(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022116864
(43)【公開日】2022-08-10
(54)【発明の名称】テープおよびテープ付き容器
(51)【国際特許分類】
B65D 33/00 20060101AFI20220803BHJP
【FI】
B65D33/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021013262
(22)【出願日】2021-01-29
(71)【出願人】
【識別番号】500163366
【氏名又は名称】出光ユニテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉村 熙晟
【テーマコード(参考)】
3E064
【Fターム(参考)】
3E064AA05
3E064BA17
3E064BA26
3E064BA30
3E064BA36
3E064BA37
3E064BA55
3E064BB03
3E064BC20
3E064EA30
3E064HM01
3E064HN05
3E064HP03
(57)【要約】
【課題】ポリエチレンを主成分とする樹脂組成物で形成された厚肉部と、薄肉部とを有するテープおよびテープ付き容器において、テープを薄肉部に沿って容易に引き裂く。
【解決手段】第1および第2の厚肉部と、第1および第2の厚肉部の間に形成される薄肉部とを有し、少なくとも第1および第2の厚肉部は、ポリエチレンを主成分とする第1の樹脂組成物で形成され、薄肉部の少なくとも一部は、ポリエチレンと相溶しない樹脂を含有する第2の樹脂組成物で形成される、テープが提供される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1および第2の厚肉部と、前記第1および第2の厚肉部の間に形成される薄肉部とを有し、
少なくとも前記第1および第2の厚肉部は、ポリエチレンを主成分とする第1の樹脂組成物で形成され、
前記薄肉部の少なくとも一部は、ポリエチレンと相溶しない樹脂を含有する第2の樹脂組成物で形成される、テープ。
【請求項2】
前記第2の樹脂組成物は、環状オレフィンおよびエチレンの共重合体を含有する、請求項1に記載のテープ。
【請求項3】
前記第2の樹脂組成物は、前記ポリエチレンと相溶しない樹脂を2質量%以上75質量%以下含有する、請求項1または請求項2に記載のテープ。
【請求項4】
前記厚肉部の厚さは150μm以上700μm以下であり、前記薄肉部の厚さは10μm以上120μm以下である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のテープ。
【請求項5】
前記第1の樹脂組成物は、バイオポリエチレンを含有する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のテープ。
【請求項6】
少なくとも部分的に対向するように構成された第1および第2の部分を有し、
前記第1の部分が、前記第1および第2の厚肉部ならびに前記薄肉部を有する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のテープ。
【請求項7】
前記第1の部分は、さらに第1の基部条片と、前記第1の基部条片から突出する第1の係合部とを有し、
前記第1の基部条片は、前記第1の厚肉部に連続し、
前記第2の部分は、第2の基部条片、および前記第2の基部条片から突出し、前記第1の係合部に係合可能な第2の係合部を有し、
ジッパーテープを構成する、請求項6に記載のテープ。
【請求項8】
前記第1の厚肉部は、前記第1の基部条片よりも厚く形成される、請求項7に記載のテープ。
【請求項9】
少なくとも互いに対向する第1面および第2面を有する容器本体と、
前記第1面に前記第1の部分の少なくとも一部が接合され、前記第2面に前記第2の部分の少なくとも一部が接合される請求項6から請求項8のいずれか1項に記載のテープと
を備えるテープ付き容器。
【請求項10】
前記容器本体は、袋状である、請求項9に記載のテープ付き容器。
【請求項11】
前記薄肉部に、前記テープの長手方向に延び前記テープの厚さ方向に突出するリブが形成され、
前記リブの頂部は前記第1面または前記第2面に接合される、請求項9または請求項10に記載のテープ付き容器。
【請求項12】
前記容器本体の外縁に接する前記テープの長手方向端部に、前記第1および第2の部分ならびに前記第1面および前記第2面が熱溶着されるシール部が形成され、
前記テープの長手方向に沿って前記シール部を横断する薄肉シール部が形成される、請求項9から請求項11のいずれか1項に記載のテープ付き容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープおよびテープ付き容器に関する。
【背景技術】
【0002】
食品、薬品、医療品、雑貨等の各種物品を包装するための包装材として、袋の開口部に対して雄部材および雌部材より形成されて雌雄咬合する一対の帯状のジッパーテープを配設し、かかる咬合状態を開閉自在としたジッパーテープ付き包装袋が適用されている。このようなジッパーテープ付き包装袋は、ジッパーテープの上部がシールされることによって密封されており、開封するときは、包装袋の両側に形成された切欠き等を開始位置として、袋本体のフィルムを引き裂くようにして開封することができる。
