(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022117585
(43)【公開日】2022-08-12
(54)【発明の名称】電気機器情報処理システムおよび電気機器情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/06 20120101AFI20220804BHJP
G06V 30/14 20220101ALI20220804BHJP
G06V 30/412 20220101ALI20220804BHJP
G06V 30/26 20220101ALI20220804BHJP
【FI】
G06Q50/06
G06K9/20 340J
G06K9/20 340C
G06K9/72 A
G06K9/72 B
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021014160
(22)【出願日】2021-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】516140214
【氏名又は名称】booost technologies株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青井 宏憲
【テーマコード(参考)】
5B029
5B064
5L049
【Fターム(参考)】
5B029AA01
5B029BB02
5B029CC26
5B029CC27
5B029EE04
5B029EE05
5B064AA05
5B064AA07
5B064BA01
5B064CA07
5B064CA08
5B064EA08
5B064EA19
5L049CC06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】各ユーザに適した節電を促進するにあたって、ユーザが使用する電気機器に関する情報を簡単に取得する電気機器情報処理システムおよび電気機器情報処理方法を提供する。
【解決手段】電気機器情報処理システムは、ユーザが使用する電気機器3aに関する情報を、電気機器に貼付された型番シールの画像としてカメラ23により取得するユーザ端末2と、ユーザ端末2から型番シールの画像を受信するサーバ装置1と、を備える。サーバ装置1は、画像からコードまたは文字列を抽出する画像解析部132と、コードまたは文字列から電気機器3aを特定するための第1型番情報を特定する第1型番情報特定部133と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが使用する電気機器に関する情報を、当該情報が示された媒体の画像として取得するユーザ端末と、
前記ユーザ端末から前記画像を受信するサーバ装置と
を備え、
前記サーバ装置は、前記画像からコードまたは文字列を抽出する画像解析部と、前記コードまたは前記文字列から前記電気機器を特定するための第1特定情報を特定する特定部とを有する電気機器情報処理システム。
【請求項2】
請求項1記載の電気機器情報処理システムにおいて、
前記第1特定情報は、前記電気機器の型番を含む、電気機器情報処理システム。
【請求項3】
請求項1または2記載の電気機器情報処理システムにおいて、
前記第1特定情報は、前記電気機器の年式および消費電力のうち少なくとも1つを含む、電気機器情報処理システム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項記載の電気機器情報処理システムにおいて、
前記サーバ装置は、前記第1特定情報に対応付けられた、前記ユーザの節電を促進する節電関連情報を前記ユーザ端末に配信する配信部をさらに有する、電気機器情報処理システム。
【請求項5】
請求項4記載の電気機器情報処理システムにおいて、
前記サーバ装置は、
電気機器を特定するための情報である特定情報であって、前記第1特定情報を含む特定情報と、当該電気機器の消費電力関連情報とが対応付けて記憶される記憶部と、
前記特定部が特定した前記第1特定情報に対応する前記消費電力関連情報、および、前記記憶部に記憶された他の電気機器の特定情報に対応付けられた前記消費電力関連情報を前記記憶部から読み出し、読み出した前記消費電力関連情報に基づいて、前記ユーザが使用する前記電気機器の消費電力量および前記他の電気機器の消費電力量を特定または算出して比較する比較部と、
前記ユーザが使用する前記電気機器の前記消費電力量よりも低い消費電力量である前記他の電気機器に関する機器データを生成する機器データ生成部とをさらに有し、
