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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022116897
(43)【公開日】2022-08-10
(54)【発明の名称】基板支持装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20220803BHJP
【FI】
H01L21/68 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021013315
(22)【出願日】2021-01-29
(71)【出願人】
【識別番号】590000835
【氏名又は名称】株式会社KELK
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小室 亘
(72)【発明者】
【氏名】小林 敦
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131CA07
5F131DA33
5F131DA42
5F131EA04
5F131EB81
5F131EB82
5F131KA23
(57)【要約】
【課題】反りを持った基板を適切に支持する。
【解決手段】基板支持装置は、水平方向に延びる板状に形成されるとともに、基板が載置される載置面を有する載置部と、載置面に載置された基板の反りに応じて動くことにより載置面を基板に倣わせる可動部と、を備え、可動部は、載置面に載置された基板の反りに応じて水平方向に伸縮する伸縮部と、載置面に基板が載置されていない状態において鉛直方向に長手を有するアーム本体と、アーム本体の下端と伸縮部における水平方向の外端とを連結するアーム連結部と、を備え、伸縮部の伸縮に応じて動く腕部と、腕部の上部に接続され、腕部の動きに応じて載置部を撓ませる上側接続部と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向に延びる板状に形成されるとともに、基板が載置される載置面を有する載置部と、
前記載置面に載置された前記基板の反りに応じて動くことにより前記載置面を前記基板に倣わせる可動部と、を備え、
前記可動部は、
前記載置面に載置された前記基板の反りに応じて水平方向に伸縮する伸縮部と、
前記載置面に前記基板が載置されていない状態において鉛直方向に長手を有するアーム本体と、前記アーム本体の下端と前記伸縮部における水平方向の外端とを連結するアーム連結部と、を備え、前記伸縮部の伸縮に応じて動く腕部と、
前記腕部の上部に接続され、前記腕部の動きに応じて前記載置部を撓ませる上側接続部と、を備える
基板支持装置。
【請求項2】
前記上側接続部は、前記上側接続部の下面から上方に窪む溝を有する
請求項1に記載の基板支持装置。
【請求項3】
前記上側接続部は、前記溝により水平方向に複数に分割され、
前記載置部の下面は、前記溝を介して下方に露出している
請求項2に記載の基板支持装置。
【請求項4】
前記溝の深さは、前記載置部の厚みよりも大きい
請求項2または3に記載の基板支持装置。
【請求項5】
前記載置面は、平面視で互いに区画された複数の領域を有し、
前記溝は、前記複数の領域の間に設けられている
請求項2から4のいずれか一項に記載の基板支持装置。
【請求項6】
前記載置面は、平面視で互いに区画された複数の領域を有し、
前記複数の領域毎に前記載置部の温度を独立して調整する温度調整部を更に備える
請求項1から5のいずれか一項に記載の基板支持装置。
【請求項7】
前記上側接続部は、前記複数の領域の間に設けられた溝を有し、
前記温度調整部は、前記上側接続部の下面に設けられるとともに、平面視で前記溝を避けた位置に配置されている
請求項6に記載の基板支持装置。
【請求項8】
前記載置面は、平面視で円形状の外形を有し、
前記複数の領域は、
平面視で前記載置面の中央に設けられ、平面視で円形状に形成された中央領域と、
平面視で前記中央領域の径方向外側において互いに周方向に区画され、平面視で弧状に形成された複数の外側領域と、を含み、
前記溝は、
平面視で、径方向において前記中央領域と前記複数の外側領域との間に設けられ、前記中央領域の外周に沿う円環状の円環溝と、
平面視で、周方向において前記複数の外側領域の間のそれぞれに設けられ、前記円環溝から径方向外方に延びる直線状の複数の外側溝と、を含み、
前記可動部は、平面視で前記中央領域と重なる位置に配置された基部を更に備え、
前記腕部は、前記複数の外側領域に対応して複数設けられ、
前記伸縮部は、径方向において前記複数の腕部の前記アーム連結部と前記基部との間のそれぞれに設けられている
請求項7に記載の基板支持装置。
【請求項9】
前記載置面は、平面視で円形状の外形を有し、
前記複数の領域は、
平面視で前記載置面の中央を通り水平方向に延びる中央延在領域と、
平面視で前記中央延在領域の両外側において互いに区画され、平面視で前記中央延在領域に沿うように延びる複数の外側延在領域と、を含み、
前記溝は、平面視で、前記中央延在領域と前記複数の外側延在領域との間のそれぞれに設けられ、前記中央延在領域に沿うように延びる直線状の直線溝を含み、
前記可動部は、平面視で前記中央延在領域と重なる位置に配置された基部を更に備え、
前記腕部は、前記複数の外側延在領域に対応して複数設けられ、
前記伸縮部は、前記複数の腕部の前記アーム連結部と前記基部との間のそれぞれに設けられている
請求項7に記載の基板支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば下記特許文献1には、半導体ウエハの中心部分に対する周辺部分の高さを調整するための装置が開示されている。この装置は、半導体ウエハを載置する載置部と、半導体ウエハの中心部分に対する周辺部分の高さを調整する調整部と、を備える。載置部は、円盤状とされ、同心円状に複数の領域に分割されている。調整部は、載置部の周辺部分となる領域の下部に配置され、温度に応じて収縮して厚さが変化する厚さ可変層と、厚さ可変層に対応して配置されたヒータと、ヒータの温度を制御する制御部と、を備える。
