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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022116886
(43)【公開日】2022-08-10
(54)【発明の名称】製氷機
(51)【国際特許分類】
   F25C 1/10 20060101AFI20220803BHJP
【FI】
F25C1/10 301C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021013297
(22)【出願日】2021-01-29
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】日本電産サンキョー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】大島 勇太
(57)【要約】
【課題】製氷皿を捻る際に、冷凍室の内壁面に固定されたフレームに歪みが発生することを抑制できる製氷機を提供すること。
【解決手段】製氷機1は、製氷皿2および駆動部3を囲む枠状のフレーム4と、フレーム4を冷凍室の内壁面に固定するための固定部7とを有する。フレーム4は、X軸方向で対向する第1フレーム部分41および第2フレーム部分42と、Y軸方向で対向する第3フレーム部分43および第4フレーム部分44と、を備える。固定部7は、第3フレーム部分43から上方に突出する。第3フレーム部分43は、フレーム4が冷凍室に固定されたときに内壁面に当接する。第4フレーム部分44は、厚み方向をY軸方向に向けてX軸方向に延びて第1フレーム部分41と第2フレーム部分42とを接続する板部441と、板部に設けられた複数本のリブ442と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製氷皿と、
前記製氷皿を当該製氷皿を通過する軸線回りに回転させる駆動部と、
前記製氷皿および前記駆動部を囲む枠状のフレームと、
前記フレームを冷凍室の内壁面の側面部分に固定するための固定部と、を有し、
前記製氷皿と前記駆動部とは、前記軸線に沿った軸線方向に配列され、
前記フレームは、樹脂製であり、前記軸線方向において前記製氷皿が位置する側を第1方向、その反対側を第2方向としたときに、前記製氷皿の前記第1方向に位置する第1フレーム部分、前記駆動部の前記第2方向に位置する第2フレーム部分、前記軸線方向に延びて前記第1フレーム部分と前記第2フレーム部分とを接続する第3フレーム部分、および前記第3フレーム部分に対向して前記第1フレーム部分と前記第2フレーム部分とを接続する第4フレーム部分、を備え、
前記第1フレーム部分は、前記製氷皿を前記軸線回りに回転可能に支持する支持部と、前記製氷皿の前記軸線から離間する部分に当該製氷皿の回転方向の前方から当接可能な当接部と、を備え、
前記駆動部は、前記第2フレーム部分、前記第3フレーム部分の前記第2方向の端部分、および前記第4フレーム部分の前記第2方向の端部分の内側に保持され、
前記固定部は、前記第3フレーム部分から上方に突出し、
前記第3フレーム部分は、前記フレームが前記側面部分に固定されたときに前記側面部分に当接し、
前記第4フレーム部分は、厚み方向を前記軸線方向と直交する直交方向に向けて当該軸線方向に延びて前記第1フレーム部分と前記第2フレーム部分とを接続する板部と、前記板部に設けられた複数本のリブと、を備え、
前記製氷皿が上を向いているときに前記駆動部が所定時間駆動されると、前記製氷皿が回転して下方を向くとともに、前記駆動部の駆動が終了する前に前記当接部が前記製氷皿に当接して前記製氷皿が捻られることを特徴とする製氷機。
【請求項2】
前記第4フレーム部分は、前記板部と対向して前記軸線方向および上下方向に延びて複数本の前記リブの先端を接続する対向板部を備えることを特徴とする請求項1に記載の製氷機。
【請求項3】
各リブは、前記板部の上端から下端まで延びており、
複数本の前記リブは、平行に延びることを特徴とする請求項2に記載の製氷機。
【請求項4】
前記固定部として、前記第3フレーム部分の前記軸線方向で離間する2か所から上方に突出する第1固定部と、第2固定部と、を備え、
前記第1固定部は、前記軸線方向で前記駆動部と前記当接部との間に位置し、
前記第2固定部は、前記軸線方向で前記第1固定部よりも前記第1方向に位置することを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか一項に記載の製氷機。
【請求項5】
前記駆動部に接続された給電用の配線を有し、
前記第3フレーム部分は、上下方向から見た場合に前記第1固定部と重なる重なり位置、または前記上下方向から見た場合に前記重なり位置よりも第1方向に、下方に開口する切欠き部を備え、
前記配線は、前記駆動部から前記切欠き部まで前記フレームの内側を引き回され、前記切欠き部を介して前記フレームの外側に引き出されることを特徴とする請求項4に記載の製氷機。
【請求項6】
前記切欠き部は、前記重なり位置に設けられることを特徴とする請求項5に記載の製氷
機。
【請求項7】
前記第3フレーム部分は、前記第1フレーム部分から前記製氷皿の側方を前記第2方向に延びており、前記第1フレーム部分とは反対側の第1端が前記軸線方向で前記駆動部と前記当接部との間に位置する第1板部、前記第1板部よりも前記製氷皿から離間する位置において前記第2フレーム部分から前記駆動部の側方を前記第1方向に延びており、前記第2フレーム部分とは反対側の第2端が前記軸線方向で前記第1端と離間する第2板部、前記軸線と交差する方向に延びて前記第1端と前記第2端とを接続する接続板部、および前記接続板部の下端部分に設けられた前記切欠き部を備え、
前記第1板部の前記第4フレーム部分とは反対側の面には、前記第1板部の上端に沿って前記軸線方向に延びる第1板部側上端リブ、当該第1板部の下端に沿って前記軸線方向に延びる第1板部側下端リブ、前記切欠き部の前記第1方向において前記軸線方向から見た場合に当該切欠き部と重なる切欠き部側方リブ、が設けられ、
