(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022117544
(43)【公開日】2022-08-12
(54)【発明の名称】工作機械
(51)【国際特許分類】
B23Q 17/24 20060101AFI20220804BHJP
B23Q 17/09 20060101ALI20220804BHJP
【FI】
B23Q17/24 Z
B23Q17/09 Z
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021014081
(22)【出願日】2021-02-01
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】000146847
【氏名又は名称】DMG森精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002273
【氏名又は名称】特許業務法人インターブレイン
(72)【発明者】
【氏名】窪田 純一
【テーマコード(参考)】
3C029
【Fターム(参考)】
3C029EE20
(57)【要約】
【課題】工具の付着物を除去する。
【解決手段】工作機械は、所定の撮像領域に固定され、撮像領域に挿入された工具を撮像するカメラと、工具を装着可能な工具保持部と、加工プログラムにしたがって工具保持部を制御し、工具によりワークを加工する加工制御部を備える。加工制御部は、工具の撮像に際して、工具を回転させたあとに工具を撮像領域に移動させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の撮像領域が撮像可能に固定され、前記撮像領域に位置する工具を撮像するカメラと、
工具を装着可能な工具保持部と、
加工プログラムにしたがって前記工具保持部を制御し、前記工具によりワークを加工する加工制御部と、を備え、
前記加工制御部は、前記工具の撮像に際して、前記工具を回転させたあとに前記工具を前記撮像領域に移動させる、工作機械。
【請求項2】
前記加工制御部は、前記工具の撮像に際して、工具が撮像される際に工具が位置する撮像位置とは異なる、工具の所定の待機位置に前記工具保持部を移動させ、前記待機位置において前記工具を所定の回転速度以上の速度により回転させたあと、前記工具を前記撮像領域に移動させる、請求項1に記載の工作機械。
【請求項3】
前記工具の回転中においては前記撮像領域および前記待機位置の間のシャッタを閉鎖し、前記工具の回転終了後に前記シャッタを開放するカバー制御部、を更に備え、
前記加工制御部は、前記シャッタの開放後に、前記工具を前記撮像領域に移動させる、請求項2に記載の工作機械。
【請求項4】
前記カメラのレンズを覆う第1カバー、を更に備え、
前記カバー制御部は、前記工具の回転終了後に前記シャッタが開放された後、前記第1カバーを開口させる、請求項3に記載の工作機械。
【請求項5】
前記カメラと前記工具を相対移動させる際、撮像範囲において前記工具の先端が検出されたとき、前記工具の最初の部分画像を撮像し、前記工具の相対移動にともなって前記工具の複数の部分画像を撮像する、請求項1に記載の工作機械。
【請求項6】
前記加工制御部は、前記加工プログラムにおいて所定の測定コマンドを実行するときに前記工具を前記撮像領域に移動させ、
前記加工プログラムにおいて、前記工具の撮像前における前記工具の回転運動を明示的に指示するコマンドが含まれない場合であっても、前記加工制御部は前記測定コマンドを実行するときには前記工具を回転させた上で前記工具を前記撮像領域に移動させる、請求項1から5のいずれかに記載の工作機械。
【請求項7】
前記工具の撮像画像から前記工具の外形位置を示す複数のエッジ点を検出し、前記複数のエッジ点に基づいて前記工具の外形を示す工具形状データを形成する工具確認部、を更に備える、請求項1から6のいずれかに記載の工作機械。
【請求項8】
前記加工制御部は、前記工具を前記撮像領域に挿入したときに前記工具を回転させ、
前記工具確認部は、複数の回転角それぞれに対応して複数の撮像画像を取得し、前記複数の撮像画像それぞれからエッジ点を検出し、前記複数の回転角それぞれに対応して検出された複数のエッジ点に基づいて前記工具形状データを3次元の点群データとして形成する、請求項7に記載の工作機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械における工具の状態を確認する技術、に関する。
【背景技術】
【0002】
工作機械は、ワークを所望の形状に切削加工する装置や、金属粉末などを積層してワークを作る装置がある。切削加工する工作機械には、回転するワークに切削用の工具を当てることでワークを加工するターニングセンタと、回転する工具をワークに当てることでワークを加工するマシニングセンタ、これらの機能を複合的に備える複合加工機などがある。
【0003】
工具は主軸あるいは刃物台などの工具保持部に固定される。工作機械は、あらかじめ用意された加工プログラムにしたがって、工具を交換しつつ、工具保持部を動かしながらワークを加工する(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
