(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022117349
(43)【公開日】2022-08-10
(54)【発明の名称】室内機
(51)【国際特許分類】
F24F 13/20 20060101AFI20220803BHJP
【FI】
F24F1/0007 401E
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021013988
(22)【出願日】2021-01-29
(71)【出願人】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小室 常希
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼藤 翔平
(72)【発明者】
【氏名】伊東 賢吾
【テーマコード(参考)】
3L051
【Fターム(参考)】
3L051BJ03
(57)【要約】
【課題】本体前面部の端部における面積が小さな領域に複数の電装部品が集約して配置された場合であっても、電装部品に電磁ノイズが伝搬することを抑える。
【解決手段】室内機は、熱交換器が設けられた本体部と、本体部が室内に取り付けられる際に前面側となる本体前面部に配置された複数の電装部品を有する電装品ユニットと、本体部に設けられた高電圧配線及び低電圧配線と、を備える。電装品ユニットは、絶縁材料によって形成されて本体前面部における前面側空間と後面側空間とを仕切る仕切り部材を有し、前面側空間と後面側空間の一方に高電圧配線が配置され、他方に低電圧配線が配置されている。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換器が設けられた本体部と、
前記本体部が室内に取り付けられる際に前面側となる本体前面部に配置された複数の電装部品を有する電装品ユニットと、
前記本体部に設けられた高電圧配線及び低電圧配線と、を備え、
前記電装品ユニットは、絶縁材料によって形成されて前記本体前面部における前面側空間と後面側空間とを仕切る仕切り部材を有し、
前記前面側空間と前記後面側空間の一方に前記高電圧配線が配置され、他方に前記低電圧配線が配置されている、室内機。
【請求項2】
前記熱交換器に空気を供給するファンと、
前記ファンを駆動するモータと、を更に備え、
前記高電圧配線は、前記モータに接続され、
前記電装品ユニットは、前記前面側空間に前記低電圧配線が配置され、前記後面側空間に前記高電圧配線が配置され、
前記複数の電装部品は、前記低電圧配線に接続された低電圧電装部品を含む、
請求項1に記載の室内機。
【請求項3】
前記本体前面部の左右方向の一端部に配置され、外部電源と接続される電源接続部と、
前記電装品ユニット及び前記モータを制御する制御ユニットと、を更に備え、
前記制御ユニットは、交流回路部、直流高電圧回路部及び直流低電圧回路部を有し、
前記高電圧配線は、前記電源接続部と前記交流回路部とを接続する交流電線群と、前記直流高電圧回路部と前記モータとを接続する直流高電圧電線群と、を有し、
前記低電圧配線は、前記直流低電圧回路部と前記低電圧電装部品とを接続する直流低電圧電線群を有し、
前記交流電線群、前記直流高電圧電線群、及び前記直流低電圧電線群は個別に配置されている、
請求項2に記載の室内機。
【請求項4】
前記電装品ユニットの前記後面側空間において、前記交流電線群は、前記直流高電圧電線群よりも上方に配置され、
前記電装品ユニットの前記前面側空間において、前記直流低電圧電線群は、前記前面側空間の下端に配置されている、
請求項3に記載の室内機。
【請求項5】
前記モータは、前記本体前面部の前記左右方向の前記一端部に配置され、
前記電装品ユニットの前記後面側空間での前記交流電線群と前記直流高電圧電線群との間の距離において、前記本体前面部の前記左右方向における前記制御ユニット側での第1距離が、前記本体前面部の前記左右方向における前記本体前面部の外周側での第2距離よりも大きく、
前記直流高電圧電線群は、前記制御ユニット側で前記交流電線群から遠ざかるように配置されている、
請求項4に記載の室内機。
【請求項6】
前記本体前面部の前記左右方向において、前記制御ユニットは、前記電装品ユニットに対して前記本体前面部の外周側とは反対側に配置され、
前記電装品ユニットは、前記複数の電装部品のうち、電磁ノイズに対する耐性が最も低い低耐性電装部品が、前記仕切り部材における前記反対側の端部に配置されている、
請求項5に記載の室内機。
【請求項7】
前記直流高電圧電線群は、前記本体前面部の前記左右方向において、前記低耐性電装部品よりも前記本体前面部の前記外周側の位置で、前記交流電線群に近づくように配置されている、
請求項6に記載の室内機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内機に関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和機の壁掛け型の室内機は、熱交換器が設けられる本体部とそれを覆うケース部材からなり、本体部の左右方向に対して、熱交換器の幅を広げることで、熱交換器の面積を増やして熱交換量を増大させることができる。本体部の左右方向に対する熱交換器の幅を広げる場合、室内機が有する室内センサ等の各種の複数の電装部品を、本体部の左右方向において熱交換器に並べて配置せずに、室内に取り付けられた際に本体の前面側となる本体前面部の下部に配置することが知られている(特許文献1)。
