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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022011774
(43)【公開日】2022-01-17
(54)【発明の名称】高架橋用移動式足場装置
(51)【国際特許分類】
   E01D 22/00 20060101AFI20220107BHJP
   E04G 3/30 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
E01D22/00 A
E04G3/30 302N
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020113129
(22)【出願日】2020-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】595135671
【氏名又は名称】第一建設工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000227146
【氏名又は名称】日綜産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097065
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 雅栄
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 健一
(72)【発明者】
【氏名】春日 秀文
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 暁伸
(72)【発明者】
【氏名】吉村 公一
【テーマコード(参考)】
2D059
2E003
【Fターム(参考)】
2D059DD13
2D059DD14
2D059EE10
2D059GG39
2E003EB06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】高架橋に沿って移動しつつ外壁部と底壁部とを補修でき、且つ外壁作業用足場が外壁部の障害部等を避けて移動できる高架橋用移動式足場装置を提供する。
【解決手段】高架橋1に設置されたスライド用レール6に沿ってスライド移動するレール移動装置7と、レール移動装置7に連結されて高架橋1の底壁部2の下方に配設されレール移動装置7により高架橋1の橋軸方向に移動させる底壁作業用足場8と、底壁作業用足場8に立設状態に設けられて高架橋1の外壁部4の外方に配設されレール移動装置7により底壁作業用足場8とともに高架橋1の橋軸方向に移動させる外壁作業用足場9とから成り、外壁作業用足場9は、外壁部4の外側壁面5に対して接離方向にスライド移動可能な接離スライド機構を介して底壁作業用足場8に設けられている。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高架橋の底壁部若しくは外壁部に設置されたスライド用レールに沿って高架橋の橋軸方向にスライド移動可能な高架橋用移動式足場装置であって、
前記スライド用レールに沿ってスライド移動するレール移動装置と、
このレール移動装置に連結されて前記高架橋の底壁部の下方に配設され、レール移動装置により高架橋の橋軸方向に移動させてこの底壁部の下側壁面に対し補修作業を行う底壁作業用足場と、
この底壁作業用足場に対し立設状態に設けられて高架橋の外壁部の外方に配設され、前記レール移動装置により底壁作業用足場とともに高架橋の橋軸方向に移動させてこの外壁部の外側壁面に対し補修作業を行う外壁作業用足場とから成り、
前記外壁作業用足場は、前記高架橋外壁部の外側壁面に対して接近・離反方向にスライド移動可能な接離スライド機構を介して前記底壁作業用足場に設けられていることを特徴とする高架橋用移動式足場装置。
【請求項2】
前記底壁作業用足場は、前記高架橋の橋脚より前記外壁部側に存する底壁部の下方に配設される形状に形成されていて、この底壁作業用足場が橋脚に接触することなく前記スライド用レールに沿って高架橋の橋軸方向にスライド移動し得るように構成されていることを特徴とする請求項1記載の高架橋用移動式足場装置。
【請求項3】
前記外壁作業用足場は、前記底壁作業用足場の、前記高架橋に対し外側に配設される側に設けられて、前記外壁部より外方へ突出状態に配設されていることを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の高架橋用移動式足場装置。
【請求項4】
前記底壁作業用足場は、前記高架橋の外壁部側に配設される端部にこの外壁部より外方へ突出状態にして連絡用足場が設けられ、この連絡用足場上に前記接離スライド機構を介して前記外壁作業用足場が設けられていることにより、外壁作業用足場が外壁部より外方へ突出状態に配設されているとともに、この連絡用足場を介して作業者が底壁作業用足場と外壁作業用足場とを往来し得るように構成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の高架橋用移動式足場装置。
【請求項5】
