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特開2022-117870キャッシュサーバ、コンテンツ提供システム、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022117870
(43)【公開日】2022-08-12
(54)【発明の名称】キャッシュサーバ、コンテンツ提供システム、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/10 20130101AFI20220804BHJP
   G06F 16/907 20190101ALI20220804BHJP
   G06F 16/172 20190101ALI20220804BHJP
【FI】
G06F21/10
G06F16/907
G06F16/172
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021014627
(22)【出願日】2021-02-01
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 直
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175FB03
(57)【要約】
【課題】コンテンツを利用するためのライセンスを効率的に管理できるようにする。
【解決手段】キャッシュサーバは、サーバから受信したコンテンツを記憶する記憶部と、端末装置からコンテンツを特定する情報を含むリクエスト情報を取得するリクエスト取得部と、リクエスト情報により特定されるコンテンツを記憶部から読み出して端末装置に送信するコンテンツ送信部と、記憶部に記憶されたコンテンツの保存期間が所定の有効期限内にあるか否かを判定するキャッシュ期限管理部と、保存期間が有効期限を超えた場合に、サーバに対してコンテンツの更新を要求する更新要求処理を行う更新処理部と、更新要求処理の対象となるコンテンツの更新がサーバにより拒否された場合に、更新が拒否されたコンテンツを使用するためのライセンスが無効となっていることを端末装置に通知する通知部と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバから受信したコンテンツを記憶する記憶部と、
端末装置から前記コンテンツを特定する情報を含むリクエスト情報を取得するリクエスト取得部と、
前記リクエスト情報により特定される前記コンテンツを前記記憶部から読み出して前記端末装置に送信するコンテンツ送信部と、
前記記憶部に記憶された前記コンテンツの保存期間が所定の有効期限内にあるか否かを判定するキャッシュ期限管理部と、
前記保存期間が前記有効期限を超えた場合に、前記サーバに対して前記コンテンツの更新を要求する更新要求処理を行う更新処理部と、
前記更新要求処理の対象となる前記コンテンツの更新が前記サーバにより拒否された場合に、更新が拒否された前記コンテンツを使用するためのライセンスが無効となっていることを前記端末装置に通知する通知部と、
を備えるキャッシュサーバ。
【請求項2】
前記更新処理部は、前記保存期間が所定の最大保存期間を超えたか、又は前記コンテンツが作成又は変更された日からの経過期間に対する前記保存期間の割合が所定値を超えた場合に、前記更新要求処理を行う、
請求項1に記載のキャッシュサーバ。
【請求項3】
前記更新処理部は、前記保存期間が所定の最小保存期間に満たない場合には前記更新要求処理を行わない、
請求項1又は2に記載のキャッシュサーバ。
【請求項4】
前記リクエスト情報は、前記コンテンツの内容が変更されたか否かを判定可能にする情報を含む、
請求項1~3のいずれか1項に記載のキャッシュサーバ。
【請求項5】
キャッシュサーバと端末装置とがネットワークを介して接続されたコンテンツ提供システムであって、
前記キャッシュサーバは、
サーバから受信したコンテンツを記憶する記憶部と、
端末装置から前記コンテンツを特定する情報を含むリクエスト情報を取得するリクエスト取得部と、
前記リクエスト情報により特定される前記コンテンツを前記記憶部から読み出して前記端末装置に送信するコンテンツ送信部と、
前記記憶部に記憶された前記コンテンツの保存期間が所定の有効期限内にあるか否かを判定するキャッシュ期限管理部と、
前記保存期間が前記有効期限を超えた場合に、前記サーバに対して前記コンテンツの更新を要求する更新要求処理を行う更新処理部と、