【0003】
このようにしてジッパーテープ付き包装袋を開封する場合、ジッパーテープ近傍のフィルムが切れてしまうため、袋本体が掴みにくくなるという問題があり、袋本体フィルムを所定の位置で切る技術が求められていた。そこで、特許文献1では、ジッパーテープの一部に開封紐を配設し、開封紐を引っ張ることによって袋本体のフィルムを引き裂く技術が示されている。また、特許文献2では、ジッパーテープのテープ部に引裂きを誘導させるために、引裂き性の樹脂を用いてカットさせるジッパーテープの記載がある。
【0004】
また、上記の特許文献1および特許文献2に記載された技術の改良として、特許文献3には、包装袋の袋本体内面に取り付けられるジッパーテープが、本体よりも厚肉とされた第1の凸状部と、第1の凸状部に隣接して設けられる薄肉部と、薄肉部に隣接して設けられ、薄肉部および本体よりも厚肉とされた第2の凸状部とを有し、薄肉部が袋本体の引き裂きを誘導するジッパーテープが記載されている。この技術によれば、開封時に袋本体を薄肉部に沿って引き裂くことによって容易に開口を形成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004-276925号公報
【特許文献2】特開2004-244027号公報
【特許文献3】国際公開第2008/035494号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、プラスチック製品のリサイクル適性を向上させるために、材料の多くを単一の化合物とするモノマテリアル化が求められており、ジッパーテープでも検討されている。しかしながら、ポリエチレンの特性上、袋本体を引き裂く際に薄肉部が破断するのではなく伸びてしまい、開封後に外観不良が生じたり、開封時の開口成形が困難になったりする場合がある。
【0007】
そこで、本発明は、ポリエチレンを主成分とする樹脂組成物で形成された厚肉部と、薄肉部とを有するテープおよびテープ付き容器において、テープを薄肉部に沿って容易に引き裂くことを可能にするテープおよびテープ付き容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[1]第1および第2の厚肉部と、第1および第2の厚肉部の間に形成される薄肉部とを有し、少なくとも第1および第2の厚肉部は、ポリエチレンを主成分とする第1の樹脂組成物で形成され、薄肉部の少なくとも一部は、ポリエチレンと相溶しない樹脂を含有する第2の樹脂組成物で形成される、テープ。
[2]第2の樹脂組成物は、環状オレフィンおよびエチレンの共重合体を含有する、[1]に記載のテープ。
[3]第2の樹脂組成物は、ポリエチレンと相溶しない樹脂を2質量%以上75質量%以下含有する、[1]または[2]に記載のテープ。
[4]厚肉部の厚さは150μm以上700μm以下であり、薄肉部の厚さは10μm以上120μm以下である、[1]から[3]のいずれか1項に記載のテープ。
[5]第1の樹脂組成物は、バイオポリエチレンを含有する、[1]から[4]のいずれか1項に記載のテープ。
[6]少なくとも部分的に対向するように構成された第1および第2の部分を有し、第1の部分が、第1および第2の厚肉部ならびに薄肉部を有する、[1]から[5]のいずれか1項に記載のテープ。
[7]第1の部分は、さらに第1の基部条片と、第1の基部条片から突出する第1の係合部とを有し、第1の基部条片は、第1の厚肉部に連続し、第2の部分は、第2の基部条片、および第2の基部条片から突出し、第1の係合部に係合可能な第2の係合部を有し、ジッパーテープを構成する、[6]に記載のテープ。
[8]第1の厚肉部は、第1の基部条片よりも厚く形成される、[7]に記載のテープ。
[9]少なくとも互いに対向する第1面および第2面を有する容器本体と、第1面に第1の部分の少なくとも一部が接合され、第2面に第2の部分の少なくとも一部が接合される[6]から[8]のいずれか1項に記載のテープとを備えるテープ付き容器。
[10]容器本体は、袋状である、[9]に記載のテープ付き容器。
[11]薄肉部に、テープの長手方向に延びテープの厚さ方向に突出するリブが形成され、リブの頂部は第1面または第2面に接合される、[9]または[10]に記載のテープ付き容器。
[12]容器本体の外縁に接するテープの長手方向端部に、第1および第2の部分ならびに第1面および第2面が熱溶着されるシール部が形成され、テープの長手方向に沿ってシール部を横断する薄肉シール部が形成される、[9]から[11]のいずれか1項に記載のテープ付き容器。
【発明の効果】
【0009】
