(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022011772
(43)【公開日】2022-01-17
(54)【発明の名称】プレス制御システム
(51)【国際特許分類】
B30B 13/00 20060101AFI20220107BHJP
B21D 43/05 20060101ALI20220107BHJP
B30B 15/26 20060101ALI20220107BHJP
B30B 1/14 20060101ALI20220107BHJP
B30B 15/14 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
B30B13/00 C
B21D43/05 V
B30B15/26
B30B1/14
B30B15/14 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020113127
(22)【出願日】2020-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000107147
【氏名又は名称】日本電産シンポ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135013
【弁理士】
【氏名又は名称】西田 隆美
(72)【発明者】
【氏名】草野 智司
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 信也
(72)【発明者】
【氏名】澤田 貴之
【テーマコード(参考)】
4E089
4E090
【Fターム(参考)】
4E089EA01
4E089EA04
4E089EB01
4E089FC01
4E090AA01
4E090AB01
4E090CC01
4E090EA01
4E090EB01
4E090EC01
4E090FA02
4E090GA02
4E090GA03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ワークの撓みによる割れや亀裂を防止し、スペースや製造コストを抑制できるプレス制御システムを提供する。
【解決手段】第1プレス装置10において、第1サーボモータ13の動力により第1クランク軸が回転して第1スライドが上下に駆動される。第2プレス装置20において、第2サーボモータ23の動力により第2クランク軸が回転して第2スライドが上下に駆動される。第1フィーダ30は、第1クランク軸の回転に応じて、第1プレス装置10の手前側から第1プレス装置10のプレス位置へワークを送る。第2フィーダは、第2クランク軸の回転に応じて、第2プレス装置20の手前側から、第2プレス装置20のプレス位置へワークを送る。制御装置50が、第1サーボモータ13と第2サーボモータ23とに同一の指令値を入力することによって、第1プレス装置10のプレス動作と第2プレス装置20のプレス動作とを同期運転させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンデムに配置される複数台のプレス装置のプレス動作、および前記複数台のプレス装置へ長尺帯状のワークを送る送り動作を制御するプレス制御システムであって、
前記複数台のプレス装置のうちの1台である第1プレス装置と、
前記複数台のプレス装置のうちの別の1台であり、前記第1プレス装置の送り方向の下流側に隣接する第2プレス装置と、
前記第1プレス装置によるプレス動作と、前記第2プレス装置によるプレス動作とを制御する、1つの制御装置と、
前記第1プレス装置の送り方向の手前側から、前記第1プレス装置のプレス位置へ前記ワークを送る、第1フィーダと、
前記第2プレス装置の送り方向の手前側から、前記第2プレス装置のプレス位置へ前記ワークを送る、第2フィーダと、
を有し、
前記第1プレス装置において、第1サーボモータの動力により第1クランク軸が回転することによって第1スライドが上下に駆動され、
前記第2プレス装置において、第2サーボモータの動力により第2クランク軸が回転することによって第2スライドが上下に駆動され、
前記第1フィーダおよび前記第2フィーダはそれぞれ、前記第1クランク軸の回転および前記第2クランク軸の回転の少なくとも一方に応じて動作することによって、前記ワークを送り、
前記1つの制御装置が、前記第1サーボモータと前記第2サーボモータとに同一の指令値を入力することによって、前記第1プレス装置によるプレス動作と前記第2プレス装置によるプレス動作とを同期運転させる、プレス制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載のプレス制御システムであって、
前記第1クランク軸に接続され、前記第1クランク軸の回転速度および回転角度を検出する第1エンコーダ
および
前記第2クランク軸に接続され、前記第2クランク軸の回転速度および回転角度を検出する第2エンコーダ
の少なくとも一方をさらに有し、
前記第1フィーダおよび前記第2フィーダはそれぞれ、前記第1エンコーダによる検出結果および前記第2エンコーダによる検出結果の少なくとも一方に基づいて、前記ワークを送る、プレス制御システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のプレス制御システムであって、