前記更新要求処理の対象となる前記コンテンツの更新が前記サーバにより拒否された場合に、更新が拒否された前記コンテンツを使用するためのライセンスが無効となっていることを前記端末装置に通知する通知部と、
を備える、
コンテンツ提供システム。
【請求項6】
前記端末装置は、前記通知部からの通知に基づき前記コンテンツのライセンスが無効になっていることを示す情報を出力する、
請求項5に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項7】
コンピュータに、
サーバから受信したコンテンツを記憶装置に記憶させる処理と、
端末装置から前記コンテンツを特定する情報を含むリクエスト情報を取得する処理と、
前記リクエスト情報により特定される前記コンテンツを前記記憶装置から読み出して前記端末装置に送信する処理と、
前記記憶装置に記憶された前記コンテンツの保存期間が所定の有効期限内にあるか否かを判定する処理と、
前記保存期間が前記有効期限を超えた場合に、前記サーバに対して前記コンテンツの更新を要求する更新要求処理と、
前記更新要求処理の対象となる前記コンテンツの更新が前記サーバにより拒否された場合に、更新が拒否された前記コンテンツを使用するためのライセンスが無効となっていることを前記端末装置に通知する処理と、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、キャッシュサーバ、コンテンツ提供システム、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータネットワークを介して様々なデジタルコンテンツを複数の端末装置に配信するシステムが利用されている。また、このようなシステムにおいて、コンテンツを配信するコンテンツサーバと端末装置との間に介在し、コンテンツをキャッシュするキャッシュサーバが利用されている。キャッシュサーバを利用することで、端末装置はコンテンツサーバに直接アクセスすることなく、キャッシュサーバからコンテンツを受信できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-173876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなコンテンツには、その使用を許可するライセンスが設定される場合がある。このような場合、ライセンスの有効期限が切れていると、ユーザはコンテンツを利用できなくなる。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、コンテンツを利用するためのライセンスを効率的に管理することが可能なキャッシュサーバ、コンテンツ提供システム、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様に係るキャッシュサーバは、サーバから受信したコンテンツを記憶する記憶部と、端末装置から前記コンテンツを特定する情報を含むリクエスト情報を取得するリクエスト取得部と、前記リクエスト情報により特定される前記コンテンツを前記記憶部から読み出して前記端末装置に送信するコンテンツ送信部と、前記記憶部に記憶された前記コンテンツの保存期間が所定の有効期限内にあるか否かを判定するキャッシュ期限管理部と、前記保存期間が前記有効期限を超えた場合に、前記サーバに対して前記コンテンツの更新を要求する更新要求処理を行う更新処理部と、前記更新要求処理の対象となる前記コンテンツの更新が前記サーバにより拒否された場合に、更新が拒否された前記コンテンツを使用するためのライセンスが無効となっていることを前記端末装置に通知する通知部と、を備えるものである。
【0007】
本発明の第2態様に係るコンテンツ提供システムは、キャッシュサーバと端末装置とがネットワークを介して接続され、前記キャッシュサーバは、サーバから受信したコンテンツを記憶する記憶部と、端末装置から前記コンテンツを特定する情報を含むリクエスト情報を取得するリクエスト取得部と、前記リクエスト情報により特定される前記コンテンツを前記記憶部から読み出して前記端末装置に送信するコンテンツ送信部と、前記記憶部に記憶された前記コンテンツの保存期間が所定の有効期限内にあるか否かを判定するキャッシュ期限管理部と、前記保存期間が前記有効期限を超えた場合に、前記サーバに対して前記コンテンツの更新を要求する更新要求処理を行う更新処理部と、前記更新要求処理の対象となる前記コンテンツの更新が前記サーバにより拒否された場合に、更新が拒否された前記コンテンツを使用するためのライセンスが無効となっていることを前記端末装置に通知する通知部と、を備えるものである。
