(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022117662
(43)【公開日】2022-08-12
(54)【発明の名称】遊技機の部品受発注装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220804BHJP
【FI】
A63F7/02 326Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021014278
(22)【出願日】2021-02-01
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-05-26
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和2年6月22日掲載 フィールズ株式会社の下記ウェブサイトにて掲載 https://hall.madoguchi777.jp/users/sign_in令和2年7月27日 フィールズ株式会社がオーギヤ飯田店にサービス提供
(71)【出願人】
【識別番号】593145799
【氏名又は名称】フィールズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002103
【氏名又は名称】特許業務法人にじいろ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今井 正隆
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088DA11
(57)【要約】
【課題】遊技機の部品受発注装置において故障の解決方法を試した上で部品を発注したい、故障症状に応じた交換部品を正確に把握したい、交換部品を直接発注したい等様々な要望に答えること。
【解決手段】遊技機の部品受発注装置はユーザ端末3に部品特定を支援する経路が相違する第1、第2のボタンが含まれる初期画面を送信する。ユーザ端末からの第1ボタンのクリックに呼応して機種情報と部品キーワード又は部品分類の情報との送信を促す第1画面をユーザ端末に送信し、第1画面を経由してユーザ端末から受信した機種情報と部品キーワード又は部品分類の情報とから部品候補を検索し、ユーザ端末に送信する。またユーザ端末からの第2ボタンのクリックに呼応して機種情報と故障症状に係る情報との送信を促す第2画面をユーザ端末に送信し、第2画面を経由してユーザ端末から受信した機種情報と症状に係る情報とから部品候補を検索し、ユーザ端末に送信する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末に対してインターネット回線を介して接続される遊技機の部品受発注装置において、
前記ユーザ端末に、部品の特定を支援する経路が相違する第1、第2のボタンが含まれ部品発注の初期画面を送信する手段と、
前記ユーザ端末からの前記第1のボタンのクリックに呼応して前記遊技機の機種に係る情報と、部品キーワード又は部品分類の情報との送信を促す第1画面を前記ユーザ端末に送信する手段と、
前記第1画面を経由して前記ユーザ端末から受信した前記遊技機の機種に係る情報と、前記部品キーワード又は前記部品分類の情報とから部品候補を検索し、前記ユーザ端末に送信する手段と、
前記ユーザ端末からの前記第2のボタンのクリックに呼応して前記遊技機の機種に係る情報と故障に関する症状に係る情報との送信を促す第2画面を前記ユーザ端末に送信する手段と、
前記第2画面を経由して前記ユーザ端末から受信した前記遊技機の機種に係る情報と前記症状に係る情報とから部品候補を検索し、前記ユーザ端末に送信する手段と、
前記ユーザ端末から前記部品候補に関する注文情報を受信する手段とを具備する部品受発注装置。
【請求項2】
前記部品候補に関する見積り情報を前記ユーザ端末に送信する手段をさらに備える請求項1記載の部品受発注装置。
【請求項3】
前記注文情報を前記遊技機のメーカの受注装置に転送する手段をさらに備える請求項1記載の部品受発注装置。
【請求項4】
前記遊技機の機種に係る情報として前記機種に係る機種キーワードとQRコード(登録商標)との選択的な送信を促す請求項1記載の部品受発注装置。
【請求項5】
ユーザ端末に対してインターネット回線を介して接続される遊技機の部品受発注装置において、
