(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022117352
(43)【公開日】2022-08-10
(54)【発明の名称】車両用前照灯
(51)【国際特許分類】
B60Q 1/12 20060101AFI20220803BHJP
【FI】
B60Q1/12 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021013996
(22)【出願日】2021-01-29
(71)【出願人】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100143764
【弁理士】
【氏名又は名称】森村 靖男
(72)【発明者】
【氏名】土屋 俊幸
(72)【発明者】
【氏名】松浦 秀治
【テーマコード(参考)】
3K339
【Fターム(参考)】
3K339AA02
3K339BA01
3K339BA02
3K339BA21
3K339BA22
3K339BA26
3K339CA01
3K339DA01
3K339GB01
3K339HA01
3K339HA04
3K339JA21
3K339JA22
3K339JA26
3K339KA01
3K339KA09
3K339KA28
3K339LA06
3K339LA17
3K339MA01
3K339MA07
3K339MC02
3K339MC03
3K339MC04
3K339MC35
3K339MC43
3K339MC48
3K339MC77
3K339MC80
(57)【要約】
【課題】旋回時における視認性が向上し得る車両用前照灯を提供することを目的とする。
【解決手段】車両用前照灯1は、ロービームの配光パターンLpとなる光と付加配光パターンApとなる光とを出射する光源部LUと、制御部COとを備える。制御部COは、直進時からのステアリングの操舵角が閾値Th2以上である旋回時において、ロービームの配光パターンLpにおける光の強度が最も高い第1領域及び付加配光パターンApにおける光の強度が最も高い第2領域のそれぞれが直進時に比べて車両500が旋回する側に位置するとともに、旋回時の少なくとも一部の期間において、第2領域が第1領域よりも車両500が旋回する側に位置するように、光源部LUを制御する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロービームの配光パターンとなる光と前記ロービームの配光パターンに付加されてハイビームの配光パターンを形成する付加配光パターンとなる光とを出射する光源部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、直進時からのステアリングの操舵角が所定の閾値以上である旋回時において、前記ロービームの配光パターンにおける光の強度が最も高い第1領域及び前記付加配光パターンにおける光の強度が最も高い第2領域のそれぞれが前記直進時に比べて車両が旋回する側に位置するとともに、前記旋回時の少なくとも一部の期間において、前記第2領域が前記第1領域よりも車両が旋回する側に位置するように、前記光源部を制御する
ことを特徴とする車両用前照灯。
【請求項2】
前記制御部は、車速が所定の速度以上である場合に、前記旋回時において前記第1領域及び前記第2領域のそれぞれが前記直進時に比べて車両が旋回する側に位置するとともに、前記旋回時の少なくとも一部の期間において前記第2領域が前記第1領域よりも車両が旋回する側に位置するように、前記光源部を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用前照灯。
【請求項3】
前記制御部は、前記旋回時において、前記操舵角が前記閾値に達した時点からの所定の期間にわたって前記第2領域が前記第1領域よりも車両が旋回する側に位置するように、前記光源部を制御する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用前照灯。
【請求項4】
前記制御部は、前記旋回時の概ね全期間にわたって前記第2領域が前記第1領域よりも車両が旋回する側に位置するように、前記光源部を制御する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の車両用前照灯。
【請求項5】
前記制御部は、前記操舵角が前記閾値以上である状態から前記操舵角が前記閾値よりも小さい状態になる場合に、前記第1領域が前記直進時における位置に戻るよりも早く前記第2領域が前記直進時における位置に戻るように、前記光源部を制御する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の車両用前照灯。
【請求項6】
前記制御部は、前記操舵角が大きい程、前記第2領域を前記第1領域から離間させる
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の車両用前照灯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用前照灯に関し、具体的には、ロービームとハイビームとを出射可能な車両用前照灯に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用前照灯として、例えば下記特許文献1に記載された車両用前照灯が知られている。この特許文献1に記載された車両用前照灯は、ロービームの配光パターンが変化せず、ロービームの配光パターンに付加されてハイビームの配光パターンを形成する付加配光パターンが変化するように構成される。なお、配光パターンとは、車両の例えば25m前方の鉛直な面に投影される光の像の形状及び当該像における光の強度分布の双方を意味する。
【0003】
特許文献1に記載された車両用前照灯では、車両が旋回する際、付加配光パターンにおける光の強度が最も高い領域が車両の直進時に比べて車両が旋回する側に移動する。なお、配光パターンにおける光の強度が最も高い領域はホットゾーンとも呼ばれる。このような特許文献1に記載された車両用前照灯によれば、旋回時に付加配光パターンにおけるホットゾーンが車両が旋回する側に移動するため、自車がカーブ道路を走行する際に進行方向前方を十分に照射することができるとされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、車両の旋回時、運転者はカーブ道路の前方を視認するために、カーブ道路の車両が向く方向よりも車両が旋回する側の方向に視線を向ける傾向にある。そのため、ハイビームを照射する場合において、カーブ道路における視認性を高めるためには、ハイビームの配光パターンにおける車両が旋回する側の領域を明るくすることが好ましい場合がある。
【0006】
しかし、特許文献1に記載された車両用前照灯では、上記のようにロービームの配光パターンが変化しないため、ハイビームの配光パターンにおける車両が旋回する側の領域のうち付加配光パターンよりも下側の領域の明るさを向上させることが難しい。このため、特許文献1に記載された車両用前照灯では、車両が旋回する際、ハイビームの配光パターンにおける運転者の視線が向けられる領域を広い範囲に亘って明るくすることが難しく、旋回時の視認性をさらに向上させる余地がある。
【0007】