【0008】
本発明の第3態様に係るプログラムは、コンピュータに、サーバから受信したコンテンツを記憶装置に記憶させる処理と、端末装置から前記コンテンツを特定する情報を含むリクエスト情報を取得する処理と、前記リクエスト情報により特定される前記コンテンツを前記記憶装置から読み出して前記端末装置に送信する処理と、前記記憶装置に記憶された前記コンテンツの保存期間が所定の有効期限内にあるか否かを判定する処理と、前記保存期間が前記有効期限を超えた場合に、前記サーバに対して前記コンテンツの更新を要求する更新要求処理と、前記更新要求処理の対象となる前記コンテンツの更新が前記サーバにより拒否された場合に、更新が拒否された前記コンテンツを使用するためのライセンスが無効となっていることを前記端末装置に通知する処理と、を実行させるものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、コンテンツを利用するためのライセンスを効率的に管理することが可能なキャッシュサーバ、コンテンツ提供システム、及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態に係るコンテンツ提供システムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係るキャッシュサーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係るキャッシュサーバの機能構成の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る更新要求処理及びライセンスの無効通知を行う際の処理の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、実施形態に係るキャッシュ有効期限とライセンスの有無とキャッシュデータの利用可否との関係の一例を示すテーブルである。
図6図6は、実施形態に係るリクエストヘッダの一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係るコンテンツ提供システムにおいてライセンスが有効である場合における処理の一例を示すシーケンス図である。
図8図8は、実施形態に係るコンテンツ提供システムにおいてライセンスが無効である場合における処理の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、並びに当該構成によってもたらされる作用、結果、及び効果は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能であるとともに、基本的な構成に基づく種々の効果や派生的な効果のうち、少なくとも一つを得ることが可能である。
【0012】
図1は、実施形態に係るコンテンツ提供システム1の構成の一例を示す図である。コンテンツ提供システム1は、コンテンツサーバ11(サーバ)、キャッシュサーバ12、及び複数のクライアント端末13(端末装置)を含む。
【0013】
コンテンツサーバ11は、コンピュータネットワークを介して所定のコンテンツを配信する情報処理装置であり、例えばWebサーバ等であり得る。なお、「コンテンツ」は、クライアント端末13に所定の機能を実現させるためのソフトウェア、データ等を意味するものとする。コンテンツの種類は限定されるべきものではないが、例えば、学生等のユーザがクライアント端末13上で教材等を閲覧できるようにするソフトウェア、データ等であり得る。
【0014】
キャッシュサーバ12は、コンテンツサーバ11から配信されたコンテンツをキャッシュする情報処理装置である。ここで例示するキャッシュサーバ12は、インターネット等の外部ネットワーク14を介してコンテンツサーバ11と通信可能に接続し、LAN(Local Area Network)、WLAN(Wireless Local Area Network)等の内部ネットワーク15を介して複数のクライアント端末13のそれぞれと通信可能に接続されている。キャッシュサーバ12は、MIB(Management Information Base)等を利用して各クライアント端末13を管理するための処理を実行する。
【0015】
クライアント端末13は、コンテンツサーバ11から配信されるコンテンツを利用して所定の機能を実現する情報処理装置であり、例えばパーソナルコンピュータ(タブレット型端末、ノート型PC、スマートフォン等)等であり得る。
