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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022117378
(43)【公開日】2022-08-10
(54)【発明の名称】情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20220803BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20220803BHJP
   G06F 16/2457 20190101ALI20220803BHJP
   G06F 16/904 20190101ALI20220803BHJP
   G06F 16/903 20190101ALI20220803BHJP
【FI】
G06F13/00 650A
G06F3/0481
G06F16/2457
G06F16/904
G06F16/903
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021060976
(22)【出願日】2021-03-31
(31)【優先権主張番号】P 2021013496
(32)【優先日】2021-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110000534
【氏名又は名称】弁理士法人真明センチュリー
(72)【発明者】
【氏名】中村 正樹
(72)【発明者】
【氏名】柚木 涼子
【テーマコード(参考)】
5B084
5B175
5E555
【Fターム(参考)】
5B084AA01
5B084AA16
5B084AB01
5B084AB06
5B084AB14
5B084AB18
5B084AB31
5B084BB02
5B084BB04
5B084CA07
5B084CB06
5B084CB15
5B084CB22
5B084CB23
5B084CC07
5B084CC14
5B084CF02
5B084CF03
5B084CF12
5B084DB08
5B084DC02
5B084DC03
5B084DC06
5B084EA47
5B175GB04
5B175HA01
5B175JA02
5B175JC03
5E555AA30
5E555AA61
5E555BA13
5E555BB13
5E555BC17
5E555BD06
5E555CB44
5E555DB03
5E555DB41
5E555DC61
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】共有画面上での議論を円滑にできる情報処理プログラムを提供することを提供すること。
【解決手段】共有画面41上の付箋50に入力されている文章から関連語が抽出され、その関連語の属する分野が付箋50の関連分野として特定される。関連分野に応じた機能が共有画面41上で実行されるので、共有画面41上に多数の付箋50が入力された場合であっても、それらの付箋50の情報を関連分野毎に容易に整理できる。これにより、ユーザは共有画面41上での議論を円滑にできる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
他のコンピュータと共有された共有画面を表示する表示部と、その表示部に表示された前記共有画面にオブジェクトを入力する操作を受け付ける入力部と、を有するコンピュータに、複数の分野とその分野に属する関連語群との組み合わせによる分野辞書データを用いた処理を前記共有画面上で実行させる情報処理プログラムであって、
前記共有画面上の前記オブジェクトの情報を抽出する情報抽出ステップと、
その情報抽出ステップで抽出された前記オブジェクトの情報から前記関連語を抽出する関連語抽出ステップと、
その関連語抽出ステップで抽出された前記関連語が属する分野を、当該関連語が入力されている前記オブジェクトの関連分野として特定する関連分野特定ステップと、
その関連分野特定ステップで特定された前記関連分野に応じた処理を前記共有画面上で実行する実行ステップと、
を備えていることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項2】
前記共有画面上の前記オブジェクトの情報に含まれる前記関連語の出現数を算出する算出ステップと、
その算出ステップで算出された前記関連語の出現数から前記共有画面上で話題になっている前記関連分野を推定する話題推定ステップと、を備え、
前記実行ステップが実行する処理は、前記話題推定ステップで話題になっていると推定された前記関連分野に応じたテンプレートであって、前記オブジェクトが配置される配置領域を複数有するテンプレートを前記共有画面上に表示するものであることを特徴とする請求項1記載の情報処理プログラム。
【請求項3】
前記共有画面上で使用された前記テンプレートのうち、前記関連分野が話題になった場合に最も使用回数が多い頻出テンプレートを抽出するテンプレート抽出ステップを備え、
前記関連分野が話題になった場合に前記実行ステップが実行する処理は、前記テンプレート抽出ステップで抽出された前記頻出テンプレートが前記共有画面上で使用されていない場合に、当該頻出テンプレートを共有画面上に表示するものであることを特徴とする請求項2記載の情報処理プログラム。
【請求項4】
前記話題推定ステップは、前記共有画面上で話題になっている前記関連分野の数を推定し、
前記実行ステップが実行する処理は、前記話題推定ステップで推定された前記関連分野の数に応じた配置領域を有する前記テンプレートを提示するものであることを特徴とする請求項2又は3に記載の情報処理プログラム。
【請求項5】
前記テンプレートの配置領域に付された項目とその項目に属する項目関連語群との組み合わせによる項目辞書データを参照し、前記情報抽出ステップで抽出された前記オブジェクトの情報から前記項目関連語を抽出する項目関連語抽出ステップと、
その項目関連語抽出ステップで抽出された前記項目関連語が属する分野を、当該項目関連語が入力されている前記オブジェクトの関連項目として特定する関連項目特定ステップと、
その関連項目特定ステップで特定された前記関連項目に対応する前記テンプレートの配置領域に、当該関連項目に関連する前記オブジェクトを配置する配置ステップと、を備えていることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の情報処理プログラム。
【請求項6】
前記共有画面上に新たな前記オブジェクトが入力される場合に、前記共有画面上に既に入力されている既存の前記オブジェクトから、新たな前記オブジェクトと同一の分野に関連する関連オブジェクトを抽出する関連オブジェクト抽出ステップを備え、
前記実行ステップが実行する処理は、前記関連オブジェクト抽出ステップで抽出された前記関連オブジェクトの周囲に新たな前記オブジェクトを配置するものであることを構成する請求項1から5のいずれかに記載の情報処理プログラム。
【請求項7】
前記実行ステップが実行する処理は、前記関連オブジェクトが複数存在する場合に、新たな前記オブジェクトと同一の前記関連分野の前記関連語が最も多く入力されている前記関連オブジェクトの周囲に新たな前記オブジェクトを配置するものであることを特徴とする請求項6記載の情報処理プログラム。
【請求項8】
前記共有画面上の前記オブジェクトの情報に含まれる前記関連語の出現数を算出する算出ステップを備え、
前記実行ステップが実行する処理は、前記算出ステップで算出された出現数順に前記関連語を並べたリストを、前記共有画面上で前記関連分野毎に表示するものであることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の情報処理プログラム。
【請求項9】
前記リスト内の前記関連語を選択する操作が前記入力部で受け付けられた場合に、その選択された前記関連語が入力されている前記オブジェクトを抽出する選択時抽出ステップと、
その選択時抽出ステップで抽出された前記オブジェクトの表示態様を、他の前記オブジェクトとは異なる表示態様で前記共有画面上に表示する表示態様変更ステップと、を備えることを特徴とする請求項8記載の情報処理プログラム。
【請求項10】
前記表示態様変更ステップは、前記選択時抽出ステップで複数の前記オブジェクトが抽出された場合に、それら複数の前記オブジェクトの表示態様を、前記算出ステップで算出された前記関連語の出現数に応じて異なる表示態様で表示することを特徴とする請求項9記載の情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、特定の語句に関連する類義語または同義語(関連語群)を類義語データベース44(分野辞書データ)に記憶しておき、その類義語データベース44を参照することで会議中の重要語を抽出する技術が開示されている。この技術では、抽出した会議中の重要語がリスト化されて表示されるので、会議の概要を容易に把握できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO2018/173252(例えば、段落0055,0056,0078,0079,0105、図3,6,9)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の技術では、複数のユーザ同士が共有する共有画面上での議論において、分野辞書データをどのように活用するかについて考慮されていない。かかる共有画面上においては、複数の付箋などのオブジェクトを入力しながら議論が進められるため、多数のオブジェクトの情報を整理するのに手間を要する。よって、共有画面上での議論を円滑に進めることができないという問題点がある。
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、共有画面上での議論を円滑にできる情報処理プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために本発明の情報処理プログラムは、他のコンピュータと共有された共有画面を表示する表示部と、その表示部に表示された前記共有画面にオブジェクトを入力する操作を受け付ける入力部と、を有するコンピュータに、複数の分野とその分野に属する関連語群との組み合わせによる分野辞書データを用いた処理を前記共有画面上で実行させる情報処理プログラムであって、前記共有画面上の前記オブジェクトの情報を抽出する情報抽出ステップと、その情報抽出ステップで抽出された前記オブジェクトの情報から前記関連語を抽出する関連語抽出ステップと、その関連語抽出ステップで抽出された前記関連語が属する分野を、当該関連語が入力されている前記オブジェクトの関連分野として特定する関連分野特定ステップと、その関連分野特定ステップで特定された前記関連分野に応じた処理を前記共有画面上で実行する実行ステップと、を備えている。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の情報処理プログラムによれば、共有画面上のオブジェクトの情報から関連語が抽出され、その関連語の属する分野が当該オブジェクトの関連分野として特定される。関連分野に応じた機能が共有画面上で実行されるので、共有画面上に多数のオブジェクトが入力された場合であっても、それらのオブジェクトの情報を関連分野毎に容易に整理できる。これにより、ユーザは共有画面上での議論を円滑にできるという効果がある。