工具保持部に装着されている使用中の工具について、工具の状態を確認したい場合もある。たとえば、工具がテールストック等の機材に強く接触したときには、工具に破損が生じていないか確認する必要がある。
【0006】
一つの方法として、加工室内に撮像領域を設け、撮像領域に工具を差し込んでカメラで工具を撮像し、工具の状態を撮像画像に基づいて確認する方法が考えられる。
【0007】
この場合、使用中の工具をそのまま撮像領域に挿入することは望ましくない。使用直後の工具にはワークの切り屑やクーラントなどが付着しているため、撮像領域が工具の付着物で汚れてしまう可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある態様における工作機械は、所定の撮像領域が撮像可能に固定され、撮像領域に位置する工具を撮像するカメラと、工具を装着可能な工具保持部と、加工プログラムにしたがって工具保持部を制御し、工具によりワークを加工する加工制御部と、を備える。
加工制御部は、工具の撮像に際して、工具を回転させたあとに工具を撮像領域に移動させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、工具の状態を適切に確認しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図3】工具認識領域における工具、カメラおよび照明装置の位置関係を示す模式図である。
【
図4】工具認識領域における各機構の側断面図である。
【
図5】工作機械および画像処理装置のハードウェア構成図である。
【
図7】工具と撮像領域の位置関係を示す模式図である。
【
図9】工具の外形を画像認識するときの部分画像を示す。
【
図12】清掃回転をした上で工具検査を実行するときの処理過程を示すフローチャートである。
【
図13】
図12のS20における測定処理の処理過程を示すフローチャートである。
【
図14】空気噴射をした上で工具検査を実行するときの処理過程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、工作機械100の外観図である。
本実施形態における工作機械100は、加工領域200内に配置されるワークを加工する複合加工機である。ワークは保持部104に固定され、別の保持部である主軸に取り付けられる工具102により切削される。ワークを保持する保持部104は駆動機構により回転駆動される。
【0012】
工具認識領域210には撮像領域(後述)が設定される。工具102が工具認識領域210内に挿入されたとき、下方の照明装置108は工具102を照明し、上方のカメラ106は工具102を撮像する。このときの撮像画像に基づいて後述の工具検査が実行される。工具認識領域210の構成については次の
図2,
図3,
図4に関連して後述する。
【0013】
工作機械100は、外部を遮断するカバー202を備える。カバー202は、ドア204を備える。作業者は、ドア204を開口して、加工領域200へのワークの取り付けおよび加工領域200からのワークの取り出しを行う。操作盤206は、作業者から、工作機械100に対する各種操作を受け付ける。
【0014】
操作盤206は、画像処理装置110と接続される。作業者は、画像処理装置110により工作機械100の作業状況を遠隔監視できる。本実施形態においては、工作機械100本体と画像処理装置110は有線ケーブルを介して接続される。画像処理装置110は、工作機械100の内部、たとえば、操作盤206の内部装置として形成されてもよい。
【0015】
工具格納部130は、複数の工具102を格納する。工具格納部130に格納される複数の工具102から工具交換部(後述)により工具102を取得し、これを主軸に装着する。なお、
図1に示すように、水平方向にX軸とY軸、垂直方向にZ軸を設定するものとする。Y軸方向は、主軸およびワークの軸方向に対応する。
【0016】
図2は、工具認識領域210の周辺斜視図である。
加工領域200の一部に、工具認識領域210が形成される。具体的には、ワークを固定する保持部104の上方に工具認識領域210(空間)が形成される。工具認識領域210は、カメラ106および照明装置108を含む(
図3,
図4に関連して後述)。
【0017】
外部カバー300は、工具認識領域210を閉鎖する可動式の仕切板(シャッター)である。ワークの加工時においては、工具認識領域210は外部カバー300により閉鎖される。加工中の加工領域200においては、ワークと工具102との摩擦熱を除去するための冷却液であるクーラントが噴射される。また、加工領域200内ではワークの切り屑も飛散する。このため、外部カバー300により工具認識領域210を閉鎖することで、クーラント等が工具認識領域210内に入り込むのを防止する。
【0018】
