(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022117701
(43)【公開日】2022-08-12
(54)【発明の名称】マッチングシステム、マッチング方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/28 20120101AFI20220804BHJP
【FI】
G06Q50/28
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021014335
(22)【出願日】2021-02-01
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期/ビッグデータ・AIを活用したサイバー空間基盤技術/AI間連携基盤技術/AI間連携によるバリューチェーンの効率化・柔軟化」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願)
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100190942
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 竜司
(72)【発明者】
【氏名】近藤 愛
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC51
(57)【要約】
【課題】ユーザー同士のマッチングをより適切に行う。
【解決手段】複数の求車依頼者それぞれの求車依頼情報と、複数の求貨依頼者それぞれの求貨依頼情報と、第1のルールとに基づいて、前記複数の求車依頼者および前記複数の求貨依頼者から、求車依頼者および求貨依頼者の1または複数の組み合わせそれぞれをマッチング候補として選択するマッチング候補選択部と、前記マッチング候補ごとに交渉に必要な所定の処理を実行する処理実行部と、前記交渉の開始後に入力された、前記マッチング候補の求車依頼者および求貨依頼者の一部または全部の選好情報を取得する選好情報取得部と、前記選好情報と第2のルールとに基づいて、前記複数の求車依頼者および前記複数の求貨依頼者から、求車依頼者および求貨依頼者の1または複数の組み合わせそれぞれをマッチング結果として決定するマッチング部と、を備える、マッチングシステムが提供される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の求車依頼者それぞれの求車依頼情報と、複数の求貨依頼者それぞれの求貨依頼情報と、第1のルールとに基づいて、前記複数の求車依頼者および前記複数の求貨依頼者から、求車依頼者および求貨依頼者の1または複数の組み合わせそれぞれをマッチング候補として選択するマッチング候補選択部と、
前記マッチング候補ごとに交渉に必要な所定の処理を実行する処理実行部と、
前記交渉の開始後に入力された、前記マッチング候補の求車依頼者および求貨依頼者の一部または全部の選好情報を取得する選好情報取得部と、
前記選好情報と第2のルールとに基づいて、前記複数の求車依頼者および前記複数の求貨依頼者から、求車依頼者および求貨依頼者の1または複数の組み合わせそれぞれをマッチング結果として決定するマッチング部と、
を備える、マッチングシステム。
【請求項2】
前記処理実行部は、前記マッチング候補それぞれにおいて、前記求車依頼者に関する情報が前記求貨依頼者に出力されるように制御することと、前記求貨依頼者に関する情報が前記求車依頼者に出力されるように制御することとを、前記所定の処理として実行する、
請求項1に記載のマッチングシステム。
【請求項3】
前記求車依頼者に関する情報は、前記求車依頼者の連絡先を示す情報を含み、
前記求貨依頼者に関する情報は、前記求貨依頼者の連絡先を示す情報を含む、
請求項2に記載のマッチングシステム。
【請求項4】
前記処理実行部は、前記マッチング候補それぞれにおいて、前記求車依頼者の端末装置と前記求貨依頼者の端末装置との間においてメッセージの送受信を可能にするための処理を、前記所定の処理として実行する、
請求項1に記載のマッチングシステム。
【請求項5】
前記メッセージの送受信を可能にするための処理は、前記求車依頼者の端末装置と前記求貨依頼者の端末装置との間においてメッセージの送受信が行われるチャットルームを生成することを含む、
請求項4に記載のマッチングシステム。
【請求項6】
前記処理実行部は、あらかじめ登録された項目と一致する項目がメッセージから認識されなかった場合に、前記メッセージを送信した端末装置に対して、認識されなかった項目が送信されるように送信部を制御する、
請求項4または5に記載のマッチングシステム。
【請求項7】
前記処理実行部は、前記求車依頼者の端末装置から送信されたメッセージと、前記求貨依頼情報とにおいて、対応する条件同士の一致度合いを算出し、前記一致度合いに応じたスコアが前記求貨依頼者の端末装置に送信されるように送信部を制御する、
請求項4または5に記載のマッチングシステム。
【請求項8】
前記処理実行部は、前記一致度合いと前記求貨依頼者の価値基準とに応じたスコアが前記求貨依頼者の端末装置に送信されるように送信部を制御する、
請求項7に記載のマッチングシステム。
【請求項9】
前記処理実行部は、前記求貨依頼者の端末装置から送信されたメッセージと、前記求車依頼情報とにおいて、対応する条件同士の一致度合いを算出し、前記一致度合いに応じたスコアが前記求車依頼者の端末装置に送信されるように送信部を制御する、
請求項4または5に記載のマッチングシステム。
【請求項10】
前記処理実行部は、複数のマッチング候補それぞれの求車依頼者が同一である場合に、前記複数のマッチング候補それぞれにおいて求貨依頼者によって入力されたメッセージから対応する条件を認識し、前記対応する条件に応じた情報が前記求車依頼者の端末装置に送信されるように送信部を制御する、
請求項4または5に記載のマッチングシステム。
【請求項11】
前記処理実行部は、複数のマッチング候補それぞれの求貨依頼者が同一である場合に、前記複数のマッチング候補それぞれにおいて求車依頼者によって入力されたメッセージから対応する条件を認識し、前記対応する条件に応じた情報が前記求貨依頼者の端末装置に送信されるように送信部を制御する、
請求項4または5に記載のマッチングシステム。
【請求項12】
前記処理実行部は、前記マッチング候補それぞれにおいて、前記マッチングシステム内において動作する求車依頼者側エージェントと前記マッチングシステム内において動作する求貨依頼者側エージェントとの間において交渉を開始させる処理を、前記所定の処理として実行する、
請求項1に記載のマッチングシステム。
【請求項13】
前記マッチングシステムは、前記求車依頼者側エージェントと前記求貨依頼者側エージェントとの間における交渉結果が、前記求車依頼者および前記求貨依頼者それぞれに出力されるように制御する交渉結果出力部を備える、
請求項12に記載のマッチングシステム。
【請求項14】
前記選好情報取得部は、前記マッチング候補の一部または全部において、前記求貨依頼者によって入力された前記求車依頼者に対する選好情報を取得するとともに、前記求車依頼者によって入力された前記求貨依頼者に対する選好情報を取得する、
請求項1~13のいずれか一項に記載のマッチングシステム。
【請求項15】
前記処理実行部は、前記マッチング候補それぞれにおいて、求車依頼者側エージェントと求貨依頼者側エージェントとの間において交渉を開始させる処理を、前記所定の処理として実行し、
前記マッチングシステムは、
前記求車依頼者側エージェントと前記求貨依頼者側エージェントとの間における交渉結果に基づいて、前記求車依頼者および前記求貨依頼者の選好情報を決定し、前記選好情報を前記選好情報取得部に出力する選好決定部を備える、
請求項1に記載のマッチングシステム。
【請求項16】
複数の求車依頼者それぞれの求車依頼情報と、複数の求貨依頼者それぞれの求貨依頼情報と、第1のルールとに基づいて、前記複数の求車依頼者および前記複数の求貨依頼者から、求車依頼者および求貨依頼者の1または複数の組み合わせそれぞれをマッチング候補として選択することと、
前記マッチング候補ごとに交渉に必要な所定の処理を実行することと、
前記交渉の開始後に入力された、前記マッチング候補の求車依頼者および求貨依頼者の一部または全部の選好情報を取得することと、
前記選好情報と第2のルールとに基づいて、前記複数の求車依頼者および前記複数の求貨依頼者から、求車依頼者および求貨依頼者の1または複数の組み合わせそれぞれをマッチング結果として決定することと、
を備える、マッチング方法。
【請求項17】
コンピュータを、
複数の求車依頼者それぞれの求車依頼情報と、複数の求貨依頼者それぞれの求貨依頼情報と、第1のルールとに基づいて、前記複数の求車依頼者および前記複数の求貨依頼者から、求車依頼者および求貨依頼者の1または複数の組み合わせそれぞれをマッチング候補として選択するマッチング候補選択部と、
前記マッチング候補ごとに交渉に必要な所定の処理を実行する処理実行部と、
前記交渉の開始後に入力された、前記マッチング候補の求車依頼者および求貨依頼者の一部または全部の選好情報を取得する選好情報取得部と、
前記選好情報と第2のルールとに基づいて、前記複数の求車依頼者および前記複数の求貨依頼者から、求車依頼者および求貨依頼者の1または複数の組み合わせそれぞれをマッチング結果として決定するマッチング部と、
を備えるマッチング装置として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッチングシステム、マッチング方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、マッチングに関する各種の技術が提案されている。インターネット上の求貨求車マッチングとしては、掲示板型と呼ばれるマッチングが主流である(例えば、特許文献1参照)。かかる掲示板型のマッチングは、サービス上でマッチング候補を検索し、マッチング候補をもとにユーザーが電話またはメッセージの送受信によって価格などを相手と直接交渉し、相手との合意によってマッチングが成立する技術である。
【0003】
また、保育所入所マッチングに関する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。かかる保育所入所マッチングに関する技術は、全体最適的なマッチングを目標とする。より詳細に、かかる保育所入所マッチングに関する技術において、入所希望者は市役所に選好(入所希望順位)などを提出し、提出された選好などをもとに市役所のシステムが安定的なマッチングを計算する。ただし、マッチングの安定性については、他の文献に開示されている(例えば、特許文献3参照)。
【0004】
さらに、上記の掲示板型のマッチングにおいて電話またはメッセージの送受信によって担当者によって行われる交渉を、マルチエージェントシステムの1モデルである自動交渉技術によって代替する技術が開示されている(例えば、特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001-283037号公報
【特許文献2】特開2019-067155号公報
【特許文献3】特開2016-045850号公報
【特許文献4】国際公開第2018/070419号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、ユーザー同士のマッチングをより適切に行うことが可能な技術が提供されることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題を解決するために、本発明のある観点によれば、複数の求車依頼者それぞれの求車依頼情報と、複数の求貨依頼者それぞれの求貨依頼情報と、第1のルールとに基づいて、前記複数の求車依頼者および前記複数の求貨依頼者から、求車依頼者および求貨依頼者の1または複数の組み合わせそれぞれをマッチング候補として選択するマッチング候補選択部と、前記マッチング候補ごとに交渉に必要な所定の処理を実行する処理実行部と、前記交渉の開始後に入力された、前記マッチング候補の求車依頼者および求貨依頼者の一部または全部の選好情報を取得する選好情報取得部と、前記選好情報と第2のルールとに基づいて、前記複数の求車依頼者および前記複数の求貨依頼者から、求車依頼者および求貨依頼者の1または複数の組み合わせそれぞれをマッチング結果として決定するマッチング部と、を備える、マッチングシステムが提供される。
【0008】
前記処理実行部は、前記マッチング候補それぞれにおいて、前記求車依頼者に関する情報が前記求貨依頼者に出力されるように制御することと、前記求貨依頼者に関する情報が前記求車依頼者に出力されるように制御することとを、前記所定の処理として実行してもよい。
【0009】
前記求車依頼者に関する情報は、前記求車依頼者の連絡先を示す情報を含み、前記求貨依頼者に関する情報は、前記求貨依頼者の連絡先を示す情報を含んでもよい。
【0010】
前記処理実行部は、前記マッチング候補それぞれにおいて、前記求車依頼者の端末装置と前記求貨依頼者の端末装置との間においてメッセージの送受信を可能にするための処理を、前記所定の処理として実行してもよい。
【0011】
前記メッセージの送受信を可能にするための処理は、前記求車依頼者の端末装置と前記求貨依頼者の端末装置との間においてメッセージの送受信が行われるチャットルームを生成することを含んでもよい。