前記第1プレス装置と前記第2プレス装置との間に位置する前記ワークの張力を検出する張力センサ
をさらに有し、
前記制御装置は、前記張力センサによる検出結果に基づき、前記第1プレス装置によるプレス動作と、前記第2プレス装置によるプレス動作とを制御する、プレス制御システム。
【請求項4】
請求項3に記載のプレス制御システムであって、
前記張力センサは、前記第1プレス装置と前記第2プレス装置との間において前記ワークに接触しつつ回転するローラに接続される、プレス制御システム。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載のプレス制御システムであって、
前記制御装置は、前記張力センサによる検出結果に基づき算出される前記ワークの張力が所定の下限値未満となった場合に、前記第2サーボモータよりも先に前記第1サーボモータの運転を停止させる、プレス制御システム。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のプレス制御システムであって、
前記第1プレス装置と前記第2プレス装置との離間距離は1m以下である、プレス制御システム。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のプレス制御システムであって、
前記第1フィーダおよび前記第2フィーダはそれぞれ、1または複数組のニップローラを有し、
前記ワークは、各組の前記ニップローラの間を通過する、プレス制御システム。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のプレス制御システムであって、
前記制御装置において、前記ワークの種類に係る情報と、前記指令値に係る情報とが、関連付けて記憶されている、プレス制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレス制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のプレス装置をタンデムに配置し、長尺帯状の金属材料(以下「ワーク」と記載する)を搬送しながら、当該複数のプレス装置を介してワークを順にプレス加工するタンデムプレスラインが知られている。タンデムプレスラインにおける各プレス装置のプレス動作、およびワークの送り動作を制御する装置の一例については、例えば、特公昭60-3920号公報に記載されている。
【0003】
特公昭60-3920号公報のタンデムラインにおいては、複数のプレス(P1,P2,P3)が列設されている。また、各プレス(P1,P2,P3)を駆動させるためのフライホイール駆動電動機(M1,M2,M3)は、それぞれ速度設定器(7a,7b,7c)により一定のspmにセットされている。また、各プレス(P1,P2,P3)には、それぞれのストロークごとに連動してコイル材(C)を一定長ずつ送る、送りローラー(R1,R2,R3)が付属されている。また、各プレス(P1,P2,P3)間には、コイル材(C)のループ(L1,L2)が形成されている。
【0004】
さらに、特公昭60-3920号公報のタンデムラインにおいては、送りローラー(R1,R2,R3)からプレス(P1,P2,P3)へコイル材(C)を送るごとに連動して信号を発信する手段と、当該信号をそれぞれ受信して積算する演算カウンター(2a,2b,2c)と、デジタルスイッチ(4a,4b,4c,5a,5b,5c)とが設けられている。そして、演算カウンター(2a,2b,2c)によって各プレス(P1,P2,P3)のストローク数を検出し、演算回路にて演算することによって、ループ(L1,L2)のたるみを検出する。さらに、当該たるみの検出結果に基づいて、プレス(P1,P2,P3)の運転および停止を制御する。
【特許文献1】特公昭60-3920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特公昭60-3920号公報のタンデムラインにおいては、上記の構成を有することによって、各プレス(P1,P2,P3)のストロークが互いに異なる場合でも、コイル材(C)が過度に引っ張られて損傷し、またはコイル材(C)の張力が不均一になることによりプレス不良となることが抑制される。しかしながら、上記の構成においては、各プレス(P1,P2,P3)間のコイル材(C)のループ(L1,L2)のたるみを検出するための機構を別途設ける必要があるため、設備が大掛かりになるとともに、製造コストが増加する虞がある。
【0006】
特に、プレス対象であるワークが、コイル材の材料として一般に用いられる板状のケイ素鋼板等である場合、撓みが大きくなると割れや亀裂が生じる虞がある。このため、割れや亀裂を防止し、かつ、ワークが各プレスに過度に引っ張られることによる損傷やプレス不良を抑制するためには、各プレス間の距離を離し、かつ、コイル材を僅かにたわませて余裕代を持たせることが必要となる。この結果、これらの設置スペースがさらに増大する虞がある。
【0007】