測定コマンド等により工具検査を指示されたとき、工作機械100はワークの加工を中止する。このとき、工作機械100は、クーラントの噴射も中止させる。次に、主軸は、工具認識領域210の手前の所定位置(以下、「待機位置」とよぶ)に工具102を移動させ、待機位置にて工具102を高速回転させる。工具102を高速回転させることにより、工具102に付着しているクーラントおよび切り屑(以下、まとめて「付着物」とよぶ)を振り落とす。以下、待機位置において付着物を除去するために工具102を高速回転させることを「清掃回転」とよぶ。
【0019】
清掃回転の速度および回数は任意に設定可能である。作業者または工作機械100の設計者は、工具102の付着物を落とす上で充分な速度および回数として適切な数値を実験により求めてもよい。清掃回転の回転速度は、後述の工具検査時における工具102の回転速度よりも大きいことが望ましい。清掃回転の回転速度は、少なくとも、1分間に1回転以上(1rpm以上)、500~2000rpmの範囲内であることが望ましい。
【0020】
工具検査時における工具102の1回転分の撮影時間は、1秒より長い。そのため、工具の1回転分の画像を撮影する場合は、工具102の回転数は60rpm未満に設定される。工具102を所定の回転速度以上の速度により清掃回転させる場合の「所定の回転速度」の一例としては、工具102の1回転分の撮影時間に相当する工具102の回転速度よりも大きな回転速度である。この場合は、少なくとも清掃回転の回転速度は60rpm以上であればよい。工具102を回転させずに工具102の長手方向の画像を撮影する場合であっても、少なくとも清掃回転の回転速度が60rpm以上で工具102を回転させて工具102に付着したクーラントなどを除去すると一定の効果がある。なお、本実施形態においては、清掃回転の回転速度は1000rpmであるとする。
【0021】
清掃回転後に外部カバー300が開口し、工具を工具認識領域210に進入させる。工具認識領域210に挿入された工具102をカメラ106で撮像することにより、工具形状を確認する。工具102を工具認識領域210に差し込んで工具102の形状を検査することを「工具検査」とよぶ。工具検査の詳細は後述する。
【0022】
なお、加工領域200は工具認識領域210を経由して工具格納部130につながっている。したがって、工具交換を行うときには、主軸を工具認識領域210の奥深くに差し込む。工具検査だけでなく、工具交換のときにも工具は工具認識領域210を通過するので、通過前に同様にして清掃回転を実行する。
【0023】
保持部104の横にはエアノズル302が設置される。エアノズル302は、空気を噴射させる。主軸をエアノズル302の付近に移動させ、エアノズル302から空気を噴射させることで工具102の付着物を排除することもできる。以下、付着物を除去するためにエアノズル302から工具102に空気を噴射することを「清掃噴射」とよぶ。本実施形態においては清掃回転を中心として説明するが、
図14に関連して清掃噴射についても言及する。
【0024】
図3は、工具認識領域210における工具102、カメラ106および照明装置108の位置関係を示す模式図である。
工具102は、ワークの加工に利用される刃部112と、主軸116のホルダ118に固定される部位であるシャンク部114を含む。主軸116は、工具102を保持しつつ、回転および移動可能に構成される。また、保持部でもある主軸116は、保持している工具を回転させることもできる。
【0025】
カメラ106は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)、CCD(Charge-Coupled Device)などのイメージセンサ(撮像素子)を備える。カメラ106は、主軸116に取り付けられた工具102を上(Z軸方向)から撮像する。カメラ106は工具認識領域210に固定される。主軸116がY軸を軸心として工具102を回転させることにより、複数方向から工具102を撮像できる。また、主軸116が工具102を水平方向(XY方向)に動かすことにより、工具102の複数箇所を撮像できる。
【0026】
カメラ106に対向するように、下部には照明装置108が固定される。照明装置108は工具102を下から照明する。照明装置108による透過照明により、カメラ106は、工具102の輪郭位置を把握しやすい、コントラストの高い撮像画像を取得できる。
【0027】
ユーザは、工具102を新規登録するときには、操作盤206において工具登録モードに設定し、主軸116に新規の工具102を取り付ける。次に、任意の工具IDを入力する。主軸116は工具102を移動・回転させ、固定されたカメラ106は工具102をさまざまな位置および方向から自動的に撮像する。カメラ106により得られた多数の撮像画像から、工具形状が認識され、工具IDと工具形状が対応づけて登録される。このような制御方法により、工具102ごとに、工具形状を自動的に工具IDに対応づけて登録できる。以下、新規登録時において認識される工具102の形状を「登録形状」とよぶ。工具形状データは、二次元データあるいは三次元データとして形成される。
【0028】