上記の構成によれば、薄肉部の少なくとも一部がポリエチレンと相溶しない樹脂で形成されるため、テープを薄肉部に沿って容易に引き裂くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るテープ付き袋の平面図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係るテープの例を示す断面図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係るテープの別の例を示す断面図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係るテープ付き袋の他の例を示す断面図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態に係るテープ付き袋の他の例を示す断面図である。
【
図7】本発明の第1の実施形態に係るテープ付き袋のさらに他の例を示す断面図である。
【
図8】本発明の第1の実施形態に係るテープ付き袋のサイドシール部の構成例を示す図である。
【
図10】本発明の第2の実施形態に係るジッパーテープ付き袋の平面図である。
【
図12】本発明の第2の実施形態に係るジッパーテープの例を示す断面図である。
【
図13】本発明の第2の実施形態に係るジッパーテープ付き袋の他の例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省略する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るテープ付き袋の平面図であり、
図2は
図1のII-II線断面図である。図示されているように、テープ付き袋100は、フィルムによって形成され互いに対向する第1面111Aおよび第2面111Bを有する袋本体110と、袋本体110の第1面111Aおよび第2面111Bにそれぞれ接合されて、第1面111Aと第2面111Bとの間に形成される収納空間SPの一辺を画定するテープ120とを含む。
【0013】
袋本体110は、例えば単層または多層の熱可塑性樹脂フィルムで形成される。熱可塑性樹脂は、具体的には低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、またはポリプロピレン(PP)であってもよい。PPは、ホモポリプロピレン(HPP)、ランダムポリプロピレン(RPP)、またはブロックポリプロピレン(BPP)であってもよい。袋本体110が多層のフィルムで形成される場合、表基材に二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(OPET)、または二軸延伸ナイロン(ONy)を用いてもよい。これらは、化石燃料由来の樹脂に限られず、環境に配慮したバイオプラスチックであってもよいし、化石燃料由来の樹脂とバイオプラスチックとの混合物を用いてもよい。バイオプラスチックとしては、例えばバイオポリエチレンが好ましい。また、袋本体110を形成するフィルムはアルミニウムなどの金属材料の層や、無機材料の層を含んでもよい。例えば、フィルムをテープ120または後述するジッパーテープ220と同様にポリエチレンを主成分とする樹脂組成物でモノマテリアル化することによって、リサイクル性に優れる環境に配慮した構成が可能になる。
【0014】
なお、本実施形態では、2枚のフィルムがトップシール部112、ボトムシール部113およびサイドシール部114において互いに接合されることによって袋本体110を形成しているが、別の実施形態では、1枚のフィルムがサイドシール部114に対応する部分で折り返されることによって袋本体110を形成してもよい。また、ボトムシール部113またはサイドシール部114に対応する部分でフィルムが内側に折り込まれた部分、いわゆるガセットが形成されてもよい。この場合、ガセットは、第1面111Aまたは第2面111Bと同じフィルムによって形成されてもよいし、これらとは異なるフィルムによって形成されてもよい。また、テープ付き袋100は、底部にガセットが形成されることによって立てて置くことが可能なスタンディングパウチであってもよい。
【0015】
テープ120は、
図2に示されるように、互いに対向する第1の部分120Aおよび第2の部分120Bを有する長尺状の部材である。第1の部分120Aおよび第2の部分120Bは、それぞれ、第1の厚肉部121A,121B、第2の厚肉部122A,122B、および薄肉部123A,123Bを有する。第1の厚肉部121A,121Bおよび第2の厚肉部122A,122Bは必ずしも同じ厚さでなくてもよいが、薄肉部123A,123Bは第1の厚肉部121A,121Bおよび第2の厚肉部122A,122Bのどちらよりも薄く形成された部分である。なお、薄肉部123A,123Bの厚さは必ずしも一様でなくてもよく、図示された例のようにテープ120の長手方向に延び厚さ方向の片側(袋本体110の内側)に突出するリブが設けられてもよい。第1の部分120Aは、第1の厚肉部121Aおよび第2の厚肉部122Aにおいて袋本体110の第1面111Aに接合されている。第2の部分120Bも、第1の厚肉部121Bおよび第2の厚肉部122Bにおいて袋本体110の第2面111Bに接合されている。
【0016】
