はその右側面図である。

【図3】上記フレーム部材を構成する右側脚部材を示す図で、（ａ）はその平面図、（ｂ）はその正面図、（ｃ）はその右側面図である。

【図4】上記フレーム部材を構成する上部連結部材を示す図で、（ａ）はその後上部連結部材、（ｂ）はその前上部連結部材を示す。

【図5】上記フレーム部材を３段に積み重ねた状態の斜視図である。

【図6】上記フレーム部材を２個重ねて収納した状態の斜視図である。

【図7】上記フレーム部材の使用例を示す斜視図である。

【図8】本発明の第１実施形態に係る組立式什器を示す斜視図である。

【図9】上記第１実施形態に係る組立式什器を示す図で、（ａ）はその平面図、（ｂ）はその正面図、（ｃ）はその右側面図である。

【図10】上記第１実施形態に係る組立式什器のフレーム部材をパネル部材に取り付ける手順を説明するための図で、（ａ）はフレーム部材をパネル部材に取り付ける直前の状態を示し、（ｂ）はフレーム部材をパネル部材に取り付けた後の状態を示す。

【図11】上記第１実施形態に係る組立式什器の筋交い部材を示す図で、（ａ）はその平面図、（ｂ）はその正面図、（ｃ）はその結合部の拡大斜視図である。

【図12】本発明の第２実施形態に係る組立式什器を示す斜視図である。

【図13】上記第２実施形態に係る組立式什器のパネル部材を示す底面図である。

【図14】本発明の第３実施形態に係る組立式什器を示す斜視図である。

【図15】本発明の第４実施形態に係る組立式什器を示す斜視図である。

【図16】本発明の第５実施形態に係る組立式什器を示す斜視図である。

【図17】本発明の第６実施形態に係る組立式什器を示す斜視図である。

【発明を実施するための形態】

【0018】

以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。図１～図４に本発明に係る組立式什器で用いるフレーム部材の一実施形態を示しており、まず、これらの図を参照してフレーム部材の構成について概要説明する。

【0019】

図示したフレーム部材５０は、例えば、金属、ＦＲＰといった弾性変形可能な（脆くない）ものを材質としており、図３に示すような左側脚部材１及び右側脚部材２並びに図４に示すような前上部連結部材３及び後上部連結部材４からなる複数のパイプ部材が接合されて一体形成される。

【0020】

フレーム部材５０は左前脚部１１、左後脚部１２、右前脚部２１及び右後脚部２２からなる略上下に延びる前後左右の４本の脚部を有している。また、左前脚部１１の下端部及び左後脚部１２の下端部同士は、略水平の左側下部連結部１３によって前後に一体結合され、同様に、右前脚部２１の下端部及び右後脚部２２の下端部同士は、略水平の右側下部連結部２３によって前後に一体結合される。すなわち、左前脚部１１及び左後脚部１２の下端部は略Ｌ字形に曲げられて左側下部連結部１３に一体に繋がり、右前脚部２１及び右後脚部２２の下端部は略Ｌ字形に曲げられて右側下部連結部２３に一体に繋がる。

【0021】

なお、左前脚部１１、左後脚部１２、右前脚部２１及び右後脚部２２の高さは、いずれもいずれも４３０ｍｍ程度であるが、必ずしもこのような寸法に限定されるわけではない。また、左前脚部１１右前脚部２１間の長さ、及び左後脚部１２右後脚部２２間の長さは、いずれも５７０ｍｍ程度であるが、必ずしもこのような寸法に限定されるわけではない。

【0022】

図３に示すように、左側脚部材１は、左前脚部１１、左後脚部１２、左前脚部１１左後脚部１２間を連結する左側下部連結部１３を有するほか、各脚部１１，１２の上端部がＬ字形に曲げられて各々右方に延びる左前接合部１４及び左後接合部１５が形成されている。同様に、右側脚部材２は、右前脚部２１、右後脚部２２、右前脚部２１右後脚部２２間を連結する右側下部連結部２３を有するほか、各脚部２１，２２の上端部がＬ字形に曲げられて各々左方に延びる右前接合部２４及び右後接合部２５が形成されている。

【0023】

なお、左側脚部材１及び右側脚部材２の直径は、いずれも１０ｍｍ程度であるが、必ずしもこのような寸法に限定されるわけではない。また、左側下部連結部１３の長さ及び右側下部連結部２３の長さは、いずれも３０５ｍｍ程度であるが、必ずしもこのような寸法
に限定されるわけではない。さらに、左前接合部１４、左後接合部１５、右前接合部２４及び右後接合部２５の長さは、いずれも１０９ｍｍ程度であるが、必ずしもこのような寸法に限定されるわけではない。

【0024】

左前脚部１１及び左後脚部１２の上端部間の長さは、左前脚部１１及び左後脚部１２の下端部間の長さ（左側下部連結部１３の長さに相当する）よりも長くなっている。すなわち、左前脚部１１及び左後脚部１２は、下方に向うにつれて互いの距離が短くなるように斜めに延びている（図３（ｃ）を参照）。同様に、右前脚部２１及び右後脚部２２の上端部間の長さは、右前脚部２１及び右後脚部２２の下端部間の長さ（右側下部連結部２３の長さに相当する）よりも長くなっている。すなわち、右前脚部２１及び右後脚部２２は、下方に向うにつれて互いの距離が短くなるように斜めに延びている（図３（ｃ）を参照）。