本発明の目的は、ワークの撓みが大きくなることによる割れや亀裂を防止し、かつ、ワークが各プレスに過度に引っ張られることによる損傷やプレス不良を抑制しつつ、システムの設置スペースや製造コストを抑制できる構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、タンデムに配置される複数台のプレス装置のプレス動作、および前記複数台のプレス装置へ長尺帯状のワークを送る送り動作を制御するプレス制御システムであって、前記複数台のプレス装置のうちの1台である第1プレス装置と、前記複数台のプレス装置のうちの別の1台であり、前記第1プレス装置の送り方向の下流側に隣接する第2プレス装置と、前記第1プレス装置によるプレス動作と、前記第2プレス装置によるプレス動作とを制御する、1つの制御装置と、前記第1プレス装置の送り方向の手前側から、前記第1プレス装置のプレス位置へ前記ワークを送る、第1フィーダと、前記第2プレス装置の送り方向の手前側から、前記第2プレス装置のプレス位置へ前記ワークを送る、第2フィーダと、を有し、前記第1プレス装置において、第1サーボモータの動力により第1クランク軸が回転することによって第1スライドが上下に駆動され、前記第2プレス装置において、第2サーボモータの動力により第2クランク軸が回転することによって第2スライドが上下に駆動され、前記第1フィーダおよび前記第2フィーダはそれぞれ、前記第1クランク軸の回転および前記第2クランク軸の回転の少なくとも一方に応じて動作することによって、前記ワークを送り、前記1つの制御装置が、前記第1サーボモータと前記第2サーボモータとに同一の指令値を入力することによって、前記第1プレス装置によるプレス動作と前記第2プレス装置によるプレス動作とを同期運転させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、1つの制御装置から、第1プレス装置を駆動する第1サーボモータと第2プレス装置を駆動する第2サーボモータとに対して、同一の指令値を入力することによって、第1プレス装置のプレス動作と第2プレス装置のプレス動作とを常に同期運転させることができる。これにより、ワークが各プレス装置に過度に引っ張られることによる損傷やプレス不良を抑制できる。また、各プレス装置間においてワークに余裕代を持たせる必要がなくなるため、システム全体を小型化できるとともに、コスト削減に繋がる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係るプレス制御システムの構成を示した図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る第1プレス装置および第1フィーダの構成を示した図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る第2プレス装置および第2フィーダの構成を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本願の例示的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
<1.第1実施形態>
以下では、本発明の第1実施形態に係るプレス制御システム1の構成について説明する。
図1は、第1実施形態に係るプレス制御システム1の構成を示した図である。このプレス制御システム1は、タンデムに配置された複数台のプレス装置を有し、長尺帯状のワーク7を搬送しながら、当該複数台のプレス装置を介してワーク7を順にプレス加工するためのシステムである。また、プレス制御システム1は、複数台のプレス装置のプレス動作、および複数台のプレス装置へワーク7を送る送り動作を制御する。
【0013】
ワーク7には、例えば、厚さ0.1ミリ~0.3ミリ程度の金属製の板材やシート材が用いられる。本実施形態のワーク7には、モータのコアとして一般に使用されるケイ素鋼板が用いられる。ワーク7の降伏応力は、例えば、100MPa以上、かつ、1000MPa以下程度である。このため、ワーク7は、大きく撓むことによって割れや亀裂が生じやすく、過度に引っ張られることによって損傷しやすい。ただし、ワーク7には、コネクタ端子やリードフレームの材料である銅板が用いられてもよく、さらに別の材料が用いられてもよい。銅板の場合、降伏応力は、30MPa以上、かつ、100MPa以下程度である。このため、僅かな応力が生じる場合でも、亀裂や損傷により繋がりやすい。
【0014】
図1に示すように、プレス制御システム1は、タンデムに配置される第1プレス装置10および第2プレス装置20を含む複数台のプレス装置と、第1フィーダ30および第2フィーダ40を含む複数のフィーダと、1つの制御装置50と、複数の搬送ローラ60と、張力センサ80とを有している。第1プレス装置10および第2プレス装置20は、タンデムに隣接して配置される。第1プレス装置10と第2プレス装置20との離間距離は、1m以下である。また、本実施形態では、第1プレス装置10および第2プレス装置20により、モータに使用される内側コアおよび外側コアが形成される。外側コアおよび内側コアは、いずれも円環状である。また、外側コアの径は、内側コアの径よりも大きい。具体的には、第1プレス装置10において、ワーク7から内側コアがプレス成形され、第2プレス装置20において、ワーク7から外側コアがプレス成形される。また、複数のフィーダはそれぞれ、各プレス装置に対応して設けられる。
【0015】
複数の搬送ローラ60には、巻き出しローラ61と、複数の中間ローラ621,622とが含まれる。巻き出しローラ61および複数の中間ローラ621,622は、それぞれ水平に延びる回転軸600を中心として回転可能である。加工前のワーク7は、巻き出しローラ61に巻き付けられている。また、ワーク7は、複数の中間ローラ621,622に掛け渡されつつ、複数のフィーダの後述する1組の第1ニップローラ32の間および1組の第2ニップローラ42の間に挟み込まれる。1組の第1ニップローラ32の第1駆動ローラ321および/または1組の第2ニップローラ42の第2駆動ローラ421が回転すると、ワーク7は、巻き出しローラ61から繰り出され、
