(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022116936
(43)【公開日】2022-08-10
(54)【発明の名称】端末管理システム、端末管理プログラムおよび端末管理方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20220803BHJP
G06F 13/00 20060101ALI20220803BHJP
【FI】
G06F3/12 336
G06F3/12 307
G06F3/12 324
G06F3/12 359
G06F3/12 387
G06F13/00 353C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021013366
(22)【出願日】2021-01-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 雄太郎
【テーマコード(参考)】
5B089
【Fターム(参考)】
5B089GA12
5B089GA13
5B089GA21
5B089GB02
5B089JA35
5B089JB14
5B089KA13
5B089KB04
5B089KH01
(57)【要約】
【課題】端末管理システムの構築を容易にする。
【解決手段】管理システム1は、マスタ2とクライアント3と第1種端末装置4と第2種端末装置5とクラウドサーバ6とを備える。第1種端末装置4は、クライアント3と通信可能に接続される端末装置である。クラウドサーバ6は、マスタ2、クライアント3および第2種端末装置5と通信可能に構成される。マスタ2は、第1種端末装置4に実行させる処理の内容を示す第1インスタントタスク指示データと、第2種端末装置5に実行させる処理の内容を示す第2インスタントタスク指示データとをクラウドサーバ6にアップロードする。マスタ2は、第1インスタントタスク指示データと第2インスタントタスク指示データとで指示形式を異ならせる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置を管理する端末管理システムであって、
主管理装置と、
副管理装置と、
前記副管理装置と通信可能に接続される前記端末装置である第1種端末装置と、
前記主管理装置および前記副管理装置と通信可能に接続されていない前記端末装置である第2種端末装置と、
前記主管理装置、前記副管理装置および前記第2種端末装置と通信可能に構成された記憶装置とを備え、
前記主管理装置は、前記第1種端末装置に実行させる処理の内容を示す第1処理指示情報を前記記憶装置にアップロードし、前記第2種端末装置に実行させる処理の内容を示す第2処理指示情報を前記記憶装置にアップロードし、
前記副管理装置は、前記第1処理指示情報を前記記憶装置からダウンロードして、前記第1処理指示情報が示す処理である第1対象処理を前記第1種端末装置に実行させ、前記第1種端末装置が前記第1対象処理を実行すると、前記第1対象処理に応じた通知内容を示す第1通知情報を前記記憶装置にアップロードし、
前記第2種端末装置は、前記第2処理指示情報を前記記憶装置からダウンロードして、前記第2処理指示情報が示す処理である第2対象処理を実行し、前記第2対象処理を実行すると、前記第2対象処理に応じた通知内容を示す第2通知情報を前記記憶装置にアップロードし、
前記主管理装置は、前記第1通知情報および前記第2通知情報を前記記憶装置からダウンロードし、
前記主管理装置は、前記第1処理指示情報と前記第2処理指示情報とで、指示形式を異ならせる端末管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の端末管理システムであって、
前記副管理装置は、前記第1処理指示情報を、前記第1種端末装置が認識可能な形式に変換して、前記第1種端末装置へ送信し、
前記第2処理指示情報には、前記第1種端末装置および前記第2種端末装置の両方が認識可能な形式の情報が含まれる端末管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の端末管理システムであって、
前記第1種端末装置および前記第2種端末装置の両方が認識可能な形式の情報は、オブジェクト識別子である端末管理システム。
【請求項4】
主管理装置と、副管理装置と、前記副管理装置と通信可能に接続される端末装置である第1種端末装置と、前記主管理装置および前記副管理装置と通信可能に接続されていない前記端末装置である第2種端末装置と、前記主管理装置、前記副管理装置および前記第2種端末装置と通信可能に構成された記憶装置とを備える端末管理システムの前記主管理装置が備える制御部に、
前記第1種端末装置に実行させる処理の内容を示し、前記副管理装置によって前記記憶装置からダウンロードされる第1処理指示情報を前記記憶装置にアップロードする第1アップロード処理と、
前記第2種端末装置に実行させる処理の内容を示し、前記第2種端末装置によって前記記憶装置からダウンロードされ、前記第1処理指示情報と指示形式が異なる第2処理指示情報を前記記憶装置にアップロードする第2アップロード処理とを実行させるように構成されている端末管理プログラム。
【請求項5】
請求項4に記載の端末管理プログラムであって、
前記副管理装置は、前記第1処理指示情報を、前記第1種端末装置が認識可能な形式に変換して、前記第1種端末装置へ送信し、
前記第2処理指示情報には、前記第1種端末装置および前記第2種端末装置の両方が認識可能な形式の情報が含まれる端末管理プログラム。
【請求項6】
主管理装置と、副管理装置と、前記副管理装置と通信可能に接続される端末装置である第1種端末装置と、前記主管理装置および前記副管理装置と通信可能に接続されていない前記端末装置である第2種端末装置と、前記主管理装置、前記副管理装置および前記第2種端末装置と通信可能に構成された記憶装置とを備える端末管理システムの前記主管理装置で実行される端末管理方法であって、
前記第1種端末装置に実行させる処理の内容を示し、前記副管理装置によって前記記憶装置からダウンロードされる第1処理指示情報を前記記憶装置にアップロードする第1アップロードステップと、
前記第2種端末装置に実行させる処理の内容を示し、前記第2種端末装置によって前記記憶装置からダウンロードされ、前記第1処理指示情報と指示形式が異なる第2処理指示情報を前記記憶装置にアップロードする第2アップロードステップと
