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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022011684
(43)【公開日】2022-01-17
(54)【発明の名称】画像読取装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20220107BHJP
【FI】
H04N1/00 519
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020112987
(22)【出願日】2020-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000104652
【氏名又は名称】キヤノン電子株式会社
(72)【発明者】
【氏名】石川 徹郎
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA37
5C062AB02
5C062AB17
5C062AB30
5C062AB32
5C062AB33
5C062AC02
5C062AD01
5C062AD05
5C062AD06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】画像読取装置において給送トレイを着脱する際の接続ケーブルの破損を防止する方法を提供する。
【解決手段】画像読取装置において、搬送媒体を搬送する搬送部を有する本体と、搬送部によって搬送された搬送媒体の画像を読み取る画像読取部と、本体に取り付けられ、搬送部によって搬送される搬送媒体が載置される載置面を有する給送トレイと、画像読取部における読み取り動作に関する情報を受信するNFCリーダー113と、給送トレイにおける載置面とは反対側から本体側に突出し、NFCリーダー113に接続された、接続部114を有する接続ケーブル116が内蔵された突出部を有する。本体は、給送トレイが本体に取り付けられる際に、突出部が挿通され、接続部114と接続する接続コネクタを有する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送媒体を搬送する搬送部を有する本体と、
前記搬送部によって搬送された搬送媒体の画像を読み取る画像読取部と、
前記本体に取り付けられ、前記搬送部によって搬送される前記搬送媒体が載置される載置面を有する給送トレイと、
前記画像読取部における読み取り動作に関する情報を受信する無線通信部と
を備え、
前記給送トレイにおける前記載置面とは反対側から前記本体側に突出し、前記無線通信部に接続された接続ケーブルが内蔵された突出部を有し、
前記本体は、前記給送トレイが前記本体に取り付けられる際に、前記突出部が挿通され、前記接続ケーブルと接続する接続コネクタを有することを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記給送トレイは、前記搬送媒体の搬送方向における下流側の端部に、前記本体側に突出し、前記本体に挿通されることで前記給送トレイを前記本体に固定する固定部を備え、
前記突出部の突出量は、前記固定部の突出量よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記突出部と一体に形成され、前記接続ケーブルを覆うカバーを有することを特徴とする請求項1または2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記無線通信部は、NFCリーダーであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の画像読取装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿を搬送して画像を読み取る画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、スキャナ、プリンタ等において、複数枚のシートを1枚ずつ搬送する機構を備えたものが知られている。例えば、スキャナではチェック、ドキュメント等の原稿束が原稿台上に載置され、給紙機構によりこれを1枚ずつ分離して搬送しながら、原稿の画像を読み取る画像読取装置が知られている。一方、特許文献1に開示されている画像処理装置は、NFCのような近距離無線通信用のアンテナを内包する基板を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許6705238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の画像処理装置は、媒体載置面で、かつ媒体の幅方向を規制する1対のエッジガイド(規制板)のガイド領域内に無線通信用基板を配置する構成を示している。
