(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022116933
(43)【公開日】2022-08-10
(54)【発明の名称】情報処理装置、管理プログラムおよび管理方法
(51)【国際特許分類】
G06F 8/60 20180101AFI20220803BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20220803BHJP
【FI】
G06F8/60
G06F3/12 303
G06F3/12 329
G06F3/12 331
G06F3/12 359
G06F3/12 373
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021013363
(22)【出願日】2021-01-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】桜木 雄一郎
【テーマコード(参考)】
5B376
【Fターム(参考)】
5B376AB01
5B376AB21
5B376AB41
(57)【要約】
【課題】管理装置によるデータ取得を効率化する。
【解決手段】第2種端末装置5は、マスタ2および第2種端末装置5がクラウドサーバ6と通信可能に構成される管理システム1の情報処理装置であって、ダウンロード処理と作成処理とアップロード処理とを実行する。ダウンロード処理は、複数のスケジュールタスクのそれぞれを指示する複数の定期処理指示情報を含むスケジュールタスク指示データをクラウドサーバ6からダウンロードする。作成処理は、スケジュールタスク指示データにおける複数の定期処理指示情報のそれぞれを複数の処理通知情報に置換したスケジュールタスク実行結果データを作成する。アップロード処理は、スケジュールタスク実行結果データをクラウドサーバ6にアップロードする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理装置および情報処理装置が記憶装置と通信可能に構成される管理システムの前記情報処理装置であって、
制御部を備え、
前記制御部は、
前記情報処理装置に実行させる複数の処理のそれぞれを指示する複数の処理指示情報を含む指示テンプレートを前記記憶装置からダウンロードするダウンロード処理と、
前記指示テンプレートにおける複数の前記処理指示情報のそれぞれを、複数の前記処理指示情報のそれぞれに対応して前記管理装置に通知するための複数の処理通知情報に置換した更新テンプレートを作成する作成処理と、
前記作成処理によって作成された前記更新テンプレートを前記記憶装置にアップロードするアップロード処理と
を実行するように構成されている情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
定期的に実行させる前記処理を定期処理として、前記管理装置は、複数の前記定期処理の前記処理指示情報である複数の定期処理指示情報を含む前記指示テンプレートである定期指示テンプレートを前記記憶装置に定期的にアップロードし、
必要な時に随時実行させる前記処理を随時処理として、前記管理装置は、前記随時処理を指示する前記処理指示情報である随時処理指示情報を含む前記指示テンプレートである随時指示テンプレートを前記記憶装置に随時アップロードし、
前記ダウンロード処理は、前記定期指示テンプレートを前記指示テンプレートとしてダウンロードし、
前記作成処理は、前記定期指示テンプレートにおいて前記定期処理指示情報を前記処理通知情報に置換した前記更新テンプレートを定期更新テンプレートとして作成し、
前記アップロード処理は、作成された前記定期更新テンプレートを前記記憶装置にアップロードし、
前記制御部は、更に、
前記随時指示テンプレートを前記記憶装置からダウンロードする随時ダウンロード処理と、
前記随時指示テンプレートに含まれる前記随時処理指示情報が示す前記随時処理に関して前記管理装置に通知する随時通知情報を前記随時指示テンプレートに追加した随時更新テンプレートを作成する随時作成処理と、
前記随時作成処理によって作成された前記随時更新テンプレートを前記記憶装置にアップロードする随時アップロード処理と
を実行するように構成されている情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記定期指示テンプレートは、前記管理装置が管理する全ての前記情報処理装置を対象とし、
前記随時指示テンプレートは、前記随時処理を実行させる特定の前記情報処理装置を対象とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の情報処理装置であって、
前記アップロード処理は、前記記憶装置に記憶されている前記定期指示テンプレートに対して前記定期更新テンプレートを上書きすることなく前記定期更新テンプレートを前記記憶装置にアップロードし、
前記随時アップロード処理は、前記記憶装置に記憶されている前記随時指示テンプレートに対して前記随時更新テンプレートを上書きすることにより前記随時更新テンプレート
を前記記憶装置にアップロードする情報処理装置。
【請求項5】
請求項1~請求項4の何れか1項に記載の情報処理装置であって、
前記記憶装置とデータ通信を行うように構成された通信部と、
利用者が行った入力操作を特定するための入力操作情報を出力するように構成された入力部とを備え、
前記制御部は、
前記入力部から出力された前記入力操作情報に基づいて、前記通信部の機能を有効にするか無効にするかを設定する設定処理を実行するように構成されている情報処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、
前記通信部の機能が無効にされている場合には、前記ダウンロード処理、前記作成処理および前記アップロード処理の実行を禁止する禁止処理と、
前記通信部の機能が無効にされている場合には、前記記憶装置と通信可能に接続され且つ当該情報処理装置と通信可能に接続された副管理装置から、SNMPプロトコルによって複数の前記処理指示情報を取得する取得処理と
を実行するように構成されている情報処理装置。
【請求項7】
管理装置および情報処理装置が記憶装置と通信可能に構成される管理システムの前記情報処理装置が備える制御部に、
前記情報処理装置に実行させる複数の処理のそれぞれを指示する複数の処理指示情報を含む指示テンプレートを前記記憶装置からダウンロードするダウンロード処理と、
前記指示テンプレートにおける複数の前記処理指示情報のそれぞれを、複数の前記処理指示情報のそれぞれに対応して前記管理装置に通知するための複数の処理通知情報に置換した更新テンプレートを作成する作成処理と、
前記作成処理によって作成された前記更新テンプレートを前記記憶装置にアップロードするアップロード処理と
を実行させるように構成されている管理プログラム。
【請求項8】
管理装置および情報処理装置が記憶装置と通信可能に構成される管理システムの前記情報処理装置で実行される管理方法であって、
前記情報処理装置に実行させる複数の処理のそれぞれを指示する複数の処理指示情報を含む指示テンプレートを前記記憶装置からダウンロードするダウンロードステップと、