【0025】

このように、各脚部１１，１２，２１，２２が斜め下方に延びていることで、フレーム部材を他のフレーム部材に載置した場合に、他のフレーム部材の後述する挟持部により挟持され易く、フレーム部材を他のフレーム部材にしっかりと固定することが可能である。

【0026】

なお、左前脚部１１及び左後脚部１２の上端部間の長さは、３３０ｍｍ程度であるが、必ずしもこのような寸法に限定されるわけではない。同様に、右前脚部２１及び右後脚部２２の上端部間の長さは、３３０ｍｍ程度であるが、必ずしもこのような寸法に限定されるわけではない。

【0027】

図４（ｂ）に示すように、前上部連結部材３は、左右に延びる前上部連結部３１の両端部が各々Ｌ字形に曲げられて前方に延びる左前横挟持部３２、右前横挟持部３３と、左前横挟持部３２部がさらにＬ字形に曲げられて右方に延びる左前前方挟持部３４と、右前横挟持部３３がさらにＬ字形に曲げられて左方に延びる右前前方挟持部３５とを有している。また、図４（ａ）に示すように後上部連結部材４は、左右に延びる後上部連結部４１の両端部が各々Ｌ字形に曲げられて後方に延びる左後横挟持部４２、右後横挟持部４３と、左後横挟持部４２がさらにＬ字形に曲げられて右方に延びる左後後方挟持部４４と、右後横挟持部４３がさらにＬ字形に曲げられて左方に延びる右後後方挟持部４５とを有している。

【0028】

なお、前上部連結部材３及び後上部連結部材４の直径は、いずれも８ｍｍ程度であるが、必ずしもこのような寸法に限定されるわけではない。また、前上部連結部３１及び後上部連結部４１の長さは、いずれも５４５ｍｍ程度で、左前横挟持部３２、右前横挟持部３３、左後横挟持部４２、右後横挟持部４３の長さは、いずれも１０３ｍｍ程度であり、左前前方挟持部３４、右前前方挟持部３５、左後後方挟持部４４、右後後方挟持部４５の長さは、いずれも９５ｍｍ程度であるが、必ずしもこのような寸法に限定されるわけではない。

【0029】

１個のフレーム部材５０は、上記のような、左側脚部材１、右側脚部材２、前上部連結部材３及び後上部連結部材４は接合されてこれらが一体化したもので構成される。フレーム部材５０においては、左側脚部材１の左前接合部１４及び前上部連結部材３の左前前方挟持部３４が接合され、左側脚部材１の左後接合部１５及び後上部連結部材４の左後後方挟持部４４が接合されている。また、右側脚部材２の右前接合部２４及び前上部連結部材３の右前前方挟持部３５が接合され、右側脚部材２の右後接合部２５及び後上部連結部材４の右後後方挟持部４５が接合されている。

【0030】

なお、フレーム部材５０においては、左側脚部材１の左前接合部１４の上部に前上部連結部材３の左前前方挟持部３４が接合され、左側脚部材１の左後接合部１５の上部に後上
部連結部材４の左後後方挟持部４４が接合され、右側脚部材２の右前接合部２４の上部に前上部連結部材３の右前前方挟持部３５が接合され、右側脚部材２の右後接合部２５の上部に後上部連結部材４の右後後方挟持部４５が接合されているが、これに限定されるものではない。例えば、左側脚部材１の左前接合部１４の下部に前上部連結部材３の左前前方挟持部３４を接合し、左側脚部材１の左後接合部１５の下部に後上部連結部材４の左後後方挟持部４４を接合し、右側脚部材２の右前接合部２４の下部に前上部連結部材３の右前前方挟持部３５を接合し、右側脚部材２の右後接合部２５の下部に後上部連結部材４の右後後方挟持部４５を接合してもよい。

【0031】

また、フレーム部材５０においては、左側脚部材１の左前接合部１４の先端面と前上部連結部材３の左前前方挟持部３４の先端面との左右方向の位置が揃っており、左側脚部材１の左後接合部１５の先端面と後上部連結部材４の左後後方挟持部４４の先端面との左右方向の位置が揃っており、右側脚部材２の右前接合部２４の先端面と前上部連結部材３の右前前方挟持部３５の先端面との左右方向の位置が揃っており、右側脚部材２の右後接合部２５の先端面と後上部連結部材４の右後後方挟持部４５の先端面との左右方向の位置が揃っているが、これに限定されるものではない。例えば、左側脚部材１の左前接合部１４の先端面が前上部連結部材３の左前前方挟持部３４の先端面よりも右方に延び出た位置にあり、左側脚部材１の左後接合部１５の先端面が後上部連結部材４の左後後方挟持部４４の先端面よりも右方に延び出た位置にあり、右側脚部材２の右前接合部２４の先端面が前上部連結部材３の右前前方挟持部３５の先端面よりも左方に延び出た位置にあり、右側脚部材２の右後接合部２５の先端面が後上部連結部材４の右後後方挟持部４５の先端面よりも左方に延び出た位置にあるようにしてもよい。或いは、前上部連結部材３の左前前方挟持部３４の先端面が左側脚部材１の左前接合部１４の先端面よりも右方に延び出た位置にあり、後上部連結部材４の左後後方挟持部４４の先端面が左側脚部材１の左後接合部１５の先端面よりも右方に延び出た位置にあり、前上部連結部材３の右前前方挟持部３５の先端面が右側脚部材２の右前接合部２４の先端面よりも左方に延び出た位置にあり、後上部連結部材４の右後後方挟持部４５の先端面が右側脚部材２の右後接合部２５の先端面よりも左方に延び出た位置にあるようにしてもよい。