【0012】
前記処理実行部は、あらかじめ登録された項目と一致する項目がメッセージから認識されなかった場合に、前記メッセージを送信した端末装置に対して、認識されなかった項目が送信されるように送信部を制御してもよい。
【0013】
前記処理実行部は、前記求車依頼者の端末装置から送信されたメッセージと、前記求貨依頼情報とにおいて、対応する条件同士の一致度合いを算出し、前記一致度合いに応じたスコアが前記求貨依頼者の端末装置に送信されるように送信部を制御してもよい。
【0014】
前記処理実行部は、前記一致度合いと前記求貨依頼者の価値基準とに応じたスコアが前記求貨依頼者の端末装置に送信されるように送信部を制御してもよい。
【0015】
前記処理実行部は、前記求貨依頼者の端末装置から送信されたメッセージと、前記求車依頼情報とにおいて、対応する条件同士の一致度合いを算出し、前記一致度合いに応じたスコアが前記求車依頼者の端末装置に送信されるように送信部を制御してもよい。
【0016】
前記処理実行部は、複数のマッチング候補それぞれの求車依頼者が同一である場合に、前記複数のマッチング候補それぞれにおいて求貨依頼者によって入力されたメッセージから対応する条件を認識し、前記対応する条件に応じた情報が前記求車依頼者の端末装置に送信されるように送信部を制御してもよい。
【0017】
前記処理実行部は、複数のマッチング候補それぞれの求貨依頼者が同一である場合に、前記複数のマッチング候補それぞれにおいて求車依頼者によって入力されたメッセージから対応する条件を認識し、前記対応する条件に応じた情報が前記求貨依頼者の端末装置に送信されるように送信部を制御してもよい。
【0018】
前記処理実行部は、前記マッチング候補それぞれにおいて、前記マッチングシステム内において動作する求車依頼者側エージェントと前記マッチングシステム内において動作する求貨依頼者側エージェントとの間において交渉を開始させる処理を、前記所定の処理として実行してもよい。
【0019】
前記マッチングシステムは、前記求車依頼者側エージェントと前記求貨依頼者側エージェントとの間における交渉結果が、前記求車依頼者および前記求貨依頼者それぞれに出力されるように制御する交渉結果出力部を備えてもよい。
【0020】
前記選好情報取得部は、前記マッチング候補の一部または全部において、前記求貨依頼者によって入力された前記求車依頼者に対する選好情報を取得するとともに、前記求車依頼者によって入力された前記求貨依頼者に対する選好情報を取得してもよい。
【0021】
前記処理実行部は、前記マッチング候補それぞれにおいて、求車依頼者側エージェントと求貨依頼者側エージェントとの間において交渉を開始させる処理を、前記所定の処理として実行し、前記マッチングシステムは、前記求車依頼者側エージェントと前記求貨依頼者側エージェントとの間における交渉結果に基づいて、前記求車依頼者および前記求貨依頼者の選好情報を決定し、前記選好情報を前記選好情報取得部に出力する選好決定部を備えてもよい。
【0022】
また、本発明の別の観点によれば、複数の求車依頼者それぞれの求車依頼情報と、複数の求貨依頼者それぞれの求貨依頼情報と、第1のルールとに基づいて、前記複数の求車依頼者および前記複数の求貨依頼者から、求車依頼者および求貨依頼者の1または複数の組み合わせそれぞれをマッチング候補として選択することと、前記マッチング候補ごとに交渉に必要な所定の処理を実行することと、前記交渉の開始後に入力された、前記マッチング候補の求車依頼者および求貨依頼者の一部または全部の選好情報を取得することと、前記選好情報と第2のルールとに基づいて、前記複数の求車依頼者および前記複数の求貨依頼者から、求車依頼者および求貨依頼者の1または複数の組み合わせそれぞれをマッチング結果として決定することと、を備える、マッチング方法が提供される。
【0023】
また、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、複数の求車依頼者それぞれの求車依頼情報と、複数の求貨依頼者それぞれの求貨依頼情報と、第1のルールとに基づいて、前記複数の求車依頼者および前記複数の求貨依頼者から、求車依頼者および求貨依頼者の1または複数の組み合わせそれぞれをマッチング候補として選択するマッチング候補選択部と、前記マッチング候補ごとに交渉に必要な所定の処理を実行する処理実行部と、前記交渉の開始後に入力された、前記マッチング候補の求車依頼者および求貨依頼者の一部または全部の選好情報を取得する選好情報取得部と、前記選好情報と第2のルールとに基づいて、前記複数の求車依頼者および前記複数の求貨依頼者から、求車依頼者および求貨依頼者の1または複数の組み合わせそれぞれをマッチング結果として決定するマッチング部と、を備えるマッチング装置として機能させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように本発明によれば、ユーザー同士のマッチングをより適切に行うことが可能な技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図3】本発明の第1の実施形態に係るマッチングシステムの構成例を示す図である。
【
図4】同実施形態に係る端末装置の機能構成例を示す図である。
【
図5】同実施形態に係るマッチング装置の機能構成例を示す図である。
【
図6】同施形態に係るマッチング装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図7】同施形態に係るマッチング装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図8】同施形態に係るマッチング装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図9】同施形態に係るマッチング装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図10】本発明の第2の実施形態に係るマッチング装置の機能構成例を示すブロック図である。
【
図11】同実施形態に係るマッチング装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図12】本発明の第3の実施形態に係るマッチング装置の機能構成例を示すブロック図である。
【
図13】同実施形態に係るマッチング装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図14】本発明の第4の実施形態に係るマッチング装置の機能構成例を示すブロック図である。
【
図15】同実施形態に係るマッチング装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図16】情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0027】
また、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なる数字を付して区別する場合がある。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素等の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。また、異なる実施形態の類似する構成要素については、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合がある。ただし、異なる実施形態の類似する構成要素等の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。
【0028】
<0.概要>
まず、本発明の実施形態の概要について説明する。
【0029】
以下では、ユーザー同士を組み合わせることを、単に「マッチング」と言う。
【0030】
本発明の実施形態においては、組み合わせの対象となるユーザー(依頼者)の例として、荷物の集荷および配送を依頼したいユーザー(求車依頼者)、および、荷物の集荷および配送を行うことを希望するユーザー(求貨依頼者)を挙げて説明する。求車依頼者の例としては、荷主が挙げられる。また、求貨依頼者の例としては、物流事業者が挙げられる。しかし、組み合わせの対象となるユーザーは、求車依頼者および求貨依頼者に限定されない。
【0031】
さらに、以下の説明では、組み合わせが決定することを「マッチングが成立する」または単に「成約する」とも表現する。したがって、「マッチングが成立すること」、および、「成約すること」は、ユーザーとユーザーとの間において契約が結ばれる段階まで終了することを必ずしも意味しない。また、マッチングの成立は、マッチング候補(すなわち、組み合わせの候補)の決定とは区別される。
【0032】
また、本発明の実施形態において、配送は、荷物を運ぶことを意味する文言として用いられる。荷物は、貨物とも表現され、荷物の種類は、輸送手段によって運ぶことが可能な物体であれば特に限定されない。ここで、本発明の実施形態においては、トラックが荷物を運ぶ場合を主に想定する。しかし、荷物を運ぶ輸送手段として、トラック以外の輸送手段(例えば、鉄道車両、船舶、航空機またはドローンなど)がトラックの代わりに用いられてもよい。
【0033】
近年、マッチングに関する各種の技術が提案されている。上記のように、求貨求車マッチングとして、掲示板型のマッチングサービスが存在する(特許文献1)。しかし、掲示板型のマッチングサービスにおいては、マッチング候補が複数存在する場合に、ユーザーはある相手と合意さえすれば、ユーザーの効用(満足の度合い)を最も満たす相手(個別最適的な相手)と成約することができてしまう。このことから、システム全体としては、下記のようなoutcome(結論)が導かれる場合がある。
【0034】
・一部のユーザーの効用が著しく高いがその他のユーザーの効用が著しく低い。
・成約率が低い。
・マッチングが不安定である。
【0035】
このようなoutcome(結論)が導かれる具体例について以下に説明する。まず、システムのユーザーである荷主A、荷主B、物流事業者Cおよび物流事業者Dが、下記の表(1)~(4)に示される選好を持つ場合を想定する。ここで、選好は、マッチングの可能性がある各相手に対するユーザーの好みであり得る。以下では、ユーザーの好みが成約に対する希望度合いである場合を主に想定する。また、選好情報は、選好を示す情報であり得る。
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
以下の説明では、選好情報が、マッチングの可能性がある各相手に対して、ユーザーが成約を希望する順に付与された番号(1、2、3、・・・)である場合(すなわち、ユーザーが成約を希望する順位である場合)を想定する。例えば、表(2)に示されるように、成約を希望する順位が同じである複数の相手に対しては、同じ順位が付与されてよい。しかし、選好情報は、かかる例に限定されない。例えば、選好情報は、ユーザーが成約を希望する強度を示す値であってもよい。
【0041】
ここで、荷主A、荷主B、物流事業者Cおよび物流事業者Dが、上記の表(1)~(4)に示される選好を持つ場合に、上記の掲示板型のマッチングサービスによって、望ましくないマッチングが行われる可能性がある。以下では、望ましくないマッチングの例として、
図1を参照しながら、成約率の低いマッチングについて説明し、
図2を参照しながら、不安定なマッチングについて説明する。
【0042】
図1は、成約率の低いマッチングの例を示す図である。
図1に示されるマッチングでは、荷主Bと物流事業者Cとがお互いに合意し、荷主Bと物流事業者Cとの間のマッチングが成立している。すなわち、荷主Bおよび物流事業者Cは共に、選好1位の相手と成約している(上記の表(2)および表(3)参照)。
【0043】
一方、荷主Aおよび物流事業者Dには共に、成約相手がいなくなってしまっている。すなわち、荷主Aの状態は、荷物配送の発注ができない状態となり、物流事業者Dの状態は、荷物配送の受注ができない状態となり、成約率(マッチング率)は50%である。
図1に示された例は、一部のユーザーの効用が著しく高いがその他のユーザーの効用が著しく低いという性質、および、成約率が低いという性質を持つ。
【0044】
図2は、不安定なマッチングの例を示す図である。
図2に示されるマッチングでは、荷主Bと物流事業者Dとの間のマッチングが先に成立したため、残りのユーザーである荷主Aと物流事業者Cとの間のマッチングも消去法的に成立している。この例では、物流事業者Cは選好2位の相手と成約しているが、その他のユーザーは、選好1位の相手と成約しており、成約率(マッチング率)は100%である。
【0045】
図2に示されるマッチングでは、荷主Bと物流事業者Cとは、互いに選好1位同士である(上記の表(2)および表(3)参照)。すなわち、荷主Bにとっては物流事業者Cが選好1位であり、物流事業者Cにとっては荷主Bが選好1位である。それにも関わらず、
図2に示されるマッチングでは、互いに選好1位同士である荷主Bと物流事業者Cとが、成約していない。したがって、荷主Bと物流事業者Cとの組み合わせは、マッチング問題におけるブロッキングペアに該当し得る。このようなペアが存在するマッチングは安定性を欠き(不安定であり)、システム外での契約不履行などのリスクをもたらす可能性がある。