を備える端末管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端末装置を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ファイアーウォールを設けたローカルネットワーク内における一または複数の画像形成装置に接続される仲介装置と、インターネットを介して仲介装置に接続されてローカルネットワーク内の画像形成装置を遠隔管理する管理装置とを備える管理システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像形成装置などの端末装置を管理装置が管理する端末管理システムでは、管理装置が仲介装置を介して端末装置を管理する構成(以下、仲介管理構成)と、管理装置が仲介装置を介することなく端末装置を管理する構成(以下、非仲介管理構成)とが混在する場合がある。
【0005】
本開示は、仲介管理構成と非仲介管理構成とが混在する端末管理システムの構築を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、端末装置を管理する端末管理システムであって、主管理装置と、副管理装置と、第1種端末装置と、第2種端末装置と、記憶装置とを備える。第1種端末装置は、副管理装置と通信可能に接続される端末装置である。第2種端末装置は、主管理装置および副管理装置と通信可能に接続されていない端末装置である。記憶装置は、主管理装置、副管理装置および第2種端末装置と通信可能に構成される。
【0007】
主管理装置は、第1種端末装置に実行させる処理の内容を示す第1処理指示情報を記憶装置にアップロードし、第2種端末装置に実行させる処理の内容を示す第2処理指示情報を記憶装置にアップロードする。
【0008】
副管理装置は、第1処理指示情報を記憶装置からダウンロードして、第1処理指示情報が示す処理である第1対象処理を第1種端末装置に実行させ、第1種端末装置が第1対象処理を実行すると、第1対象処理に応じた通知内容を示す第1通知情報を記憶装置にアップロードする。
【0009】
第2種端末装置は、第2処理指示情報を記憶装置からダウンロードして、第2処理指示情報が示す処理である第2対象処理を実行し、第2対象処理を実行すると、第2対象処理に応じた通知内容を示す第2通知情報を記憶装置にアップロードする。
【0010】
主管理装置は、第1通知情報および第2通知情報を記憶装置からダウンロードする。
そして主管理装置は、第1処理指示情報と第2処理指示情報とで、指示形式を異ならせる。
【0011】
このように構成された本開示の端末管理システムでは、主管理装置は、副管理装置に対しては副管理装置に対応した指示形式で第1処理指示情報をアップロードし、第2種端末装置に対しては第2種端末装置に対応した指示形式で第2処理指示情報をアップロードすることができる。このため、本開示の端末管理システムは、副管理装置と第2種端末装置とで指示形式を一致させるために副管理装置または第2種端末装置において指示形式を変更する作業を不要とすることができる。これにより、本開示の端末管理システムは、主管理装置が副管理装置を介して端末装置を管理する構成と、主管理装置が副管理装置を介することなく端末装置を管理する構成とが混在する端末管理システムの構築を容易にすることができる。
【0012】
本開示の別の態様は、端末管理システムの主管理装置が備える制御部に、第1アップロード処理と、第2アップロード処理とを実行させるように構成されている端末管理プログラムである。
【0013】
第1アップロード処理は、第1種端末装置に実行させる処理の内容を示し、副管理装置によって記憶装置からダウンロードされる第1処理指示情報を記憶装置にアップロードする。
【0014】
第2アップロード処理は、第2種端末装置に実行させる処理の内容を示し、第2種端末装置によって記憶装置からダウンロードされ、第1処理指示情報と指示形式が異なる第2処理指示情報を記憶装置にアップロードする。
【0015】
本開示の端末管理プログラムによって制御されるコンピュータは、本開示の端末管理システムの一部を構成することができ、本開示の端末管理システムと同様の効果を得ることができる。
【0016】
本開示の更に別の態様は、端末管理システムの主管理装置で実行される端末管理方法であって、第1アップロードステップと、第2アップロードステップとを備える。
このように構成された本開示の端末管理方法は、本開示の端末管理システムにて実行される方法であり、当該方法を実行することで、本開示の端末管理システムと同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】管理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】マスタ、クライアントおよび第1種端末装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】第2種端末装置およびクライアントサーバの構成を示すブロック図である。
【
図4】インスタントタスク指示処理を示すフローチャートである。
【
図5】第1インスタントタスク実行処理を示すフローチャートである。
【
図6】第2インスタントタスク実行処理を示すフローチャートである。
【
図7】インスタントタスク指示データの第1の具体例を示す図である。
【
図8】プロパティ「NotifyParameter」に格納される文字列の具体例を示す図である。
【
図9】インスタントタスク指示データの第2の具体例を示す図である。
【
図10】インスタントタスク指示データの第3の具体例を示す図である。
【
図11】スケジュールタスク実行処理を示すフローチャートである。
【
図12】スケジュールタスク実行結果データの第1の具体例を示す図である。
【
図13】スケジュールタスク実行結果データの第2の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本開示の例示的実施形態を図面とともに説明する。
(1)全体構成
本開示の例示的実施形態に係る管理システム1は、マスタ2およびクライアント3の協働により、複数拠点に配置された端末装置4,5を、クラウドサーバ6を介して管理するように構成されたネットワークシステムである。
【0019】