そこで、本発明は、旋回時における視認性が向上し得る車両用前照灯を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的の達成のため、本発明の車両用前照灯は、ロービームの配光パターンとなる光と前記ロービームの配光パターンに付加されてハイビームの配光パターンを形成する付加配光パターンとなる光とを出射する光源部と、制御部と、を備え、前記制御部は、直進時からのステアリングの操舵角が所定の閾値以上である旋回時において、前記ロービームの配光パターンにおける光の強度が最も高い第1領域及び前記付加配光パターンにおける光の強度が最も高い第2領域のそれぞれが前記直進時に比べて車両が旋回する側に位置するとともに、前記旋回時の少なくとも一部の期間において、前記第2領域が前記第1領域よりも車両が旋回する側に位置するように、前記光源部を制御することを特徴とするものである。
【0009】
上記のように、車両が旋回する際、運転者は、車両が旋回する方向における前方を視認するために、カーブ道路の車両が向く方向よりも車両が旋回する側の方向に視線を向ける傾向にある。この車両用前照灯によれば、上記操舵角が所定の閾値以上である場合において、第1領域と第2領域との双方が、直進時に比べて車両が旋回する側に位置する。このため、この車両用前照灯では、旋回時において、ロービームの配光パターンにおける運転者の視線が向けられる領域及び付加配光パターンにおける運転者の視線が向けられる領域の双方が明るく照らされ得、旋回時における視認性が向上し得る。
【0010】
また、一般的に、ハイビームの配光パターンにおいて、付加配光パターンはロービームの配光パターンよりも遠方側を照射する。このため、付加配光パターンのホットゾーンがロービームの配光パターンのホットゾーンよりも車両が旋回する側に位置すれば、車両が旋回する方向における遠方がより明るく照らされ得る。この車両用前照灯によれば、旋回時の少なくとも一部の期間において、上記第2領域が上記第1領域よりも車両が旋回する側に位置する。このため、この車両用前照灯によれば、旋回時の少なくとも一部の期間において、車両が旋回する方向における遠方が、第2領域が第1領域よりも車両が旋回する側に位置しない場合に比べて明るく照射され得る。ところで、車両が旋回する際、特に車両が道路を巡行する場合等において、運転者はカーブ道路の旋回方向における遠方側を視認して当該カーブ道路の全体像を把握した上で、車両に近い側を視認する傾向にある。したがって、上記のように旋回方向における遠方側がより明るくなることによって、運転者はカーブ道路の遠方側を視認してカーブ道路の全体像を把握した上でカーブ道路の近方側を確認することが容易になり得、旋回時における視認性がより向上し得る。
【0011】
また、前記制御部は、車速が所定の速度以上である場合に、前記旋回時において前記第1領域及び前記第2領域のそれぞれが前記直進時に比べて車両が旋回する側に位置するとともに、前記旋回時の少なくとも一部の期間において前記第2領域が前記第1領域よりも車両が旋回する側に位置するように、前記光源部を制御することが好ましい。
【0012】
運転者は、旋回時における車両の速度が高速になる程、車両が旋回する方向における遠方を確認したいとの心理を抱き易い。よって、車速が所定の速度以上である場合に上記制御を実行することで、旋回時における視認性向上の効果をより享受し得る。
【0013】
また、前記制御部は、前記旋回時において、前記操舵角が前記閾値に達した時点からの所定の期間にわたって前記第2領域が前記第1領域よりも車両が旋回する側に位置するように、前記光源部を動作させてもよい。
【0014】
この場合、旋回を始めたタイミングを含む旋回時の初期において、付加配光パターンのホットゾーンがロービームの配光パターンのホットゾーンよりも車両が旋回する側に位置する。そのため、旋回の初期において車両が旋回する方向における遠方が明るく照射され、旋回の初期における視認性が向上し得る。
【0015】
また、前記制御部は、前記旋回時の概ね全期間にわたって前記第2領域が前記第1領域よりも車両が旋回する側に位置するように、前記光源部を制御することが好ましい。
【0016】
この場合、旋回時の概ね全期間において、付加配光パターンのホットゾーンがロービームの配光パターンのホットゾーンよりも車両が旋回する側に位置する。このため、旋回時において旋回方向における前方が常時明るく照射され得、旋回時における視認性がより向上し得る。
【0017】
また、前記制御部は、前記操舵角が前記閾値以上である状態から前記操舵角が前記閾値よりも小さい状態になる場合に、前記第1領域が前記直進時における位置に戻るよりも早く前記第2領域が前記直進時における位置に戻るように、前記光源部を動作させてもよい。
【0018】
この場合、車両がカーブ道路を曲がり終えるタイミングで今後走行する直線道路の遠方がいち早く明るく照射されるため、運転者はカーブ道路を曲がり終えるタイミングでいち早く進行方向の遠方を明確に視認することができる。したがって、カーブ道路を曲がり終えるタイミングにおける視認性が向上し得る。
【0019】
また、前記制御部は、前記操舵角が大きい程前記第2領域を前記第1領域から離間させてもよい。
【0020】
カーブ道路の曲率が大きい程、運転者は視線をより車両が旋回する側に向ける傾向にある。そこで、操舵角が大きい程第2領域を第1領域から離間させることによって第2領域をより車両が旋回する側に位置させることで、カーブ道路の曲率が大きい場合に運転者の視線が向く方向における前方をより適切に明るく照射することができる。よって、旋回時における視認性がより向上し得る。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明によれば、旋回時における視認性が向上し得る車両用前照灯が提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明に係る車両用前照灯を備える車両を概念的に示す図である。
【
図2】本発明に係る車両用前照灯に含まれる灯具ユニットを左右方向に沿って見る側面図である。
【
図3】
図2に示す灯具ユニットに含まれる光源部を前方側から見る正面図である。
【
図4】
図3に示す第1発光素子及び第2発光素子を拡大して示す図である。
【
図5】
図2に示す投影レンズ、レンズホルダ、及び光源部の鉛直方向に沿った概略断面図である。
【
図6】直進時におけるハイビームの配光パターンを示す図である。
【
図7】
図7(A)は直進時に各第1発光素子に印加される電力を示すグラフであり、
図7(B)は直進時に各第2発光素子に印加される電力を示すグラフである。
【
図8】制御部による制御の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9(A)は右旋回時に各第1発光素子に印加される電力を示すグラフであり、
図9(B)は右旋回時に各第2発光素子に印加される電力を示すグラフである。
【
図10】右旋回時におけるハイビームの配光パターンを示す図である。
【
図11】
図11(A)は左旋回時に各第1発光素子に印加される電力を示すグラフであり、
図11(B)は左旋回時に各第2発光素子に印加される電力を示すグラフである。
【
図12】左旋回時におけるハイビームの配光パターンを示す図である。
【
図13】
図13(A)は操舵角が閾値以上である状態から閾値よりも小さい状態になる際に各第1発光素子に印加される電力を示すグラフであり、
図13(B)は操舵角が閾値以上である状態から閾値よりも小さい状態になる際に各第2発光素子に印加される電力を示すグラフである。
【
図14】操舵角が閾値以上である状態から閾値よりも小さい状態になる際のハイビームの配光パターンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る車両用前照灯を実施するための形態が添付図面とともに例示される。以下に例示する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、以下の実施形態から変更、改良することができる。また、本明細書では、理解を容易にするために、各部材の寸法が誇張して示されている場合がある。
