(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022117236
(43)【公開日】2022-08-10
(54)【発明の名称】カラーコーン用カバー照明構造およびそれに用いられる面発光体
(51)【国際特許分類】
E01F 9/688 20160101AFI20220803BHJP
E01F 9/604 20160101ALI20220803BHJP
E01F 9/608 20160101ALI20220803BHJP
E01F 13/02 20060101ALI20220803BHJP
【FI】
E01F9/688
E01F9/604
E01F9/608
E01F13/02
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021013821
(22)【出願日】2021-01-29
(71)【出願人】
【識別番号】511173169
【氏名又は名称】株式会社トップ
(74)【代理人】
【識別番号】100113804
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 敏
(72)【発明者】
【氏名】河江 宏幸
【テーマコード(参考)】
2D064
2D101
【Fターム(参考)】
2D064AA11
2D064AA21
2D064BA03
2D064CA01
2D064EB07
2D101CA11
2D101DA05
2D101EA07
2D101FA12
2D101GA22
2D101GA26
(57)【要約】
【課題】 カラーコーンに被せたカバーを光らせて、カバーに表示されている文字や図記号などを通行人や通行車両などに視認しやすくして、カラーコーン(カバー表記)の見逃しによる事故・怪我等を防止することにある。
【解決手段】 カバー20は、カバー裏面側にフレキシブルな面発光体30、例えば、有機EL(エレクトロルミネセンス)発光体などを貼着又は縫製など公知の手段で一体化して備えるものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラーコーンに被せて文字又は/及び図記号を表示させるカバーにあって、
カバー裏面側にフレキシブルな面発光体を備えたことを特徴とするカラーコーン用カバー照明構造。
【請求項2】
カバーと面発光体とが一体化されたことを特徴とする請求項1記載のカラーコーン用カバー照明構造。
【請求項3】
別体で分離されたカバーと面発光体とを重ね合わせたことを特徴とする請求項1記載のカラーコーン用カバー照明構造。
【請求項4】
フレキシブルな面発光体として有機EL(エレクトロルミネセンス)発光体を用いたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のカラーコーン用カバー照明構造。
【請求項5】
カバーは面発光体からの発光を透過することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のカラーコーン用カバー照明構造。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載のカラーコーン用カバー照明構造に用いられる面発光体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、道路・駐車場や工事現場などで使用される円錐形状のカラーコーン(登録商標)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カラーコーンは、通行人や通行車両などの行動・運行を規制・禁止したり、注意を喚起するために使用されるものである。
昨今では、このカラーコーンに文字又は/及び図記号を表示させたカバーを被せてより具体的な規制・禁止又は注意喚起を行えるようにしている(特許文献1等)。
【0003】
また、カラーコーンは一般的に赤色であるとはいえ、樹脂製のものであり、夜間はなかなか目立ちにくいという欠点があった。そのため、カラーコーンを発光させて光るカラーコーンも考案されている。例えば、カラーコーンの内部にLEDを備えるもの(特許文献2~4等)、カラーコーンの台座部にLEDを設けて円錐部へ照射するもの(特許文献5等)などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3132271号公報
【特許文献2】特開2001-143502号公報
【特許文献3】特開2005-061198号公報
【特許文献4】実用新案登録第3061996号公報
【特許文献5】特開2008-280824号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明者は、カラーコーンに被せたカバーを光らせて、カバーに表示されている文字や図記号などを通行人や通行車両などに視認しやすくして、カラーコーン(カバー表記)の見逃しによる事故・怪我等を防止することを目的として、本願発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明の第1の発明は、カラーコーンに被せて文字又は/及び図記号を表示させるカバーにあって、カバー裏面側にフレキシブルな面発光体を備えたことを特徴とするカラーコーン用カバー照明構造である。
第2の発明は、カバーと面発光体とが一体化されたことを特徴とする同カラーコーン用カバー照明構造である。
第3の発明は、別体で分離されたカバーと面発光体とを重ね合わせたことを特徴とする同カラーコーン用カバー照明構造である。
第4の発明は、フレキシブルな面発光体として有機EL(エレクトロルミネセンス)発光体を用いたことを特徴とする同カラーコーン用カバー照明構造である。
第5の発明は、カバーが面発光体からの発光を透過することを特徴とする同カラーコーン用カバー照明構造である。
第6の発明は、上記第1から5の発明に係るカラーコーン用カバー照明構造に用いられる面発光体である。
【発明の効果】
【0007】
上記する本願発明のよれば、以下のような効果を有する。