図1中の矢印の方向(送り方向Dt)に搬送される。また、複数の中間ローラ621,622は、ワーク7に接触しつつ従動回転する。なお、複数の中間ローラ621,622には、例えば、フェルトローラ等の、ワーク7を傷つけない程度に接触するローラが用いられる。
【0016】
図2は、第1実施形態に係る第1プレス装置10および第1フィーダ30の構成を示した図である。第1プレス装置10は、プレス制御システム1に含まれる複数台のプレス装置のうちの1台である。第1プレス装置10は、第1固定金型911と第1可動金型912との間の第1プレス位置P1に位置するワーク7に対して、第1可動金型912を上下動させることにより、ワーク7をプレス加工する装置である。
図2に示すように、本実施形態の第1プレス装置10は、第1筐体11、第1金型保持部12、第1サーボモータ13、第1動力伝達機構14、第1バランサ15、および第1エンコーダ16を有する。
【0017】
第1筐体11は、第1金型保持部12、第1動力伝達機構14、第1バランサ15、および第1エンコーダ16を内部に収容する略箱状のフレームである。
図2に示すように、第1筐体11は、第1ベッド部111、第1クラウン部112、および一対の第1コラム部113を有する。第1ベッド部111は、工場等の床面に設置される。第1クラウン部112は、第1ベッド部111から間隔をあけて上方に配置される。第1クラウン部112は、その内部に、第1動力伝達機構14の各部材と、第1バランサ15を配置するためのスペースを有する。第1クラウン部112の下面には、2つの貫通孔114が設けられている。2つの貫通孔114はそれぞれ、第1クラウン部112の下面を上下方向に貫通する。一対の第1コラム部113は、第1ベッド部111と第1クラウン部112との間に介在する。各第1コラム部113の下面は、第1ベッド部111の上面に固定される。また、各第1コラム部113の上面は、第1クラウン部112の下面に固定される。
【0018】
第1金型保持部12は、固定的に配置された第1ボルスタ121と、第1ボルスタ121の上方に配置された第1スライド122とを有する。第1ボルスタ121および第1スライド122は、一対の第1コラム部113の間に配置されている。また、第1スライド122は、後述する一対の第1プランジャ144とともに、上下方向に移動可能となっている。プレス加工を行うときには、第1ボルスタ121の上部に第1固定金型911が取り付けられ、第1スライド122の下部に第1可動金型912が取り付けられる。
【0019】
第1サーボモータ13は、第1スライド122および第1可動金型912を上下に移動させるための動力を供給する動力源である。
図2の例では、第1筐体11の外部に第1サーボモータ13が配置されている。ただし、第1サーボモータ13の位置は、必ずしも
図2の通りでなくてもよい。例えば、第1筐体11の内部に、第1サーボモータ13が配置されていてもよい。第1サーボモータ13に通電すると、第1サーボモータ13内のコイルとマグネットとの間に生じる回転磁界によって、トルクが発生する。そして、当該トルクが動力となり、後述する第1クランク軸141が回転する。
【0020】
第1動力伝達機構14は、第1サーボモータ13から得られる動力を、上下方向の往復運動に変換して、第1スライド122および第1バランサ15に伝達する機構である。
図2に示すように、第1動力伝達機構14は、第1クランク軸141と、一対の第1滑子142と、第1ガイド溝143と、一対の第1プランジャ144と、複数の第1連結ロッド145とを有する。
【0021】
第1クランク軸141は、略水平に延びる回転軸146に沿って延伸する部材である。第1クランク軸141は、第1クラウン部112に対して回転軸146を中心として回転自在に支持される。また、第1クランク軸141は、図示を省略した環状ベルトおよびプーリを介して、第1サーボモータ13の出力軸に接続される。これにより、第1クランク軸141は、第1サーボモータ13から供給される動力により、回転軸146を中心として回転する。
【0022】
また、第1クランク軸141には、第1エンコーダ16が接続される。
図2では、第1エンコーダ16を概念的に示している。第1エンコーダ16には、例えば、ロータリエンコーダが用いられる。第1エンコーダ16は、第1クランク軸141の回転速度および回転角度を検出し、第1クランク軸141の回転に同期した第1連続パルス信号En1を、第1フィーダ30の後述する第1コントローラ33へ出力する。第1連続パルス信号En1は、第1クランク軸141の回転速度および回転角度の経時変化を反映したデータとなる。第1コントローラ33は、入力された第1連続パルス信号En1に基づいて、第1クランク軸141の回転角度の計測値Mr1を算出する。
【0023】
また、第1エンコーダ16は、上記の第1連続パルス信号En1を、制御装置50へ出力する。制御装置50は、入力された第1連続パルス信号En1に基づいて、第1クランク軸141の回転速度の計測値Ms1および回転角度の計測値Mr1を算出する。
【0024】