また、加工中あるいは加工後の工具102について工具検査を実行するときにも、主軸116は工具102を工具認識領域210に進入させる。新規登録時と同様、主軸116は工具102を移動・回転させ、カメラ106は工具102をさまざまな位置および方向から自動的に撮像する。カメラ106により得られた多数の撮像画像から、工具形状が認識される。以下、検査時において認識される工具102の形状を「検査形状」とよぶ。作業者は、登録形状(初期状態)と検査形状を比較することにより、工具102の摩耗度、欠損の有無を判定する。
【0029】
本実施形態におけるカメラ106は約100万画素(1224×1024)の解像度を有する。撮像範囲は300ミリメートル×300ミリメートル程度である。また、カメラ106は1秒間に最大80枚の撮像画像を取得可能である。
【0030】
図4は、工具認識領域210における各機構の側断面図である。
工具102は、カメラ106と照明装置108の中間に挿入される。カメラ106の側部には上方から工具102を照らすための照明装置308も設置される。カメラ106の横にはカメラ106の受光面を覆うための第1カバー304が設置される。照明装置108の横には照明装置108の発光面を覆うための第2カバー306が設置される。以下、第1カバー304および第2カバー306をまとめていうときには「内部カバー」とよぶ。
【0031】
第1カバー304および第2カバー306は、Y軸を回転軸として回転駆動される。第1カバー304および第2カバー306を回転駆動させることにより、カメラ106および照明装置108の開口および閉鎖が可能となる。
【0032】
図5は、工作機械100および画像処理装置110のハードウェア構成図である。
工作機械100は、操作制御装置120、加工制御部122、加工装置124、工具交換部126および工具格納部130を含む。数値制御装置として機能する加工制御部122は、加工プログラムにしたがって加工装置124に制御信号を送信する。加工装置124は、加工制御部122からの指示にしたがって主軸116を動かしてワークを加工する。
【0033】
操作制御装置120は、操作盤206を含み、加工制御部122を制御する。工具格納部130は工具を格納する。工具交換部126は、いわゆるATC(Automatic Tool Changer)に対応する。工具交換部126は、加工制御部122からの交換指示にしたがって、工具格納部130から工具を取り出し、主軸116にある工具と取り出した工具を交換する。
【0034】
操作制御装置120は、カバー制御部320を含む。カバー制御部320は、外部カバー300および内部カバー(第1カバー304および第2カバー306)を開閉させる。
【0035】
画像処理装置110は、主として、工具形状認識等の画像処理を行う。上述したように、画像処理装置110は操作制御装置120の一部として構成されてもよい。画像処理装置110は、一般的なラップトップPC(Personal Computer)あるいはタブレット・コンピュータであってもよい。
【0036】
図6は、画像処理装置110の機能ブロック図である。
画像処理装置110の各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)および各種補助プロセッサなどの演算器、メモリやストレージといった記憶装置、それらを連結する有線または無線の通信線を含むハードウェアと、記憶装置に格納され、演算器に処理命令を供給するソフトウェアによって実現される。コンピュータプログラムは、デバイスドライバ、オペレーティングシステム、それらの上位層に位置する各種アプリケーションプログラム、また、これらのプログラムに共通機能を提供するライブラリによって構成されてもよい。以下に説明する各ブロックは、ハードウェア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。
【0037】
なお、操作制御装置120および加工制御部122も、プロセッサなどの演算器、メモリやストレージといった記憶装置、それらを連結する有線または無線の通信線を含むハードウェアと、記憶装置に格納され演算器に処理命令を供給するソフトウェアやプログラムを画像処理装置110とは別個のオペレーティングシステム上で実現される形態でもよい。
【0038】
画像処理装置110は、ユーザインタフェース処理部140、データ処理部142およびデータ格納部144を含む。
ユーザインタフェース処理部140は、ユーザからの操作を受け付けるほか、画像表示や音声出力など、ユーザインタフェースに関する処理を担当する。データ処理部142は、ユーザインタフェース処理部140により取得されたデータおよびデータ格納部144に格納されているデータに基づいて各種処理を実行する。データ処理部142は、ユーザインタフェース処理部140およびデータ格納部144のインタフェースとしても機能する。データ格納部144は、各種プログラムと設定データを格納する。
【0039】
ユーザインタフェース処理部140は、入力部146および出力部148を含む。
入力部146は、タッチパネルあるいはハンドル等のハードデバイスを介してユーザからの入力を受け付ける。出力部148は、画像表示あるいは音声出力を介して、ユーザに各種情報を提供する。