【0016】
なお、図1に示す構成は例示であり、コンテンツ提供システム1の構成はこれに限定されるものではない。例えば、コンテンツサーバ11は複数存在してもよいし、クライアント端末13は1つであってもよい。また、コンテンツサーバ11とキャッシュサーバ12とがLAN等の内部ネットワークを介して接続されてもよいし、キャッシュサーバ12とクライアント端末13とがインターネット等の外部ネットワークを介して接続されてもよい。また、クライアント端末13とコンテンツサーバ11とが直接通信可能であってもよい。
【0017】
図2は、実施形態に係るキャッシュサーバ12のハードウェア構成の一例を示す図である。ここで例示するキャッシュサーバ12は、制御装置51、記憶装置52、通信I/F(Interface)53、及びユーザI/F54を備える。
【0018】
制御装置51は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備えて構成されるプロセッサである。CPUは、ROM等の不揮発性記憶媒体に記憶されたプログラムに従いRAMをワーキングエリアとして動作し、各種機能を実現するための演算処理を行う。
【0019】
記憶装置52は、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)等の不揮発性記憶媒体を利用して構成されるストレージである。記憶装置52は、キャッシュサーバ12の機能を実現するために必要な各種データを記憶する。記憶装置52は、例えば、コンテンツサーバ11から配信されたコンテンツ、各クライアント端末13を管理するためのMIBファイル、クライアント端末13から受信したリクエストヘッダ(リクエスト情報)、コンテンツサーバ11から受信したレスポンスヘッダ等を記憶する。
【0020】
通信I/F53は、外部ネットワーク14を介したコンテンツサーバ11との通信、内部ネットワーク15を介したクライアント端末13との通信等を確立するためのデバイスである。ユーザI/F54は、ユーザ(管理者)との間で情報の送受を可能にするデバイスであり、例えばキーボード、ポインティングデバイス、ディスプレイ、スピーカ等であり得る。
【0021】
なお、図2に示す構成は例示であり、キャッシュサーバ12の構成は上記に限定されるものではなく、後述する機能を実現可能な範囲において適宜選択されるべきものである。
【0022】
図3は、実施形態に係るキャッシュサーバ12の機能構成の一例を示す図である。キャッシュサーバ12は、記憶部101、リクエスト取得部102、キャッシュ処理部103、コンテンツ送信部104、キャッシュ期限管理部105、更新処理部106、及び通知部107を備える。これらの機能的構成要素101~107は、図2に例示したハードウェア構成要素51~54、及びROM等に記憶されたプログラム等のソフトウェア構成要素の協働により構成される。
【0023】
記憶部101は、コンテンツサーバ11から受信したコンテンツを記憶(キャッシュ)する。また、記憶部101は、コンテンツのキャッシュ、読み出し等の処理に必要な各種データを記憶する。
【0024】
リクエスト取得部102は、クライアント端末13から送信されたリクエストヘッダを取得する。リクエストヘッダは、クライアント端末13が利用を要求するコンテンツを特定する情報、ユーザ(ライセンシー)を特定する認証情報を含む。リクエスト取得部102により取得されたリクエストヘッダは、記憶部101に記憶される。
【0025】
キャッシュ処理部103は、コンテンツサーバ11から受信したコンテンツを記憶部101にキャッシュするための処理を行う。
【0026】
コンテンツ送信部104は、リクエストヘッダに対応するコンテンツを記憶部101から読み出し、クライアント端末13に送信する。
【0027】
キャッシュ期限管理部105は、記憶部101にキャッシュされたコンテンツの保存期間を管理する。キャッシュ期限管理部105は、キャッシュされたコンテンツの保存期間が所定のキャッシュ有効期限内にあるか否かを判定する。キャッシュ有効期限は、例えば、所定の最大保存期間、コンテンツが作成又は変更された日からの経過期間に対する保存期間の割合、所定の最小保存期間等を考慮して設定され得る。なお、キャッシュ有効期限は上記に限定されるものではなく、使用状況、コンテンツの種類等に応じて適宜設定されるべきものである。
【0028】