前記配信部は、前記節電関連情報として前記機器データを前記ユーザ端末に配信する、電気機器情報処理システム。
【請求項6】
ユーザ端末が、ユーザが使用する電気機器に関する情報を、当該情報が示された媒体の画像として取得するステップと、
サーバ装置が、前記ユーザ端末から前記画像を受信するステップと、
前記サーバ装置が、前記画像からコードを含む文字列を抽出するステップと、
前記サーバ装置が、前記文字列から前記電気機器を特定するための第1特定情報を特定するステップとを備える、電気機器情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気機器情報処理システムおよび電気機器情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境対策の観点から、電気機器を使用するユーザに対して節電が求められている。また、各ユーザに適した節電を促進するために、各ユーザが使用する電気機器に応じた節電を促進する技術が開発されている。
【0003】
特許文献1には、住い手の利用している電気機器の機器情報から省エネルギー機器に交換した場合の予想電力量を算出し、住い手が所有する電気機器と比較表示することで、買い換えによる省エネルギー化を啓発することができる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術によれば、ユーザは、各電気機器に関する情報を取得するために、電気機器ごとに専用の機器アダプタを設置しなければならない(特許文献1の段落0032-0033、0035および0037等)。
【0006】
本発明は、各ユーザに適した節電を促進するにあたって、ユーザが使用する電気機器に関する情報を簡単に取得することができる電気機器情報処理システムおよび電気機器情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明の一実施形態に係る電気機器情報処理システムは、ユーザが使用する電気機器に関する情報を、当該情報が示された媒体の画像として取得するユーザ端末と、前記ユーザ端末から前記画像を受信するサーバ装置とを備え、前記サーバ装置は、前記画像からコードまたは文字列を抽出する画像解析部と、前記コードまたは前記文字列から前記電気機器を特定するための第1特定情報を特定する特定部とを有する。
【0008】
この発明の実施形態によると、ユーザ端末が、ユーザが使用する電気機器に関する情報が示された媒体の画像を取得し、サーバ装置が当該画像を受信する。当該サーバ装置の画像解析部は、画像からコードまたは文字列を抽出する。当該サーバ装置の特定部は、コードまたは文字列から第1特定情報を特定する。これにより、ユーザは、各電気機器に関する情報が示された媒体の画像をユーザ端末で取得すればよく、例えば専用の機器を電気機器ごとに設置する必要がない。また、第1特定情報は画像からサーバ装置によって特定されるため、ユーザは、各電気機器の第1特定情報の入力などの操作の手間を省くことができる。
【0009】
また、前記第1特定情報は、前記電気機器の型番を含む、としてもよい。
【0010】
この発明の実施形態によると、ユーザが使用する電気機器に関する情報が示された媒体の画像から、各電気機器を識別する型番が特定される。これにより、サーバ装置は、ユーザが使用する電気機器を一意に特定することができる。
【0011】
また、前記第1特定情報は、前記電気機器の年式および消費電力のうち少なくとも1つを含む、としてもよい。
【0012】
この発明の実施形態によると、ユーザが使用する電気機器に関する情報が示された媒体の画像から、各電気機器の年式および消費電力のうち少なくとも1つが特定される。これにより、サーバ装置は、各電気機器の年式および消費電力のうち少なくとも1つを前記画像から直接特定することができる。
【0013】
また、前記サーバ装置は、前記第1特定情報に対応付けられた、前記ユーザの節電を促進する節電関連情報を前記ユーザ端末に配信する配信部をさらに有する、としてもよい。
【0014】
この発明の実施形態によると、サーバ装置の配信部は、ユーザが使用する電気機器を特定する第1特定情報に対応付けられた節電関連情報をユーザ端末に配信する。これにより、ユーザが使用する電気機器に応じた節電を各ユーザに促進することができる。
【0015】
