(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022117686
(43)【公開日】2022-08-12
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/52 20060101AFI20220804BHJP
【FI】
H01R13/52 301A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021014307
(22)【出願日】2021-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】513314171
【氏名又は名称】宏致電子股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ACES ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.13,Dongyuan Rd.,Zhongli City,Taoyuan County 32063,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100112427
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 芳洋
(72)【発明者】
【氏名】下重 利晴
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087EE03
5E087EE11
5E087FF02
5E087LL02
5E087LL04
5E087LL13
5E087QQ01
5E087RR12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】外部からの液体の侵入を防止することができるコネクタを提供する。
【解決手段】外部機器の接続端子を所定方向に押し付けることにより該接続端子と電気的に接続する接点部8aを有するコンタクト8と、前記コンタクト8を覆うことにより前記接点部8aを保護し、且つ前記所定方向と反対方向に前記接点部8aを突出させる第1開口部を有する保護部材6と、前記コンタクト8及び前記保護部材6を収容し、且つ前記所定方向と反対方向に前記保護部材6を突出させる第2開口部4cを有するベース体4とを備え、前記コンタクト8と前記第1開口部との間に設けられ、前記コンタクト8と前記第1開口部との間からの液体の侵入を防止する第1防水用弾性部材12と、前記保護部材6と前記第2開口部4cとの間に設けられ、前記保護部材6と前記第2開口部4cとの間からの液体の侵入を防止する第2防水用弾性部材14とを有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部機器の接続端子を所定方向に押し付けることにより該接続端子と電気的に接続する接点部を有するコンタクトと、
前記コンタクトを覆うことにより前記接点部を保護し、且つ前記所定方向と反対方向に前記接点部を突出させる第1開口部を有する保護部材と、
前記コンタクト及び前記保護部材を収容し、且つ前記所定方向と反対方向に前記保護部材を突出させる第2開口部を有するベース体と、を備え、
前記接点部は、前記第1開口部に対して前記所定方向及び前記所定方向と反対方向に移動可能であり、
前記保護部材は、前記第2開口部に対して前記所定方向及び前記所定方向と反対方向に移動可能であり、
前記コンタクトと前記第1開口部との間に設けられ、前記コンタクトと前記第1開口部との間からの液体の侵入を防止する第1防水用弾性部材と、
前記保護部材と前記第2開口部との間に設けられ、前記保護部材と前記第2開口部との間からの液体の侵入を防止する第2防水用弾性部材と、を有することを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記接点部近傍の前記コンタクトを覆う樹脂部材を更に備え、
前記第1防水用弾性部材は、前記樹脂部材と前記第1開口部との間に介在させることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
【請求項3】
前記第1防水用弾性部材は、前記接点部近傍の前記コンタクトの周囲を前記所定方向と交差する方向に押圧する第1押圧部を備えることを特徴とする請求項1または請求項2記載のコネクタ。
【請求項4】
