(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022116915
(43)【公開日】2022-08-10
(54)【発明の名称】摩擦伝動ベルト
(51)【国際特許分類】
F16G 5/00 20060101AFI20220803BHJP
F16G 1/08 20060101ALI20220803BHJP
F16G 5/06 20060101ALI20220803BHJP
F16G 5/20 20060101ALI20220803BHJP
F16G 1/00 20060101ALI20220803BHJP
【FI】
F16G5/00 D
F16G1/08 A
F16G5/06 A
F16G5/20 A
F16G1/08 D
F16G1/00 D
F16G5/06 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021013341
(22)【出願日】2021-01-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005061
【氏名又は名称】バンドー化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】特許業務法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】真銅 友哉
(72)【発明者】
【氏名】小林 正吾
(72)【発明者】
【氏名】松田 和朗
(57)【要約】
【課題】 耐摩耗性に優れた摩擦伝動ベルトを提供する。
【解決手段】 プーリ接触部分を構成する圧縮層を有する摩擦伝動ベルトであって、前記圧縮層は、ゴム組成物からなる内層と、前記内層のプーリ接触側に設けられた繊維部材からなる外層とを備え、前記ゴム組成物は、ベルト幅方向における10%圧縮時応力M10が、2.0MPa以上である、摩擦伝動ベルト。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プーリ接触部分を構成する圧縮層を有する摩擦伝動ベルトであって、
前記圧縮層は、ゴム組成物からなる内層と、前記内層のプーリ接触側に設けられた繊維部材からなる外層とを備え、
前記ゴム組成物は、ベルト幅方向における10%圧縮時応力M10が、2.0MPa以上である、摩擦伝動ベルト。
【請求項2】
前記ゴム組成物は、ベルト幅方向における5%圧縮時応力M5が、1.2MPa以上である、請求項1に記載の摩擦伝動ベルト。
【請求項3】
Vリブドベルトである、請求項1又は2に記載の摩擦伝動ベルト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、摩擦伝動ベルトに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジン、モーター等の回転動力を伝達する手段として、駆動側と従動側との回転軸にプーリ等を固定させて設けると共に、それぞれのプーリにVリブドベルト、Vベルト等の伝動ベルトを掛け渡す方法が広く用いられている。
このような伝動ベルトは、プーリに巻き掛けられて使用されるとき、プーリ接触部分を低摩擦係数の状態で維持し、耐摩耗性を向上させるために、例えば、Vリブドベルトでは、Vリブ表面を補強布で被覆することが行われている(例えば、特許文献1~3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公平2-42344号公報
【特許文献2】特開2002-122187号公報
【特許文献3】特開2002-5238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
摩擦伝動ベルトにおける耐摩耗性の向上は、通常求められる特性であり、この要求は無くなることがない。
特許文献1~3に記載のVリブドベルトでは補強布及びその周辺の構成を工夫することで耐摩耗性の向上を図っていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、摩擦伝動ベルトの耐摩耗性を向上させるべく鋭意検討を行い、特許文献1~3とは異なる新たな思想に基づき、耐摩耗性に優れた摩擦伝動ベルトを見出し、本発明を完成した。
【0006】
本発明の摩擦伝動ベルトは、プーリ接触部分を構成する圧縮層を有する摩擦伝動ベルトであって、
上記圧縮層は、ゴム組成物からなる内層と、上記内層のプーリ接触側に設けられた繊維部材からなる外層とを備え、
上記ゴム組成物は、ベルト幅方向における10%圧縮時応力M10が、2.0MPa以上である。
