(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022117363
(43)【公開日】2022-08-10
(54)【発明の名称】揮散器
(51)【国際特許分類】
B65D 85/00 20060101AFI20220803BHJP
B65D 83/00 20060101ALI20220803BHJP
【FI】
B65D85/00 A
B65D83/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021014021
(22)【出願日】2021-01-29
(71)【出願人】
【識別番号】000176637
【氏名又は名称】日本製紙パピリア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074181
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 明博
(74)【代理人】
【識別番号】100206139
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 匡
(71)【出願人】
【識別番号】515215416
【氏名又は名称】大阪化工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074181
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 明博
(72)【発明者】
【氏名】鹿又 喜輝
(72)【発明者】
【氏名】小田 誠志
【テーマコード(参考)】
3E068
【Fターム(参考)】
3E068AA35
3E068AA40
3E068BB02
3E068CC03
3E068DE02
3E068EE40
(57)【要約】
【課題】 外部へ放出され揮散する揮散性物質の揮散量を容易に調節できるようにし、揮散性物質の効果を有効に得ることができるようにした揮散器を得る。
【解決手段】 上部に収容部2よりも小径の開口部3を有し、収容部2に揮散性物質を含む粒状の担体4を収容する容器5と、容器5の収容部2に取り出し可能に入れられて担体4の上に配置され、収容部2に収容されている担体4から揮発される揮散性物質の揮散量を規制する揮散量規制落とし蓋6を備えており、揮散量規制落とし蓋6は、可撓性のある材質で形成された板状体からなり、その外径は少なくとも容器5の開口部3より大きく形成し、また、板面には任意の間隔で少なくとも担体4のサイズより小さい揮散穴8を複数形成した。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に収容部よりも小径の開口部を有し、前記収容部に揮散性物質を含む粒状の担体を収容する容器と、前記容器の前記収容部に取り出し可能に入れられて前記担体の上に配置され、前記収容部に収容されている担体から揮発される揮散性物質の揮散量を規制する揮散量規制落とし蓋を備えており、
前記揮散量規制落とし蓋は、可撓性のある材質で形成された板状体からなり、その外径は少なくとも前記容器の前記開口部より大きく形成され、また、板面には任意の間隔で少なくとも前記担体のサイズより小さい揮散穴が複数形成されていることを特徴とする揮散器。
【請求項2】
前記揮散量規制落とし蓋にあっては、揮散穴の大きさ、あるいは数の異なる揮散量規制落とし蓋が複数用意されていることを特徴とする請求項1に記載の揮散器。
【請求項3】
前記揮散量規制落とし蓋には、中心または中心近傍に舌片状切り込みが形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の揮散器。
【請求項4】
前記揮散量規制落とし蓋には、外周端部から中心に向かって切り込みが形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の揮散器。
【請求項5】
前記揮散量規制落とし蓋の外周端部から中心に向かって形成された切り込みは、前記舌片状切り込みの頂部近傍に繋がっていることを特徴とする請求項4に記載の揮散器。
【請求項6】
揮散性物質を含む粒状の担体は、粒状パルプに液状の揮散性物質を含浸させたものであることを特徴とする請求項1に記載の揮散器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、揮散性物質を含む粒状の担体を収容し揮散性物質を外部へ揮散させる揮散器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、揮散性を有する芳香成分、消臭成分、防虫成分などの揮散性物質を含んだ担体を収容した揮散器として、揮散性物質を含んだ担体を収容した容器本体の開口部をシール等で密封し、容器本体の開口部に蓋体を被せた揮散用容器が知られている(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1に記載された揮散用容器は、蓋体に容器本体の収容した担体から揮発した揮散性物質を外部へ放出する揮散孔が設けられており、使用する際には、一旦容器本体から蓋体を外し、容器本体の開口部を覆っているシールを剥がし、再度容器本体の開口部に蓋を取り付けるものであり、担体から揮発した揮散性物質を、蓋体に設けられた揮散孔を通し、揮散孔から外部へ放出させ揮散させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されている揮散用容器にあっては、蓋体に設けられた揮散孔を通り、揮散孔から外部へ放出され揮散する揮散性物質の揮散量は、蓋体に設けられた揮散孔の大きさや数によって規制され、揮散性物質の揮散量を任意に調整することができない。
