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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022117036
(43)【公開日】2022-08-10
(54)【発明の名称】引戸
(51)【国際特許分類】
   E05D 15/06 20060101AFI20220803BHJP
   E06B 7/28 20060101ALI20220803BHJP
【FI】
E05D15/06 103
E06B7/28 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021013513
(22)【出願日】2021-01-29
(71)【出願人】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100168321
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 敦
(72)【発明者】
【氏名】秋山 寿美江
(72)【発明者】
【氏名】近藤 雅之
(72)【発明者】
【氏名】梶田 秀之
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 深雪
(72)【発明者】
【氏名】国吉 真夕
【テーマコード(参考)】
2E034
【Fターム(参考)】
2E034BA02
2E034BD01
2E034EA06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】戸車走行面上の異物を回収することにより異物の引戸側への滞留を抑制することができる引戸を提供する。
【解決手段】建物の開口を開閉するために走行面上を走行可能な引戸1であって、引戸本体と、引戸本体の下端部に設けられた車輪10と、車輪10の外周面に設けられ、車輪10の回転に応じて走行面上の異物7を走行面よりも上に持ち上げるように異物7をすくい上げるすくい上げ部11と、引戸本体に設けられすくい上げ部11によりすくい上げられた異物7を回収する回収部20と、異物7を回収部20に対して導くための車輪10の回転領域として予め設定された放出領域において異物7を回収部20に向けて放出するために空気をすくい上げ部11に対して吹き出すとともに、すくい上げ部11が異物7をすくい上げるように車輪10の回転領域として予め設定された保持領域において空気の吹き出しを停止する放出機構25と、を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の開口を開閉するために走行面上を走行可能な引戸であって、
引戸本体と、
前記引戸本体の下端部に設けられた車輪と、
前記車輪の外周面に設けられ、車輪の回転に応じて前記走行面上の異物を前記走行面よりも上に持ち上げるように異物をすくい上げるすくい上げ部と、
前記引戸本体に設けられ前記すくい上げ部によりすくい上げられた異物を回収する回収部と、
前記異物を前記回収部に対して導くための前記車輪の回転領域として予め設定された放出領域において前記異物を前記回収部に向けて放出するために空気を前記すくい上げ部に対して吹き出すとともに、前記すくい上げ部が前記異物をすくい上げるための前記車輪の回転領域として予め設定された保持領域において前記空気の吹き出しを停止する放出機構と、を有する引戸。
【請求項2】
請求項1に記載の引戸において、
前記放出機構は、送風装置と、前記送風装置から送られた空気が前記すくい上げ部に吹き付けられるように前記車輪の外周面において前記すくい上げ部に向けて開口する開口部と、前記送風装置から前記開口部まで空気を導くための案内機構と、を有する引戸。
【請求項3】
請求項2に記載の引戸において、
前記案内機構は、前記車輪の軸心に沿って形成された中心通路と、前記中心通路から前記開口部まで延びる放心通路と、前記放出領域で前記中心通路に対して前記放心通路を開放し前記保持領域で前記中心通路から前記放心通路を遮断するように前記車輪の回転に応じて前記放心通路に対して相対変位可能に設けられた遮断部材と、を有する引戸。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の引戸において、
前記放出領域における前記すくい上げ部から放出される異物の放出方向に対して交差するとともに下に向き、前記すくい上げ部から放出された異物を前記回収部へ誘導するための下面を有するガイド部をさらに備え、
前記回収部は、前記ガイド部よりも下方に配置される、引戸。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の引戸において、
前記すくい上げ部は、前記車輪の外周面に対向するとともに前記車輪の接線方向に延びるすくい上げ片と、前記すくい上げ片の回転方向における第1の方向の端部から前記車輪の外周面に延びて前記すくい上げ片によりすくい上げられた前記異物を保持する保持片と、を有する、引戸。
【請求項6】
請求項5に記載の引戸において、
前記放出領域は、前記車輪の頂点から回転方向における前記第1の方向とは反対方向である第2の方向に向けて90°の範囲内に設定された放出開始角度から前記第2の方向の所定範囲に亘り設定され、