本実施形態において、テープ120の大部分を占める第1の厚肉部121A,121Bおよび第2の厚肉部122A,122Bは、いずれもポリエチレンを主成分とする樹脂組成物で形成される。ここで、主成分は、樹脂組成物の所定割合以上を占める成分であり、含有量が通常50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上、特に好ましくは98質量%以上、最も好ましくは100%の成分である。ただし、主成分の含有量が100%の場合であっても、添加剤や不純物の混合は許容される。なお、主成分は、例えばIR法によって確認することができる。第1の厚肉部121A,121Bおよび第2の厚肉部122A,122Bを形成する樹脂組成物の主成分であるポリエチレンは、化石燃料由来の樹脂に限られず、環境に配慮したバイオプラスチックであってもよいし、化石燃料由来の樹脂とバイオプラスチックとの混合物を用いてもよい。バイオプラスチックとしては、例えばバイオポリエチレンが好ましい。テープ120の材料には、必要に応じて、公知の添加剤、例えば安定剤、酸化防止剤、滑剤、帯電防止剤、または着色剤などが添加されてもよい。
【0017】
さらに、本実施形態では、テープ120において、薄肉部123A,123Bの少なくとも一部が、ポリエチレンと相溶しない樹脂(以下、単に非相溶樹脂ともいう)を含有する樹脂組成物で形成される。非相溶樹脂は、例えばポリプロピレン、環状オレフィンコポリマー、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミドなどであるが、PETやポリアミドはポリエチレンと成形温度帯が大きく異なり、またエラストマーはポリエチレンよりも伸びやすいため、それ以外の非相溶樹脂を用いることが好ましい。ただし、非相容樹脂の分散性を向上させるためにPET、ポリアミドまたはエラストマーを添加することは許容される。また、非相溶樹脂は、環状オレフィンおよびエチレンの共重合体であってもよく、この場合はノルボルネンおよびエチレンの共重合体が好ましい。環状オレフィン共重合体の環状オレフィンとしては、例えば、炭素原子数が3~20のシクロアルカンを有するビニルシクロアルカンおよびその誘導体、炭素原子数が3~20のモノシクロアルケンおよびその誘導体、ビシクロ[2.2.1]-2-ヘプテン(ノルボルネン)およびその誘導体、トリシクロ[4.3.0.12,5]-3-デセンおよびその誘導体、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセンおよびその誘導体、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]-4-ペンタデセンおよびその誘導体、ペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]-3-ペンタデセンおよびその誘導体、ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]-3-ヘキサデセンおよびその誘導体、ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]-4-ヘキサデセンおよびその誘導体、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]-4-ヘプタデセンおよびその誘導体、ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.14,7.111,17.03,8.012,16]-5-エイコセンおよびその誘導体、ヘプタシクロ[8.7.0.13,6.110,17.112,15.02,7.011,16]-4-エイコセンおよびその誘導体、ヘプタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.03,8.012,17]-5-ヘンエイコセンおよびその誘導体、オクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]-5-ドコセンおよびその誘導体、ノナシクロ[10.9.1.14,7.113,20.115,18.02,10.03,8.012,21.014,19]-5-ペンタコセンおよびその誘導体等が挙げられる。また、環状オレフィン共重合体のα-オレフィンとしては、炭素原子数3~10のα-オレフィンが挙げられ、例えば、プロピレン、ブテン-1、ペンテン-1、ヘキセン-1、ヘプテン-1、オクテン-1等が挙げられる。環状オレフィン共重合体としては、例えば、エチレン-ビシクロ[2.2.1]-2-ヘプテン共重合体、エチレン-トリシクロ[4.3.0.12,5]-3-デセン共重合体、エチレン-テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン共重合体等が挙げられる。これらの中でも上記の通り、ノルボルネンとおよびエチレンの共重合体であるエチレン-ビシクロ[2.2.1]-2-ヘプテン共重合体が好ましい。また、環状オレフィン共重合体としては、市販品を用いてもよく、例えば、三井化学社製のアペル(商品名)等が挙げられる。環状オレフィン共重合体の分子量は、特に限定されないが、135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.05dl/g以上10dl/g以下、好ましくは0.08dl/g以上5dl/g以下、軟化温度が70℃以上、好ましくは90℃以上250℃以下、ガラス転移温度が50℃以上230℃以下、好ましくは70℃以上210℃以下、結晶化度が0以上10%、好ましくは0以上7%以下の範囲のものが使用される。