【0003】
この種の室内機では、本体前面部の左右方向の一端部に、外部電源と接続される電源接続部が配置されており、本体前面部の下部に沿って並べられた複数の電装部品の各々に電源接続部から電力が供給されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した室内機において、電源接続部は、高電圧配線を介して高電圧回路部(交流回路部と直流高電圧回路部を含む)に接続され、高電圧回路部から供給される電圧を降圧して接続される直流低電圧回路部から延ばされた配線が複数の電装部品に接続されている。例えば、組み付け作業性の向上や構造の簡素化を図るために、電源接続部と各電装部品を接続するための配線を短くする場合、複数の電装部品を、電源接続部が配置された本体前面部の左右方向の一端部に集めて配置することが望ましい。しかし、この場合、本体前面部の左右方向の一端部において、面積が限られた領域に複数の電装部品を配置することが困難であるのに加え、高電圧回路部の近傍に電装部品が配置されるおそれがある。このため、電装部品が高電圧回路部や配線が発する電磁ノイズの影響を受けやすくなり、室内機や空気調和機が誤動作するおそれがある。
【0006】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、本体前面部の端部における面積が小さな領域に複数の電装部品が集約して配置された場合であっても、電装部品に電磁ノイズが伝搬するのを抑えることができる室内機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の開示する室内機の一態様は、熱交換器が設けられた本体部と、本体部が室内に取り付けられる際に前面側となる本体前面部に配置された複数の電装部品を有する電装品ユニットと、本体部に設けられた高電圧配線及び低電圧配線と、を備え、電装品ユニットは、絶縁材料によって形成されて本体前面部における前面側空間と後面側空間とを仕切る仕切り部材を有し、前面側空間と後面側空間の一方に高電圧配線が配置され、他方に低電圧配線が配置されている。
【発明の効果】
【0008】
本願の開示する室内機の一態様によれば、本体前面部の端部における面積が小さな領域に複数の電装部品が集約して配置された場合であっても、電装部品に電磁ノイズが伝搬するのを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施例の室内機を本体前面部側から示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施例の室内機の本体前面部の内部を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、実施例の室内機を模式的に示す側面図である。
【
図4】
図4は、実施例の室内機の要部を模式的に示す正面図である。
【
図5】
図5は、実施例における電装品ユニット及び制御ユニットを示す正面図である。
【
図6】
図6は、実施例における電装品ユニットと、制御ユニットの内部を示す正面図である。
【
図7】
図7は、実施例における電装品ユニットの仕切り部材が閉じた状態を模式的に示す側面図である。
【
図8】
図8は、実施例における電装品ユニットの仕切り部材が開いた状態を模式的に示す側面図である。
【
図9】
図9は、実施例における制御ユニットの内部を示す正面図である。
【
図10】
図10は、実施例における電装品ユニットの仕切り部材で仕切られる後面側空間を示す斜視図である。
【
図11】
図11は、実施例における電装品ユニットの仕切り部材で仕切られる後面側空間と、制御ユニットの内部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願の開示する室内機の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例によって、本願の開示する室内機が限定されるものではない。
【実施例0011】
(室内機の構造)
図1は、実施例の室内機を本体前面部側から示す斜視図である。
図2は、実施例の室内機の本体前面部の内部を示す斜視図である。
図3は、実施例の室内機を模式的に示す側面図である。
【0012】
図1、
図2及び
図3に示すように、実施例の室内機1は、熱交換器5が内部に設けられた本体部3を備えており、本体部3がケース部材6によって覆われている。本体部3は、熱交換器5を通過するように空気を熱交換器5に供給する貫流ファン7と、貫流ファン7を回転駆動するモータ8と、を有する。室内機1は、モータ8によって貫流ファン7が回転されることにより、室内機1の外部である室内から空気が吸い込まれて熱交換器5を通過し、熱交換器5を通過した空気が本体部3の下部に配置された吹き出し口9から室内へ送り出される。
【0013】
