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特開2022-117457ポリアミド-イミドフィルム、その製造方法、それを含むカバーウィンドウおよびディスプレイ装置
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  • 特開-ポリアミド-イミドフィルム、その製造方法、それを含むカバーウィンドウおよびディスプレイ装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022117457
(43)【公開日】2022-08-10
(54)【発明の名称】ポリアミド-イミドフィルム、その製造方法、それを含むカバーウィンドウおよびディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
   C08J 5/18 20060101AFI20220803BHJP
   C08G 73/14 20060101ALI20220803BHJP
   G02B 1/14 20150101ALI20220803BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20220803BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20220803BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20220803BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20220803BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20220803BHJP
   G02B 5/30 20060101ALN20220803BHJP
【FI】
C08J5/18 CFG
C08G73/14
G02B1/14
H05B33/14 A
H05B33/02
G09F9/00 302
G09F9/00 313
H01L27/32
H05B33/10
G02B5/30
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022008209
(22)【出願日】2022-01-21
(31)【優先権主張番号】10-2021-0013651
(32)【優先日】2021-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0002806
(32)【優先日】2022-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】508148079
【氏名又は名称】エスケイシー・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SKC CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】チェ、サンフン
(72)【発明者】
【氏名】イ、ジンウ
(72)【発明者】
【氏名】キ、ジョンヒ
(72)【発明者】
【氏名】オ、デソン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ハンジュン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ソンファン
(72)【発明者】
【氏名】キム、フンシク
【テーマコード(参考)】
2H149
2K009
3K107
4F071
4J043
5G435
【Fターム(参考)】
2H149AA13
2H149AA18
2H149AB01
2H149AB04
2H149AB05
2H149AB24
2H149DA02
2H149DA12
2H149DB24
2H149DB28
2H149EA22
2H149FA15Y
2H149FA41Z
2H149FC02
2H149FC03
2H149FC05
2H149FD12
2H149FD25
2H149FD32
2K009AA15
2K009BB11
2K009DD02
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3K107BB01
3K107CC05
3K107CC33
3K107DD17
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3K107EE61
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3K107FF06
3K107FF07
3K107FF14
3K107FF15
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4F071AA60X
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4F071AB26
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4F071AD02
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4F071AF25Y
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4F071AF34
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4F071AG34
4F071AH12
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4F071BC01
4F071BC12
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5G435HH18
5G435KK07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】光学特性および機械的特性に優れたポリアミド-イミドフィルム、その製造方法、それを含むカバーウィンドウおよびディスプレイ装置を提供する。
【解決手段】ポリアミド-イミド重合体を含み、ISO14577-2規格に基づきナノインデンテーション法により測定される極表面の換算モジュラス(Reduced Modulus)が5.6GPa以上であり、ヘイズが1%以下である、ポリアミド-イミドフィルム、その製造方法、それを含むカバーウィンドウおよびディスプレイ装置を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリアミド-イミド重合体を含み、
ISO14577-2規格に基づきナノインデンテーション法により測定される極表面の換算モジュラス(Reduced Modulus)が5.6GPa以上であり、
ヘイズが1%以下である、ポリアミド-イミドフィルム。
【請求項2】
ISO14577-2規格に基づきナノインデンテーション法により測定される極表面の硬度(インデンテーション硬度)が0.35GPa以上である、請求項1に記載のポリアミド-イミドフィルム。
【請求項3】
フィラーをさらに含み、
前記フィラーの硬度が2.5~6であり、
前記フィラーの平均粒径が80nm~500nmであり、
前記フィラーの含有量は、前記ポリアミド-イミド重合体の総重量を基準に100ppm~3000ppmである、請求項1に記載のポリアミド-イミドフィルム。
【請求項4】
前記フィラーは、硫酸バリウム、シリカおよびアクリレート重合体からなる群より選択される1種以上である、請求項3に記載のポリアミド-イミドフィルム。
【請求項5】
前記ポリアミド-イミド重合体が、イミド系繰り返し単位およびアミド系繰り返し単位を2:98~50:50のモル比で含む、請求項1に記載のポリアミド-イミドフィルム。
【請求項6】
ポリアミド-イミドフィルムおよび機能層を含み、
前記ポリアミド-イミドフィルムがポリアミド-イミド重合体を含み、
前記ポリアミド-イミドフィルムのISO14577-2規格に基づきナノインデンテーション法により測定される極表面の換算モジュラスが5.6GPa以上で、ヘイズが1%以下である、ディスプレイ装置用カバーウィンドウ。
【請求項7】
表示部と、
前記表示部上に配置されたカバーウィンドウとを含み、
前記カバーウィンドウがポリアミド-イミドフィルムおよび機能層を含み、
前記ポリアミド-イミドフィルムがポリアミド-イミド重合体を含み、
前記ポリアミド-イミドフィルムのISO14577-2規格に基づきナノインデンテーション法により測定される極表面の換算モジュラスが5.6GPa以上であり、ヘイズが1%以下である、ディスプレイ装置。
【請求項8】
有機溶媒上でジアミン化合物、ジアンヒドリド化合物およびジカルボニル化合物を重合してポリアミド-イミド重合体溶液を調製する段階と、
前記重合体溶液をタンクに投入する段階と、
前記タンク内の重合体溶液を押出およびキャスティングした後、乾燥してゲルシートを製造する段階と、
前記ゲルシートを熱処理する段階と、を含む、
請求項1に記載のポリアミド-イミドフィルムの製造方法。
【請求項9】
前記ポリアミド-イミド重合体溶液を調製する段階以降、前記重合体溶液にフィラーが分散されたフィラー分散液を投入する段階を行う、請求項8に記載のポリアミド-イミドフィルムの製造方法。
【請求項10】
前記フィラーの硬度が2.5~6であり、