前記ガイド部は、前記放出開始角度における前記車輪の外周面よりも下で、かつ、前記車輪の頂点に対して前記第2の方向に位置する前記車輪の外周面と対向するように前記車輪の側方に設けられ、
上から見て前記回収部に重なるように設けられた上面を有する、引戸。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の引戸において、
前記すくい上げ片は、前記保持片に接続された接続部と、前記接続部から前記車輪の接線方向における前記保持片とは反対側にそれぞれ突出する第1突出部及び第2突出部と、を有し、
前記第1突出部と前記第2突出部は、互いに前記車輪の径方向に離間する、引戸。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の引戸において、
前記車輪の外周面は、溝状の走行面の底部との間に隙間を空けた状態で前記走行面に嵌まる形状を有し、
前記すくい上げ部は、前記隙間に挿入されるように前記車輪の外周面から突出する、引戸。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行面上の異物を回収する引戸に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、引戸の開閉をスムーズに保つために、引用文献1に記載のような戸体走行装置が知られている。この戸体走行装置は、戸体の下端部に設けられた戸車と、戸車の回転に連動して回転する回転ブラシと、この回転ブラシに当接自在なごみ溜ケースと、を有する。
【0003】
戸車が戸車走行面に沿って走行することにより回転ブラシの先端部が戸車走行面に接触し、それにより戸車走行面上のごみが拾い上げられる。拾い上げられたごみは、回転ブラシの先端部から振り落とされてごみ溜ケースに回収される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭53-41844号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の戸体走行装置では、回転ブラシで拾い上げられたごみが回転ブラシに滞留し、ごみ溜ケースに入らないことが想定される。また、ごみが回転ブラシの隙間に侵入した場合、この回転ブラシを手動で掃除する、或いは回転ブラシを取り換える必要があり非常に手間であった。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、戸車走行面上の異物を回収することにより当該異物の引戸側への滞留を抑制することができる引戸を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明に係る引戸は、建物の開口を開閉するために走行面上を走行可能な引戸であって、引戸本体と、前記引戸本体の下端部に設けられた車輪と、前記車輪の外周面に設けられ、車輪の回転に応じて前記走行面上の異物を前記走行面よりも上に持ち上げるように異物をすくい上げるすくい上げ部と、前記引戸本体に設けられ前記すくい上げ部によりすくい上げられた異物を回収する回収部と、前記異物を前記回収部に対して導くための前記車輪の回転領域として予め設定された放出領域において前記異物を前記回収部に向けて放出するために空気を前記すくい上げ部に対して吹き出すとともに、前記すくい上げ部が前記異物をすくい上げるように前記車輪の回転領域として予め設定された保持領域において前記空気の吹き出しを停止する放出機構と、を有する。
【0008】
この引戸によれば、車輪の回転に応じて前記走行面上の異物を前記走行面よりも上に持ち上げるように異物をすくい上げるすくい上げ部を有するので、引戸本体の開閉により車輪が回転することで、走行面上の異物をすくい上げ部によりすくい上げることができる。
【0009】
また、引戸は、放出領域において前記異物を前記回収部に向けて放出するために空気を前記すくい上げ部に対して吹き出すとともに、保持領域において前記空気の吹き出しを停止する放出機構を有する。よって、保持領域では走行面上の異物をすくい上げ部によりすくい上げることができ、また、すくい上げられた異物を放出領域ですくい上げ部から回収部に放出することができる。このため、戸車走行面上の異物の引戸側への滞留を抑制した状態で当該異物を回収することができる。
【0010】
前記引戸において、前記放出機構は、送風装置と、前記送風装置から送られた空気が前記すくい上げ部に吹き付けられるように前記車輪の外周面において前記すくい上げ部に向けて開口する開口部と、前記送風装置から前記開口部まで空気を導くための案内機構と、を有するのが好ましい。
【0011】
この構成によれば、車輪の外周面から送られた空気がすくい上げ部に吹き付けられるので、異物をすくい上げ部から効果的に車輪の径方向外側に放出することができる。このため、すくい上げ部によりすくい上げられた異物を効果的に回収部に回収することができる。
【0012】