図1に例示されるマスタ2は、第1拠点に設置された端末装置4とローカルエリアネットワークを介して通信可能に構成される。マスタ2は、さらに、広域ネットワークを介してクラウドサーバ6と通信可能に構成される。
【0020】
クライアント3は、第2拠点に設置された端末装置4とローカルエリアネットワークを介して通信可能に構成される。クライアント3は、さらに、広域ネットワークを介してクラウドサーバ6と通信可能に構成される。第3拠点に設置された端末装置5は、広域ネットワークを介してクラウドサーバ6と通信可能に構成される。
【0021】
ローカルエリアネットワークは、例えば、無線LANおよび有線LANのうち少なくとも一方を含んでいてもよい。広域ネットワークは、例えば、インターネットを含んでいてもよい。第3拠点は、ローカルエリアネットワークが構築されていてもよい。この場合、端末装置5は、第3拠点内のローカルエリアネットワークを介して広域ネットワークに接続されてもよい。
【0022】
端末装置4は、クラウドサーバ6によって提供されるクラウドサービスを利用する能力を有しない。換言すれば、各端末装置4は、クラウドサーバ6と通信を行う機能を有しない。以下では、この端末装置4のことを、特に第1種端末装置4と表現する。一方、端末装置5は、クラウドサーバ6によって提供されるクラウドサービスを利用する能力を有する端末装置である。換言すれば、端末装置5は、クラウドサーバ6と通信する機能を有する。以下では、この端末装置5のことを、特に第2種端末装置5と表現する。
【0023】
第2拠点に設置された第1種端末装置4は、クライアント3およびクラウドサーバ6を介して、マスタ2により管理される。第3拠点に設置された第2種端末装置5は、クライアント3を介さずクラウドサーバ6を介して、マスタ2により管理される。
【0024】
マスタ2によって管理される端末装置4,5は、例えば、企業などの一組織で管理される端末装置の一群であり得る。この場合、各拠点は、組織の活動拠点であり得る。一例によれば、マスタ2が存在する第1拠点は、組織の管理部門を有するオフィスであり得る。それ以外の第2拠点および第3拠点は、第1拠点から離れた組織のブランチオフィスであり得る。
【0025】
端末装置4,5の例には、プリンタ、スキャナ、および、それらの機能が統合されたディジタル複合機などが含まれる。マスタ2およびクライアント3は、例えば、パーソナルコンピュータに専用のコンピュータプログラムがインストールされて構成される。
【0026】
(2)装置構成
図2に示すように、マスタ2は、制御部11と、通信部12と、表示部13と、入力部14と、記憶部15とを備える。制御部11は、CPU21と、メモリ22とを備える。プロセッサとしてのCPU21は、記憶部15に記憶されたコンピュータプログラムに従う処理を実行する。メモリ22は、上記処理の実行時に、ワークメモリとして使用される。
【0027】
記憶部15は、例えばソリッドステートドライブおよびハードディスクドライブ等のストレージを含み、各種のコンピュータプログラムおよびデータを記憶する。記憶部15に
は、主管理プログラム15aが記憶される。主管理プログラム15aは、マスタ2により実現されるべき管理機能を、CPU21に実現させるためのコンピュータプログラムである。以下において説明される制御部11を主体とした処理は、CPU21がコンピュータプログラムに従って実行する処理により実現されると理解されてよい。
【0028】
通信部12は、当該マスタ2が存在する拠点のローカルエリアネットワークに接続され、更には、広域ネットワークに接続される。通信部12は、図示しないルータを介して広域ネットワークに接続されてもよい。表示部13は、マスタ2を操作するユーザ向けの各種画面を表示するように構成される。表示部13の例には、液晶ディスプレイが含まれる。各種画面の例には、管理対象の端末装置4,5のログ情報およびステータス情報を表示するための画面、および、ユーザからの操作信号に従って端末装置4,5を遠隔操作するための画面が含まれる。
【0029】
入力部14は、例えばキーボードおよびポインティングデバイス等の、マスタ2を操作するユーザからの操作信号を入力するための一つ以上の入力デバイスを備える。制御部11は、入力部14を通じて入力される操作信号に従って、動作する。
【0030】
クライアント3は、制御部31と、通信部32と、表示部33と、入力部34と、記憶部35とを備える。制御部31は、CPU41およびメモリ42を備える。プロセッサとしてのCPU41は、記憶部35が記憶するコンピュータプログラムに従う処理を実行する。
【0031】
記憶部35には、副管理プログラム35aが記憶される。副管理プログラム35aは、クライアント3により実現されるべきマスタ2の管理機能に関連する機能を、CPU41に実現させるためのコンピュータプログラムである。以下において説明される制御部31を主体とした処理は、CPU41がコンピュータプログラムに従って実行する処理により実現されると理解されてよい。
【0032】
通信部32は、当該クライアント3が存在する拠点のローカルエリアネットワークに接続され、更には、広域ネットワークに接続される。通信部32は、図示しないルータを介して広域ネットワークに接続されてもよい。表示部33は、例えば液晶ディスプレイを含み、クライアント3を操作するユーザ向けの各種画面を表示するように構成される。入力部34は、クライアント3を操作するユーザからの操作信号を入力するための一つ以上の入力デバイスを備える。制御部31は、入力部34を通じて入力される操作信号に従って、動作する。
【0033】
第1種端末装置4は、制御部51と、通信部52と、表示部53と、入力部54とを備える。第1種端末装置4がディジタル複合機であるとき、第1種端末装置4は更に、印刷部55と、読取部56とを備えることができる。第1種端末装置4は、印刷部55および読取部56のうちのどちらか一方のみを備えていてもよい。
【0034】
制御部51は、CPU61と、メモリ62とを備える。メモリ62は、RAMの他、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを備えることができ、不揮発性メモリに、コンピュータプログラムおよび設定データ等を記憶することができる。
【0035】
プロセッサとしてのCPU61は、メモリ62に記憶されたコンピュータプログラムに従う処理を実行することにより、第1種端末装置全体を統括制御する。以下において説明される制御部51を主体とした処理は、CPU61がコンピュータプログラムに従って実行する処理により実現されると理解されてよい。