前記接離スライド機構は、前記高架橋の橋軸方向と直交する方向にレール長を有する走行用レールが前記連絡用足場上に設けられ、この走行用レールに沿って走行可能な車輪が前記外壁作業用足場の下部に設けられていて、この車輪を介して外壁作業用足場が前記高架橋の外壁部の外側壁面に対し接近・離反スライド移動するように構成されているとともに、この外壁作業用足場の外壁部に対するスライド移動を阻止して位置決め保持する外壁足場位置決め手段を備えていることを特徴とする請求項4記載の高架橋用移動式足場装置。
【請求項6】
前記レール移動装置は、前記スライド用レールに沿って走行移動可能な吊装置が採用され、この吊装置に前記底壁作業用足場若しくは前記外壁作業用足場が吊設されていて、スライド用レールに沿った吊装置の走行移動により底壁作業用足場と前記外壁作業用足場とが高架橋の橋軸方向にスライド移動し得るように構成されていることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の高架橋用移動式足場装置。
【請求項7】
前記吊装置は、底壁作業用足場上の作業者が手動操作により前記スライド用レールを走行移動可能なギヤードトロリが採用され、このギヤードトロリの操作によってこの底壁作業用足場と前記外壁作業用足場とが高架橋の橋軸方向にスライド移動し得るように構成されていることを特徴とする請求項6記載の高架橋用移動式足場装置。
【請求項8】
前記底壁作業用足場に、前記高架橋の底壁部の下側壁面に下方から突き当たってこの下側壁面に沿って走行可能な足場姿勢保持用ガイドが設けられていることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の高架橋用移動式足場装置。
【請求項9】
前記外壁作業用足場の上部に、前記高架橋の外壁部に沿ってスライド移動可能な外壁足場用ガイドが設けられていることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の高架橋用移動式足場装置。
【請求項10】
前記底壁作業用足場の前記スライド用レールに対するスライド移動を阻止して位置決め保持する足場スライド停止手段を備えていることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の高架橋用移動式足場装置。
【請求項11】
前記底壁作業用足場は、前記スライド用レールに沿ったスライド移動方向前側の端部に、このスライド移動方向前側の障害突出物を越えた前方の前記底壁部若しくは外壁部に延長用レールを設置する作業,設置した前記延長用レールに前記レール移動装置を付け替える作業,若しくは設置した前記延長用レールに前記レール移動装置を付け替える間底壁作業用足場を仮吊設するための仮吊装置を前記底壁部若しくは外壁部に設置する作業を行うための延長足場が延設されていることを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の高架橋用移動式足場装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道などの高架橋の補修作業に用いられる高架橋用移動式足場装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄道などの高架橋の壁面の補修作業には、従来から高架橋に沿って橋軸方向にスライド移動可能な移動式足場装置が用いられている。
【0003】
この移動式足場装置について簡単に説明すると、高架橋に設置されるスライド用レールと、このスライド用レールに沿ってスライド移動するレール移動装置と、このレール移動装置に吊設されて前記高架橋の下方に配設され、レール移動装置により高架橋の橋軸方向に移動させて高架橋の下側壁面に対し補修作業を行う作業用足場とを備えていて、作業用足場上に搭乗した作業者が、移動式足場装置を高架橋の橋軸方向に移動させながら高架橋の下側壁面等に対して補修作業を行うことができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-102468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記特許文献1のような高架橋用移動式足場装置の改良に係るもので、高架橋の外壁部の外側壁面と、高架橋の底壁部の下側壁面とに対して同時に補修作業を行うことが可能となり、尚且つ高架橋の外壁部の形状や、外壁部の突出物(障害物)の有無等に応じて、外壁作業用足場が外壁部や障害部を避けるように移動できる実用性に優れた高架橋用移動式足場装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0007】
高架橋1の底壁部2若しくは外壁部4に設置されたスライド用レール6に沿って高架橋1の橋軸方向にスライド移動可能な高架橋用移動式足場装置Sであって、
前記スライド用レール6に沿ってスライド移動するレール移動装置7と、
このレール移動装置7に連結されて前記高架橋1の底壁部2の下方に配設され、レール移動装置7により高架橋1の橋軸方向に移動させてこの底壁部2の下側壁面3に対し補修作業を行う底壁作業用足場8と、