上記摩擦伝動ベルトは、圧縮層の内層を構成するゴム組成物の、ベルト幅方向における10%圧縮時応力M10が2.0MPa以上と大きいため、耐摩耗性に優れる。
【0007】
上記摩擦伝動ベルトにおいて、上記ゴム組成物は、ベルト幅方向における5%圧縮時応力M5が、1.2MPa以上である、ことが好ましい。
この場合、上記摩擦伝動ベルトは、耐摩耗性が更に良好になる。
【0008】
上記摩擦伝動ベルトは、Vリブドベルトであることが好ましい。
上述した圧縮層を備えるVリブドベルトは、プーリとの噛み合い時にリブ底が接触摩耗しにくく、良好な耐摩耗性を呈する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の摩擦伝動ベルトは、耐摩耗性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るVリブドベルトの一部を模式的に示す図である。
【
図2】Vリブドベルトの圧縮ゴム層を構成するゴム組成物の特性を評価する方法を説明する図である。
【
図3】Vリブドベルトの製造方法について示す図である。
【
図4】Vリブドベルトの製造方法について示す図である。
【
図5】耐摩耗性試験におけるベルト走行試験機のプーリレイアウトを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(Vリブドベルト)
図1は、本発明の一実施形態に係るVリブドベルトBの一部を模式的に示す図である。
このVリブドベルトBは、例えば、自動車のエンジンルーム内に設けられる補機駆動ベルト伝動装置に用いられるものであり、ベルト周長700~3000mm、ベルト幅10~36mm、及びベルト厚さ3.5~5.0mmに形成されている。
【0012】
このVリブドベルトBは、ベルト外周側の接着ゴム層11と、ベルト内周側の圧縮ゴム層12との二重層に構成されたベルト本体10を備えている。ベルト本体10のベルト外周側表面には、背面ゴム層17が貼設されている。ベルト本体10のリブ側の表面には、繊維部材である編布(ニット)からなるリブ側補強布14が設けられている。また、接着ゴム層11には、心線16がベルト幅方向にピッチを有する螺旋を形成するように埋設されている。
このVリブドベルトBは、圧縮ゴム層12とこの圧縮ゴム層12の外側に設けられたリブ側補強布14とで摩擦伝動ベルトの圧縮層を構成し、この圧縮層がベルト内周側のプーリ接触部分を構成する。
以下、それぞれの構成要素を説明する。
【0013】
接着ゴム層11は、断面横長矩形の帯状に形成され、例えば、厚さ0.8~2.5mmである。接着ゴム層11は、原料ゴム成分に種々の配合剤が配合された未架橋ゴム組成物を用いて形成されている。
【0014】
接着ゴム層11を構成するゴム組成物は、原料ゴム成分として、例えば、エチレン・プロピレンゴム(EPR)やエチレンプロピレンジエンモノマーゴム(EPDM)等のエチレン-α-オレフィンエラストマー、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、水素添加アクリルニトリルゴム(HNBR)等が用いられる。これらのなかでは、耐熱性及び耐寒性の点で優れた性質を示す観点から、エチレン-α-オレフィンエラストマーが好ましい。
【0015】
接着ゴム層11に用いられる配合剤としては、例えば、架橋剤(例えば、硫黄、有機過酸化物)、加硫促進剤、共架橋剤、老化防止剤、加工助剤、可塑剤、カーボンブラック等の補強材、充填材等が挙げられる。接着ゴム層11を構成するゴム組成物には、短繊維が配合されていてもよいが、心線16との接着性の点からは短繊維が配合されていないことが好ましい。なお、接着ゴム層11を構成するゴム組成物は、原料ゴム成分に配合剤を配合し、混練した未架橋ゴム組成物を加熱及び加圧して架橋剤により架橋させたものである。
【0016】
心線16は、接着ゴム層11にベルト長さ方向に伸びると共に、ベルト幅方向にピッチを有する螺旋を形成するように埋設されている。心線16は、ポリエステル繊維、ポリエチレンナフタレート(PEN)繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維、ポリケトン繊維等の撚り糸16’で構成される。心線16は、例えば外径が0.7~1.1mmである。心線16には、ベルト本体10に対する接着性を付与するために、成形加工前にRFL水溶液に浸漬した後に加熱する接着処理、及び/又は、ゴム糊に浸漬した後に乾燥させる接着処理が施されている。
【0017】
