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特開2022-117707粒子画像解析装置、粒子画像解析方法、及び粒子画像解析プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022117707
(43)【公開日】2022-08-12
(54)【発明の名称】粒子画像解析装置、粒子画像解析方法、及び粒子画像解析プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01N 15/14 20060101AFI20220804BHJP
【FI】
G01N15/14 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021014343
(22)【出願日】2021-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】特許業務法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前田 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】小川 貴弘
(57)【要約】      (修正有)
【課題】流路に付着したコンタミ粒子等の異物の画像を、粒子の画像と誤認識することを抑制する。
【解決手段】粒子画像解析装置1は、粒子PTを分散させた液体試料SLを所定速度VAで流路16内を流動させ、液体試料SLを所定周期TAで撮影することによって得られた試料画像に含まれる粒子PTの画像を解析する粒子画像解析装置であって、複数の試料画像に基づいて、ブランク画像を生成する生成部515と、ブランク画像に基づいて、試料画像を補正する補正部516と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子を分散させた液体試料を所定速度で流路内を流動させ、前記液体試料を所定周期で撮影することによって得られた試料画像に含まれる前記粒子の画像を解析する粒子画像解析装置であって、
複数の前記試料画像に基づいて、ブランク画像を生成する生成部と、
前記ブランク画像に基づいて、前記試料画像を補正する補正部と、
を備える、粒子画像解析装置。
【請求項2】
前記補正部は、前記試料画像と前記ブランク画像との差分を算出することによって、前記試料画像を補正する、
請求項1に記載の粒子画像解析装置。
【請求項3】
前記流路内を流動しない固定粒子を検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に基づいて、前記液体試料を撮影することによって得られた試料画像の中から前記複数の試料画像を抽出する抽出部と、
を更に備える、請求項1又は請求項2に記載の粒子画像解析装置。
【請求項4】
前記検出部は、2枚以上の所定枚数の連続して撮影された前記試料画像において、対応する位置に配置され、互いに隣接した複数画素の輝度値が所定値以下である場合に、前記固定粒子を検出する、
請求項3に記載の粒子画像解析装置。
【請求項5】
前記検出部が前記固定粒子を検出した場合に、前記液体試料を撮影することによって得られた試料画像を、前記固定粒子を検出する前の第1試料画像群と、前記固定粒子を検出した後の第2試料画像群と、に分類する分類部、を更に備え、
前記抽出部は、
前記第1試料画像群に含まれる試料画像の補正に用いる前記ブランク画像を前記生成部が生成する場合には、前記第1試料画像群に含まれる前記複数の試料画像を抽出し、
前記第2試料画像群に含まれる試料画像の補正に用いる前記ブランク画像を前記生成部が生成する場合には、前記第2試料画像群に含まれる前記複数の試料画像を抽出する、
請求項3又は請求項4に記載の粒子画像解析装置。
【請求項6】
前記所定速度、及び前記所定周期の各々は、前記流路内を流動する前記粒子が、2枚の連続して撮影された前記試料画像に含まれないように設定される、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の粒子画像解析装置。
【請求項7】
前記生成部は、前記複数の試料画像の各画素の輝度値のメディアン値を算出することによって前記ブランク画像を生成する、
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の粒子画像解析装置。
【請求項8】
前記生成部は、前記複数の試料画像の各画素の輝度値の平均値を算出することによって前記ブランク画像を生成する、
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の粒子画像解析装置。
【請求項9】
粒子を分散させた液体試料を所定速度で流路内を流動させ、前記液体試料を所定周期で撮影することによって得られた試料画像に含まれる前記粒子の画像を解析する粒子画像解析装置の粒子画像解析方法であって、
複数の前記試料画像に基づいて、ブランク画像を生成する生成ステップと、
前記ブランク画像に基づいて、前記試料画像を補正する補正ステップと、
を含む、粒子画像解析方法。
【請求項10】
粒子を分散させた液体試料を所定速度で流路内を流動させ、前記液体試料を所定周期で撮影することによって得られた試料画像に含まれる前記粒子の画像を解析する粒子画像解析プログラムであって、
コンピュータを、
複数の前記試料画像に基づいて、ブランク画像を生成する生成部、及び、
前記ブランク画像に基づいて、前記試料画像を補正する補正部、
として機能させる、粒子画像解析プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒子画像解析装置、粒子画像解析方法、及び粒子画像解析プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
粒子画像解析装置において、粒子画像を抽出する種々の技術が知られている。なお、粒子画像解析装置では、粒子を分散させた液体試料を所定速度で流路内を流動させ、液体試料を所定周期で撮影することによって得られた試料画像に含まれる粒子の画像を解析する。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の粒子画像解析装置では、粒子画像特定処理部が、試料画像の各画素の輝度を所定値と比較することにより、試料画像中に含まれる粒子の画像を特定する。また、周辺画像抽出処理部は、粒子画像特定処理部によって特定された1つの粒子の画像を含む粒子の周辺画像を試料画像から抽出する。更に、粒子領域特定処理部は、周辺画像抽出処理部によって抽出された周辺画像の各画素の輝度を第2閾値と比較することにより、周辺画像中の粒子領域を特定する。なお、第2閾値は、周辺画像の各画素のうち輝度が最も低い画素、又は最も高い画素の輝度と、周辺画像の粒子以外の領域における各画素の輝度の基準値とに基づいて算出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-158352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の粒子画像解析装置では、コンタミ粒子等の異物が流路の壁面に付着する場合には、異物の画像を粒子の画像と誤認識する可能性がある。コンタミ粒子とは、解析対象の粒子とは相違する粒子であって、液体試料に混入した粒子を示す。
また、試料画像を撮影している期間内に、コンタミ粒子等の異物が流路の壁面に付着する場合には、異物の画像を含まない試料画像と、異物の画像を含む試料画像と、が生成される。したがって、異物の画像と粒子の画像とを識別することが更に困難になる。
【0006】