前記ユーザ端末に前記遊技機の機種に係る情報の送信を促す画面を送信する手段と、
前記ユーザ端末から受信した前記機種に対応する故障に関する複数の症状を検索し、前記ユーザ端末に送信する手段と、
前記ユーザ端末から受信した前記複数の症状の一に対応する少なくとも一の解決方法を前記ユーザ端末に送信する手段と、
前記ユーザ端末から前記解決方法により前記複数の症状の一が解決した旨の情報を受信したとき部品発注手順を終了し、前記複数の症状の一が解決しなかった旨の情報を受信したとき複数の確認事項を前記ユーザ端末に送信する手段と、
前記ユーザ端末から受信した前記複数の確認事項の一に対応する部品候補を前記ユーザ端末に送信する手段と、
前記部品候補に関する発注情報を受信する手段とを具備する部品受発注装置。
【請求項6】
前記ユーザ端末から受信した前記複数の確認事項の全てが該当しない旨の情報を受信したとき前記症状の詳細の入力を促す画面を前記ユーザ端末に送信する手段をさらに備える請求項5記載の部品受発注装置。
【請求項7】
前記ユーザ端末から受信した前記症状の詳細を前記遊技機のメーカの受注装置に転送する手段をさらに備える請求項6記載の部品受発注装置。
【請求項8】
前記部品候補に関する見積り情報を前記ユーザ端末に送信する手段をさらに備える請求項5記載の部品受発注装置。
【請求項9】
前記複数の確認事項を順番付けして前記ユーザ端末に送信する請求項5記載の部品受発注装置。
【請求項10】
前記解決方法は複数であって、前記複数の解決方法を順番付けして前記ユーザ端末に送信する請求項5記載の部品受発注装置。
【請求項11】
ユーザ端末に、部品の特定を支援する経路が相違する第1、第2のボタンが含まれ部品発注の初期画面を送信する手段と、
前記ユーザ端末からの前記第1のボタンのクリックに呼応して前記遊技機の機種に係る情報と、部品キーワード又は部品分類の情報との送信を促す第1画面を前記ユーザ端末に送信する手段と、
前記第1画面を経由して前記ユーザ端末から受信した前記遊技機の機種に係る情報と、前記部品キーワード又は前記部品分類の情報とから部品候補を検索し、前記ユーザ端末に送信する手段と、
前記ユーザ端末からの前記第2のボタンのクリックに呼応して前記遊技機の機種に係る情報と症状に係る情報との送信を促す第2画面を前記ユーザ端末に送信する手段と、
前記第2画面を経由して前記ユーザ端末から受信した前記遊技機の機種に係る情報と前記症状に係る情報とから部品候補を検索し、前記ユーザ端末に送信する手段と、
前記ユーザ端末から前記部品候補に関する注文情報を受信する手段とをコンピュータに実現させるためのプログラム。
【請求項12】
ユーザ端末に遊技機の機種に係る情報の送信を促す画面を送信する手段と、
前記ユーザ端末から受信した前記機種に対応する複数の症状を検索し、前記ユーザ端末に送信する手段と、
前記ユーザ端末から受信した前記複数の症状の一に対応する少なくとも一の解決方法を前記ユーザ端末に送信する手段と、
前記ユーザ端末から前記解決方法により前記複数の症状の一が解決した旨の情報を受信したとき部品発注手順を終了し、前記複数の症状の一が解決しなかった旨の情報を受信したとき複数の確認事項を前記ユーザ端末に送信する手段と、
前記ユーザ端末から受信した前記複数の確認事項の一に対応する部品候補を前記ユーザ端末に送信する手段と、
前記部品候補に関する発注情報を受信する手段とをコンピュータに実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、遊技機の部品受発注装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコやスロットマシンの遊技機が故障した場合、その修理及び再稼働には所轄警察署の検査及び承認を要することがあるが、故障箇所によってはパチンコ店において部品交換や修理が可能なこともある。
【0003】
後者の場合、部品発注が必要になるが、現状では、店舗担当者の知識や経験等により当該機種の取扱説明書を参照しながら、故障の症状から故障原因や故障個所を推定し、その推定のもとで該当部品を特定することが一般的である。
【0004】
しかし、故障原因や故障箇所の推定は容易ではなく、誤った部品を発注する事態が少なくないのが実情である。このような事態では再稼働までに長期間を要してしまう。
【0005】