【0046】
求貨求車マッチングサービスにおいて、マーケット全体としての配送効率の最適化、および、マーケット全体としての配送負担の平準化・成約率の最大化などといった、公益・公平性の追求を目指す場合には、上記のようにユーザーの挙動によってマッチングの性質が大きく左右されてしまうシステムは望ましくない。
【0047】
求貨求車マッチングサービスにおいて、公益・公平性の追求を目指す場合には、特定のユーザーの効用を最も満たすマッチングではなく、マーケット全体として求められる性質を満たす、全体最適的なマッチングが適切である。マッチングの可能性が複数ある場合には、可能性のある複数のマッチングの中からシステムによって求められる性質を持つマッチングが採用されることが望ましい。
【0048】
また、上記のように、保育所入所マッチングに関する技術が存在する(特許文献2)。保育所入所マッチングに関する技術は、ユーザーによって申告された選好情報に基づいて、マッチングの全体最適化を行う。しかし、例えば、下記のような場合には、ユーザーが自身の判断だけに基づいてマッチング相手に対する選好を決定したり、ユーザーがシステムに全ての選好情報を申告したり、システムが選好情報に基づいて全体的な最適解を計算することが困難である。
【0049】
・マッチングのために二者以上が関わる条件調整が必要である。
・選好情報に営業秘密などの開示したくない情報が含まれる。
・選好の情報量および依存パラメータが非常に多い。
【0050】
求貨求車マッチングにおいては、ユーザーがマッチング相手に対する選好情報を申告するためには、ユーザーがどのような相手とどのような条件(受注条件または発注条件)で成約可能であるかを認識している必要がある。しかし、ユーザーは、どのような相手とどのような条件で成約可能であるかを知るためには相手との間において、条件のすり合わせを行ったり交渉を行ったりする必要がある。なお、条件は、相手に対して希望する、項目とデータとの組み合わせである。
【0051】
また、物流事業者の選好情報には、顧客の集配の都合および荷物の内容などといった、第三者に開示するには不向きな秘密情報も含まれる。それに加えて、物流事業者の選好情報は、既存の配送計画の内容、運転手のスケジュール、トラックのスケジュールなどといった、多岐に渡る情報に依存し、そのフォーマットも企業によって異なる。そのため、物流事業者および荷主それぞれから申告された選好情報のみに基づいて最適解を計算するのは困難である。
【0052】
以上に説明したように、公益・公平性を追求する求貨求車マッチング実現のためには、システムが全体最適的なマッチングの処理を行う前に、ユーザーまたはシステムが、マッチング候補を確認し、選好を決定するための条件調整を行う構成が必要となる。なお、条件調整は、ユーザーまたはシステムによって秘密情報が開示されることなく行われるのが望ましい。そこで、条件調整は、電話またはメッセージの送受信による直接交渉によって行われてもよいし(特許文献1)、システム内の交渉プラットフォームによる自動交渉によって行われてもよい。
【0053】
以上、本発明の実施形態の概要について説明した。
【0054】
<1.第1の実施形態>
続いて、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0055】
(1-1.システムの構成例)
まず、本発明の第1の実施形態に係るマッチングシステムの構成例について説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態に係るマッチングシステムの構成例を示す図である。
図3に示されるように、本発明の第1の実施形態に係るマッチングシステム1は、複数の端末装置10と、マッチング装置21とを備える。複数の端末装置10およびマッチング装置21は、ネットワーク50を介して互いに通信可能に構成されている。
【0056】
図3を参照すると、複数の端末装置10の例として、端末装置10-A~10-Dが示されている。端末装置10-Aは、荷主Aによって使用される端末装置であり、端末装置10-Bは、荷主Bによって使用される端末装置である。また、端末装置10-Cは、物流事業者Cによって使用される端末装置であり、端末装置10-Dは、物流事業者Dによって使用される端末装置である。しかし、荷主および物流事業者それぞれの数は、複数であれば限定されない。
【0057】
なお、複数の端末装置10それぞれは、コンピュータによって実現され得る。典型的には、複数の端末装置10それぞれは、PC(Personal Computer)によって実現され得る。しかし、複数の端末装置10それぞれは、PC以外の端末装置(例えば、スマートフォンまたはタブレット端末など)によって実現されてもよい。マッチング装置21は、コンピュータによって実現され得る。典型的には、マッチング装置21は、サーバなどのコンピュータによって実現され得る。
【0058】
以上、本発明の第1の実施形態に係るマッチングシステム1の構成例について説明した。
【0059】
(1-2.端末装置の機能構成例)
続いて、本発明の第1の実施形態に係る端末装置10の機能構成例について説明する。
図4は、本発明の第1の実施形態に係る端末装置10の機能構成例を示す図である。
図4に示されるように、本発明の第1の実施形態に係る端末装置10は、制御部110と、操作部120と、記憶部130と、通信部140と、表示部150とを備える。
【0060】
制御部110は、端末装置10の動作全体を制御する機能を有する。制御部110は、専用のハードウェアによって構成されてもよいし、端末装置10に内蔵されたCPU(Central Processing Unit)がROM(Read Only Memory)に記憶されたプログラムをRAM(Random Access Memory)に展開して実行することにより実現されてもよい。かかるプログラムが提供され得る他、かかるプログラムを記憶させた記憶媒体も提供され得る。
【0061】
操作部120は、ユーザー(荷主または物流事業者)から入力される操作を受け付ける。また、操作部120は、ユーザーから受け付けた操作を制御部110に提供する。本発明の第1の実施形態においては、操作部120がキーボードおよびマウスである場合を主に想定する。しかし、操作部120の具体的な構成は限定されない。例えば、操作部120は、キーボードおよびマウス以外の入力装置(例えば、タッチパネルなど)であってもよい。
【0062】
記憶部130は、制御部110を動作させるためのプログラムおよびデータを記憶することが可能な記憶装置である。例えば、記憶装置は、不揮発性の記憶装置であってよい。また、記憶部130は、制御部110の動作の過程で必要となる各種データを一時的に記憶することもできる。
【0063】
通信部140は、ネットワーク50を介して他の装置との間で各種情報を送受信するための通信インタフェースである。例えば、通信部140は、ネットワーク50を介してマッチング装置21に各種情報を送信する送信部として機能し得る。また、通信部140は、ネットワーク50を介してマッチング装置21から各種情報を受信する受信部として機能し得る。
【0064】
表示部150は、制御部110による制御に従って各種情報の表示を行う機能を有する。ここで、表示部150の形態は特に限定されない。例えば、表示部150は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置、または、ランプなどの表示装置であってよい。
【0065】
以上、本発明の第1の実施形態に係る端末装置10の機能構成例について説明した。
【0066】
(1-3.マッチング装置の機能構成例)
続いて、本発明の第1の実施形態に係るマッチング装置21の機能構成例について説明する。
図5は、本発明の第1の実施形態に係るマッチング装置21の機能構成例を示す図である。
【0067】
図5に示されるように、本発明の第1の実施形態に係るマッチング装置21は、受信部200を備える。また、本発明の第1の実施形態に係るマッチング装置21は、求貨求車情報取得部201と、求貨求車情報記憶部202とを備える。また、本発明の第1の実施形態に係るマッチング装置21は、マッチング管理部210と、マッチング候補選択部211と、処理実行部280とを備える。本発明の第1の実施形態において、処理実行部280は、マッチング候補出力部213を含む。
【0068】
さらに、本発明の第1の実施形態に係るマッチング装置21は、選好情報取得部221と、選好情報記憶部222とを備える。また、本発明の第1の実施形態に係るマッチング装置21は、マッチング部231と、マッチング結果出力部232とを備える。さらに、本発明の第1の実施形態に係るマッチング装置21は、送信部240を備える。ここで、本発明の第1の実施形態に係るマッチング装置21は、図示しない制御部および図示しない記憶部を備える。
【0069】
図示しない制御部は、CPU(Central Processing Unit)などを含み、図示しない記憶部により記憶されているプログラムがCPUによりRAM(Random Access Memory)に展開されて実行されることにより、その機能が実現され得る。このとき、当該プログラムを記録した、コンピュータに読み取り可能な記録媒体も提供され得る。あるいは、図示しない制御部は、専用のハードウェアにより構成されていてもよいし、複数のハードウェアの組み合わせにより構成されてもよい。
【0070】
例えば、図示しない制御部によって、求貨求車情報取得部201、マッチング管理部210、マッチング候補選択部211、処理実行部280、選好情報取得部221、マッチング部231、および、マッチング結果出力部232が実現され得る。
【0071】
図示しない記憶部は、図示しない制御部を動作させるためのプログラムおよびデータを記憶することが可能な記憶装置である。例えば、記憶装置は、不揮発性の記憶装置であってよい。また、図示しない記憶部は、図示しない制御部の動作の過程で必要となる各種データを一時的に記憶することもできる。例えば、図示しない記憶部によって、求貨求車情報記憶部202および選好情報記憶部222が実現され得る。
【0072】
なお、受信部200、求貨求車情報取得部201、求貨求車情報記憶部202、マッチング管理部210、マッチング候補選択部211、処理実行部280、選好情報取得部221、選好情報記憶部222、マッチング部231、マッチング結果出力部232および送信部240それぞれの機能の詳細については、(1-4.動作例)の項において説明する。
【0073】
以上、本発明の第1の実施形態に係るマッチング装置21の機能構成例について説明した。
【0074】
(1-4.動作例)
続いて、本発明の第1の実施形態に係るマッチング装置21の動作例について説明する。
図6~
図9は、本発明の第1の実施形態に係るマッチング装置21の動作例を示すフローチャートである。なお、
図6~
図9に示された動作例は、本発明の第1の実施形態に係るマッチング装置21の動作の一例に過ぎない。したがって、本発明の第1の実施形態に係るマッチング装置21の動作は、
図6~
図9に示された動作例に限定されない。
【0075】
(S201)
端末装置10-Aにおいて、荷主Aによって入力された荷主Aの求車依頼情報が操作部120によって受け付けられ、通信部140によって送信されると、マッチング装置21において、求貨求車情報取得部201は、受信部200を介して、荷主Aの求車依頼情報を取得する。
【0076】
同様に、端末装置10-Bにおいて、荷主Bによって入力された荷主Bの求車依頼情報が操作部120によって受け付けられ、通信部140によって送信されると、マッチング装置21において、求貨求車情報取得部201は、受信部200を介して、荷主Bの求車依頼情報を取得する。
【0077】
また、端末装置10-Cにおいて、物流事業者Cによって入力された物流事業者Cの求貨依頼情報が操作部120によって受け付けられ、通信部140によって送信されると、マッチング装置21において、求貨求車情報取得部201は、受信部200を介して、物流事業者Cの求貨依頼情報を取得する。
【0078】
同様に、端末装置10-Dにおいて、物流事業者Dによって入力された物流事業者Dの求貨依頼情報が操作部120によって受け付けられ、通信部140によって送信されると、マッチング装置21において、求貨求車情報取得部201は、受信部200を介して、物流事業者Dの求貨依頼情報を取得する。
【0079】
ここでは、求貨求車情報取得部201によって、荷主Aおよび荷主Bそれぞれの求車依頼情報の例として、下記の表(5)に示される求車依頼一覧が取得された場合を想定する。
【0080】
【0081】
なお、表(5)に示された例では、求車依頼情報が、集荷住所(集荷が行われる住所)、配送住所(配送先の住所)、集荷日時(集荷が行われる日時)および配送日時(配送が行われる日時)といった項目を含んでいるが、これらの項目それぞれは、適宜に広く解釈されてよい。
【0082】
例えば、「住所」は、特定の住戸の場所を示す情報だけではなく、より広い概念としての地域を示す情報(例えば、市町村、丁目、番地、マンション名など)を含み得る。また、「日時」は、日および時間の両方を指定する情報だけではなく、日および時間の少なくともいずれか一方を指定する情報を含み得る。「時間」は、1つの時刻を含む他、2つの時刻を開始時刻および終了時刻とする時間帯を含む。
【0083】