前記フィラー分散液に含まれるフィラー固形分の含有量は10重量%~30重量%である、請求項9に記載のポリアミド-イミドフィルムの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実現例は、ポリアミド-イミドフィルム、その製造方法、それを含むカバーウィンドウおよびディスプレイ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリアミド-イミド重合体は、摩擦、熱、および化学的な抵抗力に優れ、1次電気絶縁材、コーティング剤、接着剤、押出用樹脂、耐熱塗料、耐熱板、耐熱接着剤、耐熱繊維、および耐熱フィルムなどに応用される。
【0003】
ポリアミド-イミドは、様々な分野で活用されている。例えば、ポリアミド-イミドは、粉末状に作られ金属または磁石ワイヤなどのコーティング剤として使用され、用途に応じて他の添加剤と混合して使用される。また、ポリアミド-イミドは、フッ素重合体とともに装飾や腐食防止のための塗料として使用され、フッ素重合体を金属基板に接着させる役割をする。また、ポリアミド-イミドは、厨房調理器具にコーティングをするためにも使用され、耐熱性と耐薬品性の特徴があって、ガス分離に使用するメンブレンとしても使用され、天然ガス油井において二酸化炭素、硫化水素および不純物のような汚染物をろ過する装置にも使用される。
【0004】
最近では、ポリアミド-イミドをフィルム化することにより、より安価でありながらも光学的、機械的、および熱的特性に優れたポリアミド-イミドフィルムが開発されている。このようなポリアミド-イミドフィルムは、有機発光ダイオード(OLED、organic light-emitting diode)または液晶ディスプレイ(LCD、liquid-crystal display)などのディスプレイ材料に適用可能であり、位相差物性の実現時に、反射防止フィルム、補償フィルム、または位相差フィルムに適用可能である。
【0005】
このようなポリアミド-イミドフィルムをフォルダブルディスプレイ、フレキシブルディスプレイなどに適用する際には、透明性、無色性などの光学特性、および柔軟性、硬度などの機械的物性が求められる。しかし、一般的に光学特性と機械的物性とはトレードオフの関係にあり、機械的物性を向上させると、光学特性が低下し得る。
【0006】
したがって、機械的物性と光学特性とがともに向上されたポリアミド-イミドフィルムに対する研究が持続的に求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
実現例の目的は、光学特性および機械的特性に優れたポリアミド-イミドフィルム、これを含むカバーウィンドウおよびディスプレイ装置を提供することである。
【0008】
実現例の他の目的は、光学特性および機械的特性に優れたポリアミド-イミドフィルムの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実現例によるポリアミド-イミドフィルムは、ポリアミド-イミド重合体を含み、ISO14577-2規格に基づきナノインデンテーション法によって測定される極表面の換算モジュラス(Reduced Modulus)が5.6GPa以上で、ヘイズが1%以下である。
【0010】
実現例によるディスプレイ装置用カバーウィンドウは、ポリアミド-イミドフィルムおよび機能層を含み、前記ポリアミド-イミドフィルムがポリアミド-イミド重合体を含み、前記ポリアミド-イミドフィルムにおける、ISO14577-2規格に基づきナノインデンテーション法によって測定される極表面の換算モジュラスが5.6GPa以上である。
【0011】
実現例によるディスプレイ装置は、表示部と前記表示部上に配置されたカバーウィンドウとを含み、前記カバーウィンドウがポリアミド-イミドフィルムおよび機能層を含み、前記ポリアミド-イミドフィルムがポリアミド-イミド重合体を含み、前記ポリアミド-イミドフィルムにおける、ISO14577-2規格に基づきナノインデンテーション法によって測定される極表面の換算モジュラスが5.6GPa以上である。
【0012】
実現例によるポリアミド-イミドフィルムの製造方法は、有機溶媒上でジアミン化合物、ジアンヒドリド化合物およびジカルボニル化合物を重合してポリアミド-イミド重合体溶液を調製する段階と、前記重合体溶液をタンクに投入する段階と、前記タンク内の重合体溶液を押出およびキャスティングした後、乾燥してゲルシートを製造する段階と、前記ゲルシートを熱処理する段階と、を含む。
【発明の効果】
【0013】
実現例によるポリアミド-イミドフィルムは、極表面の換算モジュラス(E)が5.6GPa以上に、ヘイズが1%以下に調節されることにより、黄色度、透過率などの光学特性が改善され、圧入抵抗性、復元性、柔軟性などの機械的特性が向上され得る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、一実現例によるディスプレイ装置の概略的な分解図である。
図2図2は、一実現例によるディスプレイ装置の概略的な斜視図である。
図3図3は、一実現例によるディスプレイ装置の概略的な断面図である。
図4図4は、一実現例によるポリアミド-イミドフィルムの製造方法の概略的手順を示すフロー図である。
図5図5は、ポリアミド-イミドフィルムのナノインデンテーション法測定方法を示す概略的な概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように、実現例について添付の図面を参考にして詳細に説明する。しかし、実現例は様々な異なる形態で実現されてよく、本明細書で説明する実現例に限定されない。
【0016】
本明細書において、各フィルム、ウインドウ、パネル、または層などが、各フィルム、ウインドウ、パネル、または層などの「上(on)」または「下(under)」に形成されるものとして記載される場合において、「上(on)」と「下(under)」は、「直接(directly)」または「他の構成要素を介して(indirectly)」形成されるものをすべて含む。また、各構成要素の上/下に対する基準は、図面を基準に説明する。なお、図面における各構成要素の大きさは、説明のために誇張されることがあり、実際に適用される大きさを意味するものではない。また、明細書全体に亘って、同一参照符号は同一構成要素を指す。
【0017】
本明細書において、ある部分がある構成要素を「含む」と言うとき、特に反する記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0018】
本明細書において、単数表現は、特別な説明がなければ、文脈上解釈される単数または複数を含む意味で解釈される。
【0019】
また、本明細書に記載されている構成成分の量、反応条件などを表すすべての数字および表現は、特に記載がない限り、すべての場合に「約」という用語で修飾されるものと理解するべきである。
【0020】
本明細書において、第1、第2などの用語は、様々な構成要素を説明するために用いられるものであり、前記構成要素は、前記用語によって限定されてはならない。前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素と区別するためにのみ用いられる。
【0021】
また、本明細書において「置換された」ということは、特に記載がない限り、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、エステル基、ケトン基、カルボキシル基、置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のアルケニル基、置換または非置換のアルキニル基、置換または非置換のアルコキシ基、置換または非置換の脂環式有機基、置換または非置換のヘテロ環基、置換または非置換のアリール基、および置換または非置換のヘテロアリール基からなる群より選択された1種以上の置換基で置換されたことを意味し、前記列挙された置換基は互いに結合して環を形成し得る。
【0022】
[ポリアミド-イミドフィルム]
実現例は、高い透過度、低い黄色度のような優れた光学特性を有するのみならず、圧入硬度およびモジュラスのような機械的特性に優れたポリアミド-イミドフィルムを提供する。
【0023】
一実現例によるポリアミド-イミドフィルムは、ポリアミド-イミド重合体を含む。
【0024】
前記ポリアミド-イミドフィルムは、極表面の換算モジュラス(E)が5.6GPa以上である。前記極表面の換算モジュラスは、ナノインデンテーション法により測定され得る。
【0025】
具体的に、前記極表面の換算モジュラスは、ISO14577-2規格に基づきナノインデンテーション法により測定されたものであり、有効弾性係数または減少弾性係数とも指され得る。より具体的に、前記極表面の換算モジュラスは、例えば約10mN~50mNの荷重で加圧して約5秒~60秒間維持し、約1秒~20秒間クリープ(creep)して行われ、前記フィルムの表面から約0.01μm~10μmの深さを有する領域と定義される表層におけるモジュラスのことを意味し得る。前記ナノインデンテーション測定の際、例えば、三角錐形(Berkovich形)チップが使用され得る。
【0026】
前記極表面の換算モジュラスが5.6GPa以上の場合、フィルムの圧入による変形に対する抵抗性が増加するだけでなく、優れた復元性、柔軟性などの機械的特性を有し得る。また、前記機械的特徴が向上するとともに、透過率、ヘイズ、黄色度などの光学特性が優れたレベルに維持され得る。したがって、フォルダブル(foldable)装置、ローラブル(rollable)装置などを含むフレキシブル(flexible)装置のカバーウィンドウなどに効果的に適用され得る。
【0027】
一部の実現例において、前記極表面の換算モジュラスは、6GPa以上、6.2GPa以上、6.3GPa以上、6.5GPa以上、6.6GPa以上、7GPa以上、7.1GPa以上、または7.3GPa以上であり得る。また、前記極表面の換算モジュラスは、15GPa以下、12GPa以下、10GPa以下、9GPa以下、8.5GPa以下、または8GPa以下であり得る。この場合、フィルムの光学特性および機械的特性がともに向上され得る。