【0005】
一方、媒体載置面を有する給送トレイは、着脱可能に構成されているものが多く、着脱可能な給送トレイに無線通信用基板を配置された場合、ユーザーは給送トレイを画像処理装置の本体に接続する際に、給送トレイの取り付けとは別にケーブル等によって電気的に接続する必要があり、煩わしい。また、給送トレイを外す際に、ケーブルを取り外すことを忘れると、ケーブルや給送トレイを破損する虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上を鑑み、本発明に係る画像読取装置は、
搬送媒体を搬送する搬送部を有する本体と、
前記搬送部によって搬送された搬送媒体の画像を読み取る画像読取部と、
前記本体に取り付けられ、前記搬送部によって搬送される前記搬送媒体が載置される載置面を有する給送トレイと、
前記画像読取部における読み取り動作に関する情報を受信する無線通信部と
を備え、
前記給送トレイにおける前記載置面とは反対側から前記本体側に突出し、前記無線通信部に接続された接続ケーブルが内蔵された突出部を有し、
前記本体は、前記給送トレイが前記本体に取り付けられる際に、前記突出部が挿通され、前記接続ケーブルと接続する接続コネクタを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、給送トレイを本体に取り付ける際に、同時に電気的な接続を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る画像読取装置の概略図。
図2】本発明の一実施形態に係る画像読取装置の制御部のブロック図。
図3】本発明の一実施形態に係る画像読取装置の概略側断面図。
図4】本発明の一実施形態に係る画像読取装置の上面図。
図5】本発明の一実施形態に係る画像読取装置の背面図および断面図。
図6】本発明の一実施形態に係る画像読取装置の説明図。
図7】本発明の一実施形態に係る画像読取装置の給送トレイの説明図。
図8】本発明の一実施形態に係る画像読取装置の給送トレイの説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係る画像読取装置Aの概略図である。
【0010】
<装置の構成>
画像読取装置Aは、載置台1に積載された1つ又は複数の搬送媒体Sを1つずつ本体内の経路RTに沿って給紙口から排出口まで搬送してその画像を読み取り、排出トレイ2に排出する装置である。画像を読み取る搬送媒体Sは、例えば、OA紙、チェック、小切手、名刺、カード類等のシートであり、厚手のシートであっても、薄手のシートであってもよい。カード類は、例えば、保険証、免許証、クレジットカード等を挙げることができる。搬送媒体Sには、また、パスポートなどの冊子も含まれる。冊子を対象とする場合、ホルダ200を用いることができる。透明なホルダ200に見開き状態の冊子を収容して載置台1に載置することで、冊子がホルダ200と共に搬送され、その画像を読み取ることができる。
【0011】
<給紙>
経路RTに沿って搬送媒体Sを給送する給送機構としての第1搬送部10が設けられている。第1搬送部10は本実施形態の場合、送りローラ11と、送りローラ11に対向配置される分離ローラ12と、を備え、載置台1上の搬送媒体Sを搬送方向D1に一つずつ順次搬送する。送りローラ11には、モータ等の駆動部3から伝達部5を介して駆動力が伝達され、図中矢印方向(経路RTに沿って搬送媒体Sを搬送させる正方向)に回転駆動される。伝達部5は例えば電磁クラッチであり、駆動部3からの送りローラ11への駆動力を断続する。
【0012】
<駆動部>
駆動部3と送りローラ11とを接続する伝達部5は、例えば、本実施形態では、通常時において駆動力が伝達される状態とし、搬送媒体Sを逆送または停止する場合には駆動力を遮断する。送りローラ11は伝達部5により駆動力の伝達が遮断されると、自由回転可能な状態となる。なお、このような伝達部5は、送りローラ11を一方向のみに駆動させる場合には設けなくてもよい。
【0013】
<分離構造>
送りローラ11に対向配置される分離ローラ12は、搬送媒体Sを1つずつに分離するためのローラであり、送りローラ11に対して一定圧で圧接している。この圧接状態を確保するため、分離ローラ12は揺動可能に設けると共に送りローラ11へ付勢されるように構成される。分離ローラ12は、トルクリミッタ12aを介して駆動部3から駆動力が伝達され、実線矢印方向(送りローラ11の正方向とは逆方向))に回転駆動される。
【0014】