また、求貨求車情報取得部201によって、物流事業者Cおよび物流事業者Dそれぞれの求貨依頼情報の例として、下記の表(6)に示される求貨依頼一覧が取得された場合を想定する。
【0084】
【0085】
なお、表(6)に示された例では、求貨依頼情報が、求車依頼情報と同様に、集荷住所、配送住所、集荷日時および配送日時といった項目を含んでいるが、これらの項目それぞれは、求車依頼情報と同様に広く解釈されてよい。
【0086】
また、集荷住所および配送住所は、別項目に分けられていなくてもよく、集配住所(集荷および配送が可能な地域を示す情報)として統合されていてもよい。集荷日時および配送日時も同様に、別項目に分けられていなくてもよく、運行可能日時(集荷および配送が可能な日時)として統合されていてもよい。
【0087】
上記のように、求貨依頼情報および求車依頼情報それぞれは、集荷住所、配送住所、集荷日時および配送日時といった各項目を含む。ここで、項目と項目に対応するデータとの組み合わせが、上記の「条件」に該当し得る。一例として、項目「集荷住所」とデータ「X市」との組み合わせが条件に該当し得る。他の一例として、項目「集荷日時」とデータ「5/1 PM」との組み合わせが条件に該当し得る。
【0088】
(S202)
求貨求車情報記憶部202は、求貨求車情報取得部201によって取得された荷主Aおよび荷主Bそれぞれの求車依頼情報を記憶する。さらに、求貨求車情報記憶部202は、求貨求車情報取得部201によって取得された物流事業者Cおよび物流事業者Dそれぞれの求貨依頼情報を記憶する。
【0089】
(S211)
マッチング管理部210は、マッチング候補選択部211を呼び出すことによって、1または複数のマッチング候補の探索をマッチング候補選択部211に開始させる。ここで、1または複数のマッチング候補それぞれは、荷主および物流事業者の組み合わせによって構成され得る。
【0090】
(S212)
マッチング候補選択部211は、マッチング管理部210から呼び出されたことに基づいて、求貨求車情報記憶部202から、荷主Aおよび荷主Bそれぞれの求車依頼情報を取得するとともに、物流事業者Cおよび物流事業者Dそれぞれの求貨依頼情報を取得する。そして、マッチング候補選択部211は、荷主Aおよび荷主Bそれぞれの求車依頼情報と、物流事業者Cおよび物流事業者Dそれぞれの求貨依頼情報と、第1のルール(以下、「マッチング候補選択ルール」とも言う。)と、に基づいて、1または複数のマッチング候補を選択する。
【0091】
ここで、マッチング候補選択ルールは、求車依頼情報と求貨依頼情報とにおいて、{集荷住所,配送住所,集荷日時,配送日時}の全項目において、データ同士が一致する、または、一方のデータが他方のデータに包含されるというルールであってもよい。このとき、マッチング候補選択部211は、かかるマッチング候補選択ルールを満たす求車依頼情報と求貨依頼情報との組み合わせをマッチング候補として選択してよい。かかるマッチング候補選択ルールに従ってマッチング候補が選択された場合には、下記の表(7)に示されるマッチング候補が選択される。
【0092】
【0093】
なお、マッチング候補選択ルールは具体的にどのようなルールであってもよい。例えば、集荷住所,配送住所,集荷日時,配送日時のうち、一部の項目が必ず一致する必要があるハード制約項目とされ、残りの項目が一致していることが望ましいソフト制約項目とされてもよい。このとき、マッチング候補選択部211は、ハード制約項目およびソフト制約項目に従ってマッチング候補を選択してもよい。
【0094】
(S213)
処理実行部280は、マッチング候補選択部211によって選択されたマッチング候補ごとに交渉に必要な所定の処理を実行する。本発明の第1の実施形態において、マッチング候補出力部213は、マッチング候補それぞれにおいて、荷主に関する情報が物流事業者に出力されるように制御することと、物流事業者に関する情報が荷主に出力されるように制御することとを、所定の処理として実行する。
【0095】
荷主に関する情報は、荷主の名称および荷主の連絡先を示す情報の少なくともいずれか一方を含んでもよい。また、物流事業者に関する情報は、物流事業者の名称および物流事業者の連絡先を示す情報の少なくともいずれか一方を含んでもよい。連絡先を示す情報は、荷主と物流事業者との間で取り得る連絡手段に応じて適宜に設定されてよく、電話番号を含んでもよいし、電子メールアドレスを含んでもよい。
【0096】
なお、荷主に関する情報は、物流事業者の求貨依頼情報に含まれる一部または全部の条件を含んでもよい。荷主がかかる条件を事前に確認することによって物流事業者との交渉をスムーズに行うことが可能になる。同様に、物流事業者に関する情報は、荷主の求車依頼情報に含まれる一部または全部の条件を含んでもよい。物流事業者がかかる条件を事前に確認することによって荷主との交渉をスムーズに行うことが可能になる。
【0097】
表(7)を参照すると、荷主Aと物流事業者Cとの組み合わせがマッチング候補として選択されている。そこで、マッチング候補出力部213は、物流事業者Cに関する情報が荷主Aに出力されるように制御するとともに、荷主Aに関する情報が物流事業者Cに出力されるように制御する。
【0098】
物流事業者Cに関する情報の荷主Aへの出力について詳細に説明すると次の通りになる。すなわち、マッチング候補出力部213は、物流事業者Cに関する情報が端末装置10-Aに送信されるように送信部240を制御することによって、物流事業者Cに関する情報が荷主Aに出力されるように制御する。このとき、端末装置10-Aにおいては、通信部140によって物流事業者Cに関する情報が受信され、表示部150によって物流事業者Cに関する情報が表示される。そして、物流事業者Cに関する情報が荷主Aによって視認される。
【0099】
一例として、物流事業者Cに関する情報が、物流事業者Cの名称および物流事業者Cの電話番号を含む場合に、荷主Aに対して出力される情報は、下記の表(8)に示される通りとなる。
【0100】
【0101】
同様にして、マッチング候補出力部213は、表(7)に基づいて、荷主B、物流事業者Cおよび物流事業者Dそれぞれに情報が出力されるように制御する。具体的に、荷主Bに対して出力される情報は、下記の表(9)に示される通りとなり、物流事業者Cに対して出力される情報は、下記の表(10)に示される通りとなり、物流事業者Dに対して出力される情報は、下記の表(11)に示される通りとなる。
【0102】
【0103】
【0104】
【0105】
荷主は、物流事業者に関する情報の出力を受けると、物流事業者に関する情報に基づいて物流事業者に連絡を行い、物流事業者と交渉を行う。ここでは、荷主は、物流事業者の連絡先に関する情報に基づいて、物流事業者の連絡先に連絡(例えば、電話またはメールなど)を行う場合を想定する。しかし、荷主は、物流事業者の名称に対応する連絡先に関する情報を検索し、検索によって得た連絡先に関する情報に基づいて、物流事業者の連絡先に連絡を行ってもよい。あるいは、同様の手法によって、物流事業者が荷主に連絡を行ってもよい。
【0106】
荷主は物流事業者との交渉によって、必要に応じて物流事業者との成約に要する条件を確認する。同様に、物流事業者は荷主との交渉によって、必要に応じて荷主との成約に要する条件を確認する。
【0107】
(S221)
マッチング管理部210は、選好情報取得部221を呼び出すことによって、マッチング候補の荷主および物流事業者の選好情報を選好情報取得部221に取得させる。ここでは、マッチング管理部210が、マッチング候補として、上記の表(7)に示されたマッチング候補No.1~3それぞれの荷主および物流事業者の選好情報を選好情報取得部221に取得させる場合を想定する。
【0108】
(S222)
選好情報取得部221は、交渉の開始後に入力された、マッチング候補の荷主および物流事業者の選好情報を取得する。
【0109】
一例として、選好情報取得部221が、荷主Aの物流事業者Cに対する選好情報を取得する場合を想定する(上記の表(7)に示されたマッチング候補No.1)。かかる場合には、端末装置10-Aにおいて、選好情報の入力を促す情報が表示部150によって表示されると、荷主Aは、物流事業者Cとの交渉の開始後に、物流事業者Cに対する選好情報を操作部120に入力する。なお、選好情報が入力されるタイミングは、交渉が終了した後であってもよいし、交渉の途中であってもよい(すなわち、交渉の結論が出た後であってもよいし、交渉の結論が出る前であってもよい)。
【0110】
物流事業者Cに対する選好情報は、操作部120によって受け付けられると、通信部140によって荷主Aの物流事業者Cに対する選好情報としてマッチング装置21に送信される。選好情報取得部221は、受信部200を介して荷主Aの物流事業者Cに対する選好情報を取得する。
【0111】
同様にして、選好情報取得部221は、荷主Bから入力された選好情報として、荷主Bの物流事業者Cに対する選好情報、および、荷主Bの物流事業者Dに対する選好情報を取得する。また、選好情報取得部221は、物流事業者Cから入力された選好情報として、物流事業者Cの荷主Aに対する選好情報、および、物流事業者Cの荷主Bに対する選好情報を取得する。さらに、選好情報取得部221は、物流事業者Dから入力された選好情報として、物流事業者Dの荷主Bに対する選好情報を取得する。
【0112】
一例として、荷主Aから入力された選好情報は、下記の表(12)に示す通りであり、荷主Bから入力された選好情報は、下記の表(13)に示す通りである。さらに、一例として、物流事業者Cから入力された選好情報は、下記の表(14)に示す通りであり、物流事業者Cから入力された選好情報は、、下記の表(15)に示す通りである。
【0113】
【0114】
【0115】
【0116】
【0117】
なお、上記の表(12)~表(15)に示された例では、選好情報が成約を希望する順位である。このとき、成約を希望する順位が同じである複数の相手に対しては、同じ順位が入力されてよい。しかし、選好情報は、成約を希望する順位に限定されない。選好情報は、ユーザーが成約を希望する強度を示す値(例えば、100点を満点とする点数、5段階のアルファベットによる評価値など)であってもよい。
【0118】
また、上記の表(12)~表(15)に示された例では、荷主A、荷主B、物流事業者Cおよび物流事業者Dそれぞれが、マッチング候補相手に対する選好情報を漏れなく入力する場合が想定されている。しかし、荷主A、荷主B、物流事業者Cおよび物流事業者Dそれぞれは、マッチング候補相手のうち、成約を希望しない相手に対する選好情報を入力しなくてもよい。
【0119】
すなわち、上記の表(12)~表(15)に示された例では、選好情報取得部221が、マッチング候補No.1~3(表(7)参照)の荷主および物流事業者のマッチング候補相手の選好情報を全部取得する場合が想定されている。しかし、選好情報取得部221は、マッチング候補No.1~3(表(7)参照)の荷主および物流事業者のマッチング候補相手の選好情報を一部のみ取得してもよい。
【0120】
(S223)
選好情報記憶部222は、選好情報取得部221によって取得された選好情報を記憶する。
【0121】
(S231)
マッチング管理部210は、マッチング部231を呼び出すことによって、選好情報に基づくマッチングの履行をマッチング部231に開始させる。
【0122】
(S232)
マッチング部231は、マッチング管理部210から呼び出されたことに基づいて、選好情報記憶部222から選好情報を取得する。
【0123】
(S233)
マッチング部231は、選好情報記憶部222から取得した選好情報に基づいて、マッチングを履行するか否かを判断する。ここでは、マッチング部231が、マッチング候補の出力先である、荷主A、荷主B、物流事業者Cおよび物流事業者Dの全員による選好情報の入力が済んでいるか否かに応じて、マッチングを履行するか否かを判断する場合を想定する。このとき、荷主A、荷主B、物流事業者Cおよび物流事業者Dの全員によって入力された選好情報が、マッチングに用いられればよい。
【0124】
しかし、マッチングを履行するか否かを判断する手法は、かかる例に限定されない。例えば、マッチング部231は、選好情報の入力期限を決めておき、入力期限が到来したか否かに応じて、マッチングを履行するか否かを判断してもよい。このとき、入力期限までに入力された選好情報のみがマッチングに用いられればよい。
【0125】
マッチング部231は、マッチングを履行しないと判断した場合には、S232に動作を移行させる。一方、マッチング部231は、マッチングを履行すると判断した場合には、S234に動作を移行させる。
【0126】
(S234)
マッチング部231は、選好情報記憶部222から取得した選好情報と、第2のルール(以下、「マッチングルール」とも言う。)と、に基づいて、マッチングを履行する。より詳細に、マッチング部231は、選好情報記憶部222から取得した選好情報と、マッチングルールとに基づいて、荷主A、荷主B、物流事業者Cおよび物流事業者Dから、荷主と物流事業者との組み合わせをマッチング結果として決定する。組み合わせの数は、1つであってもよいし、複数であってもよい。
【0127】
ここで、マッチングルールは、互いに選好情報を入力し合う荷主および物流事業者をマッチングした場合に、マッチング数が最も大きいマッチングの仕方を採用するというルールであってもよい。換言すると、マッチングルールは、互いに成約を希望し合う荷主および物流事業者を成約させた場合に、成約数が最も大きいマッチングの仕方を採用するというルールであってもよい。かかるマッチングルールに従ったマッチングを、以下では「成約数が最大となる全体最適マッチング」とも表現する。