【0040】
データ処理部142は、工具確認部152を含む。工具確認部152は、工具検査を実行する。工具確認部152は、撮像画像に基づいて工具102の三次元形状を示すデータ(工具形状データ)を生成する。
【0041】
図7は、工具102と撮像領域170の位置関係を示す模式図である。
撮像領域170は、カメラ106の受光面直下に位置する。カメラ106は撮像領域170の範囲内にある物体を撮像する。加工制御部122は、主軸116を動かすことで工具102を撮像領域170に挿入する。撮像領域170は工具102に比べると小さいため、一度に工具102全体を撮像することはできない。
【0042】
撮像領域170を大きくするためにカメラ106のレンズを大きくした場合、カメラ106のコストアップにつながる。また、工具認識領域210に大きなカメラ106を設置した場合、加工領域200のスペースが圧迫されるため好ましくない。このため、本実施形態においては、比較的小さなカメラ106により、工具102を複数回に分けて撮像し、複数の撮像画像に基づいて工具102全体の形状を認識する方式を採用している。
以下、カメラ106により工具102の一部を撮像した撮像画像のことを「部分画像」とよぶ。
【0043】
図8は、工具102と部分画像の関係を示す模式図である。
工具登録時において、加工制御部122は、工具102(主軸116)をY軸負方向に一定速度にて移動させる。工具確認部152は撮像領域170を常時監視する。撮像領域170におけるライブビュー画像はカメラ106から画像処理装置110に伝送される。工具確認部152は撮像領域170(ライブビュー画像)において刃部112の先端が検出されたとき、カメラ106に撮像画像(部分画像)の取得を指示する。カメラ106は、指示を受けたとき1枚目の部分画像を取得してメモリに固定する。
図8においては、最初に部分画像P1が取得される。
【0044】
次に、加工制御部122は工具102(主軸116)をY軸負方向に更に動かす。このとき、工具102の輪郭が撮像領域170から外れないように、加工制御部122は主軸116をX軸負方向にも少し動かす。工具確認部152は、操作制御装置120に対して工具102の移動方向および移動量を指示する。移動後、工具確認部152はカメラ106に部分画像の取得を指示し、カメラ106は2枚目の部分画像P2をメモリに保存する。このように、加工制御部122は主軸116を左右(X方向)に適度に移動させつつ、主軸116をY軸負方向に少しずつ移動させる。
【0045】
工具確認部152は主軸116の移動に合わせてカメラ106に撮像(部分画像の取得)を指示し、部分画像P1~P8が取得される。複数の部分画像P1~P8に基づいて、工具確認部152は工具102の輪郭、すなわち、工具102の工具形状データ(登録形状と検査形状)を生成する。
【0046】
図9は、工具102の外形を画像認識するときの部分画像290を示す。
図10は、エッジ点画像190を示す図である。
部分画像290には、照明装置108により下方から映し出された工具102のシルエットが表示される。工具確認部152は、X軸正方向に走査線180aを設定し、暗領域182(工具102が存在するシルエット領域)から明領域184(工具102が存在しない領域)の境界に位置する点をエッジ点192として検出する。工具確認部152は、走査線180aを一定のピッチにてずらしながら、複数のエッジ点192を検出する。
【0047】
同様にして、工具確認部152は、Y軸負方向に走査線180bを設定し、暗領域182から明領域184の境界に位置するエッジ点192を検出する。工具確認部152は、走査線180bを一定のピッチにてずらしながら複数のエッジ点192を検出する。
【0048】
更に、工具確認部152は、Y軸正方向に走査線180cを設定し、暗領域182から明領域184の境界に位置するエッジ点192を検出する。工具確認部152は、走査線180cを一定のピッチにてずらしながら複数のエッジ点192を検出する。
【0049】
このように、3方向から走査線180a、走査線180b、走査線180cを設定することにより複数のエッジ点192を検出し、
図10に示すエッジ点画像190を取得する。エッジ点画像190に含まれる複数のエッジ点192により、工具102の輪郭を示す点列データが得られる。本実施形態においては、部分画像1枚あたりの画像認識に要する処理時間は200~250ミリ秒程度である。
【0050】
図11は、工具102の工具形状データを示す図である。
以下、主軸116の回転角のことを「主軸回転角」とよぶ。本実施形態においては、工具認識領域210において、工具102を12度ずつ回転させることにより、合計30種類の角度(=360÷12)について工具102の撮像を行う。
【0051】
加工制御部122は、工具102のY軸中心とした主軸回転角を設定し、そのあと、工具102をY軸負方向に移動させつつ、エッジ角度に基づいて工具102をX軸方向にも移動させる。工具確認部152は撮像領域170において部分画像290を取得し、部分画像290からエッジ点192を検出することにより、工具102の外形が特定される。1つの主軸回転角につき複数枚の部分画像が取得される。次に、工具確認部152は工具102を12度回転させ、次の主軸回転角について同様の処理を行う。
