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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022116817
(43)【公開日】2022-08-10
(54)【発明の名称】電源システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 9/00 20060101AFI20220803BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20220803BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20220803BHJP
   H02J 9/06 20060101ALI20220803BHJP
   B60R 16/033 20060101ALI20220803BHJP
【FI】
H02J9/00 120
H02J7/00 302C
H02J7/34 G
H02J7/00 303C
H02J9/06 110
B60R16/033 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021013197
(22)【出願日】2021-01-29
(71)【出願人】
【識別番号】000143639
【氏名又は名称】株式会社今仙電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100095795
【弁理士】
【氏名又は名称】田下 明人
(74)【代理人】
【識別番号】100143454
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 克彦
(72)【発明者】
【氏名】山野上 耕一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 翔
【テーマコード(参考)】
5G015
5G503
【Fターム(参考)】
5G015FA10
5G015GB05
5G015HA02
5G015JA05
5G015JA32
5G015JA56
5G015KA12
5G503AA04
5G503AA07
5G503BA04
5G503BB01
5G503BB03
5G503DA04
5G503DA05
5G503DA17
5G503DA18
(57)【要約】      (修正有)
【課題】DC-CDコンバータでバックアップ機能を構成し得る電源システムを提供する。
【解決手段】電源システムは、昇圧回路42で、蓄電池Bの電圧よりも高い電圧に昇圧して蓄電素子へ充電を行う。そして、制御回路部が電圧喪失または電圧低下を検出した際に、蓄電素子からの電力を後部ドアロックユニット3、前部ドアロックユニット4に供給する。給電線LI11、LI12での電圧降下分及び蓄電素子の電圧降下を見越して、蓄電池の電圧よりも高い電圧に蓄電素子を充電しておくことで、1のDC-CDコンバータ(昇圧回路)42でバックアップ機能を構成できる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池を含み、複数の負荷に給電する電源と、バックアップ回路とを備える電源システムであって、
前記バックアップ回路は、
蓄電素子と、
前記電源の電圧喪失または電圧低下を検出する検出手段と、
前記蓄電池の電圧よりも高い電圧に昇圧して前記蓄電素子へ充電を行う昇圧回路と、
前記検出手段が電圧喪失または電圧低下を検出した際に、前記蓄電素子からの電力を前記負荷の内の予め設定された負荷へ供給する電力供給部と、を備えることを特徴とする電源システム。
【請求項2】
請求項1の電源システムであって、
前記蓄電素子は直列接続された複数個のキャパシタからなる。
【請求項3】
請求項2の電源システムであって、
前記直列接続された複数個のキャパシタは、接地側への電流の流れを阻止するダイオードを介して接地され、
前記複数個のキャパシタと前記ダイオードとの接続点は、還流ダイオードを介して前記昇圧回路の入力側に接続されている。
【請求項4】
請求項2又は請求項3の電源システムであって、
さらに、前記複数個のキャパシタの略中央のキャパシタの電圧を検出する電圧検出手段を備え、
前記電圧検出手段が電圧異常を検出した際に、前記昇圧回路による昇圧を停止させることを特徴とする電源システム。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか1の電源システムであって、