本発明は、流路に付着したコンタミ粒子等の異物の画像を、粒子の画像と誤認識することを抑制することの可能な粒子画像解析装置、粒子画像解析方法、及び粒子画像解析プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1態様に係る粒子画像解析装置は、粒子を分散させた液体試料を所定速度で流路内を流動させ、前記液体試料を所定周期で撮影することによって得られた試料画像に含まれる前記粒子の画像を解析する粒子画像解析装置であって、複数の前記試料画像に基づいて、ブランク画像を生成する生成部と、前記ブランク画像に基づいて、前記試料画像を補正する補正部と、を備える。
【0008】
本発明の第2態様に係る粒子画像解析方法は、粒子を分散させた液体試料を所定速度で流路内を流動させ、前記液体試料を所定周期で撮影することによって得られた試料画像に含まれる前記粒子の画像を解析する粒子画像解析装置の粒子画像解析方法であって、複数の前記試料画像に基づいて、ブランク画像を生成する生成ステップと、前記ブランク画像に基づいて、前記試料画像を補正する補正ステップと、を含む。
【0009】
本発明の第3態様に係る粒子画像解析プログラムは、粒子を分散させた液体試料を所定速度で流路内を流動させ、前記液体試料を所定周期で撮影することによって得られた試料画像に含まれる前記粒子の画像を解析する粒子画像解析プログラムであって、コンピュータを、複数の前記試料画像に基づいて、ブランク画像を生成する生成部、及び、前記ブランク画像に基づいて、前記試料画像を補正する補正部、として機能させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の第1態様に係る粒子画像解析装置、本発明の第2態様に係る粒子画像解析方法、及び本発明の第3態様に係る粒子画像解析プログラムによれば、複数の試料画像に基づいて、ブランク画像を生成し、ブランク画像に基づいて、試料画像を補正するため、流路に付着した異物の画像を、粒子の画像と誤認識することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る粒子画像解析装置の構成の一例を示す図である。
図2】異物が混入しない場合のブランク画像の一例を示す図である。
図3】異物が混入した場合のブランク画像の一例を示す図である。
図4】従来のブランク画像で補正した場合の補正画像の一例を示す図である。
図5】本発明のブランク画像で補正した場合の補正画像の一例を示す図である。
図6】コンタミ粒子付着前の試料画像をコンタミ粒子付着後のブランク画像で補正した場合の補正画像の一例を示す図である。
図7】コンタミ粒子付着後の試料画像をコンタミ粒子付着前のブランク画像で補正した場合の補正画像の一例を示す図である。
図8】コンタミ粒子付着後の試料画像をコンタミ粒子付着後のブランク画像で補正した場合の補正画像の一例を示す図である。
図9】制御部の処理の一例を示すフローチャートである。
図10】制御部の固定粒子検出処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本実施形態について説明する。
【0013】
[1.粒子画像解析装置の構成]
図1は、本実施形態に係る粒子画像解析装置1の構成の一例を示す図である。
粒子画像解析装置1は、粉体試料SPの粒子PTを分散させた液体試料SLを所定速度VAで流路内を流動させ、液体試料SLを所定周期TAで撮影することによって得られた試料画像PSに含まれる粉体試料SPの粒子PTの画像を解析する。また、粒子画像解析装置1は、画像解析の結果に基づいて、粉体試料SPの粒子PTの粒子性状を解析する。
【0014】
粉体試料SPは、例えば、顔料、化粧品用パウダー、トナー、粒子状触媒、研磨材、粉末状医薬、合成樹脂製粉末、ファインセラミック粒子、金属粒子等の工業製品の粉体である。また、粒子性状は、代表的には粒子形状であり、円相当径や円形度、アスペクト比などが含まれる。
粒子画像解析装置1は、JIS Z8827-2で規定される動的画像解析法によって、粉体試料SPの粒子PTの画像を解析する。
また、粉体試料SPの粒子PTの大きさは、例えば、5μm~100μmである。
【0015】
図1に示すように、粒子画像解析装置1は、フローセル2と、液体試料供給機構4と、照明部6と、カメラ8と、フォーカス機構10と、制御部12と、を備える。
フローセル2は、光学的に略透明な測定容器であり、略矩形の板状に形成される。フローセル2の上端面2Aには、液体試料SLを導入する導入口14Aが形成され、フローセル2の下端面2Bには、液体試料SLを排出する排出口14Bが形成され、導入口14Aから排出口14Bに至る流路16が直線状に形成される。
本実施形態のフローセル2には、焦点合わせ用の図略の焦点ターゲットが設けられており、制御部12が焦点ターゲットに基づいてカメラ8の焦点を合わせるように構成される。
【0016】
液体試料供給機構4は、フローセル2に液体試料SLを単位時間に所定量ずつ送り込む機構であり、送液ポンプ22を備える。換言すれば、送液ポンプ22は、液体試料SLを所定速度VAで流路16内を流動させる。所定速度VAは、例えば、14.5mm/秒である。
本実施形態では、液体試料SLを貯留する液体試料貯留容器24から延びる導入管26がフローセル2の導入口14Aに接続される。また排出口14Bには排出管28の一方端が接続され、排出管28の他方端に送液ポンプ22の吸込側が接続される。
送液ポンプ22が作動することによって、液体試料貯留容器24の液体試料SLが、導入口14Aからフローセル2の流路16に流れ込み、流路16を経由して、排出口14Bから排出される。
送液ポンプ22の排出側には、廃液管30が接続されており、送液ポンプ22が排出した液体試料は、廃液管30を通じて廃液タンク32に回収される。なお、送液ポンプ22を導入管26の側に設けてもよい。
【0017】
照明部6は、フローセル2に測定光34を照射する光源装置6Aを備える。本実施形態の光源装置6Aは、略平行光の測定光34を、フローセル2の流路16に対して略直交する方向から照射する。光源装置6Aは、LED(Light Emitting Diode)光源やレーザ光源などの発光素子を有する光源と、光源が出射する光を平行光化するコリメート光学系と、を備える。なお、光源装置6Aが、光源として、COB(Chip On Board)型LEDのように、面状に光を出射する面状光源を備えてもよい。
【0018】
カメラ8は、フローセル2を挟んで照明部6と対向する位置に配置され、フローセル2における測定光34の照射箇所を、制御部12の指示に従って、所定周期TAで撮影する。本実施形態のカメラ8は、イメージングセンサである撮像素子36と、テレセントリック顕微鏡38とを備える。撮像素子36は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等で構成される。テレセントリック顕微鏡38は、撮像素子36の撮像面36Aにフローセル2における照射箇所の像を結像するテレセントリック光学系であり、フローセル2に対向配置されるテレセントリックレンズ40を備える。
【0019】
カメラ8の撮影速度は、例えば、8FPSである。すなわち、所定周期TAは、0.125秒である。所定周期TAは、次の条件を満たすように設定される。
すなわち、所定速度VA、及び所定周期TAの各々は、流路16内を流動する粒子が、2枚の連続して撮影された試料画像PSに含まれないように設定される。
換言すれば、所定速度VA、及び所定周期TAは次の式(1)を満たすように設定される。
VA>LA/TA (1)
ここで、長さLAは、カメラ8の視野における粒子PTの流動方向の長さを示す。例えば、長さLAは、1.8mmである。この場合には、式(1)の右辺の値は、14.4(=1.8/0.125)mm/秒であり、所定速度VAが14.5mm/秒であるときには、(1)式を満たす。