【0052】
1つの主軸回転角あたり10枚の部分画像290を取得するとすれば、30種類の主軸回転角設定により合計300枚の部分画像290を取得できる。これらの部分画像290からはエッジ点画像190に示した点列データが得られる。工具確認部152は各部分画像290の点列データを総合することにより、
図11に示す工具形状データ、すなわち、工具102の立体形状を示す点列データを生成する。以下、工具102の部分画像から、
図11に示す工具形状データを生成する処理のことを「形状認識処理」とよぶ。
【0053】
図12は、清掃回転をした上で工具検査を実行するときの処理過程を示すフローチャートである。
加工プログラムにおいて、所定の測定コマンドMXが検出されたとき、
図12に示す処理が開始される。なお、干渉が発生したとき、作業者が操作盤206または画像処理装置110から測定指示を入力したときにも工具検査は実行される。
【0054】
測定コマンドMXを検出したとき、加工制御部122は主軸116を停止させ、ワークの加工を中断する(S10)。次に、加工制御部122は主軸116を工具認識領域210の手前の待機位置に移動させる(S12)。このとき、カバー制御部320は外部カバー300を閉鎖している。主軸116を待機位置に一時停止させ、加工制御部122は清掃回転を実行する(S14)。清掃回転により、工具102から付着物を除去する。清掃回転の終了後、加工制御部122は操作制御装置120に清掃終了を通知し、測定処理が開始される(S20)。測定処理の詳細は、次の、
図13に関連して後述する。
【0055】
図13は、
図12のS20における測定処理の処理過程を示すフローチャートである。
清掃回転の終了後、カバー制御部320は外部カバー300を開口させる(S22)。付着物あるいは加工室を浮遊するミストが工具認識領域210に入り込むのを防ぐため、カバー制御部320は外部カバー300の開口をできるだけ遅くすることが望ましい。より好ましくは、工具102が工具認識領域210の外部カバー300に接触する寸前に、カバー制御部320は外部カバー300を開口する。外部カバー300が開口することにより、主軸116(工具102)は工具認識領域210に進入可能となる。続いて、カバー制御部320は内部カバー(第1カバー304および第2カバー306)を開口する(S24)。内部カバーを開口することにより、工具認識領域210において工具102を撮像可能となる。
【0056】
外部カバーおよび内部カバーの開口が完了したとき、カバー制御部320はカバー開口完了を加工制御部122に通知する。加工制御部122は主軸116を移動させ工具102を工具認識領域210に挿入する(S26)。
【0057】
加工制御部122は、主軸回転角を設定する(S28)。主軸回転角の設定後、加工制御部122は主軸116をXY方向に動かし、工具確認部152は複数の部分画像を取得することにより工具102の形状認識を行う(S30)。形状認識処理では、設定された主軸回転角において、工具102の輪郭が点列データとして特定される。未設定の主軸回転角が残っているときには(S32のN)、処理はS28に戻り次の回転角(例:12度)が設定される。全30種類の主軸回転角について形状認識処理を実行したときには(S32のY)、工具確認部152は複数の主軸回転角について得られた点列データから工具102の立体形状を示す工具形状データ(検査形状)を生成する(S34)。
【0058】
画像処理装置110は、検査形状と登録形状を画面表示させ、作業者は工具交換の要否を判断する(S36)。なお、工具交換の要否は、作業者の目視判断ではなく、画像処理装置110が画像認識により自動的に判断してもよい。この場合、画像処理装置110は、工具判定部(不図示)を備える。具体的には、工具判定部は、登録形状と検査形状の類似度、特に、輪郭の類似度が所定値以下となっているとき、工具102に欠損が発生している、いいかえれば、工具102は不良工具になっていると判定する。たとえば、登録形状から検出される刃長Aと検査形状から検出される刃長Bの比率(B/A)が所定値以下となっているとき、工具判定部は工具102に欠損が生じていると判定してもよい。
【0059】
工具102が不良工具であれば(S36のN)、画像処理装置110は加工制御部122を介して工具交換部126に工具交換を指示する(S38)。工具102が正常であれば(S36のY)、工具交換をすることなく工具102を継続使用する。加工制御部122は、工具102を工具認識領域210から退避させる(S40)。退避完了後、加工制御部122は操作制御装置120に退避完了を通知する。操作制御装置120のカバー制御部320は、まず、内部カバーを閉鎖する(S42)。続いて、カバー制御部320は外部カバー300を閉鎖する(S44)。
【0060】
別の方法として、清掃噴射により工具102から付着物を除去してもよい。清掃噴射により工具102から付着物を除去する場合について
図14に関連して説明する。
【0061】