この底壁作業用足場8に対し立設状態に設けられて高架橋1の外壁部4の外方に配設され、前記レール移動装置7により底壁作業用足場8とともに高架橋1の橋軸方向に移動させてこの外壁部4の外側壁面5に対し補修作業を行う外壁作業用足場9とから成り、
前記外壁作業用足場9は、前記高架橋1外壁部4の外側壁面5に対して接近・離反方向にスライド移動可能な接離スライド機構10を介して前記底壁作業用足場8に設けられていることを特徴とする高架橋用移動式足場装置に係るものである。
【0008】
また、前記底壁作業用足場8は、前記高架橋1の橋脚11より前記外壁部4側に存する底壁部2の下方に配設される形状に形成されていて、この底壁作業用足場8が橋脚11に接触することなく前記スライド用レール6に沿って高架橋1の橋軸方向にスライド移動し得るように構成されていることを特徴とする請求項1記載の高架橋用移動式足場装置に係るものである。
【0009】
また、前記外壁作業用足場9は、前記底壁作業用足場8の、前記高架橋1に対し外側に配設される側に設けられて、前記外壁部4より外方へ突出状態に配設されていることを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の高架橋用移動式足場装置に係るものである。
【0010】
また、前記底壁作業用足場8は、前記高架橋1の外壁部4側に配設される端部にこの外壁部4より外方へ突出状態にして連絡用足場12が設けられ、この連絡用足場12上に前記接離スライド機構10を介して前記外壁作業用足場9が設けられていることにより、外壁作業用足場9が外壁部4より外方へ突出状態に配設されているとともに、この連絡用足場12を介して作業者が底壁作業用足場8と外壁作業用足場9とを往来し得るように構成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の高架橋用移動式足場装置に係るものである。
【0011】
また、前記接離スライド機構10は、前記高架橋1の橋軸方向と直交する方向にレール長を有する走行用レール13が前記連絡用足場12上に設けられ、この走行用レール13に沿って走行可能な車輪14が前記外壁作業用足場9の下部に設けられていて、この車輪14を介して外壁作業用足場9が前記高架橋1の外壁部4の外側壁面5に対し接近・離反スライド移動するように構成されているとともに、この外壁作業用足場9の外壁部4に対するスライド移動を阻止して位置決め保持する外壁足場位置決め手段15を備えていることを特徴とする請求項4記載の高架橋用移動式足場装置に係るものである。
【0012】
また、前記レール移動装置7は、前記スライド用レール6に沿って走行移動可能な吊装置7が採用され、この吊装置7に前記底壁作業用足場8若しくは前記外壁作業用足場9が吊設されていて、スライド用レール6に沿った吊装置7の走行移動により底壁作業用足場8と前記外壁作業用足場9とが高架橋1の橋軸方向にスライド移動し得るように構成されていることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の高架橋用移動式足場装置に係るものである。
【0013】
また、前記吊装置7は、底壁作業用足場8上の作業者が手動操作により前記スライド用レール6を走行移動可能なギヤードトロリ7Aが採用され、このギヤードトロリ7Aの操作によってこの底壁作業用足場8と前記外壁作業用足場9とが高架橋1の橋軸方向にスライド移動し得るように構成されていることを特徴とする請求項6記載の高架橋用移動式足場装置に係るものである。
【0014】
また、前記底壁作業用足場8に、前記高架橋1の底壁部2の下側壁面3に下方から突き当たってこの下側壁面3に沿って走行可能な足場姿勢保持用ガイド17が設けられていることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の高架橋用移動式足場装置に係るものである。
【0015】
また、前記外壁作業用足場9の上部に、前記高架橋1の外壁部4に沿ってスライド移動可能な外壁足場用ガイド16が設けられていることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の高架橋用移動式足場装置に係るものである。
【0016】
また、前記底壁作業用足場8の前記スライド用レール6に対するスライド移動を阻止して位置決め保持する足場スライド停止手段18を備えていることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の高架橋用移動式足場装置に係るものである。
【0017】