一方、下記特許文献2には、半導体ウエハを載置する載置部と、内部に伝熱媒体用の流路が形成され、載置部を支持する支持部と、載置部と支持部との間に設けられ、所定の処理により膨張または収縮して厚さが変化する厚さ可変層と、所定の処理を実施して厚さ可変層の厚さを制御する制御部と、を備えた装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-17700号公報
【特許文献2】特開2020-17685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、高積層化が著しい近年の半導体ウエハに見られるような反りを持った半導体ウエハを適切に支持することが求められている。
特許文献1では、半導体ウエハの中心部分に対する周辺部分の高さのみを調整するため、半導体ウエハの中心部分と周辺部分との間に大きな隙間が生じ、反りを持った半導体ウエハを適切に支持することができない可能性がある。
特許文献2では、厚さ可変層の厚さを制御することにより載置部が昇降し、厚さ可変層が収縮する方向が決まっている場合は収縮方向と昇降方向とが互いに一致するため、反りを持った半導体ウエハを適切に支持することができない可能性がある。
【0005】
そこで本発明は、反りを持った基板を適切に支持することができる基板支持装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る基板支持装置は、水平方向に延びる板状に形成されるとともに、基板が載置される載置面を有する載置部と、前記載置面に載置された前記基板の反りに応じて動くことにより前記載置面を前記基板に倣わせる可動部と、を備え、前記可動部は、前記載置面に載置された前記基板の反りに応じて水平方向に伸縮する伸縮部と、前記載置面に前記基板が載置されていない状態において鉛直方向に長手を有するアーム本体と、前記アーム本体の下端と前記伸縮部における水平方向の外端とを連結するアーム連結部と、を備え、前記伸縮部の伸縮に応じて動く腕部と、前記腕部の上部に接続され、前記腕部の動きに応じて前記載置部を撓ませる上側接続部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
上記態様によれば、反りを持った基板を適切に支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第一実施形態の温度制御装置のブロック図。
図2】第一実施形態の温度制御装置のフェイスプレートを透過した上面図。
図3図2のIII-III断面図。
図4図3のIV-IV断面を含む上面図。
図5】第一実施形態の可動部の作用の一例を示す、図3に相当する断面図。
図6】第一実施形態の可動部の作用の他の例を示す、図3に相当する断面図。
図7】第一実施形態の可動部の効果の一例を示す断面図。
図8】比較例の一例を示す断面図。
図9】第二実施形態の温度制御装置のフェイスプレートを透過した上面図。
図10図9のX-X断面図。
図11図10のXI-XI断面を含む上面図。
図12】第二実施形態の可動部の作用の一例を示す、図10に相当する断面図。
図13】第二実施形態の可動部の作用の他の例を示す、図10に相当する断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。実施形態においては、基板支持装置の一例として、半導体ウエハ(基板)の温度(局所的に入熱された半導体ウエハの温度)を目標温度に制御するための温度制御装置を挙げて説明する。例えば、半導体ウエハは、円板状に形成されている。
【0010】
<第一実施形態>
<温度制御装置>
図1は、温度制御装置1のブロック図である。図2は、温度制御装置1のフェイスプレート2を透過した上面図である。なお、図2においては、フェイスプレート2の外形及び各領域20~24の境界部分をそれぞれ二点鎖線で示している。図3は、図2のIII-III断面図である。図4は、図3のIV-IV断面を含む上面図である。なお、図4においては、フェイスプレート2の外形及び各領域20~24の境界部分(平面視で投影した部分)をそれぞれ二点鎖線で示している。
図1に示すように、温度制御装置1は、フェイスプレート2(載置部)と、温度調整部3と、可動部4と、制御部5と、を備える。温度制御装置1の各要素は、制御部5によって制御される。
【0011】
<フェイスプレート>
フェイスプレート2は、水平方向に延びる板状に形成されている。本実施形態では、フェイスプレート2は、円板状に形成されている。フェイスプレート2は、半導体ウエハWが載置される載置面10を有する。図2に示すように、載置面10は、平面視で真円形状(円形状)に形成されている。例えば、載置面10の外径は、半導体ウエハWの外径以上の大きさとされている。載置面10は、平面視で互いに区画された複数(例えば本実施形態では5つ)の領域20~24を有する。
【0012】
複数の領域20~24は、平面視で載置面10の中央に設けられた中央領域20と、平面視で中央領域20の径方向外側に設けられた複数(例えば本実施形態では4つ)の外側領域21~24と、を備える。
【0013】
中央領域20は、平面視で真円形状(円形状)に形成されている。例えば、載置面10に半導体ウエハWを載置した場合、中央領域20は平面視で半導体ウエハWの中央部分と重なる。
【0014】
例えば、載置面10に半導体ウエハWを載置した場合、4つの外側領域21~24は平面視で半導体ウエハWの外周部分と重なる。4つの外側領域21~24は、互いに周方向に区画されている。各外側領域21~24は、平面視で円弧状(弧状)に形成されている。各外側領域21~24は、平面視で中央領域20を囲む円環状の領域を周方向で均等に4分割した形状を有する。すなわち、4つの外側領域21~24は、平面視で互いに同じ形状を有する。4つの外側領域21~24は、第一外側領域21、第二外側領域22、第三外側領域23及び第四外側領域24である。第一外側領域21、第二外側領域22、第三外側領域23及び第四外側領域24は、平面視で中央領域20を中心として左回り(反時計回り)に順に並んでいる。
【0015】
<温度調整部>
