(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022117489
(43)【公開日】2022-08-10
(54)【発明の名称】荷物を預けることに利用可能な適切な荷物ロッカーを有する適切な荷物ロッカーバンクを場所を制限して特定するための方法及び関連するコンピュータ化されたロッカーバンク
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20120101AFI20220803BHJP
G06Q 10/04 20120101ALI20220803BHJP
【FI】
G06Q10/08 316
G06Q10/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022011859
(22)【出願日】2022-01-28
(31)【優先権主張番号】21305128
(32)【優先日】2021-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】522040241
【氏名又は名称】クアディエント テクノロジーズ フランス
【氏名又は名称原語表記】QUADIENT TECHNOLOGIES FRANCE
(74)【代理人】
【識別番号】100107641
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 耕一
(72)【発明者】
【氏名】ポワントー,ステファン
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA04
5L049AA16
(57)【要約】 (修正有)
【課題】荷物ロッカーバンクの特定のタイプの荷物ロッカーが未来の日において荷物を預けることに利用可能か否かを特定する方法及び荷物ロッカーバンク管理システムを提供する。
【解決手段】荷物ロッカーバンクは、最大日数に亘り荷物ロッカーバンクの複数の荷物ロッカーのうちの1つに荷物を預けることを許可する。荷物は、選択された未来の所望の日jのような預かり日から荷物ロッカーに預けられ、最長で日j+N-1に対応する日まで預けられうる。日j+N-1は、許容される最も遅い預かり日を指す。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物ロッカーバンク(50)の特定のタイプの荷物ロッカーが未来の日(j)において荷物を預けることに利用可能か否かを特定するためのコンピュータ実装方法であって、前記荷物ロッカーバンク(50)は、複数の個別にセキュリティ確保可能な荷物ロッカー(1-20)を備え、以下ではNと表記される第1の整数に等しい最大日数にわたり前記荷物ロッカーバンク(50)の複数の荷物ロッカー(1-20)のうちの1つに荷物を預けることを許可し、前記荷物ロッカーバンク(50)は、前記特定のタイプの、第2の整数個数(P)の荷物ロッカーを備え、
前記方法は、以下の複数の予測工程を備える:
-前記未来の日(j)と前記未来の日(j)からN-1に等しい日数前との間の各日について前記荷物ロッカーバンクの前記特定のタイプの荷物ロッカーに配達済の又は配達予定の荷物の数を受信し(100)、前記未来の日(j)と前記未来の日(j)からN-1に等しい日数後との間の各日について前記荷物ロッカーバンク(50)の前記特定のタイプの荷物ロッカーに配達予定と既に通知された荷物の数を受信し、
-計算の対象となる日において前記荷物ロッカーバンク(50)の前記特定のタイプの残っている利用可能な荷物ロッカーに対応する第3の数(Dj*)を各日について推定する(110)、ここで、各推定は、前記受信した数であって荷物ロッカーに前記推定の対象となる日の前の日までに配達済の又は配達予定の荷物の数と、荷物ロッカーからの荷物の引き取り率と、に基づいており、前記引き取り率は、荷物ロッカーにまだ預けられている荷物がそれまでに預けられていた日数に依存する、
-前記未来の日(j)から荷物が預けられうる最後の日(j+N-1)までの各日について、前記荷物ロッカーバンク(50)の、前記特定のタイプの、この期間の各日についての利用可能な荷物ロッカーの数に対応する第4の数(Dj)を計算する(120)、ここで、前記第4の数(Dj)は、前記対応する第3の数と、前記受信した数であって前記荷物ロッカーバンクの前記特定のタイプの荷物ロッカーに前記計算の対象となる日に配達予定と既に通知された荷物の数と、に基づいたものである、
-前記未来の日(j)から荷物が預けられうる前記最後の日(j+N-1)までの各日について、前記第4の数を閾値と比較する、及び、
-比較された各第4の数が前記閾値よりも大きい場合に、荷物ロッカーが前記荷物用に利用可能であることを示す、コンピュータ実装方法。
【請求項2】
各引き取り率は、毎日、前記荷物ロッカーバンクの営業時間外に回帰によって推定され、前記回帰では、過去の複数の日についての既知である実際の引き取り率が考慮され、前記複数の日に休日が含まれるか否かが考慮される、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
前記コンピュータ実装方法は、前記受信する工程の前に、荷物ロッカーバンク(50)における特定のタイプの荷物ロッカーの現在の利用可能性の検証をさらに備え、前記荷物ロッカーバンク(50)は、個別にセキュリティ確保可能な、1よりも大きい整数個数の荷物ロッカー(1-20)を備え、前記検証は、
-前記荷物ロッカーバンク(50)の各荷物ロッカー(1-20)に、1という数と、荷物ロッカー(1-20)の前記第2整数個数(P)に等しい数と、の間のデジタルアドレスを割り当てること、
-利用可能性マスクの形成であって、前記荷物ロッカーが空でありそのため利用可能である場合には第1の二進数を、前記荷物ロッカーが荷物を備えそのため利用不可能である場合には前記第1の二進数とは異なる第2の二進数を、各デジタルアドレスに割り当てることによる形成を行うこと、ここで、前記利用可能性マスクは、荷物ロッカー(1-20)に荷物が預けられる度に及び荷物ロッカー(1-20)から荷物が引き取られる度に更新される、
-前記荷物ロッカーバンク(50)の荷物ロッカー(1-20)の特定の特徴に関する少なくとも1つの特定のアクセス可能性マスクの形成であって、前記荷物ロッカーが前記特定の特徴を有する場合には第1の二進数を、前記荷物ロッカーが前記特定の特徴を有さない場合には第2の二進数を、各デジタルアドレスに割り当てることによる形成を行うこと、及び
-少なくとも1つの特定の特徴を有する利用可能な荷物ロッカーの数の特定であって、前記1又は複数の特定の特徴に関する前記少なくとも1つのアクセス可能性マスクに前記利用可能性マスクを2進のアンド演算によって結合することによる特定を、リクエストに応じて行うこと、
を備える、請求項1又は2に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項4】
前記荷物ロッカーバンクの前記荷物ロッカーの前記特定の特徴は、
-荷物ロッカーの異なるサイズ、
-例えば特定の配達員等のような特定のユーザに割り当てられる、
-前記荷物に入った物品であって、例えば預けられているときに特定の温度とする必要がある物品等のような、特定のタイプの物品を預けるために割り当てられている、
を備える、請求項1~3のいずれかに記載のコンピュータ実装方法。
【請求項5】
前記荷物ロッカーのサイズが考慮されるべき特定の特徴と扱われる場合、特定の荷物を荷物ロッカーが預かる利用可能性をチェックするために考慮される荷物ロッカーの数は、前記特定の荷物のサイズよりも大きいサイズを有する荷物ロッカーの数に対応する、請求項5に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項6】