また、前記底壁作業用足場8は、前記スライド用レール6に沿ったスライド移動方向前側の端部に、このスライド移動方向前側の障害突出物20を越えた前方の前記底壁部2若しくは外壁部4に延長用レール6Aを設置する作業,設置した前記延長用レール6Aに前記レール移動装置7を付け替える作業,若しくは設置した前記延長用レール6Aに前記レール移動装置7を付け替える間底壁作業用足場8を仮吊設するための仮吊装置21を前記底壁部2若しくは外壁部4に設置する作業を行うための延長足場19が延設されていることを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の高架橋用移動式足場装置に係るものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明は上述のように構成したから、底壁作業用足場と外壁作業用足場とを利用して高架橋底壁部の下側壁面と外壁部の外側壁面とに補修作業を行うことができるとともに、高架橋の橋軸方向にスライド移動させて高架橋の所望する範囲を補修することができ、しかも高架橋外壁部の外側壁面には障害突出物が突出していることがあるが、本発明は、外壁作業用足場が底壁作業用足場に接離スライド機構を介して設けられていて、高架橋外壁部の外側壁面に対して接近・離反方向にスライド移動可能であるため、外壁作業用足場を外側壁面に対しスライド移動させて障害突出物を避けることができ、障害突出物が邪魔にならずに橋軸方向にスムーズにスライド移動させることができるなど、極めて実用性に優れた高架橋用移動式足場装置となる。
【0019】
また、請求項2記載の発明においては、底壁作業用足場が高架橋の橋脚に接触することなくスムーズに高架橋の橋軸方向にスライド移動できる一層実用性に優れた構成の高架橋用移動式足場装置となる。
【0020】
また、請求項3,4記載の発明においては、高架橋外壁部の外側壁面に対して補修作業を行う外壁作業用足場が底壁作業用足場に設けられる構成を容易に設計実現可能となり、特に請求項4記載の発明のように構成した場合には、底壁作業用足場に接離スライド機構を介して外壁作業用足場が設けられる構成を簡易構成にして容易に設計実現可能となるとともに、底壁作業用足場と外壁作業用足場との往来が容易に可能となるなど、一層作業性・実用性に優れた構成の高架橋用移動式足場装置となる。
【0021】
また、請求項5記載の発明においては、前記作用効果を確実に発揮する接離スライド機構を簡易構成にして容易に設計実現可能となり、しかも外壁作業用足場の外壁部に対するスライド移動を阻止して位置決め保持する外壁足場位置決め手段を備えているから、補修作業時にはこの外壁足場位置決め手段により外壁作業用足場を確実に位置決めしておくことができ、外壁作業用足場が不意に接離スライド移動してしまう不都合なく安全に作業を行うことができるなど、一層実用性に優れた構成の高架橋用移動式足場装置となる。
【0022】
また、請求項6,7記載の発明においては、スライド用レールに沿ってスライド移動可能なレール移動装置の構成、並びにレール移動装置と底壁作用用足場との連結構造を簡易構成にして容易に設計実現可能となり、特に請求項7記載の発明のように構成した場合には、既存のギヤードトロリを用いてレール移動装置を簡易に設計実現可能となるとともに、底壁作用用足場のスライド移動作業も作業者の手動操作で容易に行われるなど、一層実用性に優れた構成の高架橋用移動式足場装置となる。
【0023】
また、請求項8記載の発明においては、足場姿勢保持用ガイドが高架橋底壁部の下側壁面に下方から突き当たることにより、底壁作業用足場もこの底壁作業用足場に設けられている外壁作業用足場も作業者が作業し易い姿勢に確実に保持される一層実用性に優れた構成の高架橋用移動式足場装置となる。
【0024】
また、請求項9記載の発明においては、外壁足場用ガイドにより外壁作業用足場が高架橋に対し安定的にスライド移動可能となる一層実用性に優れた構成の高架橋用移動式足場装置となる。
【0025】
また、請求項10記載の発明においては、底壁作業用足場のスライド用レールに対するスライド移動を阻止して位置決め保持する足場スライド停止手段を備えているから、補修作業時にこの足場スライド停止手段により底壁作業用足場を(外壁作業用足場とともに)確実に位置決めておくことができ、底壁作業用足場や外壁作業用足場が不意に橋軸方向にスライド移動してしまう不都合なく安全に作業を行うことができるなど、一層実用性に優れた構成の高架橋用移動式足場装置となる。
【0026】
また、請求項11記載の発明においては、高架橋のスライド移動方向前側に障害突出物がある場合に、この障害突出物を避けて障害突出物を越えた前方の底壁部若しくは外壁部に延長用レールを設置する作業や、設置した前記延長用レールにレール移動装置を付け替える作業や、設置した延長用レールにレール移動装置を付け替える間底壁作業用足場を仮吊設するための仮吊装置を前記底壁部若しくは外壁部に設置する作業を、延長足場を利用して容易に行うことが可能となる一層実用性に優れた構成の高架橋用移動式足場装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本実施例の高架橋用移動式足場を高架橋に設置した状態を示す説明側面図である。
図2図1を、高架橋用移動式足場のスライド移動方向後側から見た説明図である。
図3図1に続いて、吊装置が通り過ぎたスライド用レールを順次取外しながら底壁作業用足場を橋軸方向にスライド移動させて、障害突出物を越えたスライド前方側の底壁部に延長足場を仮吊装置で吊設した状態を示す説明側面図である。
図4図3に続いて、取り外したスライド用レールを、延長用レールとして障害突出物を越えたスライド前方側の底壁部に設置した状態を示す説明側面図である。
図5図4に続いて、延長用レールにスライド用レールから取り外した吊装置を装着して、この延長用レールに装着された吊装置でも延長足場よりもスライド移動方向後側の作業用足場を吊設した状態を示す説明側面図である。