【0036】
通信部52は、当該第1種端末装置4が存在する拠点のローカルエリアネットワークに、そこに存在するマスタ2またはクライアント3と通信可能であるように接続される。表示部53は、例えば液晶ディスプレイを含み、第1種端末装置4を操作するユーザ向けの各種画面を表示するように構成される。入力部54は、ユーザからの操作信号を入力するために、例えば液晶ディスプレイ上のタッチパネル等の一つ以上の入力デバイスを備える。
【0037】
印刷部55は、制御部51に制御されて、シートに画像を印刷するように構成される。印刷部55の例には、インクジェットプリンタおよびレーザプリンタが含まれる。本実施形態によれば、色材の残量等のステータス情報や印刷枚数等のログ情報が、後述する方法で、第1種端末装置4からクライアント3およびクラウドサーバ6を通じてマスタ2に提供される。読取部56は、制御部51に制御されて、印刷物等の読取対象を読み取るように構成される。
【0038】
図3に示すように、第2種端末装置5は、制御部71と、通信部72と、表示部73と、入力部74とを備える。第2種端末装置5がディジタル複合機であるとき、第2種端末装置5は更に、印刷部75と、読取部76とを備えることができる。第2種端末装置5は、印刷部75および読取部76のうちのどちらか一方のみを備えていてもよい。
【0039】
制御部71は、CPU81と、メモリ82とを備える。メモリ82は、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリを備えることができ、不揮発性メモリに、コンピュータプログラムや設定データ等を記憶することができる。
【0040】
プロセッサとしてのCPU81は、メモリ82に記憶されたコンピュータプログラムに従う処理を実行することにより、装置全体を統括制御する。メモリ82には、通信プログラム82aが記憶される。通信プログラム82aは、クラウドサーバ6によって提供されるクラウドサービスを利用するためのプログラムである。以下において説明される制御部71を主体とした処理は、CPU81がコンピュータプログラムに従って実行する処理により実現されると理解されてよい。
【0041】
通信部72は、クラウドサーバ6と通信可能であるように、広域ネットワークに接続される。第3拠点にローカルエリアネットワークが構築されている場合、通信部72は、そのローカルエリアネットワークを介して広域ネットワークに接続されてもよい。表示部73は、例えば液晶ディスプレイを含む。入力部74は、ユーザからの操作信号を入力するための一つ以上の入力デバイスを備える。
【0042】
印刷部75は、制御部71に制御されて、シートに画像を印刷するように構成される。本実施形態によれば、色材の残量等のステータス情報と、印刷枚数等のログ情報とが、後述する方法で、第2種端末装置5からクラウドサーバ6を通じてマスタ2に提供される。読取部76は、制御部71に制御されて、印刷物等の読取対象を読み取るように構成される。
【0043】
クラウドサーバ6は、制御部91と、通信部92と、第1ストレージ93と、第2ストレージ94とを備える。制御部91は、CPU101と、メモリ102とを備える。
プロセッサとしてのCPU101は、メモリ102が記憶するコンピュータプログラムに従う処理を実行する。CPU101が実行する処理には、当該クラウドサーバ6をクラウドストレージとして機能させるための処理が含まれる。以下において説明される制御部91を主体とした処理は、CPU101がコンピュータプログラムに従って実行する処理により実現されると理解されてよい。
【0044】
上記クラウドストレージは、テーブルストレージおよびオブジェクトストレージを含む。制御部91による上記処理の実行により、第1ストレージ93は、テーブルストレージとして機能し、第2ストレージ94は、オブジェクトストレージとして機能する。
【0045】
例示的な第1ストレージ93は、NoSQLデータストアとして機能し、スキーマレスのエンティティの一群を構成要素とするテーブルを格納可能に構成される。テーブルにおける各エンティティは、プロパティのセットで構成される。
【0046】
例示的な第2ストレージ94は、オブジェクトとして、任意のテキストファイルおよびバイナルファイルを、HTTP/HTTPSプロトコルを用いて、外部から読込および書込可能なオブジェクトストレージとして機能する。
【0047】
上述したテーブルストレージおよびオブジェクトストレージを提供するクラウドサービスとしては、マイクロソフト社のAzureが知られている。クラウドサーバ6は、このようなクラウドサービスと同様に動作し得る。Azureは、登録商標である。
【0048】
(3)インスタントタスク
次に、マスタ2の制御部11が実行するインスタントタスク指示処理の手順を説明する。インスタントタスク指示処理は、インスタントタスクを実行させる端末装置と、インスタントタスクの内容とを指定するための入力操作が入力部14を介して行われることで実行される。
【0049】
インスタントタスク指示処理が実行されると、制御部11のCPU21は、
図4に示すように、まずS10にて、インスタントタスク指示処理を開始する前における上記の入力操作によって指定された全ての端末装置のうち、後述するS20の処理で選択されていない端末装置(以下、未選択の端末装置)があるか否かを判断する。
【0050】
ここで、未選択の端末装置がない場合には、CPU21は、S60に移行する。一方、未選択の端末装置がある場合には、CPU21は、S20にて、未選択の端末装置を1つ選択する。
【0051】
そしてCPU21は、S30にて、記憶部15に記憶されている端末装置データベースに基づいて、S20で選択した端末装置がクライアント3に接続されているか否かを判断する。端末装置データベースには、管理システム1が管理する全ての端末装置について、端末装置がクライアント3に接続されている否かを示す情報が格納されている。
【0052】
ここで、選択した端末装置がクライアント3に接続されている場合には、CPU21は、S40にて、クライアント用のインスタントタスク指示データを作成し、S10に移行する。一方、選択した端末装置がクライアント3に接続されていない場合には、CPU21は、S50にて、第2種端末装置用のインスタントタスク指示データを作成し、S10に移行する。なお、クライアント用のインスタントタスク指示データの指示形式と、第2種端末装置用のインスタントタスク指示データの指示形式とについては後述する。