【0006】
このため、使用環境によっては揮散性物質の効果を有効に得ることができない場合がある。例えば、揮散性物質が芳香成分である場合、広い空間では満足できる香りが得られず、狭い空間では香りがきつすぎるといったことがあり、また、揮散性物質が消臭成分である場合、広い空間では満足できる消臭効果が得られず、狭い空間では揮散性物質の無駄な消費となり、また、揮散性物質が防虫成分である場合、広い空間では満足できる防虫効果が得られず、狭い空間では揮散性物質の無駄な消費となる。
【0007】
本発明の目的は、外部へ放出され揮散する揮散性物質の揮散量を容易に調節できるようにし、揮散性物質の効果を有効に得ることができるようにした揮散器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、上部に収容部よりも小径の開口部を有し、前記収容部に揮散性物質を含む粒状の担体を収容する容器と、前記容器の前記収容部に取り出し可能に入れられて前記担体の上に配置され、前記収容部に収容されている担体から揮発される揮散性物質の揮散量を規制する揮散量規制落とし蓋を備えており、前記揮散量規制落とし蓋は、可撓性のある材質で形成された板状体からなり、その外径は少なくとも前記容器の前記開口部より大きく形成され、また、板面には任意の間隔で少なくとも前記担体のサイズより小さい揮散穴が複数形成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、前記容器の前記収容部に取り出し可能に入れられて前記担体の上に配置され、前記収容部に収容されている担体から揮発される揮散性物質の揮散量を規制する揮散量規制落とし蓋を備えており、前記揮散量規制落とし蓋は、その板面に任意の間隔で揮散穴が複数形成されているので、使用時に、前記容器の前記開口部から前記容器の前記収容部へ前記揮散量規制落とし蓋を入れて前記担体の上に配置することにより、前記担体から揮発した揮散性物質は前記揮散量規制落とし蓋に形成されている前記揮散穴から、前記揮散穴の大きさと数により揮散量が規制されて放出され前記開口部から外部へ揮散される。
【0010】
そして、前記容器の前記収容部へ前記揮散量規制落とし蓋を入れると、前記収容部に収容されている担体から揮発される揮散性物質の揮散量が前記揮散量規制落とし蓋に設けられている前記揮散穴で規制されて放出され外部に揮散され、前記容器の前記収容部から前記揮散量規制落とし蓋を取り出すことにより、前記揮散量規制落とし蓋による担体から揮発される揮散性物質の放出の規制が無くなり、担体から揮発される揮散性物質がそのまま揮散されるので、前記容器の前記収容部への前記揮散量規制落とし蓋の出し入れにより揮散性物質の揮散量を調節することができる。
【0011】
また、前記揮散量規制落とし蓋を2枚用意し、前記容器の前記収容部へ2枚重なるように入れておき、重なる前記揮散量規制落とし蓋を回転方向にずらすことにより、重なる前記揮散量規制落とし蓋の前記揮散穴同士の連通する開口面の大きさを任意に調節することができ、揮散性物質の揮散量を任意に調節することができる。
【0012】
また、前記揮散量規制落とし蓋は、その外径は少なくとも前記容器の前記開口部より大きく形成されているので、前記容器が倒れた場合に前記収容部に入っている前記揮散量規制落とし蓋が前記容器から出てしまうおそれはなく、また、前記揮散量規制落とし蓋は可撓性のある材質で形成された板状体となっているので、前記揮散量規制落とし蓋を変形させることにより前記容器の前記収容部に容易に出し入れすることができる。
【0013】
また、前記揮散量規制落とし蓋の板面に形成されている前記揮散穴は前記担体のサイズより小さいので、前記容器が倒れた場合に前記収容部に入っている前記担体が前記容器からこぼれ出ることを防止することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の、前記揮散量規制落とし蓋にあっては、揮散穴の大きさ、あるいは数の異なる揮散量規制落とし蓋が複数用意されていることを特徴とする。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、前記揮散量規制落とし蓋にあっては、揮散穴の大きさ、あるいは数の異なる揮散量規制落とし蓋が複数用意されているので、揮散量規制落とし蓋を選択して使用することにより、揮散性物質の揮散量を容易に調節することができる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の、前記揮散量規制落とし蓋には、中心または中心近傍に舌片状切り込みが形成されていることを特徴とする。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、前記揮散量規制落とし蓋には、中心または中心近傍に舌片状切り込みが形成されているので、舌片状切り込みから舌片を立ち上げておくことにより、前記舌片を掴んで前記揮散量規制落とし蓋の前記容器の前記収容部への出し入れを容易に行うことができる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の、前記揮散量規制落とし蓋には、外周端部から中心に向かって切り込みが形成されていることを特徴とする。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、前記揮散量規制落とし蓋には、外周端部から中心に向かって切り込みが形成されているので、前記切り込みにより前記揮散量規制落とし蓋を容易に変形させることができ、前記揮散量規制落とし蓋の前記容器の前記収容部への出し入れを容易に行うことができる。