【0024】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る車両用前照灯を備える車両500を概念的に示す図である。
図1に示すように、車両500は、車両用前照灯1と、操舵角センサ501と、車速センサ503と、を主な構成として備える。
【0025】
まず、車両用前照灯1について詳細に説明する。
【0026】
図1に示すように、車両用前照灯1は、車両500の前面の左右にそれぞれ設けられる灯具ユニット3と、それぞれの灯具ユニット3に対応して設けられる電源回路505と、制御部COと、を主な構成として備える。
【0027】
本実施形態では、それぞれの灯具ユニット3は概ね同じ構成であり、それぞれの灯具ユニット3から出射される光が合成されることによって所定の配光パターンが形成される。そのため、以下では、一対の灯具ユニット3のうち一方の灯具ユニット3の構成を主に説明する。
【0028】
図2は、灯具ユニット3を左右方向に沿って見る側面図である。
図2に示すように、灯具ユニット3は、筐体2と、光源部LUと、レンズホルダ25と、投影レンズ20と、支持ユニット4とを主な構成として備える。なお、
図2では、理解を容易にするために筐体2が断面で示されている。
【0029】
筐体2は、ランプハウジング11、フロントカバー12、及びバックカバー13を主な構成として備える。ランプハウジング11の前方は開口しており、当該開口を塞ぐように透光性を有するフロントカバー12がランプハウジング11に固定されている。ランプハウジング11の後方には前方よりも小さな開口が形成されており、当該開口を塞ぐようにバックカバー13がランプハウジング11に固定されている。ランプハウジング11とフロントカバー12とバックカバー13とによって形成される空間は灯室Rであり、この灯室R内に光源部LU、レンズホルダ25、投影レンズ20、及び支持ユニット4などが収容される。
【0030】
支持ユニット4は、光源部LUの後方側から光源部LUに取り付けられている。この支持ユニット4は、不図示の構成により筐体2に固定されている。したがって、光源部LUは、この支持ユニット4を介して筐体2に固定される。
【0031】
図3は、光源部LUを前方から見る正面図である。
図3に示すように、本実施形態の光源部LUは、リフレクタユニット40と、複数の第1発光素子55と、複数の第2発光素子63と、を主な構成として備える。複数の第1発光素子55は、左右方向に沿って概ね一直線上に配置されている。また、複数の第2発光素子63は、複数の第1発光素子55の下側に位置しており、左右方向に沿って概ね一直線上に配置されている。本実施形態において、第1発光素子55及び第2発光素子はそれぞれLEDであり、いわゆるLEDアレイとして構成される。
【0032】
図4は、第1発光素子55及び第2発光素子63を拡大して示す図である。
図4に示すように、本実施形態では、前方視する場合における左側から右側に向かって7個の第1発光素子55a~55gが配置されている。また、本実施形態では、前方視する場合における左側から右側に向かって11個の第2発光素子63a~63kが配置されている。
図3に示すように、第2発光素子63の下側にはコネクタ64が固定されている。第1発光素子55a~55g及び第2発光素子63a~63kのそれぞれは、このコネクタ64と電気的に接続されている。したがって、このコネクタ64を介して第1発光素子55a~55g及び第2発光素子63a~63kのそれぞれに電力が供給される。
【0033】
図5は投影レンズ20、レンズホルダ25、及び光源部LUの鉛直方向に沿った概略縦断面図である。
図3及び
図5に示すように、リフレクタユニット40は、第1発光素子55用のリフレクタ41、第1発光素子55用の第1サイドリフレクタ41a、第1発光素子55用の第2サイドリフレクタ41b、第2発光素子63用のリフレクタ42、第2発光素子63用の第1サイドリフレクタ42a、第2発光素子63用の第2サイドリフレクタ42b、及びシェード43を主な構成として有する。
【0034】
図5に示すように、シェード43は、第1発光素子55と第2発光素子63との間に配置され、第1発光素子55から出射する第1の光L1の一部を遮光する。また、シェード43の上面には第1反射面43aが形成されており、シェード43の下面には第2反射面43bが形成されている。第1反射面43aは、第1発光素子55よりも下側に位置している。また、第1反射面43aは、第1発光素子55の近傍から前方に向かってかつ左右方向に沿って延在しており、第1の光L1の一部を前方に反射するように凹状に形成されている。第2反射面43bは、第2発光素子63よりも上側に位置している。また、第2反射面43bは、第2発光素子63の近傍から前方に向かってかつ左右方向に沿って延在しており、第2発光素子63から出射する第2の光L2の一部を前方に反射するように凹状に形成されている。
【0035】
リフレクタ41は第1発光素子55の上方に配置されている。また、リフレクタ41の第1発光素子55側の面には第3反射面41rが形成されている。この第3反射面41rは、左右方向に延在しており、第1発光素子55の上方を覆っている。
【0036】
図3に示すように、第1サイドリフレクタ41aは
図4において最も左側に位置する第1発光素子55aよりも左側に形成され、第2サイドリフレクタ41bは
図4において最も右側に位置する第1発光素子55gよりも右側に形成される。また、第1サイドリフレクタ41a及び第2サイドリフレクタ41bは、後方から前方に向かうにつれて互いの間隔が広がるように形成されている。
【0037】
図5に示すように、リフレクタ42は第2発光素子63の下方に配置されている。また、リフレクタ42の第2発光素子63側の面には第4反射面42rが形成されている。この第4反射面42rは、左右方向に延在しており、第2発光素子63の下方を覆っている。
【0038】
図3に示すように、第1サイドリフレクタ42aは
図4において最も左側に位置する第2発光素子63aよりも左側に形成され、第2サイドリフレクタ42bは
図4において最も右側に位置する第2発光素子63kよりも右側に形成される。また、第1サイドリフレクタ42a及び第2サイドリフレクタ42bは、後方から前方に向かうにつれて互いの間隔が広がるように形成されている。
【0039】
図2及び
図5に示すように、レンズホルダ25は、前後方向に延在する概ね円筒状の部材である。レンズホルダ25の前方端には投影レンズ20が固定されており、この投影レンズ20によってレンズホルダ25の前方側の開口が塞がれる。
【0040】
投影レンズ20は、光源部LUの前方に配置され、後方側の平坦面と前方側の凸状面とを有する。光源部LUから出射される第1の光L1及び第2の光L2は、投影レンズ20の平坦面から投影レンズ20に入射し、投影レンズ20の凸状面から投影レンズ20よりも前方に向かって出射する。
【0041】
次に、操舵角センサ501及び車速センサ503について説明する。
【0042】
図1に示すように、操舵角センサ501は、車両500の不図示のステアリングと制御部COとに接続されている。操舵角センサ501は、車両500の直進時からのステアリングの操舵角を示す信号を制御部COに出力する。
【0043】