荷物を預けることに利用可能な適切な荷物ロッカーを有する適切な荷物ロッカーバンク(50)を場所を制限して特定するためのコンピュータ実装方法であって、前記荷物ロッカーバンク(50)は、個別にセキュリティ確保可能な、1よりも大きい第1の整数個数(M)の荷物ロッカー(1-20)を備え、各荷物ロッカーは、第2の整数(N)に等しい最大日数にわたり荷物の預かりを許可し、前記方法は、
-例えば配達員等のようなユーザから、荷物ロッカーバンクの荷物ロッカーに荷物を預けるためのリクエストを受信する(300)こと、ここで、前記リクエストは、前記荷物の最終的な受け手に関する場所と、未来の日であって該未来の日から前記荷物が前記荷物ロッカーに預けられることになる未来の日に対応する所望の配達日(j)と、前記荷物に関する少なくとも1つの特定の特徴と、を備える、
-前記リクエストで示された前記場所の近辺の領域内に位置する前記荷物ロッカーバンクを特定すること、ここで、前記領域は、あらかじめ定められた固定半径を有する、
-前記領域内の前記荷物ロッカーバンクから、前記リクエストで示された全ての特定の特徴を有する全ての荷物ロッカーを特定すること、
-前記所望の配達日(j)から始まる特定の日数にわたり、先に特定された各荷物ロッカーバンク(50)について、荷物ロッカーバンク(50)の特定のタイプの荷物ロッカーが、未来の日(j)において荷物を預けることに利用可能であるか否かを特定するために請求項1~5のいずれかに記載の方法を実行すること、及び
-適切な利用可能な荷物ロッカーを有する前記荷物ロッカーバンクの選択を、前記配達日と、該荷物ロッカーバンク(50)を場所を制限して特定することと、に関する最良の妥協をもって行うこと、を備える、方法。
【請求項7】
少なくとも1つのコンピュータ化された荷物ロッカーバンク(50)を備える荷物ロッカーバンク管理システム(30)であって、前記少なくとも1つのコンピュータ化された荷物ロッカーバンク(50)は、複数の個別にセキュリティ確保可能な荷物ロッカー(1-20)を備え、第1の整数(N)に等しい最大日数にわたり前記少なくとも1つのコンピュータ化された荷物ロッカーバンク(50)の複数の荷物ロッカーのうちの1つに荷物を預けることを許可し、前記少なくとも1つのコンピュータ化された荷物ロッカーバンク(50)は、少なくとも1つのロッカーバンクコンピュータ(51)をさらに備え、前記少なくとも1つのロッカーバンクコンピュータ(51)は、少なくとも1つのプロセッサ及びメモリを備え、前記少なくとも1つのコンピュータ化された荷物ロッカーバンク(50)に関連するデータを得て該データを前記少なくとも1つのコンピュータ化された荷物ロッカーバンク(50)の外部に送信するように構成され、荷物ロッカーの数は、第2の整数(P)に等しく、前記複数の個別にセキュリティ確保可能な荷物ロッカーの各々は、少なくとも1つのドア及び少なくとも1つのロック機構を備え、荷物ロッカーバンク管理システム(30)は、前記少なくとも1つのコンピュータ化された荷物ロッカーバンク(50)の前記ロッカーバンクコンピュータ(51)と通信する予測ユニット(60)を備え、前記予測ユニット(60)は:
-所望の未来の日(j)と該未来の日(j)からN-1に等しい日数前との間の各日について前記荷物ロッカーバンクの前記特定のタイプの荷物ロッカーに配達済の荷物の数を受信し、前記未来の日(j)と前記未来の日(j)からN-1に等しい日数後との間の各日について前記荷物ロッカーバンク(50)の前記特定のタイプの荷物ロッカーに配達予定と既に通知された荷物の数を受信するように構成された受信モジュール(61)、
-計算の対象となる日において前記荷物ロッカーバンク(50)の前記特定のタイプの残っている利用可能な荷物ロッカーの数に対応する第3の数(Dj*)を各日について推定するように構成された第1計算モジュール(62)、ここで、各推定は、前記受信した数であって前記荷物ロッカーに前記所望の未来の日に配達済の又は配達予定の荷物の数と、荷物ロッカーからの荷物の引き取り率と、に基づいており、前記引き取り率は、荷物ロッカーにまだ預けられている荷物がそれまでに預けられていた日数に依存する、
-前記未来の日(j)から荷物が預けられうる最後の日(j+N-1)までの各日について、前記荷物ロッカーバンク(50)の、前記特定のタイプの、利用可能な荷物ロッカーの数に対応する第4の数(Dj)を計算するように構成された第2計算モジュール(63)、ここで、前記第4の数(Dj)は、前記対応する第3の数(Dj*)と、前記受信した数であって前記荷物ロッカーバンクの前記特定のタイプの荷物ロッカーにこの期間の各日について配達予定と既に通知された荷物の数と、に基づいたものである、
-前記未来の日(j)から荷物が預けられうる前記最後の日(j+N-1)までの各日について、前記第4の数を閾値と比較するように構成された比較器、及び、
-比較された各第4の数が前記閾値よりも大きい場合に、荷物ロッカーが前記荷物用に利用可能であることを示すように構成された出力モジュール、
を備える、荷物ロッカーバンク管理システム(30)。
【請求項8】
前記第1計算モジュール(62)は、回帰モジュール(64)を備え、前記回帰モジュール(64)は、毎日、前記荷物ロッカーバンクの営業時間外に、回帰によって各引き取り率を推定するように構成され、前記回帰では、過去に預けられた荷物についての実際の引き取り日から得られた情報から既知となっている過去の複数の日についての実際の引き取り率が考慮され、前記複数の日に休日が含まれるか否かが考慮される、請求項7に記載の荷物ロッカーバンク管理システム(30)。
【請求項9】
前記荷物ロッカーバンク管理システム(30)は、検証モジュール(90)を備え、前記検証モジュール(90)は:
-前記荷物ロッカーバンク(50)の各荷物ロッカー(1-20)に、1という数と、荷物ロッカー(1-20)の整数個数に等しい数(P)と、の間のデジタルアドレスを割り当て、
-利用可能性マスクの形成であって、前記荷物ロッカーが空でありそのため利用可能である場合には第1の二進数を、前記荷物ロッカーが荷物を備えそのため利用不可能である場合には前記第1の二進数とは異なる第2の二進数を、各デジタルアドレスに割り当てることによる形成を行い、ここで、前記利用可能性マスクは、荷物ロッカー(1-20)に荷物が預けられる度に及び荷物ロッカー(1-20)から荷物が引き取られる度に更新される、
-前記荷物ロッカーバンク(50)の荷物ロッカー(1-20)の特定の特徴に関する少なくとも1つの特定のアクセス可能性マスクの形成であって、前記荷物ロッカーが前記特定の特徴を有する場合には第1の二進数を、前記荷物ロッカーが前記特定の特徴を有さない場合には第2の二進数を、各デジタルアドレスに割り当てることによる形成を行うこと、及び
-少なくとも1つの特定の特徴を有する利用可能な荷物ロッカーの数の特定であって、前記1又は複数の特定の特徴に関する少なくとも1つのアクセス可能性マスクに前記利用可能性マスクを2進のアンド演算によって結合することによる特定を、リクエストに応じて行う、
ように構成されている、請求項7又は8に記載の荷物ロッカーバンク管理システム(30)。
【請求項10】
前記荷物ロッカーバンク管理システム(30)は、適切な荷物ロッカーバンク(50)へと1又は複数の荷物の行き先を定めるように構成された決定ユニット(70)をさらに備え、前記決定ユニット(70)は:
-例えば配達員等のようなユーザから、荷物ロッカーバンクの荷物ロッカーに荷物を預けるためのリクエストを受信するように構成されたリクエストモジュール(71)、ここで、前記リクエストは、前記荷物の最終的な受け手に関する場所と、未来の日であって該未来の日から前記荷物が荷物ロッカーに預けられることになる未来の日に対応する所望の配達日(j)と、荷物に関する少なくとも1つの特定の特徴と、を備える、