分離ローラ12はトルクリミッタ12aにより駆動力伝達が規制されるため、送りローラ11と当接している際は送りローラ11に連れ回りする方向(破線矢印方向)に回転する。複数の搬送媒体Sが送りローラ11と分離ローラ12との圧接部に搬送されてきた際には、2つ以上の搬送媒体Sが下流に搬送されないように分離する。
【0015】
なお、本実施形態では分離ローラ12と送りローラ11とで分離機構を構成したが、このような分離機構は必ずしも設けなくてもよく、経路RTに搬送媒体Sを1つずつ順次給送する給送機構であればよい。また、分離機構を設ける場合においては、分離ローラ12のような構成の代わりに、搬送媒体Sに摩擦力を付与する分離パッドを送りローラ11に圧接させて、同様の分離作用を持たせるようにしてもよい。
【0016】
<搬送構造>
第1搬送部10の搬送方向下流側にある搬送機構としての第2搬送部20は、駆動ローラ21と、駆動ローラ21に従動する従動ローラ22とを備え、第1搬送部10から搬送されてきた搬送媒体Sをその下流側へ搬送する。駆動ローラ21にはモータ等の駆動部4から駆動力が伝達され、図中矢印方向に回転駆動される。従動ローラ22は駆動ローラ21に対して一定圧で圧接し、駆動ローラ21に連れ回る。この従動ローラ22は、バネ等の付勢ユニット(不図示)によって駆動ローラ21に対して付勢された構成としてもよい。
【0017】
このような第2搬送部20よりも搬送方向下流側にある第3搬送部30は、駆動ローラ31と、駆動ローラ31に従動する従動ローラ32とを備え、第2搬送部20から搬送されてきた搬送媒体Sを排出トレイ2へ搬送する。つまり、この第3搬送部30は排出機構として機能する。
【0018】
駆動ローラ31にはモータ等の駆動部4から駆動力が伝達され、図中矢印方向に回転駆動される。従動ローラ32は駆動ローラ31に対して一定圧で圧接し、駆動ローラ31に連れ回る。この従動ローラ32は、バネ等の付勢ユニット(不図示)によって駆動ローラ31に対して付勢された構成としてもよい。
【0019】
<排紙構造>
排出トレイ2は、画像読取装置Aに対して摺動可能なように、画像読取装置Aの下方に支持されており、本体100に摺動可能に取り付けられた第1の排出トレイ151と第1の排出トレイ151に摺動可能に取り付けられた第2の排出トレイ152を備えている。
【0020】
第2の排出トレイ152は、第1の排出トレイ151の先端側に接続された第1の延長トレイ153、第1の延長トレイ153の先端側に接続された第2の延長トレイ154とから構成されている。第1の延長トレイ153は第1の排出トレイ151に対して摺動可能に支持されており、第2の延長トレイ154は第1の延長トレイ153に対して摺動可能に支持されている。この排出トレイ2が本体100から引き出されることで、排出開口から排出された搬送媒体Sを受け、排出された搬送媒体Sの整列性を向上している。
【0021】
<画像読取構造、制御>
ここで、本実施形態の画像読取装置Aでは、第2搬送部20と第3搬送部30との間に配置される画像読取ユニット70(画像読取部)によって画像の読み取りを行うため、第2搬送部20及び第3搬送部30は搬送媒体Sを定速搬送する。定速搬送する搬送速度は常に第1搬送部10の搬送速度以上とすることで、先行搬送媒体Sに後続搬送媒体Sが追いついてしまう事態を確実に回避できる。例えば、本実施形態では、第2搬送部20及び第3搬送部30による搬送媒体Sの搬送速度が第1搬送部10による搬送媒体Sの搬送速度よりも速くなるように速度制御するようにしている。
【0022】
なお、第2搬送部20及び第3搬送部30による搬送媒体Sの搬送速度と、第1搬送部10による搬送媒体Sの搬送速度とを同一とした場合もしくは第2搬送部20や第3搬送部30よりも第1搬送部10による搬送媒体Sの搬送速度を速く速度制御する場合でも、駆動部3を制御して後続搬送媒体Sの給送開始タイミングを間欠的にずらすことにより先行搬送媒体Sと後続搬送媒体Sとの間に最低限の間隔を形成することも可能である。例えば上述したようなパスポートなどの冊子の搬送時や、薄紙の場合に第1搬送部10による搬送媒体Sの搬送速度と第2搬送部20及び第3搬送部30による搬送媒体Sの搬送速度とを同一とすると、好適である。
【0023】
<重送検出>
第1搬送部10と第2搬送部20との間に配置される重送検出センサ40は、静電気等で紙などの搬送媒体S同士が密着し、第1搬送部10を通過してきた場合(つまり重なって搬送される重送状態の場合)に、これを検出するための検出センサ(シートの挙動や状態を検出するセンサ)の一例である。重送検出センサ40としては、種々のものが利用可能であるが、本実施形態の場合には超音波センサであり、超音波の発信部41とその受信部42とを備え、紙等の搬送媒体Sが重送されている場合と1つずつ搬送されている場合とで、搬送媒体Sを通過する超音波の減衰量が異なることを原理として重送を検出する。