【0020】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の、前記揮散量規制落とし蓋の外周端部から中心に向かって形成された切り込みは、前記舌片状切り込みの頂部近傍に繋がっていることを特徴とする。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、前記揮散量規制落とし蓋の外周端部から中心に向かって形成された切り込みは、前記舌片状切り込みの頂部近傍に繋がっているので、前記揮散量規制落とし蓋を一層容易に変形させることができる。
【0022】
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の、揮散性物質を含む粒状の担体は、粒状パルプに液状の揮散性物質を含浸させたものであることを特徴とする。
【0023】
請求項6に記載の発明によれば、揮散性物質を含む粒状の担体は、粒状パルプに液状の揮散性物質を含浸させたものであるので、製造が容易であり、また、揮散性物質が揮発した後の担体の処分を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0024】
以上のように、本発明に係る揮散器によれば、外部へ放出され揮散する揮散性物質の揮散量を容易に調節できるようにし、揮散性物質の効果を有効に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明に係る揮散器の実施の形態の一例を示す断面図である。
【
図2】揮散量規制落とし蓋の一例を示す平面図である。
【
図3】揮散量規制落とし蓋による揮散性物質の揮散量の調節方法の第1例で、容器の収容部から揮散量規制落とし蓋を取り出した状態を示す説明図である。
【
図4】揮散量規制落とし蓋による揮散性物質の揮散量の調節方法の第2例で、容器の収容部へ揮散量規制落とし蓋を2枚重なるように入れた状態を示す説明図である。
【
図5】
図4に示す第2例で、2枚重ねた揮散量規制落とし蓋による揮散性物質の揮散量の調節方法を示す説明図である。
【
図6】(A)、(B)、(C)はそれぞれ揮散量規制落とし蓋による揮散性物質の揮散量の調節方法の第3例で使用する揮散量規制落とし蓋の一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係る揮散器の実施の形態の一例を、図面を参照して詳細に説明する。
図1~
図6は本発明に係る揮散器の実施の形態の一例を示すものであり、
図1は本例の揮散器の断面図、
図2は揮散量規制落とし蓋の一例を示す平面図、
図3は揮散量規制落とし蓋による揮散性物質の揮散量の調節方法の第1例で、容器の収容部から揮散量規制落とし蓋を取り出した状態を示す説明図、
図4は揮散量規制落とし蓋による揮散性物質の揮散量の調節方法の第2例で、容器の収容部へ2枚の揮散量規制落とし蓋を重なるように入れた状態を示す説明図、
図5は
図4に示す第2例で、2枚重ねた揮散量規制落とし蓋による揮散性物質の揮散量の調節方法を示す説明図、
図6は(A)、(B)、(C)はそれぞれ揮散量規制落とし蓋による揮散性物質の揮散量の調節方法の第3例で使用する揮散量規制落とし蓋の一例を示す平面図である。
【0027】
本例の揮散器1は、上部に収容部2よりも小径の開口部3を有し、収容部2に揮散性物質を含む粒状の担体4を収容する容器5と、容器5の収容部2に取り出し可能に入れられて担体4の上に配置され、収容部2に収容されている担体4から揮発される揮散性物質の揮散量を規制する散量規制落とし蓋6を備えている。
容器5にあっては、開口部3の口径が収容部2よりも小径であればよく、その形状にあっては特に限定されない。本例では水平断面形状が円形を成すように形成されている。
【0028】
また、本例では、開口部3に被せられて開口部3を封止する蓋体7を備えている。また、開口部3には、図示しないが開口部3を密封するシールが設けられており、このシールは使用時に剥がされる。
【0029】
また、容器5の収容部2に取り出し可能に入れられて担体4の上に配置される揮散量規制落とし蓋6は、可撓性のある材質で形成された板状体からなる。本例ではプラスチックシートが用いられている。揮散量規制落とし蓋6の外径は少なくとも容器5の開口部3より大きく形成され、また、板面には任意の間隔で少なくとも担体4のサイズより小さい揮散穴8が複数形成されている。
【0030】
揮散量規制落とし蓋6の板面に形成された揮散穴8の大きさや数は、特に限定されないが、収容部2に収容されている担体4から揮発される揮散性物質の揮散量を決める基準となり、揮散穴8が大きいほど、また、揮散穴8の数が多いほど外部へ放出される揮散性物質の揮散量が多くなる。
【0031】