前記引戸において、前記案内機構は、前記車輪の軸心に沿って形成された中心通路と、前記中心通路から前記開口部まで延びる放心通路と、前記放出領域で前記中心通路に対して前記放心通路を開放し前記保持領域で前記中心通路から前記放心通路を遮断するように前記車輪の回転に応じて前記放心通路に対して相対変位可能に設けられた遮断部材と、を有するのが好ましい。
【0013】
この構成によれば、車輪の回転に応じて放心通路に対して相対変位可能に設けられた遮断部材を有している。そのため、放出領域では、中心通路と放心通路とが連通されることにより異物をすくい上げ部から放出することができ、保持領域では、中心通路と放心通路とが遮断されることにより、異物がすくい上げ部から放出されるのを抑制してすくい上げ部に保持することができる。
【0014】
前記引戸において、前記放出領域における前記すくい上げ部から放出される異物の放出方向に対して交差するとともに下に向き、前記すくい上げ部から放出された異物を前記回収部へ誘導するための下面を有するガイド部をさらに備え、前記回収部は、前記ガイド部よりも下方に配置されるのが好ましい。
【0015】
この構成によれば、ガイド部はすくい上げ部から放出された異物の放出方向に対して下方を向いて交差する下面を有するので、すくい上げ部から放出された異物を下面に衝突させることができる。また、回収部は、ガイド部よりも下方に配置されるので、下面に衝突した異物を回収部に導くことができる。このため、異物を効果的に回収部に回収することができる。
【0016】
前記引戸において、前記すくい上げ部は、前記車輪の外周面に対向するとともに前記車輪の接線方向に延びるすくい上げ片と、前記すくい上げ片の回転方向における第1の方向の端部から前記車輪の外周面に延びて前記すくい上げ片によりすくい上げられた前記異物を保持する保持片と、を有するのが好ましい。
【0017】
この構成によれば、車輪の回転方向の第1の方向とは反対方向(第2の方向)への回転により走行面上にある異物の下にすくい上げ片の第1の方向側の端部を滑り込ませてすくい上げ片上に異物を載せることができる。さらに車輪の第2の方向の回転によりすくい上げ片上の異物が保持片上に移動して保持片上で異物を保持することができる。また、放出機構からの空気を用いてすくい上げ片及び保持片により車輪の回転方向の第2の方向に向けた気流を形成することができる。このため、すくい上げ部によりすくい上げられた異物を車輪の回転方向の第1の方向とは反対方向に放出することができる。
【0018】
前記引戸において、前記放出領域は、前記車輪の頂点から回転方向における前記第1の方向とは反対方向である第2の方向に向けて90°の範囲内に設定された放出開始角度から前記第2の方向の所定範囲に亘り設定され、当該引戸は、前記放出開始角度における前記車輪の外周面よりも下で、かつ、前記車輪の頂点に対して前記第2の方向に位置する前記車輪の外周面と対向するように前記車輪の側方に設けられているガイド部をさらに有し、前記ガイド部は、上から見て前記回収部に重なるように設けられた上面を有するのが好ましい。
【0019】
この構成によれば、すくい上げ部から回転方向の第2の方向に異物が放出され始める位置よりも下で、かつ、車輪に対して異物が放出される側にガイド部が位置するため、当該すくい上げ部から放出された異物をガイド部の上面に導くことができる。
【0020】
また、ガイド部の上面が、上から見て前記回収部に重なるように設けられているので、上面に載せられた異物をこの上面に沿ってスムーズに回収部に導くことができる。
【0021】
前記引戸において、前記すくい上げ片は、前記保持片に接続された接続部と、前記接続部から前記車輪の接線方向における前記保持片とは反対側にそれぞれ突出する第1突出部及び第2突出部と、を有し、前記第1突出部と前記第2突出部は、互いに前記車輪の径方向に離間するのが好ましい。
【0022】
この構成によれば、すくい上げ片は、車輪の接線方向に沿って接続部から突出する第1突出部及び第2突出部を有する。また、第1突出部と第2突出部は、互いに車輪の径方向に離間する。よって、これら第1突出部及び第2突出部により異物を挟み込むことができる。したがって、より確実に異物を走行面上からすくい上げることができる。
【0023】
前記引戸において、前記車輪の外周面は、溝状の走行面の底部との間に隙間を空けた状態で前記走行面に嵌まる形状を有し、前記すくい上げ部は、前記隙間に挿入されるように前記車輪の外周面から突出するのが好ましい。
【0024】
この構成によれば、車輪の外周面と溝状の走行面の底部との間の隙間に入り込んだ異物をすくい上げ部により効果的にすくい上げることができる。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように、本発明の引戸によれば、戸車走行面上の異物を回収することにより当該異物の引戸側への滞留を抑制することができる引戸を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施形態に係る引戸の使用状態を表す斜視図である。
図2図1に示す引戸における車輪周辺を表す拡大図である。
図3図2のIII-III断面図である。
図4図3のIV-IV断面図である。
図5】前記車輪の軸部のV-V断面図である。
図6図5のVI-VI断面図である。
図7】前記車輪に係るすくい上げ片周辺を表す正面図である。