本実施形態では、操舵角センサ501にはステアリングの回転角度に応じた電圧が印加される。本実施形態では、車両500の直進時に操舵角センサ501に印加される基準電圧V0が設定されており、ステアリングが直進時に比べて右回転されているときは、操舵角の大きさに応じて基準電圧V0から線形的に増加する電圧が操舵角センサ501に印加される。また、ステアリングが直進時に比べて左回転されているときは、操舵角の大きさに応じて基準電圧V0から線形的に減少する電圧が操舵角センサ501に印加される。
【0044】
本実施形態において、操舵角センサ501は、操舵角センサ501に印加される電圧と基準電圧V0との差分を示す信号を制御部COに出力する。なお、操舵角センサ501に印加される電圧と基準電圧V0との差分の絶対値が閾値Th1よりも小さい場合、ステアリングの操舵角の絶対値が所定の閾値Th2よりも小さいことを意味する。このステアリングの操舵角の閾値Th2は、例えば1°以上3°以下の角度であってもよい。車両500の直進時におけるステアリングの操舵角を0°として、直進時からのステアリングの操舵角がこのような閾値Th2よりも小さい角度であれば、車両500の進行方向は殆ど変化しない。そのため、閾値Th2よりも小さい場合、車両500が直進していると見做し得る。一方、一般的に、カーブ道路の曲率が大きい程ステアリングの操舵角は大きくなる。このため、操舵角センサ501に印加される電圧と基準電圧V0との差の絶対値が大きい程、車両500は曲率の大きなカーブ道路を走行していると考えられる。また、本実施形態において、操舵角センサ501に印加される電圧と基準電圧V0との差分がプラスの値である場合、操舵角はプラスの角度で表され、車両500が右旋回している状態である。一方、操舵角センサ501に印加される電圧と基準電圧V0との差分がマイナスの値である場合、操舵角はマイナスの角度で表され、車両500が左旋回している状態である。
【0045】
車速センサ503は、制御部COに接続されており、車速に応じた信号を制御部COに出力する。
【0046】
次に、車両用前照灯1の制御部CO及び電源回路505について説明する。
【0047】
制御部COは、電源回路505に接続されており、操舵角センサ501及び車速センサ503から入力する信号に基づいて第1発光素子55a~55g及び第2発光素子63a~63kのそれぞれに供給される電力を調節する。本実施形態において、制御部COは、操舵角センサ501に印加される電圧と基準電圧V
0との差分が上記閾値Th1よりも小さいことを示す信号が入力する場合、第1制御信号を電源回路505に出力する。なお、この第1制御信号は、第1発光素子55a~55gに
図7(A)に示す電力を印加し、第2発光素子63a~63kに
図7(B)に示す電力を印加する信号である。
【0048】
また、制御部COは、不図示のメモリに接続されている。このメモリには、操舵角センサ501から入力する上記閾値Th1以上であることを示す信号と、当該信号に対して制御部COが出力する第2制御信号とを対応付けるテーブルが格納されている。操舵角センサ501に印加される電圧と基準電圧V0との差分は操舵角に応じて変化する。したがって、上記テーブルでは、上記差分の複数の数値範囲と当該数値範囲に対応する第2制御信号とが対応付けられている。制御部COは、閾値Th1以上であることを示す信号が入力すると、上記メモリを参照して、操舵角センサ501に印加される電圧と基準電圧V0との差分に応じた第2制御信号を電源回路505に出力する。なお、第2制御信号は例えばプラス又はマイナスの電圧を示す信号であってもよい。本実施形態において、制御部COは、操舵角センサ501に印加される電圧と基準電圧V0との差分がプラスとなる車両500の右旋回時においてプラスの電圧の第2制御信号を出力し、上記差分がマイナスとなる車両500の左旋回時においてマイナスの電圧の第2制御信号を出力する。
【0049】
図1に示すように、電源回路505は、灯具ユニット3に接続されている。この電源回路505には不図示の端子が接続されており、この端子が上述のコネクタ64に接続されることによって、電源回路505と灯具ユニット3とが電気的に接続される。本実施形態において、電源回路505はドライバを含んでいる。したがって、制御部COから第1制御信号又は第2制御信号が電源回路505に入力すると、このドライバを介して、第1発光素子55a~55g及び第2発光素子63a~63kのそれぞれに供給される電力が調整される。これにより、第1発光素子55a~55g及び第2発光素子63a~63kのそれぞれから出射する光の強度が調節される。なお、電源回路505のドライバは、PWM(Pulse Width Modulation)制御によってそれぞれの発光素子に供給される電力を調整してもよい。この場合、第1発光素子55a~55g及び第2発光素子63a~63kのそれぞれに供給される電力のデューティー比を変化させることによって、第1発光素子55a~55g及び第2発光素子63a~63kのそれぞれから出射する光の強度が調節される。また、
【0050】
なお、上述した制御部CO、操舵角センサ501、及び車速センサ503は、例えば、マイクロコントローラ、IC(Integrated Circuit)、LSI(Large-scale Integrated Circuit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの集積回路やNC(Numerical Control)装置を用いることができる。また、制御部COは、NC装置を用いた場合、機械学習器を用いたものであってもよく、機械学習器を用いないものであってもよい。また、制御部CO、操舵角センサ501、及び車速センサ503の少なくとも一部は、車両500のECUの一部として構成されてもよい。
【0051】
次に、本実施形態の車両用前照灯1からの光の出射について説明する。
【0052】
図5に示すように、それぞれの第1発光素子55a~55gから出射する第1の光L1の一部は直接投影レンズ20に入射し、第1の光L1の他の一部はシェード43の第1反射面43a、リフレクタ41の第3反射面41rのいずれかで反射されて投影レンズ20に入射する。また、図示による説明は省略するが、それぞれの第1発光素子55a~55gから出射する第1の光L1のうち、左右方向に拡散する光の一部は、第1サイドリフレクタ41aや第2サイドリフレクタ41bで反射されて投影レンズ20に入射する。また、第1の光L1のうちシェード43の前方端より後方に照射される光の一部は、シェード43によって遮光される。このようにして第1発光素子55a~55gのそれぞれから出射する第1の光L1がリフレクタユニット40を通過することによって、第1の光L1は、投影レンズ20に向かって概ね斜め下方に伝搬し、投影レンズ20の概ね下半分の領域に入射する。こうして、第1発光素子55a~55gのそれぞれから出射して投影レンズ20を透過したそれぞれの第1の光L1によって、
図6に示すロービームの配光パターンLpが形成される。
【0053】
なお、
図6は、車両500が直進する場合及び車両500が直進すると見做し得る場合における配光パターンを示しており、車両500が直線道路SRを走行する様子が示されている。また、
図6及び後述する
図10,
図12においてSは水平線を示し、Vは車両500の左右方向における中央を通る鉛直線を示す。
【0054】
図6に示すように、ロービームの配光パターンLpは、7個の区分配光パターンLa~Lgが集合して形成されている。区分配光パターンLa~Lgのうち最も左側に位置する区分配光パターンLaは、