【0028】
前記ポリアミド-イミドフィルムは、前述の極表面の換算モジュラスを有するとともに、ヘイズが1%以下である。前記ヘイズが1%を超えると、フィルムの光透過率が減少し黄色度が増加するだけでなく、前記極表面の換算モジュラスもともに減少し得る。例えば、前記ヘイズが1%を超えるフィルムの場合、例えば、フィラーを過量で含むか、結晶化度が過剰に増加したものであり得る。これにより、前記極表面の換算モジュラスが5.6GPa以下に低減することがあり、前述の機械的特性が低下し得る。好ましくは、前記ヘイズは、0.8%以下、0.7%以下、0.6%以下、0.5%以下、または0.4%以下であり得る。
【0029】
一部の実現例において、前記ポリアミド-イミドフィルムは、ナノインデンテーション法により測定される極表面の硬度(Hardness)が0.35GPa以上であり得る。前記極表面の硬度は、前記表層における硬度を意味し得る。前記極表面の硬度が0.35GPa以上の場合、フィルムの圧入抵抗性および柔軟性が向上され、ひっかき傷に対する抵抗性もともに向上され得る。
【0030】
また、前述の光学特性が向上しながらも、黄色度、ヘイズ、透過率などの光学特性が悪化しない。好ましくは、前記極表面の硬度は、0.36GPa以上、0.37GPa以上、0.38GPa以上、0.39GPa以上、0.42GPa以上、0.43GPa以上、0.45GPa以上、0.50GPa以上、または0.51GPa以上であり得る。また、前記極表面の硬度は、10GPa以下、8GPa以下、5GPa以下、3GPa以下、2GPa以下、1GPa以下、または0.7GPa以下であり得る。
【0031】
実現例によるポリアミド-イミドフィルムのx方向屈折率(n)は、1.60~1.70、1.61~1.69、1.62~1.68、1.64~1.68、1.64~1.66、または1.64~1.65であり得る。
【0032】
また、ポリアミド-イミドフィルムのy方向屈折率(n)は、1.60~1.70、1.61~1.69、1.62~1.68、1.63~1.68、1.63~1.66、または1.63~1.64であり得る。
【0033】
さらに、ポリアミド-イミドフィルムのz方向屈折率(n)は、1.50~1.60、1.51~1.59、1.52~1.58、1.53~1.58、1.54~1.58、または1.54~1.56であり得る。
【0034】
前記ポリアミド-イミドフィルムのx方向屈折率、y方向屈折率およびz方向屈折率の値が前記範囲の場合、前記フィルムをディスプレイ装置に適用する際、前からだけでなく横から見ても視認性に優れ、広い視野角を実現し得る。
【0035】
実現例によるポリアミド-イミドフィルムの面内位相差(R)は800nm以下であり得る。具体的に、前記ポリアミド-イミドフィルムの面内位相差(R)は、700nm以下、600nm以下、550nm以下、100nm~800nm、200nm~800nm、200nm~700nm、300nm~700nm、300nm~600nm、または300nm~540nmであり得る。
【0036】
また、実現例によるポリアミド-イミドフィルムの厚さ方向位相差(Rth)は5000nm以下であり得る。具体的に、前記ポリアミド-イミドフィルムの厚さ方向位相差(Rth)は、4800nm以下、4700nm以下、4650nm以下、1000nm~5000nm、1500nm~5000nm、2000nm~5000nm、2500nm~5000nm、3000nm~5000nm、3500nm~5000nm、4000nm~5000nm、3000nm~4800nm、3000nm~4700nm、4000nm~4700nm、または、4200nm~4650nmであり得る。
【0037】
なお、前記面内位相差(in-plane retardation、R)は、フィルムの平面内の直交する2つ軸の屈折率の異方性(Δnxy=|n-n|)とフィルム厚さ(d)との積(△nxy×d)で定義されるパラメータであり、光学的等方性または異方性を示す尺度である。
【0038】
また、厚さ方向位相差(thickness direction retardation、Rth)とは、フィルム厚さ方向の断面で見たときの2つの複屈折であるΔnxz(=|n-n|)および△nyz(=|n-n|)にそれぞれフィルム厚(d)を乗じて得られる位相差の平均と定義されるパラメータである。
【0039】
前記ポリアミド-イミドフィルムの面内位相差および厚さ方向位相差の値が前記範囲の場合、前記フィルムをディスプレイ装置に適用する際に光学歪みおよび色歪みを最小化でき、側面から光が漏れる光漏れ現象もまた、最小化できる。
【0040】
前記ポリアミド-イミドフィルムは、ポリアミド-イミド重合体以外にフィラーをさらに含み得る。前記フィラーは、フィルムの硬度、モジュラス、脆性、柔軟性などの機械的特性および透過率、ヘイズ、黄色度などの光学特性を調節し得る。
【0041】
一部の実現例において、前記フィラーとしては、硬度2.5~6の無機系および/または有機系物質が非限定的に使用され得る。フィラーが前記硬度を有すると、フィルムの硬度およびモジュラスを向上させながらも、柔軟性を低下させない。また、フィルムの光学特性を悪化させない。好ましくは、前記フィラーの硬度は2.5~5または2.5~4であり得る。
【0042】
好ましくは、前記フィラーは硫酸バリウム(BaSO)、シリカなどの無機系物質、アクリレートポリマーなどの有機系物質、またはこれらの組み合わせを含み得る。
【0043】
前記フィラーの平均粒径は80nm~500nmであり得る。具体的に、前記フィラーの平均粒径は、80nm~400nm、80nm~350nm、80nm~300nm、100nm~500nm、100nm~400nm、100nm~350nm、100nm~300nm、150nm~500nm、150nm~400nm、150nm~350nm、150nm~300nm、200nm~500nm、200nm~400nm、200nm~350nm、200nm~300nmであり得るが、これに限定されるものではない。フィラーが前記粒径を有すると、優れた機械的特性を実現するために前記フィラーを多量使用しても、フィルムの柔軟性を低下させたり、フィルムを通過する光の進行を妨げたりしない。
【0044】
前記フィラーの屈折率は1.55~1.75であり得る。具体的に、前記フィラーの屈折率は1.60~1.75、1.60~1.70、1.60~1.68、または1.62~1.65であり得るが、これに限定されるものではない。
【0045】
前記フィラーの屈折率が前記範囲を満たすことにより、n、n、nに関連する複屈折値が適切に調節でき、フィルムの様々な角度における輝度が向上され得る。
【0046】
一方、前記フィラーの屈折率が前記範囲を外れると、フィルム上でフィラーの存在が目視で視認されるたり、フィラーによってヘイズが上昇したりする問題が生じ得る。
【0047】
前記フィラーの含有量は、ポリアミド-イミド重合体固形分の総重量を基準に、100ppm~3000ppmであり得る。具体的に、前記フィラーの含有量は、ポリアミド-イミド重合体固形分の総重量を基準に、100ppm~2500ppm、100ppm~2000ppm、200ppm~3000ppm、200ppm~2500ppm、200ppm~2000ppm、300ppm~3000ppm、300ppm~2500ppm、または300ppm~2000ppmであり得るが、これに限定されるものではない。
【0048】
前記フィラーの含有量が前記範囲を外れると、フィルムのヘイズが急激に増加し、フィルム表面にフィラー同士の塊り現象が発生して異物感が目視で確認されたり、生産工程において走行に問題が発生したり、巻取性が低下し得る。また、フィルムの硬度、柔軟性などの機械的特性および透過率、黄色度などの光学特性が総合的に阻害され得る。
【0049】
前記フィラーは、粒子状で含まれ得る。また、前記フィラーは、表面に特別なコーティング処理がなされていない状態であり、フィルム全体に亘って均一に分散され得る。
【0050】
前記ポリアミド-イミドフィルムが前記フィラーを含むことにより、前記フィルムは光学特性の低下なく広い視野角を確保し得る。
【0051】
前記ポリアミド-イミドフィルム内の残留溶媒含有量は1500ppm以下であり得る。例えば、前記残留溶媒の含有量は、1200ppm以下、1000ppm以下、800ppm以下、500ppm以下であり得るが、これに限定されるものではない。
【0052】
前記残留溶媒は、フィルム製造時に揮発されず最終的に製造されたフィルムに残っている溶媒の量を意味する。
【0053】
前記ポリアミド-イミドフィルム内の残留溶媒の含有量が前記範囲を超えると、フィルムの耐久性が低下し、輝度にも影響を及ぼし得る。
【0054】
実現例によるポリアミド-イミドフィルムは、厚さ50μmを基準に曲率半径が3mmになるようにフォルディングするとき、破断するまでのフォルディング回数が20万回以上であり得る。
【0055】
前記フォルディング回数は、フィルムの曲率半径が3mmになるように曲げて広げることを1回とする。
【0056】
前記ポリアミド-イミドフィルムが前記範囲のフォルディング回数を満足することにより、フォルダブルディスプレイ装置やフレキシブルディスプレイ装置に有用に適用され得る。
【0057】
実現例によるポリアミド-イミドフィルムの表面粗さは、0.01μm~0.07μmであり得る。具体的に、前記表面粗さは、0.01μm~0.07μmまたは0.01μm~0.06μmであり得るが、これに限定されるものではない。
【0058】
前記ポリアミド-イミドフィルムの表面粗さが前記範囲を満たすことにより、面光源の法線方向からの角度が大きくなる場合でも、高い輝度を実現するのに有利であり得る。
【0059】
一実現例によるポリアミド-イミドフィルムは、ポリアミド-イミド重合体を含む。前記ポリアミド-イミド重合体は、アミド系繰り返し単位およびイミド系繰り返し単位を含み得る。