【0032】

前上部連結部材３は、その左前横挟持部３２及び右前横挟持部３３が略水平になるように左側脚部材１及び右側脚部材２に対して接合されているわけではなく、前上部連結部３１が左前前方挟持部３４及び右前前方挟持部３５に対して低くなるように、左前横挟持部３２及び右前横挟持部３３が斜めに傾いている（図２（ｃ）参照）。同様に、後上部連結部材４は後上部連結部４１が左後後方挟持部４４及び右後後方挟持部４５に対して低くなるように、左後横挟持部４２及び右後横挟持部４３が斜めに傾いている（図２（ｃ）を参照）。

【0033】

なお、左前脚部１１及び左前横挟持部３２のなす角度並びに右前脚部２１及び右前横挟持部３３のなす角度はいずれも５５°程度であるが、必ずしもこの角度に限定されるわけではない。また、左後脚部１２及び左後横挟持部４２のなす角度並びに右後脚部２２及び右後横挟持部４３のなす角度はいずれも５５°程度であるが、必ずしもこの角度に限定されるわけではない。

【0034】

以上のように構成されるフレーム部材５０は、左前脚部１１右前脚部２１間の距離及び左後脚部１２右後脚部２２間の距離が各々短くなる方向に（左側下部連結部１３及び右側下部連結部２３間の距離が短くなる方向に）、すなわち、図２（ｂ）において矢印Ａ方向に、左前脚部１１、右前脚部２１、左後脚部１２及び右後脚部２２を弾性変形させることが可能である。また、フレーム部材５０は、前上部連結部３１後上部連結部４１間の距離が長くなる方向に、すなわち、図２（ｃ）において矢印Ｂ方向に、左前脚部１１、右前脚部２１、左後脚部１２及び右後脚部２２を弾性変形させることが可能である。

【0035】

次に、図５～図７を追加参照して、フレーム部材５０の機能及び使用例について説明する。なお、以下の説明における下段フレーム部材５０Ａ、中段フレーム部材５０Ｂ、上段フレーム部材５０Ｃは、いずれもフレーム部材５０と同一の形状、構造を有している。

【0036】

図５は、下段フレーム部材５０Ａの上に中段フレーム部材５０Ｂを載置して積み重ね、さらに中段フレーム部材５０Ｂの上に上段フレーム部材５０Ｃを載置して積み重ねた状態を示している。下段フレーム部材５０Ａの上に中段フレーム部材５０Ｂを積み重ねるのには、床面上に置かれた下段フレーム部材５０Ａの左前脚部１１、右前脚部２１、左後脚部１２及び右後脚部２２を矢印Ｂ方向に弾性変形させ、中段フレーム部材５０Ｂを下段フレーム部材５０と同じ向きにした状態で、中段フレーム部材５０Ｂの左側下部連結部１３及び右側下部連結部２３を下段フレーム部材５０Ａの前上部連結部３１及び後上部連結部４１の上に架け渡すようにする。

【0037】

このとき、中段フレーム部材５０Ｂの左前脚部１１、右前脚部２１、左後脚部１２及び右後脚部２２を矢印Ａ方向（図２（ｂ）を参照）を弾性変形させた状態で、中段フレーム部材５０Ｂの左前脚部１１、右前脚部２１、左後脚部１２及び右後脚部２２を、各々下段フレーム部材５０Ａの左前横挟持部３２、右前横挟持部３３、左後横挟持部４２及び右後横挟持部４３の内側に当接させ、中段フレーム部材５０Ｂの左側下部連結部１３を下段フレーム部材５０Ａの左前横挟持部３２及び左後横挟持部４２に当接させ、中段フレーム部材５０Ｂの右側下部連結部２３を下段フレーム部材５０Ａの右前横挟持部３３及び右後横挟持部４３の内側に当接させるようにする。

【0038】

また、下段フレーム部材５０Ａの左前脚部１１、右前脚部２１、左後脚部１２及び右後脚部２２を矢印Ｂ方向（図２（ｃ）を参照）に弾性変形させた状態で、中段フレーム部材５０Ｂの左前脚部１１、右前脚部２１、左後脚部１２及び右後脚部２２を、各々下段フレーム部材５０Ａの左前前方挟持部３４、右前前方挟持部３５、左後後方挟持部４４及び右後後方挟持部４５の内側に当接させるようにする。

【0039】

下段フレーム部材５０Ａの上に中段フレーム部材５０Ｂが載置された状態では、中段フレーム部材５０Ｂの左前脚部１１、右前脚部２１、左後脚部１２及び右後脚部２２に当接する下段フレーム部材５０Ａの左前横挟持部３２、右前横挟持部３３、左後横挟持部４２及び右後横挟持部４３によって、中段フレーム部材５０Ｂの左前脚部１１と右前脚部２１との間及び左後脚部１２と右後脚部２２との間が広がらないように中段フレーム部材５０Ｂが挟持され、中段フレーム部材５０Ｂが下段フレーム部材５０Ａに対し左右方向に移動しないように固定される。