【0008】
請求項2記載の情報処理プログラムによれば、請求項1記載の情報処理プログラムの奏する効果に加え、次の効果を奏する。共有画面上のオブジェクトの情報に含まれる関連語の出現数が算出され、算出された関連語の出現数から共有画面上で話題になっている関連分野が推定される。推定された話題に応じたテンプレートが共有画面上に表示され、このテンプレートは、オブジェクトが配置される配置領域を複数有するものである。これにより、推定された話題に適したテンプレートをユーザに提案できると共に、複数の配置領域にオブジェクトを入力し(貼り付け)ながら議論を進めさせることができる。よって、ユーザは多数のオブジェクトを容易に整理できるので、共有画面上での議論を円滑にできるという効果がある。
【0009】
請求項3記載の情報処理プログラムによれば、請求項2記載の情報処理プログラムの奏する効果に加え、次の効果を奏する。共有画面上で使用されたテンプレートのうち、関連分野が話題になった場合に最も使用回数が多い頻出テンプレートが抽出される。抽出された頻出テンプレートが共有画面上で使用されていない場合に、当該頻出テンプレートが共有画面上に表示されるので、推定された話題に適したテンプレートをユーザに提案できる。よって、ユーザはテンプレート上でのオブジェクトの整理を効率良くできるという効果がある。
【0010】
請求項4記載の情報処理プログラムによれば、請求項2又は3に記載の情報処理プログラムの奏する効果に加え、共有画面上で話題になっている関連分野の数が推定され、その関連分野の数に応じた配置領域を有するテンプレートが提示されるので、話題の数に適したテンプレートをユーザに提案できるという効果がある。
【0011】
請求項5記載の情報処理プログラムによれば、請求項2から4のいずれかに記載の情報処理プログラムの奏する効果に加え、次の効果を奏する。配置領域に付された項目とその項目に属する項目関連語群との組み合わせによる項目辞書データを参照し、オブジェクトの情報から項目関連語が抽出され、その項目関連語の属する項目が当該オブジェクトの関連項目と特定される。特定された関連項目に対応する配置領域にオブジェクトが配置されるので、ユーザがオブジェクトを移動させることなく、関連する配置領域にオブジェクトを自動配置できる。よって、ユーザの労力を低減させつつ、テンプレート上でのオブジェクトの整理を効率良くできるという効果がある。
【0012】
請求項6記載の情報処理プログラムによれば、請求項1から5のいずれかに記載の情報処理プログラムの奏する効果に加え、次の効果を奏する。共有画面上に新たなオブジェクトが入力される場合に、共有画面上に既に入力されている既存のオブジェクトから、新たなオブジェクトと同一の分野に関連する関連オブジェクトが抽出される。その抽出された関連オブジェクトの周囲に新たなオブジェクトが配置されるので、ユーザがオブジェクトを移動させることなく、互いに関連するオブジェクト同士を近付けて配置できる。これにより、ユーザの労力を低減させつつ、多数のオブジェクトを容易に整理できるので、共有画面上での議論を円滑にできるという効果がある。
【0013】
請求項7記載の情報処理プログラムによれば、請求項6記載の情報処理プログラムの奏する効果に加え、次の効果を奏する。関連オブジェクトが複数存在する場合に、新たなオブジェクトと同一の関連分野の関連語が最も多く入力されている関連オブジェクトの周囲に新たなオブジェクトが配置される。これにより、関連度が高いオブジェクト同士を近付けて配置できるので、ユーザの労力を低減させつつ、多数のオブジェクトを容易に整理できるという効果がある。
【0014】
請求項8記載の情報処理プログラムによれば、請求項1から7のいずれかに記載の情報処理プログラムの奏する効果に加え、次の効果を奏する。共有画面上のオブジェクトの情報に含まれる関連語の出現数が算出され、その出現数順に関連語を並べたリストが共有画面上で関連分野毎に表示される。これにより、ユーザは各分野に関連するオブジェクトがどの程度共有画面上に入力されているのかを容易に把握できるので、多数のオブジェクトの情報を容易に整理できる。よって、共有画面上での議論を円滑にできるという効果がある。
【0015】
請求項9記載の情報処理プログラムによれば、請求項8記載の情報処理プログラムの奏する効果に加え、次の効果を奏する。リスト内の関連語を選択する操作が入力部で受け付けられた場合に、選択された関連語が入力されているオブジェクトが抽出される。その抽出されたオブジェクトの表示態様が、他のオブジェクトとは異なる表示態様で共有画面上に表示されるので、ユーザは同一の関連語が入力されているオブジェクトを一目で把握できるという効果がある。
【0016】
請求項10記載の情報処理プログラムによれば、請求項9記載の情報処理プログラムの奏する効果に加え、次の効果を奏する。選択された関連語が入力されているオブジェクトが複数抽出された場合には、それら複数のオブジェクトの表示態様が、関連語の出現数に応じて異なる表示態様で表示される。これにより、ユーザはオブジェクトに入力されている関連語の出現度の違いを一目で把握できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】(a)は本発明の一実施形態における情報処理システムの概略図であり、(b)は分野辞書データを模式的に表す図である。
図2】(a)は端末に表示されるウインドウを表す図であり、(b)はウインドウの共有画面上に複数の付箋が入力された状態を表す図である。
図3】(a)は全頻出語リストデータを模式的に表す図であり、(b)は分野毎頻出語リストデータを模式的に表す図である。
図4】(a)は共有画面上に全頻出語リストを表示した状態を表す図であり、(b)は共有画面上に分野毎頻出語リストを表示した状態を表す図である。
図5】(a)は頻出語リスト内の関連語が選択された時に付箋の表示態様が変化した状態を表す図であり、(b)は共有画面上に分割テンプレートリストを表示した状態を表す図である。
図6】(a)は共有画面上に議題テンプレートリストを表示した状態を表す図であり、(b)は共有画面上に議題テンプレートを表示した状態を表す図である。
図7】(a)は頻出テンプレートデータを模式的に表す図であり、(b)は項目辞書データを模式的に表す図である。
図8】(a)は議題テンプレートにキーワードが入力された時に付箋が自動配置された状態を表す図であり、(b)は議題テンプレートのキーワードが変更された時に付箋が再配置された状態を表す図である。
図9】(a)は図2(b)の状態から新たな付箋が入力される状態を表す図であり、(b)は図9(a)の状態から新たな付箋が自動配置された状態を表す図である。
図10】情報処理システムの電気的構成を示すブロック図である。
図11】端末のメイン処理のフローチャートである。
図12】端末のテンプレートリスト表示処理のフローチャートである。
図13】サーバのメイン処理のフローチャートである。
図14】サーバの頻出語リスト作成処理のフローチャートである。
図15】サーバの話題推定処理のフローチャートである。
図16】サーバの頻出語リスト出力処理のフローチャートである。
図17】サーバの表示態様変更処理のフローチャートである。
図18】サーバの分割テンプレート提示処理のフローチャートである。
図19】サーバの議題テンプレート提示処理のフローチャートである。
図20】サーバのテンプレートの表示および更新処理のフローチャートである。
図21】サーバの項目辞書更新処理のフローチャートである。
図22】サーバの自動配置処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、好ましい実施形態について添付図面を参照して説明する。図1(a)は、情報処理システムSの概略図であり、図1(b)は、分野辞書データDFを模式的に表す図である。図2(a)は、端末2に表示されるウインドウ40を表す図であり、図2(b)はウインドウ40の共有画面41上に複数の付箋50が入力された状態を表す図である。なお、図2では、付箋50の背景色の相違をハッチングの種別で区別して模式的に図示している。
【0019】
図1及び図2に示すように、情報処理システムSは、サーバ1と、そのサーバ1にインターネットNを介して接続される複数の端末2とで構成される。情報処理システムSは、サーバ1に接続された複数の端末2間でグループを作成し、そのグループ内で共同作業を行うためのシステムである。
【0020】
サーバ1は、端末2から入力される文字や音声、静止画、動画等の各種の入力データを蓄積し、端末2からの指示に応じた処理を実行する情報処理装置である。端末2は、ユーザによるマウス27やキーボード28等の入力部からの入力に基づき、各種のデータの作成および編集をサーバ1へ指示する処理などを行う情報処理装置であり、パーソナルコンピュータが例示される。
【0021】
なお、端末2はパーソナルコンピュータに限られず、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の他の情報処理装置でも良い。端末2をスマートフォンやタブレット端末で構成する場合は、マウス27やキーボード28の代わりにタッチパネルを入力部とすれば良い。また、端末2に設けたマイク29(図10参照)を入力部とし、マイク29を介して入力された音声入力により各種の操作をしても良い。
【0022】
端末2のLCD(Liquid Crystal Display)26には、共有画面41の表示領域を構成するウインドウ40が表示される。共有画面41は、付箋50を貼り付けるための台紙(ホワイトボード)である。ウインドウ40の左側には、共有画面41に重ねて複数のメニューアイコン42a~42eが上下に並べて表示される。
【0023】
メニューアイコン42aをクリックすることにより、付箋50の色を選択するための色選択リスト43がメニューアイコン42aの隣に表示される。この色選択リスト43内には、異なる色を選択するための複数のアイコン43aが表示されており、いずれかのアイコン43aをクリックすると、そのアイコン43aの種類に応じた背景色で付箋50が作成される(共有画面41上に貼り付けられる)。
【0024】
付箋50は、テキストが入力される矩形の枠であり、この付箋50には、端末2のキーボード28による文字入力や、音声認識による文字入力によって文章が入力される。付箋50に文章を入力した後(又は文章を入力する前)に、付箋50をドラッグすることにより、付箋50を共有画面41上の所望の位置に移動させることができる。各端末2を操作する複数のユーザにより、共有画面41に複数の付箋50を貼り付けながら議論(共同作業)が進められる。本実施形態では、それらの付箋50に関連する分野を特定するための分野辞書データDFがサーバ1に保存される。
【0025】
分野辞書データDFには、会社名、自動車関連、果物、色などの分野毎に記憶領域が設けられており、それらの各領域に、各分野に関連する関連語群が記憶される。例えば会社名の分野には、「〇×株式会社」や「×△商事」などの関連語群が記憶され、自動車関連の分野には、「エンジン」、「タイヤ」などの関連語群が記憶される。また、果物の分野には、「りんご」や「みかん」などの関連語群が記憶され、色の分野には、「白」や「黒」などの関連語群が記憶される。