【0020】
このように、所定速度VA、及び所定周期TAの各々は、流路16内を流動する粒子PTが、2枚の連続して撮影された試料画像PSに含まれないように設定されるため、同一の粒子PTの画像を複数回撮影することを抑制できる。
【0021】
フォーカス機構10は、テレセントリック顕微鏡38の焦点を可変する機構であり、レンズ駆動機構42を備える。レンズ駆動機構42は、制御部12の制御に従って、テレセントリックレンズ40をテレセントリック光学系の光軸Aに沿って駆動することでカメラ8の焦点を可変する機構である。
【0022】
[2.制御部の構成]
制御部12は、例えばパーソナルコンピュータで構成され、粒子画像解析装置1の動作を制御する。
制御部12は、プロセッサ51と、メモリ52と、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などのストレージ装置と、カメラ8などを接続するためのインターフェース回路と、を備える。
プロセッサ51は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro-Processing Unit)などで構成される。
メモリ52は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などで構成される。
制御部12は、「コンピュータ」の一例に対応する。
【0023】
なお、制御部12は、パーソナルコンピュータに限らず、ICチップやLSIなどの集積回路といった1つ又は複数の適宜の回路によって構成されてもよい。また、制御部12は、例えば、タブレット端末、又はスマートフォン等で構成されてもよい。
また、制御部12は、DSP(Digital Signal Processor)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等、プログラムされたハードウェアを備えてもよい。また、制御部12は、SoC(System-on-a-Chip)-FPGAを備えてもよい。
【0024】
図1に示すように、制御部12は、撮像制御部511と、検出部512と、分類部513と、抽出部514と、生成部515と、補正部516と、画像記憶部521と、を備える。具体的には、制御部12のプロセッサ51がメモリ52に記憶された制御プログラムPGを実行することによって、撮像制御部511、検出部512、分類部513、抽出部514、生成部515、及び補正部516、として機能する。また、制御部12のプロセッサ51がメモリ52に記憶された制御プログラムPGを実行することによって、メモリ52を、画像記憶部521として機能させる。
制御プログラムPGは、「粒子画像解析プログラム」の一例に対応する。
【0025】
画像記憶部521は、カメラ8によって、液体試料SLを所定周期TAで撮影することによって得られた試料画像PSを記憶する。
また、画像記憶部521は、生成部515によって生成されたブランク画像BLを記憶する。
また、画像記憶部521は、補正部516によって生成された補正画像PCを記憶する。
【0026】
撮像制御部511は、カメラ8のオートフォーカスの調整と、カメラ8の撮影タイミングの調整とを行う。
撮像制御部511は、カメラ8(テレセントリック顕微鏡38)の焦点を、フローセル2の焦点ターゲットの撮影画像に基づいて調整する。具体的には、撮像制御部511は、カメラ8の撮影画像を取り込み、撮影画像に写った焦点ターゲットの撮影状態に基づいて、カメラ8の焦点と焦点ターゲットとのずれを判定する。そして、撮像制御部511は、焦点のずれを解消する位置にテレセントリックレンズ40が移動するように、レンズ駆動機構42を制御する。このようにして、撮像制御部511は、カメラ8の焦点を焦点ターゲットに合わせることができる。
また、撮像制御部511は、カメラ8に所定周期TAで液体試料SLを撮影させ、試料画像PSを生成させる。また、撮像制御部511は、生成された試料画像PSを画像記憶部521に記録する。
【0027】
検出部512は、流路16内を流動しない固定粒子FPを検出する。固定粒子FPは、例えば、フローセル2の流路16側の壁面に付着したコンタミ粒子等の異物である。なお、「コンタミ粒子」とは、解析対象の粒子PTとは相違する粒子であって、液体試料SLに混入した粒子を示す。
検出部512は、2枚以上の所定枚数の連続して撮影された試料画像PSにおいて、対応する位置に配置され、互いに隣接した複数画素の輝度値が第1閾値以下である場合に、固定粒子FPを検出する。
第1閾値は、「所定値」の一例に対応する。
【0028】
後述にて図2及び図3を参照して説明するように、流路16のサイズは、粉体試料SPの粒子PTのサイズと比較して充分に大きい。例えば、流路16のサイズは、粉体試料SPの粒子PTの最大サイズの10倍以上である。また、試料画像PSには、例えば、1個~3個程度の粉体試料SPの粒子PTの画像が含まれるように、液体試料SLに粉体試料SPの粒子PTを分散させる。したがって、粉体試料SPの粒子PTの画像が、試料画像PSの同一位置に連続して検出される確率は極めて低い。
したがって、2枚以上の所定枚数の連続して撮影された試料画像PSにおいて、対応する位置に配置され、互いに隣接した複数画素の輝度値が第1閾値以下である場合に、固定粒子FPを検出できる。
【0029】
所定枚数が大きい程、検出部512は固定粒子FPを正確に検出できる。所定枚数が小さい程、検出部512の処理を簡素化できる。所定枚数は、例えば、5枚である。
互いに隣接した複数画素の画素数は、試料画像PSに含まれる粉体試料SPの粒子PTの画像の画素数に応じて設定される。複数画素の画素数は、例えば、最小の粒子PTの画像の画素数よりも小さく設定される。複数画素の画素数は、例えば、最小の粒子PTの画像の画素数の1/4に設定される。
複数画素の画素数が大きい程、検出部512の処理を簡素化できる。複数画素の画素数が小さい程、小さい固定粒子FPを検出できる。
第1閾値は、試料画像PSに含まれる粉体試料SPの粒子PTの画像の輝度値に応じて設定される。第1閾値は、例えば、試料画像PSに含まれる粉体試料SPの粒子PTの画像の輝度値の最大値よりも大きく設定される。
第1閾値が小さい程、検出部512の処理を簡素化できる。第1閾値が大きい程、検出部512は固定粒子FPを正確に検出できる。
【0030】
固定粒子FPは、第1固定粒子FP1と、第2固定粒子FP2と、を含む。
第1固定粒子FP1は、カメラ8が試料画像PSの撮影を開始した時点で、フローセル2の流路16側の壁面に付着しているコンタミ粒子等の異物を示す。
第2固定粒子FP2は、カメラ8が試料画像PSの撮影を開始した時点では、フローセル2の流路16側の壁面に付着しておらず、カメラ8が試料画像PSの撮影中に、フローセル2の流路16側の壁面に付着するコンタミ粒子等の異物を示す。
検出部512は、主に第2固定粒子FP2を検出する。第1固定粒子FP1については、生成部515によって生成されたブランク画像BLに基づいて、補正部516が試料画像PSを補正することによって、その影響を抑制できるからである。
【0031】
分類部513は、検出部512が第2固定粒子FP2を検出した場合に、液体試料SLを撮影することによって得られた試料画像PSを、第1試料画像群PS1と、第2試料画像群PS2と、に分類する。
第1試料画像群PS1は、検出部512が第2固定粒子FP2を検出した所定枚数の試料画像PSよりも前に撮影された画像を示す。第2試料画像群PS2は、第2固定粒子FP2を検出した所定枚数の試料画像PSよりも後に撮影された画像を示す。
なお、第2試料画像群PS2が、第2固定粒子FP2を検出した所定枚数の試料画像PSを含んでもよい。