また、遊技店には多数の同一機種が設置されていることが一般的であり、同一機種が同じ症状で故障することもあり、その場合、交換部品は既知であり、交換部品を部品コードで直接発注することも望まれている。
【0006】
交換部品が不明である場合には時間を要しても交換部品を正確に特定したい、交換部品が既知である場合には即時に発注したいというユーザの状況に応じて異なる要望がある。さらに故障が発生し、その原因がコネクタの脱落など容易に解決することもあり、そのような場合には解決方法を即時に知りたいという要望も強い。
【0007】
正確に部品を特定して発注したい、即時に部品を発注したい、故障の解決方法を即時知りたい、これらの要望は再稼働までの期間を短縮することに帰結している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
目的は、パチンコやスロットマシン等の遊技機の部品受発注装置において、故障の解決方法があるならそれを試してから部品を発注したい、正確に部品を特定したい、部品を直接的に発注したい、これら様々な要望に適正に答えることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本実施形態に係る遊技機の部品受発注装置は、ユーザ端末に対してインターネット回線を介して接続される。当該部品受発注装置は、ユーザ端末に、部品の特定を支援する経路が相違する第1、第2のボタンが含まれ部品発注の初期画面を送信する手段と、ユーザ端末からの第1のボタンのクリックに呼応して遊技機の機種に係る情報と、部品キーワード又は部品分類の情報との送信を促す第1画面をユーザ端末に送信する手段と、第1画面を経由してユーザ端末から受信した遊技機の機種に係る情報と、部品キーワード又は部品分類の情報とから部品候補を検索し、ユーザ端末に送信する手段とを有する。また、当該部品受発注装置は、ユーザ端末からの第2のボタンのクリックに呼応して遊技機の機種に係る情報と故障に関する症状に係る情報との送信を促す第2画面をユーザ端末に送信する手段と、第2画面を経由してユーザ端末から受信した遊技機の機種に係る情報と症状に係る情報とから部品候補を検索し、ユーザ端末に送信する手段と、ユーザ端末から部品候補に関する注文情報を受信する手段とを有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は本実施形態に係る部品受発注装置を含む部品受発注システムの全体構成を示す図である。
【
図3】
図3は
図2の記憶装置に記憶されるトラブルシューティング・部品特定管理表の一例を示す図である。
【
図4】
図4は
図1の部品受発注装置の処理手順を示す流れ図である。
【
図5】
図5は本実施形態においてユーザ端末に表示される部品受発注の初期画面例を示す図である。
【
図6】
図6は
図4の工程S2―S5によるユーザ端末に表示される画面の遷移を示す図である。
【
図7】
図7は
図4の工程S10―S13によるユーザ端末に表示される画面の遷移を示す図である。
【
図8】
図8は
図4の工程S31―S40によるユーザ端末に表示される画面の遷移を示す図である。
【
図9】
図9は
図4の工程S38でYESのとき工程S42においてユーザ端末に表示される画面遷移を示す図である。
【
図10】
図10は本実施形態において症状として「玉が出ない」ときのトラブルシューティング及び部品特定の具体的な手順例を示す図である。
【
図11】
図11は
図4の工程S45においてユーザ端末に表示されるメーカへの問い合わせ画面を示す図である。
【
図12】
図12は本実施形態においてエラーコードとして「E02」ときのトラブルシューティング及び部品特定の具体的な手順例を示す図である。
【
図13】
図13は本実施形態において直接的に部品交換に至る場合のユーザ端末に表示される画面遷移を示す図である。
【
図14】
図14は本実施形態において症状として「ボタンが反応しない」ときの部品特定の具体的な手順例を示す図である。
【
図15】
図15は
図5の購入履歴ボタンをクリックした時にユーザ端末に表示される画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本実施形態に係る遊技機の部品受発注装置を説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る部品受発注装置(受発注用サーバ装置ともいう)1は、遊技機メーカの部品受注装置(受注用サーバ装置ともいう)2と、遊技機店舗の店員(従業員)が部品を発注するための端末(ユーザ端末)3とに対してインターネットを含む公衆電子的通信回線網(てインターネット回線)4を介して通信可能に接続されている。
