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  • 特開-太陽光発電装置 図1
  • 特開-太陽光発電装置 図2
  • 特開-太陽光発電装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022117617
(43)【公開日】2022-08-12
(54)【発明の名称】太陽光発電装置
(51)【国際特許分類】
   H02S 30/00 20140101AFI20220804BHJP
   H01L 51/44 20060101ALI20220804BHJP
【FI】
H02S30/00
H01L31/04 112Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021014212
(22)【出願日】2021-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】519319923
【氏名又は名称】株式会社深松組
(74)【代理人】
【識別番号】100088096
【弁理士】
【氏名又は名称】福森 久夫
(72)【発明者】
【氏名】深松 努
【テーマコード(参考)】
5F151
【Fターム(参考)】
5F151AA11
5F151BA18
5F151JA03
5F151JA04
5F151JA05
5F151JA09
5F151JA13
5F151JA27
(57)【要約】      (修正有)
【課題】既存の太陽電池構造を廃棄することなくそのまま利用することが可能な太陽光発電装置を提供する。発電効率を低下させることなく太陽モジュールの劣化を防止することができる太陽光発電装置を提供する。
【解決手段】列を成して並ぶ複数の無機半導体からなる太陽電池セル1と、太陽電池セル1を封止する透明樹脂からなる封止層2と、封止層2の受光面側に積層された透光性基板3と、封止層2の裏面側に積層されたバックシート4と、これらの周辺を囲むフレーム5と、から構成される太陽電池モジュール7が複数配列して架台に載架され、太陽電池モジュール7上にフィルム状又はシート状の有機太陽電池が搭載されてなる太陽光発電装置。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
列を成して並ぶ複数の無機半導体からなる太陽電池セルと、前記太陽電池セルを封止する透明樹脂からなる封止層と、前記封止層の受光面側に積層された透光性基板と、前記封止層の裏面側に積層されたバックシートと、これらの周辺を囲むフレームと、から構成される太陽電池モジュールが複数配列して架台に載架され、
一又は二以上の前記太陽電池モジュール上にフィルム状又はシート状の有機太陽電池が搭載されてなる太陽光発電装置。
【請求項2】
前記有機太陽電池は透明である請求項1記載の太陽光装置。
【請求項3】
前記太陽電池モジュールはその発電能力が喪失又は低下した太陽電池モジュールである請求項1又は2記載の太陽光発電装置。
【請求項4】
前記フィルム状の有機太陽電池はペロブスカイト型太陽電池である請求項1ないし3のいずれか1項記載の太陽光発電装置。
【請求項5】
前記有機太陽電池の吸収波長と、前記太陽電池モジュールの吸収波長とは異なる請求項2ないし4のいずれか1項記載の太陽光発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽光発電装置として、列を成して並ぶ複数の無機半導体からなる太陽電池セルと、前記太陽電池セルを封止する透明樹脂からなる樹脂封止層と、前記樹脂封止層の受光面側に積層された透光性基板と、前記樹脂封止層の裏面側に積層されたバックシートと、これらの周辺を囲むフレームと、前記バックシートに設けられた引出し電極とからなる太陽電池モジュールを複数配列してなる太陽電池アレイと、前記太陽電池アレイを載架する架台と、からなる構造が一般的に知られている。
【0003】
また、有機太陽電池として、ペロブスカイト型の太陽電池が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-009950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記した従来の無機半導体太陽光発電装置においては、太陽電池セルあるいは太陽電池モジュールは、その耐用年数の経過、あるいは故障などによる機能の劣化ないし低下により産業廃棄物として廃棄せざるを得なくなってしまう。
【0006】
また、無機半導体太陽電池は劣化しやすいという問題点があるが、劣化を防止するため保護シートを設けると発電効率の低下を招いてしまう。
本発明は、既存の太陽電池構造を廃棄することなくそのまま利用することが可能な太陽光発電装置を提供することを目的とする。また、発電効率を低下させることなく太陽電池モジュールを保護し寿命を長くすることができる太陽光発電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、列を成して並ぶ複数の無機半導体からなる太陽電池セルと、前記太陽電池セルを封止する透明樹脂からなる封止層と、前記封止層の受光面側に積層された透光性基板と、前記封止層の裏面側に積層されたバックシートと、これらの周辺を囲むフレームと、から構成される太陽電池モジュールが複数配列して架台に載架され、
一又は二以上の前記太陽電池モジュール上にフィルム状又はシート状の有機太陽電池が搭載されてなる太陽光発電装置である。
