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  • 特開-捏練圧延装置 図1
  • 特開-捏練圧延装置 図2
  • 特開-捏練圧延装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022117554
(43)【公開日】2022-08-12
(54)【発明の名称】捏練圧延装置
(51)【国際特許分類】
   A21C 1/14 20060101AFI20220804BHJP
   A21C 1/06 20060101ALI20220804BHJP
   A21C 3/02 20060101ALI20220804BHJP
【FI】
A21C1/14
A21C1/06 D
A21C3/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021014104
(22)【出願日】2021-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】592046851
【氏名又は名称】株式会社高垣製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100149836
【弁理士】
【氏名又は名称】森定 勇二
(72)【発明者】
【氏名】高垣 正雄
【テーマコード(参考)】
4B031
【Fターム(参考)】
4B031CA01
4B031CC06
4B031CC17
4B031CD02
(57)【要約】
【課題】グルテンをより多く含んだ麺帯などの帯状の生地を排出する捏練圧延装置を提供すること。
【解決手段】捏練圧延装置1は、多種多様な食品の生地を製造する装置で製造された所定量の既製造済み生地を収容する縮幅形状の容器10と、容器10の幅方向中央に配設し既製造済み生地を収容した際に当該生地を捏ね及び練る捏練機構20と、容器10の底部近傍に配設する排出機構30とを備える。捏練機構20は、中央に配設する支軸を中心に回転する3本の捏練ローラ21などを備える。排出機構30は、1対で2本の延伸ローラ31などを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
既製造済み生地を収容する容器(10)と、
前記容器の内部に配設し既製造済み生地を収容した際に当該生地を捏ね及び練る捏練機構(20)と、
前記容器と連通する所定の排出機構(30)と、を備える捏練圧延装置。
【請求項2】
前記排出機構として、少なくとも前記容器の底部に配列した複数の延伸ローラを備える請求項1の捏練圧延装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、既製造済み生地に対して、さらに捏ね及び練る工程を施しその後に、圧力を付与して延伸し、最終的に帯状に成形した生地を排出する捏練圧延装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、多種多様な食品の生地を製造する装置(以下、生地製造装置と呼ぶ。)は存在する(例えば、特許文献1)。
【0003】
前述した生地製造装置は、概ね容器に粉体と液体を混合した後に混ぜる(ミキシング)、練るあるいは捏ねる(ニーディング)のいずれかの作動を行うものであるが、いずれか1つの作動を行うか、それとも複数の作動を複合的に行うか及びその程度は様々であった。そのため、製造される生地の品質(含有するグルテン生成量など)においても様々であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3187256号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、生地製造装置は多種多様であるため、グルテン生成量の比較的少ない生地が製造される場合もあった。
【0006】
なお、グルテン生成量は、成形後の麺やパンの食感や味、加工性能、保存性能などに大きな影響を与えるものであると考える。
【0007】
そこで、本願発明では、グルテン生成量の比較的少ない既製造済み生地が製造された場合であっても、帯状の生地を排出する工程で、さらに、グルテンを増加させ得る捏練圧延装置を提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、既製造済み生地を収容する容器と、前記容器の内部に配設し既製造済み生地を収容した際に当該生地を捏ね及び練る捏練機構と、前記容器と連通する所定の排出機構と、を備える捏練圧延装置を提供する。
【0009】
上記の課題を解決するために、さらに、前記排出機構として、少なくとも前記容器の底部に配列した複数の延伸ローラを備える捏練圧延装置を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本願発明の捏練圧延装置は、既製造済み生地を収容する容器と、前記容器の内部に配設し既製造済み生地を収容した際に当該生地を捏ね及び練る捏練機構と、前記容器と連通する所定の排出機構と、を備えるため、供給する既製造済み生地よりもグルテン生成量を増幅させた帯状の生地を排出することが可能となる。