【0026】
付箋50に関連する分野を特定する場合には、まず、付箋50に入力される文章(入力文字列)を単語解析(形態素解析)し、付箋50の情報を抽出する(情報抽出ステップ)。次に、付箋50に入力されている文章から、分野辞書データDFに記憶されている関連語を抽出する(関連語抽出ステップ)。具体的には、例えば図2(a)に示すように、付箋50に「タイヤ」を含む文章が入力されている場合には、分野辞書データDFの関連語群から「タイヤ」が記憶されている関連語群を検索する。
【0027】
そして、「タイヤ」が記憶される関連語群は、自動車関連の分野に属しているため、「タイヤ」が入力されている付箋50の関連分野が自動車関連であると特定される(関連分野特定ステップ)。
【0028】
なお、付箋50に入力される一の語句と、他の語句とが異なる分野に関連している場合には、付箋50に最も多く関連語が入力されている分野を関連分野と特定する。例えば図2(b)に示すように、「タイヤ」及び「サスペンション」が入力される付箋50に、「〇×株式会社」も同時に入力されている場合には、自動車関連の分野に属する関連語が最も多く入力されているため、当該付箋50の関連分野が自動車関連であると特定する。
【0029】
このように、付箋50に入力されている関連語を抽出することにより、共有画面41に貼り付けられる複数の付箋50の各々がどの分野に関連するかを特定できる。本実施形態では、この付箋50に関連する分野に応じた各種の機能が共有画面41上で実行される。まず、付箋50に入力されている情報を整理するための頻出語リスト44(図4参照)について、図3及び図4を参照して説明する。
【0030】
図3(a)は全頻出語リストデータDLaを模式的に表す図であり、図3(b)は分野毎頻出語リストデータDLbを模式的に表す図である。図4(a)は、共有画面41上に全頻出語リスト44aを表示した状態を表す図であり、図4(b)は共有画面41上に分野毎頻出語リスト44bを表示した状態を表す図である。なお、図3に示す各頻出語リストデータDLa,DLbは、サーバ1(図1参照)に記憶されている。
【0031】
図3及び図4に示すように、全頻出語リストデータDLaには、過去10分間に共有画面41上の各付箋50に入力されている全ての語句を出現数順(頻出順)に並べたリストが記憶される。
【0032】
分野毎頻出語リストデータDLbには、会社名、自動車関連、果物、形容詞などの分野毎に記憶領域が設けられる。分野毎頻出語リストデータDLbの各記憶領域には、過去10分間に共有画面41上で付箋50に入力された全ての関連語を出現数順(頻出順)に並べたリストが記憶される。
【0033】
このような分野毎頻出語リストデータDLbを作成することにより、関連語の出現数が多い分野が共有画面41上で話題になっていることを推定できる。例えば、図3(b)に示す例では、自動車関連の関連語の出現数の総計が最も多いことが分かるので、共有画面41で議論されている話題が自動車関連であることを推定できる。また、本実施形態では、これらの各頻出語リストデータDLa,DLbを用いて頻出語リスト44(図4参照)が作成される。
【0034】
頻出語リスト44は、メニューアイコン42bをクリックすることで共有画面41上の付箋50に重ねて表示される。頻出語リスト44は、全頻出語リストデータDLaに記憶される語句をリスト化した全頻出語リスト44a(図4(a)参照)と、分野毎頻出語リストデータDLbに記憶される語句をリスト化した分野毎頻出語リスト44b(図4(b)参照)とに切り替え可能に構成される。
【0035】
全頻出語リスト44aには、共有画面41上の各付箋50に入力されている全ての語句が出現数順に表示されるため、このリストを参照することにより、ユーザは共有画面41上の各付箋50にどのような語句が入力されているのかを把握できる。
【0036】
一方、分野毎頻出語リスト44bには、共有画面41上の各付箋50に入力されている語句のうち、特定の分野の関連語のみが出現数順に表示される。分野毎頻出語リスト44bの下部には複数の切り替えアイコン44cが設けられており、これらの切り替えアイコン44cをクリックすることにより、各分野のリストに表示が切り替わるように構成されている。即ち、図4(b)では、「1」の数字が付された切り替えアイコン44cがクリックされ、自動車関連の頻出語リスト44bを表示した状態を図示しているが、他の数字の切り替えアイコン44cをクリックすることにより、他の分野(例えば、会社名や、果物)の頻出語リスト44bに表示が切り替わるようになっている。
【0037】
このように、各分野の関連語を出現数順に並べた頻出語リスト44bを分野毎に表示することにより、ユーザは各分野に関連する付箋50がどの程度共有画面41上に貼り付けられているのかを容易に把握できる。よって、共有画面41上でどの分野が話題になっているかや、その分野の中でも特にどの事柄を中心に議論が進められているかを容易に把握できる。
【0038】
頻出語リスト44には各関連語が上下に並べて表示され、それらの各関連語の右側には、関連語の出現数を視覚的に認識するためのバー44dが表示される。バー44dは、関連語の出現度に応じた長さで表示されるので、ユーザはバー44dの長さから各関連語の出現度合を容易に認識できる。
【0039】
各関連語の左側には、それらの関連語を選択するためのチェックボックス44eが表示される。このチェックボックス44eがチェック(クリック)されると、チェックされた関連語が入力されている付箋50が選択される。つまり、チェックされた関連語が複数の付箋50に入力されている場合には、それらの付箋50を同時選択し、その後の編集処理を行うことができる。よって、ユーザは所望の関連語が入力された付箋50を容易に整理できる。なお、付箋50の編集処理としては、付箋50をコピー&ペーストする処理の他、複数の付箋50を同時に移動または削除する処理、複数の付箋50のデータを同時に編集する(例えば、付箋50に入力される文章を同時に変更する)処理などが例示される。
【0040】
また、分野毎頻出語リスト44bには、リスト化されている各関連語を一括選択するための一括選択アイコン44fが表示される。この一括選択アイコン44fをクリックした場合には、全ての関連語(チェックボックス44e)が選択された状態となるため、所望の分野(図4(b)に示す例では、自動車関連)の関連語が入力されている各付箋50を全選択できる。よって、共有画面41上の各付箋50から、特定の分野の付箋50のみを抽出して編集処理を行うことができるので、各付箋50を分野毎に容易に整理できる。
【0041】
更に、本実施形態では、頻出語リスト44で関連語が選択された場合には、選択された関連語が入力されている付箋50の表示態様を、他の付箋50とは異なる表示態様で表示するように構成されている(図5(a)参照)。
【0042】
図5(a)は、頻出語リスト44内の関連語が選択された時に付箋50の表示態様が変化した状態を表す図である。図5(a)では、図4(b)の分野毎頻出語リスト44bにおいて、「タイヤ」及び「ブレーキ」の関連語が選択された場合を図示している。
【0043】
図5(a)に示すように、「タイヤ」及び「ブレーキ」の関連語が頻出語リスト44で選択された場合には、それらの「タイヤ」及び「ブレーキ」の関連語が入力されている付箋50が、他の付箋50(「タイヤ」及び「ブレーキ」が入力されていない付箋50)とは異なる表示態様で表示される。
【0044】
異なる表示態様とは、他の付箋50に比べて視覚的に強調された表示である。このような表示として、図5(a)では、付箋50の周囲を破線で取り囲む強調枠を例示しているが、かかる強調枠を点滅させる表示や、選択された付箋50の周囲の背景(共有画面41)の一部に着色を施す表示や、付箋50自体が拡大・縮小を繰り返すような表示でも良い。また、選択された付箋50のみを表示し、他の付箋50を一時的に(例えば頻出語リスト44が閉じられるまで)共有画面41上から消去しても良い。
【0045】
このように、選択された付箋50を他の付箋50とは異なる表示態様で表示することにより、ユーザは、頻出語リスト44で選択した関連語が入力されている付箋50を容易に把握できる。即ち、同一の関連語が入力された付箋50が共有画面41のどこに存在しているかを一目で把握できるので、共有画面41上のどの領域でどのような話題が議論されているかを容易に把握できる。
【0046】
また、本実施形態では、同じ分野に属する関連語が複数の付箋50に入力されている場合に、それら複数の付箋50の表示態様を、関連語の出現数に応じて異なる表示態様で表示する構成となっている。
【0047】
具体的には、図5(a)では、「タイヤ」及び「ブレーキ」の関連語が選択された状態を示しているが、「タイヤ」が入力されている付箋50が二重の強調枠で取り囲まれるのに対し、「ブレーキ」が入力されている付箋50は一重の強調枠で取り囲まれて表示される。これは、図4(b)に示すように、共有画面41上における「タイヤ」の出現数が「ブレーキ」の出現数に比べて多いためである。
【0048】
このように、関連語の出現数に応じて異なる表示態様で付箋50を表示することにより、ユーザは付箋50に入力されている関連語の出現度の違いを一目で把握できる。更に、出現数が多い関連語が入力されている付箋50を他の付箋50よりも強調して表示することにより、ユーザは話題になっている付箋50が共有画面41のどこに存在しているかを一目で把握できる。よって、共有画面41上のどの領域でどのような話題が議論されているかを容易に把握できる。
【0049】
また、本実施形態では、共有画面41上に貼り付けられた多数の付箋50を整理するための分割テンプレート45a~45c(図5(b)参照)が用意されている。図5(b)は、共有画面41上に分割テンプレートリスト45を表示した状態を表す図である。
【0050】
図5(b)に示すように、メニューアイコン42cがクリックされると、分割テンプレートリスト45が共有画面41上に表示される。分割テンプレートリスト45では、3種の分割テンプレート45a~45cの選択が可能となっており、選択された分割テンプレート45a~45cが共有画面41上に表示される。
【0051】
分割テンプレート45a~45cは、付箋50を配置するための配置領域が複数に分割されるテンプレートである。分割テンプレート45aは、「Todoリスト」のテンプレートであり、When(いつ)、Who(誰が)、及びWhat(何をする)の項目名が付された3つの配置領域に区画される。
【0052】
分割テンプレート45bは、「表」のテンプレートであり、付箋50の配置領域が複数行×複数列(図5(b)に示す例では、4行×4列)に区画される。分割テンプレート45cは、「格子」のテンプレートであり、付箋50の配置領域が3、4、6又は8個に格子状に分割される。
【0053】
分割テンプレート45a~45cのうち、現在の共有画面41上の話題に最も適したテンプレートが分割テンプレートリスト45の最上位に表示される。具体的には、共有画面41上でスケジュールに関する話題が話されている時には、「Todoリスト」の分割テンプレート45aが分割テンプレートリスト45の最上位に表示される。これにより、スケジュールの話題に適した分割テンプレート45aを使用するよう、ユーザに提案できる。
