(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022117001
(43)【公開日】2022-08-10
(54)【発明の名称】固定補強部材及び天井構造
(51)【国際特許分類】
E04B 9/18 20060101AFI20220803BHJP
【FI】
E04B9/18 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021013455
(22)【出願日】2021-01-29
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】397028360
【氏名又は名称】関包スチール株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】596066530
【氏名又は名称】宇都宮工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】武佐 サライデン
(72)【発明者】
【氏名】中川 学
(72)【発明者】
【氏名】森 貴久
(72)【発明者】
【氏名】有馬 冬樹
(72)【発明者】
【氏名】細川 俊治
(72)【発明者】
【氏名】北村 幸則
(72)【発明者】
【氏名】本田 洋介
(72)【発明者】
【氏名】土井 昌司
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼井 克典
(57)【要約】 (修正有)
【課題】天井材が脱落するのを抑制することができる補強部材及び天井構造を提供する。
【解決手段】建物Hの躯体Aと、建物Hの野縁50を支持する支持部材(野縁受け30、野縁受け継ぎ部材40)と、の間に架設され、平面視で十字状に配置される野縁受けブレース70、野縁受け継ぎブレース80が固定される固定補強部材(補強金具100)であって、野縁50に支持された天井面材60が固定される天井材固定部と、支持部材が固定される野縁受け固定部、野縁受け継ぎ固定部と、複数のブレースの端部が固定される野縁受けブレース固定部、野縁受け継ぎブレース固定部と、を具備する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の躯体と、当該建物の野縁を支持する支持部材と、の間に架設され、平面視で十字状に配置される複数のブレースが固定される固定補強部材であって、
前記野縁に支持された天井材が固定される天井材固定部と、
前記支持部材が固定される支持部材固定部と、
前記複数のブレースの端部が固定されるブレース固定部と、
を具備する固定補強部材。
【請求項2】
前記支持部材は、
前記野縁が固定された野縁受け部材を含み、
前記支持部材固定部は、
前記野縁受け部材が固定される野縁受け部材固定部を具備する、
請求項1に記載の固定補強部材。
【請求項3】
前記支持部材は、
前記野縁が固定された野縁受け部材に平面視で交差するように固定された野縁受け継ぎ部材を含み、
前記支持部材固定部は、
前記野縁受け継ぎ部材が固定される野縁受け継ぎ部材固定部を具備する、
請求項1又は請求項2に記載の固定補強部材。
【請求項4】
前記支持部材固定部は、
前記支持部材を前記躯体に吊るための吊り部材に対応する位置で切り欠かれた切欠部を有する、
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の固定補強部材。
【請求項5】
前記支持部材は、
前記野縁が固定された野縁受け部材と、前記野縁受け部材に平面視で交差するように固定された野縁受け継ぎ部材と、を含み、
前記固定補強部材は、
前記複数のブレースのうち、前記野縁受け部材側に設けられる一対の第一のブレースが前記ブレース固定部を介してそれぞれ固定される第一の固定補強部材と、
前記複数のブレースのうち、前記野縁受け継ぎ部材側に設けられる一対の第二のブレースが前記ブレース固定部を介してそれぞれ固定され、前記第一の固定補強部材とは別体に形成される第二の固定補強部材と、
により構成される、
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の固定補強部材。
【請求項6】
前記第一の固定補強部材と前記第二の固定補強部材とのうちの少なくとも一方は、
前記第一の固定補強部材と前記第二の固定補強部材とのうちの他方に固定される第一の固定部を有する、
請求項5に記載の固定補強部材。
【請求項7】
前記第一の固定補強部材は、
平面視において前記野縁受け部材及び前記野縁受け継ぎ部材が交差したことで区画される前記天井材の四つの領域のうちの二つの領域に、前記天井材固定部を介して固定され、
前記第二の固定補強部材は、
前記四つの領域のうち、前記第一の固定補強部材が固定される領域とは異なる二つの領域に、前記天井材固定部を介して固定される、
請求項5又は請求項6に記載の固定補強部材。
【請求項8】
前記支持部材は、
前記野縁が固定された野縁受け部材と、前記野縁受け部材に平面視で交差するように固定された野縁受け継ぎ部材と、を含み、
前記固定補強部材は、
前記複数のブレースのうち、前記野縁受け部材側に設けられる一対の第一のブレースの一方と、前記野縁受け継ぎ部材側に設けられる一対の第二のブレースの一方と、が前記ブレース固定部を介してそれぞれ固定される第三の固定補強部材と、
前記一対の第一のブレースの他方と、前記一対の第二のブレースの他方と、が前記ブレース固定部を介してそれぞれ固定され、前記第三の固定補強部材とは別体に形成される第四の固定補強部材と、
により構成される、
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の固定補強部材。
【請求項9】
前記第三の固定補強部材と前記第四の固定補強部材とのうちの少なくとも一方は、
前記第三の固定補強部材と前記第四の固定補強部材とのうちの他方に固定される第二の固定部を有する、
請求項8に記載の固定補強部材。
【請求項10】
前記第三の固定補強部材は、
平面視において前記野縁受け部材及び前記野縁受け継ぎ部材が交差したことで区画される前記天井材の四つの領域のうちの一つの領域に、前記天井材固定部を介して固定され、
前記第四の固定補強部材は、
前記四つの領域のうち、前記第三の固定補強部材が固定される領域とは異なる一つの領域に、前記天井材固定部を介して固定される、
請求項8又は請求項9に記載の固定補強部材。
【請求項11】
建物の天井材を支持する野縁と、
前記野縁を支持する支持部材と、
前記建物の躯体と前記支持部材との間に架設され、平面視で十字状に配置される複数のブレースと、
前記天井材が固定される天井材固定部と、前記支持部材が固定される支持部材固定部と、前記複数のブレースの端部が固定されるブレース固定部と、を有する固定補強部材と、
を具備する天井構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定補強部材及び天井構造の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天井構造に用いられるブレースが固定される固定補強部材の技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1には、天井面材を支持する野縁と野縁受との交差部に固定される補強金具が記載されている。補強金具は、平面視で十字状に配置された斜めブレースの下部が固定される。
【0004】
このような構成により、野縁受け及び野縁とブレースとが強固に固定されるため、地震発生時における地震力又は水平力を、野縁受け及び野縁からブレースへ直接的に伝達することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、地震発生時にはブレースの下部に複数の方向から応力が作用するため、この周囲に位置する野縁受け及び野縁の部分が変形や損傷(以下では単に「変形」と称する)する可能性がある。このように野縁受け及び野縁が変形した場合には、天井材が脱落する可能性がある。
【0007】
本発明は、以上の如き状況を鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、天井材が脱落するのを抑制することができる固定補強部材及び天井構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、請求項1においては、建物の躯体と、当該建物の野縁を支持する支持部材と、の間に架設され、平面視で十字状に配置される複数のブレースが固定される固定補強部材であって、前記野縁に支持された天井材が固定される天井材固定部と、前記支持部材が固定される支持部材固定部と、前記複数のブレースの端部が固定されるブレース固定部と、を具備するものである。
【0010】
請求項2においては、前記支持部材は、前記野縁が固定された野縁受け部材を含み、前記支持部材固定部は、前記野縁受け部材が固定される野縁受け部材固定部を具備するものである。
【0011】
請求項3においては、前記支持部材は、前記野縁が固定された野縁受け部材に平面視で交差するように固定された野縁受け継ぎ部材を含み、前記支持部材固定部は、前記野縁受け継ぎ部材が固定される野縁受け継ぎ部材固定部を具備するものである。
【0012】
請求項4においては、前記支持部材固定部は、前記支持部材を前記躯体に吊るための吊り部材に対応する位置で切り欠かれた切欠部を有するものである。
【0013】
請求項5においては、前記支持部材は、前記野縁が固定された野縁受け部材と、前記野縁受け部材に平面視で交差するように固定された野縁受け継ぎ部材と、を含み、前記固定補強部材は、前記複数のブレースのうち、前記野縁受け部材側に設けられる一対の第一のブレースが前記ブレース固定部を介してそれぞれ固定される第一の固定補強部材と、前記複数のブレースのうち、前記野縁受け継ぎ部材側に設けられる一対の第二のブレースが前記ブレース固定部を介してそれぞれ固定され、前記第一の固定補強部材とは別体に形成される第二の固定補強部材と、により構成されるものである。
【0014】
請求項6においては、前記第一の固定補強部材と前記第二の固定補強部材とのうちの少なくとも一方は、前記第一の固定補強部材と前記第二の固定補強部材とのうちの他方に固定される第一の固定部を有するものである。
【0015】
請求項7においては、前記第一の固定補強部材は、平面視において前記野縁受け部材及び前記野縁受け継ぎ部材が交差したことで区画される前記天井材の四つの領域のうちの二つの領域に、前記天井材固定部を介して固定され、前記第二の固定補強部材は、前記四つの領域のうち、前記第一の固定補強部材が固定される領域とは異なる二つの領域に、前記天井材固定部を介して固定されるものである。
【0016】
請求項8においては、前記支持部材は、前記野縁が固定された野縁受け部材と、前記野縁受け部材に平面視で交差するように固定された野縁受け継ぎ部材と、を含み、前記固定補強部材は、前記複数のブレースのうち、前記野縁受け部材側に設けられる一対の第一のブレースの一方と、前記野縁受け継ぎ部材側に設けられる一対の第二のブレースの一方と、が前記ブレース固定部を介してそれぞれ固定される第三の固定補強部材と、前記一対の第一のブレースの他方と、前記一対の第二のブレースの他方と、が前記ブレース固定部を介してそれぞれ固定され、前記第三の固定補強部材とは別体に形成される第四の固定補強部材と、により構成されるものである。
【0017】
請求項9においては、前記第三の固定補強部材と前記第四の固定補強部材とのうちの少なくとも一方は、前記第三の固定補強部材と前記第四の固定補強部材とのうちの他方に固定される第二の固定部を有するものである。
【0018】
請求項10においては、前記第三の固定補強部材は、平面視において前記野縁受け部材及び前記野縁受け継ぎ部材が交差したことで区画される前記天井材の四つの領域のうちの一つの領域に、前記天井材固定部を介して固定され、前記第四の固定補強部材は、前記四つの領域のうち、前記第三の固定補強部材が固定される領域とは異なる一つの領域に、前記天井材固定部を介して固定されるものである。
【0019】
請求項11においては、建物の天井材を支持する野縁と、前記野縁を支持する支持部材と、前記建物の躯体と前記支持部材との間に架設され、平面視で十字状に配置される複数のブレースと、前記天井材が固定される天井材固定部と、前記支持部材が固定される支持部材固定部と、前記複数のブレースの端部が固定されるブレース固定部と、を有する固定補強部材と、を具備するものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0021】
請求項1においては、天井材が脱落するのを抑制することができる。
【0022】
請求項2においては、固定補強部材により、複数のブレース、天井材及び野縁受け部材とを固定することができる。
【0023】
請求項3においては、固定補強部材により、複数のブレース、天井材及び野縁受け継ぎ部材とを固定することができる。
【0024】
請求項4においては、固定補強部材と吊り部材との接触を抑制することができる。
【0025】
請求項5においては、一つの部材と、一対のブレースと、を一体的に固定することができる。
【0026】
請求項6においては、第一の固定補強部材と第二の固定補強部材とを互いに固定することで、一対の第一のブレースと、一対の第二のブレースと、を互いに固定することができる。
【0027】
請求項7においては、第一の固定補強部材及び第二の固定補強部材を天井材にバランスよく固定することができる。
【0028】
請求項8においては、一つの部材と、第一のブレースと、第二のブレースと、を一体的に固定することができる。
【0029】
請求項9においては、第三の固定補強部材と第四の固定補強部材とを互いに固定することで、一対の第一のブレースと、一対の第二のブレースと、を互いに固定することができる。
【0030】
請求項10においては、施工の簡略化を図ることができる。
【0031】
請求項11においては、天井材が脱落することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明の第一実施形態に係る補強金具及び天井構造を示した概略斜視図。
【
図3】(a)第一の補強金具の正面図。(b)同じく、右側面図。
【
図5】(a)第二の補強金具の右側面図。(b)同じく、正面図。
【
図6】野縁受け、野縁受け継ぎ部材、第一の補強金具及び第二の補強金具を示した分解斜視図。
【
図7】第一の補強金具を野縁受けに取り付けた状態を示した斜視図。
【
図8】第二の補強金具を野縁受け継ぎ部材に取り付けた状態を示した斜視図。
【
図9】天井面材の区画領域及び天井材固定部を示した概略平面図。
【
図13】本発明の第二実施形態に係る補強金具及び天井構造を示した斜視図。
【
図15】(a)第三の補強金具の正面図。(b)同じく、右側面図。
【