【0032】
抽出部514は、検出部512の検出結果に基づいて、液体試料SLを撮影することによって得られた試料画像PSの中から複数の試料画像PSを抽出する。
具体的には、検出部512が第2固定粒子FP2を検出した場合に、抽出部514は、以下のようにして、複数の試料画像PSを抽出する。すなわち、抽出部514は、生成部515が第1ブランク画像BL1を生成する場合には、第1試料画像群PS1に含まれる複数の試料画像PSを抽出する。第1ブランク画像BL1は、第1試料画像群PS1に含まれる試料画像PSの補正に用いるブランク画像BLを示す。また、抽出部514は、生成部515が第2ブランク画像BL2を生成する場合には、第2試料画像群PS2に含まれる複数の試料画像を抽出する。第2ブランク画像BL2は、第2試料画像群PS2に含まれる試料画像PSの補正に用いるブランク画像BLを示す。
【0033】
生成部515は、複数の試料画像PSに基づいて、ブランク画像BLを生成する。ブランク画像BLは、補正部516が、試料画像PSを補正する際に使用する画像を示す。生成部515は、生成したブランク画像BLを画像記憶部521に記録する。
生成部515は、例えば、複数の試料画像PSの各画素の輝度値のメディアン値を算出することによってブランク画像BLを生成する。なお、生成部515は、例えば、複数の試料画像PSの各画素の輝度値の平均値を算出することによってブランク画像BLを生成してもよい。また、生成部515は、例えば、複数の試料画像PSの各画素の輝度値の最頻値を算出することによってブランク画像BLを生成してもよい。
ブランク画像BLについては、図2及び図3を参照して説明する。
【0034】
また、検出部512が第2固定粒子FP2を検出した場合に、生成部515は、以下のようにして、第1ブランク画像BL1及び第2ブランク画像BL2を生成する。すなわち、生成部515は、抽出部514によって抽出された複数の試料画像PSに基づいて、第1ブランク画像BL1及び第2ブランク画像BL2を生成する。具体的には、生成部515は、第1試料画像群PS1に含まれる複数の試料画像PSの各画素の輝度値のメディアン値を算出することによって第1ブランク画像BL1を生成する。また、生成部515は、第2試料画像群PS2に含まれる複数の試料画像PSの各画素の輝度値のメディアン値を算出することによって第2ブランク画像BL2を生成する。
第1ブランク画像BL1及び第2ブランク画像BL2については、図5及び図8を参照して説明する。
【0035】
補正部516は、ブランク画像BLに基づいて、試料画像PSを補正する。
具体的には、補正部516は、試料画像PSとブランク画像BLとの差分を算出することによって、試料画像PSを補正する。以下の説明において、補正後の試料画像PSを補正画像PCと記載する場合がある。
更に具体的には、補正部516は、試料画像PSの各画素の輝度値BSと、ブランク画像BLの各画素の輝度値BBとの差分を算出することによって、試料画像PSを補正する。補正画像PCの各画素の輝度値BCは、次の式(2)で求められる。
BC=BS+(BX-BB) (2)
ただし、平均輝度値BXは、試料画像PSの輝度値BSの平均値を示す。
補正画像PCについては、図5を参照して説明する。
【0036】
また、検出部512が第2固定粒子FP2を検出した場合に、補正部516は、第1試料画像群PS1に含まれる試料画像PSと第1ブランク画像BL1との差分を算出することによって、試料画像PSを補正する。以下の説明において、補正後の試料画像PSを第1補正画像PC1と記載する場合がある。
また、検出部512が第2固定粒子FP2を検出した場合に、補正部516は、第2試料画像群PS2に含まれる試料画像PSと第2ブランク画像BL2との差分を算出することによって、試料画像PSを補正する。以下の説明において、補正後の試料画像PSを第2補正画像PC2と記載する場合がある。
【0037】
本実施形態では、粒子画像解析装置1の制御部12が、撮像制御部511、検出部512、分類部513、抽出部514、生成部515、補正部516、及び画像記憶部521を備えるが、本発明の実施形態は、これに限定されない。例えば、粒子画像解析装置1の制御部12が、撮像制御部511、及び画像記憶部521を備え、粒子画像解析装置1とは別体としてパーソナルコンピュータ等で構成された制御装置が、検出部512、分類部513、抽出部514、生成部515、及び補正部516を備えてもよい。
【0038】
[3.制御部の処理の具体例]
次に、図2図8を参照して、制御部12の処理の具体例について説明する。
[3-1.生成部及び検出部の処理の具体例]
まず、図2及び図3を参照して、生成部515及び検出部512の処理の具体例について説明する。
図2は、流路16に異物が混入しない場合のブランク画像BLの一例を示す図である。
生成部515は、複数の試料画像PSの各画素の輝度値のメディアン値を算出することによってブランク画像BLを生成する。
図2の上段に示す試料画像P11~試料画像P1Nは、複数の試料画像PSを示す。整数Nは、複数の試料画像PSの個数を示す。すなわち、整数Nは、ブランク画像BLを生成するために用いられる試料画像PSの枚数を示す。
整数Nは、「5」以上であることが好ましい。
なお、生成部515が、複数の試料画像PSの各画素の輝度値の平均値を算出することによってブランク画像BLを生成する場合には、整数Nは、「50」以上であることが好ましい。
【0039】
試料画像P11には、流路16を示す画像と、粉体試料SPの粒子PTを示す粒子画像Q1~粒子画像Q3とが含まれる。
試料画像P12には、流路16を示す画像と、粉体試料SPの粒子PTを示す粒子画像Q4及び粒子画像Q5と、が含まれる。
試料画像P1Nには、流路16を示す画像と、粉体試料SPの粒子PTを示す粒子画像Q6及び粒子画像Q7と、が含まれる。
【0040】
図1を参照して説明したように、所定速度VA、及び所定周期TAの各々は、流路16内を流動する粒子が、2枚の連続して撮影された試料画像PSに含まれないように設定される。よって、粒子画像Q1~粒子画像Q7は、互いに相違する粒子を示す。
また、図2に示すように、粒子画像Q1~粒子画像Q7の大きさと比較して、流路16のサイズは充分に大きい。
更に、試料画像PSには、例えば、1個~3個程度の粉体試料SPの粒子PTの画像が含まれるように、液体試料SLに粉体試料SPの粒子PTを分散させる。
したがって、粒子画像Q1~粒子画像Q7は、流路16において、互いに相違する位置に配置される。
【0041】
図2の下段には、生成部515によって、試料画像P11~試料画像P1Nの各画素の輝度値のメディアン値を算出することによって生成されるブランク画像P1Aを示す。
ブランク画像P1Aには、粉体試料SPの粒子PT、又は異物を示す画像が含まれていない。換言すれば、ブランク画像P1Aにおける流路16の内側の各画素の輝度値Bは、概ね平均輝度値BXである。
ブランク画像P1Aにおいて、輝度値Bが平均輝度値BXである場合には、図1を参照して説明した式(2)で求められる補正画像PCの各画素の輝度値BCは、試料画像PSの各画素の輝度値BSと一致する。すなわち、後述にて図4を参照して説明するように、補正画像PCは、試料画像PSと一致する。
【0042】
また、試料画像P11~試料画像P1Nが連続して撮影された試料画像PSである場合には、検出部512は、試料画像P11~試料画像P1Nに基づいて固定粒子FPを検出できる。
検出部512は、試料画像P11~試料画像P1Nにおいて、対応する位置に配置され、互いに隣接した複数画素の輝度値が第1閾値以下である場合に、固定粒子FPを検出する。
上述のように、流路16に異物が混入せず、粒子画像Q1~粒子画像Q7は、流路16において、互いに相違する位置に配置される。したがって、検出部512は、固定粒子FPを検出しない。