前記第2板部の前記第4フレーム部分とは反対側の面には、第2板部側リブが設けられ、
前記第1固定部および前記第2固定部は、前記第1板部側上端リブの前記第4フレーム部分とは反対側の端から上方に突出し、
前記第1板部側上端リブの先端面、前記第1板部側下端リブの先端面、および前記第2板部側リブの先端面は、同一の仮想面上に位置し、前記フレームが前記側面部分に固定されたときに当該側面部分に当接し、
前記切欠き部側方リブの先端面は、前記仮想面よりも前記第1板部に近い側に位置することを特徴とする請求項5または6に記載の製氷機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍室の内壁面に固定されて冷凍室内で氷を製造する製氷機に関する。より詳細には、製氷皿を反転させて製造した氷を落下させる製氷機に関する。
【背景技術】
【0002】
このような製氷機は、特許文献1に記載されている。同文献の製氷機は、製氷皿と、製氷皿を当該製氷皿を通過する軸線回りに回転させる駆動部と、製氷皿および駆動部を囲む樹脂製のフレームと、を有する。フレームは、枠体であり、上方から見た場合に長方形をしている。フレームは、長手方向で対向する前板部および後板部と、短手方向で対向する右板部および左板部と、を備える。製氷皿と駆動部とは、フレームの長手方向に配列されており、製氷皿の回転中心となる軸線は長手方向に延びる。長手方向において、製氷皿が位置する側を第1方向、その反対側をZ2方向としたときに、製氷皿の第1方向に前板部が位置し、駆動部のZ2方向に後板部が位置する。駆動部は、フレームのZ2方向の端部分に保持されている。
【0003】
前板部は、製氷皿から第1方向に突出する支軸を回転可能に支持する支持部を備える。また、前板部は、製氷皿の支軸から離間する部分に当該製氷皿の回転方向の前方から当接可能な当接部を備える。左板部には、長手方向に離間する2か所から上方に突出する固定部が設けられている。フレームを冷凍室の内壁面に固定する際には、各突出部を介して固定ねじを内壁面の側面部分に捩じ込む。フレームが内壁面に固定されたときに、左板部は冷凍室の内壁面の側面部分に当接した状態となる。右板部は、薄肉の平板であり、長手方向および上下方向に延びて前板部と後板部とを接続する。
【0004】
製氷機では、製氷皿で氷が製造されると駆動部が、所定時間、駆動される。これにより、上を向いた状態の製氷皿は、軸線回りに回転して、下方を向く状態となる。また、製氷機では、駆動部の駆動が終了する前に、前板部に設けられた当接部が製氷皿に当接する。これにより、製氷皿は、その第1方向の端部分に当接部が回転方向の前方から当接した状態で、第2方向の端部分が駆動部の駆動力により回転させられる。この結果、製氷皿が捻られるので、氷が製氷皿から離脱して、落下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-143833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
製氷皿が捻られる際に、当接部が設けられた前板部、および駆動部を保持するフレームのZ2方向の端部分には、駆動力の反力が作用する。従って、製氷皿が捻られる際に、フレームが歪むことがある。
【0007】
ここで、特許文献1のように、フレームを冷凍室の内壁面に固定する固定部が左板部から上方に突出する構成では、製氷皿が捻られる際にフレームが歪むと、左板部の下端部分が冷凍室の内壁面から浮き上がるという問題が発生することがある。
【0008】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、製氷皿を捻る際に、冷凍室の内壁面に固定されたフレームに歪みが発生することを防止、或いは抑制できる製氷機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の製氷機は、製氷皿と、前記製氷皿を当該製氷皿を通過する軸線回りに回転させる駆動部と、前記製氷皿および前記駆動部を囲む枠状のフレームと、前記フレームを冷凍室の内壁面の側面部分に固定するための固定部と、を有し、前記製氷皿と前記駆動部とは、前記軸線に沿った軸線方向に配列され、前記フレームは、樹脂製であり、前記軸線方向において前記製氷皿が位置する側を第1方向、その反対側を第2方向としたときに、前記製氷皿の前記第1方向に位置する第1フレーム部分、前記駆動部の前記第2方向に位置する第2フレーム部分、前記軸線方向に延びて前記第1フレーム部分と前記第2フレーム部分とを接続する第3フレーム部分、および前記第3フレーム部分に対向して前記第1フレーム部分と前記第2フレーム部分とを接続する第4フレーム部分、を備え、前記第1フレーム部分は、前記製氷皿を前記軸線回りに回転可能に支持する支持部と、前記製氷皿の前記軸線から離間する部分に当該製氷皿の回転方向の前方から当接可能な当接部と、を備え、前記駆動部は、前記第2フレーム部分、前記第3フレーム部分の前記第2方向の端部分、および前記第4フレーム部分の前記第2方向の端部分の内側に保持され、前記固定部は、前記第3フレーム部分から上方に突出し、前記第3フレーム部分は、前記フレームが前記側面部分に固定されたときに前記側面部分に当接し、前記第4フレーム部分は、厚み方向を前記軸線方向と直交する直交方向に向けて当該軸線方向に延びて前記第1フレーム部分と前記第2フレーム部分とを接続する板部と、前記板部に設けられた複数本のリブと、を備え、前記製氷皿が上を向いているときに前記駆動部が所定時間駆動されると、前記製氷皿が回転して下方を向くとともに、前記駆動部の駆動が終了する前に前記当接部が前記製氷皿に当接して前記製氷皿が捻られることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、フレームにおいて、固定部が設けられた第3フレーム部分は、固定部を利用して冷凍室に固定されたときに冷凍室の内壁面の側面部分に接触する。従って、製氷皿が捻られているときの駆動力の反力がフレームに働いたときに、第3フレーム部分は、冷凍室の側面部分によって支持されて、歪むことが抑制される。また、フレームにおいて、第3フレーム部分に対向する第4フレーム部分は、板部と、複数本のリブと、を備える。従って、第4フレーム部分は、板部のみからなる場合と比較して、剛性が上昇する。よって、製氷皿が捻られているときの駆動力の反力によって、フレームが歪むことを防止、或いは、抑制できる。