図6図5に続いて、底壁作業用足場をスライド移動させ、延長用レールを継足し設置するとともに、延長足場よりもスライド移動方向後側の作業用足場を仮吊装置で吊設した状態を示す説明側面図である。
図7図6に続いて、延長用レールにスライド用レールから取り外した吊装置を装着して、この延長用レールに装着された吊装置でも延長足場よりもスライド移動方向後側の作業用足場を吊設した状態を示す説明側面図である。
図8】足場姿勢保持用ガイドが障害突出物を避けて移動する様子を示す説明側面図である。
図9図7に続いて、外壁作業用足場が障害突出物を避けてスライド移動する様子を示す説明側面図である。
図10図9を、高架橋用移動式足場のスライド移動方向後側から見た説明図である。
図11図9の説明斜視図である。
図12図9に続いて、外壁作業用足場が障害突出物を越えた位置に至った状態を示す説明側面図である。
図13図12を、高架橋用移動式足場のスライド移動方向後側から見た説明図である。
図14】本実施例の高架橋用移動式足場のスライド用レールとレール移動装置との関係,足場姿勢保持用ガイド並びに足場スライド停止手段を示す説明斜視図である。
図15】本実施例の高架橋用移動式足場の接離スライド機構並びに外壁足場位置決め手段を示す説明斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の最適な実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示し簡単に説明する。
【0029】
本発明の高架橋用移動式足場装置Sは、高架橋1の底壁部2若しくは外壁部4に設置されたスライド用レール6に沿ってスライド移動するレール移動装置7に連結されていて、底壁作業用足場8が高架橋1の底壁部2の下方に配設され、外壁作業用足場9が高架橋1の外壁部4の外方に配設されている。
【0030】
即ち、底壁作業用足場8で高架橋1の底壁部2の下側壁面3に対して補修作業を行うことができ、外壁作業用足場9で高架橋1の外壁部4の外側壁面5に対して補修作業を行うことができる。
【0031】
この補修箇所での補修作業が終了したら、高架橋1の底壁部2若しくは外壁部4に設置されたスライド用レール6に沿ってレール移動装置7を移動させると、本高架橋用移動式足場装置Sが高架橋1の橋軸方向にスライド移動して隣の補修箇所(底壁部2の下側壁面3と外壁部4の外側壁面5)を補修可能となる。
【0032】
この補修・移動の作業を繰り返して、高架橋1の底壁部2の下側壁面3と外壁部4の外側壁面5の全範囲あるいは所定範囲を連続的に補修することができる。
【0033】
また、前記底壁作業用足場8に接離スライド機構10を介して設けられている前記外壁作業用足場9は、高架橋1外壁部4の外側壁面5に対して接近・離反方向にスライド移動可能である。
【0034】
そのため、高架橋1の外壁部4の外側壁面5には、障害突出物20が突出していることがあるが、本高架橋用移動式足場Sが橋軸方向にスライド移動する際にこの障害突出物20に外壁作業用足場9が接触してしまう場合には、外壁作業用足場9を接離スライド機構10により例えば外側壁面5に対して離反する方向にスライド移動させて障害突出物20を避けることで、この障害突出物20が邪魔にならずに(障害突出物20に外壁作業用足場9が接触することなく)本高架橋移動式足場を橋軸方向にスムーズにスライド移動させることができる。
【実施例0035】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0036】
本実施例の高架橋用移動式足場装置Sは、前記高架橋1の底壁部2に設置される(図示していないが外壁部4に設置される構成が採用されていても良い。)スライド用レール6と、このスライド用レール6に装着されてスライド用レール6に沿ってスライド移動するレール移動装置7と、このレール移動装置7に吊設されてレール移動装置7とともに前記スライド用レール6に沿ってスライド移動する作業用足場8とから構成されている。
【0037】
スライド用レール6は、図11図14に示すようなH型鋼6が採用されている。
【0038】
レール移動装置7は、吊装置7が採用され、この吊装置7に前記作業用足場8が吊設されていて、前記スライド用レール6に沿ったこの吊装置7の走行移動走行移動により前記作業用足場8が後述する外壁作業用足場9とともに高架橋1の橋軸方向にスライド移動し得るように構成されている。
【0039】
また、この吊装置7についてさらに説明すると、図11図14に示すように、前記H型鋼6に沿ってスライド走行移動可能な既存のギヤードトロリ7Aとプレントロリ7Bが採用され、このトロリ7に備わる吊チェーン31に作業用足場8が吊設されており、これらのうちのギヤードトロリ7Aの駆動用チェーン32を作業用足場8上の作業者が手動で操作することにより、この作業用足場8とともに後述する外壁作業用足場9が高架橋1の橋軸方向にスライド移動するように構成されている。
【0040】