【0043】
図3は、流路16に異物が混入した場合のブランク画像の一例を示す図である。
図3の上段に示す試料画像P21~試料画像P2Nは、複数の試料画像PSを示す。整数Nは、複数の試料画像PSの個数を示す。すなわち、整数Nは、ブランク画像BLを生成するために用いられる試料画像PSの枚数を示す。
【0044】
試料画像P21には、流路16を示す画像と、粉体試料SPの粒子PTを示す粒子画像Q1~粒子画像Q3と、異物を示す異物画像FMと、が含まれる。
試料画像P12には、流路16を示す画像と、粉体試料SPの粒子PTを示す粒子画像Q4及び粒子画像Q5、異物を示す異物画像FMと、が含まれる。
試料画像P1Nには、流路16を示す画像と、粉体試料SPの粒子PTを示す粒子画像Q6及び粒子画像Q7、異物を示す異物画像FMと、が含まれる。
【0045】
図2と同様に、粒子画像Q1~粒子画像Q7は、流路16において、試料画像P21~試料画像P2Nにおいて、互いに相違する位置に配置される。
一方、異物は、フローセル2の流路16側の壁面に付着しているため、試料画像P21~試料画像P2Nにおいて、同一の位置に配置される。
【0046】
図2の下段には、生成部515によって、試料画像P21~試料画像P2Nの各画素の輝度値のメディアン値を算出することによって生成されるブランク画像P2Aを示す。
ブランク画像P2Aには、粉体試料SPの粒子PTは含まれず、異物画像FMが含まれる。
【0047】
また、試料画像P21~試料画像P2Nが連続して撮影された試料画像PSである場合には、検出部512は、試料画像P21~試料画像P2Nに基づいて固定粒子FPを検出できる。
検出部512は、試料画像P21~試料画像P2Nにおいて、対応する位置に配置され、互いに隣接した複数画素の輝度値が第1閾値以下である場合に、固定粒子FPを検出する。
上述のように、流路16に異物が混入する。したがって、検出部512は、固定粒子FPを検出する。異物画像FMは、固定粒子FPを示す。
【0048】
[3-2.補正部の処理の具体例]
次に、図4図8を参照して、補正部516の処理の具体例について説明する。
図4図8の各々には、3つの画像が、左右方向に沿って記載される。図4図8の各々において、左側の画像は、補正前の試料画像PSを示し、中央の画像は、ブランク画像BLを示し、右側の画像は、補正部516によって生成される補正画像PCを示す。
なお、図4図8の各々では、粒子PTの画像を見易くするために、図1及び図2と比較して、拡大した画像を記載している。
【0049】
まず、図4及び図5を参照して、従来のブランク画像と、本発明のブランク画像BLとの差異、及び、本発明の効果について説明する。
図4は、試料画像P3を従来のブランク画像P3Aで補正した場合の補正画像P3Bの一例を示す図である。
ブランク画像P3Aは、例えば、流路16に液体試料SLを流していない状態でカメラ8によって撮影された画像である。ブランク画像P3Aは、粉体試料SPの粒子PTを示す粒子画像、及び、異物を示す異物画像を含んでいない。
試料画像P3には、粉体試料SPの粒子PTを示す粒子画像Q8と、異物を示す異物画像FMとが含まれている。
補正画像P3Bには、粉体試料SPの粒子PTを示す粒子画像Q8と、異物を示す異物画像FMとが含まれている。
【0050】
このように、従来は、補正画像P3Bには、異物画像FMが含まれるため、異物の画像を、粒子の画像と誤認識する可能性があった。
【0051】
図5は、試料画像P4を本発明のブランク画像P4Aで補正した場合の補正画像P4Bの一例を示す図である。
ブランク画像P4Aは、生成部515によって、複数の試料画像PSの各画素の輝度値のメディアン値を算出することによって生成されるブランク画像BLを示す。ブランク画像P4Aは、図3を参照して説明したように、粉体試料SPの粒子PTを示す粒子画像を含まず、異物を示す異物画像FMを含む。
試料画像P4には、粉体試料SPの粒子PTを示す粒子画像Q8と、異物を示す異物画像FMとが含まれている。
補正画像P4Bには、粉体試料SPの粒子PTを示す粒子画像Q8が含まれ、異物を示す異物画像FMが含まれない。
【0052】
このように、本発明では、生成部515が、複数の試料画像PSの各画素の輝度値のメディアン値を算出することによってブランク画像BLを生成するため、試料画像P4が異物画像FMを含む場合に、補正部516によって異物画像FMを含まない補正画像P4Bを生成できる。したがって、流路16に付着した異物を、粒子PTと誤認識することを抑制できる。
【0053】
次に、図6図8を参照して、第2固定粒子FP2が検出される場合の処理の一例について説明する。
なお、図6及び図7は、本実施形態の分類部513及び抽出部514の必要性を説明するための図であって、本実施形態を示す図ではない。
図1を参照して説明したように、第2固定粒子FP2が検出される場合には、第1試料画像群PS1に含まれる試料画像PSは、第1ブランク画像BL1で補正し、第2試料画像群PS2含まれる試料画像PSは、第2ブランク画像BL2で補正する必要がある。
これに対し、図6は、第1試料画像群PS1に含まれる試料画像PSを第2ブランク画像BL2で補正する場合の一例を示し、図7は、第2試料画像群PS2含まれる試料画像PSを第1ブランク画像BL1で補正する場合の一例を示す。
【0054】
図6は、コンタミ粒子付着前の試料画像P5をコンタミ粒子付着後のブランク画像P5Aで補正した場合の補正画像P5Bの一例を示す図である。
試料画像P5には、粉体試料SPの粒子PTを示す粒子画像Q8と、異物を示す異物画像FMと、が含まれている。ここで、異物は、第1固定粒子FP1の一例に対応する。
ブランク画像P5Aには、粒子画像Q8は含まれず、異物画像FMと、コンタミ粒子画像CPと、が含まれる。コンタミ粒子は、第2固定粒子FP2の一例に対応する。
ブランク画像P5Aは、生成部515によって、第2試料画像群PS2に含まれる複数の試料画像PSの各画素の輝度値のメディアン値を算出することによって生成される。ブランク画像P5Aは、第2ブランク画像BL2の一例に対応する。
補正画像P5Bには、粒子画像Q8が含まれ、異物画像FMが含まれない。また、粒子画像Q8は、コンタミ粒子画像CPの影響を受けて、粒子画像Q8の一部が白抜きされた変形部CPAを含む。
【0055】
このように、コンタミ粒子付着前の試料画像P5を、コンタミ粒子付着後のブランク画像P5Aで補正した場合には、補正画像P5Bの粒子画像Q8が変形部CPAを含むため、適正な補正画像PCを生成することはできない。換言すれば、コンタミ粒子付着前の試料画像P5を、コンタミ粒子付着前のブランク画像BLで補正する必要がある。
【0056】
本実施形態では、図1を参照して説明したように、コンタミ粒子付着前の試料画像P5を、第1ブランク画像BL1によって、試料画像PSを補正する。第1ブランク画像BL1は、第1試料画像群PS1に含まれる複数の試料画像PSの各画素の輝度値のメディアン値を算出することによって生成される。したがって、適正な補正画像PCを生成できる。
【0057】
図7は、コンタミ粒子付着後の試料画像P6をコンタミ粒子付着前のブランク画像P6Aで補正した場合の補正画像P6Bの一例を示す図である。
試料画像P6には、粉体試料SPの粒子PTを示す粒子画像Q9と、異物を示す異物画像FMと、コンタミ粒子を示すコンタミ粒子画像CPと、が含まれている。ここで、異物は、第1固定粒子FP1の一例に対応する。コンタミ粒子は、第2固定粒子FP2の一例に対応する。
ブランク画像P6Aには、粒子画像Q9及びコンタミ粒子画像CPは含まれず、異物画像FMが含まれる。