【0024】
<レジストセンサ>
このような重送検出センサ40よりも搬送方向下流側に配置される媒体検出センサ50は第2搬送部20よりも上流側で、第1搬送部10よりも下流側に配置された搬送路RT上流側の検出センサ(シートの挙動や状態を検出するセンサ)としての一例であり、第1搬送部10により搬送される搬送媒体Sの位置、詳細には、媒体検出センサ50の検出位置に搬送媒体Sの端部が到達又は通過したか否かを検出する。媒体検出センサ50としては、種々のものが利用可能であるが、本実施形態の場合には光学センサであり、発光部51とその受光部52とを備え、搬送媒体Sの到達又は通過により受光強度(受光量)が変化することを原理として搬送媒体Sを検出する。
【0025】
本実施形態の場合、搬送媒体Sの先端が媒体検出センサ50で検出された時点で、搬送媒体Sが重送検出センサ40により重送を検出可能な位置に到達しているように、上記の媒体検出センサ50は重送検出センサ40の近傍においてその下流側に設けられている。なお、この媒体検出センサ50は、上記の光学センサに限定されず、例えば、搬送媒体Sの端部が検知できるセンサ(イメージセンサ等)を用いてもよいし、経路RTに突出したレバー型のセンサでもよい。
【0026】
また、媒体検出センサ50とは別の媒体検出センサ60が画像読取ユニット70よりも上流側に配置されている。媒体検出センサ60は、第2搬送部20よりも下流側に配置された下流側の検出センサとしての一例であり、第2搬送部20により搬送される搬送媒体Sの位置を検出する。媒体検出センサ60としては、種々のものが利用可能であるが、本実施形態の場合、媒体検出センサ50と同様に光センサであり、発光部61と受光部62とを備え、搬送媒体Sの到達又は通過により受光強度(受光量)が変化することを原理として搬送媒体Sを検出する。なお、本実施形態では、第2搬送部20の搬送方向上流側と下流側のそれぞれに媒体検出センサ50、60を配置したが、何れか一方だけでもよい。
【0027】
<CISの配置>
媒体検出センサ60よりも下流側にある画像読取ユニット70は、例えば、光学的に走査し、電気信号に変換して画像データとして読み取るものであり、内部にLED等の光源、イメージセンサ、レンズアレー等を備えている。本実施形態の場合、画像読取ユニット70は経路RTの両側に一つずつ配置されており、搬送媒体Sの表裏面を読み取る。しかし、経路RTの片側にのみ一つ配置して、搬送媒体Sの片面のみを読み取る構成としてもよい。また、本実施形態では、画像読取ユニット70を経路RTの両側に対向配置した構造としているが、例えば、経路RTの方向に間隔をあけて配置してもよい。媒体検出センサ60による搬送媒体Sの検出タイミングに基づいて、画像読取ユニット70による画像読み取りのタイミングが制御される。
【0028】
<ブロック図の説明>
図2を参照して制御部80について説明する。図2は画像読取装置Aの制御部80のブロック図である。
【0029】
制御部80はCPU81、記憶部82、操作部83、通信部84及びインターフェース部85を備える。CPU81は記憶部82に記憶されたプログラムを実行することにより、画像読取装置A全体の制御を行う。記憶部82は例えばRAM、ROM等から構成される。操作部83は、例えば、スイッチやタッチパネル等で構成され、操作者からの操作を受け付ける。
【0030】
通信部84は、外部装置との情報通信を行うインターフェースである。外部装置としてPC(パソコン)を想定した場合、通信部84としては、例えば、USBインターフェースやSCSIインターフェースまたは有線LAN接続のネットワークインターフェースを挙げることができる。また、このような有線通信のインターフェースの他、通信部84は無線通信のインターフェースとしてもよく、有線通信、無線通信の双方のインターフェースを備えていてもよい。
【0031】
インターフェース部85は、アクチュエータ86やセンサ87とのデータの入出力を行うI/Oインターフェースである。アクチュエータ86には、駆動部3、駆動部4、伝達部5等が含まれる。センサ87には、重送検出センサ40、媒体検出センサ50及び60、画像読取ユニット70等が含まれる。
【0032】
また、CPU81は後述する入力部88からの入力も受け付ける。入力部88から入力された各情報を用いて処理を実行するが、詳しくは後述する。
【0033】
<PCからの開始指示受信による駆動>