圧縮ゴム層12には、複数のVリブ13がベルト内周側に垂下するように設けられている。これらの複数のVリブ13は、各々がベルト長さ方向に延びる断面略三角形の突状に形成されていると共に、ベルト幅方向に並設されている。各Vリブ13は、例えば、リブ高さが2.0~3.0mm、基端間の幅が1.0~3.6mmである。また、リブ数は、例えば、3~10個である(
図1では、リブ数が6)。
【0018】
圧縮ゴム層12は、所定の圧縮特性を有するゴム組成物からなる。そのため、格別優れた耐摩耗性を有する。
具体的には、圧縮ゴム層12を構成するゴム組成物は、VリブドベルトBのベルト幅方向における10%圧縮時応力M10(以下、幅方向M10ともいう)が、2.0MPa以上である。これにより、VリブドベルトBは、良好な耐摩耗性に有する。
【0019】
プーリに巻き掛けられたVリブドベルトBは、通常、幅方向に圧縮された状態で走行する。また、VリブドベルトBの圧縮ゴム層12が幅方向に圧縮変形しやすい部材であると、当該VリブドベルトBは走行時にリブ部がリブプーリの溝内に深く入り込んでしまい、VリブドベルトBのリブ底がリブプーリに押し付けられやすくなる。
一方、上記幅方向M10が2.0MPa以上であるVリブドベルトBは、走行時にリブ底におけるリブプーリと接触面圧が大きくなりすぎることを回避できる。そのため、上記幅方向M10が2.0MPa以上であるVリブドベルトBは、良好な耐摩耗性を有する。
【0020】
上記幅方向M10は、耐摩耗性が更に良好なものとなる点から、3.0MPa以上が好ましい。
一方、上記幅方向M10の上限は特に限定されないが、10.0MPaが好ましい。上記幅方向M10が大きすぎると、長さ方向の柔軟性が損なわれベルトが早期に破損する場合がある。
【0021】
圧縮ゴム層12を構成するゴム組成物は、VリブドベルトBのベルト幅方向における5%圧縮時応力M5(以下、幅方向M5ともいう)が、1.2MPa以上であることが好ましい。この場合、リブドベルトBは、より良好な耐摩耗性に有する。
VリブドベルトBの上記幅方向M5は、特に耐摩耗性を向上させることができる点から、1.4MPa以上がより好ましく、1.6MPa以上が更に好ましく、2.0MPa以上が特に好ましい。
【0022】
上記幅方向M5の上限は特に限定されないが、7.0MPaが好ましい。上記幅方向M5が大きすぎると、長さ方向の柔軟性が損なわれベルトが早期に破損する場合がある。
【0023】
圧縮ゴム層12を構成するゴム組成物の圧縮特性(圧縮時応力)は、下記の手法で評価する。
図2(a)~(d)は、圧縮ゴム層12を構成するゴム組成物の圧縮特性を評価する手法を説明する図である。
【0024】
まず、複数のリブ部を有するVリブドベルト20から(
図2(a)参照)、1つのリブ部21を切り出す(
図2(b)参照)。この後、1つのリブ部から短冊状の試験片22を切り出す(
図2(c)参照)。この場合、試験片22は、例えば
図2(a)の斜線部分から切り出されたものである。
試験片22は、厚さTが0.5~1mm、高さHが1.9~2.0mm、長さLが1.9~2.0mmで直方体の試験片である。この試験片22は、当該試験片22の長手方向がVリブドベルト20の長手方向と一致するように切り出す。
次に、この試験片22を厚さ方向に圧縮する圧縮試験を行い、5%圧縮時の荷重(MPa)及び10%圧縮時の荷重(MPa)を測定する。
【0025】
上記圧縮試験では、試験片22を試験機に取り付け、実験温度:23±2℃、圧縮速度1mm/minの条件で圧縮試験を行い、5%圧縮時の荷重及び10%圧縮時の荷重のそれぞれを計測する。ここで、試験機としては、万能試験機等の圧縮試験を行うことのできる試験機を用いればよい。
【0026】
その後、計測された5%圧縮時の荷重及び10%圧縮時の荷重のそれぞれを、試験片22の圧縮時押圧面23の断面積(高さH×長さL)で割り、得られた値を5%圧縮時応力(幅方向M5)及び10%圧縮時応力(幅方向M10)とする。
【0027】
圧縮ゴム層12を構成するゴム組成物は、下記の引張特性を有することが好ましい。
VリブドベルトBの長手方向のおけるM50弾性率に対する上記長手方向のおけるM10弾性率の比(M10弾性率/M50弾性率)が1.5以上であることが好ましく、2.0以上であることがより好ましい。これらの要件を満たすことはVリブドベルトBの良好な耐摩耗性を確保するのに更に好適である。
また、上記M10弾性率/M50弾性率が2.0以上であるVリブドベルトBは、耐クラック性も優れたものとなる。
上記M10弾性率/M50弾性率の上限は、通常5.0程度である。
【0028】
VリブドベルトBを構成するゴム組成物は、ベルト長手方向のおける50%伸長時応力M50(以下、長さ方向M50ともいう)が10Mpa以下であることが好ましく、7Mpa以下であることがより好ましい。VリブドベルトBの耐クラック性を向上させるのにより好適だからである。
