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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022117659
(43)【公開日】2022-08-12
(54)【発明の名称】健康飲料
(51)【国際特許分類】
   A23L 2/52 20060101AFI20220804BHJP
【FI】
A23L2/00 F
A23L2/52
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021014275
(22)【出願日】2021-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】512083883
【氏名又は名称】株式会社ホットアルバム炭酸泉タブレット
(71)【出願人】
【識別番号】521047476
【氏名又は名称】株式会社ケイ素セキュリティ・ジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100114672
【弁理士】
【氏名又は名称】宮本 恵司
(72)【発明者】
【氏名】廣見 勉
(72)【発明者】
【氏名】小星 重治
【テーマコード(参考)】
4B117
【Fターム(参考)】
4B117LC04
4B117LK01
4B117LK04
4B117LK08
4B117LL09
(57)【要約】
【課題】ケイ酸を効率的に体内に取り込むことができる健康飲料の提供。
【解決手段】健康飲料に、有機酸としてのクエン酸と重炭酸塩としての炭酸水素ナトリウムと水溶性ケイ酸とを含有する。好ましくは、有機酸としてのクエン酸及び重炭酸塩としての炭酸水素ナトリウムが溶解された溶解水に、水溶性ケイ酸を混合し、必要に応じて、炭酸ガスを圧入して健康飲料を製造する。若しくは、水溶性ケイ酸を含有する改質水に、有機酸としてのクエン酸及び重炭酸塩としての炭酸水素ナトリウムを溶解し、必要に応じて、炭酸ガスを圧入して健康飲料を製造する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機酸としてのクエン酸と、重炭酸塩としての炭酸水素ナトリウムと、水溶性ケイ酸と、を含有する健康飲料。
【請求項2】
前記健康飲料は、前記クエン酸と前記炭酸水素ナトリウムとが溶解された溶解水に、前記水溶性ケイ酸が混合され、炭酸ガスが圧入されたものである、
ことを特徴とする請求項1に記載の健康飲料。
【請求項3】
前記健康飲料は、前記水溶性ケイ酸を含有する改質水に、前記クエン酸と前記炭酸水素ナトリウムとが溶解され、炭酸ガスが圧入されたものである、
ことを特徴とする請求項1に記載の健康飲料。
【請求項4】
前記健康飲料は、前記クエン酸1に対して前記炭酸水素ナトリウムが2~8の質量比で溶解されている、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の健康飲料。
【請求項5】
前記健康飲料は、水素イオン濃度(pH)が、5.5以上8.3以下である、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載の健康飲料。
【請求項6】
前記水溶性ケイ酸はコロイド粒子を形成し、前記健康飲料中に、100nm以下のサイズの前記コロイド粒子を含んでいる、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記載の健康飲料。
【請求項7】
100nm以下のサイズの前記コロイド粒子の粒子比率が75%以上、又は、粒子個数が1億個/ml以上である、
ことを特徴とする請求項6に記載の健康飲料。
【請求項8】
40nm以下のサイズの前記コロイド粒子の粒子比率が7%以上、又は、粒子個数が0.09億個/ml以上である、
ことを特徴とする請求項6又は7に記載の健康飲料。
【請求項9】
前記健康飲料は、ケイ素以外のミネラルを含み、前記水溶性ケイ酸は、前記ミネラルと共有結合して前記コロイド粒子を形成する、
ことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一に記載の健康飲料。
【請求項10】
前記健康飲料は、ケイ素として、非水溶性シリカと前記水溶性ケイ酸とを含み、前記非水溶性シリカに対する前記水溶性ケイ酸の成分比が、100%以上である、
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一に記載の健康飲料。
【請求項11】
前記水溶性ケイ酸は、温泉水又は湧出地下水から抽出されたものである、