また、第1クランク軸141の周囲には、回転軸146から偏心した偏心部147が固定されている。偏心部147は、第1クランク軸141とともに、回転軸146を中心として回転する。また、偏心部147は、一対の第1滑子142のそれぞれと、第1連結ロッド145を介して略水平方向に接続される。
【0025】
第1ガイド溝143は、第1クラウン部112に形成され、第1クランク軸141に対して直交する水平方向に延びる直線状の溝である。一対の第1滑子142は、それぞれ第1ガイド溝143の内部に設けられ、第1ガイド溝143に沿ってスライド移動可能に設置される。第1クランク軸141および偏心部147が回転軸146を中心として回転すると、第1連結ロッド145の一端は、偏心部147とともに、回転軸146を中心として回転運動する。これにより、第1連結ロッド145の他端および第1滑子142が、第1ガイド溝143に沿って水平方向に往復運動する。第1動力伝達機構14は、このような構成を有することにより、第1クランク軸141による回転運動を、第1滑子142による水平方向の直線運動に変換することができる。さらに、各第1滑子142は、第1バランサ15および第1プランジャ144と、それぞれ第1連結ロッド145を介して接続される。
【0026】
一対の第1プランジャ144はそれぞれ、略上下方向に柱状に延びる部材である。各第1プランジャ144は、第1クラウン部112の貫通孔114を貫通する。各第1プランジャ144の下端部は、第1スライド122に接続される。各第1プランジャ144の上端部は、第1連結ロッド145を介して第1滑子142に接続される。これにより、一対の第1滑子142および各第1連結ロッド145の上端がそれぞれ水平方向に直線運動するのに伴って、一対の第1プランジャ144のそれぞれの下端と、第1スライド122とが、上下動する。すなわち、本実施形態では、第1サーボモータ13の動力により第1クランク軸141が回転することによって、各第1滑子142が水平駆動され、これによって第1スライド122が上下に駆動される。
【0027】
第1バランサ15は、第1クラウン部112の上面から図示を省略した弾性機構を介して吊り下げられたバランスウェイトを含む。第1バランサ15は、第1スライド122の上下動と連動して逆方向にバランスウェイトを上下動させることによって、振動を減殺するための部材である。より具体的には、第1バランサ15は、第1クランク軸141よりも上側に配置され、一対の第1滑子142のそれぞれと、第1連結ロッド145を介して接続される。第1スライド122が下方に運動するときは、第1バランサ15は上方に運動する。また、第1スライド122が上方に運動するときは、第1バランサ15は下方に運動する。これにより、第1スライド122の上下動に伴って発生する振動が減殺される。この結果、第1スライド122によるプレス圧力がより一定に保たれ、高速かつ高精度なプレス加工を実現することができる。
【0028】
図3は、第1実施形態に係る第2プレス装置20および第2フィーダ40の構成を示した図である。第2プレス装置20は、プレス制御システム1に含まれる複数台のプレス装置のうちの、第1プレス装置10とは別の1台である。第2プレス装置20は、第1プレス装置10の送り方向Dtの下流側に隣接する。また、第2プレス装置20は、第2固定金型921と第2可動金型922との間の第2プレス位置P2に位置するワーク7に対して、第2可動金型922を上下動させることにより、ワーク7をプレス加工する装置である。
【0029】
図3に示すように、本実施形態の第2プレス装置20は、第2筐体21、第2金型保持部22、第2サーボモータ23、第2動力伝達機構24、第2バランサ25、および第2エンコーダ26を有する。本実施形態の第2筐体21、第2金型保持部22、第2サーボモータ23、第2動力伝達機構24、第2バランサ25、および第2エンコーダ26は、第1実施形態の第1筐体11、第1金型保持部12、第1サーボモータ13、第1動力伝達機構14、第1バランサ15、および第1エンコーダ16と同等の構成を有するため、重複説明を一部省略する。本実施形態では、第2サーボモータ23の動力により第2クランク軸241が回転することによって、各第2滑子242が水平駆動され、これによって第2スライド222が上下に駆動される。
【0030】
また、第2クランク軸241には、第2エンコーダ26が接続される。
図3では、第2エンコーダ26を概念的に示している。第2エンコーダ26には、例えば、ロータリエンコーダが用いられる。第2エンコーダ26は、第2クランク軸241の回転速度および回転角度を検出し、第2クランク軸241の回転に同期した第2連続パルス信号En2を、第2フィーダ40の後述する第2コントローラ43へ出力する。第2連続パルス信号En2は、第2クランク軸241の回転速度および回転角度の経時変化を反映したデータとなる。第2コントローラ43は、入力された第2連続パルス信号En2に基づいて、第2クランク軸241の回転角度の計測値Mr2を算出する。
【0031】
また、第2エンコーダ26は、上記の第2連続パルス信号En2を、制御装置50へ出力する。制御装置50は、入力された第2連続パルス信号En2に基づいて、第2クランク軸241の回転速度の計測値Ms2および回転角度の計測値Mr2を算出する。
【0032】