【0054】
また、共有画面41上で2種類の分野(例えば、「自動車関連」と「色」の分野)が話題になっている時には、「表」の分割テンプレート45bが分割テンプレートリスト45の最上位に表示される。これにより、2種類の話題を整理するのに適した分割テンプレート45bを使用するよう、ユーザに提案できる。
【0055】
また、共有画面41上で3種類以上の分野が話題になっている時には、「格子」の分割テンプレート45cが分割テンプレートリスト45の最上位に表示され、且つ、複数の分割テンプレート45cのうち、話題の数に最も近い配置領域を有する分割テンプレート45cが最上位(左上)に表示される。
【0056】
例えば、話題になっている分野の数が3分野である場合には、3分割の分割テンプレート45cが最上位(左上)に表示され、話題になっている分野の数が5分野である場合には、6分割の分割テンプレート45cが最上位(左上)に表示される。これにより、話題の数に応じた分割数を有する分割テンプレート45cを使用するよう、ユーザに提案できる。
【0057】
このように、話題に応じた分割テンプレート45a~45cの情報を共有画面41上に表示する(ユーザに提示する)ことにより、話題に適した分割テンプレート45a~45cの使用をユーザに提案できる。そして、これらの分割テンプレート45a~45cは、複数の配置領域を有するものであるため、それらの配置領域に付箋50を配置しながら議論を円滑に進めることができる。
【0058】
また、本実施形態では、分割テンプレート45a~45cの他に、議題テンプレート46a(図6参照)も用意されている。図6(a)は共有画面41上に議題テンプレートリスト46を表示した状態を表す図であり、図6(b)は共有画面41上に議題テンプレート46aを表示した状態を表す図である。
【0059】
図6(a)に示すように、メニューアイコン42dをクリックすることにより、議題テンプレートリスト46が共有画面41上に表示される。議題テンプレートリスト46では、複数の議題テンプレート46aの選択が可能となっており、選択された議題テンプレート46aが共有画面41上に表示される。
【0060】
議題テンプレート46aには、キーワードを入力するためのキーワードボックス46bと、付箋50を配置するための複数の配置領域46c~46eとが設けられている。キーワードボックス46bは、議題テンプレート46aを使用する際の議題(例えば、商品名や、商品の種類など)を入力するための欄であり、キーボード28を用いた文字入力が可能になっている。
【0061】
配置領域46c~46eは、議題テンプレート46aの議題に応じた付箋50を貼り付けるための領域である。配置領域46c~46eには、「コンセプト(紹介文)」、「どんな人がどんな時に乗るイメージ?」、及び「特徴(言葉や写真、イラストなど・・・)」の項目名が付されている。なお、このような配置領域46c~46eの数や、配置領域46c~46eに付されている項目名はあくまで一例であり、複数の議題テンプレート46aの種類(テンプレートA,B,C・・・)毎に、異なる数の配置領域や、異なる項目名の配置領域が設定されている。
【0062】
この議題テンプレート46aについても、共有画面41上の話題に適したものがユーザに提案される。この提案を行うための頻出テンプレートデータDTについて、図7(a)を参照して説明する。図7(a)は頻出テンプレートデータDTを模式的に表す図である。
【0063】
図7(a)に示すように、頻出テンプレートデータDTには、会社名、自動車関連、果物などの分野毎に記憶領域が設けられている。頻出テンプレートデータDTの各記憶領域には、過去に各分野が話題となった時に使用された全てのテンプレートを、使用回数順(頻出順)に並べたリストが記憶される。つまり、頻出テンプレートデータDTには、各分野が過去に話題になった際の議題テンプレート46aの使用履歴が記憶される。
【0064】
図7(a)に示す例では、過去に会社名の分野が話題になった際に「テンプレートA」及び「テンプレートB」の議題テンプレート46aが合計で12回使用され、「テンプレートC」の議題テンプレート46aが合計で5回使用されたデータが記憶される。このデータにより、会社名の分野が話題になった場合には、最も頻出度の高い「テンプレートA」又は「テンプレートB」が付箋50の整理に適していると判断できる。
【0065】
また、過去に自動車関連の分野が話題になった際に「テンプレートC」が8回、「テンプレートA」が6回、「テンプレートE」が5回使用されたデータが記憶される。このデータにより、自動車関連の分野が話題になった場合には、最も頻出度の高い「テンプレートC」の議題テンプレート46aが付箋50の整理に適していると判断できる。
【0066】
そして、共有画面41上で自動車関連が話題になっており、且つ、「テンプレートC」の議題テンプレート46aが共有画面41上で使用されていない場合には、図6(a)に示すように、「テンプレートC」の議題テンプレート46aが議題テンプレートリスト46の最上位に表示される。更に、「テンプレートC」を選択するためのアイコンには、「このテンプレートがよく使用されています!!」などの提案を記載した吹き出し46fが関連付けて表示される。これにより、自動車関連の話題を議論しているユーザに対し、その話題に適した議題テンプレート46aの使用を提案できる。
【0067】
議題テンプレート46aを使用する場合、議題テンプレート46aの各配置領域46c~46eに主に手動(例えばマウス操作)で付箋50を移動させながら議論が進められるが、本実施形態では、各配置領域46c~46eに付箋50を自動配置する機能も有している。この構成について、図7(b)及び図8を参照して説明する。
【0068】
図7(b)は、項目辞書データDIを模式的に表す図である。図8(a)は、議題テンプレート46aにキーワードが入力された時に付箋50が自動配置された状態を表す図であり、図8(b)は議題テンプレート46aのキーワードが変更された時に付箋50が再配置された状態を表す図である。
【0069】
図7(b)及び図8に示すように、項目辞書データDIは、「テンプレートA,B,C・・」の議題テンプレート46aの種類毎にサーバ1に記憶されており、項目辞書データDIには、議題テンプレート46aの各配置領域46c~46eに付された項目名毎に記憶領域が設けられている。項目辞書データDIの各記憶領域には、過去に議題テンプレート46aが使用された際に、各配置領域46c~46e内に貼り付けられた付箋50に入力されていた語句(項目関連語)を出現数順(頻出順)に並べたリストが記憶される。つまり、項目辞書データDIには、議題テンプレート46aの各配置領域46c~46eにどのような語句を持つ付箋50が入力されたかの履歴が記憶される。
【0070】
図7(b)に示す例では、自動車関連が話題である場合に、「コンセプト」の項目名が付された配置領域46cには、「価格」が入力されている付箋50が過去に47回配置されたことが記憶される。また、「デザイン」が入力されている付箋50は45回、「流行」が入力されている付箋50は33回、過去に配置領域46cに配置されたことが記憶されている。よって、「コンセプト」の項目名が付された配置領域46cには、「価格」、「デザイン」、「流行」などの語句が入力された付箋50がユーザによって配置され易いと判断できる。言い換えると、自動車関連の「コンセプト」の関連語が「価格」、「デザイン」、「流行」であると特定できる。
【0071】
また、「どんな人が、どんな時に・・・」の項目名が付された配置領域46dには、「時+人」が入力されている付箋50が過去に58回、「時+女性」が入力されている付箋50が過去に56回配置されたことが記憶される。なお、「時+人」とは、文章(一文)中に「時」の語句と「人」の語句とが入力されていることを意味している。
【0072】
これにより、自動車関連の「どんな人が、どんな時に・・・」の項目名が付された配置領域46dには、「時+人」を組み合わせた文章や、「時+女性」を組み合わせた文章を含む付箋50が配置され易いと判断できる。
【0073】
よって、議題テンプレート46aの各配置領域46c~46eに付箋50を自動配置する際に、項目辞書データDIを用いることで関連性の高い配置領域46c~46eに付箋50を配置できる。なお、この付箋50の自動配置は、メニューアイコン42eからの手動配置モード又は自動配置モードの設定で切り替えられるが、例えば、議題テンプレートリスト46で議題テンプレート46aが選択された時に「付箋50を自動配置しますか?」などのメッセージを共有画面41上に表示しても良い。
【0074】
図8に示すように、議題テンプレート46aのキーワードボックス46bにキーワードが入力されると、そのキーワードと同一の語句が入力されている付箋50であって、各配置領域46c~46eに関連する付箋50が自動配置される。この自動配置される付箋50は、議題テンプレート46aが選択(表示)される前に共有画面41上に貼り付けられていた付箋50である。
【0075】
各配置領域46c~46eに関連する付箋50は、上述した項目辞書データDIを参照することで抽出される。例えば、「コンセプト」の関連語のうち、項目辞書データDIでの出現回数が所定以上(例えば20以上)である「価格」、「デザイン」、「流行」などの関連語が入力されている付箋50が「コンセプト」の配置領域46cに関連すると判定される。
【0076】
また、「どんな人が、どんな時に・・・」の関連語のうち、項目辞書データDIでの出現回数が所定以上(例えば20以上)である「時+人」、「時+女性」、「時+男性」などの組み合わせの関連語が入力されている付箋50が「どんな人が、どんな時に・・・」の配置領域46dに関連すると判定される。
【0077】
よって、例えば図8(a)に示すように、キーワードボックス46bに「ミニバン」が入力されると、「コンセプト」の配置領域46cには、「ミニバン+価格」の組み合わせが入力されている付箋50や、「ミニバン+流行」の組み合わせが入力されている付箋50が自動配置される。また、「どんな人が、どんな時に・・・」の配置領域46dには、「ミニバン+女性+時」や「ミニバン+時+人」の組み合わせが入力されている付箋50が自動配置される。
【0078】
また、図8(b)に示すように、キーワードボックス46bに入力されるキーワードが「ミニバン」から「セダン」に変更された場合には、「コンセプト」の配置領域46cには、「セダン+デザイン性」や「セダン+価格」の組み合わせが入力されている付箋50が自動配置される。また、「どんな人が、どんな時に・・・」の配置領域46dには、「セダン+時+女性」や「セダン+時+男性」の組み合わせが入力されている付箋50が自動配置される。これらの付箋50も、議題テンプレート46aが選択(表示)される前に共有画面41上に貼り付けられていた付箋50である。
【0079】
このように、キーワードボックス46bのキーワードを入力または変更することにより、各配置領域46c~46eに関連する付箋50を自動配置できる。よって、ユーザが付箋50を移動させる労力を低減させつつ、議題プレート46aでの付箋50の整理を効率良くできる。
【0080】