また、前記サーバ装置は、電気機器を特定するための情報である特定情報であって、前記第1特定情報を含む特定情報と、当該電気機器の消費電力関連情報とが対応付けて記憶される記憶部と、前記特定部が特定した前記第1特定情報に対応する前記消費電力関連情報、および、前記記憶部に記憶された他の電気機器の特定情報に対応付けられた前記消費電力関連情報を前記記憶部から読み出し、読み出した前記消費電力関連情報に基づいて、前記ユーザが使用する前記電気機器の消費電力量および前記他の電気機器の消費電力量を特定または算出して比較する比較部と、前記ユーザが使用する前記電気機器の前記消費電力量よりも低い消費電力量である前記他の電気機器に関する機器データを生成する機器データ生成部とをさらに有し、前記配信部は、前記節電関連情報として前記機器データを前記ユーザ端末に配信する、としてもよい。
【0016】
この発明の実施形態によると、サーバ装置の比較部が、記憶部から読み出した消費電力関連情報に基づいて、ユーザが使用する電気機器の消費電力量と、他の電気機器の消費電力量とを特定または算出して比較する。機器データ生成部は、ユーザが使用する電気機器の消費電力量よりも低い消費電力量の電気機器に関する機器データを生成する。そして、配信部は、ユーザ端末に節電関連情報として機器データを配信する。これにより、ユーザが使用する電気機器の消費電力量よりも低い消費電力量となる電気機器に関するデータがユーザ端末に配信されるため、ユーザによる電気機器間の比較の負担を軽減しつつ、節電効果の高い電気機器に関する情報をユーザに提供することができる。
【0017】
また、本発明の他の実施形態に係る電気機器情報処理方法は、ユーザ端末が、ユーザが使用する電気機器に関する情報を、当該情報が示された媒体の画像として取得するステップと、サーバ装置が、前記ユーザ端末から前記画像を受信するステップと、前記サーバ装置が、前記画像からコードを含む文字列を抽出するステップと、前記サーバ装置が、前記文字列から前記電気機器を特定するための第1特定情報を特定するステップとを備える。
【0018】
この発明の実施形態によると、ユーザ端末が、ユーザが使用する電気機器に関する情報が示された媒体の画像を取得し、サーバ装置が当該画像を受信する。当該サーバ装置は、前記画像から文字列を抽出し、前記文字列から第1特定情報を特定する。これにより、ユーザは、各電気機器に関する情報が示された媒体の画像をユーザ端末で取得すればよく、例えば専用の機器を電気機器ごとに設置する必要がない。また、第1特定情報は画像からサーバ装置によって特定されるため、ユーザは、各電気機器の第1特定情報の入力などの操作の手間を省くことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の実施形態によれば、各ユーザに適した節電を促進するにあたって、ユーザが使用する電気機器に関する情報を簡単に取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本実施形態に係る電気機器情報処理システムの構成の一例を示すブロック図。
【
図2】本実施形態に係る型番シールの一例を示す図。
【
図3】本実施形態に係る型番DBの一例を示す概念図。
【
図4】本実施形態に係る電気機器情報処理システムの動作の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0022】
図1に本実施形態に係る電気機器情報処理システムの構成の一例を示すブロック図を示す。本実施形態に係る電気機器情報処理システムは、サーバ装置1を備える。サーバ装置1は、通信ネットワークNを介して、ユーザ端末2と通信可能に構成されている。
【0023】
ユーザ端末2は、スマートフォンなどの通信機器であり、節電促進の対象であるユーザによって操作される端末である。ユーザ端末2は、例えば、無線通信などにより、通信ネットワークNと接続されている。
【0024】
ユーザ端末2は、例えば、ディスプレイなどの表示部21と、タッチパネルなど、ユーザからの操作入力を受け付ける操作部22と、外部を撮影可能なカメラ23とを備える。
【0025】
ここで、ユーザは、本電気機器情報処理システムを利用する場合、ユーザ端末2を操作して、カメラ23により、テレビ、冷蔵庫、エアコン、洗濯機および電子レンジなど、ユーザが使用する電気機器3に関する情報が示された媒体(例えば電気機器3に貼付された型番シールS(
図2参照)、当該情報が印字された電気機器3の表面、および当該情報が記載された付属の取扱説明書等)を撮影する。なお、以下の説明において、ユーザが撮影した媒体に関する電気機器3を電気機器3aといい、当該媒体が型番シールSである例について説明する。
【0026】
図2に示すように、型番シールSには、電気機器3aの製造会社名S1(製造元)、電気機器の分類S2(例えば、テレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機および電子レンジなど)、型番S3、定格消費電力S4、年式S5、定格電圧、年間消費電力量、サイズなどが記載されている。例えば、型番シールSは電気機器3(3a)の裏面や背面などに貼付されている。