【0053】
S60に移行すると、CPU21は、指定された全ての端末装置のインスタントタスク指示データをクラウドサーバ6の第1ストレージ93にアップロードする。
そしてCPU21は、S70にて、インスタントタスク指示処理を開始する前に入力部14を介して入力されたインスタントタスクの内容に基づいて、第2ストレージ94にアップロードする必要があるタスクであるか否かを判断する。ここで、第2ストレージ94にアップロードする必要があるタスクでない場合には、CPU21は、S90に移行する。一方、第2ストレージ94にアップロードする必要があるタスクである場合には、CP
U21は、S80にて、タスクを実行するために必要なファイルデータを第2ストレージ94にアップロードし、S90に移行する。
【0054】
S90に移行すると、CPU21は、クラウドサーバ6にアクセスする。そしてCPU21は、S100にて、インスタントタスク指示処理を開始する前における上記の入力操作によって指定された端末装置(以下、対象端末装置)のタスク実行結果データがクラウドサーバ6の第1ストレージ93にアップロードされているか否かを判断する。
【0055】
ここで、対象端末装置のタスク実行結果データがアップロードされていない場合には、CPU21は、S90に移行する。一方、対象端末装置のタスク実行結果データがアップロードされている場合には、CPU21は、S110にて、対象端末装置のタスク実行結果データを第1ストレージ93からダウンロードする。
【0056】
そしてCPU21は、S120にて、全ての対象端末装置のタスク実行結果データをダウンロードしたか否かを判断する。ここで、全ての対象端末装置のタスク実行結果データをダウンロードしていない場合には、CPU21は、S90に移行する。一方、全ての対象端末装置のタスク実行結果データをダウンロードした場合には、CPU21は、S130にて、ダウンロードしたタスク実行結果データに基づいて、全ての対象端末装置のタスク実行結果を表示部13の表示画面に表示して、インスタントタスク指示処理を終了する。
【0057】
次に、クライアント3の制御部31が実行する第1インスタントタスク実行処理の手順を説明する。第1インスタントタスク実行処理は、クライアント3の動作中において繰り返し実行される処理である。
【0058】
第1インスタントタスク実行処理が実行されると、制御部31のCPU41は、
図5に示すように、まずS210にて、クラウドサーバ6にアクセスする。そしてCPU41は、S220にて、第1ストレージ93にインスタントタスク指示データがアップロードされているか否かを判断する。ここで、インスタントタスク指示データがアップロードされていない場合には、CPU41は、S210に移行する。一方、インスタントタスク指示データがアップロードされている場合には、CPU41は、S230にて、アップロードされているインスタントタスク指示データが、クライアント3に接続されている第1種端末装置4に宛てられた指示であり、且つ、クライアント3に接続されている第1種端末装置4で実行されていない指示であるか否かを判断する。
【0059】
ここで、アップロードされているインスタントタスク指示データが、クライアント3に接続されている第1種端末装置4に宛てられた指示でないか、クライアント3に接続されている第1種端末装置4で実行された指示である場合には、CPU41は、S210に移行する。
【0060】
一方、アップロードされているインスタントタスク指示データが、クライアント3に接続されている第1種端末装置4に宛てられた指示であり、且つ、クライアント3に接続されている第1種端末装置4で実行されていない指示である場合には、CPU41は、S240にて、第1ストレージ93にアップロードされているインスタントタスク指示データをダウンロードする。
【0061】
さらにCPU41は、S250にて、ダウンロードしたインスタントタスク指示データの内容を確認する。そしてCPU41は、S260にて、S250での確認結果に基づいて、ダウンロードしたインスタントタスク指示データは、ファイルデータのダウンロードを必要とする指示であるか否かを判断する。
【0062】
ここで、ファイルデータを必要とする指示でない場合には、CPU41は、S280に移行する。一方、ファイルデータを必要とする指示である場合には、CPU41は、S270にて、S250での確認結果に基づいてファイルデータをクラウドサーバ6の第2ストレージ94からダウンロードして、S280に移行する。
【0063】
S280に移行すると、CPU41は、ダウンロードしたインスタントタスク指示データを、第1種端末装置4が認識可能な形式に変換する。具体的には、CPU41は、インスタントタスク指示データを、SNMPプロトコルで送受信可能なメッセージに変換する。このメッセージには、指示内容を識別するために、MIBのオブジェクトIDが含まれる。MIBは、Management Information Baseの略である。
【0064】
なおCPU41は、ファイルデータをクラウドサーバ6の第2ストレージ94からダウンロードした場合には、ダウンロードしたインスタントタスク指示データにおいて、ファイルデータの保存場所を、クライアント3の記憶部35における保存場所に書き換える。
【0065】
次にCPU41は、S290にて、ダウンロードしたインスタントタスク指示データが対象とする第1種端末装置4へ、変換したメッセージを送信する。これにより、ダウンロードしたインスタントタスク指示データが対象とする第1種端末装置4がインスタントタスクを実行する。
【0066】
そしてCPU41は、S300にて、第1種端末装置4からSNMPプロトコルでメッセージを受信することにより、第1種端末装置4がインスタントタスクを完了したか否かを判断する。
【0067】
ここで、第1種端末装置4がインスタントタスクを完了していない場合には、S300の処理を繰り返すことにより、第1種端末装置4がインスタントタスクを完了するまで待機する。そして、第1種端末装置4がインスタントタスクを完了すると、CPU41は、S310にて、このインスタントタスクが、ファイルデータのアップロードが必要なタスクであるか否かを判断する。
【0068】