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一に記載の健康飲料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康飲料に関し、特に、クエン酸と炭酸水素ナトリウムと水溶性ケイ酸とを含有する健康飲料、より好ましくは、クエン酸と炭酸水素ナトリウムとが溶解された溶解水に水溶性ケイ酸が混合され(若しくは、水溶性ケイ酸を含有する改質水にクエン酸と炭酸水素ナトリウムとが溶解され)、炭酸ガスが圧入された健康飲料に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な炭酸飲料はクエン酸や果汁を含有し多くは甘味料をも含有しており、嗜好性に限定したものが多かった。特に外資系の炭酸飲料には、水素イオン濃度(pH)が2.0~2.5程度の酸性のものが多く、毎日の飲用によって胃の内壁を潰瘍化させる恐れがあり、健康被害が懸念されていた。これらは口当たりがよく、常習性があり、若年世代には人気の飲料品であるが、就労期を迎える世代にとっては、生活変化についていけない胃の病的潰瘍体質が影響を与えており、胃がん検診の際に胃潰瘍の病歴で判断されやすい。
【0003】
健康維持体質を守るには、上記の胃の消化管粘膜障害に限らず、神経疾患・肺疾患・過敏症・肝疾患・腎疾患・眼疾患・皮膚疾患・その他、糖尿病疾患・免疫疾患等を予防する必要があり、生活習慣のアンバランスで生じる健康への防備から、日常飲用することで健康に配慮した飲料等が求められていた。
【0004】
健康維持には各種ミネラルが必要であり、近年、ケイ素が注目されている。本来、ケイ素は日本国内において必須ミネラル項目16には含まれていないが、ドイツ等欧米では4番目にケイ素が順位し、幼児期の骨細胞補強として常用されていた。日本国内では、約15年前より分析科学の進歩でナノ粒子化学が発展を始め、ナノ技術の伸展とともにケイ酸科学の認識で健康産業への活用が始まっている。
【0005】
このような背景から、ケイ素を含む飲料が開発されており、例えば、「のむシリカ」といった商品名の飲料も販売されている。また、下記特許文献1には、飲料水に無色・無臭・無味の純度(濃度)の高いケイ素の液体を混入する飲料水が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012-44980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ケイ素は非水溶性のシリカ(SiO2)や水溶性のケイ酸(SiO4)などの形態で存在するが、ヒトの健康維持に必要なのはケイ酸であって、シリカはスケール付着の要因となる物質である。また、ケイ酸は主にアクアポリン(細胞膜)や腸内のパイエル板などで吸収されるが、ケイ酸のサイズや溶液のpHなどによって吸収効率が大きく変化し、特にケイ酸のサイズを適切に管理しないとケイ酸を効率的に体内に取り込めないという問題があった。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、ケイ酸を効率的に体内に取り込むことができる健康飲料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一側面は、健康飲料に、有機酸としてのクエン酸と、重炭酸塩としての炭酸水素ナトリウムと、水溶性ケイ酸と、を含有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ケイ酸を効率的に体内に取り込むことができ、生活習慣の健康維持に不可欠な体調管理を可能とし、かつ、常飲しても消化器系や精神的にも悪影響の無い、真に健康づくりに寄与する健康飲料を提供することができる。
【0011】
その理由は、有機酸としてのクエン酸と、クエン酸に対して良好な緩衝能力(バッファー性)を発揮する重炭酸塩としての炭酸水素ナトリウムと、が溶解された溶解水に、温泉水や湧出地下水などから抽出された所定サイズ以下の水溶性ケイ酸を混合し、必要に応じて炭酸ガスを圧入して、健康飲料を製造するからである。若しくは、所定サイズ以下の水溶性ケイ酸を含有する改質水などに、有機酸としてのクエン酸と重炭酸塩としての炭酸水素ナトリウムとを溶解し、必要に応じて炭酸ガスを圧入して、健康飲料を製造するからである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】水溶性ケイ酸からなるコロイド粒子のサイズと体内への吸収効率との相関を示す図である。
図2】従来の飲料(のむシリカ)の分析結果を示す図であり、(a)はナノ粒子の分布図、(b)はNANOSIGHT分析結果である。
図3】従来の飲料(ペリエ・フランス)の分析結果を示す図であり、(a)はナノ粒子の分布図、(b)はNANOSIGHT分析結果である。