画像読取装置Aの基本的な動作について説明する。制御部80は、例えば画像読取装置Aが接続された外部パソコンから画像読み取りの開始指示を受信すると、第1乃至第3搬送部10乃至30(以下、まとめて搬送部)の駆動を開始する。載置台1の積載面に積載された搬送媒体Sはその最も下に位置する搬送媒体Sから1つずつ搬送される。
【0034】
また、後述するように、画像読取装置Aの操作部83に設けられたスタートキーによって画像の読み取りを開始し、その後画像読取の開始を外部パソコンに通知したり、スタートキーが押されたことを外部パソコンが検知すると開始指示が外部パソコンから送信されるようにしたりしてもよい。
【0035】
<重送時の制御>
搬送の途中で搬送媒体Sは重送検出センサ40により重送の有無が判定され、重送が無いと判定されると搬送が継続される。なお、重送があると判定された場合には、搬送を停止するか、第1搬送部10による後続搬送媒体Sの取り込みを停止して、重送状態にある搬送媒体Sをそのまま排出するようにしてもよい。
【0036】
<レジストセンサの出力に応じた読取開始>
制御部80は、媒体検出センサ60の検出結果に基づくタイミングで、第2搬送部20により搬送されてきた搬送媒体Sの、画像読取ユニット70による画像の読み取りを開始し、読み取った画像を一次記憶して順次外部パソコンへ送信する。画像が読み取られた搬送媒体Sは第3搬送部30により排出トレイ2に排出されてその搬送媒体Sの画像読取処理が終了する。
【0037】
<上部ユニット詳細>
図3は本発明の一実施形態に係る画像読取装置Aの概略断面図である。本体100は、上部ユニット103と下部ユニット104とから構成され、上部ユニット103は下部ユニット104に対し、本体ヒンジ105を支点として回動可能に取り付けられている。なお、図3においては、排出トレイ2を本体100に収納した状態から引き出す態様のものが本体100に収納された状態を示している。
【0038】
<給送トレイ>
図4の上面図に示すように、給送トレイ110には、配置される搬送媒体Sの大きさに合わせて搬送方向に対して直交する方向にスライド可能に取り付けられた一対の規制部材111が設けられている。この一対の規制部材111によって、搬送媒体Sの幅方向の両側縁を規制することで、搬送時における斜行の低減などが可能である。また、給送トレイ110の中央には、引き伸ばして延長可能な給送延長トレイ112が設けられている。
【0039】
また、給送トレイ110の中央部には、NFCリーダー113が内蔵されている。このNFCリーダー113は、上述した入力部88の一例であり、NFCリーダー113を介して入力された情報をCPU81に入力し、各種処理が実行可能である。
【0040】
例えば、画像読取装置Aによる画像読み取り動作の開始前に、ユーザーが固有のIDカードなどをNFCリーダー113にかざすことにより認証処理を行い、認証処理が成功した場合に画像読み取りを実行できるようにしても良いし、画像読み取り動作に関する制御情報を受信可能に構成しても良い。また、画像読み取りの実行中に搬送媒体Sを搬送しながら搬送媒体Sが有するICチップとの通信を行い、通信結果に基づいて搬送部による搬送制御や読み取った画像の画像処理や送信先などを変更しても良い。なお、図4に示すようなLCDなどで構成される表示部89を設け、認証処理の結果や画像読み取り処理に関する表示を行っても良い。
【0041】
図5(a)には、画像読取装置Aの背面図を示し、図5(b)には、図5(a)におけるA-A断面の断面図を示している。
【0042】
図5(a)に示すように、NFCリーダー113から下部ユニット104の背面側に向かって延びる接続ケーブル116を覆うカバー115が設けられている。その下端部には下部ユニット104の背面に接続するための接続部114が設けられている。
【0043】
図5(b)に示すように、接続部114を本体100の背面に設けられた接続コネクタ104aに接続することで、NFCリーダー113が本体100の内部に設けられたCPU81に対して接続され、通信が可能となる。
【0044】
ここで、給送トレイ110について詳述する。図6(a)には、給送トレイ110を本体100から取り外した状態の斜視図を示しており、図6(b)には給送トレイ110が接続される本体100の背面斜視図を示している。
【0045】
図6(a)に示すように、給送トレイ110は、その下端部(搬送部における搬送方向下流側の端部)に、本体100に対して挿通されることで給送トレイ110が本体100に固定される固定部120が設けられている。
【0046】
また、給送トレイ110の背面側(搬送媒体Sが載置される載置面側とは反対側)の下端部には、上述したNFCリーダー113の接続部114が設けられている。この接続部114は、図6(a)に示すように、固定部120よりも下端側に突出した突出部110cに設けられている。