ここで、ファイルデータのアップロードが必要なタスクでない場合には、CPU41は、S330に移行する。一方、ファイルデータのアップロードが必要なタスクである場合には、CPU41は、S320にて、第1種端末装置4がインスタントタスクを実行することによって生成されたファイルデータをクラウドサーバ6の第2ストレージ94にアップロードして、S330に移行する。
【0069】
S330に移行すると、CPU41は、第1種端末装置4がインスタントタスクを実行した結果を示すインスタントタスク実行結果データをクラウドサーバ6の第1ストレージ93にアップロードして、第1インスタントタスク実行処理を終了する。
【0070】
次に、第2種端末装置5の制御部71が実行する第2インスタントタスク実行処理の手順を説明する。第2インスタントタスク実行処理は、第2種端末装置5の動作中において繰り返し実行される処理である。
【0071】
第2インスタントタスク実行処理が実行されると、制御部71のCPU81は、
図6に示すように、まずS410にて、クラウドサーバ6にアクセスする。そしてCPU81は、S420にて、第1ストレージ93にインスタントタスク指示データがアップロードされているか否かを判断する。ここで、インスタントタスク指示データがアップロードされていない場合には、CPU81は、S410に移行する。一方、インスタントタスク指示
データがアップロードされている場合には、CPU81は、S430にて、アップロードされているインスタントタスク指示データが、当該第2種端末装置5に宛てられた指示であり、且つ、当該第2種端末装置5で実行されていない指示であるか否かを判断する。
【0072】
ここで、アップロードされているインスタントタスク指示データが、当該第2種端末装置5に宛てられた指示でないか、当該第2種端末装置5で実行された指示である場合には、CPU81は、S410に移行する。
【0073】
一方、アップロードされているインスタントタスク指示データが、当該第2種端末装置5に宛てられた指示であり、且つ、当該第2種端末装置5で実行されていない指示である場合には、CPU81は、S440にて、第1ストレージ93にアップロードされているタスク指示データをダウンロードする。
【0074】
さらにCPU81は、S450にて、ダウンロードしたインスタントタスク指示データの内容を確認する。そしてCPU81は、S460にて、S450での確認結果に基づいて、ダウンロードしたタスク指示データは、ファイルデータのダウンロードを必要とする指示であるか否かを判断する。
【0075】
ここで、ファイルデータを必要とする指示でない場合には、CPU81は、S480に移行する。一方、ファイルデータを必要とする指示である場合には、CPU81は、S470にて、S450での確認結果に基づいてファイルデータをクラウドサーバ6の第2ストレージ94からダウンロードして、S480に移行する。
【0076】
S480に移行すると、CPU81は、ダウンロードしたインスタントタスク指示データにより特定されるインスタントタスクを実行する。
そしてCPU81は、S490にて、実行したインスタントタスクが、ファイルデータのアップロードが必要なタスクであるか否かを判断する。
【0077】
ここで、ファイルデータのアップロードが必要なタスクでない場合には、CPU81は、S510に移行する。一方、ファイルデータのアップロードが必要なタスクである場合には、CPU81は、S500にて、インスタントタスクを実行することによって生成されたファイルデータをクラウドサーバ6の第2ストレージ94にアップロードして、S510に移行する。
【0078】
S510に移行すると、CPU81は、第2種端末装置5がインスタントタスクを実行した結果を示すインスタントタスク実行結果データをクラウドサーバ6の第1ストレージ93にアップロードして、第2インスタントタスク実行処理を終了する。
【0079】
図7は、マスタ2がクライアント3に対してインスタントタスクの実行を指示する場合に作成されるインスタントタスク指示データの具体例を示す。
図7に示すように、インスタントタスク指示データは、複数のプロパティで構成されたテンプレートであり、複数のプロパティのそれぞれに、文字列が格納される。
【0080】
図7に示すインスタントタスク指示データは、プロパティとして、「PartitionKey」、「RowKey」、「NotifyParameter」、「ExtendedParameter」、「Source」、「Progress」、「DeviceId」および「Result」が設定されている。
【0081】
プロパティ「PartitionKey」には、タスクの種類を示す文字列が格納される。
図7に示すインスタントタスク指示データでは、プロパティ「PartitionK
ey」に、インスタントタスクであることを示す文字列である「instanttask」が格納されている。
【0082】
プロパティ「RowKey」には、各インスタントタスク指示データを識別するためのトランザクションIDが格納される。
プロパティ「NotifyParameter」には、インスタントタスクの指示内容を示すためにJSON形式で記述された文字列が格納される。プロパティ「NotifyParameter」に格納される文字列の具体例を
図8に示す。
【0083】
図8に示すように、インスタントタスクの指示内容は、破線の矩形R1内のアクションタイプ・メインID「ActionTypeMainId」とアクションタイプ・サブID「ActionTypeSubId」との組み合わせによって指定される。また、破線の矩形R2内には、ファイルデータの保存場所が指定されている。矩形R2内に記載されているファイルデータのファイル拡張子は「.txt」であるが、「.bin」および「.json」等であってもよい。またファイルデータは、暗号化されていてもよい。
【0084】
図7に示すように、プロパティ「ExtendedParameter」は、使用されず、空欄である。
プロパティ「Source」には、指示の取得先がクライアント3であるか第2種端末装置5であるかを示す文字列が格納される。具体的には、指示の取得先がクライアント3である場合には、クライアント3であることを示す文字列である「client」が格納され、指示の取得先が第2種端末装置5である場合には、第2種端末装置5であることを示す文字列である「device」が格納される。
【0085】