図4】本発明のクエン酸と炭酸水素ナトリウムと水溶性ケイ酸とを含む健康飲料(スパークリングSiO4重炭酸)の分析結果を示す図であり、(a)はナノ粒子の分布図、(b)はNANOSIGHT分析結果である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
チェコ・温泉コロネード:Vridelni Kolonadaは飲泉の発祥地として知られている。この飲泉の発祥地では、「野菜を食べる以上に貴重な健康づくり」という考えがあり、飲用対象として珍重してきたのは、すべて良質の炭酸温泉であり、498年にさかのぼる歴史的習慣からである。
【0014】
また、18世紀後半、カールスバッド医師のデイビッド・ベシェルはカルロヴィヴァリの海域で二酸化炭素を発見し、二酸化炭素の影響が最も強い温泉で直接ミネラルウォーターを飲むよう患者に勧めた。
【0015】
本願発明者は、日本国内の様々な温泉を調査した結果、大分県竹田市の長湯温泉の水質が飲泉の発祥地であるチェコ・温泉コロネードの水質と近似していることを発見した。この長湯温泉水も、海域での二酸化炭素に等しくpHは中性で重炭酸イオンが主成分であり、飲泉により、糖尿病に代表的される様々な病気に効果があることが慶応大学などの臨床試験で研究されている。さらに重炭酸イオンによる良好な緩衝能力により胃酸を中和し、胆汁の分泌を促すことなどから、胃腸や肝臓、すい臓の働きを活発にする作用があるとされている。
【0016】
そこで、本願発明者はこの重炭酸の効果に着目し、先願(特許第6698766号)において、有機酸としてのクエン酸及び重炭酸塩としての炭酸水素ナトリウム(重炭酸ナトリウム)を含有する炭酸飲料を発明した。この炭酸飲料は、腸内フローラによる血糖値上昇を抑制する効果があるが、更なる細胞等への機能性強化向上のために、腸内環境から体内への吸収能力に優れた微細サイズのケイ素を水溶性のケイ酸として含む健康飲料の開発を行った。
【0017】
このケイ酸は、保湿効果や美肌効果、毛髪や爪の発育と皮膚細胞の活性化する効果があり、女性にとっては、しばしば『美しさのミネラル』と呼ばれている。ケイ酸を飲む効果として、認知症予防、骨粗しょう症予防、皮膚・爪・コラーゲンの生成、免疫機能の改善、血管の柔軟性を保つ等が発表され、ケイ酸は健康の基礎づくりで重要度を増し、医学分野でも遠赤外線放射「癌」治療に用いられている。また、最新の研究では、ケイ酸が不足することで、脳を活性化させる松果体・セロトニンの分泌が減少し、心の病である『うつ』や『精神不安』が起こることが報告されている。
【0018】
上述したようにケイ酸は腸内のパイエル板などで吸収される。更に、ケイ酸の人体への吸収については、植物もヒトも同じ傾向にあり、植物は根酸により土質のケイ素の0.01%がケイ酸に変貌し、ケイ酸は植物組織の細胞間隙と細胞壁からなるアポプラスト部分を通じて根の中心部に向かって動く。また、医薬品(錠剤の賦形剤・滑沢剤)として用いられるタルク(ケイ酸マグネシウム・Mg2SiO4)も胃酸でよりケイ酸化が進行し、健康維持に役立っている。そして、ケイ酸コロイド粒子は、ヒトのアクアポリン及び腸壁(パイエル板)より通過し血中にて老廃物をデトックスさせる作用に役立つ。
【0019】
このケイ酸の体内への吸収効率は、ケイ酸のサイズや溶液のpHなどによって大きく変化する。特に、ケイ酸を効率的に体内に取り込むためには、水溶性ケイ酸からなるコロイド粒子のサイズを小さくすることが重要であり、100nm以下、特に、論文(Henk-Maarten Laane 2018, The Effects of Foliar Sprays with Different Silicon Compounds,Plant,7,45;doi:10.3390/plants7020045)などに紹介されているように、葉面散布において最も一般的に使用されている40nm以下のサイズが人間の腸管からの吸収においても好適である。
【0020】
そこで、本願発明者は、上述した先願(特許第6698766号)に記載した、有機酸としてのクエン酸及び重炭酸塩としての炭酸水素ナトリウム(重炭酸ナトリウム)を含む溶解水に水溶性ケイ酸を混合し(若しくは、水溶性ケイ酸を含有する改質水にクエン酸及び炭酸水素ナトリウムを溶解し)、必要に応じて炭酸ガスを圧入した健康飲料の発明に至った。
【0021】
上記水溶性ケイ酸は、例えば、本願発明者の他の先願(特許第6328403号)に記載した機能性水製造装置を用いて抽出することができ、コロイド粒子のサイズを100nm以下、特に、40nm以下に調整することにより、体内への吸収効率を格段に高めることができる。また、この健康飲料のクエン酸(微酸性pH4)や混合炭酸水(pH2.5)がケイ素をケイ酸に変貌させる作用に役立っている。
【0022】