作業用足場8は、QuikDeck(登録商標)と称される既存の吊り足場が採用されていて、前記高架橋1の橋軸方向に沿った前後方向に長さを有する平面視長方形状の作業床22の周囲に落下防止柵23が立設される形態に構成されており(以下、本実施例では、橋軸方向と平行な方向を作業用足場8の前後方向、橋軸方向と直交する方向を作業用足場8の左右方向と定めて説明する。)、複数の前記吊装置7の吊チェーン31に連結されて前記高架橋1の底壁部2の下方に吊り下げ状態に配設され、吊装置7により高架橋1の橋軸方向に移動させてこの底壁部2の下側壁面3に対し補修作業を行えるように構成、すなわち底壁作業用足場8として機能するように構成されている。
【0041】
また、この底壁作業用足場8は、前記高架橋1の橋脚11より前記外壁部4側に存して底壁部2の下方に配設される左右幅(橋軸方向と直交する方向の幅)を有する形状に形成されていて、この底壁作業用足場8が橋脚11に接触することなく前記スライド用レール6に沿って高架橋1の橋軸方向にスライド移動し得るように構成されている。
【0042】
また、この底壁作業用足場8には、前記高架橋1の外壁部4の外方に配設され、前記吊装置7により底壁作業用足場8とともに高架橋1の橋軸方向に移動させてこの外壁部4の外側壁面5に対し補修作業を行う外壁作業用足場9が立設状態に設けられている。
【0043】
さらに具体的には、前記底壁作業用足場8は、前記高架橋1の外壁部4側に配設される端部であって、前後方向の中ほどより後側をこの外壁部4より外方へ突出状態に延設してこの延設足場部分が連絡用足場12として構成されており、この連絡用足場12上に前記外壁作業用足場9が設けられて、外壁作業用足場9が外壁部4より外方へ突出状態に配設されているとともに、この連絡用足場12を介して作業者が底壁作業用足場8と外壁作業用足場9とを往来し得るように構成されている。尚、QuikDeck(登録商標)を底壁作業用足場8として採用している本実施例によれば、この連絡用足場12の構築も容易に行われる。
【0044】
また、本実施例の外壁作業用足場9は、上下二段に足場板24が配された縦長の枠状足場体に構成されているとともに、高架橋1に対して設置された際に前記外壁部4の高さと同等な高さ寸法を有する形状に形成されている。
【0045】
図中符号27は、外壁作業用足場9の中ほどより下方位置の前後二箇所と前後の前記走行用レール13の内側(高架橋1の橋脚11に近い側)位置との間に架設状態に設けられて外壁作業用足場9の立設状態を補強支持する支持桟、28は、支持桟27の両端部を外壁作業用足場9と走行用レール13とに連結するための連結具(自在型クランプ)である。
【0046】
このように外壁部4より外方へ配設される外壁作業用足場9を底壁作業用足場8(に連設する連絡用足場12)上に有することから、底壁作業用足場8は、外壁部4側に配設される側が重く、従って底壁作業用足場8には、その作業床22の外壁部4側が下方へ落ち込もうとする荷重が加わることになるが、本実施例では、前記底壁部2の下側壁面3の橋脚11寄り位置に下方から突き当たってこの下側壁面3に沿って走行可能な棒状の足場姿勢保持用ガイド17が、底壁作業用足場8の橋脚11配設側に設けられている(図2図10図13図14参照)。
【0047】
また、この足場姿勢保持用ガイド17についてさらに詳しく説明すると、図8図14に示すように、底壁作業用足場8の前記橋脚11に臨設する側の端部に、この底壁作業用足場8の前後方向に間隔を置いた数箇所に立設状態に設けられており、この足場保持用ガイド17のそれぞれの上端部には、前記底壁部2の下側壁面3の橋脚11寄り位置に下方から突き当たってこの下側壁面3に沿って走行可能な突き当りローラ25が設けられている。図中符号36は隣接する足場姿勢保持用ガイド17間に着脱自在に介在されて足場姿勢保持用ガイド17の隣接間隔を適正に保持するための介在桟である。
【0048】
また、この足場姿勢保持用ガイド17は、操作ハンドル26の正・逆回転操作により伸縮調整可能に構成されていて、底壁部2の下側壁面3に障害突出物20が存在している箇所では、前記介在桟36を取外しこの足場姿勢保持用ガイド17を短く縮めることによって障害突出物20を避けて移動し得るように構成されている(図8参照)。
【0049】
図中符号33は足場姿勢保持用ガイド17の補強桟である。
【0050】
また、前記外壁作業用足場9には、上部に前記高架橋1の外壁部4に沿ってスライド移動可能な外壁足場用ガイド16が設けられている(図2図10図13参照)。
【0051】
この外壁足場用ガイド16は、詳しく図示していないが、前記外壁部4の上端部に被嵌装着されて走行可能となる構成のものが採用されているとともに、後述する接離スライド機構10を介した外壁作業用足場9のスライド移動に対応して伸縮調整可能な構成が採用されている。
【0052】
また、本実施例の前記外壁作業用足場9は、前記高架橋1外壁部4の外側壁面5に対して接近・離反方向にスライド移動可能な接離スライド機構10を介して前記底壁作業用足場8に設けられている。
【0053】
具体的には、前記接離スライド機構10は、前記高架橋1の橋軸方向と直交する底壁作業用足場8の左右方向にレール長を有する二本の走行用レール13が前記連絡用足場12上の前後に平行に設置され、この二本の走行用レール13に沿って走行可能な車輪14が前記外壁作業用足場9下部の前後左右四箇所に設けられていて、この四箇所の車輪14を介して外壁作業用足場9が前記高架橋1の外壁部4の外側壁面5に対し安定的に接近・離反スライド移動するように構成されている(図15参照)。