図8図7のVIII-VIII断面図である。
図9】前記車輪に係るすくい上げ片の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態に係る引戸1について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0028】
引戸1は、図1及び図2に示すように、建物の壁面8に形成された開口を開閉するために、開口幅方向に延びる走行面5上を移動する引戸であり、壁面8の開口が最も開いた状態で、この壁面8の開口に沿って配置された戸袋9に収納される。
【0029】
図3は、引戸1の縦断面図である。以下では、図3の紙面奥側を一方側、紙面手前側を他方側、紙面右側を表側、紙面左側を裏側と呼ぶ。
【0030】
走行面5は、図3に示すように、V溝レールとして形成されている。具体的に、走行面5は、裏側方向に向かうにつれて上方に傾斜する傾斜部5aと、表側方向に向かうにつれて上方に傾斜する傾斜部5bとを有している。これら傾斜部5a,5bは、その下端部において鋭角をなすように接続されている。
【0031】
引戸1は、図3及び図4に示すように、引戸本体3と、引戸本体3の下端部に設けられた車輪10と、車輪10の軸心に沿って車輪10から両側に延びる一対の軸部14a,14bと、引戸本体3に設けられ一方の軸部14aの一端部を回転可能に支持する第1軸受け50と、引戸本体3に設けられ他方の軸部14bの他端部を回転可能に支持する第2軸受け55と、車輪10の第1部分10a(後述)の外周面に設けられ車輪10の回転に応じて走行面上の異物7をすくい上げるすくい上げ部11と、引戸本体3に設けられすくい上げ部11によりすくい上げられた異物7を回収する回収部20と、異物7をすくい上げ部11から径方向外側に放出する放出機構25と、すくい上げ部11から放出された異物7を回収部20にガイドするガイド部40と、を有する。なお、車輪10、軸部14a,14b、第1軸受け50、第2軸受け55、放出機構25、すくい上げ部11、回収部20、ガイド部40は、それぞれ引戸本体3の一方側及び他方側に設けられるが、引戸本体3は対称の構成を有するので、一方側の構成についてのみ説明し、他方側の構成については説明を省略する。
【0032】
引戸本体3は、上下方向に延びる平面視長方形状の板状部材である。引戸本体3の下端部には、車輪10、軸部14a,14b、第1軸受け50、第2軸受け55、放出機構25、回収部20及びガイド部40を収納するための収納部3aが形成されている。
【0033】
収納部3aは、図3及び図4に示すように、引戸本体3の表側を形成する表側壁3Aと、引戸本体3の裏側を形成する裏側壁3Bと、引戸本体3の下面を形成する下壁3Dと、
表側壁3Aと裏側壁3Bとの間に設けられているとともに下壁3Dに対向する上壁3Cと、引戸本体3の他方側の端面を形成する他端壁3Eと、他端壁3Eの一方側に設けられているとともに他端壁3Eに対向する一端壁3Fと、により形成される。
【0034】
表側壁3Aには、回収部20を収納部3aから引戸本体3の外側に取り出すための取り出し部3b(図2参照)と、放出機構25の送風装置30(後述)により吸引された空気を排気するための通気部3c(図3参照)と、が設けられている。
【0035】
取り出し部3bは、表側壁3Aの一部に形成された開口と、この開口を開閉可能となるように表側壁3Aに取り付けられた蓋部と、を有する。取り出し部3bの蓋部を開くことにより回収部20を引戸本体3の外側に取り出し、回収部20に回収された異物7を廃棄することができる。
【0036】
通気部3cは、表側壁3Aの一部に形成された開口と、この開口に形成されたルーバーと、を有する。
【0037】
下壁3Dには、図4に示すように、車輪10の下部及びそこに設けられたすくい上げ部11を通すための孔部3Gが形成されている。
【0038】
車輪10は、図3に示すように、軸部14a,14bがそれぞれ第1軸受け50及び第2軸受け55により軸支されることにより、引戸本体3に対して回転可能に支持されている。また、車輪10は、図4に示すように、下壁3Dの孔部3Gを通じて一部が下壁3Dから突出した状態で引戸本体3の収納部3aに収納されている。
【0039】
車輪10は、この車輪10の外周面と走行面5のV溝の底部とが離間した状態で車輪10が走行面5上を走行可能となるように走行面5のV溝に係合している。具体的に、車輪10は、走行面5の傾斜部5bに接する第2部分10bと、走行面5の傾斜部5aに接する第3部分10cと、第2部分10bと第3部分10cとを軸方向に接続するとともに第2部分10b及び第3部分10cが傾斜部5b及び傾斜部5aに接した状態でV溝の底部の上に配置される第1部分10aと、を有する。
【0040】
第1軸受け50は、図3に示すように、引戸本体3の裏側壁3Bに固定され、軸部14aを回転可能に支持する。具体的に、第1軸受け50は、図5に示すように、軸部14aを回転可能に支持する円筒形状の支持部50aと、支持部50aを保持する接続部50bと、を有する。
【0041】
支持部50aの内周にはボールベアリング52が設けられており、このボールベアリング52を介して軸部14aが支持されている。