ブランク画像P6Aは、生成部515によって、第1試料画像群PS1に含まれる複数の試料画像PSの各画素の輝度値のメディアン値を算出することによって生成される。ブランク画像P6Aは、第1ブランク画像BL1の一例に対応する。
補正画像P6Bには、粒子画像Q8及びコンタミ粒子画像CPが含まれ、異物画像FMが含まれない。
【0058】
このように、コンタミ粒子付着後の試料画像P6を、コンタミ粒子付着前のブランク画像P6Aで補正した場合には、補正画像P5Bにコンタミ粒子画像CPが含まれるため、適正な補正画像PCを生成することはできない。換言すれば、コンタミ粒子付着後の試料画像P5を、コンタミ粒子付着後のブランク画像BLで補正する必要がある。
【0059】
本実施形態では、図1を参照して説明したように、また、図8を参照して説明するように、コンタミ粒子付着後の試料画像P5を、第2ブランク画像BL2によって、試料画像PSを補正する。第2ブランク画像BL2は、第2試料画像群PS2に含まれる複数の試料画像PSの各画素の輝度値のメディアン値を算出することによって生成される。したがって、適正な補正画像PCを生成できる。
【0060】
図8は、コンタミ粒子付着後の試料画像P7をコンタミ粒子付着後のブランク画像P7Aで補正した場合の補正画像P7Bの一例を示す図である。
試料画像P7には、粉体試料SPの粒子PTを示す粒子画像Q9と、異物を示す異物画像FMと、コンタミ粒子を示すコンタミ粒子画像CPと、が含まれている。ここで、異物は、第1固定粒子FP1の一例に対応する。コンタミ粒子は、第2固定粒子FP2の一例に対応する。
ブランク画像P7Aには、粒子画像Q9は含まれず、異物画像FMとコンタミ粒子画像CPとが含まれる。
ブランク画像P7Aは、生成部515によって、第2試料画像群PS2に含まれる複数の試料画像PSの各画素の輝度値のメディアン値を算出することによって生成される。ブランク画像P7Aは、第2ブランク画像BL2の一例に対応する。
補正画像P7Bには、粒子画像Q8が含まれ、異物画像FM及びコンタミ粒子画像CPが含まれない。
【0061】
このように、コンタミ粒子付着後の試料画像P7を、コンタミ粒子付着後のブランク画像P7Aで補正することによって、適正な補正画像P7Bを生成できる。
【0062】
また、図5を参照して説明したように、コンタミ粒子付着前の試料画像P4を、コンタミ粒子付着前のブランク画像P4Aで補正することによって、適正な補正画像P4Bを生成できる。
【0063】
第2固定粒子FP2が検出部512によって検出された場合には、以下の処理を実施することによって、適正な補正画像PCを生成できる。
すなわち、分類部513は、検出部512が第2固定粒子FP2を検出した場合に、液体試料SLを撮影することによって得られた試料画像PSを、第1試料画像群PS1と、第2試料画像群PS2と、に分類する。
生成部515は、第1試料画像群PS1に含まれる複数の試料画像PSの各画素の輝度値のメディアン値を算出することによって第1ブランク画像BL1を生成する。また、生成部515は、第2試料画像群PS2に含まれる複数の試料画像PSの各画素の輝度値のメディアン値を算出することによって第2ブランク画像BL2を生成する。
補正部516は、第1試料画像群PS1に含まれる試料画像PSと第1ブランク画像BL1との差分を算出することによって、試料画像PSを補正して、補正画像PCを生成する。補正部516は、第2試料画像群PS2に含まれる試料画像PSと第2ブランク画像BL2との差分を算出することによって、試料画像PSを補正して、補正画像PCを生成する。
【0064】
[4.制御部の処理]
次に、図9及び図10を参照して、制御部12の処理について説明する。
図9は、制御部12の処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS101において、撮像制御部511は、カメラ8に所定周期TAで液体試料SLを撮影させ、試料画像PSを生成させ、生成された試料画像PSを画像記憶部521に記録する。
次に、ステップS103において、検出部512は、固定粒子検出処理を実行する。「固定粒子検出処理」は、流路16内を流動しない固定粒子FPを検出する処理を示す。なお、図9及び図10では、固定粒子FPが、第2固定粒子FP2である場合について説明する。
次に、ステップS105において、制御部12は、固定粒子FPを検出したか否かを判定する。
固定粒子FPを検出していないと制御部12が判定した場合(ステップS105;NO)には、処理がステップS121に進む。固定粒子FPを検出したと制御部12が判定した場合(ステップS105;YES)には、処理がステップS107に進む。
【0065】
そして、ステップS107において、分類部513は、液体試料SLを撮影することによって得られた試料画像PSを、第1試料画像群PS1と、第2試料画像群PS2と、に分類する。
次に、ステップS109において、抽出部514は、第1試料画像群PS1から複数の試料画像PSを抽出する。
次に、ステップS111において、生成部515は、ステップS109で抽出された複数の試料画像PSの各画素の輝度値のメディアン値を算出することによって第1ブランク画像BL1を生成する。
次に、ステップS113において、補正部516は、第1試料画像群PS1に含まれる試料画像PSと第1ブランク画像BL1との差分を算出することによって、試料画像PSを補正し、第1補正画像PC1を生成する。そして、補正部516は、第1補正画像PC1を画像記憶部521に記録する。
【0066】
次に、ステップS115において、抽出部514は、第2試料画像群PS2から複数の試料画像PSを抽出する。
次に、ステップS117において、生成部515は、ステップS115で抽出された複数の試料画像PSの各画素の輝度値のメディアン値を算出することによって第2ブランク画像BL2を生成する。
次に、ステップS119において、補正部516は、第2試料画像群PS2に含まれる試料画像PSと第2ブランク画像BL2との差分を算出することによって、試料画像PSを補正し、第2補正画像PC2を生成する。そして、補正部516は、第2補正画像PC2を画像記憶部521に記録する。その後、処理が終了する。
【0067】
固定粒子FPを検出していないと制御部12が判定した場合(ステップS105;NO)には、ステップS121において、抽出部514は、液体試料SLを撮影することによって得られた試料画像PSから複数の試料画像PSを抽出する。
次に、ステップS123において、生成部515は、ステップS121で抽出された複数の試料画像PSの各画素の輝度値のメディアン値を算出することによってブランク画像BLを生成する。
次に、ステップS125において、補正部516は、液体試料SLを撮影することによって得られた試料画像PSと、ブランク画像BLの差分を算出することによって、試料画像PSを補正し、補正画像PCを生成する。そして、補正部516は、補正画像PCを画像記憶部521に記録する。その後、処理が終了する。
【0068】
ステップS111、ステップS117、及びステップS123の各々は、「生成ステップ」の一例に対応する。ステップS113、ステップS119、及びステップS125の各々は、「補正ステップ」の一例に対応する。
【0069】
図9を参照して説明したように、第2固定粒子FP2が検出部512によって検出された場合には、生成部515は、第1試料画像群PS1に含まれる複数の試料画像PSの各画素の輝度値のメディアン値を算出することによって第1ブランク画像BL1を生成する。
そして、補正部516は、第1試料画像群PS1に含まれる試料画像PSと第1ブランク画像BL1との差分を算出することによって、試料画像PSを補正して、第1補正画像PC1を生成する。また、生成部515は、第2試料画像群PS2に含まれる複数の試料画像PSの各画素の輝度値のメディアン値を算出することによって第2ブランク画像BL2を生成する。