【0128】
なお、マッチングルールは、マッチング数が最も大きいマッチングの仕方が複数通りある場合には、成約を希望する順位の和が最も小さいマッチングの仕方を採用するというルールを含んでもよい。あるいは、マッチングルールは、マッチング数が最も大きいマッチングの仕方が複数通りある場合には、成約を希望する強度の和が最も大きいマッチングの仕方を採用するというルールを含んでもよい。上記の表(12)~表(15)に示された選好情報に基づく、成約数が最大となる全体最適マッチングの結果は、下記の表(16)に示される通りとなる。
【0129】
【0130】
(S235)
マッチング結果出力部232は、マッチング結果それぞれにおいて、荷主を示す情報が物流事業者に出力されるように制御することと、物流事業者を示す情報が荷主に出力されるように制御する。荷主を示す情報は、荷主の名称を含んでもよい。また、物流事業者を示す情報は、物流事業者の名称を含んでもよい。
【0131】
表(16)を参照すると、荷主Aと物流事業者Cとの組み合わせがマッチング結果として決定されている。そこで、マッチング結果出力部232は、マッチング結果として物流事業者Cを示す情報が荷主Aに出力されるように制御するとともに、マッチング結果として荷主Aを示す情報が物流事業者Cに出力されるように制御する。
【0132】
荷主Aへのマッチング結果の出力について詳細に説明すると次の通りになる。すなわち、マッチング候補出力部213は、マッチング結果として物流事業者Cを示す情報が端末装置10-Aに送信されるように送信部240を制御することによって、マッチング結果として物流事業者Cを示す情報が荷主Aに出力されるように制御する。このとき、端末装置10-Aにおいては、通信部140によってマッチング結果として物流事業者Cを示す情報が受信され、表示部150によってマッチング結果として物流事業者Cを示す情報が表示される。そして、マッチング結果として物流事業者Cを示す情報が荷主Aによって視認される。
【0133】
一例として、荷主Aに対して出力されるマッチング結果は、下記の表(17)に示される通りとなる。
【0134】
【0135】
同様にして、マッチング候補出力部213は、表(16)に基づいて、荷主B、物流事業者Cおよび物流事業者Dそれぞれにマッチング結果が出力されるように制御する。具体的に、荷主Bに対して出力されるマッチング結果は、下記の表(18)に示される通りとなり、物流事業者Cに対して出力されるマッチング結果は、下記の表(19)に示される通りとなり、物流事業者Dに対して出力されるマッチング結果は、下記の表(20)に示される通りとなる。
【0136】
【0137】
【0138】
【0139】
なお、上記では、マッチングルールとして、成約数が最も大きいマッチングの仕方を採用するというルールを例に挙げて説明した。しかし、マッチングルールは、かかる例に限定されない。例えば、上記のように、成約数が最も大きいマッチングが履行される場合には、成約を希望する順位を互いに1位としながらもマッチングされないブロッキングペア{荷主B,物流事業者C}が存在してしまっている(表(16)参照)。かかるブロッキングペアを生じさせるマッチングは安定性が低いと言える。
【0140】
そこで、マッチングルールは、ブロッキングペアを生じさせないマッチングの仕方の中で、成約数が最も大きいマッチングの仕方を採用するというルールであってもよい。かかるマッチングルールに従ったマッチングを、以下では「安定マッチング」とも表現する。上記の表(12)~表(15)に示された選好情報に基づく安定マッチングの結果は、下記の表(21)に示される通りとなる。
【0141】
【0142】
安定マッチングが履行される場合には(表(21)参照)、成約数が最大となる全体最適マッチング(表(16)参照)が履行される場合と比較して、成約数は少なくなってしまうが、ブロッキングペアを生じさせないため、マッチングの安定性が高いと言える。なお、マッチングの安定性は、各ユーザーがマッチング結果に従う可能性、各ユーザーの満足感、および、各ユーザーの非羨望性の観点からも重要な性質である。
【0143】
以上、本発明の第1の実施形態に係るマッチング装置21の動作例について説明した。
【0144】
(1-5.効果)
以上に説明したように、本発明の第1の実施形態では、同一のシステム内においてマッチング候補が選択され、ユーザーは、選択されたマッチング候補の相手との間で、システム外において条件調整を行う。そして、ユーザーは、条件調整後にマッチング候補の相手に対する選好情報をシステムに返し、システムが全体最適化を行う。したがって、本発明の第1の実施形態によれば、既に開示されている技術とは異なり、不公平かつ個別最適的な成約を防ぐことが可能であり、公益・公平性の高いマッチングを実現することが可能である。
【0145】
以上、本発明の第1の実施形態について説明した。
【0146】
<2.第2の実施形態>
続いて、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0147】
(2-1.構成例)
続いて、
図10を参照しながら、本発明の第2の実施形態に係るマッチング装置22の機能構成例について説明する。
【0148】
図10は、本発明の第2の実施形態に係るマッチング装置22の機能構成例を示すブロック図である。
図10に示されるように、本発明の第2の実施形態に係るマッチング装置22は、処理実行部280が交渉支援部242を含む点において、本発明の第1の実施形態に係るマッチング装置21と異なる。したがって、本発明の第2の実施形態では、交渉支援部242について主に説明し、他の構成についての詳細な説明は省略する。
【0149】
以上、本発明の第2の実施形態に係るマッチング装置22の機能構成例について説明した。
【0150】
(2-2.動作例)
続いて、本発明の第2の実施形態に係るマッチング装置22の動作例について説明する。
図11は、本発明の第2の実施形態に係るマッチング装置22の動作例を示すフローチャートである。なお、
図11に示された動作例は、本発明の第2の実施形態に係るマッチング装置22の動作の一例に過ぎない。したがって、本発明の第2の実施形態に係るマッチング装置22の動作は、
図11に示された動作例に限定されない。
【0151】
(S211、S212)
まず、S211およびS212が実行されるが、S211およびS212の動作は、本発明の第1の実施形態に係るマッチング装置21によって実行されるS211およびS212の動作と同様に実行される。ただし、マッチング候補選択部211は、選択した1または複数のマッチング候補(表(7)参照)をマッチング管理部210に出力する。
【0152】
(S241)
マッチング管理部210は、交渉支援部242を呼び出すことによって、各マッチング候補において荷主と物流事業者との間におけるメッセージの送受信を可能にするための処理を交渉支援部242に開始させる。
【0153】
(S242)
処理実行部280は、マッチング候補選択部211によって選択されたマッチング候補ごとに交渉に必要な所定の処理を実行する。本発明の第2の実施形態において、交渉支援部242は、各マッチング候補において荷主の端末装置10と物流事業者の端末装置10との間におけるメッセージの送受信を可能にするための処理を所定の処理として実行する。ここでは、荷主の端末装置10と物流事業者の端末装置10との間におけるメッセージの送受信を可能にするための処理が、荷主の端末装置10と物流事業者の端末装置10との間においてプライベートにメッセージ送受信が行われる空間(以下、「チャットルーム」とも言う。)を生成することを含む場合を想定する。
【0154】
例えば、マッチング候補選択部211によって表(7)に示されるマッチング候補が選択された場合、交渉支援部242は、マッチング候補(荷主A,物流事業者C)に対応するチャットルーム、マッチング候補(荷主B,物流事業者C)に対応するチャットルーム、マッチング候補(荷主B,物流事業者D)に対応するチャットルームの3つのチャットルームを生成する。そして、交渉支援部242は、荷主および物流事業者それぞれの端末装置10に対して対応するチャットルームへの招待を行う。荷主および物流事業者は、招待されたチャットルームに端末装置10によってアクセスすることによって、チャットルームにおいて相手との間でメッセージ交換による交渉によって条件調整を行うことが可能になる。
【0155】
具体的に、交渉支援部242は、荷主の端末装置10において操作部120に入力されたメッセージが受信部200によって受信されると、当該メッセージが物流事業者の端末装置10に送信されるように送信部240を制御する。物流事業者の端末装置10においては、メッセージが通信部140によって受信され、表示部150によって表示される。また、交渉支援部242は、物流事業者の端末装置10において操作部120に入力されたメッセージが受信部200によって受信されると、荷主の端末装置10に送信されるように送信部240を制御する。荷主の端末装置10においては、メッセージが通信部140によって受信され、表示部150によって表示される。
【0156】
(メッセージ入力の補助)
このとき、交渉支援部242は、メッセージ交換を行う荷主および物流事業者それぞれの端末装置10に対して、各種の交渉支援を行うことができる。例えば、交渉支援部242は、メッセージの入力欄が荷主および物流事業者それぞれの端末装置10に送信されるように送信部240を制御してもよい。かかる場合には、荷主および物流事業者それぞれは、表示部150による入力欄の表示によって、入力欄へのメッセージの入力が促される。
【0157】
例えば、入力欄の例としては、自然言語文を入力可能なテキストボックスが想定される。これによって、荷主および物流事業者それぞれは、テキストボックスに対して、自然言語文を入力することができる。一例として、自然言語文は、「こんにちは、5/2必着で200kgの貨物をX市からY市まで送りたいのですが、いくらで運んでいただけますでしょうか。」といった文であってもよい。交渉支援部242は、荷主または物流事象者の端末装置10から自然言語文が受信部200によって受信されると、自然言語文がメッセージとして相手の端末装置10に送信されるように送信部240を制御する。
【0158】
あるいは、入力欄は、下記の表(22)に示すように、相手に対して希望する条件の項目(集荷住所、配送住所、集荷日時、配送日時)ごとに分かれた入力ボックスであってもよい。これによって、荷主および物流事業者それぞれは、入力ボックスに対して、各項目に対応するデータを入力することができる。交渉支援部242は、荷主または物流事象者の端末装置10から各項目に対応するデータが受信部200によって受信されると、各項目に対応するデータがメッセージとして相手の端末装置10に送信されるように送信部240を制御する。
【0159】
【0160】
(条件の認識)
その他、交渉支援部242は、荷主または物流事業者によって入力されるメッセージの形式が自然言語文である場合には、入力された自然言語文に基づいて、入力を行った者(以下、「入力者」とも言う。)の希望する条件を認識してもよい。このとき、交渉支援部242は、認識した条件がメッセージとして直ちに相手の端末装置10に送信されるように送信部240を制御してもよい。
【0161】
しかし、交渉支援部242による条件の認識が誤る可能性もあり得る。そこで、交渉支援部242は、認識した条件が入力者の端末装置10に送信されるように送信部240を制御してもよい。かかる場合には、入力者は、表示部150による条件の表示によって、入力した自然言語文がどのように認識されたかを把握し得る。
【0162】
一例として、入力者が「こんにちは、5/2必着で200kgの貨物をX市からY市まで送りたいのですが、いくらで運んでいただけますでしょうか。」という自然言語文を入力した場合に、交渉支援部242は、かかる自然言語文に基づいて、入力者の希望する条件を、下記の表(23)に示すように認識してもよい。
【0163】
【0164】
上記の表(23)では、条件の例として、項目「重量」とデータ「200kg」との組み合わせが認識されている。なお、条件の認識はどのように行われてもよい。一例として、項目「重量」に対応するデータに含まれやすい語句(例えば、kgなど)が項目「重量」と対応付けられてあらかじめ辞書データとして登録されている場合が想定される。かかる場合には、交渉支援部242は、辞書データに登録されている語句と一致する語句が自然言語文から認識された場合に、その語句を含んだ名詞とその名詞に対応付けられた項目との組み合わせを条件として認識してもよい。
【0165】
(条件の修正)
入力者は、表示部150によって表示された条件を見ながら、条件の認識に誤りがあることに気づいた場合には、条件の修正を入力することが可能であってもよい。例えば、上記の表(23)に示された例では、データ「5/2」が誤って項目「集荷日時」に対応するデータとして認識されてしまっている。そこで、入力者は、下記の表(24)に示されるように、項目「集荷日時」に対応する入力欄のデータ「5/2」を削除する修正と、項目「配送日時」に対応する入力欄にデータ「5/2」を入力する修正とを操作部120に入力してもよい。