前記第2防水用弾性部材は、前記第2開口部近傍に位置する前記保護部材の周囲を前記所定方向と交差する方向に押圧する第2押圧部を備えることを特徴とする請求項1~請求項3の何れか一項に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記第2防水用弾性部材の断面形状は、X形状であることを特徴とする請求項1~請求項4の何れか一項に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記接点部の周囲を覆う前記所定方向と反対方向に伸びる壁を有し、前記コンタクトの接点部が前記外部機器の前記接続端子と電気的に接続した際、前記接点部の周囲への液体の侵入を防止する第3防水用弾性部材を備えることを特徴とする請求項1~請求項5の何れか一項に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記第3防水用弾性部材は、前記外部機器の前記接続端子が露出する面を前記所定方向と反対方向に押圧する第3押圧部を備えることを特徴とする請求項6記載のコネクタ。
【請求項8】
前記外部機器と前記コネクタとが嵌合する際、前記保護部材を前記所定方向と反対方向に押す弾性部材を備えることを特徴とする請求項7記載のコネクタ。
【請求項9】
前記第1防水用弾性部材及び前記第3防水用弾性部材は、一部材により形成されていることを特徴とする請求項6~請求項8の何れか一項に記載のコネクタ。
【請求項10】
複数の前記コンタクトを有し、
前記第3防水用弾性部材は、前記接点部と前記接点部との間に前記所定方向と反対方向に伸びる防水壁を有することを特徴とする請求項6~請求項9の何れか一項に記載のコネクタ。
【請求項11】
前記第1防水用弾性部材及び前記第2防水用弾性部材の少なくとも一つは、シリコンゴムであることを特徴とする請求項1~請求項10の何れか一項に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部機器の接続端子に接続されるコネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
外部機器の接続端子が押し付けられることによって該外部機器と電気的に接続する接点を有する接触子と、該接点の周囲を覆うことにより接点を保護する保護部材と、接触子及び保護部材を収納するベース体を備えるコネクタが知られている(例えば、特許文献1参照)。このコネクタによれば、保護部材が接点を所定方向に突出させる開口部、ベース体が保護部材を所定方向に突出させる開口部を備え、外部機器の接続端子が所定方向と反対方向に押し付けられることにより、接点が保護部材に対して所定方向と反対方向に移動し、保護部材がベース体に対して所定方向と反対方向に移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のコネクタにおいては、接点が保護部材の開口部から突出し、保護部材に対して移動可能に構成されているため、接点と保護部材の開口部との間に隙間があり、外部から水などの液体が侵入するおそれがある。同様に、上述のコネクタにおいては、保護部材がベース体の開口部から突出し、ベース体に対して移動可能に構成されているため、保護部材とベース体の開口部との間に隙間があり、外部から水などの液体が侵入するおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、外部からの液体の侵入を防止することができるコネクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のコネクタは、外部機器の接続端子を所定方向に押し付けることにより該接続端子と電気的に接続する接点部を有するコンタクトと、前記コンタクトを覆うことにより前記接点部を保護し、且つ前記所定方向と反対方向に前記接点部を突出させる第1開口部を有する保護部材と、前記コンタクト及び前記保護部材を収容し、且つ前記所定方向と反対方向に前記保護部材を突出させる第2開口部を有するベース体と、を備え、前記接点部は、前記第1開口部に対して前記所定方向及び前記所定方向と反対方向に移動可能であり、前記保護部材は、前記第2開口部に対して前記所定方向及び前記所定方向と反対方向に移動可能であり、前記コンタクトと前記第1開口部との間に設けられ、前記コンタクトと前記第1開口部との間からの液体の侵入を防止する第1防水用弾性部材と、前記保護部材と前記第2開口部との間に設けられ、前記保護部材と前記第2開口部との間からの液体の侵入を防止する第2防水用弾性部材と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明のコネクタは、前記接点部近傍の前記コンタクトを覆う樹脂部材を更に備え、前記第1防水用弾性部材は、前記樹脂部材と前記第1開口部との間に介在させることを特徴とする。
【0008】