【0040】

また、下段フレーム部材５０Ａの上に中段フレーム部材５０Ｂが載置された状態では、中段フレーム部材５０Ｂの左前脚部１１、右前脚部２１、左後脚部１２及び右後脚部２２に当接する下段フレーム部材５０Ａの左前前方挟持部３４、左後後方挟持部４４、右前前方挟持部３５及び右後後方挟持部４５によって中段フレーム部材５０Ｂが前後方向に挟持され、中段フレーム部材５０Ｂが下段フレーム部材５０Ａに対し前後方向に移動しないように固定される。このようにして、下段フレーム部材５０Ａの上に積み重ねされた中段フレーム部材５０Ｂが下段フレーム５０Ａから落ちないように固定される。

【0041】

なお、左前横挟持部３２が平面視において左側脚部材１に対して右前横挟持部３３の側にオフセットした状態で、左前接合部１４及び左前前方挟持部３４が接合されている（図２（ａ），（ｂ）を参照）。同様に、右前横挟持部３３が平面視において右側脚部材２に対して左前横挟持部３２の側にオフセットした状態で、右前接合部２４及び右前前方挟持部３５が接合されている（図２（ａ），（ｂ）を参照）。また、左後横挟持部４２が平面
視において左側脚部材１に対して右後横挟持部４３の側にオフセットした状態で、左後接合部１５及び左後後方挟持部４４が接合されている。さらに、右後横挟持部４３が平面視において右側脚部材２に対して左後横挟持部４２の側にオフセットした状態で、右後接合部２５及び右後後方挟持部４５が接合されている。

【0042】

このような、左前横挟持部３２、右前横挟持部３３、左後横挟持部４２及び右後横挟持部４３のオフセット構造により、下段フレーム部材５０Ａの上に中段フレーム部材５０Ｂを載置した場合に、中段フレーム部材５０Ｂの左前脚部１１、右前脚部２１、左後脚部１２及び右後脚部２２の図２（ｂ）における矢印Ａ方向への弾性変形が保持された状態で、下段フレーム部材５０Ａが中段フレーム部材５０Ｂを挟持することができるような構成になっている。オフセットの長さは、各々１４ｍｍ程度であるが、必ずしもこの長さに限られるわけではない。中段フレーム部材５０Ｂの上に上段フレーム部材５０Ｃを載置して積み重ねる場合も、上述と同様に行うことができる。なお、積み重ねられた下段フレーム部材５０Ａと中段フレーム部材５０Ｂ及び／又は中段フレーム部材５０Ｂと上段フレーム部材５０Ｃを、連結具６１（図５を参照）を介して連結するようにしてもよい。連結することにより、中段フレーム部材５０Ｂや上段フレーム部材５０Ｃが落下することを確実に防止することができる。なお、図示した連結具６１はカラビナと称されるリング状のものであるが、このような態様に限定されるものではなく、針金や結束バンド等で連結するようにしてもよい。

【0043】

上記のようにして下段フレーム部材５０Ａの上に積み重ねた中段フレーム部材５０Ｂは、簡単に下段フレーム部材５０Ａから取り外すことが可能である。すなわち、下段フレーム部材５０Ａによって中段フレーム部材５０Ｂが固定されている状態から、中段フレーム部材５０Ｂの左前脚部１１、右前脚部２１、左後脚部１２及び右後脚部２２を図２（ｂ）における矢印Ａ方向に弾性変形させ、下段フレーム部材５０の左前脚部１１、右前脚部２１、左後脚部１２及び右後脚部２２を図２（ｃ）における矢印Ｂ方向に弾性変形させて、中段フレーム部材５０Ｂを下段フレーム部材５０Ａから抜き上げれば、中段フレーム部材５０Ｂを下段フレーム部材５０Ａから取り外すことができる。中段フレーム部材５０Ｂから上段フレーム部材５０Ｃを取り外す場合も同様である。

【0044】

図６に示すように、下段フレーム部材５０Ａに中段フレーム部材５０Ｂを被せるように重ねて収納することができる。すなわち、中段フレーム部材５０Ｂの左前脚部１１、右前脚部２１、左後脚部１２及び右後脚部２２を図２（ｂ）における矢印Ａ方向とは逆方向（左側下部連結部１３と右側下部連結部２３とが互いに離れる方向）に弾性変形させ、中段フレーム部材５０Ｂによって下段フレーム部材５０Ａを左右方向から挟むとともに上方から被せるように重ねることによって、下段フレーム部材５０Ａ及び中段フレーム部材５０Ｂを嵩張らない状態で収納することができる。なお、中段フレーム部材５０Ｂの上に、さらに上段フレーム部材５０Ｃを同様に重ねて収納したり、上段フレーム部材５０Ｃの上に、さらに別のフレーム部材を１個、２個、・・・と同様に重ねて収納したりすることも可能である。

【0045】

図７は、３段に積み重ねられた３個のフレーム部材５０Ａ，５０Ｂ，５０Ｃのうち、下段フレーム部材５０Ａの連結部と中段フレーム部材５０Ｂの連結部に草花等を入れたトレー６３を載置して陳列台６５として構成した例を示している。フレーム部材５０（５０Ａ，５０Ｂ，５０Ｃ）は、このような使い方をすることもできる。なお、フレーム部材５０は、４段以上積み重ねることも可能である。