【0027】
ユーザ端末2は、カメラ23により撮影された型番シールSの画像を、通信ネットワークNを介して、サーバ装置1に送信する。
【0028】
(サーバ装置1の構成)
サーバ装置1は、通信部11、記憶部12および制御部13を備える。
【0029】
通信部11は、例えば、電気回路などで構成され、通信ネットワークNを介して、ユーザ端末2と通信を行う。
【0030】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)およびSSD(Solid State Drive)等によって構成される記憶媒体である。記憶部12には、制御部13によって実行される各種プログラムが記憶されている。
【0031】
また、記憶部12には、各種のデータベース(DB)が構成されている。具体的に、記憶部12には、電気機器の型番と、電気機器に記載され、または電気機器の消費電力関連情報により算出される消費電力量との関係を示す型番DBが格納されている。
【0032】
図3は本実施形態に係る型番DBの一例を示す概念図である。
図3に示すように、電気機器の型番を示す型番情報に、それぞれ、電気機器の製造会社名(販売元、製造元等)、電気機器の分類、電気機器の消費電力量を示すデータが関連付けられている。なお、型番DBでは、電気機器の機能に応じて、例えば、テレビ、冷蔵庫、エアコン、洗濯機および電子レンジなど、電気機器の分類が行われている。
【0033】
制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)および半導体メモリ等を含むマイクロコンピュータで構成される。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムなどを実行することにより、サーバ装置1の各部を制御する。
【0034】
また、制御部13は、画像補正部131、画像解析部132、第1型番情報特定部133、消費電力量比較部134、機器データ生成部135および配信部136を備える。
【0035】
画像補正部131は、サーバ装置1(通信部11)が受信した、型番シールSの画像の補正を行う。具体的には、画像補正部131は、ピンボケした画像に対して超解像技術により解像度を高める加工処理を行ってよい。また、画像補正部131は、型番シールSが傾いた状態で撮影された画像に対し、アフィン変換を行うことで画像の回転等の処理を行ってよい。また、画像補正部131は、色のコントラストが低い画像に対し、コントラスト強調処理を行ってよい。また、画像補正部131は、読取対象が表形式で記載されている対象に対し、表形式の記載の有無の判定および表形式の記載がある場合には表の罫線を削除する処理を行ってよい。これらの処理により、画像の誤った解析を防ぐことができる。また、画像補正部131は、当該画像に含まれる型番シールSの向き(横向き、縦向き)などを判定し当該画像に含まれる型番シールSのレイアウトと、各製造会社(製造元)の型番シールSのレイアウトとを比較して、いずれの製造会社の型番シールSであるかを特定してもよい。画像補正部131は、両型番シールSに含まれる所定の文字列や模様、ロゴなどを比較することにより、当該画像に含まれる型番シールSの向きを判定してよい。また、画像補正部131は、AI(Artificial Intelligence)などを利用して、型番シールSの向きなどを判定してもよい。画像補正部131は、型番シールSの向きに関する判定結果に基づき、画像解析部132が文字列を抽出できるように、当該画像の位置(向き)を補正してよい。
【0036】
なお、画像補正部131は、当該画像における読取対象部分の折れ曲がりやシワなどを検出して、画像解析部132が文字列を抽出できるように(型番シールSの折れ曲がりやシワを伸ばすように)、当該画像の補正を行ってもよい。この補正は、AIなどを利用して実現することができる。
【0037】