【0042】
接続部50bは、案内機構28の中心通路15(後述)と連通された連通室50cを有する。この連通室50cは、支持部50aと軸部14aとが互いに密着することによって封止されている。
【0043】
第2軸受け55は、引戸本体3の表側壁3Aに固定され、軸部14bを回転可能に支持する。具体的に、第2軸受け55は、図5に示すように、軸部14bを回転可能に支持する円筒形状の支持部55aと、支持部55aを保持する本体部55bと、本体部55bから送風装置30のハウジング37(後述)に延びるとともにこのハウジング37に接続された接続部55cと、を有する。支持部55aは、上述したボールベアリング52を有する。
【0044】
第2軸受け55には、中心通路15とハウジング37の送風孔37aとを接続するように本体部55b及び接続部55cに亘って延びるファン通路34が形成されている。ファン通路34は、支持部55aと軸部14bとが互いに密着することによって封止されている。
【0045】
すくい上げ部11は、走行面5上の異物7をすくい上げるための部材である。すくい上げ部11は、車輪10の径方向外側に突出している。また、すくい上げ部11は、車輪10の回転軸を中心とする複数箇所(本実施形態では12箇所)に設けられている。すくい上げ部11は、図8及び図9に示すように、車輪10の外周面に対向するとともに車輪10の接線方向に延びるすくい上げ片110と、すくい上げ片110の回転方向の第1の方向(引戸本体3が他方側に移動する時の車輪10の回転方向)の端部から車輪10の外周面に延びてすくい上げ片110によりすくい上げられた異物7を保持する保持片111と、を有する。以下では、車輪10における第1の方向を反時計回り方向、第1の方向とは反対方向である第2の方向を時計回り方向と記載することがある。なお、本実施形態において、接線方向は、車輪10の中心線に直交する方向の成分を含んでいればよく、必ずしも車輪10の回転方向に直交するものに限定されない。
【0046】
すくい上げ片110は、車輪10の回転により走行面5上の異物7の下に入り込むことによりこの異物7をすくい上げる。すくい上げ片110は、図8及び図9に示すように、保持片111に接続された接続部110bと、車輪10の接線方向に沿って接続部110bにおける保持片111とは反対側にそれぞれ突出する第1突出部110c、第2突出部110d、及び第3突出部110eと、を有する。
【0047】
第1~第3突出部110c~110eは、それらの間で異物7を挟み込むための部分である。具体的に、第1突出部110cと、第2、第3突出部110d,110eとの間に異物7を挟み込むことが可能となるように、第1突出部110cは、第2、第3突出部110d,110eに対して、車輪10の径方向外側に離間している。
【0048】
接続部110b上に載置できない長さを有する異物(例えば、毛髪)が走行面5上に存在する場合、第1突出部110cと第2及び第3突出部110d、110eとの間に異物の一部が入り込むことにより、当該異物をすくい上げることができる。
【0049】
保持片111は、時計回り方向に車輪10が回転することに応じてすくい上げ部11が下から上に移動する際に、後述する保持領域において、すくい上げ片110によりすくい上げられた異物7が落下しないようにこの異物7を保持するための部分である。
【0050】
また、保持片111は、すくい上げ片110と協働して、後述する放出領域において、放出機構25から送出された空気を車輪10の時計回り方向に案内する。これにより、すくい上げ片110によりすくい上げられた異物7は、放出機構25から供給される空気により車輪10の時計回り方向に放出される。
【0051】
回収部20は、放出機構25により車輪10に吸着された異物7を回収するための容器であり、車輪10の走行方向の一方側(引戸本体3の収納部3aの一端壁3F側)に設けられている。回収部20は、引戸本体3に設けられた取り出し部3b(図2参照)から取り出すことができるように、引戸本体3の下壁3D上でかつ取り出し部3bと隣接した位置に設けられている。
【0052】
回収部20は、図4に示すように、車輪10から放出された異物7を受け入れるために上向きに開く開口を有する。また、回収部20の開口は、車輪10の上端位置よりも下に位置する。
【0053】
放出機構25は、異物7を回収部20に対して導くための車輪10の回転領域として予め設定された放出領域において異物7を回収部20に向けて放出するために空気をすくい上げ部11に対して吹き出す。また、放出機構25は、すくい上げ部11が異物7をすくい上げるための車輪10の回転領域として予め設定された保持領域において空気の吹き出しを停止する。
【0054】
具体的に、放出機構25は、図3及び図4に示すように、引戸本体3の収納部3a内に設けられた送風装置30と、送風装置30から送られた空気がすくい上げ部11に吹き付けられるように車輪10の外周面においてすくい上げ部に向けて開口する開口部26と、送風装置30から開口部26まで空気を導くための案内機構28(図5参照)と、を有する。
【0055】