図17】(a)第四の補強金具の右側面図。(b)同じく、正面図。
【
図18】第三の補強金具を野縁受けに取り付けた状態を示した斜視図。
【
図19】第四の補強金具を野縁受け継ぎ部材に取り付けた状態を示した斜視図。
【
図20】第二実施形態に係る補強金具及び天井構造を示した正面図。
【
図23】本発明の第三実施形態に係る補強金具及び天井構造を示した斜視図。
【
図24】(a)第五の補強金具の斜視図。(b)同じく、正面図。(c)同じく、右側面図。(d)同じく、A-A矢視断面図。
【
図25】(a)第六の補強金具の斜視図。(b)同じく、正面図。(c)同じく、右側面図。
【
図26】(a)第七の補強金具の斜視図。(b)同じく、正面図。(c)前側の第七の補強金具の右側面図。
【
図27】野縁受け、野縁受け継ぎ部材、第五の補強金具、第六の補強金具、第七の補強金具及び第八の補強金具を示した分解斜視図。
【
図28】第三実施形態に係る補強金具及び天井構造を示した正面図。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下の説明においては、図中に示した矢印に従って、上下方向、左右方向及び前後方向をそれぞれ定義する。
【0034】
以下では、
図1を用いて、第一実施形態に係る天井構造1について説明する。
【0035】
天井構造1は、建物Hにおける天井の構造である。なお、
図1においては、便宜上、建物Hにおける天井の構造全体のうち一部が示されている。以下では、
図1に示された天井構造1、すなわち天井の構造全体のうち一部について説明するものとする。天井構造1は、吊りボルト10、ハンガー20、野縁受け30、野縁受け継ぎ部材40、野縁50、天井面材60、野縁受けブレース70、野縁受け継ぎブレース80及び補強金具100を具備する。
【0036】
吊りボルト10は、建物Hの躯体Aから吊り下げられるものである。吊りボルト10は、躯体Aに設けられたインサート(不図示)に取り付けられている。吊りボルト10は、複数設けられる。
図1においては、3本の吊りボルト10が示されている。
【0037】
ハンガー20は、後述する野縁受け30を支持するものである。ハンガー20は、各吊りボルト10の下端部に取り付けられる。ハンガー20は、後述する野縁受け30を引っ掛け可能な側面視略J字状に形成される(
図7を参照)。ハンガー20は、一枚の帯状の金属製部材が適宜折り曲げられることにより形成される。
【0038】
野縁受け30は、後述する野縁50を支持するものである。野縁受け30は、長尺状に形成され、長手方向を左右方向に向けて配置される。野縁受け30は、ハンガー20に引っ掛けられることで、当該ハンガー20に支持される。この状態では、ハンガー20の大部分は、野縁受け30の前方に位置する(
図7を参照)。こうして、野縁受け30は、ハンガー20及び吊りボルト10を介して建物Hの躯体Aから吊設される。野縁受け30は、複数設けられる。
図1においては、3本の野縁受け30が示されている。
【0039】
野縁受け継ぎ部材40は、長尺状の部材である。野縁受け継ぎ部材40は、複数(本実施形態においては、3本)の野縁受け30の上方で、当該野縁受け30の長手方向に対して直交する方向へ長手方向を向けて配置される。野縁受け継ぎ部材40は、3本の野縁受け30に亘るように設けられると共に、これらの野縁受け30と固定される。
【0040】
野縁50は、後述する天井面材60を支持するものである。野縁50は、長尺状に形成され、長手方向を前後方向に向けて配置される。野縁50は、クリップ部材51を用いて野縁受け30に支持される。野縁50は、複数設けられる。
図1においては、2本の野縁50が示されている。
【0041】
天井面材60は、天井面を構成するものである。天井面材60は、例えば板状の石膏ボードにより形成される。天井面材60は、板面を上下方向に向けて配置される。天井面材60は、野縁50の下側面にビスを用いて固定される。
【0042】
野縁受けブレース70は、建物Hの躯体Aと野縁受け30との間に架設されるものである。野縁受けブレース70は、長尺状に形成され、長手方向を鉛直方向に対して傾斜した姿勢で配置される。野縁受けブレース70の上端部は、建物Hの躯体Aに固定される。野縁受けブレース70の下端部は、ボルトBにより野縁受け30側に固定される。具体的には、野縁受けブレース70の下端部は、野縁受け30に固定された後述する第一の補強金具110に固定される(
図11参照)。野縁受けブレース70は、長手方向断面視で略C字状に形成される。本実施形態において、野縁受けブレース70は、前側が開放し、後側が閉鎖面となるように配置される。野縁受けブレース70は、左右に並設するように一対設けられる。
【0043】
一対の野縁受けブレース70は、左右方向に対称形状に形成される。より詳細には、一対の野縁受けブレース70のうち、左側に配置される野縁受けブレース70(以下では「左側野縁受けブレース70L」と称する場合がある)は、上側が左方に位置し、下側が右方に位置するように配置される。また、一対の野縁受けブレース70のうち、右側に配置される野縁受けブレース70(以下では「右側野縁受けブレース70R」と称する場合がある)は、上側が右方に位置し、下側が左方に位置するように配置される。左側野縁受けブレース70L及び右側野縁受けブレース70Rは、正面視で吊りボルト10を中心とした対称形状に形成される。左側野縁受けブレース70L及び右側野縁受けブレース70Rは、それぞれ下端部側へ行くに従って互いに近接するように配置される。
【0044】
野縁受け継ぎブレース80は、建物Hの躯体Aと野縁受け継ぎ部材40との間に架設されるものである。野縁受け継ぎブレース80の形状は、野縁受けブレース70と同様である。野縁受け継ぎブレース80の上端部は、建物Hの躯体Aに固定される。野縁受け継ぎブレース80の下端部は、ボルトBにより野縁受け継ぎ部材40側に固定される。具体的には、野縁受け継ぎブレース80は、野縁受け継ぎ部材40に固定された後述する第二の補強金具120に固定される(
図12参照)。野縁受け継ぎブレース80は、前後に並設するように一対設けられる。
【0045】
一対の野縁受け継ぎブレース80は、前後方向に対称形状に形成される。より詳細には、一対の野縁受け継ぎブレース80のうち、前側に配置される野縁受け継ぎブレース80(以下では「前側野縁受け継ぎブレース80F」と称する場合がある)は、上側が前方に位置し、下側が後方に位置するように配置される。また、一対の野縁受け継ぎブレース80のうち、後側に配置される野縁受け継ぎブレース80(以下では「後側野縁受け継ぎブレース80B」と称する場合がある)は、上側が後方に位置し、下側が前方に位置するように配置される。前側野縁受け継ぎブレース80F及び後側野縁受け継ぎブレース80Bは、右側面視で吊りボルト10を中心とした対称形状に形成される。前側野縁受け継ぎブレース80F及び後側野縁受け継ぎブレース80Bは、それぞれ下端部側へ行くに従って互いに近接するように配置される。
【0046】
上述したように、本実施形態に係る天井構造1では、野縁受け30側に固定される一対の野縁受けブレース70と、野縁受け継ぎ部材40側に固定される一対の野縁受け継ぎブレース80と、の二種類のブレースが設けられる。上記一対の野縁受けブレース70及び一対の野縁受け継ぎブレース80は、平面視で交差するように(平面視で十字状に)配置される。一対の野縁受けブレース70及び一対の野縁受け継ぎブレース80は、平面視で互いに直交する方向(左右方向及び前後方向)に沿って配置され、それぞれの下端部側へ行くに従って互いに近接するように配置される。
【0047】
以下では、
図1から
図12までを用いて、補強金具100の構成について詳細に説明する。
【0048】
補強金具100は、後述するように、一対の野縁受けブレース70及び一対の野縁受け継ぎブレース80と、野縁受け30と、野縁受け継ぎ部材40と、天井面材60と、にそれぞれ固定される部材である。補強金具100は、第一の補強金具110及び第二の補強金具120を具備する。
【0049】
図1から
図3までに示す第一の補強金具110は、一対の野縁受けブレース70と、野縁受け30と、天井面材60と、にそれぞれ固定される部材である。第一の補強金具110は、左右に長尺な形状に形成される。第一の補強金具110は、一枚の平板状の金属製部材が、適宜折り曲げられることにより形成される。第一の補強金具110は、野縁受け固定部111、野縁受け引っ掛け部112、野縁受けブレース固定部113、切欠部114及び天井材固定部115を具備する。
【0050】
野縁受け固定部111は、野縁受け30が固定される部分である。野縁受け固定部111は、板面を前後方向に向けて形成される。野縁受け固定部111は、正面視で左右に長尺な略矩形状に形成される。野縁受け固定部111は、後述する切欠部114により左右に分割される。なお以下では、野縁受け固定部111のうち、右側に分割された部分を「右側野縁受け固定部111R」、左側に分割された部分を「左側野縁受け固定部111L」と称する場合がある。なお、図示は省略しているが、野縁受け固定部111には、野縁受け30との固定に用いられるビスS1が挿通される適宜の下孔が形成される。
【0051】
野縁受け引っ掛け部112は、野縁受け30の上端部に引っ掛けられる部分である。なお、「野縁受け30の上端部に引っ掛けられる」は、野縁受け30の上端部に仮置きされる(取り付け作業の途中に置かれる)場合も含むものとする。野縁受け引っ掛け部112は、板面を上下方向へ向けて形成される。野縁受け引っ掛け部112は、野縁受け固定部111の上端部から、後方へ突出するように形成される。野縁受け引っ掛け部112の前端部は、野縁受け固定部111の上端部に接続される。野縁受け引っ掛け部112は、後述する切欠部114により左右に分割される。
【0052】
野縁受けブレース固定部113は、野縁受けブレース70が固定される部分である。野縁受けブレース固定部113は、板面を前後方向に向けて形成される。野縁受けブレース固定部113は、正面視で、左右に長尺な略矩形状に形成される。野縁受けブレース固定部113は、野縁受け引っ掛け部112の後端部から、上方へ突出するように形成される。野縁受けブレース固定部113の下端部は、野縁受け引っ掛け部112の後端部に接続される。野縁受けブレース固定部113は、左右中央部における下端部から上下方向中途部までが後述する切欠部114により切り欠かれている。
【0053】
切欠部114は、野縁受け固定部111、野縁受け引っ掛け部112及び野縁受けブレース固定部113が切り欠かれたように形成される部分である。切欠部114は、野縁受け固定部111の左右方向中央部における下端部から、野縁受けブレース固定部113の左右中央部における上下方向中途部へ延びるように形成される。切欠部114は、第一の切欠部114a、第二の切欠部114b及び第三の切欠部114cを具備する。
【0054】
第一の切欠部114aは、野縁受けブレース固定部113に形成される部分である。第一の切欠部114aは、野縁受けブレース固定部113の左右中央部における下端部から、上下方向中途部へ延びるように形成される。第一の切欠部114aは、正面視で、野縁受け継ぎ部材40を挿通して受け入れ可能な大きさの略矩形状に形成される。具体的には、正面視で、第一の切欠部114aの大きさ(左右方向幅及び上下方向幅)は、正面視での野縁受け継ぎ部材40よりも大きく形成される(
図11参照)。
【0055】
第二の切欠部114bは、野縁受け引っ掛け部112に形成される部分である。第二の切欠部114bは、野縁受け引っ掛け部112の前後方向の全体に亘って形成される。第二の切欠部114bは、右側が前方へ行くに従って右方へ徐々に傾斜した形状(平面視で略台形状)に形成される。すなわち、第二の切欠部114bの左右方向幅は、第一の切欠部114aの左右方向幅よりも大きい。
【0056】
第三の切欠部114cは、野縁受け固定部111に形成される部分である。第三の切欠部114cは、野縁受け固定部111の上下方向の全体に亘って形成される。第三の切欠部114cの上部は、第二の切欠部114bの前端部の左右方向幅と同じ幅に形成される。当該左右方向幅は、ハンガー20の形状寸法に対応するように形成される。具体的には、正面視で、第三の切欠部114cの上部の大きさ(左右方向幅)は、ハンガー20よりも大きく形成される(
図11参照)。第三の切欠部114cの下部は、右側が下方へ行くに従って左方へ徐々に傾斜した形状(正面視で略逆台形状)に形成される。第三の切欠部114cの下端部の左右方向幅は、第一の切欠部114aの左右方向幅と同じ幅に形成される。
【0057】
上述のように第二の切欠部114bの右側を徐々に傾斜させたことで、第一の切欠部114aと第三の切欠部114cの上部との左右方向幅(断面欠損)の変化を緩やかにすることができ、各々の切欠部の一部に応力が集中するのを抑制することができる。また、第三の切欠部114cの下部の右側を上述のように徐々に傾斜させたことで、右側野縁受け固定部111Rの下端部の左右方向幅を、比較的大きくすることができる。これにより、後述するように、右側野縁受け固定部111Rの下端部に接続され、当該下端部の左右方向幅と同じ幅に形成される天井材固定部115の幅寸法を比較的大きくすることができ、ひいては、天井面材60に固定することができる部分の面積を大きくすることができる。さらに、上述のように、第二の切欠部114b及び第三の切欠部114cの下部を、左右の幅が一方へ行くに従って徐々に小さくなるように傾斜させたことで、切欠部114の面積を比較的小さくすることができ、第一の補強金具110の強度を向上させることができる。
【0058】
なお、上述した例では、第二の切欠部114bの右側及び第三の切欠部114cの下部の右側を傾斜させた例を示したが、このような態様に限られない。例えば、第二の切欠部114bの及び第三の切欠部114cの下部の左右両側を傾斜させ、切欠部114を左右対称な形状に形成してもよい。
【0059】
天井材固定部115は、天井面材60が固定される部分である。天井材固定部115は、板面を上下方向へ向けて形成される。天井材固定部115は、右側野縁受け固定部111R及び左側野縁受け固定部111Lにそれぞれ設けられる。以下では、天井材固定部115のうち、右側野縁受け固定部111Rに設けられるものを「右側天井材固定部115R」、左側野縁受け固定部111Lに設けられるものを「左側天井材固定部115L」と称する。なお、図示は省略しているが、天井材固定部115には、天井面材60との固定に用いられるビスS2が挿通される適宜の下孔が形成される。
【0060】
右側天井材固定部115Rは、右側野縁受け固定部111Rから前方へ延出するように形成された部分である。右側天井材固定部115Rの後端部は、右側野縁受け固定部111Rの下端部と接続される。右側天井材固定部115Rは、平面視で略矩形状に形成される。右側天井材固定部115Rの左右方向幅は、右側野縁受け固定部111Rの下端部の左右方向幅と同じ幅に形成される。