また、本発明のコネクタは、前記第1防水用弾性部材が前記接点部近傍の前記コンタクトの周囲を前記所定方向と交差する方向に押圧する第1押圧部を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明のコネクタは、前記第2防水用弾性部材が前記第2開口部近傍に位置する前記保護部材の周囲を前記所定方向と交差する方向に押圧する第2押圧部を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明のコネクタは、前記第2防水用弾性部材の断面形状がX形状であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明のコネクタは、前記接点部の周囲を覆う前記所定方向と反対方向に伸びる壁を有し、前記コンタクトの接点部が前記外部機器の前記接続端子と電気的に接続した際、前記接点部の周囲への液体の侵入を防止する第3防水用弾性部材を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明のコネクタの前記第3防水用弾性部材は、前記外部機器の前記接続端子が露出する面を前記所定方向と反対方向に押圧する第3押圧部を備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明のコネクタは、前記外部機器と前記コネクタとが嵌合する際、前記保護部材を前記所定方向と反対方向に押す弾性部材を備えることを特徴とする。
【0014】
また、本発明のコネクタは、前記第1防水用弾性部材及び前記第3防水用弾性部材が一部材により形成されていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明のコネクタは、複数の前記コンタクトを有し、前記第3防水用弾性部材は、前記接点部と前記接点部との間に前記所定方向と反対方向に伸びる防水壁を有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明のコネクタは、前記第1防水用弾性部材及び前記第2防水用弾性部材の少なくとも一つがシリコンゴムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、外部からの液体の侵入を防止することができるコネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】実施の形態に係るコネクタの外観を示す斜視図である。
【
図2】実施の形態に係るコネクタ及び外部機器が嵌合した状態を示す斜視図である。
【
図3】実施の形態に係るコネクタの外観を示す平面図である。
【
図4】実施の形態に係るコネクタの構成を示す断面図である。
【
図5】実施の形態に係るコネクタの構成を示す分解図である。
【
図6】実施の形態に係るコネクタ及び外部機器が嵌合した状態を示す平面図である。
【
図7】実施の形態に係るコネクタ及び外部機器が嵌合した状態を示す断面図である。
【
図8】実施の形態に係るコンタクトの構成を示す図である。
【
図9】実施の形態に係る戻しバネの構成を示す図である。
【
図10】変形例に係るコネクタの外観を示す平面図である。
【
図11】変形例に係るコネクタの構成を示す断面図である。
【
図12】変形例に係るコネクタの構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、実施の形態に係るコネクタについて、携帯情報端末等の外部機器の接続端子を押し付けることにより外部機器の接続端子と電気的に接続する押し付け型のコネクタを例に挙げて説明する。
図1は実施の形態に係るコネクタの外観を示す斜視図、
図2はコネクタ及び外部機器が嵌合している状態を示す斜視図、
図3はコネクタの構成を示す平面図、
図4はコネクタの構成を示す断面図(
図3のB-B断面図)、
図5はコネクタの構成を示す分解図である。また、
図6はコネクタ及び外部機器が嵌合した状態を示す平面図、
図7はコネクタ及び外部機器が嵌合した状態を示す断面図(
図6のA-A断面図)である。この実施の形態に係るコネクタ1は、
図1に示すように、ベース体4、保護部材6、及び複数(この実施の形態では24個)のコンタクト8を備えている。なお、以下の説明においては、
図1~
図7に示すXYZ直交座標系を設定し、この直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係等について説明する。Y軸は、24個のコンタクト8が配列される方向に平行となるように設定されている。Z軸は、外部機器2をコネクタ1に押し付ける方向と平行となるように設定されている。X軸は、YZ平面に直交する方向に設定されている。
【0020】
ベース体4は、
図4及び