以下、図面では、室内機1の上下方向、すなわち室内の高さ方向をZ方向として示し、室内機1の上下方向に直交する幅方向、すなわち室内機1の左右方向をX方向として示し、室内機1の奥行方向をY方向として示す。
【0014】
室内機1の本体部3は、本体部3が室内の壁面等に取り付けられる本体後面部3Rと、本体後面部3Rに対向する本体前面部3Fと、を有する。熱交換器5は、本体部3の左右方向(X方向)に沿って設けられており、本体前面部3F、本体上部3U及び本体後面部3Rに跨って複数配置されている。貫流ファン7は、本体部3の左右方向に沿う回転軸(図示せず)まわりに回転するように配置されている。モータ8は、貫流ファン7の回転軸の軸方向である本体部3の左右方向の一端部に配置されている。言い換えると、モータ8は、本体前面部3Fの左右方向の一端部に配置されている(
図4参照)。
【0015】
また、本体部3には、外部電源(図示せず)と接続される電源接続部11が設けられている。電源接続部11は、本体部3の左右方向における一端部において、モータ8の近傍に配置されている。言い換えると、電源接続部11は、モータ8と同様に、本体前面部3Fの左右方向における一端部に配置されている(
図4参照)。図示しないが、電源接続部11は、後述する制御ユニット14と接続される複数の端子部を有しており、例えば、室外機(図示せず)等と接続される端子部を含んでいる。電源接続部11は、制御ユニット14を介してモータ8に電力を供給する。熱交換器5、モータ8及び電源接続部11等は、本体部3のシャーシ(図示せず)に支持されている。
【0016】
また、本体前面部3Fの左右方向の一端部には、複数の電装部品13を有する電装品ユニット12が配置されている。電装品ユニット12は、本体前面部3Fにおける下部に配置されている(
図3参照)。
【0017】
また、本体前面部3Fには、電装品ユニット12及びモータ8を制御する制御ユニット14が、本体前面部3Fの左右方向において、電装品ユニット12に隣り合って配置されている。制御ユニット14は、電装品ユニット12に対して、本体前面部3Fの左右方向における本体前面部3Fの外周側とは反対側に配置されている。制御ユニット14は、電源接続部11から供給された交流電圧を直流電圧に変換し、直流高電圧をモータ8に供給すると共に、直流低電圧を電装品ユニット12の各電装部品13に供給する。
【0018】
(室内機の要部の構造)
図4は、実施例の室内機1の要部を模式的に示す正面図である。
図4に示すように、室内機1の本体部3には、高電圧配線16及び低電圧配線17が設けられている。高電圧配線16は、交流電線群21と、直流高電圧電線群22と、を含んでいる。低電圧配線17は、直流低電圧電線群23を含んでいる。交流電線群21は、複数の電線が一束にまとめられて交流ハーネスとして形成されている。同様に、直流高電圧電線群22が直流高電圧ハーネスとして形成されており、直流低電圧電線群23が直流低電圧ハーネスとして形成されている。ここで、直流高電圧は、例えば、200[V]の交流電圧を整流し、平滑した200√2[V]の直流電圧を指し、直流低電圧は、直流高電圧を降圧した13[V]や5[V]の直流電圧を指す。
【0019】
交流電線群21は、電源接続部11と制御ユニット14とを接続しており、外部電源から電源接続部11に入力された電力を制御ユニット14に供給する。直流高電圧電線群22は、制御ユニット14とモータ8とを接続しており、制御ユニット14からモータ8に電力を供給する。直流低電圧電線群23は、制御ユニット14と、電装品ユニット12の各電装部品13とを接続しており、制御ユニット14から各電装部品13に電力を供給する。ここで、交流電線群21は制御ユニット14を介してモータ8や各電装部品13に電力を供給するため、流れる電流が大きいことに加え、ラインノイズや雷サージノイズの影響により、電磁ノイズを発しやすい。また、直流高電圧電線群22はモータ8に電力を供給するため、各電装部品13に電力を供給する直流低電圧電線群23に比べ、流れる電流は大きく、交流電線群21に次いで電磁ノイズを発しやすい。
【0020】
このように、本実施例における本体部3には、交流電線群21と、直流高電圧電線群22と、直流低電圧電線群23とが個別に独立して配置されている。このため、交流電線群21、直流高電圧電線群22、直流低電圧電線群23が互いに距離を確保して本体前面部3Fに配置されることで、高電圧配線16の交流電線群21、直流高電圧電線群22から、低電圧配線17の直流低電圧電線群23を介して、電装部品13としての低電圧電装部品に電磁ノイズが伝搬することを抑制できる。
【0021】
(電装品ユニット)
図5は、実施例における電装品ユニット12及び制御ユニット14を示す正面図である。
図6は、実施例における電装品ユニット12と、制御ユニット14の内部を示す正面図である。
図7は、実施例における電装品ユニット12の仕切り部材18が閉じた状態を模式的に示す側面図である。
図8は、実施例における電装品ユニット12の仕切り部材18が開いた状態を模式的に示す側面図である。
【0022】
図5、
図6及び
図7及び