-第1に、前記リクエストで示された前記場所の近辺の領域内に位置する前記荷物ロッカーバンクを特定するように、ここで、前記領域は、あらかじめ定められた固定半径を有する、第2に、前記領域内の前記荷物ロッカーバンクから、前記リクエストで示された全ての特定の特徴を有する全ての荷物ロッカーを特定するように、第3に、前記所望の配達日(j)から始まる特定の日数にわたり、先に特定された各荷物ロッカーバンク(50)について、前記予測ユニットを動作させるように構成された、選択モジュール(72)、及び
-適切な利用可能な荷物ロッカーを有する前記荷物ロッカーバンクを示すものを、前記配達日と、該荷物ロッカーバンク(50)を場所を制限して特定すること、に関する最良の妥協をもって送信するように構成された送信モジュール(73)、を備える、請求項7~9のいずれかに記載の荷物ロッカーバンク管理システム(30)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、荷物ロッカーバンクに関する。荷物ロッカーバンクは、荷物引取所としても知られている。本発明は、具体的には、荷物ロッカーバンクの特定のタイプの荷物ロッカーの利用可能性を予測すること、すなわち、荷物を預けることに利用可能な適切な荷物ロッカーを有する適切な荷物ロッカーバンクを場所を制限して特定することに関する。
【背景技術】
【0002】
家庭以外の場所すなわち荷物ロッカーバンクへの配達の主たる特異性の1つは、荷物が預けられている荷物ロッカーから荷物がいつ引き取られるのかが全くもって不確かであるという事実にある。そのため、引き取られるべき荷物を収容している荷物ロッカーが利用可能であるか否かを知ったり他の配達に使えるのか否かを知ったりすることは不可能である。この不確かさは、第1に、配達員(carrier agent)にとっては、配達員が荷物ロッカーバンクへの荷物の配達を計画する必要があるときに問題となる。なぜなら、荷物ロッカーバンクに荷物を持っていっても結果的にその荷物をその荷物ロッカーバンクに預けることができない可能性があるというのは非効率であるためであり、それのみならず、引き取りが終わっており荷物ロッカーが利用可能であるという情報を得るために待つのは時間がかかることでありやはり非効率であるためである。この不確かさは、第2に、顧客が荷物を発注するときに、問題となる。なぜなら、顧客に具体的な場所と引取時刻を伝えることは、困難であり、場合によってはほぼ不可能であるためである。
【0003】
さらに、引き取りがいつなのかという上記の不確かさにより、荷物が荷物ロッカーに預けられる時と最終的な受け手によって荷物が引き取られる時との間のタイムラグが生じる。このタイムラグにより、埋まった状態(a stock)が生じる。各荷物は、長さが不明な有限の期間にわたり預けられる。
【0004】
予約というソリューションは、最も安全であるものの最適ではない。配達者(Carriers)は、その予約というソリューション以外の練られたソリューションを提案できない。
【0005】
文書US2018/190062により、コンピュータ化されたロッカーネットワークであって、複数のロッカーバンク、複数のポータブル計算装置及び少なくとも1つのロジスティックサーバを備え、各ロッカーバンクは、ロッカーバンクコンピュータと、個別にセキュリティ確保可能でありドア及びロック機構を有するロッカー庫と、を備えるものが知られるところとなっている。この包括的なシステムは、顧客の家の住所に配達しようとしたができなかった後に、荷物を預かることに利用可能なロッカーバンクのロッカー庫を特定するように構成されている。
【0006】
よって、配達できないリスクを最小限にすることによって荷物ロッカーバンクの効率を最大限にするための改善されたシステム及び方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、荷物ロッカーバンクの日ごとの利用可能容量を予測し、配達できないリスクを最小限にすることによって荷物ロッカーバンクの効率を最大限にすることに役立つコンピュータ実装方法及びコンピュータ化されたシステムを提供することを目的とする。
【0008】
本発明の第1の主題は、荷物ロッカーバンクの特定のタイプの荷物ロッカーが未来の日において荷物を預けることに利用可能か否かを特定するためのコンピュータ実装方法であって、上記の荷物ロッカーバンクは、複数の個別に(selectively)セキュリティ確保可能な荷物ロッカーを備え、以下ではNと表記される第1の整数に等しい最大日数にわたり上記の荷物ロッカーバンクの複数の荷物ロッカーのうちの1つに荷物を預けることを許可し、上記の荷物ロッカーバンクは、上記の特定のタイプの、第2の整数個数の荷物ロッカーを備える、コンピュータ実装方法を提案する。
【0009】
上記の方法は、以下の複数の予測工程を備える:
-上記の未来の日と上記の未来の日からN-1に等しい日数前との間の各日について荷物ロッカーバンクの上記の特定のタイプの荷物ロッカーに配達済の又は配達予定の荷物の数を受信し、上記の未来の日と上記の未来の日からN-1に等しい日数後との間の各日について荷物ロッカーバンクの上記の特定のタイプの荷物ロッカーに配達予定と既に通知された荷物の数を受信し、
-計算の対象となる日において上記の荷物ロッカーバンクの上記の特定のタイプの残っている利用可能な荷物ロッカーの数に対応する第3の数を各日について推定する、ここで、各推定は、上記の受信した数であって荷物ロッカーに推定の対象となる日の前の日までに配達済の又は配達予定の荷物の数(said received number of parcels already delivered or to be delivered to the parcel lockers up until the day before the day for which the estimation is made)と、荷物ロッカーからの荷物の引き取り率(pick-up rates)と、に基づいており、上記の引き取り率は、荷物ロッカーにまだ預けられている荷物がそれまでに預けられていた日数(the number of days a parcel which is still in a parcel locker has been stored for)に依存する、
-上記の未来の日から荷物が預けられうる最後の日までの各日について、上記の荷物ロッカーバンクの、上記の特定のタイプの、この期間の各日についての利用可能な荷物ロッカーの数に対応する第4の数を計算する、ここで、上記の第4の数は、上記の対応する第3の数と、受信した数であって荷物ロッカーバンクの上記の特定のタイプの荷物ロッカーに計算の対象となる日に配達予定と既に通知された荷物の数(the received number of parcels already announced to be delivered to parcel lockers of said specific type of the parcel locker bank on the day for which the calculation is made)と、に基づいたものである、
-上記の未来の日から荷物が預けられうる最後の日までの各日について、上記の第4の数を閾値と比較する、及び、
-比較された各第4の数が上記の閾値よりも大きい場合に、荷物ロッカーが上記の荷物用に利用可能であることを示す。
【0010】
上記のような方法は、任意のタイプで到来する荷物の流れに適用されうる。例えば、家への第1の配達の試みの後に荷物の行き先を荷物ロッカーバンクに変更する場合において、荷物の第2の配達に適用されうる。例えば、荷物ロッカーを使用して電子商取引を行う2者間で荷物の交換を行う場合において、荷物の行き先の決定(direct parcels)に適用されうる。また、例えば、商取引者が荷物をその荷物を配達者が引き取るようにロッカーに入れる場合において、荷物の引き渡しに適用されうる。