【0061】
左側天井材固定部115Lは、左側野縁受け固定部111Lから後方へ延出するように形成された部分である。左側天井材固定部115Lの前端部は、左側野縁受け固定部111Lの下端部と接続される。左側天井材固定部115Lは、右側天井材固定部115Rと同形状に形成される。左側天井材固定部115Lの左右方向幅は、左側野縁受け固定部111Lの左右方向幅と同じ幅に形成される。
【0062】
図1、
図4及び
図5に示す第二の補強金具120は、一対の野縁受け継ぎブレース80と、野縁受け継ぎ部材40と、天井面材60と、にそれぞれ固定される部材である。第二の補強金具120は、前後に長尺な形状に形成される。第二の補強金具120は、一枚の平板状の金属製部材が、適宜折り曲げられることにより形成される。第二の補強金具120は、野縁受け継ぎ固定部121、野縁受け継ぎ引っ掛け部122、野縁受け継ぎブレース固定部123、切欠部124、天井材固定部125及び補強金具固定部126を具備する。
【0063】
野縁受け継ぎ固定部121は、野縁受け継ぎ部材40が固定される部分である。野縁受け継ぎ固定部121は、板面を左右方向に向けて形成される。野縁受け継ぎ固定部121は、右側面視で、前後に長尺な略矩形状に形成される。野縁受け継ぎ固定部121は、後述する切欠部124により前後に分割される。なお以下では、野縁受け継ぎ固定部121のうち、前側に分割された部分を「前側野縁受け継ぎ固定部121F」、後側に分割された部分を「後側野縁受け継ぎ固定部121B」と称する場合がある。なお、図示は省略しているが、野縁受け継ぎ固定部121には、野縁受け継ぎ部材40との固定に用いられるビスS1が挿通される適宜の下孔が形成される。
【0064】
野縁受け継ぎ引っ掛け部122は、野縁受け継ぎ部材40の上端部に引っ掛けられる部分である。なお、「野縁受け継ぎ部材40の上端部に引っ掛けられる」は、野縁受け継ぎ部材40の上端部に仮置きされる(取り付け作業の途中に置かれる)場合も含むものとする。野縁受け継ぎ引っ掛け部122は、板面を上下方向へ向けて形成される。野縁受け継ぎ引っ掛け部122は、野縁受け継ぎ固定部121の上端部から、左方へ突出するように形成される。野縁受け継ぎ引っ掛け部122の右端部は、野縁受け継ぎ固定部121の上端部に接続される。野縁受け継ぎ引っ掛け部122は、後述する切欠部124により前後に分割される。
【0065】
野縁受け継ぎブレース固定部123は、野縁受け継ぎブレース80が固定される部分である。野縁受け継ぎブレース固定部123は、板面を左右方向に向けて形成される。野縁受け継ぎブレース固定部123は、右側面視で、前後に長尺な略矩形状に形成される。野縁受け継ぎブレース固定部123は、野縁受け継ぎ引っ掛け部122の左端部から、上方へ突出するように形成される。野縁受け継ぎブレース固定部123の下端部は、野縁受け継ぎ引っ掛け部122の左端部に接続される。野縁受け継ぎブレース固定部123は、前後中央部における下端部から上下方向中途部までが後述する切欠部124により切り欠かれている。
【0066】
切欠部124は、野縁受け継ぎ固定部121、野縁受け継ぎ引っ掛け部122及び野縁受け継ぎブレース固定部123が切り欠かれたように形成される部分である。切欠部124は、野縁受け継ぎ固定部121の前後中央部における下端部から、野縁受け継ぎブレース固定部123の前後中央部における上下方向中途部へ延びるように形成される。切欠部124は、第一の切欠部124a、第二の切欠部124b及び第三の切欠部124cを具備する。
【0067】
第一の切欠部124aは、野縁受け継ぎブレース固定部123に形成される部分である。第一の切欠部124aは、野縁受け継ぎブレース固定部123の前後中央部における下端部から、上下方向中途部へ延びるように形成される。第一の切欠部124aは、右側面視で、第一の補強金具110(野縁受けブレース固定部113)の上部を挿し込んで受け入れ可能な大きさの略矩形状に形成される。具体的には、第一の切欠部124aの前後方向幅は、野縁受けブレース固定部113の厚さ(前後方向幅)よりも大きく形成される。
【0068】
第二の切欠部124bは、野縁受け継ぎ引っ掛け部122に形成される部分である。第二の切欠部124bは、野縁受け継ぎ引っ掛け部122の前後方向の全体に亘って形成される。第二の切欠部124bの前後方向幅は、第一の切欠部124aの前後方向幅よりも大きく形成される。第二の切欠部124bは、第一の切欠部124aの下部の前後方向幅から第三の切欠部124cの上部の前後方向幅まで徐々に幅が広がるように形成される。具体的には、第二の切欠部124bは、前側が右方へ行くに従って前方へ徐々に傾斜した形状に形成される。
【0069】
第三の切欠部124cは、野縁受け継ぎ固定部121に形成される部分である。第三の切欠部124cは、野縁受け継ぎ固定部121の上下方向の全体に亘って形成される。第三の切欠部124cは、ハンガー20の形状寸法に対応するように形成される。具体的には、右側面視で、第三の切欠部124cの前後方向幅は、ハンガー20よりも大きく形成される(
図12参照)。第三の切欠部124cの前後方向幅は、第二の切欠部124bの前後方向幅と同じ幅に形成される。
【0070】
上述のように第二の切欠部124bの前側を徐々に傾斜させたことで、第一の切欠部124aと第三の切欠部124cとの前後方向幅(断面欠損)の変化を緩やかにすることができ、各々の切欠部の一部に応力が集中するのを抑制することができる。
【0071】
なお、切欠部124の形状としては、上述した例に限られない。例えば、第二の切欠部124bの前後方向幅を第一の切欠部124aの前後方向幅と同じ幅に形成し、第三の切欠部124cの上半部の前後方向幅を、下方へ行くに従って徐々に幅が広がるように形成してもよい。この場合は、例えば、第三の切欠部124cの上半部の前側を徐々に傾斜させたことで、下方へ行くに従って前方へ徐々に傾斜した形状に形成してもよい。上述のように第三の切欠部124cの上半部の前側を徐々に傾斜させた場合でも、第一の切欠部124aと第三の切欠部124cとの前後方向幅(断面欠損)の変化を緩やかにすることができ、各々の切欠部の一部に応力が集中するのを抑制することができる。
【0072】
天井材固定部125は、天井面材60が固定される部分である。天井材固定部125は、板面を上下方向へ向けて形成される。天井材固定部125は、前側野縁受け継ぎ固定部121F及び後側野縁受け継ぎ固定部121Bにそれぞれ設けられる。以下では、天井材固定部125のうち、前側野縁受け継ぎ固定部121Fに設けられるものを「前側天井材固定部125F」、後側野縁受け継ぎ固定部121Bに設けられるものを「後側天井材固定部125B」と称する。なお、図示は省略しているが、天井材固定部125には、天井面材60との固定に用いられるビスS2が挿通される適宜の下孔が形成される。
【0073】
前側天井材固定部125Fは、前側野縁受け継ぎ固定部121Fから左方へ延出するように形成された部分である。前側天井材固定部125Fの右端部は、前側野縁受け継ぎ固定部121Fの下端部と接続される。前側天井材固定部125Fは、平面視で略矩形状に形成される。前側天井材固定部125Fの前後方向幅は、前側野縁受け継ぎ固定部121Fの下端部の前後方向幅と同じ幅に形成される。
【0074】
後側天井材固定部125Bは、後側野縁受け継ぎ固定部121Bから右方へ延出するように形成された部分である。後側天井材固定部125Bの左端部は、後側野縁受け継ぎ固定部121Bの下端部と接続される。後側天井材固定部125Bは、前側天井材固定部125Fと略同形状に形成される。後側天井材固定部125Bの前後方向幅は、後側野縁受け継ぎ固定部121Bの前後方向幅と同じ幅に形成される。
【0075】
補強金具固定部126は、第一の補強金具110に固定される部分である。補強金具固定部126は、板面を前後方向へ向けて形成される。なお、図示は省略しているが、補強金具固定部126には、第一の補強金具110との固定に用いられるビスS1が挿通される適宜の下孔が形成される。補強金具固定部126は、第一の補強金具固定部126a及び第二の補強金具固定部126bを具備する。
【0076】
第一の補強金具固定部126aは、前側野縁受け継ぎ固定部121Fから左方に突出するように形成された部分である。第一の補強金具固定部126aの右端部は、前側野縁受け継ぎ固定部121Fの後端部における下部と接続される。第一の補強金具固定部126aは、正面視で略矩形状に形成される。
【0077】
第二の補強金具固定部126bは、後側野縁受け継ぎ固定部121Bから右方に突出するように形成された部分である。第二の補強金具固定部126bの左端部は、後側野縁受け継ぎ固定部121Bの前端部における上部と接続される。第二の補強金具固定部126bは、正面視で略矩形状に形成される。第二の補強金具固定部126bは、第一の補強金具110の野縁受けブレース固定部113に固定される(
図8参照)。
【0078】
以下では、
図6から
図12までを用いて、天井構造1における補強金具100の取り付け態様について説明する。
【0079】
まず、第一の補強金具110と野縁受け30との互いの位置関係について説明する。
【0080】
図6及び
図7に示すように、第一の補強金具110は、長手方向を野縁受け30の長手方向(左右方向)に沿わせて配置される。具体的には、第一の補強金具110の野縁受け固定部111は、野縁受け30の前方で、当該野縁受け30と前後方向に対向する位置に配置される。野縁受け固定部111は、野縁受け30の前面と接触される。また、第一の補強金具110の野縁受け引っ掛け部112は、野縁受け30の上方で、当該野縁受け30と上下方向に対向する位置に配置される。野縁受け引っ掛け部112は、野縁受け30の上面に上方から接触される。こうして、野縁受け引っ掛け部112は、野縁受け30の上端部に引っ掛けられる。ここで、第一の補強金具110の左側天井材固定部115Lと右側天井材固定部115Rとの面積は同じである。従って、第一の補強金具110を野縁受け30に引っ掛けた状態で、作業者が手を離した場合でも、第一の補強金具110は、野縁受け30に引っ掛けられた状態を維持することができる。
【0081】
上述した第一の補強金具110の配置は、野縁受け30の上方から、野縁受け引っ掛け部112を野縁受け30の上端部に引っ掛けることで行うことができる。これにより、第一の補強金具110を野縁受け30に引っ掛けた状態で、後述する野縁受け30に対する第一の補強金具110の固定を行うことができる。
【0082】
また、第一の補強金具110の切欠部114は、野縁受け30を支持するハンガー20と対応する位置に設けられる。具体的には、切欠部114は、正面視でハンガー20の少なくとも一部(図例ではハンガー20の上部を除く部分)が当該切欠部114(第二の切欠部114b及び第三の切欠部114c)の内側に位置するように配置される。こうして、ハンガー20を吊り下げている吊りボルト10は、第一の補強金具110と接触しないように、第一の補強金具110の野縁受けブレース固定部113の前方に配置される。また、第一の補強金具110の左右方には、野縁受け30に支持されるクリップ部材51が配置される。
【0083】
次に、第二の補強金具120と、野縁受け継ぎ部材40と、第一の補強金具110と、のそれぞれの位置関係について説明する。
【0084】
図6及び
図8に示すように、第二の補強金具120は、長手方向を野縁受け継ぎ部材40の長手方向(前後方向)に沿わせて配置される。具体的には、第二の補強金具120の野縁受け継ぎ固定部121は、野縁受け継ぎ部材40の右方で、当該野縁受け継ぎ部材40と左右方向に対向する位置に配置される。野縁受け継ぎ固定部121は、野縁受け継ぎ部材40の右面と接触される。また、第二の補強金具120の野縁受け継ぎ引っ掛け部122は、野縁受け継ぎ部材40の上方で、当該野縁受け継ぎ部材40と上下方向に対向する位置に配置される。野縁受け継ぎ引っ掛け部122は、野縁受け継ぎ部材40の上面に上方から接触される。こうして、野縁受け継ぎ引っ掛け部122は、野縁受け継ぎ部材40の上端部に引っ掛けられる。ここで、第二の補強金具120の前側天井材固定部125Fと後側天井材固定部125Bとの面積は同じである。従って、第二の補強金具120を野縁受け継ぎ部材40に引っ掛けた状態で、作業者が手を離した場合でも、第二の補強金具120は、野縁受け継ぎ部材40に引っ掛けられた状態を維持することができる。
【0085】
上述した第二の補強金具120の配置は、野縁受け継ぎ部材40の上方から、野縁受け継ぎ引っ掛け部122を野縁受け継ぎ部材40の上端部に引っ掛けることで行うことができる。これにより、第二の補強金具120を野縁受け継ぎ部材40に引っ掛けた状態で、後述する野縁受け継ぎ部材40に対する第二の補強金具120の固定を行うことができる。
【0086】
また、第二の補強金具120の切欠部124は、ハンガー20と対応する位置に設けられる。具体的には、切欠部124は、右側面視で、ハンガー20が当該切欠部124の内側に位置するように配置される。また、ハンガー20を吊り下げている吊りボルト10は、第二の補強金具120と接触しないように、第二の補強金具120の野縁受け継ぎブレース固定部123の右方に配置される。
【0087】
また、第二の補強金具120は、第一の補強金具110を跨ぐように、当該第一の補強金具110の上方に配置される。具体的には、第二の補強金具120は、切欠部124に、第一の補強金具110の野縁受けブレース固定部113を挿し込んで受け入れるように配置される。この状態では、第二の補強金具120の上部(切欠部124よりも上方の部分)は、第一の補強金具110の上方に位置する。こうして、第二の補強金具120は、平面視で、第一の補強金具110と交差(直交)するように配置される。また、この状態では、第二の補強金具120の天井材固定部125は、第一の補強金具110の天井材固定部115と同じ高さに位置する。
【0088】
第二の補強金具120の第一の補強金具固定部126aは、第一の補強金具110の野縁受け固定部111の前方で、切欠部114(第三の切欠部114c)と前後方向に対向する位置に配置される。また、第二の補強金具120の第二の補強金具固定部126bは、第一の補強金具110の野縁受けブレース固定部113の後方で、当該野縁受けブレース固定部113と前後方向に対向する位置に配置される。
【0089】
次に、第一の補強金具110と一対の野縁受けブレース70との互いの位置関係及び第二の補強金具120と一対の野縁受け継ぎブレース80との互いの位置関係について説明する。
【0090】
図10及び