図8に示すように、電装品ユニット12は、本体前面部3Fにおける前面側空間12Fと後面側空間12Rとを仕切る仕切り部材18と、仕切り部材18を回動可能に支持するベース部材19と、を有する。つまり、仕切り部材18は、本体前面部3Fの空間を前面側空間12Fと後面側空間12Rとに分けている。仕切り部材18は、例えば、樹脂材料等の絶縁材料によって形成されており、上層の前面側空間12Fと、下層の後面側空間12Rとの間で電磁ノイズの伝搬を遮る。
【0023】
電装品ユニット12には、
図7及び
図8に示すように、仕切り部材18によって仕切られた後面側空間12Rに、高電圧配線16の交流電線群21及び直流高電圧電線群22が配置されており(
図10及び
図11参照)、前面側空間12Fに、低電圧配線17の直流低電圧電線群23が配置されている。また、電装品ユニット12が有する複数の電装部品13は、低電圧配線17に接続された低電圧電装部品を含んでいる。本実施例では、複数の電装部品13の全てが低電圧電装部品である。このように、後面側空間12Rに配置された交流電線群21及び直流高電圧電線群22と、前面側空間12Fに配置された直流低電圧電線群23は、絶縁性を有する仕切り部材18を間に挟んで隔てられる。このため、高電圧配線16と低電圧配線17との間の距離が確保されるので、本体前面部3Fの左右方向の端部における面積が小さな領域に複数の電装部品13が集約して配置された場合であっても、高電圧配線16から低電圧配線17を介して、各電装部品13としての低電圧電装部品に電磁ノイズが伝搬することが抑えられる。
【0024】
なお、実施例における高電圧配線16と低電圧配線17の各配置に限定されず、前面側空間12Fに、高電圧配線16の交流電線群21及び直流高電圧電線群22が配置されて、後面側空間12Rに、低電圧配線17の直流低電圧電線群23が配置されてもよい。この場合にも、高電圧配線16から低電圧配線17を介して各電装部品13に電磁ノイズが伝搬することが抑えられる。
【0025】
また、
図7及び
図8に示すように、電装品ユニット12の後面側空間12Rにおいて、交流電線群21は、直流高電圧電線群22よりも上方に配置されており、後面側空間12Rの上端に沿って配置されている(
図10及び
図11参照)。また、電装品ユニット12の前面側空間12Fにおいて、直流低電圧電線群23は、前面側空間12Fの下端に配置されており、この下端に沿って配置されている。交流電線群21、直流高電圧電線群22及び直流低電圧電線群23の配線構造の詳細については後述する。
【0026】
これにより、電装品ユニット12の上下方向において、直流低電圧電線群23を交流電線群21から遠ざけて配置し、直流低電圧電線群23と交流電線群21との距離が確保されるので、交流電線群21が発する電磁ノイズが、直流低電圧電線群23を介して、電装部品13としての低電圧電装部品に伝搬することを抑制できる。
【0027】
仕切り部材18は、本体前面部3Fの左右方向に沿って設けられた回転軸としての複数の軸部18aと、軸部18aまわりに回動可能に設けられて複数の電装部品13を支持する支持部18bと、支持部18bの機械的強度を補強する補強部18cと、を有する。
【0028】
支持部18bは、本体前面部3Fに、軸部18aを介して上下方向(Z方向)に対して回動可能に支持されている。
図5に示すように、本体前面部3Fから本体部3を見たときに、支持部18bの少なくとも一部は、制御ユニット14に重ならないように設けられている。
【0029】
このように、仕切り部材18において、前面側空間12Fに配置される複数の電装部品13が支持部18bに支持されることで、複数の電装部品13を面積が小さな領域に集約して配置することが可能になると共に、支持部18b上に複数の電装部品13が集約されることで、軸部18aまわりに回動する回動部分である支持部18bを小さくして軽量化できる。このため、支持部18bを容易に回動操作することが可能になると共に、支持部18bの機械的強度を適正に確保し、支持部18bの回動位置の安定性が高められる。したがって、電装品ユニット12において、電装部品13の組み付け時及び保守(メンテナンス)時の作業性を高められる。加えて、支持部18bの少なくとも一部が制御ユニット14に重ならないように設けられることで、支持部18bの下層として後面側空間12Rを確保することが可能になり、後面側空間12Rに高電圧配線16や低電圧配線17を配置することが可能になる。このため、電装品ユニット12において複数の電装部品13を更に集約して配置することができる。
【0030】
図7及び
図8に示すように、複数の軸部18aは、支持部18bの下端に形成されており、本体前面部3Fの左右方向に間隔をあけて設けられている(
図10及び
図11参照)。なお、本実施例では、軸部18aが支持部18bに形成されたが、支持部18bを上下方向に対して回動可能に支持する回転軸(図示せず)が別途に設けられてもよい。
【0031】
補強部18cは、
図5及び
図6に示すように、本体前面部3Fの左右方向において支持部18bから制御ユニット14側に延びて形成されている。補強部18cには軸部18aが形成されており、軸部18aまわりに回動可能に支持されている。このため、仕切り部材18は、補強部18cによって、支持部18bにおける軸部18a近傍の機械的強度が高められる。