そして、補正部516は、第2試料画像群PS2に含まれる試料画像PSと第2ブランク画像BL2との差分を算出することによって、試料画像PSを補正して、第2補正画像PC2を生成する。
このようにして、第1試料画像群PS1に含まれる試料画像PS、及び、第2試料画像群PS2に含まれる試料画像PSの各々を適正に補正できる。
【0070】
なお、本実施形態では、第1試料画像群PS1に含まれる試料画像PSを第1ブランク画像BL1で補正し、第2試料画像群PS2に含まれる試料画像PSを第2ブランク画像BL2で補正するが、本発明の実施形態はこれに限定されない。第1試料画像群PS1に含まれる試料画像PSを第1ブランク画像BL1で補正する処理、及び、第2試料画像群PS2に含まれる試料画像PSを第2ブランク画像BL2で補正する処理の少なくとも一方を実施すればよい。
例えば、第1試料画像群PS1に含まれる試料画像PSを第1ブランク画像BL1で補正し、第2試料画像群PS2に含まれる試料画像PSを破棄してもよい。また、例えば、第1試料画像群PS1に含まれる試料画像PSを破棄し、第2試料画像群PS2に含まれる試料画像PSを第2ブランク画像BL2で補正してもよい。これらの場合には、処理が簡素化できる。
【0071】
また、本実施形態では、固定粒子FPが、第1固定粒子FP1、及び第2固定粒子FP2を含む場合について説明するが、これに限定されない。固定粒子FPが、カメラ8が試料画像PSの撮影を開始した時点では、フローセル2の流路16側の壁面に付着しておらず、カメラ8が試料画像PSの撮影中に、フローセル2の流路16側の壁面に付着し、その後、カメラ8が試料画像PSの撮影中に、フローセル2の流路16側の壁面から剥離する固定粒子FPである形態でもよい。
この場合には、例えば、固定粒子FPがフローセル2の流路16側の壁面に付着する前の画像群と、固定粒子FPがフローセル2の流路16側の壁面から剥離した後の画像群と、の少なくとも一方について試料画像PSをブランク画像BLで補正してもよい。
【0072】
図10は、制御部12の固定粒子検出処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS201において、検出部512は、液体試料SLを撮影することによって得られた試料画像PSから、連続して撮影された所定枚数の試料画像PSを取得する。
次に、ステップS203において、検出部512は、所定枚数の試料画像PSの対応する位置に配置された画素の輝度値Bが第1閾値以下であるか否かを判定する。
所定枚数の試料画像PSの対応する位置に配置された画素の輝度値Bが第1閾値以下ではないと検出部512が判定した場合(ステップS203;NO)には、処理がステップS211に進む。所定枚数の試料画像PSの対応する位置に配置された画素の輝度値Bが第1閾値以下であると検出部512が判定した場合(ステップS203;YES)には、処理がステップS205に進む。
【0073】
そして、ステップS205において、検出部512は、輝度値Bが第1閾値以下である低輝度画素が互いに隣接して配置されているか否かを判定する。
低輝度画素が互いに隣接して配置されてはいないと検出部512が判定した場合(ステップS205;NO)には、処理がステップS211に進む。低輝度画素が互いに隣接して配置されていると検出部512が判定した場合(ステップS205;YES)には、処理がステップS207に進む。
そして、ステップS207において、検出部512は、低輝度画素の画素数が第2閾値以上であるか否かを判定する。第2閾値は、「互いに隣接した複数画素」における「複数」の個数の一例に対応する。
低輝度画素の画素数が第2閾値以上であると検出部512が判定した場合(ステップS207;YES)には、処理がステップS209に進む。
そして、ステップS209において、検出部512は、固定粒子FPを検出し、処理が図9のステップS105へリターンする。
低輝度画素の画素数が第2閾値以上ではないと検出部512が判定した場合(ステップS207;NO)には、処理がステップS211に進む。
そして、ステップS211において、検出部512は、固定粒子FPを検出せず、処理が図9のステップS105へリターンする。
【0074】
[6.態様と効果]
上述した本実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0075】
(第1項)
第1態様に関わる粒子画像解析装置は、粒子を分散させた液体試料を所定速度で流路内を流動させ、前記液体試料を所定周期で撮影することによって得られた試料画像に含まれる前記粒子の画像を解析する粒子画像解析装置であって、複数の前記試料画像に基づいて、ブランク画像を生成する生成部と、前記ブランク画像に基づいて、前記試料画像を補正する補正部と、を備える。
【0076】
第1項に記載の粒子画像解析装置によれば、複数の試料画像に基づいて、ブランク画像を生成し、生成されたブランク画像に基づいて、試料画像を補正する。
よって、流路に付着したコンタミ粒子等の異物の画像をブランク画像に含めることができるため、試料画像を適正に補正できる。したがって、流路に付着したコンタミ粒子等の異物の画像を、粒子の画像と誤認識することを抑制できる。
【0077】
(第2項)
第1項に記載の粒子画像解析装置において、前記補正部は、前記試料画像と前記ブランク画像との差分を算出することによって、前記試料画像を補正する。
【0078】
第2項に記載の粒子画像解析装置によれば、前記補正部は、前記試料画像と前記ブランク画像との差分を算出することによって、前記試料画像を補正する。
よって、試料画像を適正に補正できる。したがって、流路に付着したコンタミ粒子等の異物の画像を、粒子の画像と誤認識することを抑制できる。
【0079】
(第3項)
第1項又は第2項に記載の粒子画像解析装置において、前記流路内を流動しない固定粒子を検出する検出部と、前記検出部の検出結果に基づいて、前記液体試料を撮影することによって得られた試料画像の中から前記複数の試料画像を抽出する抽出部と、を更に備える。
【0080】
第3項に記載の粒子画像解析装置によれば、前記流路内を流動しない固定粒子を検出し、固定粒子の検出結果に基づいて、前記液体試料を撮影することによって得られた試料画像の中から前記複数の試料画像を抽出する。
よって、ブランク画像を生成する複数の試料画像を適正に抽出できる。したがって、適正なブランク画像を生成できる。
【0081】
(第4項)
第3項に記載の粒子画像解析装置において、前記検出部は、2枚以上の所定枚数の連続して撮影された前記試料画像において、対応する位置に配置され、互いに隣接した複数画素の輝度値が所定値以下である場合に、前記固定粒子を検出する。
【0082】
第4項に記載の粒子画像解析装置によれば、前記検出部は、2枚以上の所定枚数の連続して撮影された前記試料画像において、対応する位置に配置され、互いに隣接した複数画素の輝度値が所定値以下である場合に、前記固定粒子を検出する。
したがって、所定枚数、複数画素の画素数、及び、所定値を適正に設定することによって、固定粒子を適正に検出できる。
【0083】
(第5項)
第3項又は第4項に記載の粒子画像解析装置において、前記検出部が前記固定粒子を検出した場合に、前記液体試料を撮影することによって得られた試料画像を、前記固定粒子を検出する前の第1試料画像群と、前記固定粒子を検出した後の第2試料画像群と、に分類する分類部、を更に備え、前記抽出部は、前記第1試料画像群に含まれる試料画像の補正に用いる前記ブランク画像を前記生成部が生成する場合には、前記第1試料画像群に含まれる前記複数の試料画像を抽出し、前記第2試料画像群に含まれる試料画像の補正に用いる前記ブランク画像を前記生成部が生成する場合には、前記第2試料画像群に含まれる前記複数の試料画像を抽出する。