図14は、空気噴射をした上で工具検査を実行するときの処理過程を示すフローチャートである。
測定コマンドMXを検出したとき、加工制御部122は主軸116を停止させ、ワークの加工を中断する(S50)。次に、加工制御部122は主軸116をエアノズル302の手前に移動させる(S52)。主軸116を一時停止させ、エアノズル302は工具102に対して空気を噴射する(S54)。空気を噴射することにより、工具102から付着物を吹き飛ばす。清掃噴射後、加工制御部122は主軸116を工具認識領域210の手前に移動させる(S56)。加工制御部122は操作制御装置120に清掃終了を通知し、測定処理が開始される(S20)。測定処理の詳細は、
図13に関連して説明した方法と同様である。
【0062】
清掃噴射方式の場合、主軸116を2回移動させる必要がある(S52とS56)。このため、清掃回転方式の方が清掃噴射方式よりも工具検査の時間を短縮できる。工具102の付着物が清掃回転では充分に除去できないときには清掃噴射を併用するとしてもよい。
【0063】
上述したように、清掃噴射方式の場合、主軸116をエアノズル302付近まで移動させる必要があるため、主軸116の移動距離が清掃回転方式よりも長くなってしまう。また、清掃回転方式の場合には、主軸116を実質的にY軸方向だけに移動させるだけで、工具102を工具認識領域210に進入させることができる。
【0064】
清掃噴射方式の場合、測定コマンドMXを実行するときには、
(1)エアノズル302の位置に主軸116を移動させる。
(2)エアノズル302をオンすることで、空気を噴射させる。
(3)工具認識領域210の手前まで主軸116を移動させる(復帰)。
(4)測定処理(S20)を実行する。
という少なくとも4工程が必要となる。これに対して、清掃回転方式の場合には、清掃回転(S14)が必要となるが、上述の処理(1)~(3)は不要となる。また、清掃回転方式の場合には、測定コマンドMXの一部として清掃回転(S14)を自動実行してもよい。
【0065】
[総括]
以上、実施形態に基づいて工作機械100について説明した。
工具102は、加工中に徐々に摩耗する。また、機材との干渉により、工具102は加工中に欠損を生じる可能性もある。このため、適宜、工具検査を実行し、不適切な工具102は使用禁止にする必要がある。
【0066】
工具検査のときには、工具認識領域210が汚れないように、あらかじめ工具102の付着物を除去しておく必要がある。本実施形態においては、工具検査の前に清掃回転を実行することにより工具102の付着物を簡易な方法にて除去できる。
【0067】
本実施形態においては、測定コマンドMXを実行するとき、工具検査の前に清掃回転を自動実行するようにあらかじめ加工制御部122に設定されている。したがって、加工プログラムにおいて清掃回転を指示するための専用コマンド、あるいは、主軸116を待機位置に移動させるための専用コマンドを記載する必要がない。このため、プログラミングのミスにより汚れた工具102がそのまま工具認識領域210に挿入されるのを防ぐことができる。
【0068】
また、清掃回転方式は、清掃噴射方式に比べると主軸116の移動量が少ないため、工具検査に要する時間を短縮できる。更に、外部カバー300および内部カバー(第1カバー304および第2カバー306)により、工具認識領域210、カメラ106および照明装置108を防護することにより、工具認識領域210、特に、カメラ106と照明装置108が付着物により汚れるのを効果的に防ぎやすくなる。
【0069】
なお、本発明は上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。上記実施形態や変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成してもよい。また、上記実施形態や変形例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。
【0070】
[変形例]
本実施形態においては、工具検査の前に、主軸116を回転させることで工具102の付着物を除去するとして説明した。変形例として、工具検査の前に主軸116を振動させることで工具102の付着物を除去するとしてもよい。
【0071】
本実施形態においては、比較的小さな撮像領域170に工具102を位置合わせし、工具102を複数回撮像することで工具102全体の撮像画像を取得するとして説明した。変形例として、工具検査に際し、より撮像領域170の広い広角のカメラ106により、工具102全体をまとめて撮像するとしてもよい。
【0072】
清掃回転は、工具102によりワークの加工を制御する加工プログラムとは別に、撮像プログラムにより実行されてもよい。あるいは、加工プログラムは、ワークの切削を指示する切削プログラム(切削制御アルゴリズム)と撮像プログラム(撮像制御アルゴリズム)の双方を含んでもよい。撮像プログラム部分の実行時に清掃回転を実行してもよい。加工プログラムとは別に、撮像処理を実行してもよい。ここでいう撮像処理は、たとえば、画像処理装置110あるいは操作盤206の操作画面に表示される撮像ボタン(不図示)が選択されたときに実行される処理である。この撮像処理に際して、加工制御部122は清掃回転を実行するとしてもよい。