図5等に示すように、樹脂等の2つの絶縁部材4a,4bから成り、保護部材6及び24個のコンタクト8を収容する。ベース体4の絶縁部材4aには、Z方向に貫通する第2開口部4cが設けられている。第2開口部4cの-Z方向側には、絶縁部材4bが配置され、第2開口部4cの+Z方向側には、保護部材6が配置される。第2開口部4cは、+Z方向に保護部材6を突出させる。
【0021】
保護部材6は、樹脂等の絶縁体から成り、24個のコンタクト8を+Z方向側から覆うことにより24個のコンタクト8の接点部8aを保護する。保護部材6の+Z方向側の面には、
図5等に示すように、Y方向に一列に配置される24個の円形状の第1開口部6aが形成されている。第1開口部6aのそれぞれには、接点部8aのそれぞれ及び後述する樹脂部材10のそれぞれが配置され、第1開口部6aは、接点部8aを+Z方向に突出させる。保護部材6は、ベース体4の第2開口部4cに対して±Z方向に移動可能に構成されている。
【0022】
保護部材6には、
図4及び
図5等に示すように、外周面を周回する凹部6bが設けられており、凹部6bには、輪状の防水用シリコンゴム14が嵌め込まれている。防水用シリコンゴム14は、保護部材6と第2開口部4cとの間に設けられ、保護部材6と第2開口部4cとの間からの液体の侵入を防止する第2防水用弾性部材として機能する。防水用シリコンゴム14の断面形状は、
図4等に示すようにX形状であって、防水用シリコンゴム14は、第2開口部4c近傍に位置する保護部材6の周囲、即ち凹部6bを、保護部材6の中心部に向けてZ軸に直交する方向に押圧する2つの第2押圧部14aを備えている。また、防水用シリコンゴム14は、ベース体4(絶縁部材4a)を、Z軸に直交する方向に放射状に押圧する2つの押圧部14bを備えている。
【0023】
各第2押圧部14aは、防水用シリコンゴム14から保護部材6の中心部に向けて突出する凸部であって、保護部材6の凹部6bを押圧する。各押圧部14bは、防水用シリコンゴム14からベース体4の中心部から放射する方向に向けて突出する凸部であって、ベース体4の絶縁部材4aを押圧する。第2押圧部14aが保護部材6の外周壁を、押圧部14bがベース体4の内周壁を隙間なく押圧しているため、保護部材6と第2開口部4cとの間(ベース体4内部)に液体が侵入することを防止する。また、保護部材6が第2開口部4cに対して±Z方向に移動している間も、第2押圧部14aが保護部材6の外周壁を、押圧部14bがベース体4の内周壁を押圧し続け、保護部材6と第2開口部4cとの間(ベース体4内部)に液体が侵入することを防止する。なお、この実施の形態では、2つの第2押圧部14a及び押圧部14bを備える場合を例に挙げて説明したが、1つまたは3つ以上の第2押圧部及び押圧部を備える構成であってもよい。
【0024】
24個のコンタクト8は、金属等の導電性を有する部材から成り、
図1等に示すように、Y方向に一列に配置されている。
図8は、1つのコンタクト8及び樹脂部材10の構成を示す図である。なお、24個のコンタクト8及び樹脂部材10の構成は同一である。コンタクト8のそれぞれは、外部機器2の接続端子18のそれぞれを-Z方向に押し付けることにより該接続端子18と電気的に接続する接点部8aを有している。各接点部8aは、個別に第1開口部6aに対して±Z方向に移動可能に構成されている。また、コンタクト8のそれぞれは、保護部材6及び接点部8aを+Z方向に押し上げる弾性部8b及びXY平面に平行な面である保持面4dに保持される被保持部8cを有している。保持面4dは、ベース体4の絶縁部材4bに形成されている。なお、この実施の形態では、複数のコンタクト8を備える場合を例に挙げて説明するが、1つのコンタクトを備える構成であってもよい。
【0025】
また、コネクタ1は、24個の樹脂部材10を備えている。各樹脂部材10には、接点部8a近傍のコンタクト8を覆うための被覆部10a、及び保護部材6を+Z方向に押し上げる押上面10bを有している。被覆部10a内には、接点部8aの-Z方向側(接点部8aと弾性部8bとの間)のコンタクト8がインサート成形されている。樹脂部材10は、コンタクト8と後述する防水用シリコンゴム12との間に介在させるために設けられており、防水用シリコンゴム12がコンタクト8のエッジで切れること、またコンタクト8と防水用シリコンゴム12との間の隙間が生じることを防止する。
【0026】
また、コネクタ1は、保護部材6の+Z方向側の面上に接着剤等で接着される防水用シリコンゴム12を備えている。なお、防水用シリコンゴム12は、インサート成形等で保護部材6に取り付けてもよい。防水用シリコンゴム12は、コンタクト8と第1開口部6aとの間からの液体の侵入を防止する第1防水用弾性部材として機能する。防水用シリコンゴム12には、樹脂部材10の被覆部10aを覆う円筒部12a(24個の円筒部12a)が設けられており、円筒部12aは、コンタクト8と第1開口部6aとの間に配置されている。即ち、円筒部12aは、コンタクト8を覆う被覆部10aと第1開口部6aとの間に介在されている。各円筒部12a内には、被覆部10aを介して被覆部10aに覆われているコンタクト8をZ軸に直交する方向に押圧する2つの第1押圧部12bが設けられている。