プロパティ「Progress」には、指示の進捗状況を示す文字列が格納される。具体的には、指示の実行を要求していることを示す「%CUSTOM(request)%」、指示を実行中であることを示す「%CUSTOM(processing)%」、または、指示の実行を完了したことを示す「%CUSTOM(done)%」が格納される。但し、「%CUSTOM(request)%」はマスタ2によって格納され、「%CUSTOM(processing)%」および「%CUSTOM(done)%」はクライアント3または第2種端末装置5によって格納される。
【0086】
プロパティ「DeviceId」には、指示の宛先となる第1種端末装置4または第2種端末装置5を識別するためのデバイスIDが格納される。
プロパティ「Result」には、インスタントタスクの実行結果を示す文字列が格納される。すなわち、プロパティ「Result」には、実行結果を示す文字列がクライアント3または第2種端末装置5によって格納される。
【0087】
図9および
図10は、マスタ2が第2種端末装置5に対してインスタントタスクの実行を指示する場合に作成されるインスタントタスク指示データの具体例を示す。
図9に示すタスク指示データは、プロパティ「NotifyParameter」における指示形式が、
図7に示すタスク指示データと異なる。また、
図9に示すタスク指示データは、プロパティ「Source」に文字列「device」が格納される点が、
図7に示すタスク指示データと異なる。
【0088】
図9に示すように、
図9のインスタントタスク指示データにおけるプロパティ「NotifyParameter」では、”send_file”および”output_file”によって、インスタントタスクの指示内容が指定されている。なお、
図9のタスク指示データは、第2種端末装置5の設定を書き換える指示を示すデータである。
【0089】
図10に示すインスタントタスク指示データは、インスタントタスクの指示内容が、
図9に示すタスク指示データと異なる。また、
図10に示すタスク指示データは、プロパティ「ExtendedParameter」が使用されている点が
図9に示すタスク指示データと異なる。
【0090】
図9に示すように、
図9のインスタントタスク指示データにおけるプロパティ「NotifyParameter」では、「”send_file”」および「”output_file”」によって、インスタントタスクの指示内容が指定されている。
【0091】
図10に示すように、
図10のインスタントタスク指示データにおけるプロパティ「NotifyParameter」では、「”exec_param”:ExtendedParameter」によって、プロパティ「ExtendedParameter」に格納されている文字列によって特定されるタスクの実行が指示される。
【0092】
図10のタスク指示データにおけるプロパティ「ExtendedParameter」に格納されている文字列「%MIBSET(x.x.x.x.・・・)%」が、インスタントタスクの指示内容を示している。上記の(x.x.x.x.・・・)は、MIBのオブジェクトIDであり、実際のオブジェクトIDを簡略化して表示している。
【0093】
(4)スケジュールタスク
次に、クライアント3の制御部31および第2種端末装置5の制御部71が実行するスケジュールタスク実行処理の手順を説明する。スケジュールタスク実行処理は、クライアント3および第2種端末装置5の動作中において繰り返し実行される処理である。
【0094】
スケジュールタスク実行処理が実行されると、制御部31のCPU41および制御部71のCPU81は、
図11に示すように、まずS610にて、予め設定された実行周期が経過したか否かを判断する。ここで、実行周期が経過していない場合には、CPU41,81は、スケジュールタスク実行処理を終了する。
【0095】
一方、実行周期が経過した場合には、CPU41,81は、S620にて、クラウドサーバ6の第1ストレージ93からスケジュールタスク指示データをダウンロードする。なお、スケジュールタスク指示データは、マスタ2によってクラウドサーバ6の第1ストレージ93にアップロードされる。
【0096】
そしてCPU41,81は、S630にて、スケジュールタスク指示データで指定されているスケジュールタスクを実行し、スケジュールタスクを実行した結果を示すスケジュールタスク実行結果データを作成する。なお、CPU41が実行するS630では、クライアント3に接続されている第1種端末装置4がスケジュールタスクを実行する。また、CPU81が実行するS630では、第2種端末装置5がスケジュールタスクを実行する。
【0097】
そしてCPU41,81は、S640にて、S630で作成したスケジュールタスク実行結果データをクラウドサーバ6の第1ストレージ93にアップロードして、スケジュールタスク実行処理を終了する。
【0098】
図12は、クライアント3によって作成されるスケジュールタスク実行結果データの具体例を示す。
図12に示すように、スケジュールタスク実行結果データは、複数のプロパティで構成されたテンプレートであり、複数のプロパティのそれぞれに、文字列が格納される。
【0099】
図12に示すスケジュールタスク実行結果データは、プロパティとして、「PartitionKey」、「RowKey」、「NotifyParameter」、「Source」、「Progress」および「DeviceId」が設定されている。
【0100】
プロパティ「PartitionKey」には、スケジュールタスクの種類を示す文字列が格納される。
図12に示すスケジュールタスク実行結果データでは、プロパティ「PartitionKey」に、クライアント3に接続されている第1種端末装置4の動作ログ(例えば、印刷枚数および消耗品残量など)をマスタ2に通知するスケジュールタスクであることを示す文字列である「log」が格納されている。
【0101】
プロパティ「RowKey」には、スケジュールタスク実行結果データに対応する第1種端末装置4を識別するためのデバイスIDが格納される。
プロパティ「NotifyParameter」には、インスタントタスクを実行することにより得られた実行結果を示すためにJSON形式で記述された文字列が格納される。
【0102】
プロパティ「Source」には、スケジュールタスク実行結果データの作成元がクライアント3であるか第2種端末装置5であるかを示す文字列が格納される。具体的には、作成元がクライアント3である場合には、クライアント3であることを示す文字列である「client」が格納され、作成元が第2種端末装置5である場合には、クライアント3であることを示す文字列である「device」が格納される。