【0084】
第5項に記載の粒子画像解析装置によれば、前記第1試料画像群に含まれる試料画像の補正に用いる前記ブランク画像を前記生成部が生成する場合には、前記抽出部は、前記第1試料画像群に含まれる前記複数の試料画像を抽出し、前記第2試料画像群に含まれる試料画像の補正に用いる前記ブランク画像を前記生成部が生成する場合には、前記抽出部は、前記第2試料画像群に含まれる前記複数の試料画像を抽出する。
よって、ブランク画像を生成する複数の試料画像を適正に抽出できる。したがって、適正なブランク画像を生成できる。
【0085】
(第6項)
第1項から第5項のいずれか1項に記載の粒子画像解析装置において、前記所定速度、及び前記所定周期の各々は、前記流路内を流動する前記粒子が、2枚の連続して撮影された前記試料画像に含まれないように設定される。
【0086】
第6項に記載の粒子画像解析装置によれば、前記所定速度、及び前記所定周期の各々は、前記流路内を流動する前記粒子が、2枚の連続して撮影された前記試料画像に含まれないように設定される。
したがって、同一の粒子の画像を複数回撮影することを抑制できる。
【0087】
(第7項)
第1項から第6項のいずれか1項に記載の粒子画像解析装置において、前記生成部は、前記複数の試料画像の各画素の輝度値のメディアン値を算出することによって前記ブランク画像を生成する。
【0088】
第7項に記載の粒子画像解析装置によれば、前記生成部は、前記複数の試料画像の各画素の輝度値のメディアン値を算出することによって前記ブランク画像を生成する。
したがって、適正なブランク画像を生成できる。
【0089】
(第8項)
第1項から第6項のいずれか1項に記載の粒子画像解析装置において、前記生成部は、前記複数の試料画像の各画素の輝度値の平均値を算出することによって前記ブランク画像を生成する。
【0090】
第8項に記載の粒子画像解析装置によれば、前記生成部は、前記複数の試料画像の各画素の輝度値の平均値を算出することによって前記ブランク画像を生成する。
したがって、適正なブランク画像を生成できる。
【0091】
(第9項)
第2態様に関わる粒子画像解析装置の粒子画像解析方法は、粒子を分散させた液体試料を所定速度で流路内を流動させ、前記液体試料を所定周期で撮影することによって得られた試料画像に含まれる前記粒子の画像を解析する粒子画像解析装置の粒子画像解析方法であって、複数の前記試料画像に基づいて、ブランク画像を生成する生成ステップと、前記ブランク画像に基づいて、前記試料画像を補正する補正ステップと、を含む。
【0092】
第9項に記載の粒子画像解析装置の粒子画像解析方法によれば、第1項に記載の粒子画像解析装置と同様の作用効果を奏する。
【0093】
(第10項)
第3態様に関わる粒子画像解析プログラムは、粒子を分散させた液体試料を所定速度で流路内を流動させ、前記液体試料を所定周期で撮影することによって得られた試料画像に含まれる前記粒子の画像を解析する粒子画像解析プログラムであって、コンピュータを、複数の前記試料画像に基づいて、ブランク画像を生成する生成部、及び、前記ブランク画像に基づいて、前記試料画像を補正する補正部、として機能させる。
【0094】
第10項に記載の粒子画像解析プログラムによれば、第1項に記載の粒子画像解析装置と同様の作用効果を奏する。
【0095】
[7.その他の実施形態]
なお、本実施形態に係る粒子画像解析装置1は、あくまでも本発明に係る粒子画像解析装置の態様の例示であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲において任意に変形および応用が可能である。
例えば、本実施形態では、粒子画像解析装置1の制御部12が、撮像制御部511、検出部512、分類部513、抽出部514、生成部515、補正部516、及び画像記憶部521を備えるが、本発明の実施形態は、これに限定されない。例えば、粒子画像解析装置1の制御部12が、撮像制御部511、及び画像記憶部521を備え、粒子画像解析装置1とは別体としてパーソナルコンピュータ等で構成された制御装置が、検出部512、分類部513、抽出部514、生成部515、及び補正部516を備えてもよい。
【0096】
また、図1に示した各機能部は機能的構成を示すものであって、具体的な実装形態は特に制限されない。つまり、必ずしも各機能部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサがプログラムを実行することで複数の機能部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上記実施形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアで実現してもよく、或いは、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
【0097】
また、図9及び図10に示すフローチャートの処理単位は、制御部12の処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。図9及び図10のフローチャートに示す処理単位の分割の仕方や名称によって制限されることはなく、処理内容に応じて、さらに多くの処理単位に分割することもできるし、1つの処理単位がさらに多くの処理を含むように分割することもできる。また、上記のフローチャートの処理順序も、図示した例に限られるものではない。
【0098】
また、粒子画像解析装置1の制御部12は、制御部12が備えるプロセッサ51に粒子画像解析装置1の粒子画像解析方法に対応した制御プログラムPGを実行させる。また、この制御プログラムPGは、コンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体に記録しておくことも可能である。記録媒体としては、磁気的、光学的記録媒体又は半導体メモリデバイスを用いることができる。具体的には、フレキシブルディスク、HDD、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD、Blu-ray(登録商標) Disc、光磁気ディスク、フラッシュメモリ、カード型記録媒体等の可搬型、或いは固定式の記録媒体が挙げられる。また、記録媒体は、制御部12が備える内部記憶装置であるRAM、ROM、HDD等の不揮発性記憶装置であってもよい。また、制御プログラムPGをサーバー装置等に記憶させておき、サーバー装置から制御部12に、制御プログラムPGをダウンロードしてもよい。
【符号の説明】
【0099】
1 画像解析式粒子分析装置
2 フローセル
4 液体試料供給機構
6A 光源装置
8 カメラ
10 フォーカス機構
12 制御部(コンピュータ)
16 流路
22 送液ポンプ
24 液体試料貯留容器
32 廃液タンク
34 測定光
38 テレセントリック顕微鏡
40 テレセントリックレンズ
42 レンズ駆動機構
51 プロセッサ
511 撮像制御部
512 検出部
513 分類部
514 抽出部
515 生成部
516 補正部
52 メモリ
512 画像記憶部
BC、BS、BB 輝度値
BX 平均輝度値
BL ブランク画像
BL1 第1ブランク画像
BL2 第2ブランク画像
CP コンタミ粒子画像
FM 異物画像
FP 固定粒子
FP1 第1固定粒子
FP2 第2固定粒子
PC 補正画像
PG 制御プログラム(粒子画像解析プログラム)
PS 試料画像
PS1 第1試料画像群
PS2 第2試料画像群
PT 粒子
SL 液体試料
SP 粉体試料
TA 所定周期
VA 所定速度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10