図11に示すように、第一の補強金具110の野縁受けブレース固定部113は、一対の野縁受けブレース70の概ね後方に配置される。具体的には、野縁受けブレース固定部113は、一対の野縁受けブレース70の下端部の後方で、当該一対の野縁受けブレース70の下端部と前後方向に対向する位置に配置される。野縁受けブレース固定部113は、正面視で、一対の野縁受けブレース70の間に亘るように設けられる。野縁受けブレース固定部113は、一対の野縁受けブレース70の下端部の後面と接触される。
【0091】
図10及び
図12に示すように、第二の補強金具120の野縁受け継ぎブレース固定部123は、一対の野縁受け継ぎブレース80の概ね左方に配置される。具体的には、野縁受け継ぎブレース固定部123は、一対の野縁受け継ぎブレース80の下端部の左方で、当該一対の野縁受けブレース70の下端部と左右方向に対向する位置に配置される。野縁受け継ぎブレース固定部123は、右側面視で、一対の野縁受け継ぎブレース80の間に亘るように設けられる。野縁受け継ぎブレース固定部123は、一対の野縁受け継ぎブレース80の下端部の左面と接触される。
【0092】
次に、第一の補強金具110と、第二の補強金具120と、天井面材60と、のそれぞれの位置関係について説明する。
【0093】
図8及び
図9、
図11に示すように、第一の補強金具110は、天井面材60の上方に配置される。具体的には、第一の補強金具110の天井材固定部115(右側天井材固定部115R及び左側天井材固定部115L)が天井面材60の上方で、当該天井面材60と上下方向に対向する位置に配置される。右側天井材固定部115R及び左側天井材固定部115Lは、野縁50の下面と同一水平面上に位置するように配置される。こうして、右側天井材固定部115R及び左側天井材固定部115Lは、天井面材60の上面と接触される。より詳細には、
図8及び
図9に示すように、右側天井材固定部115Rは、平面視で、野縁受け30及び野縁受け継ぎ部材40が交差したことで区画される天井面材60の四つの領域(以下では「区画領域」と称する。)のうち、右前側の領域の上面と接触される。また、左側天井材固定部115Lは、天井面材60の区画領域のうち、左後側の領域の上面と接触される。
【0094】
図8及び
図9、
図12に示すように、第二の補強金具120も、第一の補強金具110と同様に天井面材60の上方に配置される。具体的には、第二の補強金具120の天井材固定部125(前側天井材固定部125F及び後側天井材固定部125B)が天井面材60の上方で、当該天井面材60と上下方向に対向する位置に配置される。前側天井材固定部125F及び後側天井材固定部125Bは、第一の補強金具110の天井材固定部115及び野縁50の下面と同一水平面上に位置するように配置される。こうして、前側天井材固定部125F及び後側天井材固定部125Bは、天井面材60の上面と接触される。より詳細には、
図8及び
図9に示すように、前側天井材固定部125Fは、天井面材60の区画領域のうち、左前側の領域の上面と接触される。また、後側天井材固定部125Bは、天井面材60の区画領域のうち、右後側の領域の上面と接触される。
【0095】
上述の如く配置された補強金具100は、野縁受けブレース70、野縁受け継ぎブレース80、野縁受け30、野縁受け継ぎ部材40及び天井面材60と、ビスやボルト等(固定手段)を用いてそれぞれ固定される。
【0096】
以下では、まず、第一の補強金具110と、第二の補強金具120と、野縁受け30と、野縁受け継ぎ部材40と、の固定態様について説明する。
【0097】
図10及び
図11に示すように、第一の補強金具110の野縁受け固定部111(正面視で、野縁受け30と重複するように配置された部分)は、野縁受け30と複数(本実施形態においては、6つ)のビス(以下では「ビスS1」と称する)を用いて固定される。複数のビスS1は、前方から後方(横方向)へ挿通される。
【0098】
また、
図10及び
図12に示すように、第二の補強金具120の野縁受け継ぎ固定部121(右側面視で、野縁受け継ぎ部材40と重複するように配置された部分)は、野縁受け継ぎ部材40と複数(本実施形態においては、6つ)のビスS1を用いて固定される。複数のビスS1は、右方から左方(横方向)へ挿通される。
【0099】
また、
図10に示すように、第二の補強金具120の第一の補強金具固定部126aは、第一の補強金具110の野縁受け固定部111と複数(本実施形態においては、3つ)のビスS1を用いて固定される。また、第二の補強金具120の第二の補強金具固定部126bは、第一の補強金具110の野縁受けブレース固定部113と複数(本実施形態においては、2つ)のビスS1を用いて固定される。複数のビスS1は、後方から前方(横方向)へ挿通される。
【0100】
次に、第一の補強金具110と一対の野縁受けブレース70との固定態様及び第二の補強金具120と一対の野縁受け継ぎブレース80との固定態様について説明する。
【0101】
図10及び
図11に示すように、第一の補強金具110の野縁受けブレース固定部113は、一対の野縁受けブレース70の下端部と複数(本実施形態においては、2つ)のボルト(以下では「ボルトB」と称する)を用いて固定される。複数のボルトBは、前方から後方(横方向)へ挿通される。
【0102】
また、
図10及び
図12に示すように、第二の補強金具120の野縁受け継ぎブレース固定部123は、一対の野縁受け継ぎブレース80の下端部と複数(本実施形態においては、2つ)のボルトBを用いて固定される。複数のボルトBは、右方から左方(横方向)へ挿通される。
【0103】
次に、第一の補強金具110と、第二の補強金具120と、天井面材60と、の固定態様について説明する。
【0104】
図10及び
図12に示すように、第一の補強金具110の右側天井材固定部115Rは、天井面材60の区画領域のうち、右前側の領域と複数のビス(以下では「ビスS2」と称する)を用いて固定される。また、第一の補強金具110の左側天井材固定部115Lも、右側天井材固定部115Rと同様に、天井面材60の区画領域のうち、右前側の領域と複数のビスS2を用いて固定される。複数のビスS2は、下方から上方へ挿通される。複数のビスS2は、前後方向及び左右方向に互いに適宜の間隔をあけて配置される。
【0105】
図10及び
図11に示すように、第二の補強金具120の前側天井材固定部125Fは、天井面材60の区画領域のうち、左前側の領域と複数のビスS2を用いて固定される。また、
図10及び
図12に示すように、また、第二の補強金具120の後側天井材固定部125Bも、前側天井材固定部125Fと同様に、天井面材60の区画領域のうち、右後側の領域と複数のビスS2を用いて固定される。複数のビスS2は、下方から上方へ挿通される。複数のビスS2は、前後方向及び左右方向に互いに適宜の間隔をあけて配置される。
【0106】
以下では、天井構造1における補強金具100の作用効果について説明する。
【0107】
上述の如き補強金具100により、一対の野縁受けブレース70、一対の野縁受け継ぎブレース80、野縁受け30、野縁受け継ぎ部材40及び天井面材60をそれぞれ固定することができる。これにより、例えば地震発生時に天井面材60が水平方向に揺れた場合、当該天井面材60に生じる水平力を補強金具100によって効果的に野縁受け30及び野縁受け継ぎ部材40に伝達し、ひいては一対の野縁受けブレース70及び野縁受け継ぎ部材40に伝達することができる。こうして、天井構造1においては、当該天井構造1を構成する上記各種の部材を一体的に変位させることができ、当該変位量を抑制し、例えば建物Hの壁部等への各種の部材の衝突により天井面材60が脱落するのを抑制することができる。また、補強金具100は、野縁受け30及び野縁受け継ぎ部材40の両方にねじ止めされて一体的に固定されているので、上記各種の部材の損傷を効果的に抑えることができる。
【0108】
また、一対の野縁受けブレース70及び一対の野縁受け継ぎブレース80と天井面材60とが、野縁受け継ぎ部材40、野縁受け30及び野縁50を介して互いに固定されるだけでなく、野縁受け30及び補強金具100(天井材固定部115及び天井材固定部125)を介して固定される。こうして、一対の野縁受けブレース70及び一対の野縁受け継ぎブレース80と天井面材60との間において応力が集中するのを抑制することができる。こうして、応力の集中による上記各種の部材(例えば、野縁受け30)が変形するのを抑制することができ、当該変形により天井面材60が脱落するのを抑制することができる。
【0109】
また、本実施形態では、補強金具100の天井材固定部115(右側天井材固定部115R及び左側天井材固定部115L)及び天井材固定部125(前側天井材固定部125F及び後側天井材固定部125B)を、天井面材60の区画領域のそれぞれに固定することができる。これにより、天井面材60をバランスよくかつ広範囲に亘り固定することができ、天井面材60の面剛性を高めることができる。
【0110】
また、本実施形態では、第一の補強金具110と第二の補強金具120とを別体としたことで、各部材を野縁受け30や野縁受け継ぎ部材40に取り付け易くすることができる。
【0111】
また、本実施形態では、第二の補強金具120の補強金具固定部126を介して、第一の補強金具110と第二の補強金具120とを互いに固定することで、一対の野縁受けブレース70と一対の野縁受け継ぎブレース80とを互いに固定することができ、各々の補強金具の面外剛性を高めることができる。
【0112】
以上のように、本実施形態に係る補強部材(補強金具100)においては、
建物Hの躯体Aと、当該建物Hの野縁50を支持する支持部材(野縁受け30、野縁受け継ぎ部材40)と、の間に架設され、平面視で十字状に配置される複数のブレース(野縁受けブレース70、野縁受け継ぎブレース80)が固定される固定補強部材(補強金具100)であって、
前記野縁50に支持された天井材(天井面材60)が固定される天井材固定部115、125と、
前記支持部材(野縁受け30、野縁受け継ぎ部材40)が固定される支持部材固定部(野縁受け固定部111、野縁受け継ぎ固定部121)と、
前記複数のブレース(野縁受けブレース70、野縁受け継ぎブレース80)の端部が固定されるブレース固定部(野縁受けブレース固定部113、野縁受け継ぎブレース固定部123)と、
を具備するものである。
【0113】
また、本実施形態に係る天井構造1においては、
建物Hの天井材(天井面材60)を支持する野縁50と、
前記野縁50を支持する支持部材と、
前記建物Hの躯体Aと前記支持部材との間に架設され、平面視で十字状に配置される複数のブレース(野縁受けブレース70、野縁受け継ぎブレース80)と、
前記天井材(天井面材60)が固定される天井材固定部115、125と、前記支持部材が固定される支持部材固定部(野縁受け固定部111、野縁受け継ぎ固定部121)と、前記複数のブレース(野縁受けブレース70、野縁受け継ぎブレース80)の端部が固定されるブレース固定部と、を有する固定補強部材(補強金具100)と、
を具備するものである。
【0114】
このような構成により、天井材(天井面材60)が脱落することを抑制することができる。すなわち、固定補強部材(補強金具100)により、平面視十字状に配置された複数のブレース(野縁受けブレース70、野縁受け継ぎブレース80)と、天井材(天井面材60)と、支持部材とを固定することができる。これにより、複数のブレース(野縁受けブレース70、野縁受け継ぎブレース80)と天井材(天井面材60)との間の応力の集中により各部材(例えば、支持部材のうち野縁受け部材(野縁受け30))が変形するのを抑制することができ、当該変形により天井材(天井面材60)が脱落することを抑制することができる。また、例えば地震発生時に天井材(天井面材60)が水平方向に揺れた場合に、当該天井材(天井面材60)に生じる水平力を固定補強部材によって複数のブレース(野縁受けブレース70、野縁受け継ぎブレース80)及び支持部材に効果的に伝達することができる。これにより、天井構造1を構成する各部材を一体的に変位させることができ、当該変位量を抑制し、例えば建物Hの壁部等への各種の部材の衝突により天井材(天井面材60)が脱落するのを抑制することができる。
【0115】
また、前記支持部材は、
前記野縁50が固定された野縁受け部材(野縁受け30)を含み、
前記支持部材固定部は、
前記野縁受け部材(野縁受け30)が固定される野縁受け固定部111を具備するものである。
【0116】
このような構成により、固定補強部材(補強金具100)により、複数のブレース(野縁受けブレース70、野縁受け継ぎブレース80)、天井材(天井面材60)及び野縁受け部材(野縁受け30)とを固定することができる。これにより、野縁受け部材(野縁受け30)を含む天井構造1を構成する各部材を一体的に変位させることで、天井材(天井面材60)が脱落するのを抑制することができる。
【0117】
また、前記支持部材は、
前記野縁50が固定された野縁受け部材(野縁受け30)に平面視で交差するように固定された野縁受け継ぎ部材40を含み、
前記支持部材固定部は、
前記野縁受け継ぎ部材40が固定される野縁受け継ぎ固定部121を具備するものである。
【0118】
このような構成により、固定補強部材(補強金具100)により、複数のブレース(野縁受けブレース70、野縁受け継ぎブレース80)、天井材(天井面材60)及び野縁受け継ぎ部材40とを固定することができる。これにより、野縁受け継ぎ部材40を含む天井構造1を構成する各部材を一体的に変位させることで、天井材(天井面材60)が脱落するのを抑制することができる。
【0119】
また、前記支持部材固定部(野縁受け固定部111、野縁受け継ぎ固定部121)は、
前記支持部材を前記躯体Aに吊るための吊り部材(ハンガー20)に対応する位置で切り欠かれた切欠部114を有するものである。
【0120】
このような構成により、固定補強部材(補強金具100)と吊り部材(ハンガー20)との接触を抑制することができる。すなわち、地震発生時に天井材(天井面材60)が水平方向に揺れた場合であって、当該天井材(天井面材60)に生じる水平力が固定補強部材(補強金具100)に伝達された場合であっても、当該固定補強部材(補強金具100)と吊り部材(ハンガー20)とが接触するのを抑制することができる。こうして、吊り部材(ハンガー20)が変形されるのを抑制し、当該変形により天井材(天井面材60)が脱落するのを抑制することができる。
【0121】
また、前記支持部材は、
前記野縁50が固定された野縁受け部材(野縁受け30)と、前記野縁受け部材(野縁受け30)に平面視で交差するように固定された野縁受け継ぎ部材40と、を含み、
前記固定補強部材(補強金具100)は、
前記複数のブレース(野縁受けブレース70、野縁受け継ぎブレース80)のうち、前記野縁受け部材(野縁受け30)側に設けられる一対の第一のブレース(野縁受けブレース70)が前記ブレース固定部(野縁受けブレース固定部113)を介してそれぞれ固定される第一の固定補強部材(第一の補強金具110)と、