前記指示テンプレートにおける複数の前記処理指示情報のそれぞれを、複数の前記処理指示情報のそれぞれに対応して前記管理装置に通知するための複数の処理通知情報に置換した更新テンプレートを作成する作成ステップと、
前記作成ステップによって作成された前記更新テンプレートを前記記憶装置にアップロードするアップロードステップと
を備える管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端末装置を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像形成装置などの端末装置に接続される管理装置が、SNMPプロトコルに従ったデータ通信によって端末装置から管理データを逐次取得して端末装置を管理することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
SNMPプロトコルに従ったデータ通信を用いると管理装置は端末装置から管理データを逐次取得しなければならない。このため、管理装置が端末装置から多数の管理データを取得するためには、管理データの数に応じた多数の通信を行う必要がある。
【0005】
本開示は、端末装置を管理する管理システムにおいて、管理装置によるデータ取得を効率化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、管理装置および情報処理装置が記憶装置と通信可能に構成される管理システムの情報処理装置であって、制御部を備え、制御部は、ダウンロード処理と、作成処理と、アップロード処理とを実行するように構成されている。
【0007】
ダウンロード処理は、情報処理装置に実行させる複数の処理のそれぞれを指示する複数の処理指示情報を含む指示テンプレートを記憶装置からダウンロードする。
作成処理は、指示テンプレートにおける複数の処理指示情報のそれぞれを、複数の処理指示情報のそれぞれに対応して管理装置に通知するための複数の処理通知情報に置換した更新テンプレートを作成する。
【0008】
アップロード処理は、作成処理によって作成された更新テンプレートを記憶装置にアップロードする。
このように構成された本開示の情報処理装置は、管理装置に更新テンプレートをダウンロードさせることにより複数の処理通知情報を管理装置に一括して取得させることができるため、管理装置によるデータ取得を効率化することができる。
【0009】
本開示の別の態様は、管理装置および情報処理装置が記憶装置と通信可能に構成される管理システムの情報処理装置が備える制御部に、ダウンロード処理と、作成処理と、アップロード処理とを実行させるように構成されている管理プログラムである。
【0010】
本開示の管理プログラムによって制御されるコンピュータは、本開示の情報処理装置の一部を構成することができ、本開示の情報処理装置と同様の効果を得ることができる。
本開示の更に別の態様は、管理装置および情報処理装置が記憶装置と通信可能に構成される管理システムの情報処理装置で実行される管理方法であって、ダウンロードステップと、作成ステップと、アップロードステップとを備える。
【0011】
本開示の管理方法は、本開示の情報処理装置にて実行される方法であり、当該方法を実行することで、本開示の情報処理装置と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】管理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】マスタ、クライアントおよび第1種端末装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】第2種端末装置およびクライアントサーバの構成を示すブロック図である。
【
図5】登録用データおよび登録済データを示す図である。
【
図6】定期ステータスタスク実行処理を示すフローチャートである。
【
図7】ステータスタスク指示データおよびステータスタスク実行結果データを示す図である。
【
図8】定期ログタスク実行処理を示すフローチャートである。
【
図9】インスタントタスク実行処理を示すフローチャートである。
【
図10】インスタントタスクにおけるタスク指示データ、タスク実行中データおよび実行結果データを示す図である。
【
図11】接続設定処理を示すフローチャートである。
【
図13】SNMP通信処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本開示の例示的実施形態を図面とともに説明する。
(1)全体構成
本開示の例示的実施形態に係る管理システム1は、マスタ2およびクライアント3の協働により、複数拠点に配置された端末装置4,5を、クラウドサーバ6を介して管理するように構成されたネットワークシステムである。
【0014】
図1に例示されるマスタ2は、第1拠点に設置された端末装置4とローカルエリアネットワークを介して通信可能に構成される。マスタ2は、さらに、広域ネットワークを介してクラウドサーバ6と通信可能に構成される。
【0015】
クライアント3は、第2拠点に設置された端末装置4とローカルエリアネットワークを介して通信可能に構成される。クライアント3は、さらに、広域ネットワークを介してクラウドサーバ6と通信可能に構成される。第3拠点に設置された端末装置5は、広域ネットワークを介してクラウドサーバ6と通信可能に構成される。
【0016】
ローカルエリアネットワークは、例えば、無線LANおよび有線LANのうち少なくとも一方を含んでいてもよい。広域ネットワークは、例えば、インターネットを含んでいてもよい。第3拠点は、ローカルエリアネットワークが構築されていてもよい。この場合、端末装置5は、第3拠点内のローカルエリアネットワークを介して広域ネットワークに接続されてもよい。
【0017】
端末装置4は、クラウドサーバ6によって提供されるクラウドサービスを利用する能力を有しない。換言すれば、各端末装置4は、クラウドサーバ6と通信を行う機能を有しない。以下では、この端末装置4のことを、特に第1種端末装置4と表現する。一方、端末装置5は、クラウドサーバ6によって提供されるクラウドサービスを利用する能力を有する端末装置である。換言すれば、端末装置5は、クラウドサーバ6と通信する機能を有する。以下では、この端末装置5のことを、特に第2種端末装置5と表現する。
【0018】
第2拠点に設置された第1種端末装置4は、クライアント3およびクラウドサーバ6を介して、マスタ2により管理される。第3拠点に設置された第2種端末装置5は、クライアント3を介さずクラウドサーバ6を介して、マスタ2により管理される。
【0019】
マスタ2によって管理される端末装置4,5は、例えば、企業などの一組織で管理される端末装置の一群であり得る。この場合、各拠点は、組織の活動拠点であり得る。一例によれば、マスタ2が存在する第1拠点は、組織の管理部門を有するオフィスであり得る。それ以外の第2拠点および第3拠点は、第1拠点から離れた組織のブランチオフィスであり得る。
【0020】