【0011】
本発明において、前記第4フレーム部分は、前記板部と対向して前記軸線方向およびZ軸方向に延びて複数本の前記リブの先端を接続する対向板部を備えることが望ましい。このようにすれば、第4フレーム部分の剛性は、より高くなる。従って、製氷皿が捻られたときに、フレームが歪むことを、より、抑制しやすい。
【0012】
本発明において、各リブは、前記板部の上端から下端まで延びており、複数本の前記リブは、平行に延びるものとすることができる。このようにすれば、第4フレーム部分は、板部の厚みおよび対向板部の厚みを合計した厚み以上の厚さを備える板部分に、上下方向に貫通する貫通穴を複数個備えるものと同様の形状となる。従って、フレームを樹脂の射出成形によって形成する際に、上下方向に延びる複数個の貫通穴が厚みのある板部分の肉盗みとなり、第4フレーム部分にヒケが発生することを防止、或いは抑制できる。従って、フレームを所望の形状に成形することが容易となる。
【0013】
本発明において、前記固定部として、前記第3フレーム部分の前記軸線方向で離間する2か所から上方に突出する第1固定部と、第2固定部と、を備え、前記第1固定部は、前記軸線方向で前記駆動部と前記当接部との間に位置し、前記第2固定部は、前記軸線方向で前記第1固定部よりも前記第1方向に位置するのとすることができる。
【0014】
この場合において、前記駆動部に接続された給電用の配線を有し、前記第3フレーム部分は、上下方向から見た場合に前記第1固定部と重なる重なり位置、または前記上下方向から見た場合に前記重なり位置よりも第1方向に、下方に開口する切欠き部を備え、前記配線は、前記駆動部から前記切欠き部まで前記フレームの内側を引き回され、前記切欠き部を介して前記フレームの外側に引き出されるものとすることができる。このようにすれば、駆動部に接続された配線を、フレームの外側に引き出すことができる。ここで、フレームを冷凍室の側面部分に固定する固定部のうち、第1固定部を軸線方向で駆動部と当接部との間に位置させ、第2固定部を軸線方向で第1固定部よりも第1方向に位置させる構成では、製氷皿が捻られる際にフレームが歪むと、第3フレーム部分の下端部分であって、特に、製氷皿を回転させる駆動力を発揮する駆動源に近い側が冷凍室の側面部分から浮き上がりやすい。従って、第3フレーム部分に切欠き部を設けた場合には、第3フレーム部分の剛性が低下することにより、第3フレーム部分の下端部分であって駆動源に近い側が、より、冷凍室の側面部分から浮き上がりやすくなる。このような問題に対して、切欠き部を、上下方向から見た場合に第1固定部と重なる重なり部、または上下方向から見た場合に重なり位置よりも第1方向に設ければ、切欠き部が重なり部よりもZ2方向に設けられる場合と比較して、切欠き部を駆動部から離間させることができる。これにより、第3フレーム部分において駆動部に近い側で剛性の低下が発生することを抑制できるので、製氷皿が捻られたときに、第3フレーム部分において駆動部に近い側が冷凍室の側面部分から浮き上がることを抑制しやすい。
【0015】
本発明において、前記切欠き部は、前記重なり位置に設けられるものとすることができる。このようにすれば、切欠き部が第1固定部に近い位置に設けられる。従って、第1固定部を利用してフレームを冷凍室の側面部分に固定したときに、切欠き部の周辺を冷凍室の側面部分に当接させた状態とすることが容易となる。これにより、製氷皿が捻られたときに第3フレーム部分における切欠き部の周辺が冷凍庫の内壁面によって支持されるので、第3フレーム部分に歪みが発生することを抑制しやすい。
【0016】
本発明において、前記第3フレーム部分は、前記第1フレーム部分から前記製氷皿の側方を前記第2方向に延びており、前記第1フレーム部分とは反対側の第1端が前記軸線方向で前記駆動部と前記当接部との間に位置する第1板部、前記第1板部よりも前記製氷皿から離間する位置において前記第2フレーム部分から前記駆動部の側方を前記第1方向に延びており、前記第2フレーム部分とは反対側の第2端が前記軸線方向で前記第1端と離間する第2板部、前記軸線と交差する方向に延びて前記第1端と前記第2端とを接続する接続板部、および前記接続板部の下端部分に設けられた前記切欠き部を備え、前記第1板部の前記第4フレーム部分とは反対側の面には、前記第1板部の上端に沿って前記軸線方向に延びる第1板部側上端リブ、当該第1板部の下端に沿って前記軸線方向に延びる第1板部側下端リブ、前記切欠き部の前記第1方向において前記軸線方向から見た場合に当該切欠き部と重なる切欠き部側方リブ、が設けられ、前記第2板部の前記第4フレーム部分とは反対側の面には、第2板部側リブが設けられ、前記第1固定部および前記第2固定部は、前記第1板部側上端リブの前記第4フレーム部分とは反対側の端から上方に突出し、前記第1板部側上端リブの先端面、前記第1板部側下端リブの先端面、および前記第2板部側リブの先端面は、同一の仮想面上に位置し、前記フレームが前記側面部分に固定されたときに当該側面部分に当接し、前記切欠き部側方リブの先端面は、前記仮想面よりも前記第1板部に近い側に位置するものとすることができる。
【0017】
このようにすれば、第3フレーム部分において製氷皿および駆動部の側を向く内壁面には、第1板部、第2板部および接続板部によって段部が形成される。また、接続板部の下端部分となる段部の下端部分には、配線を引き出すための切欠き部が設けられる。ここで、駆動部の側に設けられた第2板部は、第1板部よりも製氷皿から離間している。従って、駆動部に接続された配線を第2板部に沿って引き回して切欠き部からフレームの外側に