送風装置30は、図3及び図4に示すように、引戸本体3の通気部3cに隣接して設けられたファン36と、ファン36を収納するハウジング37と、ファン36を駆動するための電源38と、を有する。ハウジング37は、引戸本体3の表側壁3Aとの間でファン収納部を区画するように表側壁3Aに取り付けられているとともに、表側壁3Aとの間でファン36を回転可能に支持する。ファン36は、引戸本体3の表裏方向に延びる軸回りに回転する。また、ハウジング37には、ファン36の作動に応じて収納部内の空気を案内機構28に送り込むための送風孔37aが形成されている。
【0056】
電源38は、ファン36に取り付けられたモーターに通電することにより、ファン36を回転させる。電源38としては、バッテリーやダイナモ等が用いられる。電源38としてバッテリーを用いる場合、常時モーターに通電してもよいが、車輪10の回転時のみファン36を通電することが好ましい。そのための構成として、例えば、モーション起動スイッチを電源38に搭載しても良い。
【0057】
開口部26は、すくい上げ片110に対向する位置に設けられている。それぞれの開口部26は、すくい上げ部11によりすくい上げられた異物7を送風装置30によりすくい上げ部11から車輪10の径方向外側に放出するように送風装置30の動作に応じて、送風装置30から送られてきた空気をすくい上げ部11に向けて吹き付ける。
【0058】
案内機構28は、図5に示すように、ファン通路34に連通されるとともに車輪10の軸部14a,14bに沿ってこの軸部14a,14bの内部に形成された中心通路15と、軸部14a,14bから開口部26まで延びる複数(本実施形態では12箇所)の放心通路12と、保持領域で中心通路15と放心通路12とを遮断し、放出領域で中心通路15と放心通路12とを連通する遮断部材60と、を有する。
【0059】
中心通路15は、図5に示すように、軸部14aの裏側の端部から軸部14bの表側の端部に亘って形成されており、引戸本体3の表側方向においてファン通路34と連通されている。
【0060】
遮断部材60は、保持領域で中心通路15から放心通路12を遮断し、放出領域で中心通路15に対して放心通路12を開放するように、車輪10の回転に応じて放心通路12に対して相対変位可能に設けられている。
【0061】
具体的に、遮断部材60は、図5に示すように、連通室15c内で第1軸受け50に固定された基端部62と、基端部62から引戸本体3の表側方向に延びて中心通路15内で放心通路12を遮断するための遮断部64と、を有する。遮断部64は、中心通路15の内側面に密着可能な形状を有する。また、遮断部64は、車輪10の回転に応じて放心通路12の開口と重なる位置に配置されることにより当該開口を閉じる。これにより、放心通路12が中心通路15から遮断され、すくい上げ部11への送風が規制される。
【0062】
放出領域は、図6に示すように、車輪10の頂点から回転方向の第2の方向(時計回り)に向けて90°の範囲内に設定された放出開始角度αから回転方向の第2の方向(時計回り)の所定範囲(角度β)に亘り設定される。具体的に、角度αは0~20度、角度βは45~60度の範囲に設定されるのが好ましく、さらに角度αは10~20度の範囲に設定されるのがより好ましい。
【0063】
遮断部64は、すくい上げ部11から回収部20が設置されている側へ異物7を放出するために、放出領域において中心通路15に対して放心通路12を連通させるための隙間を有する。放出領域においては、中心通路15と放心通路12とが連通されることにより、放出機構25からすくい上げ部11へ空気が送出される。
【0064】
なお、車輪10の回転領域のうち放出領域以外の領域は、遮断部64と中心通路15の内周面とが接触可能である保持領域として規定される。保持領域では、遮断部64により放心通路12が放出機構25から遮断され、ファン36からすくい上げ部11への空気の送出が抑制される。
【0065】
ガイド部40は、図4に示すように、放出開始角度αにおける車輪10の外周面よりも下で、かつ、車輪の頂点に対して回転方向の第2の方向側に位置する車輪10の外周面と対向するように車輪10の側方に設けられている。具体的にガイド部40は、車輪10の一方側に設けられ車輪10の外周面に対向する第1の面42と、第1の面42の径方向外側で車輪10の反時計回り方向(他方側)の端部から第1の面42の径方向外側に向かって延びる第2の面44(本発明の「上面」に対応)と、第1の面42の時計回り方向(一方側)の端部から第1の面42の径方向外側に向かって延びる第3の面46(本発明の「下面」に対応)と、を有する。
【0066】
第1の面42は、車輪10の外周面との間で、すくい上げ部11が入り込むことが可能な隙間を形成するように、車輪10の外周面から径方向に離間した状態でこの車輪10の外周面を径方向外側から覆う位置に設けられる。
【0067】
第2の面44は、車輪10が時計回りに回転している状態において、すくい上げ部11によりすくい上げられた異物7を、回収部に導くためのものである。具体的に、第2の面44は、第1の面42の第2の方向側の端部から径方向外側に延びている。また、第2の面44は、上側を向いており、上から見て車輪10から回収部20に亘って設けられる。さらに、第2の面44は、図4に示すように側面視において車輪から離れるに従い回収部20の開口に向かうように下方に湾曲する形状を有している。また、第2の面44の車輪10から遠い側(一方側)の端部は、上から見て回収部20と重なる位置に設けられている。そのため、図4及び図6の矢印Sに示すように、車輪10と回収部20との間に落下する軌道に沿って放出された異物7については、第2の面44の湾曲面に沿って回収部20に導くことができる。