【0103】
プロパティ「Progress」およびプロパティ「DeviceId」は、使用されず、空欄である。
図13は、第2種端末装置5によって作成されるスケジュールタスク実行結果データの具体例を示す。
【0104】
図13に示すスケジュールタスク実行結果データは、プロパティ「NotifyParameter」およびプロパティ「Source」に格納される文字列が、
図12に示すスケジュールタスク実行結果データと異なる。
【0105】
図12に示すスケジュールタスク実行結果データにおけるプロパティ「NotifyParameter」には、「”Id”: 1」および「”ProfiledId”:” YYYYY”」などが格納されている。これに対して、
図13に示すスケジュールタスク実行結果データにおけるプロパティ「NotifyParameter」には、「”x.x.x.x.・・・”: ”GGGGG・・・”」などが格納されている。上記のx.x.x.x.・・・は、MIBのオブジェクトIDであり、実際のオブジェクトIDを簡略化して表示している。
【0106】
このように、プロパティ「NotifyParameter」に格納される文字列が、クライアント3と第2種端末装置5とで異なるのは、クライアント3がMIBのオブジェクトIDを「Id」および「ProfiledId」等の文字列に変換できるのに対して、第2種端末装置5がMIBのオブジェクトIDを変換することができないためである。
【0107】
(5)効果
このように構成された管理システム1は、マスタ2と、クライアント3と、第1種端末装置4と、第2種端末装置5と、クラウドサーバ6とを備える。第1種端末装置4は、クライアント3と通信可能に接続される端末装置である。第2種端末装置5は、マスタ2およびクライアント3と通信可能に接続されていない端末装置である。クラウドサーバ6は、マスタ2、クライアント3および第2種端末装置5と通信可能に構成される。
【0108】
マスタ2は、第1種端末装置4に実行させる処理の内容を示すクライアント用のインスタントタスク指示データ(以下、第1インスタントタスク指示データ)をクラウドサーバ6にアップロードする。またマスタ2は、第2種端末装置5に実行させる処理の内容を示す第2種端末装置用のインスタントタスク指示データ(以下、第2インスタントタスク指示データ)をクラウドサーバ6にアップロードする。
【0109】
クライアント3は、第1インスタントタスク指示データをクラウドサーバ6からダウンロードして、第1インスタントタスク指示データが示す処理である第1対象処理を第1種端末装置4に実行させ、第1種端末装置4が第1対象処理を実行すると、第1対象処理に応じた通知内容を示すタスク実行結果データ(以下、第1タスク実行結果データ)をクラウドサーバ6にアップロードする。
【0110】
第2種端末装置5は、第2インスタントタスク指示データをクラウドサーバ6からダウンロードして、第2インスタントタスク指示データが示す処理である第2対象処理を実行し、第2対象処理を実行すると、第2対象処理に応じた通知内容を示すタスク実行結果データ(以下、第2タスク実行結果データ)をクラウドサーバ6にアップロードする。
【0111】
マスタ2は、第1タスク実行結果データおよび第2タスク実行結果データをクラウドサーバ6からダウンロードする。
そしてマスタ2は、第1インスタントタスク指示データと第2インスタントタスク指示データとで、指示形式を異ならせる。
【0112】
このように管理システム1では、マスタ2は、クライアント3に対してはクライアント3に対応した指示形式で第1インスタントタスク指示データをアップロードし、第2種端末装置5に対しては第2種端末装置5に対応した指示形式で第2インスタントタスク指示データをアップロードすることができる。このため、管理システム1は、クライアント3と第2種端末装置5とで指示形式を一致させるためにクライアント3または第2種端末装置5において指示形式を変更する作業を不要とすることができる。これにより、管理システム1は、マスタ2がクライアント3を介して端末装置を管理する構成と、マスタ2がクライアント3を介することなく端末装置を管理する構成とが混在する管理システム1の構築を容易にすることができる。
【0113】
またクライアント3は、第1インスタントタスク指示データを、第1種端末装置4が認識可能な形式に変換して、第1種端末装置4へ送信する。そして第2インスタントタスク指示データには、第1種端末装置4および第2種端末装置5の両方が認識可能な形式の情報(すなわち、MIBのオブジェクトID)が含まれる。
【0114】
以上説明した実施形態において、管理システム1は端末管理システムに相当し、マスタ2は主管理装置に相当し、クライアント3は副管理装置に相当し、クラウドサーバ6は記憶装置に相当し、主管理プログラム15aは端末管理プログラムに相当する。
【0115】
また、第1インスタントタスク指示データは第1処理指示情報に相当し、第2インスタントタスク指示データは第2処理指示情報に相当し、第1タスク実行結果データは第1通知情報に相当し、第2タスク実行結果データは第2通知情報に相当する。
【0116】
また、S40は第1アップロード処理および第1アップロードステップに相当し、S50は第2アップロード処理および第2アップロードステップに相当し、オブジェクトIDはオブジェクト識別子に相当する。
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるも
のではなく、種々変形して実施することができる。
【0117】
上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加または置換してもよい。
【0118】
上述したマスタ2の他、当該マスタ2を構成要素とするシステム、当該マスタ2としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実体的記録媒体、端末管理方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
【符号の説明】
【0119】
1…管理システム、2…マスタ、3…クライアント、4…第1種端末装置、5…第2種端末装置、6…クラウドサーバ、11…制御部、15a…主管理プログラム