更新処理部106は、キャッシュされたコンテンツの保存期間がキャッシュ有効期限を超えた場合に、当該コンテンツの更新(再送信)をコンテンツサーバ11に対して要求する更新要求処理を行う。更新処理部106は、例えば、保存期間が最大保存期間(例えば30日間等)を超えたか、又はコンテンツが作成又は変更された日からの経過期間に対する保存期間の割合が所定値(例えば90%等)を超えた場合に、更新要求処理を行ってもよい。また、更新処理部106は、保存期間が最小保存期間(例えば7日間等)に満たない場合には更新要求処理を行わなくてもよい。
【0029】
通知部107は、更新要求処理の対象となる(キャッシュ有効期限が切れた)コンテンツの更新がコンテンツサーバ11により拒否された場合(拒否レスポンスを受信した場合)に、当該更新が拒否されたコンテンツのライセンスが無効となっている(ライセンス有効期限が切れている)ことを示すライセンス期限情報をクライアント端末13に通知(送信)する。
【0030】
上記構成により、キャッシュサーバ12にキャッシュされているコンテンツのキャッシュ有効期限が切れたとき、キャッシュサーバ12が自動的に更新要求処理を実行し、更新要求処理の成否に基づき当該コンテンツのライセンスが有効であるか否かが判定される。そして、ライセンスが無効となっている場合(コンテンツの更新が拒否された場合)には、当該コンテンツのライセンスが無効となっていることがクライアント端末13に通知される。
【0031】
図4は、実施形態に係る更新要求処理及びライセンスの無効通知を行う際の処理の一例を示すフローチャートである。キャッシュ期限管理部105は、記憶部101にキャッシュされているコンテンツの保存期間がキャッシュ有効期限内か否かを判定する(S101)。保存期間がキャッシュ有効期限内である場合(S101:Yes)、本ルーチンは終了する。保存期間がキャッシュ有効期限内でない場合(S101:No)、更新処理部106は、当該コンテンツの更新(再送信)をコンテンツサーバ11に要求する(S102)。
【0032】
その後、更新処理部106は、コンテンツの更新がコンテンツサーバ11により許可されたか否かを判定する(S103)。コンテンツの更新が許可されなかった場合(コンテンツサーバ11から拒否レスポンスを受信した場合)(S103:No)、通知部107は、当該コンテンツのライセンスが無効となっていることをクライアント端末13に通知する(S104)。一方、コンテンツの更新が許可された場合(S103:Yes)、更新処理部106は、受信したコンテンツを使用してキャッシュデータを更新する(S105)。
【0033】
図5は、実施形態に係るキャッシュ有効期限とライセンスの有無とキャッシュデータの利用可否との関係の一例を示すテーブルである。図5に示すように、キャッシュ有効期限が有効であり、且つコンテンツのライセンスが有効である場合には、クライアント端末13はコンテンツを利用できる。キャッシュ有効期限が有効であり、且つライセンスが無効(期限切れ)である場合には、クライアント端末13はキャッシュサーバ12にキャッシュされているデータ又はクライアント端末13自身にキャッシュされているデータの範囲内でのみコンテンツを利用できる。この場合、当該キャッシュされているデータの範囲外の情報(例えばコンテンツサーバ11側で変更された情報、リンク先の情報等)を利用できない。キャッシュ有効期限が有効であり、ライセンスがない(ライセンス取得経歴がない)場合、クライアント端末13はコンテンツを利用できない。
【0034】
キャッシュ有効期限が無効であり、且つライセンスが有効である場合には、キャッシュサーバ12内のコンテンツが更新(コンテンツサーバ11から再送信)され、クライアント端末13はコンテンツを利用できる。キャッシュ有効期限が無効であり、且つライセンスが無効であるか又はない場合には、クライアント端末13はコンテンツを利用できない。
【0035】
図6は、実施形態に係るリクエストヘッダの一例を示す図である。ここで例示するリクエストヘッダ201は、クライアント端末13が利用を要求するコンテンツを特定可能にするif-non-matchヘッダ211を含む。if-non-matchヘッダ211の値は、コンテンツ毎に割り当てられる。また、同一のコンテンツであってもその内容が変更された場合には、if-non-matchヘッダ211の値が変更される。このようなif-non-matchヘッダ211を利用することにより、コンテンツサーバ11及びキャッシュサーバ12は、クライアント端末13から要求されているコンテンツを特定できる。また、このようなif-non-matchヘッダ211を利用することにより、クライアント端末13が取得したコンテンツやキャッシュサーバ12にキャッシュされているコンテンツの内容が最新の状態であるか否かを判定できる。なお、リクエストヘッダの構成は上記に限定されるものではなく、使用状況等に応じて適宜設計されるべきものである。