上記長さ方向M50の下限は特に限定されないが、通常1.5Mpa程度である。
【0029】
VリブドベルトBを構成するゴム組成物は、ベルト長手方向のおける10%伸長時応力M10(以下、長さ方向M10ともいう)が、2.0MPa以上であることが好ましく、2.5MPa以上であることがより好ましい。VリブドベルトBの耐摩耗性を向上させるのにより好適だからである。
上記長さ方向M10の上限は特に限定されないが、通常7.0Mpa程度である。
【0030】
圧縮ゴム層12を構成するゴム組成物の引張特性は、下記の手法で評価する。
図2(e)は、圧縮ゴム層12を構成するゴム組成物の引張特性を評価する手法を説明する図である。
まず、評価用試験片を作製する。この試験片は、上述した圧縮特性を評価するための試験片22と同様にして作製するが、長さLが50mmで直方体の試験片122である(
図2(e)参照)。試験片122には、最大面積を有する面123の1つに2本の標線124をマークする。ここで、2本の標線124は、試験片122の最大面積を有する面123の中央に標線間距離が10mmになるようにマークする。
次に、この試験片122を長さ方向に引っ張る引張試験を行い、10%伸長時の荷重(MPa)及び50%伸長時の荷重(MPa)を測定する。
【0031】
上記引張試験では、試験片122を試験機に取り付け、実験温度:23±2℃、引張速度500mm/minの条件で引張試験を行い、10%伸長時の荷重及び50%伸長時の荷重のそれぞれを計測する。ここで、試験機としては、万能試験機等の圧縮試験を行うことのできる試験機を用いればよい。
その後、計測された10%伸長時の荷重及び50%伸長時の荷重のそれぞれを、試験片122の断面積(厚さT×高さH)で割り、得られた値を10%伸長時応力(長さ方向M10)及び50%伸長時応力(長さ方向M50)とする。
更に、長さ方向M10、長さ方向M50のそれぞれを各応力の伸び量(%)で割り、得られた値をそれぞれM10弾性率、M50弾性率とする。
更に、M50弾性率に対するM10弾性率の比(M10弾性率/M50弾性率)を算出する。
【0032】
圧縮ゴム層12は、原料ゴム成分に種々の配合剤が配合された未架橋ゴム組成物(原料組成物)を用いて形成されている。
【0033】
圧縮ゴム層12を構成するゴム組成物の原料ゴム成分としては、例えば、エチレン・プロピレンゴム(EPR)、エチレンプロピレンジエンモノマーゴム(EPDM)等のエチレン-α-オレフィンエラストマー、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、水素添加アクリルニトリルゴム(H-NBR)等が挙げられる。これらのうち、耐熱性及び耐寒性の点で優れた性質を示す観点から、エチレン-α-オレフィンエラストマーが好ましい。
【0034】
圧縮ゴム層12に用いる配合剤としては、例えば、架橋剤(例えば、硫黄、有機過酸化物)、加硫促進剤、共架橋剤、老化防止剤、加工助剤、可塑剤、カーボンブラック等の補強材、充填材、短繊維等が挙げられる。なお、圧縮ゴム層12を構成するゴム組成物は、原料ゴム成分に配合剤を配合し、混練した未架橋ゴム組成物を加熱及び加圧して架橋剤により架橋させたものである。
【0035】
圧縮ゴム層12を形成するための原料組成物は、配合剤としての不飽和カルボン酸金属塩が含むことが好ましい。
上記不飽和カルボン酸金属塩の配合量は、上記原料ゴム成分100質量部に対して、1~40質量部が好ましい。圧縮ゴム層12を構成するゴム組成物における幅方向M10を2.0MPa以上とするのに適している。
【0036】
上記不飽和カルボン酸金属塩は、不飽和カルボン酸と金属とからなる。上記不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和モノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸、マレイン酸モノメチル、イタコン酸モノエチルなどが挙げられる。
上記金属としては、不飽和カルボン酸と塩を形成するものであれば特に制限されないが、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、クロム、モリブデン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、銀、亜鉛、カドミウム、アルミニウム、錫、鉛、水銀、アンチモンなどを使用することができる。
これらのなかでは、ジアクリル酸亜鉛又はジメタクリル酸亜鉛が好ましい。
【0037】