前記複数のブレース(野縁受けブレース70、野縁受け継ぎブレース80)のうち、前記野縁受け継ぎ部材40側に設けられる一対の第二のブレース(野縁受け継ぎブレース80)が前記ブレース固定部(野縁受け継ぎブレース固定部123)を介してそれぞれ固定され、前記第一の固定補強部材(第一の補強金具110)とは別体に形成される第二の固定補強部材(第二の補強金具120)と、
により構成されるものである。
【0122】
このような構成により、一つの部材と、一対のブレースと、を一体的に固定することができる。すなわち、野縁受け部材(野縁受け30)側に設けられる一対の第一のブレース(野縁受けブレース70)と、第一の固定補強部材(第一の補強金具110)と、を一体的に固定することができる。また、野縁受け継ぎ部材40側に設けられる一対の第二のブレース(野縁受け継ぎブレース80)と、第二の固定補強部材(第二の補強金具120)と、を一体的に固定することができる。
また、第一の固定補強部材(第一の補強金具110)と第二の固定補強部材(第二の補強金具120)とを別体としたことで、当該部材を支持部材に取り付け易くすることができる。
【0123】
また、前記第一の固定補強部材(第一の補強金具110)と前記第二の固定補強部材(第二の補強金具120)とのうちの少なくとも一方は、
前記第一の固定補強部材(第一の補強金具110)と前記第二の固定補強部材(第二の補強金具120)とのうちの他方に固定される第一の固定部(補強金具固定部126)を有するものである。
【0124】
このような構成により、第一の固定補強部材(第一の補強金具110)と第二の固定補強部材(第二の補強金具120)とを互いに固定することで、一対の第一のブレース(野縁受けブレース70)と、一対の第二のブレース(野縁受け継ぎブレース80)と、を互いに固定することができる。
【0125】
また、前記第一の固定補強部材(第一の補強金具110)は、
平面視において前記野縁受け部材(野縁受け30)及び前記野縁受け継ぎ部材40が交差したことで区画される前記天井材(天井面材60)の四つの領域(区画領域)のうちの二つの領域に、前記天井材固定部115を介して固定され、
前記第二の固定補強部材(第二の補強金具120)は、
前記四つの領域(区画領域)のうち、前記第一の固定補強部材(第一の補強金具110)が固定される領域とは異なる二つの領域に、前記天井材固定部125を介して固定されるものである。
【0126】
このような構成により、第一の固定補強部材(第一の補強金具110)及び第二の固定補強部材(第二の補強金具120)を天井材(天井面材60)にバランスよく固定することができる。すなわち、第一の固定補強部材(第一の補強金具110)及び第二の固定補強部材(第二の補強金具120)を、平面視において野縁受け部材(野縁受け30)及び野縁受け継ぎ部材40により区画された天井材(天井面材60)の四つの領域にそれぞれ固定することで、第一の固定補強部材(第一の補強金具110)及び第二の固定補強部材(第二の補強金具120)を天井材(天井面材60)にバランスよくかつ広範囲に亘り固定することができ、天井材(天井面材60)の面剛性を高めることができる。
【0127】
なお、補強金具100は、補強部材の実施の一形態である。
また、第一の補強金具110は、第一の固定補強部材の実施の一形態である。
また、第二の補強金具120は、第二の固定補強部材の実施の一形態である。
また、野縁受けブレース固定部113は、ブレース固定部の実施の一形態である。
また、野縁受け継ぎブレース固定部123は、ブレース固定部の実施の一形態である。
また、補強金具固定部126は、第一の固定部の実施の一形態である。
また、野縁受け30及び野縁受け継ぎ部材40は、支持部材の実施の一形態である。
また、野縁受け30は、野縁受け部材の実施の一形態である。
また、ハンガー20は、吊り部材の実施の一形態である。
また、野縁受けブレース70は、第一のブレースの実施の一形態である。
また、野縁受け継ぎブレース80は、第二のブレースの実施の一形態である。
【0128】
以上、第一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0129】
例えば、本実施形態では、第二の補強金具120を、第一の補強金具110の上方に位置するように配置した例を示したが、このような態様に限定されず、第一の補強金具110を第二の補強金具120の上方に位置するように配置してもよい。この場合には、第一の補強金具110の切欠部114に、第二の補強金具120(野縁受け継ぎブレース固定部123)を挿し込んで受け入れるように配置する。また、この場合には、第一の補強金具110の天井材固定部115と、第二の補強金具120の天井材固定部125と、が同じ高さに位置するように、第一の補強金具110の形状を適宜変更する。
【0130】
また、例えば、第一の補強金具110及び第二の補強金具120の形状を、各引っ掛け部(野縁受け引っ掛け部112及び野縁受け継ぎ引っ掛け部122)の高さを除き、互いに同一形状とし、同一部品として取り扱うようにしてもよい。この場合は、第一の補強金具110及び第二の補強金具120のそれぞれに、概ね同一形状の切欠部(切欠部114及び切欠部124)や、概ね同一形状の補強金具固定部(第一の補強金具固定部126a及び第二の補強金具固定部126b)を形成するようにしてもよい。なお、この場合は、各補強金具のうち上方に配置される補強金具の切欠部を、下方に配置される補強金具を挿し込んで受け入れ可能なように、比較的大きく形成するようにしてもよい。
【0131】
また、本実施形態では、左側天井材固定部115L及び右側天井材固定部115Rを平板形状とした例を示したが、このような態様に限られない。例えば、左側天井材固定部115Lの右端部及び右側天井材固定部115Rの左端部を、それぞれ上方に屈曲させることでリブを形成してもよい。これにより、第二の補強金具120の野縁受け継ぎ固定部121(
図8等を参照)に、適宜のビスを用いて上記リブを固定することができ、第一の補強金具110及び第二の補強金具120の一体化を図ることができる。
【0132】
また、補強金具100の構成は、本実施形態に係るものに限定されない。例えば、
図13から
図21までに示す第二実施形態に係る補強金具200のようにしてもよい。以下では、第二実施形態に係る補強金具200について説明する。また、以下では、第一実施形態に係る補強金具100と同様な説明は適宜省略する。
【0133】
補強金具200は、補強金具100と同様、第三の補強金具210及び第四の補強金具220の二つの部材で構成される。第一実施形態に係る補強金具100の各部材(第一の補強金具110及び第二の補強金具120)は野縁受け30及び野縁受け継ぎ部材40のうちの一方に固定されるのに対して、第二実施形態に係る補強金具200の各部材は、野縁受け30及び野縁受け継ぎ部材40の両方に固定される点で、上記第一実施形態と異なる。また、補強金具100の各部材は同じ種類のブレース(野縁受けブレース70又は野縁受け継ぎブレース80)が一対固定されるのに対して、補強金具200の各部材には、それぞれ異なる種類(野縁受けブレース70及び野縁受け継ぎブレース80の両方)が固定される点で、上記第一実施形態と異なる。
【0134】
図13から
図15までに示す第三の補強金具210は、右側野縁受けブレース70Rと、前側野縁受け継ぎブレース80Fと、野縁受け30と、野縁受け継ぎ部材40と、天井面材60と、にそれぞれ固定される部材である。第三の補強金具210は、一枚の平板状の金属製部材が、適宜折り曲げられることにより形成される。第三の補強金具210は、第一の板部211、野縁受け引っ掛け部212、第二の板部213、野縁受け継ぎ引っ掛け部214、天井材固定部215、補強金具固定部216及び切欠部217を具備する。
【0135】
第一の板部211は、右側野縁受けブレース70R及び野縁受け30が固定される部分である。第一の板部211は、平板状に形成される。第一の板部211は、板面を前後方向に向けて形成される。第一の板部211の右上端部は、正面視で略矩形状に切り欠かれたように形成される。こうして、第一の板部211の下部は、上部よりも左右方向の長さが長くなるように形成される。なお以下では、第一の板部211の下部(左右方向の長さが上部よりも長い部分)を「下部211a」、第一の板部211の上部を「上部211b」と称する場合がある。
図13に示すように、下部211aには、野縁受け30が固定される。また、上部211bには、右側野縁受けブレース70Rが固定される。なお、図示は省略しているが、下部211aには、野縁受け30との固定に用いられるビスS1が挿通される適宜の下孔が形成される。
【0136】
野縁受け引っ掛け部212は、野縁受け30の上端部に引っ掛けられる部分である。野縁受け引っ掛け部212は、板面を上下方向へ向けて形成される。野縁受け引っ掛け部212は、第一の板部211の下部211aの右上端部から後方へ突出するように形成される。野縁受け引っ掛け部212の前端部は、下部211aの右上端部に接続される。
【0137】
第二の板部213は、前側野縁受け継ぎブレース80F及び野縁受け継ぎ部材40が固定される部分である。第二の板部213は、第一の板部211の左方に配置される。第二の板部213は、平板状に形成される。第二の板部213は、板面を左右方向に向けて形成される。第二の板部213の前上端部は、右側面視で略矩形状に切り欠かれたように形成される。こうして、第二の板部213の下部は、上部よりも前後方向の長さが長くなるように形成される。なお以下では、第二の板部213の下部(前後方向の長さが上部よりも長い部分)を「下部213a」、第二の板部213の上部を「上部213b」と称する場合がある。下部213aは、第一の板部211の下部211aよりも上下方向幅が大きい。
図13に示すように、下部213aには、野縁受け継ぎ部材40が固定される。また、上部213bには、前側野縁受け継ぎブレース80Fが固定される。なお、図示は省略しているが、下部213aには、野縁受け継ぎ部材40との固定に用いられるビスS1が挿通される適宜の下孔が形成される。
【0138】
野縁受け継ぎ引っ掛け部214は、野縁受け継ぎ部材40の上端部に引っ掛けられる部分である。野縁受け継ぎ引っ掛け部214は、板面を上下方向へ向けて形成される。野縁受け継ぎ引っ掛け部214は、第二の板部213の下部213aの前上端部から左方へ突出するように形成される。野縁受け継ぎ引っ掛け部214の右端部は、下部213aの前上端部に接続される。
【0139】
天井材固定部215は、天井面材60が固定される部分である。天井材固定部215は、平板状に形成される。天井材固定部115は、板面を上下方向へ向けて形成される。天井材固定部215の後端部は、第一の板部211の下端部と接続される。また、天井材固定部215の左端部は、第二の板部213の下端部と接続される。なお、図示は省略しているが、天井材固定部215には、天井面材60との固定に用いられるビスS2が挿通される適宜の下孔が形成される。
【0140】
補強金具固定部216は、第四の補強金具220に固定される部分である。補強金具固定部216は、第二の板部213に設けられる。補強金具固定部216は、第一の補強金具固定部216a及び第二の補強金具固定部216bを具備する。なお、図示は省略しているが、補強金具固定部216には、第四の補強金具220との固定に用いられるビスS1が挿通される適宜の下孔が形成される。
【0141】
第一の補強金具固定部216aは、第二の板部213の上部213bの後端部から左方に突出するように形成された部分である。第一の補強金具固定部216aは、板面を前後方向へ向けて形成される。第一の補強金具固定部216aの右端部は、上部213bの後端部と接続される。第一の補強金具固定部216aは、正面視で略矩形状に形成される。第一の補強金具固定部216aは、第四の補強金具220の第一の板部221に固定される(
図13参照)。
【0142】
第二の補強金具固定部216bは、第一の補強金具固定部216aの下方において、第二の板部213の上部213bの後端部から後方に突出するように形成された部分である。第二の補強金具固定部216bは、板面を左右方向へ向けて形成される。第二の補強金具固定部216bの前端部は、上部213bの後端部と接続される。第二の補強金具固定部216bは、右側面視で略矩形状に形成される。第二の補強金具固定部216bは、第四の補強金具220の第二の板部223に固定される(
図13参照)。
【0143】
切欠部217は、第一の板部211の左端部が切り欠かれたように形成される部分である。切欠部217は、第一の板部211の上下方向全体に亘って形成される。切欠部217は、ハンガー20に対応するように形成される。具体的には、正面視で、切欠部217の左右方向幅は、ハンガー20よりも大きく形成される。
【0144】
図13、
図16及び
図17に示す第四の補強金具220は、左側野縁受けブレース70Lと、後側野縁受け継ぎブレース80Bと、野縁受け30と、野縁受け継ぎ部材40と、天井面材60と、にそれぞれ固定される部材である。第四の補強金具220は、一枚の平板状の金属製部材が、適宜折り曲げられることにより形成される。
【0145】
第四の補強金具220は、切欠部217が形成されていない点を除いて、第三の補強金具210と概ね同形状である。より詳細には、第四の補強金具220は、上下方向を向けた軸を中心に、第三の補強金具210を180度回転させたものと概ね同形状である。従って、以下の説明では、第三の補強金具210と同様な点を適宜省略する。第四の補強金具220は、第一の板部221、野縁受け引っ掛け部222、第二の板部223、野縁受け継ぎ引っ掛け部224、天井材固定部225及び補強金具固定部226を具備する。
【0146】
第一の板部221は、左側野縁受けブレース70L及び野縁受け30が固定される部分である。第一の板部221は、切欠部217が形成されていない点を除いて、第三の補強金具210の第一の板部211と概ね同様である。なお以下では、第一の板部221の下部(左右方向の長さが上部よりも長い部分)を「下部221a」、第一の板部221の上部を「上部221b」と称する場合がある。
図13に示すように、下部221aには、野縁受け30が固定される。また、上部221bには、左側野縁受けブレース70Lが固定される。
【0147】
野縁受け引っ掛け部222は、野縁受け30の上端部に引っ掛けられる部分である。野縁受け引っ掛け部222は、第三の補強金具210の野縁受け引っ掛け部212と概ね同様である。
【0148】
第二の板部223は、後側野縁受け継ぎブレース80B及び野縁受け継ぎ部材40が固定される部分である。第二の板部223は、第三の補強金具210の第二の板部213と概ね同様である。なお以下では、第二の板部223の下部(前後方向の長さが上部よりも長い部分)を「下部223a」、第二の板部223の上部を「上部223b」と称する場合がある。