【0047】
この接続部114は、図6(b)に示す本体100の背面斜視図に示す接続コネクタ104aに対して接続される。本実施形態においては、給送トレイ110を本体100に固定する際に、まず接続コネクタ104aが設けられる凹部104bに対して接続部114が挿通され、その状態でさらに給送トレイ110を本体100側に移動させることによって、固定部120が本体100に設けられた固定穴104cに挿通されて、給送トレイ110が取り付けられると同時に、接続部114が接続コネクタ104aに接続される。
【0048】
以上説明したように、接続部114を凹部104bに挿通した状態で給送トレイ110を本体100に向けて移動させて本体100に対して取り付けることで、接続部114が接続コネクタ104aに対して接続されるため、ユーザーは接続部114と接続コネクタ104aとの接続状態を気にせず給送トレイ110を本体100に対して取り付ける動作を行うだけでNFCリーダー113をCPU81に対して電気的に接続させることができる。
【0049】
本実施形態においては、このように、給送トレイ110を本体100に取り付ける動作に連動して接続部114が接続コネクタ104aに接続されるように構成しているため、接続部114と接続コネクタ104aとの一方が他方に対して相対的に若干移動可能になっていることが好ましい。また、給送トレイ110の進入に伴って、移動可能な一方の部材の相対位置が矯正され、接続時の接続状態が確保されるように構成することが好ましい。
【0050】
また、図7(a)には本体100の正面図を示しており、給送トレイ110の規制部材111を最も内側に位置させている。給送トレイ110は、その内部に一対の規制部材111を連動して移動させるためのラック、ピニオンギアなどを有する連動機構111bが設けられており、NFCリーダー113は、それらを避けた位置に配置されている。具体的には、NFCリーダー113は給送トレイ110における搬送媒体Sの幅方向に対する中央部に設けられており、図7(a)に示すように、規制部材111の一部である規制部載置面111aと搬送媒体Sの搬送方向において重ならずに隣接する位置、換言すると規制部材111の規制領域外に配置されている。また、ピニオンギアは搬送媒体Sの幅方向の略中央部に配置されており、NFCリーダー113は、厚み方向において、ピニオンギアと少なくとも一部が同じ位置に配置されている。
【0051】
このように、NFCリーダー113を連動機構111bと厚み方向で少なくとも一部が同じ位置になるように配置する、言い換えれば、NFCリーダー113が占める空間(領域)と連動機構111bが占める空間(領域)とが、搬送方向から見て重複する位置に設けられていることによって、給送トレイ110の厚みを低減することができる。
【0052】
また、図7(b)には給送トレイ110の断面図(図7(a)におけるB-B断面における給送トレイ110付近の拡大図)を示しており、給送トレイ110の外装は載置面を形成する上側給送トレイ110aと背面側となる下側給送トレイ110bとで構成されている。上側給送トレイ110aと下側給送トレイ110bとで挟まれた給送トレイ110内部において、搬送媒体Sの厚み方向で、給送トレイ110内に収納された状態の給送延長トレイ112と載置面(上側給送トレイ110a)とで挟まれる位置に、連動機構111bとNFCリーダー113とが配置されている。
【0053】
このような構成により、給送トレイ110における給送に関する連動機構111bなどの機構部品の配置への影響を抑え、給送トレイ110の厚みを増大させることなくNFCリーダー113を配置することができる。
【0054】
また、図8(a)には給送トレイ110を背面から見て、最も手前側の外装となる下側給送トレイ110bを除いた図を示している。また図8(b)には、(a)同様の向きから見て、さらに給送延長トレイ112を除いた図を示している。
【0055】
図8(a)によれば、上述した通り、給送延長トレイ112と、載置面を形成する上側給送トレイ110aとの間に連動機構111bやNFCリーダー113が配置されていることを示している。
【0056】
図8(b)によると、NFCリーダー113はトレイ中央先端に位置し、前述のとおり連動機構111bを避けた位置に配置されている。NFCリーダー113には内部ケーブル117が接続されている。内部ケーブル117は例えばFFC(Flexible Flat Cable)など、装置外部のユーザーが触れるには好適ではないケーブルであることが多い。そこで、前述のような接続ケーブル116に変換するための変換基板118および変換基板118を連動機構111bから避けつつ固定するための基板台119を備えている。