【0036】
図7は、実施形態に係るコンテンツ提供システム1においてライセンスが有効である場合における処理の一例を示すシーケンス図である。ここでは、1台目のクライアント端末13が複数回アクセスした後、2台目のクライアント端末13が複数回アクセスする場合を例示する。
【0037】
1台目のクライアント端末13の初回アクセス時において、1台目のクライアント端末13がリクエストヘッダ201を送信すると(S201)、コンテンツサーバ11は、当該リクエストヘッダ201に対応するコンテンツとレスポンスヘッダとをキャッシュサーバ12へ送信する(S202)。レスポンスヘッダには、例えばリクエストの許可/拒否を示す情報、コンテンツを特定可能にする情報(例えばif-non-matchヘッダ211と同じ値のヘッダ)等が含まれる。キャッシュサーバ12は、コンテンツサーバ11から受信したコンテンツをキャッシュし(S203)、当該コンテンツを1台目のクライアント端末13へ送信する。1台目のクライアント端末13は、キャッシュサーバ12からコンテンツを受信し、その使用を開始する(S204)。
【0038】
1台目のクライアント端末13の2回目以降のアクセス時において、1台目のクライアント端末13がリクエストヘッダ201を送信すると(S211)、キャッシュサーバ12は、当該リクエストヘッダ201に対応するコンテンツ(ここではキャッシュ有効期限内であるものとする)をキャッシュデータ(記憶部101)から読み出して1台目のクライアント端末13へ送信する(S212)。1台目のクライアント端末13は、受信したコンテンツが変更されているか否かを確認するためにif-non-matchヘッダ211を送信する(S213)。コンテンツサーバ11は、if-non-matchヘッダ211を受信すると、これに対応するコンテンツが変更されたか否かを示す情報(ここでは変更されていないことを示す"Not-Modified")を送信する(S214)。1台目のクライアント端末13は、Not-Modifiedを受信すると、キャッシュサーバ12から受信したコンテンツの使用を開始する(S215)。
【0039】
2台目のクライアント端末13の初回アクセス時において、2台目のクライアント端末13がリクエストヘッダ201を送信すると(S221)、コンテンツサーバ11は、当該リクエストヘッダ201に対するレスポンスヘッダを送信する(S222)。当該レスポンスヘッダには、リクエストヘッダ201(if-non-matchヘッダ211)に対応するコンテンツの内容が変更されたか否かを判定可能な情報が含まれている。ここでは、当該コンテンツは変更されていない(Not-Modifiedである)ものとする。キャッシュサーバ12は、レスポンスヘッダを受信すると、リクエストヘッダ201に対応するコンテンツ(ここではキャッシュ有効期限内であるものとする)をキャッシュデータから読み出して2台目のクライアント端末13へ送信する(S223)。2台目のクライアント端末13は、当該コンテンツを受信し、その使用を開始する(S224)。
【0040】
2台目のクライアント端末13の2回目以降のアクセス時において、2台目のクライアント端末13がリクエストヘッダ201を送信すると(S231)、キャッシュサーバ12は、当該リクエストヘッダ201に対応するコンテンツ(ここではキャッシュ有効期限内であるものとする)をキャッシュデータから読み出して2台目のクライアント端末13へ送信する(S232)。2台目のクライアント端末13は、受信したコンテンツが変更されているか否かを確認するためにif-non-matchヘッダ211を送信する(S233)。コンテンツサーバ11は、if-non-matchヘッダ211を受信すると、これに対応するコンテンツが変更されたか否かを示す情報(ここでは変更されていないことを示す"Not-Modified")を送信する(S234)。2台目のクライアント端末13は、Not-Modifiedを受信すると、キャッシュサーバ12から受信したコンテンツの使用を開始する(S235)。
【0041】
図8は、実施形態に係るコンテンツ提供システム1においてライセンスが無効である場合における処理の一例を示すシーケンス図である。クライアント端末13の初回アクセス時において、クライアント端末13がリクエストヘッダ201を送信すると(S301)、コンテンツサーバ11は、クライアント端末13のログインを許可し、コンテンツの利用を拒否する(S302)。