イグニションがオンされた際に、前記昇圧回路は昇圧を開始し、
イグニションのオフされた際に、前記昇圧回路は昇圧を停止することを特徴とする電源システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックアップ機能を備える車両用の電源システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の電源システムでは、ドアロックモータなどの電源負荷に対する給電能力が求められる。例えば、事故時、バッテリーからの給電が不能になっても、ドアロックが解除できるようにするバックアップ機能が必要とされる。
特許文献1は、主電源と共に副電源を併設し、副電源を用いて主電源の供給能力を補助する構成を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-115954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ドアロック解除モジュールの電源としては、12V出力の鉛蓄電池が一般に用いられている。バックアップ機能用に、鉛蓄電池の出力を降圧するDC-DCコンバータ、DC-DCコンバータ出力を充電するキャパシタ、キャパシタの充電電圧を昇圧するDC-DCコンバータを備え、ドアロックモータに電力を供給する。このようなバックアップ機能を備えれば、鉛蓄電池からの給電が途絶えても、キャパシタの充電電圧を用いて電力を供給でくるので、ドアロックの解除が可能であるが、降圧用と昇圧用の2個のDC-CDコンバータを備えなければならないという課題がある。
【0005】
本発明の目的は、1のDC-CDコンバータでバックアップ機能を構成し得る電源システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電源システムは、蓄電池を含み、複数の負荷に給電する電源と、バックアップ回路とを備える。そして、前記バックアップ回路は、蓄電素子と、前記電源の電圧喪失または電圧低下を検出する検出手段と、前記蓄電池の電圧よりも高い電圧に昇圧して前記蓄電素子へ充電を行う昇圧回路と、前記検出手段が電圧喪失または電圧低下を検出した際に、前記蓄電素子からの電力を前記負荷の内の予め設定された負荷へ供給する電力供給部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の電源システムは、例えばDC-CDコンバータからなる昇圧回路で、蓄電池の電圧よりも高い電圧に昇圧して蓄電素子へ充電を行う。そして、検出手段が電圧喪失または電圧低下を検出した際に、蓄電素子からの電力を設定された負荷(例えば、ドアロックモータ)に供給する。ドアロックモータまでの給電線での電圧降下分、及び、蓄電素子の電圧降下を見越して、蓄電池の電圧よりも高い電圧に蓄電素子を充電しておくことで、1のDC-CDコンバータでバックアップ機能を構成できる。
【0008】
請求項2の発明では、蓄電素子は直列接続された複数個のキャパシタからなる。このため、大容量の電気を蓄え、放電開始後の蓄電素子の電力低下を小さくし、設定された負荷(例えば、ドアロックモータ)に電力を供給できる。
【0009】
請求項3の発明では、直列接続された複数個のキャパシタは、接地側への電流の流れを阻止するダイオードを介して接地される。このため、複数個のキャパシタの電圧が0Vになったときの充電突入電流を無くすことができる。複数個のキャパシタとダイオードとの接続点は、還流ダイオードを介して昇圧回路の入力側に接続されている。このため、昇圧時に、入力側の電圧(蓄電池電圧)に昇圧した電圧を印加してキャパシタに加え、蓄電池電圧が失われたときに、キャパシタに加えられた昇圧した電圧を設定された負荷(例えば、ドアロックモータ)に供給できる。
【0010】
請求項4の発明では、複数個のキャパシタの略中央のキャパシタの電圧を検出する電圧検出手段を備え、電圧検出手段が電圧異常を検出した際に、昇圧回路による昇圧を停止させる。劣化し電圧の下がったキャパシタの障害を複数個のキャパシタ電圧の略中央部(キャパシタの分圧電圧)から検出でき、劣化したキャパシタへの充電を停止することで、劣化キャパシタに起因する障害を未然に防止できる。
【0011】