【0060】
一部の実現例において、前記ポリアミド-イミド重合体は、イミド系繰り返し単位およびアミド系繰り返し単位を2:98~50:50のモル比で含み得る。この場合、ポリアミド-イミドフィルムの柔軟性、機械的強度および光学特性がともに向上され得る。好ましくは、前記ポリアミド-イミド重合体は、イミド系繰り返し単位およびアミド系繰り返し単位を、2:98~40:60、2:98~30:70、2:98~25:75、2:98~20:80、3:97~50:50、3:97~40:60、3:97~30:70、3:97~25:75、3:97~20:80、または3:97~15:85のモル比で含み得る。
【0061】
前記ポリアミド-イミド重合体は、ジアミン化合物、ジアンヒドリド化合物およびジカルボニル化合物を含む反応物が、同時または順次反応して形成され得る。具体的に、前記ポリアミド-イミド重合体は、ジアミン化合物と、ジアンヒドリド化合物と、ジカルボニル化合物とが重合して形成され得る。
【0062】
この際、前記ポリアミド-イミド重合体は、ジアミン化合物とジアンヒドリド化合物との重合に由来するイミド(imide)繰り返し単位と、前記ジアミン化合物とジカルボニル化合物との重合に由来するアミド(amide)繰り返し単位とが形成され得る。
【0063】
前記ジアミン化合物は、前記ジアンヒドリド化合物とイミド結合し、前記ジカルボニル化合物とアミド結合して、共重合体を形成する化合物である。
【0064】
前記ジアミン化合物は特に制限されないが、例えば、芳香族構造を含む芳香族ジアミン化合物であり得る。例えば、前記ジアミン化合物は、下記化学式1の化合物であり得る。
[化1]
【0065】
前記化学式1において、Eは、置換または非置換の2価のC-C30脂環式基、置換または非置換の2価のC-C30ヘテロ脂環式基、置換または非置換の2価のC-C30芳香族環基、置換または非置換の2価のC-C30芳香族ヘテロ環基、置換または非置換のC-C30アルキレン基、置換または非置換のC-C30アルケニレン基、置換または非置換のC-C30アルキニレン基、-O-、-S-、-C(=O)-、-CH(OH)-、-S(=O)-、-Si(CH-、-C(CH-、および-C(CF-の中から選択され得る。
【0066】
eは1~5の整数の中から選択され、eが2以上の場合、Eは互いに同一または異なり得る。
【0067】
前記化学式1の(E)は、下記化学式1-1a~1-14aで表される基の中から選択され得るが、これに限定されるものではない。
【0068】
具体的に、前記化学式1の(E)は、下記化学式1-1b~1-13bで表される基の中から選択され得るが、これに限定されるものではない。
【0069】
より具体的に、前記化学式1の(E)は、前記化学式1-6bで表される基または前記化学式1-9bで表される基であり得る。
【0070】
一実現例において、前記ジアミン化合物は、フッ素含有置換基を有する化合物またはエーテル基(-O-)を有する化合物を含み得る。
【0071】
前記ジアミン化合物は、フッ素含有置換基を有する化合物からなり得る。この際、前記フッ素含有置換基はフッ素化炭化水素基であり、具体的にトリフルオロメチル基であり得るが、これに限定されるものではない。
【0072】
他の実現例において、前記ジアミン化合物は、1種のジアミン化合物を使用し得る。すなわち、前記ジアミン化合物は単一成分からなり得る。
【0073】
例えば、前記ジアミン化合物は、下記のような構造を有する2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノビフェニル(2,2'-Bis(trifluoromethyl)-4,4'-diaminodiphenyl、TFDB)を含み得るが、これに限定されるものではない。
【0074】
前記ジアンヒドリド化合物は、特に制限されないが、芳香族ジアンヒドリド化合物を含み得る。例えば、前記ジアンヒドリド化合物は、ポリアミド系樹脂の複屈折特性を減少させ、ポリアミド-イミドフィルムの透過度などの光学特性を向上させ得る。
【0075】
一実現例において、前記ジアンヒドリド化合物は、フッ素含有置換基を有する化合物を含み得る。この際、前記フッ素含有置換基はフッ素化炭化水素基であり、具体的に、トリフルオロメチル基などのパーフルオロアルキル基(-C4n-1、nは正の整数)を含み得るが、これに限定されるものではない。
【0076】
一部の実現例において、前記ジアンヒドリド化合物は、ジアンヒドリド基で置換された芳香族環基を2個以上含み得る。前記芳香族環基は、フッ素含有置換基によって互いに結合され得る。前記フッ素含有置換基は、フルオロアルキル基で置換された炭化水素基を含み、例えば、前記フルオロアルキル基は、トリフルオロメチル基などのパーフルオロアルキル基(-C4n-1、nは正の整数)を含み得る。前記炭化水素基は、飽和された炭化水素基を含み、例えば、メチレン基(-CH-)などのアルキレン基を含み得る。
【0077】
例えば、前記芳香族ジアンヒドリド化合物は、下記化学式2で表される化合物を含み得る。
[化2]
【0078】
前記化学式2において、Gは置換または非置換の4価のC-C30脂環式基、置換または非置換の4価のC-C30ヘテロ脂環式基、置換または非置換の4価のC-C30芳香族環基、置換または非置換の4価のC-C30芳香族ヘテロ環基であり、前記脂環式基、前記ヘテロ脂環式基、前記芳香族環基または前記芳香族ヘテロ環基が単独で存在するか、互いに結合され縮合環を形成するか、置換または非置換のC-C30アルキレン基、置換または非置換のC-C30アルケニレン基、置換または非置換のC-C30アルキニレン基、-O-、-S-、-C(=O)-、-CH(OH)-、-S(=O)-、-Si(CH-、-C(CH-、および-C(CF-の中から選択された連結基によって結合され得る。
【0079】
前記化学式2におけるGは、下記化学式2-1a~2-9aで表される基の中から選択され得るが、これに限定されるものではない。
【0080】
例えば、前記化学式2におけるGは、前記化学式2-2aで表される基、前記化学式2-8aで表される基、または前記化学式2-9aで表される基であり得る。
【0081】
例えば、前記ジアンヒドリド化合物は、下記のような構造を有する2,2'-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンジアンヒドリド(2,2'-Bis-(3,4-Dicarboxyphenyl)hexafluoropropane dianhydride、6-FDA)を含み得るが、これに限定されるものではない。
【0082】
前記ジアミン化合物と前記ジアンヒドリド化合物とが重合してアミド酸(amic acid)基を形成し得る。
【0083】
次いで、前記アミド酸基は脱水反応によりイミド基に転換され得、この場合、ポリイミドセグメント(segment)およびポリアミドセグメントを含むポリアミド-イミド重合体が形成され得る。
【0084】
前記ポリイミドセグメントは、下記化学式Aで表される繰り返し単位を含み得る。
[化A]
【0085】
前記化学式Aにおいて、E、G、およびeに関する説明は、前述の通りである。
【0086】
例えば、前記ポリイミドセグメントは、下記化学式A-1で表される繰り返し単位を含み得るが、これに限定されるものではない。
【0087】
[化A-1]

前記化学式A-1におけるnは1~400の整数であり得る。
【0088】
前記ジカルボニル化合物は特に限定されないが、例えば、下記化学式3の化合物であり得る。
[化3]
【0089】
前記化学式3において、Jは、置換または非置換の2価のC-C30脂環式基、置換または非置換の2価のC-C30ヘテロ脂環式基、置換または非置換の2価のC-C30芳香族環基、置換または非置換の2価のC-C30芳香族ヘテロ環基、置換または非置換のC-C30アルキレン基、置換または非置換のC-C30アルケニレン基、置換または非置換のC-C30アルキニレン基、-O-、-S-、-C(=O)-、-CH(OH)-、-S(=O)-、-Si(CH-、-C(CH-、および-C(CF-の中から選択され得る。
【0090】
jは1~5の整数の中から選択され、jが2以上の場合、Jは互いに同一または異なり得る。
【0091】
Xはハロゲン原子である。具体的に、XはF、Cl、Br、I等であり得る。より具体的に、XはClであり得るが、これに限定されるものではない。
【0092】
前記化学式3の(J)は、下記化学式3-1a~3-14aで表される基の中から選択され得るが、これに限定されるものではない。
【0093】
具体的に、前記化学式3の(J)は、下記化学式3-1b~3-8bで表される基の中から選択され得るが、これに限定されるものではない。

【0094】
より具体的に、前記化学式3の(J)は、前記化学式3-1bで表される基、前記化学式3-2bで表される基、3-3bで表される基、または3-8bで表される基であり得る。
【0095】
一実現例において、前記ジカルボニル化合物は、互いに異なる少なくとも4種のジカルボニル化合物を混合して使用し得る。前記ジカルボニル化合物が2種以上使用される場合、前記ジカルボニル化合物は、前記化学式3において(J)が前記化学式3-1b~3-8bで表される基の中から選択される2種以上が使用され得る。
【0096】
他の実現例において、前記ジカルボニル化合物は、芳香族構造を含む芳香族ジカルボニル化合物であり得る。
【0097】
前記ジカルボニル化合物は、下記のような構造を有するテレフタロイルクロリド(terephthaloyl chloride、TPC)、1,1'-ビフェニル-4,4'-ジカルボニルジクロリド(1,1'-biphenyl-4,4'-dicarbonyl dichloride、BPDC)、イソフタロイルクロリド(isophthaloyl chloride、IPC)、またはその組み合わせを含み得るが、これに限定されるものではない。


