(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022117799
(43)【公開日】2022-08-12
(54)【発明の名称】間仕切り装置
(51)【国際特許分類】
E04B 2/74 20060101AFI20220804BHJP
F24F 7/003 20210101ALI20220804BHJP
【FI】
E04B2/74 541E
E04B2/74 531J
E04B2/74 561L
F24F7/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021014504
(22)【出願日】2021-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】593012310
【氏名又は名称】菱熱工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101856
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 日出夫
(72)【発明者】
【氏名】女屋 哲意
(57)【要約】
【課題】より低コストに間仕切り機能と空気清浄機能とを併用することができる間仕切り装置を提供する。
【解決手段】上下方向及び側方向に延在する略板状に形成された板状部材11と、板状部材11における側方向両端部のそれぞれから下方に突出するように形成された2つの長尺部材101と、空気清浄装置2の両側面のそれぞれに着脱可能に構成され、2つの長尺部材101のそれぞれが上方から挿通可能に形成された2つの取付部13とを備えた。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向及び側方向に延在する略板状に形成された板状部材と、
前記板状部材における側方向両端部のそれぞれから下方に突出するように形成された2つの長尺部材と、
空気清浄装置の両側面のそれぞれに着脱可能に構成され、前記2つの長尺部材のそれぞれが上方から挿通可能に形成された2つの取付部と
を備える間仕切り装置。
【請求項2】
前記2つの取付部のそれぞれは、前記長尺部材が挿通される挿通孔を画成する被挿通部と、該被挿通部から前方、後方に突出する2つの基部とを有することを特徴とする請求項1に記載の間仕切り装置。
【請求項3】
前記被挿通部は、前記空気清浄装置の側面と協働して前記挿通孔を画成するように形成されることを特徴とする請求項2に記載の間仕切り装置。
【請求項4】
前記2つの基部のそれぞれは、前記空気清浄装置の側面にネジ止め可能に形成されることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の間仕切り装置。
【請求項5】
前記板状部材の下方、且つ前記2つの長尺部材の間に設けられ、側方向に延在するように形成されて前記板状部材と前記空気清浄装置との間を閉塞する弾性部材を更に備えることを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の間仕切り装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空間を区画する間仕切り装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
公共、私設の施設における室内空間を分割する間仕切り装置が従来から知られている。このような間仕切り装置は、室内空間を複数の私的な空間に分割するために用いられている。また、近年、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に対する防止策として、特に病院などの公共施設において、室内空間の浮遊飛沫を遮断するために間仕切り装置が用いられるケースが増加している。このようなケースにおいては、一般的に、間仕切り装置だけでなく、空気中のウイルスを除去することができるフィルタを備えた空気清浄機も併用され、浮遊飛沫の遮断と空気の清浄とが同時に行われる。
【0003】
なお、関連する技術として、間仕切り板における下部の枠体に空気の吸引口を設けるとともに、上部の枠体に空気の放出口を設け、吸気口と放出口とを通気管で接続した経路内に除菌装置を設けた間仕切り型除菌装置、が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の間仕切り型除菌装置は、間仕切り板と除菌装置とが分離不能に構成されており、間仕切り機能と空気清浄機能とを併用するに際して、一般的な空気清浄装置を流用することができず、導入コストが高くなる、という問題があった。
【0006】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、より低コストに間仕切り機能と空気清浄機能とを併用することができる間仕切り装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、上下方向及び側方向に延在する略板状に形成された板状部材と、前記板状部材における側方向両端部のそれぞれから下方に突出するように形成された2つの長尺部材と、空気清浄装置の両側面のそれぞれに着脱可能に構成され、前記2つの長尺部材のそれぞれが上方から挿通可能に形成された2つの取付部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、より低コストに間仕切り機能と空気清浄機能とを併用することができる間仕切り装置を実現できる。本発明のその他の効果については、以下の発明を実施するための形態の項でも説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】空気清浄装置に取り付けられた間仕切り装置を示す正面図である。
【
図2】空気清浄装置に取り付けられた間仕切り装置を示す側面図である。
【
図3】空気清浄装置に取り付けられた間仕切り装置を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0011】
(間仕切り装置及び空気清浄装置の概略構成)
間仕切り装置及びこの間仕切り装置が装着される空気清浄装置の概略構成について説明する。
図1~
図3は、それぞれ、空気清浄装置に装着された間仕切り装置を示す正面図、側面図、平面図である。
図4~
図6は、それぞれ、空気清浄装置の構成を示す正面図、背面図、側面図である。
【0012】
図1~
図3に示すように、本実施形態に係る間仕切り装置1は、支持枠体10と、板状部材11と、弾性部材12と、2つの取付部13とを備え、後に詳述するように空気清浄装置2に着脱可能に構成されるとともに、空気清浄装置2の横幅に対応した横幅に構成される。