請求項5の発明では、イグニションがオンされた際に、昇圧回路は昇圧を開始し、イグニションのオフされた際に、昇圧回路は昇圧を停止する。即ち、イグニションのオンの間のみ昇圧回路による昇圧を行うので、複数個のキャパシタからなる蓄電素子をイグニションのオフ中に充電停止することで、蓄電素子をイグニションのオフ中に劣化させることが無くなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係る電源システムの回路図
図2】実施形態に係る電源システムの回路図の左部分
図3】実施形態の電源システムの回路図の中央部分
図4】実施形態の電源システムの回路図の右部分
図5】実施形態の電源システムの回路図の電力供給部を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は本発明の実施形態に係る電源システムの回路図であり、図2は回路図の左部分であり、図3は中央部分であり、図4は右部分である。図5は電力供給部を示す。
図2中に示される12Vの蓄電池Bからの電力はヒューズFUを介して、後部ドアロックユニット3a、前部ドアロックユニット4a、内装制御ユニット5aへ供給される。後部ドアロックユニット3aは後部ドアのロック、アンロックを行うドアロックモータ(又はソレノイド)を備える。前部ドアロックユニット4aは前部ドアのロック、アンロックを行うドアロックモータ(又はソレノイド)を備える。内装制御ユニット5aは、後部ドアロックユニット3a、前部ドアロックユニット4aの制御に加えて、図示しないワイパー、メータ等の制御を行う。実施形態では、ドアロックユニットを、後部ドアロックユニットと前部ドアロックユニットとに分けることで、障害時においても、後部ドア又は前部ドアの何れかが開くようにして安全性を高めている。この代わりに、ドアロックユニットを、右ドアロックユニットと左ドアロックユニットとに分けることも可能である。この場合、給電が遮断されても確実に右ドア、左ドアの何れか一方のドアを開くことができる。
【0014】
蓄電池Bからの電力は、イグニッションIGNを介して図4中に示される後部ドアロックユニット3、前部ドアロックユニット4、内装制御ユニット5にバックアップ電力を供給するバックアップ回路10に供給される。バックアップ回路10は、主に、図2中に示される制御回路部30と、図3中に示されるバックアップ用の電力供給部20と、図4中に示される充電回路部40とから成る。
【0015】
図2中に示される制御回路部30は、イグニッションIGNからの電圧を監視し、電圧が所定閾値(例えば9V)を以上であるか判定すると共に、制御回路部30内に電力を供給する定電圧回路機能を同時に構成する。
【0016】
図4中に示される充電回路部40は、7個のキャパシタC9、C10、C11、C12、C13、C14、C15から成る蓄電素子46を備える。キャパシタC9、C10、C11、C12、C13、C14、C15は、21F、2.5V用で電気二重層キャパシタから成る。7個のキャパシタC9、C10、C11、C12、C13、C14、C15は直列に接続され、接地側への電流の流れを阻止するダイオードD12を介して接地される。充電回路部40は、キャパシタC9、C10、C11、C12、C13、C14、C15を充電するDC-DCコンバータ(昇圧回路)42と、キャパシタC9、C10、C11、C12、C13、C14、C15の電圧を監視する監視・保護回路(電圧検出手段)44とを更に有する。実施形態の電源システムでは、直列接続された複数個のキャパシタは、接地側への電流の流れを阻止するダイオードD12を介して接地される。このため、複数個のキャパシタの電圧が0Vになったときの充電突入電流を無くすことができる。
【0017】
実施形態の電源システムでは、蓄電素子は直列接続された複数個のキャパシタC9、C10、C11、C12、C13、C14、C15からなる。このため、大容量の電気を蓄え、放電開始後の蓄電素子の電力低下を小さくし、設定された負荷(例えば、ドアロックモータ)に要求される電圧の電力を供給できる。
【0018】
複数個のキャパシタC9、C10、C11、C12、C13、C14、C15とダイオードD12との接続点は、電力線LI3、還流ダイオードD20を介してDC-DCコンバータ42の入力側に接続されている。このため、昇圧時に、入力側の電圧(蓄電池電圧:12V)に昇圧した16Vの電圧を印加し、28VをキャパシタC9、C10、C11、C12、C13、C14、C15に加える。そして、蓄電池Bの12V電圧が失われたときに、キャパシタC9、C10、C11、C12、C13、C14、C15に加えられた昇圧した16Vの電圧を設定された負荷(例えば、ドアロックモータ)に供給できる。