【0166】
【0167】
このとき、入力者の端末装置10において、通信部140は、修正後の条件を送信する。交渉支援部242は、入力者の端末装置10から送信された修正後の条件が受信部200によって受信されると、修正後の条件がメッセージとして相手の端末装置10に送信されるように送信部240を制御する。相手の端末装置10において、表示部150によって修正後の条件が表示されることによって、入力者が希望する条件が相手によってより確実に把握され得る。
【0168】
(メッセージ考案の補助)
交渉支援部242は、メッセージ考案の補助機能を有してもよい。例えば、メッセージから認識されるべき条件の項目(すなわち、荷主と物流事業者との間で合意すべき条件の項目)があらかじめ登録されている場合が想定される。かかる場合に、交渉支援部242は、入力者の端末装置10から送信され、受信部200によって受信されたメッセージから、あらかじめ登録された項目と一致する項目が認識されなかった場合に、入力者の端末装置10に対して、認識されなかった項目が送信されるように送信部240を制御してもよい。
【0169】
かかる場合には、入力者は、表示部150による認識されなかった項目の表示によって、データ入力が足りていない項目(すなわち、相手との交渉によって調整が必要な条件の項目)を把握し得る。一例として、認識されなかった項目が「集荷日時」である場合、認識されなかった項目「集荷日時」に関する相手とのメッセージ交換を促す情報「集荷日時についても確認してみましょう」が入力者の端末装置10に対して送信されるように送信部240を制御してもよい。
【0170】
(選好決定の補助)
交渉支援部242は、選好決定の補助機能を有してもよい。例えば、交渉支援部242は、マッチング候補において、荷主によって入力されたメッセージが荷主の端末装置10から送信され、受信部200によって受信された場合に、荷主の端末装置10から送信されたメッセージと、求貨求車情報記憶部202に記憶された物流事業者の求貨依頼情報とにおいて、対応する条件同士の一致度合いを算出してもよい。そして、交渉支援部242は、算出した条件同士の一致度合いに応じたスコアが物流事業者の端末装置10に送信されるように送信部240を制御してもよい。
【0171】
同様に、交渉支援部242は、マッチング候補において、物流事業者によって入力されたメッセージが物流事業者の端末装置10から送信され、受信部200によって受信された場合に、物流事業者の端末装置10から送信されたメッセージと、求貨求車情報記憶部202に記憶された荷主の求車依頼情報とにおいて、対応する条件同士の一致度合いを算出してもよい。そして、交渉支援部242は、算出した条件同士の一致度合いに応じたスコアが荷主の端末装置10に送信されるように送信部240を制御してもよい。
【0172】
ここで、条件同士の一致度合いはどのように算出されてもよい。例えば、交渉支援部242は、メッセージから認識される条件と、求貨依頼情報または求車依頼情報に含まれる条件とにおいて、対応する条件のデータ同士が一致する、または、一方のデータが他方のデータに包含される数を条件同士の一致度合いとして算出してもよい。また、条件同士の一致度合いとスコアとの対応関係も限定されない。例えば、交渉支援部242は、条件同士の一致度合いが大きいほどスコアを大きくしてもよい(例えば、交渉支援部242は、条件同士の一致度合い自体をスコアとして扱ってもよい)。一方、条件同士の一致度合いに応じたスコアは、あらかじめ用意されたスコアリングモデルによって算出され得る。
【0173】
あるいは、スコアは、条件同士の一致度合いと、荷主または物流事業者によってあらかじめ入力された価値基準とに基づいて算出されてもよい。これによって、荷主または物流事業者の価値基準がより正確に反映されたスコアが算出され得る。なお、条件同士の一致度合いと価値基準とに基づくスコアは、あらかじめ用意されたスコアリングモデルによって算出され得る。
【0174】
例えば、価値基準の例として、データ同士の差分に対する許容範囲が項目ごとに荷主または物流事業者によって入力され、求貨求車情報記憶部202にあらかじめ登録されていてもよい。このとき、交渉支援部242は、データ同士の差分があらかじめ登録された許容範囲内の条件があれば、その条件のデータ同士が一致するとみなしてもよい。あるいは、価値基準の例として、各項目に対する優先順位が荷主または物流事業者によって入力され、求貨求車情報記憶部202にあらかじめ登録されていてもよい。このとき、交渉支援部242は、データ同士が一致する、または、一方のデータが他方のデータに包含される条件の優先順位が高いほど、スコアを大きく算出してもよい。
【0175】
また、価値基準の入力が不十分である場合が想定される。あるいは、荷主または物流事業者自身においても価値基準が明確に定量化されていない場合も想定される。あるいは、メッセージ交換中に価値基準が変化する場合も想定される。かかる場合には、条件同士の一致度合いと価値基準とに基づいて算出されるスコアの精度が向上しにくいことも考えられる。そこで、荷主または物流事業者は、相手のメッセージに対する評価結果を入力してもよい。このとき、交渉支援部242は、入力された評価結果に基づいて、評価結果の入力者の価値基準を推測し、推測によって価値基準が得られた後に、条件同士の一致度合いと価値基準とに基づくスコアの算出(スコアリング)を開始してもよい。
【0176】
一例として、物流事業者は、荷主のメッセージ(表(25)の上段)に対して、各条件に対する評価結果(表(25)の「集荷住所」から「価格」まで)およびメッセージ全体に対する評価結果(表(25)の「総合」)を入力することができる。一例として、評価結果は、三段階(◎,△,×)によって入力可能であってもよい。
【0177】
【0178】
同様にして、物流事業者のメッセージに対して、荷主が各条件に対する評価結果およびメッセージ全体に対する評価結果を入力することも可能である。交渉支援部242は、各条件に対する評価結果およびメッセージ全体に対する評価結果のうち入力された評価結果に基づいて、評価結果の入力者の価値基準を推測し得る。なお、評価結果に基づく価値基準は、あらかじめ用意された学習済みのモデルによって推測され得る。また、交渉支援部242は、推測した価値基準と条件同士の一致度合いとに基づくスコアを、あらかじめ用意されたスコアリングモデルによって算出し得る。
【0179】
また、交渉支援部242は、荷主のメッセージに条件が含まれる場合に、条件ととともにその条件変更を希望するかを問う情報が物流事業者の端末装置10に送信されるように送信部240を制御してもよい。例えば、条件変更を希望するかを問う情報は、「重量は200kgより多い方がよいですか?」などといった質問であってもよい。物流事業者の端末装置10において、表示部150によって条件ととともにその条件変更を希望するかを問う情報が表示されることによって、物流事業者に対して価値基準を推測するための評価結果の入力が促される。
【0180】
同様にして、交渉支援部242は、物流事業者のメッセージに条件が含まれる場合に、条件ととともにその条件変更を希望するかを問う情報が荷主の端末装置10に送信されるように送信部240を制御してもよい。荷主の端末装置10において、表示部150によって条件ととともにその条件変更を希望するかを問う情報が表示されることによって、荷主に対して価値基準を推測するための評価結果の入力が促される。
【0181】
また、複数のマッチング候補それぞれの荷主が同一の荷主である場合が想定される。かかる場合には、交渉支援部242は、その複数のマッチング候補それぞれにおいて物流事業者によって入力されたメッセージから対応する条件を認識し、対応する条件に応じた情報が、荷主の端末装置10に送信されるように送信部240を制御してもよい。荷主の端末装置10において、表示部150によって対応する条件に応じた情報が表示されることによって、複数の物流事業者に対する荷主による選好情報の入力が支援される。
【0182】
上記の表(7)に示された例では、二つのマッチング候補(荷主B,物流事業者C)および(荷主B,物流事業者D)それぞれの荷主が同一の荷主Bである。そこで、交渉支援部242は、二つのマッチング候補(荷主B,物流事業者C)および(荷主B,物流事業者D)に対応するチャットルームにおいて、荷主Bの相手である物流事業者Cおよび物流事業者Dそれぞれによって入力されたメッセージから対応する条件を認識する。そして、交渉支援部242は、認識した対応する条件に応じた情報が、荷主の端末装置10に送信されるように送信部240を制御してもよい。
【0183】
例えば、対応する条件に応じた情報は、対応する条件自体を含んでもよい。あるいは、対応する条件に応じた情報は、対応する条件同士を直接比較した結果(例えば、物流事業者Cの「集荷時刻」よりも物流事業者Dの「集荷時刻」のほうが遅いなど)を含んでもよい。
【0184】
あるいは、対応する条件に応じた情報は、対応する条件それぞれと荷主Bの求車依頼情報との一致度合い(例えば、物流事業者Cの「集荷時刻」は求貨依頼情報の「集荷時刻」と一致しているが、物流事業者Dの「集荷時刻」と求貨依頼情報の「集荷時刻」とは一致しておらず、一方が他方に包含もされていないなど)を含んでもよい。あるいは、対応する条件に応じた情報は、一致度合いに応じたスコア(例えば、物流事業者Cのスコアよりも物流事業者Dのスコアのほうが高いなど)を含んでもよい。
【0185】
このとき、対応する条件の一方が認識されたのに対し、他方が認識されない場合があり得る。かかる場合には、交渉支援部242は、荷主Bの端末装置10に対して、認識されなかった条件に関するメッセージ交換を促す情報が送信されるように送信部240を制御してもよい。一例として、物流事業者Cによって入力されたメッセージから「集荷日時=15時」に対応する「価格」が認識されたのに対し、物流事業者Dによって入力されたメッセージから同日時に対応する「価格」が認識されない場合が想定される。かかる場合には、メッセージ交換を促す情報は、「物流事業者Dに15時集荷の場合の価格も確認してみましょう」などといった価格に関するメッセージ交換を促す情報であってもよい。
【0186】
複数のマッチング候補それぞれの荷主が同一の荷主である場合と同様に、複数のマッチング候補それぞれの物流事業者が同一の物流事業者である場合が想定される。かかる場合には、交渉支援部242は、その複数のマッチング候補それぞれにおいて荷主によって入力されたメッセージから対応する条件を認識し、対応する条件に応じた情報が、物流事業者の端末装置10に送信されるように送信部240を制御してもよい。物流事業者の端末装置10において、表示部150によって対応する条件に応じた情報が表示されることによって、複数の荷主に対する物流事業者による選好情報の入力が支援される。
【0187】
さらに、複数のマッチング候補それぞれの荷主が同一の荷主である場合と同様に、交渉支援部242は、物流事業者の端末装置10に対して、メッセージ交換を促す情報が送信されるように送信部240を制御してもよい。
【0188】
続いて、S222以降の動作が実行されるが、S222以降の動作は、本発明の第1の実施形態に係るマッチング装置21によって実行されるS222以降の動作と同様に実行される。ただし、本発明の第2の実施形態において、S222における、選好情報の入力タイミングである交渉の開始後は、より具体的には、荷主と物流事業者との間におけるメッセージ送受信の開始後に該当する。
【0189】
以上、本発明の第2の実施形態に係るマッチング装置22の動作例について説明した。
【0190】
(2-3.効果)
以上に説明したように、依頼者間における受発注に関する条件調整が、本発明の第1の実施形態においてはシステム外で行われるのに対し、本発明の第2の実施形態においては、システム内のチャットルームに誘導されて行われる。これによって、依頼者は、電話番号または電子メールアドレスなどといった、連絡先を示す情報の開示を行う必要がなくなる。また、本発明の第2の実施形態によれば、マッチング候補の相手の希望をメッセージによってより確実に把握できるため、相手の希望を踏まえた選好情報の入力におけるヒューマンエラーが防止され得る。
【0191】
荷主と物流事業者とのマッチングでは、条件の数が多く条件間の依存関係が複雑であるため、人間同士のメッセージ交換のみでは合意形成に至るために労力がかかるという特徴がある。しかし、本発明の第2の実施形態によれば、メッセージ考案補助機能(例えば、荷主および物流事業者が確認するべき内容をシステムが提案するなどといった機能)によって、よりスピーディーに合意形成を行うことができる。
【0192】
また、複数の相手との交渉に基づいて、複数の相手それぞれに対する選好を決定する場合には、交渉の相手が増えるほど、どの相手との合意条件がどの程度望ましいかという選好決定をユーザー自身が行うことが難しくなる。しかし、本発明の第2の実施形態によれば、選好決定の補助機能(例えば、条件に対する定量的なスコアリングによる補助など)により、ユーザーによる選好決定が容易になると考えられる。
【0193】
以上、本発明の第2の実施形態について説明した。
【0194】
<3.第3の実施形態>
続いて、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0195】
(3-1.構成例)
続いて、
図12を参照しながら、本発明の第3の実施形態に係るマッチング装置23の機能構成例について説明する。