引き出せば、フレームの内側を引き回した配線が製氷皿に接触することを防止或いは抑制できる。また、段部に切欠き部を設ければ、配線を切欠き部から外部に引き出す際に、配線が屈曲することを抑制できる。ここで、第1板部には、上端に沿って延びる第1板部側上端リブ、下端に沿って延びる第1板部側下端リブ、前記切欠き部の第1方向に位置する切欠き部側方リブが設けられる。また、第2板部には第2板部リブが設けられる。従って、第3フレーム部分が第1板部、第2板部、および接続板部のみからなる場合と比較して、第3フレーム部分の剛性は、向上する。また、フレームを冷凍室の側面部分に固定するための第1固定部および前記第2固定部は、第1板部側上端リブの第4フレーム部分とは反対側の端から上方に突出する。従って、第1固定部および第2固定部を用いてフレームを冷凍室の側壁面に固定する際に、第3フレーム部分の第4フレーム部分とは反対側を冷凍室の側面部分に接触させることが容易である。さらに、第1板部側上端リブの先端面、第2板部側上端リブの先端面、および第2板部側リブの先端面は、同一の仮想面上に位置し、フレームが冷凍室の側面部分に固定されたときに当該側面部分に当接する。従って、第3フレーム部分は冷凍室の側面部分によって支持される。また、切欠き部側方リブの先端面は、仮想面よりも第1板部に近い側に位置するので、第1板部側上端リブの先端面、第2板部側上端リブの先端面、および第2板部側リブの先端面が冷凍室の側面部分に当接したときに、切欠き部側方リブと冷凍室の側面部分との間には隙間が形成される。よって、第3フレーム部分に形成した切欠き部を介して配線をフレームの外側に引き出したときに、この隙間を利用して、配線を切欠き部から第1方向に引き回すことができる。これにより、配線をフレームの外に引き出した場合でも、第3フレーム部分が冷凍庫の側面部分から離間することを防止できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、フレームにおいて、固定部が設けられた第3フレーム部分は、固定部を利用して冷凍室に固定されたときに冷凍室の内壁面の側面部分に接触する。従って、製氷皿が捻られているときの駆動力の反力がフレームに働いたときに、第3フレーム部分は、冷凍室の側面部分によって支持されて、歪むことが抑制される。また、フレームにおいて、第3フレーム部分に対向する第4フレーム部分は、板部と、複数本のリブと、を備える。従って、第4フレーム部分は、板部のみからなる場合と比較して、剛性が上昇する。よって、製氷皿が捻られているときの駆動力の反力によって、フレームが歪むことを防止、或いは、抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明を適用した製氷機を上方から見た場合の斜視図である。
図2図1の製氷機の分解斜視図である。
図3】製氷皿が上方を向く状態の製氷機を下方から見た場合の斜視図である。
図4】製氷皿が下方を向く状態の製氷機を下方から見た場合の斜視図である。
図5】フレームを軸線と直交する平面で切断した場合の断面図である。
図6】フレームを軸線に沿って切断した場合の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した製氷機の実施形態について説明する。
【0021】
(全体構成)
図1は、本発明を適用した製氷機を上方から見た場合の斜視図である。図2は、図1の製氷機の分解斜視図である。図1図2では、製氷機を製氷皿が位置する側から見ている。図3は、製氷皿が上方を向く状態の製氷機を下方から見た場合の斜視図である。図4は、製氷皿が下方を向く状態の製氷機を下方から見た場合の斜視図である。図3図4では、製氷機を、製氷皿を回転させる駆動部の側から見ている。
【0022】
製氷機1は、冷蔵庫の冷凍室の内壁面の側壁部分に固定されて使用される。図1に示すように、製氷機1は、製氷皿2と、製氷皿2を回転させる駆動部3と、製氷皿2および駆動部3を囲む枠状のフレーム4と、を備える。製氷皿2および駆動部3はフレーム4に保持されている。また、製氷機1は、フレーム4を冷凍室の内壁面の側面部分に固定するための固定部7を有する。フレーム4が冷蔵庫の側壁部分に固定されたときに、製氷機1は、氷を貯留するための貯氷箱の上方に位置する。
【0023】
製氷皿2は、上方から見た場合の輪郭形状が全体として長方形をしている。駆動部3は、製氷皿2の長手方向の一方側に配置されている。駆動部3は、製氷皿2を当該製氷皿2の短手方向の中央を長手方向に通過する軸線L0回りに回転させる。フレーム4は、上下方向から見た場合に長方形をしている。製氷皿2の長手方向とフレーム4の長手方向は同一の方向である。フレーム4は、製氷皿2の長手方向で対向する第1フレーム部分41および第2フレーム部分42と、製氷皿2の短手方向で対向する第3フレーム部分43および第4フレーム部分44と、を備える。固定部7は、第3フレーム部分43から上方に突出する。
【0024】
駆動部3の駆動により、製氷皿2は、上方を向く貯水位置2Aと、下方を向く氷離脱位置2Bとの間を移動する。貯水位置2Aは、製氷皿2に水を貯留可能な位置である。氷離脱位置2Bは、製造された氷を製氷皿2から貯氷室に落下させる位置である。図1図3では、製氷皿2は貯水位置2Aに配置されている。図4では、製氷皿2は、氷離脱位置2Bに配置されている。
【0025】
以下の説明では、互いに直交する3方向をX軸方向、Y軸方向、Z軸方向とする。X軸方向は軸線L0に沿った軸線方向である。また、X軸方向は、第1フレーム部分41と第2フレーム部分42とが対向する方向である。Y軸方向は第3フレーム部分43および第4フレーム部分44が対向する方向である。Z軸方向は、上下方向である。また、X軸方向の一方側をX1方向、他方側をX2方向とする。X1方向は製氷皿2が位置する側であり、X2方向は駆動部3が位置する側である。また、X1方向は第1フレーム部分41が位置する側であり、X2方向は第2フレーム部分42が位置する側である。さらに、Y軸方向の一方側をY1方向とし、反対側をY2方向とする。Y1方向は第3フレーム部分43が位置する側であり、Y2方向は第4フレーム部分44が位置する側である。また、上方をZ1方向、下方をZ2方向とする。
【0026】
(製氷皿)