【0054】
また、この外壁作業用足場9の前記外壁部4に対する接離スライド移動を阻止して位置決め保持する外壁足場位置決め手段15を備えている。
【0055】
この外壁足場位置決め手段15について具体的に説明すると、前記外壁作業用足場9下部の前記四箇所の車輪14に対応する前後左右四箇所に、前記走行用レール13を跨ぐようにして配設される略コ字状の脚枠34が垂設され、この脚枠34には、締緩操作により走行用レール13に対し螺動接離する締付ボルト35が螺着されていて、この締付ボルト35を締付操作により走行用レール13に圧接させると、外壁作業用足場9の前記外壁部4に対する接離スライド移動が阻止されて外壁作業用足場9が位置決め状態となり、締付ボルト35を緩めて走行用レール13から離間させると、外壁作業用足場9が前記接離スライド機構10を介して前記外壁部4に対し接離スライド移動可能となるように構成されている。
【0056】
本実施例の高架橋用移動式足場装置Sは、前記底壁作業用足場8の前記スライド用レール6に対するスライド移動を阻止して位置決め保持する足場スライド停止手段18を備えている。
【0057】
具体的には、本実施例では、前記吊装置7を前記スライド用レール6に複数個(図面は左右のスライド用レール6に夫々五個ずつ)装着するが、隣接する吊装置7間には、間隔保持桟29が着脱自在に架設されていて、この間隔保持桟29によって複数の吊装置7の隣接間隔が適正間隔に保持されるように構成されており、この間隔保持桟29に前記足場スライド手段18が設けられている。
【0058】
この足場スライド停止手段18は、前記間隔保持桟29の上部に圧接部18が突設されているとともに、この圧接部18は、回転ハンドル30の正・逆回転操作により突没制御可能に構成されていて、この圧接部18を前記スライド用レール6に圧接させることで底壁作業用足場8の前記スライド用レール6に対するスライド移動が阻止されて位置決め保持され、圧接部18のスライド用レール6への圧接状態を解除することで底壁作業用足場8がスライド用レール6に対しスライド移動可能となるように構成されている。
【0059】
また、本実施例の前記底壁作業用足場8は、前記スライド用レール6に沿ったスライド移動方向前側の端部に、このスライド移動方向前側の障害物20を越えた前方の前記底壁部2若しくは外壁部4に延長用レール6Aを設置する作業,設置した前記延長用レール6Aに前記吊装置7を付け替える作業,若しくは設置した前記延長用レール6に前記吊装置7を付け替える間底壁作業用足場8を仮吊設するための仮吊装置21を前記底壁部2に設置する作業を行うための延長足場19が延設されている。
【0060】
この延長足場19は、底壁作業用足場8に予め設けてあっても良いし、底壁作業用足場8の前側が障害突出物20付近に至ったところで、底壁作業用足場8のスライド移動方向前側に構築するようにしても良く、この延長足場19構築作業も、QuikDeck(登録商標)を底壁作業用足場8として採用している本実施例によれば容易に行われる。
【0061】
また、この延長足場19は、図3に示すように、底壁作業用足場8の最もスライド移動方向前側を吊設している吊装置7が障害突出物20に近接するスライド用レール6の端部に至った際に、障害突出物20を越えたスライド前方側に至り、この延長足場19上で障害突出物20を越えたスライド前方側の前記底壁部2に延長用レール6Aを設置することが可能な延設長を有するものに設定構成されている。
【0062】
次に、上述のように構成した本実施例の高架橋用移動式足場Sのスライド移動工法を説明する。尚、図面は新幹線の高架橋1を示しており、この高架橋1には、橋軸方向に間隔を置いて電化柱が設けられている。また、この電化柱は、底壁部2の下側壁面3から外壁部4の外側壁面5にかけて外方へ突出状態に設けられており、本実施例では、この電化柱を障害突出物20として説明する。
【0063】
先ず、高架橋1底壁部2の、橋脚11より外壁部4側の内外(左右)二箇所に間隔を置いて、例えばアンカーを使用するなどして前記スライド用レール6を互いに平行関係にして設置する(図2参照)。
【0064】
また、スライド用レール6は、所定長のものが複数継ぎ足されることによって長尺レールに形成されるものが採用されている。
【0065】
次いで、左右のスライド用レール6に夫々五個ずつ前記吊装置7としてのトロリ7を装着し、この合計十個のトロリ7で前記底壁作業用足場8を安定的に吊設して、このトロリ7とともにスライド用レール6に沿って底壁作業用足場8をスライド移動可能に設置する(図1参照)。
【0066】
また、合計十個のトロリ7のうちのいくつかはギヤードトロリ7Aとし、残りをプレントロリ7Bとして、ギヤードトロリ7Aの駆動用チェーン32を底壁作業用足場8上の作業者が手動で操作することにより、この作業用足場8とともに後述する外壁作業用足場9を高架橋1の橋軸方向にスライド移動させることができるようにし、高架橋用移動式足場装置Sを高架橋1の橋軸方向にスライド移動させて高架橋1の底壁部2並びに外壁部4を順次補修していく。
【0067】
底壁作業用足場8の最もスライド移動前方側を吊設している吊装置7が障害突出物20(電化柱)に近接するスライド用レール6の端部に至り、これ以上スライド移動できない状況となったら、以下の第一工程と、第二工程と、第三工程を順次繰り返し行う。