なお、本発明のコロイド粒子は、水溶性ケイ酸を含んでいればよく、水溶性ケイ酸が集合したコロイド粒子や水溶性ケイ酸に他のミネラルが共有結合したコロイド粒子を含む。また、コロイド粒子のサイズは、ナノ粒子解析装置(例えば、英国製マルバーン社・日本カンタムデザイン(株)LM10型)を用いて測定することができる。
【実施例0023】
上記した本発明の一実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の一実施例に係る健康飲料について、図1乃至図4を参照して説明する。図1は、水溶性ケイ酸からなるコロイド粒子のサイズと体内への吸収効率との相関を示す図である。また、図2及び図3は、従来の飲料のナノ粒子の分布図及びNANOSIGHT分析結果であり、図4は、本発明のクエン酸と炭酸水素ナトリウムと水溶性ケイ酸とを含む健康飲料のナノ粒子の分布図及びNANOSIGHT分析結果である。
【0024】
まず、本願発明者の先願(特許第6698766号)に記載したクエン酸含有炭酸飲料について概説する。このクエン酸含有炭酸飲料は、有機酸としてのクエン酸及び重炭酸塩としての炭酸水素ナトリウムを含有する溶解水である炭酸飲料であり、該炭酸飲料1,000ml中にクエン酸が0.3~0.9gで溶解された炭酸飲料であって、前記溶解水は、クエン酸1に対し炭酸水素ナトリウムが2~8の割合(質量比)で溶解されたものであり、かつ、前記溶解水に対し炭酸ガスが1,000~10,000ppm含有されていることを特徴とするものである。ここで、有機酸としてはリンゴ酸やコハク酸、フマル酸などが良く知られコストも安いが、クエン酸だけがケイ酸の腸内吸収が良く、健康効果が高いという特徴があり、本発明では好ましく使われる有機酸である。
【0025】
このクエン酸含有炭酸飲料の製造装置は、例えば、酸性溶液を収容するタンクとアルカリ性溶液を収容するタンクとを隣接配置してセットしている装置であり、酸性溶液を収容するタンクには、所定量の水に所定量のクエン酸を混合攪拌させて溶解した酸性溶液を入れ、アルカリ性溶液を収容するタンクには、所定量の水に所定量の重曹を混合攪拌させて溶解したアルカリ性溶液を入れる。
【0026】
酸性溶液の収容タンク内に混合溶解させるクエン酸とアルカリ性溶液の収容タンク内に混合溶解させる重曹(炭酸水素ナトリウム)として食用添加物グレードのものを使用することにより飲用に適するものとなすことができる。
【0027】
また、酸性溶液とアルカリ性溶液とを混合する際に、クエン酸:重曹=1:2~8(質量比)となるようにする。重曹の比率が2未満であると、クエン酸と炭酸水素ナトリウムとが激しく中和反応を起こして、目視可能なほどの泡径の炭酸ガスが発生し、炭酸ガスの大半は水に溶解することなく液外に揮散してしまうという不都合があり、一方、重曹の比率が8を超えると、発生した炭酸ガスの水への溶解度が落ちてしまうという不都合がある。
【0028】
そして、水にクエン酸:重曹を1:2~8(質量比)の比率で含有する溶解水に、1,000ppm~10,000ppm濃度で炭酸ガスを圧入してクエン酸含有炭酸飲料が完成する。1,000ppm未満の圧入量では、炭酸飲料水中に溶解している総炭酸ガス濃度が、血糖値上昇抑制効果を生み出すには不十分であるという不都合があり、一方、圧入量が10,000ppmを超えると、逆に血糖値上昇抑制効果が低減するという不都合がある。
【0029】
次に、本願発明者の他の先願(特許第6328403号)に記載した機能性水製造装置について概説する。この機能性水製造装置は、水にオゾンガスをナノバブル化して、気液混合水を生成する工程と、ミネラル成分溶出手段において前記気液混合水を天然鉱物に接触させ、当該天然鉱物のミネラル成分を溶出させる工程とを備えた機能性水製造方法において、前記ミネラル溶出手段の容積を、前記水の送水量の2~5分の滞留時間により設定し、前記天然鉱物の充填量を、前記水の潜在的なミネラル成分に基づいて、目的の基準値に応じて、前記天然鉱物の粒度又は体積により調整し、前記気液混合水の酸化還元電位が650mVとなるように前記気液混合水の温度に応じて前記オゾンガスの注入量を制御することを特徴とするものである。
【0030】
この機能性水製造装置は、例えば天然水等の被処理水を導入する被処理水導入ポートと、当該被処理水導入ポートから導入された被処理水の異物を除去する第1ろ過フィルタと、この第1ろ過フィルタを通過した被処理水にオゾンガスをナノバブル化して溶解させて気液混合水を生成する加圧溶解手段と、この加圧溶解手段により生成された気液混合水を天然鉱物に接触させて天然鉱物のミネラル成分を溶出させるミネラル溶出手段と、このミネラル溶出手段から導出された気液混合水の異物を除去する第2ろ過フィルタと、この第2ろ過フィルタを通過した気液混合水(機能性水)を導出する機能性水導出ポートと、これらの構成要素をこの順で直列に接続する接続配管とで構成されている。