【0046】

次に、図８～図１１を追加参照して、本発明に係る組立式什器の第１実施形態について説明する。図８に示すように、第１実施形態の組立式什器１００は、一人用の椅子や座卓等として構成されるものであり、フレーム部材５０Ｄ、パネル部材７０及び筋交い部材８０
を備えている。なお、パネル部材７０は、フレーム部材５０Ｄを透視できるように図示するために仮想線（２点鎖線）で示している（図９（ａ）でも同様）。また、図９では、筋交い部材８０の図示を省略している。フレーム部材５０Ｄは、上述したフレーム部材５０と同一の形状、構造を有している。

【0047】

パネル部材７０は、フレーム部材５０Ｄの上部に載置可能な平面視長方形の板状部７１と、板状部７１の下面（底面）に前後左右に並ぶように取り付けられた４個の係止部７２（それぞれを区別する場合は、係止部７２Ａ，７２Ｂ，７２Ｃ，７２Ｄと称する）とから構成される。板状部７１は、例えば、木材や樹脂材料等で構成される。係止部７２は、ゴム材料により円錐台状に形成されており、上下に貫通するネジ挿通孔（図示略）と、このネジ挿通孔内に設けられたネジ受金具（図示略）とを有している。そして、係止部７２は、ネジ挿通孔内に挿通されてネジ受金具に支持される取付けネジ（図示略）を介して、板状部７１の下面に取り付けられるようになっている。なお、係止部７２は、図９（ｂ）に示すように、その上面７２ａ（下面７２ｂよりも径が小さい面）が板状部７１の下面に当接するようにして板状部７１の下面に取り付けられる。

【0048】

フレーム部材５０Ｄは、４個の係止部７２に係止されることにより、パネル部材７０に取り付けられる。詳細には、フレーム部材５０Ｄは、図９（ａ）に示すように、左前接合部１４及び左前前方挟持部３４が係止部７２Ａに係止され、右前接合部２４及び右前前方挟持部３５が係止部７２Ｂに係止され、左後接合部１５及び左後後方挟持部４４が係止部７２Ｃに係止され、右後接合部２５及び右後後方挟持部４５が係止部７２Ｄに係止されることにより、板状部７１の下面に取り付けられる。

【0049】

フレーム部材５０Ｄをパネル部材７０に取り付ける場合は、フレーム部材５０Ｄの左前脚部１１、右前脚部２１、左後脚部１２及び右後脚部２２を、前上部連結部材３と後上部連結部材４との間の距離が長くなる方向（図１０（ａ）の矢印Ｃ方向）に弾性変形させた状態にして、左前接合部１４及び左前前方挟持部３４を係止部７２Ａの前方に位置させ、左後接合部１５及び左後後方挟持部４４を係止部７２Ｃの後方に位置させ、右前接合部２４及び右前前方挟持部３５を係止部７２Ｂの前方に位置させ、右後接合部２５及び右後後方挟持部４５を係止部７２Ｄの後方に位置させる。そして、左前脚部１１、右前脚部２１、左後脚部１２及び右後脚部２２の変形を弾性復元させ、その弾性復元力により、左前接合部１４及び左前前方挟持部３４と左後接合部１５及び左後後方挟持部４４とにより係止部７２Ａ及び係止部７２Ｃを前後から挟み込み、右前接合部２４及び右前前方挟持部３５と右後接合部２５及び右後後方挟持部４５とにより係止部７２Ｂ及び係止部７２Ｄを前後から挟み込む。

【0050】

以上の手順により、左前接合部１４及び左前前方挟持部３４を係止部７２Ａに係止させ、右前接合部２４及び右前前方挟持部３５を係止部７２Ｂに係止させ、左後接合部１５及び左後後方挟持部４４を係止部７２Ｃに係止させ、右後接合部２５及び右後後方挟持部４５を係止部７２Ｄに係止させ、フレーム部材５０Ｄをパネル部材７０に取り付けることができる。また、パネル部材７０に取り付けられたフレーム部材５０Ｄは、前脚部１１、右前脚部２１、左後脚部１２及び右後脚部２２を図１０（ａ）の矢印Ｃ方向に弾性変形させることにより、簡単にパネル部材７０から取り外すことができる。フレーム部材５０Ｄがパネル部材７０に取り付けられた状態において、フレーム部材５０Ｄの左前接合部１４及び左前前方挟持部３４、右前接合部２４及び右前前方挟持部３５、左後接合部１５及び左後後方挟持部４４、並びに右後接合部２５及び右後後方挟持部４５は、それぞれ、板状部７１の下面と係止部７２の外側面７２ｃとの間に位置する。また、フレーム部材５０Ｄのこれらの部分は、フレーム部材５０Ｄをパネル部材７０に取り付けたり取り外したりする際に、係止部７２の外側面７２ｃと擦れるように接触することがある。その場合でも、係止部７２の外側面７２ｃがゴム材料で形成されているので、フレーム部材５０Ｄが損傷す
ることが防止されるようになっている。