【符号の説明】
【0073】
100 工作機械、102 工具、104 保持部、106 カメラ、108 照明装置、110 画像処理装置、112 刃部、114 シャンク部、116 主軸、118 ホルダ、120 操作制御装置、122 加工制御部、124 加工装置、126 工具交換部、130 工具格納部、140 ユーザインタフェース処理部、142 データ処理部、144 データ格納部、146 入力部、148 出力部、152 工具確認部、170 撮像領域、180a 走査線、180b 走査線、180c 走査線、182 暗領域、184 明領域、190 エッジ点画像、192 エッジ点、200 加工領域、202 カバー、204 ドア、206 操作盤、210 工具認識領域、290 部分画像、300 外部カバー、302 エアノズル、304 第1カバー、306 第2カバー、308 照明装置、320 カバー制御部
【手続補正書】
【提出日】2021-08-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の撮像領域が撮像可能に固定され、前記撮像領域に位置する工具を撮像するカメラと、
工具を装着可能な工具保持部と、
加工プログラムにしたがって前記工具保持部を制御し、前記工具によりワークを加工する加工制御部と、を備え、
前記加工制御部は、前記工具の撮像に際して、前記工具を回転させたあとに前記工具を前記撮像領域に移動させ、かつ、
前記カメラと前記工具を相対移動させる際、撮像範囲において前記工具の先端が検出されたとき、前記工具の最初の部分画像を撮像し、前記工具の相対移動にともなって前記工具の複数の部分画像を撮像する、工作機械。
【請求項2】
所定の撮像領域が撮像可能に固定され、前記撮像領域に位置する工具を撮像するカメラと、
工具を装着可能な工具保持部と、
加工プログラムにしたがって前記工具保持部を制御し、前記工具によりワークを加工する加工制御部と、
前記カメラのレンズを覆う第1カバーと、を備え、
前記加工制御部は、前記工具の撮像に際して、工具が撮像される際に工具が位置する撮像位置とは異なる、工具の所定の待機位置に前記工具保持部を移動させ、前記待機位置において前記工具を所定の回転速度以上の速度により回転させたあと、前記工具を前記撮像領域に移動させ、更に、
前記工具の回転中においては前記撮像領域および前記待機位置の間のシャッタを閉鎖し、前記工具の回転終了後に前記シャッタを開放するカバー制御部を備え、
前記カバー制御部は、前記工具の回転終了後に前記シャッタが開放された後、前記第1カバーを開口させ、前記シャッタの開放後に、前記工具を前記撮像領域に移動させる、工作機械。
【請求項3】
所定の撮像領域が撮像可能に固定され、前記撮像領域に位置する工具を撮像するカメラと、
工具を装着可能な工具保持部と、
加工プログラムにしたがって前記工具保持部を制御し、前記工具によりワークを加工する加工制御部と、
前記工具の撮像画像から前記工具の外形位置を示す複数のエッジ点を検出し、前記複数のエッジ点に基づいて前記工具の外形を示す工具形状データを形成する工具確認部と、を備え、
前記加工制御部は、前記工具の撮像に際して、前記工具を回転させたあとに前記工具を前記撮像領域に移動させるとともに、前記工具を前記撮像領域に挿入したときに前記工具を回転させ、
前記工具確認部は、複数の回転角それぞれに対応して複数の撮像画像を取得し、前記複数の撮像画像それぞれからエッジ点を検出し、前記複数の回転角それぞれに対応して検出された複数のエッジ点に基づいて前記工具形状データを3次元の点群データとして形成する、工作機械。
【請求項4】
前記加工制御部は、前記工具の撮像に際して、工具が撮像される際に工具が位置する撮像位置とは異なる、工具の所定の待機位置に前記工具保持部を移動させ、前記待機位置において前記工具を所定の回転速度以上の速度により回転させたあと、前記工具を前記撮像領域に移動させる、請求項1または3に記載の工作機械。
【請求項5】
前記工具の回転中においては前記撮像領域および前記待機位置の間のシャッタを閉鎖し、前記工具の回転終了後に前記シャッタを開放するカバー制御部、を更に備え、
前記加工制御部は、前記シャッタの開放後に、前記工具を前記撮像領域に移動させる、請求項1または3に記載の工作機械。
【請求項6】
前記加工制御部は、前記加工プログラムにおいて所定の測定コマンドを実行するときに前記工具を前記撮像領域に移動させ、
前記加工プログラムにおいて、前記工具の撮像前における前記工具の回転運動を明示的に指示するコマンドが含まれない場合であっても、前記加工制御部は前記測定コマンドを実行するときには前記工具を回転させた上で前記工具を前記撮像領域に移動させる、請求項1から3のいずれかに記載の工作機械。
【請求項7】
前記工具の撮像画像から前記工具の外形位置を示す複数のエッジ点を検出し、前記複数のエッジ点に基づいて前記工具の外形を示す工具形状データを形成する工具確認部、を更に備える、請求項1または2に記載の工作機械。