【0031】
上記加圧溶解手段は、オゾンガスをナノバブル化して被処理水に溶解して気液混合水を生成するものであり、オゾンガスを発生させるオゾン発生手段と、被処理水を加圧する加圧ポンプと、オゾンガス及び加圧された被処理水が導入され、オゾンガスをナノバブル化して被処理水に溶解させる加圧せん断溶解槽とを有する。この加圧せん断溶解槽は、オゾンガスを加圧せん断溶解法によりナノバブル化(微細気泡化)して被処理水に溶解させるものであり、オゾン発生手段により生成されたオゾンガスを導入するオゾンガス導入ポートと、加圧ポンプにより加圧された被処理水を導入する加圧水導入ポートと、当該加圧せん断溶解槽により生成された気液混合水を導出する気液混合水導出ポートとを有する。この加圧せん断溶解層により生成されるナノバブルは、直径200nm以下である。
【0032】
また、上記ミネラル溶出手段は、加圧溶解手段により生成された気液混合水にミネラル成分を溶出させるものであり、内部に天然鉱物(ケイ酸塩を含んだ天然鉱石)が充填されたミネラル溶出槽を有する。このミネラル溶出槽は、加圧せん断溶解槽の気液混合水導出ポートに連通する気液混合水導入ポートと、気液混合水にミネラル成分が溶出することにより生成される機能性水を導出する導出ポートとを有する。
【0033】
上記の気液混合水(機能性水)に天然鉱物のミネラル成分を溶出させる方法として、化学的風化及び物理的風化の両方を利用することができる。
【0034】
化学的風化とは、気液混合水に含まれるナノバブル化したオゾンガスによるオゾン酸化反応を利用して天然鉱物に含まれるミネラル成分を気液混合水に溶出させることである。この化学的風化をもたらすオゾン酸化反応は、酸性領域(pH<7)では、オゾン自体の強い酸化力による酸化分解であり、アルカリ性領域(pH>7)では、水酸化物イオン濃度が高いため、酸化力の強いヒドロキシラジカルが生成され、このヒドロキシラジカルの酸化力による酸化分解である。ここで、酸化剤が酸化しやすいか還元しやすいかは酸化還元電位(ORP)として表され、プラスの値が大きいほど酸化力が大きく、マイナスの値が大きいほど還元力が大きい。
【0035】
一方、物理的風化とは、気液混合水に含まれるナノバブル化したオゾンガスの物理的な挙動によって天然鉱物の粒子を物理的に削り、当該天然鉱物に含まれるミネラル成分を溶出させることである。この物理的風化をもたらすナノバブル化したオゾンガスの物理的な挙動は、ブラウン運動であり、当該ブラウン運動の速度は、液体の温度、粘度及びナノバブルの粒子径に依存する。したがって、液体の温度及び粘度が同一であれば、ブラウン運動速度はナノバブルの粒子径によって変化する。具体的には、ナノバブル径が小さいほどブラウン運動速度が大きくなり、ナノバブル径が大きいほどブラウン運動速度が小さくなる。
【0036】
このように構成した機能性水製造装置によれば、ミネラル溶出手段において、気液混合水に、オゾンの酸化反応による化学的風化、及びナノバブルの挙動による物理的風化の両方を使用して天然鉱物(ケイ酸塩を含んだ天然鉱石)からミネラル成分を溶出させることができる。
【0037】
本願は、上記2つの先願を利用し、有機酸としてのクエン酸及び重炭酸塩としての炭酸水素ナトリウムが溶解された溶解水に水溶性ケイ酸を混合し(若しくは、水溶性ケイ酸を含有する改質水にクエン酸及び炭酸水素ナトリウムを溶解し)、必要に応じて、炭酸ガスを圧入して健康飲料を製造することにより、水溶性ケイ酸からなるコロイド粒子のサイズを調整し、ケイ素や他のミネラルの体内への吸収効率を高めている。例えば、上記機能性水製造装置を用いてナノサイズの水溶性ケイ酸を抽出したり、製造段階で炭酸ガスの圧力や含有量、pHを調整することによりケイ素のケイ酸化やケイ酸の微細化を促進したりして、健康飲料に所望のコロイド粒子サイズの水溶性ケイ酸が多く含まれるようにしている。
【0038】
表1は、ラボでの実験(炭酸ガスによる圧壊)と製造品(クエン酸による酸化及び炭酸ガスによる圧壊)における各サイズの水溶性ケイ酸粒子の粒子個数及び粒子比率を比較した結果を示している。表1より、製造工程上で水溶性ケイ酸粒子は、クエン酸による酸化及び炭酸ガスによる圧壊によりターニング・イフェクトが発現し、10倍の微細効果に変化している(表1中の(1)参照)。
【0039】
【表1】
【0040】
次に、上記溶解水に加える水溶性ケイ酸、特に、他のミネラルと結合した多元素共有水溶性ケイ酸ミネラルについて説明する。
【0041】
地球の形成期の始原的物質が残っているケイ酸塩鉱物溶液には、無機化学モデルのみでは説明できない現象と捉えられているものがある。それは、Thermus・Hydrogenobacter属などの高度好熱性細菌が多元素共有ケイ酸塩鉱物にも存在することであり、この現象がケイ酸塩鉱物溶液の多目的活用を可能とする障壁でもあった。一方、上記機能性水製造装置を用いたオゾン・ナノバブル反応後の酸化還元電位(ORP)650mV以上の反応で微生物の痕跡は皆無であり、本発明で使用する多元素共有ミネラルにも微生物妨害作用が確認されている。