【0032】
また、補強部18cは、
図5に示すように、本体前面部3Fから本体部3を見たときに、制御ユニット14の後述する蓋体14aの一部を覆うように形成されている。このため、補強部18cによって、制御ユニット14から蓋体14aが脱落することを防げる。また、補強部18cは、制御ユニット14から延ばされた直流高電圧電線群22を覆うように形成されている(
図10及び
図11参照)。
【0033】
図7及び
図8に示すように、電装品ユニット12のベース部材19は、仕切り部材18の軸部18aを回動可能に支持する軸受部19aと、仕切り部材18の支持部18bの上端が掛止される掛止部19bと、を有する。
【0034】
(仕切り部材の動作)
図7及び
図8に示すように、仕切り部材18は、ベース部材19に対して軸部18aまわりに回動されることで、仕切り部材18が後面側空間12Rを覆う閉塞位置と、仕切り部材18が後面側空間12Rを本体前面部3Fの外側に開放する開放位置とに移動する。
【0035】
仕切り部材18は、閉塞位置に移動されたとき、支持部18bの上端がベース部材19の掛止部19bに嵌め込まれることで、閉塞位置に保持される。このため、電装品ユニット12、高電圧配線16及び低電圧配線17の組み付け時や保守時に、ベース部材19に対して仕切り部材18を回動させることで、前面側空間12F及び後面側空間12Rに対する作業をスムーズに行える。
【0036】
(電装部品)
複数の電装部品13は、室内機1の利用者または室内空間と各種の情報を授受する複数の情報伝達部25を構成している。複数の情報伝達部25は、利用者に情報を伝える複数の情報発信部26と、室内空間から情報を受け取る複数の情報受信部27と、室内機1の保守時に情報を入力するための情報入力部28と、を含んでいる。
【0037】
複数の情報伝達部25の各情報発信部26、各情報受信部27、情報入力部28は、仕切り部材18の支持部18bに支持されており、仕切り部材18で仕切られた前面側空間12Fに配置されている。このように、後面側空間12Rと比べて、情報を授受する対象である利用者や室内空間に近い側である前面側空間12Fに各情報伝達部25が配置されることで、仕切り部材18によって各情報伝達部25の機能が損なわれることを避けながら、複数の情報伝達部25を面積が小さな領域に集約して配置可能になる。
【0038】
本体前面部3Fにおいて各情報発信部26は、複数の情報受信部27よりも下方に配置されている。これにより、室内の上方に配置される室内機1において、情報発信部26が、室内の利用者に近い側に配置されるので、情報発信部26が利用者に情報を伝える機能が損なわれることが抑えられる。つまり、本体前面部3Fにおいて情報発信部26は、利用者の見やすい位置や、利用者の聞き取りやすい位置に配置されるので、情報発信部26から伝えられる情報が、例えば、情報受信部27等によって妨げられることを避けられる。したがって、情報伝達部25を構成する複数の電装部品13を、個々の電装部品13の機能が損なわれることを抑えながら面積が小さな領域に集約して配置することが可能になる。
【0039】
また、本体前面部3Fにおいて情報入力部28は、複数の情報受信部27よりも上方に配置されている。室内機1の通常の運転時に使われず保守作業時に使われる情報入力部28は、本体前面部3Fにおける上部に配置されても機能が損なわれない。このため、本体前面部3Fにおいて複数の情報受信部27よりも上方に情報入力部28が配置されることにより、仕切り部材18の支持部18b上に、他の情報伝達部25を構成する電装部品13を適切な位置に配置するための面積が確保されるので、複数の情報伝達部25を面積が小さな領域に集約して配置することができる。
【0040】
したがって、仕切り部材18の支持部18bには、
図5及び
図6に示すように、本体前面部3Fの上下方向において、上段に情報入力部28が配置され、中段に各情報受信部27が配置され、下段に情報発信部26が配置されている。
【0041】
複数の情報発信部26は、例えば、発光素子26aと音響素子26bを有しており、本体前面部3Fにおける下部に、発光素子26aと音響素子26bが本体前面部3Fの左右方向に沿って並んで配置されている。
【0042】
発光素子26aとしては、LED(発光ダイオード)が用いられる。発光素子26aは、点灯や点滅することで室内機1の運転状態を利用者に表示する。発光素子26aの代わりに液晶パネル等の表示素子が用いられてもよい。音響素子26bとしては、例えば、スピーカやブザー等が用いられる。音響素子26bは、室内機1の運転状態や運転状態の切り替わりを知らせる音声等を発する。
【0043】
複数の情報受信部27は、複眼輻射センサ27aと赤外線受光センサ27bを含んでいる。また、複数の情報受信部27は、本体前面部3Fの上下方向に沿う回転軸のまわりを、左右方向に回動可能に設けられた可動型の情報受信部27としての人感センサ27cを含んでいる。
【0044】