【0042】
クライアント端末13の2回目以降のアクセス時において、クライアント端末13はリクエストヘッダ201を送信する(S311)。キャッシュサーバ12は、当該リクエストヘッダ201に対応するコンテンツの保存期間がキャッシュ有効期限内である場合には、キャッシュデータから当該コンテンツを読み出してクライアント端末13へ送信する(S312)。クライアント端末13は、受信したコンテンツを、キャッシュサーバ12にキャッシュされた範囲内でのみ使用可能となる(S313)。このとき、クライアント端末13が受信したコンテンツのうち、キャッシュ時から変更された内容、外部サイトへのリンクが必要となる内容等については利用不可となる。
【0043】
キャッシュサーバ12は、キャッシュしているコンテンツのうち、保存期間がキャッシュ有効期限を超えたコンテンツについて、コンテンツサーバ11に対して更新要求処理を実行する(S321)。当該更新要求処理は、クライアント端末13からのリクエストの有無とは無関係に行われる。本例においては、当該コンテンツのライセンスが無効となっているため、コンテンツサーバ11は、更新要求処理の対象となるコンテンツの更新(再送信)を拒否する(S322)。キャッシュサーバ12は、コンテンツサーバ11から更新を拒否することを示すレスポンスを受信すると、当該更新を拒否されたコンテンツのライセンスが無効となっていることを各クライアント端末13に通知する(S323)。各クライアント端末13は、キャッシュサーバ12から受信した通知に応じて、当該コンテンツのライセンスが切れていることを示す警告表示を出力する(S324)。
【0044】
上記のような機能を実現するためのプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disc)-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R(Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供することが可能なものである。また、当該プログラムは、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布されてもよい。
【0045】
上記実施形態によれば、キャッシュサーバ12にキャッシュされているコンテンツのキャッシュ有効期限が切れたとき、キャッシュサーバ12が自動的に更新要求処理を実行し、更新要求処理の成否に基づき当該コンテンツのライセンスが有効であるか否かが判定される。そして、ライセンスが無効となっている場合(コンテンツの更新が拒否された場合)には、当該コンテンツのライセンスが無効となっていることがクライアント端末13に通知される。これにより、コンテンツを利用するためのライセンスを効率的に管理することが可能となる。
【0046】
また、上記実施形態において、更新処理部106は、コンテンツの保存期間が所定の最大保存期間を超えたか、又はコンテンツが作成又は変更された日からの経過期間に対する保存期間の割合が所定値を超えた場合に、更新要求処理を行う。キャッシュ有効期限をこのように設定することで、更新要求処理を適切なタイミングで実行できる。
【0047】
また、上記実施形態において、更新処理部106は、コンテンツの保存期間が所定の最小保存期間に満たない場合には更新要求処理を行わない。これにより、更新要求処理の実行頻度が不要に増加することを回避できる。
【0048】
また、上記実施形態において、リクエストヘッダ201(リクエスト情報)は、コンテンツの内容が変更されたか否かを判定可能にする情報(if-non-matchヘッダ211)を含む。これにより、リクエストヘッダ201に含まれる情報を利用して、クライアント端末13が取得したコンテンツやキャッシュサーバ12にキャッシュされているコンテンツの内容が最新の状態であるか否かを判定できる。
【0049】
以上、本発明の実施形態が例示されたが、上記実施形態は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、形式、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0050】