圧縮ゴム層12を形成するための未架橋ゴム組成物は、原料ゴム材料としてのエチレン-α-オレフィンエラストマーと、架橋剤と、カーボンブラックと、不飽和カルボン酸金属塩とを少なくとも含有することが好ましい。このような組成の未架橋ゴム組成物は、上記幅方向M10が2.0Mpa以上のゴム組成物を形成するのに特に適している。
このとき、架橋剤としては少なくとも硫黄を含有することが好ましく、上記硫黄の配合量は、上記原料ゴム成分100質量部に対して、1~5質量部が好ましい。
【0038】
接着ゴム層11と圧縮ゴム層12とは、異なるゴム組成物で構成されていても良いし、全く同じゴム組成物で構成されていても良い。
【0039】
背面ゴム層17は、接着ゴム層11と同様の原料ゴム成分及び配合剤からなる原料組成物を用いて形成される。ただし、ベルト背面と平プーリとの接触により粘着が生じるのを抑制する観点から、背面ゴム層17は、接着ゴム層12よりもやや硬めのゴム組成物で構成されていることが好ましい。
また、背面ゴム層17の厚さは例えば0.4mm~0.8mmである。背面ゴム層17の表面には、ベルト背面が接触する平プーリとの間で生じる音を抑制する観点から、織布の布目が転写されていてもよい。
【0040】
なお、背面ゴム層17に代えて、背面側補強布を用いることも可能である。この場合、背面側補強布は、例えば、綿、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維等の糸を用い、平織、綾織、朱子織等に製織した布材料、編物、不織布等により構成される。背面側補強布は、ベルト本体に対する接着性を付与するために、成形加工前にRFL水溶液に浸漬して加熱する接着処理、及び/又は、ベルト本体10側となる表面にゴム糊をコーティングして乾燥させる接着処理が施される。
【0041】
リブ側補強布14は、例えば、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、綿、ナイロン繊維等を仮撚加工(ウーリー加工)して得られるウーリー加工糸、又は、ポリウレタン弾性糸を芯糸としてカバーリング糸でカバーリングしたカバーリングヤーン等を編布としたものである。
【0042】
リブ側補強布14は、RFL層によって繊維表面が被覆されていてもよい。RFL被膜は、摩擦係数低下剤を分散された状態にて含有していてもよい。摩擦係数低下剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)が挙げられる。これらのうち、摩擦係数低下剤としては、最も摩擦係数低下の効果が高いポリテトラフルオロエチレンの粒子が配合されていることが好ましい。
【0043】
リブ側補強布14が摩擦係数低下剤を含有したRFL被膜によって表面被覆されていると、ダストやサビが発生する環境下で使用された場合でも、リブ側補強布14の内部にまでダストやサビが付着することがなく、低摩擦係数の状態を維持することができる。
リブ側補強布14の厚さは、例えば0.2~1.0mmである。
【0044】
次に、VリブドベルトBの製造方法について、
図3及び
図4を参照して説明する。
このVリブドベルトBの製造方法では、ベルト成形装置30を使用する。
このベルト成形装置30は、円筒状のゴムスリーブ型31と、それを嵌合する円筒状外型32と、からなるものである。
【0045】
ゴムスリーブ型31は、例えばアクリルゴム製の可撓性のものであり、円筒内側から高温の水蒸気を送りこむ等の方法によってゴムスリーブ型31を半径方向外方に膨らませ、円筒状外型32に圧接させることができる。ゴムスリーブ型31の外周面は、例えば、VリブドベルトBの背面側となる面を平滑に成形するための形状となっている。
ゴムスリーブ型31は、例えば、外径が700~2800mm、厚さが8~20mm、及び高さが500~1000mmである。
【0046】
円筒状外型32は、例えば金属製のものであり、内側面に、VリブドベルトBのVリブ13を形成するための断面略三角形の突条部32aが、周方向に伸びると共に高さ方向に並ぶようにして設けられている。突条部32aは、例えば、高さ方向に140本並べて設けられている。円筒状外型32は、例えば、外径が830~2930mm、内径(突条部32aを含まない)が730~2830mm、高さが500~1000mm、突条部32aの高さが2.0~2.5mm、及び突条部32aの一つ当たりの幅が3.5~3.6mmである。
【0047】
VリブドベルトBの製造方法では、まず、ベルト材料、つまり、接着ゴム層11、圧縮ゴム層12、及び背面ゴム層17を形成するための未架橋ゴムシートである接着ゴム材料11’、圧縮ゴム材料12’、及び背面ゴム材料17’、リブ側補強布14を形成するためのニット布14’、並びに、心線16となるための撚り糸16’を準備する。