製氷皿2は、樹脂製である。図2に示すように、製氷皿2は、長方形形状の枠部25と、枠部25の内側に設けられた複数の貯水用凹部20と、を備える。貯水用凹部20は、Y軸方向に並ぶ2つの貯水用凹部20からなる組が、X軸方向に、複数、配列されている。枠部25は、複数の貯水用凹部20のX1方向に位置する第1側壁部21と、複数の貯水用凹部20のX2方向に位置する第2側壁部22と、複数の貯水用凹部20のY1方向に位置する第3側壁部23と、複数の貯水用凹部20のY2方向に位置する第4側壁部24と、を備える。
【0027】
第1側壁部21のY軸方向の中央部分には、Y1方向の突出する軸部28が設けられている。軸部28は、軸線L0と同軸である。また、第1側壁部21の軸線L0から離間する部分には、X1方向に突出する突部29が設けられている。本例では、突部29は、軸部28の側方であって、第1側壁部21の第4側壁部24の側の端部分に設けられている。第2側壁部22のY軸方向の中央部分には、駆動部3に連結される連結部22aが設けられている。連結部22aは、軸線L0上に位置する。図3に示すように、製氷皿2の下面2aには、サーミスタホルダ9が固定されている。サーミスタホルダ9の内部には、製氷皿2の下面2aの温度を検出するサーミスタ8が収容されている。
【0028】
(駆動部)
図2に示すように、駆動部3は、直方体状のケース31と、ケース31からX1方向に突出する出力軸32と、を備える。ケース31には、駆動源であるモータと、モータの回転を出力軸32に伝達する回転伝達機構と、が収容されている。出力軸32は、製氷皿2の連結部22aに連結される。製氷皿2を貯水位置2Aから氷離脱位置2Bに回転させる際に、駆動部3は、出力軸32をCCW方向に回転させる。製氷皿2を氷離脱位置2Bから貯水位置2Aに回転させる際に、駆動部3は、出力軸32をCW方向に回転させる。
【0029】
図3に示すように、駆動部3には、駆動源に電力を供給するための配線5が接続されている。配線5は、ケース31のY1方向の端部分からX1方向に引き出される。製氷皿2に対してY2方向で隣り合う位置には、検氷レバー6が配置されている。駆動部3は、検氷レバー6を軸線L1回りに回転させる。
【0030】
(フレーム)
図5は、フレーム4を軸線L0と直交する平面で切断した場合の断面図である。図5では、第1フレーム部分41をX2方向の下方から見ている。図6は、フレーム4を軸線L0に沿って切断した場合の断面図である。図6では、第3フレーム部分43をY2方向から見ている。
【0031】
フレーム4は、樹脂製である。図2に示すように、フレーム4は、長方形の枠形状を形成する第1フレーム部分41、第2フレーム部分42、第3フレーム部分43および第4フレーム部分44を備える。また、フレーム4は第2フレーム部分42の上端部分、第3フレーム部分43のX2方向の端部分、および第4フレーム部分44のX2方向の端部分を接続する矩形の支持フレーム部分45を備える。支持フレーム部分45のX1方向には、支持フレーム部分45のX1方向の端縁、第1フレーム部分41、第3フレーム部分43、および第4フレーム部分44によって矩形の開口部48が区画されている。
【0032】
第1フレーム部分41は、製氷皿2のX1方向に位置する。第2フレーム部分42は、駆動部3のX2方向に位置する。第3フレーム部分43は、X軸方向に延びて第1フレーム部分41と第2フレーム部分42とを接続する。第4フレーム部分44は、第3フレーム部分43にY軸方向で対向して第1フレーム部分41と第2フレーム部分42とを接続する。支持フレーム部分45には、下方Z2から駆動部3が固定される。駆動部3は、支持フレーム部分45を介して、第2フレーム部分42、第3フレーム部分43のX2方向の端部分、および第4フレーム部分44のX2方向の端部分に保持される。
【0033】
(第1フレーム部分)
第1フレーム部分41は、板状の複数のリブが互いに連結された多孔性の壁である。図5に示すように、第1フレーム部分41は、製氷皿2の軸部28を軸線L0回りに回転可能に支持する支持部410を備える。支持部410は、第1フレーム部分41をX軸方向に貫通する円形の貫通穴である。製氷皿2は、軸部28が支持部410に支持され、連結部22aが駆動部3の出力軸32に連結された状態で軸線L回りに回転する。
【0034】
また、第1フレーム部分41は、支持部410のY1方向に、X2方向に突出する突出部411を備える。突出部411は、Z軸方向に延びている。突出部411の下端部分には、下方Z2に向かってY1方向に傾斜する傾斜面412が設けられている。傾斜面412は、製氷皿2が貯水位置2AからCCW方向に回転して氷離脱位置2Bに達したときに、製氷皿2の突部29にCCW方向の前方から当接する当接部である。
【0035】
(第2フレーム部分)
第2フレーム部分42は、厚み方向をX軸方向に向けた矩形の板部を備える。第2フレーム部分42のY1方向の端縁には、第3フレーム部分が接続されている。第2フレーム部分42のY2方向の端縁には、第4フレーム部分44が接続されている。図6に示すように、第2フレーム部分42のX1方向の端面には、Z軸方向に延びるリブ421が、複数本、設けられている。各リブ421のX1方向の先端面は、駆動部3が支持フレーム部分45に支持されたときに、X2方向の側から駆動部3に当接する。
【0036】
(第3フレーム部分)
図2および図6に示すように、第3フレーム部分43は、第1フレーム部分41から製氷皿2の側方をX2方向に延びる第1板部431を備える。第1板部431の第1フレーム部分41とは反対側の第1端601は、X軸方向で駆動部3と第1フレーム部分41の傾斜面412との間に位置する。また、第3フレーム部分43は、第1板部431よりも製氷皿2からY1方向に離間する位置において第2フレーム部分42から駆動部3の側方をX1方向に延びる第2板部432を備える。第2フレーム部分42とは反対側の第2端701は、軸線L0方向で第1板部431の第1端601と離間する。さらに、第3フレーム部分43は、軸線L0方向と交差する方向に延びて第1端601と第2端701とを接続する接続板部433を備える。
【0037】