【0018】
薄肉部123A,123Bの少なくとも一部を形成する樹脂組成物における非相溶樹脂の含有割合は、好ましくは2質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上、特に好ましくは24質量%以上である。このような範囲とすることで、開封時の樹脂の延びを低減でき、開封性を向上させることができる。非相溶樹脂の含有割合の上限値は通常100質量%であるが、開封時の引裂強度の観点から、好ましくは75質量%以下、より好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは55質量%以下、特に好ましくは45質量%以下である。非相溶樹脂の含有割合は、例えばSEM(走査型電子顕微鏡)の断面観察により確認できる。
【0019】
上記のようにポリエチレンと相溶しない樹脂を含む樹脂組成物で形成されることによって、薄肉部123A、123Bは、応力に対して破断するまでに伸びる量が小さくなる。従って、例えばユーザがテープ120の長手方向端部でサイドシール部114に形成されたノッチ115を起点にして袋本体110を引き裂こうとした場合、応力が集中する薄肉部123A,123Bは伸び量が小さい段階で破断する。薄肉部123A,123Bでテープ120が破断することによって、薄肉部123A,123Bの両側で第1の厚肉部121A,121Bおよび第2の厚肉部122A,122Bにそれぞれ接合された袋本体110の第1面111Aおよび第2面111Bが引き裂かれ、袋本体110に開口が形成される。
【0020】
また、本実施形態において、薄肉部123A,123Bの幅(テープ120の幅方向における寸法)は、通常1mm以上であり、好ましくは2mm以上である。薄肉部の幅を大きくすることで、テープ120の幅方向におけるノッチ115の位置ずれ許容範囲が広くなり、製造効率が向上する。上限は特に規定されないが、薄肉部の幅が広いほど収納空間SPを形成しないフィルム材料を多量に使用することになるため、通常5mmであり好ましくは4mm以下である。また、薄肉部123A,123Bの厚さは、通常10μm以上120μm以下であり、好ましくは20μm以上100μm以下であり、より好ましくは30μm以上80μm以下である。薄肉部の厚さが120μmを超えると開封時に引き裂くことが困難になる可能性がある。また、薄肉部の厚さが10μm未満だと、厚肉部との厚さの差が大きすぎることによってテープ120の形状を保持することが困難になり、例えば製造の効率が低下する可能性がある。一方、第1の厚肉部121A,121Bおよび第2の厚肉部122A,122Bの厚さは、通常150μm以上であり、好ましくは200μm以上、さらに好ましくは250μm以上である。上限は特に限定されないが、製造時のつぶしやすさの観点から700μmである。
【0021】
以上で説明したように、本実施形態では、薄肉部123A,123Bの少なくとも一部をポリエチレンと相溶しない樹脂で形成することによって、テープ120を薄肉部123A,123Bに沿って容易に引き裂くことができ、従ってテープ120が取り付けられた袋本体110に容易に開口を形成することができる。
【0022】
図3は、本発明の第1の実施形態に係るテープの例を示す断面図である。上記で
図1および
図2を参照して説明した例において袋本体110に取り付けられていたテープ120は、袋本体110への取り付け前には独立して供給される。この場合、図示されているように、第1の部分120Aと第2の部分120Bとが、例えば第1の厚肉部121A,121Bの間が連結された状態で供給されてもよい。この場合も、連結部分を切り離し、または折り曲げることによって、テープ120の第1の部分120Aと第2の部分120Bとを対向させることが可能である。つまり、本実施形態に係るテープ120は、必ずしも供給される時点で第1の部分120Aと第2の部分120Bとが対向していなくてもよく、第1の部分120Aと第2の部分120Bとを対向させることが可能であるように構成されていればよい。
【0023】
図4は、本発明の第1の実施形態に係るテープの別の例を示す断面図である。上記で
図1および
図2を参照して説明した例において、テープ120の第1の部分120Aと第2の部分120Bとは実質的に同一の断面形状を有する。従って、
図4に示されたように、第1の厚肉部121、第2の厚肉部122および薄肉部123を有するテープ120を供給し、このテープ120をそれぞれ上記の第1の部分120Aおよび第2の部分120Bとして用いてもよい。
【0024】
図5および
図6は、本発明の第1の実施形態に係るテープ付き袋の他の例を示す断面図である。
図5に示された例では、テープ120の第1の部分120Aおよび第2の部分120Bにおいて、ポリエチレンと相溶しない樹脂で形成される部分(以下、非相溶樹脂部分ともいう)が、薄肉部123A,123Bの一部である。この場合も、薄肉部123A,123Bのうち非相溶樹脂部分が破断しやすいため、テープ付き袋100に容易に開口を形成することができる。