【0019】
実施形態の電源システムは、図5中に示されるDC-CDコンバータからなる昇圧回路42で、蓄電池Bの電圧よりも高い電圧に昇圧して蓄電素子46へ充電を行う。そして、制御回路部(検出手段)30が電圧喪失または電圧低下を検出した際に、蓄電素子46からの電力を後部ドアロックユニット3、前部ドアロックユニット4に供給する。給電線LI11、LI22での電圧降下分、及び、蓄電素子の電圧降下を見越して、蓄電池の電圧よりも高い電圧に蓄電素子を充電しておくことで、後部ドアロックユニット3で図示しないロックモータを駆動し、前部ドアロックユニット4で図示しないロックモータを駆動しロック解除を行う。実施形態の電源システムは、1のDC-CDコンバータ(昇圧回路)42でバックアップ機能を構成できる。
【0020】
DC-DCコンバータ42(昇圧回路)42は、イグニッションIGNのオンに応じて供給される12Vの蓄電池Bからの電圧を16Vに昇圧し、キャパシタC9、C10、C11、C12、C13、C14、C15を充電する。そして、イグニッションIGNのオフにより、電力供給が断たれると、キャパシタC9、C10、C11、C12、C13、C14、C15を充電を停止する。即ち、イグニションのオンの間のみ昇圧回路42による昇圧を行うので、複数個のキャパシタからなる蓄電素子46をイグニションのオフ中に充電停止することで、蓄電素子46をイグニションのオフ中に劣化させることが無くなる。
【0021】
監視・保護回路44は、3個のキャパシタC9、C10、C11と、4個のキャパシタC12、C13、C14、C15との間の電圧を監視する。即ち、直列接続されたキャパシタのほぼ中央の電圧を監視することで、キャパシタC9、C10、C11と、キャパシタC12、C13、C14、C15とで分圧される印加電圧(16V)を監視する。正常時、キャパシタC9、C10、C11には16×3/7の電圧が生じ、キャパシタC12、C13、C14、C15には16×4/7の電圧が生じる。キャパシタC9、C10、C11の何れかが劣化した場合、或いは、キャパシタC12、C13、C14、C15の何れかが劣化した場合に、電圧の閾値を上下設定することで、監視・保護回路44は異常を検出する。そして、異常が検出された際に、監視・保護回路44からの検出信号で、DC-DCコンバータ42は昇圧を停止する。
【0022】
実施形態の電源システムでは、複数個のキャパシタの略中央のキャパシタの電圧を検出する監視・保護回路(電圧検出手段)44を備え、監視・保護回路44が電圧異常を検出した際に、DC-DCコンバータ42による昇圧を停止させる。劣化し電圧の下がったキャパシタの障害を複数個のキャパシタ電圧の略中央部(キャパシタの分圧電圧)から検出でき、劣化したキャパシタへの充電を停止することで、劣化キャパシタに起因する障害を未然に防止できる。実施形態では、奇数個のキャパシタが使用されたが、偶数個のキャパシタが使用される場合、中央のキャパシタの電圧を検出することが好適である。
【0023】
図5に示される電力供給部20は、蓄電素子46に蓄えられたバックアップ用の電力を後部ドアロックユニット(第1ドアロック解除手段)3、前部ドアロックユニット(第2ドアロック解除手段)4、内装制御ユニット(制御手段)5へ供給する。蓄電素子46からの電力は給電線LI2を介して電力供給部20へ送られる。後部ドアロックユニット3は図2中の後部ドアロックユニット3aと同一部材であり、前部ドアロックユニット4は図2中の前部ドアロックユニット4aと同一部材であり、内装制御ユニット5は図2中の内装制御ユニット5aと同一部材である。電力供給部20は、後部ドアロックユニット3にダイオードD23を介して電力供給する第1ドアロック供給回路21と、前部ドアロックユニット4にダイオードD24を介して電力供給する第2ドアロック供給回路22と、内装制御ユニット5にダイオードD25を介して電力供給する制御ユニット供給回路23とを有する。内装制御ユニット5は、後部ドアロックユニット3、前部ドアロックユニット4の制御に加えて、図示しないワイパー、メータ等の制御を行う。
【0024】
第1ドアロック供給回路21はFETから成る第1能動素子Q11とトランジスタからなる第2能動素子Q21とを有する。第2ドアロック供給回路22はFETから成る第1能動素子Q12とトランジスタからなる第2能動素子Q22とを有する。制御ユニット供給回路23はFETから成る第1能動素子Q11とトランジスタからなる第2能動素子Q21とを有する。