第1フィーダ30は、上記の送り方向Dtにおける第1プレス装置10の手前側に隣接して設けられる。第1フィーダ30は、第1エンコーダ16による検出結果に基づいて、送り方向Dtにおける第1プレス装置10の手前側から、第1プレス装置10の第1プレス位置P1へ向けてワーク7を送るための装置である。すなわち、第1フィーダ30は、第1クランク軸141の回転に応じて動作することによって、ワーク7を送る。
図2に示すように、第1フィーダ30は、第1枠体31、1組の第1ニップローラ32、および第1コントローラ33を有する。なお、第1フィーダ30が有する第1ニップローラ32の数は、1組には限定されない。第1フィーダ30は、1または複数組の第1ニップローラ32を有していればよい。
【0033】
第1枠体31は、1組の第1ニップローラ32、および第1コントローラ33を内部に収容する略箱状のフレームである。1組の第1ニップローラ32は、ワーク7を挟み込みつつワーク7に圧接する。ワーク7は、当該1組の第1ニップローラ32を含む、複数のフィーダのそれぞれに設けられる各組のニップローラの間を通過する。第1コントローラ33は、CPU等のプロセッサ、RAM等のメモリ、およびハードディスクドライブ等の記憶部を有するコンピュータにより構成されている。当該記憶部内には、1組の第1ニップローラ32のうちの一方である第1駆動ローラ321を動作制御するためのコンピュータプログラムが、記憶されている。また、第1コントローラ33は、当該第1駆動ローラ321および第1エンコーダ16と、それぞれ電気的に接続されている。なお、第1コントローラ33は、コンピュータに代えて、PLC(Programmable Logic Controller)や回路基板により実現されてもよい。
【0034】
上述のとおり、第1コントローラ33は、第1エンコーダ16から入力された第1連続パルス信号En1に基づいて、第1クランク軸141の回転角度の計測値Mr1を算出する。当該計測値Mr1は、第1クランク軸141の回転により上下動する第1スライド122および第1可動金型912が現在どの位置にあるか、すなわち、第1プレス位置P1においてプレス加工が現在どの程度進んでいるかを反映している。そして、第1コントローラ33は、当該計測値Mr1の算出結果に基づいて、第1駆動ローラ321へ搬送指令値CVr1を出力する。例えば、第1コントローラ33は、当該計測値Mr1の算出結果から、第1プレス位置P1における1回分のプレス加工が完了に近づいていると判断すると、第1駆動ローラ321へ搬送指令値CVr1を出力することによって、所定回転数分だけ回転するように、指示する。
【0035】
第1駆動ローラ321は、第1コントローラ33から入力された搬送指令値CVr1に基づいて、所定回転数分だけ回転する。また、1組の第1ニップローラ32のうちの他方である第1従動ローラ322は、ワーク7に接触しつつ従動回転する。これにより、ワーク7は、第1ニップローラ32の回転に応じた距離だけ送り方向Dtに搬送される。この結果、長尺帯状のワーク7のうち、次にプレス加工が施される部位が、第1プレス装置10の第1プレス位置P1に配置される。第1フィーダ30は、このような送り動作を繰り返すことにより、ワーク7を第1プレス装置10へ向かう送り方向Dtに、間欠的に搬送する。
【0036】
第2フィーダ40は、上記の送り方向Dtにおける第2プレス装置20の手前側に隣接して設けられる。第2フィーダ40は、第2エンコーダ26による検出結果に基づいて、送り方向Dtにおける第2プレス装置20の手前側から、第2プレス装置20の第2プレス位置P2へ向けてワーク7を送るための装置である。すなわち、第2フィーダ40は、第2クランク軸241の回転に応じて動作することによって、ワーク7を送る。
図3に示すように、第2フィーダ40は、第2枠体41、1組の第2ニップローラ42、および第2コントローラ43を有する。
【0037】
本実施形態の第2枠体41、1組の第2ニップローラ42、および第2コントローラ43は、第1実施形態の第1枠体31、1組の第1ニップローラ32、および第1コントローラ33と同等の構成を有する。なお、第2フィーダ40が有する第2ニップローラ42の数は、1組には限定されない。第2フィーダ40は、1または複数組の第2ニップローラ42を有していればよい。
【0038】
上述のとおり、第2コントローラ43は、第2エンコーダ26から入力された第2連続パルス信号En2に基づいて、第2クランク軸241の回転角度の計測値Mr2を算出する。当該計測値Mr2は、第2クランク軸241の回転により上下動する第2スライド222および第2可動金型922が現在どの位置にあるか、すなわち、第2プレス位置P2においてプレス加工が現在どの程度進んでいるかを反映している。そして、第2コントローラ43は、当該計測値Mr2の算出結果に基づいて、第2駆動ローラ421へ搬送指令値CVr2を出力する。例えば、第2コントローラ43は、当該計測値Mr2の算出結果から、第2プレス位置P2における1回分のプレス加工が完了に近づいていると判断すると、第2駆動ローラ421へ搬送指令値CVr2を出力することによって、所定回転数分だけ回転するように、指示する。
【0039】
第2駆動ローラ421は、第2コントローラ43から入力された搬送指令値CVr2に基づいて、所定回転数分だけ回転する。また、1組の第2ニップローラ42のうちの他方である第2従動ローラ422は、ワーク7に接触しつつ従動回転する。これにより、ワーク7は、第2ニップローラ42の回転に応じた距離だけ送り方向Dtに搬送される。この結果、長尺帯状のワーク7のうち、次にプレス加工が施される部位が、第2プレス装置20の第2プレス位置P2に配置される。第2フィーダ40は、このような送り動作を繰り返すことにより、ワーク7を第2プレス装置20へ向かう送り方向Dtに、間欠的に搬送する。