【0196】
図12は、本発明の第3の実施形態に係るマッチング装置23の機能構成例を示すブロック図である。
図12に示されるように、本発明の第3の実施形態に係るマッチング装置23は、自動交渉プラットフォーム252および交渉結果出力部254を含む点、処理実行部280にマッチング管理部210が含まれる点において、本発明の第2の実施形態に係るマッチング装置22と異なる。したがって、本発明の第3の実施形態では、マッチング管理部210、自動交渉プラットフォーム252および交渉結果出力部254について主に説明し、他の構成についての詳細な説明は省略する。
【0197】
以上、本発明の第3の実施形態に係るマッチング装置23の機能構成例について説明した。
【0198】
(3-2.動作例)
続いて、本発明の第3の実施形態に係るマッチング装置23の動作例について説明する。
図13は、本発明の第3の実施形態に係るマッチング装置23の動作例を示すフローチャートである。なお、
図13に示された動作例は、本発明の第3の実施形態に係るマッチング装置23の動作の一例に過ぎない。したがって、本発明の第3の実施形態に係るマッチング装置23の動作は、
図13に示された動作例に限定されない。
【0199】
(S211、S212)
まず、S211およびS212が実行されるが、S211およびS212の動作は、本発明の第2の実施形態に係るマッチング装置22によって実行されるS211およびS212の動作と同様に実行される。
【0200】
(S251)
処理実行部280は、マッチング候補選択部211によって選択されたマッチング候補ごとに交渉に必要な所定の処理を実行する。本発明の第3の実施形態において、マッチング管理部210は、自動交渉プラットフォーム252を呼び出すことによって、各マッチング候補において、荷主に対応する交渉エージェント(求車依頼者側エージェント)と物流事業者に対応する交渉エージェント(求貨依頼者側エージェント)との間において交渉を開始させる処理を、所定の処理として実行する。
【0201】
(S252)
自動交渉プラットフォーム252は、荷主Aに対応する交渉エージェント、荷主Bに対応する交渉エージェント、物流事業者Cに対応する交渉エージェントおよび物流事業者Dに対応する交渉エージェントを設定する。自動交渉プラットフォーム252は、マッチング管理部210から呼び出されたことに基づいて、各マッチング候補において、荷主に対応する交渉エージェントと物流事業者に対応する交渉エージェントとの間における交渉を開始する。
【0202】
ここで、交渉エージェントは、システム内において動作する電子的なエージェントであり、例えば、AI(Artificial Intelligence)によって実現され得る。荷主Aに対応する交渉エージェントは、荷主Aのシステムに存在する効用情報データベース31Aを参照しながら、相手の交渉エージェントと自動交渉を行う。同様に、荷主Bに対応する交渉エージェントは、荷主Bのシステムに存在する効用情報データベース31Bを参照しながら、相手の交渉エージェントと自動交渉を行う。
【0203】
同様に、物流事業者Cに対応する交渉エージェントは、物流事業者Cのシステムに存在する効用情報データベース31Cを参照しながら、相手の交渉エージェントと自動交渉を行う。物流事業者Dに対応する交渉エージェントは、物流事業者Dのシステムに存在する効用情報データベース31Dを参照しながら、相手の交渉エージェントと自動交渉を行う。なお、自動交渉は、複数の交渉エージェントが自動的にメッセージの生成および送受信を行うことによって、互いに合意可能な結論を探索する技術である。
【0204】
なお、
図12に示された例では、効用情報データベース31Aは、荷主Aのシステム(例えば、荷主Aの端末装置10-Aの内部、荷主Aの端末装置10-Aと接続された図示しないサーバなど)に存在する。しかし、効用情報データベース31Aは、マッチング装置23の内部に存在していてもよい。同様に、効用情報データベース31B、31C、31Dの少なくとも一つは、マッチング装置23の内部に存在していてもよい。
【0205】
以下では、自動交渉の一例として、荷主Aと物流事業者Cとの受発注に関する条件調整の自動交渉例について説明する。まず、荷主Aに対応する交渉エージェントは、荷主Aの効用情報データベース31Aから、荷主A集荷対応スケジュール(表(26)参照)と荷主A貨物情報(表(27)参照)を参照する。
【0206】
【0207】
【0208】
また、物流事業者Cに対応する交渉エージェントは、物流事業者Cの効用情報データベース31Cから、物流事業者C輸送計画情報(表(27)参照)と物流事業者C混載貨物情報(表(28)参照)を参照する。ここで、物流事業者C混載貨物情報は、マッチング候補の相手の貨物と混載する予定の貨物に関する情報である。
【0209】
【0210】
【0211】
一例として、荷主Aに対応する交渉エージェントと、物流事業者Cに対応する交渉エージェントとが、与えられた効用関数と戦略に従って、下記の表(30)に示されるように、メッセージを送受信した場合を想定する。
【0212】
【0213】
荷主Aに対応する交渉エージェントは、物流事業者Cに対応する交渉エージェントが最後に送信したメッセージの条件を受け入れ可能と判断し、acceptのメッセージを送信する。自動交渉プラットフォーム252は、下記の表(31)に示されるメッセージを交渉の結論としてマッチング管理部210へ返す。
【0214】
【0215】
自動交渉プラットフォーム252は、上記した交渉エージェント同士による交渉を、上記の表(7)のそれぞれのマッチング候補に対して行う。
【0216】
なお、自動交渉プラットフォーム252において、交渉エージェントと人間が交渉を行う場合も考えられる。かかる場合には、自動交渉プラットフォーム252は、交渉エージェントが送信したメッセージを、表または自然言語文などといった、人間の可読性が高い形式に変換する処理と、人間が入力したメッセージを、交渉エージェントが認識可能な形式に変換する処理の少なくともどちらか一方を行ってもよい。このとき、人間とのメッセージ入出力は、本発明の第1の実施形態および本発明の第2の実施形態におけるメッセージ入出力と同様である。
【0217】
(S253)
マッチング管理部210は、交渉結果出力部254を呼び出すことによって、交渉結果出力部254に交渉結果を出力させる。交渉結果は、マッチング管理部210から交渉結果出力部254に与えられる。なお、交渉結果出力部254によって出力される交渉結果は、必ずしも交渉の結論を含んでいなくてもよい。例えば、交渉結果出力部254によって出力される交渉結果は、交渉の結論が出る前までの交渉途中の結果のみが含まれてもよい。
【0218】
(S254)
交渉結果出力部254は、マッチング管理部210から呼び出されたことに基づいて、各マッチング候補において、荷主および物流事業者それぞれに対応する交渉エージェント同士の交渉結果が、荷主および物流事業者それぞれに出力されるように制御する。一例として、物流事業者Cに出力される交渉結果は、下記の表(32)に示される通りである。
【0219】
【0220】
一例として、物流事業者Cへの交渉結果の出力について詳細に説明すると次の通りになる。
【0221】
すなわち、交渉結果出力部254は、荷主Aおよび物流事業者Cそれぞれに対応する交渉エージェント同士の交渉結果が端末装置10-Cに送信されるように送信部240を制御することによって、交渉結果が物流事業者Cに出力されるように制御する。このとき、端末装置10-Cにおいては、通信部140によって交渉結果が受信され、表示部150によって交渉結果が表示される。そして、荷主Aおよび物流事業者Cそれぞれに対応する交渉エージェント同士の交渉結果が物流事業者Cによって視認される。
【0222】
続いて、S222以降の動作が実行されるが、S222以降の動作は、本発明の第2の実施形態に係るマッチング装置22によって実行されるS222以降の動作と同様に実行される。ただし、本発明の第3の実施形態において、S222における、選好情報の入力タイミングである交渉の開始後は、より具体的には、交渉結果出力部254による交渉結果の出力の開始後に該当する。
【0223】
以上、本発明の第3の実施形態に係るマッチング装置23の動作例について説明した。
【0224】
(3-3.効果)
以上に説明したように、依頼者間における受発注に関する条件調整が、本発明の第1の実施形態においては電話または電子メールで行われ、本発明の第2の実施形態においては、チャットルームにて行われるのに対し、本発明の第3の実施形態においては、自動交渉プラットフォームでの自動交渉で行われる。これによって、条件調整にかかる時間が減少し、条件調整が行われる時間帯にも制限がなくなるため、より多くのマッチング候補の相手との間において、より短い時間にて条件調整が行われる得る。
【0225】
なお、このような自動交渉による取引の社会実装黎明期においては、自動交渉エージェントの判断にそれほど信頼性がないと考えられる。そこで、交渉は自動交渉エージェントによって行われる一方、最終的な選好(利益)の判断は担当者(人間)が行うのが望ましい。したがって、本発明の第3の実施形態は、かかる時期などにおいて、特に好適に実施され得ると考えられる。
【0226】
以上、本発明の第3の実施形態について説明した。
【0227】
<4.第4の実施形態>
続いて、本発明の第4の実施形態について説明する。
【0228】
(4-1.構成例)
続いて、
図14を参照しながら、本発明の第4の実施形態に係るマッチング装置24の機能構成例について説明する。
【0229】
図14は、本発明の第4の実施形態に係るマッチング装置24の機能構成例を示すブロック図である。
図14に示されるように、本発明の第4の実施形態に係るマッチング装置24は、選好決定部262を含む点において、本発明の第3の実施形態に係るマッチング装置23と異なる。したがって、本発明の第4の実施形態では、選好決定部262について主に説明し、他の構成についての詳細な説明は省略する。
【0230】
以上、本発明の第4の実施形態に係るマッチング装置24の機能構成例について説明した。
【0231】
(4-2.動作例)
続いて、本発明の第4の実施形態に係るマッチング装置24の動作例について説明する。
図15は、本発明の第4の実施形態に係るマッチング装置24の動作例を示すフローチャートである。なお、
図15に示された動作例は、本発明の第4の実施形態に係るマッチング装置24の動作の一例に過ぎない。したがって、本発明の第4の実施形態に係るマッチング装置24の動作は、
図15に示された動作例に限定されない。
【0232】
(S211、S212、S251、S252)
まず、S211、S212、S251およびS252が実行されるが、S211、S212、S251およびS252の動作は、本発明の第3の実施形態に係るマッチング装置23によって実行されるS211、S212、S251およびS252の動作と同様に実行される。
【0233】
(S261)
マッチング管理部210は、選好決定部262を呼び出すことによって、選好決定部262に選好情報の決定を開始させる。交渉結果は、マッチング管理部210から選好決定部262に与えられる。
【0234】
(S262)
選好決定部262は、マッチング管理部210から呼び出されたことに基づいて、選好情報を決定する。より詳細に、選好決定部262は、各マッチング候補における荷主および物流事業者それぞれに対応する交渉エージェント同士の交渉結果に基づいて、荷主および物流事業者それぞれの選好情報を決定する。選好決定部262は、各マッチング候補における荷主および物流事業者それぞれの選好情報を選好情報取得部221に出力する。
【0235】
一例として、選好決定部262が、物流事業者Cの荷主Aおよび荷主Bそれぞれに対する選好情報を決定する場合を想定する。また、選好情報の例として、選好順位が決定される場合を想定する。このとき、荷主Aおよび荷主Bそれぞれに対する選好順位は、物流事業者Cの価値基準に基づいて付けられるのが望ましい。
【0236】
そこで、選好決定部262は、物流事業者Cの効用情報データベース31Cを参照し、効用関数値に基づいて下記の表(33)に示されるように、交渉結果に対するスコアリングを行う。また、選好決定部262は、スコアリングの結果に基づいて、物流事業者Cの荷主Aおよび荷主Bそれぞれに対する選好順位を決定する。下記の表(33)に示された例では、荷主Aおよび荷主Bのうち、よりスコアが高い荷主Bの選好順位がより高く決定されている。
【0237】
【0238】
なお、上記では、自動交渉プラットフォーム252が選好決定部262に対して、各交渉結果を与える例を主に説明した。しかし、自動交渉プラットフォーム252は、選好決定部262に対して、各交渉結果だけではなく、各交渉結果に対応する効用値情報またはスコア情報も与えてよい。かかる場合には、選好決定部262が各依頼者の効用情報データベースを参照する必要はなく、自動交渉プラットフォーム252から与えられた情報のみを元に選好情報を決定すればよい。
【0239】
以上、本発明の第4の実施形態に係るマッチング装置24の動作例について説明した。
【0240】
(4-3.効果)