【0048】
接着ゴム材料11’は、接着ゴム層11の原料ゴム及び配合剤を混練機にて混練することによって塊状の未架橋ゴム組成物を得、それを、カレンダーロールを用いて例えば厚さ0.4~0.8mmのシート状に加工して作製する。
【0049】
圧縮ゴム材料12’は、圧縮ゴム層12の原料ゴム及び配合剤を混練機にて混練することによって塊状の未架橋ゴム組成物を得、それを、カレンダーロールを用いて例えば厚さ0.6~1.0mmのシート状に加工して作製する。
【0050】
背面ゴム材料17’は、背面ゴム層17の原料ゴム及び配合剤を混練機にて混練することによって塊状の未架橋ゴム組成物を得、それを、カレンダーロールを用いて例えば厚さ0.4~0.8mmのシート状に加工して作製する。
【0051】
リブ側補強布14を形成するためのニット布14’としては、RFL水溶液に含浸した後に加熱する接着処理、及び、ニット布14’の片面にゴム糊を塗布してゴム糊層を設ける処理を行ったものを用いる。
【0052】
ニット布14’を処理するためのRFL水溶液は、レゾルシンとホルマリンとの初期縮合物にラテックスを混合した混合液である。RFL水溶液の固形分については、例えば、10~30質量%である。レゾルシン(R)とホルマリン(F)とのモル比については、例えば、R/F=1/1~1/2である。ラテックスとしては、例えば、エチレンプロピレンジエンモノマーゴムラテックス(EPDM)、エチレンプロピレンゴムラテックス(EPR)、クロロプレンゴムラテックス(CR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴムラテックス(CSM)、水素添加アクリロニトリルゴムラテックス(X-NBR)等が挙げられる。レゾルシンとホルマリンとの初期縮合物(RF)とラテックス(L)の質量比については、例えば、RF/L=1/5~1/20とする。このRFL水溶液には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の摩擦係数低下剤が、例えば、RFL固形分100質量部に対する配合量が10~50質量部配合されている。
【0053】
このRFL水溶液にニット布14’を浸漬した後、乾燥炉を用いて120~170℃で加熱乾燥することにより、RFL水溶液の水分が飛散すると共にレゾルシンとホルマリンとの縮合反応が進行してニット布14’の表面を被覆するようにRFL層が形成される。RFL層は、例えば、ニット布14’の100質量部に対する付着量が5~30質量部である。
このような処理を施したニット布14’は、公知の方法によって筒状に成形すると、容易にゴムスリーブ型31へセットすることができる。
【0054】
次に、ゴムスリーブ型31に順次ベルト材料をセットする。シート状の背面ゴム材料17’をゴムスリーブ型31に巻き付けた後、シート状の接着ゴム材料11’を巻き付けると共に撚り糸16’を周方向に伸びるように複数巻き付ける。このとき、ゴムスリーブ型31の高さ方向にピッチを有する螺旋を形成するように撚り糸16’を巻き付ける。次いで、撚り糸16’の上からシート状の接着ゴム材料11’を巻き付け、さらに、シート状の圧着ゴム材料12’を巻き付ける。そして、圧着ゴム材料12’の上から筒状のニット布14’を嵌めこむ。このとき、
図3に示すように、ゴムスリーブ型31の方から順に、背面ゴム材料17’、接着ゴム材料11’、撚り糸16’、接着ゴム材料11’、圧縮ゴム材料12’、及びニット布14’が積層された状態となっている。そしてさらに、それらの外側に円筒状外型32を取り付ける。
【0055】
続いて、円筒状外型32をゴムスリーブ型31に取り付けた状態でゴムスリーブ型31に、例えば高温の水蒸気を送りこんで熱及び圧力をかけ、ゴムスリーブ型31を膨らませて円筒状外型32に圧接させ、ゴムスリーブ型31と円筒状外型32とでベルト材料を挟み込む。このときベルト材料は、例えば、温度が150~180℃となっており、半径方向外方に0.5~1.0MPaの圧力がかかった状態となっている。そのため、ゴム成分が流動すると共に架橋反応が進行し、ニット布14’、及び撚り糸16’のゴム成分への接着反応も進行し、さらに、Vリブ13形成部である円筒状外型32の内側面の突条部32aによってVリブ13の間のV溝が成形される。このようにしてVリブ付ベルトスラブ(ベルト本体前駆体)が成形される。
【0056】
最後に、Vリブ付ベルトスラブを冷却してからそれをベルト成形装置30から取り外す。そして、取り外したVリブ付ベルトスラブを例えば10.68~28.48mmの幅に輪切りしてから、それぞれの表裏を裏返す。これによってVリブドベルトBが得られる。