画像解析部132は、適宜補正された型番シールSの画像から、型番シールSに記載された文字列を検出する。具体的に、例えば画像解析部132は、OCR(Optical character recognition)などの文字読取技術によって、型番シールSの画像から型番シールSに記載された文字列の領域をバウンディングボックス(以下「BB」)としてそれぞれ検出し、各BB内の文字列を認識し、各BBを整形し、および各BB内の文字列が示す情報に応じた各BBの属性を割り当ててよい。このうち、BBの検出および各BB内の文字列の認識は、深層学習を用いたアルゴリズムを用いて行ってよい。また、各BBの整形および各BB内の文字列が示す情報に応じた各BBの属性の割り当ては、深層学習を用いたアルゴリズムを用いて行ってもよいが、予め設計した規則に基づくルールベースの検出ロジックを用いて行ってもよい。この場合、深層学習を用いたアルゴリズムを用いるための訓練用データ作成のコストを削減できる。ここで、ルールベースの検出ロジックは、例えば型番を示す文字列の検出および認識においては型番に用いられる文字列の種類(英数字およびハイフン、スラッシュ、括弧等の記号)に応じたBBの結合または分割処理および属性の割り当てを含んでよい。同様に、製造会社名を示す文字列の検出および認識においては製造会社名を示す文字列(「株式会社」等)、年式を示す文字列の検出および認識においては年式を示す文字列(「年式」等)、および消費電力を示す文字列の検出および認識においては消費電力を示す文字列(「定格消費電力」等)に応じて、各BBの範囲の調整および属性の割り当てを行ってよい。
【0038】
第1型番情報特定部133は、画像解析部132が抽出した文字列および当該文字列を含むBBに割り当てられた属性等から電気機器3aに関する各種データを特定する。具体的に、第1型番情報特定部133は、当該文字列および属性から、電気機器3aの製造会社名S1、分類S2、型番S3、消費電力S4、年式S5等を示す第1型番情報を第1特定情報として特定してよい。ここで、第1型番情報特定部133は、各属性に応じて、例えば製造会社名S1、分類S2、型番S3、消費電力量S4、年式S5等について予め作成され記憶部に記憶されたリストと当該抽出された文字列とを照合し、リストに記載された情報と完全一致するものを第1型番情報として特定してよい。また、当該照合において部分一致であっても、例えばレーベンシュタイン距離が1等の部分一致であれば当該文字列から第1型番情報を特定してよい。このとき、第1型番情報に信頼性に応じて、信頼性の高低等を表示する信頼性情報がさらに第1型番情報に対応付けられてよく、信頼性が低い場合、さらに当該文字列を利用しない、または人による直接確認を行う等の処理を追加してよい。また、第1型番情報特定部133は、当該画像において、各製造会社の型番シールSのレイアウトとの比較結果に基づいて、所定領域(
図2では図面中央上部)に配置された型番S3を示す文字列を、第1型番情報として特定してもよい。また、第1型番情報特定部133は、所定の文字列(「型番」や「電気機器の分類」などを示す文字列など)の直後の文字列を第1型番情報として検出してもよい。また、第1型番情報特定部133は、製造元S1や電気機器の分類S2を示す文字列の配置を基準として、第1型番情報を検出してもよい。
【0039】
消費電力量比較部134は、記憶部12の型番DBを参照して、消費電力量の比較を行う。具体的には、消費電力量比較部134は、型番DBから、第1型番情報に対応付けられた年間消費電力量などの消費電力量を示すデータを読み出して特定してよく、または、当該第1型番情報に対応付けられた製造会社名、年式、消費電力、および当該電気機器の年間標準使用時間などの消費電力関連情報(
図3において不図示)から消費電力量を算出してよい。また、消費電力量比較部134は、型番DBから、第1型番情報と同じ分類の電気機器3の型番情報に対応付けられた消費電力量を示すデータの特定または算出を行ってよい。そして、消費電力量比較部134は、これらの消費電力量を比較して、第1型番情報と同じ分類S2の電気機器3の型番情報のうち、第1型番情報に対応付けられた消費電力量よりも低い消費電力量に対応付けられた型番情報を、第2型番情報として検出する。なお、消費電力量による比較が困難な場合、例えば第1型番情報に対応付けられた年式および消費電力と、予めウェブスクレイピング等により収集して記憶部に記憶された当該ユーザが使用する電気機器と同じまたは類似する分類の他の電気機器の年式および消費電力とを比較し、年式が新しく、かつ消費電量が同等以下の他の電気機器については、当該他の電気機器の消費電力量が当該電気機器の消費電力量よりも低いものとしてそれぞれの消費電力量を推定(特定)してもよい。
【0040】
例えば、
図3では、消費電力量比較部134は、第1型番情報が「c01-T」である場合、型番DBから、第1型番情報に対応付けられた消費電力量を示すデータ「100kWh」を検出する。また、消費電力量比較部134は、第1型番情報に対応する電気機器3の分類「テレビ」と同じ分類の電気機器3の型番情報「p01-T」、「s01-T」に対応付けられた消費電力量を示すデータ「70kWh」、「50kWh」を検出する。そして、消費電力量比較部134は、「100kWh」よりも「70kWh」、「50kWh」が低いため、型番情報「p01-T」、「s01-T」を第2型番情報として検出する。