より具体的には、第1板部431は、第1フレーム部分41から当該第1フレーム部分41と同一の高さ寸法で第1フレーム部分41と駆動部3との中間まで延びる第1幅広板部分602と、第1幅広板部分602の上側部分からX2方向に延びる第1延設板部分603と、を備える。これにより、第1板部431の第1フレーム部分41とは反対側の第1端601は、第1延設板部分603のX2方向の端に沿ってZ軸方向に延びる第1端部分604を備える。また、第1端601は、第1延設板部分603の下端に沿って第1端部分604から第1幅広板部分602までX1方向に延びる第2端部分605と、第1幅広板部分602のX2方向の端に沿ってZ軸方向に延びて上端部分が第2端部分605に連続する第3端部分606と、を備える。
【0038】
一方の第2板部432は、第2フレーム部分42から当該第2フレーム部分42と同一の高さ寸法でX1方向に延びる第2幅広板部分702と、第2幅広板部分702の下側部分からX1方向に延びる第2延設板部分703と、を備える。これにより、第2板部432の第2フレーム部分42とは反対側の第2端701は、第2幅広板部分702のX1方向の端に沿ってZ軸方向に延びる第1端部分704を備える。また、第2端701は、第2延設板部分703の上端に沿って第1端部分704からX1方向に延びる第2端部分705と、第2端部分705から第2幅広板部分705のX1方向の端に沿ってZ軸方向に延びる第3端部分706とを備える。第1板部431の第1端部分604と、第2板部432の第1端部分704とは、X軸方向において、離間する。第1板部431の第3端部分606と、第2板部432の第3端部分706とは、X軸方向において、離間する。また、第1板部431の第2端部分605と、第2板部432の第2端部分705とは、Y軸方向から見た場合に、重なる。
【0039】
接続板部433は、厚み方向をX軸方向と交差する方向に向けてZ軸方向に延びて第1板部431の第1端部分604と第2板部432の第1端部分704とを接続する第1接続板部分801を備える。また、接続板部433は、厚み方向をZ軸方向に向けてX軸方向に延びて第1板部431の第2端部分605と第2板部432の第2端部分705とを接続する第2接続板部分802を備える。さらに、接続板部433は、厚み方向をX軸方向と交差する方向に向けてZ軸方向に延びて第1板部431の第3端部分606と第2板部432の第3端部分706とを接続する第3接続板部分803を備える。
【0040】
第3接続板部分803の下端部分には、切欠き部46が設けられている。これにより、
第3フレーム部分43は、X軸方向で駆動部3と第1フレーム部分41の傾斜面412との間に、下方Z2に開口する切欠き部46を備える。ここで、駆動部3のY1方向の端部分からX1方向に引き出された配線5は、第2板部432の第2幅広板部分702に沿って引き回され、切欠き部46を介して、フレーム4の内側から外側に引き回される。
【0041】
次に、第1板部431は、Y1方向の面に、第1板部431の上端に沿ってX軸方向に延びる第1板部側上端リブ501を備える。また、第1板部431は、Y1方向の面に、第1板部431の下端に沿ってX軸方向に延びる第1板部側下端リブ502を備える。さらに、第1板部431は、Y1方向の面の切欠き部46のX1方向に、X軸方向から見た場合に当該切欠き部46と重なる切欠き部側方リブ503を備える。切欠き部側方リブ503は、Z軸方向に延びる。ここで、第1板部側下端リブ502には、Y1方向の端からZ1方向に突出する板状突部49が設けられている。板状突部49と切欠き部側方リブ503とはY軸方向で離間する。また、第1板部431は、第1板部側上端リブ501と、第1板部側下端リブ502との間であって、切欠き部側方リブ503が設けられている領域を除く領域に、格子状の第1板部側格子状リブ504を備える。一方の第2板部432は、第2板部432のY1方向の面に、格子状の第2板部側リブ505を備える。
【0042】
ここで、第1板部側上端リブ501のY1方向の先端面、第1板部側下端リブ502のY1方向の先端面、第1板部側下端リブ502に形成された板状突部49のY1方向の端面、第1板部側格子状リブ504のY1方向の先端面、および第2板部側リブ505のY1方向の先端面は、同一の仮想面S上に位置する。また、切欠き部側方リブ503が第1板部431から突出する突出量は、第1板部側上端リブ501、第1板部側下端リブ502、第1板部側格子状リブ504が第1板部431から突出する突出量よりも小さい。従って、切欠き部側方リブ503の先端面は、仮想面Sよりも第1板部431に近い側に位置する。
【0043】
(第4フレーム部分)
第4フレーム部分44は、厚み方向をY軸方向に向けてX軸方向に延びる板部441と、板部441からY1方向に突出する複数本のリブ442と、を備える。板部441は、第1フレーム部分41と第2フレーム部分42とを接続する。また、第4フレーム部分44は、Y軸方向で板部441に対向する対向板部443を備える。対向板部443は、板部441と同一形状であり、各リブ442の先端を接続する。各リブ442は、板部441および対向板部443の上端から下端まで、Z軸方向に延びる。複数本のリブ442は、互いに平行である。ここで、板部441と対向板部443との間であって、隣り合うリブ442の間には、Z軸方向に貫通する貫通穴444が形成される。貫通穴444は、Z軸方向から見た場合に、略四角形状である。
【0044】
(固定部)
固定部7は、第3フレーム部分43の第1板部上端リブ501から上方へ突出する。図3図4および図6に示すように、本例では、固定部7として、X軸方向で離間する2か所に設けられた第1固定部71と、第2固定部72と、を備える。
【0045】
第1固定部71は、X軸方向において、駆動部3と、第1フレーム部分41に設けた傾斜面412との間に位置する。本例では、第1固定部71は、第3フレーム部分43のX軸方向の中央部分に設けられている。また、本例では、第1固定部71は、Z軸方向から見た場合に、第3フレーム部分43の下端縁に形成された切欠き部46と重なる位置に設けられている。言い換えれば、切欠き部46は、Z軸方向から見た場合に第1固定部71と重なる重なり位置Pに設けられている。
【0046】
第2固定部72は、Z軸方向から見た場合に、傾斜面412と重なる位置に設けられて