また、このような付箋50の自動配置の機能は、共有画面41上に付箋50を貼り付ける操作にも適用可能に構成されている。この構成について、図9を参照して説明する。
【0081】
図9(a)は、図2(b)の状態から新たな付箋50が入力される状態を表す図であり、図9(b)は、図9(a)の状態から新たな付箋50が自動配置された状態を表す図である。なお、図9(a)では、新たな付箋50が自動配置される領域(移動先)を破線で図示しており、図9(b)では、かかる領域に新たな付箋50が自動配置された状態を図示している。
【0082】
また、図9では、共有画面41上の付箋50のうち、新たに作成されるものを付箋50a、既に共有画面41に作成されている既存のものを付箋50b~50hと符号を付して説明する。
【0083】
図9に示すように、付箋50の配置モードを自動配置モードに設定した状態で新たな付箋50aが作成された場合、その新たな付箋50aと関連する既存の付箋50b~50hの周囲に新たな付箋50aが自動配置される。
【0084】
付箋50の「周囲」とは、付箋50を中心にした所定領域内であって、例えば、付箋50の外径(付箋50が矩形などの多角形であれば、その外接円の直径、付箋50が円形であれば、その直径)の2~3倍の円で描いた領域内である。
【0085】
この自動配置は、例えば新たな付箋50aに「タイヤ」、「ホイール」、及び「サスペンション」が入力されている場合、それらの関連語が入力されているものを既存の付箋50b~50hの中から抽出する。具体的には、分野辞書データDF(図1参照)を参照し、「タイヤ」、「ホイール」、及び「サスペンション」の語句が属する分野を特定する。これらの語句は、共に自動車関連の関連語であるため、既存の付箋50b~50hの中から自動車関連の関連語が入力されているものを抽出する。
【0086】
図9(a)の例では、全ての既存の付箋50b~50hに「タイヤ」、「ホイール」、「サスペンション」、及び「ブレーキ」などの自動車関連の関連語が入力されている。よって、これらの付箋50b~50hから更に関連度の高いものを選別するために、自動車関連の関連語のうち、同一の関連語が入力されているものを抽出する。
【0087】
これにより、新たな付箋50aと同一の関連語(タイヤ、ホイール、及びサスペンション)が入力されている既存の付箋50b,50c,50e~50hが新たな付箋50aとの関連度が高いと判定される。
【0088】
次に、それらの既存の付箋50b,50c,50e~50hの中から、新たな付箋50aと同一の関連語が最も多く入力されているものを抽出する。図9(a)の例では、既存の付箋50bには、新たな付箋50aと同一の関連語が2語(タイヤ及びホイール)入力され、既存の付箋50e,50gには、新たな付箋50aと同一の関連語が2語(タイヤ及びサスペンション)入力されている。一方、付箋50c,50f,50gには、新たな付箋50aと同一の関連語が1語だけ入力されているため、それらの既存の付箋50c,50f,50gに比べ、既存の付箋50b,50e,50gが新たな付箋50aとの関連度が高いと判定される。
【0089】
この段階で、既存の付箋50b,50e,50gのいずれかの周囲に新たな付箋50aを配置する構成でも良いが、本実施形態では、共有画面41上で話題になっている領域に新たな付箋50aを自動配置するために、分野毎頻出語リストデータDLb(図3(b)参照)を利用する。
【0090】
具体的には、分野毎頻出語リストデータDLbを参照し、新たな付箋50aに入力される「タイヤ」、「サスペンション」及び「ホイール」のうち、最も出現数の多いものを抽出する。この場合、「タイヤ」の出現数が最も多いものの、既存の付箋50b,50e,50gの各々に「タイヤ」が入力されているため、「タイヤ」の次に出現数が多い「サスペンション」が入力されているもの抽出する。
【0091】
これにより、「サスペンション」が入力されている既存の付箋50e,50gの方が、既存の付箋50bに比べて話題の中心になっていると判定できる。そして、これらの既存の付箋50e,50gの中から更に話題の中心になっているものを選別するために、既存の付箋50e,50gが入力された時間を参照し、最後(直近)に入力された既存の付箋50eの周囲に新たな付箋50aを配置する。
【0092】
これにより、新たな付箋50aと関連度が高く、且つ共有画面41上で話題の中心になっている既存の付箋50eの周囲に新たな付箋50aを自動配置できる。よって、ユーザが新たな付箋50aを移動させることなく、関連する付箋50a,50e同士を近付けて配置できる。よって、ユーザの労力を低減させつつ、多数の付箋50を容易に整理できる。
【0093】
次に、図10を参照して、情報処理システムSの電気的構成を説明する。図10は、情報処理システムSの電気的構成を示すブロック図である。まずサーバ1の電気的構成を説明する。
【0094】
サーバ1は、CPU10と、ハードディスク・ドライブ(以下「HDD」と略す)11と、CPU10のプログラムの実行時に各種のワークデータやフラグ等を書き換え可能に記憶するためのメモリであるRAM12とを有し、これらはバスライン13を介して入出力ポート14にそれぞれ接続されている。入出力ポート14には、更に、表示装置としてのLCD15と、入力装置16と、通信装置17とが接続されている。
【0095】
CPU10は、バスライン13により接続された各部を制御する演算装置である。HDD11は、CPU10により実行されるプログラムや各種データ等を格納した書き換え可能な不揮発性のメモリであり、サーバ制御プログラム(情報処理プログラム)11aと、分野辞書データDFが記憶される分野辞書データ11bと、頻出テンプレートデータDTが記憶される頻出テンプレートデータ11cと、項目辞書データDIが記憶される項目辞書データ11dと、が設けられる。CPU10によってサーバ制御プログラム11aが実行されると、図13のメイン処理が実行される。
【0096】
RAM12は、CPU10がサーバ制御プログラム11aの実行時に各種のワークデータやフラグ等を書き換え可能に記憶するためのメモリである。RAM12には、全頻出語リストデータDLaが記憶される全頻出語リストデータ12aと、分野毎頻出語リストデータDLbが記憶される分野毎頻出語リストデータ12bと、共有画面41上での話題を記憶する話題メモリ12cと、が設けられる。
【0097】
入力装置16は、サーバの管理者からの指示を入力する装置であり、マウスやキーボードが例示される。通信装置17は、情報を外部の機器と送受信するための装置である。通信装置17はインターネットNに接続され、そのインターネットNには複数の端末2が接続される。
【0098】
次に端末2の電気的構成を説明する。端末2は、CPU20と、HDD21と、RAM22とを有し、これらはバスライン23を介して入出力ポート24にそれぞれ接続されている。入出力ポート24には、更に、上記したLCD26、マウス27及びキーボード28と、インターネットNを介してサーバ1や別の端末2に接続される通信装置25と、マイク29と、ビデオカメラ30とが接続されている。
【0099】
グループ内の端末2では、マイク29及びビデオカメラ30を用いることで、共有画面41を共有しながらビデオチャットを行うことができる。このビデオチャット中の発言をマイク29で収集し、その発言の音声認識結果のテキストを付箋50に入力しても良い。また、その音声認識結果をサーバ1に送信して、上記した頻出語リスト44(図4参照)を生成しても良い。
【0100】
CPU20は、バスライン23により接続された各部を制御する演算装置である。HDD21は、CPU20により実行されるプログラムや各種データ等を格納した書き換え可能な不揮発性のメモリであり、端末制御プログラム(情報処理プログラム)21aが記憶される。CPU20によって端末制御プログラム21aが実行されると、図11のメイン処理が実行される。
【0101】
RAM22は、CPU20が端末制御プログラム21aの実行時に各種のワークデータやフラグ等を書き換え可能に記憶するためのメモリである。
【0102】
次に図11及び図12を参照して、端末2のCPU20で実行される処理を説明する。図11は、端末2のメイン処理のフローチャートである。端末2のメイン処理は、マウス27等を介してユーザから端末制御プログラム21aを実行する指示が入力された場合に実行される処理である。
【0103】
図11に示すように、端末2のメイン処理はまず、全頻出語リスト44aや分野毎頻出語リスト44bの表示要求が有るかを確認する(S1)。各頻出語リスト44a,44bの表示要求が有る場合(S1:Yes)、各頻出語リスト44a,44bの出力要求をサーバ1に送信する(S2)。詳細は後述するが、サーバ1では、この出力要求に基づき各頻出語リスト44a,44bを含む表示画像が作成され、その表示画像が端末2に送信される。端末2が受信した表示画像は、後述するS12の処理によって共有画面41上に表示される(図4参照)。
【0104】
S1の処理において、各頻出語リスト44a,44bを表示する要求が無い場合(S1:No)、S2の処理をスキップする。S1,S2の処理の後、各頻出語リスト44a,44bのチェックボックス44eへの入力によって関連語が選択されたかを確認する(S3)。関連語が選択された場合(S3:Yes)、その選択情報をサーバ1に送信する(S4)。
【0105】
選択情報とは、選択(又は選択が解除)された関連語の種類に関する情報である。詳細は後述するが、この選択情報に基づき、サーバ1では関連語の選択に応じた表示態様で付箋50を表示した画像が作成され、その表示画像が端末2に送信される。
【0106】
S3の処理において、関連語が選択されていない場合(S3:No)、S4の処理をスキップする。S3,S4の処理の後、テンプレートリスト表示処理(S5)を実行する。図12を参照して、テンプレートリスト表示処理を説明する。
【0107】
図12は、テンプレートリスト表示処理のフローチャートである。テンプレートリスト表示処理はまず、分割テンプレートリスト45の表示要求が有るかを確認する(S20)。分割テンプレートリスト45の表示要求が有る場合(S20:Yes)、サーバ1から分割テンプレート45a~45cの提示情報を受信しているかを確認する(S21)。
【0108】
この提示情報とは、分割テンプレート45a~45cのうち、いずれのテンプレートを分割テンプレートリスト45の最上位に(優先的に)表示するかの情報である。分割テンプレート45a~45cの提示情報を受信している場合(S:21:Yes)、提示された分割テンプレート45a~45cを分割テンプレートリスト45の最上位に配置する(S22)。
【0109】
S21の処理において、分割テンプレート45a~45cの提示情報を受信していない場合(S21:No)、S22の処理をスキップする。S21,S22の処理の後、分割テンプレートリスト45を表示する(S23)。これにより、例えばサーバ1から「表」の分割テンプレート45bの提示情報を受信している場合には、「表」の分割テンプレート45bが分割テンプレートリスト45最上位に表示される。一方、そのような提示情報を受信していない場合には、分割テンプレート45a~45cが通常の並び順で分割テンプレートリスト45に表示される。
【0110】