【0068】
第3の面46は、車輪10が時計回りに回転している状態において、すくい上げ部11によりすくい上げられた異物7を、回収部20に導くためのものである。具体的に、第3の面46は、すくい上げ部11から放出された異物7の放出方向に交差するとともに下側を向いており、下から見て回収部20に重なるように設けられる。さらに、第3の面46は、図4に示すように側面視において車輪から離れるに従い回収部20の開口に向かうように下方に湾曲(傾斜)する形状を有している。また、第3の面46の車輪10から遠い側(一方側)の端部は、下から見て回収部20と重なる位置に設けられている。そのため、図4及び図6の矢印Tに示すように、回収部20を超える奇跡に沿って放出された異物7については、第3の面46に衝突させて回収部20に導くことができる。
【0069】
このようなガイド部40は、放出開始角度αにおける車輪10の外周面よりも下で、かつ、車輪10の頂点に対して時計回りに位置する車輪10の外周面と対向するように車輪10の側方に設けられている。
【0070】
(作用効果)
本実施形態に係る引戸1によれば、車輪10の回転に応じて走行面5上の異物7を走行面5よりも上に持ち上げるように異物7をすくい上げるすくい上げ部11を有するので、引戸本体3の開閉により車輪10が回転することで、走行面5上の異物7をすくい上げ部11によりすくい上げることができる。
【0071】
また、引戸1は、放出領域において異物7を回収部20に向けて放出するために空気をすくい上げ部11に対して吹き出すとともに、保持領域において空気の吹き出しを停止する放出機構25を有する。よって、保持領域では走行面5上の異物7をすくい上げ部11によりすくい上げることができ、また、すくい上げられた異物7を放出領域ですくい上げ部11から回収部20に放出することができる。このため、走行面5上の異物7の引戸1側への滞留を抑制した状態で異物7を回収することができる。
【0072】
また、車輪10の外周面から送られた空気がすくい上げ部11に吹き付けられるので、異物7をすくい上げ部11から効果的に車輪10の径方向外側に放出することができる。このため、すくい上げ部11によりすくい上げられた異物7を効果的に回収部20に回収することができる。
【0073】
また、案内機構28は、車輪10の回転に応じて放心通路12に対して相対変位可能に設けられた遮断部材60を有している。そのため、放出領域では、中心通路15と放心通路12とが連通されることにより異物7をすくい上げ部11から放出することができ、保持領域では、中心通路15と放心通路12とが遮断されることにより、異物7がすくい上げ部11から放出されるのを抑制してすくい上げ部11に保持することができる。
【0074】
また、すくい上げ部11は、車輪10の外周面に対向するとともに車輪10の接線方向に延びるすくい上げ片110と、すくい上げ片110の回転方向の第1の方向側(車輪10の表側から見て反時計回り方向)の端部から車輪10の外周面に延びてすくい上げ片110によりすくい上げられた異物7を保持する保持片111と、を有する。よって、車輪10の第2の方向への回転により走行面5上にある異物7の下にすくい上げ片110の第1の方向側の端部を滑り込ませてすくい上げ片110上に異物7を載せることができる。さらに車輪10の第2の方向への回転によりすくい上げ片110上の異物7が保持片111上に移動して保持片111上で異物7を保持することができる。また、開口部26は、すくい上げ片110に対向する位置に設けられているので、放出機構25からの空気を用いてすくい上げ片110及び保持片111により車輪10の回転方向の第2の方向側に向けた気流を形成することができる。このため、すくい上げ部11によりすくい上げられた異物7を車輪10の回転方向の第2の方向側(車輪10の表側から見て時計回り方向)に放出することができる。
【0075】
また、すくい上げ部11から第2の方向側に異物7が放出され始める位置よりも下で、かつ、車輪10に対して異物7が放出される側にガイド部40が位置するため、当該すくい上げ部11から放出された異物7をガイド部40の第2の面44(上面)および第3の面46(下面)に導くことができる。
【0076】
また、ガイド部40の第2の面44は、上から見て回収部20に重なるように設けられているので、図4及び図6の矢印Sに示すように、車輪10と回収部20との間に落下する軌道に沿って放出された異物7については、この第2の面44に沿ってスムーズに回収部20に導くことができる。
【0077】
また、ガイド部40の第3の面46はすくい上げ部11から放出された異物7の放出方向に対して下方を向いて交差するので、図4及び図6の矢印Tに示すように、回収部20を超える奇跡に沿って放出された異物7については、第3の面46に衝突させて回収部20に導くことができる。