温度調整部3は、複数の領域20~24毎にフェイスプレート2の温度を独立して調整する。例えば、温度調整部3は、ペルチェ素子等の熱電素子30を備える。例えば、熱電素子30は、複数の領域20~24のそれぞれに設けられている。例えば、複数の熱電素子30に通電すると、各領域20~24を独立に加熱・冷却することができる。各領域20~24のそれぞれの熱電素子30は、制御部5(図1参照)によって制御される。
【0016】
図3に示すように、温度調整部3は、上側接続部40の下面に設けられている。図2に示すように、温度調整部3は、平面視で、上側接続部40の溝41,42を避けた位置に配置されている。言い換えると、温度調整部3は、平面視で、上側接続部40の各支持部48,49と重なる範囲内に配置されている。
【0017】
なお、温度調整部3の下面には、温度調整部3を冷却する水冷板等の冷却部(不図示)が設けられていてもよい。例えば、水冷板は、冷却水が流通可能な冷却路を有する。例えば、冷却路は、複数の領域20~24のそれぞれに設けられていてもよい。例えば、不図示のポンプを駆動して各冷却路に冷却水を流すことにより、各領域20~24を独立に冷却することができる。各領域20~24に対応するポンプは、制御部5(図1参照)によって制御される。
【0018】
図示しないが、フェイスプレート2には、温度調整部3により温度調整された領域20~24(図2参照)の温度を検出する温度検出部が設けられている。例えば、温度検出部は、測温抵抗体(RTD:Resistance temperature Detector)、熱電対(TC:ThermoCouple)等の温度センサを備える。各温度センサの検出温度は、制御部5(図1参照)に入力される。
【0019】
<制御部>
制御部5は、温度センサの検出温度に基づいて温度調整部3を制御する。例えば、制御部5は、選択した検出温度に基づいて所定の領域(例えば、複数の領域20~24の少なくとも1つ)の温度が目標温度になるように温度調整部3をPID制御(Proportional Integral Derivative Controller)する。
【0020】
<可動部>
図3に示すように、可動部4は、フェイスプレート2を下方から支持している。可動部4は、載置面10に載置された半導体ウエハWの反りに応じて動くことにより載置面10を半導体ウエハWに倣わせる。可動部4は、上側接続部40と、腕部50と、基部55と、伸縮部56と、を備える。なお、可動部4の構成要素のうち基部55は、所定位置(例えば、不図示の基台上面)に固定されている。
【0021】
<上側接続部>
上側接続部40は、フェイスプレート2の下面に設けられている。上側接続部40は、載置面10に載置された半導体ウエハWの反りに応じてフェイスプレート2を撓ませる。上側接続部40は、フェイスプレート2の下面に沿って板状に形成されている。上側接続部40の厚み(上下方向の高さ)は、フェイスプレート2の厚みよりも大きい。上側接続部40は、上側接続部40の下面から上方に窪む溝41,42(図2参照、図3においては円環溝41のみを図示)を有する。上側接続部40は、溝41,42により水平方向に複数に分割されている。フェイスプレート2の下面は、溝41,42を介して下方に露出している。溝41,42の深さは、フェイスプレート2の厚みよりも大きい。
【0022】
上側接続部40は、フェイスプレート2の下面に接合されている。フェイスプレート2及び上側接続部40の接合体45において、溝41,42が設けられた部分は、他の部分(溝41,42が設けられていない部分)よりも剛性が低い。
【0023】
ここで、接合体45において溝41,42が設けられた部分は、平面視でフェイスプレート2のうち溝41,42と重なる部分に相当する。接合体45において溝41,42が設けられていない部分は、平面視でフェイスプレート2のうち溝41,42と重ならない部分(上側接続部40の各支持部48,49と重なる部分)に相当する。接合体45は、溝41,42が設けられた部分に他の部分よりも剛性が低い低剛性部46を有する。例えば、反りを持った半導体ウエハWが載置面10に載置された場合、フェイスプレート2は、低剛性部46において部分的に変形しやすい。すなわち、フェイスプレート2及び上側接続部40の接合体45において、低剛性部46は撓むが、他の部分(フェイスプレート2が上側接続部40と接している部分、すなわち溝41,42以外の部分)は撓まない。
【0024】
図2に示すように、溝41,42は、複数の領域20~24の間に配置されている。溝41,42は、平面視で、各領域20~24の境界部分と重なる位置に配置されている。
【0025】
上側接続部40は、平面視で載置面10と同心の円形状に形成された中央支持部48と、複数の外側領域21~24に対応して設けられた複数(例えば本実施形態では4つ)の外側支持部49と、を備える。中央支持部48と、複数の外側支持部49とは、それぞれ溝41,42を介して水平方向に離れて配置されている。
【0026】
中央支持部48は、平面視で、中央領域20よりも小さい真円形状(円形状)に形成されている。
外側支持部49は、平面視で各外側領域21~24と重なる範囲内に配置されている。外側支持部49は、平面視で各外側領域21~24における径方向内側寄りに配置されている。外側支持部49は、平面視で、外側領域21~24よりも小さい円弧状(弧状)に形成されている。
【0027】
溝41,42は、平面視で真円環状(円環状)の円環溝41と、平面視で円環溝41から径方向外方に延びる複数(例えば本実施形態では4つ)の外側溝42と、を含む。
円環溝41は、径方向において中央領域20と複数の外側領域21~24との間に設けられている。円環溝41は、平面視で中央領域20の外周に沿って連続している。円環溝41は、平面視で中央支持部48の外周全体にわたって延びている。
外側溝42は、周方向において複数の外側領域21~24の間のそれぞれに設けられている。外側溝42は、平面視で複数の外側領域21~24のうち周方向に隣り合う2つの境界部分に沿って直線状に延びている。外側溝42は、平面視で周方向に隣り合う2つの外側支持部49の間に設けられている。
【0028】
<腕部>