【0051】

なお、以上とは異なる態様で、フレーム部材５０Ｄをパネル部材７０に取り付けてもよい。例えば、フレーム部材５０Ｄの左前脚部１１、右前脚部２１、左後脚部１２及び右後脚部２２を、前上部連結部材３と後上部連結部材４との距離が短くなる方向（図１０（ａ）の矢印Ｃ方向とは逆方向）に弾性変形させた状態にして、左前接合部１４及び左前前方挟持部３４並びに左後接合部１５及び左後後方挟持部４４を係止部７２Ａと係止部７２Ｃとの間に位置させ、右前接合部２４及び右前前方挟持部３５並びに右後接合部２５及び右後後方挟持部４５を係止部７２Ｂと係止部７２Ｄとの間に位置させる。そして、左前脚部１１、右前脚部２１、左後脚部１２及び右後脚部２２の変形を弾性復元させ、その弾性復元力により、左前接合部１４及び左前前方挟持部３４並びに左後接合部１５及び左後後方挟持部４４が係止部７２Ａ及び係止部７２Ｃにより前後から挟み込まれて保持され、右前接合部２４及び右前前方挟持部３５並びに右後接合部２５及び右後後方挟持部４５が係止部７２Ｂ及び係止部７２Ｄにより前後から挟み込まれて保持されるようにする。

【0052】

このような手順により、左前接合部１４及び左前前方挟持部３４を係止部７２Ａに係止させ、右前接合部２４及び右前前方挟持部３５を係止部７２Ｂに係止させ、左後接合部１５及び左後後方挟持部４４を係止部７２Ｃに係止させ、右後接合部２５及び右後後方挟持部４５を係止部７２Ｄに係止させ、フレーム部材５０Ｄをパネル部材７０に取り付けてもよい。なお、フレーム部材５０Ｄを係止する係止部の態様は、上記係止部７２の態様に限定されるものではない。例えば、フレーム部材５０Ｄの上部（例えば、左前接合部１４及び左前前方挟持部３４等）と嵌合する凹状の嵌合部を有する係止部（図示略）を設けてもよい。また、係止部７２はゴム材料以外の材料、例えば、樹脂材料等で形成してもよい。

【0053】

筋交い部材８０は、図１１（ａ），（ｂ）に示すように、細長い板状に形成された棒状基部８１と、棒状基部８１の両端部に設けられた結合部８２とを有し、その結合部８２は、図１１（ｃ）に示すように、左右一対の把持片８３と、一対の把持片８３間に形成された上下方向に延びる嵌合溝８４とを備えている。棒状基部８１及び結合部８２は、例えば、金属材料により一体に形成される。嵌合溝８４の幅の寸法（一対の把持片８３間の距離）は、フレーム部材５０Ｄの脚部１１，１２，２１，２２の直径の寸法と略同等に形成されており、筋交い部材８０をフレーム部材５０Ｄに取り付ける場合は、嵌合溝８４内に脚部１１，１２，２１，２２のいずれかが嵌入されるようになっている。

【0054】

この筋交い部材８０は、図８に示すように例えば、左前脚部１１の上部と右前脚部２１の下部とを斜めに繋ぐようにフレーム部材５０Ｄに取り付けられるが、これに限定されるものではない。筋交い部材８０を、右前脚部２１の上部と左前脚部１１の下部とを繋ぐように取り付けたり、左後脚部１２の上部と右後脚部２２の下部とを繋ぐように取り付けたり、右後脚部２２の上部と左後脚部１２の下部とを繋ぐように取り付けたりしてもよい。また、１個のフレーム部材５０Ｄに複数個（例えば２個）の筋交い部材８０を取り付けてもよい。フレーム部材５０Ｄに筋交い部材８０を取り付けることにより、組立式什器１００の強度（例えば、上方からの荷重に対する強度）を高めることができるとともに、組立式什器１００の使用時における振れ止めの機能も得られる。

【0055】

次に、図１２及び図１３を追加参照して、本発明に係る組立式什器の第２実施形態について説明する。図１２に示すように、第２実施形態の組立式什器２００は、災害発生時における避難所等で組立てて簡易ベッドとして使用される構成のものであり、４個のフレーム部材５０Ｅ，５０Ｆ，５０Ｇ，５０Ｈ、パネル部材７０Ａ及び４個の筋交い部材８０Ａ，８０Ｂ，８０Ｃ，８０Ｄを備えている。なお、パネル部材７０Ａは、フレーム部材５０Ｅ，５０Ｆ，５０Ｇ，５０Ｈ及び筋交い部材８０Ａ，８０Ｂ，８０Ｃ，８０Ｄを透視できるように図示するために仮想線（２点鎖線）で示している。フレーム部材５０Ｅ，５０Ｆ，
５０Ｇ，５０Ｈは、いずれも上述したフレーム部材５０と同一の形状、構造を有している。また、筋交い部材８０Ａ，８０Ｂ，８０Ｃ，８０Ｄは、いずれも上述した筋交い部材８０と同一の形状、構造を有している。

【0056】

パネル部材７０Ａは、４個のフレーム部材５０Ｅ，５０Ｆ，５０Ｇ，５０Ｈの上部に載置可能な平面視長方形の板状部７５と、図１３に示すように、板状部７５の下面（底面）に前後左右に並ぶように取り付けられた１６個の係止部７２（それぞれを区別する場合は、係止部７２Ａ，７２Ｂ，７２Ｃ，７２Ｄ，７２Ｅ，７２Ｆ，７２Ｇ，７２Ｈ，７２Ｉ，７２Ｊ，７２Ｋ，７２Ｌ，７２Ｐ，７２Ｑ，７２Ｒ，７２Ｓと称する）とから構成される。板状部７５は、例えば、木材や樹脂材料等で構成される。係止部７２は、上述した第１実施形態の係止部７２と同じ構成のものである。