図13に示すように、下部223aには、野縁受け継ぎ部材40が固定される。また、上部223bには、後側野縁受け継ぎブレース80Bが固定される。
【0149】
野縁受け継ぎ引っ掛け部224は、野縁受け継ぎ部材40の上端部に引っ掛けられる部分である。野縁受け継ぎ引っ掛け部224は、第三の補強金具210の野縁受け継ぎ引っ掛け部214と概ね同様である。
【0150】
天井材固定部225は、天井面材60が固定される部分である。天井材固定部225は、第三の補強金具210の天井材固定部215と概ね同様である。
【0151】
補強金具固定部226は、第三の補強金具210に固定される部分である。補強金具固定部226は、第二の板部223に設けられる。補強金具固定部226は、第一の補強金具固定部226a及び第二の補強金具固定部226bを具備する。
【0152】
第一の補強金具固定部226aは、第二の板部223の下部223aに形成されている(第三の補強金具210の補強金具固定部216よりも下方に位置する)点を除いて、第三の補強金具210の第一の補強金具固定部216aと概ね同様である。第一の補強金具固定部226aは、第三の補強金具210の第一の板部211に固定される(
図13参照)。
【0153】
第二の補強金具固定部226bは、第二の板部223の下部223aに形成されている(第三の補強金具210の補強金具固定部216よりも下方に位置する)点を除いて、第三の補強金具210の第二の補強金具固定部216bと概ね同様である。第二の補強金具固定部226bは、第三の補強金具210の第二の板部213に固定される(
図13参照)。
【0154】
以下では、
図18から
図21までを用いて、天井構造1における補強金具200の取り付け態様について説明する。なお、以下では、第一の実施形態に係る補強金具100の取り付け態様で説明した点は適宜省略する。
【0155】
まず、第三の補強金具210と、第四の補強金具220と、野縁受け30と、野縁受け継ぎ部材40と、のそれぞれの位置関係について説明する。
【0156】
図19に示すように、第三の補強金具210は、野縁受け30の前方、かつ野縁受け継ぎ部材40の右方に配置される。また、第三の補強金具210の野縁受け引っ掛け部212は、野縁受け30の上端部に引っ掛けられ、野縁受け継ぎ引っ掛け部214は、野縁受け継ぎ部材40の上端部に引っ掛けられる。また、第三の補強金具210の切欠部217は、ハンガー20と対応する位置に設けられる。
【0157】
図18及び
図19に示すように、第四の補強金具220も、上述した第三の補強金具210と同様、野縁受け30の後方、かつ野縁受け継ぎ部材40の左方に配置されると共に、野縁受け30及び野縁受け継ぎ部材40の上端部に引っ掛けられる。
【0158】
図19に示すように、第三の補強金具210の第一の補強金具固定部216aは、第四の補強金具220の第一の板部221の前方で、当該第一の板部221と前後方向に対向する位置に配置される。なお、第一の補強金具固定部216aは、野縁受け30の前後方向幅分離間して第一の板部221と対向する。また、第二の補強金具固定部216bは、第四の補強金具220の第二の板部223の右方で、当該第二の板部223と左右方向に対向する位置に配置される。なお、第二の補強金具固定部216bは、野縁受け継ぎ部材40の左右方向幅分離間して第一の板部221と対向する。
【0159】
また、
図19に示すように、第四の補強金具220の第一の補強金具固定部226aは、第三の補強金具210の第一の板部211の後方で、当該第一の板部211と前後方向に対向する位置に配置される。なお、第一の補強金具固定部226aは、野縁受け30の前後方向幅分離間して第一の板部211と対向する。また、第二の補強金具固定部226bは、第三の補強金具210の第二の板部213の左方で、当該第二の板部223と左右方向に対向する位置に配置される。なお、第二の補強金具固定部226bは、野縁受け継ぎ部材40の左右方向幅分離間して第一の板部211と対向する。
【0160】
上述したように、本実施形態では、補強金具固定部216及び補強金具固定部226は、それぞれ対向する部材との間に、野縁受け30又は野縁受け継ぎ部材40の幅分の隙間が形成される。そこで、本実施形態では、上記隙間に適宜のスペーサ(不図示)を介在させる。なお、スペーサを介在させる態様に変えて、補強金具固定部216及び補強金具固定部226を適宜折り曲げて形成することで、上記隙間をなくすようにしてもよい。
【0161】
次に、第三の補強金具210と、第四の補強金具220と、一対の野縁受けブレース70と、一対の野縁受け継ぎブレース80と、のそれぞれの位置関係について説明する。
【0162】
図13及び
図20に示すように、第三の補強金具210の第一の板部211(上部211b)は、右側野縁受けブレース70Rの下端部の後方において、当該下端部と前後方向に対向する位置に配置される。上部211bは、右側野縁受けブレース70Rの後面と接触される。また、
図13及び
図21に示すように、第三の補強金具210の第二の板部213(上部213b)は、前側野縁受け継ぎブレース80Fの下端部の左方において、当該下端部と左右方向に対向する位置に配置される。上部213bは、前側野縁受け継ぎブレース80Fの左面と接触される。
【0163】
図13及び
図20に示すように、第四の補強金具220の第一の板部221(上部221b)は、左側野縁受けブレース70Lの下端部の後方において、当該下端部と前後方向に対向する位置に配置される。本実施形態では、第四の補強金具220は野縁受け30の後方に配置されていることから、第一の板部221は第一の板部211よりも後方に位置する。従って、第一の板部221と左側野縁受けブレース70Lの後面との間には隙間が形成される。そこで、本実施形態では、上記隙間に適宜のスペーサ(不図示)を介在させる。また、
図13及び
図21に示すように、第四の補強金具220の第二の板部223(上部223b)は、後側野縁受け継ぎブレース80Bの下端部の左方において、当該下端部と左右方向に対向する位置に配置される。上部223bは、後側野縁受け継ぎブレース80Bの左面と接触される。本実施形態では、第四の補強金具220は野縁受け継ぎ部材40の左方に配置されていることから、第二の板部223は第二の板部213よりも左方に位置する。従って、第二の板部223と後側野縁受け継ぎブレース80Bの左面との間には隙間が形成される。そこで、本実施形態では、上記隙間に適宜のスペーサ(不図示)を介在させる。
【0164】
次に、第三の補強金具210と、第四の補強金具220と、天井面材60と、のそれぞれの位置関係について説明する。
【0165】
図13、
図20及び
図21に示すように、第三の補強金具210の天井材固定部215及び第四の補強金具220の天井材固定部225は、野縁50の下面と同一水平面上に位置するように配置される。こうして、天井材固定部215及び天井材固定部225は、天井面材60の上面と接触される。より詳細には、
図13に示すように、第三の補強金具210の天井材固定部215は、天井面材60の区画領域のうち、右前側の領域の上面と接触される。また、第四の補強金具220の天井材固定部225は、天井面材60の区画領域のうち、左後側の領域の上面と接触される。
【0166】
上述の如く配置された第三の補強金具210及び第四の補強金具220は、
図13に示すように、補強金具固定部216を介してそれぞれ固定される。具体的には、第三の補強金具210の第一の補強金具固定部216aは、第四の補強金具220の第一の板部221と複数のビスS1を用いて固定される。また、第二の補強金具固定部216bは、第四の補強金具220の第二の板部223と複数のビスS1を用いて固定される。
【0167】
また、第四の補強金具220の第一の補強金具固定部226aは、第三の補強金具210の第一の板部211と複数のビスS1を用いて固定される。また、第二の補強金具固定部226bは、第三の補強金具210の第二の板部213と複数のビスS1を用いて固定される。
【0168】
上述の如く配置された補強金具200は、上述した第一実施形態と概ね同様、野縁受けブレース70、野縁受け継ぎブレース80、野縁受け30、野縁受け継ぎ部材40及び天井面材60と、ビスS1、ビスS2やボルトB等の固定手段を用いてそれぞれ固定される。
【0169】
上述の如く配置された補強金具200も、第一実施形態と概ね同様、当該天井構造1を構成する上記各種の部材を一体的に変位させることができ、天井面材60が脱落するのを抑制することができる。
【0170】
また、本実施形態では、天井面材60の四つの区画領域のうちの二つの領域と天井材固定部215及び天井材固定部225を固定している。これにより、ビスS2を止める施工箇所を少なくすることができ、施工の簡略化を図ることができる。
【0171】
以上のように、本実施形態に係る補強部材(補強金具200)においては、
前記支持部材は、
前記野縁が固定された野縁受け部材(野縁受け30)と、前記野縁受け部材(野縁受け30)に平面視で交差するように固定された野縁受け継ぎ部材40と、を含み、
前記固定補強部材(補強金具200)は、
前記複数のブレース(野縁受けブレース70、野縁受け継ぎブレース80)のうち、前記野縁受け部材(野縁受け30)側に設けられる一対の第一のブレース(野縁受けブレース70)の一方と、前記野縁受け継ぎ部材40側に設けられる一対の第二のブレース(野縁受け継ぎブレース80)の一方と、が前記ブレース固定部(上部211b、上部213b)を介してそれぞれ固定される第三の固定補強部材(第三の補強金具210)と、
前記一対の第一のブレースの他方と、前記一対の第二のブレースの他方と、が前記ブレース固定部(上部221b、上部223b)を介してそれぞれ固定され、前記第三の固定補強部材(第三の補強金具210)とは別体に形成される第四の固定補強部材(第四の補強金具220)と、
により構成されるものである。
【0172】
このような構成により、一つの部材と、第一のブレース(野縁受けブレース70)と、第二のブレース(野縁受け継ぎブレース80)と、を一体的に固定することができる。すなわち、野縁受け部材(野縁受け30)側に設けられる一対の第一のブレース(野縁受けブレース70)のうちの一方と、野縁受け継ぎ部材40側に設けられる一対の第二のブレース(野縁受け継ぎブレース80)のうちの一方と、第三の固定補強部材(第三の補強金具210)と、を一体的に固定することができる。また、一対の第一のブレース(野縁受けブレース70)のうちの他方と、一対の第二のブレース(野縁受け継ぎブレース80)のうちの他方と、第四の固定補強部材(第四の補強金具220)と、を一体的に固定することができる。また、第三の固定補強部材(第三の補強金具210)と第四の固定補強部材(第四の補強金具220)とを別体としたことで、当該部材を支持部材に取り付け易くすることができる。
【0173】
また、前記第三の固定補強部材(第三の補強金具210)と前記第四の固定補強部材(第四の補強金具220)とのうちの少なくとも一方は、
前記第三の固定補強部材(第三の補強金具210)と前記第四の固定補強部材(第四の補強金具220)とのうちの他方に固定される第二の固定部(補強金具固定部216、226)を有するものである。
【0174】
このような構成により、第三の固定補強部材(第三の補強金具210)と第四の固定補強部材(第四の補強金具220)とを互いに固定することで、一対の第一のブレース(野縁受けブレース70)と、一対の第二のブレース(野縁受け継ぎブレース80)と、を互いに固定することができる。
【0175】
また、前記第三の固定補強部材(第三の補強金具210)は、
平面視において前記野縁受け部材(野縁受け30)及び前記野縁受け継ぎ部材40が交差したことで区画される前記天井材(天井面材60)の四つの領域(区画領域)のうちの一つの領域に、前記天井材固定部215を介して固定され、
前記第四の固定補強部材(第四の補強金具220)は、
前記四つの領域(区画領域)のうち、前記第三の固定補強部材(第三の補強金具210)が固定される領域とは異なる一つの領域に、前記天井材固定部225を介して固定されるものである。
【0176】
このような構成により、施工の簡略化を図ることができる。すなわち、第三の固定補強部材(第三の補強金具210)及び第四の固定補強部材(第四の補強金具220)を、平面視において野縁受け部材(野縁受け30)及び野縁受け継ぎ部材40により区画された天井材(天井面材60)の四つの領域のうちの二つの領域に固定することで、天井材(天井面材60)と天井材固定部215、225との固定箇所を比較的少なくすることができる。これにより、ビス止め等の施工箇所を少なくすることができる。
【0177】
なお、補強金具200は、固定補強部材の実施の一形態である。
また、第三の補強金具210は、第三の固定補強部材の実施の一形態である。
また、第四の補強金具220は、第四の固定補強部材の実施の一形態である。
また、第一の板部211の上部211bは、ブレース固定部の実施の一形態である。
また、第二の板部213の上部213bは、ブレース固定部の実施の一形態である。
また、補強金具固定部216及び補強金具固定部226は、第二の固定部の実施の一形態である。
【0178】
以上、各実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0179】
例えば、
図13に示す第二実施形態では、第四の補強金具220の第一の板部211と左側野縁受けブレース70Lとの間の隙間と、第二の板部223と後側野縁受け継ぎブレース80Bとの間の隙間に、適宜のスペーサ(不図示)を介在させた例を示したが、このような態様に限定されない。例えば、
図22に示す変形例のように、第三の補強金具210又は第四の補強金具220を適宜折り曲げることで、上部211bと上部221bとを同一平面状に形成すると共に、上部213bと上部223bとを同一平面状に形成するようにしてもよい。これによれば、
図13に示されたようなブレースとの間に形成される隙間をなくすことができる。なお、図例では、第三の補強金具210を折り曲げた例を示したが、第四の補強金具220を折り曲げるようにしてもよい。
【0180】
また、補強金具の構成は、上記各実施形態に係るものに限定されない。例えば、
図23から
図28までに示す第三実施形態に係る補強金具300のようにしてもよい。以下では、第三実施形態に係る補強金具300について説明する。また、以下では、第一実施形態に係る補強金具100と同様な説明は適宜省略する。
【0181】
補強金具300は、第五の補強金具310、第六の補強金具320、第七の補強金具330及び第八の補強金具340の四つの部材で構成される。
【0182】
以下では、
図23及び
図24を用いて、第五の補強金具310の構成について詳細に説明する。
【0183】