いる。第1固定部71、および第2固定部72は、それぞれ、Y軸方向に厚み方向を向けた板部73と、板部73のX軸方向の両側からY2方向の突出する一対の補強リブ74とを備える。板部73には、Y軸方向に貫通する貫通穴75が設けられている。板部73のY1方向の端面は、仮想面S上に位置する。
【0047】
製氷機1を冷凍室内に設置する際には、第1固定部71、および第2固定部72のそれぞれの貫通穴75にY2方向の側から固定ねじを貫通させて、冷凍室の内壁面の側面部分にフレーム4を固定する。固定ネジによりフレーム4が冷凍室の側壁部分に固定された状態では、仮想面S上に位置する第1板部側上端リブ501の先端面、第1板部側下端リブ502の先端面、第1板部側下端リブ502に形成された板状突部49のY1方向の端面、第1板部側格子状リブ504の先端面、および第2板部側リブ505の先端面は、冷凍室の側壁部分に当接する。また、フレーム4が冷凍室の側壁部分に固定された状態では、第1板部431の切欠き部側方リブ503と側壁部分との間には隙間が形成される。
【0048】
ここで、切欠き部46を介してフレーム4の外側に引き出された配線5は、切欠き部側方リブ503と側壁部分との間の隙間をX1方向に引き出さる。また、引き出された配線5は、切欠き部側方リブ503と、第1板部側下端リブ502に設けられた板状突部49との間を経由させられ、これらの間に保持される。
【0049】
(製氷動作)
製氷機1は冷凍室の側壁面に固定された状態で製氷を行う。製氷動作では、製氷皿2が貯水位置2Aにあるときに、製氷皿2に水が供給される。その後、製氷皿2に取り付けられたサーミスタ8からの出力に基づいて製氷皿2の温度が所定温度以下となったことが確認されると、製氷が完了したものとして駆動部3が所定時間駆動される。これにより、駆動部3は出力軸32をCCW方向に回転させて、製氷皿2を貯水位置2Aから氷離脱位置2Bに移動する。
【0050】
ここで、製氷機1では、駆動部3の駆動が終了する前に、フレーム4の傾斜面412が製氷皿2の突部29に当接する。これにより、製氷皿2は、突部29に傾斜面412が回転方向の前方から当接した状態で、さらに駆動部3によりCCW方向に回転させられる。この結果、製氷皿2が捻られるので、氷が製氷皿2から離脱して、落下する。その後、駆動部3は、製氷皿2をCW方向に逆回転させて、製氷皿2を氷離脱位置2Bから貯水位置2Aに戻す。
【0051】
(作用効果)
ここで、製氷皿2が捻られる際に、当接部が設けられたフレーム4の第1フレーム部分41、および駆動部3が保持されたフレーム4のX2方向の端部分には、駆動部3が製氷皿2を回転させる駆動力の反力が作用する。従って、製氷皿2が当接する第1フレーム部分41は、軸線L0回りをCCW方向に回転しようとする。一方、駆動部3が保持されたフレーム4のX2方向の端部分は、軸線L0回りをCW方向に回転しようとする。この結果、フレーム4には歪みが発生する。また、フレーム4を冷凍室の側面部分に固定する固定部7が第3フレーム部分43から上方に突出する本例では、製氷皿2が捻られる際にフレーム4が歪むと、フレーム4のX2方向の下端部分が冷凍室の内壁面から浮き上がるという問題が発生することがある。
【0052】
このような問題に対して、本例では、フレーム4において、固定部7が設けられた第3フレーム部分43は、固定部7を利用して冷凍室に固定されたときに冷凍室の側面部分に接触する。従って、製氷皿2が捻られているときの駆動力の反力がフレーム4に働いたときに、第3フレーム部分43は、冷凍室の側面部分によって支持されて、歪むことが抑制される。また、フレーム4において、第3フレーム部分43に対向する第4フレーム部分
44は、板部441と、複数本のリブ442と、複数本のリブ442の先端を接続する対向板部443とを備える。従って、第4フレーム部分44は、板部441のみからなる場合と比較して、剛性が上昇する。よって、製氷皿2が捻られているときの駆動力の反力によって、フレーム4が歪むことを防止、或いは、抑制できる。
【0053】
また、本例では、各リブ442は、板部441の上端から下端まで延びており、複数本のリブ442は、平行に延びる。従って、第4フレーム部分44は、板部441の厚みおよび対向板部443の厚みを合計した厚み以上の厚さを備える板部材に、Z軸方向に貫通する貫通穴444を複数個備える形状となる。よって、フレーム4を樹脂の射出成形によって形成する際に、Z軸方向に延びる複数個の貫通穴444が厚みのある板部材の肉盗みとなり、第4フレーム部分44にヒケが発生することを防止、或いは抑制できる。従って、フレーム4を所望の形状に成形することが容易となる。
【0054】
さらに、本例では、第3フレーム部分43は、Z軸方向から見た場合に第1固定部71と重なる重なり位置Pに、下方に開口する切欠き部46を備える。駆動部3に接続された給電用の配線5は、駆動部3から切欠き部46までフレーム4の内側を引き回され、切欠き部46を介してフレーム4の外側に引き出される。従って、駆動部3に接続された配線5を、フレーム4の外側に引き出すことができる。
【0055】
また、フレーム4を冷凍室の側面部分に固定するための第1固定部71および第2固定部72は、第1板部側上端リブ501の第4フレーム部分44とは反対側の端から上方に突出する。従って、第1固定部71および第2固定部72を用いてフレーム4を冷凍室の側壁面に固定する際に、第3フレーム部分43の第4フレーム部分44とは反対側を冷凍室の側面部分に接触させることが容易である。
【0056】
さらに、第1板部側上端リブ501の先端面、第1板部側下端リブ502の先端面、および第2板部側リブ505の先端面は、同一の仮想面S上に位置し、フレーム4が冷凍室の側面部分に固定されたときに当該側面部分に当接する。従って、第3フレーム部分43は冷凍室の側面部分によって支持される。また、切欠き部側方リブ503の先端面は、仮想面Sよりも第1板部431に近い側に位置するので、第1板部側上端リブ501の先端面、第1板部側下端リブ502の先端面、および第2板部側リブ505の先端面が冷凍室の側面部分に当接したときに、切欠き部側方リブ503と冷凍室の側面部分との間には隙間が形成される。よって、第3フレーム部分43に形成した切欠き部46を介して配線5をフレーム4の外側に引き出したときに、この隙間を利用して、配線5を切欠き部46からX1方向に引き回すことができる。これにより、配線5をフレーム4の外に引き出した場合でも、第3フレーム部分43が冷凍庫の側面部分から離間することを防止できる。