【0042】
本発明では、このメカニズムを利用し、地下マグマで熱せられた蒸気がケイ酸塩鉱物を通過し温泉を非加熱殺菌したものを多元素共有ケイ酸ミネラル溶液の原料としている。具体的には、多元素共有ケイ酸ミネラル溶液は、非加熱殺菌工程で、内部の水のpHと関係なく界面の水はアルカリ性(pH8.5~9.0)を示し、還元作用によって、水が接触する金属表面にM(OH)nという化合物を作る。すなわち、オゾン酸化熱と高圧条件下で酸化・還元反応を経て、ナノサイズ(10~100nm)を促進させ、メタ珪酸(H2SiO3)、メタ二ケイ酸(H2Si2O5)、オルトケイ酸(H4SiO4)等のケイ酸に改質させる。これによって10ナノサイズ以下の活性度の高いケイ酸SiO4基を増幅させて、ケイ酸カルシウム(Ca2SiO4)、ケイ酸マグネシウム(Mg2SiO4)、ケイ酸カリウム(K2SiO3)等、他の二価陽イオンや微量金属イオンの水和物を形成し、ヒトの必須ミネラル補給に貢献している。また、ヒトのタンパク合成に必要なサルフェートも含まれている。
【0043】
そこで重要なのは、消費者はケイ素SiO2(シリカ)の含有量が多ければ良いものと理解する。しかしながら、ヒトの健康維持に必要なのはケイ酸であって、シリカではなく、シリカは、水を取り扱う業務では水中のゴミ扱い(スケール付着)として嫌われる対象である。環境計量分析で判断してもケイ酸≧シリカが必要であり、ケイ酸が主導的反応を牽引する。例えば、医薬成分の血管内伝達効果に用いられるのが水溶性ケイ酸SiO4のドラッグデリバリ作用(ヒドロキシルイオン)である。
【0044】
この水溶性ケイ酸SiO4のドラッグデリバリ作用(ヒドロキシルイオン)による医薬成分血管内伝達効果について詳述する。この治療法は、ガン細胞だけに特異的に結合する抗体を利用し、その抗体に近赤外線によって化学反応を起こす物質(IR700)を付け、静脈注射で体内に入れる。抗体はガン細胞に届いて結合するので、そこに近赤外線の光を照射すると、化学反応を起こしてガン細胞を破壊する。近赤外線は、波長が可視光と赤外線の中間に位置する光である。治療には近赤外線で波長が最も短く(700nm)、エネルギーが高い光を使う。
【0045】
IR700はフタロシアニンという色素で、波長700nmの近赤外線のエネルギーを吸収する性質を持つので、その化学反応で変化したIR700が、ガン細胞の膜に照射する抗体の結合したタンパク質を変性させ、細胞膜の機能を失わせることによって1~2分という極めて短時間でガン細胞を破壊するという。この治療法には、ほぼ副作用はなく、安全性が確認されている。
【0046】
そもそもガン以外の正常細胞には抗体が結合しないので、近赤外線が照射しても害はなく、また抗体が結合したガン細胞でもこの特殊な近赤外線光が当たらなければ破壊されない。つまり抗体結合して、かつ光が当たったガン細胞だけを破壊するという高い選択性を持つ治療法であることに脚光を受けている。これほど選択性が高いガンの治療法は過去に無かった。
【0047】
このIR700は水に溶けない物質で体内に入らないが、ケイ酸を活用して水に溶ける性質に変えており、術後は1日で尿中に溶けて排出されるので、これもヒトには無害である。
【0048】
このように、ケイ素SiO2(シリカ)ではなく、水溶性ケイ酸SiO4を利用することにより、水に溶けない物質も体内に取り込むことができるため、カルシウム、マグネシウム、カリウム等のヒトの必須ミネラルの補給に貢献することができる。
【0049】
水溶性ケイ酸の製造方法は、下表に示すように、大別して(1)ケイ酸塩鉱物(水晶・石英等)由来によるもの(特許第4564086号:多孔性球状メタケイ酸コロイド溶液)、(2)黒雲母斑岩や花崗岩を塩酸又は硫酸等の強酸を用いて超微細化した飲用液(ボトルドウオーター)があり、(3)籾殻から抽出した水溶性ケイ酸と称したものも出現している。他方、(4)天城抗火石から溶出するケイ酸溶(0.4ppm/hr)で水道水を改質する家庭備品もあるが、アルミニウムの検出があり、アルツハイマー誘因が難点である。(5)のむシリカ(シリカ97ppm―宮崎県小林市産出)等もある。また、(6)は本発明の健康飲料に使用する一次原料となる、ケイ酸塩鉱物水(温泉水)を改質したものであり、ウイルス不活性・細菌類殺菌を含め天然資源改質段階で機械工学上の反応律速を経て履行され安心である。
【0050】
【表2】

【0051】