図4において最も左側に位置する第1発光素子55aから出射する第1の光L1によって形成される配光パターンである。また、区分配光パターンLaの隣に位置する区分配光パターンLbは、第1発光素子55aの隣に位置する第1発光素子55bから出射する第1の光L1によって形成される配光パターンである。同様に、区分配光パターンLc~Lgは、第1発光素子55c~55gから出射する第1の光L1によって形成される配光パターンである。
【0055】
図7(A)は、車両500が直進する際及び車両500が直進すると見做し得る際に各第1発光素子55a~55gに印加される電力を示すグラフである。また、
図7(B)は、車両500が直進する際及び車両500が直進すると見做し得る際に各第2発光素子63a~63kに印加される電力を示すグラフである。
図7(A)(B)では、各発光素子に印加される電力の大きさがデューティー比で表されており、デューティー比が大きい程、発光素子に印加される電力が大きい。
【0056】
図7(A)に示すように、本実施形態では、第1発光素子55a~55gのうち左右方向の中央に位置する第1発光素子55dに最も強い電力が印加され、第1発光素子55dから左側及び右側に行くに従って、第1発光素子55に印加される電力が段階的に小さくなる。このようなパターンで電力が印加されることによって、
図6においてハッチングで示すように、ロービームの配光パターンLpにおいて、区分配光パターンLa~Lgのうち左右方向の中央に位置する区分配光パターンLdが光の強度が最も高い第1領域となり、いわゆるホットゾーンとなる。また、上記のようなパターンで電力が印加されることにより、ホットゾーンである区分配光パターンLdから右側及び左側に行くに従って光の強度が段階的に低くなるロービームの配光パターンLpが形成される。
【0057】
また、
図5に示すように、第2発光素子63a~63kから出射する第2の光L2の一部は直接投影レンズ20に入射し、第2の光L2の他の一部はシェード43の第2反射面43b、リフレクタ42の第4反射面42rのいずれかで反射されて投影レンズ20に入射する。また、図示による説明は省略するが、第2発光素子63a~63kから出射する第2の光L2のうち、左右方向に拡散する光の一部は、第1サイドリフレクタ42aや第2サイドリフレクタ42bで反射されて投影レンズ20に入射する。このようにして第2発光素子63a~63kのそれぞれから出射する第2の光L2がリフレクタユニット40を通過することによって、第2の光L2は、投影レンズ20に向かって概ね斜め上方に伝搬し、投影レンズ20の概ね上半分の領域に入射する。こうして、第2発光素子63a~63kのそれぞれから出射して投影レンズ20を透過したそれぞれの第2の光L2によって、
図6に示す付加配光パターンApが形成される。
【0058】
図6に示すように、付加配光パターンApはロービームの配光パターンLpの上側に形成され、付加配光パターンApの下縁部がロービームの配光パターンLpの上縁部と重なる。このような付加配光パターンApとロービームの配光パターンLpとによって、ハイビームの配光パターンHpが形成される。
【0059】
また、
図6に示すように、付加配光パターンApは、11個の区分配光パターンAa~Akが集合して形成されている。区分配光パターンAa~Akのうち最も左側に位置する区分配光パターンAaは、
図4において最も左側に位置する第2発光素子63aから出射する第2の光L2によって形成される配光パターンである。また、区分配光パターンAaの隣に位置する区分配光パターンAbは、第2発光素子63aの隣に位置する第2発光素子63bから出射する第2の光L2によって形成される配光パターンである。同様に、区分配光パターンAc~Akは、第2発光素子63c~63kから出射する第2の光L2によって形成される配光パターンである。
【0060】
図7(B)に示すように、本実施形態では、第2発光素子63a~63kのうち左右方向の中央に位置する第2発光素子63fに最も強い電力が印加され、第2発光素子63fから左側及び右側に行くに従って、第2発光素子63に印加される電力が小さくなる。このようなパターンで電力が印加されることによって、
図6においてハッチングで示すように、付加配光パターンApにおいて、区分配光パターンAa~Akのうち左右方向の中央に位置する区分配光パターンAfが光の強度が最も高い第2領域となり、いわゆるホットゾーンとなる。上記のようなパターンで電力が印加されることにより、ホットゾーンである区分配光パターンAfから右側及び左側に行くに従って光の強度が段階的に低くなる付加配光パターンApが形成される。
【0061】
図6に示すように、本実施形態では、車両500が直進する場合及び車両500が直進すると見做し得る場合、したがって、ステアリングの操舵角が閾値Th2よりも小さい場合において、第1領域である区分配光パターンLdと第2領域である区分配光パターンAfとは鉛直線Vに重なり、かつ、区分配光パターンLdがロービームの配光パターンLpの左右方向における概ね中央に位置するとともに区分配光パターンAfが付加配光パターンApの左右方向における概ね中央に位置する。
【0062】
本実施形態では、制御部COが例えば以下のように光源部LUを制御することによって、ロービームの配光パターンLp及び付加配光パターンApを変化させる。
図8は、このような制御部COの制御の一例を示すフローチャートであり、車両500が所定の速度で走行している時点からの制御の一例を示している。
図8に示すように、この制御フローは、ステップSP1~ステップSP6を含んでいる。
【0063】
(ステップSP1)
制御部COに車速センサ503から車両500の車速が所定の速度Vs以上であることを示す信号が入力する場合、制御部COは、制御フローをステップSP2に進める。なお、この所定の速度Vsは、例えば車両500が道路を巡行していると考えられる速度であってもよく、例えば30km/hであってもよく、50km/hであってもよい。一方、制御部COに車速センサ503から車速が所定の速度Vsよりも小さいことを示す信号が入力する場合、制御部COは本ステップを繰り返す。
【0064】
(ステップSP2)
本ステップにおいて、制御部COは、操舵角センサ501に印加される電圧と基準電圧V0との差分が上記閾値Th1よりも小さいことを示す信号が入力する場合、制御フローをステップSP3に進める。なお、閾値Th1よりも小さいことを示す信号が入力する場合は、ステアリングの操舵角が閾値Th2よりも小さい場合であり、車両500が直進する場合又は直進すると見做し得る場合である。一方、制御部COは、操舵角センサ501に印加される電圧と基準電圧V0との差分が上記閾値Th1以上であることを示す信号が入力する場合、制御フローをステップSP4に進める。なお、閾値Th1以上であることを示す信号が入力する場合は、ステアリングの操舵角が閾値Th2以上の場合であり、車両500が旋回する場合である。
【0065】
(ステップSP3)
本ステップにおいて、制御部COは、上記第1制御信号を電源回路505に出力する。第1制御信号が制御部COから出力される結果、
図7(A)に示す電力が第1発光素子55a~55gに印加されるとともに、
図7(B)に示す電力が第2発光素子63a~63kに印加される。こうして、
図6に示すハイビームの配光パターンHpが形成される。本ステップの後、制御部COは制御フローをステップSP1に戻す。
【0066】
(ステップSP4)
本ステップにおいて、制御部COは、上記テーブルを参照して、操舵角に応じた第2制御信号を電源回路505に出力する。電源回路505は、この第2制御信号に基づいて、第1発光素子55a~55g及び第2発光素子63a~63kのそれぞれに印加される電力を変化させる。