前記有機太陽電池は透明であることが好ましい。
前記太陽電池モジュールはその発電能力が喪失又は低下した太陽電池モジュールであることが好ましい。
前記フィルム状の有機太陽電池はペロブスカイト型太陽電池であることが好ましい。
前記有機太陽電池の吸収波長と、前記太陽電池モジュールの吸収波長とは異なることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明よれば、既存設備の廃棄処理を行うことなく有効利用を図ることにより発電を行うことが可能なる。
発電効率を低下させることなく太陽電池モジュールを保護することができ、太陽電池モジュールの寿命を長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態を示す太陽光発電装置示す側面概念図ある。
図2】太陽電池モジュールの側面断面図である。
図3】ペロブスカイト型太陽電池の層構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1図2に本発明を実施するための形態を示す。
【0011】
本形態の太陽光発電装置では、列を成して並ぶ複数の無機半導体からなる太陽電池セル1と、太陽電池セル1を封止する透明樹脂からなる封止層2と、封止層2の受光面側に積層された透光性基板3と、封止層2の裏面側に積層されたバックシート4と、これらの周辺を囲むフレーム5と、から構成される太陽電池モジュール7が複数配列して架台9に載架され、
一又は二以上の太陽電池モジュール7上にフィルム状又はシート状の有機太陽電池8が搭載されてなる。
太陽電池モジュール7と有機太陽電池8とは工程具11により固定されている。
セルは、太陽電池の基本単位となる半導体素子であり、太陽光発電パネルにおいて格子状に見える一単位である。
単結晶、多結晶、薄膜系(アモルファス)などの種類があり、それぞれに効率・特性が異なる。
【0012】
モジュールは、必要数のセルを集めてつなぎ、屋外で使用できるように、強化ガラス、樹脂、フィルムなどで覆った後にアルミなどのフレームで強化、固定し板状に作られたものである。つまり、太陽光発電はセル単体では大きな発電量にならない他、セル単体では強度が保てないため、必要数のセルを集めてつなぎ、ガラスや樹脂、フレームで保護して板状に作られ、これがモジュールであり、一般的には「太陽光パネル」とか「太陽電池パネル」ともいわれる。
【0013】
太陽光発電装置は、屋根、平地などに設置する場合、架台にモジュール化したパネルを取り付けたものである。すなわち、モジュール(パネル)を複数枚、直列あるいは並列に結線し架台等に設置したもの。複数の太陽電池モジュールを機械的、電気的に架台に取り付けた太陽電池群のことであり、アレイとも言われる。
【0014】
太陽電池モジュールは、図2に示す通り、列を成して並ぶ複数の無機半導体からなる太陽電池セル1と、太陽電池セル1を封止する透明樹脂からなる封止層2と、封止層2の受光面側に積層された透光性基板3と、封止層2の裏面側に積層されたバックシート4と、これらの周辺を囲むフレーム5と、から構成される。太陽電池モジュールが複数配列して架台に載架され、
なお、6はシール剤であり、10は太陽電池モジュールと外部系統とを接続するための端子箱である。
【0015】
ペロブスカイト型太陽電池は、例えば、図3に示すように、基板21、表面透明電極22、電子輸送層23、ペロブスカイト活性層24、正孔輸送層25、裏面電極26なる層構成をとる。
ペロブスカイト型太陽電池は、フィルム状あるいはシート状とすることが好ましい。太陽電池モジュール7の透光性基板3表面に塗布して形成してもよい。
【0016】
有機太陽電池8は透明であることが好ましい。複数の太陽電池モジュールを1枚の有機太陽電池で覆ってもよいし、複数の太陽電池モジュールの内の一部のみを太陽電池モジュールで覆ってもよい。これにより太陽電池モジュールの劣化を防止することができる。その際、太陽電池モジュールによる発電効率の低下は生じない。
太陽電池モジュール7はその発電能力が喪失又は低下した太陽電池モジュールである場合であっても撤去することなくそのまま使用することができる。すなわち、棄損した太陽電池モジュール自体が架台となりわざわざ廃棄する必要がなくなる。
【0017】
フィルム状の有機太陽電池8としては変換効率が高くまた軽量であるペロブスカイト型太陽電池が好ましい。
ペロブスカイト型太陽電池の吸収波長と、前記太陽電池モジュールの吸収波長とは異なる場合には、ペロブスカイト型太陽電池において吸収されなかった光は、ペロブスカイト型太陽電池を透過し、太陽電池モジュール7において吸収され太陽電池モジュール7において発電に寄与する。太陽電池モジュール7において吸収されない光であっても太陽電池モジュール7に到達、透過する前にペロブスカイト型太陽電池8において吸収され発電に寄与する。このように光の吸収が無駄無く行われるため発電効率が高くなる。そのためにフィルム状有機太陽電池8は全体が光透過性の材料から構成することが好ましい。
【符号の説明】
【0018】
1 太陽電池セル
2 封止層
3 透光性基板
4 バックシート
5 フレーム
6 シール剤
7 太陽電池モジュール
8フィルム状の有機太陽電池
9 架台
10 端子箱
11a,11b 固定具
21 基板
22 表面透明電極
23 電子輸送層
24 ペレブスカイト活性層
25 正孔輸送層
26 裏面電極
図1
図2
図3