【0025】
図2中に示される制御回路部30は、イグニッションIGNからの電圧を監視し、信号線LI5を介し、電圧が所定閾値(例えば9V)を未満となるとバックアップ開始信号を出力する。バックアップ開始信号が出力されると、第1ドアロック供給回路21は第1能動素子Q11をオンにし、給電線LI2を介して送られた蓄電素子46からの電力を後部ドアロックユニット3へ供給し、第2ドアロック供給回路22は第1能動素子Q12をオンにし、給電線LI2を介して送られた蓄電素子46からの電力を前部ドアロックユニット4へ供給し、制御ユニット供給回路23は第1能動素子Q13をオンにし、給電線LI2を介して送られた蓄電素子46からの電力を内装制御ユニット5へ供給する。
【0026】
実施形態の電源システムは、後部(第1のドア)のロックを解除する後部ドアロックユニット(第1ドアロック解除手段)3と、前部(第2のドア)のロックを解除する前部ドアロックユニット(第2ドアロック解除手段)4と、内装制御ユニット(制御手段)5とに蓄電素子46からの電力を独立して供給する。後部ドアロックユニット3への給電線LI11、前部ドアロックユニットへの給電線LI12のいずれか一方が断線又は地絡しても、他方のドアロックユニットへ給電を継続できるため、蓄電池からの給電が遮断されても確実に何れかのドアを開くことができる。
【0027】
実施形態の電源システムは、各負荷、ここでは、後部ドアロックユニット3、前部ドアロックユニット4、内装制御ユニット5にそれぞれ電源を備える分散型バックアップシステムを採用することなく、1つの蓄電素子46のみを備える簡易な集中型バックアップシステムを用いて、蓄電池からの給電が遮断されても確実に何れかのドアを開くことができる。
【0028】
実施形態の電源システムでは、電力供給部20は、それぞれ独立した後部ドアロックユニット(第1ドアロック解除手段)3に電力を供給する第1ドアロック供給回路21と、前部ドアロックユニット(第2ドアロック解除手段)4に電力を供給する第2ドアロック供給回路22と、内装制御ユニット(制御手段)5に電力を供給する制御手段供給回路23とを有する。蓄電池からの給電が遮断されても確実に何れかのドアを開くことができる。
【0029】
第1ドアロック供給回路21では、給電線L11が地絡し、第1能動素子Q11に大きな電流が流れ、第1能動素子Q11での電圧降下が大きくなると、第2能動素子Q21がオンし、第1能動素子Q11をオフにする。これにより、後部ドアロックユニット3への給電が停止される。
【0030】
第2ドアロック供給回路22では、給電線L12が地絡し、第1能動素子Q12に大きな電流が流れ、第1能動素子Q12での電圧降下が大きくなると、第2能動素子Q22がオンし、第1能動素子Q12をオフにする。これにより、前部ドアロックユニット4への給電が停止される。
【0031】
制御ユニット供給回路23では、給電線L13が地絡し、第1能動素子Q13に大きな電流が流れ、第1能動素子Q13での電圧降下が大きくなると、第2能動素子Q23がオンし、第1能動素子Q13をオフにする。これにより、内装制御ユニット5への給電が停止される。
【0032】
実施形態の電源システムでは、第1ドアロック供給回路21と、第2ドアロック供給回路22と、制御ユニット供給回路(制御手段供給回路)23は、それぞれ、電圧喪失または電圧低下した際に、電力の供給を開始する第1能動素子Q11、Q12、Q13と、供給電力線の地絡によって流れる第1能動素子の過電流により、第1能動素子を停止させる第2能動素子Q21、Q22、Q23とを備える。後部ドアロックユニット(第1ドアロック解除手段)3、前部ドアロックユニット(第2ドアロック解除手段)4への給電線LI11、LI12の一方が地絡しても、第2能動素子で検出して第1能動素子を停止させるため、当該地絡によって蓄電素子に蓄えられた電力が失われず、後部ドアロックユニット3、又は、前部ドアロックユニット4への給電を継続し、何れか一方のドアを開くことができる。
【符号の説明】
【0033】
10 バックアップ回路
20 電力供給部
21 第1ドアロック供給回路
22 第2ドアロック供給回路
23 制御ユニット供給回路
30 制御回路部(検出手段)
40 充電回路部
42 DC-CDコンバータ(昇圧回路)
44 監視・保護回路
46 蓄電素子
図1
図2
図3
図4
図5