【0012】
ユーザ端末3は、例えばスマートフォン、携帯電話機、モバイルPC(Personal Computer)、タブレット端末など、無線通信機能が搭載された情報処理装置である。ユーザは、ユーザ端末3を介して、部品受発注装置1にID、パスワードによりログインし、部品受発注装置1から送信された画面上の操作によりトラブルシューティングを受け、また部品を特定し、さらに部品の発注、遊技機メーカへの問い合わせや修理依頼を実行することできる。部品受発注装置1は、ユーザ端末3に対してトラブルシューティングを提供し、部品特定を支援し、さらに部品発注、問い合わせ、修理依頼に関してユーザ端末3と遊技機メーカの部品受注装置2とを仲介する。遊技機メーカの部品受注装置2は、ユーザ端末3からの部品発注及び問い合わせを部品受発注装置1を経由して受信し、適宜対応する。
【0013】
図2に示すように、部品受発注装置1は、プロセッサ11を有する。プロセッサ11には、RAM12、ROM13、記憶装置14、通信装置19が制御・データバス10を介して接続される。またプロセッサ11には、キーボード、マウス等の入力デバイス16が入力コントローラ15を介して接続され、またディスプレイ18がビデオコントローラ17を介して接続される。記憶装置14には部品受発注用のプログラムコードと、トラブルシューティング・部品特定管理と、機種管理、部品管理、その他各種のデータが記憶される。プロセッサ11はRAM12にロードされたプログラムを実行して、機種特定、トラブルシューティング処理、部品特定支援処理、受発注処理を実現する。
【0014】
図3には、トラブルシューティング・部品特定管理表の一例を示している。トラブルシューティング・部品特定管理表は、機種毎に予め準備され、機種コードに関連付けられて記憶装置14に保存されている。トラブルシューティング・部品特定管理表には、複数の故障の症状が含まれている。症状ごとに、「玉詰まり」、「断線」、「異常電波発生源が近くに存在する」等の確認すべき複数の状態が関連付けられている。これら複数の状態はその原因の深刻さに応じて予め順番付けられている。
【0015】
確認すべき状態各々に対しては、「玉を取り除き、エラー解除スイッチを押す」、「異常電波発生源の排除」等の比較的簡易な解決方法、「部品交換」等の本格的な解決方法が関連付けられている。さらに部品交換が必要とされる場合には、当該状態各々に対して交換部品の名称及び部品コードが関連付けられている。
【0016】
図4には、本実施形態に係る部品受発注装置1の処理手順を示している。
図5には、部品受発注装置1から、ログインしたユーザ端末3に送信され、ユーザ端末3のディスプレイに表示される部品発注の初期画面が示されている。初期画面には、部品の特定を支援する経路が相違する第1のボタン101、103と第2のボタン102、104が含まれている。第1のボタン101、103は、機種と、部品のキーワード又は部品分類とから交換部品に到達し、又は部品コードを直接的に指定するための経路を選択するコマンドボタンである。例えばユーザが当該故障に対して部品交換が必要であることを承知しており、交換部品のキーワードや、配線や基板等の交換部品の分類が既知である場合、又は過去に同じ機種の同じ症状の故障を部品交換で解決した等の経験があり、その部品コードが既知である場合に選択される。
【0017】
第2のボタン102、104は、その機種のトラブルシューティングにより解決方法の情報提供を受けながら、部品交換が必要とされる場合には機種及び症状から交換部品に到達するための経路を選択するコマンドボタンである。例えばユーザが部品交換の必要性を不知であって、トラブルシューティングによる故障の解決を望む場合に選択される。
【0018】
工程S1において、第1のボタン101、103のいずれかがクリックされたとき、プロセッサ11は「部品から探す」経路であると判断し、機種キーワードの受信(S2)、QRコード(登録商標)の入力を促す画面を送信するとともに、その受信を待機する(S6)。
