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  • 特開-保護帽子 図1
  • 特開-保護帽子 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022116854
(43)【公開日】2022-08-10
(54)【発明の名称】保護帽子
(51)【国際特許分類】
   A42B 1/24 20210101AFI20220803BHJP
   A42B 1/12 20060101ALI20220803BHJP
   A42B 1/18 20060101ALI20220803BHJP
【FI】
A42B1/24 N
A42B1/12 A
A42B1/18 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021013249
(22)【出願日】2021-01-29
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)販売日:令和 令和2年11月16日 販売した場所: 有限会社古戦場商事が運営する入浴施設内の店舗(岩手県一関市赤荻字堺78-2) (2)販売日:令和 令和2年12月1日 公開及び販売した場所: 下記アドレスのウェブサイトで公開されている有限会社古戦場商事のウェブサイト https://kosenjyo.stores.jp/items/5fc8d6bbb00aa33dbaeb47f0
(71)【出願人】
【識別番号】520499144
【氏名又は名称】有限会社古戦場商事
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】浅野 裕美
(57)【要約】
【課題】 顔面保護部材をずれ落ちないように装着する。
【解決手段】
使用者Mの頭に被せるように形成された帽子部10を備え、帽子部10の左側部と右側部に、顔面保護部材2の一端側と他端側を着脱可能なスリット孔状の係止部11を設けて、保護帽子1を構成した。使用者Mの頭部に保護帽子1を被せ、顔面保護部材2の一端部2aと他端部2bをそれぞれ係止部11,11に挿通して係止すれば、使用者Mの顔面を周囲熱から保護することができる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の頭に被せるように形成された帽子部を備え、
前記帽子部の左側部と右側部には、顔面保護部材の一端側と他端側を着脱可能な係止部が設けられていることを特徴とする保護帽子。
【請求項2】
前記係止部が貫通状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の保護帽子。
【請求項3】
前記顔面保護部材としてタオルを想定し、このタオルの一端側が挿通されて係止されるように、前記係止部を形成したことを特徴とする請求項1記載の保護帽子。
【請求項4】
前記係止部がスリット状に形成されていることを特徴とする請求項3記載の保護帽子。
【請求項5】
前記帽子部が可撓性のシート状部材から形成され、
前記係止部は、縦長スリット状に形成されていることを特徴とする請求項1~3何れか1項記載の保護帽子。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サウナ入浴時や除雪作業時等に、周囲熱から頭部等を保護するための保護帽子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の発明には、例えば特許文献1に記載されるように、使用者の頭部に被せるようにしたサウナ頭部保護キャップがある。
このような従来技術によれば、サウナ入浴時の高温な周囲熱や放射熱により、髪の毛や頭部の皮膚がダメージを受けるのを軽減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-340419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来技術によれば、使用者の顔面を覆うことができないので、周囲熱等により、使用者が顔面にダメージを受けるおそれがある。
そこで、使用者が上記サウナ頭部保護キャップを装着した上で、さらにタオル等を頭や顔に巻き付けることが考えられるが、前記タオル等がずれ落ちてしまうおそれがある上、見栄えもよくない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような課題に鑑みて、本発明は、以下の構成を具備するものである。
使用者の頭に被せるように形成された帽子部を備え、前記帽子部の左側部と右側部には、顔面保護部材の一端側と他端側を着脱可能な係止部が設けられていることを特徴とする保護帽子。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、以上説明したように構成されているので、使用者を周囲熱から保護する顔面保護部材をずれ落ちないように装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に係る保護帽子の一例を使用者が装着した状態を示す正面図である。
図2】同保護帽子の正面図である。
図3】同保護帽子の側面図であり、要部を切欠して断面及び内部構造を示している。
図4】同保護帽子の使用状態図であり、(a)は使用者が当該保護帽子を頭に被せて両肩に顔面保護部材を掛けた状態を示し、(b)は顔面保護部材の一端部が保護帽子に係止された状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本実施の形態では、以下の特徴を開示している。
第1の特徴は、使用者の頭に被せるように形成された帽子部を備え、前記帽子部の左側部と右側部には、顔面保護部材の一端側と他端側を着脱可能な係止部が設けられている(図1図4参照)。
【0009】
第2の特徴として、前記係止部が貫通状に形成されている。
【0010】