【0067】
制御部COは、操舵角センサ501に印加される電圧と基準電圧V
0との差分がプラスとなる車両500の右旋回時では、プラスの電圧の第2制御信号を電源回路505に出力する。その結果、電源回路505を介して、
図9(A)に示す電力が各第1発光素子55a~55gに印加されるとともに、
図9(B)に示す電力が各第2発光素子63a~63kに印加される。
図9(A)及び
図9(B)では、各発光素子に印加される電力の大きさがデューティー比で表されている。
【0068】
図9(A)に示すように、制御部COは、第1発光素子55a~55gのうち中央に位置する第1発光素子55dを基準として
図4において1つ右側に位置する第1発光素子55eに最も強い電力を印加する。また、制御部COは、第1発光素子55eから左側及び右側に行くに従って、第1発光素子55に印加する電力を小さくする。なお、
図7に示す電力分布を単に右に1つ移動しただけでは最も左に位置する第1発光素子55aに電力が印加されなくなるため、本実施形態では、制御部COは、これを防ぐために第1発光素子55aにも電力を印加する。なお、本ステップにおいて第1発光素子55aに電力を印加することは必須ではない。
【0069】
図10は、車両500が右旋回する場合における配光パターンを示しており、車両500が右カーブ道路RRを走行する様子を示している。このようなパターンで電力が印加されることによって、
図10においてハッチングで示すように、ロービームの配光パターンLpにおいて、中央に位置する区分配光パターンLdを基準として1つ右側に位置する区分配光パターンLeが光の強度が最も高い第1領域となり、いわゆるホットゾーンとなる。こうして、本ステップにおいて、ロービームの配光パターンLpにおける光の強度が最も高い第1領域が、直進時に比べて車両500が旋回する側である右側に移動する。また、上記のようなパターンで電力が印加されることにより、ホットゾーンである区分配光パターンLdから右側及び左側に行くに従って光の強度が段階的に低くなるロービームの配光パターンLpが形成される。
【0070】
また、
図9(B)に示すように、制御部COは、第2発光素子63a~63kのうち中央に位置する第2発光素子63fを基準として
図4において5つ右側に位置する第2発光素子63kに最も強い電力を印加する。なお、第2発光素子63kは
図4において最も右側に位置する第2発光素子である。また、制御部COは第2発光素子63kから
図4における左側に行くに従って、第2発光素子63に印加する電力を小さくする。なお、
図7に示す電力分布を単に右に5つ移動しただけでは、左側に位置する5つの第2発光素子63a~63eに電力が印加されなくなるため、本実施形態では、制御部COは、これを防ぐために第2発光素子63a~63eにも電力を印加する。なお、本ステップにおいて第2発光素子63a~63eに電力を印加することは必須ではない。
【0071】
このようなパターンで電力が印加されることによって、
図10においてハッチングで示すように、付加配光パターンApにおいて、中央に位置する区分配光パターンAfを基準として5つ右側に位置する区分配光パターンAkが光の強度が最も高い第2領域となり、いわゆるホットゾーンとなる。この第2領域である区分配光パターンAkは最も右側に位置する区分配光パターンであり、第1領域である区分配光パターンLdよりも車両500が旋回する側である右側に位置している。こうして、本ステップにおいて、付加配光パターンApにおける光の強度が最も高い第2領域が、直進時に比べて車両500が旋回する側である右側に移動する。また、上記のようなパターンで電力が印加されることにより、ホットゾーンである区分配光パターンAkから左側に行くに従って光の強度が段階的に低くなる付加配光パターンApが形成される。
【0072】
このように、本ステップにおいて、制御部COは、ステアリングの操舵角が閾値Th2以上である旋回時において、ロービームの配光パターンLpにおける光の強度が最も高い第1領域及び付加配光パターンApにおける光の強度が最も高い第2領域のそれぞれが直進時に比べて車両が旋回する側に位置するとともに、旋回時の少なくとも一部の期間において第2領域が第1領域よりも車両が旋回する側に位置するように、光源部LUを制御する。制御部COは、本ステップの後、制御フローをステップSP5に進める。
【0073】
一方、制御部COは、操舵角センサ501に印加される電圧と基準電圧V
0との差分がマイナスとなる車両500の左旋回時では、マイナスの電圧の第2制御信号を電源回路505に出力する。その結果、電源回路505を介して、
図11(A)に示す電力が各第1発光素子55a~55gに印加されるとともに、
図11(B)に示す電力が各第2発光素子63a~63kに印加される。なお、
図11(A)及び
図11(B)では、各発光素子に印加される電力の大きさがデューティー比で表されている。
【0074】
図11(A)に示すように、制御部COは、第1発光素子55a~55gのうち中央に位置する第1発光素子55dを基準として
図4において1つ左側に位置する第1発光素子55cに最も強い電力を印加する。また、制御部COは、第1発光素子55cから左側及び右側に行くに従って、第1発光素子55に印加する電力を小さくする。なお、
図7に示す電力分布を単に左に1つ移動しただけでは最も右に位置する第1発光素子55gに電力が印加されなくなるため、本実施形態では、制御部COは、これを防ぐために第1発光素子55gにも電力を印加する。なお、本ステップにおいて第1発光素子55gに電力を印加することは必須ではない。
【0075】
図12は、車両500が左旋回する場合における配光パターンを示しており、車両500が左カーブ道路LRを走行する様子を示している。本実施形態において、この左カーブ道路LRは
図10に示す右カーブ道路RRよりも緩やかに曲がっており、左カーブ道路LRの曲率は右カーブ道路RRの曲率よりも小さい。
【0076】
本ステップでは、上記のようなパターンで電力が印加されることによって、
図12においてハッチングで示すように、ロービームの配光パターンLpにおいて、中央に位置する区分配光パターンLdを基準として1つ左側に位置する区分配光パターンLcが光の強度が最も高い第1領域となり、いわゆるホットゾーンとなる。こうして、本ステップにおいて、ロービームの配光パターンLpにおける光の強度が最も高い第1領域が、直進時に比べて車両500が旋回する側である左側に移動する。また、上記のようなパターンで電力が印加されることにより、ホットゾーンである区分配光パターンLcから右側及び左側に行くに従って光の強度が段階的に低くなるロービームの配光パターンLpが形成される。
【0077】
また、
図11(B)に示すように、制御部COは、第2発光素子63a~63kのうち中央に位置する第2発光素子63fを基準として
図4において4つ左側に位置する第2発光素子63bに最も強い電力を印加する。また、制御部COは第2発光素子63bから右側及び左側に行くに従って、第2発光素子63に印加する電力を小さくする。なお、
図7に示す電力分布を単に左に4つ移動しただけでは、右側の4つの第2発光素子63h~63kに電力が印加されなくなるため、本実施形態では、制御部COは、これを防ぐために第2発光素子63h~63kにも電力を印加する。なお、本ステップにおいて第2発光素子63h~63kに電力を印加することは必須ではない。
【0078】
このようなパターンで電力が印加されることによって、
図12においてハッチングで示すように、付加配光パターンApにおいて、中央に位置する区分配光パターンAfを基準として