図6に示すように、プロセッサ11はユーザ端末3から機種キーワードのデータを受信したとき(S2)、記憶装置14に予め保存されている全機種の機種データを受信した機種キーワードにより検索し(S3)、受信した機種キーワードを含む1又は複数の機種を抽出し、抽出した機種の機種名、形式名及びメーカ等の明細及びその正面画像のデータの選択を促す画面をユーザ端末3に送信するとともに、その選択情報の受信を待機する(S4)。ユーザ端末3には機種候補一覧が表示される。プロセッサ11は、機種候補一覧から選択された該当機種のデータをユーザ端末3から受信する(S5)。それによりプロセッサ11は対象機種を特定する。一方、機種上にQRコードが印刷されたシールが張着されているときには、ユーザはユーザ端末3でQRコードを撮影する。プロセッサ11はQRコードを受信し(S6)、それによりプロセッサ11は対象機種を特定する(S7)。
【0019】
図7に示すように、プロセッサ11はユーザ端末3に、部品キーワードや部品分類の入力/選択を促すための画面を送信する。プロセッサ11はユーザ端末3から部品キーワード又は部品分類を受信したとき(S10)、記憶装置14に予め保存されている全部品の部品データを当該機種と部品キーワード又は部品分類とにより検索し(S11)、抽出した部品の名称機種名、形式名及びメーカ等の明細とその正面画像とのデータをユーザ端末3に送信する(S12)。ユーザ端末3には、送信された部品の名称機種名、形式名及びメーカ等の明細とその正面画像とが部品候補の一覧として表示される。プロセッサ11は、部品候補一覧から選択された部品コードデータをユーザ端末3から受信する(S13)。
【0020】
プロセッサ11は、受信した部品の見積もりを計算し(S14)、ユーザ端末3に送信する(S15)。当該部品を注文するとき(S16:YES)、プロセッサ11は、ユーザ端末3から当該部品の注文書のデータを受信し(S17)、当該部品の注文書のデータを遊技機メーカの部品受注装置2に転送する(S18)。プロセッサ11は、ユーザ端末3から終了指示を受信すると(S19:YES)、当該部品受発注用のプログラムを終了する。プロセッサ11は、ユーザ端末3からホームに戻る指示を受信すると(S19:NO)、初期画面のデータをユーザ端末3に送信し、工程S1にリターンする。工程S16において、当該部品を注文しない指示を受信したとき(S16:NO)、プロセッサ11は工程S19に移行する。
【0021】
工程S1に戻る。第2のボタン102、104のいずれかがクリックされたとき、プロセッサ11は「トラブルから探す」であると判断し、機種キーワード又はQRコードにより対象機種を特定する(S20-S25)。工程S20-S25は、工程S2-S7にそれぞれ等価であるので、説明は省略する。
【0022】
プロセッサ11はユーザ端末3から対象の遊技機にエラーコードが表示されているか否かの区別を受信し、エラーコードが表示されていないとき(S30:NO)、記憶装置14の対象機種に関連付けられているトラブルシューティング・部品特定管理表にアクセスし、当該機種の症状候補を抽出し(S31)、抽出した症状候補のデータをユーザ端末3に送信する(S32)。症状候補のデータを順番に送信してもよいし、一括して送信するものであってもよい。例えば
図9の例では、ユーザ端末3には、送信された症状候補が一括して一覧表示される。
【0023】
プロセッサ11は、症状候補の一覧から選択された症状をユーザ端末3から受信する(S33)。プロセッサ11は、記憶装置14に記憶されているトラブルシューティング・部品特定管理表を参照して、受信した症状に関連付けられている、確認すべき複数の状態を、その順番と共にRAM12にロードする。プロセッサ11は、最初の確認すべき状態のデータをユーザ端末3に送信する(S36)。プロセッサ11は、ユーザ端末3から当該状態が該当するか否かをユーザ端末3から受信する(S37)。プロセッサ11は、送信した状態に遊技機が該当するとき(S37:YES)、当該状態からトラブルシューティング・部品特定管理表を参照して部品交換の有無を判断し(S38)、部品交換が不要なときには(S38:NO)、当該機種と状態に関連付けられている解決方法を特定して(S39)、解決方法のデータをユーザ端末3に送信する(S40)。
【0024】