【0057】
以上の製造方法によれば、VリブドベルトBの未架橋ゴム成分の架橋反応、ゴム成分と繊維成分との接着反応、及び、Vリブ13の成形を同時に行うことができ、容易に製造することができる。
【0058】
なお、本実施形態ではニット布14’を円筒状にしたものをゴムスリーブ型31に嵌めてセットしたが、所定の接着処理を施したニット布14’をシート状のままゴムスリーブ型31に巻き付けるようにしてもよい。
また、シート状の背面ゴム材料17’、接着ゴム材料11’及び圧縮ゴム材料12’をゴムスリーブ型31に巻き付けてセットしたが、予め円筒状に成形したものをゴムスリーブ型31に嵌めてセットしてもよい。
【0059】
またベルト成形装置30は、円筒状外型32の内側面にVリブドベルトBのVリブ13を形成するためのV溝が設けられたものとして説明したが、特にこれに限られるものではない。例えば、ゴムスリーブ型の外周側面にVリブドベルトBのVリブ13を形成するための突条部が設けられると共に円筒状外型32の内周面はVリブドベルトBの背面を成形するために平滑に設けられたものであってもよい。この場合、ニット布14’、圧縮ゴム材料12’、接着ゴム材料11’、撚り糸16’、接着ゴム材料11’、背面ゴム材料17’の順にゴムスリーブ型31への巻き付けを行う。
【0060】
ここまで、本発明の実施形態にかかる摩擦伝動ベルトとしてVリブドベルトの実施形態を説明したが、本発明の実施形態にかかる摩擦伝動ベルトは、これに限られず、Vベルト等であっても良い。
【実施例0061】
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0062】
実施例1~5及び比較例1、2のVリブドベルトを作製し、評価した。
接着ゴム層の原料組成は表1にも示した。圧縮ゴム層の原料組成及び評価結果は表2に示した。
【0063】
(評価用ベルト)
<接着ゴム材料>
接着ゴム層を形成するための接着ゴム材料として、EPDM(JSR社製、商品名:JSR EP123)を原料ゴムとして、この原料ゴム100質量部に対して、カーボンブラック(旭カーボン社製、商品名:旭#60)50質量部、可塑剤(日本サン石油社製、商品名:サンフレックス2280)8質量部、ステアリン酸(花王社製、商品名:ステアリン酸)1質量部、酸化亜鉛(堺化学工業社製、商品名:酸化亜鉛2種)5質量部、メタクリル酸亜鉛(川口化学工業社製、アクターZMA)5質量部、加硫促進剤(1)(大内新興化学社製、ノクセラーMSA-G)1質量部、加硫促進剤(2)(三新化学工業社製、サンセラーEM2)3質量部、硫黄(細井化学工業社製、オイルサルファ)1.5質量部を配合して混練した未加硫ゴム組成物を調製した。この未架橋ゴム組成物を、ロールを用いて厚さ0.45mmのシート状に加工した。接着ゴム材料の組成は表1にも示した。
【0064】
【0065】
<圧縮ゴム材料>
圧縮ゴム層を形成するための圧縮ゴム材料として、接着ゴム材料と同様の配合原料を表2に示した配合量で配合して混練した未加硫ゴム組成物を調製した。この未架橋ゴム組成物を、ロールを用いて厚さ0.7mmのシート状に加工した。
【0066】
【0067】
<背面ゴム材料>
圧縮ゴム材料の作製と同様にして、背面ゴム層を形成するための未架橋ゴム組成物からなるシートを作製した。
【0068】
<撚り糸>
心線を形成するための撚り糸としては、ポリエステル繊維の撚り糸を準備し、これをRFL水溶液に浸漬し、その後、加熱乾燥する処理を行ったものを用意した。
【0069】
<ニット布>
使用したニット布は、ウレタン弾性糸を6-ナイロン糸にてカバーリングした糸を用いた平編(天竺編)の編布である。ウレタン弾性糸の繊度は22デニール(24.4dtex)であり、6-ナイロン糸は繊度が78デニール(86.7dtex)で且つフィラメント数が52本である。また、ニット布の編みの密度は、ウェールが66本/2.54cm、コースが70本/2.54cmである。ニット布の厚さは0.52mmである。
【0070】
このようなニット布にRFL接着処理を行うためのPTFE含有RFL水溶液を調製した。具体的には、レゾルシン(R)とホルマリン(F)とを混合し、水酸化ナトリウム水溶液を加えて攪拌し、RF初期縮合物(R/Fモル比=1/1.5)を得た。そして、RF初期縮合物にVPラテックス(L)をRF/L質量比=1/8となるよう混合し、更に、水を加えて固形分濃度20%となるよう調整した後、さらに、RFL固形分100質量部に対してPTFE(AGC社製、商品名:フルオンPTFEAD911、PTFE平均粒子径0.25μm、PTFE60質量%含有)30質量部を配合し、24時間攪拌を行ってPTFE含有RFL水溶液を調製した。このPTFE含有RFL水溶液にニット布を浸漬して加熱乾燥する処理を行うことにより、ニット布の表面にRFL被膜を形成した。