端末装置4,5の例には、プリンタ、スキャナ、および、それらの機能が統合されたディジタル複合機などが含まれる。マスタ2およびクライアント3は、例えば、パーソナルコンピュータに専用のコンピュータプログラムがインストールされて構成される。
【0021】
(2)装置構成
図2に示すように、マスタ2は、制御部11と、通信部12と、表示部13と、入力部14と、記憶部15とを備える。制御部11は、CPU21と、メモリ22とを備える。プロセッサとしてのCPU21は、記憶部15に記憶されたコンピュータプログラムに従う処理を実行する。メモリ22は、上記処理の実行時に、ワークメモリとして使用される。
【0022】
記憶部15は、例えばソリッドステートドライブおよびハードディスクドライブ等のストレージを含み、各種のコンピュータプログラムおよびデータを記憶する。記憶部15には、主管理プログラム15aが記憶される。主管理プログラム15aは、マスタ2により実現されるべき管理機能を、CPU21に実現させるためのコンピュータプログラムである。以下において説明される制御部11を主体とした処理は、CPU21がコンピュータプログラムに従って実行する処理により実現されると理解されてよい。
【0023】
通信部12は、当該マスタ2が存在する拠点のローカルエリアネットワークに接続され、更には、広域ネットワークに接続される。通信部12は、図示しないルータを介して広域ネットワークに接続されてもよい。表示部13は、マスタ2を操作するユーザ向けの各種画面を表示するように構成される。表示部13の例には、液晶ディスプレイが含まれる。各種画面の例には、管理対象の端末装置4,5のログ情報およびステータス情報を表示するための画面、および、ユーザからの操作信号に従って端末装置4,5を遠隔操作するための画面が含まれる。
【0024】
入力部14は、例えばキーボードおよびポインティングデバイス等の、マスタ2を操作するユーザからの操作信号を入力するための一つ以上の入力デバイスを備える。制御部11は、入力部14を通じて入力される操作信号に従って、動作する。
【0025】
クライアント3は、制御部31と、通信部32と、表示部33と、入力部34と、記憶部35とを備える。制御部31は、CPU41およびメモリ42を備える。プロセッサとしてのCPU41は、記憶部35が記憶するコンピュータプログラムに従う処理を実行する。
【0026】
記憶部35には、副管理プログラム35aが記憶される。副管理プログラム35aは、クライアント3により実現されるべきマスタ2の管理機能に関連する機能を、CPU41に実現させるためのコンピュータプログラムである。以下において説明される制御部31を主体とした処理は、CPU41がコンピュータプログラムに従って実行する処理により実現されると理解されてよい。
【0027】
通信部32は、当該クライアント3が存在する拠点のローカルエリアネットワークに接続され、更には、広域ネットワークに接続される。通信部32は、図示しないルータを介して広域ネットワークに接続されてもよい。表示部33は、例えば液晶ディスプレイを含み、クライアント3を操作するユーザ向けの各種画面を表示するように構成される。入力部34は、クライアント3を操作するユーザからの操作信号を入力するための一つ以上の入力デバイスを備える。制御部31は、入力部34を通じて入力される操作信号に従って、動作する。
【0028】
第1種端末装置4は、制御部51と、通信部52と、表示部53と、入力部54とを備える。第1種端末装置4がディジタル複合機であるとき、第1種端末装置4は更に、印刷部55と、読取部56とを備えることができる。第1種端末装置4は、印刷部55および読取部56のうちのどちらか一方のみを備えていてもよい。
【0029】
制御部51は、CPU61と、メモリ62とを備える。メモリ62は、RAMの他、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを備えることができ、不揮発性メモリに、コンピュータプログラムおよび設定データ等を記憶することができる。
【0030】
プロセッサとしてのCPU61は、メモリ62に記憶されたコンピュータプログラムに従う処理を実行することにより、第1種端末装置全体を統括制御する。以下において説明される制御部51を主体とした処理は、CPU61がコンピュータプログラムに従って実行する処理により実現されると理解されてよい。
【0031】
通信部52は、当該第1種端末装置4が存在する拠点のローカルエリアネットワークに、そこに存在するマスタ2またはクライアント3と通信可能であるように接続される。表示部53は、例えば液晶ディスプレイを含み、第1種端末装置4を操作するユーザ向けの各種画面を表示するように構成される。入力部54は、ユーザからの操作信号を入力するために、例えば液晶ディスプレイ上のタッチパネル等の一つ以上の入力デバイスを備える。
【0032】
印刷部55は、制御部51に制御されて、シートに画像を印刷するように構成される。印刷部55の例には、インクジェットプリンタおよびレーザプリンタが含まれる。本実施形態によれば、色材の残量等のステータス情報や印刷枚数等のログ情報が、後述する方法で、第1種端末装置4からクライアント3およびクラウドサーバ6を通じてマスタ2に提供される。読取部56は、制御部51に制御されて、印刷物等の読取対象を読み取るように構成される。
【0033】
図3に示すように、第2種端末装置5は、制御部71と、通信部72と、表示部73と、入力部74とを備える。第2種端末装置5がディジタル複合機であるとき、第2種端末装置5は更に、印刷部75と、読取部76とを備えることができる。第2種端末装置5は、印刷部75および読取部76のうちのどちらか一方のみを備えていてもよい。
【0034】
制御部71は、CPU81と、メモリ82とを備える。メモリ82は、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリを備えることができ、不揮発性メモリに、コンピュータプログラムや設定データ等を記憶することができる。
【0035】
プロセッサとしてのCPU81は、メモリ82に記憶されたコンピュータプログラムに従う処理を実行することにより、装置全体を統括制御する。メモリ82には、通信プログラム82aが記憶される。通信プログラム82aは、クラウドサーバ6によって提供されるクラウドサービスを利用するためのプログラムである。以下において説明される制御部
71を主体とした処理は、CPU81がコンピュータプログラムに従って実行する処理により実現されると理解されてよい。
【0036】
通信部72は、クラウドサーバ6と通信可能であるように、広域ネットワークに接続される。第3拠点にローカルエリアネットワークが構築されている場合、通信部72は、そのローカルエリアネットワークを介して広域ネットワークに接続されてもよい。表示部73は、例えば液晶ディスプレイを含む。入力部74は、ユーザからの操作信号を入力するための一つ以上の入力デバイスを備える。
【0037】
印刷部75は、制御部71に制御されて、シートに画像を印刷するように構成される。本実施形態によれば、色材の残量等のステータス情報と、印刷枚数等のログ情報とが、後述する方法で、第2種端末装置5からクラウドサーバ6を通じてマスタ2に提供される。読取部76は、制御部71に制御されて、印刷物等の読取対象を読み取るように構成される。