【0011】
引き取り率は、他の荷物ロッカーバンクで過去に見られた引き取り率に関する訓練データ群(a training group of data)に基づいたものでありうる。訓練データ群由来の上記引き取り率が使用されて荷物ロッカーバンクの方法及びシステムが開始されうる。
【0012】
荷物ロッカーバンクが使用されると、以下の段落で説明するように、引き取り率は、日ごとのデータであってその日に引き取られた荷物及びまだ荷物が預けられる荷物ロッカーに関するデータを用いて毎日更新されうる。
【0013】
コンピュータ実装方法の第1の側面では、各引き取り率は、毎日、荷物ロッカーバンクの営業時間外に(during closing hours)回帰(regression)によって推定される。回帰では、過去の複数の日についての既知である実際の引き取り率(real pick-up rates for a number of previous days for which the pick-up rate is known)が考慮され、上記の複数の日に休日が含まれるか否か(if some of the days are holidays)が考慮される。
【0014】
率(rates)を扱うことによる主たる利点は、その集約性である。2つのロッカーを考えたとき、各マシン用の引き取り率を計算できるが、2つの荷物ロッカー用の引き取り率を計算することもできる。この集約性により、荷物ロッカー及び物品のペアの全てについて別々の引き取り率を計算することが回避される。
【0015】
個別のモデルが大容量の保管バンクに適用され、他については集約モデルで十分であり、オーバーフローの問題は生じない。
【0016】
さらに、日ごとの回帰において、引き取り率を現在の実際の引き取りに可能な限り近いものとするために、引き取りに関して得られた最新データは、より古いデータに比べ、回帰の際により大きい重み付けがなされて扱われうる。
【0017】
コンピュータ実装方法の第2の側面では、方法は、受信する工程の前に、荷物ロッカーバンクにおける特定のタイプの荷物ロッカーの現在の利用可能性の検証をさらに備えていてもよく、上記の荷物ロッカーバンクは、個別にセキュリティ確保可能な、1よりも大きい整数個数の荷物ロッカーを備えていてもよく、検証は、
-上記の荷物ロッカーバンクの各荷物ロッカーに、1という数と、荷物ロッカーの整数個数に等しい数と、の間のデジタルアドレスを割り当てること、
-利用可能性マスクの形成であって、荷物ロッカーが空でありそのため利用可能である場合には第1の二進数を、荷物ロッカーが荷物を備えそのため利用不可能である場合には第1の二進数とは異なる第2の二進数を、各デジタルアドレスに割り当てることによる形成を行うこと、ここで、上記の利用可能性マスクは、荷物ロッカーに荷物が預けられる度に及び荷物ロッカーから荷物が引き取られる度に更新される、
-荷物ロッカーバンクの荷物ロッカーの特定の特徴に関する少なくとも1つの特定のアクセス可能性マスクの形成であって、荷物ロッカーが上記の特定の特徴を有する場合には第1の二進数を、荷物ロッカーが上記の特定の特徴を有さない場合には第2の二進数を、各デジタルアドレスに割り当てることによる形成を行うこと、及び
-少なくとも1つの特定の特徴を有する利用可能な荷物ロッカーの数の特定であって、上記の1又は複数の特定の特徴に関する少なくとも1つのアクセス可能性マスクに上記の利用可能性マスクを2進のアンド演算(binary and operation)によって結合することによる特定を、リクエストに応じて行うこと、
を備えていてもよい。
【0018】
マスクの使用により、処理するべきデータの量を低減でき、このため該データの処理の速度を高めることができる。
【0019】
コンピュータ実装方法の第3の側面では、上記の荷物ロッカーバンクの荷物ロッカーの特定の特徴は、
-荷物ロッカーの異なるサイズ、
-例えば特定の配達員等のような特定のユーザに割り当てられる、
-荷物に入った物品であって、例えば預けられているときに特定の温度とする必要がある物品等のような、特定のタイプの物品を預けるために割り当てられている、
を備えていてもよい。
【0020】
コンピュータ実装方法の第4の側面では、荷物ロッカーのサイズが考慮されるべき特定の特徴と扱われる場合、特定の荷物を荷物ロッカーが預かる利用可能性をチェックするために考慮される荷物ロッカーの数は、上記の特定の荷物のサイズよりも大きいサイズを有する荷物ロッカーの数に対応する。
【0021】
荷物ロッカーバンクの荷物ロッカーに預けられるべき荷物が小さい場合、小さい荷物ロッカーのみならず、より大きい寸法を有する全ての荷物ロッカーも、考慮される。
【0022】
本発明の第2の主題は、荷物を預けることに利用可能な適切な荷物ロッカーを有する適切な荷物ロッカーバンクを場所を制限して特定する(localising)ためのコンピュータ実装方法であって、上記の荷物ロッカーバンクは、個別にセキュリティ確保可能な、1よりも大きい第1の整数個数の荷物ロッカーを備え、各荷物ロッカーは、第2の整数に等しい最大日数にわたり荷物の預かりを許可し、方法は、
-例えば配達員等のようなユーザから、荷物ロッカーバンクの荷物ロッカーに荷物を預けるためのリクエストを受信すること、ここで、上記のリクエストは、荷物の最終的な受け手に関する場所と、未来の日であって該未来の日から荷物が荷物ロッカーに預けられることになる(should)未来の日に対応する所望の配達日と、荷物に関する少なくとも1つの特定の特徴と、を備える、
-リクエストで示された場所の近辺(around)の領域内に位置する荷物ロッカーバンクを特定すること、ここで、上記の領域は、あらかじめ定められた固定半径(fixed radius)を有する、
-上記の領域内の荷物ロッカーバンクから、リクエストで示された全ての特定の特徴を有する(in accordance with)全ての荷物ロッカーを特定すること、
-上記の所望の配達日から始まる特定の日数にわたり、先に特定された各荷物ロッカーバンクについて、荷物ロッカーバンクの特定のタイプの荷物ロッカーが未来の日において荷物を預けることに利用可能であるか否かを特定するために先に説明した上記の方法を実行すること、及び
-適切な利用可能な荷物ロッカーを有する荷物ロッカーバンクの選択を、配達日と、該荷物ロッカーバンクを場所を制限して特定すること(localisation)と、に関する最良の妥協をもって行うこと、を備える、コンピュータ実装方法を提案する。
【0023】
本発明の第3の主題は、少なくとも1つのコンピュータ化された荷物ロッカーバンクを備える荷物ロッカーバンク管理システムであって、上記の少なくとも1つのコンピュータ化された荷物ロッカーバンクは、複数の個別にセキュリティ確保可能な荷物ロッカーを備え、第1の整数に等しい最大日数にわたり上記の少なくとも1つのコンピュータ化された荷物ロッカーバンクの複数の荷物ロッカーのうちの1つに荷物を預けることを許可し、上記の少なくとも1つのコンピュータ化された荷物ロッカーバンクは、少なくとも1つのロッカーバンクコンピュータをさらに備え、該少なくとも1つのロッカーバンクコンピュータは、少なくとも1つのプロセッサ及びメモリを備え、上記の少なくとも1つのコンピュータ化された荷物ロッカーバンクに関連するデータを得て該データを上記の少なくとも1つのコンピュータ化された荷物ロッカーバンクの外部に送信するように構成され、荷物ロッカーの数は、第2の整数に等しく、複数の個別にセキュリティ確保可能な荷物ロッカーの各々は、少なくとも1つのドア及び少なくとも1つのロック機構を備え、荷物ロッカーバンク管理システムは、上記の少なくとも1つのコンピュータ化された荷物ロッカーバンクの上記のロッカーバンクコンピュータと通信する予測ユニットを備え、該予測ユニットは:
-所望の未来の日と該未来の日からN-1に等しい日数前との間の各日について荷物ロッカーバンクの上記の特定のタイプの荷物ロッカーに配達済の荷物の数を受信し、上記の未来の日と上記の未来の日からN-1に等しい日数後との間の各日について荷物ロッカーバンクの上記の特定のタイプの荷物ロッカーに配達予定と既に通知された荷物の数を受信するように構成された受信モジュール、
-計算の対象となる日において上記の荷物ロッカーバンクの上記の特定のタイプの残っている利用可能な荷物ロッカーの数に対応する第3の数を各日について推定するように構成された第1計算モジュール、ここで、各推定は、上記の受信した数であって荷物ロッカーに上記の所望の未来の日に配達済の又は配達予定の荷物の数(said received number of parcels already delivered or to be delivered to the parcel lockers on said desired future day)と、荷物ロッカーからの荷物の引き取り率と、に基づいており、上記の引き取り率は、荷物ロッカーにまだ預けられている荷物がそれまでに預けられていた日数に依存する、
-上記の未来の日から荷物が預けられうる最後の日までの各日について、上記の荷物ロッカーバンクの、上記の特定のタイプの、利用可能な荷物ロッカーの数に対応する第4の数を計算するように構成された第2計算モジュール、ここで、上記の第4の数は、上記の対応する第3の数と、受信した数であって荷物ロッカーバンクの上記の特定のタイプの荷物ロッカーにこの期間の各日について配達予定と既に通知された荷物の数(the received number of parcels already announced to be delivered to parcel lockers of said specific type of the parcel locker bank for each day in the time interval)と、に基づいたものである、
-上記の未来の日から荷物が預けられうる最後の日までの各日について、上記の第4の数を閾値と比較するように構成された比較器、及び、
-比較された各第4の数が上記の閾値よりも大きい場合に、荷物ロッカーが上記の荷物用に利用可能であることを示すように構成された出力モジュール、
を備える、荷物ロッカーバンク管理システムを提案する。
【0024】
荷物ロッカーバンク管理システムの第1の側面では、上記の第1計算モジュールは、回帰モジュールを備える。回帰モジュールは、毎日、荷物ロッカーバンクの営業時間外に、回帰によって各引き取り率を推定するように構成されている。回帰では、過去に預けられた荷物についての実際の引き取り日から得られた情報から既知となっている過去の複数の日についての実際の引き取り率が考慮され、上記の複数の日に休日が含まれるか否かが考慮される。
【0025】
荷物ロッカー管理システムの第2の側面では、荷物ロッカー管理システムは、検証モジュールをさらに備えていてもよく、該検証モジュールは:
-上記の荷物ロッカーバンクの各荷物ロッカーに、1という数と、荷物ロッカーの整数個数に等しい数と、の間のデジタルアドレスを割り当て、
-利用可能性マスクの形成であって、荷物ロッカーが空でありそのため利用可能である場合には第1の二進数を、荷物ロッカーが荷物を備えそのため利用不可能である場合には第1の二進数とは異なる第2の二進数を、各デジタルアドレスに割り当てることによる形成を行い、ここで、上記の利用可能性マスクは、荷物ロッカーに荷物が預けられる度に及び荷物ロッカーから荷物が引き取られる度に更新される、
-荷物ロッカーバンクの荷物ロッカーの特定の特徴に関する少なくとも1つの特定のアクセス可能性マスクの形成であって、荷物ロッカーが上記の特定の特徴を有する場合には第1の二進数を、荷物ロッカーが上記の特定の特徴を有さない場合には第2の二進数を、各デジタルアドレスに割り当てることによる形成を行い、及び
-少なくとも1つの特定の特徴を有する利用可能な荷物ロッカーの数の特定であって、上記の1又は複数の特定の特徴に関する少なくとも1つのアクセス可能性マスクに上記の利用可能性マスクを2進のアンド演算によって結合することによる特定を、リクエストに応じて行う、
ように構成されていてもよい。
【0026】
荷物ロッカーバンク管理システムの第3の側面では、荷物ロッカーバンク管理システムは、適切な荷物ロッカーバンクへと1又は複数の荷物の行き先を定めるように構成された決定ユニットをさらに備えていてもよく、該決定ユニットは:
-例えば配達員等のようなユーザから、荷物ロッカーバンクの荷物ロッカーに荷物を預けるためのリクエストを受信するように構成されたリクエストモジュール、ここで、上記のリクエストは、荷物の最終的な受け手に関する場所と、未来の日であって該未来の日から荷物が荷物ロッカーに預けられることになる未来の日に対応する所望の配達日と、荷物に関する少なくとも1つの特定の特徴と、を備える、
-第1に、リクエストで示された場所の近辺の領域内に位置する荷物ロッカーバンクを特定するように、ここで、上記の領域は、あらかじめ定められた固定半径を有する、第2に、上記の領域内の荷物ロッカーバンクから、リクエストで示された全ての特定の特徴を有する全ての荷物ロッカーを特定するように、第3に、上記の所望の配達日から始まる特定の日数にわたり、先に特定された各荷物ロッカーバンクについて、上記の予測ユニットを動作させるように構成された、選択モジュール、及び
-適切な利用可能な荷物ロッカーを有する荷物ロッカーバンクを示すものを、配達日と、該荷物ロッカーバンクを場所を制限して特定することと、に関する最良の妥協をもって送信するように構成された送信モジュール、を備えていてもよい。
【0027】
本発明は、例示的なものであり且つ非限定的に示された以下の明細書を、以下の添付図面を参照しながら読むことにより、より理解される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、荷物ロッカーバンクの例の概略図である。
【
図2】
図2は、
図1の荷物ロッカーバンクの特定のタイプの荷物ロッカーが利用可能であるか否かを特定するための、本発明の実施形態に係るコンピュータ実装方法のフローチャートである。
【
図3】
図3は、荷物を預けることに利用可能な適切な荷物ロッカーを有する
図1の適切な荷物ロッカーバンクを場所を制限して特定するための、実施形態に係るコンピュータ実装方法のフローチャートである。
【
図4】
図4は、荷物ロッカーバンクにおける特定のタイプの荷物ロッカーの現在の利用可能性の検証工程であって
図1の方法前又は方法中に行われる検証工程のフローチャートである。
【
図5】
図5は、
図1の少なくとも1つのコンピュータ化された荷物ロッカーバンクを備える荷物ロッカーバンク管理システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、具体的な実施形態に関して図面を参照して説明されるが、これに限定されず、請求項によってのみ限定される。記載されている図面は、概略的であり非限定的なものに過ぎない。図面では、説明目的で、要素のサイズが誇張されていたり寸法通りに描かれていなかったりすることがある。本明細書及び請求項において「備える」という用語が使用されている場合、他の要素又は工程は排除されない。単数名詞を指すときに例えば「1つの(「a」又は「an」)」等の不定冠詞が使用されたり「前記(the)」等の定冠詞が使用されたりしている場合、これは、反対のことが具体的に記載されていない限り、複数のその名詞を含む。
【0030】