【0025】
また、
図6に示された例では、非相溶樹脂部分が薄肉部123A,123Bの全体を含み、さらに薄肉部123A,123Bと第1の厚肉部121A,121Bおよび第2の厚肉部122A,122Bとの間に厚さが第1の厚肉部121A,121Bまたは第2の厚肉部122A,122Bと同じ非相溶樹脂部分126A,126Bが形成される。非相溶樹脂部分126A,126Bは薄肉部123A,123Bと同様に延性が相対的に弱く破断しやすいが、袋本体110を引き裂く力が加えられたときに応力が集中するのは薄肉部123A,123Bであるため、上記で
図2に示した例と同様に薄肉部123A,123Bでテープ120が破断され、袋本体110に容易に開口を形成することができる。
【0026】
図7は、本発明の第1の実施形態に係るテープ付き袋のさらに他の例を示す断面図である。
図7に示された例では、薄肉部123C,123Dにテープ120の長手方向に延びるリブ127A,127Bが形成される。
図2の例とは異なり、リブ127A,127Bは、薄肉部123C,123Dから厚さ方向の両側(第1面111Aおよび第2面111Bの側、および袋本体110の内側)に突出し、第1の部分120Aで薄肉部123Cから突出するリブ127Aの頂部は第1面111Aに接合され、第2の部分120Bで薄肉部123Dから突出するリブ127Bの頂部は第2面111Bに接合される。このようなリブ127A,127Bを形成することによって、袋本体110を引き裂く力が加えられたときに薄肉部123C,123D内で破断線がリブ127A,127Bに沿って直線状に誘導される。これによって、袋本体110を引き裂くのが容易になるのに加えて、引き裂いた後に形成される開口の形状も直線状になるため、使いやすくなる。
【0027】
図8は、本発明の第1の実施形態に係るテープ付き袋のサイドシール部の構成例を示す図であり、
図9は
図8の拡大図である。
図8に示された例では、袋本体110の外縁に接するテープ120の長手方向端部に、テープ120(第1の部分120Aおよび第2の部分120B)ならびに袋本体110の第1面111Aおよび第2面111Bが熱融着されるポイントシール部114Pが形成される。ポイントシール部114Pは、サイドシール部114に含まれる。ポイントシール部114Pの中央付近には、テープ120の長手方向に沿ってポイントシール部114Pを横断する薄肉シール部116が形成される。薄肉シール部116は、厚さがポイントシール部114Pの他の部分よりも小さい部分である。具体的には、例えば、
図8および
図9に示すように、薄肉シール部116の厚さをt
1、袋本体110の第1面111Aおよび第2面111Bの表基材層111A2,111B2の厚さをそれぞれt
2、シーラント層111A1,111B1の厚さをそれぞれt
3、融着されたテープ120の厚さをt
4とした場合に、t
1はt
2の2倍以上、かつt
2、t
3およびt
4の和の2倍よりも小さい(2t
2≦t
1<2(t
2+t
3+t
4))。薄肉シール部116は、例えばポイントシール部114Pの形成後、一旦冷却し、その後に薄肉シール部116に相当する部分を加熱押圧することによって形成される。
【0028】
上記で
図8および
図9を参照して説明した例では、通常はサイドシール部114に形成される樹脂溜まりが薄肉シール部116には形成されないことによって、例えばノッチ115を起点にして袋本体110を引き裂くときの抵抗が小さく、テープ付き袋100を容易に開封することができる。
【0029】
なお、引き裂くときの抵抗(引裂抵抗)は、トラウザー引裂試験(JIS K 7128)により測定することができる。例えば、テープ120の引裂抵抗が3N以下であると、容易に開封することができる。引裂抵抗は、好ましくは2N以下であり、より好ましくは1N以下である。
【0030】
(第2の実施形態)
図10は、本発明の第2の実施形態に係るジッパーテープ付き袋の平面図であり、
図11は
図10のXI-XI線断面図である。図示されているように、ジッパーテープ付き袋200は、上記の第1の実施形態と同様の袋本体110と、袋本体110の第1面111Aおよび第2面111Bにそれぞれ接合されて、第1面111Aと第2面111Bとの間に形成される収納空間SPの一辺を画定するジッパーテープ220とを含む。
【0031】
ジッパーテープ220は、
図11に示されるように、互いに対向する第1の部分220Aおよび第2の部分220Bを有する長尺状の部材である。第1の部分220Aおよび第2の部分220Bは、それぞれ、第1の実施形態と同様の第1の厚肉部121A,121B、第2の厚肉部122A,122B、薄肉部123A,123Bと、ジッパー部分を構成する基部条片224A,224Bおよび係合部225A,225Bとを有する。基部条片224A,224Bは、袋本体110の第1面111Aおよび第2面111Bにそれぞれ接合されて互いに対向し、係合部225A,225Bは基部条片224A,224Bからそれぞれ突出して互いに係合可能である。
【0032】