1…コンテンツ提供システム、11…コンテンツサーバ(サーバ)、12…キャッシュサーバ、13…クライアント端末(端末装置)、14…外部ネットワーク、15…内部ネットワーク、51…制御装置、52…記憶装置、53…通話I/F、54…ユーザI/F、101…記憶部、102…リクエスト取得部、103…キャッシュ処理部、104…コンテンツ送信部、105…キャッシュ期限管理部、106…更新処理部、107…通知部、201…リクエストヘッダ(リクエスト情報)、211…if-non-matchヘッダ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2021-08-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバから受信したコンテンツを記憶する記憶部と、
端末装置から前記コンテンツを特定する情報を含むリクエスト情報を取得するリクエスト取得部と、
前記リクエスト情報により特定される前記コンテンツを前記記憶部から読み出して前記端末装置に送信するコンテンツ送信部と、
前記記憶部に記憶された前記コンテンツの保存期間が所定の有効期限内にあるか否かを判定するキャッシュ期限管理部と、
前記保存期間が前記有効期限を超えた前記コンテンツの更新を前記サーバに対して要求する更新要求処理を、前記更新要求処理の対象となる前記コンテンツに対応する前記リクエスト情報が取得されたか否かに関わらず行う更新処理部と、
前記更新要求処理の対象となる前記コンテンツの更新が前記サーバにより拒否された場合に、更新が拒否された前記コンテンツを使用するためのライセンスが無効となっていることを前記端末装置に通知する通知部と、
を備えるキャッシュサーバ。
【請求項2】
前記更新処理部は、前記保存期間が所定の最大保存期間を超えたか、又は前記コンテンツが作成又は変更された日からの経過期間に対する前記保存期間の割合が所定値を超えた場合に、前記更新要求処理を行う、
請求項1に記載のキャッシュサーバ。
【請求項3】
前記更新処理部は、前記保存期間が所定の最小保存期間に満たない場合には前記更新要求処理を行わない、
請求項1又は2に記載のキャッシュサーバ。
【請求項4】
前記リクエスト情報は、前記コンテンツの内容が変更されたか否かを判定可能にする情報を含む、
請求項1~3のいずれか1項に記載のキャッシュサーバ。
【請求項5】
キャッシュサーバと端末装置とがネットワークを介して接続されたコンテンツ提供システムであって、
前記キャッシュサーバは、
サーバから受信したコンテンツを記憶する記憶部と、
端末装置から前記コンテンツを特定する情報を含むリクエスト情報を取得するリクエスト取得部と、
前記リクエスト情報により特定される前記コンテンツを前記記憶部から読み出して前記端末装置に送信するコンテンツ送信部と、
前記記憶部に記憶された前記コンテンツの保存期間が所定の有効期限内にあるか否かを判定するキャッシュ期限管理部と、
前記保存期間が前記有効期限を超えた前記コンテンツの更新を前記サーバに対して要求する更新要求処理を、前記更新要求処理の対象となる前記コンテンツに対応する前記リクエスト情報が取得されたか否かに関わらず行う更新処理部と、
前記更新要求処理の対象となる前記コンテンツの更新が前記サーバにより拒否された場合に、更新が拒否された前記コンテンツを使用するためのライセンスが無効となっていることを前記端末装置に通知する通知部と、
を備える、
コンテンツ提供システム。
【請求項6】
前記端末装置は、前記通知部からの通知に基づき前記コンテンツのライセンスが無効になっていることを示す情報を出力する、
請求項5に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項7】
コンピュータに、
サーバから受信したコンテンツを記憶装置に記憶させる処理と、
端末装置から前記コンテンツを特定する情報を含むリクエスト情報を取得する処理と、
前記リクエスト情報により特定される前記コンテンツを前記記憶装置から読み出して前記端末装置に送信する処理と、
前記記憶装置に記憶された前記コンテンツの保存期間が所定の有効期限内にあるか否かを判定する処理と、
前記保存期間が前記有効期限を超えた前記コンテンツの更新を前記サーバに対して要求する更新要求処理を、前記更新要求処理の対象となる前記コンテンツに対応する前記リクエスト情報が取得されたか否かに関わらず行う処理と、
前記更新要求処理の対象となる前記コンテンツの更新が前記サーバにより拒否された場合に、更新が拒否された前記コンテンツを使用するためのライセンスが無効となっていることを前記端末装置に通知する処理と、
を実行させるプログラム。