請求項において使用される「備える」という用語は、その後に列記する手段に限定して解釈されるべきではない。請求項において使用される「備える」という用語は、他の要素又は工程を排除しない。このため、「装置は手段A及びBを備える」という表現の範囲は、要素A及びBのみからなる装置に限定されるべきではない。本発明に関して、この表現は、装置の関連要素がA及びBであることを意味するに過ぎない(It means that with respect to the present invention, the only relevant components of the device are A and B)。
【0031】
さらに、本明細書及び請求項において、第1、第2、第3等の用語は、類似の要素を区別するために使用されているのであって、必ずしもある順序又は時系列順を説明するために使用されるわけではない。このように使用される用語は適切な状況下においては互換的であり、本明細書に記載されている発明の実施形態は本明細書で記載又は説明されている順序とは別の順序で動作可能であることに留意されたい。
【0032】
図1は、荷物ロッカーバンク50を概略的に示す。荷物ロッカーバンク50は、複数の個別にセキュリティ確保可能な荷物ロッカーを備える。各荷物ロッカーは、図面において、1と20との間の数字で示されている。各荷物ロッカーは、3つのサイズのうちの1つを有する。各サイズは、
図2において、以下の参照符号により示されている:荷物ロッカーの最小サイズを指すS、荷物ロッカーの最大サイズを指すL、及び、SとLの間の中間サイズ又は中サイズを指すM。
【0033】
荷物ロッカーバンクは、第1の整数に等しい最大日数にわたり荷物ロッカーバンクの複数の荷物ロッカーのうちの1つに荷物を預けることを許可するように構成されている。第1の整数は、以下ではNと表記され、例えば4日(N=4)である。上記の最大日数に等しい日数の後に荷物がまだ荷物ロッカーにある場合、荷物は翌日に配達者によって退かされる。このように、荷物の引き取りがないことで荷物ロッカーが埋まる(get stuck)ことはない。
【0034】
荷物ロッカーバンク50は、ロッカーバンクコンピュータ51を備え、ロッカーバンクコンピュータ51は、プロセッサ及びメモリを備え、荷物ロッカーバンク50に関連するデータを得て該データを荷物ロッカーバンク管理システム30に送信するように構成されている。個別にセキュリティ確保可能な荷物ロッカー1~20の各々は、ドア及びロック機構を備える。
【0035】
図1に示す荷物ロッカーバンクの実施形態において、荷物ロッカーバンク50は、明るいグレーで示され第1ユーザのみに割り当てられた荷物ロッカーの第1グループと、斜線が付され第2ユーザのみに割り当てられた荷物ロッカーの第2グループと、白で示され上記の第1ユーザ及び上記の第2ユーザによって共有された荷物ロッカーの第3グループと、を有する。
【0036】
図2は、
図1の荷物ロッカーバンクの特定のタイプの荷物ロッカーが未来の日において荷物を預けることに利用可能であるか否かを特定するための、本発明の実施形態に係るコンピュータ実装方法のフローチャートである。
【0037】
本実施形態では、荷物ロッカーバンクは、方法の実行対象となる所望の特定のタイプの数Pの荷物ロッカーを備える。
【0038】
方法は、到来する所望の日を対象に実行される。所望の日は、以下ではjと表記される。上記の荷物ロッカーバンク50に預けられた各荷物は、その荷物が荷物ロッカーに預けられた日からNに等しい最大日数にわたって預けられることが許可される。よって、荷物は、例えば上記の選択された未来の日j等のような預かり日から荷物ロッカーに預けられ、最長で日j+N-1に対応する日まで預けられうる。日j+N-1は、許容される最も遅い預かり日を指す。
【0039】
図2に示されているように、上記の方法は、以下の複数の工程を備える。第1工程100において、上記の所望の未来の日jと上記の未来の日からN-1に等しい日数前との間の各日について、及び、上記の所望の未来の日jと上記の未来の日からN-1に等しい日数後との間の各日について、荷物ロッカーバンク50の上記の特定のタイプの荷物ロッカーに配達済の又は配達予定の荷物の数を受信する。荷物ロッカーバンク50の上記の特定のタイプの荷物ロッカーは、例えば、特定の配達員に割り当てられた小さい荷物ロッカーに対応する荷物ロッカー2~5である。上記の未来の日からN-1に等しい日数前とは、すなわち日j-N+1まで遡るということである。上記の未来の日からN-1に等しい日数後とは、すなわち日j+N-1まで進むということである。
【0040】
第2工程110において、各日について、第3の数Dj*が推定される。第3の数Dj*は、計算の対象となる日jにおいて残っている利用可能な特定の荷物ロッカーであってその特定の日jに予定されている配達前のものに対応する(a third number Dj* corresponding to the remaining available specific parcel lockers on the day j for which the calculation is made and before the deliveries due on that particular day j)。換言すると、日jについての第3の数は、日jの例えば午前6時等のような特定の時点における上記の特定のタイプの利用可能な荷物ロッカーの数であって、現在預けられている、又は、上記の特定のタイプの荷物ロッカーに日jの前に配達予定と通知されている、荷物だけを考慮した数(the number of available parcel lockers of said specific type for day j considering only the parcels currently stored or announced to be delivered to a parcel locker of said specific type before day j, at a specific time such as 6 am)に対応する。各推定は、第1工程100で受信した数であって荷物ロッカーに推定の対象となる日の前の日までに配達済の又は配達予定の荷物の数に対応する数と、荷物ロッカーからの荷物の引き取り率と、に基づいている。上記の引き取り率は、荷物ロッカーにまだ預けられている荷物がそれまでに預けられていた日数に依存する。
【0041】
第3の数Dj*は、以下の数式により与えられる:
【数1】
【0042】
ここで、Pは、荷物ロッカーバンク50における想定される(considered comprised)特定のタイプの荷物ロッカーの最大の数に対応する。Delxは、日xにおける荷物ロッカーバンクへの荷物の配達の数に対応する。PckRatey,zは、日zに配達される荷物の日yにおける引き取り率に対応する。日yは、日zよりも後である。Delxは、日xについて既に行われた又は配達予定と配達者によって通知された配達に対応する。
【0043】
荷物ロッカーバンクが、予測機能、すなわち
図1の荷物ロッカーバンクの特定のタイプの荷物ロッカーが未来の日において荷物を預けることに利用可能であるか否かを特定するための方法、に関する運用にこれから入ろうというとき(due to enter production)、荷物ロッカーバンクに適用される引き取り率は、同一の荷物ロッカーバンク又は類似の荷物ロッカーバンクで過去に見られた引き取り率に関する訓練データ群に基づいたものである。荷物ロッカーバンクが“予測機能”に関する運用に入るときに、訓練データ群由来の引き取り率が使用されて方法が開始される。荷物ロッカーバンクが運用中に使用されると、以下の段落で説明するように、引き取り率は、荷物ロッカーバンクに関連する荷物の流れに関する日ごとのデータを用いて毎日更新される。
【0044】