【0041】
機器データ生成部135は、消費電力量比較部134に第2型番情報として検出された電気機器3を示す機器データを生成する。この機器データには、例えば、第2型番情報に対応する電気機器3の製造会社名や仕様などを示すデータが含まれてよい。例えば、電気機器3が冷蔵庫である場合、機器データには、当該冷蔵庫の製造元、価格、性能(例えば、霜取り機能、自動製氷機能、容量、両開き、左開きなど)、外観(ホワイト、グレーなどの色彩)、年式、定格消費電力、年間消費電力量などが含まれる。
【0042】
配信部136は、第1型番情報に基づいて、ユーザの節電を促進する節電関連情報をユーザ端末2に配信する。具体的には、配信部136は、節電関連情報として、機器データ生成部135が生成した機器データをユーザ端末2に配信(送信)してよい。また、配信部136は、第1型番情報として特定された年式が予め定められた年式よりも新しい電気機器については、当該機器データを配信せず、例えば当該電気機器の使用時間を減らす方法に関する情報を、節電関連情報としてユーザ端末2に配信してもよい。また、配信部136は、予め調査により分析された、または機械学習等により学習された、家電機器の年式を含む仕様とユーザの家電機器の買い替え意欲との関係またはモデルに基づいて、機器データなどの節電関連情報を配信してもよい。また、節電関連情報は、ユーザの節電を促進するインセンティブ(例えばポイント付与、関連サービス料金の一定期間の割引等)を含んでよい。ユーザ端末2は、受信した節電関連情報を表示部21に表示する。
【0043】
(電気機器情報処理システムの動作について)
図4は本実施形態に係る電気機器情報処理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【0044】
ユーザ端末2のカメラ23は、操作部22に対するユーザの操作に応じて、電気機器3の型番シールSの撮影を行う。ユーザ端末2は、撮影した型番シールSの画像を、サーバ装置1に送信する(ステップS1)。
【0045】
サーバ装置1の画像補正部131は、型番シールSの画像を受信すると(ステップS2)、当該画像の補正を行う(ステップS3)。
【0046】
サーバ装置1の画像解析部132は、例えば、OCRなどにより、型番シールSの画像から文字列を抽出する(ステップS4)。
【0047】
サーバ装置1の第1型番情報特定部133は、画像解析部132が抽出した文字列等から電気機器3を示す第1型番情報を検出する(ステップS5)。例えば、第1型番情報特定部133は、当該画像において、所定領域に配置された型番S3を示す文字列を、第1型番情報として検出する。
【0048】
サーバ装置1の消費電力量比較部134は、記憶部12の型番DBのデータを参照して、消費電力量を比較する(ステップS6)。具体的には、消費電力量比較部134は、型番DBから、第1型番情報に対応付けられた、消費電力量を示すデータを読み出す。また、消費電力量比較部134は、型番DBから、第1型番情報と同じ分類の電気機器3の型番情報に対応付けられた消費電力量を示すデータを読み出す。そして、消費電力量比較部134は、両消費電力量を比較する。
【0049】
サーバ装置1の機器データ生成部135は、消費電力量比較部134の比較結果に応じて、第2型番情報を特定する(ステップS7)。機器データ生成部135は、第1型番情報と同じ分類S2の電気機器3の型番情報のうち、第1型番情報に対応付けられた消費電力量よりも低い消費電力量と対応付けられた型番情報を、第2型番情報として検出する。
【0050】
サーバ装置1の機器データ生成部135は、第2型番情報として検出した電気機器3を示す機器データを生成する(ステップS8)。この機器データには、例えば、第2型番情報に対応する電気機器3の製造元や仕様などを示すデータが含まれる。
【0051】
サーバ装置1の配信部136は、機器データ生成部135が生成した機器データ(節電関連情報)をユーザ端末2に送信する(ステップS9)。
【0052】
ユーザ端末2は、サーバ装置1から機器データを受信すると(ステップS10)、受信した機器データを表示部21に表示する(ステップS11)。すなわち、表示部21に、電気機器3aよりも電力消費量が低い電気機器3に関する情報が表示される。
【0053】