【0011】
本願発明の捏練圧延装置は、さらに、前記排出機構として、少なくとも前記容器の底部に配列した複数の延伸ローラを備えるため、前記排出機構を通過する生地に対して余分な圧力を抑制し、当該生地に余分な熱を生じさせず品質の劣化を抑制しながら帯状の生地の排出をスムーズにしている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は捏練圧延装置の全体構成を示す切断断面図である。
図2図2は各捏練ローラの凹凸形状及びその凹凸の相互配置を示す図である。
図3図3は捏練圧延装置に既製造済み生地を供給した際の作動を示す使用状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
グルテンを多く包含する麺類の麺帯を製造する(排出する)装置として実施する。
【0014】
まずは、捏練圧延装置の構成について、図1及び図2に従い説明する。
【0015】
捏練圧延装置(1)は、所定量の既製造済み生地を収容する縮幅形状の容器(10)と、前記容器の内部に配設し既製造済み生地を収容した際に当該生地を捏ね及び練る作動を担う捏練機構(20)と、前記容器と連通する所定の排出機構(30)と、を備える(図1)。
【0016】
前記容器(10)の最上部には、前記既製造済み生地を導入する供給口(11)を備える(図1)。
【0017】
前記捏練機構(20)の構成について、前記容器(10)内部の下方、かつ、幅方向中央に軸支され当該支軸を中心に回転する第1捏練ローラ(21)、第2捏練ローラ(22)及び第3捏練ローラ(23)と、前記第1捏練ローラ、第2捏練ローラ及び第3捏練ローラを駆動する動力源(図示せず)とで構成する(図1)。
【0018】
前記第1捏練ローラ(21)、第2捏練ローラ(22)及び第3捏練ローラ(23)の配設間隔について、支軸の軸周方向に対して120度間隔(等間隔)で配設している(図1)。
【0019】
前記第1捏練ローラ(21)、第2捏練ローラ(22)及び第3捏練ローラ(23)の表面凹凸に関して、隣接相互の凹凸面が対向するように配列している(図2)。
【0020】
前記の配列とすることにより、捏ね及び練りが生地全体に対して均一に生じ、生地全体のグルテンの生成量が増加するものと考える。
【0021】
前記排出機構(30)の構成について、前記容器の底部に配列する第1延伸ローラ(31)と、前記第1延伸ローラよりも上方位置で僅かな隙間を設けて配設する第2延伸ローラ(32)と、前記第1延伸ローラ及び第2延伸ローラを駆動する動力源(図示せず)と、で構成する(図1)。
【0022】
前記第1延伸ローラ(31)の配置及び径(大きさ)について、前記捏練機構(20)の直下に配置している。また、その径について、極力大きな径とする方が好ましい。これにより、前記容器(10)内の生地を残さずにすべて排出できる。
【0023】
前記第1延伸ローラ(31)と前記第2延伸ローラ(32)との関係について、前記容器(10)の底部に配設する第1延伸ローラと、前記第1延伸ローラよりも上方位置で僅かな隙間を設けて配設する前記第2延伸ローラ(32)とは、対になり、生地を延伸させて帯状の生地を排出する。
【0024】
前記第2延伸ローラ(32)の周速を第1延伸ローラ(31)よりも早くすることで、前記第1延伸ローラと前記第2延伸ローラとの隙間を通過する生地が、当該箇所でも生地が捏練されて、さらにグルテン生成量が増加し得るものと考える。
【0025】
次に、既製造済み生地を容器に収容した際の捏練圧延装置の作動について、図3に従い説明する。
【0026】
図示しない生地製造装置から排出される既製造済み生地(41)を、容器の供給口(11)へ導き継続的に供給する。
【0027】
なお、既製造済み生地(41)の導入量について、本実施例においては前記容器内に常時50キログラム程度が収容される状態を想定している。
【0028】
前記供給口を介して前記容器(10)内部へ供給された既製造済み生地(41)は、第1捏練ローラ、第2捏練ローラ及び第3捏練ローラの3本の捏練ローラを包含する捏練機構(20)によって、一定時間捏ね及び練られグルテン生成量を増加させる。
【0029】
その後、第1延伸ローラ(31)と第2延伸ローラ(32)との隙間を通じて帯状の生地(42)となり、当該装置の外部に排出されベルトコンベア等で搬送される。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本願発明の捏練圧延装置は、既製造済み生地よりもグルテン生成量を増加した帯状の生地を排出する優れた装置であるので、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0031】
1 捏練圧延装置
10 容器
11 供給口
20 捏練機構
21 第1捏練ローラ
22 第2捏練ローラ
23 第3捏練ローラ
30 排出機構
31 第1延伸ローラ
32 第2延伸ローラ
41 既製造済み生地
42 帯状の生地(麺帯)
図1
図2
図3