図4において4つ左側に位置する区分配光パターンAbが光の強度が最も高い第2領域となり、いわゆるホットゾーンとなる。この第2領域である区分配光パターンAbは、第1領域である区分配光パターンLcよりも車両500が旋回する側である左側に位置している。こうして、本ステップにおいて、付加配光パターンApにおける光の強度が最も高い第2領域が、直進時に比べて車両500が旋回する側である左側に移動する。また、上記のようなパターンで電力が印加されることにより、ホットゾーンである区分配光パターンAbから右側及び左側に行くに従って光の強度が段階的に低くなる付加配光パターンApが形成される。
【0079】
このように、本ステップにおいて、制御部COは、ステアリングの操舵角が閾値Th2以上である旋回時において、ロービームの配光パターンLpにおける光の強度が最も高い第1領域及び付加配光パターンApにおける光の強度が最も高い第2領域のそれぞれが直進時に比べて車両が旋回する側に位置するとともに、旋回時の少なくとも一部の期間において第2領域が第1領域よりも車両が旋回する側に位置するように、光源部LUを制御する。制御部COは、本ステップの後、制御フローをステップSP5に進める。
【0080】
ところで、本実施形態の例では、左カーブ道路LRよりも曲率が大きな右カーブ道路RRを走行する場合、直進時を基準として第2領域が車両が旋回する側に5つ移動するのに対して、右カーブ道路RRよりも曲率が小さな左カーブ道路LRを走行する場合、直進時を基準として第2領域が車両が旋回する側に4つ移動する。これに対し、本実施形態の例では、右旋回時及び左旋回時のいずれにおいても第1領域は直進時を基準として車両が旋回する側に1つ移動する。したがって、本実施形態の例では、曲率が大きな右カーブ道路RRを走行する際に第2領域が第1領域から離間する距離は、曲率が小さな左カーブ道路LRを走行する際に第2領域が第1領域から離間する距離よりも大きい。このように、本実施形態では、制御部COは、ステアリングの操舵角が大きい程、第2領域を第1領域から離間させる。こうして、本実施形態では、カーブ道路の曲率が大きい程第2領域が車両が旋回する側に位置する。
【0081】
(ステップSP5)
本ステップにおいて、制御部COは、操舵角センサ501に印加される電圧と基準電圧V0との差分が上記閾値Th1よりも小さいことを示す信号が入力する場合、制御フローをステップSP6に進める。一方、制御部COは、操舵角センサ501に印加される電圧と基準電圧V0との差分が上記閾値Th1以上であることを示す信号が入力する場合、制御フローをステップSP4に戻す。
【0082】
(ステップSP6)
本ステップは、車両500が右カーブ道路RR又は左カーブ道路LRを通過し終えて直線道路SRに達したタイミングにおける制御部COの制御である。ここでは、右カーブ道路RRを通過し終えたタイミングを例にして説明する。
図13(A)は本ステップにおいて各第1発光素子55a~55gに印加される電力を示すグラフであり、
図13(B)は本ステップにおいて各第2発光素子63a~63kに印加される電力を示すグラフである。
図13(A)及び
図13(B)では、各発光素子に印加される電力の大きさがデューティー比で表されている。
図13(A)に示すように、本ステップにおいて、制御部COは、第1発光素子55a~55gに印加される電力パターンを
図9(A)に示すステップSP4の状態のままにする。一方、
図13(B)に示すように、制御部COは、本ステップにおいて、第2発光素子63a~63kに印加される電力パターンを
図7(B)に示す直進時のパターンに戻す。
【0083】
このようなパターンで電力が印加されることによって、
図14においてハッチングで示すように、ロービームの配光パターンLpにおける第1領域はステップSP4の区分配光パターンLeのままであり、付加配光パターンApの第2領域が直進時の区分配光パターンAfであるハイビームの配光パターンHpが形成される。
【0084】
このように、本実施形態において、制御部COは、操舵角が閾値Th2以上である旋回状態から操舵角が閾値Th2よりも小さい概ね直進状態になるステップSP6において、第1領域が直進時における位置に戻るよりも早く第2領域が直進時における位置に戻るように、光源部LUを制御する。
【0085】
制御部COは、本ステップの後、制御フローをステップSP2に戻す。
【0086】
なお、本実施形態において、車両500がいわゆるS字カーブ道路を走行する場合、制御部COは、ステップSP1,SP2,SP4,SP5,SP6の制御フローを2回行う。例えば、車両500が例えば右カーブ道路の後に左カーブ道路が連続するS字カーブを走行する場合、制御部COは、1回目の制御フローのステップSP4において
図9(A)及び
図9(B)に示す右旋回用の電力を各発光素子に印加した後、2回目の制御フローにおいて
図11(A)及び
図11(B)に示す左旋回用の電力を各発光素子に印加する。
【0087】
以上説明したように、本実施形態の車両用前照灯1は、ロービームの配光パターンLpとなる第1の光L1とロービームの配光パターンLpに付加されてハイビームの配光パターンHpを形成する付加配光パターンApとなる第2の光L2とを出射する光源部LUと、制御部COと、を備える。制御部COは、直進時からのステアリングの操舵角が閾値Th2以上である旋回時において、ロービームの配光パターンLpにおける光の強度が最も高い第1領域及び付加配光パターンApにおける光の強度が最も高い第2領域のそれぞれが直進時に比べて車両500が旋回する側に位置するとともに、旋回時の少なくとも一部の期間において、第2領域が第1領域よりも車両500が旋回する側に位置するように、光源部LUを制御する。
【0088】
車両が旋回する際、運転者は、車両が旋回する方向における前方を視認するために、カーブ道路の車両が向く方向よりも車両が旋回する側の方向に視線を向ける傾向にある。この車両用前照灯1によれば、上記操舵角が閾値Th2以上である場合において、第1領域と第2領域との双方が、直進時に比べて車両が旋回する側に移動する。このため、この車両用前照灯1では、旋回時において、ロービームの配光パターンLpにおける運転者の視線が向けられる領域及び付加配光パターンApにおける運転者の視線が向けられる領域の双方が明るく照らされ得、旋回時における視認性が向上し得る。
【0089】
また、一般的に、ハイビームの配光パターンにおいて、付加配光パターンはロービームの配光パターンよりも遠方側を照射する。このため、付加配光パターンのホットゾーンがロービームの配光パターンのホットゾーンよりも車両が旋回する側に位置すれば、車両が旋回する方向における遠方がより明るく照らされ得る。この車両用前照灯1によれば、旋回時の少なくとも一部の期間において、上記第2領域が上記第1領域よりも車両が旋回する側に位置する。このため、この車両用前照灯1によれば、旋回時の少なくとも一部の期間において、車両が旋回する方向における遠方が、第2領域が第1領域よりも車両が旋回する側に位置しない場合に比べて明るく照射され得る。ところで、車両が旋回する際、運転者はカーブ道路の旋回方向における遠方側を視認して当該カーブ道路の全体像を把握した上で、車両に近い側を視認する傾向にある。したがって、上記のように旋回方向における遠方側がより明るくなることによって、運転者はカーブ道路の遠方側を視認してカーブ道路の全体像を把握した上でカーブ道路の近方側を確認することが容易になり得、旋回時における視認性がより向上し得る。
【0090】