【0038】
クラウドサーバ6は、制御部91と、通信部92と、第1ストレージ93と、第2ストレージ94とを備える。制御部91は、CPU101と、メモリ102とを備える。
プロセッサとしてのCPU101は、メモリ102が記憶するコンピュータプログラムに従う処理を実行する。CPU101が実行する処理には、当該クラウドサーバ6をクラウドストレージとして機能させるための処理が含まれる。以下において説明される制御部91を主体とした処理は、CPU101がコンピュータプログラムに従って実行する処理により実現されると理解されてよい。
【0039】
上記クラウドストレージは、テーブルストレージおよびオブジェクトストレージを含む。制御部91による上記処理の実行により、第1ストレージ93は、テーブルストレージとして機能し、第2ストレージ94は、オブジェクトストレージとして機能する。
【0040】
例示的な第1ストレージ93は、NoSQLデータストアとして機能し、スキーマレスのエンティティの一群を構成要素とするテーブルを格納可能に構成される。テーブルにおける各エンティティは、プロパティのセットで構成される。
【0041】
例示的な第2ストレージ94は、オブジェクトとして、任意のテキストファイルおよびバイナルファイルを、HTTP/HTTPSプロトコルを用いて、外部から読込および書込可能なオブジェクトストレージとして機能する。
【0042】
上述したテーブルストレージおよびオブジェクトストレージを提供するクラウドサービスとしては、マイクロソフト社のAzureが知られている。クラウドサーバ6は、このようなクラウドサービスと同様に動作し得る。Azureは、登録商標である。
【0043】
(3)スケジュールタスク
次に、第2種端末装置5の制御部71が実行する登録処理の手順を説明する。登録処理は、第2種端末装置5が起動した直後に1回のみ実行される処理である。
登録処理が実行されると、制御部71のCPU81は、
図4に示すように、まずS10にて、メモリ82に設けられた有効化フラグF1がセットされているか否かを判断する。有効化フラグF1は、後述する接続設定処理においてセットまたはクリアされる。なお、フラグをセットするとは、そのフラグの値を1にすることを示し、フラグをクリアするとは、そのフラグの値を0にすることを示す。
【0044】
ここで、有効化フラグF1がクリアされている場合には、CPU81は、登録処理を終了する。一方、有効化フラグF1がセットされている場合には、CPU81は、S20に
て、当該第2種端末装置5(以下、自装置)の後述する登録済みデータをクラウドサーバ6の第1ストレージ93からダウンロードする。
【0045】
そしてCPU81は、S30にて、自装置の登録済みデータがクラウドサーバ6の第1ストレージ93に存在しているか否かを判断する。ここで、自装置の登録済みデータが存在している場合には、CPU81は、S40にて、メモリ82に設けられた登録済フラグF2をセットして、登録処理を終了する。
【0046】
一方、自装置の登録済みデータが存在していない場合には、CPU81は、S50にて、後述する登録用データをクラウドサーバ6の第1ストレージ93からダウンロードする。
【0047】
次にCPU81は、S60にて、後述する登録済データを作成する。そしてCPU81は、S70にて、S60で作成された登録済データをクラウドサーバ6の第1ストレージ93にアップロードする。
【0048】
さらにCPU81は、S80にて、登録済フラグF2をセットして、登録処理を終了する。
登録用データは、
図5の登録用データD1に示すように、複数のプロパティで構成されたテンプレートであり、複数のプロパティのそれぞれに、文字列が格納される。
【0049】
図5に示す登録用データD1は、プロパティとして、「PartitionKey」、「RowKey」、「DeviceId」、「NotifyParameter」、「Progress」および「Source」が設定されている。
【0050】
プロパティ「PartitionKey」には、タスクの種類を示す文字列が格納される。
図5に示す登録用データD1では、プロパティ「PartitionKey」に、スケジュールタスクのうち、装置情報を登録する登録タスクであることを示す文字列である「registration」が格納されている。
【0051】
プロパティ「RowKey」には、文字列として「%CUSTOM(DEVICEID)%」が格納されている。
プロパティ「DeviceId」には、文字列として「%CUSTOM(DEVICEID)%」が格納されている。
【0052】
プロパティ「NotifyParameter」には、登録タスクの指示内容を示すためにJSON形式で記述された文字列が格納される。
図5に示す登録用データD1のプロパティ「NotifyParameter」には、2行目以降において1行毎に互いに異なる複数の指示が記述される。
【0053】
2行目の指示は、「”x.x.x.x.・・・”: ”%MIB(x.x.x.x.・・・)%”」である。
【0054】
上記の「x.x.x.x.・・・」は、MIBのオブジェクトIDであり、実際のオブジェクトIDを簡略化して表示している。MIBは、Management Information Baseの略である。
上記の「x.x.x.x.・・・」をOid1と表記すると、2行目の指示は「”Oid1”: ”%MIB(Oid1)%”」である。そして、「%MIB(Oid1)%」は、オブジェクトIDであるOid1に対応する値を取得して、取得した値を「%MIB(Oid1)%」に上書きする指示である。このため、Oid1に対応する値を「XXX
XXXX」とすると、登録済データでは、「”Oid1”: ”%MIB(Oid1)%”」が「”Oid1”: ”XXXXXXX”」に書き換えられる。
【0055】
同様に、3行目の指示は、オブジェクトID「y.y.y.y.・・・」をOid2と表記すると、「”Oid2”: ”%MIB(Oid2)%”」である。
【0056】
また、4行目の指示は、オブジェクトID「z.z.z.z.・・・」をOid3と表記すると、「”Oid3”: ”%MIB(Oid3)%”」である。
【0057】
プロパティ「Progress」には、文字列として「%CUSTOM(PROGRESS)%」が格納されている。
プロパティ「Source」には、文字列として「%CUSTOM(SOURCE)%」が格納されている。
【0058】
登録済みデータは、
図5の登録済みデータD2に示すように、登録用データと同様に、プロパティとして、「PartitionKey」、「RowKey」、「DeviceId」、「NotifyParameter」、「Progress」および「Source」が設定されている。
【0059】
そして登録済みデータは、登録用データにおけるプロパティ「DeviceId」、プロパティ「NotifyParameter」、プロパティ「Progress」およびプロパティ「Source」内の文字列を書き換えることにより作成される。
【0060】
プロパティ「DeviceId」には、自装置のデバイスIDが格納される。