【0057】
ここで、フレーム4を冷凍室の側面部分に固定する固定部7のうち、第1固定部71をX軸方向で駆動部3と傾斜面412との間に位置させ、第2固定部72をX軸方向で第1固定部71よりもX1方向に位置させる構成では、製氷皿2が捻られる際にフレーム4が歪むと、第3フレーム部分43の下端部分であって、特に、製氷皿2を回転させる駆動力を発揮する駆動源に近い側が冷凍室の側面部分から浮き上がりやすい。従って、第3フレーム部分43に切欠き部46を設けた場合には、第3フレーム部分43の剛性が低下することにより、第3フレーム部分43の下端部分であって駆動源に近い側が、より、冷凍室の側面部分から浮き上がりやすくなる。
【0058】
これに対して、本例では、切欠き部46を、Z軸方向から見た場合に第1固定部71と重なる重なり部Pに設ければ、切欠き部46が第1固定部71に近い位置に設ける。従って、第1固定部71を利用してフレーム4を冷凍室の内壁面に固定したときに、切欠き部46の周辺を冷凍室の内壁面に当接させた状態とすることが容易となる。これにより、製
氷皿2が捻られたときに第3フレーム部分43における切欠き部46の周辺が冷凍室の内壁面によって支持されるので、第3フレーム部分43に歪みが発生することを抑制しやすい。
【0059】
また、本例では、第3フレーム部分43は、第1フレーム部分41から製氷皿2の側方をX2方向に延びており、第1フレーム部分41とは反対側の第1端601がX軸方向で駆動部3と傾斜面412との間に位置する第1板部431と、第1板部431よりも製氷皿2から離間する位置において第2フレーム部分42から駆動部3の側方をX1方向に延びており、第2フレーム部分42とは反対側の第2端701がX軸方向で第1端601と隙間を開けて対向する第2板部432と、Z軸方向に延びて第1端601と第2端701とを接続する接続板部433とを備える。また、第3フレーム部分43は、接続板部433の下端部分に設けられた切欠き部46を備える。従って、第3フレーム部分43において製氷皿2および駆動部3の側を向く内壁面には、第1板部431、第2板部432および接続板部433によって段部439が形成される。また、接続板部433の下端部分となる段部439の下端部分には、配線5を引き出すための切欠き部46が設けられる。ここで、駆動部3の側に設けられた第2板部432は、第1板部431よりも製氷皿2から離間している。従って、駆動部3に接続された配線5を第2板部432に沿って引き回して切欠き部46からフレーム4の外側に引き出せば、フレーム4の内側を引き回した配線5が製氷皿2に接触することを防止或いは抑制できる。また、段部439に切欠き部46を設ければ、配線5を切欠き部46から外部に引き出す際に、配線5が屈曲することを抑制できる。
【0060】
また、第1板部431には、上端に沿って延びる第1板部側上端リブ501、下端に沿って延びる第1板部側下端リブ502、切欠き部46のX1方向に位置する切欠き部側方リブ503が設けられる。さらに、第2板部432には第2板部側リブ505が設けられる。従って、第3フレーム部分43が第1板部431、第2板部432、および接続板部433のみからなる場合と比較して、第3フレーム部分43の剛性は、向上する。
【0061】
(他の実施形態)
切欠き部46は、重なり位置PよりもX1方向に設けてもよい。このようにすれば、切欠き部46を駆動部3から離間させることができる。これにより、第3フレーム部分43において駆動部3に近い側で剛性の低下が発生することを抑制できるので、製氷皿2が捻られたときに、第3フレーム部分43において駆動部3に近い側が冷凍室の側面部分から浮き上がることを抑制しやすい。
【0062】
また、上記の例では、第4フレーム部分44に設けられた複数のリブ442は、Z軸方向に延在したが、X軸方向に延在してもよい。
【0063】
さらに、第4フレーム部分44に設けられた対向板部443を省略してもよい。このようにしても、第4フレーム部分44が板部441のみからなる場合と比較して、第4フレーム部分44の剛性が向上するので、製氷皿が捻られた際に、フレーム4が歪むことを抑制できる。また、対向板部443を省略した場合には、板部441のY2方向の端面に格子状のリブを設けるものとすることができる。
【符号の説明】
【0064】
1…製氷機、2…製氷皿、3…駆動部、4…フレーム、5…配線、6…検氷レバー、7…固定部、8…サーミスタ、9…サーミスタホルダ、20…貯水用凹部、21…第1側壁部、22…第2側壁部、22a…連結部、23…第3側壁部、24…第4側壁部、25…枠部、28…軸部、29…突部、31…ケース、32…出力軸、41…第1フレーム部分、42…第2フレーム部分、43…第3フレーム部分、44…第4フレーム部分、45…支
持フレーム部分、46…切欠き部、48…開口部、49…板状突部、71…第1固定部、72…第2固定部、73…板部、74…補強リブ、75…貫通穴、410…支持部、411…突出部、412…傾斜面、421…リブ、431…第1板部、432…第2板部、433接続板部、439…段部、441…板部、442…リブ、443…対向板部、444…貫通穴、501…第1板部側上端リブ、502…第1板部側下端リブ、503…切欠き部側方リブ、504…第1板部側格子状リブ、505…第2板部側リブ、601…第1端、602…第1幅広板部分、603…第1延設板部分、604…第1端部分、605…第2端部分、606…第3端部分、701…第2端、702…第2幅広板部分、703…第2延設板部分、704…第1端部分、705…第2端部分、706…第3端部分、801…第1接続板部分、802…第2接続板部分、803…第3接続板部分、S…仮想面、P…重なり位置、L0…軸線、L1…軸線


図1
図2
図3
図4
図5
図6