【0071】
続いて、RFL接着処理済みのニット布の端部(ジョイント部)同士を、超音波振動(振動数約80KHz)を与えながら熱圧着することにより、ニット布を筒状に成形した。
【0072】
(実施例1)
ベルトの背面を所定形状に成形するためのゴムスリーブ型31と、ベルトの内側を所定形状に成形するための円筒状外型32と、からなるベルト成形装置30を用いて、Vリブドベルトを作製した。円筒状外型32は、ベルトにVリブを形成するための突条部32aが円筒状外型32の内側に周方向に設けられたものであった。
【0073】
まず、Vリブドベルトを構成する材料として、接着ゴム材料、圧縮ゴム材料、背面ゴム材料、ニット布、及び撚り糸を上述した通り準備した。
ベルト成形装置30のゴムスリーブ型31に、背面ゴム層17を形成するための未架橋ゴム材料、接着ゴム層を形成するための未架橋ゴム材料、撚り糸、を順に巻き付けた。次いで、接着ゴム層を形成するための未架橋ゴム材料、及び、圧縮ゴム層を形成するための未架橋ゴム材料を巻き付けた。その後、上記の接着処理を行った筒状のニット布を嵌め込んだ。
【0074】
次いで、V溝が設けられた円筒状外型32をベルト材料の上からゴムスリーブ型に嵌め合わせた。その後、ゴムスリーブ型31を膨張させて円筒状外型32側に押圧するとともに、ゴムスリーブ型31を高熱の水蒸気等により加熱した。このとき、ゴム成分が流動すると共に架橋反応が進行し、加えて、撚り糸、ニット布のゴムへの接着反応も進行した。これにより、筒状のベルト前駆体が得られた。
【0075】
最後に、このベルト前駆体をベルト成形装置30から取り外し、長さ方向に、幅10.68mm(3PK:リブ数が3)となるように幅切りし、表裏を裏返すことによってVリブドベルトを得た。ベルトの周長は1210mmである。
【0076】
(実施例2~5、及び比較例1、2)
圧縮ゴム材料を変更した(表2参照)以外は、実施例1と同様にして、幅10.68mm(3PK:リブ数が3)、周長1210mmのVリブドベルトを得た。
【0077】
実施例及び比較例で作製したVリブドベルトについて、下記の物性評価及び性能評価を行った。結果を表3に示した。
【0078】
(物性評価)
実施例及び比較例で作製したVリブドベルトのそれぞれについて、Vリブドベルトの圧縮ゴム層から既に説明した方法を用いて、厚さT:0.5~1mm、高さH:1.9~2.0mm、長さL:1.9~2.0mmの直方体の評価サンプル(試験片)22を切り出した。
この試験片22を厚さ方向に圧縮する圧縮試験を行い、10%圧縮時の荷重(MPa)及び5%圧縮時の荷重(MPa)を測定した(
図2(a)~(d)参照)。
【0079】
ここでは、試験機として万能試験機(インストロ 5969型)を使用し、実験温度:23±2℃、圧縮速度1mm/minで測定を行った。評価した試験片の数は5個とし、中央値を測定値とした。
計測された5%圧縮時の荷重及び10%圧縮時の荷重のそれぞれを、圧縮時押圧面23の断面積(高さH×長さL)で割り、得られた値を5%圧縮時応力(幅方向M5)及び10%圧縮時応力(幅方向M10)とした。
【0080】
(性能評価)
<耐摩耗性評価>
図5は、Vリブドベルトの耐摩耗性評価用のベルト走行試験機40のプーリレイアウトを示す。
このベルト走行試験機40は、左右に配されたプーリ径60mmの一対の駆動リブプーリ51及び従動リブプーリ52からなる。
【0081】
実施例及び比較例で作製したVリブドベルトのそれぞれについて、まず、初期のベルト質量(走行試験前のベルト質量)を計測した。次に、Vリブ側が接触するように駆動リブプーリ41と従動リブプーリ42とにVリブドベルトBを巻き掛け、1177N(120kgf)のデッドウェイト(DW)が負荷されるように駆動リブプーリ41を側方に引っ張るとともに、3.8kW(5.2PS)の回転負荷を従動リブプーリ42にかけた。
室温環境下(23±5℃)で駆動リブプーリ41を3500rpmの回転速度で96時間回転させるベルト走行試験を実施した後、VリブドベルトBの走行後質量を測定した。
【0082】
測定質量から下記計算式(1)に基づいて質量減少率を算出し、耐摩耗性の評価指標とした。
質量減少率(質量%)=[(初期質量-走行後質量)/初期質量]×100・・・(1)
本評価では、質量減少率が2.0質量%以下のものを「A」、2.4質量%以下のものを「B」、2.4質量%を超えるものを「C」と判定した。
【0083】
【0084】
表3に示した通り、本発明の実施形態に係るVリブドベルトによれば、良好な耐摩耗性を確保することができる。