以上の構成により、本実施形態に係る電気機器情報処理システムは、ユーザが使用する電気機器3aに関する情報を、型番シールS(当該情報が示された媒体)の画像として取得するユーザ端末2と、ユーザ端末2から型番シールSの画像を受信するサーバ装置2とを備える。サーバ装置1は、前記画像からコードまたは文字列を抽出する画像解析部132と、コードまたは文字列から電気機器3aを特定するための第1型番情報(第1特定情報)を特定する第1型番情報特定部133(特定部)とを有する。
【0054】
この構成では、ユーザ端末2が、ユーザが使用する電気機器3aに関する情報が記載された型番シールSの画像を取得し、サーバ装置1が当該画像を受信する。サーバ装置1の画像解析部132は、画像からコードまたは文字列を抽出する。サーバ装置1の第1型番情報特定部133は、コードまたは文字列から第1型番情報を特定する。これにより、ユーザは型番シールSの画像をユーザ端末で取得すればよく、例えば専用の機器を電気機器ごとに設置する必要がない。また、第1型番情報は画像からサーバ装置によって特定されるため、ユーザは、各電気機器3の型番情報の入力などの操作の手間を省くことができる。
【0055】
また、第1特定情報は、電気機器3(3a)の型番を含む。
【0056】
この構成では、ユーザが使用する電気機器3aに関する情報が記載された型番シールSの画像から、電気機器3aの第1型番情報が特定される。これにより、サーバ装置1は、ユーザが使用する電気機器3aを一意に特定することができる。
【0057】
また、第1特定情報は、電気機器3aの年式および消費電力のうち少なくとも1つを含む。
【0058】
この構成では、ユーザが使用する電気機器3aに関する情報が記載された型番シールSの画像から、電気機器3aの年式および消費電力のうち少なくとも1つが特定される。これにより、サーバ装置1は、各電気機器の年式および消費電力のうち少なくとも1つを前記画像から直接特定することができる。
【0059】
また、サーバ装置1は、第1型番情報に対応付けられた、ユーザの節電を促進する節電関連情報をユーザ端末2に配信する配信部136をさらに有する。
【0060】
この構成によると、サーバ装置1の配信部136は、ユーザが使用する電気機器3aを特定する第1型番情報に対応づけられた節電関連情報をユーザ端末に配信する。これにより、ユーザが使用する電気機器に応じた節電を各ユーザに促進することができる。
【0061】
また、サーバ装置1は、電気機器3を特定するための情報である特定情報であって、第1型番情報を含む型番情報(特定情報)と、当該電気機器3の消費電力関連情報とが対応付けて記憶される記憶部12と、第1型番情報特定部133が特定した第1型番情報に対応する消費電力関連情報、および、記憶部12に記憶された他の電気機器3の型番情報に対応付けられた消費電力関連情報を記憶部12から読み出し、読み出した消費電力関連情報に基づいて、ユーザが使用する電気機器3aの消費電力量および他の電気機器3の消費電力量を特定または算出して比較する消費電力量比較部134(比較部)と、ユーザが使用する電気機器3aの消費電力量よりも低い消費電力量である他の電気機器3に関する機器データを生成する機器データ生成部135とをさらに有する。配信部136は、節電関連情報として機器データをユーザ端末1に配信する。
【0062】
この構成では、サーバ装置1の消費電力量比較部134が、記憶部12から読み出した消費電力関連情報に基づいて、ユーザが使用する電気機器3aの消費電力量と、他の電気機器3の消費電力量とを特定または算出して比較する。機器データ生成部135は、ユーザが使用する電気機器3aの消費電力量よりも低い消費電力量の電気機器3に関する機器データを生成する。そして、配信部136は、ユーザ端末に節電関連情報として機器データを配信する。これにより、ユーザが使用する電気機器3aの消費電力量よりも低い消費電力量となる電気機器3に関するデータがユーザ端末2に配信されるため、ユーザによる電気機器3間の比較の負担を軽減しつつ、節電効果の高い電気機器3に関する情報をユーザに提供することができる。
【0063】
(その他の実施形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施形態について説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用可能である。
【0064】
なお、上記実施形態では、ユーザ端末2は、第1型番情報に関する情報として、電気機器3の型番が記載された型番シールSの画像の入力(撮影)を受け付けるが、第1型番情報に関する情報の取得方法は、これに限られない。例えば、ユーザ端末2は、ユーザから、電気機器3に関する情報の一部の入力を直接受け付けてもよいし、電気機器3に貼付されたバーコードやQRコード(登録商標)などの二次元コードにより、第1型番情報を特定してもよい。