(1)カバー裏面側にフレキシブルな面発光体を備えたことで、カラーコーン自体は光らせずともカバーは光るので、そこに表示されている文字や図記号は夜間でも通行人や通行車両などに容易に視認してもらえる。
(2)カラーコーンは剛性を担保するためにある程度の厚みをもった樹脂製素材からなるので、内部からカラーコーンを光らせようとすると、高出力な光源が必要になる。しかし、本願発明は、薄手のカバーのみを光らせればよいため、高出力な光源は必要無く、エネルギー消費量も抑えられる。
(3)カラーコーンの内部に光源を設置すると、カラーコーンの円錐形が原因で、カラーコーンにかぶせたカバーに明暗差(ムラ)が出る。いくら蛍光灯のような長いものをカラーコーン内部に縦に置いても、電球ような丸いものをカラーコーン内部に置いても吊るしても、カラーコーンが円錐形であるがゆえに、明暗差(ムラ)が出てしまう。それは、光源からカバーの上部までと光源からカバーの下部までとでは、光の直進する距離が異なるからである。しかし、本願発明は、面発光体であって明暗差を無くす安定した構造なので、通行人や通行車両などの視認性が確実に高まる。
(4)カラーコーンの台座部に光源を設けて円錐部へ照射するとカバーが反射し、カラーコーンの存在自体は容易に視認できるが、カバーに表示された文字や図記号はまぶしくて反対に視認しにくくなる場合もある。しかし、本願発明は、カバーの裏面側に光源があるので、光源がバックライトになりカバーに表示された文字や図記号を視認しやすくする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本願発明の第1実施形態(一体型)を説明する説明図(1)。
【
図2】本願発明の第1実施形態(一体型)を説明する説明図(2)。
【
図3】本願発明の第1実施形態(一体型)を説明する説明図(3)。
【
図4】本願発明の第2実施形態(一体型)を説明する説明図。
【
図5】本願発明の第3実施形態(セパレート型)を説明する説明図。
【
図6】本願発明の第4実施形態(セパレート型)を説明する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1~
図3は、本願発明に係るカラーコーン用カバー照明構造の第1実施形態を説明する説明である。
まず、
図1に図示するのは、カラーコーンに被せて文字又は/及び図記号を表示させる円錐台形状のカバー20である。カバー20は、カバー裏面側にフレキシブルな面発光体30、例えば、有機EL(エレクトロルミネセンス)発光体などを貼着又は縫製など公知の手段で一体化して備える(一体型)。なお、面発光体30の電源等はカラーコーンの頂部等に適宜収納させる。
【0010】
次に、
図2に図示するのは、面発光体30と一体化したカバー20をカラーコーン10に被せた状態である。面発光体30が発光するとその光が、ターポリンなどのテント生地等でできているカバー20を透過し、カバー20全体がムラの無い均一な面発光になる。
そして、
図3に図示するように、夜間又は暗い空間等においてカバー20に表示されている文字又は/及び図記号が浮かび上がり視認可能となる。
【0011】
図4は、本願発明に係るカラーコーン用カバー照明構造の第2実施形態を説明する説明である。
第2実施形態が第1実施形態と異なるのは、面発光体30がカバー20の裏面側に設けられたポケット21に収納されて、カバー20と一体化されている点である。カラーコーンは屋外で使用されることが多いが、面発光体30をポケット21に収納することで、面発光体30を雨水や汚れから保護できる。有機EL(エレクトロルミネセンス)発光体等の電気製品は水に弱いので、第2実施形態は製品の安全性・耐久性等に大きく寄与する。
【0012】
図5は、本願発明に係るカラーコーン用カバー照明構造の第3実施形態を説明する説明である。
第3実施形態は第1実施形態及び第2実施形態と異なり、カバー20と面発光体30とを一体化することなく、別体で分離された状態で使用するものである(セパレート型)。
図5に図示するように、カラーコーン10に被せた円錐台形状の面発光体30の上に、同じ円錐台形状のカバー20を重ね合わせて使用する。これであれば、1の面発光体30に対して様々なカバー20をセットできるので、使い勝手が非常に良い。
【0013】
図6は、本願発明に係るカラーコーン用カバー照明構造の第4実施形態を説明する説明である。
第4実施形態が第3実施形態と異なるのは、同じセパレート型でありながら、カバー20が外本体25と内本体26の2重構造になっており、面発光体30がその外本体25と内本体26の間に収納されている点である。これによって、第2実施形態と同じように、面発光体30を雨水や汚れから保護できる。有機EL(エレクトロルミネセンス)発光体等の電気製品は水に弱いので、第4実施形態は製品の安全性・耐久性等に大きく寄与する。
【産業上の利用可能性】
【0014】
本願発明のカラーコーン用カバー照明構造は、カラーコーンに被せるカバー用のものであるが、カバーと同じ素材等で使用される看板等にも広く利用できるものである。
【符号の説明】
【0015】
10 カラーコーン
20 カバー
21 ポケット
25 外本体
26 内本体
30 面発光体
【手続補正書】
【提出日】2022-04-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラーコーンに被せて文字又は/及び図記号を表示させるカバーにあって、
カバー裏面側にフレキシブルな面発光体を備え、
別体で分離されたカバーと面発光体とを重ね合わせたことを特徴とするカラーコーン用カバー照明構造。
【請求項2】
カバーが外本体と内本体の2重構造になっており、面発光体がその外本体と内本体の間に収納されていることを特徴とする請求項1記載のカラーコーン用カバー照明構造。
【請求項3】
フレキシブルな面発光体として有機EL(エレクトロルミネセンス)発光体を用いたことを特徴とする請求項1又は2記載のカラーコーン用カバー照明構造。
【請求項4】
カバーは面発光体からの発光を透過することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のカラーコーン用カバー照明構造。