(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022117823
(43)【公開日】2022-08-12
(54)【発明の名称】紙ストローの製造方法
(51)【国際特許分類】
A47G 21/18 20060101AFI20220804BHJP
B32B 1/08 20060101ALI20220804BHJP
B32B 27/10 20060101ALI20220804BHJP
B32B 37/00 20060101ALI20220804BHJP
【FI】
A47G21/18
B32B1/08 A
B32B27/10
B32B37/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021014542
(22)【出願日】2021-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】514074795
【氏名又は名称】佐藤 勇
(74)【代理人】
【識別番号】100074251
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 寛
(74)【代理人】
【識別番号】100080274
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 仁義
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 勇
【テーマコード(参考)】
3B115
4F100
【Fターム(参考)】
3B115AA11
3B115BA18
3B115DA09
3B115DA17
3B115EA03
4F100AJ02B
4F100AK01A
4F100AK01C
4F100AK04A
4F100AK04C
4F100BA03
4F100BA06
4F100BA10A
4F100BA10C
4F100DA11
4F100DG10B
4F100EJ25
4F100GB23
4F100GB71
4F100GB90
4F100JB16A
4F100JB16C
4F100JL12A
4F100JL12C
(57)【要約】
【課題】短時間に多数形成できるようにした安価で従来の紙ストローより全てに勝る紙ストローの製造方法を提供する。
【解決手段】
ヒートシール能を有する熱可塑性樹脂を両面にラミネートした細長い紙や植物性の素材による板紙を、ストロー状に丸め内部に細長い棒状体を挿入し、トンネル内を移送し、トンネルを出たところで、回転式超音波接着機によって、超音波接着することによって、短時間に多数形成でき、従来より安価で従来の紙ストローより全てに勝る紙ストローを形成した。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒートシール能を有する熱可塑性樹脂を両面にラミネートした細長い紙や植物性の素材による板紙を、ストロー状に丸め内部に細長い棒状体を挿入し、トンネル内を移送し、トンネルを出たところで、回転式超音波接着機によって、超音波接着することを特徴とする紙製ストローの製造方法。
【請求項2】
前記棒状体は、超音波接着する迄は、挿入しておく請求項1記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、紙製・植物性等の素材によるストローの製造方法に係り、詳記すれば、1枚の紙から容易に紙ストローに形成できる紙ストローの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
環境保護に対する高まりを受け、プラスチック製ストローを廃止する動きが海外に広がっている。紙製ストローも市販されているが、高価であるだけでなく、他の欠点も多い商品であった。
紙ストローは、従来薄い紙3枚を積み重ね、ストローの長さに応じた長方形の原紙を細長い円筒状に、カール巻き接着方法(強度維持のため)で成形していた。
【0003】
しかしながら、この接着成形方法では、(1)耐水性に弱く短時間で使用不可になる、(2)吸い口の先の表面が紙であるため、口元がベト付き不快である、(3)接着剤使用であるため、有害性に対する不安、(4)価格が高い(プラスチック製に比べ大幅に高い)等、ユーザーにとって大変不快な面が多かった。
【0004】
このような商品でも、地球環境に悪いプラスチック製ストローに対抗して、今まで流通してきた。特に価格面では、従来品では強度維持のため原紙(植物性を含む)を3重(約100g/m2×3)に重ねる必要があったので、極めて高価になった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、このような問題点を全て解決した、紙ストローの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明者は、鋭意研究の結果、回転式超音波接着方法を応用することにより、本発明に到達した。
【0007】
即ち本発明は、ヒートシール能を有する熱可塑性樹脂をラミネートした細長い紙や植物性の素材による板紙を、ストロー状に丸め内部に細長い棒状体を挿入し、トンネル内を移送し、トンネルを出たところで、回転式超音波接着機によって、超音波接着することを特徴とする。
前記棒状体は、超音波接着する迄は、挿入しておくのが好ましい(請求項2)。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、極めて短時間に紙ストローを多数形成でき、材料費(原紙及びラミネート材)が少なく済むので、驚くほど極めて安価に紙ストローを形成できる。本発明のストローは、1枚の紙であるので従来の1/3の材料費で済み、接着材を使用せず、原紙両面に熱可塑性樹脂をラミネートしているので、耐水性に優れ、ストローの口当たりが滑らかで、従来品のような不快感がない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の紙ストローを製造する状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0010】
1・・・・・・板紙(植物性を含む)
2・・・・・・丸める(円筒状)
3・・・・・・軸受け
4・・・・・・円盤形の工具ホーン
5・・・・・・紙ストロー
6・・・・・・棒状体(芯棒)
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の実施の形態を説明する。
【0012】
図1は、本発明の紙ストローの製造方法を示す斜視図であり、円盤形の工具ホーン4が軸受け3,3で支えられて回転する。工具ホーン4の下方には、紙ストロー送りを行うローラー7が位置している。
ヒートシール能を有する熱可塑性樹脂を両面にラミネートした細長い紙をストロー状に丸め、内部に細長い棒状体6を挿入し、トンネル内を移送し、トンネルを出たところで、回転式超音波接着機によって、超音波を照射して貼着させる。回転式超音波接着機によって、押圧接着するので、棒状体6は、この位置までは挿入しておく。紙ストローの形状を維持する為である。ローラー7によって移送されてきた紙ストロー5は、ストローの長さに切断する。図では、トンネル内を移送するまでは省略している。
従来の超音波接着方法(一旦止めて接着)でなく、回転式により、スピードを一切止めることなく接着することにより、本発明が可能になった。
【0013】
熱可塑性樹脂としては、PE(ポリエチレン)、PLA(植物性樹脂)等を使用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0014】
本発明の方法によって、製造コストも安く、材料取り(量)が少なくて済むため、安価な紙製ストローを提供でき、従来の耐水性の問題を無くし、接着剤(有害性)使用もなく、口当たりもよく、従来の紙ストローより全ての点で優っているので、その利用が期待される。