図3に示すように、腕部50は、フェイスプレート2における水平方向の外端側から下方に延びている。言い換えると、腕部50は、伸縮部56における水平方向の外端側から上方に延びている。腕部50は、伸縮部56の伸縮に応じて動く。図2に示すように、腕部50は、複数の外側領域21~24に対応して複数(例えば本実施形態では4つ)設けられている。腕部50は、図3の断面視でL字状に形成されている。腕部50は、載置面10に半導体ウエハWが載置されていない状態(以下「初期状態」ともいう。)において鉛直方向に長手を有するアーム本体51と、アーム本体51の下端と伸縮部56における水平方向の外端とを連結するアーム連結部52と、を備える。
【0029】
アーム本体51の上端は、外側支持部49を介してフェイスプレート2の下面に接続されている。図2に示すように、アーム本体51の上端は、外側支持部49の外周における周方向中央部に連結されている。例えば、アーム本体51は、矩形断面形状を有する。なお、アーム本体51の断面形状は、円形状であってもよい。例えば、アーム本体51の断面形状は、外側支持部49の外周に沿う円弧状(弧状)であってもよい。例えば、アーム本体51の断面形状は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0030】
図4に示すように、アーム連結部52は、平面視で各外側領域21~24と重なる範囲内に配置されている。アーム連結部52は、平面視で、各外側領域21~24よりも小さい円弧状(弧状)に形成されている。アーム連結部52は、平面視で、外側支持部49(図2参照)と重なる範囲内に配置されている。アーム連結部52は、平面視で外側支持部49よりも小さい円弧状(弧状)に形成されている。なお、アーム連結部52は、平面視で外側支持部49よりも大きい円弧状(弧状)に形成されていてもよい。例えば、アーム連結部52の平面形状は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0031】
<基部>
基部55は、円柱状に形成されている。図3に示すように、基部55は、フェイスプレート2に対して鉛直下方に離れて配置されている。例えば、基部55の下面は、所定位置(例えば、不図示の基台上面)に固定されている。例えば、基部55は、平面視で不図示の基台以上の大きさに形成されている。
【0032】
図4に示すように、基部55は、平面視で中央領域20と重なる位置に配置されている。基部55は、平面視で、載置面10と同心の真円形状(円形状)に形成されている。基部55は、平面視で、中央支持部48(図2参照)よりも大きい円形状に形成されている。基部55の厚みは、フェイスプレート2の厚みよりも大きい。なお、基部55は、平面視で、中央支持部48よりも小さい円形状に形成されていてもよい。例えば、基部55の平面形状は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0033】
<伸縮部>
図3に示すように、伸縮部56は、腕部50の下部に接続されている。伸縮部56は、載置面10に載置された半導体ウエハWの反りに応じて水平方向に伸縮する。例えば、伸縮部56は、エアシリンダ、圧電素子等の伸縮機構である。
【0034】
図4に示すように、伸縮部56は、径方向において複数の腕部50のアーム連結部52と基部55との間のそれぞれに設けられている。径方向において伸縮部56の内端(伸縮方向の一端)は、基部55の外周においてアーム連結部52に臨む部分の周方向中央部に連結されている。径方向において伸縮部56の外端(伸縮方向の他端)は、アーム連結部52の内周における周方向中央部に連結されている。
【0035】
<可動部の作用>
図5は、可動部4の作用の一例を示す、図3に相当する断面図である。図5においては、半導体ウエハWを二点鎖線で示している。
図5に示すように、下方に向けて湾曲するように沿った半導体ウエハWを載置面10に載置した場合、伸縮部56は、載置面10に載置された半導体ウエハWの反りに応じて水平方向に伸長する。具体的に、伸縮部56は、径方向外方(図5に示す矢印方向)へ引っ張られることにより、初期状態(図3に示す状態)よりも水平方向に伸長する。すると、各腕部50は、伸縮部56の伸長に応じて径方向外方へ動く。具体的に、各腕部50のアーム本体51は、鉛直方向に延びた状態(図3に示す状態)から、下側ほど径方向外方に位置するように傾斜する。すると、上側接続部40は、腕部50の動きに応じてフェイスプレート2を下方へ湾曲するように撓ませる。このとき、フェイスプレート2及び上側接続部40の接合体45において低剛性部46が部分的に変形することにより、中央支持部48が初期位置(図3に示す位置)よりも下方へ変位するとともに、外側支持部49が径方向内側ほど下方に位置するように傾斜する。
【0036】
図6は、可動部4の作用の他の例を示す、図3に相当する断面図である。図6においては、半導体ウエハWを二点鎖線で示している。
図6に示すように、上方に向けて湾曲するように沿った半導体ウエハWを載置面10に載置した場合、伸縮部56は、載置面10に載置された半導体ウエハWの反りに応じて水平方向に収縮する。具体的に、伸縮部56は、径方向内方(図6に示す矢印方向)へ圧縮されることにより、初期状態(図3に示す状態)よりも水平方向に縮む。すると、各腕部50は、伸縮部56の収縮に応じて径方向内方へ動く。具体的に、各腕部50のアーム本体51は、鉛直方向に延びた状態(図3に示す状態)から、下側ほど径方向内方に位置するように傾斜する。すると、上側接続部40は、腕部50の動きに応じてフェイスプレート2を上方へ湾曲するように撓ませる。このとき、フェイスプレート2及び上側接続部40の接合体45において低剛性部46が部分的に変形することにより、外側支持部49が径方向外側ほど下方に位置するように傾斜するとともに、中央支持部48が初期位置(図3に示す位置)よりも上方へ変位する。
【0037】
<作用効果>