プロパティ「NotifyParameter」では、”%MIB(Oid)%”が、Oidに対応する値に置き換えた値に置き換えられる。登録済みデータD2におけるプロパティ「NotifyParameter」内の「”12345・・・”」、「”0”」は置き換えられた値である。
【0061】
プロパティ「Progress」には、文字列「request」が格納される。
プロパティ「Source」には、第2種端末装置5であることを示す文字列である「device」が格納される。
【0062】
次に、第2種端末装置5の制御部71が実行する定期ステータスタスク実行処理の手順を説明する。定期ステータスタスク実行処理は、第2種端末装置5の動作中において繰り返し実行される処理である。
【0063】
定期ステータスタスク実行処理が実行されると、制御部71のCPU81は、
図6に示すように、まずS110にて、有効化フラグF1がセットされているか否かを判断する。
ここで、有効化フラグF1がクリアされている場合には、CPU81は、定期ステータスタスク実行処理を終了する。
【0064】
一方、有効化フラグF1がセットされている場合には、CPU81は、S120にて、登録済フラグF2がセットされているか否かを判断する。ここで、登録済フラグF2がクリアされている場合には、CPU81は、定期ステータスタスク実行処理を終了する。一方、登録済フラグF2がセットされている場合には、CPU81は、S130にて、予め設定されたステータス実行周期が経過したか否かを判断する。
【0065】
ここで、ステータス実行周期が経過していない場合には、CPU81は、定期ステータスタスク実行処理を終了する。一方、ステータス実行周期が経過した場合には、CPU8
1は、S140にて、クラウドサーバ6の第1ストレージ93から、後述するステータスタスク指示データをダウンロードする。なお、ステータスタスク指示データは、マスタ2によってクラウドサーバ6の第1ストレージ93にアップロードされる。
【0066】
そしてCPU81は、S150にて、ステータスタスク指示データで指定されているスケジュールタスクを実行し、スケジュールタスクを実行した結果を示すステータスタスク実行結果データを作成する。
【0067】
そしてCPU81は、S160にて、S150で作成したステータスタスク実行結果データをクラウドサーバ6の第1ストレージ93にアップロードして、定期ステータスタスク実行処理を終了する。
【0068】
ステータスタスク指示データは、
図7のステータスタスク指示データD3に示すように、複数のプロパティで構成されたテンプレートであり、複数のプロパティのそれぞれに、文字列が格納される。
【0069】
図7に示すステータスタスク指示データD3は、プロパティとして、「PartitionKey」、「RowKey」、「DeviceId」、「NotifyParameter」、「Progress」および「Source」が設定されている。
【0070】
プロパティ「PartitionKey」には、タスクの種類を示す文字列が格納される。
図7に示すステータスタスク指示データD3では、プロパティ「PartitionKey」に、スケジュールタスクのうち、ステータス情報を通知するステータスタスクであることを示す文字列である「status」が格納されている。
【0071】
プロパティ「RowKey」には、文字列として「%CUSTOM(DEVICEID)%」が格納されている。
プロパティ「DeviceId」には、文字列として「%CUSTOM(DEVICEID)%」が格納されている。
【0072】
プロパティ「NotifyParameter」には、登録タスクの指示内容を示すためにJSON形式で記述された文字列が格納される。
図7に示すステータスタスク指示データD3のプロパティ「NotifyParameter」には、2行目以降において1行毎に互いに異なる複数の指示が記述される。
【0073】
2行目の指示は、「”x.x.x.x.・・・”: ”%MIB(x.x.x.x.・・・)%”」である。
【0074】
上記の「x.x.x.x.・・・」は、MIBのオブジェクトIDである。
3行目の指示は、「”y.y.y.y.・・・”: ”%MIB(y.y.y.y.・・・)%”」である。
【0075】
上記の「y.y.y.y.・・・」は、MIBのオブジェクトIDである。
プロパティ「Progress」には、文字列として「%CUSTOM(PROGRESS)%」が格納されている。
【0076】
プロパティ「Source」には、文字列として「%CUSTOM(SOURCE)%」が格納されている。
ステータスタスク実行結果データは、
図7のステータスタスク実行結果データD4に示すように、ステータスタスク指示データと同様に、プロパティとして、「Partiti
onKey」、「RowKey」、「DeviceId」、「NotifyParameter」、「Progress」および「Source」が設定されている。
【0077】
そしてステータスタスク実行結果データは、ステータスタスク指示データにおけるプロパティ「DeviceId」、プロパティ「NotifyParameter」、プロパティ「Progress」およびプロパティ「Source」内の文字列を書き換えることにより作成される。
【0078】
プロパティ「DeviceId」には、自装置のデバイスIDが格納される。
プロパティ「NotifyParameter」では、”%MIB(Oid)%”が、Oidに対応する値に置き換えた値に置き換えられる。ステータスタスク実行結果データD4におけるプロパティ「NotifyParameter」内の「”9876・・・”」、「”40000”」および「”Sleep”」は置き換えられた値である。
【0079】
プロパティ「Progress」には、タスクが完了したことを示す文字列「%CUSTOM(done)%」が格納される。
プロパティ「Source」には、第2種端末装置5であることを示す文字列である「device」が格納される。
【0080】
次に、第2種端末装置5の制御部71が実行する定期ログタスク実行処理の手順を説明する。定期ログタスク実行処理は、第2種端末装置5の動作中において繰り返し実行される処理である。
【0081】
定期ログタスク実行処理が実行されると、制御部71のCPU81は、
図8に示すように、まずS210にて、有効化フラグF1がセットされているか否かを判断する。 ここで、有効化フラグF1がクリアされている場合には、CPU81は、定期ログタスク実行処理を終了する。
【0082】
一方、有効化フラグF1がセットされている場合には、CPU81は、S220にて、登録済フラグF2がセットされているか否かを判断する。ここで、登録済フラグF2がクリアされている場合には、CPU81は、定期ログタスク実行処理を終了する。一方、登録済フラグF2がセットされている場合には、CPU81は、S230にて、予め設定されたログ実行周期が経過したか否かを判断する。
【0083】