第3の特徴は、前記顔面保護部材としてタオルを想定し、このタオルの一端側が挿通されて係止されるように、前記係止部を形成した。
【0011】
第4の特徴として、前記係止部がスリット状に形成されている。
【0012】
第5の特徴として、前記帽子部が可撓性のシート状部材から形成され、前記係止部は、縦長スリット状に形成されている。
【0013】
<具体的実施態様>
次に、上記特徴を有する具体的な実施態様について、図面に基づいて詳細に説明する。
この保護帽子1は、使用者の頭に被せるように形成された帽子部10を備え、サウナ入浴時に顔面を保護するのに好適なサウナ用帽子を構成している。
【0014】
帽子部10は、単層又は複層の布シート等、可撓性のシート状部材から一端側(図示の上端側)を半球状の底部にするとともに他端側に開口部を有する略有底筒状(別表現をすればキャップ状)に形成される。
本実施の形態の一例によれば、この帽子部10は、デニム生地の裏面にフェルト生地を重ね合わせた二層構造の布地から形成される。
【0015】
帽子部10の下端寄りにおける左側部と右側部には、それぞれ、顔面保護部材2の一端部2aと他端部2bを着脱可能な係止部11,11が設けられている。
各係止部11の前後方向の位置は、帽子部10を側面視した場合(図3参照)において、水平方向の略中央、やや前寄り、又はやや後寄り等とすればよい。
【0016】
顔面保護部材2は、図示例によれば、洗顔や入浴等に用いられる長尺矩形状(もしくは帯状)のタオルである。
この顔面保護部材2の他例としては、タオル以外の長尺状の布や、ビニールシート等、可撓性のシート状部材を用いることが可能である。
【0017】
係止部11は、帽子部10を貫通する縦長スリット状の孔である。
この係止部11は、顔面保護部材2の端部2a,2bを挿通し係止可能なように、上下方向の長さが適宜に設定される。
この係止部11(スリット孔)の内縁部には、布地がほつれることのないように、かがり縫い等の適宜なほつれ帽子加工が施されている。
【0018】
そして、上記構成の係止部11の頂部には、掛止部20が上方へ突出するように設けられる。
掛止部20は、布製の紐等から環状に形成され、帽子部10の頂部に縫い付けられている。この掛止部20は、フック状の掛止具等に掛止可能である。
【0019】
次に、上記構成の保護帽子1の使用方法及び作用効果等について説明する。
先ず、保護帽子1は、図4(a)に示すように、サウナ入力者等の使用者Mの頭部にキャップ状に被せられる。
使用者Mは、顔面保護部材2(タオル)の一端部2aを手で握り、一方の係止部11に挿通する(図4(b)参照)。
【0020】
この際、スリット孔状の係止部11は、その開口幅を拡げるように撓み変形する。そして、その変形した貫通状の孔に、顔面保護部材2の一端部2aが挿入される。
一端部2aは、手で握られ収縮した状態で係止部11を通り抜け、この後、元の状態に復元する。このため、一端部2aは、意図せずに抜け落ちることのないように係止される。
【0021】
次に、使用者Mは、顔面保護部材2の他端部2bを手で握り、他方の係止部11に挿通する(図4(b)~図1参照)。上記と同様に、他端部2bも係止部11に対し、意図せずに抜け落ちることのないように係止される。
【0022】
このようにして、図1に示すように、使用者Mの顔面の略全部を、顔面保護部材2によって覆うことができ、使用者Mの顔面が、サウナ入浴に伴う周囲熱や放射熱等によりダメージを受けるのを軽減することができる。なお、顔面保護部材2(タオル)は、乾いた状態で用いてもよいが、冷水に浸して用いればより効果的である。
【0023】
さらに、使用者Mから飛沫が飛んだり、他人の飛沫が使用者Mの顔面に直接付着したりするのを、顔面保護部材2によって阻むこともでき、ウィルス等に飛沫感染の予防にも有用である。
【0024】
そして、保護帽子1から顔面保護部材2を分離する際は、使用者Mが手で顔面保護部材2の一端側を引っ張る動作により、一端部2a及び他端部2bを両係止部11,11から容易に引き抜くことができる。
【0025】
よって、保護帽子1によれば、使用者Mを周囲熱から保護する顔面保護部材2をずれ落ちないように装着できる上、顔面保護部材2の着脱も容易である。
【0026】
なお、保護帽子1は、上記したようにサウナ入浴で用いられる他、除雪作業等、屋外での作業等に使用することも可能である。この場合は、保護帽子1に装着された顔面保護部材2を少したるませて、使用者Mが顔面の上半部(あるいは目)のみを露出した状態にすればよい。このような使用状態で、保護帽子1及び顔面保護部材2は、使用者Mの顔面を冷気や紫外線等から保護する。
【0027】
また、上記実施態様では、使用中に係止部11が拡がって、顔面保護部材2が外れたり意匠上の体裁を損ねたりすることのないように、係止部11を縦長のスリット孔としたが、この係止部11の他例としては、横長のスリット孔や、丸穴等、図示例以外の形状の貫通孔にすることも可能である。
【0028】
また、上記実施態様では、特に好ましい態様として、係止部11を貫通孔状に形成したが、この係止部11は、顔面保護部材2の端部側を係止可能であれば、図示例以外の態様とすることも可能である。
すなわち、他例としては、帽子部10に対し、フック状や突起状の係止部(図示せず)を設け、この係止部に、顔面保護部材2の端部側が引っ掛けられるようにすることも可能である。
さらに、他例しては、保護帽子1に面ファスナーの一片部を設けるとともに、顔面保護部材2に同面ファスナーの他片部を設け、これら一片部と他片部が着脱されるようにすることも可能である。
【0029】
また、上記実施態様では、帽子部10をキャップ状に形成したが、帽子部10の他例としては、ツバ部を有するハット状に形成することも可能である。
【0030】
また、本発明は上述した実施態様に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0031】
1:保護帽子
2:顔面保護部材
2a:一端部
2b:他端部
10:帽子部
11:係止部
20:掛止部
M:使用者
図1
図2
図3
図4