【0078】
また、すくい上げ片110は、車輪10の接線方向に沿って形成された第1突出部110cと、第1突出部110cに対して車輪10の軸心方向に隣接して形成された第2、第3突出部110d,110eと、を有し、第1突出部110cと第2、第3突出部110d,110eは、互いに車輪10の径方向に離間する。よって、第1突出部110c及び第2、第3突出部110d,110eにより異物7を挟み込むことができる。このため、より確実に異物7を走行面5上からすくい上げることができる。
【0079】
また、車輪10の外周面は、溝状の走行面5の底部との間に隙間を空けた状態で走行面5に嵌まる形状を有し、すくい上げ部11は、この隙間に挿入されるように車輪10の外周面から突出する。よって、車輪10の外周面と走行面5の底部との間の隙間に入り込んだ異物7をすくい上げ部11により効果的にすくい上げることができる。
【0080】
(変形例)
上記実施形態は本発明の好ましい具体例を例示したものに過ぎず、本発明は上記実施形態に限定されない。
【0081】
上記実施形態では、走行面5としてV溝レールが形成されたものを用いたが、走行面5はV溝レールが形成されたものに限られず、例えば、平面状のものであっても良い。
【0082】
上記実施形態では、異物7をすくい上げ部11から放出するために、送風装置30からの空気が吹き出す開口部26を車輪10の外周面においてすくい上げ部11に向けて形成したが、異物7をすくい上げ部11から放出する構成はこれに限られない。例えば、送風装置30からの空気が排出される排出管を車輪10の径方向外側に設け、この排出管から排出される空気をすくい上げ部11に向けて車輪10の接線方向に吹き付けることにより異物7をすくい上げ部11から放出しても良い。
【0083】
上記実施形態では、すくい上げ部11としてすくい上げ片110と、保持片111とを有するものを用いたが、すくい上げ部11は車輪10の回転に応じて走行面5から異物7をすくい上げることができるものであれば、その構成は限定されない。例えば、異物7の下に入り込む部分を有するブラシ等によって異物7をすくい上げることもできる。この場合、走行面5にすくい上げ部11を押し付けることができるため、走行面5とすくい上げ部11との間の寸法精度を緩和できる。
【0084】
上記実施形態において、すくい上げ部11の素材として柔軟性を有するものを用いることができる。この場合、すくい上げ部11の素材として剛性を有するものを用いた場合に比べて、すくい上げ部11と走行面5の底部との接触面積を増大させることができ、すくい上げ部11と走行面5の底部との間の隙間に入り込んだ異物7を効果的にすくい上げることができる。
【0085】
上記実施形態では、回収部20を車輪10の一方側(引戸本体3の収納部3aの一端壁3F側)に設けたが、回収部20を設ける位置はこれに限られず、車輪10の他方側(引戸本体3の収納部3aの他端壁3E)であっても良い。この場合、車輪10の他方向へ異物7を放出するために、放出領域を車輪10の他方側に設けても良い。つまり、遮断部64は、車輪10の反時計回り方向に角度α~α+βの範囲に亘って中心通路15の内周面が連通可能な隙間を有していても良い。また、車輪10の時計回り方向に放出機構25からの空気を送出するすくい上げ片110の代わりに、車輪10の反時計回り方向に放出機構25からの空気を送出するすくい上げ片を用いても良い。
【0086】
上記実施形態では、ガイド部40により異物7を回収部20に導いたが、異物7を回収部20に導くための構成はこれに限られない。例えば、放出領域におけるすくい上げ部11からの放出方向に回収部20の開口を設け、すくい上げ部11から当該開口に直接異物7を回収する構成としても良い。
【0087】
上記実施形態では、開口部26は、車輪10の外周面に沿って等間隔に12箇所設けられていたが、開口部26の設置数は12箇所に限られず、適宜増減される。このことは、放心通路12及びすくい上げ部11についても同様である。
【0088】
上記実施形態では、送風装置30としてファン36を有するものを用いたが、送風装置30の構成として用いることができるのはファン36に限られない。例えば、ベンチュリ効果によりファン通路34の内部を減圧するアスピレーターをファン36の代わりに用いても良い。
【0089】
上記実施形態では、第1突出部110c~第3突出部110eの3箇所の突出部が接続部110bに形成されていたが、突出部が形成される箇所はこれら3箇所に限られず、適宜増減できる。例えば、車輪10の径方向に隣接する2箇所の突出部を設けても良い。
【0090】
その他、本発明の特許請求の範囲内で種々の設計変更が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0091】
1 引戸
5 走行面
7 異物
10 車輪
11 すくい上げ部
12 放心通路
14 軸心
15 中心通路
20 回収部
25 放出機構
30 送風装置
40 ガイド部
42 第1の面
44 第2の面(上面)
46 第3の面(下面)
60 遮断部材

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9