【0098】
一実現例において、前記ポリアミド-イミド重合体は、2種以上のアミド系繰り返し単位を含み得る。
【0099】
例えば、前記2種以上のアミド系繰り返し単位は、第1アミド系繰り返し単位および第2アミド系繰り返し単位を含み得る。前記第1アミド系繰り返し単位は、第1ジカルボニル化合物と前記ジアミン化合物とが反応して形成され、前記第2アミド系繰り返し単位は、第2ジカルボニル化合物と前記ジアミン化合物とが反応して形成され得る。
【0100】
前記第1ジカルボニル化合物および前記第2ジカルボニル化合物は、互いに異なる化合物であり得る。
【0101】
前記第1ジカルボニル化合物および前記第2ジカルボニル化合物は、それぞれ2つのカルボニル基を含み得る。前記第1ジカルボニル化合物に含まれている2つのカルボニル基間の角度は、前記第2ジカルボニル化合物に含まれている2つのカルボニル基間の角度よりも大きくて良い。
【0102】
実施例において、前記第1ジカルボニル化合物および前記第2ジカルボニル化合物は、互いに構造異性体の関係であり得る。
【0103】
前記第1ジカルボニル化合物および前記第2ジカルボニル化合物は、それぞれ芳香族ジカルボニル化合物(aromatic dicarbonyl compound)であり得る。一部の実現例において、前記第1ジカルボニル化合物および前記第2ジカルボニル化合物は、それぞれ1個のベンゼン環(フェニル基)を有し得る。
【0104】
例えば、前記第1ジカルボニル化合物および前記第2ジカルボニル化合物が互いに異なる芳香族ジカルボニル化合物であり得るが、これに限定されるものではない。
【0105】
前記第1ジカルボニル化合物および前記第2ジカルボニル化合物が、それぞれ芳香族ジカルボニル化合物であると、ベンゼン環を含んでいるので、製造されたポリアミド-イミド重合体を含むフィルムの表面硬度および引張強度のような機械的物性を向上させるのに寄与し得る。
【0106】
例えば、前記第1ジカルボニル化合物に含まれている2つのカルボニル基の間角は160°~180°であり、前記第2ジカルボニル化合物に含まれている2つのカルボニル基の間角は80°~140°であり得る。
【0107】
例えば、前記ジカルボニル化合物は、第1ジカルボニル化合物および/または第2ジカルボニル化合物を含み得る。
【0108】
例えば、前記第1ジカルボニル化合物はTPCを含み、前記第2ジカルボニル化合物はIPCを含み得るが、これに限定されるものではない。
【0109】
前記第1ジカルボニル化合物としてTPC、前記第2ジカルボニル化合物としてIPCを適切に組み合わせて使用すると、製造されたポリアミド-イミド重合体を含むフィルムは、高い耐酸化性、生産性、透光率、透明度、モジュラスなどを有することができ、ヘイズが低く極表面特性に優れ得る。
【0110】
前記ジアミン化合物および前記ジカルボニル化合物が重合して、下記化学式Bで表される繰り返し単位を形成し得る。
[化B]
前記化学式Bにおいて、E、J、e、およびjに関する説明は前述の通りである。
【0111】
例えば、前記ジアミン化合物および前記ジカルボニル化合物が重合して、化学式B-1およびB-2で表されるアミド繰り返し単位を形成し得る。
【0112】
[化B-1]
前記化学式B-1のyは1~400の整数である。
【0113】
[化B-2]
前記化学式B-2のyは1~400の整数である。
【0114】
一部の実現例において、前記第1アミド系繰り返し単位は、前記ジアンヒドリド系繰り返し単位、前記第1アミド系繰り返し単位および前記第2アミド系繰り返し単位の総合計に対して25モル%~90モル%で含まれ得る。また、例えば、25モル%~85モル%、25モル%~80モル%、25モル%~75モル%、30モル%~90モル%、30モル%~85モル%、30モル%~75モル%、40モル%~90モル%、40モル%~85モル%、40モル%~75モル%、50モル%~90モル%、50モル%~85モル%、50モル%~75モル%、60モル%~90モル%、60モル%~85モル%、または60モル%~75モル%で含まれ得るが、これに限定されるものではない。
【0115】
一部の実現例において、前記第1アミド系繰り返し単位と前記第2アミド系繰り返し単位とのモル比は、25:75~95:5であり得る。好ましくは、前記第1アミド系繰り返し単位と前記第2アミド系繰り返し単位とのモル比は、25:75~90:10、25:75~85:15、25:75~80:20、30:70~95:5、30:70~90:10、30:70~85:15、30:70~80:20、40:60~95:5、40:60~90:10、40:60~85:15、40:60~80:20、50:50~95:5、50:50~90:10、50:50~85:15、50:50~80:20、60:40~95:5、60:40~90:10、60:40~85:15、60:40~80:20、70:30~95:5、70:30~90:10、70:30~85:15、または70:30~80:20であり得るが、これに限定されるものではない。
【0116】
一部の実現例において、前記ポリアミド-イミドフィルムは、厚さ50μmを基準に厚さ偏差が4μm以下であり得る。前記厚さ偏差は、前記フィルムの任意の(random)の位置の10か所のポイントを測定した厚さの平均に対する最大値間または最小値間の偏差のことを意味し得る。この場合、前記ポリアミド-イミドフィルムは、均一な厚さを有し、各ポイントにおける光学特性および機械的特性が均一に表れ得る。
【0117】
前記ポリアミド-イミドフィルムの透過度は80%以上であり得る。例えば、前記透過度は、82%以上、85%以上、88%以上、89%以上、80%~99%、88%~99%、または89%~99%であり得るが、これに限定されるものではない。
【0118】
前記ポリアミド-イミドフィルムの黄色度(yellow index)は4以下であり得る。例えば、前記黄色度が3.5以下、または3以下であり得るが、これに限定されるものではない。
【0119】
前記ポリアミド-イミドフィルムのモジュラスが4.5GPa以上であり得る。具体的に、前記モジュラスは、5.0GPa以上、5.5GPa以上または6.0GPa以上であり得るが、これに限定されるものではない。
【0120】
前記ポリアミド-イミドフィルムの圧縮強度は、0.4kgf/μm以上であり得る。具体的に、前記圧縮強度は、0.45kgf/μm以上または0.46kgf/μm以上であり得るが、これに限定されるものではない。
【0121】
前記ポリアミド-イミドフィルムをUTM圧縮モードで2.5mmの球状チップを用いて、10mm/minの速度で穿孔する際、クラックを含む穿孔最大径(mm)が60mm以下である。具体的に、前記穿孔最大径が、5mm~60mm、10mm~60mm、15mm~60mm、20mm~60mm、25mm~60mm、または25mm~58mmであり得るが、これに限定されるものではない。
【0122】
前記ポリアミド-イミドフィルムは、表面硬度がHB以上であり得る。具体的に、前記表面硬度がH以上または2H以上であり得るが、これに限定されるものではない。
【0123】
前記ポリアミド-イミドフィルムは、引張強度が15kgf/mm以上であり得る。具体的に、前記引張強度が、18kgf/mm以上、20kgf/mm以上、21kgf/mm以上、または22kgf/mm以上であり得るが、これに限定されるものではない。
【0124】
前記ポリアミド-イミドフィルムは、伸び率が15%以上であり得る。具体的に、前記伸び率が、16%以上、17%以上、または17.5%以上であり得るが、これに限定されるものではない。
【0125】
前述の前記ポリアミド-イミドフィルムの各物性は、40μm~60μmの厚さを基準とする。例えば、前記ポリアミド-イミドフィルムの各物性は、50μmの厚さを基準とする。
【0126】
前述のポリアミド-イミドフィルムの構成成分および物性に関する特徴は、互いに組み合わされ得る。
【0127】
例えば、前記ポリアミド-イミドフィルムは、ポリアミド-イミド重合体を含み、透過度が80%以上であり、黄色度が4以下であり得る。
【0128】
[ディスプレイ装置用カバーウィンドウ]
一実現例によるディスプレイ装置用カバーウィンドウは、ポリアミド-イミドフィルムおよび機能層を含む。
【0129】
前記ポリアミド-イミドフィルムは、ポリアミド-イミド重合体を含み、ナノインデンテーション法により測定される極表面の換算モジュラスが5.6GPa以上である。
【0130】
前記ポリアミド-イミドフィルムに関する具体的な説明は、前述の通りである。
【0131】
前記ディスプレイ装置用カバーウィンドウは、ディスプレイ装置に有用に適用され得る。
【0132】
前記ポリアミド-イミドフィルムは、前述のナノインデンテーションおよびヘイズ特性を有することにより、優れた光学特性および機械的特性を有し得る。
【0133】
[ディスプレイ装置]
一実現例によるディスプレイ装置は、表示部と、前記表示部上に配置されたカバーウィンドウとを含み、前記カバーウィンドウがポリアミド-イミドフィルムおよび機能層を含む。
【0134】
前記ポリアミド-イミドフィルムは、ポリアミド-イミド重合体を含み、ナノインデンテーション法により測定される極表面の換算モジュラスが5.6GPa以上である。
【0135】
前記ポリアミド-イミドフィルムおよびカバーウィンドウに関する具体的な説明は、前述の通りである。
【0136】
図1図3は、それぞれ一実現例によるディスプレイ装置の概略的な分解図、斜視図および断面図である。図3の断面図は、図2のA-A'方向に対する垂直断面図を示す。
【0137】
具体的に、図1図3には、表示部400と、前記表示部400上に第1面101および第2面102を有するポリアミド-イミドフィルム100と機能層200とを含むカバーウィンドウ300とが配置され、前記表示部400とカバーウィンドウ300との間に接着層500が配置されたディスプレイ装置が例示されている。