以上説明したように、本実施形態の温度制御装置1は、水平方向に延びる板状に形成されるとともに、半導体ウエハWが載置される載置面10を有するフェイスプレート2と、載置面10に載置された半導体ウエハWの反りに応じて動くことにより載置面10を半導体ウエハWに倣わせる可動部4と、を備える。可動部4は、載置面10に載置された半導体ウエハWの反りに応じて水平方向に伸縮する伸縮部56と、載置面10に半導体ウエハWが載置されていない状態において鉛直方向に長手を有するアーム本体51と、アーム本体51の下端と伸縮部56における水平方向の外端とを連結するアーム連結部52と、を備え、伸縮部56の伸縮に応じて動く腕部50と、腕部50の上部に接続され、腕部50の動きに応じてフェイスプレート2を撓ませる上側接続部40と、を備える。
この構成によれば、反りを持った半導体ウエハWが載置面10に載置された場合、先ず、伸縮部56が水平方向に伸縮し、次に、伸縮部56の伸縮に応じて腕部50が動き、その後、腕部50の動きに応じて上側接続部40がフェイスプレート2を撓ませるため、半導体ウエハWの下面に載置面10を沿わせることができる。加えて、伸縮部56が載置面10に載置された半導体ウエハWの反りに応じて水平方向に伸縮することで、伸縮部56の伸縮に応じて動く腕部50の上下方向の変位を可及的に小さくすることができる。これにより、反りを持った半導体ウエハWが載置面10に載置された場合に載置面10が局所的に上下方向に過度に変位することを抑えることができるため、半導体ウエハWの下面と載置面10との間に局所的に大きな隙間が生じることを抑えることができる。したがって、反りを持った半導体ウエハWを適切に支持することができる。
【0038】
図7は、第一実施形態の可動部4の効果の一例を示す断面図である。なお、図7の例では、複数の外側支持部49がそれぞれ溝を介して径方向に離れて設けられている例を示している。図8は、比較例の一例を示す断面図である。
例えば、図8に示すように、フェイスプレート1002が支持部(不図示)によって固定されている場合、反りを持った半導体ウエハWが載置面1010に載置されたとき、半導体ウエハWの下面と載置面1010との間には隙間Gが形成される。隙間Gにおいて半導体ウエハWの中心部分と周辺部分とで大きな差が生じるため、反りを持った半導体ウエハWを適切に支持することができない可能性がある。例えば、反りを持った半導体ウエハWを適切に支持するには、反りを持った半導体ウエハW専用のフェイスプレートを用意する必要があり、部品種類が増加し、高コスト化する可能性がある。これに対し本実施形態の構成によれば、図7に示すように、上側接続部40が半導体ウエハWの反りに応じてフェイスプレート2を撓ませることで、半導体ウエハWの下面と載置面10との間に隙間Gが生じた場合でも、隙間Gの大きさは半導体ウエハWの中心部分と周辺部分とでそれぞれ略同じになるため、反りを持った半導体ウエハWを適切に支持することができる。加えて、反りを持った半導体ウエハW専用のフェイスプレートを用意する必要がないため、部品種類の増加を抑制し、高コスト化を抑制することができる。
また仮に、半導体ウエハWの中心部分に対する周辺部分の高さのみを調整する場合、半導体ウエハWの周辺部分以外の反り形状に対応した高さ調整ができない可能性がある。これに対し本実施形態の構成によれば、上側接続部40が半導体ウエハWの反りに応じてフェイスプレート2を撓ませることで、半導体ウエハWの任意の反り形状に対応した高さ調整を行うことができる。
加えて、本実施形態では、伸縮部56が半導体ウエハWの反りに応じて水平方向に伸縮し、腕部50が伸縮部56の伸縮に応じて鉛直方向に対して斜めに動き、上側接続部40が腕部50の動きに応じてフェイスプレート2を撓ませることにより、反りを持った半導体ウエハW(具体的には、水平面に対して角度を持った下面を有する半導体ウエハW)を適切に支持することができる。
さらに、本実施形態では、腕部50が伸縮部56における水平方向の外端側から上方に延びることで、腕部50の長さに応じて、上下方向への僅かな変位をもって半導体ウエハWの反り形状に対応することができる。例えば、腕部50の長さを変更することにより、半導体ウエハWの任意の反り形状に対応した高さ調整を行うことができ、反りを持った半導体ウエハWを精度よく支持することができる。
【0039】
本実施形態では、上側接続部40は、上側接続部40の下面から上方に窪む溝41,42を有する。
反りを持った半導体ウエハWが載置面10に載置された場合、フェイスプレート2は、溝41,42が設けられた部分において部分的に変形しやすい。そのため、溝41,42の深さに応じて、上下方向への僅かな変位をもって半導体ウエハWの反り形状に対応することができる。例えば、溝41,42の深さを変更することにより、半導体ウエハWの任意の反り形状に対応した高さ調整を行うことができ、反りを持った半導体ウエハWを精度よく支持することができる。
例えば仮に、上側接続部40が溝41,42を有さず、単なる平板である場合、反りを持った半導体ウエハWが載置面10に載置された場合に載置面10を所望に撓ませることが困難となる可能性がある。これに対し本実施形態の構成によれば、上側接続部40が上側接続部40の下面から上方に窪む溝41,42を有することで、溝41,42は反りを持った半導体ウエハWが載置面10に載置された場合に載置面10が撓む場所のガイドとして作用するため、載置面10を所望に撓ませることができる。
【0040】
本実施形態では、上側接続部40は、溝41,42により水平方向に複数に分割されている。フェイスプレート2の下面は、溝41,42を介して下方に露出している。
そのため、平面視でフェイスプレート2のうち溝41,42と重なる部分を他の部分よりも剛性が低い低剛性部46とし、部分的に変形し易くすることができる。一方、平面視でフェイスプレート2のうち溝41,42と重ならない部分は、低剛性部46よりも剛性が高い。これにより、反りを持った半導体ウエハWが載置面10に載置された場合、フェイスプレート2のうち低剛性部46の部分的な変形により半導体ウエハWの反り形状に追従しつつ、フェイスプレート2のうち溝41,42と重ならない部分では半導体ウエハWをしっかりと支持することができる。したがって、半導体ウエハWの反りに応じた柔軟な変形(フェイスプレート2の撓み)とフェイスプレート2による半導体ウエハWの安定した支持とを両立することができる。