複眼輻射センサ27aは、例えば、室内空間を複数箇所に分割して各分割範囲の温度を検出することにより、室内空間の温度ムラを判断するために用いられる。赤外線受光センサ27bは、室内機1を操作する際に利用者によってリモートコントローラから送られる制御信号を受信する。人感センサ27cは、室内空間の検知範囲における利用者の有無を検知する。人感センサ27cは、利用者が検知範囲を横切った際に利用者が室内に存在すると判断するために用いられる。情報入力部28は、例えば、保守作業者が手動操作する強制運転スイッチ28aであり、保守時に室内機1の試運転を行うための制御信号を制御ユニット14に送るために用いられる。
【0045】
図5及び
図6に示すように、複数の情報受信部27である複眼輻射センサ27a、赤外線受光センサ27b、人感センサ27cは、本体前面部3Fの左右方向に沿って一列に並んで配置されており、光透過性を有するカバー部材29によって覆われるようにカバー部材29の後面側に設けられている(
図1及び
図2参照)。カバー部材29としては、例えば、光透過性の保護シートが用いられており、複眼輻射センサ27a、赤外線受光センサ27b、人感センサ27cによる光信号の授受が可能とされている。このように、カバー部材29で覆って保護される複数の情報受信部27が一列にまとめて配置されることで、カバー部材29を小さくできると共に電装品ユニット12の小型化が図られる。その結果、カバー部材29を取り付けるためにケース部材6に形成される開口が小さくなるので、開口に伴うケース部材6の機械的強度の低下を抑えると共に、カバー部材29に要するコストも抑制できる。
【0046】
電装品ユニット12において、複数の電装部品13のうち、複眼輻射センサ27aは、電磁ノイズに対する耐性が最も低い低耐性電装部品である。高電圧配線16が発する電磁ノイズの影響を最も受けやすい複眼輻射センサ27aは、電装品ユニット12に対して本体前面部3Fの外周側とは反対側の、仕切り部材18の支持部18bにおける端部に配置されている。このように、複眼輻射センサ27aが制御ユニット14側に近い位置に配置されることで、制御ユニット14と複眼輻射センサ27aとの間の距離が短くなる。したがって、制御ユニット14から複眼輻射センサ27aまで延ばされる直流低電圧電線群23の長さが短くなるので、直流低電圧電線群23を介して電磁ノイズが複眼輻射センサ27aに伝搬することが抑えられる。その結果、複眼輻射センサ27aによる検出の安定性を確保できる。
【0047】
本体前面部3Fの左右方向に一列に並んだ複数の情報受信部27、すなわち複眼輻射センサ27a、赤外線受光センサ27b、人感センサ27cのうち、人感センサ27cは、本体前面部3Fの左右方向における本体前面部3Fの外周側に配置されている。本体前面部3Fの上下方向に沿う回転軸のまわりを、左右方向に回動可能に設けられる可動型の情報受信部27としての人感センサ27cは、室内空間における室内機1の設置位置に応じて回動操作されて室内空間に対する検知範囲が適宜設定される電装部品13である。このように検知範囲が調節される人感センサ27cは、本体前面部3Fの左右方向における本体前面部3Fの外周側、つまり室内機1の一端に配置されることの影響が少なく、人感センサ27cの機能が損なわれ難い。このため、人感センサ27cが上述のように配置されることにより、複数の情報受信部27を面積が小さな領域に集約して配置することができる。
【0048】
(制御ユニット)
図5及び
図6に示すように、制御ユニット14は、本体前面部3Fの左右方向において、電装品ユニット12の仕切り部材18に隣り合って配置されている。このため、制御ユニット14と、仕切り部材18に設けられる各電装部品13とを接続する直流低電圧電線群23が長くなることが抑えられ、高電圧配線16の交流電線群21及び直流高電圧電線群22が発する電磁ノイズが、直流低電圧電線群23を介して各電装部品13に伝搬することが抑えられる。
【0049】
制御ユニット14は、略矩形箱状に形成されており、本体前面部3Fに沿って設けられている。
図9は、実施例における制御ユニット14の内部を示す正面図である。
図6及び
図9に示すように、制御ユニット14は、制御ユニット14の内部を覆うように本体前面部3Fに沿って配置された蓋体14aを有しており、制御ユニット14に蓋体14aが着脱可能に嵌め込まれている。
【0050】
図4及び
図9に示すように、制御ユニット14は、交流回路部31、直流高電圧回路部32及び直流低電圧回路部33を有する。本体前面部3Fの左右方向において、制御ユニット14は、本体前面部3Fの一端部側、すなわち、電装品ユニット12側から制御ユニット14側に向かって、交流回路部31、直流高電圧回路部32、直流低電圧回路部33の順に配置されている。このように、交流回路部31、直流高電圧回路部32、直流低電圧回路部33の順に配置されることで、交流電線群21の長さを短くすると共に、直流高電圧電線群22の長さを短くすることが可能になる。このため、交流電線群21が発する電磁ノイズが直流高電圧電線群22及び直流低電圧電線群23にそれぞれ伝搬することを抑えると共に、直流高電圧電線群22が発する電磁ノイズが直流低電圧電線群23に伝搬することを抑えられる。
【0051】
交流回路部31は、高電圧配線16の交流電線群21を介して、電源接続部11と接続されている。直流高電圧回路部32は、高電圧配線16の直流高電圧電線群22を介して、モータ8と接続されている。直流低電圧回路部33は、低電圧配線17の直流低電圧電線群23を介して、各電装部品13である複数の情報伝達部25と接続されている。