S20の処理において、分割テンプレートリスト45の表示要求が無い場合(S20:No)、議題テンプレートリスト46の表示要求が有るかを確認する(S24)。議題テンプレートリスト46の表示要求が有る場合(S24:Yes)、サーバ1から議題テンプレート46aの提示情報を受信しているかを確認する(S25)。
【0111】
この提示情報とは、複数の議題テンプレート46aのうち、いずれのテンプレートを議題テンプレートリスト46の最上位に(優先的に)表示するかの提示情報である。議題テンプレート46aの提示情報を受信している場合(S:25:Yes)、提示された議題テンプレート46aを議題テンプレートリスト46の最上位に配置する(S26)。
【0112】
S25の処理において、議題テンプレート46aの提示情報を受信していない場合(S25:No)、S26の処理をスキップする。S25,S26の処理の後、議題テンプレートリスト46を表示する(S27)。これにより、例えばサーバ1から「テンプレートC」の議題テンプレート46aを優先表示させる提示情報を受信している場合には、「テンプレートC」の議題テンプレート46aが議題テンプレートリスト46の最上位に表示される。一方、そのような提示情報を受信していない場合には、議題テンプレート46aが通常の並び順で議題テンプレートリスト46に表示される。
【0113】
S24の処理において、議題テンプレートリスト46の表示要求が無い場合(S24:No)、及び、S23,S27の処理の後、テンプレートリスト表示処理を終了する。
【0114】
図11に戻る。S5のテンプレートリスト表示処理の後、分割テンプレート45a~45c又は議題テンプレート46aのいずれかのテンプレートの選択や、議題テンプレート46aのキーワードの更新が有るかを確認する(S6)。テンプレートの選択、又は議題テンプレート46aのキーワードの更新が有る場合(S6:Yes)、その選択・更新情報をサーバ1に送信する(S7)。
【0115】
選択・更新情報とは、選択された(共有画面41上に表示されている)テンプレートの種類の情報や、議題テンプレート46aのキーワードボックス46bに新たに入力された(又は入力が変更された)キーワードの情報である。詳細は後述するが、この選択・更新情報に基づき、サーバ1では選択されたテンプレートを共有画面41上に展開した画像や、議題テンプレート46aのキーワードを含む付箋50を配置領域46c~46eに配置した画像が作成され、その表示画像が端末2に送信される。
【0116】
S6の処理において、分割テンプレート45a~45c又は議題テンプレート46aの選択や、議題テンプレート46aのキーワードの更新が無い場合(S6:No)、S7の処理をスキップする。S6,S7の処理の後、共有画面41の保存要求が有るかを確認する(S8)。共有画面41の保存要求が有る場合(S6:Yes)、その保存要求をサーバ1に送信する(S9)。この保存要求は、共有画面41の情報(議論の結果)の保存に加え、項目辞書データ11dの更新も目的としているが、詳細は後述する。
【0117】
S8の処理において、共有画面41の保存要求がない場合(S8:No)、S9の処理をスキップする。S8,S9の処理の後、付箋50の配置モードが自動に設定されているかを確認する(S10)。付箋50の配置モードが自動に設定されている場合(S10:Yes)、その自動配置要求をサーバ1に送信する(S11)。
【0118】
S10の処理において、付箋50の配置モードが自動に設定されていない場合(S10:No)、S11の処理をスキップする。S10,S11の処理の後、サーバ1から受信した表示画像を表示して(S12)、S1の処理に戻る。
【0119】
次に図13図22を参照して、サーバ1のCPU10で実行される処理を説明する。図13は、サーバ1のメイン処理のフローチャートである。サーバ1のメイン処理は、サーバ1の電源投入後に実行される処理である。
【0120】
図13に示すように、サーバ1のメイン処理はまず、頻出語リスト作成処理(S30)を実行する。図14を参照して、頻出語リスト作成処理を説明する。
【0121】
図14は、頻出語リスト作成処理のフローチャートである。頻出語リスト作成処理はまず、過去10分間(所定時間内)に共有画面41上に貼り付けられた全ての付箋50から語句を抽出する(S50)。S50の処理の後、抽出された全ての語句の出現数を算出し、出現数が多い順に語句とその出現数とを全頻出語リストデータ12aに保存する(S51)。
【0122】
S51の処理の後、分野毎頻出語リストデータ12bを作成する対象分野に会社名を設定する(S52)。S52の処理の後、全頻出語リストデータ12aに記憶される語句のうち、分野辞書データ11bの対象分野(最初の処理では、会社名の分野)に含まれる関連語と、その出現数とを抽出する(S53)。S53の処理の後、抽出された関連語とその出現数とを、出現数が多い順に分野毎頻出語リストデータ12bの対象分野(最初の処理では、会社名の分野)に保存する(S54)。
【0123】
S54の処理の後、未処理の分野が有るかを確認する(S55)。例えば最初の処理では、会社名以外の分野は未処理であるため(S55:Yes)、対象分野に次の分野(会社名の次の自動車関連)を設定し(S:56)、S53の処理に戻る。そして、S53以下の処理を繰り返ことにより、全ての分野の関連語とその出現数とが出現数が多い順に分野毎頻出語リストデータ12bに保存される。全ての分野の処理が終わった場合には(S55:No)、頻出語リスト作成処理を終了する。
【0124】
図13に戻る。頻出語リスト作成処理の後、話題推定処理(S31)を実行する。図15を参照して、話題推定処理を説明する。
【0125】
図15は、話題推定処理のフローチャートである。話題推定処理はまず、分野毎頻出語リストデータ12bを参照し、各分野の関連の合計出現数を算出する(S60)。例えば、図3(b)に示す例では、会社名の分野に属する関連語の出現数を、17+6+3・・・と合計し、自動車関連の分野に属する関連語の出現数を、20+17+13・・・と合計する。果物や色などの他の全ての分野においても同様に関連語の合計出現数を算出する。
【0126】
S60の処理の後、関連語の合計出現数が所定(例えば、100回)以上の分野は有るかを確認する(S61)。関連語の合計出現数が所定(例えば、100回)以上の分野が有る場合(S61:Yes)、当該分野を話題メモリ12cに保存する(S62)。この時、関連語の合計出現数が所定以上の分野が複数存在する場合には、それら複数の分野の全てが話題メモリ12cに保存される。
【0127】
図13に戻る。S31の話題推定処理の後、頻出語リスト44の出力要求を受信しているかを確認する(S32)。頻出語リスト44の出力要求を受信している場合(S32:Yes)、頻出語リスト出力処理(S33)を実行する。図16を参照して、頻出語リスト出力処理を説明する。
【0128】
図16は、頻出語リスト出力処理のフローチャートである。頻出語リスト出力処理はまず、端末2から要求された対象分野が全頻出語か分野毎かを確認する(S70)。この要求は、端末2のメイン処理(図11参照)において、S3の処理で端末2から送信されるものである。
【0129】
端末2から要求された対象分野が全頻出語である場合(S70:全頻出語)、全ての語句と、その語句の出現数とを全頻出語リストデータ12aから取得する(S71)。S71の処理の後、取得した語句およびその出現数に基づいて全頻出語リスト画像を作成する。
【0130】
一方、端末2から要求された対象分野が分野毎である場合(S70:分野毎)である場合、要求された対象分野の関連語と、その関連語の出現数とを分野毎頻出語リストデータ12bから取得する(S73)。S73の処理の後、取得した関連語および出現数から分野毎頻出語リスト画像を作成する(S74)。
【0131】
S72,S74の処理の後、作成した頻出語リスト画像を含む表示画像を端末2に送信する(S75)。これにより、全頻出語リスト44a又は分野毎頻出語リスト44bのうち、端末2から要求されたものが共有画面41上に表示される(図4参照)。S75の処理の後、頻出語リスト出力処理を終了する。
【0132】
図13に戻る。S32の処理において、頻出語リスト44の出力要求を受信していない場合(S32:No)、S33の頻出語リスト出力処理をスキップする。S32,S33の処理の後、関連語の選択情報を受信しているかを確認する(S34)。この関連語の選択情報は、端末2のメイン処理(図11参照)において、S4の処理で端末2から送信される情報である。関連語の選択情報には、いずれの関連語が頻出語リスト44で選択されたか(選択が解除されたか)を示す情報である。
【0133】
関連語の選択情報を受信している場合(S34:Yes)、表示態様変更処理(S35)を実行する。図17を参照して、表示態様変更処理を説明する。
【0134】
図17は、表示態様変更処理のフローチャートである。表示態様変更処理はまず、頻出語リスト44で選択された関連語が入力されている付箋50を抽出すると共に(選択時抽出ステップ)、抽出された付箋50の表示態様を、他の付箋50とは異なる表示態様で表示した表示画像を作成する(S80)。S80の処理の後、選択が解除された関連語が有るかを確認する(S81)。選択が解除された関連語が有る場合には(S81:Yes)、選択が解除された関連語が入力されている付箋50の表示態様を、通常の表示態様に戻した表示画像を作成する(S82)。
【0135】
一方、S81の処理において、選択が解除された関連語が無い場合には(S81:No)、S82の処理をスキップする。S81,S82の処理の後、作成した表示画像を端末に送信する(S83)。これにより、端末2の共有画面41上において、頻出語リスト44の関連語の選択状態に応じた表示態様で各付箋50を表示できる(図4参照)。S83の処理の後、表示態様変更処理を終了する。
【0136】
図13に戻る。S34の処理において、頻出語リスト44の関連語の選択情報を受信していない場合(S34:No)、S35の表示態様変更処理をスキップする。S34,S35の処理の後、分割テンプレート提示処理(S36)を実行した後、議題テンプレート提示処理(S37)を実行する。図18及び図19を参照して、分割テンプレート提示処理および議題テンプレート提示処理を説明する。
【0137】
図18は、分割テンプレート提示処理のフローチャートである。分割テンプレート提示処理はまず、話題メモリ12cを参照し、現在の共有画面41上で話題になっている分野の数は複数有るかを確認する(S90)。話題になっている分野の数が複数有る場合(S90:Yes)、話題になっている分野の数は2以下であるかを確認する(S91)。
【0138】
S91の処理において、話題になっている分野の数が2以下である場合(S91:Yes)、共有画面41上で話題なっている数が2分野であること、即ち、2つの概念の組み合わせで議論が行われているので、提示するテンプレートを、複数行×複数列の配置領域を有する「表」の分割テンプレート45bに設定する(S92)。
【0139】
一方、S91の処理において、話題になっている分野の数が3以上である場合(S91:No)、提示するテンプレートを、「格子」の分割テンプレート45cのうち、話題になっている分野の数に最も近い分割数を有する分割テンプレート45cに設定する(S93)。例えば、話題の分野の数が8分野である場合には、分割数が8の分割テンプレート45cが設定され、話題の分野の数が5分野である場合には、分割数が4又は6の分割テンプレート45cが設定される。