健康維持のための免疫改善飲用を目的とすれば、強アルカリの(1)、(3)は不適であり、(2)は金属ミネラルが豊富であるがケイ酸発現が少ない。(4)は素材からアルミニウムの溶出があり不特定多数の活用に不向きである。(5)は市販飲料水であるが、多飲の障害(腎臓結石等)に注意が必要である。(6)は多目的活用の改質液であり、安全な天然資源改質装置で成り立っている。
【0052】
次に、表2の(5)の市販飲料水「商品名:のむシリカ」と、表2の(6)のケイ酸塩鉱物水(温泉水)を改質した改質水(温泉改質水と表記)と、この温泉改質水に有機酸としてのクエン酸及び重炭酸塩としての炭酸水素ナトリウムを溶解した本発明の健康飲料(添加SiO4重炭酸と表記)の成分について比較する。
【0053】
【表3】
【0054】
市販飲料水の環境計量分析では、ケイ酸が45mg、シリカが77mgであり、ケイ酸比率(ケイ酸/シリカ)は45mg/77mg=58%である。一方、温泉改質水の場合は、ケイ酸が210mg、シリカが150mgであり、ケイ酸比率は210/150=140%である。ここで、上述したように、ケイ酸比率は100%以上(ケイ酸≧シリカ)が求められることから、本発明の健康飲料に使用する温泉改質水は市販飲料水に比べて優れていることが分かる。ちなみに、三朝温泉のケイ酸比率は22/60シリカ=37%である。玉造温泉のケイ酸比率は29/82シリカ=36%である。
【0055】
また、粘性率(Viscosity)は、一般的な水道水1.0cPに対して、一次原料(温泉改質水)は0.825cPであり、この温泉改質水を用いて作製した本発明の健康飲料は0.9cPを示す。よって本発明の健康飲料は、粒子個数とともに腸内浸透と通過(アクアポリン及びパイエル板での吸収)に優れており、規則性のある代謝作用の根拠になっている。
【0056】
また、本発明の健康飲料に使用する温泉改質水に含まれるカルシウムやマグネシウム及びカリウムは、シリカ濃度で除した場合の値が1.0以下の場合には、上記の活性度の高いケイ酸SiO4基と十分に共有結合することから多元素共有の役割を担う。
【0057】
この多元素共有ケイ酸塩は、構造形成イオンが水和の性質を発揮する代表であり、水溶性ケイ酸SiO4の増加に伴って生じたコロイド粒子のゼータ電位は、すべての包括されたミネラルにおいて陰電荷である。
【0058】
この多元素共有ケイ酸塩の非晶質化は、コロイド粒子のブラウン運動で確認できるが、特に無機質の10ナノサイズまで近づいた粒子運動迄であり、このナノサイズ計測範囲は0.01パーセント程度に過ぎない。また、無機質の微小生命体と称されるソマチットも計測可視で発現する。なお、ナノ粒子解析装置は英国製マルバーン社・日本カンタムデザイン(株)LM10型を用いている。
【0059】
図1は、水溶性ケイ酸からなるコロイド粒子のサイズと体内への吸収効率との相関を示す図である。水溶性ケイ酸は8nmからコロイド粒子として検出可能であることから、10nm以上を図示している。図1に示すように、コロイド粒子のサイズが大きくなるに従って人体に取り込まれにくくなり、吸収効率が減少している。このように、ケイ酸を人体に効率的に取り込むためにはコロイド粒子のサイズは小さい方が好ましいが、一方、微細なコロイド粒子の作製は容易ではない。従って、ヒトのアクアポリン及び腸壁(パイエル板)での吸収を考慮すると、100nm以下、特に、葉面散布において最も一般的に使用されている40nm以下のサイズが好適であると言える。
【0060】
次に、図2乃至図4を参照して、市販飲料水の「商品名:のむシリカ」及び「商品名:ペリエ・フランス」と本発明のクエン酸と炭酸水素ナトリウムと水溶性ケイ酸とを含む健康飲料「商品名:スパークリングSiO4重炭酸」の水溶性ケイ酸のサイズについて比較する。なお、(a)のグラフの横軸はコロイド粒子のサイズ(nm)、縦軸は粒度(a.u.)であり、粒度分布が小さいほど微小コロイドが多く、計測限界以下の粒子が多い傾向にある。また、(b)のグラフの横軸はコロイド粒子のサイズ(nm)、縦軸は濃度(particles/ml)であり、左側の値が大きいほど微小コロイドが多いことを示している。
【0061】
図2は、「のむシリカ」の分析結果であり、(a)はナノ粒子の分布図、(b)はNANOSIGHT分析結果である。商品表示ではシリカは97mg/lであり、ナノ粒子数は5.8億個/mlであるが、体内吸収に優れる40nm以下のサイズのナノ粒子の個数(図の破線で示す領域内の個数)が不足していることが分かる。また、pHは7である。
【0062】
図3は、「ペリエ・フランス」の分析結果であり、(a)はナノ粒子の分布図、(b)はNANOSIGHT分析結果である。ナノ粒子数は5.6億個/mlであるが、上記と同様に、体内吸収に優れる40nm以下のサイズのナノ粒子の個数(図の破線で示す領域内の個数)が不足していることが分かる。また、pHは8である。
【0063】