【0052】
(配線構造)
図10は、実施例における電装品ユニット12の仕切り部材18で仕切られる後面側空間12Rを示す斜視図である。
図11は、実施例における電装品ユニット12の仕切り部材18で仕切られる後面側空間12Rと、制御ユニット14の内部を示す斜視図である。
【0053】
図10及び
図11に示すように、電源接続部11から延ばされた交流電線群21は、仕切り部材18によって仕切られた後面側空間12Rにおいて、直流高電圧電線群22よりも上方を、本体前面部3Fの左右方向に沿って引き回されて、制御ユニット14の交流回路部31に接続されている。
【0054】
また、直流高電圧回路部32から制御ユニット14の外側へ引き出された直流高電圧電線群22は、制御ユニット14の下端に沿って電装品ユニット12側に延ばされると共に、後面側空間12Rの下端に沿って引き回されてモータ8に接続されている。制御ユニット14から延ばされた直流高電圧電線群22は、仕切り部材18の補強部18cによって覆われている。これにより、補強部18cによって直流高電圧電線群22を押さえて保持することが可能になり、本体前面部3Fにおける直流高電圧電線群22の引き回し作業を容易に行える。
【0055】
また、直流低電圧回路部33から制御ユニット14の外側へ引き出された直流低電圧電線群23は、仕切り部材18の支持部18bの下端に支持されるように引き回されており、前面側空間12Fの下端に沿って配置されている。支持部18bの下端に沿って配置された直流低電圧電線群23は、支持部18b上に配置された各電装部品13の近傍で、複数の電線が引き出され、各電装部品13と接続されている。したがって、仕切り部材18の支持部18b上に支持された直流低電圧電線群23と、上述のように仕切り部材18の補強部18cによって押さえられた直流高電圧電線群22とが独立して個別に配置されるので、直流高電圧電線群22及び直流低電圧電線群23の組み付け時、保守時の作業性が高められる。
【0056】
また、制御ユニット14から電装品ユニット12に延ばされた直流低電圧電線群23は、仕切り部材18の軸部18a近傍に配置されており、軸部18aの軸方向に沿って支持部18bに設けられている。これにより、例えば、直流低電圧電線群23を支持部18bに取り付ける際に加わる力が軸部18a近傍に作用するようになるので、軸部18aや軸部18aを支持するベース部材19の軸受部19aに加わる負荷が抑えられ、支持部18bの破損を抑えられる。また、直流低電圧電線群23が仕切り部材18の軸部18a近傍に配置されることで、支持部18bを回動する際に、制御ユニット14から延ばされて引き回される直流低電圧電線群23によって支持部18bに作用する反力が小さく抑えられ、支持部18bをスムーズに回動操作することが可能になる。
【0057】
電装品ユニット12の後面側空間12Rでの交流電線群21と直流高電圧電線群22との間の距離において、本体前面部3Fの左右方向における制御ユニット14側での第1距離D1が、本体前面部3Fの左右方向における本体前面部3Fの外周側での第2距離D2よりも大きい。例えば、本体前面部3Fの上下方向に沿う平面上において、第1距離D1が第2距離D2よりも大きい。第1距離D1が第2距離D2よりも大きくなるように、直流高電圧電線群22は、制御ユニット14側で交流電線群21から遠ざかるように配置されている。
【0058】
上述のように交流電線群21と直流高電圧電線群22は、本体前面部3Fの左右方向における本体前面部3Fの外周側で互いに近づけられることで、本体前面部3Fから本体後面部3R側に向かって一緒に引き込まれており、電源接続部11及びモータ8に各々接続されている。本体前面部3Fの左右方向の端部において交流電線群21と直流高電圧電線群22が近づけられることで、本体部3の内部に通される交流電線群21と直流高電圧電線群22の引き回し作業を一括して容易に行える。
【0059】
加えて、本体部3の内部から引き出された直流高電圧電線群22と交流電線群21は、後面側空間12Rにおいて第1距離D1を第2距離D2よりも大きくすることで、直流高電圧電線群22を交流電線群21からできる限り遠ざけるように配置できるので、交流電線群21が発する電磁ノイズが直流高電圧電線群22に伝搬することを抑制できる。
【0060】
また、直流高電圧電線群22は、本体前面部3Fの左右方向において、低耐性電装部品である複眼輻射センサ27aよりも本体前面部3Fの外周側の位置で、交流電線群21に近づくように配置されている。言い換えると、制御ユニット14側から本体前面部3Fの左右方向に延びる直流高電圧電線群22は、複眼輻射センサ27aを通り過ぎた位置で、交流電線群21に近づくように引き回し経路が曲げられている。これにより、後面側空間12Rにおいて直流高電圧電線群22が交流電線群21に近づけられるときに、支持部18b上に配置された低耐性電装部品である複眼輻射センサ27aに直流高電圧電線群22が近づくことが避けられ、複眼輻射センサ27aと直流高電圧電線群22との距離を確保し、直流高電圧電線群22が発する電磁ノイズが複眼輻射センサ27aに伝搬することが抑えられる。その結果、複眼輻射センサ27aによる検出の安定性を確保できる。