引き取り率に関してシステムを訓練するために、複数の荷物ロッカーは、ペア(ロッカー、物品)、すなわち特定の荷物ロッカーに預けられる物品のタイプ(i.e. the type product stored in a given parcel locker)、に関して分類され、以下の2つの変数すなわち配達の総数及び利用期間(seniority)が、分類に使用されうる。よって、適用されるモデルは、ロッカーに配達される荷物の数及び荷物ロッカーの利用期間(age)によって異なる。
【0045】
例えば、ペア(ロッカー、物品)が厳密に365よりも大きい配達の総数を有する場合、個別のモデルが適用される。そうではない場合、互いに隣り合い同一のペア相手を有する(next to each other and with the same partner)荷物ロッカーはほぼ同様と考えられるため、最も近くにある個々のものを一括りに扱うための別のモデルが適用される。
【0046】
(個別のモデルではない)同一のモデルを有する2組のペア(ロッカー、物品)は、同一の訓練データセットを有する。そのため、同一の引き取り率を有する。
【0047】
各引き取り率は、毎日、荷物ロッカーバンクの営業時間外に、回帰によって推定される。回帰では、過去の複数の日についての既知である実際の引き取り率が考慮され、上記の複数の日に休日が含まれるか否かが考慮される。
【0048】
第3工程120において、日jと日j+N-1との間の各々について、第4の数が計算される。第4の数は、この期間の各日について上記の特定のタイプの利用可能な荷物ロッカーの数に対応する。第4の数は、対応する第3の数と、受信した数であって荷物ロッカーバンクの上記の特定のタイプの荷物ロッカーに計算の対象となる日に配達された又は配達予定と配達者によって通知された荷物の数(the received number of parcels delivered or announced to be delivered by carriers to parcel lockers of said specific type of the parcel locker bank on the day for which the calculation is made)と、に基づいたものである。よって、第4の数は、荷物が日jに預けられる場合に荷物が預けられうる期間すなわち荷物が荷物ロッカーバンクの荷物ロッカーに預けられうるN日間の毎日についての、既に預けられた全ての荷物と預けられることが予定されている全ての荷物とを考慮した上記の特定のタイプの利用可能な荷物ロッカーの数に対応する。
【0049】
第4の数Djは、以下の数式により与えられる:
上記の所望の日jに関し、
【数2】
日j+1と日j+N-1との間の日に関し、
【数3】
【0050】
ここで、kは、計算パラメータであり、計算が各日を対象とするが故の整数である。
【0051】
第4工程130では、上記の所望の日jから荷物が預けられうる最後の日である日j+N-1までの各日について、上記の第4の数と閾値τと比較される。
【0052】
第5工程140では、比較された各第4の数が上記の閾値よりも大きい場合、該当する荷物ロッカーバンク50において荷物ロッカーが該当する荷物用に利用可能であることを示すものが信号に与えられる。換言すると、
【数4】
の場合に、上記の示すものが送信される。
【0053】
図3は、荷物を預けることに利用可能な適切な荷物ロッカーを有する、例えば
図1の荷物ロッカーバンク等のような適切な荷物ロッカーバンクを場所を制限して特定するための、コンピュータ実装方法のフローチャートである。
【0054】
方法の第1工程310において、荷物ロッカーバンク50の荷物ロッカーに荷物を預けるためのリクエストが、例えば配達員等のようなユーザから受信される。上記のリクエストは、荷物の最終的な受け手に関する場所と、未来の日であって該未来の日から荷物が荷物ロッカーに預けられることになる未来の日に対応する所望の配達日jと、荷物に関する少なくとも1つの特定の特徴と、を備える。荷物に関する少なくとも1つの特定の特徴は、例えば、荷物の特定のサイズ、例えば特定の配達員等のような特定のユーザ、特定の預かり条件を必要とする特定のタイプの物品、等である。
【0055】
第2工程320において、リクエストで示された場所の近辺の領域内に位置する荷物ロッカーバンクが特定される。上記の領域は、あらかじめ定められた固定半径を有する。
【0056】
第3工程330において、上記の領域内の荷物ロッカーバンクから、リクエストで示された全ての特定の特徴を有する荷物ロッカーが特定される。
【0057】
第4工程340において、荷物ロッカーバンクの特定のタイプの荷物ロッカーが、未来の日において荷物を預けることに利用可能であるか否かを特定するための
図2の方法が実行される。この方法は、上記の所望の配達日から始まる特定の日数にわたり、先に特定された各荷物ロッカーバンクについて、実行される。
【0058】
サイズの対処に際し、荷物ロッカーは、サイズが荷物を中に入れるのに十分に大きい場合、荷物を入れることに適切であると扱われる。この意味で、優先度が、サイズの相互間で設定される。第1に、小さい荷物について、小サイズの荷物ロッカーで利用可能性チェックがなされ、次に、利用可能な小さい荷物ロッカーがない場合、中サイズの荷物ロッカーで利用可能性チェックがなされ、最後に、利用可能な中サイズの荷物ロッカーがない場合、大サイズの荷物ロッカーで利用可能性チェックがなされる。
【0059】
他の優先度が、異なる特徴の相互間で設定されうる。例えば、アクセス可能な領域が、第1に荷物ロッカーのサイズによって、次に割り当てられた領域によって(第1にユーザに割り当てられた荷物ロッカー、次に異なるユーザ間で共有された荷物ロッカー)、次に快適な領域によって(by comfort zones)、分類されうる。
【0060】
第5工程350において、目的地に最も近く、所望の日jにおいて利用可能な適切な荷物ロッカーを有する荷物ロッカーバンクが選択される。
【0061】
図2及び3に示す方法において、推定及び計算は日ごとに行われる。すなわち、全ての引き取り率が1日ついて与えられ、配達又は引き取りに関する全ての数字が1日ついて与えられる。
【0062】
一日の最初に開始され、通常は午前7時と午後4時との間である、荷物を配達する段階において、荷物ロッカーが新たに利用可能となることはない(又は限定的である)ことが見受けられる。その日に又は以前の日に荷物が配達された荷物ロッカーは、午後5時までは利用可能とはならない。よって、日ごとのモデリングは、配達段階の前、例えば午前6時等、に行えば十分である。
【0063】
図4は、荷物ロッカーバンクにおける特定のタイプの荷物ロッカーの現在の利用可能性の検証工程のフローチャートである。上記の検証工程は、
図1の方法前又は方法中に行われる。
【0064】
検証工程は、第1サブ工程410を備える。第1サブ工程410では、荷物ロッカーバンクの各荷物ロッカーに、1という数と、荷物ロッカーの整数個数に等しい数と、の間のデジタルアドレスが割り当てられる。
【0065】
検証工程は、第2サブ工程420を備える。第2サブ工程420では、利用可能性マスクの形成であって、荷物ロッカーが空でありそのため利用可能である場合には第1の二進数を、荷物ロッカーが荷物を備えそのため利用不可能である場合には第1の二進数とは異なる第2の二進数を、各デジタルアドレスに割り当てることによる形成が行われる。上記の利用可能性マスクは、荷物ロッカーに荷物が預けられる度に及び荷物ロッカーから荷物が引き取られる度に更新される、
【0066】
第3サブ工程430では、荷物ロッカーが有しうる各特定の特徴に関する特定のアクセス可能性マスクの形成であって、荷物ロッカーが上記の特定の特徴を有する場合には第1の二進数を、荷物ロッカーが上記の特定の特徴を有さない場合には第2の二進数を、各デジタルアドレスに割り当てることによる形成が行われる。
【0067】