【0138】
前記表示部400は、画像が表示され得るものであり、フレキシブル(flexible)な特性を有し得る。
【0139】
前記表示部400は、画像を表示するための表示パネルであり得るが、例えば、液晶表示パネルまたは有機電界発光表示パネルであり得る。前記有機電界発光表示パネルは、前面偏光板および有機ELパネルを含み得る。
【0140】
前記前面偏光板は、前記有機ELパネルの前面上に配置され得る。具体的に、前記前面偏光板は、前記有機ELパネルにおいて、画像が表示される面に接着され得る。
【0141】
前記有機ELパネルは、ピクセル単位の自己発光によって画像を表示し得る。前記有機ELパネルは、有機EL基板および駆動基板を含み得る。前記有機EL基板は、ピクセルにそれぞれ対応する複数の有機電界発光ユニットを含み得る。具体的に、それぞれ陰極、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、および陽極を含み得る。前記駆動基板は、前記有機EL基板に駆動的に接続され得る。すなわち、前記駆動基板は、前記有機EL基板に駆動電流などのような駆動信号を印加し得るように接続されることにより、前記有機電界発光ユニットにそれぞれ電流を印加して、前記有機EL基板を駆動し得る。
【0142】
また、前記表示部400と前記カバーウィンドウ300との間に接着層500が含まれ得る。前記接着層は、光学的に透明な接着層であってよく、特に限定されない。
【0143】
前記カバーウィンドウ300は、前記表示部400上に配置され得る。前記カバーウィンドウは、実施例によるディスプレイ装置の最外郭に位置して、前記表示部を保護し得る。
【0144】
前記カバーウィンドウ300は、ポリアミド-イミドフィルムおよび機能層を含み得る。前記機能層は、ハードコーティング層、反射率低減層、防汚層、および防眩層からなる群より選択された1種以上であり得る。前記機能層は、前記ポリアミド-イミドフィルムの少なくとも一面にコーティングされ得る。
【0145】
実現例によるポリアミド-イミドフィルムの場合、ディスプレイ駆動方式やパネル内部のカラーフィルター、積層構造などの変更もなく簡単にディスプレイ装置の外部にフィルム状で適用して、均一な厚さ、低いヘイズ、高い透光率、および高い透明性を有するディスプレイ装置を提供し得るので、過度の工程変更やコスト増加を必要としないため、生産コストを削減できるという利点もある。
【0146】
実現例によるポリアミド-イミドフィルムは、高い透過度、低いヘイズ、低い黄色度のような優れた光学特性を有するのみならず、優れた極表面の換算モジュラスおよび硬度を有することにより、圧入抵抗性、復元性、柔軟性などの機械的特性が向上され得る。
【0147】
また、実現例によるポリアミド-イミドフィルムは、特定レベル以下の面内位相差および厚さ方向位相差を有することにより、光学歪みを最小化することができ、側面から光が漏れてくる光漏れ現象をも減少させ得る。
【0148】
前述の範囲の極表面の換算モジュラスおよび硬度を有するポリアミド-イミドフィルムの場合、フィルムの表層においても優れた機械的物性を有することにより、大面積化されたディスプレイ装置に適用されても、全面積に対して優れた圧入抵抗性および柔軟性を実現して、装置の耐久性を向上させ得る。また、フォルダブル/ローラブル/フレキシブルディスプレイ装置に適用され、装置の露出面表層部にて主に発生する塑性変形を効果的に抑制し得る。
【0149】
[ポリアミド-イミドフィルムの製造方法]
一実現例は、ポリアミド-イミドフィルムの製造方法を提供する。
【0150】
前記ポリアミド-イミドフィルムのナノインデンテーション特性およびヘイズは、前記ポリアミド-イミドフィルムを構成する成分の化学的、物理的特性とともに、後述する前記ポリアミド-イミドフィルムの製造方法において、各段階の工程条件が綜合して現れる結果であり得る。
【0151】
例えば、ポリアミド-イミドフィルムを構成する成分の組成と含有量、フィルム製造工程において重合条件および熱処理条件等が綜合して、目的とするナノインデンテーション特性を実現し得る。
【0152】
一実現例によるポリアミド-イミドフィルムの製造方法は、ジアミン化合物、ジアンヒドリド化合物およびジカルボニル化合物を重合してポリアミド-イミド重合体溶液を調製する段階と、前記重合体溶液をタンクに投入する段階と、前記重合体溶液を押出およびキャスティングした後、乾燥してゲルシートを製造する段階と、前記ゲルシートを熱処理する段階とを含む。
【0153】
図4を参照すると、一実現例によるポリアミド-イミドフィルムの製造方法は、ジアミン化合物、ジアンヒドリド化合物およびジカルボニル化合物を重合してポリアミド-イミド重合体溶液を調製する段階(S100)と、前記重合体溶液をタンクに投入する段階(S110)と、前記重合体溶液を押出およびキャスティングした後、乾燥してゲルシートを製造する段階(S200)と、前記ゲルシートを熱処理する段階(S300)とを含む。
【0154】
前記ポリアミド-イミドフィルムは、ポリアミド-イミド重合体を含むフィルムであって、前記ポリアミド-イミド重合体は、構造単位としてアミド繰り返し単位およびイミド繰り返し単位を含む樹脂である。
【0155】
前記ポリアミド-イミドフィルムの製造方法において、前記ポリアミド-イミド重合体を調製するための重合体溶液は、反応器内で有機溶媒中にジアミン化合物、ジアンヒドリド化合物およびジカルボニル化合物を同時または順次混合し、前記混合物を反応させて調製され得る(S100)。
【0156】
一実現例において、前記重合体溶液は、有機溶媒中にジアミン化合物、ジアンヒドリド化合物およびジカルボニル化合物を同時投入して反応させることにより調製され得る。
【0157】
一実現例において、有機溶媒中でジアミン化合物およびジアンヒドリド化合物がまず反応した後、ジカルボニル化合物と反応し得る。例えば、ジアンヒドリド化合物をジアミン化合物と反応させてポリアミック酸またはポリイミドを形成した後、前記ポリアミック酸またはポリイミドを前記ジカルボニル化合物と反応させてポリアミド-イミドを含む重合体溶液を形成し得る。
【0158】
一部の実現例において、前記ジアンヒドリド化合物と前記ジカルボニル化合物とは、2:98~50:50のモル比で使用され得る。前記モル比は、2:98~40:60、2:98~30:70、2:98~25:75、2:98~20:80、3:97~50:50、3:97~40:60、3:97~30:70、3:97~25:75、3:97~20:80、または3:97~15:85であり得る。
【0159】
一実現例において、前記ジカルボニル化合物は、互いに異なる2種のジカルボニル化合物が使用され得る。この場合、前記2種のジカルボニル化合物は同時または順次混合および反応され得る。好ましくは、第1ジカルボニル化合物と、前記ジアミン化合物、前記ポリアミック酸または前記ポリイミドとが反応してプレポリマーが形成され、前記プレポリマーと第2ジカルボニル化合物とが反応して前記ポリアミド-イミド重合体が形成され得る。この場合、ポリアミド-イミド重合体のナノインデンテーション特性を容易に調節し得る。
【0160】
前記重合体溶液に含まれる重合体は、前記ジアミン化合物と前記ジカルボニル化合物との重合に由来するアミド(amide)繰り返し単位と、ジアミン化合物と前記ジアンヒドリド化合物との重合に由来するイミド(imide)繰り返し単位とを含む。
【0161】
一実現例において、前記ジアミン化合物と前記ジアンヒドリド化合物との混合および反応は、0℃~50℃の温度条件にて行われ得る。前記温度範囲から外れると、重合核が過度に少ないかまたは多く形成されるため、目的とする焼成特性および弾性特性を有するポリアミド-イミド重合体またはフィルムの製造が難しくなり得る。したがって、ポリアミド-イミドフィルムの機械的特性および光学特性が低下し得る。また、前記重合体溶液の粘度が所定範囲に未達となり得る。好ましくは、前記ジアミン化合物と前記ジアンヒドリド化合物との混合および反応は、0℃~45℃、0℃~40℃、10℃~50℃、10℃~45℃、10℃~40℃、20℃~50℃、20℃~45℃または20℃~40℃の温度条件にて行われ得る。
【0162】
一実現例において、前記ジアミン化合物、前記ポリアミック酸または前記ポリイミドと前記ジカルボニル化合物との混合および反応は、-20℃~25℃の温度条件にて行われ得る。例えば、前記溶媒、前記ジアミン化合物および前記ジカルボニル化合物の混合および反応は、-20℃~25℃の温度条件にて行われ得る。前記温度範囲から外れると、重合核が過度に少ないかまたは多く形成されるため、目的とする特性を有するポリアミド-イミド重合体の形成が難しくなり得る。これにより、前述の極表面特性が実現されないことがあり得る。よって、ポリアミド-イミドフィルムのモジュラス、黄色度などの特性が低下し得る。さらに、前記重合体溶液の粘度が所定の範囲に達せず、製膜されたフィルムの厚さの偏差が増加し得る。好ましくは、前記ポリアミド-イミド重合体を含む溶液を調製する段階は、-20℃~20℃、-20℃~15℃、-20℃~10℃、-15℃~20℃、-15℃~15℃、-15℃~10℃、-10℃~20℃、-10℃~15℃、-10℃~10℃、-8℃~20℃、-8℃~15℃、-8℃~10℃、-5℃~20℃、-5℃~15℃、または-5℃~10℃の温度条件にて行われ得る。
【0163】
前記重合体溶液に含まれる固形分の含有量は10重量%~30重量%であり得るが、これに限定されるものではない。
【0164】
前記重合体溶液に含まれる固形分の含有量が前記範囲であると、キャスティング工程においてポリアミド-イミドフィルムが効果的に製造され得る。また、製造されたポリアミド-イミドフィルムは、向上されたモジュラス(例えば、極表面の換算モジュラス)などの機械的物性および低い黄色度などの光物性を有し得る。