【0041】
本実施形態では、溝41,42の深さは、フェイスプレート2の厚みよりも大きい。
そのため、溝41,42の深さがフェイスプレート2の厚み以下の場合と比較して、載置面10に載置された半導体ウエハWの反りに応じてフェイスプレート2を撓ませ易いため、半導体ウエハWの反り形状に追従しやすい。
【0042】
本実施形態では、載置面10は、平面視で互いに区画された複数の領域20~24を有する。溝41,42は、複数の領域20~24の間に設けられている。
そのため、反りを持った半導体ウエハWを複数の領域20~24毎に適切に支持することができる。
【0043】
本実施形態では、載置面10は、平面視で互いに区画された複数の領域20~24を有する。温度制御装置1は、複数の領域20~24毎にフェイスプレート2の温度を独立して調整する温度調整部3を備える。
そのため、半導体ウエハWの温度を複数の領域20~24毎に調整することができる。
例えば仮に、半導体ウエハWの高さを調整する装置として、載置部の周辺部分となる領域の下部に配置され、温度に応じて収縮して厚さが変化する厚さ可変層と、厚さ可変層に対応して配置されたヒータと、ヒータの温度を制御する制御部と、を備える場合、厚さ可変層に対するヒータによる加熱の影響により、半導体ウエハWに対して精密な温度調整ができない可能性がある。これに対し本実施形態の構成によれば、上述の通り上側接続部40が半導体ウエハWの反りに応じてフェイスプレート2を撓ませることで反りを持った半導体ウエハWを適切に支持することができるため、ヒータによる加熱が影響する構成ではない。したがって、半導体ウエハWに対して精密な温度調整を行うことができる。
加えて、上述の通り上側接続部40が半導体ウエハWの反りに応じてフェイスプレート2を撓ませることで、図7に示すように隙間Gが生じた場合でも、隙間Gの大きさは反りを持った半導体ウエハWに沿った形で均等になるため、複数の領域20~24において均等に温度調整することができる。
【0044】
本実施形態では、温度調整部3は、上側接続部40の下面に設けられるとともに、平面視で溝41,42を避けた位置に配置されている。
そのため、上側接続部40を介して、半導体ウエハWの温度を複数の領域20~24毎に調整することができる。加えて、上側接続部40が半導体ウエハWの反りに応じてフェイスプレート2を撓ませる際に、温度調整部3を邪魔にならないように配置することができる。
【0045】
本実施形態では、載置面10は、平面視で円形状の外形を有する。複数の領域20~24は、平面視で載置面10の中央に設けられ、平面視で円形状に形成された中央領域20と、平面視で中央領域20の径方向外側において互いに周方向に区画され、平面視で弧状に形成された複数の外側領域21~24と、を含む。溝41,42は、平面視で、径方向において中央領域20と複数の外側領域21~24との間に設けられ、中央領域20の外周に沿う円環状の円環溝41と、平面視で、周方向において複数の外側領域21~24の間のそれぞれに設けられ、円環溝41から径方向外方に延びる直線状の複数の外側溝42と、を含む。可動部4は、平面視で中央領域20と重なる位置に配置された基部55を備える。腕部50は、複数の外側領域21~24に対応して複数設けられている。伸縮部56は、径方向において複数の腕部50のアーム連結部52と基部55との間のそれぞれに設けられている。
そのため、円板状の半導体ウエハWを載置面10に載置した場合に、反りを持った半導体ウエハWを適切に支持することができる。
【0046】
<第二実施形態>
第一実施形態では、複数の領域20~24が平面視で載置面10の中央に設けられ円形状に形成された中央領域20と、平面視で中央領域20の径方向外側において互いに周方向に区画され弧状に形成された複数の外側領域21~24と、を含む例(図2参照)を挙げて説明したが、これに限らない。図9に示すように、第二実施形態は、複数の領域の態様が上述した第一実施形態と相違している。なお、以下の説明においては、上述した第一実施形態と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0047】
図9は、温度制御装置201のフェイスプレート2を透過した上面図である。なお、図9においては、フェイスプレート2の外形及び各領域220~222の境界部分をそれぞれ二点鎖線で示している。図10は、図9のX-X断面図である。図11は、図10のXI-XI断面を含む上面図である。なお、図11においては、フェイスプレート2の外形及び各領域220~222の境界部分(平面視で投影した部分)をそれぞれ二点鎖線で示している。
図9に示すように、複数の領域220~222は、平面視で載置面10の中央を通り水平方向に延びる中央延在領域220と、平面視で中央延在領域220の両外側において互いに区画された複数(例えば本実施形態では2つ)の外側延在領域221,222と、を含む。
中央延在領域220は、平面視で長手方向の両外端縁が円弧状(弧状)に形成されている。
外側延在領域221,222は、平面視で中央延在領域220に沿うように延びる半円形状に形成されている。
【0048】
溝241は、平面視で、中央延在領域220に沿うように延びる直線状に形成されている。溝241(以下「直線溝241」ともいう。)は、複数(例えば本実施形態では2つ)設けられている。直線溝241は、中央延在領域220と複数の外側延在領域221,222との間のそれぞれに設けられている。
【0049】
上側接続部240は、平面視で載置面10の中央を通り水平方向に延びる中央延在支持部248と、複数の外側延在領域221,222に対応して設けられた複数(例えば本実施形態では2つ)の外側延在支持部249と、を備える。
中央延在支持部248は、平面視で、中央延在領域220と重なる範囲内に配置されている。中央延在支持部248は、平面視で、中央延在領域220よりも小さい。
外側延在支持部249は、平面視で各外側延在領域221,222と重なる範囲内に配置されている。外側延在支持部49は、平面視で各外側延在領域221,222における内側寄り(中央延在領域220寄り)に配置されている。外側延在支持部249は、平面視で、各外側延在領域221,222よりも小さい半円形状に形成されている。