【0040】
制御装置50は、第1プレス装置10によるプレス動作と、第2プレス装置20によるプレス動作とを制御するための手段である。
図1~
図3中に概念的に示したように、制御装置50は、CPU等のプロセッサ501、RAM等のメモリ502、およびハードディスクドライブ等の記憶部503を有するコンピュータにより構成されている。当該記憶部503内には、第1プレス装置10によるプレス動作と、第2プレス装置20によるプレス動作とを制御するためのコンピュータプログラム50Pやデータ50Dが、記憶されている。また、
図1~
図3中に破線で示したように、本実施形態の制御装置50は、第1サーボモータ13および第2サーボモータ23と、それぞれ電気的に接続されている。
【0041】
本実施形態のプレス制御システム1においては、1つの制御装置50から、第1プレス装置10を駆動する第1サーボモータ13と第2プレス装置20を駆動する第2サーボモータ23とに対して、同一の駆動指令値CVdが入力される。第1サーボモータ13および第2サーボモータ23はそれぞれ、入力された駆動指令値CVdに基づき出力軸を回転させる。これにより、第1プレス装置10のプレス動作と第2プレス装置20のプレス動作とを常に同期運転させることができる。この結果、第1プレス装置10および第2プレス装置20のうちの一方の処理動作が、他方の処理動作よりも速くなったり遅くなったりすることを常に防止できる。
【0042】
上記のとおり、本実施形態において用いられるワーク7は、大きく撓むことによって割れや亀裂が生じやすく、過度に引っ張られることによって損傷しやすい。しかしながら、本実施形態では、第1プレス装置10によるプレス動作と第2プレス装置20によるプレス動作とが常に同期運転されるため、ワーク7が第1プレス装置10または第2プレス装置20から過度に引っ張られて損傷したり、第1プレス装置10と第2プレス装置20との間において過度に撓んで割れたり亀裂が生じたりすることを防止できる。また、ワーク7の張力を一定に維持できるため、張力が不均一になることによるプレス不良の発生を防止できる。
【0043】
また、本実施形態では、従来の第1プレス装置10のプレス動作と第2プレス装置20のプレス動作とが異なる場合に必要とされていたワーク7の余裕代を持たせる必要がなくなるため、第1プレス装置10と第2プレス装置20との間の距離を近づけることができる。この結果、第1プレス装置10と第2プレス装置20とを含むプレス制御システム1全体を小型化できるため、設置スペースや製造コストを抑制することができる。また、本実施形態のプレス制御システム1においては、1台のみの制御装置50によって各部の動作を制御できるため、さらにコスト削減に繋がる。
【0044】
なお、
図2および
図3に示すとおり、本実施形態の制御装置50は、さらに第1エンコーダ16および第2エンコーダ26と、それぞれ電気的に接続されている。そして、制御装置50は、第1エンコーダ16から入力された第1連続パルス信号En1に基づいて、第1クランク軸141の回転速度の計測値Ms1および回転角度の計測値Mr1を算出する。また、制御装置50は、第2エンコーダ26から入力された第2連続パルス信号En2に基づいて、第2クランク軸241の回転速度の計測値Ms2および回転角度の計測値Mr2を算出する。制御装置50は、これらの算出結果を用いてフィードバック制御を行うことにより、第1クランク軸141の回転速度および回転角度と第2クランク軸241の回転速度および回転角度とが常に同一に維持されるように、必要に応じて駆動指令値CVdを修正する。
【0045】
また、
図2および
図3に示すとおり、本実施形態の制御装置50は、さらに第1コントローラ33および第2コントローラ43と、それぞれ電気的に接続されている。また、制御装置50の記憶部503においては、ワーク7の種類や厚みに係る情報と、駆動指令値CVdおよび上記の搬送指令値CVr1,CVr2に係る情報とが、関連付けて記憶されている。これにより、作業員等によりワーク7の種類や厚みに関する設定がなされると、制御装置50は、設定されたワーク7の種類や厚みに対応する最適な駆動指令値CVdを選択し、第1プレス装置10および第2プレス装置20に入力する。これにより、例えば、ワーク7が割れやすく、さらに肉厚である場合に、可動金型912,922をより低い速度で上下動させる等の調整を行うことができため、ワーク7の加工精度の向上に繋がる。
【0046】
また、制御装置50は、設定されたワーク7の種類や厚みに対応する最適な搬送指令値CVr1,CVr2を選択し、第1コントローラ33および第2コントローラ43に入力する。第1コントローラ33は、第1プレス位置P1における1回分のプレス加工が完了に近づいていると判断すると、入力された搬送指令値CVr1を第1駆動ローラ321へ出力する。第2コントローラ43は、第2プレス位置P2における1回分のプレス加工が完了に近づいていると判断すると、入力された搬送指令値CVr2を第2駆動ローラ421へ出力する。
【0047】