ここで、ログ実行周期が経過していない場合には、CPU81は、定期ログタスク実行処理を終了する。一方、ログ実行周期が経過した場合には、CPU81は、S240にて、クラウドサーバ6の第1ストレージ93から、後述するログタスク指示データをダウンロードする。なお、ログタスク指示データは、マスタ2によってクラウドサーバ6の第1ストレージ93にアップロードされる。
【0084】
そしてCPU81は、S250にて、ログタスク指示データで指定されているスケジュールタスクを実行し、ログタスクを実行した結果を示すログタスク実行結果データを作成する。
【0085】
そしてCPU81は、S260にて、S250で作成したログタスク実行結果データをクラウドサーバ6の第1ストレージ93にアップロードして、定期ログタスク実行処理を終了する。
【0086】
ログタスク指示データおよびログタスク実行結果データはそれぞれ、プロパティ「PartitionKey」に「status」の代わりに「log」が格納される点以外は
、ステータスタスク指示データおよびステータスタスク実行結果データと同じであるため、説明を省略する。
【0087】
またクライアント3の制御部31は、第2種端末装置5の制御部71と同様にして、定期ステータスタスク実行処理および定期ログタスク実行処理を実行する。但し、テータスタスク指示データおよびログタスク指示データのプロパティ「NotifyParameter」に格納される指示内容の指示形式が、第2種端末装置5と異なる。
【0088】
(4)インスタントタスク
次に、第2種端末装置5の制御部71が実行するインスタントタスク実行処理の手順を説明する。インスタントタスク実行処理は、第2種端末装置5の動作中において繰り返し実行される処理である。
【0089】
インスタントタスク実行処理が実行されると、制御部71のCPU81は、
図9に示すように、まずS310にて、有効化フラグF1がセットされているか否かを判断する。 ここで、有効化フラグF1がクリアされている場合には、CPU81は、インスタントタスク実行処理を終了する。
【0090】
一方、有効化フラグF1がセットされている場合には、CPU81は、S320にて、登録済フラグF2がセットされているか否かを判断する。ここで、登録済フラグF2がクリアされている場合には、CPU81は、インスタントタスク実行処理を終了する。一方、登録済フラグF2がセットされている場合には、CPU81は、S330にて、クラウドサーバ6にアクセスする。そしてCPU81は、S340にて、第1ストレージ93にインスタントタスク指示データがアップロードされているか否かを判断する。なお、インスタントタスク指示データは、マスタ2によってクラウドサーバ6の第1ストレージ93にアップロードされる。
【0091】
ここで、インスタントタスク指示データがアップロードされていない場合には、CPU81は、S330に移行する。一方、インスタントタスク指示データがアップロードされている場合には、CPU81は、S350にて、アップロードされているインスタントタスク指示データが、当該第2種端末装置5に宛てられた指示であり、且つ、当該第2種端末装置5で実行されていない指示であるか否かを判断する。
【0092】
ここで、アップロードされているインスタントタスク指示データが、当該第2種端末装置5に宛てられた指示でないか、当該第2種端末装置5で実行された指示である場合には、CPU81は、S330に移行する。
【0093】
一方、アップロードされているインスタントタスク指示データが、当該第2種端末装置5に宛てられた指示であり、且つ、当該第2種端末装置5で実行されていない指示である場合には、CPU81は、S360にて、第1ストレージ93にアップロードされているタスク指示データをダウンロードする。
【0094】
さらにCPU81は、S370にて、ダウンロードしたインスタントタスク指示データの内容を確認する。そしてCPU81は、S380にて、S370での確認結果に基づいて、ダウンロードしたタスク指示データは、ファイルデータのダウンロードを必要とする指示であるか否かを判断する。
【0095】
ここで、ファイルデータを必要とする指示でない場合には、CPU81は、S400に移行する。一方、ファイルデータを必要とする指示である場合には、CPU81は、S390にて、S370での確認結果に基づいてファイルデータをクラウドサーバ6の第2ス
トレージ94からダウンロードして、S400に移行する。
【0096】
S400に移行すると、CPU81は、インスタントタスクを実行中であることを示す後述のインスタントタスク実行中データをクラウドサーバ6の第1ストレージ93にアップロードする。なお、CPU81は、第1ストレージ93に記憶されているインスタントタスク指示データにインスタントタスク実行中データを上書きすることによってインスタントタスク実行中データをアップロードする。
【0097】
さらにCPU81は、S410にて、ダウンロードしたインスタントタスク指示データにより特定されるインスタントタスクを実行する。
そしてCPU81は、S420にて、実行したインスタントタスクが、ファイルデータのアップロードが必要なタスクであるか否かを判断する。
【0098】
ここで、ファイルデータのアップロードが必要なタスクでない場合には、CPU81は、S440に移行する。一方、ファイルデータのアップロードが必要なタスクである場合には、CPU81は、S430にて、インスタントタスクを実行することによって生成されたファイルデータをクラウドサーバ6の第2ストレージ94にアップロードして、S440に移行する。
【0099】
S440に移行すると、CPU81は、第2種端末装置5がインスタントタスクを実行した結果を示す後述のインスタントタスク実行結果データを作成する。さらにCPU81は、S450にて、作成されたインスタントタスク実行結果データをクラウドサーバ6の第1ストレージ93にアップロードして、インスタントタスク実行処理を終了する。なお、CPU81は、第1ストレージ93に記憶されているインスタントタスク実行中データにインスタントタスク実行結果データを上書きすることによってインスタントタスク実行結果データをアップロードする。
【0100】
インスタントタスク指示データは、
図10のインスタントタスク指示データD11に示すように、複数のプロパティで構成されたテンプレートであり、複数のプロパティのそれぞれに、文字列が格納される。
【0101】
図10に示すインスタントタスク指示データD11は、プロパティとして、「PartitionKey」、「RowKey」、「DeviceId」、「NotifyParameter」、「Progress」および「Source」が設定されている。
【0102】
プロパティ「PartitionKey」には、タスクの種類を示す文字列が格納される。
図10に示すインスタントタスク指示データD11では、プロパティ「PartitionKey」に、インスタントタスクであることを示す文字列である「instanttask」が格納されている。
【0103】
プロパティ「RowKey」には、各インスタントタスク指示データを識別するためのトランザクションIDが格納される。
プロパティ「DeviceId」には、指示の宛先となる第1種端末装置4または第2種端末装置5を識別するためのデバイスIDが格納される。
【0104】