【0050】
腕部250は、複数の外側延在領域221,222に対応して複数(例えば本実施形態では2つ)設けられている。腕部250は、図10の断面視でL字状に形成されている。腕部250は、載置面10に半導体ウエハWが載置されていない状態(初期状態)において鉛直方向に長手を有するアーム本体251と、アーム本体251の下端と伸縮部56における水平方向の外端とを連結するアーム連結部252と、を備える。
【0051】
アーム本体251の上端は、外側延在支持部249を介してフェイスプレート2の下面に接続されている。図9に示すように、アーム本体251の上端は、外側延在支持部249の外周における周方向中央部に連結されている。例えば、アーム本体251は、矩形断面形状を有する。なお、アーム本体251の断面形状は、円形状であってもよい。例えば、アーム本体251の断面形状は、外側延在支持部249の外周に沿う円弧状(弧状)であってもよい。例えば、アーム本体251の断面形状は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0052】
図11に示すように、アーム連結部252は、平面視で各外側延在領域221,222と重なる範囲内に配置されている。アーム連結部252は、平面視で、各外側延在領域221,222よりも小さい半円形状に形成されている。アーム連結部252は、平面視で、外側延在支持部249(図9参照)と重なる範囲内に配置されている。アーム連結部252は、平面視で外側延在支持部249よりも小さい半円形状に形成されている。なお、アーム連結部252は、平面視で外側延在支持部249よりも大きい半円形状に形成されていてもよい。例えば、アーム連結部252の平面形状は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0053】
図11に示すように、基部255は、平面視で中央延在領域220と重なる位置に配置されている。基部255は、平面視で載置面10の中央を通り水平方向に延びている。基部255は、平面視で基部255の短手部分の両外端部が中央延在領域220よりも外側にはみ出ている。基部255は、平面視で、中央延在支持部248(図9参照)よりも大きい形状に形成されている。なお、基部255は、平面視で、中央延在支持部248よりも小さい形状に形成されていてもよい。例えば、基部255の平面形状は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0054】
図10に示すように、伸縮部56は、複数の腕部250のアーム連結部252と基部255との間のそれぞれに設けられている。図11に示すように、伸縮部56の一端(伸縮方向の一端)は、基部255においてアーム連結部252に臨む部分の中央部に連結されている。伸縮部56の他端(伸縮方向の他端)は、アーム連結部252において基部255に臨む部分の中央部に連結されている。
【0055】
図12は、可動部4の作用の一例を示す、図10に相当する断面図である。図12においては、半導体ウエハWを二点鎖線で示している。
図12に示すように、下方に向けて湾曲するように沿った半導体ウエハWを載置面10に載置した場合、伸縮部56は、載置面10に載置された半導体ウエハWの反りに応じて水平方向に伸長する。具体的に、伸縮部56は、径方向外方(図12に示す矢印方向)へ引っ張られることにより、初期状態(図10に示す状態)よりも水平方向に伸長する。すると、各腕部250は、伸縮部56の伸縮に応じて径方向外方へ動く。具体的に、各腕部250のアーム本体251は、鉛直方向に延びた状態(図10に示す状態)から、下側ほど径方向外方に位置するように傾斜する。すると、上側接続部240は、腕部250の動きに応じてフェイスプレート2を下方へ湾曲するように撓ませる。このとき、フェイスプレート2及び上側接続部240の接合体45において低剛性部46が部分的に変形することにより、中央延在支持部248が初期位置(図10に示す位置)よりも下方へ変位するとともに、外側延在支持部249が径方向内側ほど下方に位置するように傾斜する。
【0056】
図13は、可動部4の作用の他の例を示す、図10に相当する断面図である。図13においては、半導体ウエハWを二点鎖線で示している。
図13に示すように、上方に向けて湾曲するように沿った半導体ウエハWを載置面10に載置した場合、伸縮部56は、載置面10に載置された半導体ウエハWの反りに応じて水平方向に収縮する。具体的に、伸縮部56は、径方向内方(図13に示す矢印方向)へ圧縮されることにより、初期状態(図10に示す状態)よりも水平方向に縮む。すると、各腕部250は、伸縮部56の収縮に応じて径方向内方へ動く。具体的に、各腕部250のアーム本体251は、鉛直方向に延びた状態(図10に示す状態)から、下側ほど径方向内方に位置するように傾斜する。すると、上側接続部240は、腕部250の動きに応じてフェイスプレート2を上方へ湾曲するように撓ませる。このとき、フェイスプレート2及び上側接続部240の接合体45において低剛性部46が部分的に変形することにより、外側延在支持部249が径方向外側ほど下方に位置するように傾斜するとともに、中央延在支持部248が初期位置(図10に示す位置)よりも上方へ変位する。
【0057】
本実施形態では、載置面10は、平面視で円形状の外形を有する。複数の領域220~222は、平面視で載置面10の中央を通り水平方向に延びる中央延在領域220と、平面視で中央延在領域220の両外側において互いに区画され、平面視で中央延在領域220に沿うように延びる複数の外側延在領域221,222と、を含む。溝241は、平面視で、中央延在領域220と複数の外側延在領域221,222との間のそれぞれに設けられ、中央延在領域220に沿うように延びる直線状の直線溝241を含む。可動部4は、平面視で中央延在領域220と重なる位置に配置された基部255を備える。腕部250は、複数の外側延在領域221,222に対応して複数設けられている。伸縮部56は、複数の腕部250のアーム連結部252と基部255との間のそれぞれに設けられている。