【0140】
一方、S90の処理において、話題になっている分野の数が複数ではない場合(S90:No)、その話題になっている分野の関連語が入力されている付箋50を抽出する(S94)。S94の処理の後、スケジュールに関する語句の出現回数が所定回数以上であるかを確認する(S95)。例えば、「日時」、「予定」、「いつまで」、「する」、「やる」などのスケジュールに関する語句の出現回数が、過去10分間で30回以上出現しているか否かを確認する。
【0141】
S95の処理において、スケジュールに関する語句の出現回数が所定回数以上である場合(S95:Yes)、提示するテンプレートを「Todoリスト」の分割テンプレート45aに設定する。一方、S95の処理において、スケジュールに関する語句の出現回数が所定回数以上ではない場合(S95:No)、S96の処理をスキップする。
【0142】
S92,S93,S95,S96の処理の後、分割テンプレート45a~45cの提示情報が設定されたかを確認する(S97)。分割テンプレート45a~45cの提示情報が設定されている場合には(S97:Yes)、その提示情報を端末2に送信する(S98)。この提示情報が端末2で受信されると、テンプレートリスト表示処理(図12)のS11,S12の処理により、提示された分割テンプレート45a~45cが分割テンプレートリスト45の最上位に表示される。これにより、話題に適した分割テンプレート45a~45cの使用をユーザに提案できる。
【0143】
S97の処理において、分割テンプレート45a~45cの提示情報が設定されていない場合(S97:No)、S98の処理をスキップする。S97,S98の処理の後、表示態様変更処理を終了し、議題テンプレート提示処理(S37)を実行する。
【0144】
図19は、議題テンプレート提示処理のフローチャートである。議題テンプレート提示処理はまず、話題になっている分野を話題メモリ12cから取得し(S100)、共有画面41上に表示されている議題テンプレート46aが有るかどうかを確認する(S101)。共有画面41上に表示されている議題テンプレート46aが有る場合(S101:Yes)、頻出テンプレートデータ11cを参照し、話題メモリ12cから取得された分野(即ち、現在の話題になっている分野)において、最も使用頻度が高く(使用回数が多く)、且つ現在使用されていないテンプレートを議題テンプレート46aの提示情報に設定する(S102)。
【0145】
一方、S101の処理において、共有画面41上に表示されている議題テンプレート46aが無い場合(S101:No)、頻出テンプレートデータ11cを参照し、話題メモリ12cから取得された分野(即ち、現在の話題になっている分野)において、最も使用頻度が高いテンプレートを議題テンプレート46aの提示情報に設定する(S103)。
【0146】
S102,S103の後、設定された議題テンプレート46aの提示情報を端末2に送信する(S104)。この提示情報が端末2で受信されると、テンプレートリスト表示処理(図12)のS15,S16の処理により、提示された議題テンプレート46aが議題テンプレートリスト46の最上位に表示される。これにより、話題に適した議題テンプレート46aの使用をユーザに提案できる。S104の処理の後、議題テンプレート提示処理を終了する。
【0147】
図13に戻る。S37の議題テンプレート提示処理の後、テンプレートの選択・更新情報を受信しているかを確認する(S38)。この選択・更新情報は、端末2のメイン処理(図11参照)において、S6,S7の処理で端末2から送信されるものである。テンプレートの選択・更新情報を受信している場合(S38:Yes)、テンプレートの表示および更新処理(S39)を実行する。図20を参照して、テンプレートの表示および更新処理を説明する。
【0148】
図20は、テンプレートの表示および更新処理のフローチャートである。テンプレートの表示および更新処理はまず、分割テンプレート45a~45c又は議題テンプレート46aの各テンプレートのうち、新たなテンプレートが選択されたかを確認する(S110)。新たなテンプレートが選択された場合(S110:Yes)、選択された分割テンプレート45a~45c又は議題テンプレート46aを共有画面41上に展開した表示画像を作成し(S111)、作成した表示画像を端末2に送信する(S117)。これにより、共有画面41上に分割テンプレート45a~45c又は議題テンプレート46aが表示される(議題テンプレート46aの表示については、図6(b)参照)。
【0149】
一方、S110の処理において、新たなテンプレートが選択されていない場合(S110:No)、議題テンプレート46aのキーワードが入力または変更されているかを確認する(S112)。キーワードが入力または変更されている場合(S112:Yes)、キーワードが入力または変更される前(議題テンプレート46aが選択される前)に共有画面41(議題テンプレート46a)上に貼り付けられていた付箋50を抽出する(S113)。
【0150】
S113の処理の後、議題テンプレート46aに入力されたキーワードと同一の語句が入力されている付箋50を抽出する(S114)。S114の後、項目辞書データ11dを参照し、抽出された付箋50の中から、議題テンプレート46aの各項目に関連する付箋50を更に抽出する(S115)。
【0151】
S115の後、抽出された付箋50を、関連する項目が付された配置領域に配置した表示画像を作成し(S116)作成した表示画像を端末2に送信する(S117)。なお、S113以下の処理は、付箋50の配置モードが自動配置モードに設定されている時に実行される処理である。よって、かかるモードが手動配置モードである場合には、S113~S116の処理をスキップすれば良い。
【0152】
このS112~S116の処理により、議題テンプレート46aのキーワードボックス46bに入力されたキーワードに関連する付箋50であって、各配置領域46c~46eに関連する付箋50を、各配置領域46c~46eに自動配置できる(図8参照)。
【0153】
S112の処理において、キーワードが入力または変更されていない場合(S112:No)及びS117の処理の後、テンプレートの表示および更新処理を終了する。
【0154】
図13に戻る。S38の処理において、テンプレートの選択・更新情報を受信していない場合(S38:No)、S39のテンプレートの表示および更新処理をスキップする。S38,S39の処理の後、共有画面41の保存要求を受信しているかを確認する(S30)。この共有画面41の保存要求は、端末2のメイン処理(図11参照)のS9の処理で端末2から送信される保存要求である。
【0155】
共有画面41の保存要求を受信している場合(S40:Yes)、共有画面41の各種の情報(貼り付けられている付箋50の情報など)を図示しないメモリに記憶すると共に、項目辞書更新処理(S41)を実行する。図21を参照して、項目辞書更新処理を説明する。
【0156】
図21は、項目辞書更新処理のフローチャートである。項目辞書更新処理はまず、項目辞書データ11dを更新する対象項目にコンセプトを設定する(S120)。
【0157】
S120の処理の後、議題テンプレート46aの対象項目(最初の処理では、コンセプト)に貼り付けられている付箋50から語句を抽出する(S121)。S121の処理の後、抽出された語句とその出現数とを、項目辞書データ11dの対象分野(最初の処理では、コンセプトの項目)において更新する(S122)。
【0158】
この更新について説明する。例えばコンセプトの項目(配置領域46c)に貼り付けられていた付箋50に含まれる語句を保存時抽出語句とすると、その保存時抽出語句が項目辞書データ11dのコンセプトの記憶領域に存在する場合には、その保存時抽出語句の出現数に1を加算する。また、保存時抽出語句が項目辞書データ11dのコンセプトの記憶領域に存在しない場合には、その保存時抽出語句を項目辞書データ11dのコンセプトの記憶領域に新たに記憶する。このような項目辞書データ11dの更新により、議題テンプレート46aの配置領域46c~46eに付されている項目名と、その項目名に属する関連語群との関連性を高めていくことができる。
【0159】
即ち、共有画面41の保存時には、議題テンプレート46aの所望の配置領域46c~46eにユーザが付箋50を配置し終わっている状態である。この状態においては、付箋50が配置されている配置領域46c~46eと、当該付箋50に入力されている語句との関連性が高くなり易い。
【0160】
これに対して項目辞書更新処理(S41)では、共有画面41が保存される時に配置領域46c~46eに配置されている付箋50を抽出し、抽出された付箋50に入力されている語句の出現数に基づいて、項目辞書データ11dの関連語群を更新できる。これにより、配置領域46c~46eの項目名と、その項目名に属する関連語群との関連性を高めていく(項目辞書データ11dを最適化していく)ことができる。よって、議題テンプレート46a上で付箋50を自動配置する際に、より適した(関連度の高い)配置領域46c~46eに付箋50を配置できる。
【0161】
なお、このような項目辞書データ11dの更新を行う場合、上述したような出現数の加算だけではなく、出現数の減算を行うことも可能である。例えば、議題テンプレート46aの配置領域46c~46eに付箋50を自動配置した後、ユーザが配置領域46c~46eから付箋50を削除した(又は移動させた)場合には、それらの配置領域46c~46eと、付箋50に入力されている語句との関連性が低くなり易い。
【0162】
よって、付箋50を各配置領域46c~46eに自動配置した後、共有画面41が保存されるまでの間に各配置領域46c~46eから削除(又は移動)された付箋50から語句を抽出し、その抽出された語句に基づいて項目辞書データ11dを更新しても良い。この項目辞書データ11dの更新時には、抽出された語句の出現数から1を減算すれば良い。これにより、配置領域46c~46eの項目名と、その項目名に属する関連語群との関連性をより好適に高めていくことができる。
【0163】
S122の処理の後、未処理の項目が有るかを確認する(S123)。例えば最初の処理では、コンセプト以外の項目は未処理であるため(S123:Yes)、対象項目に次の分野(コンセプトの次の「どんな時にどんな人が・・・」)を設定し、S121の処理に戻る。そして、S121以下の処理を繰り返ことにより、項目辞書データ11dの全ての項目の関連語とその出現数とが更新される。全ての項目の更新が終わった場合には(S123:No)、項目辞書更新処理を終了する。
【0164】
図13に戻る。S40の処理において、共有画面41の保存要求を受信していない場合(S40:No)、S41の項目辞書の更新処理をスキップする。S40,S41の処理の後、付箋50の自動配置要求を受信しているかを確認する(S42)。この付箋50の自動配置要求は、端末2のメイン処理(図11参照)のS11の処理で端末2から送信される自動配置要求である。
【0165】
付箋50の自動配置要求を受信している場合(S42:Yes)、付箋50の自動配置処理(S43)を実行する。図22を参照して、自動配置処理を説明する。