【0057】

フレーム部材５０Ｅ，５０Ｆ，５０Ｇ，５０Ｈは、それぞれ４個の係止部７２に係止されることにより、パネル部材７０Ａに取り付けられる。具体的には例えば、フレーム部材５０Ｅは係止部７２Ａ，７２Ｂ，７２Ｃ，７２Ｄに係止され、フレーム部材５０Ｆは係止部７２Ｅ，７２Ｆ，７２Ｇ，７２Ｈに係止され、フレーム部材５０Ｇは係止部７２Ｉ，７２Ｊ，７２Ｋ，７２Ｌに係止され、フレーム部材５０Ｈは係止部７２Ｐ，７２Ｑ，７２Ｒ，７２Ｓに係止される。パネル部材７０Ａへのフレーム部材５０Ｅ，５０Ｆ，５０Ｇ，５０Ｈの取付け方（係止部７２に係止する方法）は、第１実施形態で示したものと同様である。

【0058】

筋交い部材８０Ａはフレーム部材５０Ｅの左後脚部１２と右後脚部２１を繋ぐように取り付けられ、筋交い部材８０Ｃはフレーム部材５０Ｇの左前脚部１１と右前脚部２１を繋ぐように取り付けられている。同様に、筋交い部材８０Ｂはフレーム部材５０Ｆの左後脚部１２と右後脚部２１を繋ぐように取り付けられ、筋交い部材８０Ｄはフレーム部材５０Ｈの左前脚部１１と右前脚部２１を繋ぐように取り付けられている。筋交い部材８０Ａ，８０Ｂ，８０Ｃ，８０Ｄのフレーム部材５０Ｅ，５０Ｆ，５０Ｇ，５０Ｈへの取付け方は、第１実施形態で示したものと同様である。フレーム部材５０Ｅ，５０Ｆ，５０Ｇ，５０Ｈに筋交い部材８０Ａ，８０Ｂ，８０Ｃ，８０Ｄを取り付けることにより、組立式什器２００の強度（例えば、ベッドとして使用する人の荷重に対する強度）を高めることができるとともに、組立式什器２００の使用時における振れ止めの機能も得られる。

【0059】

このような構成の組立式什器２００は、平常時はフレーム部材５０Ｅ，５０Ｆ，５０Ｇ，５０Ｈをパネル部材７０Ａから取り外した状態で纏めてパネル部材７０Ａと共に倉庫等に保管しておき、災害発生時等において避難所等に搬入して容易に組立てて簡易ベッドとして使用することが可能である。また、組立式什器２００において、パネル部材７０Ａの下側には、多くのスペースが形成されており、このスペースを避難所に持ち込んだ所持品等の荷物置場として有効活用することが可能である。なお、例えば、筋交い部材８０Ａを、フレーム部材５０Ｅの左前脚部１１と右前脚部２１を繋ぐように取り付けることも可能であるが、フレーム部材５０Ｅの左後脚部１２と右後脚部２１を繋ぐように取り付けた方が、フレーム部材５０Ｅの下側のスペースに荷物を出し入れし易くなる。他のフレーム部材５５０Ｆ，５０Ｇ，５０Ｈへの筋交い部材８０Ｂ，８０Ｃ，８０Ｄの取付箇所（取り付ける脚部）についても同様のことがいえる。

【0060】

次に、図１４を追加参照して、本発明に係る組立式什器の第３実施形態について説明する。図１４に示すように、第３実施形態の組立式什器３００は、３段に積み重ねられた下段フレーム部材５０Ａ、中段フレーム部材５０Ｂ及び上段フレーム部材５０Ｃにパネル部材７０Ｂ，７０Ｃ，７０Ｄ（仮想線で示す）をそれぞれ取り付け、３段式の棚として構成したものである。下段フレーム部材５０Ａ、中段フレーム部材５０Ｂ及び上段フレーム部材５０Ｃは、図６に示すものと同様のものであり、それらの積み重ね方も同様である。

【0061】

パネル部材７０Ｂ，７０Ｃ，７０Ｄは、上述した第１実施形態のパネル部材７０と同様の構成のものであり、平面視長方形の板状部７６（上述の板状部７１よりも一回り小さい）と、板状部７６の下面に取り付けられた４個の係止部（図示略）を備えている。また、パネル部材７０Ｂ，７０Ｃ，７０Ｄへのフレーム部材５０Ａ，５０Ｂ，５０Ｃの取付け方は、上述したパネル部材７０へのフレーム部材５０Ｄの取付け方と同様である。なお、組立式什器３００では筋交い部材を設けていないが適宜設けるようにしてもよい。また、図５に示す連結具６１を適宜取り付けてもよい。組立式什器３００は、３段１列の構成であるが、組立式什器３００を左右方向や前後方向に並べて複数列の棚や催事台として構成することも可能である。