図23に示すように、第五の補強金具310は、左側野縁受けブレース70L及び右側野縁受けブレース70Rそれぞれに固定されると共に当該左側野縁受けブレース70L及び右側野縁受けブレース70Rの間を亘るように設けられるものである。第五の補強金具310は、金属製の部材である。第五の補強金具310は、一枚の平板状の部材が適宜折り曲げられることにより形成される。第五の補強金具310は、本体部311、上端延出部312、下端延出部313、爪部314及び切欠部318を具備する。
【0184】
図24に示す本体部311は、第五の補強金具310の主たる構造体である。本体部311は、平板状に形成される。本体部311は、長手方向を左右方向に向けて配置される。本実施形態において、本体部311の長手方向の長さは、440mmに形成される。また、本体部311は、短手方向を上下方向に向けて配置される。本実施形態において、本体部311の短手方向の長さは、100mmに形成される。また、本体部311は、板厚方向を前後方向に向けて配置される。本実施形態において、本体部311の板厚方向の長さは、2.3mmに形成される。このように、本体部311は、作業者(第五の補強金具310や第六の補強金具320等の取り付け作業を行う者)が片手で容易に掴める程度の大きさに形成される。
【0185】
上端延出部312は、本体部311の上端部から後方に延出された部分である。上端延出部312は、本体部311の左右端部に亘るように形成される。
【0186】
下端延出部313は、本体部311の下端部から後方に延出された部分である。下端延出部313は、本体部311の左右端部及び後述する切欠部318を除く部分に形成される。
【0187】
こうして、上端延出部312及び下端延出部313により、第五の補強金具310の剛性が向上される。また、作業者が第五の補強金具310を片手で掴む場合に、例えば親指を下端延出部313に引っ掛けると共にその他の指を上端延出部312に引っ掛けることによって、当該作業者は(上端延出部312及び下端延出部313が無い場合と比べて)第五の補強金具310をしっかりと掴むことができる。また、下端延出部313は、本体部311を野縁受け30の上端部に仮置きする機能も有する。
【0188】
爪部314は、本体部311の左右の下端部から概ね下方に延出された部分である。左右の爪部314は、左右方向に対称形状に形成される。爪部314は、第一部分315及び第二部分316を具備する。
【0189】
第一部分315は、爪部314の第二部分316と本体部311とを接続する部分である。第一部分315は、正面視で略四角形の平板状に形成される。第一部分315は、本体部311の下端部の一部分が前下方に折り曲げられることにより形成される。すなわち、第一部分315の上端部は、本体部311と連結される。第一部分315は、下方へ行くに従って前後方向位置において本体部311から離間するような傾斜状に形成される。
【0190】
第二部分316は、爪部314の第一部分315から下方へ延出される部分である。第二部分316は、正面視で略四角形の平板状に形成される。第二部分316は、板面を前後方向へ向けて設けられる。第二部分316の上端部は、第一部分315の下端部と連結される。第二部分316の後側面は、前後方向位置において本体部311の前側面と略同一となるように形成される。第二部分316には、前後方向に貫通するビス孔317が形成される。
【0191】
切欠部318は、本体部311が切り欠かれたように形成される部分である。切欠部318は、本体部311の左右方向中央部における下端部から、上下方向中途部へ延びるように形成される。切欠部318は、正面視で、野縁受け継ぎ部材40を挿通して受け入れ可能な大きさの略矩形状に形成される。具体的には、正面視で、切欠部318の大きさ(左右方向幅及び上下方向幅)は、正面視での野縁受け継ぎ部材40よりも大きく形成される(
図28参照)。
【0192】
以下では、
図23及び
図25を用いて、第六の補強金具320の構成について詳細に説明する。
【0193】
第六の補強金具320は、後述するように、野縁受け30及び天井面材60にそれぞれ固定されるものである。第六の補強金具320は、概ね長手状に形成される。本実施形態において、第六の補強金具320の長手方向(左右方向)の長さは、220mmに形成される。第六の補強金具320は、板厚が1.2mmである一枚の金属製の板状部材が、適宜折り曲げられることにより形成される。第六の補強金具320は、側面視で前方へ向けて開放された略箱状に形成される。第六の補強金具320は、上端延出部321、垂れ部322、接続部323及び下端延出部324を具備する。
【0194】
上端延出部321は、第六の補強金具320の上側面を構成する部分である。上端延出部321は、第六の補強金具320の上端部で水平方向に延出するように設けられる。上端延出部321は、板面を上下方向へ向けて配置される。上端延出部321は、平面視で左右方向に細長い略矩形状に形成される。
【0195】
垂れ部322は、上端延出部321の前端部から垂れるように設けられた部分である。垂れ部322は、板面を前後方向へ向けて配置される。垂れ部322は、正面視で左右方向に細長い略矩形状に形成される。垂れ部322の上端部は、上端延出部321の前端部と接続される。垂れ部322には、前後方向に貫通するビス孔322aが形成される。ビス孔322aは、左右方向に互いに間隔をあけて複数(本実施形態においては、3つ)形成される。
【0196】
接続部323は、第六の補強金具320の後側面を構成する部分である。接続部323は、上端延出部321と後述する下端延出部324とを接続する。接続部323は、板面を後上方及び前下方へ向けて配置される。すなわち、接続部323は、側面視で、下端部から前上方へ直線状に延びるように形成される。こうして、接続部323の全体は、下端部から鉛直方向に対して前方へ傾斜した姿勢に形成される。接続部323の上端部は、上端延出部321の後端部に接続される。なお、上述した例では、接続部323を傾斜した姿勢(板面を後上方及び前下方へ向けた姿勢)に形成した態様を示したが、上記態様に代えて、接続部323を上下方向に延びる姿勢(板面を前後方向へ向けた姿勢)に形成してもよい。
【0197】
下端延出部324は、第六の補強金具320の下側面を構成する部分である。下端延出部324は、第六の補強金具320の下端部で水平方向に延出するように設けられる。下端延出部324は、板面を上下方向へ向けて配置され、上端延出部321と互いに平行となる。下端延出部324は、平面視で左右方向に細長い略矩形状に形成される。下端延出部324の後端部は、接続部323の下端部に接続される。下端延出部324の前端部は、上方へ折り曲げられたリブ状に形成される。なお、図示は省略しているが、下端延出部324には、天井面材60との固定に用いられるビスS2が上下方向に挿通される適宜の下孔が形成される。
【0198】
下端延出部324の短手方向(前後方向)の長さは、上端延出部321の短手方向(前後方向)の長さよりも長く形成される。本実施形態においては、下端延出部324の前後方向の長さは、50mm(上端延出部321の前後方向の長さの約3~4倍程度の長さ)に形成される。下端延出部324の後端部は、前後方向位置において上端延出部321の後端部よりも後方に位置する。なお、接続部323を傾斜させずに、上下方向に延びる姿勢(板面を前後方向へ向けた姿勢)に形成した場合には、下端延出部324の後端部と、上端延出部321の後端部と、を前後方向位置において同一の位置としてもよい。また、下端延出部324の前端部は、前後方向位置において上端延出部321の前端部よりも前方に位置する。
【0199】
こうして、第六の補強金具320においては、上端延出部321は、全体が鉛直方向に対して前方へ傾斜する接続部323を介することにより、前後方向位置において下端延出部324の内側に位置する。また、上端延出部321の前端部(すなわち、垂れ部322)は、前後方向位置において下端延出部324の中央と同一の位置に配置される。
【0200】
また、第六の補強金具320においては、上端延出部321、垂れ部322及び接続部323の上部により、側面視で下方に開放された略コの字状の空間が形成される。当該空間には、後述するように野縁受け30の上部が挿入される。なお以下では、この空間を「挿入部325」と称する。
【0201】
以下では、
図23及び
図26を用いて、第七の補強金具330の構成について詳細に説明する。
【0202】
図23に示すように、第七の補強金具330は、前側野縁受け継ぎブレース80F及び後側野縁受け継ぎブレース80Bそれぞれに固定されると共に当該前側野縁受け継ぎブレース80F及び後側野縁受け継ぎブレース80Bの間を亘るように設けられるものである。第七の補強金具330は、金属製の部材である。第七の補強金具330は、第五の補強金具310と同じ厚さの一枚の平板状の部材が適宜折り曲げられることにより形成される。
【0203】
第七の補強金具330は、第五の補強金具310を挟んで前後方向両側に位置するように、一対配置される。以下では、前側に配置される第七の補強金具330を「第七の補強金具330F」、後側に配置される第七の補強金具330を「第七の補強金具330B」と称する場合がある。一対の第七の補強金具330は、後述する補強金具固定部338を除いて、互いに概ね前後方向に対称な形状に形成される。従って、以下では、主として前側の第七の補強金具330Fの構成について説明し、後側の第七の補強金具330Bについては適宜説明を省略する。第七の補強金具330は、本体部331、上端延出部332、下端延出部333、爪部334及び補強金具固定部338を具備する。
【0204】
図25に示す本体部331は、第七の補強金具330の主たる構造体である。本体部331は、平板状に形成される。本体部331は、長手方向を前後方向に向けて配置される。本実施形態において、本体部331の長手方向の長さは、第五の補強金具310の本体部311の長手方向の長さの略半分に形成される。また、本体部331は、短手方向を上下方向に向けて配置される。本実施形態において、本体部331の短手方向の長さは、第五の補強金具310の本体部311の短手方向の長さよりも小さく形成される。また、本体部331は、板厚方向を左右方向に向けて配置される。
【0205】
上端延出部332は、本体部331の上端部から左方に延出された部分である。上端延出部332は、本体部331の前後端部に亘るように形成される。
【0206】
下端延出部333は、本体部331の下端部から左方に延出された部分である。下端延出部333は、本体部331の前端部を除く部分に形成される。
【0207】
こうして、上端延出部332及び下端延出部333により、第七の補強金具330の剛性が向上される。また、作業者が第七の補強金具330を片手で掴む場合に、例えば親指を下端延出部333に引っ掛けると共にその他の指を上端延出部332に引っ掛けることによって、当該作業者は(上端延出部332及び下端延出部333が無い場合と比べて)第七の補強金具330をしっかりと掴むことができる。また、下端延出部333は、本体部331を野縁受け継ぎ部材40の上端部に仮置きする機能も有する。
【0208】
爪部334は、本体部331の前側の下端部から概ね下方に延出された部分である。爪部334は、第一部分335及び第二部分336を具備する。
【0209】
第一部分335は、爪部334の第二部分336と本体部331とを接続する部分である。第一部分335は、本体部331の下端部の一部分が右下方に折り曲げられることにより形成される点を除いて、第五の補強金具310の第一部分315と同様な形状に形成される。
【0210】
第二部分336は、爪部334の第一部分335から下方へ延出される部分である。第二部分336は、板面を左右方向へ向けて設けられる点を除いて、第五の補強金具310の第二部分316と同様な形状に形成される。第二部分336には、左右方向に貫通するビス孔337が形成される。
【0211】
補強金具固定部338は、第五の補強金具310の本体部311に固定される部分である。補強金具固定部338は、板面を前後方向へ向けて形成される。補強金具固定部338は、本体部331の後端部から右方に延出される。補強金具固定部338は、本体部331の上下端部に亘るように形成される。補強金具固定部338は、正面視で略矩形状に形成される。補強金具固定部338の上下寸法は、第五の補強金具310の切欠部318の上端部から本体部311の上端部までの上下寸法と概ね同じ寸法に形成される。なお、図示は省略しているが、補強金具固定部338には、第五の補強金具310との固定に用いられるビスS1が前後方向に挿通される適宜の下孔が形成される。
【0212】
以上のように、前側の第七の補強金具330Fに着目して第七の補強金具330の構成について説明した。ここで、上述したように、後側の第七の補強金具330Bは、補強金具固定部338を除いて、前側の第七の補強金具330Fと概ね前後方向に対称な形状に形成される。具体的には、
図26(a)に示すように、後側の第七の補強金具330Bは、補強金具固定部338が本体部331の前端部から左方に延出される点を除いて、前側の第七の補強金具330Fと概ね前後方向に対称な形状に形成される。
【0213】
以下では、
図23及び
図27を用いて、第八の補強金具340の構成について詳細に説明する。
【0214】
第八の補強金具340は、後述するように、野縁受け継ぎ部材40及び天井面材60に固定されるものである。第八の補強金具340は、接続部323の上下寸法が、第六の補強金具320の接続部323の上下寸法より大きい点及び野縁受け30ではなく野縁受け継ぎ部材40に固定される点を除いて、第六の補強金具320と概ね同じ形状に形成される。従って、第八の補強金具340を構成する各部分は、第六の補強金具320の各部分(上端延出部321等)と同じ符号を付すと共に、説明を省略する。
【0215】
上述の如き第五の補強金具310、第六の補強金具320、第七の補強金具330及び第八の補強金具340は、天井構造1において、当該天井構造1を構成する上記各種の部材(吊りボルト10、ハンガー20、野縁受け30、野縁受け継ぎ部材40、野縁50、天井面材60、野縁受けブレース70及び野縁受け継ぎブレース80)のうち、天井面材60を除く他の部材が取り付けられた状態で、取り付け可能である。具体的には、上述の如く天井面材60を除く他の部材が取り付けられた状態で、まず第六の補強金具320及び第八の補強金具340が取り付けられる。なお、本実施形態においては、
図27等に示すように、第六の補強金具320及び第八の補強金具340が2つずつ取り付けられる。次に、第五の補強金具310及び第七の補強金具330が取り付けられる。そして最後に、天井面材60が取り付けられる。
【0216】
以下では、天井構造1における第五の補強金具310、第六の補強金具320、第七の補強金具330及び第八の補強金具340の取り付け態様について説明する。
【0217】
【0218】