プロセッサ11は、ユーザ端末3から当該解決方法で故障が解決したか否かを受信し(S41)、解決したときには(S41:YES)、プロセッサ11は工程S19に移行する。プロセッサ11は、ユーザ端末3から未解決を受信したとき(S41:NO)、トラブルシューティング・部品特定管理表を参照して次の確認すべき状態の有無を判断し(S43)、次の確認すべき状態が有るとき(S43:YES)、工程S36にリターンし、次の確認すべき状態をユーザ端末3に送信する。
【0025】
工程S38において、トラブルシューティング・部品特定管理表上で部品交換が必要であるときには(S38:YES)、部品交換が必要であるメッセージをユーザ端末3に送信し(S42)、機種と該当状態とからトラブルシューティング・部品特定管理表により当該交換部品を特定して(S43)、工程S14に移行する。
【0026】
図10には症状「玉が出ない」ときの具体的な手順をユーザ端末3に表示されるメッセージの変遷により説明する。「玉が出ない」とき、最初のSTEP1として、「玉詰まり」の状態確認を促すメッセージが表示される。この状態に該当するとき、「玉を取り除き、エラー解除スイッチを押す」との解決方法を示すメッセージが表示される。STEP1の状態が該当せず、又は該当したとしても、提示した解決方法では故障が解消しなかったとき、次のSTEP2として、「払出ユニットコネクタの接続や断線」の状態確認を促すメッセージが表示される。この状態に該当して破損等の異常があるときには、「部品交換が必要である」とのメッセージが表示され、該当部品である「払出ユニット」の情報が表示される。
【0027】
STEP2の状態が該当せず、又は該当したとしても、部品交換では故障が解消しなかったとき、次のSTEP3として、「払出中継基板のコネクタの接続や断線」の状態確認を促すメッセージが表示される。この状態に該当して破損等の異常があるときには、「部品交換が必要である」とのメッセージが表示され、該当部品である「配線8P」の情報が表示される。STEP3の状態が該当せず、又は該当したとしても、部品交換では故障が解消しなかったとき、次のSTEP4として、「払出制御基板のコネクタの接続や断線」の状態確認を促すメッセージが表示される。この状態に該当して破損等の異常があるときには、「部品交換が必要である」とのメッセージが表示され、該当部品である「配線30P」の情報が表示される。
【0028】
さらにSTEP4の状態が該当せず、又は該当したとしても、部品交換では故障が解消しなかったとき、次のSTEP5、さらにSTEP6として、「払出中継基板」や「排出制御基板」の交換が必要であるとのメッセージが表示され、
図11に例示するように当該部品の交換には遊技機メーカの作業であることや検査が必要であるとの情報とともに遊技機メーカへの修理依頼コマンドが表示される。
【0029】
図12にはエラーコード「E02」が表示されたときの具体的な手順を示している。最初のSTEP1として「異常電波発生源が近くに存在する」等の確認を促すメッセージが表示されるとともに、「問題解決後に電源スイッチの入れ直す」との解決方法を示すメッセージが表示される。次のSTEP2として、「払出中継基板のコネクタの接続や断線」の状態確認を促すメッセージが表示されるとともに、破損等の異常があるときには「部品交換が必要である」とのメッセージが表示され、該当部品である「配線30P」の情報が表示される。次のSTEP3として、「払出制御基板のコネクタの接続や断線」の状態確認を促すメッセージが表示され、破損等の異常があるときには、「部品交換が必要である」とのメッセージが表示され、該当部品である「配線30P」の情報が表示される。次のSTEP4として、「主制御基板のコネクタの接続や断線」の状態確認を促すメッセージが表示され、破損等の異常があるときには、「部品交換が必要である」とのメッセージが表示され、該当部品である「主制御基板」の情報が表示される。
【0030】
さらに続いてSTEP5-8において、「裏桶セット」、「払出中継基板」、「排出制御基板」。「束ね配線」の交換が必要であるとのメッセージとともに、当該部品の交換には遊技機メーカの作業であることや検査が必要であるとの情報とともに遊技機メーカへの修理依頼コマンドが順番に表示される。
【0031】
なお、比較的簡易な解決方法が存在せず、直ちに部品交換が必要とされる症状である場合があり、その場合、
図13、