【0013】
支持枠体10は、2つの側部枠体101と、1つの上部枠体102と、1つの下部枠体103とを有する。側部枠体101、上部枠体102、下部枠体103は、いずれも長尺に形成された部材である。2つの側部枠体101は、間仕切り装置1が空気清浄装置2に取り付けられた取付状態において、その長尺方向が上下方向を向くように配される。上部枠体102は、取付状態においてその長尺方向が水平方向を向くように配され、2つの側部枠体101をこれらの上端部で接続する。
【0014】
下部枠体103は、取付状態においてその長尺方向が水平方向を向くように配され、上部枠体102による接続位置よりも下方側、且つ2つの側部枠体101の下端よりも上方側に位置付けられて2つの側部枠体101を接続する。下部枠体103が2つの側部枠体101の下端よりも上方側に位置付けられることによって、支持枠体10は、全体として、2つの長尺部材が下方に突出した枠状に構成される。
【0015】
板状部材11は、枠状に構成される支持枠体10に囲繞される領域を閉塞する板状に形成された部材であり、本実施形態においては、透過性を有するアクリルパネルである。なお、板状部材11は、透過性を有さない材質も含めた如何なる材質により形成されたものであっても良い。弾性部材12は、シリコンゴムなどの可撓性を有する材質によって形成され、下部枠体103の底面において2つの側部枠体101を互いに接続するように設けられる。
【0016】
なお、上部枠体102、下部枠体103、板状部材11、弾性部材12は、いずれも空気清浄装置2の横幅、具体的には、後述する空気清浄装置2の筐体20において上面を構成する天板部の横幅と略同等の横幅となるように形成されるものとする。
【0017】
図4~
図6に示すように、本実施形態に係る空気清浄装置2は、筐体20と、4つのキャスタ21と、フィルタ22と、ファン23とを備える。筐体20は、全体として略直方体状に形成されて内部空間を画成し、この内部空間内にフィルタ22とファン23とを収容する。筐体20の前面には吸気口201が形成され、筐体20の背面には排気口202が形成される。吸気口201、排気口202は、いずれも内部空間と筐体20の外部とを流体的に連通させる複数の孔として形成される。
【0018】
ファン23は、吸気口201から筐体20の外部の空気を吸気し、排気口202から筐体20の外部へ空気を排気する。フィルタ22は、吸気口201から吸気された空気中の塵埃を除去する部材である。なお、フィルタ22は、例えばHEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタのようなウイルスを含む飛沫を捕集可能なフィルタであることが望ましい。
【0019】
筐体20の底面には4つのキャスタ21が装着され、これによって、空気清浄装置2が移動可能に構成される。筐体20の両側面のそれぞれには、間仕切り装置1を空気清浄装置2に取り付けるための2つの取付部13が装着される。2つの取付部13によれば、後に詳述するように、筐体20の両側面に2つの側部枠体101を上方から挿入することによって、間仕切り装置1を空気清浄装置2に取り付けることができる。また、取付状態においては、弾性部材12が筐体20の上面に密着することによって、筐体20と下部枠体103との間隙が閉塞される。なお、弾性部材12は省略されても良く、この場合、下部枠体103が筐体20の上面に接触する。
【0020】
(取付部の構成)
取付部の構成について説明する。
図7、
図8は、それぞれ、取付部の構成を示す側面図、正面図である。なお、2つの取付部は同様に構成されるため、以下の説明においては、2つの取付部のうち一方の取付部のみを代表して説明するものとする。
図7、
図8は、
図1中左側の取付部のみを示す。
【0021】
図7、
図8に示すように、取付部13は、空気清浄装置2の筐体20における側面に取り付けられた状態において、全体として、前後方向及び上下方向に延在するとともに上下方向に長尺な略板状に形成される部材である。取付部13は、2つの基部131と、1つの被挿通部132とを有し、これらは、1つの板状部材を折り曲げることによって形成される。
【0022】
2つの基部131は、それぞれ、被挿通部132を挟み込むように前方、後方に延在し、複数の取付ネジ133によってネジ止めされて筐体20の側面に取り付けられる。被挿通部132は、基部131が筐体20に取り付けられた際に、上下方向に貫通し、上方から側部枠体101が挿通される挿通孔を、筐体20の側面と協働して画成する。
【0023】
本実施形態において、側部枠体101は断面方形状に形成され、被挿通部132は、板状部材において2つの基部131に挟まれた一部分が、断面コ字状に折り曲げられることによって形成される。側部枠体101は、被挿通部132の正面側から挿通孔に挿入される固定ネジ134によって取付部13に固定される。側部枠体101の正面には上下方向に延びる溝101aが形成される。固定ネジ134のネジ先が溝101aの底部に当接するように固定ネジ134が被挿通部132にネジ止めされることによって、側部枠体101が取付部13に対して強固に固定される。
【0024】
本実施形態に係る間仕切り装置1によれば、筐体20の前面に吸気口201が形成され、背面に排気口202が形成される一般的または汎用的な空気清浄装置2に間仕切り機能を付加することができる。これによって、間仕切り機能と空気清浄機能とを併用する際に掛かるコストを低減させることができる。
【0025】
間仕切り装置1が取り付けられた空気清浄装置2によれば、室内空間が複数の空間に間仕切られた状況において、一方の空間から他方の空間への飛沫の移動を間仕切り機能により制限し、且つ空気を清浄化しつつ室内空間の空気を流動させることができる。
【0026】
なお、本実施形態において、2つの側部枠体101を接続する上部枠体102及び下部枠体103を間仕切り装置1が備えるものとしたが、間仕切り装置1は、板状部材11の側方向両端部において下端から長尺の部材が下方に突出するように構成されたものであれば良い。
【0027】
本発明は、その要旨または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の実施形態は、あらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、何ら拘束されない。更に、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、全て本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0028】
1 間仕切り装置
2 空気清浄装置
11 板状部材
13 取付部
101 側部枠体(長尺部材)