【0065】
また、第1型番情報特定部133は、電気機器3aの製造元または仕様を示す情報である第1特徴情報に基づいて、第1型番情報を推定してもよい。この場合、記憶部12の型番DBには、電気機器3の型番を示す情報である型番情報と、当該電気機器3の製造元または仕様を示す特徴情報とが対応付けて記憶される。また、ユーザ端末2は、ユーザから、電気機器3aの第1特徴情報の入力を受け付ける。例えば、電気機器3aが冷蔵庫である場合、ユーザ端末2は、ユーザから、電気機器3aの製造元(製造会社名)や、容量(100L,200Lなど)、外観(左開き、右開き、青色、赤色など)などの仕様の入力を受ける。そして、第1型番情報特定部133は、記憶部12の型番DBから、電気機器3aの製造元または仕様を示す特徴情報である第1特徴情報に基づいて、第1型番情報を推定する。これにより、ユーザが、ユーザ端末に、電気機器3aの製造元または仕様のいずれか一方を入力する(取得させる)ことで、型番が不明であったり、型番シールSが撮影しにくい場所(例えば、電気機器3の裏面など)に貼付されていても型番情報を推定することができる。
【0066】
また、本実施形態に係る電気機器情報処理システムを、電気機器の販売を受け付ける販売システムと連携させてもよい。例えば、ユーザ端末2は、ステップS11の後に、ユーザから、機器データに含まれる電気機器3を購入する旨の指示を受け付ける。サーバ装置1は、ユーザ端末2が受け付けた購入する旨の指示に応じて、販売システムに、電気機器3の購入を申し込んでもよい。これにより、ユーザの電気機器3の購入手続を簡略にすることができる。
【0067】
また、上記実施形態では、電気機器3aを特定するための情報(特定情報)として型番情報を用いたが、これに限られない。例えば、特定情報には、電気機器3の品番や製品名、機種名、型名、型式、モデル名、愛称など、電気機器3を識別する情報を用いることができる。
【0068】
また、上記実施形態では、消費電力量比較部134は、型番DBから、電気機器3aと同じ分類の電気機器3の型番情報に対応付けられた消費電力量と、第1型番情報の消費電力量とを比較するとしたが、これに限られない。例えば、電気機器3aの分類がテレビである場合、電気機器3aの消費電力量と、ディスプレイなどの表示装置に分類されている電気機器3の消費電力量とを比較してもよい。すなわち、消費電力量比較部134は、電気機器3aの消費電力量と、電気機器3aと類似の機能を有する電気機器3との消費電力量とを比較してもよい。
【0069】
また、本実施形態に係る電気機器情報処理システムを、クレジットカード決済システムや口座振替システムなどと連携させてもよい。この場合、例えば、ユーザ端末2によって、ユーザのクレジットカードの番号や口座番号などの決済情報を受け付けて、クレジットカード決済システムや口座振替システムに決済情報の登録をおこなってもよい。これにより、本電気機器情報処理システムによって、ユーザの決済情報の管理を行うことができる。
【0070】
また、本実施形態に係る電気機器情報処理システムのサーバ装置1に、クレジットカードを撮影した画像から、クレジットカードに関する情報を検出できる機能を備えてもよい。例えば、サーバ装置1を、ユーザ端末2を含むユーザの通信端末(携帯電話やPCなど)と、クレジットカードの決済システムとに通信可能に構成する。サーバ装置1は、ユーザの通信端末から、ユーザのクレジットカードの画像を受信し、受信した当該画像から、例えば、OCRなどの文字読取技術により、ユーザのクレジットカードの番号などの情報を読み取り、クレジットカードの決済システムに当該情報を通知してもよい。これにより、決済情報の入力を行う手間を省くことができる。
【0071】
また、サーバ装置1は、複数の装置であってもよいし、1台であってもよい。サーバ装置1の各機能に対して1つのサーバ装置が設けられてもよい。また、サーバ装置1の各機能を複数の装置が共同して実現してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本実施形態に係る電気機器情報処理システムまたは方法は、各ユーザに適した節電を促進するにあたって、ユーザが使用する電気機器に関する情報を簡単に取得することができる。
【符号の説明】
【0073】
1 サーバ装置
12 記憶部
13 制御部
131 画像補正部
132 画像解析部
133 第1型番情報特定部(特定部)
134 消費電力量比較部(比較部)
135 機器データ生成部
136 配信部
2 ユーザ端末
21 表示部
22 操作部
23 カメラ
3 電気機器
S 型番シール