そのため、円板状の半導体ウエハWを載置面10に載置した場合に、反りを持った半導体ウエハWを適切に支持することができる。
【0058】
<その他の実施形態>
上述した実施形態では、載置面が平面視で円形状に形成されている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、載置面は、平面視で矩形状に形成されていてもよい。例えば、載置面の平面視形状は、半導体ウエハの形状等、要求仕様に応じて変更することができる。
【0059】
上述した実施形態では、上側接続部が上側接続部の下面から上方に窪む溝を有する例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、上側接続部は、上側接続部を厚み方向に開口する複数の貫通孔を有していてもよい。例えば、上側接続部は、他の部分よりも剛性が低い低剛性部を有していればよい。例えば、低剛性部の態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0060】
上述した実施形態では、上側接続部が溝により水平方向に複数に分割され、載置部の下面が溝を介して下方に露出している例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、上側接続部は、水平方向に連続していてもよい。例えば、載置部の下面は、上側接続部により覆われていてもよい。例えば、上側接続部の態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0061】
上述した実施形態では、溝の深さが載置部の厚みよりも大きい例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、溝の深さは、載置部の厚み以下の大きさであってもよい。例えば、溝の深さは、要求仕様に応じて変更することができる。
【0062】
上述した実施形態では、上側接続部が載置部を撓ませる例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、上側接続部がなく、載置部が直に腕部と接続されている構成でもよい。例えば、載置部に溝を形成し、載置面を撓ませる構成でもよい。
【0063】
上述した実施形態では、載置面が平面視で互いに区画された複数の領域を有する例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、載置面は、平面視で互いに区画された複数の領域を有しなくてもよい。例えば、載置面の態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0064】
上述した実施形態では、溝が複数の領域の間に設けられている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、溝は、複数の領域の間以外の部分に設けられていてもよい。例えば、溝の設置位置は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0065】
上述した実施形態では、温度制御装置が複数の領域毎に載置部の温度を独立して調整する温度調整部を備える例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、温度制御装置は、複数の領域毎に載置部の温度を独立して調整する温度調整部を備えていなくてもよい。例えば、温度制御装置の態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0066】
上述した実施形態では、温度調整部が上側接続部の下面に設けられるとともに平面視で溝を避けた位置に配置されている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、温度調整部は、上側接続部の下面以外の部位に設けられていてもよい。例えば、温度調整部は、上側接続部に内蔵されていてもよい。例えば、温度調整部は、平面視で溝と重なる位置に配置されていてもよい。例えば、温度調整部の配置の態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0067】
上述した実施形態では、基板支持装置の一例として、半導体ウエハの温度(局所的に入熱された半導体ウエハの温度)を目標温度に制御するための温度制御装置を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、基板支持装置は、半導体ウエハの温度を制御するための装置以外に適用されてもよい。例えば、基板支持装置は、半導体ウエハ以外の基板を支持するための装置に適用されてもよい。基板支持装置の使用態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0068】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれらに限定されることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能であり、上述した実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0069】
1…温度制御装置(基板支持装置)、2…フェイスプレート(載置部)、3…温度調整部、4…可動部、10…載置面、20…中央領域(領域)、21…第一外側領域(領域)、22…第二外側領域(領域)、23…第三外側領域(領域)、24…第四外側領域(領域)、40…上側接続部、41…円環溝(溝)、42…外側溝(溝)、50…腕部、51…アーム本体、52…アーム連結部、55…基部、56…伸縮部、201…温度制御装置(基板支持装置)、220…中央延在領域(領域)、221…第一外側延在領域(領域)、222…第二外側延在領域(領域)、240…上側接続部、241…直線溝、250…腕部、251…アーム本体、252…アーム連結部、255…基部、W…半導体ウエハ(基板)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13