【0027】
各第1押圧部12bは、円筒部12aの内壁面を周回する凸部であって、円筒部12aの内壁面から円筒部12aの中心部に向けて突出しており、被覆部10aの外周壁を押圧する。第1押圧部12bは、被覆部10aの外周壁を隙間なく押圧しているため、コンタクト8と第1開口部6aとの間に液体が侵入することを防止する。また、コンタクト8が第1開口部6aに対して±Z方向に移動している間も、第1押圧部12bは、被覆部10aの外周壁を押圧し続け、コンタクト8と第1開口部6aとの間に液体が侵入することを防止する。なお、この実施の形態では、2つの第1押圧部12bを備える場合を例に挙げて説明したが、1つまたは3つ以上の第1押圧部を備える構成であってもよい。
【0028】
また、防水用シリコンゴム12は、コンタクト8の接点部8aが外部機器2の接続端子18と電気的に接続した際、接点部8aの周囲への液体の侵入を防止する第3防水用弾性部材として機能する。即ち、この実施の形態においては、第1防水用弾性部材及び第3防水用弾性部材が一部材(防水用シリコンゴム12)により形成されている。なお、第1防水用弾性部材及び第3防水用弾性部材が異なる部材(別部材)により形成される構成であってもよい。
【0029】
防水用シリコンゴム12には、24個の接点部8aの周囲を覆う+Z方向に伸びる外周壁12cが設けられている。外部機器2の接続端子18がコンタクト8の接点部8aに押し付けられると、外部機器2の接続端子18を露出させている面20に外周壁12cの頂部が押し付けられることにより、24個の接点部8aの周囲は、外部機器2の接続端子18が露出する面20を上面、外周壁12cを側面及び防水用シリコンゴム12のXY平面に平行な面12eを底面とする閉じられた領域となり、接点部8aの周囲に液体が侵入することを防止する。即ち、外周壁12cの頂部は、外部機器2の接続端子18が露出する面20を+Z方向に押圧する第3押圧部として機能する。
【0030】
また、防水用シリコンゴム12には、隣り合う接点部8aと接点部8aとの間に、+Z方向に伸びる23個の防水壁12dが設けられている。外部機器2の接続端子18がコンタクト8の接点部8aに押し付けられると、外部機器2の接続端子18を露出させている面20に外周壁12c及び防水壁12dの頂部が押し付けられることにより、最も±Y方向側に位置する接点部8aそれぞれの周囲は、外部機器2の接続端子18が露出する面20を上面、外周壁12cを3つの側面、防水壁12dを1つの側面及び防水用シリコンゴム12のXY平面に平行な面12eを底面とする閉じられた領域となり、最も±Y方向側に位置する接点部8aそれぞれの周囲に液体が侵入することを防止する。また、最も±Y方向側に位置する接点部8a以外の接点部8aそれぞれの周囲は、外部機器2の接続端子18が露出する面20を上面、外周壁12cを対向する2つの側面、2つの防水壁12dを2側面及び防水用シリコンゴム12のXY平面に平行な面12eを底面とする閉じられた領域となり、最も±Y方向側に位置する接点部8a以外の接点部8aそれぞれの周囲に液体が侵入することを防止する。
【0031】
また、コネクタ1は、
図5等に示すように、ベース体4の絶縁部材4bに取り付けられ、外部機器2とコネクタ1とが嵌合する際、保護部材6を+Z方向に押す弾性部材としての戻しバネ16a,16bを備えている。
図9は、戻しバネ16a,16bの構成を示す図である。戻しバネ16aは+X方向側に、戻しバネ16bは-X方向側に取り付けられている。外部機器2の接続端子18がコンタクト8の接点部8aに押し付けられると、保護部材6の底面6cに接している戻しバネ16aの先端部22a,22bが戻しバネ16aの弾性部分24a,24bの弾性により底面6c(保護部材6)を+Z方向に押し上げる。同様に、外部機器2の接続端子18がコンタクト8の接点部8aに押し付けられると、保護部材6の底面6cに接している戻しバネ16bの先端部22c,22dが戻しバネ16bの弾性部分24c,24dの弾性により底面6c(保護部材6)を+Z方向に押し上げる。この戻しバネ16a,16bの作用により、外部機器2の接続端子18が露出する面20に対する外周壁12cの頂部及び防水壁12dの頂部の押し付けが強固となり、接点部8aそれぞれの周囲に液体が侵入することを確実に防止することができる。
【0032】