プロパティ「NotifyParameter」には、インスタントタスクの指示内容を示すためにJSON形式で記述された文字列が格納される。
プロパティ「Progress」には、指示の進捗状況を示す文字列が格納される。
図10に示すインスタントタスク指示データD11では、プロパティ「Progress」に、指示の実行を要求していることを示す「%CUSTOM(request)%」が格
納される。
【0105】
プロパティ「Source」は、使用されず、空欄である。
タスク実行中データは、
図10のタスク実行中データD12に示すように、インスタントタスク指示データのプロパティ「Progress」における「%CUSTOM(request)%」を「%CUSTOM(processing)%」に置き換えることにより作成される。「%CUSTOM(processing)%」は、タスクを実行中であることを示す文字列である。
【0106】
インスタントタスク実行結果データは、
図10のインスタントタスク実行結果データD13に示すように、インスタントタスク指示データのプロパティ「Progress」における「%CUSTOM(request)%」を「%CUSTOM(done)%」または「%CUSTOM(error)%」に置き換えることにより作成される。「%CUSTOM(done)%」は、タスクの実行を完了したことを示す文字列である。「%CUSTOM(error)%」は、タスクの実行によりエラーが発生したことを示す文字列である。
【0107】
またクライアント3の制御部31は、第2種端末装置5の制御部71と同様にして、インスタントタスク実行処理を実行する。但し、インスタントタスク指示データのプロパティ「NotifyParameter」に格納される指示内容の指示形式が、第2種端末装置5と異なる。また、クライアント3の制御部31が実行するインスタントタスク実行処理では、クライアント3に接続されている第1種端末装置4にインスタントタスクを実行させる点が、第2種端末装置5の制御部71が実行するインスタントタスク実行処理と異なる。
【0108】
(5)接続設定
次に、第2種端末装置5の制御部71が実行する接続設定処理の手順を説明する。接続設定処理は、第2種端末装置5の動作中において繰り返し実行される処理である。
【0109】
接続設定処理が実行されると、制御部71のCPU81は、
図11に示すように、まずS510にて、第2種端末装置5に対して接続設定開始操作が行われたか否かを判断する。具体的には、CPU81は、接続設定開始操作を示す操作信号が入力部64から入力されたか否かを判断する。そしてCPU81は、接続設定開始操作を示す操作信号が入力された場合に、接続設定開始操作が行われたと判断する。
【0110】
ここで、接続設定開始操作が行われていない場合には、CPU81は、接続設定処理を終了する。一方、接続設定開始操作が行われた場合には、CPU81は、S520にて、接続設定画像を表示部73の表示画面に表示する。
【0111】
接続設定画像は、
図12に示すように、有効化チェックボックスC1と、無効化チェックボックスC2と、OKボタンB1と、キャンセルボタンB2とを備える。有効化チェックボックスC1および無効化チェックボックスC2は、何れか一方が択一的に選択されるように構成されている。
【0112】
有効化チェックボックスC1は、第2種端末装置5とクラウドサーバ6との間で通信できるようにする場合に選択される。無効化チェックボックスC2は、第2種端末装置5とクラウドサーバ6との間で通信できないようにする場合に選択される。
【0113】
次にCPU81は、
図11に示すように、S530にて、キャンセルボタンB2に対する操作が行われたか否かを判断する。ここで、キャンセルボタンB2に対する操作が行わ
れた場合には、CPU81は、接続設定処理を終了する。一方、キャンセルボタンB2に対する操作が行われていない場合には、CPU81は、S540にて、OKボタンB1に対する操作が行われたか否かを判断する。
【0114】
ここで、OKボタンB1に対する操作が行われていない場合には、CPU81は、S530に移行する。一方、OKボタンB1に対する操作が行われた場合には、CPU81は、S550にて、有効化チェックボックスC1が選択されているか否かを判断する。ここで、有効化チェックボックスC1が選択されている場合には、CPU81は、S560にて、第2種端末装置5の通信部72に対して、HTTPプロトコルで通信を行うようにする通信設定を行う。そしてCPU81は、S570にて、有効化フラグF1をセットし、接続設定処理を終了する。
【0115】
一方、有効化チェックボックスC1が選択されていない場合には、CPU81は、S580にて、第2種端末装置5の通信部72に対して、SNMPプロトコルで通信を行うようにする通信設定を行う。そしてCPU81は、S590にて、有効化フラグF1をクリアし、接続設定処理を終了する。
【0116】
次に、第2種端末装置5の制御部71が実行するSNMP通信処理の手順を説明する。SNMP通信処理は、第2種端末装置5の動作中において繰り返し実行される処理である。
【0117】
SNMP通信処理が実行されると、制御部71のCPU81は、
図13に示すように、まずS710にて、有効化フラグF1がセットされているか否かを判断する。ここで、有効化フラグF1がセットされている場合には、CPU81は、SNMP通信処理を終了する。
【0118】
一方、有効化フラグF1がクリアされている場合には、CPU81は、S720にて、SNMPプロトコルで通信を行うことにより、メッセージを受信する。そしてCPU81は、S730にて、S720の処理においてメッセージを受信したか否かを判断する。
【0119】
ここで、メッセージを受信していない場合には、CPU81は、SNMP通信処理を終了する。一方、メッセージを受信した場合には、CPU81は、S740にて、S720で受信したメッセージで要求されている指示を実行し、SNMP通信処理を終了する。
【0120】
(6)効果
このように構成された第2種端末装置5は、マスタ2および第2種端末装置5がクラウドサーバ6と通信可能に構成される管理システム1の情報処理装置であって、制御部71を備え、制御部71は、ダウンロード処理と、作成処理と、アップロード処理とを実行するように構成されている。
【0121】
ダウンロード処理は、第2種端末装置5に実行させる複数のスケジュールタスクのそれぞれを指示する複数の定期処理指示情報を含む登録用データ、ステータスタスク指示データおよびログタスク指示データをクラウドサーバ6からダウンロードする。以下、登録用データ、ステータスタスク指示データおよびログタスク指示データをまとめて、スケジュールタスク指示データという。
【0122】
登録用データにおける複数の定期処理指示情報は、例えば、
図5に示す「%MIB(x.x.x.x.・・・)%」および「%MIB(y.y.y.y.・・・)%」である。
【0123】
ステータスタスク指示データにおける複数の定期処理指示情報は、例えば、
図7に示す
「%MIB(x.x.x.x.・・・)%」および「%MIB(y.y.y.y.・・・)%」である。
【0124】