また、本例では、揮散量規制落とし蓋6には、中心または中心近傍に舌片状切り込み9が形成されている。また、揮散量規制落とし蓋6には、外周端部から中心に向かって切り込み10が形成されている。本例では、切り込み10は舌片状切り込み9の頂部近傍に繋がっている。
【0032】
容器5の収容部2に収納される揮散性物質を含む粒状の担体4にあっては、特に限定されるものではないが、本例では、粒状パルプに揮散性物質を含浸させたものとなっている。また、揮散性物質にあっては、揮散性を有する芳香成分、消臭成分、防虫成分などがあり、これらの揮散性物質を含んだ担体が芳香剤、消臭剤、防虫剤を構成している。
【0033】
このように構成された揮散器1によれば、容器5の収容部2に取り出し可能に入れられて担体4の上に配置され、収容部2に収容されている担体4から揮発される揮散性物質の揮散量を規制する揮散量規制落とし蓋6を備えており、揮散量規制落とし蓋6は、その板面に任意の間隔で揮散穴8が複数形成されているので、容器5の開口部3から収容部2へ揮散量規制落とし蓋6を入れて担体4の上に配置することにより、担体4から揮発した揮散性物質は揮散量規制落とし蓋6に形成されている揮散穴8から、揮散穴8の大きさと数により揮散量が規制されて放出され開口部3から外部へ揮散される。
【0034】
そして、収容部2に収容されている担体4から揮発される揮散性物質の揮散量の調節は揮散量規制落とし蓋6により、次に例示する方法で行われる。
【0035】
先ず、揮散性物質の揮散量の調節方法の第1例では、容器5の収容部2へ揮散量規制落とし蓋6を出し入れすることにより調節する。
このように、容器5の収容部2へ揮散量規制落とし蓋6を入れることにより、収容部2に収容されている担体4から揮発される揮散性物質の揮散量が揮散量規制落とし蓋6に設けられている揮散穴8で規制されて放出され外部に揮散され、
図3に示すように、容器5の収容部2から揮散量規制落とし蓋6を取り出すことにより、揮散量規制落とし蓋6による担体4から揮発される揮散性物質の放出の規制が無くなり、担体4から揮発される揮散性物質がそのまま揮散されるので、容器5の収容部2へ揮散量規制落とし蓋6を出し入れすることにより揮散性物質の揮散量を調節することができる。
【0036】
揮散性物質の揮散量の調節方法の第2例では、揮散量規制落とし蓋6を2枚用意し、
図4に示すように、容器5の収容部2へ2枚重なるように入れておき、
図5に示すように、重なる揮散量規制落とし蓋6を回転方向にずらすことにより調節する。
このように、重なる揮散量規制落とし蓋6を回転方向にずらすことにより、重なる揮散量規制落とし蓋6の揮散穴8同士の連通する開口面の大きさを任意に調節することができ、揮散性物質の揮散量を任意に調節することができる。
【0037】
揮散性物質の揮散量の調節方法の第3例では、揮散穴8の大きさや数の異なる揮散量規制落とし蓋6を複数用意し、いずれかの揮散量規制落とし蓋6を選択して使用することにより調節する。
図6(A)、(B)、(C)は揮散穴8の大きさや数の異なる揮散量規制落とし蓋6の一例を示している。
このように、揮散穴8の大きさや数の異なる揮散量規制落とし蓋6のいずれかを選択して使用することにより、揮散性物質の揮散量を容易に調節することができる。
【0038】
また、収容部2に収容されている担体4から揮発される揮散性物質の揮散量の調節のために、容器5の収容部2への揮散量規制落とし蓋6の出し入れに際しては、揮散量規制落とし蓋6は、その外径は容器5の開口部3より大きく形成されているが、揮散量規制落とし蓋6は可撓性のある材質で形成された板状体となっているので、揮散量規制落とし蓋6を変形させることにより容器5の収容部2に容易に出し入れすることができる。
【0039】
本例では、揮散量規制落とし蓋6に、外周端部から中心に向かって切り込み10が形成されているので、切り込み10により揮散量規制落とし蓋6を容易に変形させることができ、容器5の収容部2への揮散量規制落とし蓋6の出し入れを容易に行うことができる。
【0040】
さらに本例では、揮散量規制落とし蓋6の外周端部から中心に向かって形成された切り込み10は、後述する舌片状切り込み9の頂部近傍に繋がっているので、揮散量規制落とし蓋6を一層容易に変形させることができる。
【0041】
また、本例では、揮散量規制落とし蓋6には、中心または中心近傍に舌片状切り込み9が形成されているので、舌片状切り込み9から舌片9aを立ち上げておくことにより、舌片9aを掴んで容器5の収容部2への揮散量規制落とし蓋6の出し入れを容易に行うことができる。
【0042】
また、揮散量規制落とし蓋6は、その外径が容器5の開口部3より大きいので、容器5が倒れた場合に収容部2に入っている揮散量規制落とし蓋6が容器5から出てしまうおそれはなく、また、揮散量規制落とし蓋6の板面に形成されている揮散穴8は担体4のサイズより小さいので、容器5が倒れた場合に収容部2に入っている担体4が容器5からこぼれ出ることを防止することができる。
【0043】
また、本例で、容器5の収容部2へ収容される揮散性物質を含む粒状の担体4は粒状パルプに揮散性物質を含浸させたものであるので、製造が容易であり、また、揮散性物質が揮発した後の担体の処分を容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0044】
1 揮散器
2 収容部
3 開口部
4 担体
5 容器
6 揮散量規制落とし蓋
7 蓋体
8 揮散穴
9 舌片状切り込み
9a 舌片
10 切り込み