【0165】
また他の実現例において、前記重合体溶液を調製する段階は、前記重合体溶液のpHを調整する段階をさらに含み得る。該段階において、前記重合体溶液のpHは4~7に調整され、例えば4.5~7に調整され得る。
【0166】
前記重合体溶液のpHは、pH調整剤を添加することによって調整され、前記pH調整剤は特に限定されないが、例えば、アルコキシアミン、アルキルアミンまたはアルカノールアミンなどのアミン系化合物を含み得る。
【0167】
前記重合体溶液のpHを前記範囲に調整することにより、前記重合体溶液から製造されたフィルムの欠陥発生を阻止し、黄色度およびモジュラスの観点から目的とする光物性および機械的物性を実現し得る。
【0168】
前記pH調整剤は、前記重合体溶液中の単量体の総モル数を基準に0.1モル%~10モル%の量で添加され得る。
【0169】
前記重合体溶液を調製するために使用される前記第1ジカルボニル化合物と前記第2ジカルボニル化合物とのモル比は、25:75~95:5であり得る。好ましくは、前記第1ジカルボニル化合物と前記第2ジカルボニル化合物とのモル比は、25:75~90:10、25:75~85:15、25:75~80:20、30:70~95:5、30:70~90:10、30:70~85:15、30:70~80:20、40:60~95:5、40:60~90:10、40:60~85:15、40:60~80:20、50:50~95:5、50:50~90:10、50:50~85:15、50:50~80:20、60:40~95:5、60:40~90:10、60:40~85:15、60:40~80:20、70:30~95:5、70:30~90:10、70:30~85:15、または70:30~80:20であり得るが、これに限定されるものではない。
【0170】
前記第1ジカルボニル化合物と前記第2ジカルボニル化合物とがこのような比率で使用されることにより、ナノインデンテーションおよびヘイズ特性が前述の範囲にあるポリアミド-イミド重合体を調製することができ、ポリアミド-イミドフィルムの機械的特性および光学特性を改善し得る。
【0171】
一部の実現例において、前記ポリアミド-イミド重合体溶液を調製する段階は、前記ジアミン化合物、前記ジアンヒドリド化合物および前記ジカルボニル化合物を重合して第1重合体溶液を形成する段階と、前記第1重合体溶液とジカルボニル化合物とをさらに反応させて粘度が上昇した第2重合体溶液を形成する段階とを含み得る。この場合、前記第2重合体溶液の粘度は、常温基準100000cps~500000cpsであり得る。これにより、ポリアミド-イミドフィルムの製膜性を向上させることにより、厚さ均一性および光学的/機械的特性を向上させ得る。好ましくは、前記第2重合体溶液の粘度は、常温基準100000cps~400000cps、100000cps~350000cps、150000cps~500000cps、150000cps~400000cps、150000cps~350000cps、200000cps~500000cps、200000cps~400000cps、または200000cps~350000cpsであり得るが、これに限定されるものではない。
【0172】
一部の実現例において、前記第1重合体溶液を調製する際の撹拌速度と、前記第2重合体溶液を調製する際の撹拌速度とは異なり得る。例えば、前記第1重合体溶液を調製する際の撹拌速度が、前記第2重合体溶液を調製する際の撹拌速度よりも速くてもよい。
【0173】
一部の実現例において、前記第1重合体溶液を調製する際、前記第1ジカルボニル化合物および前記第2ジカルボニル化合物が順次前記ジアミン化合物および前記ジアンヒドリド化合物と反応し得る。この場合、粘度100000cps未満の第1重合体溶液が形成され得る。例えば、前記第1重合体溶液の粘度は、10000cpsを超え100000cps未満であり得る。
【0174】
一部の実現例において、前記第1重合体溶液に前記第2ジカルボニル化合物がさらに反応して、第2重合体溶液を形成し得る。例えば、前記第2ジカルボニル化合物によって前記第1重合体溶液の粘度が前述の範囲に調節され得る。
【0175】
前記第2重合体溶液の形成に使用される前記第2ジカルボニル化合物の量は、前記第1重合体溶液の形成に使用される量の0.1重量%~10重量%であり得る。好ましくは、前記第2ジカルボニル化合物は、前記第2重合体溶液を形成する際、前記第1重合体溶液の形成時に使用された量に対して、0.1重量%~5重量%、0.1重量%~3重量%、0.5重量%~10重量%、0.5重量%~5重量%、0.5重量%~3重量%、1重量%~10重量%、1重量%~5重量%、または1重量%~3重量%で使用され得る。
【0176】
前記ジアミン化合物およびジカルボニル化合物に関する説明は前述の通りである。
【0177】
一実現例において、前記有機溶媒は、ジメチルホルムアミド(dimethylformamide、DMF)、ジメチルアセトアミド(dimethylacetamide、DMAc)、N-メチル-2-ピロリドン(N-methyl-2-pyrrolidone、NMP)、m-クレゾール(m-cresol)、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran、THF)およびクロロホルムからなる群より選択される1種以上であり得る。前記重合体溶液に使用される有機溶媒は、ジメチルアセトアミド(dimethylacetamide、DMAc)であり得るが、これに限定されるものではない。
【0178】
前記重合体溶液はタンクに投入されて保管され得る(S110)。
前記重合体溶液は、-20℃~20℃、-20℃~10℃、-20℃~5℃、-20℃~0℃、または0℃~10℃で保管され得る。
【0179】
前記温度で保管すると、前記重合体溶液の変質を防止することができ、含湿率を低下させ、これにより製造されたフィルムの欠陥(defect)を防止し得る。
【0180】
一実現例において、前記ポリアミド-イミド重合体溶液を脱気する段階(S130)をさらに含み得る。前記脱気により前記重合体溶液中の水分を除去し、不純物を減少させることにより、反応収率を増加させることができ、最終フィルムの優れた表面外観および機械的物性などを実現し得る。
【0181】
前記脱気は、真空脱泡または不活性ガスパージを含み得る。
前記真空脱泡は、前記重合体溶液が収容された反応器を0.1bar~0.7barに減圧した後、30分~3時間行われ得る。このような条件にて真空脱泡を行うことにより、前記重合体溶液内の気泡を低減させることができ、その結果、それにより製造されたフィルムの表面欠陥を防止し、ヘイズなどの優れた光学物性を実現し得る。
【0182】
具体的に、前記パージは、不活性ガスを用いて前記タンクの内部圧力を1気圧~2気圧でパージする方法により行われ得る。このような条件にて前記パージを実施することにより、前記重合体溶液内部の水分を除去し、不純物を減少させることによって、反応収率を増加させることができ、ヘイズなどの優れた光学物性および優れた機械的物性などを実現し得る。
【0183】
前記不活性ガスは、窒素、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)、およびラドン(Rn)からなる群より選択された1種以上であり得るが、これに限定されるものではない。具体的に、前記不活性ガスは窒素であり得る。
【0184】
前記真空脱泡および前記不活性ガスパージは、別の工程で行われ得る。
例えば、真空脱泡する工程が行われ、それ以降に不活性ガスでパージする工程が行われ得るが、これに限定されるものではない。
【0185】
前記真空脱泡および/または前記不活性ガスパージを行うことにより、製造されたポリアミド-イミドフィルム表面の物性が向上され得る。
【0186】
一部の実現例において、前記重合体溶液を熟成させ得る(S120)。
【0187】
前記熟成は、前記重合体溶液を24時間以上、-10~10℃の温度条件に静置して行われ得る。この場合、前記重合体溶液に含まれているポリアミド-イミド重合体または未反応物が、例えば、反応を仕上げたり、化学平衡をなしたりすることによって、前記重合体溶液が均質化され、これにより形成されたポリアミド-イミドフィルムの機械的特性および光学特性がフィルムの全面積および深さ全体に対して実質的に均一となり得る。好ましくは、前記熟成は-5~10℃、-5~5℃または-3~5℃の温度条件にて行われ得る。
【0188】
前述のように、有機溶媒中でポリアミド-イミド重合体溶液を調製した後、前記重合体溶液にフィラーを投入し得る。例えば、フィラーの投入は、前記熟成前、前記脱泡前、前記パージ前、または前記保管(タンク移動)前に行われ得る。
【0189】
前記フィラーは、分散溶媒上に分散されフィラー分散液として投入され得る。前記フィラー分散液の分散溶媒としては、前記重合体形成反応の溶媒として例示された溶媒が使用され得る。好ましくは、前記分散溶媒と前記重合体反応溶媒とは同一であり得る。
【0190】
一部の実現例において、前記フィラー分散液中のフィラー固形分の含有量は10重量%~30重量%であり得る。この場合、前記フィラーが前記重合体溶液に均一に混合され、それによってフィルム表層のインデンテーション特性が向上され、フィルムが全体的に均一で、かつ、向上された光学特性を有し得る。
前記フィラーに関するさらに具体的な説明は、前述の通りである。
【0191】
前記重合体溶液をキャスティングしてゲルシートを製造し得る(S200)。
例えば、前記重合体溶液を支持体上で塗布、押出および/または乾燥してゲルシートを形成し得る。
【0192】
また、前記重合体溶液のキャスティング厚は200μm~700μmであり得る。前記重合体溶液が前記厚さ範囲にキャスティングされることにより、乾燥および熱処理を経て最終フィルムとして製造されたとき、適切な厚さと厚さ均一性とを確保し得る。