【0062】

次に、図１５を追加参照して、本発明に係る組立式什器の第４実施形態について説明する。図１５に示すように、第４実施形態の組立式什器４００は、１段２列に並べて配置されたフレーム部材５０Ｉ，５０Ｊにパネル部材７０Ｅを取り付け、ベンチとして構成したものである。フレーム部材５０Ｉ，５０Ｊは上述した第１実施形態のフレーム部材５０と同様の構成のものである。パネル部材７０Ｅは、平面視長方形の板状部７７と、板状部７７の下面に取り付けられた８個の係止部（図示略とするが、上述した係止部７２と同様の構成のものである）とを備えている。パネル部材７０Ｅへのフレーム部材５０Ｉ，５０Ｊの取付け方は、上述したパネル部材７０へのフレーム部材５０Ｄの取付け方と同様である。なお、組立式什器４００では筋交い部材を設けていないが適宜設けるようにしてもよい。

【0063】

次に、図１６を追加参照して、本発明に係る組立式什器の第５実施形態について説明する。図１６に示すように、第５実施形態の組立式什器５００は、フレーム部材５０Ｋにパネル部材７０Ｆを取り付け、ごみ箱として構成したものである。フレーム部材５０Ｋは上述した第１実施形態のフレーム部材５０と同様の構成のものである。パネル部材７０Ｆは、平面視長方形の開口７８ａを有する平面視矩形枠状の板状部７８と、板状部７８の下面に取り付けられた４個の係止部（図示略とするが、上述した係止部７２と同様の構成のものである）とを備えている。また、板状部７８には、蝶番（図示略）を介して上下方向に揺動可能に蓋パネル７８ｂが設けられおり、この蓋パネル７８ｂにより開口部７８ａを開閉できるようになっている。パネル部材７０Ｆへのフレーム部材５０Ｋの取付け方は、上述したパネル部材７０へのフレーム部材５０Ｄの取付け方と同様である。なお、組立式什器５００では筋交い部材を設けていないが適宜設けるようにしてもよい。この組立式什器５００は、フレーム部材５０Ｋにごみ袋を取り付けることにより、開閉可能な蓋付きのごみ箱として使用される。

【0064】

次に、図１７を追加参照して、本発明に係る組立式什器の第６実施形態について説明する。図１７に示すように、第６実施形態の組立式什器６００は、フレーム部材５０Ｌにパネル部材７０Ｇを取り付け、簡易トイレ用の便座台として構成したものである。フレーム部材５０Ｌは上述した第１実施形態のフレーム部材５０と同様の構成のものである。パネル部材７０Ｇは、平面視楕円形の開口７９ａを有する板状部７９と、板状部７９の下面に取り付けられた４個の係止部（図示略とするが、上述した係止部７２と同様の構成のものである）とを備えている。また、板状部７９には、蝶番（図示略）を介して上下方向に揺動可能に蓋パネル７９ｂが設けられており、この蓋パネル７９ｂにより開口部７９ａを開閉できるようになっている。パネル部材７０Ｇへのフレーム部材５０Ｌの取付け方は、上述したパネル部材７０へのフレーム部材５０Ｄの取付け方と同様である。なお、組立式什器６００では筋交い部材を設けていないが適宜設けるようにしてもよい。この組立式什器６００は、フレーム部材５０Ｋにビニール袋等を取り付けることにより、簡易トイレとして使用される。

【0065】

以上説明したように、本発明に係る組立式什器によれば、容易に組み立てることができ
るとともに、様々な態様で用いることができるので用途が広く汎用性が高い。なお、上記では本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。

【符号の説明】

【0066】

１ 左側脚部材
２ 右側脚部材
３ 前上部連結部材
４ 後上部連結部材
１１ 左前脚部
１２ 左後脚部
１３ 左側下部連結部
１４ 左前接合部
１５ 左後接合部
２１ 右前脚部
２２ 右後脚部
２３ 右側下部連結部
２４ 右前接合部
２５ 右後接合部
３１ 前上部連結部
３２ 左前横挟持部
３３ 右前横挟持部
３４ 左前前方挟持部
３５ 右前前方挟持部
４１ 後上部連結部
４２ 左後横挟持部
４３ 右後横挟持部
４４ 左後後方挟持部
４５ 右後後方挟持部
５０ 下段フレーム部材
５０，５０Ｄ，５０Ｅ，５０Ｆ，５０Ｇ，５０Ｈ，５０Ｉ，５０Ｊ，５０Ｋ，５０Ｌ フレーム部材
５０Ａ 下段フレーム部材
５０Ｂ 中段フレーム部材
５０Ｃ 上段フレーム部材
６１ 連結具
６５ 陳列台
７０，７０Ａ，７０Ｂ，７０Ｃ，７０Ｄ，７０Ｅ，７０Ｆ，７０Ｇ パネル部材
７１，７５，７６，７７，７８，７９ 板状部
７２，７２Ａ，７２Ｂ，７２Ｃ，７２Ｄ，７２Ｅ，７２Ｆ，７２Ｇ，７２Ｈ，７２Ｉ，７２Ｊ，７２Ｋ，７２Ｌ，７２Ｐ，７２Ｑ，７２Ｒ，７２Ｓ 係止部
８０，８０Ａ，８０Ｂ，８０Ｃ，８０Ｄ 筋交い部材
８２ 結合部
１００，２００，３００，４００，５００，６００ 組立式什器

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】