図4は、「スパークリングSiO4重炭酸」の分析結果であり、(a)はナノ粒子の分布図、(b)はNANOSIGHT分析結果である。粒子個数は2.08億個/mlであるが、重視すべきは、ケイ素含有量(ppm)ではなくヒトの吸収性に優れるサイズのナノ粒子であり、図の破線で示すように、体内吸収に優れる100nm以下、特に、40nm以下のサイズのケイ酸が多数存在していることが分かる。表4は、図4(b)の濃度分布の積分値であり、各サイズ範囲(0.5nmピッチ)における粒子個数、積算粒子個数、粒子比率%、積算粒子比率%を示している。表4より、100nm以下のサイズの粒子比率は、75.29%であり、粒子個数は、1.05億個/mlである。また、40nm以下のサイズの粒子比率は、7.02%であり、粒子個数は、0.098億個/mlである。
【0064】
また、スパークリングSiO4重炭酸500ccにはバランスの良いミネラル元素が含まれており、ナトリウム:9.0mg/0.5l、サルフェート:8.6mg/0.5l、マグネシウム:6.8mg/l、ケイ酸:4.2mg/l、カリウム:1.84mg/l、カルシウム:0.08mg/l、ホウ素:0.036mg/lなどがケイ酸と共有結合して多元素共有水溶性ケイ酸ミネラルとして存在している。表4の140~160nmは、ケイ素以外のミネラル(ナトリウム・サルフェート・マグネシウム・カリウム・カルシウム)がケイ酸と共有結合する粒子帯と考えられる。
【0065】
【表4】
【0066】
以上説明したように、有機酸としてのクエン酸及び重炭酸塩としての炭酸水素ナトリウムが溶解された溶解水に水溶性ケイ酸を混合し(若しくは、水溶性ケイ酸を含有する改質水に有機酸としてのクエン酸及び重炭酸塩としての炭酸水素ナトリウムを溶解し)、必要に応じて、炭酸ガスを圧入して健康飲料を製造することにより、ケイ酸を効率的に体内に取り込むことができる。
【0067】
本発明の健康飲料は、クエン酸と重炭酸を混合した溶解水に、一般的に表現される、ケイ素又はシリカ及びケイ酸とは異なり、多元素共有の中心に位置する水溶性ミネラルを一定量加えたものであり、生体内ラジカルの発生に対して効率的にラジカル補足抑制作用を発揮する優れた健康飲料の逸品である。
【0068】
本発明が身近で理解できるのは、体内の抗酸化作用で疲れにくくなることであり、例えば、風邪の症状では、熱は出ずクシャミと咳で翌日治るなどである。本発明の健康飲料を毎朝飲用すると、2時間後には排尿作用が現れ、規則性が必ず感じる。また、食前に飲用すると、糖尿病のインスリン効果が優れ体調維持が好調である。定期的な血液検査でも改善事例が現れる等、効果が体感出来ている。本発明の健康飲料は機能性表示食品であり、多元素共有ミネラルの必要性は、2019/9/04放送のNHK報道番組「ガッテン」でも、『人体には60種類の金属ミネラルを必要とする。』と報道している。
【0069】
また、本発明の健康飲料は、飲用直後に強酸性の胃液と健康飲料とが中和反応してpHは弱酸性域となり、げっぷ作用で炭酸ガスが抜気され、pHは高い緩衝作用の重曹クエン酸の特性により中性域となり、腸内でのケイ酸の吸収性も高められるバッファー効果が発揮される。強炭酸ガス濃度で、強炭酸などと称するpHが2.0~4.8程度の強酸性商品とは全く異なる特性を発揮する。このように、本発明の健康飲料は、pHを5.5~8.3に調整しているため、それ自体で胃壁を損傷させることなく、胃酸消化を経て腸に運ばれ、血糖値上昇を抑制するなどの効果を得ることができる。
【0070】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、その構成は適宜変更可能である。
【0071】
例えば、上記実施例では、本願発明者の先願(特許第6698766号)に記載した有機酸としてのクエン酸及び重炭酸塩としての炭酸水素ナトリウムを含む溶解水に水溶性ケイ酸を加えて健康飲料を作製したが、上記溶解水と同等の成分を有する溶液に水溶性ケイ酸を加えて健康飲料を作製してもよい。また、上記実施例では、水溶性ケイ酸を含有する温泉改質水に有機酸としてのクエン酸及び重炭酸塩としての炭酸水素ナトリウムを溶解して健康飲料を作製したが、上記温泉改質水と同等の成分を有する改質水(例えば、湧出地下水を改質した改質水)にクエン酸及び炭酸水素ナトリウムを溶解して健康飲料を作製してもよい。
【0072】
また、上記実施例では、本願発明者の他の先願(特許第6328403号)に記載した機能性水製造装置を用いて温泉水から水溶性ケイ酸を抽出したが、化学合成以外で水溶性ケイ酸を抽出できれば、製造装置や水溶性ケイ酸を抽出する溶液は特に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、有機酸と重炭酸塩と水溶性ケイ酸とを含有する健康飲料に利用可能である。
図1
図2
図3
図4