【0068】
第一工程について説明すると、前記底壁作業用足場8のスライド移動方向前側端部に設けられている延長足場19上で前記障害突出物20を越えたスライド前方側の前記底壁部2に延長用レール6Aを設置する。
【0069】
具体的には、底壁作業用足場8の最もスライド移動前方側を吊設している吊装置7がスライド移動できないスライド用レール6の端部に至ったら、障害突出物20を越えたスライド前方側に至っている延長足場19部分をレバーブロック(登録商標)21を採用した仮吊装置21で吊設して延長足場19の安定化を図り、それからこの延長足場19上で作業者が障害突出物20を越えたスライド前方側の前記底壁部2に延長用レール6Aを設置する。
【0070】
また、この延長用レール6Aは、底壁作業用足場8の高架橋1橋軸方向へのスライド移動により前記吊装置7が通り過ぎたスライド用レール6を前記底壁部2から取外し(図3参照)、この取り外したスライド用レール6を延長用レール6Aとして再利用する(図4参照)。尚、延長用レール6Aは、スライド用レール6の再利用でなく新規のレール材を設置していくようにしても良い。また、本実施例は、底壁作業用足場8(と外壁作業用足場9)のスライド移動と同時に吊装置7が通り過ぎたスライド用レール6を回収していく工法を示しているが、このような移動途中での回収を行わずに、作業終了後底壁作業用足場8を作業開始位置まで戻り動させる際に延長用レール6A(スライド用レール6)を回収するようにしても良い。
【0071】
第二工程について説明すると、前記障害突出物20と最も接近している吊装置7を前記スライド用レール6から取り外し、(この際前記間隔保持桟29も取外し、)この取り外した吊装置7を前記延長用レール6Aに装着して、この延長用レール6Aに装着された吊装置7でも前記延長足場19よりもスライド移動方向後側の前記作業用足場8を吊設する(図5参照)。
【0072】
第三工程について説明すると、最初にスライド用レール6から取り外した吊装置7の次に障害突出物20と接近していた吊装置7が、障害突出物20(電化柱)に近接するスライド用レール6の端部に至るまで、前記延長用レール6Aとスライド用レール6に沿って前記吊装置7とともに前記作業用足場8を前記障害突出物20を越えた橋軸方向前方側へとスライド移動させる。
【0073】
この第三工程が終了したら、続いて前記第一工程を行い、第一工程が終了したら、例えば、障害突出物20を越えたスライド前方側に至っている底壁作業用足場8部分をレバーブロック(登録商標)21を採用した仮吊装置21で吊設して底壁作業用足場8の安定化を図り、それから前記第二工程、すなわち前記障害突出物20と最も接近している吊装置7を前記スライド用レール6から取り外し、この取り外した吊装置7を前記延長用レール6Aに装着して、この延長用レール6Aに装着された吊装置7でも前記延長足場19よりもスライド移動方向後側の前記作業用足場8を吊設し(図7参照)、その後前記第三工程を行う。
【0074】
次いで、この第一工程と第二工程と第三工程とを、前記作業用足場8のスライド移動方向の後側端部が前記障害突出物20を越えた橋軸方向前方側に至るまで、言い換えると、スライド移動開始前に前記障害突出物20と最も離間していた前記吊装置7を前記スライド用レール6から取り外して前記延長用レール6Aに装着するまで順次繰り返す。
【0075】
また、途中、外壁作業用足場9が障害突出物20(電化柱)に接触してしまう場合には、前記外壁足場位置決め手段15(連結具28の支持桟27の締め付け固定)を解除し、前記接離スライド機構10を介して外壁作業用足場9を前記外壁部4の外側壁面5より離反する方向にスライド移動させ障害突出物20を避けた状態で橋軸方向にスライド移動させる(図9図11参照)。
【0076】
この際、前記外壁足場位置決め手段15で外壁作業用足場9を位置決めしておくことにより、この外壁作業用足場9で障害突出物20を補修することもできる。
【0077】
外壁作業用足場9が障害突出物20を越えたら、前記接離スライド機構10を介して外壁作業用足場9を前記外壁部4の外側壁面5に接近する方向にスライド移動させる(図11図12参照)。
【0078】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0079】
1 高架橋
2 底壁部
3 下側壁面
4 外壁部
5 外側壁面
6 スライド用レール
6A 延長用レール
7 レール移動装置・吊装置
7A ギヤードトロリ
8 底壁作業用足場
9 外壁作業用足場
10 接離スライド機構
11 橋脚
12 連絡用足場
13 走行用レール
14 車輪
15 外壁足場位置決め手段
16 外壁足場用ガイド
17 足場姿勢保持用ガイド
18 足場スライド停止手段
19 延長足場
20 障害突出物
21 仮吊装置
S 高架橋用移動式足場装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2020-06-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図12
【補正方法】変更
【補正の内容】
図12