【0061】
(実施例の効果)
上述したように実施例の室内機1は、本体前面部3Fに配置された複数の電装部品13を有する電装品ユニット12と、本体部3に設けられた高電圧配線16及び低電圧配線17と、を備えており、電装品ユニット12が、絶縁材料によって形成されて本体前面部3Fにおける前面側空間12Fと後面側空間12Rとを仕切る仕切り部材18を有する。前面側空間12Fと後面側空間12Rの一方に高電圧配線16が配置され、他方に低電圧配線17が配置されている。このように、高電圧配線16と低電圧配線17が、絶縁性を有する仕切り部材18を間に挟んで隔てて配置されることで、高電圧配線16と低電圧配線17との間の距離が確保される。このため、本体前面部3Fの左右方向の端部における面積が小さな領域に複数の電装部品13が集約して配置された場合であっても、高電圧配線16から低電圧配線17に電磁ノイズが伝搬することを抑えられる。
【0062】
また、実施例の室内機1において、電装品ユニット12は、前面側空間12Fに低電圧配線17が配置されており、後面側空間12Rに高電圧配線16が配置される。複数の電装部品13は、低電圧配線17に接続された低電圧電装部品を含む。これにより、本体前面部3Fの左右方向の端部における面積が小さな領域に複数の電装部品13が集約して配置された場合であっても、高電圧配線16が発する電磁ノイズが、低電圧配線17を介して、低電圧配線17に接続された電装部品13としての低電圧電装部品に伝搬することを抑えられる。
【0063】
また、実施例の室内機1において、制御ユニット14は、交流回路部31、直流高電圧回路部32及び直流低電圧回路部33を有する。高電圧配線16は、電源接続部11と交流回路部31とを接続する交流電線群21と、直流高電圧回路部32とモータ8とを接続する直流高電圧電線群22と、を有する。低電圧配線17は、直流低電圧回路部33と電装部品13としての低電圧電装部品とを接続する直流低電圧電線群23を有する。交流電線群21、直流高電圧電線群22、及び直流低電圧電線群23は個別に配置されている。このように交流電線群21、直流高電圧電線群22、直流低電圧電線群23が互いに距離を確保して本体前面部3Fに配置されることで、高電圧配線16の交流電線群21、直流高電圧電線群22から、低電圧配線17の直流低電圧電線群23を介して、電装部品13としての低電圧電装部品に電磁ノイズが伝搬することを抑制できる。
【0064】
また、実施例の室内機1では、電装品ユニット12の後面側空間12Rにおいて、交流電線群21が、直流高電圧電線群22よりも上方に配置され、電装品ユニット12の前面側空間12Fにおいて、直流低電圧電線群23が、前面側空間12Fの下端に配置されている。これにより、電装品ユニット12の上下方向において、直流低電圧電線群23を交流電線群21から遠ざけて配置し、直流低電圧電線群23と交流電線群21との距離が確保されるので、交流電線群21が発する電磁ノイズが、直流低電圧電線群23を介して、電装部品13に伝搬することを抑制できる。
【0065】
また、電装品ユニット12の後面側空間12Rでの交流電線群21と直流高電圧電線群22との間の距離において、本体前面部3Fの左右方向における制御ユニット14側での第1距離D1が、本体前面部3Fの左右方向における本体前面部3Fの外周側での第2距離D2よりも大きく、直流高電圧電線群22が、制御ユニット14側で交流電線群21から遠ざかるように配置されている。これにより、後面側空間12Rにおいて直流高電圧電線群22を交流電線群21からできる限り遠ざけるように配置できるので、交流電線群21が発する電磁ノイズが直流高電圧電線群22に伝搬することを抑制できる。
【0066】
また、実施例の室内機1の電装品ユニット12は、複数の電装部品13のうち、電磁ノイズに対する耐性が最も低い複眼輻射センサ27aが、電装品ユニット12に対する本体前面部3Fの外周側とは反対側の、仕切り部材18の端部に配置されている。このように、複眼輻射センサ27aが制御ユニット14側に近い位置に配置されることで、制御ユニット14と複眼輻射センサ27aとの間の距離が短くなる。したがって、制御ユニット14から複眼輻射センサ27aまで延ばされる直流低電圧電線群23の長さが短くなるので、直流低電圧電線群23を介して電磁ノイズが複眼輻射センサ27aに伝搬することが抑えられ、複眼輻射センサ27aによる検出の安定性を確保できる。
【0067】
また、実施例の室内機1における直流高電圧電線群22は、本体前面部3Fの左右方向において、複眼輻射センサ27aよりも本体前面部3Fの外周側の位置で、交流電線群21に近づくように配置されている。これにより、後面側空間12Rにおいて直流高電圧電線群22が交流電線群21に近づけられるときに、支持部18b上に配置された複眼輻射センサ27aに直流高電圧電線群22が近づくことが避けられ、複眼輻射センサ27aと直流高電圧電線群22との距離を確保し、直流高電圧電線群22が発する電磁ノイズが複眼輻射センサ27aに伝搬することが抑えられる。その結果、複眼輻射センサ27aによる検出の安定性を確保できる。