また、本実施形態において、制御部COは、操舵角センサ501に印加される電圧と基準電圧V0との差分が上記閾値Th1よりも小さいことを示す信号が入力してから、当該差分が閾値Th1以上であることを示す信号が入力するまでの期間にわたって、すなわち、車両500の旋回時の概ね全期間にわたって、第2領域が第1領域よりも車両500が旋回する側に位置するように、光源部LUを制御する。これにより、旋回時の概ね全期間において、付加配光パターンApのホットゾーンがロービームの配光パターンLpのホットゾーンよりも車両が旋回する側に位置するため、旋回方向における遠方が常時明るく照射され得、旋回時における視認性がより向上し得る。
【0091】
また、本実施形態において、制御部COは、車速が所定の速度Vs以上である場合、かつ、旋回時において、第1領域及び第2領域のそれぞれが直進時に比べて車両500が旋回する側に位置するとともに、第2領域が第1領域よりも車両が旋回する側に位置するように、光源部LUを制御する。運転者は、旋回時における車両の速度が高速になる程、車両が旋回する方向における遠方を確認したいとの心理を抱き易い。よって、車速が所定の速度Vs以上である場合に上述の制御を実行することで、旋回時における視認性向上の効果をより享受し得る。ただし、車速に関わらず上記制御を実行してもよい。この場合、上記ステップSP1を省略して制御を簡易にすることができる。
【0092】
また、本実施形態において、制御部COは、操舵角が閾値Th2以上である状態から操舵角が閾値Th2よりも小さい状態になる場合に、第1領域が直進時における位置に戻るよりも早く第2領域が直進時における位置に戻るように、光源部LUを制御する。これにより、車両500がカーブ道路を曲がり終えるタイミングで今後走行する直線道路の遠方がいち早く明るく照射されるため、運転者はカーブ道路を曲がり終えるタイミングでいち早く進行方向の遠方を明確に視認することができる。したがって、カーブ道路を曲がり終えるタイミングにおける視認性が向上し得る。ただし、操舵角が閾値Th2以上である状態から操舵角が閾値Th2よりも小さい状態になる場合において、必ずしも第1領域が直進時における位置に戻るよりも早く第2領域が直進時における位置に戻さなくてもよい。この場合、制御フローからステップSP6を省略することができ、制御を簡易にし得る。
【0093】
ところで、カーブ道路の曲率が大きい程、運転者は視線をより車両が旋回する側に向ける傾向にある。本実施形態において、制御部COは、ステアリングの操舵角が大きい程、第2領域を第1領域から離間させる。よって、本実施形態によれば、操舵角が大きい程第2領域が車両が旋回する側に位置するため、カーブ道路の曲率が大きい場合に運転者の視線が向く方向における前方をより適切に明るく照射することができる。したがって、旋回時における視認性がより向上し得る。ただし、ステアリングの操舵角が大きい程第2領域を第1領域から離間させることは必須ではない。
【0094】
以上、本発明について上記実施形態を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0095】
例えば、上記実施形態では、制御部COが、旋回時のほぼ全期間にわたって第2領域が第1領域よりも車両500が旋回する側に位置するように、光源部LUを制御する例を示した。しかし、制御部COは、旋回時の少なくとも一部の期間において、第2領域が第1領域よりも車両500が旋回する側に位置するように、光源部LUを制御すればよい。以下、この点について説明する。
【0096】
例えば、制御部COは、旋回時において、操舵角が閾値Th2に達した時点からの所定の期間にわたって第2領域が第1領域よりも車両が旋回する側に位置するように、光源部LUを制御してもよい。この場合、車両500が旋回を始めるタイミングを含む旋回時の初期において、付加配光パターンApのホットゾーンがロービームの配光パターンLpのホットゾーンよりも車両が旋回する側に位置する。このため、旋回の初期において車両が旋回する方向における遠方が明るく照射され、旋回の初期における視認性が向上し得る。
【0097】
また、制御部COは、旋回時の所定の時点から操舵角が閾値Th2に達するまでの所定の期間にわたって第2領域が第1領域よりも車両が旋回する側に位置するように、光源部LUを制御してもよい。この場合、車両500がカーブ道路を曲がり終えるやや前の時点からカーブ道路を曲がり終えるまでの旋回時に終期において、付加配光パターンApのホットゾーンがロービームの配光パターンLpのホットゾーンよりも車両が旋回する側に位置する。このため、旋回の終期において車両が旋回する方向における遠方が明るく照射され、旋回の終期における視認性が向上し得る。
【0098】
また、上述の実施形態では操舵角の閾値Th2が1つである場合を説明したが、操舵角の閾値を複数設定してもよい。例えば、上記閾値Th2を第1閾値として、第1閾値よりも大きい絶対値の第2閾値Th2Aと、第2閾値Th2Aよりも大きい絶対値の第3閾値Th2Bとさらに設定してもよい。この場合、例えば、制御部COは、操舵角が第2閾値Th2Aに達するまでは第1領域と第2領域とのそれぞれの左右方向における位置が一致するように第1領域及び第2領域を車両が旋回する側に移動させ、操舵角が第2閾値Th2A以上となり第3閾値Th2Bに達するまでの間、第2領域が第1領域よりも車両が旋回する側に位置するように、光源部LUを制御してもよい。なお、この場合において、例えば、第2閾値Th2Aを5°とし、第3閾値Th2Bを10°としてもよい。
【0099】
また、制御部COは、旋回時において、操舵角が次第に増加する期間において第1領域と第2領域とのそれぞれの左右方向における位置が一致するように第1領域及び第2領域を車両が旋回する側に移動させた後、操舵角が次第に小さくなり閾値Th2に戻るまでの期間において第2領域が第1領域よりも車両が旋回する側に位置するように、光源部LUを制御してもよい。
【0100】
また、上記実施形態で示したロービームの配光パターンLp及び付加配光パターンApは例示的なものであり、ロービームの配光パターンLp及び付加配光パターンApのそれぞれの形状及び光の強度分布は適宜変更することができる。
【0101】
また、上記実施形態では、第1発光素子55a~55g及び第2発光素子63a~63kのそれぞれに供給される電力を調整することにより第1発光素子55a~55g及び第2発光素子63a~63kのそれぞれから出射する光の強度を調節する例を説明したが、例えば、制御部COが、各発光素子に印加する電流を示す信号を出力して、第1発光素子及び第2発光素子のそれぞれに供給される電流を調整してもよい。このように電流に基づいて第1発光素子55a~55g及び第2発光素子63a~63kのそれぞれから出射する光の強度を調節してもよい。
【0102】
また、上記実施形態で示した車両用前照灯1の構成は例示的なものであり、適宜変更することができる。例えば、上記実施形態では、LEDアレイを用いて配光パターンを変化させる例を説明したが、光源部LUをメカニカルに移動させて配光パターンを変化させてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明によれば、旋回時における視認性が向上し得る車両用前照灯が提供され、例えば自動車などの分野において利用可能である。
【符号の説明】
【0104】
1・・・車両用前照灯
55a~55g・・・第1発光素子
63a~63k・・・第2発光素子
500・・・車両
501・・・操舵角センサ
503・・・車速センサ
CO・・・制御部
LU・・・光源部
Ap・・・付加配光パターン
Lp・・・ロービームの配光パターン
Hp・・・ハイビームの配光パターン
SR・・・直線道路
RR・・・右カーブ道路
LR・・・左カーブ道路