例えば、荷物ロッカーのサイズに関する、アクセス可能性マスクの第1グループが形成されうる。第1グループの各アクセス可能性マスクは、例えば小、中及び大等のような荷物ロッカーの特定のサイズについて形成される。例えば、アクセス可能性マスクのグループは、例えば特定の配達員等のような特定のユーザに割り当てられた荷物ロッカーについて形成されうる。この第2グループの第1マスクは、第1ユーザのみに割り当てられた荷物ロッカーについて形成される。この第2グループの第2マスクは、第2ユーザのみに割り当てられた荷物ロッカーについて形成される。そして、この第2グループの第3マスクは、第1ユーザ及び第2ユーザの両方に割り当てられた荷物ロッカーについて形成され、両方のユーザが、これらの荷物ロッカーを使用することを許可される。他のアクセス可能性マスクのグループが、要求される特徴によっては形成されうる。他のアクセス可能性マスクのグループは、例えば快適な領域(comfort zones)に関するものである。
【0068】
各マスクは、二進数の列(string of binary numbers)を形成する。列の各字(char)は、荷物ロッカーバンクの荷物ロッカーを表す。よって、各マスクは、荷物ロッカーバンクの区画(segments)を設定し、アンドゲートにより他のマスクと結合することにより荷物ロッカーバンクの荷物ロッカーの特定の区画が設定される。これらの荷物ロッカーは、所望の特定のタイプの荷物ロッカーに対応する。
【0069】
第4サブ工程440では、少なくとも1つの特定の特徴を有する利用可能な荷物ロッカーの数の特定であって、上記の1又は複数の特定の特徴に関する少なくとも1つのアクセス可能性マスクに上記の利用可能性マスクをアンドゲートによって結合することによる特定が、リクエストに応じて行われる。
【0070】
所望の特定のタイプの荷物ロッカーを設定する異なる複数のアクセス可能性マスクと、利用可能性マスクとを、アンドゲートによって結合することにより、上記の特定のタイプの荷物ロッカーの利用可能性を容易に設定できる。
【0071】
図5は、荷物ロッカーバンク管理システム30の概略図である。荷物ロッカーバンク管理システム30は、
図1に定める少なくとも1つのコンピュータ化された荷物ロッカーバンク50を備える。荷物ロッカーバンク管理システムは、中央装置40を備える。中央装置40は、予測ユニット60、決定ユニット70及びデータ格納ユニット80を備える。中央装置40及びそのユニット60、70及び80は、荷物ロッカーバンク50のロッカーバンクコンピュータと通信する。
【0072】
データ格納ユニット80は、少なくとも1つのコンピュータ化された荷物ロッカーバンク50によって送信された全ての情報を受信し格納するように構成されている。
【0073】
予測ユニット60は、
図3の荷物ロッカーバンクのネットワークにおける適切な荷物ロッカーバンク50へと1又は複数の荷物を割り当てるためのコンピュータ実装方法を実行するように構成されている。この目的で、予測ユニット60は、受信モジュール61、第1計算モジュール62、第2計算モジュール63、回帰モジュール64、比較器65及び出力モジュール66を備える。
【0074】
受信モジュール61は、データ格納ユニット80から、所望の未来の日jと該未来の日jからN-1に等しい日数前との間の各日について荷物ロッカーバンクの上記の特定のタイプの荷物ロッカーに配達済の荷物の数を受信し、上記の未来の日jと上記の未来の日jからN-1に等しい日数後との間の各日について荷物ロッカーバンク50の上記の特定のタイプの荷物ロッカーに配達予定と既に通知された荷物の数を受信するように構成されている。
【0075】
第1計算モジュール62は、第3の数Dj*を推定するように構成されている。第2計算モジュール63は、第4の数Djを計算するように構成されている。
【0076】
第1計算モジュール62は、回帰モジュール64を備える。回帰モジュール64は、毎日、荷物ロッカーバンクの営業時間外に、回帰によって各引き取り率を推定するように構成されている。回帰では、過去に預けられた荷物についての実際の引き取り日から得られた情報から既知となっている過去の複数の日についての実際の引き取り率が考慮され、上記の複数の日に休日が含まれるか否かが考慮される。
【0077】
比較器65は、上記の未来の日jから荷物が預けられうる最後の日j+N-1までの各日について、上記の第4の数と閾値とを比較するように構成されている。出力ユニット66は、比較された各第4の数が上記の閾値よりも大きい場合に、荷物ロッカーが日jにおいて利用可能であり且つ上記の荷物用に利用可能に残される予定であることを示すように構成されている。
【0078】
決定ユニット70は、リクエストの対象となった各荷物の行き先を、適切な荷物ロッカーバンク50に定めるように構成されている。決定ユニット70は、リクエストモジュール71、選択モジュール72及び送信モジュール73を備える。
【0079】
リクエストモジュール71は、例えば配達員等のようなユーザから、荷物ロッカーバンクの荷物ロッカーに荷物を預けるためのリクエストを受信するように構成されている。上記のリクエストは、荷物の最終的な受け手に関する場所と、未来の日であって該未来の日から荷物が荷物ロッカーに預けられることになる未来の日に対応する所望の配達日jと、荷物に関する少なくとも1つの特定の特徴と、を備える。
【0080】
選択モジュール72は、第1に、リクエストで示された場所の近辺の領域内に位置する荷物ロッカーバンクを特定するように、ここで、上記の領域は、あらかじめ定められた固定半径を有する、第2に、上記の領域内の荷物ロッカーバンクから、リクエストで示された全ての特定の特徴を有する全ての荷物ロッカーを特定するように、第3に、上記の所望の配達日jから始まる特定の日数にわたり、先に特定された各荷物ロッカーバンク50について、上記の予測ユニットを動作させるように構成されている。
【0081】
送信モジュール73は、行き先アドレスに最も近く所望の日jに適切な利用可能な荷物ロッカーを有する荷物ロッカーバンクを示すものを送信するように構成されている。
【0082】
荷物ロッカーバンク管理システム30は、検証モジュール90をさらに備える。検証モジュール90は、上記の荷物ロッカーバンク50の各荷物ロッカーに、デジタルアドレスを割り当てるように構成されている。本実施形態では、デジタルアドレスは、1と20との間である。検証モジュール90は、利用可能性マスクの形成であって、荷物ロッカーが空でありそのため利用可能である場合には第1の二進数を、荷物ロッカーが荷物を備えそのため利用不可能である場合には第1の二進数とは異なる第2の二進数を、各デジタルアドレスに割り当てることによる形成を行うように構成されている。上記の利用可能性マスクは、荷物ロッカーに荷物が預けられる度に及び荷物ロッカーから荷物が引き取られる度に更新される。検証モジュール90は、荷物ロッカーバンク50の荷物ロッカーの特定の特徴に関する少なくとも1つの特定のアクセス可能性マスクの形成であって、荷物ロッカーが上記の特定の特徴を有する場合には第1の二進数を、荷物ロッカーが上記の特定の特徴を有さない場合には第2の二進数を、各デジタルアドレスに割り当てることによる形成を行うように構成されている。検証モジュール90は、少なくとも1つの特定の特徴を有する利用可能な荷物ロッカーの数の特定であって、上記の1又は複数の特定の特徴に関する少なくとも1つのアクセス可能性マスクに上記の利用可能性マスクを2進のアンド演算によって結合することによる特定を、リクエストに応じて行うように構成されている。
【0083】
本発明は、荷物ロッカーバンクの日ごとの利用可能容量を予測し、配達できないリスクを最小限にすることによって荷物ロッカーバンクの効率を最大限にすることに役立つコンピュータ実装方法及びコンピュータ化されたシステムを提供する。
【外国語明細書】