本実施形態において、第1の厚肉部121A,121Bは、それぞれ基部条片224A,224Bに連続する。第1の厚肉部121A,121Bは、基部条片224A,224Bよりも厚く形成される。なお、係合部225A,225Bの形状は、図示された例に限られず、爪状、鉤状、または瘤状などを組み合わせた公知の各種のジッパーの係合部の形状にすることが可能である。図示された例では係合部225Aが雄型、係合部225Bが雌型であるが、逆であってもよい。また、図示された例では1対の係合部が配置されているが、複数対の係合部が配置されてもよい。ジッパーテープ220の大部分を占める第1の厚肉部121A,121B、第2の厚肉部122A,122B、基部条片224A,224Bおよび係合部225A,225Bは、いずれもポリエチレンを主成分とする樹脂組成物で形成される。樹脂組成物の主成分は、上記の第1の実施形態で説明したのと同様に定義される。また、ジッパーテープ220を形成する樹脂組成物の主成分であるポリエチレンは、化石燃料由来の樹脂に限られず、環境に配慮したバイオプラスチックであってもよいし、化石燃料由来の樹脂とバイオプラスチックとの混合物を用いてもよい。バイオプラスチックとしては、例えばバイオポリエチレンが好ましい。ジッパーテープ220の材料には、必要に応じて、公知の添加剤、例えば安定剤、酸化防止剤、滑剤、帯電防止剤、または着色剤などが添加されてもよい。
【0033】
さらに、本実施形態では、ジッパーテープ220において、第1の実施形態と同様に、薄肉部123A,123Bの少なくとも一部が、ポリエチレンと相溶しない樹脂を含む樹脂組成物で形成される。第1の実施形態と同様に、ポリエチレンと相溶しない樹脂は、例えば環状オレフィンおよびエチレンの共重合体であってもよい。
【0034】
これによって、本実施形態でも、第1の実施形態と同様に、ユーザがジッパーテープ220の長手方向端部でサイドシール部114に形成されたノッチ115を起点にして袋本体110を引き裂こうとした場合、応力が集中する薄肉部123A,123Bは伸び量が小さい段階で破断する。薄肉部123A,123Bでジッパーテープ220が破断することによって、薄肉部123A,123Bの両側で第1の厚肉部121A,121Bおよび第2の厚肉部122A,122Bにそれぞれ接合された袋本体110の第1面111Aおよび第2面111Bが引き裂かれ、袋本体110に開口が形成される。従って、本実施形態では、ジッパーテープ220を薄肉部123A,123Bに沿って容易に引き裂くことができ、従ってジッパーテープ220が取り付けられた袋本体110に容易に開口を形成することができる。
【0035】
なお、引き裂くときの抵抗(引裂抵抗)は、トラウザー引裂試験(JIS K 7128)により測定することができる。例えば、ジッパーテープ220の引裂抵抗が3N以下であると、容易に開封することができる。引裂抵抗は、好ましくは2N以下であり、より好ましくは1N以下である。
【0036】
図12は、本発明の第2の実施形態に係るジッパーテープの例を示す断面図である。上記で
図10および
図11を参照して説明した例において袋本体110に取り付けられていたジッパーテープ220は、袋本体110への取り付け前には独立して供給される。この場合、図示されているように、第1の部分220Aと第2の部分220Bとが、例えば基部条片224A,224Bの間が連結された状態で供給されてもよい。この場合も、連結部分を切り離し、または折り曲げることによって、ジッパーテープ220の第1の部分220Aと第2の部分220Bとを対向させることが可能である。つまり、本実施形態に係るジッパーテープ220は、必ずしも供給される時点で第1の部分220Aと第2の部分220Bとが対向していなくてもよく、第1の部分220Aと第2の部分220Bとを対向させることが可能であるように構成されていればよい。
【0037】
図13は、本発明の第2の実施形態に係るジッパーテープ付き袋の他の例を示す断面図である。
図13に示された例では、ジッパー部分の基部条片224C,224Dが第1の厚肉部121A,121Bと同じ厚さで形成される。本実施形態において、第1の厚肉部121A,121Bは
図13の例のように基部条片224C,224Dに連続的して形成されて形状的に区別されない部分であってもよいし、
図11の例のように基部条片224A,224Bよりも厚く形成されて、基部条片224A,224Bに対して凸部を形成する部分であってもよい。なお、
図11の例でも、薄肉部123A,123B(リブを除いた部分)は基部条片224A,224Bよりも薄く、第1の部分120Aおよび第2の部分120Bのそれぞれの中で最も薄い部分であることが好ましい。
【0038】
なお、上記で第1の実施形態について
図5から
図9を参照して説明された変形例は、いずれも第2の実施形態にも適用可能である。また、上記で説明した実施形態ではテープおよびジッパーテープの第1および第2の部分の両方に第1および第2の厚肉部ならびに薄肉部が形成されたが、他の実施形態では第1の部分または第2の部分のいずれか一方のみに薄肉部が形成されてもよい。例えば、第1の部分または第2の部分のいずれか一方でテープまたはジッパーテープに取り付けられた切り裂き条片を用いて袋本体に開口を形成する場合、切り裂き条片が取り付けられる側の部分にのみ薄肉部が形成されてもよい。また、このような場合において、テープまたはジッパーテープの第1および第2の部分は必ずしも全面的に対向しなくてもよく、少なくとも部分的に対向するように構成されていてもよい。