本実施形態においては、上述の如く2つの第六の補強金具320が取り付けられる。2つの第六の補強金具320の取り付け態様は、左右方向に対称であることを除いて略同様である。そこで以下では、主として右側の第六の補強金具320に着目して説明を行うものとし、左側の第六の補強金具320については適宜説明を省略する。
【0219】
第六の補強金具320は、野縁受け30に上方から引っ掛けられる。より詳細には、
図27に示すように、第六の補強金具320の挿入部325に野縁受け30の上端部が挿入されると共に、当該第六の補強金具320の上端延出部321が野縁受け30の上端部に載置される。また、第六の補強金具320の垂れ部322(挿入部325の前側面)は、野縁受け30の前側面と接触する。
図23及び
図25に示すように、垂れ部322のビス孔322aには、ビスS1がねじ込まれる。なお、3つのビス孔322aのうち最も左側のビス孔322aには、第五の補強金具310のビス孔317を介してビスS1がねじ込まれる。こうして、第六の補強金具320は、垂れ部322(挿入部325の一部)がビスS1により野縁受け30と固定される。
【0220】
こうして、第六の補強金具320は、横方向に挿通された固定手段(ビスS1)により野縁受け30と固定されるため、例えば地震発生時において、例えば一対の野縁受けブレース70のうち一方の野縁受けブレース70に長手方向一方への力が作用し、他方の野縁受けブレース70に長手方向他方への力が作用した場合等、野縁受け30に対して、大きなせん断力が作用した場合であっても、野縁受け30の変形が抑制され、当該野縁受け30、第六の補強金具320と天井面材60との間の応力伝達をより確実に行うことができる。
【0221】
なお、作業者が第六の補強金具320を野縁受け30に固定する作業を行う場合、ビスS1により固定する前であっても、第六の補強金具320を野縁受け30に引っ掛けて留めておく(仮止めする)ことができる。こうして、第六の補強金具320の取り付け作業(より詳細には、ビス止め作業)を行う場合の施工性を向上させることができる。
【0222】
また、
図28に示すように、第六の補強金具320の下端延出部324の下面は、野縁50の下面と同一水平面上に位置する。第六の補強金具320の下端延出部324は、野縁50に支持された天井面材60に固定される。具体的には、第六の補強金具320の下端延出部324は、天井面材60と略隙間無く重ね合わされた状態で、天井面材60の下方から上方へねじ込まれた複数のビスS2により当該天井面材60と固定される(
図23参照)。こうして、第六の補強金具320は、野縁受け30と天井面材60とにそれぞれ固定される。
【0223】
次に、
図23、
図27及び
図28を用いて、第八の補強金具340の取り付け態様について説明する。
図23及び
図27に示すように、本実施形態においては、上述の如く2つの第八の補強金具340が取り付けられる。第八の補強金具340の取り付け態様は、野縁受け30ではなく野縁受け継ぎ部材40に取り付けられる点を除いて、第六の補強金具320の取り付け態様と概ね同様である。従って、第八の補強金具340の取り付け態様の詳細な説明は省略する。
【0224】
図28に示すように、第八の補強金具340の下端延出部324の下面は、野縁50の下面と同一水平面上に位置する。第八の補強金具340の下端延出部324は、第六の補強金具320の下端延出部324と同様、天井面材60の下方から上方へねじ込まれた複数のビスS2により当該天井面材60と固定される(
図23参照)。こうして、第六の補強金具320は、野縁受け継ぎ部材40と天井面材60とにそれぞれ固定される。
【0225】
【0226】
本実施形態においては、第五の補強金具310の右側半分と左側半分とにおける取り付け態様は、左右方向に対称であることを除いて略同様である。そこで以下では、第五の補強金具310の右側半分について着目して説明を行うものとし、左側半分については適宜説明を省略する。
【0227】
図23及び
図28に示すように、第五の補強金具310は、野縁受け30、クリップ部材51及び第六の補強金具320の上方に設けられる。第五の補強金具310は、野縁受け30、クリップ部材51及び第六の補強金具320に載置される。より詳細には、第五の補強金具310は、クリップ部材51及び第六の補強金具320に対して下端延出部313が直接的に載置される。また、第五の補強金具310は、野縁受け30に対して、クリップ部材51及び第六の補強金具320を介して下端延出部313が間接的に載置される。このように、第五の補強金具310は、野縁受け30、クリップ部材51及び第六の補強金具320に対して、直接的又は間接的に上方から接触するように設けられる。また、この状態では、第五の補強金具310の切欠部318に、野縁受け継ぎ部材40が挿通される。
【0228】
また、第五の補強金具310は、爪部314が野縁受け30に対して側方から当接するように設けられる。より詳細には、爪部314のうち、第二部分316の後側面が、第六の補強金具320の垂れ部322の前側面に前側方から当接される。なお、第六の補強金具320の垂れ部322は、野縁受け30と当接される。したがって、第五の補強金具310の爪部314は、第六の補強金具320の垂れ部322を介して野縁受け30と当接される。
【0229】
また、第五の補強金具310(爪部314)は、ビス孔317(
図27参照)に挿通されたビスS1により第六の補強金具320(垂れ部322)及び野縁受け30と固定される。なお、第五の補強金具310のビス孔317は、第六の補強金具320の左端のビス孔322aと前後方向に重複するように設けられる。こうして、第五の補強金具310と第六の補強金具320とが、前後方向に重複するように設けられたビス孔(ビス孔317及びビス孔322a)を介して共締めされる。
【0230】
また、第五の補強金具310は、右側野縁受けブレース70Rの下端部(ボルトBにより野縁受け30に固定された部分の上側の部分)と当接するように設けられる。より詳細には、第五の補強金具310の本体部311の前側面が、右側野縁受けブレース70Rの下端部の後側面(閉鎖面)と当接される。
【0231】
また、第五の補強金具310は、ビスS1により右側野縁受けブレース70Rの下端部と固定される。当該ビスS1は、第五の補強金具310の本体部311に掛かる部分の少なくとも上部及び下部それぞれに設けられる。なお、
図23に示す例では、2つのビスS1を用いて第五の補強金具310と右側野縁受けブレース70Rとを固定した例を示したが、3つ以上のビスS1を用いて固定するようにしてもよい。こうして、右側野縁受けブレース70Rは、ボルトBにより直接的に野縁受け30に固定されるだけでなく、第五の補強金具310及び第六の補強金具320を介して間接的に野縁受け30に固定される。すなわち、右側野縁受けブレース70Rは、野縁受け30に支持された野縁50を介して天井面材60を支持するだけでなく、第五の補強金具310及び第六の補強金具320(より詳細には、下端延出部324)を介して天井面材60を支持することができる。換言すれば、右側野縁受けブレース70Rは、下端部に比較的近い場所だけでなく比較的離れた場所において天井面材60を支持することができる。このように、本実施形態では、2つの第六の補強金具320(下端延出部324)により、
図28に示すように正面視における一対の野縁受けブレース70の軸線同士の交点(引き付け点)Pから、水平方向に比較的離れた場所において天井面材60を支持することができる。
【0232】
【0233】
本実施形態においては、前側の第七の補強金具330F及び後側の第七の補強金具330Bにおける取り付け態様は、前後方向に概ね対称であることを除いて略同様である。そこで以下では、前側の第七の補強金具330Fについて着目して説明を行うものとし、後側の第七の補強金具330Bについては適宜説明を省略する。
【0234】
図23及び
図28に示すように、第七の補強金具330は、野縁受け継ぎ部材40及び第八の補強金具340の上方に設けられる。第七の補強金具330は、野縁受け継ぎ部材40及び第八の補強金具340に載置される。より詳細には、第七の補強金具330は、第八の補強金具340に対して下端延出部333が直接的に載置される。また、第七の補強金具330は、野縁受け継ぎ部材40に対して、第八の補強金具340を介して下端延出部333が間接的に載置される。このように、第七の補強金具330は、野縁受け継ぎ部材40及び第八の補強金具340に対して、直接的又は間接的に上方から接触するように設けられる。
【0235】
また、第七の補強金具330は、爪部334が野縁受け継ぎ部材40に対して側方から当接するように設けられる。より詳細には、爪部334のうち、第二部分336の左側面が、第八の補強金具340の垂れ部322の右側面に右側方から当接される。なお、第八の補強金具340の垂れ部322は、野縁受け継ぎ部材40と当接される。したがって、第七の補強金具330の爪部334は、第八の補強金具340の垂れ部322を介して野縁受け継ぎ部材40と当接される。
【0236】
また、第七の補強金具330(爪部334)は、ビス孔337(
図27参照)に挿通されたビスS1により第八の補強金具340(垂れ部322)及び野縁受け継ぎ部材40と固定される。なお、第七の補強金具330のビス孔337は、第八の補強金具340の後端のビス孔322aと左右方向に重複するように設けられる。こうして、第七の補強金具330と第八の補強金具340とが、左右方向に重複するように設けられたビス孔(ビス孔337及びビス孔322a)を介して共締めされる。
【0237】
また、第七の補強金具330は、補強金具固定部338が、第五の補強金具310の本体部311と当接するように設けられる。より詳細には、第七の補強金具330(前側の第七の補強金具330F)の補強金具固定部338の後側面が、第五の補強金具310の本体部311の前側面と当接される。また、第七の補強金具330の補強金具固定部338は、ビスS1により第五の補強金具310の本体部311と固定される。これにより、第五の補強金具310と第七の補強金具330とが互いに固定される。
【0238】
また、第七の補強金具330は、前側野縁受け継ぎブレース80Fの下端部(ボルトBにより野縁受け継ぎ部材40に固定された部分の上側の部分)と当接するように設けられる。より詳細には、第七の補強金具330の本体部331の右側面が、前側野縁受け継ぎブレース80Fの下端部の左側面(閉鎖面)と当接される。
【0239】
また、第七の補強金具330は、ビスS1により前側野縁受け継ぎブレース80Fの下端部と固定される。当該ビスS1は、第七の補強金具330の本体部331に掛かる部分の少なくとも上部及び下部それぞれに設けられる。なお、
図23に示す例では、2つのビスS1を用いて第七の補強金具330とより前側野縁受け継ぎブレース80Fとを固定した例を示したが、3つ以上のビスS1を用いて固定するようにしてもよい。こうして、前側野縁受け継ぎブレース80Fは、ボルトBにより直接的に野縁受け継ぎ部材40に固定されるだけでなく、第七の補強金具330及び第八の補強金具340を介して間接的に野縁受け継ぎ部材40に固定される。すなわち、前側野縁受け継ぎブレース80Fは、野縁受け継ぎ部材40及び野縁受け30に支持された野縁50を介して天井面材60を支持するだけでなく、第七の補強金具330及び第八の補強金具340(より詳細には、下端延出部324)を介して天井面材60を支持することができる。換言すれば、前側野縁受け継ぎブレース80Fは、下端部に比較的近い場所だけでなく、比較的離れた場所において天井面材60を支持することができる。このように、本実施形態では、2つの第八の補強金具340(下端延出部324)により、右側面視における一対の野縁受け継ぎブレース80の軸線同士の交点(不図示)から、水平方向に比較的離れた場所において天井面材60を支持することができる(
図23参照)。
【0240】
上述の如く配置された補強金具300も、第一実施形態及び第二実施形態と概ね同様、当該天井構造1を構成する上記各種の部材を一体的に変位させることができ、天井面材60が脱落するのを抑制することができる。また、本実施形態では、第六の補強金具320(下端延出部324)及び第八の補強金具340(下端延出部324)により、正面視における一対の野縁受けブレース70の軸線同士の交点Pや、一対の野縁受け継ぎブレース80の軸線同士の交点(不図示)から、水平方向に比較的離れた場所において天井面材60を支持することができる。これにより、各ブレースを十字状に配置した場合の応力集中を抑制することができる。
【0241】
なお、補強金具300は、固定補強部材の実施の一形態である。
また、第五の補強金具310及び第六の補強金具320は、第一の固定補強部材の実施の一形態である。
また、第七の補強金具330及び第八の補強金具340は、第二の固定補強部材の実施の一形態である。
また、下端延出部324は、天井材固定部の実施の一形態である。
また、爪部314及び垂れ部322は、野縁受け部材固定部の実施の一形態である。
また、爪部334及び垂れ部322は、野縁受け継ぎ部材固定部の実施の一形態である。
また、本体部311及び本体部331は、ブレース固定部の実施の一形態である。
また、切欠部318は、切欠部の実施の一形態である。
また、補強金具固定部338は、第一の固定部の実施の一形態である。
【0242】
また、上記各実施形態では、補強金具100、補強金具200及び補強金具300に、切欠部(切欠部114、切欠部124、切欠部217及び切欠部318)形成した例を示したが、このような態様に限定されず、上記切欠部を形成しなくてもよい。
【0243】
また、上記各実施形態では、補強金具100、補強金具200及び補強金具300に、固定部(補強金具固定部126、補強金具固定部216、補強金具固定部226及び補強金具固定部338)を設けた例を示したが、このような態様に限定されず、上記固定部を設けなくてもよい。
【0244】
また、上記各実施形態では、補強金具100及び補強金具200を、二つの部材(第一の補強金具110及び第二の補強金具120、第三の補強金具210及び第四の補強金具220)で構成した例を示したが、このような態様に限定されない。補強金具100及び補強金具200を、一つの部材からなるものとしてもよく、また、三つ以上の部材で構成したものとしてもよい。
【0245】
また、補強金具100の構成は、上記各実施形態に係るものに限定されない。例えば、補強金具100及び補強金具200の大きさ及び形状は、適宜変更可能である。また、補強金具100及び補強金具200は、一枚の平板状の金属製部材が適宜折り曲げられることにより形成されるものとしたが、このような態様に限定されない。
【符号の説明】
【0246】
1 天井構造
30 野縁受け
40 野縁受け継ぎ部材
50 野縁
60 天井面材
70 野縁受けブレース
80 野縁受け継ぎブレース
100 補強金具