【0166】
図22は、自動配置処理のフローチャートである。自動配置処理はまず、共有画面41に貼り付けられる新たな付箋50と、既に共有画面41上に貼り付けられている既存の付箋50とから関連語を抽出する(S130)。
【0167】
S130の処理の後、分野辞書データ11bを参照し、新たな付箋50と同一の分野に関連する付箋50、即ち、同一の分野の関連語が入力されている付箋(以下「関連付箋」と称す)が既存の付箋50の中に有るかを確認する(S131)。関連付箋がない場合(S131:No)、「関連する付箋50が存在しません」などのエラーメッセージを表示した表示画像を作成し(S132)、作成した表示画像を端末2に送信する(S139)。
【0168】
一方、S131の処理において、関連付箋が既存の付箋50の中に有る場合(S131:Yes)、関連付箋の数が複数か単数かを確認する(S133)。関連付箋の数が複数有る場合(S133:複数)、新たな付箋50と同一の関連語が入力されている関連付箋の数が複数か単数かを確認する(S134)。
【0169】
新たな付箋50と同一の関連語が入力されている関連付箋の数が複数有る場合(S134:Yes)、新たな付箋50と同一の関連語が複数入力されている関連付箋の数が複数か単数かを確認する(S135)。新たな付箋50と同一の関連語が複数入力されている関連付箋が複数有る場合(S135:Yes)、分野毎頻出語リストデータ12bを参照し、他の関連付箋に比べ、頻出語が高い関連語が入力されている関連付箋の数が複数か単数かを確認する(S136)。
【0170】
他の関連付箋に比べ、頻出語が高い関連語が入力されている関連付箋の数が複数有る場合(S136:Yes)、それら複数の関連付箋の中から最後に入力された関連付箋を抽出する(S137)。S137の処理の後、抽出された関連付箋の周囲に新たな付箋50を移動させた表示画像を作成する(S138)。
【0171】
一方、S133~S136の各処理において、関連付箋の数が単数である場合には、(S133~S136:単数)、当該単数の関連付箋の周囲に新たな付箋50を移動させた表示画像を作成する(S139)。
【0172】
S138,S139の処理の後、作成した表示画像を端末2に送信する(S140)。これらの処理により、関連度が高い既存の付箋50の周囲に新たな付箋50を自動配置できる。また、関連度が同程度の既存の付箋50が複数存在する場合には、話題の中心になっていると推定される既存の付箋50の周囲に新たな付箋50を自動配置できる。
【0173】
S140の処理の後、自動配置処理を終了する。図13に戻る。S43の自動配置処理の後、S30以下の処理を繰り返す。
【0174】
以上の通り、本実施形態の情報システムSによれば、付箋50に入力されている情報に関連する分野が分野辞書データ11bを用いて特定され、その関連分野に応じた機能が共有画面41上で実行される。これにより、共有画面41上に多数の付箋50が入力された場合であっても、それらの付箋50の情報を関連分野毎に容易に整理できる。よって、共有画面41上での議論を円滑にできる。
【0175】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
【0176】
上記実施形態では、分野辞書データ11b、頻出テンプレートデータ11c、項目辞書データ11d、全頻出語リストデータ12a、分野毎頻出語リストデータ12bの各データや話題メモリ12cがサーバ1に記憶される場合を説明したが、かかるデータやメモリを端末2に設け、それらのデータやメモリを用いた処理を端末2で行っても良い。即ち、複数の端末2の一部にサーバ1の機能を持たせても良く、付箋50の関連分野に応じた処理を共有画面41上で実現できるシステム構成であれば、上記の形態に限定されるものではない。
【0177】
上記実施形態では、オブジェクトの一例として付箋50を例示し、その付箋50に入力される語句から関連分野を特定する場合を説明したが、これに限られない。例えば、静止画や動画などのオブジェクトから語句(例えば、画像の名称や、動画の字幕)を抽出して関連分野を特定し、その関連分野に応じた処理(上記実施形態の各処理)を行っても良い。また、ビデオチャットの音声データ(音声認識した語句)の関連分野を特定し、その関連分野に応じた処理を行っても良い。
【0178】
上記実施形態では、付箋50の自動配置モードをユーザが切り替える構成を説明したが、例えば、付箋50に文章を入力し終わった時に「自動配置しますか?」などの吹き出しを当該付箋50に関連付けて表示すると共に「Yes/No」の選択アイコンも併せて表示して、「Yes」の選択アイコンがクリックされた時に上記実施形態で説明した自動配置を行う構成でも良い。
【0179】
上記実施形態では、話題の数に応じた分割数を有する分割テンプレート45a~45cを提示する場合を説明したが、これに限られない。例えば、議題テンプレート46aと同様、特定の分野が話題になった場合に使用回数が多い分割テンプレート45a~45cの使用をユーザに提案する構成でも良い。
【0180】
また、共有画面41上の話題が「名詞」である場合や、共有画面41上に大量のオブジェクト(付箋50、画像、動画像など)が入力されている場合など、議論が発散していると判定できる場合に、その議論の内容に応じた分割テンプレート45a~45cや議題テンプレート46aを提示する構成でも良い。この構成の一例を以下に説明する。
【0181】
例えば、所定時間内(例えば、過去10分間)における名詞の出現回数を全頻出語リストデータ12aから取得し、その出現回数が所定回数(例えば、1000回)以上であるか否かを確認する。例えば名詞の出現回数が1000回以上である場合には3分割、1500回以上である場合には4分割、2000回以上である場合には6分割、2400回以上である場合には8分割の分割数を有する分割テンプレート45cを提示しても良い。これにより、話題に適したテンプレートをユーザに提示できる。
【0182】
また、現在の共有画面41上のオブジェクトの数が500以上である場合には、3分割、800以上である場合には4分割、1000以上である場合には6分割、1400以上である場合には8分割の分割数を有する分割テンプレート45cを提示しても良い。これによっても、話題に適したテンプレートをユーザに提示できる。
【0183】
上記実施形態では、話題になっていると推定された分野(付箋50の関連分野)の数に応じた分割テンプレート45a~45cや、話題になっていると推定された関連分野において過去に最も使用された議題テンプレート46aを共有画面41上に表示する(テンプレートリスト上で優先表示する)機能を説明したが、この機能を省略しても良い。即ち、分割テンプレートリスト45や議題テンプレートリスト46上でのテンプレートの表示順を常に一定にする構成でも良い。
【0184】
また、話題になっている分野に応じたテンプレートを優先表示する(ユーザに選択させる)のではなく、話題になっている分野に応じたテンプレートを共有画面41に自動表示する構成、例えばメニューアイコン42c,42dがクリックされた時に話題に応じたテンプレートを共有画面41上に展開する構成でも良い。
【0185】
上記実施形態では、話題になっていると推定された関連分野において、最も使用回数が多い議題テンプレート46aを共有画面41上で提示する構成を説明したが、例えば最も使用回数が多いテンプレートが複数存在する(使用回数が同一である)場合には、それらのテンプレートのうち、最後(直近)に使用されたものを提示することが好ましい。これは、ユーザが共有画面41を繰り返し使用して(時を経て)共有画面41上の機能を使い慣れることにより、話題に適した議題テンプレート46aが直近に使用される可能性が高いためである。
【0186】
また、例えば、最も使用回数が多いテンプレートではなく、最も使用回数が少ない(共有画面41での使用頻度が低い)テンプレートを共有画面41上で提示しても良い。これにより、共有画面41上の機能を余すことなくユーザに使用させることができる。また、テンプレートではなく、他の使用頻度が低い機能を使用するようユーザに提案する構成でも良い。この構成の一例を以下に説明する。
【0187】
共有画面41に貼り付けられている複数の付箋50の色のうち、1の色が所定割合(例えば50~70%)以上で、且つユーザが新たな付箋50を作成しようとしている場合に、当該1の色とは異なる他の色での付箋50の作成を提案する。「他の色」としては、1の色の反対色(例えば1の色が黄色の場合は、他の色が青色)や、1の色との色相角が90°~270°(例えば180°)異なる色(例えば1の色が赤色の場合は、他の色が緑色)が例示される。
【0188】
この提案の具体的手法は、例えば、付箋50を作成する(又は付箋50の色を変更する)ための色選択リスト43において、「他の色」を最上位に(最も左上側に)表示する手法や、付箋50を作成するためのメニューアイコン42aに対し、「他の色の選択が可能です」などの提案を記載した吹き出しを関連付けて表示する手法が例示される。また、メニューアイコン42aがクリックされた時に、共有画面41上の各付箋50の色のうち、最も使用頻度の低い色の付箋50が自動で生成される手法も例示される。
【0189】
これらの手法により、共有画面41に貼り付けられる付箋50の色を偏った色ではなく、様々な色とすることができる。よって、共有画面41で作業するユーザの付箋50に対する注目度合いに変化を与え、共有画面41での議論を深めることができる。
【0190】
なお、上記の例では付箋50の「色」に関する提案を例示したが、「色」に変えて、付箋50に入力される文字の「大きさ」、「フォント」、「スタイル」などの他の書式を変更する提案を行っても良いし、複数の書式の組み合わせ(例えば「色」と「フォント」等)を変更する提案を行っても良い。
【0191】
また、全頻出語リストデータ12aを参照し、出現数が所定回数(例えば10回)未満の語句が入力されている付箋50のみを対象にし、色などの書式の変更を提案する一方、出現数が所定回数以上の単語が入力されている付箋50に関しては、色などの書式の変更を提案しないようにしても良い。
【符号の説明】
【0192】
11a サーバ制御プログラム(情報処理プログラム)
2 端末(コンピュータ)
21a 端末制御プログラム(情報処理プログラム)
26 LCD(表示部)
27 マウス(入力部)
28 キーボード(入力部)
29 マイク(入力部)
41 共有画面
44b 分野毎頻出語リスト(リスト)
45a~45c 分割テンプレート(テンプレート)
46a 議題テンプレート
46c~46e 配置領域
50 付箋(オブジェクト)
50a 新たな付箋(新たなオブジェクト)
50b~50h 既存の付箋(既存のオブジェクト、関連オブジェクト)
DF 分野辞書データ
DI 項目辞書データ
S50 情報抽出ステップ
S53 関連語抽出ステップ
S54 算出ステップ
S62 話題推定ステップ
S72,S74 実行ステップ
S92,S93,S96 実行ステップ
S115 項目関連語抽出ステップ
S116 配置ステップ
S131 関連オブジェクト抽出ステップ
S138,S139 実行ステップ
図1
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