図1に示すように、本実施形態では、ワーク7の張力を検出するための張力センサ80がさらに設けられている。張力センサ80には、例えば、エアシリンダが用いられる。本実施形態では、張力センサ80は、第1プレス装置10と第2プレス装置20との間に位置する。そして、張力センサ80は、複数の搬送ローラ60のうち、第1プレス装置10と第2プレス装置20との間においてワーク7に接触しつつ回転する中間ローラ622に接続される。張力センサ80は、中間ローラ622においてワーク7から受ける力(すなわち、ワーク7の張力を反映した値)を検出し、検出結果Teを制御装置50へ出力する。
【0048】
本実施形態の制御装置50は、張力センサ80による検出結果Teに基づき、主に異常発生時における、第1プレス装置10によるプレス動作および第2プレス装置20によるプレス動作を制御する。例えば、第1プレス装置10が正常に駆動している状態で、第2プレス装置20の処理速度が急に遅くなった場合、第1ニップローラ32によるワーク7の送り動作よりも第2ニップローラ42によるワーク7の送り動作が遅くなる。このため、第1プレス装置10と第2プレス装置20との間においてワーク7の撓みが生じ、張力が小さくなる。このとき、制御装置50は、張力センサ80による検出結果Teに基づき算出されるワーク7の張力が、所定の下限値未満となった場合に、第2サーボモータ23よりも先に第1サーボモータ13の運転を即時に停止させる。これにより、ワーク7が過度に撓むことによる亀裂の発生を防止できる。
【0049】
また、例えば、第2プレス装置20が正常に駆動している状態で、第1プレス装置10のみが急に停止した場合、ワーク7は第1ニップローラ32に保持された状態で第2ニップローラ42から引っ張られるため、張力が大きくなる。このとき、制御装置50は、張力センサ80による検出結果Teに基づき算出されるワーク7の張力が、所定の上限値を超えた場合に、第2サーボモータ23の運転を即時に停止させる。これにより、ワーク7が過度に引っ張られることによる損傷を防止できる。これらのワーク7の張力の上限値および下限値に関する情報は、制御装置50の記憶部503において、ワーク7の種類や厚みに係る情報と関連付けて記憶されている。
【0050】
なお、本実施形態では、第1プレス装置10と第2プレス装置20との間において、ワーク7は、エアシリンダである張力センサ80によって、中間ローラ622を介して下方に弾性押圧されている。これにより、第1プレス装置10と第2プレス装置20との間において、ワーク7の若干の余裕代が形成されている。これにより、第1プレス装置10のみが急に停止してワーク7が第2ニップローラ42から引っ張られた場合に、張力センサ80の下端部および中間ローラ622が押し上げられることによって、ワーク7に加わる負荷や衝撃を抑制することができる。この結果、ワーク7の張力の過度な上昇を抑制でき、損傷等の発生をさらに防止できる。
【0051】
<2.変形例>
以上、本発明の例示的な実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。
【0052】
上記の実施形態におけるプレス制御システム1では、第1クランク軸141の回転速度および回転角度を検出する第1エンコーダ16と、第2クランク軸241の回転速度および回転角度を検出する第2エンコーダ26の両方が設けられていた。しかしながら、第1クランク軸141の回転と第2クランク軸241の回転とは互いに同期しているため、第1エンコーダ16および第2エンコーダ26の少なくとも一方が設けられればよい。そして、第1エンコーダ16および第2エンコーダ26の少なくとも一方から、第1コントローラ33および第2コントローラ43へ、クランク軸の回転の検出結果を出力すればよい。さらに、第1フィーダ30および第2フィーダ40はそれぞれ、第1エンコーダ16による検出結果に係る第1クランク軸141の回転および第2エンコーダ26による検出結果に係る第2クランク軸241の回転の少なくとも一方に応じて動作することによって、ワーク7を搬送すればよい。
【0053】
上記の実施形態におけるプレス制御システム1では、ワーク7を搬送するためのフィーダ30,40として、ニップローラを有するローラフィーダが用いられていた。しかしながら、ワーク7を搬送するためのフィーダ30,40として、グリップフィーダが用いられてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本願は、プレス制御システムに利用できる。
【符号の説明】
【0055】
1 プレス制御システム
7 ワーク
10 第1プレス装置
11 第1筐体
12 第1金型保持部
13 第1サーボモータ
14 第1動力伝達機構
15 第1バランサ
16 第1エンコーダ
20 第2プレス装置
21 第2筐体
22 第2金型保持部
23 第2サーボモータ
24 第2動力伝達機構
25 第2バランサ
26 第2エンコーダ
30 第1フィーダ
31 第1枠体
32 第1ニップローラ
33 第1コントローラ
40 第2フィーダ
41 第2枠体
42 第2ニップローラ
43 第2コントローラ
50 制御装置
60 搬送ローラ
80 張力センサ
122 第1スライド
141 第1クランク軸
222 第2スライド
241 第2クランク軸
622 中間ローラ
911 第1固定金型
912 第1可動金型
921 第2固定金型
922 第2可動金型
CVd 駆動指令値
CVr1 搬送指令値
CVr2 搬送指令値
Dt 送り方向
P1 第1プレス位置
P2 第2プレス位置