作成処理は、スケジュールタスク指示データにおける複数の定期処理指示情報のそれぞれを、複数の定期処理指示情報のそれぞれに対応してマスタ2に通知するための複数の処理通知情報に置換した登録済みデータ、ステータスタスク実行結果データおよびログタスク実行結果データを作成する。以下、登録済みデータ、ステータスタスク実行結果データおよびログタスク実行結果データをまとめて、スケジュールタスク実行結果データという。
【0125】
登録済みデータにおける複数の処理通知情報は、例えば、
図5に示す「12345・・・」および「0」である。
ステータスタスク実行結果データにおける複数の処理通知情報は、例えば、
図7に示す「9876・・・」および「40000」である。
【0126】
アップロード処理は、作成処理によって作成されたスケジュールタスク実行結果データをクラウドサーバ6にアップロードする。
これにより、第2種端末装置5は、マスタ2にスケジュールタスク実行結果データをダウンロードさせることにより複数の処理通知情報をマスタ2に一括して取得させることができるため、マスタ2によるデータ取得を効率化することができる。
【0127】
またマスタ2は、インスタントタスクを指示する随時処理指示情報を含むインスタントタスク指示データをクラウドサーバ6に随時アップロードする。随時処理指示情報は、
図10に示すインスタントタスク指示データD11のプロパティ「NotifyParameter」に格納される文字列である。
【0128】
そして、第2種端末装置5の制御部71は、更に、随時ダウンロード処理と、随時作成処理と、随時アップロード処理とを実行するように構成されている。
随時ダウンロード処理は、インスタントタスク指示データをクラウドサーバ6からダウンロードする。
【0129】
随時作成処理は、インスタントタスク指示データに含まれる随時処理指示情報が示すインスタントタスクに関してマスタ2に通知する随時通知情報をインスタントタスク指示データに追加したインスタントタスク実行結果データを作成する。随時通知情報は、
図10に示すインスタントタスク実行結果データD13のプロパティ「Progress」に格納される「%CUSTOM(done)%」および「%CUSTOM(error)%」である。
【0130】
随時アップロード処理は、随時作成処理によって作成されたインスタントタスク実行結果データをクラウドサーバ6にアップロードする。
これにより、第2種端末装置5は、スケジュールタスクおよびインスタントタスクの両方においてテンプレートを用いてタスクを実行することができる。
【0131】
スケジュールタスク指示データは、マスタ2が管理する全ての端末装置4,5を対象とする。またインスタントタスク指示データは、インスタントタスクを実行させる特定の端末装置4,5を対象とする。
【0132】
アップロード処理は、クラウドサーバ6に記憶されているスケジュールタスク指示データに対してスケジュールタスク実行結果データを上書きすることなくスケジュールタスク
実行結果データをクラウドサーバ6にアップロードする。
【0133】
随時アップロード処理は、クラウドサーバ6に記憶されているインスタントタスク指示データに対してインスタントタスク実行結果データを上書きすることによりインスタントタスク実行結果データをクラウドサーバ6にアップロードする。
【0134】
また、第2種端末装置5の制御部71は、入力部74から出力された入力操作情報に基づいて、クラウドサーバ6とデータ通信を行うように構成された通信部72の機能を有効にするか無効にするかを設定する設定処理を実行するように構成されている。
【0135】
これにより、第2種端末装置5は、利用者の操作によって、第2種端末装置5を、クラウドサーバ6と通信可能な装置、または、クラウドサーバ6と通信不可な装置に切り替えることができる。
【0136】
また、第2種端末装置5の制御部71は、禁止処理と、取得処理とを実行するように構成されている。禁止処理は、通信部72の機能が無効にされている場合には、ダウンロード処理、作成処理およびアップロード処理の実行を禁止する。取得処理は、通信部72の機能が無効にされている場合には、クライアント3から、SNMPプロトコルによって複数の処理指示情報を取得する。
【0137】
以上説明した実施形態において、マスタ2は管理装置に相当し、第2種端末装置5は情報処理装置に相当し、クラウドサーバ6は記憶装置に相当し、通信プログラム82aは管理プログラムに相当する。
【0138】
また、S50,S140,S240はダウンロード処理およびダウンロードステップに相当し、S60,S150,S250は作成処理および作成ステップに相当し、S70,S160,S260はアップロード処理およびアップロードステップに相当する。
【0139】
また、登録用データ、ステータスタスク指示データおよびログタスク指示データは指示テンプレートおよび定期指示テンプレートに相当し、スケジュールタスクは定期処理に相当する。
【0140】
また、「%MIB(x.x.x.x.・・・)%」および「%MIB(y.y.y.y.・・・)%」等は処理指示情報および定期処理指示情報に相当する。
【0141】
また、登録済みデータ、ステータスタスク実行結果データおよびログタスク実行結果データは更新テンプレートおよび定期更新テンプレートに相当する。
また、「12345・・・」および「9876・・・」等は処理通知情報に相当する。
【0142】
また、S360は随時ダウンロード処理に相当し、S440は随時作成処理に相当し、S450は随時アップロード処理に相当する。
また、インスタントタスクは随時処理に相当し、インスタントタスク指示データは随時指示テンプレートに相当し、インスタントタスク実行結果データは随時更新テンプレートに相当する。
【0143】
また、S510~S590は設定処理に相当し、S10,S110,S210は禁止処理に相当し、S710,S720は取得処理に相当し、クライアント3は副管理装置に相当する。
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、種々変形して実施することができる。
【0144】
例えば上記実施形態では、接続設定処理を用いて表示部83に接続設定画像を表示することにより、第2種端末装置5とクラウドサーバ6との通信の有効化または無効化を設定する形態を示したが、EWSで設定するようにしてもよい。EWSは、Embedded Web Serverの略である。
【0145】
上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加または置換してもよい。
【0146】
上述した第2種端末装置5の他、当該第2種端末装置5を構成要素とするシステム、当該第2種端末装置5としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実体的記録媒体、管理方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
【符号の説明】
【0147】
1…管理システム、2…マスタ、3…クライアント、4…第1種端末装置、5…第2種端末装置、6…クラウドサーバ、71…制御部、82a…通信プログラム