【0039】
また、上記では容器本体が袋状の袋本体である例について説明したが、袋状以外の容器本体にテープまたはジッパーテープが接合されてテープ付き容器またはジッパーテープ付き容器が提供されてもよい。また、上記では第1の厚肉部、薄肉部および第2の厚肉部が連続して形成される例について説明したが、例えば厚肉部だけでなく薄肉部も容器本体の面に接合される場合は、第1の厚肉部と薄肉部との間、および薄肉部と第2の厚肉部との間の少なくともいずれかが分離され、テープまたはジッパーテープが複数の長尺状の部材の組み合わせとして提供されてもよい。
【実施例0040】
上記で図および
図11を参照して説明した本発明の第2の実施形態のジッパーテープについて、実施例1として開封性の評価を行った。
【0041】
実施例1から実施例7のジッパーテープでは、厚肉部を密度920kg/m3、メルトフローレート2g/10分の直鎖状低密度ポリエチレンで形成し、薄肉部を密度920kg/m3、メルトフローレート2g/10分の直鎖状低密度ポリエチレン(表1では「LL」と記載)と、ノルボルネンおよびエチレンの共重合体(表1では「COC」と記載)とを配合した樹脂組成物で形成した。実施例1から実施例7では、薄肉部を形成する樹脂組成物の配合割合(質量%)が表1に示すように異なる。また、比較例1のジッパーテープでは、厚肉部および薄肉部がいずれも密度920kg/m3、メルトフローレート2g/10分の直鎖状低密度ポリエチレンで形成され、薄肉部を形成する樹脂組成物に非相溶樹脂が含有されない。これらの原料となる樹脂組成物を押出機により押出成形した後、水冷することによりジッパーテープを作製した。上記の実施例、および比較例のそれぞれについて、ジッパーテープの厚肉部は、膜厚340μm、ジッパーテープの幅方向における寸法2mmである。薄肉部は、膜厚60μm、幅方向の寸法3mmである。
【0042】
実施例1における引裂試験の評価結果を表1に示す。評価方法は以下のとおりである。
【0043】
・易裂性(引裂抵抗値)
ジッパーテープの引裂強度は、トラウザー引裂試験(JIS K 7128)に適合する試験機(島津製作所製AGS-X 1kN)を用いてジッパーテープの長手TD方向 の引裂抵抗値によって測定した。具体的な手順としては、150mm幅にカットしたジッパーテープの薄肉部に75mm長さの切れ込みを入れ、引張試験機にセットした。これを200mm/minで上下に引張り、引き裂く際の強度の平均値を引裂強度とした。
また、引裂き時のジッパーテープの伸び(引裂力レンジ[N])は、上記のトラウザー引裂試験における引裂き開始後の20mmと引裂き終了前の5mmを除外した残り50mmの区間における引裂力測定値の最大値と最小値との差によって評価した。
【0044】
【0045】
上記のような引き裂き試験の結果、実施例1~実施例7のジッパーテープは薄肉部に沿って 引き裂かれた。この際の引裂強度は比較例1の2.25Nに対し、いずれも大幅に小さくなっており、引き裂きは容易であったといえる。この結果から、薄肉部を形成する樹脂組成物に非相溶樹脂を含有させた本発明の実施形態では、テープまたはジッパーテープを薄肉部に沿って容易に引き裂くことができることが確認された。なお、引裂強度はCOC配合割合が30質量%以上60質量%以下の実施例3~実施例6でより小さくなっており(0.12N~0.21N)、COC配合割合が50質量%以下の実施例3~実施例5でさらに小さくなっている(0.12N~0.15N)。また、引裂き時の伸びの大きさの指標になる引裂強度レンジについても、実施例1~実施例7のジッパーテープでは比較例1と比べて有意に小さい値になっており、大きく伸びることなく良好に引裂くことができることが確認された。引裂強度レンジは実施例4~実施例6においてより小さく、実施例4及び実施例5においてさらに小さく、これらの実施例については引裂き時の伸びが特に優れた結果となる傾向がみられた。
【0046】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はこれらの例に限定されない。本発明の属する技術の分野の当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
100…テープ付き袋、110…袋本体、111A…第1面、111B…第2面、112…トップシール部、113…ボトムシール部、114…サイドシール部、115…ノッチ、120…テープ、120A…第1の部分、120B…第2の部分、121A,121B…第1の厚肉部、122A,122B…第2の厚肉部、123A,123B,123C,123D…薄肉部、127A,127B…リブ、200…ジッパーテープ付き袋、220…ジッパーテープ、220A…第1の部分、220B…第2の部分、224A,224B,224C,224D…基部条片、225A,225B…係合部、SP…収納空間。