【0193】
前記重合体溶液は前述のように、常温にて200000cps~350000cpsであり得る。前記粘度範囲を満足することにより、前記重合体溶液がキャスティングされる際に欠陥なく均一な厚さにキャスティングされ、乾燥過程において厚さおよび平面方向に対して局所的/部分的な光学的/機械的物性の偏差もなく、実質的に均一な厚さのポリアミド-イミドフィルムを形成し得る。
【0194】
前記重合体溶液をキャスティングした後、60℃~150℃の温度で5分~60分間乾燥してゲルシートを製造し得る。具体的に、前記重合体溶液を70℃~90℃の温度で15分~40分間乾燥してゲルシートを製造し得る
【0195】
前記乾燥中に前記重合体溶液の溶媒が一部または全部揮発され、前記ゲルシートが製造され得る。
【0196】
乾燥されたゲルシートは、熱処理されポリアミド-イミドフィルムを形成し得る(S300)。
前記ゲルシートの熱処理は、例えば、熱硬化装置により行われ得る。
【0197】
前記熱硬化装置は、熱風により前記ゲルシートを熱処理し得る。
熱風による熱処理を行うと、熱量が均等に付与され得る。もし、熱量が均等に分布されないと、満足のいく表面粗さが実現できず、そうすると、表面エネルギーが上昇し過ぎたり、低下し過ぎたりし得る。
【0198】
前記ゲルシートの熱処理は、60℃~500℃の範囲で5分~200分間行われ得る。具体的に、前記ゲルシートの熱処理は、80℃~300℃の範囲で1.5℃/分~20℃/分の速度で昇温させながら10分~150分間行われ得る。
【0199】
この際、前記ゲルシートの熱処理開始温度は60℃以上であり得る。具体的に、前記ゲルシートの熱処理開始温度は80℃~180℃であり得る。
【0200】
また、熱処理中の最高温度は300℃~500℃であり得る。例えば、前記熱処理中の最高温度は、350℃~500℃、380℃~500℃、400℃~500℃、410℃~480℃、410℃~470℃、または410℃~450℃であり得る。
【0201】
一実現例によると、前記ゲルシートの熱処理は2段階以上で行われ得る。
具体的に、前記熱処理は、60℃~120℃の範囲で5分~30分間行われる第1熱風処理段階と、120℃~350℃の範囲で10分~120分間行われる第2熱風処理段階とを含み得る。
【0202】
このような条件にて熱処理することにより、前記ゲルシートが目的とする極表面の換算モジュラスおよび/または硬度を有するようにでき、前記硬化フィルムが高い光透過率および低いヘイズ、適正なレベルの光沢度を同時に確保し得る。
【0203】
一実現例によると、前記熱処理はIRヒーターを通過させる段階を含み得る。前記IRヒーターによる熱処理は、300℃以上の温度範囲で1分~30分間行われ得る。具体的に、前記IRヒーターによる熱処理は、300℃~500℃の温度範囲で1分~20分間行われ得る。
【0204】
前記ポリアミド-イミドフィルムは、前述の製造方法によって製造されることにより、高い極表面の換算モジュラスおよび/または硬度特性とともに低いヘイズを有することができ、これにより光学特性および機械的特性がともに向上され得る。
【0205】
このような前記ポリアミド-イミドフィルムは、柔軟性、透明性、特定レベルの輝度が求められる様々な用途に適用可能である。例えば、前記ポリアミド-イミドフィルムは、太陽電池、ディスプレイ、半導体素子、センサーなどに適用され得る。
【0206】
特に、前記ポリアミド-イミドフィルムは、優れた表面特性および光学特性を有するので、ディスプレイ装置用カバーウィンドウおよびディスプレイ装置に有用に適用され、フォルディング特性に優れるので、フォルダブルディスプレイ装置やフレキシブルディスプレイ装置にも有用に適用され得る。
【0207】
前記で述べた製造方法により製造されたポリアミド-イミドフィルムに関する説明は、前述の通りである。
【0208】
(実施例)
前記内容を下記実施例によりさらに詳細に説明する。なお、以下の実施例は、本発明を例示するものであるのみ、実施例の範囲がこれらにのみ限定されるものではない。
【0209】
(実施例1)
温度調節が可能な二重ジャケットの1L用ガラス反応器に、20℃の窒素雰囲気下で、有機溶媒であるジメチルアセトアミド(DMAc)を満たした後、2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノビフェニル(TFMB)0.2molを徐々に投入して溶解させた。その後、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンジアンヒドリド(6-FDA)をゆっくり投入して1時間撹拌した。次いで、イソフタロイルクロリド(IPC)を投入して1時間撹拌し、テレフタロイルクロリド(TPC)を投入し、1時間撹拌して重合体溶液を調製した。
【0210】
次いで、硫酸バリウム分散液(固形分18.2重量%、有機溶媒DMAc)を前記重合体溶液に投入して撹拌した。
【0211】
得られた重合体溶液をガラス板に塗布した後、80℃の熱風で30分乾燥した後、ガラス板から剥離し、TD方向に約5%延伸した状態でピンフレームに固定し、80℃~300℃の温度範囲で2℃/分の速度で昇温しゲルシートを乾燥して、厚さ50μmのポリアミド-イミドフィルムを得た。
【0212】
ジアミン化合物(TFMB)、ジアンヒドリド化合物(6FDA)、ジカルボニル化合物(TPC、IPC)の含有量に関して、各々の投入モル比を表1に記載した。ジアミン化合物100モルを基準にジアンヒドリド化合物およびジカルボニル化合物のモル数を記載したものである。
【0213】
(実施例2~8および比較例1および2)
下記表1に記載したように、各反応物の含有量、フィラーの種類、含有量、硬度などを異にしたことを除いて、実施例1と同様の方法によりフィルムを製造した。下記表1に記載のフィラーの含有量は、重合体の総重量を基準にして記載したものである。
【0214】
<評価例>
前記実施例1~8、比較例1および2において製造されたフィルムについて、下記のように物性を測定および評価し、その結果を下記表1に示した。
【0215】
(評価例1:フィルムの厚さ測定)
日本ミツトヨ社のデジタルマイクロメーター547-401を用いて、幅方向に10ポイント測定し、平均値で厚さを測定した。
【0216】
(評価例2:フィラーの平均粒径および硬度測定)
英国マルバーン・パナリティカル社のマスターサイザー(Mastersizer、登録商標)3000を用いて、フィラーの平均粒径(D50)を測定した。
フィラーの硬度はモース硬度として測定された。
【0217】
(評価例3:極表面の換算モジュラスおよび硬度測定)
図5は、ポリアミド-イミドフィルムのナノインデンテーション測定方法を示す概略的な概念図である。
【0218】
図5に示すナノインデンテーション法により、フィルムのガラス板に接触された面の極表面の硬度(インデンテーション硬度;HIT)と極表面の換算モジュラス(Reduced Modulus;E)を測定した。
【0219】
具体的に、測定テーブル10上の測定領域に板型支持体12(厚さが約3TであるGLASS TEST PLATE(Fischerscope Part no. 600-028))を配置した。その後、支持体12をフィルム100で覆い、フィルム中の支持体12上に位置する部分をインデンタホルダー22で支持されたインデンタ20を用いて下記の条件に従って測定した。
ナノインデンタ装置:FISCHERSCOPE(登録商標)HM2000
測定基準:ISO14577-2
測定条件:加圧荷重30mN、20秒維持、5秒間クリープ(creep)
Tip形状:三角錐形(Berkovich)
Tip材質:ダイヤモンド
【0220】
(評価例4:透過度およびヘイズ測定)
日本電色工業社のヘイズメーターNDH-5000Wを用いて、JIS K7136規格により光透過度およびヘイズを測定した。
【0221】
(評価例5:黄色度測定)
黄色度(Yellow Index、YI)は、分光光度計(UltraScan PRO、Hunter Associates Laboratory)により、d65、10°条件で、ASTM-E313規格により測定した。
【0222】
【表1】
【0223】
上記表1から確認できるように、実施例1~8のポリアミド-イミドフィルムは、ナノインデンテーション法により測定された極表面の換算モジュラスが5.6GPa以上を満足することにより、フィルム表面の硬度および剛性に優れており、弾性領域において復元力に優れることを確認した。
【0224】
また、実施例によるポリアミド-イミドフィルムは、ナノインデンテーション法により測定された極表面の硬度が0.35GPa以上を満足することにより、圧入抵抗性および耐衝撃性に優れることを確認した。
【0225】
実施例によるポリアミド-イミドフィルムは、前述した極表面の機械的物性だけでなく、透過度、ヘイズ、黄色度のような光学物性のいずれにおいても優れた物性を示したので、ディスプレイ前面板およびディスプレイ装置に適用するのに容易であり、特にフォルダブルディスプレイ装置やフレキシブルディスプレイ装置に適用するのに好適である。
【0226】
一方、比較例1によるフィルムの場合、硬度が相対的に高いフィラーを多量投入することによりヘイズが急激に上昇しており、比較例2によるフィルムの場合は、フィラーの量は少量で使用したが、硬度が相対的に高いフィラーを使用することによって、極表面の換算モジュラスが相対的に低いため弾性が低下し、ディスプレイ装置への適用に不適であることを確認した。
【符号の説明】
【0227】
10:測定テーブル
12:支持体
20:インデンタ
22:インデンタホルダー
100:ポリアミド-イミドフィルム
101:第1面
102:第2面
200:機能層
300:カバーウィンドウ
400:表示部
500:接着層
図1
図2
図3
図4
図5