以上に説明したように、本発明の第4の実施形態によれば、本発明の第3の実施形態と同様に、自動交渉プラットフォームでの自動交渉が行われる。本発明の第4の実施形態においては、それに加えて交渉後の選好決定まで自動で行われる。したがって、本発明の第4の実施形態に係るマッチングシステムは、求貨依頼情報および求車依頼情報の入力からシステムの動作完了まで人間の手に触れずに全自動で運用することが可能である。
【0241】
また、本発明の第3の実施形態では、選好(利益)判断が人間によって行われる。一方、本発明の第4の実施形態に係るマッチングシステムは、自動交渉エージェントの判断にある程度信頼性が生まれ、人間による承認がなくても安全に運用できるようになった場合に対して、特に好適に適用され得る。
【0242】
<5.ハードウェア構成例>
続いて、本発明の実施形態に係るマッチング装置21~24のハードウェア構成例について説明する。以下では、これらのハードウェア構成例として、情報処理装置900のハードウェア構成例について説明する。なお、以下に説明する情報処理装置900のハードウェア構成例は一例に過ぎない。したがって、本発明の実施形態に係るマッチング装置21~24のハードウェア構成は、以下に説明する情報処理装置900のハードウェア構成から不要な構成が削除されてもよいし、新たな構成が追加されてもよい。
【0243】
図16は、情報処理装置900のハードウェア構成を示す図である。情報処理装置900は、CPU(Central Processing Unit)901と、ROM(Read Only Memory)902と、RAM(Random Access Memory)903と、ホストバス904と、ブリッジ905と、外部バス906と、インタフェース907と、入力装置908と、出力装置909と、ストレージ装置910と、通信装置911と、を備える。
【0244】
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って情報処理装置900内の動作全般を制御する。また、CPU901は、マイクロプロセッサであってもよい。ROM902は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM903は、CPU901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。これらはCPUバス等から構成されるホストバス904により相互に接続されている。
【0245】
ホストバス904は、ブリッジ905を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バス等の外部バス906に接続されている。なお、必ずしもホストバス904、ブリッジ905および外部バス906を分離構成する必要はなく、1つのバスにこれらの機能を実装してもよい。
【0246】
入力装置908は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、スイッチおよびレバー等ユーザーが情報を入力するための入力手段と、ユーザーによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路等から構成されている。情報処理装置900を操作するユーザーは、この入力装置908を操作することにより、情報処理装置900に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
【0247】
出力装置909は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置、ランプ等の表示装置およびスピーカ等の音声出力装置を含む。
【0248】
ストレージ装置910は、データ格納用の装置である。ストレージ装置910は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置等を含んでもよい。ストレージ装置910は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)で構成される。このストレージ装置910は、ハードディスクを駆動し、CPU901が実行するプログラムや各種データを格納する。
【0249】
通信装置911は、例えば、ネットワークに接続するための通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。また、通信装置911は、無線通信または有線通信のどちらに対応してもよい。
【0250】
以上、本発明の実施形態に係る情報処理装置900のハードウェア構成例について説明した。
【0251】
<6.まとめ>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0252】
1 マッチングシステム
10 端末装置
110 制御部
120 操作部
130 記憶部
140 通信部
150 表示部
21~24 マッチング装置
200 受信部
201 求貨求車情報取得部
202 求貨求車情報記憶部
210 マッチング管理部
211 マッチング候補選択部
280 処理実行部
213 マッチング候補出力部
221 選好情報取得部
222 選好情報記憶部
231 マッチング部
232 マッチング結果出力部
240 送信部
242 交渉支援部
252 自動交渉プラットフォーム
254 交渉結果出力部
262 選好決定部
31A~31D 効用情報データベース
50 ネットワーク
【手続補正書】
【提出日】2022-05-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の求車依頼者それぞれの求車依頼情報と、複数の求貨依頼者それぞれの求貨依頼情報と、第1のルールとに基づいて、前記複数の求車依頼者および前記複数の求貨依頼者から、求車依頼者および求貨依頼者の1または複数の組み合わせそれぞれをマッチング候補として選択するマッチング候補選択部と、
前記マッチング候補ごとに交渉に必要な所定の処理を実行する処理実行部と、
前記交渉の開始後に入力された、前記マッチング候補の求車依頼者および求貨依頼者の一部または全部の選好情報を取得する選好情報取得部と、
前記選好情報と第2のルールとに基づいて、前記複数の求車依頼者および前記複数の求貨依頼者から、求車依頼者および求貨依頼者の1または複数の組み合わせそれぞれをマッチング結果として決定するマッチング部と、
を備える、マッチングシステム。
【請求項2】
前記処理実行部は、前記マッチング候補それぞれにおいて、前記求車依頼者に関する情報が前記求貨依頼者に出力されるように制御することと、前記求貨依頼者に関する情報が前記求車依頼者に出力されるように制御することとを、前記所定の処理として実行する、
請求項1に記載のマッチングシステム。
【請求項3】
前記求車依頼者に関する情報は、前記求車依頼者の連絡先を示す情報を含み、
前記求貨依頼者に関する情報は、前記求貨依頼者の連絡先を示す情報を含む、
請求項2に記載のマッチングシステム。
【請求項4】
前記処理実行部は、前記マッチング候補それぞれにおいて、前記求車依頼者の端末装置と前記求貨依頼者の端末装置との間においてメッセージの送受信を可能にするための処理を、前記所定の処理として実行する、
請求項1に記載のマッチングシステム。
【請求項5】
前記メッセージの送受信を可能にするための処理は、前記求車依頼者の端末装置と前記求貨依頼者の端末装置との間においてメッセージの送受信が行われるチャットルームを生成することを含む、
請求項4に記載のマッチングシステム。
【請求項6】
前記処理実行部は、あらかじめ登録された項目と一致する項目がメッセージから認識されなかった場合に、前記メッセージを送信した端末装置に対して、認識されなかった項目が送信されるように送信部を制御する、
請求項4または5に記載のマッチングシステム。
【請求項7】
前記処理実行部は、前記求車依頼者の端末装置から送信されたメッセージと、前記求貨依頼情報とにおいて、対応する条件同士の一致度合いを算出し、前記一致度合いに応じたスコアが前記求貨依頼者の端末装置に送信されるように送信部を制御する、
請求項4または5に記載のマッチングシステム。
【請求項8】
前記処理実行部は、前記一致度合いと前記求貨依頼者の価値基準とに応じたスコアが前記求貨依頼者の端末装置に送信されるように送信部を制御する、
請求項7に記載のマッチングシステム。
【請求項9】
前記処理実行部は、前記求貨依頼者の端末装置から送信されたメッセージと、前記求車依頼情報とにおいて、対応する条件同士の一致度合いを算出し、前記一致度合いに応じたスコアが前記求車依頼者の端末装置に送信されるように送信部を制御する、
請求項4または5に記載のマッチングシステム。
【請求項10】
前記処理実行部は、複数のマッチング候補それぞれの求車依頼者が同一である場合に、前記複数のマッチング候補それぞれにおいて求貨依頼者によって入力されたメッセージから対応する条件を認識し、前記対応する条件に応じた情報が前記求車依頼者の端末装置に送信されるように送信部を制御する、
請求項4または5に記載のマッチングシステム。
【請求項11】
前記処理実行部は、複数のマッチング候補それぞれの求貨依頼者が同一である場合に、前記複数のマッチング候補それぞれにおいて求車依頼者によって入力されたメッセージから対応する条件を認識し、前記対応する条件に応じた情報が前記求貨依頼者の端末装置に送信されるように送信部を制御する、
請求項4または5に記載のマッチングシステム。
【請求項12】
前記処理実行部は、前記マッチング候補それぞれにおいて、前記マッチングシステム内において動作する求車依頼者側エージェントと前記マッチングシステム内において動作する求貨依頼者側エージェントとの間において交渉を開始させる処理を、前記所定の処理として実行する、
請求項1に記載のマッチングシステム。
【請求項13】
前記マッチングシステムは、前記求車依頼者側エージェントと前記求貨依頼者側エージェントとの間における交渉結果が、前記求車依頼者および前記求貨依頼者それぞれに出力されるように制御する交渉結果出力部を備える、
請求項12に記載のマッチングシステム。
【請求項14】
前記選好情報取得部は、前記マッチング候補の一部または全部において、前記求貨依頼者によって入力された前記求車依頼者に対する選好情報を取得するとともに、前記求車依頼者によって入力された前記求貨依頼者に対する選好情報を取得する、
請求項1~13のいずれか一項に記載のマッチングシステム。
【請求項15】
前記処理実行部は、前記マッチング候補それぞれにおいて、求車依頼者側エージェントと求貨依頼者側エージェントとの間において交渉を開始させる処理を、前記所定の処理として実行し、
前記マッチングシステムは、
前記求車依頼者側エージェントと前記求貨依頼者側エージェントとの間における交渉結果に基づいて、前記求車依頼者および前記求貨依頼者の選好情報を決定し、前記選好情報を前記選好情報取得部に出力する選好決定部を備える、
請求項1に記載のマッチングシステム。
【請求項16】
複数の求車依頼者それぞれの求車依頼情報と、複数の求貨依頼者それぞれの求貨依頼情報と、第1のルールとに基づいて、前記複数の求車依頼者および前記複数の求貨依頼者から、求車依頼者および求貨依頼者の1または複数の組み合わせそれぞれをマッチング候補として選択することと、
前記マッチング候補ごとに交渉に必要な所定の処理を実行することと、
前記交渉の開始後に入力された、前記マッチング候補の求車依頼者および求貨依頼者の一部または全部の選好情報を取得することと、
前記選好情報と第2のルールとに基づいて、前記複数の求車依頼者および前記複数の求貨依頼者から、求車依頼者および求貨依頼者の1または複数の組み合わせそれぞれをマッチング結果として決定することと、
を備える、コンピュータにより実行されるマッチング方法。
【請求項17】
コンピュータを、
複数の求車依頼者それぞれの求車依頼情報と、複数の求貨依頼者それぞれの求貨依頼情報と、第1のルールとに基づいて、前記複数の求車依頼者および前記複数の求貨依頼者から、求車依頼者および求貨依頼者の1または複数の組み合わせそれぞれをマッチング候補として選択するマッチング候補選択部と、
前記マッチング候補ごとに交渉に必要な所定の処理を実行する処理実行部と、
前記交渉の開始後に入力された、前記マッチング候補の求車依頼者および求貨依頼者の一部または全部の選好情報を取得する選好情報取得部と、
前記選好情報と第2のルールとに基づいて、前記複数の求車依頼者および前記複数の求貨依頼者から、求車依頼者および求貨依頼者の1または複数の組み合わせそれぞれをマッチング結果として決定するマッチング部と、
を備えるマッチング装置として機能させるプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
また、本発明の別の観点によれば、複数の求車依頼者それぞれの求車依頼情報と、複数の求貨依頼者それぞれの求貨依頼情報と、第1のルールとに基づいて、前記複数の求車依頼者および前記複数の求貨依頼者から、求車依頼者および求貨依頼者の1または複数の組み合わせそれぞれをマッチング候補として選択することと、前記マッチング候補ごとに交渉に必要な所定の処理を実行することと、前記交渉の開始後に入力された、前記マッチング候補の求車依頼者および求貨依頼者の一部または全部の選好情報を取得することと、前記選好情報と第2のルールとに基づいて、前記複数の求車依頼者および前記複数の求貨依頼者から、求車依頼者および求貨依頼者の1または複数の組み合わせそれぞれをマッチング結果として決定することと、を備える、コンピュータにより実行されるマッチング方法が提供される。