この実施の形態に係るコネクタ1によれば、第1防水用弾性部材としての防水用シリコンゴム12を備えているため、コンタクト8と第1開口部6a(保護部材6)との間にコネクタ1の外部から水などの液体が侵入することを確実に防止することができる。また、第1押圧部12aを有しているため、コンタクト8が保護部材6に対してZ方向に移動する際にもコンタクト8と第1開口部6a(保護部材6)との間にコネクタ1の外部から水などの液体が侵入することを確実に防止することができる。
【0033】
また、この実施の形態に係るコネクタ1によれば、第2防水弾性部材としての防水用シリコンゴム14を備えているため、保護部材6と第2開口部4c(ベース体4)との間にコネクタ1の外部から水などの液体が侵入することを確実に防止することができる。また、第2押圧部14aを有しているため、保護部材6がベース体4に対してZ方向に移動する際にも保護部材6と第2開口部4c(ベース体4)との間にコネクタ1の外部から水などの液体が侵入することを確実に防止することができる。
【0034】
また、この実施の形態に係るコネクタ1によれば、第3防水弾性部材としての防水用シリコンゴム12を備えているため、外部機器2とコネクタ1とが嵌合した際、接点部8aの周囲に水などの液体が侵入することを確実に防止することができる。特に外周壁12cを備えているため、外部機器2及びコネクタ1の外部から接点部8aの周囲に水などの液体が侵入することを防止することができる。また、外周壁12cに加え、更に防水壁12dを備えているため、例えば外部機器2とコネクタ1とが嵌合する前に、いずれかの接点部8aの周囲に液体が侵入した場合であっても、他の接点部8aの周囲に液体が侵入することを防止することができる。また、戻しバネ16a,16bを備えているため、外周壁12c及び防水壁12dの頂部が外部機器2の面20に確実に隙間なく押し付けられるため、接点部8aの周囲に水などの液体が侵入することを確実に防止することができる。
【0035】
なお、上述の実施の形態においては、外部機器2の面20に外周壁12c及び防水壁12dの頂部を確実に隙間なく押し付けるために戻しバネ16a,16bを備える場合を例に挙げて説明したが、例えば
図10~
図12に示すような戻しバネ26a,26bを更に備える構成であってもよい。
図10は上述の実施の形態の変形例を示す平面図、
図11は
図10のC-C断面図、
図12は
図10のD-D断面図である。
【0036】
図10~
図12に示すように、変形例に係るコネクタ1´は、最も±Y方向に配置される2つのコンタクト8に代えて、戻しバネ26a,26bを備えている。戻しバネ26a,26bの形状は22個のコンタクト8の形状と同一であって、戻しバネ26a、22個のコンタクト8、戻しバネ26bの順にY方向に一列に配列されている。戻しバネ26a,26bは樹脂部材10に覆われていない。また、戻しバネ26a,26bの+Z方向側には、保護部材6の第1開口部6a及び防水用シリコンゴム12の円筒部12aは設けられていない。したがって、戻しバネ26a,26bは、コンタクト8と同一形状であるが、外部機器2の接続端子18と電気的に接続するコンタクトとして機能しない。
【0037】
外部機器2の接続端子18がコンタクト8の接点部8aに押し付けられると、戻しバネ16a,16bが保護部材6を+Z方向に押し上げると共に、保護部材6の裏面6dに接している戻しバネ26a,26bが裏面6d(保護部材6)を+Z方向に押し上げる。この戻しバネ16a,16b,26a,26bの作用により、外部機器2の接続端子18が露出する面20に対する外周壁12cの頂部及び防水壁12dの頂部の押し付けが強固となり、接点部8aそれぞれの周囲に液体が侵入することを確実に防止することができる。なお、
図10~
図12に示す変形例においては、戻しバネ16a,16b,26a,26bを備えているが、戻しバネ16a,16bを備えず、戻しバネ26a,26bのみを備える構成であってもよい。
【0038】
また、上述の実施の形態においては、防水用弾性部材としてシリコンゴムを備える場合を例に挙げて説明したが、シリコンゴム以外の防水用弾性部材であっても本発明に適用することができる。また、上述の実施の形態においては、樹脂部材を備えているが、エッジのないコンタクトを用いる場合には防水用弾性部材に傷がつくおそれがないため、樹脂部材を備えない構成であってもよい。
【符号の説明】
【0039】
1,1´…コネクタ、2…外部機器、4…ベース体、4a,4b…絶縁部材、4c…第2開口部、4d…保持面、6…保護部材、6a…第1開口部、6b…凹部、8…コンタクト、8a…接点部、8b…弾性部、8c…被保持部、10…樹脂部材、10a…被覆部、10b…押上面、12…防水用シリコンゴム、12a…円筒部、12b…第1押圧部、12c…外周壁、12d…防水壁、14…防水用シリコンゴム、14a…第2押圧部、14b…押圧部、16a,16b,26a,26b…戻しバネ、18…接続端子。