図14に示すように、症状から直ちに部品交換を促すメッセージおよび部品選択の画面をユーザ端末3に送信する。STEP1-3として、「演出制御基板」、「枠シリアル中継基板」、「コアボタン」の交換が必要であるとのメッセージが表示されるとともに、当該部品の交換には遊技機メーカの作業であることや検査が必要であるとの情報とともに遊技機メーカへの修理依頼コマンドが表示される。
【0032】
なお、部品注文処理においては、
図15に例示するように購入履歴、進捗等を確認可能である。
【0033】
以上述べたように、本実施形態によれば、パチンコやスロットマシン等の遊技機の部品受発注装置において、トラブルシューティングを経てから、部品交換の必要性を確認し、また部品交換が必要である場合にはその機種及び故障の症状から交換部品を正確に特定してユーザに提示することができる。またユーザが部品交換が必要であること、交換部品を既知である場合には、即時に発注することができる。さらに部品を交換しても故障が解消しないときには、遊技機メーカに問い合わせや修理依頼を発注することができる。それらにより故障が発生したとき、それを解決して再稼働させるまでのダウンタイムを可能な限り短縮することができる。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0035】
1…部品受発注装置、2…遊技機メーカの部品受注装置、3…ユーザ端末、4…公衆電子的通信回線網(てインターネット回線)、10…制御・データバス、11…プロセッサ、12…RAM、13…ROM、14…記憶装置、15…入力コントローラ、16…入力デバイス、17…ビデオコントローラ、18…ディスプレイ、19…通信装置。
【手続補正書】
【提出日】2022-01-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末に対してインターネット回線を介して接続される遊技機の部品受発注装置において、
前記ユーザ端末に、部品の特定を支援する経路が相違する第1、第2のボタンが含まれ部品発注の初期画面を送信する手段と、
前記ユーザ端末からの前記第1のボタンのクリックに呼応して前記遊技機の機種に係る情報と、部品キーワード又は部品分類の情報との送信を促す第1画面を前記ユーザ端末に送信する手段と、
前記第1画面を経由して前記ユーザ端末から受信した前記遊技機の機種に係る情報と、前記部品キーワード又は前記部品分類の情報とから部品候補を検索し、前記ユーザ端末に送信する手段と、
前記ユーザ端末からの前記第2のボタンのクリックに呼応して前記遊技機の機種に係る情報と故障に関する症状に係る情報との送信を促す第2画面を前記ユーザ端末に送信する手段と、
前記第2画面を経由して前記ユーザ端末から受信した前記遊技機の機種に係る情報と前記症状に係る情報とから部品候補を検索し、前記ユーザ端末に送信する手段と、
前記ユーザ端末から前記部品候補に関する注文情報を受信する手段とを具備する部品受発注装置。
【請求項2】
前記部品候補に関する見積り情報を前記ユーザ端末に送信する手段をさらに備える請求項1記載の部品受発注装置。
【請求項3】
前記注文情報を前記遊技機のメーカの受注装置に転送する手段をさらに備える請求項1記載の部品受発注装置。
【請求項4】
前記遊技機の機種に係る情報として前記機種に係る機種キーワードとQRコード(登録商標)との選択的な送信を促す請求項1記載の部品受発注装置。
【請求項5】
ユーザ端末に、部品の特定を支援する経路が相違する第1、第2のボタンが含まれ部品発注の初期画面を送信する手段と、
前記ユーザ端末からの前記第1のボタンのクリックに呼応して前記遊技機の機種に係る情報と、部品キーワード又は部品分類の情報との送信を促す第1画面を前記ユーザ端末に送信する手段と、
前記第1画面を経由して前記ユーザ端末から受信した前記遊技機の機種に係る情報と、前記部品キーワード又は前記部品分類の情報とから部品候補を検索し、前記ユーザ端末に送信する手段と、
前記ユーザ端末からの前記第2のボタンのクリックに呼応して前記遊技機の機種に係る情報と症状に係る情報との送信を促す第2画面を前記ユーザ端末に送信する手段と、
前記第2画面を経由して前記ユーザ端末から受信した前記遊技機の機種に係る情報と前記症状に係る情報とから部品候補を検索し、前記ユーザ端末に送信する手段と、
前記ユーザ端末から前記部品候補に関する注文情報を受信する手段とをコンピュータに実現させるためのプログラム。