【0057】
NFCリーダー113と変換基板118は内部ケーブル117で接続され、変換基板118には接続ケーブル116が接続されている。接続ケーブル116は、カバー115に覆われ、その先端が上述した接続部114に接続されるが、カバー115を有させずに、接続ケーブル116の先端がそのまま給送トレイ110の外部に引き出される構成でも良く、以下にはその態様について説明する。
【0058】
(第2実施形態)
本実施形態は、第1実施形態とその接続ケーブル116の形態のみが異なり、以下ではその相違点についてのみ説明する。
【0059】
本実施形態においては、図8に示すように、カバー115を設けず、接続ケーブル116およびその接続部114がむき出しになっている。この際、給送トレイ110は着脱が可能であるため、ユーザーが接続部114を下部ユニット104に接続していることを失念したまま、給送トレイ110を外す可能性が考えられる。
【0060】
そこで、図8(b)に示すように、接続ケーブル116は、接続部114から変換基板118のコネクタまでの間の部分において、基板台119への固定部に対し複数回、鋭角に屈曲して取り付けられた部分を有する。基板台119は、複数回屈曲させて接続ケーブル116を引っ掛ける引っ掛け部を複数有し、この引っ掛け部に接続ケーブル116を引っ掛けることによって接続ケーブル116を保持している。
【0061】
接続ケーブル116が強い力で引っ張られても、このような複数回の屈曲を伴う這い回しを行うことで、引っ張られる力が変換基板118との接続部であるコネクタまで伝達せず、接続ケーブル116の破損を防ぐことができる。
【0062】
また、図8(a)に示すように変換基板118および基板台119は給送延長トレイ112を搬送媒体Sの幅方向に避けつつ、搬送媒体Sの厚み方向で、給送延長トレイ112と少なくとも一部が同じ位置にあり、また連動機構111bの一部と搬送媒体Sの厚み方向で重なる位置に配置されているため、給送トレイ110を厚み方向に厚くすることなく構成することを可能にしている。
【0063】
また、図4に示すように、本実施形態における画像読取装置Aには表示部89が設けられており、上述したように、画像読み取りの開始前にユーザー認証を行う場合には、表示部89に対し、NFCリーダー113が給送トレイ110の中央部に設けられていることを示す画像やガイダンスを表示しても良い。
【0064】
本実施形態においてはNFCリーダー113を給送トレイ110に配置しているため、ユーザーがユーザー認証の実行前に搬送媒体Sを給送トレイ110に載置してしまった場合にNFCリーダー113の位置をユーザーが認識しづらくなることが想定されるが、NFCリーダー113が給送トレイ110の中央部に設けられていることを示す画像やガイダンスを表示することにより、ユーザーがNFCリーダー113の位置を把握しやすくなる。
【0065】
各実施形態を用いて説明したように、本発明に係る画像読取装置におけるNFCリーダー113は、図8(b)に示す、搬送媒体Sの厚み方向(載置面の法線方向)で給送トレイ110を見た状態において、連動機構111bと搬送方向において並んで配置されていることを特徴としている。さらに、その厚み方向において、少なくとも一部が連動機構111bと同じ位置(厚み方向における高さ)に位置することによって、給送トレイ110の厚みを低減することができるものである。
【0066】
また、NFCリーダー113から引き出される内部ケーブル117を接続ケーブル116に接続(変換)するための変換基板118を、厚み方向において連動機構111bと重なる給送延長トレイ112と少なくとも一部が同じ位置となるように配置すると共に、連動機構111bと厚み方向で重なる位置に配置することによって、給送延長トレイ112および連動機構111bが配置される給送トレイ110の厚みを利用して、変換基板118を省スペースに配置することができ、給送トレイ110の小型化を図ることができる。
【0067】
以上説明した実施形態は一例であり、本発明はこれらに種々の変更を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0068】
A 画像読取装置
100 本体
104 下部ユニット
104a 接続コネクタ
110 給送トレイ
110c 突出部
111 規制部材
111a 規制部載置面
111b 連動機構
112 給送延長トレイ
113 NFCリーダー
114 接続部
115 カバー
116 接続ケーブル
117 内部ケーブル
118 変換基板
119 基板台

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8